JP2004257748A - マイクロガス捕集器 - Google Patents
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Abstract
【課題を解決するための手段】ガス吸収液が流れうるマイクロチャネル2を表面に設けられたブロック3、及びマイクロチャネル2上に設けられた厚さが30μm以下のガス透過膜1とからなるマイクロガス捕集器。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明はガス捕集器に関する。本発明は特に微量ガスの検出に好適なマイクロガス捕集器に関する。
【0002】
【従来の技術】
大気中に含まれる成分を化学発光や紫外線蛍光などいわゆるドライな方法で測定する分析計は装置化しやすく排ガスモニターなどへ応用されている。しかし,装置が比較的大きく、電源の制約もあり、設置場所が限られている。また比較的高濃度のガスは赤外線吸収を利用した計測も可能であるが、環境レベルのガスを計測するには感度が不十分である。固体素子や湿式のガスセンサも便利であるが選択性や感度の点で劣る。
【0003】
これに対し、吸収液に大気成分を取り込みケミカルに計測する手法は簡便で古くからも用いられている。この方法では、従来は図4のような吸収液を設置したバブラーに空気試料を通気して、目的成分を吸収液に捕集する。その後適当な試薬を添加、反応させ生成物の量を吸光度や蛍光を利用して測定するものである。この方法に依れば、吸収液や反応試薬の組み合わせによりその用途は無限に広がる。このようなバブリング法では、バブラーの吸収液は10〜50ml程度必要である。せっかく捕集してもこの吸収液の体積が大きければそれだけ捕集した成分が希薄になってしまう。そこでppbレベルの成分を計測するには数十分から数時間もの長時間ガスをサンプリングした後測定する必要があった。また、毒物あるいは劇物を含む多量の吸収液や反応液を用いれば、その廃棄や処理の問題も考慮しなければならない。
【0004】
ガス捕集・化学反応・検出の一連の操作を自動的にかつ連続して行なうため、ガス捕集器を小型化する研究もなされている。例えば、特許文献1にはブロックに設けたマイクロチャネルを用いることにより小型化したガス捕集器を用いる技術が開示されている。特許文献1には更にマイクロチャネルの表面に多孔質材を用いることも開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−74724号公報
【0006】
しかし、特許文献1に記載されている多孔質材は、板状の多孔ガラスであり、0.5〜2mm程度の厚さを有する。このように多孔質材の厚さが厚いと、透過材を通過してガスが吸収液表面に到達する速度が遅く、そのため、吸収液に吸収されるガスの量が少なくなる。また、吸収液に到達する前に透過材中にトラップされてしまうガスの量が無視できなくなり、かつ透過材中に捕らえられた物質が大きなテーリングの原因となる。このため、特許文献1の方法では、吸収液の流量を減らしたり、高い感度と速い応答を得るには限界があった。
【0007】
また、通常ガス吸収部やその下流で検出部へ導かれる間、成分の流れ方向への拡散が起こる。このためガス濃度の急激な変化があってもピークがブロードになったり、ピーク高さが低くなったり、応答速度が遅くなったりする。このような問題は、ガス吸収部や流路が太いほど拡大する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の欠点を解消することを目的としている。本発明の第一の目的は、多様なガスの量を測定できるガス捕集器を提供することを目的とする。本発明の第二の目的は、微量のガス成分を高感度に測定しうるガス捕集器を提供することを目的とする。本発明の第三の目的は、ガス成分を迅速に測定することのできるガス捕集器を提供することを目的とする。本発明の第四の目的は、設置場所を考慮する必要がなく、かつ吸収液の消費量を懸念する必要のないガス捕集器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ガス吸収液を蓄えうるあるいはガス吸収液が流れうるマイクロチャネル2が表面に設けられたブロック3、及びマイクロチャネル2上に設けられた厚さが30μm以下のガス透過膜1とからなるマイクロガス捕集器である。
【0010】
ブロック3は、ポリジメチルシロキサン、ポリシリコーン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの樹脂製ブロック、あるいは石英、ガラス、シリコン、アルミナなどの無機系の基板であることが好ましい。
【0011】
透過膜は、ポリジメチルシロキサン製の膜であることが好ましい。
【0012】
透過膜は、ブロックに固着された1枚の膜であることが好ましい。
【0013】
透過膜は、平滑な基板上にスピンコーティング法により作成されたものであることが好ましい。
【0014】
透過膜は、ブロックに熱接着法により固着されていることが好ましい。
【0015】
マイクロチャネル2の流路の深さは、10〜200μm、巾が40〜2000μmであることが好ましい。
【0016】
マイクロチャンネル2は、ジグザグ状に形成されていることが好ましい。
【0017】
マイクロチャネル2は、ブロック3上にフォトリソグラフィー法により形成されたものであることが好ましい。
【0018】
透過膜を作成するための基板は、透過膜とブロックとを接着した後、基板から透過膜を剥離するために、表面を予めフッ素化シランで表面処理してなるものであることが好ましい。
【0019】
マイクロガス捕集器には、更にガス吸収液を定量的に流しうるためのポンプが設けられていることが好ましい。
【0020】
【発明を実施するための態様】
本発明につき具体的に説明する。
【0021】
本発明のガス捕集器の一実施例を図1に基づき説明する。図1は、本発明のガス捕集器の一例を示した模式図である。図1において、1はガス透過膜、3はマイクロチャネルブロック、2はブロック上に形成されたマイクロチャネル、4は吸収液入口、5は吸収液出口である。
【0022】
ブロック3は本発明のガス捕集器において、ベースとなる構造物である。このブロックはガスや吸収液と反応しない性状を有し、剛性が高く衝撃に耐える強度を有する材質からなっていることが好ましい。
【0023】
ブロックを構成する素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリシリコーン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの樹脂製ブロック、あるいは石英、ガラス、シリコン、アルミナなどの無機系の基板等を挙げることができる。これらのうちでは、耐食性が比較的優れており、下記透過膜との熱接着性があるポリジメチルシロキサンが最も好ましい。マイクロチャネルブロックはガス透過膜と同じ材料でなくともかまわないが、ガス透過膜と同じ材質であると熱接着が容易であるため好ましい。
【0024】
マイクロチャネルブロックの形状としては、特に限定されないが、マイクロチャネルを形成しやすいためには矩形であることが好ましい。ブロックのサイズとしては、限定されないが、通常、5〜100mm角、好ましくは20〜40mm角、厚さは、樹脂製ブロックの場合1〜20mm、好ましくは3〜10mm程度であり、無機系基板の場合、0.2〜2mm、好ましくは0.4〜1mm程度である。
【0025】
上記ブロックの表面には、ガス吸着液を蓄えるあるいはガス吸収液を流すためのマイクロチャネルが設けられている。マイクロチャネルの流路の深さは、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは30〜60μm、巾が好ましくは40〜2000μm、特に好ましくは120〜240μmである。設けられたマイクロチャネル2はガス吸収面積や吸収時間を大きくするようジグザグ状のパターンに形成されていることが好ましい。
【0026】
マイクロチャネルを形成する方法としては、各種の公知の方法を採用することができる。例えば、フォトリソグラフー法とケミカルエッチング法によってブロック上にマイクロチャネルを作製する方法等を採用することができる。リソグラフィー法では、まず紫外線感光性樹脂を塗布し、その上にマスクを載せて紫外線を当てる。紫外線が当たった部分のフォトレジストを除去し、その除去された部分を薬品でエッチングする方法、あるいはサンドブラストする方法等によりマイクロチャネルを形成することができる。
【0027】
他の方法としては、ガスレーザー、エキシマレーザー等のレーザー光線、イオンビーム等のエネルギー線をコンピュータプログラムにより制御しつつ走査・照射することにより所定の溝を形成する方法を挙げることができる。
【0028】
他の方法としては、上記方法で製造したマイクロチャネル、もしくは凸型のマイクロチャネルを有する基板を鋳型とし、そこへ硬化前の樹脂を流し込んで硬化する方法でマイクロチャネルを有するブロックを製造することができる。
【0029】
更に他の方法としては、精巧な金型を用い、樹脂製の板を軟化しておき、プレス加工してもよい。
【0030】
本発明では、マイクロチャネルを流れる吸収液を保持し、かつ吸収液にガスを供給するために、ブロックのマイクロチャネル上にガス透過膜を設ける。このガス透過膜として用いることのできる素材としては、ポリジメチルシロキサン、(PDMS)、非晶質フッ素樹脂(例えばテフロンAF(登録商標))、ポリイミド、ナフィオンやシリコーンなどを用いても良い。これらを硬化したものはガス透過性がある材料として知られている。上記液状樹脂の中ではポリジメチルシロキサンが取り扱いが容易で、かつ熱接着しうるため、最も好ましい。また、市販の疎水性の多孔性膜、例えばポリテトラフルオロエチレンやポリプロピレン製のものをそのまま貼り付けてもよい。
【0031】
本発明の装置で用いる透過膜は厚さが30μm以下、好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下で、ガス透過性が良好な膜である。このような透過膜を製造する方法は特に限定されないが、例えば、次のような方法により製造することが出来る。
【0032】
まず液状の高分子材料を用意する。この液状高分子は(i)熱硬化性樹脂オリゴマー、(ii)熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のエマルジョン、(iii)熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の溶液等でありうる。これらの中では、得られる膜の強度が高く、膜のガス透過性が優れ、かつ粘度が低くスピンコートに適した粘度の液が得られる点で、熱硬化性樹脂オリゴマーの溶剤希釈溶液が好ましい。使用する液状高分子材料には膜化する前に、有機パーオキサイド等の硬化剤、硬化助剤を含有せしめておくことが好ましい。
【0033】
次に平滑な面を有する膜形成用平滑基板を用意する。膜形成用平滑基板は、例えば、シリコン、ガラス、石英等でありうる。
【0034】
膜形成用平滑基板は、予め平滑基板表面を易離型用材料、例えばフッ素化シラン等で処理しておくとよい。これには、例えば(トリデカフロロ−1,1,2,2−テトラハイドロオクチル)−1−トリクロロシランの蒸気で表面処理をすれば良い。この表面処理によって、平滑基板ごと透過膜をブロックへ熱接着した後、平滑基板を透過膜から容易に剥離することができる。
【0035】
次に、スピンコーターにより上記液状高分子を膜形成用平滑基板上にスピンコーティングして塗布することにより薄膜を製造する。膜の厚さは回転数、液状高分子の粘度を調整することにより調節することができる。
【0036】
塗布した膜が膜形成用平滑基板上で半乾き状態で、塗布膜の上にマイクロチャネルブロックをかぶせ、膜形成用平滑基板とマイクロチャネルブロックとで膜をサンドイッチ状に加圧下で保持する状態にする。
【0037】
次いで、両ブロックを高温雰囲気、好ましくはオーブンの中に入れて、透過膜をベークし硬化させる。上記のように、膜を加圧下に保持する状態で硬化・乾燥させることにより膜の平滑性が優れ、極めて薄い膜を製造することができる。乾燥工程で溶剤が蒸発してガス透過性に優れた多孔膜を得ることもできる。
【0038】
本発明のガス捕集器においては、ガス吸収液がチャネルから漏洩しないようガス透過膜とマイクロチャネルブロックとが固着されている。ガス透過膜とマイクロチャネルブロックとを接着する方法としては、ガス透過膜と膜形成用平滑基板とをプリベークしてお互いに半乾きの状態でこの膜をブロックごとマイクロチャネルにかぶせて接合させる方法を挙げることが出来る。
【0039】
その後、更にマイクロチャネルブロックと膜形成用平滑基板を加熱することからなるポストベークにより両者を強固に接合する。膜をチャネルに接合した後、膜形成用平滑基板を取り除く。この際、先に述べたように平滑基板表面を予めフッ素化シラン処理を行なっておけば、膜を破損することなく、膜から基板を取り外すことができる。以上の方法によりマイクロチャネルブロックに極めて薄い透過膜を熱接着することができる。
【0040】
本発明のガス捕集器ではマイクロチャネル内にガス吸収液を流す。このようなガス吸収液は、捕集目的のガスの種類によって異なる。例えば、硫化水素ガスの濃度を測定する場合は、アルカリ性のフルオレッセイン酢酸水銀(FMA)を用いることができる。ガス吸収液の総量は24時間あたりでも0.1〜数mlの範囲とすることができる。
【0041】
本発明のガス捕集器は、更に吸収液をマイクロチャネル内に流すためのマイクロポンプ、吸収液に吸収されたガスを定量化するため公知の装置を具備することができる。ガス吸収後に反応する物質を用いて定量する場合は、反応液供給装置、反応液、反応後の液を比色するための小型吸光度測定計等を備えておくこともできる。
【0042】
また、別のガス量定量装置としては、マイクロチャネルブロックを固化するときに、LEDのような発光素子とフォトダイオードのような受光素子も一緒にモールドすると蛍光や吸光度の検出器を集積化することができる。発光素子や受光素子を直接挿入してもよいし、光ファイバーを介して設置しても良い。図3は、吸収液出口に発光LEDと受光用の光ファイバーを取り付けた蛍光を測定するシステムを示した斜視図である。
【0043】
《本発明のガス捕集器による吸収理論》
本発明において吸収部をマイクロチャネル化して形状を小さくするメリットの理論的根拠は次の通りである。すなわち、ガス透過性Pの膜でチャネルを覆ったとき、この透過膜の面積、チャネル内の吸収液体積及びその厚みをそれぞれA、V、dとすると、膜の外側に濃度Cgのガスを時間Tの間接触させたときに取り込まれる成分の吸収液中濃度は次のようになる。
すなわち、チャネルの厚みdを小さくすればするほど高い濃縮率が得られる、と言うことである。従ってマイクロチャネルをガス吸収に利用すれば非常に性能の高いスクラバーが可能になる。
【0044】
先の説明は、チャネル内に吸収液を蓄えてガスを取り込んだ、いわゆるストップトフロー法におけるものである。実際には、吸収液の流れを止めず、連続的にチャネル内に流す方が簡便であり、よく用いられる。この連続フロー法では吸収液中濃度Csは吸収液の流量Qまたは線速度v及びチャネル長さlを用いて次のように表せる。
従って、連続フローの場合でも高い透過率Pを持つガス透過膜と深さdの小さなチャネルを組み合わすことが重要となる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のガス捕集器によれば、従来用いられている捕集器よりはるかに少ない吸収液に取り込み、かつ透過率の高いガス透過膜を使用するため、ガスの検出特性を従来のものより100倍〜1000倍向上し、極めて高感度にしかも時間分解能高く分析することが可能となる。本発明では非常に高い濃縮効率を得るため、連続的な高感度計測を可能にするものである。
【0046】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明につき更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0047】
【実施例1】
ガラス基板に幅200μm、深さ50μmのジグザグ状の凸型の溝をフォトリゾグラフィー法により作成した。このガラス基板を鋳型にしてそこへ液状ポリジメチルシロキサンを硬化剤と混合後、流し込んで固めることによってマイクロチャネルブロックを作製した。このマイクロチャネルブロックの大きさは縦30mm、横30mm、厚さ3mmであった。
【0048】
一方、予め(トリデカフロロ−1,1,2,2−テトラハイドロオクチル)−1−トリクロロシランの蒸気で表面処理を施した平滑な膜形成用シリコン基板の上に低粘度液状ポリジメチルシロキサンに硬化剤を添加して混合後スピンコーティングすることにより薄膜を形成した。
【0049】
ポリジメチルシロキサン膜を塗布した膜形成用平滑基板を恒温槽で65℃でプリベークした後,ポリジメチルシロキサン製樹脂ブロックを膜の上に置き、両者を合体して、再び恒温槽内に65℃に放置して、膜に含有されていた溶媒を除去し、さらに150℃で硬化を完了させた。このようにして、厚さ7μmのポリジメチルシロキサン膜をポリジメチルシロキサン樹脂ブロックのマイクロチャネルの上に形成した。以上の方法により製造したガス捕集器の断面を図2に示す。
【0050】
【実施例2】
上記方法で製造したマイクロチャネルガス捕集器に吸収液としてアルカリ性の1μmol/dm3のFMA溶液を2μl/minの流量で流しつつ硫化水素(H2S)を30ppb含有する空気中に暴露させた。実施例1で製造したマイクロチャネルの体積は2μlであり、吸収液は1分間ガスを吸収した後排出された。マイクロチャネルのすぐ下流で図3のようにして蛍光を検出することにより、排出された吸収液中に残存するFMA濃度に応じた蛍光シグナルの変化を測定した。なお、FMAは硫化物と反応して消費されるので、硫化水素の吸収によってFMAの蛍光強度が減少し、蛍光消光から硫化水素濃度を求めることができる。
【0051】
測定結果を図6に示す。硫化水素濃度を0→30→0ppbと変えたときに蛍光シグナルが大きく変わっている。この実施例で吸収液中FMAの約3分の2が30ppb硫化水素で消費されていることが分かる。
【0052】
【比較例1】
図5に示した公知の直方(rectangular)型ガス拡散スクラバーを用いて、吸収液を100μl/minの速度で流す以外は実施例2と同様に行った。吸収液流量を変えたのは、実施例2と同じ吸収時間、同じ反応速度を得るためである。また、ガス透過膜は実施例2と同じにした。結果を図6に併記する。図6から明らかなように、従来のガス捕集器ではほとんど応答していないが、本発明のガス捕集器では大きく応答しているのがわかる。
【0053】
【参考例1】
ガス捕集器の透過膜の膜厚を色々と変える以外は実施例1と同様に行った。結果を図7に示す。図7から分かるように、ガス透過率は透過膜の膜厚にほぼ反比例する関係が得られた。特に20μmより膜厚を小さくすると急激にガス透過率が上昇することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例のガス捕集器の部品を示した模式図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に係るガス捕集器の断面を示すものである。
【図3】図3は、本発明の他の実施例で,検出器を一体化したガス捕集器に係る斜視図である。
【図4】図4は従来の方法で、エアーポンプで通気瓶(バフラー)に通気して大気成分を吸収液に取り込む方式のガス捕集器を示した模式図である。
【図5】図5は、rectangular型と呼ばれる厚み数百μm〜数mmのガスケット等を利用して吸収液層が設けられている従来のガス捕集器を示した模式図である。
【図6】図6は、実施例1および比較例1におけるガスへの応答の違いを示したグラフである。
【図7】図7はガス透過膜の膜厚とガス透過率の関係について調べた実験結果を示したグラフである。
【符号の説明】
1 ガス透過膜
2 マイクロチャネル
3 マイクロチャネルブロック
4 吸収液入口
5 吸収液出口
6 発光素子LED
7 受光用光ファイバー
8 ガス入口
9 フィルター
10 ガス通気瓶(バブラー)
11 吸収液
12 エアーポンプ
13 ニードルバルブ
14 流量計
15 ガス出口
16 ガスケット
Claims (11)
- ガス吸収液を蓄えうる、あるいはガス吸収液が流れうるマイクロチャネル2を表面に設けられたブロック3、及びマイクロチャネル2上に設けられた厚さが30μm以下のガス透過膜1とからなるマイクロガス捕集器。
- ブロック3が、ポリジメチルシロキサン、ポリシリコーン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの樹脂製ブロック、あるいは石英、ガラス、シリコン、アルミナなどの無機系の基板であることを特徴とする請求項1記載のマイクロガス捕集器。
- 透過膜が、ブロックに固着された1枚の膜であることを特徴とする請求項1〜2記載のマイクロガス捕集器。
- マイクロチャネル2の流路の深さが、10〜200μm、巾が40〜2000μmであることを特徴とする請求項1〜3記載のマイクロガス捕集器。
- 透過膜が、平滑な基板上にスピンコーティング法により作成されたものであることを特徴とする請求項4記載のマイクロガス捕集器。
- 透過膜が、ブロックに熱接着法により固着されていることを特徴とする請求項1〜5記載のマイクロガス捕集器。
- 透過膜作成用基板が、透過膜とブロックとを接着した後、基板から透過膜を剥離するために、表面を予めフッ素化シランで表面処理してなるものであることを特徴とする請求項1〜6記載のマイクロガス捕集器。
- 透過膜が、ポリジメチルシロキサン製の膜であることを特徴とする請求項1〜7記載のマイクロガス捕集器。
- マイクロチャネル2が、ジグザグ状に形成されていることを特徴とする請求項8記載のマイクロガス捕集器。
- マイクロチャネル2が、ブロック3上にフォトリソグラフィー法により形成されたものであることを特徴とする請求項9記載のマイクロガス捕集器。
- 更にガス吸収液を定量的に流しうるためのポンプが設けられていることを特徴とする請求項1〜10記載のマイクロガス捕集器。
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