JP2004254447A - インバータ装置およびそれを用いる太陽光発電システム - Google Patents

インバータ装置およびそれを用いる太陽光発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】住宅用太陽光発電システムに用いられ、入力直流電流を高周波インバータブリッジ24にて、商用交流の振幅レベルを有し、所定のキャリア周波数の高周波電流に変換して高周波絶縁トランス25に入力し、得られた高周波電流からダイオードブリッジ26およびローパスフィルタ28にてリップル成分を除去した後、低周波インバータブリッジ29にて各相へ出力することで、太陽電池22側の1次回路と、商用電力系統23側の2次回路とを電気的に絶縁して連系するようにしたインバータ装置21において、回路素子を確実に保護する。
【解決手段】直流入力電圧の変動を抑制する直流コンデンサC0と並列に、直流入力ラインを短絡する短絡用サージアブソーバ41を設け、その保護動作電圧を、前記高周波絶縁トランス25からの高周波電流を整流する全波整流ダイオードブリッジ26に隣接して設けられる還流ダイオードD0の耐電圧よりも低く設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽光発電や風力発電などのように直流電源が屋外に設置される場合に用いられるインバータ装置およびそれを用いる太陽光発電システムの雷サージ保護強化方法に関し、特に一般家庭に設置される場合のように、発電規模が小さく、このため接地が充分でない場合に好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保全問題などから、太陽光、風力、地熱などのクリーンな自然エネルギを利用した電力システムの開発が活発に行われ、なかでも太陽光発電システムは、太陽の日射強度がある場合に直流電力を出力する太陽電池のみで発電でき、シンプルでクリーンな電力システムとして設置場所の制約が少ないので、積極的な普及が図られようとしている。ところで、この太陽光発電システムを一般家庭で利用するには、太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換し、既存の商用電力系統の配電線と連系して、その配電線に接続されている負荷に交流電力を供給するとともに、余剰電力を商用系統に逆潮流するインバータ装置が必要である。
【0003】
そして、前記太陽光発電システムに好適なインバータ装置については、本件出願人は、既に特開平7−322634号公報および特開平8−23680号公報等で提案しており、以下にその概要を述べる。前記特開平7−322634号公報は単相2線式であり、前記特開平8−23680号公報は単相3線式である。図4には、太陽光発電システムに用いて極めて好適であり、かつ既存の商用電力系統の単相3線式配電線と連系できる前記特開平8−23680号公報のインバータ装置1についての主要回路を示す。図4では、制御に関する信号線を破線や2点鎖線で示している。また、コイルの磁気結合を破線で示している。
【0004】
このインバータ装置1は、太陽電池2と既存の商用電力系統3との間に挿入され、太陽電池2で発電された直流電力を50/60Hzの交流電力に変換して商用電力系統3に給電し、負荷(不図示)に電力を供給するとともに、商用電力系統3へも電力の逆潮流を行う。以下に、商用電力系統3の単相3線式の各配電線の名称を、図に示すように、それぞれ中性線o線、電圧線u線およびv線として、該インバータ1装置の構成について具体的に説明する。
【0005】
まず、入力直流コンデンサc0は、日射変動を受けた太陽電池2の出力変動による該インバータ装置1の入力電圧Vinの変動を抑制するために設けられている。この入力直流コンデンサc0で平滑化されて該インバータ装置1に入力された直流電流は、IGBT素子q1〜q4のスイッチング素子で構成される高周波インバータブリッジ4に導かれ、直流から正弦波PWM変調が施され、予め定めるキャリア周波数の高周波交流に電力変換される。そして、前記高周波インバータブリッジ4の出力は、高周波絶縁トランス5の1次側に供給され、該高周波絶縁トランス5の巻数比に応じた電圧に変圧された高周波交流が2次側に出力される。すなわち、高周波絶縁トランス5は、商用電力系統3と太陽電池2とを電気的に絶縁しており、太陽電池2で発電された電力(エネルギ)のみが商用電力系統3側に伝えられる。
【0006】
前記高周波絶縁トランス5の2次側には中間タップが設けられ、この中間タップからの線は、中性線として、連系リレー7を介して、商用電力系統3の単相3線式配電線の中性線o線に接続されている。前記高周波絶縁トランス5の2次側出力としての他の2線は、ダイオードブリッジ6の交流入力端子に接続され、PWM変調を施された高周波交流から、同じくPWM変調を施された高周波パルス列の直流に電力変換される。前記ダイオードブリッジ6の直流出力端子からの2線は、相互に対称に、DCリアクトルl1a,l1bおよび該DCリアクトルl1a,l1b通過後の上記出力2線と上記中性線との間に挿入されたコンデンサc1a,c1bとで構成されるローパスフィルタ8を介して、低周波インバータブリッジ9に接続される。
【0007】
ここで、前記ダイオードブリッジ6からの出力である高周波PWM変調パルス列の直流は、前記ローパスフィルタ8を介すると、高周波リップル成分が除去・平滑化され、低周波の正弦波全波整流波形の脈流直流となる。この低周波全波整流波形の脈流直流が、次段の低周波インバータブリッジ9に入力されると、該低周波インバータブリッジ9を構成する4つのIGBT素子s1〜s4から成るスイッチング素子で商用交流の各相へ出力され、こうして商用周波の正弦波交流波形に変換される。
【0008】
前記低周波インバータブリッジ9からの出力は、前記連系リレー7を介し、さらにDCリアクトルl2a,l2bおよびコンデンサc2a,c2bで構成され、前記中性線との間にそれぞれ対称に配置されるACフィルタ回路10を介して高調波成分除去による波形整形が行われ、商用電力系統3の単相3線式配電線の電圧線u線およびv線にそれぞれ供給接続される。ここで、前記低周波インバータブリッジ9からの出力として、前記電圧線u線およびv線にそれぞれ流れる電流波形は、原則的に電圧波形と同位相の波形である。
【0009】
前記高周波インバータブリッジ4のIGBT素子q1〜q4および低周波インバータブリッジ9のIGBT素子s1〜s4は、太陽電池2からの入力電圧Vin、入力電流Iin、高周波絶縁トランス5の1次側電流Itおよび各相u,v,oの出力電圧Voutに応答して、マイクロコンピュータなどで実現される制御回路11によって、ゲートドライブ回路12,13を介して、そのスイッチングが制御される。
【0010】
上述のように構成されるインバータ装置1において、入力側の太陽電池2の直流電圧に対して、出力交流側の第1線間(u線−o線間)電圧および第2線間(o線−v線間)電圧をそれぞれ100V、第3線間(u線−v線間)電圧を200Vとなるように高周波絶縁トランス5の変圧比を設計することによって、本インバータ装置1は、装置の小形、軽量化(低周波トランス方式のインバータに比べて、容量比で約1/4、重量比で約1/6)を実現するとともに、本インバータ装置1の出力として中性線を含むu線o線v線の3線を有し、それぞれの線間電圧が商用電力系統3の単相3線式配電線との連系可能な線間電圧を有しているので、商用電力系統3の単相3線式配電線と系統連系運転を行うことができる。
【0011】
なお、本発明に類似または関連した構成として、上記の2件以外の先行技術が存在する。これらの先行技術に関する説明は、説明の便宜上、発明の実施の形態にて行う。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−322634号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平8−23680号公報
【0014】
【特許文献3】
特開2000−134795号公報
【0015】
【特許文献4】
実用新案登録第3067276号公報
【0016】
【特許文献5】
特開2000−173376号公報
【0017】
【特許文献6】
特開2001−238465号公報
【0018】
【特許文献7】
特開2000−134795号公報
【0019】
【特許文献8】
特開平10−201086号公報
【0020】
【特許文献9】
特開2001−204178号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したインバータ装置1等を備えた太陽光発電システムを一般家庭などに設置すると、該太陽光発電システムは、一般家庭で従来から使用されている家庭用電気製品と同等の取り扱いとなる。そして、大部分の家庭用電気製品は、その内部電気回路の電源線を外部の商用交流電源線に接続するにあたって、どちら側を電圧線にするか、または中性線にするかの接続形式が不定のため、非接地方式で接続される例が多い。
【0022】
このため、これら家庭用電気製品を、落雷時の雷サージが引起こす絶縁破壊や焼損事故等から保護するために、特開2000−134795号公報や実用新案登録第3067276号公報等に示されるように、柱上変圧器側でB種(第2種)接地されている低圧配電線の中性線に雷侵入保護装置(保安器)を介在し、雷サージ電流を該中性線から大地に放流させる手法が、従来より行われている。したがって、前記のように一般家庭などに設置された太陽光発電システムのインバータ装置1も、商用電力系統3の前記中性線に接続されている雷侵入保護装置によって、雷サージから保護されるのが通例である。
【0023】
しかしながら、太陽光発電システムでは、太陽電池2は、住宅の屋根上などの屋外に設置しなければならないので、これがアンテナとなって誘導雷サージの侵入から免れることができない。しかも、太陽電池2の発電電力は商用電力系統3とは異なり、直流であるので、インバータ装置1の入力側への配線は、非接地回路方式となっている。このため、該配線に前記誘導雷サージが侵入すると、P(プラス)およびN(マイナス)の入力ライン間には、太陽電池2の発電する電圧よりも極めて高いサージ電圧が発生して、高周波インバータブリッジ4に入力し、IGBT素子q1〜q4を破壊することになる。
【0024】
そこで、前記高周波インバータブリッジ4の雷サージ電圧による破壊を防止するために、前記P(プラス)およびN(マイナス)の入力ライン間にサージアブソーバを挿入して、前記誘導雷サージの異常高電圧を吸収し、制限する(ピークカットする)手法が、特開2000−173376号公報や特開2001−238465号公報等で示されるように、既に実施されている。
【0025】
ところが、この手法でも、インバータ装置1が破壊される例が多い。これは、太陽電池2の近くに落雷したような非常に大きな雷サージでは、前記非接地回路方式となっているP(プラス)およびN(マイナス)のそれぞれの入力ラインと大地との間にも、雷サージによる大きな対地電圧が発生し、この大きな対地電圧がインバータ装置1内に侵入すると、高周波絶縁トランス5の1次2次間絶縁を破壊して焼損させ、その2次側の中性線(o線)を介して、前記柱上変圧器のB種(第2種)接地によって放電するためである。
【0026】
そこでさらに、上述の雷サージによる破壊現象を防止するために、特開2000−134795号公報に示されるように、家屋側でC種(第3種)接地を施す共通接地線を設け、特開平10−201086号公報や特開2001−204178号公報で示されるように、該共通接地線と、前記非接地回路方式となっているP(プラス)およびN(マイナス)の入力ラインとの間に、それぞれサージアブソーバを追加挿入して、誘導雷サージで発生した異常な対地電圧を吸収し、制限する(ピークカットする)手法も、既に実施されている。
【0027】
前記のサージアブソーバは、入力の直流側と出力の交流側とが出力側低周波または入力側高周波の絶縁トランスで絶縁されていないトランスレス方式の系統連系インバータ装置における雷サージ保護には必ず必要であるが、この場合、インバータ装置に使用する主回路の回路素子は、入力および出力の電圧ラインに対して同レベルの耐電圧協調部品であることが原則的である。
【0028】
しかしながら、前記特開平10−201086号公報や特開2001−204178号公報で示されている太陽光発電システムでは、それに採用している系統連系インバータ装置の形態について、どのような方式のものであるか具体的記述がない。したがって、雷サージ保護部材(サージアブソーバ)の設置(接続)法については、該インバータ装置に使用する主回路の回路素子をどう保護するのかを問わず、一般的に述べているに過ぎない。
【0029】
本発明の目的は、入力側と出力側との絶縁を重視して安全性を考慮しつつ、小形軽量化も実現した高周波絶縁トランス方式のインバータ装置において、装置内の回路素子を確実に保護することができるインバータ装置およびそれを用いる太陽光発電システムを提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明のインバータ装置は、屋外設置される直流電源で発生された直流電流を商用交流に変換するにあたって、入力直流電流を高周波インバータブリッジにて、前記商用交流の振幅レベルを有し、予め定めるキャリア周波数の高周波電流に変換して高周波絶縁トランスに入力し、得られた高周波電流からリップル成分を除去した後、低周波インバータブリッジにて前記商用交流の各相へ出力するようにしたインバータ装置において、前記高周波インバータブリッジへの直流入力電圧の変動を抑制する直流コンデンサと並列に、直流入力ラインを短絡する短絡用サージアブソーバを設け、前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧を、前記高周波絶縁トランスからの高周波電流を整流する全波整流ダイオードブリッジに隣接して設けられる還流ダイオードの耐電圧よりも低く設定することを特徴とする。
【0031】
上記の構成によれば、太陽光発電システムなどに用いられ、屋外設置される直流電源で発生された直流電流を商用交流に変換し、家電機器や、商用電源系統に給電するインバータ装置において、該インバータ装置が、入力直流電流を高周波インバータブリッジにて、前記商用交流の振幅レベルを有し、予め定めるキャリア周波数の高周波電流に変換して高周波絶縁トランスに入力し、得られた高周波電流からリップル成分を除去した後、低周波インバータブリッジにて前記商用交流の各相へ出力することで、太陽電池等の直流電源側の1次回路と、商用電力側の2次回路とを電気的に絶縁して連系するようにした高周波インバータ方式のインバータ装置の場合には、該インバータ装置の入力側は直流であるために、非接地回路方式となり、雷サージを免れることはできない。そこで、前記雷サージからの保護を、前記高周波インバータブリッジへの直流入力電圧の変動を抑制する直流コンデンサと並列に、直流入力ラインを短絡する短絡用サージアブソーバを設けるようにし、かつその短絡用サージアブソーバの保護動作電圧(耐電圧)を、前記高周波絶縁トランスからの高周波電流を整流する全波整流ダイオードブリッジに隣接して設けられる還流ダイオードの耐電圧よりも低く設定することで行う。
【0032】
したがって、入力側と出力側との絶縁を重視して安全性を考慮しつつ、小形軽量化も実現した高周波絶縁トランス方式のインバータ装置において、特にコスト低減のために、該インバータ装置に使用する主回路の回路素子、主に半導体素子の耐電圧レベルが、入力および出力の電圧ラインに対して不揃いになっても、最も大きい電圧が加わる前記還流ダイオードの耐電圧よりも前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧を低く設定しておくことで、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0033】
また、本発明のインバータ装置は、前記高周波インバータブリッジの正負両極性の入力ラインに、該入力ラインに誘起された雷サージを地絡させる接地用サージアブソーバをそれぞれ接続し、前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、該インバータ装置内で破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ該インバータ装置の動作電圧よりも高く設定することを特徴とする。
【0034】
上記の構成によれば、落雷が発生した場合、大地に対する誘導雷サージも必ずと言ってよい程発生するので、前記短絡用サージアブソーバでその保護動作電圧以上のピーク部分をカットされても、そのサージ電圧の対地電圧交流成分によって、高周波絶縁トランスを介して、ダイオードブリッジの正側ラインおよび負側ラインに対地電圧が誘起される。
【0035】
したがって、前記接地用サージアブソーバを設けることで、設けない場合よりも前記対地電圧を小さくすることができ、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0036】
さらにまた、本発明のインバータ装置は、前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、さらに前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも低く設定することを特徴とする。
【0037】
上記の構成によれば、前記短絡用サージアブソーバで、その保護動作電圧以上のピーク部分をカットされても、雷サージ侵入部から半導体部品に至るまでのラインにインダクタンスが繋がっている場合は、該インダクタンスで誘起される電圧が重畳されて、カットされずに侵入したサージ電圧以上の電圧が半導体部品に印加されることがある。そこで、前述のように誘起された雷サージ(対地電圧)を地絡させるために設けられる接地用サージアブソーバの保護動作電圧(耐電圧)を、前述のようにインバータ装置内で破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ該インバータ装置の動作電圧よりも高く設定するとともに、さらに前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも低く設定する。
【0038】
これは、短絡用サージアブソーバの保護動作電圧(耐電圧)を低くする程、侵入するサージ電圧を小さくし、サージ保護を強化することができるけれども、該短絡用サージアブソーバにおけるリーク電流が増加し、直流電源の発電電力に対して、実際にインバータ装置へ入力される電力の効率が悪くなって、好ましくないからである。すなわち、短絡用サージアブソーバの耐電圧設定値については、インバータ装置内の回路素子が耐電圧協調してあっても、その破壊耐電圧が回路接続上一番小さくなる回路素子(前記還流ダイオード)よりもできるだけ低く、しかも入力電力効率を悪くするリーク電流をできるだけ少なくするために、該インバータ装置の入力動作電圧よりもできるだけ高く設定しなければならないという相反する要求が発生する。そこで、前記のように接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも低くすることで、短絡用サージアブソーバでのリーク電流を抑えつつ、接地用サージアブソーバによって装置内の回路素子を確実に保護することもできる。
【0039】
また、本発明のインバータ装置は、前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、その2倍値が、前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも高く設定することを特徴とする。
【0040】
上記の構成によれば、前述のように接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも低く、かつ前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも高く設定するが、しかしその設定値の2倍値を、前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子(還流ダイオード)の耐電圧よりも低いままで、前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも高くなるように設定する。
【0041】
したがって、先ず接地用サージアブソーバの保護動作電圧の2倍値を、前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも高くなるように設定することで、前記リーク電流を抑えることができる。そしてさらに、前記2倍値を、前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子(還流ダイオード)の耐電圧よりも低くすることで、前記インダクタンスによって前記高周波インバータブリッジの正負両極性の入力ラインにそれぞれ誘起される相互に逆極性の電圧による差(相対値)も確実に該素子の耐電圧よりも低くし、該素子を確実に保護することができる。
【0042】
さらにまた、本発明の太陽光発電システムは、前記のインバータ装置を、前記直流電源と商用系統との連系に用いることを特徴とする。
【0043】
上記の構成によれば、太陽光発電システムは、太陽電池パネルが前記屋外に設置され、雷サージの影響を受け易く、また一般家庭に設置される場合のように、発電規模が小さく、このため接地も充分でないことが多いので、本発明が特に効果的である。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1および図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0045】
図1は、本発明の実施の一形態のインバータ装置21を含む太陽光発電システムの主要回路図である。図1では、前述の図4と同様に、制御に関する信号線を破線や2点鎖線で示している。また、コイルの磁気結合を破線で示している。
【0046】
このインバータ装置21は、太陽電池22と既存の商用電力系統23の単相3線式配電線との間に挿入され、太陽電池22で発電された直流電力を50/60Hzの交流電力に変換して商用電力系統23に給電し、負荷(不図示)に電力を供給するとともに、商用電力系統23へも、余剰電力の逆潮流を行う。前記のように、商用電力系統23の単相3線式の各配電線の名称を、それぞれ中性線o線、電圧線u線およびv線としている。
【0047】
太陽電池22の各セルB1,B2,…,Bnでそれぞれ発電された直流電流は、逆流防止用のダイオードD1,D2,…,DnおよびヒューズFP,FNを介して、インバータ装置21の入力直流コンデンサC0に与えられる。この入力直流コンデンサC0は、日射変動を受けた太陽電池22の出力変動による該インバータ装置21の入力電圧Vinの変動を抑制するために設けられている。この入力直流コンデンサC0で平滑化された直流電流は、IGBT素子Q1〜Q4のスイッチング素子で構成される高周波インバータブリッジ24に導かれ、直流から正弦波PWM変調が施され、予め定めるキャリア周波数の高周波交流に電力変換される。そして、前記高周波インバータブリッジ24の出力は、高周波絶縁トランス25の1次側に供給され、該高周波絶縁トランス25の巻数比に応じた電圧に変圧された高周波交流が2次側に出力される。
【0048】
前記高周波絶縁トランス25の2次側には中間タップが設けられ、この中間タップからの線は、中性線として、連系リレー27を介して、商用電力系統23の単相3線式配電線の中性線o線に接続されている。前記高周波絶縁トランス25の2次側出力としての他の2線は、ダイオードブリッジ26の交流入力端子に接続され、PWM変調を施された高周波交流から、同じくPWM変調を施された高周波パルス列の直流に電力変換される。前記ダイオードブリッジ26の直流出力端子からの2線は、相互に対称に、DCリアクトルL1a,L1bおよび該DCリアクトルL1a,L1b通過後の上記出力2線と上記中性線との間に挿入されたコンデンサC1a,C1bとで構成されるローパスフィルタ28を介して、低周波インバータブリッジ29に接続される。
【0049】
前記ダイオードブリッジ26からの出力である高周波PWM変調パルス列の直流は、前記ローパスフィルタ28を介すると、高周波リップル成分が除去・平滑化され、低周波の正弦波全波整流波形の脈流直流となる。この低周波全波整流波形の脈流直流が、次段の低周波インバータブリッジ29に入力されると、該低周波インバータブリッジ29を構成する4つのIGBT素子S1〜S4から成るスイッチング素子で商用交流の各相へ出力され、こうして商用周波の正弦波交流波形に変換される。
【0050】
前記低周波インバータブリッジ29からの出力は、前記連系リレー27を介し、さらにDCリアクトルL2a,L2bおよびコンデンサC2a,C2bで構成され、前記中性線との間にそれぞれ対称に配置されるACフィルタ回路30を介して高調波成分除去による波形整形が行われ、商用電力系統23の単相3線式配電線の電圧線u線およびv線にそれぞれ供給接続される。前記低周波インバータブリッジ29からの出力として、前記電圧線u線およびv線にそれぞれ流れる電流波形は、原則的に電圧波形と同位相の波形である。
【0051】
前記高周波インバータブリッジ24のIGBT素子Q1〜Q4および低周波インバータブリッジ29のIGBT素子S1〜S4は、太陽電池22からの入力電圧Vin、入力電流Iin、高周波絶縁トランス25の1次側電流Itおよび各相u,v,oの出力電圧Voutに応答して、マイクロコンピュータなどで実現される制御回路31によって、ゲートドライブ回路32,33を介して、そのスイッチングが制御される。
【0052】
上述のように構成されるインバータ装置21において、入力側の太陽電池22の直流電圧に対して、出力交流側の第1線間(u線−o線間)電圧および第2線間(o線−v線間)電圧をそれぞれ100V、第3線間(u線−v線間)電圧を200Vとなるように高周波絶縁トランス25の変圧比を設計することによって、装置の小形、軽量化を実現するとともに、出力として中性線を含むu線o線v線の3線を有し、それぞれの線間電圧が商用電力系統23の単相3線式配電線との連系可能な線間電圧を有しているので、商用電力系統23の単相3線式配電線と系統連系運転を行うことができる。
【0053】
以上の構成は、前記図4で示すインバータ装置1と同様である。さらにこのインバータ装置21では、高周波絶縁トランス25の2次側には、高周波インバータブリッジ24のIGBT素子Q1〜Q4のスイッチングで必ずと言ってよいほど発生するスパイクノイズが、該トランス25の2次側以降に波及しないように、該スパイクノイズを減衰させるスナバ回路34が挿入されている。また、このトランス25の2次側には、該2次側に誘起された高周波交流を全波整流するダイオードブリッジ26の出力直流ラインP,N間に、該ダイオードブリッジ26に隣接して、還流ダイオードD0が設けられている。
【0054】
前記還流ダイオードD0は、次のような理由から設けられている。すなわち、高周波絶縁トランス25の2次側に誘起された高周波交流をダイオードブリッジ26で全波整流した直流脈流の電圧と電流との位相は、原則的に同位相でなければならないが、DCリアクトルL1a,L1bとコンデンサC1a,C1bとで構成されるローパスフィルタ28を介して低周波インバータブリッジ29で交流化されて、連系している交流負荷(不図示)に供給されると、該交流負荷の性質によっては、前記電圧と電流との位相がどうしてもずれてしまうことがある。このずれの程度がひどくなると、脈流電圧の向きに対して逆位相の電流の行き場が無くなるので、異常過渡現象が生じて、低周波インバータブリッジ29やダイオードブリッジ26の破壊に至ることがある。このような破壊を防ぐために、前記還流ダイオードD0が設けられ、行き場の無くなった逆位相電流を吸収する。
【0055】
そして、注目すべきは、本発明では、前記高周波インバータブリッジ24の入力側に設けられる入力直流コンデンサC0と並列に、誘導雷サージからの保護手段として、短絡用サージアブソーバ(バリスタとサージアレスタとの複合品)41が設けられていることである。さらに、使用している主回路の回路素子、特に半導体部品は、一例として入力のDC200Vおよび出力のAC200Vの電圧ラインに対して充分な余裕があり、しかも同レベルの余裕を持つ、すなわち1200V以上の耐電圧協調部品を用いることを原則として、前記短絡用サージアブソーバ41の保護動作電圧(耐電圧)を、前記還流ダイオードD0を含む半導体部品より低く、かつ該インバータ装置21の動作電圧(前記200V)よりも高く、たとえば図2で示すように、800Vに設定することである。
【0056】
したがって、入力側と出力側との絶縁を重視して安全性を考慮しつつ、小形軽量化も実現した高周波絶縁トランス方式のインバータ装置21において、特にコスト低減のために、該インバータ装置21に使用する主回路の回路素子、主に半導体素子の耐電圧レベルが、上述のように1200V以上と不揃いになっても、最も大きい電圧が加わる前記還流ダイオードD0の耐電圧よりも前記短絡用サージアブソーバ41の保護動作電圧を低く設定しておくことで、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0057】
また、前記のような非接地回路方式の高周波インバータブリッジ24のP(プラス)およびN(マイナス)の各入力ラインP1,N1には、太陽電池モジュール20近傍への落雷によって、大地に対する誘導雷サージも必ずと言ってよいほど誘起するので、本実施の形態では、該誘起された雷サージ(対地電圧)を地面に逃がすための接地用サージアブソーバ42,43を前記各入力ラインP1,N1にさらに接続し、その接地部を家屋側でC種(第3種)接地を施した共通接地線に接続している。そして、本実施の形態では、前記接地用サージアブソーバ42,43の保護動作電圧を、前記還流ダイオードD0の耐電圧よりも低く、かつ該インバータ装置21の動作電圧よりも高く、たとえば前記図2で示すように、800Vに設定する。
【0058】
したがって、落雷が発生し、前記短絡用サージアブソーバ41でその保護動作電圧以上のピーク部分をカットされても、サージ電圧の対地電圧交流成分によって、高周波絶縁トランス25を介して、ダイオードブリッジ26のP(プラス)およびN(マイナス)の各入力ラインP1,N1に対地電圧が誘起されるけれども、その誘起される対地電圧を、前記接地用サージアブソーバ42,43によって小さくすることができ、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0059】
本発明の実施の他の形態について、図3および前記図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0060】
図3は、本発明の実施の他の形態の太陽光発電システムにおける一部を拡大して示す回路図である。この図3は、前述の図2に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。前述の図2の実施の形態では、接地用サージアブソーバ42,43の保護動作電圧は、前記還流ダイオードD0の耐電圧よりも低く、かつインバータ装置21の動作電圧よりも高く、たとえば800Vに設定されているのに対して、本実施の形態で注目すべきは、それに加えて、その2倍値が、前記還流ダイオードD0の耐電圧よりも低く、かつ前記短絡用サージアブソーバ41の保護動作電圧よりも高い値、たとえば500Vに設定されていることである。
【0061】
すなわち、インバータ装置21の動作電圧(200V)<接地用サージアブソーバ42,43の保護動作電圧(500V)<短絡用サージアブソーバ41の保護動作電圧(800V)<接地用サージアブソーバ42,43の保護動作電圧の2倍値(500V×2)<還流ダイオードD0の耐電圧(1200V)である。
【0062】
これは、前記の図2の実施の形態では、800Vを超える雷サージが誘起されると、該800Vを超えるピーク部分はカットされ、インバータ装置21内には、約800Vの電圧が侵入することになる。ここで、該インバータ装置21内の半導体部品に、上述のように1200V以上の耐電圧を有するものを採用することで、殆どの場合は問題ないのであるけども、稀ではあるが、前記還流ダイオードD0に破壊の発生することがあるためである。本件発明者が故障解析を行った結果、インバータ装置21の雷サージ侵入部から半導体部品に至るまでのラインにインダクタンスが繋がっている場合は、該インダクタンスで誘起される電圧が重畳されて、侵入したサージ電圧以上の電圧が半導体部品に印加されることが判明した。
【0063】
すなわち、前記図2の設定では、同図に示すように、サージアブソーバ42,43および41によって、上述のように800Vを超えるピーク部分がカットされるけれども、カットされない約800Vのサージ電圧の対地電圧交流成分が高周波絶縁トランス25の1次側に印加され、該高周波絶縁トランス25の絶縁度合およびスナバ回路34によって減衰を受けたとしても、その2次側には、P(プラス)側に対地電圧+500〜+600Vの交流サージ電圧が誘起されてしまう。そして、この誘起電圧による電流が、ダイオードブリッジ26を介して、そのP側ラインP2からローパスフィルタ28のDCリアクトルL1aを通って、コンデンサC1aを充電するように、系統連系されている中性線o’を介して単相3線式配電線のB種接地(図1参照)の方向、すなわち矢印Eの方向に流れると、DCリアクトルL1aと相互インダクタンスでカップリングしているDCリアクトルL1bには、上記と逆向きの電流、すなわち矢印Fの方向に流れる電流が誘起される。この電流も、前記中性線o’を介してコンデンサC1bを充電するように流れるので、ダイオードブリッジ26のN(マイナス)側ラインN2には、前記P側ラインP2および大地に対して、逆向きの対地電圧−400〜−650Vもの交流サージ電圧が誘起される。
【0064】
こうして、ダイオードブリッジ26のP側ラインP2およびN側ラインN2間には、瞬間的な過渡現象として900〜1250Vもの高電圧が発生し、この高電圧が稀に還流ダイオードD0の耐電圧1200Vを超え、前記のように該還流ダイオードD0の破壊に至ることが解明された。
【0065】
なお、還流ダイオードD0と全く同等の部品として選定しているダイオードブリッジ26の各ダイオードは、P側ラインP2とN側ラインN2との間に、2個が直列に接続されているので、結果として耐電圧が2400V級となって、破壊に至ることがなかった。すなわち、本インバータ装置21内では、破壊耐電圧が一番小さい回路素子は、前述のように還流ダイオードD0である。このため、還流ダイオードD0の選定を、耐電圧が2400V級のものにすればよいが、この種の高電圧ダイオードの耐電圧クラスを倍増すると、コストと、絶縁モールドされた外観形状も倍増してしまうので、コスト低減および小形化の傾向のインバータ装置21としての製造上好ましくない。
【0066】
そこで、前述のように接地用サージアブソーバ42,43に、その保護動作電圧の2倍値が、前記還流ダイオードD0の耐電圧よりも低く、かつ前記短絡用サージアブソーバ41の保護動作電圧よりも高いものを採用することで、還流ダイオードD0の耐電圧が1200Vのままで、該還流ダイオードD0の破壊を確実に防止することができる。
【0067】
すなわち、前述のように接地用サージアブソーバ42,43の保護動作電圧を500Vに設定した場合、インバータ装置21には対地電圧が500V以上のピーク部分をカットされたサージ電圧が侵入するが、このサージ電圧の対地電圧交流成分によって、高周波絶縁トランス25を介してダイオードブリッジ26のP側ラインP2に誘起される対地電圧は、図3で示すように、高々+200〜+300Vとなり、これによってN側ラインN2に誘起される対地電圧も、−100〜−350Vとなって、それらのラインP2,N2間に発生する瞬間的な過渡現象電圧は、高々300〜650Vに抑えられ、前記還流ダイオードD0(耐電圧1200V)を破壊することがなくなる。
【0068】
ここで勿論、回路素子の保護強化のために、短絡用サージアブソーバ41についても、その保護動作電圧を500V級にすることが考えられるが、そうすると、該短絡用サージアブソーバ41におけるリーク電流が、前記800V級の場合よりも多くなるので、太陽電池22の発電電力に対するインバータ装置21への入力電力効率が悪くなって、好ましくない。すなわち、短絡用サージアブソーバ41の保護動作電圧の設定値については、インバータ装置21内の回路素子が耐電圧協調してあっても、その破壊耐電圧が回路接続上一番小さくなる回路素子(還流ダイオードD0)よりもできるだけ低く、しかも入力電力効率を悪くするリーク電流を少なくするために、該インバータ装置21の入力動作電圧よりもできるだけ高く設定しなければならず、前記800V級の方が望ましい。
【0069】
こうして、短絡用サージアブソーバ41でのリーク電流を抑えつつ、接地用サージアブソーバ42,43によって、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0070】
本発明のインバータ装置21は、一般家庭に設置される場合のように、発電規模が小さく、このため接地も充分でないことが多い上述のような太陽光発電システムに特に好適に実施されるけれども、これに限らず、同様に直流電源が屋外設置され、雷サージの影響を受け易い風力発電システム、燃料電池システムなどにも好適に実施することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明のインバータ装置は、以上のように、太陽光発電システムなどに用いられる高周波インバータ方式のインバータ装置において、入力側が直流であるために非接地回路方式となるので、前記高周波インバータブリッジへの直流入力電圧の変動を抑制する直流コンデンサと並列に、直流入力ラインを短絡する短絡用サージアブソーバを設けるようにし、かつその短絡用サージアブソーバの保護動作電圧(耐電圧)を、前記高周波絶縁トランスからの高周波電流を整流する全波整流ダイオードブリッジに隣接して設けられる還流ダイオードの耐電圧よりも低く設定することで、雷サージからの保護を行う。
【0072】
それゆえ、入力側と出力側との絶縁を重視して安全性を考慮しつつ、小形軽量化も実現した高周波絶縁トランス方式のインバータ装置において、特にコスト低減のために、該インバータ装置に使用する主回路の回路素子、主に半導体素子の耐電圧レベルが、入力および出力の電圧ラインに対して不揃いになっても、最も大きい電圧が加わる前記還流ダイオードの耐電圧よりも前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧を低く設定しておくことで、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0073】
また、本発明のインバータ装置は、以上のように、前記高周波インバータブリッジの正負両極性の入力ラインに、該入力ラインに誘起された雷サージを地絡させる接地用サージアブソーバをそれぞれ接続し、前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、該インバータ装置内で破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ該インバータ装置の動作電圧よりも高く設定する。
【0074】
それゆえ、落雷が発生した場合に発生する大地に対する誘導雷サージの対地電圧交流成分が、高周波絶縁トランスを介してダイオードブリッジの正側ラインおよび負側ラインに誘起されても、前記接地用サージアブソーバを設けていることで、その対地電圧を小さくすることができ、装置内の回路素子を確実に保護することができる。
【0075】
さらにまた、本発明のインバータ装置は、以上のように、前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、さらに前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも低く設定する。
【0076】
それゆえ、雷サージ侵入部から半導体部品に至るまでのラインにインダクタンスが繋がっている場合は、該インダクタンスで誘起される電圧が重畳されて、カットされずに侵入したサージ電圧以上の電圧が半導体部品に印加されることがあるけれども、接地用サージアブソーバの保護動作電圧(耐電圧)を前述のよう設定することで、短絡用サージアブソーバでのリーク電流を抑えつつ、接地用サージアブソーバによって装置内の回路素子を確実に保護することもできる。
【0077】
また、本発明のインバータ装置は、以上のように、前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、その2倍値が、前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも高く設定する。
【0078】
それゆえ、接地用サージアブソーバの保護動作電圧の2倍値を、前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも高くなるように設定することで、リーク電流を抑えることができ、そしてさらに、前記2倍値を、前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子(還流ダイオード)の耐電圧よりも低くすることで、前記インダクタンスによって前記高周波インバータブリッジの正負両極性の入力ラインにそれぞれ誘起される相互に逆極性の電圧による差(相対値)も確実に該素子の耐電圧よりも低くし、該素子を確実に保護することができる。
【0079】
さらにまた、本発明の太陽光発電システムは、以上のように、前記のインバータ装置を、前記直流電源と商用系統との連系に用いる。
【0080】
それゆえ、太陽光発電システムは、太陽電池パネルが前記屋外に設置され、雷サージの影響を受け易く、また一般家庭に設置される場合のように、発電規模が小さく、このため接地も充分でないことが多いので、本発明が特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のインバータ装置を含む太陽光発電システムの主要回路図である。
【図2】本発明の実施の一形態の太陽光発電システムにおける一部を拡大して示す回路図である。
【図3】本発明の実施の他の形態の太陽光発電システムにおける一部を拡大して示す回路図である。
【図4】従来のインバータ装置の主要回路図である。
【符号の説明】
21 インバータ装置
22 太陽電池
23 商用電力系統
24 高周波インバータブリッジ
25 高周波絶縁トランス
26 ダイオードブリッジ
27 連系リレー
28 ローパスフィルタ
29 低周波インバータブリッジ
30 ACフィルタ回路
31 制御回路
32,33 ゲートドライブ回路
34 スナバ回路
41 短絡用サージアブソーバ
42,43 接地用サージアブソーバ
B1〜Bn セル
D1〜Dn 逆流防止用のダイオード
FP,FN ヒューズ
C0 入力直流コンデンサ
C1a,C1b;C2a,C2b コンデンサ
D0 還流ダイオード
L1a,L1b;L2a,L2b DCリアクトル
Q1〜Q4;S1〜S4 IGBT素子

Claims (5)

  1. 屋外設置される直流電源で発生された直流電流を商用交流に変換するにあたって、入力直流電流を高周波インバータブリッジにて、前記商用交流の振幅レベルを有し、予め定めるキャリア周波数の高周波電流に変換して高周波絶縁トランスに入力し、得られた高周波電流からリップル成分を除去した後、低周波インバータブリッジにて前記商用交流の各相へ出力するようにしたインバータ装置において、
    前記高周波インバータブリッジへの直流入力電圧の変動を抑制する直流コンデンサと並列に、直流入力ラインを短絡する短絡用サージアブソーバを設け、
    前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧を、前記高周波絶縁トランスからの高周波電流を整流する全波整流ダイオードブリッジに隣接して設けられる還流ダイオードの耐電圧よりも低く設定することを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記高周波インバータブリッジの正負両極性の入力ラインに、該入力ラインに誘起された雷サージを地絡させる接地用サージアブソーバをそれぞれ接続し、
    前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、該インバータ装置内で破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ該インバータ装置の動作電圧よりも高く設定することを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、さらに前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも低く設定することを特徴とする請求項2記載のインバータ装置。
  4. 前記接地用サージアブソーバの保護動作電圧を、その2倍値が、前記破壊耐電圧が一番小さい回路素子の耐電圧よりも低く、かつ前記短絡用サージアブソーバの保護動作電圧よりも高く設定することを特徴とする請求項3記載のインバータ装置。
  5. 前記請求項1〜4の何れか1項に記載のインバータ装置を、前記直流電源と商用系統との連系に用いることを特徴とする太陽光発電システム。
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