JP2004257448A - 油圧駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧発生装置の構成を簡素化して一つのユニットとすることで、油圧駆動装置全体の小型化を図ることのできる油圧駆動装置を提供する。
【解決手段】油圧アクチュエータ2と油圧発生装置3とが一体型になされた油圧駆動装置1であって、油圧発生装置3は、電動モータ31により駆動される油圧ポンプ32と、油圧ポンプ32のリアケース33の一部に組み込まれた制御弁36a、36bを通じて油圧ポンプ32のポンプポート32a、32bに連通された油タンク34とを備え、油圧ポンプ32の正逆方向への回転駆動により油圧アクチュエータを作動させるように構成されている。油圧アクチュエータは油圧シリンダ2であって、油圧ポンプ32の正逆方向への回転駆動によりピストン側室2aとロッド側室2bとの間で、油の不足分や過剰分を油タンク34を通じて給排しながら油をやり取りすることで、油圧シリンダ2を伸縮作動させるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧シリンダと油圧発生装置とが一体型になされた油圧駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、油圧シリンダは、油圧ポンプや切換弁等からなる油圧発生装置から圧油の供給を受けて伸縮作動し、この油圧シリンダの伸縮作動によって各種の作動機器を作動させている。つまり、ある作動機器を油圧シリンダにより作動させる上で、油圧発生装置は必要不可欠であり、これら油圧シリンダと油圧発生装置とにより油圧駆動装置を構成している。
【0003】
そして、このように油圧駆動装置を構成する油圧シリンダと油圧発生装置とは、当該油圧シリンダと油圧発生装置とを離間して配置し、油圧配管を通じて両者間で油の給排を行うものや、特許文献1に示すように油圧シリンダと油圧発生装置とを一体的にしたものが提供されている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭63−164603号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧シリンダと油圧発生装置とを一体的に構成した従来の油圧駆動装置では以下のような問題があった。
【0006】
油圧発生装置は、油圧ポンプと、油タンクと、切換弁とをそれぞれユニット化し、これらユニットを一体に結合することによって構成している。しかしながら、切換弁ユニットなどは圧油の供給を切換えるために油路構造が複雑で大型になっている。従って、このようなユニットで構成される油圧発生装置自体も大型になり、この結果、油圧駆動装置全体の大型化を招いていた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、油圧シリンダと油圧発生装置とを一体型にした油圧駆動装置において、油圧発生装置の構成を簡素化して一つのユニットとすることで、油圧駆動装置全体の小型化を図ることのできる油圧駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の油圧駆動装置は、油圧アクチュエータと油圧発生装置とが一体型になされた油圧駆動装置であって、前記油圧発生装置が、電動モータにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプのリアケースの一部に組み込まれた制御弁を通じて当該油圧ポンプのポンプポートに連通された油タンクとを備えてなり、油圧ポンプの正逆方向への回転駆動により油圧アクチュエータを作動させるように構成されたものである。
【0009】
請求項2に係る発明の油圧駆動装置は、前記油圧アクチュエータが油圧シリンダであって、前記油圧ポンプの正逆方向への回転駆動により油圧シリンダのピストン側室とロッド側室との間で、油の不足分や過剰分を油タンクを通じて給排しながら油をやり取りすることで、上記油圧シリンダを伸縮作動させるように構成されたものである。
【0010】
請求項3に係る発明の油圧駆動装置は、前記油圧発生装置が、油圧シリンダと平行に配置されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の油圧駆動装置の構成を示している。
【0013】
油圧駆動装置1は、油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ2と、この油圧シリンダ2へ圧油を供給するための油圧発生装置3とで構成されている。
【0014】
油圧シリンダ2は、シリンダ本体21内に伸縮ロッド22が連結されたピストン23が軸芯方向に摺動自在に設けられ、このピストン23の移動により伸縮ロッド22がシリンダ本体21に対して伸縮自在に構成されている。
【0015】
油圧発生装置3は、大別すると電動モータ31で駆動される油圧ポンプ32と、この油圧ポンプ32にリアケース33を介して連結された油タンク34とを備えている。
【0016】
油圧ポンプ32は、図2に示すように左右対称に形成された2つのポンプポート32a、32bを有しており、正逆方向へ回転可能に構成されている。この油圧ポンプ32は、電動モータ31から見て反時計回りの方向に回転駆動させれば、ポンプポート32bから油を吸い込んでポンプポート32aから圧油を吐出し、逆に時計回りの方向に回転駆動させれば、ポンプポート32aから油を吸い込んでポンプポート32bから圧油を吐出するようになされている。つまり、油圧ポンプ32の回転方向によってポンプポート32a、32bが吸込側と吐出側とに相互に変換されることになる。なお、具体的な油の流れについては後述する。
【0017】
ところで、上記ポンプポート32aは油圧ポンプ32と一体に連設されているリアケース33に形成された油路33a(図3及び図4参照)に連通されるとともに、ポンプポート32bは同じくリアケース33に形成された油路33b(図3及び図4参照)に連通されている。なお、油路33a、33bは、形状は異なるが上記ポンプポート32a、32bと連通されており、これらポンプポート32a、32bに対応して前記リアケース33内において左右対称位置に形成されている。
【0018】
そして、上記油路33aの途中部が配管35aを通じて油圧シリンダ2のピストン側室2aに連通されるとともに、上記油路33bの途中部が配管35bを通じて油圧シリンダ2のロッド側室2bに連通されている。
【0019】
また、油路33aの油タンク34側は図4に示すように制御弁としてのパイロットチェック弁36aを備えた油路37aを介して油タンク34に連通された油路(管路)38a[図5参照]に連結され、油路33bの油タンク34側は制御弁としてのパイロットチェック弁36bを備えた油路37bを介して油タンク34に連通された油路(管路)38b[図5参照]に連結されている。つまり、上記パイロットチェック弁36a、36bは、油圧ポンプ32に連結されたリアケース33内に一体的に組み込まれており、具体的には以下のように配置されている。
【0020】
まず、パイロットチェック弁36aは、油路38a側から油路33a側への油の流れを許容する反面、通常は油路33a側から油路38a側への油の流れを阻止し、油路33b内が所定圧以上になれば油路33a側から油路38a側への油の流れを許容するようになっている。
【0021】
また、パイロットチェック弁36bは、油路38b側から油路33b側への油の流れを許容する反面、通常は油路33b側から油路38b側への油の流れを阻止し、油路33a内が所定圧以上になれば油路33b側から油路38b側への油の流れを許容するようになっている。
【0022】
前記油タンク34は、前記油圧ポンプ32の駆動に伴って各油路33a、33b及びパイロットチェック弁36a、36b等を通じて油の給排を行うように、その内部に前記油路38a、38bの開口端が配置されている。なお、油路38a、38bは、途中部で合流させて油タンク34内に配置するようにしてもよい。
【0023】
そして、上述した電動モータ31、油圧ポンプ32(リアケース33を含む)及び油タンク34は、同軸上に一直線状に配置され、この状態で連結部材39を介して油圧シリンダ2と平行に配設されている。
【0024】
次に、このように構成された油圧駆動装置の動作について油の流れとともに、図6に示す油圧発生装置及び油圧シリンダの構成を模式的に示した油圧回路図を参照して説明する。
【0025】
まず、油圧シリンダ2が図1に示すように全縮状態である場合に、電動モータ31により油圧ポンプ32を当該電動モータ31から見て反時計回りの方向に回転駆動させる。これにより油圧ポンプ32のポンプポート32aが吐出側に、ポンプポート32bが吸込側になり、油圧シリンダ2のロッド側室2b内の油を配管35b、油路33bを通じて吸い込んで、油路33a、配管35aを通じて油圧シリンダ2のピストン側室2aに圧送することで、当該油圧シリンダ2を伸長させる。このとき、伸縮ロッド22の体積分だけロッド側室2bからピストン側室2aに供給する油が不足することになるが、この不足分は油タンク34内の油を油路38b、パイロットチェック弁36bを通じて油路33bに導くことによって補給される。
【0026】
また、油圧シリンダ2を上述したように伸長した状態から縮退させる場合には、電動モータ31により油圧ポンプ32を前述とは逆方向の時計回りの方向に回転駆動させる。これにより油圧ポンプ32のポンプポート32bが吐出側に、ポンプポート32aが吸込側になり、油圧シリンダ2のピストン側室2a内の油を配管35a、油路33aを通じて吸い込んで、油路33b、配管35bを通じて油圧シリンダ2のロッド側室2bに圧送することで、当該油圧シリンダ2を縮退させる。このとき、伸縮ロッド22の体積分だけピストン側室2aからロッド側室2bに供給する油が過剰になるが、この過剰分は油路33bに圧送された圧油によるパイロット圧の作用で開放されたパイロットチェック弁36a、油路38aを通じて油タンク34内に戻される。
【0027】
このように不足分と過剰分を油タンク34を通じて給排しながらピストン側室2aとロッド側室2bとの間で油のやり取りを行って油圧シリンダ2を伸縮作動させているため、油タンク34は上記不足分と過剰分に対応できるだけの小型のものでよく、また、リアケース33内にパイロットチェック弁36a、36bを組み込むとともに、これらリアケース33、油タンク34を含む油圧発生装置3を油圧シリンダ2と平行に一直線状に配置していることから、油圧駆動装置1全体の小型化を図ることができる。また、油圧発生装置3と油圧シリンダ2とを連結する余分な配管も不要で、この油圧駆動装置1によって作動させる適宜な作動機器に簡単に取付けることができる。
【0028】
図7は、本発明の油圧駆動装置を塵芥収集車の塵芥積込装置の作動に適用した適用例を示している。
【0029】
図7において、4は塵芥収集車で、車体41上に塵芥収容箱5が載置されている。この塵芥収容箱5の後方開口部51には、その上方で枢支61された塵芥投入箱6が連接されており、この塵芥投入箱6は、塵芥収容箱5と塵芥投入箱6との間に装設された図示しない傾動シリンダにより枢支61を以て傾動自在に構成されている。
【0030】
さらに、塵芥投入箱6の後部には投入口62が開口されるとともに、その内部には塵芥積込装置7が装備されている。
【0031】
この塵芥積込装置7は、塵芥投入箱6内に投入口62を通じて投入された塵芥を圧縮して塵芥収容箱5内に積込むためのもので、以下、この塵芥積込装置7の構成について説明する。
【0032】
塵芥投入箱6の両側壁には溝型鋼で形成された案内溝部材71が補強枠を兼ねて前方上部より後方下部に向かって敷設されている。
【0033】
また、塵芥投入箱6内にはその横幅一杯に広がる摺動板72が収容され、この摺動板72の両側縁の上下には案内ローラ73が軸着され、これらの案内ローラ73は前記案内溝部材71の内壁に沿って摺動自在に嵌入されている。
【0034】
前記摺動板72の背面上部にはブラケットを介して枢軸74が軸支されており、この枢軸74が摺動板72の摺動距離に合致して塵芥投入箱6の側壁に形成された図示しない切欠きを越えて塵芥投入箱6の内側より外側に突出するように配置されている。
【0035】
そして、塵芥投入箱6の側壁から外側に突出した枢軸74と塵芥投入箱6の下部間には、塵芥投入箱6の外側で案内溝部材71の傾斜方向に沿って設けられた油圧シリンダ2が摺動シリンダとして連結され、この油圧シリンダ2の伸縮作動によって摺動板72を案内溝部材71に沿って上下に往復移動させるようにしている。この油圧シリンダ2には前述したように油圧発生装置3が一体的に設けられて油圧駆動装置1を構成している。
【0036】
また、前記摺動板72の下端には、塵芥投入箱6の横幅一杯に広がる押込板75が前後に揺動自在に軸支されている。
【0037】
前記押込板75の先端は前方に向かって若干屈折形成されている。前記押込板75の背面に突設した突片75aと前記摺動板72の背面上部に設けられた枢軸74間には、油圧シリンダ2′が揺動シリンダとして連結され、この油圧シリンダ2′の伸縮作動によって前記押込板75を前後に揺動させるようにしている。この油圧シリンダ2′も前記油圧シリンダ2と同様に油圧発生装置3が一体的に設けられて油圧駆動装置1を構成している。
【0038】
さらに、前記塵芥収容箱5内には排出板52が前後方向に摺動自在に配設されている。排出板52は、塵芥収容箱5の横幅及び上下高さと略同じ大きさに形成された板状体であり、図示しない排出シリンダの伸縮動作により塵芥収容箱5内を前後に摺動するようになされている。
【0039】
そして、このように構成された塵芥積込装置7は、各油圧シリンダ2、2′が何れも伸長して摺動板72が上昇終了位置にある状態で、投入口62を通じて塵芥を塵芥投入箱6内に投入し、図示しない始動スイッチをON操作することで、以下に説明する積込動作を開始する。
【0040】
まず、図8(a)に示す状態で油圧シリンダ2′が縮退作動して押込板75が反転作動し、反転終了位置〔図8(b)参照〕に達する(反転工程)。この後、油圧シリンダ2が縮退作動して摺動板72が下降し、これに伴って押込板75が下降工程に移行する。
【0041】
次に、押込板75が下降終了位置〔図8(c)参照〕に達すると、油圧シリンダ2′を伸長させて押込板75を前方に揺動させ圧縮工程に移行する。
【0042】
そして、押込板75が最前方位置〔図8(d)参照〕まで揺動すると、油圧シリンダ2を伸長させて押込板75を上昇させることによって上昇工程に移行し、この押込板75が上昇終了位置に達すると〔図8(a)参照〕、一連の積込動作を終了する。
【0043】
これにより反転、下降、圧縮、上昇の各工程を1サイクルとした塵芥積込動作を繰り返して行うことができる。
【0044】
また、塵芥収容箱5に塵芥を積込む際において、塵芥収容箱5内の排出板52は、最後方位置に配置されており、前記塵芥積込装置7により積込まれる塵芥が排出板52を押圧する力が所定以上に達した際に、排出シリンダが縮退することで徐々に前方に移動する。このような排出板52の移動動作によって塵芥を圧縮しながら積み込むことができる。
【0045】
そして、このように塵芥を積込んで塵芥収容箱5が満杯状態になると、塵芥の排出作業に移る。すなわち、塵芥収集車4を塵芥処理場等へ移動させた後に、傾動シリンダを伸長させ、塵芥投入箱6を枢支61を中心にして上方に傾動させて塵芥収容箱5の後部を開放状態にした後、排出シリンダを伸長させ、塵芥収容箱5の前部に位置する排出板52を後方に移動させることで、この塵芥収容箱5内に収容された塵芥を排出する。
【0046】
このように本発明の油圧駆動装置1を用いて塵芥積込装置7を作動させることができる。この場合、油圧駆動装置1全体がコンパクトであるとともに、油圧配管も不要であるため当該油圧駆動装置1を他の部材の邪魔にならずに容易に取付けることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の油圧駆動装置によれば、油圧駆動装置全体の小型化を図ることができるとともに、油圧発生装置と油圧シリンダとを連結する余分な配管も不要で、この油圧駆動装置によって作動させる適宜な作動機器に簡単に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧駆動装置の構成を示す一部破断の側面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】図1におけるB−B断面図である。
【図4】図1におけるC−C断面図である。
【図5】図1におけるD−D断面図である。
【図6】本発明の油圧駆動装置の構成を模式的に示した油圧回路図である。
【図7】本発明の油圧駆動装置の適用例を示す塵芥収集車における一部破断の側面図である。
【図8】塵芥収集車による塵芥積込動作を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 油圧駆動装置
2 油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
2a ピストン側室
2b ロッド側室
3 油圧発生装置
31 電動モータ
32 油圧ポンプ
32a、32b ポンプポート
33 リアケース
34 油タンク
36a、36b パイロットチェック弁(制御弁)

Claims (3)

  1. 油圧アクチュエータと油圧発生装置とが一体型になされた油圧駆動装置であって、
    前記油圧発生装置は、電動モータにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプのリアケースの一部に組み込まれた制御弁を通じて当該油圧ポンプのポンプポートに連通された油タンクとを備えてなり、油圧ポンプの正逆方向への回転駆動により油圧アクチュエータを作動させるように構成されたことを特徴とする油圧駆動装置。
  2. 前記油圧アクチュエータは油圧シリンダであって、前記油圧ポンプの正逆方向への回転駆動により油圧シリンダのピストン側室とロッド側室との間で、油の不足分や過剰分を油タンクを通じて給排しながら油をやり取りすることで、上記油圧シリンダを伸縮作動させるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。
  3. 前記油圧発生装置は、油圧シリンダと平行に配置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の油圧駆動装置。
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