JP2004256970A - プレスフェルト - Google Patents

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JP2004256970A
JP2004256970A JP2003051205A JP2003051205A JP2004256970A JP 2004256970 A JP2004256970 A JP 2004256970A JP 2003051205 A JP2003051205 A JP 2003051205A JP 2003051205 A JP2003051205 A JP 2003051205A JP 2004256970 A JP2004256970 A JP 2004256970A
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twisted
twisted yarn
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Kazumasa Watanabe
一正 渡辺
Takenobu Sasai
健延 笹井
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Ichikawa Woolen Textile Co Ltd
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Ichikawa Woolen Textile Co Ltd
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Abstract

【課題】圧縮回復性に優れ、走行姿勢の安定したプレスフェルトを提供すること。
【解決手段】プレスフェルト10は、MD方向糸材21を具えた基体20と、基体20に絡合一体化されたステープルファイバー30からなるプレスフェルト10において、MD方向糸材21は、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸21Aと、第1の撚糸21Aとは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸21Bとからなる。MD方向糸材を撚糸で構成することで、圧縮回復性の向上を図ることができる。また、その撚糸を、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸とで構成することで、フェルトがMD方向に移動するときのCMD方向へのずれを防ぎ、走行姿勢を安定させることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプレスフェルト(以下、単に「フェルト」と記す場合がある。)に関し、特に、圧縮回復性及び走行安定性に優れたプレスフェルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、抄紙工程又はスレート製造工程のプレスパートにおいては、プレスフェルトを用いて搾水作業が行われている。なお、以下、便宜上、抄紙工程を中心に本発明のプレスフェルトの説明を行う。
図11により、一般的なフェルト構成を説明する。プレスフェルト10Aは無端状に形成されており、基体20と、基体20にニードルパンチングで絡合一体化されたステープルファイバー30とにより構成される。
基体20は、フェルト10Aの機械的強度を発現させるためのもので、図11においては、MD方向糸材21と、CMD方向糸材22とを織成することにより得られた織布が使用されている。
【0003】
フェルト10Aは、前述した通り、抄紙機のプレスパートで使用される。この際、プレスパート内に、複数のガイドロールに張力を掛けられ配置される。そしてフェルト10Aは、一対のプレスロール又はプレスロールとシューとにより構成されるプレス部で、湿紙とともに加圧されることにより、湿紙からの水分を搾水する。なお、フェルト10Aは、プレスロールの回転に追随して走行する。
【0004】
ここで、従来より、基体20のMD方向糸材21としては、マルチフィラメントやモノフィラメント単糸、紡績糸が使用されてきたが、圧縮回復性の向上等の目的のために、撚糸が採用される場合があった(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭55−128097号公報
【特許文献2】
特開平8−260378号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、MD方向糸材21に撚糸を採用した場合、フェルト10Aの走行安定性に問題があった。
この問題点を図12に基づき説明する。図12は、MD方向糸材21の拡大図である。MD方向糸材21は撚糸であるため、当然「撚り」が与えられている。このフェルト10Aが走行方向MDに移動した場合、「撚り」により、P1方向の推進ベクトルが発生し、結果としてベクトルP2方向にフェルト10Aが移動する虞があった。
このように、MD方向糸材21に撚糸を使用したフェルト10Aは抄紙機内で蛇行し易いため、抄紙装置の安定した操業が困難となっていた。
【0007】
本発明は、上述した欠点に鑑み、圧縮回復性に優れ、走行姿勢の安定したプレスフェルトを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、MD方向糸材を具えた基体と、該基体に絡合一体化されたステープルファイバーからなるプレスフェルトにおいて、
前記MD方向糸材が、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、該第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸からなるプレスフェルトによって、前記の課題を解決した。
【0009】
【作用】
本発明によれば、MD方向糸材を撚糸で構成することで、圧縮回復性の向上を図ることができる。
また、その撚糸を、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸とで構成することで、フェルトがMD方向に移動するときのCMD方向へのずれを防ぎ、走行姿勢を安定させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1を参照して説明する。
先ず、本発明のプレスフェルト10は、MD方向糸材21を具えた基体20と、基体20に絡合一体化されたステープルファイバー30からなるプレスフェルト10において、MD方向糸材21は、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸21Aと、第1の撚糸21Aとは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸21Bとからなる。
【0011】
ここで、基体20は、プレスフェルトの機械的強度を発現させるためのものであり、MD方向糸材21を有すれば、様々な構成を採用することができる。
すなわち、図2に示される、MD方向糸材21と、CMD方向糸材22とを織製することにより得られる織布を採用することができる。
【0012】
また、図3に示される、特表平6−503385号に開示された基体20であっても使用することができる。なお、この図3に示される基体20は、次の工程により作製される。まず、MD方向糸材21と、CMD方向糸材22とにより、完成されるべきフェルトよりも狭い幅を有する織布を作製する。次に、この織布を一対のロール上にスパイラルに巻回し、隣り合う織布縁部同士を接合することにより基体20を得る。
なお、この基体20の場合、スパイラルに織布を巻回するため、基体20のMD方向糸材21は、実際のMD方向に対して角度を有する。
【0013】
さらに、特開平6−280183号に記載された、完成すべきフェルトの幅とほぼ同じ幅を有する、MD方向糸材とCMD方向糸材からなる織布を同軸上に巻回することにより得られる基体であってもよい。
もちろん、織布による基体のみならず、例えば、特開平11−124787号に開示された、MD方向糸材を接着剤で固定して得られる基体であってもよい。さらに、MD方向糸材や、CMD方向糸材を織製せずに、単に重ねた構成による基体であってもよい。
【0014】
なお、本発明の撚糸の具体例を、図4及び図5を参照して説明する。
まず、本発明の撚糸としては、図4に示す、複数本の単糸211を束ねて、撚りをかけてなる片撚糸(かたよりいと=single twist yarn, tram)を使用することができる。
また、図5に示す、2本以上の単糸を引き揃えて撚り(下撚り)を加えた糸材213を用意し、この糸材213を複数本引き揃えて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)をかけてなる諸撚糸(もろよりいと=plied yarn, folded yarn)を使用することができる。
なお、片撚糸、諸撚糸の用語は、JISの定義による。
【0015】
また、本発明の「撚りの方向」とは、一般的な撚り方向を示す。すなわち、「一の糸材における撚り方向と、他の糸材における撚り方向が異なる」とは、一の糸材における撚り方向が右回り(S方向)であり、他の糸材における撚り方向が左回り(Z方向)である状態を指す。
この際、例えば、諸撚糸のように、一本の糸材中に複数の撚り方向を有するものがある。この場合は、撚糸の製造工程における「最終的な撚り方向」を本発明の「撚り方向」とする。すなわち、諸撚糸の場合であれば「上撚」の方向を指す。
【0016】
そして、本発明のMD方向糸材は、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸からなる。
この場合、基体20において、第1の撚糸と第2の撚糸が、同数配置されるのが理想的である。
一方、第1の撚糸と第2の撚糸が、同数でない場合であっても、混在していれば、所望の目的を或る程度は達成することができる。
【0017】
なお、MD方向糸材において、第1の撚糸と第2の撚糸が一定の配列規則に基づき配置されている場合は、より一層の効果を得ることができる。
この場合、糸材の撚り方向による推進力を、隣り合う糸材で互いに打ち消すために、図6に示すように、基体20の幅方向に亘り、第1の撚糸21Aと、第2の撚糸21Bが1本ずつ交互に配置される構成や、図7に示すように、基体20の幅方向に亘り、第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bが2本ずつ交互に配置される構成が望ましい。
【0018】
また、図8に示すように、基体20の幅方向において、中心から見た左方向の全てを第1の撚糸21Aとし、右方向の全てを第2の撚糸21Bとしてもよい。
この場合、それぞれの幅方向端部側に向かい推進力を発生させ、フェルトの皺伸ばし効果を得るために、第1の撚糸21Aの撚り方向をZ方向、第2の撚糸21Bの撚り方向をS方向とすることが望ましい。
【0019】
一方、図9に示すように、第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bがランダムに配置されていてもよい。
【0020】
なお、第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bは、撚り方向が異なるのみで、構成すべき素材や、糸種類、撚り回数等は同一であるものを使用することが、品質を安定させるために好ましい。
しかし、第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bが、撚り方向以外にも、異なる構成を有していても、本発明の撚糸として採用することが可能である。
【0021】
【実施例】
本発明の実施例にあたり、第1の撚糸21A及び第2の撚糸21Bを用意した。
この際、両撚糸は、基本的には「3/2/330」で示される諸撚糸とした。なお、この撚糸の表示形式は「上撚り時における下撚り糸材束本数/下撚り時における単糸束本数/単糸繊度=dtex」である。
なお、単糸としても同種のものを採用した。
すなわち、第1及び第2の撚糸21A,21Bは、撚り方向が異なるのみで、同一の諸撚糸である。
【0022】
ここで、第1及び第2の撚糸21A,21Bの詳細な構成は次の通りである。(第1の撚糸21A)
下撚り: S方向 310回/50インチ
上撚り: Z方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.55
【0023】
(第2の撚糸21B)
下撚り: Z方向 310回/50インチ
上撚り: S方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.55
【0024】
この第1の撚糸21A及び第2の撚糸21Bを使用して、プレスフェルトの基体となるべき織布を織成し、実施例及び比較例とした。
この際、CMD方向糸材としては、全ての実施例、比較例に同一のモノフィラメント単糸を使用した。
なお、実施例及び比較例の織布の寸法は、CMD方向の長さが1m、MD方向の長さが10mである。
【0025】
(実施例1)
織布の組織: 1/1 平織
MD方向糸材の配列形態: 第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bが一本ずつ交互に配置
(実施例2)
織布の組織: 2/1 平織
MD方向糸材の配列形態: 第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bが2本ずつ交互に配置
(実施例3)
織布の組織: 7/1,1/7 MD方向糸材多重織
MD方向糸材の配列形態: 第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bがランダムに配置。但し、基体全体における第1の撚糸21Aと第2の撚糸21Bの配置本数は同一。
【0026】
(比較例1)
織布の組織: 1/1 平織
MD方向糸材の配列形態: 第1の撚糸21Aのみ
(比較例2)
織布の組織: 2/1 平織
MD方向糸材の配列形態: 第1の撚糸21Aのみ
(比較例3)
織布の組織: 7/1,1/7 MD方向糸材多重織
MD方向糸材の配列形態: 第1の撚糸のみ
【0027】
このようにして構成した実施例及び比較例を、図10に示す装置を用いて試験した。
本装置は、一対のロールR1,R2により構成されている。そして、ロールR2は、一方の端部を軸として、移動可能に構成されている。
この装置に織布を掛け渡し、100m/分で走行させた。そして、織布の走行に片寄りが発生した場合、ロールR2を移動して調整した。この際、ロールR2の基準位置と、移動位置との距離Lを計測した。
そして、この距離Lが40mm以内であれば良として「○」、40mm以上であれば不良として「×」の評価を、それぞれ与えた。
【0028】
この結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004256970
表1から明らかな通り、本発明のプレスフェルトは、優れた走行安定性を発揮することが確認された。
【発明の効果】
本発明によれば、MD方向糸材を撚糸で構成することで、圧縮回復性の向上を図ることができる。
また、その撚糸を、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸とで構成することで、フェルトがMD方向に移動するときのCMD方向へのずれを防ぎ、走行姿勢を安定させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレスフェルトの断面図
【図2】基体の構成方法の説明図。
【図3】基体の構成方法の説明図。
【図4】撚糸の具体例の説明図。
【図5】撚糸の具体例の説明図。
【図6】撚糸の配置方法の説明図。
【図7】撚糸の配置方法の説明図。
【図8】撚糸の配置方法の説明図。
【図9】撚糸の配置方法の説明図。
【図10】実施例及び比較例のプレスフェルトについて、走行安定性を評価するための装置の概要図。
【図11】従来のプレスフェルトの断面図。
【図12】撚糸に発生する推進ベクトルの説明図。
【符号の説明】
10:プレスフェルト
20:基体
21:MD方向糸材
21A:第1の撚糸
21B:第2の撚糸
22:CMD方向糸材
30:ステープルファイバー

Claims (5)

  1. MD方向糸材を具えた基体と、該基体に絡合一体化されたステープルファイバーからなるプレスフェルトにおいて、
    前記MD方向糸材が、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、該第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸からなることを特徴とする、
    プレスフェルト。
  2. 前記第1の撚糸と前記第2の撚糸が交互に配置されている、請求項1のプレスフェルト。
  3. 前記第1の撚糸と前記第2の撚糸がランダムに配置されている、請求項1のプレスフェルト。
  4. 前記第1の撚糸と前記第2の撚糸が同数配置されている、請求項1から3のいずれかのプレスフェルト。
  5. 第1の撚糸と第2の撚糸が、撚り方向以外は同一構成のものである、請求項1から4のいずれかのプレスフェルト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007063870A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Yamauchi Corporation プレスベルト
JP2009155747A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Nippon Felt Co Ltd 製紙用フェルト

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