JP2004258247A - ズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4を備え、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が変化する構成のズームレンズにおいて、第1〜第4レンズ群中の少なくとも一つのレンズ面に回折光学面を有し、第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させる。この際、防振レンズ群の上記方向への最大変位量をΔ、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfwとしたときに、Δ/|fw|<0.2の条件が満たされるようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回折光学素子を備えたズームレンズの防振技術に関し、特に、CCD等を撮像デバイスとした電子画像機器に好適なバックフォーカスの長いズームレンズの防振技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラやディジタルカメラ等の電気画像機器における画素ピッチの微細化技術の進歩は目覚ましく、よりきめ細かな画像が得られるようになってきていることに伴い、このような電子画像機器に用いられるズームレンズにおいても結像性能の優れた高性能なものが求められてきている。このような高性能なズームレンズの例としては、物体側から順に正、負、正、正の屈折力配置を有する4群構成タイプのものなどが知られている。
【0003】
ところで、このような電子画像機器用に用いられるズームレンズでは、レンズ系の後方にフィルターやプリズム等の光学デバイスを配置する必要等から、比較的大きいバックフォーカスが確保される必要がある。このようなバックフォーカスの大きいズームレンズでは、像面上の最大像高に至る光線の収差補正が難しくなるため、画像性能が優れた電子画像機器に上記のようなズームレンズを用いても、これに見合うだけの良好な画像を機器の像面上に結像できず、結果として電子画像機器の性能を十分に活かすことができない場合がある。
【0004】
このような不具合を解消する方法としては、例えば負の分散値を有する回折光学素子をレンズ群中に設ける技術が知られており、これにより軽量かつ結像性能が良好なズームレンズを得ることができる。また、このような回折光学素子の特徴的な性質を利用することにより、ズームレンズの広角化、高変倍化(高ズーム比化)及び小型化を図ることも可能である。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−199124号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにレンズ群中に回折光学素子を有したズームレンズでは、レンズ枚数を少なくできて軽量化できる反面、手ブレが起き易くなるという問題があった。この手ブレによる結像画質の劣化は高変倍時、特に望遠端において著しい。このような手ブレによる画質の劣化を解消するための技術(いわゆる防振技術)として、例えば、上記特開平7−199124号公報には、4群のレンズのうち物体側から3番目に位置する第3レンズ群の全体を光軸とほぼ直交する方向に変位させることにより結像位置を変化させ、全体の光軸のずれ量を補正する構成のものが開示されているが、レンズ系中に回折光学素子を用いて全体が軽量化されたズームレンズでは手ブレが起き易くなっており、上記公報において示された防振技術のみでは手ブレによる画像劣化を十分には防止できるとは限らなかった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、回折光学素子を用いて軽量化を図りつつ、手ブレによる画質の劣化を抑えて結像性能を向上させることが可能な構成のズームレンズを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係るズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を備え、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が変化する構成のズームレンズにおいて、第1〜第4レンズ群中の少なくとも一つのレンズ面に回折光学面を有し、第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させる防振レンズ群変位機構を備え、防振レンズ群変位機構は、防振レンズ群の上記方向への最大変位量をΔ、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfwとしたときに、Δ/|fw|<0.2の条件を満たす範囲で防振レンズ群を変位させるようになっている。
【0009】
本発明に係るズームレンズでは、手ブレが生じた際、第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させて結像位置を変化させ、全体の光軸のずれ量を補正して画像のずれを修正するのであるが、その際、防振レンズ群の最大変位量は広角端におけるレンズ系全体の焦点距離に対する所定の割合内に抑えられるようになっており、手ブレ修正時に収差変動量が大きくなり過ぎて却って画像が劣化する事態が防止される。このため本ズームレンズでは、回折光学素子を用いて軽量化を図りつつ、手ブレによる画質の劣化を抑えて結像性能を向上させることができる。
【0010】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、回折光学面は光軸に対して回転対称な構造を有しており、最大像高に至る主光線(絞りの中心を通る光線)が回折光学面を通過するときに上記回折光学面の法線となす角度は10度以下であり、回折光学面の有効径(直径)をCとしたときに、0.2<C/fw<5.0の条件を満たすことが好ましい。このような構成であれば、回折光学面の製作が容易でコストを低減できるとともに、広角端近傍において回折光学面の外部から入る有害光に起因する画質の低下を効果的に防止することができる。
【0011】
更に、本発明に係るズームレンズにおいては、防振レンズ群の有効径(防振レンズ群中の最も物体側に位置するレンズの直径)をΦvとしたときに、0.001<Δ/Φv<0.5の条件を満たすことが好ましい。このような構成であれば、防振効果を阻害しない範囲で防振時に入り込む迷光を制限することができ、望遠端での球面収差を適正な範囲内に保つことができるようになる。
【0012】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、広角端におけるバックフォーカスをBfw、最大像高をY0としたときに、0.5<Bfw/Y0<10.0の条件を満たすことが好ましい。このような構成であれば、レンズ系を大型化させることなく、またシェーディングを発生させることなく、電子画像機器用のズームレンズとしては十分な大きさのバックフォーカスを確保することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、防振レンズ群が第2レンズ群及び第3レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなっていることが好ましい。このような構成であれば、ズームレンズ全体を簡易で軽量な構成とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。先ず、一般論として、多群構成のズームレンズの特徴について説明する。ズームレンズを構成するのに少なくとも2つのレンズ群を必要とするので、以下の説明において多群構成とは、3群以上のレンズ群を有するレンズ構成を指すものとする。先ず、多群構成のズームレンズでは、変倍を担うレンズ群の数が増えるので、高倍率化を図ることが可能である。また、各レンズ群の収差補正の負担を均等化し易いので、優れた結像性能を達成することが可能である。なお、光軸に沿って移動可能なレンズ群が増加すると鏡筒構造が複雑化するなどの不都合な面も生じるが、このような問題は近年の鏡筒技術の進歩により克服されつつある。
【0015】
次に、回折光学面及び回折光学素子について説明する。一般に、光線を曲げる方法としては屈折と反射とが知られているが、第3番目の方法として回折が知られている。回折光学面とは、このような光の回折作用を行う光学面であり、回折光学素子とは、このような回折光学面を備えた光学素子をいう。回折光学素子には、従来知られた回折格子やフレネルゾーンプレートなどがある。このような回折光学素子は屈折や反射とは異なる振る舞いを示すことが知られており、その具体的な例としては、負の分散値を有することが挙げられる。この性質は色収差補正に極めて有効であり、高価な特殊低分散ガラスでしか達し得ない(通常のガラスでは達し得ない)良好な色収差補正が可能となる。なお、このような回折光学素子については、「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0016】
続いて防振技術について説明する。ズームレンズの防振の手法としては、一般に、ズームレンズを構成する複数のレンズ群中のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部かならる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位(シフト)させる方式が採られる。これは、手ブレ等によるズームレンズ全体の光軸のずれ量を光学系内部におけるレンズ群の全体又は一部を適切な量だけ光軸とほぼ直交する方向に動かすことにより結像位置を変化させ、レンズ系全体の光軸のずれ量を補正する方式である。
【0017】
本発明に係るズームレンズでは、上記ような多群構成のズームレンズの技術的基盤及び背景に基づき、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を備え、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が増大し、かつ、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が変化する構成を採用している。すなわち、本発明では、レンズ群の数を多くすることにより、各レンズ群の移動の自由度も含めて収差補正の自由度を高くし得る構成を有している。
【0018】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、上記第1〜第4レンズ群中の少なくとも一つのレンズ面に回折光学面が設けられている。ここで回折光学面は、ガラスやプラスチック等の光学部材の表面に回折格子を設けるか、フレネルゾーンプレートのように光線を曲げて回折現象を生ずる面を上記光学部材の表面に形成するなどして生成する。図13はフレネルゾーンプレートの一例を示すものであり、図13(A)は光軸方向から見たフレネルゾーンプレート1の正面図、図13(B)は図13(A)における矢視B−Bから見たフレネルゾーンプレート1の断面図である。この図13に示すフレネルゾーンプレート1は回折光学面を構成する回折格子溝の1ピッチが連続した曲線であるキノフォーム型であるが、その他、周期構造が階段状のものや三角形状等のものとすることもできる。
【0019】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させる防振レンズ群変位機構を備える。そして、この防振レンズ群変位機構は、防振レンズ群の上記方向(光軸とほぼ直交する方向)への最大変位量をΔ、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfwとしたときに、下の条件式(1)を満たす範囲で防振レンズ群を変位させるようになっている。
【0020】
【数1】
Δ/|fw|<0.2 … (1)
【0021】
上記条件式(1)は、防振レンズ群の最大変位量(光軸とほぼ直交する方向に沿った最大変位の大きさ)Δと、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離fwとの割合について適切な範囲を規定している。ここで、Δ/|fw|の値が上記条件式(1)の上限値を上回る(防振レンズ群の最大変位量が大き過ぎる)と、防振時の収差変動量が大きくなり過ぎるので、却って画質を乱してしまう。特に、像面(後述の図1,2,5,6,9,10中に示す像面I参照)上の周辺領域において、メリディオナル方向の最良像面とサジタル方向の最良像面との光軸方向の差が広がるとともに、倍率色収差及び偏芯コマ収差の発生が甚大となるので不都合である。なお、防振レンズ群が全く変位(移動)しなければ防振の効果は得られないのであるから、当然に条件式(1)においてはΔ>0であり、条件式(1)の下限値は0である。なお、本発明の効果を十分に発揮させるためには、条件式(1)の上限値を0.1とすることが好ましい。
【0022】
本発明に係るズームレンズにおける上記防振レンズ群変位機構は、撮影レンズのブレを検出するブレ検出手段と、ブレ検出手段からの信号とカメラの作動のシーケンス制御を行う制御手段とに基づいて適正なブレ補正量を定めるブレ制御装置と、ブレ制御装置により定められたブレ補正量に基づいて防振レンズ群を変位させる駆動機構とを組み合わせて構成されることが好ましい。
【0023】
このように本ズームレンズでは、物体側から順に、正、負、正、正の屈折力配置を有する4群構成を採用しており、その結果、高倍率のズームレンズを実現できるとともに、広角端及び望遠端以外の中間の焦点距離状態においても優れた結像性能が得られるようになっている。また、無限遠系及び有限遠系いずれにおいても良好な結像性能を有し、例えば電子画像機器に好適な大きいバックフォーカスが得られるようになっている。更に、上述のように回折光学素子を有しているため構成レンズ数を少なくすることができ、鏡筒のみならず、装着するカメラ全体も軽量化できるようになっている。また、このように回折光学素子を有して軽量化がなされるために、手ブレが発生し易くなるという不都合な点も生じる(防振機能が重要となる)。
【0024】
そこで、本発明に係るズームレンズでは、上述したように、手ブレが生じた際、第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させて結像位置を変化させ、全体の光軸のずれ量を補正して画像のずれを修正するようにしており、その際、防振レンズ群の最大変位量を広角端におけるレンズ系全体の焦点距離に対する所定の割合内に抑えることにより、手ブレ修正時に収差変動量が大きくなり過ぎて却って画像が劣化する事態を防止するようにしている。このため本ズームレンズでは、回折光学素子を用いて軽量化を図りつつ、手ブレによる画質の劣化を抑えて結像性能を向上させることができる。
【0025】
一般に、回折光学面を有する光学系では、回折光学面を通過する光線が回折光学面を通過するときに回折光学面の法線となす角度は、できるだけ小さいことが好ましい。これは、上記角度が大きくなると回折光学面によるフレアが発生し易くなり、画質を損ねてしまうからである。したがって、本発明に係るズームレンズでは、そのフレアが及ぼす影響を小さくして良好な画質を得るため、最大像高に至る主光線(絞りの中心を通る光線)が回折光学面を通過するときに回折光学面の法線となす角度が常に10度以下となるようにすること、換言すると、回折光学面は、最大像高に至る主光線がレンズ面を通過するときに、そのレンズ面の法線となす角度が常に10度以下となるもの(レンズ面)に設けられることが望ましい。このような条件が満たされるのであれば、回折光学面は本ズームレンズを構成するどのレンズ面上に配置してもよいが、物体側に凸となるレンズ面のいずれかに形成するようにすれば、上記条件(回折光学面を通過する主光線が回折光学面を通過するときに回折光学面の法線となす角度が10度以下になるようにするという条件)を満足させることが容易になる。なお、上記角度は実用的には7度以下であることが好ましく、更に良好な画質を得られるようにするには、5度以下であることが好ましい。
【0026】
また、本発明に係るズームレンズでは、上述の構成に加え、上記回折光学面の有効径(直径)をCとしたときに、下の条件式(2)を満たす構成であることが好ましい。
【0027】
【数2】
0.2<C/fw<5.0 … (2)
【0028】
上記条件式(2)は、回折光学面の有効径Cの値を適切な範囲内に規制するものである。ここで、C/fwの値が条件式(2)の上限値を上回ると回折光学面の有効径Cが大きくなり過ぎ、回折光学面の製作が困難となってコストアップに繋がる。また、広角端近傍において外部からの有害光が回折光学面に入り易くなり、フレア等による画質低下を招き易くなる。反対にC/fwの値が条件式(2)の下限値を下回ると、回折光学面の有効径Cが小さくなり過ぎて、回折光学面の格子ピッチが小さくなる傾向が強まり、回折光学面の製作が困難となりコストアップに繋がるばかりか、回折光学面の格子によるフレアの発生が大きくなり画質の低下を招き易くなる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるためには、上記条件式(2)の上限値を3.0とすることが好ましい。また、下限値については0.4とすることが好ましい。
【0029】
また、本発明に係るズームレンズは、防振レンズ群の最も物体側に位置するレンズの有効径をΦvとしたときに、下の式(3)を満たす構成であることが好ましい。
【0030】
【数3】
0.001<Δ/Φv<0.5 … (3)
【0031】
上記条件式(3)は、防振レンズ群の有効径(防振レンズ群の最も物体側に位置するレンズの直径)Φvと防振レンズ群の最大変位量Δとの比についての適切な値の範囲を規定している。ここで、Δ/Φvの値が条件式(3)の上限値を上回ると、有効径に比して最大変位量が大きくなり過ぎて、防振時に迷光が入り易くなるので好ましくない。また、諸収差のうち、特に望遠端における球面収差が過度に大きくなるので好ましくない。
【0032】
一方、Δ/Φvの値が条件式(3)の下限値を下回ると、最大変位量が小さくなり過ぎ、その結果、防振効果が小さくなり過ぎるので好ましくない。防振レンズ群の焦点距離を長くして上述の不都合を回避しようとすると、レンズ系全体の収差バランスを失い易くなるばかりでなく、レンズ系の全長が長くなり過ぎるので好ましくない。なお、本発明の効果を更に十分に発揮させるためには、条件式(3)の上限値を0.1とすることが好ましい。また、下限値については0.01とすることが好ましい。
【0033】
更に、本発明に係るズームレンズにおいては、広角端におけるバックフォーカスをBfw、最大像高をY0としたときに、下の条件式(4)を満たす構成であることが好ましい。
【0034】
【数4】
0.5<Bfw/Y0<10.0 … (4)
【0035】
上記条件式(4)は、電子画像機器用のズームレンズとして実用に足るような十分に大きい(長い)バックフォーカスを得るための条件を規定している。電子画像機器用の光学系ではシェーディングを回避するために射出瞳を像面から十分遠くへ離すことが必要であり、この目的のためにも条件式(4)を満足することが重要である。ここで、Bfw/Y0の値が条件式(4)の上限値を上回ると、バックフォーカスが大きくなり過ぎてレンズ系の全長が長くなり、ひいてはレンズ系の大型化を招いてしまう。また、第4レンズ群のレンズ径が過度に大きくなってしまう不都合を生じる。
【0036】
一方、Bfw/Y0の値が条件式(4)の下限値を下回ると、バックフォーカスが小さくなり過ぎて、ズームレンズとCCD等の撮像デバイスとの間の光路中においてフィルターやプリズムを配置する空間を確保することが困難になってしまう。また、射出瞳の位置が像面に近づき過ぎて、上述したシェーディングが発生し易くなり、不都合である。なお、本発明の効果を更に十分に発揮させるためには、上記条件式(4)の上限値を7.0とすることが好ましい。また、下限値については2.0とすることが好ましい。
【0037】
また、本発明に係るズームレンズでは、上述の構成に加え、広角端における像面から回折光学面までの光軸上の距離をLとしたときに、下の条件式(5)を満たす構成であることが好ましい。
【0038】
【数5】
1.0<L/fw<20.0 … (5)
【0039】
上記条件式(5)は、回折光学面の適切な位置を規定するものである。ここで、L/fwの値が上記条件式(5)の上限値を上回ると、回折光学素子の径が大きくなり過ぎ、回折光学素子の製造が困難となってしまう不都合が生じる。反対に、L/fwの値が上記条件式(5)の下限値を下回ると、回折光学面が像面に近くなり過ぎてしまい、格子のピッチが画像に写り込み易くなる不都合が生じるばかりか、色収差の補正効果が弱まってしまうため、良好な結像性能が得にくくなる。なお、本発明の効果を更に十分に発揮させるためには、条件式(5)の上限値を15.0とすることが好ましい。また、下限値については、1.5とすることが好ましい。
【0040】
一般に、第4レンズ群はフォーカシングにおいて光軸に沿った移動を行わせる必要があるため、これを防振レンズ群として光軸と直交する方向に変位させようとすると、その移動及び変位機構は複雑かつ大型化し、実用化するのが難しくなってしまう。また、第1レンズ群が正の屈折力を有するものである場合には、この第1レンズ群は4つのレンズ群の中で最も大型のレンズ群となるため、第1レンズ群を防振レンズとして変位させようとすると、防振レンズ群変位機構はいきおい大型のものとならざるを得ず、ズームレンズ全体が大型化してしまう(第1レンズ群の全体又は一部を防振レンズ群とした場合、収差変動は比較的小さく抑えられる)。したがって、本ズームレンズでは、第2レンズ群若しくは第3レンズ群の全体、又はこれらレンズ群中の一部のレンズを防振レンズ群とすることが最も好ましく、これによりズームレンズ全体を簡易で軽量な構成とすることができる。
【0041】
また、第2レンズ群若しくはこの第2レンズ群中の一部のレンズを変位させる方式を採る場合には、防振レンズ群を比較的小型にすることが可能である。また、第3レンズ群はズーミングのときに固定とすることができるので、この第3レンズ群の全体若しくは一部のレンズを変位させる方式を採れば、鏡筒の構成上好ましいものとなる。防振レンズ群は正の屈折力を有するようにしても、負の屈折力を有するようにしてもいずれでもよいが、防振時に優れた結像性能を確保するためには、防振レンズ群が正の屈折力を有するようにすることが好ましい。
【0042】
また、本発明に係るズームレンズを実際に構成する場合、第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群の少なくともいずれか一つのレンズ群を変倍時に固定とする光学配置を採ることにより、メカ構成上の観点から構成が簡素になり、製作誤差の影響を小さくすることができるので好ましい。特に、第1レンズ群が固定であれば、鏡筒構造の堅牢性や防塵性が増すので好ましい。
【0043】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、第4レンズ群中の貼り合わせレンズ(例えば、後述する第1実施例におけるレンズL10とレンズL11との貼り合わせレンズ)のd線に対する屈折率差(第4レンズ群中の貼り合わせレンズが複数ある場合には、最も物体側にあるものを指すものとする)をΔNとしたときに、次の条件式(6)を満たす構成であることが望ましい。
【0044】
【数6】
0.15<ΔN … (6)
【0045】
本発明に係るズームレンズのように、最大像高に比してバックフォーカスの大きいズームレンズにおいては、像側のレンズ群を通る軸上光線の位置が光軸から大きく離れがちであり、この軸上光線の収差補正が難しい。本発明では、上記条件式(6)に示すように、第4レンズ群中の貼り合わせレンズの屈折率差ΔNの値を適切な範囲に設定することにより、上述の軸上光線の収差補正を良好に行うことが可能である。このとき、第4レンズ群中において、正レンズ(例えば、後述する図1におけるレンズL10)の屈折率が負レンズ(例えば、後述する図1におけるレンズL11)の屈折率よりも低くなっていることが望ましい。ここで、ΔNの値が条件式(6)の下限値を下回ると、球面収差の補正が困難となって、良好な結像性能を得ることができなくなってしまう。更には、ペッツバール和が負側に変移し易くなるので好ましくない。
【0046】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、回折光学面を有する回折光学素子の最も物体側に位置する面から最終面までの光軸上の厚さ、すなわち回折光学素子の光軸上の厚さをdとしたときに、次の条件式(7)を満たす構成であることが望ましい。
【0047】
【数7】
0.05<d/fw<1.2 … (7)
【0048】
上記条件式(7)は広角端におけるレンズ系全体の焦点距離fwと回折光学素子の光軸上の厚さdとの適切なる比を示すものである。ここで、d/fwの値が上記条件式(7)の上限値を超えると(dが大きくなり過ぎると)、回折光学素子が厚く(大きく)なり過ぎてしまい、製造しにくくなってコストアップを招いてしまう。
【0049】
一方、d/fwの値が上記条件式(7)の下限値を下回ると回折光学素子が薄くなり過ぎてしまい、製造中に撓み易くなるという不都合が生じる。また、ズームレンズへの組み込み時の変形が生じ易くなり、結像性能劣化の原因ともなる。なお、本発明の効果を更に十分に発揮させるには、上記条件式(7)の上限値を0.8とすることが好ましい。また、下限値については0.1とすることが好ましい。
【0050】
また、本発明に係るズームレンズを実際に構成するときには、以下に述べる構成的要件を更に満たすことが望ましい。先ず、回折光学面は、第1レンズ群中に設けることは、できれば避けた方がよい。第1レンズ群を通過する光線が構成レンズ各々の法線となす角度は広角端において10度を超える場合があり、フレアの発生が大きくなるためである。したがって、回折光学面は構成レンズを通過する光線がレンズの法線となす角度が10度以下となる第2レンズ群若しくは第3レンズ群(或いは第2レンズ群と第3レンズ群の両方)に配置するのが好ましい。なお、回折光学面を配置するレンズは凸レンズであっても凹レンズであっても構わない。
【0051】
次に、良好な色収差補正をするためには、第2レンズ群が貼り合わせレンズ(例えば、後述する第1実施例ではレンズL5とレンズL6との貼り合わせレンズ)を有していることが好ましい。これは、特に、両凹レンズと凸メニスカスレンズの貼り合わせレンズであることが好ましい。
【0052】
また、回折光学面において補正しきれない2次スペクトルを補正するため、第3レンズ群は凸レンズと凹レンズによる貼り合わせレンズ(例えば、後述する第1実施例ではレンズL8とレンズL9との貼り合わせレンズ)を有していることが好ましい。そして、更にその効果を十分に得るには、この貼り合わせレンズを通過する光線の光軸に対する角度が7度以下であることが、より好ましい。更に、収差補正上の観点から、第2レンズ群の使用倍率は、広角端から望遠端への変倍時に等倍(−1倍)を挟んで変化させることが望ましい。
【0053】
また、第3レンズ群は、物体側から両凸レンズ、凹メニスカスレンズとなる構成(例えば、後述する第1実施例ではレンズL8及びレンズL9)とすることが好ましい。これらは接合レンズとしても分離したレンズとしてもよく、上記凹メニスカスレンズの最も像側のレンズ面に回折光学素子面を配置すれば(後述の第1実施例参照)、良好な収差補正と、光線の通過する角度を7度以内とすることを両立させることが可能となるので好ましい。なお、上記回折光学面を接合面に形成すると、回折格子の高さが大きくなってフレアが発生し易くなるので、回折光学面は、空気と接するレンズ面上に形成することが好ましい。
【0054】
また、上述したように、各レンズを通過する光線がそのレンズ面の法線となす角度が10度以上となるとフレアが発生して好ましくないが、第4レンズ群の適切な位置に回折光学面を配置することにより(後述の第1実施例参照)、たとえ光線の上記角度が10度を超えてフレアが発生したとしても、良好な色収差補正を達成することが可能である。なお、この際、第4レンズ群中に凸レンズと凹レンズによる貼り合わせレンズを設けることにより(例えば、後述する第1実施例ではレンズL10とレンズL11との貼り合わせレンズ)、回折光学面では十分に補正しきれない2次スペクトルを良好に補正することができる。
【0055】
また、本発明に係るズームレンズでは、近距離物体へのフォーカシング(合焦)は、第1レンズ群を物体側へ繰り出すいわゆるフロントフォーカス方式で行ってもよい。しかしながら、フォーカシング時に主光線が下がることなく周辺光量を確保するには、第4レンズ群を光軸方向に移動させてフォーカシングを行う、いわゆるリアフォーカス方式にすることが好ましい。
【0056】
更に、防振レンズ群は、防振時も良好な結像性能を有するために、そのペッツバール和は下式(8)に示す条件式の範囲内となるようにすることが望ましい。
【0057】
【数8】
−0.05<P/fw<0.10 … (8)
【0058】
ここで、P/fwの値が上記条件式(8)の上限値を超えると、防振時に周辺性能の劣化が大きくなり過ぎてしまい不都合である。また、P/fwの値が下限値を超えると、ペッツバール和を小さく保つために防振レンズ群が複雑な構成となって大型化し、防振レンズ群の全長も大きくなり過ぎてしまって小型化の達成が困難となる。
【0059】
また、実際に回折光学面をレンズ上に形成する場合、フレネルゾーンプレートのように、光軸に対して回転対称な構造(格子構造)とすれば、製造を容易にすることができる点で好ましい。このような回転対称な構造は、通常の非球面レンズを製作するのと同じく、精研削でも、ガラスモールドでも形成可能である。また、レンズ表面に薄い樹脂層を形成し、この樹脂層に格子構造を設けるようにしてもよい。また、回折格子はキノフォーム等の単純な単層構造に限らず、複数の格子構造を重ねて複層構造にしてもよい。このように複層構造の回折格子によれば、回折効率の波長特性や画角特性をより一層向上させることができる。
【0060】
また、回折光学面は、アッベ数が65以下の光学ガラスレンズのレンズ面上に形成することが好ましい。これは、回折格子の形成が容易で、しかも良好な光学性能が得られるからである。更に、本発明に係るズームレンズを構成する各レンズに対して、屈折率分布型レンズ等を更に用いることにより、更に良好な光学性能が得られることはいうまでもない。
【0061】
【実施例】
以下、本発明に係るズームレンズの具体的な実施例について説明する。下に示す3つの実施例では、図1、図5及び図9に示すように、本発明のズームレンズそれぞれが、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4を備えるとともに、広角端から望遠端への変倍時に第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が変化する構成とした。
【0062】
各実施例において、回折光学面の位相差は、通常の屈折率と後述する非球面式(9),(10)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。超高屈折率法は、非球面形状を表す式と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例において回折光学面は超高屈折率法のデータを、後述する非球面式(9),(10)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象としてd線及びg線を選んだ。本実施例において用いたd線及びg線の波長と、各スペクトル線に対して設定した具体的な屈折率の値を下の表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
各実施例において非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径をr、近軸曲率半径をRとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、下の式(9),(10)で表されるものとした。
【0065】
【数9】
【0066】
なお、本実施例において用いた超高屈折率法については、前述の「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0067】
なお、下に示す各実施例では、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3の少なくともいずれかを変倍時に固定としているが、これは一例であり、第4レンズ群を変倍時に固定とし、これら第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3のいずれもが変倍時に移動するように構成することも可能である。この場合、収差補正の自由度が増すので、設計が容易になる。
【0068】
(第1実施例)
図1に、本発明の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す。本第1実施例に用いたズームレンズZL1では、図1に示すように、第1レンズ群G1には物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2との貼り合わせからなる接合レンズ及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3を配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成し、第2レンズ群G2には物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4及び両凹レンズL5と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6との貼り合わせからなる接合レンズを配置して負の屈折力を有するレンズ群を構成した。また、第3レンズ群G3には開口絞りS7及び両凸レンズL8と物体側に凹面を向けた(像側に凸面を向けた)負メニスカスレンズL9との貼り合わせからなる接合レンズを配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成し、第4レンズ群G4には両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11との貼り合わせからなる接合レンズを配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成した。
【0069】
図2は本第1実施例に係るズームレンズZL1を広角端から望遠端まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図であり、(W)はズームレンズZL1が広角端にある場合の各レンズ群の位置、(T)はズームレンズZL1が望遠端にある場合の各レンズ群の位置をそれぞれ示している。この図にも示すように、本実施例では第1レンズ群G1と第3レンズ群G3とが変倍時に固定となるようにした。また、防振レンズ群GVは第3レンズ群G3における両凸レンズL8と負メニスカスレンズL9との貼り合わせからなる接合レンズとし、これが防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0070】
下の表2に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す(長さの単位は全てmm。他の実施例についても同じ)。表2における面番号1〜19は図1における符号1〜19に対応する。また、表2におけるrはレンズ面の曲率半径(非球面の場合には基準球面の曲率半径)を、dはレンズ面の間隔を、n(d)はd線に対する屈折率を、n(g)はg線に対する屈折率をそれぞれ示している。なお、表2において、非球面形状に形成されたレンズ面には、面番号の右側に*印を付している。また、非球面係数Cn(n=2,4,6,8,10)において「E−09」等は「×10−09」等を示す。なお、これら表2の記号の説明は、他の実施例に関する表についても同様である。
【0071】
図1に示すように、本第1実施例では、第3レンズ群G3を構成する負メニスカスレンズL9の像側の面(面番号は14及び15)に第1の回折光学面Gf1を形成し、第4レンズ群G4を構成する両凸レンズL10の物体側に面(面番号は16及び17)に第2の回折光学面Gf2を形成した。したがって、本実施例に係るズームレンズZL1では、面番号14及び15に相当する面が第1の回折光学面Gf1に相当し、面番号16及び17に相当する面が第2の回折光学面Gf2に相当する。また、レンズL9とレンズL10とが回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。
【0072】
また、表2から分かるように、本実施例において、レンズL10の屈折率はd線についてn(d)=1.487490、g線についてn(g)=1.495932であり、レンズL11の屈折率はd線についてn(g)=1.860741、g線についてn(g)=1.910649である。したがって、本実施例に係るズームレンズZL1は、上述の式(6)を満たしつつ、第4レンズ群G4中において、正レンズの屈折率が負レンズの屈折率よりも小さいという前述の条件を満足したものとなっている。
【0073】
【表2】
【0074】
このように本実施例では、前述の条件式(1)〜(8)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りS7の中心を通る光線(主光線)がレンズ面の法線となす角度(光線入射角)は面番号14に相当するレンズ面における値が最も小さくなっており、広角端において6.524°、望遠端においては6.158°であった。なお、防振レンズ群GVの最大変位量Δに対応する像の移動量は、広角端において+0.19672(d線)、望遠端においては+0.21313(d線)であった(ここで符号「+」は、像の像面上での移動方向が防振レンズ群GVの変位方向と同じであることを示しており、以降同様とする)。
【0075】
図3及び図4は第1実施例に係るズームレンズZL1のd線、g線に対する諸収差図である。ここで、図3は広角端における無限遠合焦点状態での諸収差図を示しており、図4は望遠端における無限遠合焦点状態での諸収差図を示している。各球面収差図におけるFNOの値は最大口径に対応するFナンバーであり、各非点収差図及び各歪曲収差図におけるYの値は像高の最大値である。また、各コマ収差図におけるYの値は像高の値である。また、非点収差図において、実線はサジタル像面を示しており、破線はメリディオナル像面を示している。コマ収差は防振前におけるものと防振時におけるものとを併記しており、防振時における結果において、像の移動方向に負号がある場合は、レンズの移動方向と像の移動方向とが逆向きであることを示している(これら収差図の説明は、他の実施例についても同じ)。図3及び図4に示す各収差図から明らかなように、本第1実施例に係るズームレンズZL1では、防振時も含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0076】
(第2実施例)
図5に、本発明の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す。本第2実施例に用いたズームレンズZL2では、図5に示すように、第1レンズ群G1には物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2との貼り合わせからなる接合レンズ及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3を配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成し、第2レンズ群G2には物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4及び両凹レンズL5と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6との貼り合わせからなる接合レンズを配置して負の屈折力を有するレンズ群を構成した。また、第3レンズ群G3には開口絞りS7、両凸レンズL8、両凸レンズL9及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL10を配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成し、第4レンズ群G4には両凸レンズL11と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL12との貼り合わせからなる接合レンズを配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成した。
【0077】
図6は本第2実施例に係るズームレンズZL2を広角端から望遠端まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図であり、(W)はズームレンズZL2が広角端にある場合の各レンズ群の位置、(T)はズームレンズZL2が望遠端にある場合の各レンズ群の位置をそれぞれ示している。この図にも示すように、本実施例では第2レンズ群G2が変倍時に固定となるようにした。また、防振レンズ群GVは第2レンズ群G2の全体とし、これが防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0078】
下の表3に、本第2実施例における各レンズの諸元を示す。表3における面番号1〜21は図5における符号1〜21に対応する。図5に示すように、本第2実施例では、第3レンズ群G3を構成する両凸レンズL8の像側の面(面番号は13及び14)に回折光学面Gfを形成した。したがって、本実施例に係るズームレンズZL2では、面番号13及び14に相当する面が回折光学面Gfに相当する。また、レンズL8が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。
【0079】
また、表3から分かるように、本実施例において、レンズL11の屈折率はd線についてn(d)=1.693500、g線についてn(g)=1.709720であり、レンズL12の屈折率はd線についてn(g)=1.846660、g線についてn(g)=1.893819である。したがって、本実施例に係るズームレンズZL2は、上述の式(6)を満たしつつ、第4レンズ群G4中において、正レンズの屈折率が負レンズの屈折率よりも小さいという条件を満足したものとなっている。
【0080】
【表3】
【0081】
このように本実施例では、前述の条件式(1)〜(8)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りS7の中心を通る光線(主光線)がレンズ面の法線となす角度(光線入射角)は面番号14に相当するレンズ面における値が最も小さくなっており、広角端において5.709°、望遠端においては5.003°であった。なお、防振レンズ群GVの最大変位量Δに対応する像の移動量は、広角端において−0.06984(d線)、望遠端においては−0.08776(d線)であった。
【0082】
図7及び図8は第2実施例に係るズームレンズZL2のd線、g線に対する諸収差図である。ここで、図7は広角端における無限遠合焦点状態での諸収差図を示しており、図8は望遠端における無限遠合焦点状態での諸収差図を示している。図7及び図8に示す各収差図から明らかなように、本第2実施例に係るズームレンズZL2では、防振時も含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0083】
(第3実施例)
図9に、本発明の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す。本第3実施例に用いたズームレンズZL3では、図9に示すように、第1レンズ群G1には物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と両凸レンズL2との貼り合わせからなる接合レンズ及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3を配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成し、第2レンズ群G2には物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4、両凹レンズL5と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6との貼り合わせからなる接合レンズを配置して負の屈折力を有するレンズ群を構成した。また、第3レンズ群G3には開口絞りS7と、両凸レンズL8及び物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL9とを配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成し、第4レンズ群G4には両凸レンズL10及び両凸レンズL11と両凹レンズL12との貼り合わせからなる接合レンズを配置して正の屈折力を有するレンズ群を構成した。
【0084】
図10は本第3実施例に係るズームレンズZL3を広角端から望遠端まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図であり、(W)はズームレンズZL3が広角端にある場合の各レンズ群の位置、(T)はズームレンズZL3が望遠端にある場合の各レンズ群の位置をそれぞれ示している。この図にも示すように、本実施例では、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3とが変倍時に固定となるようにした。また、防振レンズ群GVは第3レンズ群G3における両凸レンズL8とし、これが防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0085】
下の表4に、本第3実施例における各レンズの諸元を示す。表4における面番号1〜22は図9における符号1〜22に対応する。図9に示すように、本第3実施例では、第2レンズ群G2を構成する負メニスカスレンズL4の像側の面(面番号は7及び8)に第1の回折光学面Gf1を形成し、同じく第2レンズ群G2を構成する正メニスカスレンズL6の像側に面(面番号は11及び12)に第2の回折光学面Gf2を形成した。したがって、本実施例に係るズームレンズZL3では、面番号7及び8に相当する面が第1の回折光学面Gf1に相当し、面番号11及び12に相当する面が第2の回折光学面Gf2に相当する。また、レンズL4及びレンズL6が回折光学面を有するレンズ素子(回折光学素子)に相当する。
【0086】
また、表4から分かるように、本実施例において、レンズL10及びレンズL11の屈折率はともにd線についてn(d)=1.516800、g線についてn(g)=1.526703であり、レンズL12の屈折率はd線についてn(g)=1.860741、g線についてn(g)=1.910649である。したがって、本実施例に係るズームレンズZL3は、上述の式(6)を満たしつつ、第4レンズ群G4中において、正レンズの屈折率が負レンズの屈折率よりも小さいという条件を満足したものとなっている。
【0087】
【表4】
【0088】
このように本実施例では、前述の条件式(1)〜(8)は全て満たされることが分かる。また、本実施例では、最大像高に至る光線で、開口絞りS7の中心を通る光線(主光線)がレンズ面の法線となす角度(光線入射角)は面番号11に相当するレンズ面における値が最も小さくなっており、広角端において3.643°、望遠端においては5.064°であった。なお、防振レンズ群GVの最大変位量Δに対応する像の移動量は、広角端において+0.12201(d線)、望遠端においては+0.12202(d線)であった。
【0089】
図11及び図12は第3実施例に係るズームレンズZL3のd線、g線に対する諸収差図である。ここで、図11は広角端における無限遠合焦点状態での諸収差図を示しており、図12は望遠端における無限遠合焦点状態での諸収差図を示している。図11及び図12に示す各収差図から明らかなように、本第3実施例では、防振時も含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るズームレンズでは、手ブレが生じた際、第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させて結像位置を変化させ、全体の光軸のずれ量を補正して画像のずれを修正するのであるが、その際、防振レンズ群の最大変位量は広角端におけるレンズ系全体の焦点距離に対する所定の割合内に抑えられるようになっており、手ブレ修正時に収差変動量が大きくなり過ぎて却って画像が劣化する事態が防止される。このため本ズームレンズでは、回折光学素子を用いて軽量化を図りつつ、手ブレによる画質の劣化を抑えて結像性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】上記第1実施例に係るズームレンズを広角端(W)から望遠端(T)まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図である。
【図3】上記第1実施例に係るズームレンズの広角端における無限遠合焦状態での諸収差図である。
【図4】上記第1実施例に係るズームレンズの望遠端における無限遠合焦状態での諸収差図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】上記第2実施例に係るズームレンズを広角端(W)から望遠端(T)まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図である。
【図7】上記第2実施例に係るズームレンズの広角端における無限遠合焦状態での諸収差図である。
【図8】上記第2実施例に係るズームレンズの望遠端における無限遠合焦状態での諸収差図である。
【図9】本発明の第3実施例に係るズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図10】上記第3実施例に係るズームレンズを広角端(W)から望遠端(T)まで変倍させたときの各レンズ群の移動軌跡を示す図である。
【図11】上記第3実施例に係るズームレンズの広角端における無限遠合焦状態での諸収差図である。
【図12】上記第3実施例に係るズームレンズの望遠端における無限遠合焦状態での諸収差図である。
【図13】フレネルゾーンプレートの一例を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)における矢視B−Bから見た断面図である。
【符号の説明】
ZL1 ズームレンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
GV 防振レンズ群
Gf1,Gf2 回折光学面
I 像面
Claims (5)
- 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を備え、広角端から望遠端への変倍時に前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が変化する構成のズームレンズにおいて、
前記第1〜第4レンズ群中の少なくとも一つのレンズ面に回折光学面を有し、
前記第1〜第4レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなる防振レンズ群を光軸とほぼ直交する方向に変位させる防振レンズ群変位機構を備え、
前記防振レンズ群変位機構は、前記防振レンズ群の前記方向への最大変位量をΔ、広角端におけるレンズ系全体の焦点距離をfwとしたときに、
Δ/|fw|<0.2
の条件を満たす範囲で前記防振レンズ群を変位させるようになっていることを特徴とするズームレンズ。 - 前記回折光学面は前記光軸に対して回転対称な構造を有しており、最大像高に至る主光線が前記回折光学面を通過するときに前記回折光学面の法線となす角度は10度以下であり、前記回折光学面の有効径をCとしたときに、
0.2<C/fw<5.0
の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。 - 前記防振レンズ群の有効径をΦvとしたときに、
0.001<Δ/Φv<0.5
の条件を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載のズームレンズ。 - 広角端におけるバックフォーカスをBfw、最大像高をY0としたときに、
0.5<Bfw/Y0<10.0
の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のズームレンズ。 - 防振レンズ群が前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群のいずれかのレンズ群の全体若しくは一部からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のズームレンズ。
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