【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光回折素子技術に係り、特に光学特性が良好な偏光回折素子およびその作製方法、ならびに光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、偏光方向によって回折効率が異なる偏光素子として様々のものが提案されており、中でも光ディスク用ピックアップの小型化を目的とする薄型のピックアップ用偏光回折素子として複屈折回折格子型偏光回折素子が数種類提案されている。
【0003】
複屈折回折格子型偏光分離素子の従来例として、例えば特開昭63−314502号公報(特許文献1)に記載されたものがある。これは、複屈折光学結晶であるニオブ酸リチウム(LiNbO3)を基板として使用し、該基板に周期パターンでプロトン交換を施し、さらにプロトン交換領域上に誘電体膜を装荷した構造を形成し、プロトン交換領域において、屈折率が異常光線に対して増加し、且つ常光線に対しては減少するように構成されたものである。
【0004】
従って、上記公開公報の複屈折回折格子型偏光分離素子を用いると、プロトン交換領域での常光線の位相差を誘電体膜で相殺して、常光線を直進させるとともに、異常光線だけを回折させることが可能になる。
【0005】
しかしながら、このような複屈折回折格子型偏光分離素子は、小型化、量産化が可能で高い偏光分離度が得られる偏光分離素子であるが、製造過程において、結晶に対して周期的プロトン交換を行なうだけで数時間を要するため、作製に時間がかかるという問題があり、さらに基板に光学結晶を用いるため、製造コストが高くなるなど様々な問題を有している。
【0006】
そこで、これらの点を考慮し、特開平10−302291号公報(特許文献2)、特開2000−75130号公報(特許文献3)には、偏光回折素子を簡単な工程で安価に作製し得るようにするために、透明基板上に周期的凹凸格子を有する複屈折膜を周期的凹凸格子が外方を向くように備え、且つ複屈折膜上に等方性のオーバーコート材を被覆あるいは装荷し、複屈折回折格子型偏光回折素子を構成することが提案されている。中でも高分子複屈折膜を複屈折材料に用いた構成のものは材料コストも比較的安価であるため、大量生産が比較的容易になっている。
【0007】
また、さらに良好な光学特性を得るために、素子両面の平坦性、および素子の強度向上を目的とした構成として、図6の断面図に示す如き偏光回折素子100が提案されている。
【0008】
同図に示すように、偏光回折素子100は、ガラスやプラスチック等の透明基板101上の同一平面に周期的凹凸格子が形成された高分子複屈折膜103が接着層102により接着され、前記高分子複屈折膜103に等方性のオーバーコート材104で覆い、さらにオーバーコート材104が接着層も兼ねるようオーバーコート材に透明基板105を接着させた構成となっている。このような構成のものは、光学素子として強度があり、かつ生産性が良い構成となっている。図7は、図6に示す偏光回折素子のオーバーコート工程前の概略図である。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−314502号公報
【特許文献2】
特開平10−302291号公報
【特許文献3】
特開2000−75130号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公開公報に記載された従来技術は、周期的凹凸格子に関しては詳細な記述はなく、周期的凹凸格子形状で複屈折回折格子型偏光回折素子を略図解により提案しているのみにとどまっている。
【0011】
実際に光ピックアップで使用する偏光回折素子は、厚さが1mm〜4mm、大きさが2mm〜5mmのチップ形状であり、実際に周期的凹凸格子パターンを形成する部分はレーザー光が透過するチップの中央部分のみである。
【0012】
ところが、周期的凹凸格子はピッチが狭く(1.0μm〜10.0μmピッチ)、アスペクト比が高い格子である(2〜10)ため、作製後のオーバーコート材が充填されにくく、格子内に気泡の巻き込みが発生する。
【0013】
凹凸格子内に気泡が存在すると光学特性に悪影響を及ぼすばかりでなく、気泡部分が原因となり、剥がれ等が引き起こされやすく、素子の信頼性に不具合が生じることが確認されている。
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決し、凹凸格子内に気泡が巻き込まれにくく、光学特性が安定し、信頼性が高い偏光回折素子を提供すること、およびその作製方法を提供すること、ならびに該偏光回折素子を用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の如き構成を有している。
以下、各請求項毎の構成を記す。
【0016】
a)請求項1記載の偏光回折素子は、透明基板上に、周期的凹凸格子部を有する複屈折膜と、該複屈折膜の周期的凹凸格子部に充填された等方性のオーバーコート材を有する偏光回折素子であって、周期的な凹凸格子の凸部が周期的凹凸格子外の部分よりも凸となるように形成されている構成であることを特徴としている。
【0017】
b)請求項2記載の偏光回折素子は、請求項1において、さらに複屈折膜の上面側にオーバーコート材を介して他の透明基板を積層したことを特徴としている。
c)請求項3記載の偏光回折素子の発明は、請求項1または2において、さらに周期的凹凸格子を形成する複屈折膜が高分子複屈折膜である偏光回折素子を主要な特徴とする。
【0018】
d)請求項4記載の偏光回折素子は、請求項1から3のいずれかにおいて、さらに周期的凹凸格子を形成する複屈折膜が分子鎖を配向させた高分子複屈折膜であることを特徴としている。
【0019】
e)請求項5記載の偏光回折素子は、請求項4において、さらに、高分子複屈折膜が、延伸により分子鎖を配向させた高分子膜であることを特徴としている。
【0020】
f)請求項6記載の偏光回折素子の作製方法は、凹凸格子の凸部が該凹凸格子外の部分よりも凸となるような周期的凹凸格子を形成するための周期的な金属マスクパターンを作製し、この金属マスクパターンをマスクとしたドライエッチングにより複屈折膜に周期的凹凸格子を形成する工程を備えることを特徴としている。
【0021】
g)請求項7記載の偏光回折素子の作製方法は、請求項6において、ドライエッチングに酸素ラジカルを用いることを特徴としている。
【0022】
h)請求項8記載の偏光回折素子の作製方法は、請求項6または7において、金属からなる周期パターンの厚さが100Å〜1000Åであることを特徴としている。
【0023】
i)請求項9記載の偏光回折素子の作製方法は、請求項6から8のいずれか1項において、金属からなる周期パターンがAl、Cr、またはNiであることを特徴としている。
【0024】
j)請求項10記載の光ピックアップ装置は、レーザー光を出射するレーザー光源と、該レーザー光源から出射されたレーザー光を集束して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記レーザー光源と光記録媒体との間の光路上で前記レーザー光源から射出されたレーザー光を透過し、前記光記録媒体からの反射光を回折する請求項1〜5のいずれかに記載の偏光回折素子と、前記光記録媒体と前記偏光回折素子との間の光路上でレーザー光の偏光方向を換えるλ/4板と、前記偏光回折素子により回折された反射光を検出する光検出器とを備えることを特徴としている。
【0025】
本発明によれば、上記の構成により、光学特性が良好で信頼性がよい偏光回折素子およびその作製方法、ならびに光ピックアップ装置を実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を請求項毎に説明し、その後、具体的な実施例を説明し、最後に本発明の実施例と従来型の構成例(比較例)とを比較することによって本発明の効果を説明する。
【0027】
図1は、本発明における偏光回折素子の作製方法の工程例を示す概略図であり、図2は、本発明に係る周期的な凹凸格子の凸部が周期的凹凸格子外の部分よりも凸となるように形成されている偏光回折素子断面の一例の形状を示す概略図であり、図3は、図2に示す偏光回折素子のオーバーコート工程前の概略図である。
【0028】
図1に示すように、本発明に係る偏光回折素子の作製方法は、まず、透明基板1上に接着層2を介して複屈折膜3を装荷する(同図(a)参照)。次に、その上に金属材料を蒸着して金属膜(例えばAl)6を形成する(同図(b)参照)。
【0029】
さらに、その上にフォトレジストを塗布してフォトレジストパターン7を作成する(同図(c)参照)。次に、フォトレジストパターン7を用いて金属マスクパターン8を作成する(同図(d)参照)。次に、フォトレジストパターン7を除去する(同図(e)参照)。
【0030】
次に、金属マスクパターン8を用いて複屈折膜3をエッチングして表面に周期的な凹凸格子を形成する(同図(f)参照)。本発明は、このとき、後述するように、同図(c)に示す工程で、複屈折膜3の表面の周期的な凹凸格子の凸部が周期的な凹凸格子外の部分より凸になるように金属マスクパターン8(すなわち、フォトレジストパターン7)を作製しておくことが重要である。
【0031】
次に、金属マスクパターン8を除去する(同図(g)参照)。次に、複屈折膜3の凹凸格子上にオーバーコートする(同図(h)参照)。最後に、個々の偏光回折素子にダイシングする(同図(i)参照)。
【0032】
上記作製工程中のオーバーコート工程において、図1(h)に示すような凹凸格子にオーバーコート材を充填する場合、オーバーコート材を面に広げる際には、通常、気泡の巻き込みが発生してしまう。また、気泡を巻き込まない為にはオーバーコート剤を低粘度のものを使用する方法も考えられるが、完全には気泡の巻き込みを防止することができない。
【0033】
しかし、本発明のように、図3に示す如く、周期的な凹凸格子の凸部が周期的凹凸格子外の部分よりも凸となるように形成されている場合には、オーバーコート材を滴下して押し広げるような簡便な方法でも、オーバーコート材が面に広がると同時に格子内に充填され、また凹凸格子の端部より気泡が押し出され、格子内に気泡が巻き込まれることが無く、光学特性、信頼性共に優れた偏光回折素子となる(請求項1)。
【0034】
また、本発明の偏光回折素子を示す図2の断面図に示すように、オーバーコート材4が接着層となりさらに他の透明基板5が積層されることで、偏光回折素子の強度の向上および偏光回折素子両面の平行度が良好となり、安定した光学特性を得ることが可能となる(請求項2)。
【0035】
上記偏光回折素子に使用する複屈折膜は、大面積で且つ大量に低コストで作成されることを考慮すると、ポリカーボネイト(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、またはポリイミドなどの「高分子複屈折膜」であることが好ましい(請求項3)。
【0036】
さらに、上記「高分子複屈折膜」は、分子鎖が配向した高分子膜であることが好ましい(請求項4)。
【0037】
さらに、生産性を考慮すると延伸された有機高分子膜であることが特に好ましいと考えられる(請求項5)。
【0038】
周期的凹凸格子の形状制御は、ドライエッチングの手法を用いることが好ましい。ドライエッチングの場合には、エッチング時の条件(アンテナ電力、バイアス電力、ガス種、ガス流量、サンプル冷却温度等)を変えることで、アスペクト比が2.0〜10の形状が可能となる。より矩形に近い形状に作製するためにエッチングマスクとして金属マスクを用いることで、さらに容易となる(請求項6)。
【0039】
また、上記ドライエッチングとして、酸素ガス等から発生させた酸素ラジカルを用いたドライエッチングを行うことで、高い選択比でエッチングでき、高分子複屈折膜上に不純物が堆積すること無く、また高分子複屈折膜にダメージを与えること無く凹凸格子を形成することが可能となる(請求項7)。
【0040】
上記金属パターンは、膜厚が100Å〜1000Åであることが好ましく、例えば、100Å以下の場合にはエッチングマスクとして機能が不十分であり、1000Å以上の場合にはエッチング後の金属パターンの除去が困難になる(請求項8)。
【0041】
また、上記金属パターンの金属材料は、Al、Cr、またはNiであることが好ましい。これらの金属を用いることにより、均一な膜厚作製および除去が容易となり、簡便で低コストに作製することが可能となる(請求項9)。
【0042】
また、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光回折素子を用いた応用例として光ピックアップ装置がある。すなわち、レーザー光を出射するレーザー光源と、レーザー光源から出射されたレーザー光を集束して光記録媒体に照射する対物レンズと、レーザー光源と光記録媒体とのあいだの光路上で前記レーザー光源から射出されたレーザー光を透過し、前記光記録媒体からの反射光を回折する請求項1〜5のいずれかに記載の偏光回折素子と、光記録媒体と偏光回折素子とのあいだの光路上でレーザー光の偏光方向を換えるλ/4板と、偏光回折素子により回折された反射光を検出する光検出器とで光ピックアップ装置を構成すれば、光学特性の良好な光ピックアップ装置が得られる(請求項10)。
【0043】
なお、本発明は下記の実施例に制限されるものではなく、公知の手法を転用した様々な変形例が可能であることはいうまでもない。
【0044】
(実施例1)
図1を用いて、実施例1を具体的に説明する。
図1に示すように、厚さ500μmの透明基板1に、紫外線硬化型接着剤を用いて厚さ20μmの接着層2を設けることにより、厚さ100μmの高分子複屈折膜(図1では単に複屈折膜と記す)3を貼り合わせ、減圧下にて一体化させた後、紫外線を照射、100℃にて10分間ベーキングを行ない完全に接着層2を硬化させる(同図(a)参照)。
【0045】
その後、高分子複屈折膜3上に金属膜(ここではAl)を均一に500Å蒸着する(同図(b)参照)。
【0046】
さらに、金属膜(Al)6上にフォトレジスト7を塗布し、フォトリソグラフィーにより、周期パターン(□3.0×3.0mm/3.0μmピッチ Duty:0.5)を形成する(同図(c)参照)。
【0047】
レジストパターンをエッチングマスクとしてAlエッチャントによるウエットエッチングする(同図(d)参照)。
【0048】
次に、アセトンを用いてフォトレジスト7を除去し、高分子複屈折膜3上にAlからなる周期パターンを形成する。このように形成された金属膜(Al)パターンは、周期パターン外の部分(図の両端部分)には金属膜(Al)6が無い状態となる(同図(e)参照)。
【0049】
該金属膜(Al)パターンをエッチングマスクとしてNLD(磁気中性線放電)ドライエッチング装置にて下記に記す条件にてエッチングを行なった後(同図(f)参照)、金属膜(Al)マスクを除去し、高分子複屈折膜3に周期的凹凸格子形状を作成する(同図(g)参照)。
【0050】
ここで、周辺部に金属膜(Al)がないためエッチングが進み、周辺部より凹凸格子の凸部の方がより凸が大きくなる。
【0051】
本実施例におけるエッチング条件は、アンテナ電力1000W、バイアス電力200W、O2流量8.335×10−7m3/s、エッチング時間100sec.エッチング時サンプル冷却温度−30℃である。
【0052】
次に、周期的凹凸格子が形成されている高分子複屈折膜3側にオーバーコート材4となるエポキシ系紫外線硬化樹脂をボッティングし、その上に厚さ500μmの透明基板5をのせ適度に加圧し、凹凸格子内にオーバーコート剤を充填する(同図(h)参照)。
【0053】
紫外線照射後、100℃で10分間ベーキングを行ない、オーバーコート剤を完全に硬化させた後、ダイシング装置にて□5.0×5.0mmに切り出し、図2に示すような構成の偏光回折素子を作製した(同図(i)参照)。
【0054】
上記条件にて作製した周期的凹凸内には気泡の巻き込みはなく完全に格子内にオーバーコート剤が充填されているものであった。
【0055】
(実施例2)
実施例2において、周期パターンを(□3.0×3.0mm/2.0μmピッチ Duty:0.5)に変えた以外は実施例1と同様の作製法にて図2に示すような構成の偏光回折素子を作製した。
【0056】
(比較例1)
Al上に形成した周期パターン(□3.0×3.0mm/3.0μmピッチ Duty:0.5)を実施例1と白黒逆転したパターンのエッチングマスクとし、実施例1と同様の作成法にて、図6に示すような構成の偏光回折素子を作製した。
【0057】
上記条件にて作製した周期的凹凸内には、格子の一部に気泡の混入が確認された。
【0058】
(比較例2)
Al上に形成した周期パターン(□3.0×3.0mm/2.0μmピッチ Duty:0.5)を実施例2と白黒逆転したパターンのエッチングマスクとし、実施例1と同様の作成法にて、図6に示すような構成の偏光回折素子を作製した。
上記条件にて作製した周期的凹凸内には、格子の一部に気泡の混入が確認された。
【0059】
金属顕微鏡による観察で、周期的凹凸格子内に気泡の有無の検査を実施した。
また、光学特性に関して、680nmにおける透過率が30%以上のものを○、30%未満のものを×とした。図4は、実施例1、2、および比較例1、2の評価結果を示す図である。
【0060】
図4から、本発明の実施例1,2ともに気泡がなく透過率が良好な周期的凹凸格子が得られるが、比較例1、2では気泡が存在して透過率が悪い周期的凹凸格子しか得られないことがわかる。
【0061】
(実施例3)
図5は、本発明に係る光ピックアップ装置の一実施形態を示す図である。
光ピックアップ装置は、半導体レーザ光源31から放射される光を対物レンズ34により光記録媒体(光ディスク)の記録面上に光スポットとして集光し、記録面により反射された戻り光束を、対物レンズ34を介して光検出部36へ導きつつ、光ディスクに対し、情報の記録・再生・消去の1以上を行う光ピックアップ装置であり、レーザー光源31と対物レンズ34との間に偏光回折素子32が配置されている。ここで用いられる偏光回折素子32は図2に示すようなものである。
【0062】
より詳細に説明すると、図5の光ピックアップ装置では、半導体レーザ光源31からの光が回折光学素子(偏光回折素子)32を透過する。回折光学素子32は有機材料膜が有機複屈折膜のものであり「偏光ホログラム素子」として用いられ、光源側からの光はそのまま回折光学素子32を透過し、さらに、1/4波長板(λ/4板)33を透過し、対物レンズ34の作用により、光記録媒体(光ディスク)35面上に光スポットとして集光する。
【0063】
光記録媒体35の記録面により反射された光は「戻り光束」となって対物レンズ34、1/4波長板33を透過し、偏光面が当初の方向から90度旋回した直線偏光となり、回折光学素子32に入射し、回折光学素子32による回折作用を受けて光検出部36へ向けて偏向される。
【0064】
このとき、戻り光束には回折光学素子32により、例えば非点収差が与えられ、この光束は光検出部36で受光され、非点収差法によるフォーカシング信号、プッシュプル法によるトラッキング信号や再生信号を発生させる。
【0065】
即ち、図5の光ピックアップ装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光回折素子を、光源側からの光束の光路と、光ディスクからの戻り光束の光路とを光路分離するための偏光回折素子(偏光ホログラム素子)として用いたものである。
【0066】
【発明の効果】
本発明は次のような効果を有している。
以下、本発明の効果を各請求項毎に述べる。
【0067】
a)請求項1記載の発明によれば、複屈折膜の周期的凹凸格子の凸部が周期的凹凸格子外の部分よりも凸となるように形成することにより、オーバーコート材が充填されやすく、気泡の巻き込みがなく、光学特性を満足し、信頼性の高い偏光回折素子を提供することができる。
【0068】
b)請求項2記載の発明によれば、オーバーコート材上に別の透明基板を積層したので、偏光回折素子の強度の向上および素子両面の平行度が良好となり安定した光学特性を得ることができる。
【0069】
c)請求項3から5記載の発明によれば、複屈折膜を大面積で且つ大量に低コストで作製することができる。
【0070】
d)請求項6記載の発明によれば、偏光回折素子の周期的凹凸格子の形状を制御し作製することができる。
【0071】
e)請求項7記載の発明によれば、偏光回折素子の周期的凹凸格子の形状を制御することができ、高分子複屈折膜の特性に変化を与えることなく、作製することができる。
【0072】
f)請求項8および9記載の発明によれば、金属マスクを簡便に作製、除去することができ、低コストで作製することができる。
【0073】
g)請求項10記載の発明によれば、光学特性の良好な偏光回折素子を用いた光ピックアップ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における偏光回折素子の作製方法の工程例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る周期的な凹凸格子の凸部が周期的凹凸格子外の部分よりも凸となるように形成されている偏光回折素子断面の一例の形状を示す概略図である。
【図3】図2に示す偏光回折素子のオーバーコート工程前の概略図である。
【図4】実施例1、2、および比較例1、2の評価結果を示す図である。
【図5】本発明に係る光ピックアップ装置を説明するための図である。
【図6】従来の偏光回折素子の断面図である。
【図7】図6に示す偏光回折素子のオーバーコート工程前の概略図である。
【符号の説明】
1:透明基板、
2:接着層、
3:(高分子)複屈折膜、
4:オーバーコート材、
5:透明基板、
6:金属層(Al)、
7:フォトレジストパターン、
8:金属マスクパターン、
31:半導体レーザ光源、
32:偏光回折素子、
33:1/4波長板(λ/4板)、
34:対物レンズ、
35:光記録媒体(光ディスク)、
36:光検出部、
100:偏光回折素子、
101:透明基板、
102:接着層、
103:(高分子)複屈折膜、
104:オーバーコート材、
105:透明基板。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a polarization diffraction element technology, and more particularly to a polarization diffraction element having good optical characteristics, a method for manufacturing the same, and an optical pickup device.
[0002]
[Prior art]
In recent years, various types of polarizing elements having different diffraction efficiencies depending on the polarization direction have been proposed. Among them, there are several types of birefringent diffraction grating type polarizing diffraction elements as thin type polarizing diffraction elements for pickups for the purpose of miniaturizing optical disk pickups. Proposed.
[0003]
As a conventional example of a birefringent diffraction grating type polarization splitting element, there is one described in, for example, JP-A-63-314502 (Patent Document 1). This is to form a structure in which lithium niobate (LiNbO 3 ), which is a birefringent optical crystal, is used as a substrate, proton exchange is performed on the substrate in a periodic pattern, and a dielectric film is loaded on the proton exchange region. In the proton exchange region, the refractive index increases with respect to extraordinary rays and decreases with respect to ordinary rays.
[0004]
Therefore, using the birefringent diffraction grating type polarization splitting element disclosed in the above publication, the phase difference of the ordinary ray in the proton exchange region is canceled by the dielectric film, the ordinary ray goes straight, and only the extraordinary ray is diffracted. It becomes possible.
[0005]
However, such a birefringent diffraction grating type polarization separation element is a polarization separation element that can be miniaturized, mass-produced, and obtains a high degree of polarization separation. There is a problem that it takes a long time to fabricate because it takes several hours just to perform the process. Further, since an optical crystal is used for the substrate, there are various problems such as an increase in manufacturing cost.
[0006]
In view of these points, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 10-302291 and 2000-75130 (Patent Document 3) can manufacture a polarization diffraction element at a low cost by a simple process. A birefringent film having a periodic concavo-convex grating on a transparent substrate so that the periodic concavo-convex grating faces outward, and covering or loading an isotropic overcoat material on the birefringent film. It has been proposed to construct a birefringent diffraction grating polarization diffraction element. Among them, those using a polymer birefringent film as a birefringent material are relatively inexpensive in material cost, so that mass production is relatively easy.
[0007]
Further, in order to obtain better optical characteristics, a polarization diffraction element 100 as shown in a cross-sectional view of FIG. 6 has been proposed as a configuration for improving the flatness of both surfaces of the element and the strength of the element.
[0008]
As shown in the figure, the polarization diffraction element 100 has a polymer birefringent film 103 in which a periodic uneven lattice is formed on the same plane on a transparent substrate 101 such as glass or plastic, which is adhered by an adhesive layer 102. The molecular birefringent film 103 is covered with an isotropic overcoat material 104, and a transparent substrate 105 is adhered to the overcoat material so that the overcoat material 104 also serves as an adhesive layer. Such a configuration has a high strength as an optical element and a high productivity. FIG. 7 is a schematic view of the polarization diffraction element shown in FIG. 6 before an overcoating step.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-63-314502 [Patent Document 2]
JP-A-10-302291 [Patent Document 3]
JP 2000-75130 A
[Problems to be solved by the invention]
However, the prior art described in the above-mentioned publication has no detailed description of the periodic concave / convex grating, and only proposes a birefringent diffraction grating type polarization diffraction element with a periodic concave / convex lattice shape by a schematic illustration. ing.
[0011]
The polarization diffraction element actually used in the optical pickup has a chip shape with a thickness of 1 mm to 4 mm and a size of 2 mm to 5 mm. Only the central part.
[0012]
However, since the periodic uneven lattice has a narrow pitch (1.0 μm to 10.0 μm pitch) and a high aspect ratio (2 to 10), it is difficult to fill the overcoat material after fabrication, and air bubbles are generated in the lattice. Is involved.
[0013]
It has been confirmed that the presence of air bubbles in the uneven grid not only adversely affects the optical characteristics but also causes the air bubbles to cause peeling and the like, which causes a problem in the reliability of the element.
[0014]
The present invention solves the above problems, it is difficult for air bubbles to be caught in the uneven lattice, the optical characteristics are stable, and a highly reliable polarization diffraction element is provided, and a method for manufacturing the same is provided. An object of the present invention is to provide an optical pickup device using the polarization diffraction element.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configuration to achieve the above object.
Hereinafter, the configuration for each claim is described.
[0016]
a) The polarization diffraction element according to claim 1, wherein the birefringent film having a periodic uneven lattice portion on a transparent substrate, and an isotropic overcoat material filled in the periodic uneven lattice portion of the birefringent film. Wherein the convex portions of the periodic uneven lattice are formed so as to be more convex than the portions outside the periodic uneven lattice.
[0017]
b) The polarization diffraction element according to claim 2 is characterized in that, in claim 1, another transparent substrate is further laminated on the upper surface side of the birefringent film via an overcoat material.
c) The invention of the polarization diffraction element according to claim 3 is characterized in that, in claim 1 or 2, the polarization diffraction element in which the birefringent film forming the periodic uneven lattice is a polymer birefringent film.
[0018]
d) The polarization diffraction element according to claim 4 is characterized in that, in any one of claims 1 to 3, the birefringent film forming the periodic uneven lattice is a polymer birefringent film in which molecular chains are oriented. And
[0019]
e) The polarization diffraction element according to claim 5 is characterized in that, in claim 4, the polymer birefringent film is a polymer film in which molecular chains are oriented by stretching.
[0020]
f) The method for manufacturing a polarization diffraction element according to claim 6, wherein a periodic metal mask pattern for forming a periodic uneven grid in which the convex portions of the uneven grid are more convex than portions outside the uneven grid is provided. The method is characterized by comprising a step of forming and forming a periodic uneven lattice on the birefringent film by dry etching using the metal mask pattern as a mask.
[0021]
g) The method for manufacturing a polarization diffraction element according to claim 7 is characterized in that in claim 6, oxygen radicals are used for dry etching.
[0022]
h) The method for manufacturing a polarization diffraction element according to claim 8 is characterized in that, in claim 6 or 7, the thickness of the periodic pattern made of metal is 100 ° to 1000 °.
[0023]
i) The method for manufacturing a polarization diffraction element according to claim 9 is characterized in that, in any one of claims 6 to 8, the periodic pattern made of a metal is Al, Cr, or Ni.
[0024]
j) The optical pickup device according to claim 10, wherein the laser light source for emitting laser light, the objective lens for converging the laser light emitted from the laser light source and irradiating the optical recording medium, and the laser light source and optical recording. The polarization diffraction element according to any one of claims 1 to 5, wherein a laser beam emitted from the laser light source is transmitted on an optical path between the optical recording medium and the laser beam, and the reflected light from the optical recording medium is diffracted. A λ / 4 plate that changes the polarization direction of laser light on an optical path between a recording medium and the polarization diffraction element, and a photodetector that detects reflected light diffracted by the polarization diffraction element. I have.
[0025]
According to the present invention, a polarization diffraction element having good optical characteristics and high reliability, a method for manufacturing the same, and an optical pickup device can be realized by the above configuration.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described for each claim, then specific embodiments will be described, and finally, an embodiment of the present invention will be compared with a conventional configuration example (comparative example). The effects of the present invention will be described.
[0027]
FIG. 1 is a schematic view showing a process example of a method for manufacturing a polarization diffraction element according to the present invention, and FIG. 2 shows that the convex portions of the periodic concavo-convex lattice according to the present invention are more protruding than portions outside the periodic concavo-convex lattice. FIG. 3 is a schematic diagram showing an example of the shape of a cross section of a polarization diffraction element formed so as to be as follows. FIG. 3 is a schematic view of the polarization diffraction element shown in FIG. 2 before an overcoating step.
[0028]
As shown in FIG. 1, in the method for manufacturing a polarization diffraction element according to the present invention, first, a birefringent film 3 is loaded on a transparent substrate 1 via an adhesive layer 2 (see FIG. 1A). Next, a metal material is deposited thereon to form a metal film (for example, Al) 6 (see FIG. 2B).
[0029]
Further, a photoresist is applied thereon to form a photoresist pattern 7 (see FIG. 3C). Next, a metal mask pattern 8 is formed using the photoresist pattern 7 (see FIG. 4D). Next, the photoresist pattern 7 is removed (see FIG. 3E).
[0030]
Next, the birefringent film 3 is etched using the metal mask pattern 8 to form a periodic uneven lattice on the surface (see FIG. 6F). In the present invention, at this time, as described later, in the step shown in FIG. 3C, the convex portions of the periodic uneven lattice on the surface of the birefringent film 3 become more convex than portions outside the periodic uneven lattice. It is important to prepare the metal mask pattern 8 (that is, the photoresist pattern 7) as described above.
[0031]
Next, the metal mask pattern 8 is removed (see FIG. 3G). Next, an overcoat is formed on the uneven lattice of the birefringent film 3 (see FIG. 3H). Finally, dicing is performed on each polarization diffraction element (see FIG. 1 (i)).
[0032]
In the overcoating step in the above-described manufacturing step, when the uneven coating lattice is filled with the overcoating material as shown in FIG. 1 (h), when the overcoating material is spread over the surface, bubbles are usually involved. I will. Although a method of using a low-viscosity overcoat agent to prevent air bubbles from being involved is conceivable, it is not possible to completely prevent air bubbles from being involved.
[0033]
However, as shown in FIG. 3, when the convex portions of the periodic uneven lattice are formed so as to be more convex than portions outside the periodic uneven lattice as shown in FIG. 3, the overcoat material is dropped. Even with a simple method of spreading, the overcoat material spreads over the surface and fills the grid at the same time, and bubbles are pushed out from the end of the uneven grid, so that the bubbles do not get caught in the grid, A polarization diffraction element excellent in both characteristics and reliability is obtained (claim 1).
[0034]
Further, as shown in the cross-sectional view of FIG. 2 showing the polarization diffraction element of the present invention, the overcoat material 4 serves as an adhesive layer and another transparent substrate 5 is laminated thereon, thereby improving the strength of the polarization diffraction element and improving the polarization. The degree of parallelism of both surfaces of the diffraction element becomes good, and stable optical characteristics can be obtained (claim 2).
[0035]
Considering that the birefringent film used for the above-mentioned polarization diffraction element has a large area and is produced in large quantities at low cost, polycarbonate (PC), polyvinyl alcohol (PVA), polymethyl methacrylate (PMMA), polystyrene, It is preferably a “polymer birefringent film” such as polysulfone (PSF), polyethersulfone (PES), or polyimide (Claim 3).
[0036]
Further, the “polymer birefringent film” is preferably a polymer film in which molecular chains are oriented (claim 4).
[0037]
Furthermore, it is considered that a stretched organic polymer film is particularly preferable in consideration of productivity (claim 5).
[0038]
It is preferable to use a dry etching technique for controlling the shape of the periodic uneven lattice. In the case of dry etching, a shape having an aspect ratio of 2.0 to 10 can be obtained by changing conditions (antenna power, bias power, gas type, gas flow rate, sample cooling temperature, etc.) at the time of etching. The use of a metal mask as an etching mask in order to produce a shape closer to a rectangle is further facilitated (claim 6).
[0039]
In addition, by performing dry etching using oxygen radicals generated from oxygen gas or the like as the above dry etching, etching can be performed with a high selectivity, without depositing impurities on the polymer birefringent film, and without causing polymer deposition. An irregular lattice can be formed without damaging the birefringent film (claim 7).
[0040]
The metal pattern preferably has a thickness of 100 ° to 1000 °. For example, when the thickness is 100 ° or less, the function as an etching mask is insufficient. When the thickness is 1000 ° or more, it is difficult to remove the metal pattern after etching. (Claim 8).
[0041]
Further, the metal material of the metal pattern is preferably Al, Cr, or Ni. By using these metals, it is easy to produce and remove a uniform film thickness, and it is possible to produce the film simply and at low cost.
[0042]
An optical pickup device is an application example using the polarization diffraction element according to any one of claims 1 to 5. That is, a laser light source that emits laser light, an objective lens that focuses the laser light emitted from the laser light source and irradiates the optical recording medium, and the laser light source on the optical path between the laser light source and the optical recording medium. The polarization diffraction element according to any one of claims 1 to 5, which transmits the emitted laser light and diffracts the reflected light from the optical recording medium, on an optical path between the optical recording medium and the polarization diffraction element. If an optical pickup device is composed of a λ / 4 plate that changes the polarization direction of laser light and a photodetector that detects reflected light diffracted by the polarization diffraction element, an optical pickup device with good optical characteristics can be obtained ( Claim 10).
[0043]
It should be noted that the present invention is not limited to the following embodiments, and it goes without saying that various modifications in which known methods are diverted are possible.
[0044]
(Example 1)
Example 1 will be specifically described with reference to FIG.
As shown in FIG. 1, an adhesive layer 2 having a thickness of 20 μm is provided on a transparent substrate 1 having a thickness of 500 μm using an ultraviolet-curable adhesive, so that a polymer birefringent film having a thickness of 100 μm (in FIG. 3) are bonded together and integrated under reduced pressure, irradiated with ultraviolet rays, and baked at 100 ° C. for 10 minutes to completely cure the adhesive layer 2 (see FIG. 3A). .
[0045]
Thereafter, a metal film (here, Al) is uniformly deposited by 500 ° on the polymer birefringent film 3 (see FIG. 3B).
[0046]
Further, a photoresist 7 is applied on the metal film (Al) 6 and a periodic pattern (□ 3.0 × 3.0 mm / 3.0 μm pitch Duty: 0.5) is formed by photolithography (FIG. c)).
[0047]
Wet etching is performed with an Al etchant using the resist pattern as an etching mask (see FIG. 4D).
[0048]
Next, the photoresist 7 is removed using acetone, and a periodic pattern made of Al is formed on the polymer birefringent film 3. The metal film (Al) pattern thus formed is in a state where the metal film (Al) 6 does not exist in portions (both ends in the drawing) outside the periodic pattern (see FIG. 3E).
[0049]
After etching using the metal film (Al) pattern as an etching mask in an NLD (Magnetic Neutral Discharge) dry etching apparatus under the following conditions (see FIG. 1F), the metal film (Al) mask is used. Is removed, and a periodic irregular lattice shape is formed on the polymer birefringent film 3 (see FIG. 3G).
[0050]
Here, since there is no metal film (Al) in the peripheral portion, the etching proceeds, and the convex portion of the concave-convex lattice is larger than the peripheral portion.
[0051]
The etching conditions in this embodiment are as follows: antenna power 1000 W, bias power 200 W, O2 flow rate 8.335 × 10 −7 m 3 / s, etching time 100 sec. The sample cooling temperature during etching is −30 ° C.
[0052]
Next, on the side of the polymer birefringent film 3 on which the periodic uneven lattice is formed, an epoxy-based ultraviolet curable resin serving as the overcoat material 4 is botted, and a 500 μm-thick transparent substrate 5 is placed thereon and appropriately. By applying pressure, the overcoating agent is filled in the uneven grid (see FIG. 3H).
[0053]
After ultraviolet irradiation, baking was performed at 100 ° C. for 10 minutes to completely cure the overcoat agent, and then cut out into a 5.0 × 5.0 mm square with a dicing device, and a polarization diffraction element having a configuration as shown in FIG. Was prepared (see (i) of the same figure).
[0054]
No bubbles were trapped in the periodic irregularities produced under the above conditions, and the lattice was completely filled with the overcoat agent.
[0055]
(Example 2)
The configuration shown in FIG. 2 by the same manufacturing method as in Example 1 except that the periodic pattern was changed to (□ 3.0 × 3.0 mm / 2.0 μm pitch Duty: 0.5). Was manufactured.
[0056]
(Comparative Example 1)
A periodic pattern (3.0 × 3.0 mm / 3.0 μm pitch Duty: 0.5) formed on Al was used as an etching mask of a pattern which was black and white inverted from that of Example 1, and the same manufacturing method as in Example 1 was used. Thus, a polarization diffraction element having a configuration as shown in FIG. 6 was produced.
[0057]
In the periodic irregularities produced under the above conditions, it was confirmed that bubbles were mixed in a part of the lattice.
[0058]
(Comparative Example 2)
A periodic pattern (□ 3.0 × 3.0 mm / 2.0 μm pitch Duty: 0.5) formed on Al was used as an etching mask of a pattern reversed in black and white from that in Example 2 and the same manufacturing method as in Example 1 was used. Thus, a polarization diffraction element having a configuration as shown in FIG. 6 was produced.
In the periodic irregularities produced under the above conditions, it was confirmed that bubbles were mixed in a part of the lattice.
[0059]
Inspection by a metallurgical microscope was performed to check for the presence or absence of bubbles in the periodic uneven lattice.
Regarding the optical characteristics, those having a transmittance at 680 nm of 30% or more were rated as ○, and those having a transmittance of less than 30% were rated as x. FIG. 4 is a diagram showing evaluation results of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2.
[0060]
From FIG. 4, it can be seen that in Examples 1 and 2 of the present invention, a periodic irregular lattice having good transmittance without bubbles is obtained, whereas in Comparative Examples 1 and 2, only the periodic irregular lattice having bubbles and poor transmittance is obtained. It turns out that it cannot be obtained.
[0061]
(Example 3)
FIG. 5 is a diagram showing an embodiment of the optical pickup device according to the present invention.
The optical pickup device condenses light emitted from the semiconductor laser light source 31 as a light spot on a recording surface of an optical recording medium (optical disk) by an objective lens 34, and returns the return light flux reflected by the recording surface to the objective lens 34. Is an optical pickup device that performs at least one of recording, reproducing, and erasing of information on an optical disc while guiding the light to a light detection unit 36 via a light source. A polarization diffraction element 32 is disposed between a laser light source 31 and an objective lens 34. Have been. The polarization diffraction element 32 used here is as shown in FIG.
[0062]
More specifically, in the optical pickup device of FIG. 5, light from the semiconductor laser light source 31 transmits through the diffractive optical element (polarization diffraction element) 32. The diffractive optical element 32 has an organic material film of an organic birefringent film and is used as a “polarization hologram element”. Light from the light source side is transmitted through the diffractive optical element 32 as it is, and further, a 1 / wavelength plate (λ) / 4 plate) 33 and is focused as a light spot on the surface of an optical recording medium (optical disc) 35 by the action of the objective lens 34.
[0063]
The light reflected by the recording surface of the optical recording medium 35 becomes a “return light flux”, passes through the objective lens 34 and the quarter-wave plate 33, and becomes a linearly polarized light whose polarization plane is rotated by 90 degrees from the original direction, and is diffracted. The light enters the optical element 32, and is deflected toward the light detection unit 36 by the diffraction effect of the diffractive optical element 32.
[0064]
At this time, for example, astigmatism is given to the return light beam by the diffractive optical element 32, and this light beam is received by the light detection unit 36, and a focusing signal by the astigmatism method, a tracking signal by the push-pull method, and a reproduction signal are output. generate.
[0065]
In other words, the optical pickup device of FIG. 5 uses the polarization diffraction element according to claim 1 to separate the polarization path from the optical path of the light beam from the light source side and the optical path of the return light beam from the optical disk. This was used as a diffraction element (polarization hologram element).
[0066]
【The invention's effect】
The present invention has the following effects.
Hereinafter, the effects of the present invention will be described for each claim.
[0067]
a) According to the first aspect of the present invention, the overcoat material is easily filled by forming the convex portions of the periodic uneven lattice of the birefringent film to be more convex than portions outside the periodic uneven lattice. It is possible to provide a highly reliable polarization diffraction element which does not involve bubbles and satisfies optical characteristics.
[0068]
b) According to the second aspect of the present invention, since another transparent substrate is laminated on the overcoat material, the strength of the polarization diffraction element can be improved and the parallelism on both sides of the element can be improved, and stable optical characteristics can be obtained. it can.
[0069]
c) According to the third to fifth aspects of the present invention, a birefringent film can be manufactured in a large area and in large quantities at low cost.
[0070]
d) According to the sixth aspect of the present invention, it is possible to manufacture the polarization diffraction element by controlling the shape of the periodic uneven lattice.
[0071]
e) According to the seventh aspect of the invention, it is possible to control the shape of the periodic uneven lattice of the polarization diffraction element, and it is possible to produce the polymer birefringent film without changing the characteristics.
[0072]
f) According to the eighth and ninth aspects of the invention, the metal mask can be easily manufactured and removed, and can be manufactured at low cost.
[0073]
g) According to the tenth aspect, it is possible to realize an optical pickup device using a polarization diffraction element having good optical characteristics.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of steps of a method for manufacturing a polarization diffraction element according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing an example of the shape of a cross section of a polarization diffraction element in which a convex portion of a periodic uneven grating according to the present invention is formed so as to be more convex than a portion outside the periodic uneven grating.
FIG. 3 is a schematic view of the polarization diffraction element shown in FIG. 2 before an overcoating step.
FIG. 4 is a diagram showing evaluation results of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2.
FIG. 5 is a diagram for explaining an optical pickup device according to the present invention.
FIG. 6 is a sectional view of a conventional polarization diffraction element.
FIG. 7 is a schematic view of the polarization diffraction element shown in FIG. 6 before an overcoating step.
[Explanation of symbols]
1: transparent substrate,
2: adhesive layer,
3: (polymer) birefringent film,
4: overcoat material,
5: transparent substrate,
6: metal layer (Al)
7: photoresist pattern,
8: metal mask pattern,
31: semiconductor laser light source,
32: polarization diffraction element,
33: 1/4 wavelength plate (λ / 4 plate),
34: Objective lens,
35: optical recording medium (optical disc),
36: photodetector,
100: polarization diffraction element,
101: transparent substrate,
102: adhesive layer,
103: (polymer) birefringent film,
104: overcoat material,
105: transparent substrate.