JP2005529411A5 - - Google Patents
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Description
本発明は一般に製造技術に関し、特に、包装のためのラベリング及びその他の印刷素材の生成に関する。
毎年、個人企業から大企業までにわたる複数の組織が、さまざまな製品を大量に生産し、配送している(又は出荷している)。製品と、それら製品を配送時に納める容器とには、典型的には、各種のラベル及びその他の印刷された包装材が添付されている。それぞれの製品は異なる容器を使用する場合があるため、異なるサイズ及び形状を有する印刷された包装材を必要とする。それに加えて、製造される製品は、当該製品が製造ラインを出る時点から配送されるまで多数の包装レベルを伴なう場合がある。さらに、健康管理(又は医療)産業及び製薬産業におけるように、各レベルにおけるラベルの形式や内容が厳しく規制されている場合がある。
大きな会社では、グラフィックスデザインやレイアウト包装等、ラベルを作成して印刷するための多数の異なるソフトウェアツールを使用している場合がある。組織全体で使用されている各種の包装材を調整して、全製品にわたりラベリングの規制を確実に遵守することは、当該組織にとって重要な課題となりうる。
一般に、本発明は、包装データの集中管理と、構築(アセンブル)と、配送の技術に関する。集中化された包装データ(CPD)管理システムが、複数の顧客向けのホストコンピュータ側の包装データと、顧客らが彼らの製品のための包装データを管理する際に使用するオンライン環境とを提供するシステムについて述べる。顧客らはCPD管理システムと対話して包装データを構築し、上記包装データを各遠隔の製造拠点、印刷センタ又はその他の出力場所にセキュリティを保持しながら配送する。このように、本システムにより、顧客らは、彼らの包装する製品及び製造された製品に添付する、印刷される出力素材を容易に制御することができる。
CPD管理システムは、包装材の生成及び検証を自動化するための複数の業務ルールを適用するための各種の特徴を含む。特に、CPD管理システムは、複数の規制官庁、複数の配送業者、及び外国税関等の外部データソースから規制及び遵守情報を自動的に検索して読み出すためのインターフェースを提供する。ルールエンジンは、ラベル又はその他の包装材の内容を検証するためのルールを適用し、それにより規制の遵守を保証する。それに加えて、顧客らは、包装材が彼らの特定の必要条件を満たすことを確立するように追加のルールを作成することができる。
さらに、CPD管理システムにより、顧客らは、複数の規制に基づいた包装データの迅速な構築のために、複数の包装テンプレートを容易にカスタマイズしかつ選択することができる。顧客らは、彼らの特定の業務に係る必要条件を反映するために、テンプレートを階層的かつ組織的に構成することができる。このように、CPD管理システムは、インテリジェントな包装データウェアハウスを提供し、顧客らは、製品に関連付けられたラベル及びその他の包装材のための包装データを作成し、検証し、及び配送するために、上記包装データウェアハウスと対話する。
1つの実施形態において、システムは、複数の製品向けの包装レコード及び関連付けられた包装データのセットと、当該包装レコード及び関連付けられたデータをルールのセットに従って検証するルールエンジンとを含む。
もう1つの実施形態において、媒体は、複数の顧客向けの複数の製品用の包装レコード及び関連付けられた包装データのセットと、上記顧客らからの入力に応答して包装レコードを作成するためのデータフィールドを有する再使用可能な包装テンプレートのセットとを含む。当該媒体はさらに、包装レコードを検証するためのルールのセットを含む。
もう1つの実施形態において、システムは、複数の顧客向けの再使用可能な包装テンプレートのセットを作成しかつ管理するためのテンプレートマネージャソフトウェアインターフェースを含む。ここで、当該テンプレートマネージャソフトウェアインターフェースは、包装テンプレートを組織的に構成するために、顧客が定義した複数の階層のノードに対して複数の包装テンプレートを登録する。当該システムはさらに、包装テンプレートに基づいて包装レコードのセットを作成しかつ管理するためのレコードマネージャソフトウェアインターフェースを含む。ここで、当該レコードマネージャソフトウェアインターフェースは、包装テンプレートの階層的な関係に基づいて、包装テンプレートのサブセットを提示する。
もう1つの実施形態において、方法は、複数のデータフィールドを有する再使用可能な包装テンプレートのセットを階層的に関係付けることと、包装テンプレートの階層的な関係に基づいて包装テンプレートのサブセットをユーザに対して選択的に提示することとを含む。当該方法はさらに、ユーザからの入力に応答して、提示された包装テンプレートの1個を選択することと、選択された包装テンプレートのフィールドに包装データを関連付ける包装レコードを生成することとを含む。
もう1つの実施形態において、オンライン包装データ管理システムは、複数の顧客向けに複数の包装テンプレート及び複数の包装レコードを集中的に記録する手段と、包装テンプレートに包装データを関連付ける手段と、包装の必要条件を定義するルールのセットに従い包装レコード及び関連付けられた包装データを検証する手段とを含む。当該システムはさらに、包装テンプレート及び包装レコードに対する更新を制御する手段と、包装レコードに従い出力場所で包装材を印刷する手段とを含む。
他のシステムと、方法と、命令やデータを記憶するコンピュータが読み取り可能な媒体とを含むこれらの実施形態及び他の実施形態について、以下、明細書及び請求の範囲において説明する。
本発明には1つ又はそれよりも多くの利点をもたらしうる。その1つとして、顧客が複数の事業単位及び複数の製造拠点にまたがる共通の管理プロセスを開発して、それにより非集中プロセス(分散プロセス)に固有の冗長性や非効率性を排除できる点が挙げられる。
顧客は、例えば、多様な事業単位向けの標準化されたグラフィックスを生成しかつ管理することができ、それにより、企業は流通チャンネルや顧客市場へ出て行くラベルの外観の一貫性及び正確さを向上させることができる。CPD管理システムは、新規な包装のためのラベル及びその他の印刷物をデザインしかつ作成するようにユーザらが共同作業する際に使用可能な集中化されたワークスペースを提供し、既存の包装テンプレートやグラフィックスの再使用を促進することによりサイクル時間を短縮することができる。それに加えて、CPD管理システムは包装材の生成及び検証を自動化するための複数の業務ルール及びその他の拘束条件を適用するための各種の特徴を含み、これにより規制の遵守を確実にする。
さらに、CPD管理システムにより、顧客は、包装データが印刷される出力媒体の各種のサイズやレイアウト及び形式を含む、包装データをより容易に制御しかつ管理することができる。特に、複数の製造拠点や印刷センタのような多数の出力場所は、同じ包装データを受信し、従って、包装材及び製造された製品用に同一のラベル及びその他の印刷素材を印刷することができる。当該システムはまた、変更を組織全体に迅速に伝送するための効率的な機構も提供する。
CPD管理システムのもう1つの利点は、ある設備から別の設備への製品の移転を支援する能力にある。換言すれば、包装データを集中管理できるので、会社は、ラベリング情報を転送する必要なく、製品をある製造設備から別の製造設備へ移転することができる。当該プロセスは、複数の独立したワークステーション上で動作する従来のデスクトップ型グラフィックデザインツールを用いた場合では困難であろう。
CPD管理システムは、包装データを生成しかつ保守するための改訂制御モジュールを提供する。当該システムは、例えば、包装テンプレートやグラフィックスをチェックインしかつチェックアウトする機構を含む。当該システムは、ラベルの変更を追跡して、改訂履歴及びその他の変更情報を提供することができる。
CPD管理システムによって提供されるもう1つの利点は、必要な際におけるこのようなシステムへの包装データの配信を合理化することにより「オンデマンド」印刷システムをサポートしかつ促進することにある。換言すれば、ある会社がある製品の製造を決定した際に、包装データを複数の印刷システムへ迅速に配信することができ、それにより、当該会社は、任意の「ジャストインタイム」方式の製造及び供給契約と、当該会社がサービスを提供できるその他の取引関係とを満たすことができる。それに加えて、本システムは、印刷時に、バッチコード、ロットコード、製造データ、シリアル番号等の情報を要求する「実行時」フィールドをサポートする。
本発明に係る1つ又はそれよりも多くの実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の詳細な説明により開示する。本発明に係る他の特徴、目的及び利点は、明細書の記載及び図面や、請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、顧客ら6が、包装データを容易に管理するために中央包装データ(CPD)管理システム4と対話し、複数の製造設備8によって製品7へ適用するための包装データを構築するシステム2を示すブロック図である。より具体的には、顧客6のうちの権限を有するユーザはネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、製造される製品のための包装ラベル又はその他の印刷された素材を生成しかつ管理する。複数の遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所は、製造された製品を包装する際にネットワーク9を介してCPD管理システム4と対話して、顧客による承認済みのラベルのための包装データを検索しかつ読み出す。
CPD管理システム4は、顧客ら6のために包装データのホスティング機能を提供する1つ又は複数のデータサーバを含む。このようなデータの例として、包装テンプレート、グラフィックス、規制を遵守していることの記載、翻訳、原材料又は成分のリスト、警告、及びその他の包装データが含まれる。CPD管理システム4は、顧客ら6のうちの与えられた1つの顧客のためのデータが他のどの顧客6からも一切アクセス不可能なこと保証するために、セキュリティを保持しながらデータを組織的に構成する。
顧客ら6は、CPD管理システム4と対話することにより、規制官庁10、配送会社12及び外国税関14を含む各種の多様な関係者からの要求を遵守しながら包装材を容易に生成することができる。換言すれば、CPD管理システム4は、製品7に関連付けられたラベル又はその他の包装材が、規制官庁10、配送会社12及び外国税関14によって提示される特定の必要条件を遵守することを保証するための、集中化されたインテリジェントシステムを提供する。
CPD管理システム4は、上記必要条件を考慮して、包装材の生成及び検証を自動化するための複数の業務ルール及びその他の拘束条件を適用するための各種の特徴を含む。例えば、以下に詳述するように、CPD管理システム4は、包装材の作成及び構築を制御するための複数のルール、関係、規制及びその他の制約を定義しかつ管理するためのインターフェースを提供する。CPD管理システム4に関連付けられたホスト又はその他のサービスプロバイダは、顧客6に対してルールの基本セットを提供することができる。それに加えて、顧客ら6は上記インターフェースと対話して、サービスプロバイダによって提供されるルールのセットを容易に増やすことができる。
さらに、CPD管理システム4は、顧客ら6が現在の必要条件に基づいて包装データを迅速に構築するための包装テンプレートを簡単に選択できるテンプレートマネージャを提供する。CPD管理システム4はさらに、構築された任意のラベル及びその他の包装材の内容を現在の必要条件を考慮して検証する包装ルールエンジンを含む。このように、CPD管理システム4は、製品7に関連付けられたラベル及びその他の包装材のための包装データを作成し、検証し、配送する際に顧客6が対話する、インテリジェントな包装データウェアハウスを提供する。
顧客6は、一般に、製造された製品のための包装データを管理する任意の組織を含むことができる。このように、CPD管理システム4は、個人事業者から大会社までの範囲にわたる、あらゆる規模の顧客6を支援することができる。例えば、顧客6は、包装を印刷センタ16へ外注する小企業を含むことができ、ウォルマート・ストアーズ・インコーポレイテッド(Wal-Mart Stores, Incorporated)、ベストバイ・カンパニー・インコーポレイテッド(Best Buy Company, Inc.)、インテル(Intel)、デル・コンピュータ・コーポレイション(Dell Computer Corporation)等のような、複数の複合的な製造設備8を有する大企業を含むことができる。配送会社10の例として、フェデラル・エクスプレス(Federal Express)、ユナイテッド・パーセル・サービス(United Parcel Service)、エアボーン・エクスプレス(Airborne Express)等が含まれる。規制官庁10の例として、食品医薬品局(FDA)、環境保護庁(EPA)等が含まれる。
CPD管理システム4により、顧客6はラベルを定義しかつ承認することができる。これには、サイズ、レイアウト、グラフィックス、フォーマット、警告メッセージ等を含む、印刷されるラベルのあらゆる外観や特徴の制御とともに、ラベルが印刷される出力媒体及び印刷装置の制御とが含まれる。このように、CPD管理システム4により、顧客は、製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所から市場に提示されるラベルのレイアウトや外観をより巧みに制御することができる。特に、CPD管理システム4は、顧客6が容易にかつセキュリティを保持したまま彼らの包装データを彼らの対応する製造設備8又はその他の出力場所へ伝送できるということを保証する。その結果、CPD管理システム4は、与えられた顧客6に対して、製造される製品7のために、異なる出力場所で同一のラベル及びその他の包装材を印刷できるということを保証する。それに加えて、顧客6は、CPD管理システム4を用いて、製造プロセスの間に使用される包装材を動的に制御することができる。
CPD管理システム4は任意のラベリング装置又はシステムとともに利用可能であり、また、ラベル又はその他の媒体を印刷することに使用可能であり、あるいは、折り畳み式カートン、箱、可撓性フィルム等の包装材の上に直接に印刷することに使用可能である。同様に、ここに定義するように、包装データは、例えば製造時点で製品に取り付けられた無線周波数識別(RFID)タグのプログラミングを含む、各種の包装目的に使用可能である。例えば、RFIDタグには、ロットコード、製造日、シリアル番号、UPCコード又はその他のラベルデータがプログラミングされてもよい。
顧客6、規制官庁10、配送業者12、及び外国税関14は、製造される製品のための包装ラベル又はその他の印刷される素材を生成しかつ管理するためにネットワーク9を介してCPD管理システム4と遠隔で対話する1つ又はそれよりも多くのユーザを有していてよい。ユーザは、事業単位内の包装エンジニア、製造設備8内のプラントオペレータ、規制官庁10又は外国税関14内の係官、配送会社12内のサービス代表者、グラフィックデザイン会社17内のグラフィックデザイナ、あるいは印刷センタ16内の顧客サービス代表者のような、権限を有する任意の個人であることが可能であり、地理的に分散していてもよい。CPD管理システム4と対話することにより、以下に述べるように、ユーザら4は、製造される製品のためのラベルを生成するとともに、包装データを作成し、更新し、アーカイブすることもできる。
法人顧客6の事業単位又はグラフィックデザイン会社17内のグラフィックデザイナは、例えばラベル上で使用するための会社の商標を表示する、特注のグラフィックスを作成することができる。包装エンジニアは、CPD管理システム4を用いて、製品のさまざまな「包装レベル」のために複数の包装テンプレートを作成しかつ複数のラベリング戦略を定義することができる。ここで言及するように、複数の包装レベルは、製品が製造ラインから出た時点から配送までに当該製品が通過する包装プロセスを記述する。あるラベルを包装レベル1に指定することは、例えば、当該ラベルが製品自体の上に直接に配置されるべきであることを示す場合がある。ラベルを包装レベル3に指定することは、10個の個々の製品を保持しているカートンの上にラベルが配置されるべきであることを示す場合がある。ラベルを包装レベル6と指定することは、12個のカートンが詰め込まれたケース上にラベルが配置されるべきであることを示す場合がある。最後に、テンプレートを包装レベル8に指定することは、200個のケースを載せて配送される木箱(crate)にラベルが配置されるべきであることを示す場合がある。製造設備8内のプラントオペレータは、CPD管理システム4と対話してラベルデータを検索しかつ読み出し、包装レベルに基づいて、与えられた製品のための適切なラベルを生成することができる。それに加えて、印刷センタ16内のサービス代表者は、CPD管理システム4から検索して読み出された包装データに基づいてラベルの大量印刷を実行することができる。
各ユーザは、典型的には、ネットワーク9を介したCPD管理システム4との通信及び対話に適した計算装置と対話する。例えば、ユーザは、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータを使用することができ、あるいは、カリフォルニア州サンタクララのパーム・インコーポレイテッド(Palm Inc.)からのパーム(商標)オーガナイザ(Palm organizer)、又はウィンドウズCE(Windows CE)装置等の携帯情報端末(PDA)をも使用することができる。通信装置は、CPD管理システム4と通信するために、典型的にはワシントン州レッドモンドのマイクロソフト・コーポレーション(Microsoft Corporation)からのインターネット・エクスプローラ(Internet Explorer:商標)等のウェブブラウザである、通信ソフトウェアを実行する。ネットワーク9は、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、又はワールドワイドウェブ等のグローバルなコンピュータネットワークのような、データ通信に適した任意の通信リンクを表す。
CPD管理システム4と対話することにより、顧客ら6は、彼らのそれぞれの製造設備8及び製品5向けに、集中化されたラベル管理プロセスをセキュリティを保持しながら確立することができ、従って分散プロセスに固有の冗長性や非効率性を排除することができる。与えられた会社に属するユーザらは、例えば、標準化されたグラフィックスを生成しかつ管理することができ、これにより、当該会社は、流通チャンネル及び顧客市場へ出て行くラベリングの外観をさらに一貫性を持たせかつ正確なものにすることができる。以下に述べるように、顧客ら6は、包装に使用されかつ種々のサイズ、レイアウトやフォーマットを含むラベルとともに、上記ラベルが印刷される出力媒体を制御しかつ管理することができる。これにより、顧客ら6は、彼らの製品5の上で又は彼らの製品5とともに配送されて市場に提示される包装情報の制御を向上させることができる。特に、与えられた顧客に対して、複数の製造設備8及び印刷センタ16等の複数の出力場所や、1つの場所内における複数の配送装置は、同じ包装データを受信し、従って、包装材及び製造される製品向けに、同一のラベル及びその他の印刷物を印刷することができる。その結果、CPD管理システム4へのアクセスを提供することにより、組織全体にわたりラベルの変更を普遍的かつ瞬間的に伝送することができる。
CPD管理システム4の1つの利点は、ある製造設備8からもう1つの製造設備への製品の移転を支援できることにある。換言すれば、CPD管理システム4は包装データを集中管理するので、例えば、顧客6は、ラベルのレンダリングに必要な1つ又は複数のデジタルファイル等のラベリング情報を転送する必要なく、製品をある製造設備からもう1つの製造設備へ移転させることができる。このプロセスは、典型的にはスタンドアローン型ワークステーション上で動作する従来のデスクトップ型グラフィックデザイン及びラベル作成ツールでは困難な場合がある。
CPD管理システム4のもう1つの特徴は、以下に述べるように、包装データを生成しかつ保守するための改訂制御モジュールが組み込まれている点にある。CPD管理システム4は例えば、ラベルを生成することと、製造設備8や印刷センタ14による使用のためにラベルを承認することと、後の照合のためにラベルをアーカイブしかつタイムスタンプを付与することとを含む、プロセスのあらゆる段階を通じて包装データを制御するための改訂制御モジュールを含む。CPD管理システム4は、例えば、包装テンプレート、グラフィックス、及び包装データ全般へのアクセスを制御するためのチェックイン及びチェックアウト手順をサポートする。さらに、CPD管理システム4のこれらの特徴は、ラベルの変更を追跡して、改訂履歴及びその他の変更情報を提供するのに有用である。
CPD管理システム4は、必要なときに当該システムへ包装データを配信する方法を合理化することにより「オンデマンド」印刷システムをサポートしかつ簡便化する。換言すれば、ある会社がある製品の製造を決定した場合に、包装データを複数の印刷システムへ迅速に配信することができ、それにより、当該会社は、任意の「ジャストインタイム」の製造及び供給契約と、その会社がサービスを提供する他の取引関係とを満たすことができる。
CPD管理システム4は、包装データ管理サービスの使用に対する料金を顧客6に請求することができる。CPD管理システム4は、例えば、顧客ら6のそれぞれによって記録されている、包装レコードの個数、テンプレートの個数及びグラフィックスの個数、又はそれらの任意の組み合わせの個数に基づいて、顧客ら6に対しデータウェアハウス料金を請求してもよい。CPD管理システム4はまた、複数の顧客6内のユーザらによるアクセス数に基づいて料金を請求してもよい。それに加えて、CPD管理システム4は、加入(又は定期契約)サービス料金を請求するか、又は印刷されたラベルの数量に基づいた料金を請求してもよい。
それに代わって、CPD管理システム4は、他のサービスや包装材と組み合わされた付加価値サービスとして提供されてもよい。例えば、CPD管理システム4によって提供されるサービスは、包装テープ等の包装材の販売と合わせて顧客6に提供されてもよい。
図2は、受け取り側企業、規制官庁、配送会社、外国税関等、各種の多様な関係者からの要求に従う包装材を生成するために顧客6が対話する、CPD管理システム4の実施形態の例を示すブロック図である。
ウェブサーバ20は、顧客6がネットワーク9を介してCPD管理システム4と通信する際に使用するインターフェースを提供する。1つの構成において、ウェブサーバ20は、ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト・コーポレイションからのインターネット・インフォメーション・サーバ(Internet Information Server:商標)等のウェブサーバソフトウェアを実行する。このように、ウェブサーバ20は、複数のソフトウェアモジュール21に従って顧客ら6と対話するための環境を提供する。これらのモジュールは、アクティブサーバページ(Active Server Pages)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)又は動的HTMLで記述されたウェブページ、アクティブX(Active X)モジュール、ロータス(Lotus)スクリプト、Javaスクリプト、Javaアプレット、分散コンポーネントオブジェクトモジュール(DCOM)等を含むことができる。
ソフトウェアモジュール21は、ウェブサーバ20によって提供される動作環境内で動作する「サーバ側」ソフトウェアモジュールとして図示されているが、顧客ら6によって使用される計算装置上で動作する「クライアント側」ソフトウェアモジュールとしても容易に実装可能である。ソフトウェアモジュール21は例えば、計算装置上で動作しているウェブブラウザにより実行されるアクティブXモジュールとして実装可能である。
ソフトウェアモジュール21は、テンプレートデザインツール22、テンプレートマネージャ24、グラフィックデザインツール26、グラフィックスマネージャ28、管理(Admin)モジュール30、レコードマネージャ32、出力マネージャ34、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)36、テンプレート選択モジュール37及びルールエンジン38を含む多数のモジュールを含んでいてよい。ソフトウェアモジュール21は、データサーバ40と対話することにより、顧客データ42A、テンプレート42B、包装レコード42C、構成(config)データ(又は設定データ)42D及び包装ルール42Eを含みうるデータ42へアクセスする。データ42は、データ記憶ファイルか、もしくは1つ又は複数のデータベースサーバ上で動作する1つ又は複数のデータベース管理システム(DBMS)かを含む各種の形式で記憶されることが可能である。データベース管理システムは、関係データベース管理システム(RDBMS)、階層データベース管理システム(HDBMS)、多次元データベース管理システム(MDBMS)、オブジェクト指向データベース管理システム(ODBMS又はOODBMS)、又はオブジェクト関係データベース管理システム(ORDBMS)であってよい。データ42は例えば、マイクロソフト・コーポレーションからのSQLサーバ等の単一の関係データベース内に記憶されることが可能である。
顧客データ42Aは、ラベル又はその他の包装材に印刷するテキスト、グラフィックス、又は顧客6によってアップロードされるその他のデータを含む。テキストデータの例として、警告、原材料のリスト、追跡番号、部品リスト、翻訳等が含まれる。グラフィックスは、商標、ロゴ及びその他のイメージ画像等の、会社のグラフィックスを含むことができ、例えば、JPEG、TIFF、GIFF、PDF等を含む多数のフォーマットのうちの任意のもので記憶される個々の画像ファイルとして記憶されることが可能である。
テンプレート42Bは、製品7に関連付けられたラベル及びその他の包装材を作成するためのテンプレートを記憶し、典型的には、レイアウト、フォーマット、及び所定数のフィールドを記述する。包装レコード42Cは、顧客ら6により包装テンプレート42Bから生成された包装データを記憶する。特に、包装レコード42Cは、テキスト、グラフィックス又はその他のデータ等の包装データを、包装テンプレート42Bのフィールドに関連付けるレコードを含む。構成データ42Dは、例えば、権限を有する顧客6、ユーザと会社の選好情報、ラベルのための好適な出力ストック(基板)、及び利用可能なプリンタを含む構成データを記憶する。それに加えて、構成データ42Dは、顧客6、製造設備8、及び製造プロセスの間に使用される各種の包装レベルを定義するデータを含む。
テンプレートデザインツール22は、包装テンプレート42Bを作成するためにオンラインのデザイン及びレイアウト機能を提供する。換言すれば、テンプレートデザインツール22は、顧客ら6がテンプレートを構築する際に使用可能なグラフィカルユーザインターフェースを提供する。このプロセスの間、顧客ら6は、典型的にはテンプレートのサイズ及びレイアウトを定義するとともに、場合によっては印刷時に包装データを取り込むため所定数のフィールドを選択する。特に、顧客ら6は、一意的に識別されるフィールドのセットからフィールドを選択することによりテンプレートを定義する。特定のフィールドタイプが利用できない場合、顧客ら6は、現在のテンプレート及び将来のテンプレート内で使用する所望のフィールドタイプを作成することができる。テンプレートデザインツール22は、オンラインかつウェブに基づくテンプレートデザインツールとして図示されかつ説明されているが、テクリンクス(Teklynx:商標)からのコードソフト(CodeSoft:商標)やラベルビュー(LabelView:商標)等の従来型のラベルデザインソフトウェアを含んでもよく、独立した計算装置上で動作してもよい。
包装テンプレートを作成した後で、顧客6は、テンプレートマネージャ24と対話して、上記テンプレートをCPD管理システム4に「チェックイン」する。このプロセスの間、テンプレートマネージャ24は、テンプレートデザイナ22によって生成されたデータであって、典型的には所定数のフィールドを定義する埋め込まれたコードを有するテキストファイルであるデータを解析(パージング)して、解析済みデータをテンプレート42B内へ記憶する。チェックインプロセスの間、ユーザは、テンプレートの分類に必要なすべての情報を提供するが、これらの情報には例えば、包装テンプレートの名前、テンプレートを使用する可能性のある適切な顧客6、ラベルが適用可能な市場、テンプレートの「管理者(trustee)」、及びテンプレートを適用すべき対応する(複数の)包装レベルが含まれる。テンプレートを記述した後で、ユーザはテンプレートデザインツール22により生成されたファイルをCPD管理システム4へアップロードし、CPD管理システム4は、当該ファイルをテンプレート42Bに記憶する。
さらに、顧客ら6は、テンプレートマネージャ24と対話して、複数の包装テンプレート42Bを階層的かつ組織的に構成することができる。換言すれば、テンプレートマネージャ24により、顧客ら6は、複数の包装テンプレート42Bを組織的に構成する1つ又は複数の階層的な関係を定義しかつ維持することができる。各顧客6は、彼らの各包装テンプレートを組織的に構成する各階層を定義することができ、彼らの必要性(ニーズ)に基づいて上記階層をカスタマイズすることができる。
1つの階層は多数のレベルを含んでいてもよく、各レベルは、各種の包装の拘束条件及びその他の基準に対応する多数のノードを含んでいてもよい。例えば、階層は、製品ライン、産業、原産国、宛先国、選択された配送会社、受け取り人等の基準に対して定義されていてもよい。顧客ら6は、各テンプレートを階層のうちの1つの各ノードに関連付けるようにテンプレートマネージャ24に対して命令することにより、新規作成されたテンプレートを「登録する」。詳細後述するように、レコードマネージャ32は、顧客ら6が現在の必要条件に基づいて適切な包装テンプレートを容易に選択するように複数の階層を横断的に探索する際に使用可能なインターフェースを提供する。
グラフィックデザインツール26は、企業の商標やロゴ等のグラフィックスを作成するための、ウェブに基づくデザインツールを提供する。換言すれば、グラフィックデザインツール26は、顧客6が画像を構築する際に使用可能なグラフィカルユーザインターフェースを提供する。それに代わって、顧客6は、アドビシステム・インコーポレイテッド(Adobe System Incorporated)からのアドビフォトショップ(Adobe Photoshop:商標)、又はコレル・インコーポレイテッド(Corel, Inc.)からのコレルドロー(Corel Draw:商標)等の従来型のグラフィックデザインソフトウェアを用いてもよい。
会社のラベルのためのグラフィックスを作成した後で、顧客6は、グラフィックスマネージャ28と対話して、上記グラフィックスをCPD管理システム4へチェックインする。このプロセスの間、顧客6は、典型的には、JPEG、GIF、TIFF、又はPDFファイル等のグラフィックファイルをCPD管理システム4へアップロードし、CPD管理システム4は、当該ファイルをグラフィックスデータ記憶装置42Aに記憶する。
管理(admin)モジュール30は、システム管理者等の権限を有するユーザがCPD管理システム4を構成する(又は設定する)際に使用するインターフェースを提供する。システム管理者は、例えば、アクセス権の設定を含む顧客6のアカウントを管理し、会社及びユーザの多数の選好情報を定義することができる。会社の選好情報の例として、所望の言語による翻訳、署名欄、及び推奨されるラベルのストックが含まれる。ユーザの選好情報の例として、モジュール21へのユーザアクセス権とともに、各ユーザのための承認されたプリンタが含まれる。管理モジュール30により、システム管理者が顧客ら6のアクセス権を定義して各種のソフトウェアモジュール21へのアクセスを制御することができる。このように、すべてのユーザがソフトウェアモジュール21のすべてにアクセスできる訳ではない。例えば、グラフィックデザイナはグラフィックスデザイナソフトウェアモジュール26及びグラフィックスマネージャ28へのアクセス権を有するが、プラントオペレータには出力マネージャ34へのアクセス権しか与えないようにできる。
さらに、システム管理者は管理モジュール30と対話して、包装や製造に用いるラベルを特徴付けて記述するための論理カテゴリ及び階層を定義することができる。システム管理者は、例えば、市場、事業単位、及びレベル1乃至8のような包装レベルの階層等のカテゴリを定義することができる。それに加えて、システム管理者は、CPD管理システム4によってサポートされている所定数のラベルフィールドを定義することができる。
レコードマネージャ32により、顧客6は、包装テンプレート42B、顧客データ42A、及び構成データ42Dに基づいて、製造される製品に関連付けられた、ラベル又はその他の印刷される素材を定義することができる。換言すれば、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、包装テンプレート42Bに基づいて包装材のための新規な包装レコード42Cを作成し、テンプレートのフィールドにテキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入する。
包装レコードを作成するために、顧客6は、最初にレコードマネージャ32に対し包装テンプレート42を選択するように命令する。レコードマネージャ32は、このプロセスを容易化するために、顧客6が現在の配送の必要条件に基づいて適切な包装テンプレートを容易に選択するように複数の階層を横断的に探索する際に使用可能なインターフェースを提供する。特に、レコードマネージャ32には、顧客6が選択した階層に基づいて包装テンプレートをフィルタリングするための決定木論理が組み込まれている。顧客6が階層を横断的に探索する際に、レコードマネージャ32は、木の中で現在選択されているノードに対して登録された包装テンプレートのセットを選択的に提示する。このように、レコードマネージャ32により、顧客6は記憶された包装データを詳しく調べて(ドリルダウンして)、包装材を構築して出力するために適切なテンプレートを選択することができる。例えば、レコードマネージャ32は、製品ライン、原産国、宛先国、産業、配送会社、受け取り人等の情報を顧客6に要求することができる。レコードマネージャ32は、提供された基準に合致する包装テンプレート42Bのセットを提示する。
テンプレートを選択した後で、顧客6は、レコードマネージャ32と対話して、テンプレートのフィールドに、テキスト、グラフィックス又はその他のデータを記入し、記入済みテンプレートを新規な包装レコード42Cとして記憶する。特に、レコードマネージャ32は、顧客6がテンプレートのための定義されたフィールドにさまざまな特徴や特性を設定する際に使用可能なインターフェースを提供する。ユーザは、例えば、テキスト又はグラフィック要素フィールドに対して「動的スケーリング」を使用可能にして、CPD管理システム4に、対応するテキストのためのフォントサイズを動的に選択させたり又はグラフィック要素のサイズを動的に調整させたりすることで、テキスト又はグラフィック要素の全体がラベルフィールド内で表示可能になるようにする。
包装テンプレート42Bを包装レコード42C中に構築するプロセスの間、レコードマネージャ32は、ルールエンジン38に包装レコードの内容を検証させる。ルールエンジン38は、包装ルール42Eを考慮してレコードの内容を検証する。包装ルール42Eは、規制官庁による規制、特定の配送会社又は受け取り人の要求等、特定の拘束条件を表す可能性がある。包装ルール42Eは、包装レコード42Cを構築するプロセスの間に顧客ら6に対してコメント又は示唆等の情報を含むテキストを提供するために使用されてもよい。例えば、包装ルール42Fは、「あなたが選択した宛先国であるドイツと選択した産業であるヘルスケアとに基づいて、あなたの包装レコードがグループコードとリサイクル回数を含んでいることを確認してください。」と表示するように作成されてもよい。
包装ルール42Eの適用を制御するために、それぞれの包装ルールを包装テンプレート42Bの1つ又はそれよりも多くのフィールドに関連付けることができる。上述のように、包装テンプレート42Bは、一意的に識別されるフィールドのセットで形成されている。顧客6はレコードマネージャ32と対話して、包装レコード42Cを検証するための包装ルール42Eを定義し、当該ルールを1つ又はそれよりも多くのフィールドに関係付ける。新規な包装レコード42Cを構築するプロセスの間にレコードマネージャ32により起動された場合、ルールエンジン38は、新規な包装レコードのフィールドに包装ルール42Eを選択的に適用する。より具体的には、ルールエンジン38は、新規な包装レコードに対し、新規な包装レコードのフィールドの一意的な識別子に基づいて包装ルール42Eを選択して適用する。
包装テンプレート42Bと同様に、包装ルール42Eを階層的かつ組織的に構成してもよい。レコードマネージャ32は、顧客6が包装ルール42Eを組織的に構成するための1つ又はそれよりも多くの階層的な関係を定義しかつ維持する際に使用するインターフェースを提供する。各顧客6は、彼らの各包装テンプレートを組織的に構成する各階層を定義することができ、彼らのニーズに基づいて階層をカスタマイズすることができる。包装テンプレート42Bと同様に、顧客6は、さまざまな包装の拘束条件及びその他の基準に対応するノードを有する多数のレベルを含む階層を定義することができる。顧客6は、必ずしも新規な階層を作成する必要はないが、共通の階層を用いて包装テンプレート42B及び包装ルール42Eの両方を組織的に構成することができる。顧客6は、各ルールを階層のうちの1つの各ノードに関連付けるようレコードマネージャ24に命令することにより、新たに作成した包装ルール42Eを「登録」する。CPD管理システム4に対するサービスプロバイダ又はその他のホストは、基本ルールのセットを提供することができる。顧客6は、これらのルールを、構築の際に包装レコード42Cを検証するための各顧客に特有のルールで増強することができる。
レコードマネージャ32は、形式的な制御モジュール及び手順を統合化して、包装レコード42Cを生成しかつ保守するプロセスを管理する。レコードマネージャ32は、例えば、包装レコード42Cの生成を、作成から承認及びアーカイブへの保存に至るまで制御するための改訂制御モジュールを含む。レコードマネージャ32は例えば、包装レコードへのアクセスを制御するためのチェックイン及びチェックアウト機構をサポートし、レコードに対する変更を追跡して改訂履歴及びその他の変更情報を提供する。各包装レコードは、ドラフト、ペンディング、承認済み、アーカイブ済み、陳腐化、置き換え済み等の、対応する状態を有する。
検証が済むと、顧客6は包装レコードの状態を「ドラフト」から「承認済み」へ変化させる。それに応答して、レコードマネージャ34は、PDF(ポータブルドキュメントフォーマット)出力等の、ラベルの電子画像を生成し、上記画像にタイムスタンプを付与してアーカイブする。あるバージョンの画像を低解像度の「サムネイル画像」として記憶することにより、ユーザは高解像度の画像全体を読み出すことなく即座に識別することを容易化できる。レコードマネージャ32は、対応する包装レコードからのデータに対して、アーカイブされたラベル画像を関連付けることにより、インデックスの付与や高速の読み出しが可能になる。このように、CPD管理システム4は、製品7に関連付けられたラベル及びその他の包装材のための包装データの作成、検証及び配送のために顧客6が対話する、インテリジェントな包装データウェアハウスを提供する。
出力マネージャ34はラベル印刷のあらゆる局面を制御する。顧客6がテンプレートを作成して、上記テンプレートをCPD管理システム4へ入力し、上記テンプレートのための対応するレコードを作成して上記テンプレートのフィールドに記入すると、出力マネージャ34は、包装レコードが製造設備8又は印刷センタ16における印刷のために利用可能であるとマーキングする。承認済み状態を有するレコードのみが製造設備8へ「公開」される、すなわち出力マネージャ34を介して顧客6に対して利用可能にされる。これにより、顧客6は、製造設備8のうちの1つが早まって未承認ラベルを使う恐れを気にすることなく、データを管理し、新規なラベルを追加し、かつラベルを更新できるようになる。後述するように、デザインを行なっている間に、実行時フィールドをテンプレートに追加することができ、それにより、印刷時に情報の入力を促すプロンプトを出力マネージャ34に表示させる。実行時情報の例として、バッチコード、ロットコード、製造日、シリアル番号等を含む。一実施形態において、ラベル管理システムは、追跡(トラッキング)及びトレースの目的で、ラベル又はその他の素材が印刷される際に実行時データを記憶する。
アプリケーションプログラミングインターフェース(API)36は、外部の計算装置との直接的な接続を確立する機能を提供する。API36は、そのような装置がCPD管理システム4を自動的に制御したり、又はそのような装置から自動的にデータを検索して読み出したりできるようにするために使用可能である。例えば、遠隔の計算装置によって提供されるスクリプト又はコマンドラインインターフェース等のフロントエンドモジュールは例えば、API36と直接に通信して、他のソフトウェアモジュール21によって提供されるインターフェースをバイパスすることができる。このように、フロントエンドモジュールはCPD管理システム4と自動的に対話して出力を制御することができる。その結果、企業内システムに接続して、例えば製品情報を組み込むような場合にAPI36は有用となりうる。それに加えて、製造時にAPI36を用いてラベル及びその他の印刷される素材のための実行時情報を自動的に提供することができる。
API36により、CPD管理システム4は、顧客6、規制官庁10、配送会社12、外国税関14のデータソース等の、外部データソースに直接的にアクセスすることもできる。レコードマネージャ32は例えば、顧客6によって保守されるデータソースから直接的に包装データを検索して読み出すためにAPIを呼び出すことができる。
図3は、CPD管理システム4の動作例に係る高レベルの概要を示すフローチャートである。最初に、CPD管理システム4のサービスプロバイダ又はその他のホストのシステム管理者は、管理モジュール30と対話してCPD管理システムを構成する(45)。例えば、権限を有するユーザは、新規顧客6を追加し、ユーザアカウントをセットアップし、選好情報やアクセス権等を定義することができる。それに加えて、システム管理者は、包装テンプレート42B、包装ルール42Eの基本的なセットとともに、テンプレート及びルールを組織的に構成するための階層を作成することができる。このプロセスの間、CPD管理システム4は、規制官庁10、配送会社12、及び外国税関14等の外部データソースに自動的にアクセスして、規制及び遵守情報を検索して読み出すことができる(46)。CPD管理システム4は、収集された情報に基づいて包装ルール42Eを更新し、それにより規制の遵守が保証される。
次いで、顧客6の権限を有するユーザは、テンプレートデザインツール22及びテンプレートマネージャ24と対話して、各顧客に特有の付加的な包装テンプレートを生成しかつこの新規なテンプレートを定義された階層に登録する(47)。同様に、ユーザは、レコードマネージャと対話して、彼らの包装レコード42Cを検証するための各顧客に特有の付加的な包装ルールを生成しかつ登録する(48)。ユーザはまた、グラフィックデザインツール26及びグラフィックスマネージャ28と対話して、ラベル又はその他の包装材に印刷する、会社によって承認済みのグラフィックスを生成しかつ管理することができる(50)。
次に、ユーザはレコードマネージャ32と対話して、最初に包装テンプレート42Bのうちの1つを選択することにより新規な包装レコード42Cを作成する。上述のように、レコードマネージャは決定木論理を呼び出して、テンプレートの階層的構成に基づいて、包装テンプレート42Bのサブセットをフィルタリングしかつ提示することができる(52)。
ユーザは、テンプレートを選択した後で、テキスト、グラフィックス又はその他の包装データをテンプレートの各種フィールドに記入することにより、新規な包装レコードを構築する(54)。レコードマネージャ32は、与えられたフィールドに記入するために、ユーザから入力データを受信すること、データベースサーバ40からデータを検索して読み出すこと、API36を介して1つ又はそれよりも多くの外部データベースからデータを検索して読み出すこと等を行なうことができる。記入が完了したとき、又は記入プロセスの間に、レコードマネージャ32はルールエンジン38を呼び出し、包装ルール42Eを適用することによって各フィールドの内容を検証する(56)。レコードマネージャ32により検証されて、ユーザにより承認されたならば、レコードマネージャ32は包装レコードに対して「承認済み」とマーキングすることにより、製造設備8からのアクセスを許可する(58)。遠隔の製造設備8、印刷センタ16又はその他の出力場所は出力マネージャ34と対話して、顧客6向けの包装レコード42Cをセキュリティを保ちながら検索して読み出し、製造される製品7のための承認済みラベル又はその他の素材を印刷する(59)。
図4は、CPD管理システム4の動作に係るもう1つの高レベルの概要を示すブロック図である。図示されたように、顧客6の権限を有するユーザはレコードマネージャ32と対話して、複数の包装テンプレート42Bから1つのテンプレートを選択する。上述のように、レコードマネージャ32は決定木論理を呼び出して、テンプレートの階層的構成に基づいて包装テンプレート42Bをフィルタリングしてそのサブセットを提示することができる。
ユーザは、テンプレートを選択した後で、テキスト、グラフィックス又はその他の包装データをテンプレートの各種フィールドに記入することにより、新規な包装レコード62を構築する。与えられたフィールドに記入するために、レコードマネージャ32は、CPD管理システム4によりウェアハウスに保存された顧客データ42Aからの入力を検索して読み出すことができる。それに加えて、レコードマネージャ32は、顧客データベース等の外部データソースから顧客データを検索して読み出すことができる。
特に、包装テンプレート内の各フィールドは、データを直接的に検索して読み出すために、外部データソースにマッピングされていてもよい。データ転送を容易化するために、レコードマネージャ32は拡張可能マークアップ言語(XML)又はその他のデータ記述言語に準拠するデータソースをサポートしていてもよい。
特に、包装テンプレート内の各フィールドは、データを直接的に検索して読み出すために、外部データソースにマッピングされていてもよい。データ転送を容易化するために、レコードマネージャ32は拡張可能マークアップ言語(XML)又はその他のデータ記述言語に準拠するデータソースをサポートしていてもよい。
それに加えて、レコードマネージャ32は、外部データソースへ自動的にアクセスして、配送データ64、規制データ65、及び税関データ66等の規制及び遵守情報を検索して読み出すことができる。レコードマネージャ32は、このデータの一部を、包装材に印刷すべき内容として包装レコード62に直接に組み込むことができる。例えば、配送データ64は、ラベル又はその他の包装材に印刷されるべき、選択された配送会社からの指示を含んでいてもよい。さらに、レコードマネージャ32は、収集された情報に基づいて包装ルール42Eを更新することができる。ルールエンジン38は、新規作成された包装レコード62の内容に包装ルールを適用して、配送データ64、規制データ65、税関データ66、又はその他の外部データソースから収集された情報を考慮するとともに、各顧客に特有の包装ルール、あるいはCPD管理システム4のためのサービスプロバイダによって作成されたルールを考慮して、上記内容を検証する。検証が完了したとき、遠隔の製造設備8又はその他の出力場所は出力マネージャ34と対話して包装レコード62を検索して読み出し、ラベル又はその他の包装材を印刷する。
図5は、CPD管理システム4内で包装テンプレート22及び業務ルール28を組織的に構成するための例示的な階層70,71を示す。この例において、例示的な各階層70,71は、複数のノードを有する3レベルの階層を備えている。包装テンプレート及び業務ルールは任意のノードに対して登録することができ、簡単な使用のためにテンプレート及び業務ルールを階層的な方式で構成している。
特に、階層70は、消費者ノード72Aを有する第1レベルと、小売店ノード72Bを有する第2レベルと、ウォルマートノード72C及びターゲットノード72Dを有する第3レベルとを定義する。階層70は、例えば、消費者向け製品を各種の小売業者に、すなわちウォルマート・ストアーズ・インコーポレイテッドやターゲット・ブランズ・インコーポレイテッド(Target Brands, Incorporated)の小売店に配送することに関する包装テンプレートを組織的に構成することに有用となりうる。
階層71は、健康管理(ヘルスケア)ノード73Aを有する第1のレベルと、配送業者ノード73B及び消費者ノード73Cを有する第2のレベルとを定義する。階層71はさらに、配送におけるさまざまな宛先向けのノード73D乃至73Gを有する第3のレベルを含む。階層71は、健康管理産業に属するさまざまな場所への製品の配送に関する包装テンプレートを組織的に構成する際に有用である。例えば、階層71の各種のノードに関連付けられた包装テンプレート及び業務ルールは、健康管理に関連した製品の配送に必要な規制情報を提供し、宛先に応じて変化する場合がある。
図6Aは、データベースサーバ40内にデータを記憶するための例示的な方式75を示すブロック図である。この例において、方式75はマイクロソフト・コーポレイションのSQLサーバ(SQL Server)等のリレーショナルデータベースのための方式を表す。方式75は、多数の関係付けられたテーブル77A乃至77Hを含む。各テーブルは、データを記憶するための1つ又はそれよりも多くの列(図示せず。)を含む。
消費者データ42Aは、製品データテーブル77B及びグラフィックデータテーブル77Cに記憶することができる。製品データテーブル77Bは、製品の識別子、バージョン、製品名、原産国、製品の商標、製品の説明、翻訳、製造場所の住所等の情報を記憶する、多数の関係付けられたテーブルを含んでいてもよい。グラフィックデータテーブル77Cは、グラフィック識別子、グラフィックスのタイプ及び説明等を記憶する、多数の関係付けられたテーブルを含んでいてもよい。
テンプレート及びレイアウトデータテーブル77Fは、包装テンプレート42Bを記憶し、テンプレート識別子、テンプレートフィールド識別子、フィールドタイプ、テーブルの所有者等を記憶する、多数の関係付けられたテーブルを含んでいてもよい。
ルールデータテーブル77Dは、ルールエンジン38によって適用される包装ルール42Eを記述するデータを記憶する。例えば、ルールデータテーブル77Dは、ルール識別子、フィールド識別子を記憶して、テンプレート及びレイアウトデータテーブル77Fの特定のフィールド識別子、ルールタイプ、必要条件又はルールを定義するデータ等にルールを関連付ける。特定のルールに対する必要条件は、必要な包装内容物用のブール論理、特定フィールド用のシンタックス及び内容を定義するXML方式等の、各種の形式で記憶することができる。
以下の疑似コードは、XML形式で記憶され、業務ルールのセット及びユーザに提示する情報の例を示す。
[数1]
<BusinessRuleList>
<BusinessRules>
<BusinessRule>* 教育分野に販売する場合、”再販売不可”を含む。</BusinessRule>
<BusinessRule>*この包装レベルにI 2オブ5バーコードを使用するにはバーの縦横比が5:2である必要がある。</BusinessRule>
<BusinessRule>* ラテンアメリカのスペイン語を使用するには、標準的用語をメキシコ税関で検証する必要がある。</BusinessRule>
<BusinessRule>* 製品の説明フィールドは、会社のガイドラインを遵守するためにタイムズ・ニュー・ローマンでなければならない。</BusinessRule>
</BusinessRules>
</BusinessRuleList>
<BusinessRuleList>
<BusinessRules>
<BusinessRule>* 教育分野に販売する場合、”再販売不可”を含む。</BusinessRule>
<BusinessRule>*この包装レベルにI 2オブ5バーコードを使用するにはバーの縦横比が5:2である必要がある。</BusinessRule>
<BusinessRule>* ラテンアメリカのスペイン語を使用するには、標準的用語をメキシコ税関で検証する必要がある。</BusinessRule>
<BusinessRule>* 製品の説明フィールドは、会社のガイドラインを遵守するためにタイムズ・ニュー・ローマンでなければならない。</BusinessRule>
</BusinessRules>
</BusinessRuleList>
階層データテーブル77Eは、包装テンプレート及び業務ルールを組織的に構成しかつフィルタリングするために作成して保守される各種の階層を記述するデータを記憶する。特に、階層データテーブル77Eは、ノード識別子と、ノードの記述と、ノードを階層的に相互に関係付けるデータと、テンプレートノードや事業ルールノード等のノードタイプとを記憶する。さらに、階層データテーブル77Eは、テンプレート及びレイアウトデータテーブル77Fに記憶された包装テンプレートと、業務ルールデータ77Dに記憶された業務ルールとにノードを関係付けるためのテンプレート識別子を記憶する。
製品の包装レベルのテンプレートデータテーブル77A、及び製品の包装レベルデータテーブル77AAは、包装テンプレートを記述して、製品のさまざまな「包装レベル」に関係付ける、すなわち製品が製造ラインから出た時点から配送までに通過する包装プロセスの包装レベルに関係付ける情報を記憶する。これらのテーブルは、製品の識別子、バージョン番号、包装レベル(「パックレベル」)識別子、翻訳、各種のレベルに対する印刷場所等を記憶することができる。
出力装置データテーブル77Hは、製造設備8及びその他の出力場所内の印刷装置を制御するデータを記憶する。例えば、出力装置データテーブル77Hは、装置の識別子、装置の説明、印刷場所等を記憶するテーブルを含む。
図6Bはルールデータテーブル77D及び階層データテーブル77Eの実施形態の例を示すブロック図である。図示された実施形態において、ルールデータテーブル77Dは4個のテーブルを含む。すなわち、新規なルールを定義し、各ルールのテキスト表現を記憶する業務ルールテーブル78Aと、ルールをテンプレートの特定のフィールド識別子に関連付ける業務ルールフィールドテーブル78Bと、異なる業務ルールのタイプを定義する業務ルールタイプテーブル78Cと、階層データテーブル77Eのノードテーブル79内で定義された階層のノードにルールを関連付ける業務ルールノードテーブル78Dとである。
図7は、テンプレートマネージャ24によって提示される、ウェブに基づくユーザインターフェース80の例を示す。権限を有するユーザは、「追加する」ボタン81をクリックすることによりテンプレートをCPD管理システム4にチェックインすることができ、その時点で、CPD管理システム4は固有の(一意的な)テンプレートID82を自動的に割り当て、公開状態83を「ドラフト」に初期化する。その時点でユーザはテンプレート名84を割り当てることができる。
テンプレートマネージャ24によって提供されるインターフェース80は、顧客6の全体でテンプレートを管理するための、企業によって定義される論理的なカテゴリをサポートする。例えば、新規なテンプレートを追加する際に、ユーザは、テンプレートが会社全体で利用できるように、テンプレートに対してグローバルとマーキングしてもよい。それに代わって、ユーザは、テンプレートに対して包装レベル、事業単位及び市場を指定してもよい。管理者(trustee)85は、チェックインされているテンプレートを変更する権限を有するユーザを示し、典型的には、グラフィックデザインツール22を使用してテンプレートを作成したユーザを示す。
多くの場合、ウィンドウ85に示されるように、あるテンプレートが古いテンプレート(旧テンプレート)に置き換わる場合がある。5×7等のテンプレートのサイズ87は、印刷時におけるテンプレートの物理的サイズを示す。テンプレートマネージャ24によって取得された全てのパラメータ及び属性はCPD管理システム4に記憶されて、レコードマネージャ32及び出力マネージャ34を含む他のソフトウエアモジュール21を介してユーザが後で利用することができる。ユーザは、ウィンドウ88内で、ラベルのための印刷素材を指定することができる。後述するように、ラベルを印刷する際、出力マネージャは、オペレータを支援するように、推奨される印刷素材を表示する。最後に、ユーザは、ウィンドウ89内にファイル名を入力することにより、テンプレートデザイナ22によって生成されたテンプレートファイルを添付することができる。
検索ウィンドウ90により、ユーザは、新規なテンプレートを作成する代わりに、記憶されている包装テンプレート42Bのうちの1つを探し出すことができる。テンプレートを発見した後で、ユーザはパラメータを変更して、「変更する」ボタン91を選択することができる。ユーザは、テンプレートを最終的に仕上げた後で、「承認する」ボタン92選択することによりテンプレートを「承認」して、テンプレートに利用可能とマーキングすることができる。
図8は、グラフィックスマネージャ28によって提示される、ウェブに基づくユーザインターフェース93の例を示す。権限を有するユーザは、インターフェース93によって提示される各種のフィールドに書き込んだ後で「追加する」ボタン86をクリックすることにより、グラフィックスをCPD管理システム4へチェックインすることができ、その時、CPD管理システム4は固有のグラフィックIDを自動的に割り当て、グラフィックの状態を「ドラフト」に初期化する。典型的には、ユーザはグラフィック名95を割り当てて、短い説明96を提供し、グラフィックファイルが置かれているロケーション97を提供する。
ユーザは、グラフィックをチェックインした後で、グラフィックを記述するデータを変更したり、又は画像自体を更新したりすることが可能である。インターフェース93は、チェックイン及び変更プロセスの間にユーザが画像をプレビューするために使用可能なビューワ98を提供する。「承認する」ボタン99を選択することによりグラフィックを承認した後で、グラフィックスマネージャ28は状態を承認済みに変えて、承認日100を記録する。
図9乃至図14は、レコードマネージャ32によって提示される、ウェブに基づくユーザインターフェース101の例を示す。一般に、インターフェース101は、ユーザが、テンプレートマネージャ22及びグラフィックスマネージャ28のそれぞれによってCPD管理システム4にアップロードされた包装テンプレート及びグラフィックスを用いて、包装する製品及び製造される製品に使用するためのラベルを定義することを可能にする。図6を参照すると、ユーザはレコードマネージャ32によって提示されるインターフェース101と対話して、選択されたテンプレートのフィールドに対するデータを提供する。ユーザは例えば、フィールドにテキスト、グラフィックス又はその他のデータを関連付けることができる。
包装レコードを作成するに、レコードマネージャ32へのアクセス権を有するユーザは「新規なレコード」ボタン102を選択し、その時、CPD管理システム4は、固有のラベルID103を自動的に割り当て、レコードの状態104を「ドラフト」に初期化する。固有のラベルIDは、例えば各ラベルに単一かつ一意的な管理番号を利用するラベリング変更管理プロセスを必要とする健康管理及び製薬の産業に見られる規制等の、規制を遵守するために有用である。
ユーザはまた、既存の包装レコードを選択して変更することもできる。インターフェース101は、レコードを選択するための2種類の機構を提供する。ユーザは、例えば、会社のラベルID105と、包装レベル106と、対応する製造される部品又は製品107とを提供することにより、CPD管理システム4に対して定義された論理的なカテゴリを横断的に探索することができる。与えられた会社のID番号102に対して、各種の包装レベルをカバーする多数のレコードが存在してもよい。これらのレコードは、すべての包装レベルに対してラベルに表示されなければならないメッセージ又は警告テキスト等の共通データを共有することが可能な、関連したファミリーを形成する。ラベルを見つけるための第2の方法は、固有のラベルID103を提供することである。
もう1つの実施形態において、レコードマネージャ32は多数のグラフィックのサムネイル画像を表示し、ユーザは、それらのグラフィックのサムネイル画像から所望の包装テンプレートを選択する。レコードマネージャ32は次いで、選択された包装テンプレートに関連付けられたグラフィックスを画像で表示して、対応するフィールドに重ねて表示する(オーバーレイする)。
CPD管理システム4は、包装レコードを作成する際に、更新されたラベルを製造設備8が使用するときをユーザが制御できるようにする。これは、医療や製薬産業におけるように、ラベルが変化した特定の時点を製造会社が記録するよう求められる厳格な規制を受ける産業において有用であろう。特に、ユーザはレコードを「パススルー型」又は「非パススルー型」に分類することができる。出力マネージャ34は、更新されたラベルが「パススルー型」に指定されていれば、当該更新されたラベルを直ちに使用する。ユーザがパススルー型包装レコードを承認すると、直ちに旧レコードが置き換えられて、旧レコードに対するラベルの画像がPDF等のグラフィックフォーマットでアーカイブされることにより、旧ラベルの永久レコードが作成される。
非パススルー型ラベルの場合、出力マネージャ34は、更新された包装レコードが、置き換えられる包装レコードに代えて使用されるときを製造設備8が制御できるようにする。これは、バッチ実行の終了まで又は現在の在庫品を使い切るまで等の所望の期間にわたって、製造設備8が旧ラベルを印刷できるようにするものである。このプロセスの間、CPD管理システム4は、会社のID番号により制御された包装レコード42C内の複製の包装レコードを自動的に保持する。製造設備8は、旧レコードを更新されたものに置き換えるときを選択できる。
インターフェース101は、テキストやグラフィックス等の情報を、選択されたラベルテンプレート内の対応するフィールドにマッピングするための多数のデータ入力ウィンドウ108を提供する。換言すれば、データ入力ウィンドウ108は、承認済みの会社の包装ラベル上に存在することが可能な情報であり、システム管理者又はその他の権限を有するユーザにより最初に定義される情報の論理的要素を提供する。一実施形態において、インターフェース101は選択されたテンプレートに存在するフィールドのみを表示する。この実施形態において、レコードマネージャ32は、対応する包装テンプレートに対して定義されたフィールドを決定し、それらのフィールドをデータ入力ウィンドウ108内に提示する。データ入力ウィンドウ108は、テンプレート作成の間、ユーザからの入力がテンプレートマネージャ24内で定義された拘束条件に合致することを必要としてもよい。この方法で、テンプレートは各フィールドの文字数及びフォーマットを制御することができる。
製品データ入力ウィンドウ108Aは、選択された包装レコードに対する製品特有のデータを取り込むものであり、製品の主なデータ入力ウィンドウ110A、原産地−住所データ入力ウィンドウ110B、及び自由なテキストデータ入力ウィンドウ110Cを含む3つのウィンドウを含む。図10に示すように、原産地−住所データ入力ウィンドウ110Bにより、ユーザは、製品の原産国112、ラベルに利用可能な翻訳114、及び製造業者の住所116を指定することができる。自由なテキストデータにより、ユーザは、ラベルに「50%値引き」や又は「1個買えば1個無料進呈」等のさまざまなメッセージを追加することができる。
図11は、ユーザインターフェース101の包装レベルデータ入力ウィンドウ108Bを示す。包装レベルデータ入力ウィンドウ108Bにより、ユーザは製造する製品のための包装レベルを識別することができる。特に、ユーザは、各包装レベル122内で製品の数量120を定義し、各レベルにおけるサイズや重量等の各種の特徴を定義することができる。さらに、ユーザは、各包装レベルについて構成部分及び容器を表すグラフィックのアイコンを選択することができる。ウィンドウ124は包装プロセスをグラフィック表示する。
図12は、ユーザインターフェース101のテンプレート−部分データ入力ウィンドウ108Cを示す。テンプレート−部分データ入力ウィンドウ108Cにより、ユーザは、現在の包装レコードに対応するテンプレート126を識別することができ、テンプレート−部分データ入力ウィンドウ108Cは、ラベルをグラフィックに表すとともにラベルに関連付けられた対応するフィールド130をグラフィックに表す画像128を表示する。
図13は、ユーザがテンプレート内の各種のフィールド134にグラフィックス132を割り当てることができる、ユーザインターフェース101のグラフィックスデータ入力ウィンドウ108Dを示す。グラフィックス132は、BITMAP、JPEG、TIFF、GIFF、EPS等を含む任意のタイプのフォーマットであってよい。
図14は、ユーザがラベルのために1つ又は複数の言語136を選択して、1つ又は複数のフィールドに翻訳テキスト138を入力できる、ユーザインターフェース101の翻訳データ入力ウィンドウ108Eを示す。このように、ラベルのいずれのテキストも、多言語で表記されることが可能である。一実施形態において、CPD管理システム4はユニコード(Unicode)に準拠しており、広範な文字セットを容易にサポートできる。
再び図9を参照すると、ユーザがデータ入力プロセスを完了したならば、ユーザは、「承認する」ボタン140を選択することによりラベルを承認することができる。承認されたならば、レコードマネージャ32は、グラフィックスと、選択されたラベルのフィールドに関連付けられた他のデータとに基づいて、結果のラベルの画像をPDFファイル等として生成する。それに加えて、レコードマネージャ32は、画像にタイムスタンプを付与して画像をアーカイブすることにより、製造設備8による使用のために利用できる真正なラベルの視覚的表現を記録する。CPD管理システム4は、アーカイブされた画像に対して現在のレコードからのデータを関連付けることにより、インデックスの付与及び高速の読み出しが可能になる。
図15乃至図17は、出力マネージャ34によって提供される、ウェブに基づくユーザインターフェース140の例を示す。一般に、インターフェース140が製造設備8よるラベル印刷のあらゆる局面を制御する。図15を参照すると、製造設備8の1つにおけるプラントオペレータ等のユーザは、最初にデータソース選択ウィンドウ142と対話して、CPD管理システム4からネットワーク9を介して包装データを検索して読み出すか、それともデータ記憶装置42のローカルコピーから包装データを検索して読み出すかを選択する。このオプションは、ネットワーク9が利用不可能な状況にあってさえも製造を続行するために有用である。特に、CPD管理システム4は、データ記憶装置42又はその一部の内容の複製を、各製造設備8及び印刷センタ16内のローカルサーバに保存することができる。
データソースを選択した後で、ユーザは次いで検索ウィンドウ144を用いて所望の包装レコードを選択する。特に、ユーザは、固有のラベルIDを入力するか、又は会社のID及び対応する包装レベルと部品を入力することができる。承認済み状態を有する包装レコードのみが、ユーザにとって、出力マネージャ34を介して利用可能となっている。これにより、事業単位4は製造設備8が早まって未承認ラベルを使う恐れを気にすることなく、包装データを管理し、新規なラベルを追加し、ラベルを更新できるようになる。
図16に示すように、ラベルが識別されると、出力マネージャ34は包装レコード42Cからラベルの詳細データを検索して読み出し、ウィンドウ146内にデータを表示する。インターフェース140は、ユーザによる照合のためにこの情報を編集不能な形式で表示する。それに加えて、インターフェース140は、例えばロット番号やバッチコード等のデータを取り込むために、フィールド150及び152等の任意の実行時フィールド148を表示する。次いで、プラントオペレータは、数量150及び利用可能なプリンタ152を選択する。上述のように、出力マネージャ34は、構成データ42D内のアクセス設定に基づいて、利用可能なプリンタ152のリストを制御する。
図17に示すように、出力マネージャ34の承認済みラベルウィンドウ154を見ることにより、印刷されたラベル又は他の包装材を、レコードマネージャ32によってアーカイブされている承認済み包装レコードとの比較で照合する能力が提供される。より具体的には、ユーザは典型的には単一のラベルを印刷し、ビュースクリーン156に表示されるアーカイブされた画像に対して、上記印刷されたラベルを比較することができる。アーカイブされたラベルに対する照合は、従来型システムで一般に利用可能な印刷プレビューを実行するよりもさらに正確である。印刷プレビューは、真正な承認済みバージョンを表示することとは対照的に、単に印刷されようとしている包装レコードを表示するだけである。この特徴は規制を受ける産業において特に有用であろう。ユーザは、ラベルを照合すると、印刷モード及び数量を選択し、個々に、連続的に、又はその組み合わせで印刷する。それに代わって、ユーザは、生成されたラベルを、EPS又はビットマップ等の各種のフォーマットで、コンピュータが読み取り可能なファイルに記憶してもよい。ユーザは次いで、大量のバッチ印刷を実行するように、生成されたラベルを高機能印刷サービスへ配送してもよい。
図18は、製造設備8のうちの1つ等の出力場所において出力マネージャ34により生成された2つのラベルの例162,164を示す。各ラベル162,164は、対応する包装レコードにより各包装テンプレートのフィールドに関連付けられた各種のテキスト及びグラフィックスを含む。
本発明に係る各種の実装及び実施形態について説明してきた。例えば、製造される製品のための包装ラベル又はその他の印刷される素材を生成して管理するための管理システムについて説明した。システムの構成要素はサーバ側の構成要素、クライアント側の構成要素、又はその組み合わせにより実装可能である。それにもかかわらず、本発明から逸脱することなく各種の変更が施され得ることを理解されたい。従って、これら及び他の実施形態は添付の請求の範囲に含まれる。
2…システム、
4…中央包装データ(CPD)管理システム、
6…顧客、
7…製品、
8…製造設備、
9…ネットワーク、
10…規制官庁、
12…配送会社、
14…外国税関、
16…印刷センタ、
17…グラフィックデザイン会社、
20…ウェブサーバ、
21…ソフトウェアモジュール、
22…テンプレートデザインツール、
24…テンプレートマネージャ、
26…グラフィックデザインツール、
28…グラフィックスマネージャ、
30…管理(Admin)モジュール、
32…レコードマネージャ、
34…出力マネージャ、
36…アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、
37…テンプレート選択モジュール、
38…ルールエンジン、
40…データサーバ、
42…データ、
42A…顧客データ、
42B…包装テンプレート、
42C,62…包装レコード、
42D…構成データ、
42E…包装ルール、
64…配送データ、
65…規制データ、
66…税関データ、
77A…製品の包装レベルのテンプレートデータテーブル、
77AA…製品の包装レベルデータテーブル、
77B…製品データテーブル、
77C…グラフィックデータテーブル、
77D…ルールデータテーブル、
77E…階層データテーブル、
77F…テンプレート及びレイアウトデータテーブル、
77H…出力装置データテーブル、
78A…業務ルールテーブル、
78B…業務ルールフィールドテーブル、
78C…業務ルールタイプテーブル、
78D…業務ルールノードテーブル、
79…ノードテーブル、
80,101,140…ユーザインターフェース、
162,164…ラベル。
4…中央包装データ(CPD)管理システム、
6…顧客、
7…製品、
8…製造設備、
9…ネットワーク、
10…規制官庁、
12…配送会社、
14…外国税関、
16…印刷センタ、
17…グラフィックデザイン会社、
20…ウェブサーバ、
21…ソフトウェアモジュール、
22…テンプレートデザインツール、
24…テンプレートマネージャ、
26…グラフィックデザインツール、
28…グラフィックスマネージャ、
30…管理(Admin)モジュール、
32…レコードマネージャ、
34…出力マネージャ、
36…アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、
37…テンプレート選択モジュール、
38…ルールエンジン、
40…データサーバ、
42…データ、
42A…顧客データ、
42B…包装テンプレート、
42C,62…包装レコード、
42D…構成データ、
42E…包装ルール、
64…配送データ、
65…規制データ、
66…税関データ、
77A…製品の包装レベルのテンプレートデータテーブル、
77AA…製品の包装レベルデータテーブル、
77B…製品データテーブル、
77C…グラフィックデータテーブル、
77D…ルールデータテーブル、
77E…階層データテーブル、
77F…テンプレート及びレイアウトデータテーブル、
77H…出力装置データテーブル、
78A…業務ルールテーブル、
78B…業務ルールフィールドテーブル、
78C…業務ルールタイプテーブル、
78D…業務ルールノードテーブル、
79…ノードテーブル、
80,101,140…ユーザインターフェース、
162,164…ラベル。
Claims (1)
- 階層的に関係付けられた再使用可能な複数の包装テンプレートのセットであって、包装データを格納する複数のデータフィールドを有する複数の包装テンプレートのセットを格納するデータベースと、
新規な包装テンプレートを作成するためのインターフェースであって、上記新規な包装テンプレートを上記階層における包装テンプレートに関連付けるためのインターフェースを提示するテンプレートマネージャと、
上記再使用可能な複数の包装テンプレートに基づいて、複数の顧客に関連付けられた複数の製品に対する複数の包装レコード及び関連付けられた包装データのセットの作成及び変更を制御するレコードマネージャと、
複数のルールのセットに従って上記包装レコード及び関連付けられた包装データを検証するルールエンジンと、
上記複数の製品に関連付けられた複数の包装材を印刷する複数の出力センタへ上記複数の包装レコードを伝送する出力マネージャとを備えたことを特徴とするオンライン包装データ管理システム。
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