JP2004253897A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮するデジタルカメラを安価に提供する。
【解決手段】レンズバリア20がONされることにより、複数の撮影準備動作を行うデジタルカメラ100である。レンズバリアは、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる第一及び第二スイッチ部SW1、SW2を備える。第一及び第二スイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた撮影準備動作を処理するレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】レンズバリア20がONされることにより、複数の撮影準備動作を行うデジタルカメラ100である。レンズバリアは、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる第一及び第二スイッチ部SW1、SW2を備える。第一及び第二スイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた撮影準備動作を処理するレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体を撮像し、その光学像を画像データに変換して、所定の画像処理を施した後で半導体メモリに記憶するデジタルカメラが知られている。
このようなデジタルカメラでは、ユーザにより電源スイッチが操作されると、この電源スイッチがON状態になることに基づいて、電源回路部が電源電圧を定格電圧としてデジタルカメラを統括的に制御する制御部に供給する。そして、制御部の制御下にて、内蔵メモリ、レンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等の初期化を行った後、光学レンズの駆動、モニタの表示等を行うことで、撮影が可能な動作状態になるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−268413号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたデジタルカメラの場合、電源スイッチがONされても、制御部に電源回路部から電源電圧が供給されないと、電源回路部からレンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等の他の回路に定格電圧が供給されず、また内蔵メモリの初期化も行われない。更に、電源回路部が定格電圧をレンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等に供給しない限り、光学レンズの駆動或いはモニタの表示等は行われない。従って、電源スイッチがONされてから、光学レンズの駆動或いはモニタが表示されるまでには、直列的な処理が必ず必要となるため、幾つかの処理を並行して行えるようにしても、電源スイッチがONされてから撮影動作が可能な状態となるまでの時間短縮にも限界があった。
よって、更に時間短縮しようとすると、個々の直列的な処理の処理能力の高い部品を使用しなければならず、デジタルカメラのコストが上昇してしまうといった問題もある。
【0005】
本発明の課題は、電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができるデジタルカメラを安価に提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、電源スイッチがONされることにより、複数の撮影準備動作を行うデジタルカメラにおいて、
前記電源スイッチは、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる複数のスイッチ部を備え、
前記スイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた前記撮影準備動作を処理する撮影準備動作処理部を備えることを特徴としている。
【0007】
ここで、撮影準備動作とは、電源スイッチがONされてから撮影動作が可能な状態となるまでに行われる各種の準備に係る動作のことをいい、例えば、電源の出力電圧を電源回路に供給する動作、電源回路が電源電圧を定格電圧としてデジタルカメラを構成する各部に供給する動作、内蔵メモリ、レンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等の初期化を行う動作、光学レンズを駆動する動作、モニタに撮影中の画像を表示する動作等が挙げられる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、電源スイッチに備わる複数のスイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた撮影準備動作を処理する撮影準備動作処理部を備えるので、電源スイッチのスイッチ操作が完了してから撮影準備動作を処理するのではなく、電源スイッチの一連のスイッチ操作の過程で複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができ、電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
即ち、ユーザによる一連のスイッチ操作の途中で、スイッチ部が次々とONされて一部の撮影準備動作が次々と処理されるので、スイッチ操作の終了時には一部の撮影準備動作が既に開始され、その分、電源スイッチのスイッチ操作終了後から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮できる。
また、スイッチ部がONされる毎にタイミングをずらして、撮影準備動作を処理するので、デジタルカメラの各部に性能の良い部品を用いずとも電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができることとなって、このような性能を有するデジタルカメラを安価に提供できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影準備動作処理部は、
カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を行う動作部と、
前記複数のスイッチ部のうち、第一のスイッチ部がONされることに基づいて、前記動作部に電力を供給する電力供給手段と、
前記複数のスイッチ部のうち、第一のスイッチ部よりも後にONされる第二のスイッチ部がONされることに基づいて、前記動作部による動作を実行させる制御を行う動作制御手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
ここで、カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作には、レンズユニットを構成する鏡筒を光軸方向に移動させる動作やモニタに撮影中の画像を表示する動作等が含まれている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、第一のスイッチ部がONされることに基づいて、カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を行う動作部に電力が供給され、第二のスイッチ部がONされることに基づいて、動作部によりカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作が実行される。従って、スイッチ操作の途中で動作部に電力が供給されるので、第二のスイッチ部がONされたときに、より早く動作部を動作させることができる。
即ち、スイッチ操作が終了時には、動作部への電力の供給が既に開始され、その分、電源スイッチのスイッチ操作終了後から動作部が動作する時間を短縮できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影準備動作処理部は、
前記第一のスイッチ部がONされた後、前記第二のスイッチ部が所定時間内にONされたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記第二のスイッチ部が所定時間内にONされていないと判断された場合に、前記電力供給手段による電力の供給を制限する電力制限手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
ここで、電力の供給の制限には、例えば、動作部を待機状態とするために当該動作部に対しての電力の供給量の低減、動作部に対する電力の供給の遮断等が含まれる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同等の効果が得られるのは無論のこと、第一のスイッチ部がONされた後、判断手段により第二のスイッチ部が所定時間内にONされていないと判断された場合に、電力供給手段による電力の供給を制限することができるので、ユーザの誤動作等により第一のスイッチ部がONされた場合であっても、必要以上の電力の供給を防止でき、電力の消費量を低減できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデジタルカメラにおいて、
スライド移動可能に設けられた移動部材を備え、
前記スイッチ部の各々は、前記移動部材のスライド操作により段階的にON/OFFされるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3に記載の発明と同等の効果が得られるのは無論のこと、特に、スイッチ部の各々は、移動部材のスライド操作により段階的にON/OFFされるように構成されているので、移動部材のスライド操作の過程で、複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記移動部材は、撮像レンズを覆うレンズ閉位置と、前記撮像レンズを露出させるレンズ開位置との間をスライド移動可能に設けられたレンズバリアとされてなることを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同等の効果が得られるのは無論のこと、特に、レンズバリアがレンズ閉位置からレンズ開位置までスライド移動する過程で、複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができるので、レンズバリアのレンズ開位置までのスライド移動が完了するタイミングと撮像レンズを露出させてデジタルカメラの撮影動作が可能な状態となるタイミングとの時間差を小さくすることができる。よって、レンズバリアのスライド操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮させた使い勝手の良いデジタルカメラをユーザに対して提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施の形態として例示するデジタルカメラを示す斜視図であり、このうち、図1(a)は、電源がON状態となっているデジタルカメラを示し、図1(b)は、電源がOFF状態となっているデジタルカメラを示している。また、図2は、図1のデジタルカメラの要部構成を示したブロック図である。
【0020】
図1に示すように、デジタルカメラ100は、略直方体状に形成された筐体100aの正面略中央にレンズユニット1が配設され、レンズユニット1の上部にストロボ17、ファインダ18、タイマー作動時に点灯するLED19が配設され、筐体100aの正面にレンズユニット1、ストロボ17、ファインダ18、LED19を被覆自在に構成されたレンズバリア(移動部材)20が配設され、筐体100aの上端面にレリーズスイッチ21が配設されており、さらに、図2に示すように、レンズ駆動回路2、駆動部2A、撮像部3、画像信号処理部4、内蔵メモリ5、インターフェイス(I/F)部6、記憶媒体7、モニタ駆動回路8、液晶モニタ9、タイミングジェネレータ(T/G)部16、CPU10、RAM11、ROM12、計時回路23、入力部13、第一スイッチ部SW1、第二スイッチ部SW2、電源回路14、二次電池15等を備えて構成されている。
【0021】
二次電池15は、デジタルカメラ100の電源を構成しており、繰り返し使用可能な充電池である。また、二次電池15は、図示しない電池スロットに装着され、その内部に形成された電源端子部と電気的に接続される。二次電池15の出力電圧は、第一スイッチ部SW1を介し電源回路14に対して供給される。
【0022】
電源回路14は、二次電池15から供給される電圧を、デジタルカメラ100を構成する各部において必要な定格電圧に変換して、接続端子14aを介して接続された前記各部に供給するように構成されている。すなわち、電源回路14は、撮影準備動作(後述)を処理する撮影準備動作処理部を構成しており、電源スイッチとして機能するレンズバリア20のスライド移動に基づき第一スイッチ部SW1がONされることで、デジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給する電力供給処理を行う(詳細後述)。ここで、電源回路14は、電力供給手段として機能する。
また、電源回路14は、CPU10の制御下における電力制限処理において、デジタルカメラ100を構成する各部に対する電力の供給を制限する電力制限手段として機能する(詳細後述)。
【0023】
CPU10(Central Processing Unit )は、ROM12に記憶されているデジタルカメラ100としての各種機能に関る各種アプリケーションプログラムを読み出してRAM11内の作業領域に展開し、当該プログラムに従って撮影処理等の各種処理を実行し、処理結果を液晶モニタ9に表示させる。
【0024】
また、CPU10は、レンズバリア20のスライド移動に基づく二次電池15からの電力供給により起動し、動作制御手段として、第二スイッチ部SW2がONされることで、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8を制御して、レンズユニット1並びに液晶モニタ9(動作部)にカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行させる。具体的には、CPU10は、撮影可能な状態となるようにレンズユニット1を駆動させるとともに、液晶モニタ9に現在撮影中の画像を表示させる動作を行うようになっている。
ここで、CPU10、レンズ駆動回路2、モニタ駆動回路8、レンズユニット1、液晶モニタ9は、撮影準備動作処理部を構成している。
【0025】
さらに、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされた後の時間を計時する計時回路23の計時結果に基づいて、第二スイッチ部SW2が所定時間内にONされたか否かを判断する判断手段10aとして機能し、計時回路23により計時された時間が所定時間以上であると判断した場合に、電源回路14を制御して二次電池15からの電力供給を制限する電力制限処理を実行する。
【0026】
計時回路23は、CPU10の制御下にて、第一スイッチ部SW1がONされた後の時間を計時するタイマーとして機能するように構成されている。
【0027】
RAM11(Random Access Memory)は、揮発性の半導体メモリであり、CPU10が処理中のプログラム、データ等を一時的に記憶する作業領域を有する。
【0028】
ROM12(Read Only Memory)は、プログラマブルな半導体メモリであり、CPU10により実行されるデジタルカメラ100としての各種機能に関る各種アプリケーションプログラムを記憶する。具体的には、ROM12は、動作制御プログラム12a、判断プログラム12b、電力遮断プログラム12c等を記憶している。
【0029】
レンズユニット1は、例えば、被写体の光学像を取り込む複数のレンズ(撮像レンズ)1a、レンズ1aを保持する複数の筒体からなるレンズ鏡筒1bを備え、例えばヘリコイド機構(図示略)等により光軸方向に収縮自在となるように構成されている。そして、レンズユニット1は、その光路上において被写体の光学像を結像する。
なお、レンズユニット1の構成は、上記に限られず、如何なるものであっても良い。
【0030】
レンズユニット1の左上には、LED19が配設され、LED19よりも上側には、ストロボ17とファインダ18とが左右に並んで配設されている。
【0031】
レンズバリア20は、略矩形状に形成された板状の部材であり、ユーザにより操作されてデジタルカメラ100の左右方向Aにスライド移動することで、レンズユニット1、ストロボ17、ファインダ18、LED19を被覆自在に構成されているとともに、デジタルカメラ100の電源のON/OFFの状態を切替自在な電源スイッチを構成している。すなわち、レンズバリア20が左方向にレンズ閉位置までスライド移動してストロボ17等の各部を被覆した状態となることで、デジタルカメラ100の電源がOFF状態となり、レンズバリア20が右方向にレンズ開位置p2までスライド移動して上記の各部を露出させた状態となることで、デジタルカメラ100の電源がON状態となるようになっている。
具体的には、レンズバリア20の裏面には、その左上隅部に第一接触部20aが配設され、裏面の右上隅部に第二接触部20bが配設されている。一方、筐体100aの正面の上部中央やや左よりの位置には、レンズバリア20が左方向にスライド移動することで、第一接触部20aに接触してこの接触状態を検知する第一検知部22aが配設され、筐体100aの正面の右上隅部には、レンズバリア20が右方向にスライド移動することで、第二接触部20bに接触してこの接触状態を検知する第二検知部22bが配設されている。
【0032】
上記第一接触部20aと第一検知部22aとによって第一スイッチ部SW1が構成されている一方で、第二接触部20bと第二検知部22bとによって第二スイッチ部SW2が構成されている。
そして、第一スイッチ部SW1は、第一検知部22aにより第一接触部20aとの接触状態が検知された状態となることにより、デジタルカメラ100の電源がOFF状態となるように構成されている一方で、第二スイッチ部SW2は、第一スイッチ部SW1がONとなった状態で第二検知部22bにより第二接触部20bとの接触状態が検知された状態となることにより、デジタルカメラ100の電源がON状態となるように構成されている。
このように、レンズバリア20は、ユーザの操作により左右方向Aにスライド移動すること(一連のスイッチ操作)により、第一及び第二スイッチ部SW1、SW2が段階的にON/OFFされて、デジタルカメラ100の電源のON/OFF状態を切り替えるように構成されている。
【0033】
また、第一及び第二検知部22a、22bは、例えば、圧電素子、導電性ゴム、感圧半導体等の第一及び第二接触部20a、20bとの接触状態を検知可能な接触センサを備えて構成されている。そして、第一検知部22aは、第一接触部20aとの接触状態が開放されることで所定の検知信号をCPU10に対して出力するように構成されている一方で、第二検知部22bは、第二接触部20bに接触することで所定の検知信号をCPU10に対して出力するように構成されている。
なお、接触センサは、例えば、押し釦式センサ、スライド釦式センサ、レバー釦式センサ等であっても良い。
【0034】
レンズ駆動回路2は、レンズバリア20が右方向にスライド移動して第二スイッチ部SW2がONされることに基づいて、CPU10の制御下にて動作制御処理を実行し、駆動部2Aを駆動させてレンズユニット1にカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行させるように構成されている。具体的には、レンズ駆動回路2は、CPU10から出力され入力された各種指示情報に従って、駆動部2Aを制御することにより、レンズユニット1を筐体100aに収容された状態からレンズ鏡筒1bを光軸方向に移動させて撮像部3による撮像が可能な状態とするようになっている。
【0035】
撮像部3は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子(図示略)を備えており、撮像素子はレンズユニット1により結像された光学像を光電変換し、光電変換した画像信号(アナログ信号)を画像信号処理部4に出力する。
ここで、撮像素子の光電変換タイミングは、T/G部16から入力されるタイミング信号に同期して制御されるようになっている。
T/G部16は、CPU10からの指示に従って所定のタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を撮像部3に出力するように構成されている。
【0036】
画像信号処理部4は、撮像部3から入力された画像信号に感度補正等の各種画像処理を行って所定の画像信号を生成し、生成した画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、CPU10からの画像表示指示により、デジタル変換した画像データをモニタ駆動回路8に出力するとともに、CPU10からの画像記憶指示により、デジタル変換した画像データを内蔵メモリ5に展開しながら所定の圧縮方式により圧縮して、I/F部6を介して接続された記憶媒体7に記憶する。
【0037】
また、画像信号処理部4は、CPU10からの画像読み出し指示に従って、指示された画像の圧縮データを記憶媒体7から読み出し、内蔵メモリ5を利用して伸張し、伸張した画像データをモニタ駆動回路8に出力して、液晶モニタ9に読み出した画像を表示させる。
【0038】
なお、内蔵メモリ5は、画像信号処理部4から入力された処理中の画像データを一時的に記憶するように構成されている。
また、記憶媒体7は、ユーザにより着脱自在に構成されたフラッシュメモリ等の半導体メモリからなる画像記憶用メモリであり、画像信号処理部4により圧縮処理された画像データが記憶されるように構成されている。
【0039】
モニタ駆動回路8は、レンズバリア20が右方向にスライド移動して第二スイッチ部SW2がONされることに基づいて、CPU10の制御下にて動作制御処理を実行し、液晶モニタ9にカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行させるように構成されている。具体的には、モニタ駆動回路8は、CPU10から出力され入力された各種表示指示情報に従って、画像信号処理部4から入力された画像データを画像表示信号に変換し、この画像表示信号により液晶モニタ9を駆動制御することで、何も表示されていない状態から撮影画像を表示した状態に変化させるようになっている。
また、モニタ駆動回路8は、CPU10から出力され入力された表示指示に応じて、撮影モードや各種設定に必要な操作画面データを画像表示信号に変換し、この画像表示信号により液晶モニタ9を駆動制御して操作画面等を表示させるようになっている。
【0040】
液晶モニタ9は、カラー液晶パネルにより構成され、モニタ駆動回路8により駆動制御され、撮影画像や操作画面等を表示するように構成されている。
【0041】
入力部13は、レリーズスイッチ21に加えて、図示は省略するが、機能を切り替えるモードスイッチ、設定を選択するメニュースイッチ等の各種操作スイッチを備えており、各スイッチが押下されると、その押下信号を生成してCPU10に出力する。
【0042】
次に、CPU10の制御下におけるデジタルカメラ100の撮影準備動作について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
ここで、図3は、デジタルカメラ100による撮影準備動作に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、撮影準備動作におけるレンズバリア20の具体的な態様を示した斜視図であり、このうち、図4(a)は、レンズバリア20がレンズ閉位置に配置された状態を示し、図4(b)は、レンズバリア20がスライド移動して第一スイッチ部SW1がONされている状態を示し、図4(c)は、レンズバリア20がレンズ開位置に配置された状態を示している。なお、図4においては、筐体100aの正面の一部を図示している。
【0043】
先ず、図4(a)に示すように、レンズバリア20は、レンズ閉位置に配置されている。この状態においては、第一スイッチ部SW1はOFFされているため、デジタルカメラ100の電源はOFF状態となっている。
【0044】
そして、レンズバリア20がユーザにより操作されて右方向にスライド移動した後(ステップS1;Yes)、図4(b)に示すように、第一検知部22aと第一接触部20aとの接触状態が開放されて第一スイッチ部SW1がONされると(ステップS2;Yes)、電源回路14は、二次電池15から供給される電圧を、例えばレンズ駆動回路2、撮像部3、画像信号処理部4、モニタ駆動回路8、計時回路23等の各部に対して当該各部に必要な定格電圧に変換して供給する(ステップS3)。
【0045】
レンズ駆動回路2、撮像部3、画像信号処理部4、モニタ駆動回路8、計時回路23等の各部は、電源回路14からの定格電圧の供給が完了されると、それぞれ自身の初期化を行って、被写体の撮像に対して準備する。
【0046】
また、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされて電力供給処理が実行されると、計時回路23を制御して、第一スイッチ部SW1がONされてからの時間を計測する(ステップS4)。
【0047】
その後、CPU10は、ユーザによる操作に基づいてさらに右方向にスライド移動することで、第二検知部22bと第二接触部20bとが接触状態となって第二スイッチ部SW2がONされたか否かを判定する。(ステップS5)。
具体的には、図4(c)に示すように、レンズバリア20がレンズ開位置までスライド移動することにより第二スイッチ部SW2がONされる。CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされたと判定した場合には(ステップS5;Yes)、ステップS6に移行し、撮影準備動作として動作制御処理を実行する。すなわち、CPU10は、動作制御プログラム12aを実行し、レンズ駆動回路2を制御することで、レンズユニット1が撮影可能な状態となるように駆動部2Aを駆動させるとともに、液晶モニタ9を制御することで、液晶モニタ9に現在撮影中の画像を表示させる。これにより、デジタルカメラ100の電源がON状態となって被写体の撮影が可能な状態となる。
【0048】
その後、被写体の所定の撮影処理を実行する際に、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされているか否かを判定する(ステップS9)。ここで、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていると判定した場合には(ステップS9;Yes)、前記撮影処理に係るレンズ駆動部2、撮像部3、画像信号処理部4、記憶媒体7等を制御する(ステップS10)。
【0049】
また、ステップS9にて、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS9;No)、ユーザによりレンズバリア20が操作されるための所定時間を、図示しない計時回路を制御することで計時する(ステップS11)。
【0050】
その後、CPU10は、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第二スイッチ部SW2がONされているか否かを再度判定する(ステップS12)。ここで、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS12;No)、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第一スイッチ部SW1がONされているか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13にて、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされていないと判定した場合には(ステップS13;No)、ステップS1に移行して、レンズバリア20のユーザによる操作を待機した状態となる。一方、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされたと判定した場合には(ステップS13;Yes)、ステップS12に移行する。
【0051】
また、ステップS12にて、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされたと判定した場合には(ステップS12;Yes)、ステップS6に移行して、動作制御処理を実行する。
【0052】
一方、ステップS5において、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS5;No)、ステップS7に移行して、CPU10は、判断プログラム12bを実行し、計時回路23の計時結果に基づいて、第二スイッチ部SW2がONされたか否かを判断する。ここで、CPU10は、計時回路23により計時された時間が所定時間経過していると判断した場合に(ステップS7;Yes)、ステップS8に移行して、電力制限プログラム12cを実行し、電源回路14を制御して二次電池15からデジタルカメラ100を構成する各部に対する電力の供給量を低減させて、前記各部を待機状態とする処理を行う。これにより、ユーザの誤動作等により第一スイッチ部SW1がONされた場合であっても、必要以上の電力の供給を防止でき、電力の消費量を低減できる。
【0053】
その後、CPU10は、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第二スイッチ部SW2がONされているか否かを判定する(ステップS14)。ここで、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS14;No)、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第一スイッチ部SW1がONされているか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15にて、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされていないと判定した場合には(ステップS15;No)、ステップS1に移行して、レンズバリア20のユーザによる操作を待機した状態となる。一方、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされたと判定した場合には(ステップS15;Yes)、ステップS14に移行する。
【0054】
また、ステップS14にて、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされたと判定した場合には(ステップS14;Yes)、電力制限処理を中止するとともにステップS6に移行して、動作制御処理を実行する。
【0055】
一方、ステップS7にて、CPU10は、計時回路23により計時された時間が所定時間未満であると判断した場合に(ステップS7;No)、ステップS5に移行して、それ以降の処理を繰り返す。
【0056】
以上のように、本実施の形態のデジタルカメラ100によれば、レンズバリア20のスライド移動の過程で第一スイッチ部SW1がONされることに基づきレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8等のデジタルカメラ100を構成する各部に対して電力供給を開始するので、第二スイッチ部SW2がONされた際に、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8等に対する電力供給処理にかかる時間の影響をうけることがなくなり、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8等の各部をより早く動作させることができる。即ち、レンズバリア20のスライド移動に基づくスイッチ操作の終了時には、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8への電力の供給が既に開始され、その分、レンズバリア20のスイッチ操作終了後からレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8が動作する時間を短縮できる。
また、レンズバリア20のレンズ開位置までのスライド移動が完了するタイミングと撮像レンズ1aを露出させてデジタルカメラ100の撮影動作が可能な状態となるタイミングとの時間差を小さくすることができる。これにより、レンズバリア20のスライド移動が開始されてからレンズ1aを露出させてデジタルカメラ100の撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができ、使い勝手の良いデジタルカメラをユーザに対して提供できる。
さらに、第一及び第二スイッチ部SW1、SW2がONされる毎にタイミングをずらして、撮影準備動作を実行させるので、デジタルカメラ100の各部に性能の良い部品を用いずともレンズバリア20のスライド操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができることとなって、このような性能を有するデジタルカメラ100を安価に提供できる。
【0057】
また、第二スイッチ部SW2がONされない限り、レンズ駆動回路2はレンズユニット1が撮影可能な状態となるように駆動部2Aを駆動させないので、レンズバリア20のスライド移動が完了する前に、レンズユニット1が駆動するといった問題を防止することができる。即ち、第一スイッチ部SW1がONされることに基づき行われる電源回路14からレンズ駆動回路2に対しての定格電圧の供給、レンズ駆動回路2自身の初期化等が、第二スイッチ部SW2がONされる前に完了しても、第二スイッチ部SW2がONされない限り、レンズ駆動回路2は駆動部2Aを駆動させないこととなっている。従って、レンズバリア20が完全に開いた状態となる前に、レンズユニット1が駆動して当該レンズユニット1がレンズバリア20の裏面にぶつかるということを防止できる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、電源スイッチとしてスライド移動するレンズバリア20を例示したが、これに限られるものではなく、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる複数のスイッチ部を備えた電源スイッチであれば如何なるものであっても良く、例えば、押し釦式のスイッチであっても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、動作部としてレンズユニット1並びに液晶モニタ9を例示し、動作制御手段としてCPU10の制御下で駆動するレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8を例示したが、これに限られるものではなく、動作部はカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行することができるものであれば、また、動作制御手段は動作部の動作を制御することができるものであれば、如何なるものであっても良い。
さらに、第二スイッチ部SW2がONされることに基づき動作する動作部としては、例えば、デジタルカメラ100の起動を表す音声や効果音を発音する発音部や、所定のパターンで振動する振動部であっても良いし、第一スイッチ部SW1がONされることに基づいて、前記動作部の動作を制御する動作制御手段としては、例えば、CPU10の制御下で駆動する発音部並びに振動部による動作を実行する発音部駆動回路並びに振動部駆動回路であっても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、電力制限処理において、デジタルカメラ100を構成する各部に対する電力の供給量を低減させて前記各部を待機状態とするようにしたが、これに限られるものではなく、前記各部に対する電力の供給を制限可能であれば良く、例えば前記各部に対する電力の供給を遮断するようにしても良い。
【0061】
さらに、上記実施の形態では、第一スイッチ部SW1がONされることにより電源回路14がデジタルカメラ100を構成する各部に必要な定格電圧を供給するような構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、第一スイッチ部SW1がONされることにより、クロック周波数を低下させておくことで低消費電力状態となっているCPU10が起動し、このCPU10が電源回路14を制御して、前記各部に定格電力を供給するような構成としても良い。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電源スイッチの一連のスイッチ操作の過程で複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができ、電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
また、スイッチ部がONされる毎にタイミングをずらして、撮影準備動作を処理するので、デジタルカメラの各部に性能の良い部品を用いずとも電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができることとなって、このような性能を有するデジタルカメラを安価に提供できる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、スイッチ操作の途中で動作部に電力が供給されるので、第二のスイッチ部がONされたときに、より早く動作部を動作させることができる。即ち、スイッチ操作の終了時には、動作部への電力の供給が既に開始され、その分、電源スイッチのスイッチ操作終了後から動作部が動作する時間を短縮できる。
【0064】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザの誤動作等により第一のスイッチ部がONされた場合であっても、必要以上の電力の供給を防止でき、電力の消費量を低減できる。
【0065】
請求項4に記載の発明によれば、移動部材のスライド操作の過程で、複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができる。
【0066】
請求項5に記載の発明によれば、レンズバリアのレンズ開位置までのスライド移動が完了するタイミングと撮像レンズを露出させてデジタルカメラの撮像動作が可能な状態となるタイミングとの時間差を小さくすることができる。よって、レンズバリアのスライド操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮させた使い勝手の良いデジタルカメラをユーザに対して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態として例示するデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】図1のデジタルカメラの要部構成を示したブロック図である。
【図3】図1のデジタルカメラによる撮影準備動作に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3の撮影準備動作におけるデジタルカメラに備わるレンズバリアの具体的な態様を示した図である。
【符号の説明】
100 デジタルカメラ
1 レンズユニット(撮影準備動作処理部、動作部)
1a レンズ(撮像レンズ)
2 レンズ駆動回路(撮影準備動作処理部、動作制御手段)
8 モニタ駆動回路(撮影準備動作処理部、動作制御手段)
9 液晶モニタ(撮影準備動作処理部、動作部)
10 CPU(撮影準備動作処理部、動作制御手段、判断手段)
14 電源回路(撮影準備動作処理部、電力供給手段、電力制限手段)
20 レンズバリア(電源スイッチ、移動部材)
SW1 第一スイッチ部(スイッチ部)
SW2 第二スイッチ部(スイッチ部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体を撮像し、その光学像を画像データに変換して、所定の画像処理を施した後で半導体メモリに記憶するデジタルカメラが知られている。
このようなデジタルカメラでは、ユーザにより電源スイッチが操作されると、この電源スイッチがON状態になることに基づいて、電源回路部が電源電圧を定格電圧としてデジタルカメラを統括的に制御する制御部に供給する。そして、制御部の制御下にて、内蔵メモリ、レンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等の初期化を行った後、光学レンズの駆動、モニタの表示等を行うことで、撮影が可能な動作状態になるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−268413号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたデジタルカメラの場合、電源スイッチがONされても、制御部に電源回路部から電源電圧が供給されないと、電源回路部からレンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等の他の回路に定格電圧が供給されず、また内蔵メモリの初期化も行われない。更に、電源回路部が定格電圧をレンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等に供給しない限り、光学レンズの駆動或いはモニタの表示等は行われない。従って、電源スイッチがONされてから、光学レンズの駆動或いはモニタが表示されるまでには、直列的な処理が必ず必要となるため、幾つかの処理を並行して行えるようにしても、電源スイッチがONされてから撮影動作が可能な状態となるまでの時間短縮にも限界があった。
よって、更に時間短縮しようとすると、個々の直列的な処理の処理能力の高い部品を使用しなければならず、デジタルカメラのコストが上昇してしまうといった問題もある。
【0005】
本発明の課題は、電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができるデジタルカメラを安価に提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、電源スイッチがONされることにより、複数の撮影準備動作を行うデジタルカメラにおいて、
前記電源スイッチは、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる複数のスイッチ部を備え、
前記スイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた前記撮影準備動作を処理する撮影準備動作処理部を備えることを特徴としている。
【0007】
ここで、撮影準備動作とは、電源スイッチがONされてから撮影動作が可能な状態となるまでに行われる各種の準備に係る動作のことをいい、例えば、電源の出力電圧を電源回路に供給する動作、電源回路が電源電圧を定格電圧としてデジタルカメラを構成する各部に供給する動作、内蔵メモリ、レンズ駆動回路、画像処理部、モニタ駆動回路等の初期化を行う動作、光学レンズを駆動する動作、モニタに撮影中の画像を表示する動作等が挙げられる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、電源スイッチに備わる複数のスイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた撮影準備動作を処理する撮影準備動作処理部を備えるので、電源スイッチのスイッチ操作が完了してから撮影準備動作を処理するのではなく、電源スイッチの一連のスイッチ操作の過程で複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができ、電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
即ち、ユーザによる一連のスイッチ操作の途中で、スイッチ部が次々とONされて一部の撮影準備動作が次々と処理されるので、スイッチ操作の終了時には一部の撮影準備動作が既に開始され、その分、電源スイッチのスイッチ操作終了後から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮できる。
また、スイッチ部がONされる毎にタイミングをずらして、撮影準備動作を処理するので、デジタルカメラの各部に性能の良い部品を用いずとも電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができることとなって、このような性能を有するデジタルカメラを安価に提供できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影準備動作処理部は、
カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を行う動作部と、
前記複数のスイッチ部のうち、第一のスイッチ部がONされることに基づいて、前記動作部に電力を供給する電力供給手段と、
前記複数のスイッチ部のうち、第一のスイッチ部よりも後にONされる第二のスイッチ部がONされることに基づいて、前記動作部による動作を実行させる制御を行う動作制御手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
ここで、カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作には、レンズユニットを構成する鏡筒を光軸方向に移動させる動作やモニタに撮影中の画像を表示する動作等が含まれている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、第一のスイッチ部がONされることに基づいて、カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を行う動作部に電力が供給され、第二のスイッチ部がONされることに基づいて、動作部によりカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作が実行される。従って、スイッチ操作の途中で動作部に電力が供給されるので、第二のスイッチ部がONされたときに、より早く動作部を動作させることができる。
即ち、スイッチ操作が終了時には、動作部への電力の供給が既に開始され、その分、電源スイッチのスイッチ操作終了後から動作部が動作する時間を短縮できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影準備動作処理部は、
前記第一のスイッチ部がONされた後、前記第二のスイッチ部が所定時間内にONされたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記第二のスイッチ部が所定時間内にONされていないと判断された場合に、前記電力供給手段による電力の供給を制限する電力制限手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
ここで、電力の供給の制限には、例えば、動作部を待機状態とするために当該動作部に対しての電力の供給量の低減、動作部に対する電力の供給の遮断等が含まれる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同等の効果が得られるのは無論のこと、第一のスイッチ部がONされた後、判断手段により第二のスイッチ部が所定時間内にONされていないと判断された場合に、電力供給手段による電力の供給を制限することができるので、ユーザの誤動作等により第一のスイッチ部がONされた場合であっても、必要以上の電力の供給を防止でき、電力の消費量を低減できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデジタルカメラにおいて、
スライド移動可能に設けられた移動部材を備え、
前記スイッチ部の各々は、前記移動部材のスライド操作により段階的にON/OFFされるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3に記載の発明と同等の効果が得られるのは無論のこと、特に、スイッチ部の各々は、移動部材のスライド操作により段階的にON/OFFされるように構成されているので、移動部材のスライド操作の過程で、複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記移動部材は、撮像レンズを覆うレンズ閉位置と、前記撮像レンズを露出させるレンズ開位置との間をスライド移動可能に設けられたレンズバリアとされてなることを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同等の効果が得られるのは無論のこと、特に、レンズバリアがレンズ閉位置からレンズ開位置までスライド移動する過程で、複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができるので、レンズバリアのレンズ開位置までのスライド移動が完了するタイミングと撮像レンズを露出させてデジタルカメラの撮影動作が可能な状態となるタイミングとの時間差を小さくすることができる。よって、レンズバリアのスライド操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮させた使い勝手の良いデジタルカメラをユーザに対して提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施の形態として例示するデジタルカメラを示す斜視図であり、このうち、図1(a)は、電源がON状態となっているデジタルカメラを示し、図1(b)は、電源がOFF状態となっているデジタルカメラを示している。また、図2は、図1のデジタルカメラの要部構成を示したブロック図である。
【0020】
図1に示すように、デジタルカメラ100は、略直方体状に形成された筐体100aの正面略中央にレンズユニット1が配設され、レンズユニット1の上部にストロボ17、ファインダ18、タイマー作動時に点灯するLED19が配設され、筐体100aの正面にレンズユニット1、ストロボ17、ファインダ18、LED19を被覆自在に構成されたレンズバリア(移動部材)20が配設され、筐体100aの上端面にレリーズスイッチ21が配設されており、さらに、図2に示すように、レンズ駆動回路2、駆動部2A、撮像部3、画像信号処理部4、内蔵メモリ5、インターフェイス(I/F)部6、記憶媒体7、モニタ駆動回路8、液晶モニタ9、タイミングジェネレータ(T/G)部16、CPU10、RAM11、ROM12、計時回路23、入力部13、第一スイッチ部SW1、第二スイッチ部SW2、電源回路14、二次電池15等を備えて構成されている。
【0021】
二次電池15は、デジタルカメラ100の電源を構成しており、繰り返し使用可能な充電池である。また、二次電池15は、図示しない電池スロットに装着され、その内部に形成された電源端子部と電気的に接続される。二次電池15の出力電圧は、第一スイッチ部SW1を介し電源回路14に対して供給される。
【0022】
電源回路14は、二次電池15から供給される電圧を、デジタルカメラ100を構成する各部において必要な定格電圧に変換して、接続端子14aを介して接続された前記各部に供給するように構成されている。すなわち、電源回路14は、撮影準備動作(後述)を処理する撮影準備動作処理部を構成しており、電源スイッチとして機能するレンズバリア20のスライド移動に基づき第一スイッチ部SW1がONされることで、デジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給する電力供給処理を行う(詳細後述)。ここで、電源回路14は、電力供給手段として機能する。
また、電源回路14は、CPU10の制御下における電力制限処理において、デジタルカメラ100を構成する各部に対する電力の供給を制限する電力制限手段として機能する(詳細後述)。
【0023】
CPU10(Central Processing Unit )は、ROM12に記憶されているデジタルカメラ100としての各種機能に関る各種アプリケーションプログラムを読み出してRAM11内の作業領域に展開し、当該プログラムに従って撮影処理等の各種処理を実行し、処理結果を液晶モニタ9に表示させる。
【0024】
また、CPU10は、レンズバリア20のスライド移動に基づく二次電池15からの電力供給により起動し、動作制御手段として、第二スイッチ部SW2がONされることで、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8を制御して、レンズユニット1並びに液晶モニタ9(動作部)にカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行させる。具体的には、CPU10は、撮影可能な状態となるようにレンズユニット1を駆動させるとともに、液晶モニタ9に現在撮影中の画像を表示させる動作を行うようになっている。
ここで、CPU10、レンズ駆動回路2、モニタ駆動回路8、レンズユニット1、液晶モニタ9は、撮影準備動作処理部を構成している。
【0025】
さらに、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされた後の時間を計時する計時回路23の計時結果に基づいて、第二スイッチ部SW2が所定時間内にONされたか否かを判断する判断手段10aとして機能し、計時回路23により計時された時間が所定時間以上であると判断した場合に、電源回路14を制御して二次電池15からの電力供給を制限する電力制限処理を実行する。
【0026】
計時回路23は、CPU10の制御下にて、第一スイッチ部SW1がONされた後の時間を計時するタイマーとして機能するように構成されている。
【0027】
RAM11(Random Access Memory)は、揮発性の半導体メモリであり、CPU10が処理中のプログラム、データ等を一時的に記憶する作業領域を有する。
【0028】
ROM12(Read Only Memory)は、プログラマブルな半導体メモリであり、CPU10により実行されるデジタルカメラ100としての各種機能に関る各種アプリケーションプログラムを記憶する。具体的には、ROM12は、動作制御プログラム12a、判断プログラム12b、電力遮断プログラム12c等を記憶している。
【0029】
レンズユニット1は、例えば、被写体の光学像を取り込む複数のレンズ(撮像レンズ)1a、レンズ1aを保持する複数の筒体からなるレンズ鏡筒1bを備え、例えばヘリコイド機構(図示略)等により光軸方向に収縮自在となるように構成されている。そして、レンズユニット1は、その光路上において被写体の光学像を結像する。
なお、レンズユニット1の構成は、上記に限られず、如何なるものであっても良い。
【0030】
レンズユニット1の左上には、LED19が配設され、LED19よりも上側には、ストロボ17とファインダ18とが左右に並んで配設されている。
【0031】
レンズバリア20は、略矩形状に形成された板状の部材であり、ユーザにより操作されてデジタルカメラ100の左右方向Aにスライド移動することで、レンズユニット1、ストロボ17、ファインダ18、LED19を被覆自在に構成されているとともに、デジタルカメラ100の電源のON/OFFの状態を切替自在な電源スイッチを構成している。すなわち、レンズバリア20が左方向にレンズ閉位置までスライド移動してストロボ17等の各部を被覆した状態となることで、デジタルカメラ100の電源がOFF状態となり、レンズバリア20が右方向にレンズ開位置p2までスライド移動して上記の各部を露出させた状態となることで、デジタルカメラ100の電源がON状態となるようになっている。
具体的には、レンズバリア20の裏面には、その左上隅部に第一接触部20aが配設され、裏面の右上隅部に第二接触部20bが配設されている。一方、筐体100aの正面の上部中央やや左よりの位置には、レンズバリア20が左方向にスライド移動することで、第一接触部20aに接触してこの接触状態を検知する第一検知部22aが配設され、筐体100aの正面の右上隅部には、レンズバリア20が右方向にスライド移動することで、第二接触部20bに接触してこの接触状態を検知する第二検知部22bが配設されている。
【0032】
上記第一接触部20aと第一検知部22aとによって第一スイッチ部SW1が構成されている一方で、第二接触部20bと第二検知部22bとによって第二スイッチ部SW2が構成されている。
そして、第一スイッチ部SW1は、第一検知部22aにより第一接触部20aとの接触状態が検知された状態となることにより、デジタルカメラ100の電源がOFF状態となるように構成されている一方で、第二スイッチ部SW2は、第一スイッチ部SW1がONとなった状態で第二検知部22bにより第二接触部20bとの接触状態が検知された状態となることにより、デジタルカメラ100の電源がON状態となるように構成されている。
このように、レンズバリア20は、ユーザの操作により左右方向Aにスライド移動すること(一連のスイッチ操作)により、第一及び第二スイッチ部SW1、SW2が段階的にON/OFFされて、デジタルカメラ100の電源のON/OFF状態を切り替えるように構成されている。
【0033】
また、第一及び第二検知部22a、22bは、例えば、圧電素子、導電性ゴム、感圧半導体等の第一及び第二接触部20a、20bとの接触状態を検知可能な接触センサを備えて構成されている。そして、第一検知部22aは、第一接触部20aとの接触状態が開放されることで所定の検知信号をCPU10に対して出力するように構成されている一方で、第二検知部22bは、第二接触部20bに接触することで所定の検知信号をCPU10に対して出力するように構成されている。
なお、接触センサは、例えば、押し釦式センサ、スライド釦式センサ、レバー釦式センサ等であっても良い。
【0034】
レンズ駆動回路2は、レンズバリア20が右方向にスライド移動して第二スイッチ部SW2がONされることに基づいて、CPU10の制御下にて動作制御処理を実行し、駆動部2Aを駆動させてレンズユニット1にカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行させるように構成されている。具体的には、レンズ駆動回路2は、CPU10から出力され入力された各種指示情報に従って、駆動部2Aを制御することにより、レンズユニット1を筐体100aに収容された状態からレンズ鏡筒1bを光軸方向に移動させて撮像部3による撮像が可能な状態とするようになっている。
【0035】
撮像部3は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子(図示略)を備えており、撮像素子はレンズユニット1により結像された光学像を光電変換し、光電変換した画像信号(アナログ信号)を画像信号処理部4に出力する。
ここで、撮像素子の光電変換タイミングは、T/G部16から入力されるタイミング信号に同期して制御されるようになっている。
T/G部16は、CPU10からの指示に従って所定のタイミング信号を発生し、発生したタイミング信号を撮像部3に出力するように構成されている。
【0036】
画像信号処理部4は、撮像部3から入力された画像信号に感度補正等の各種画像処理を行って所定の画像信号を生成し、生成した画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、CPU10からの画像表示指示により、デジタル変換した画像データをモニタ駆動回路8に出力するとともに、CPU10からの画像記憶指示により、デジタル変換した画像データを内蔵メモリ5に展開しながら所定の圧縮方式により圧縮して、I/F部6を介して接続された記憶媒体7に記憶する。
【0037】
また、画像信号処理部4は、CPU10からの画像読み出し指示に従って、指示された画像の圧縮データを記憶媒体7から読み出し、内蔵メモリ5を利用して伸張し、伸張した画像データをモニタ駆動回路8に出力して、液晶モニタ9に読み出した画像を表示させる。
【0038】
なお、内蔵メモリ5は、画像信号処理部4から入力された処理中の画像データを一時的に記憶するように構成されている。
また、記憶媒体7は、ユーザにより着脱自在に構成されたフラッシュメモリ等の半導体メモリからなる画像記憶用メモリであり、画像信号処理部4により圧縮処理された画像データが記憶されるように構成されている。
【0039】
モニタ駆動回路8は、レンズバリア20が右方向にスライド移動して第二スイッチ部SW2がONされることに基づいて、CPU10の制御下にて動作制御処理を実行し、液晶モニタ9にカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行させるように構成されている。具体的には、モニタ駆動回路8は、CPU10から出力され入力された各種表示指示情報に従って、画像信号処理部4から入力された画像データを画像表示信号に変換し、この画像表示信号により液晶モニタ9を駆動制御することで、何も表示されていない状態から撮影画像を表示した状態に変化させるようになっている。
また、モニタ駆動回路8は、CPU10から出力され入力された表示指示に応じて、撮影モードや各種設定に必要な操作画面データを画像表示信号に変換し、この画像表示信号により液晶モニタ9を駆動制御して操作画面等を表示させるようになっている。
【0040】
液晶モニタ9は、カラー液晶パネルにより構成され、モニタ駆動回路8により駆動制御され、撮影画像や操作画面等を表示するように構成されている。
【0041】
入力部13は、レリーズスイッチ21に加えて、図示は省略するが、機能を切り替えるモードスイッチ、設定を選択するメニュースイッチ等の各種操作スイッチを備えており、各スイッチが押下されると、その押下信号を生成してCPU10に出力する。
【0042】
次に、CPU10の制御下におけるデジタルカメラ100の撮影準備動作について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
ここで、図3は、デジタルカメラ100による撮影準備動作に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、撮影準備動作におけるレンズバリア20の具体的な態様を示した斜視図であり、このうち、図4(a)は、レンズバリア20がレンズ閉位置に配置された状態を示し、図4(b)は、レンズバリア20がスライド移動して第一スイッチ部SW1がONされている状態を示し、図4(c)は、レンズバリア20がレンズ開位置に配置された状態を示している。なお、図4においては、筐体100aの正面の一部を図示している。
【0043】
先ず、図4(a)に示すように、レンズバリア20は、レンズ閉位置に配置されている。この状態においては、第一スイッチ部SW1はOFFされているため、デジタルカメラ100の電源はOFF状態となっている。
【0044】
そして、レンズバリア20がユーザにより操作されて右方向にスライド移動した後(ステップS1;Yes)、図4(b)に示すように、第一検知部22aと第一接触部20aとの接触状態が開放されて第一スイッチ部SW1がONされると(ステップS2;Yes)、電源回路14は、二次電池15から供給される電圧を、例えばレンズ駆動回路2、撮像部3、画像信号処理部4、モニタ駆動回路8、計時回路23等の各部に対して当該各部に必要な定格電圧に変換して供給する(ステップS3)。
【0045】
レンズ駆動回路2、撮像部3、画像信号処理部4、モニタ駆動回路8、計時回路23等の各部は、電源回路14からの定格電圧の供給が完了されると、それぞれ自身の初期化を行って、被写体の撮像に対して準備する。
【0046】
また、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされて電力供給処理が実行されると、計時回路23を制御して、第一スイッチ部SW1がONされてからの時間を計測する(ステップS4)。
【0047】
その後、CPU10は、ユーザによる操作に基づいてさらに右方向にスライド移動することで、第二検知部22bと第二接触部20bとが接触状態となって第二スイッチ部SW2がONされたか否かを判定する。(ステップS5)。
具体的には、図4(c)に示すように、レンズバリア20がレンズ開位置までスライド移動することにより第二スイッチ部SW2がONされる。CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされたと判定した場合には(ステップS5;Yes)、ステップS6に移行し、撮影準備動作として動作制御処理を実行する。すなわち、CPU10は、動作制御プログラム12aを実行し、レンズ駆動回路2を制御することで、レンズユニット1が撮影可能な状態となるように駆動部2Aを駆動させるとともに、液晶モニタ9を制御することで、液晶モニタ9に現在撮影中の画像を表示させる。これにより、デジタルカメラ100の電源がON状態となって被写体の撮影が可能な状態となる。
【0048】
その後、被写体の所定の撮影処理を実行する際に、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされているか否かを判定する(ステップS9)。ここで、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていると判定した場合には(ステップS9;Yes)、前記撮影処理に係るレンズ駆動部2、撮像部3、画像信号処理部4、記憶媒体7等を制御する(ステップS10)。
【0049】
また、ステップS9にて、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS9;No)、ユーザによりレンズバリア20が操作されるための所定時間を、図示しない計時回路を制御することで計時する(ステップS11)。
【0050】
その後、CPU10は、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第二スイッチ部SW2がONされているか否かを再度判定する(ステップS12)。ここで、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS12;No)、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第一スイッチ部SW1がONされているか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13にて、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされていないと判定した場合には(ステップS13;No)、ステップS1に移行して、レンズバリア20のユーザによる操作を待機した状態となる。一方、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされたと判定した場合には(ステップS13;Yes)、ステップS12に移行する。
【0051】
また、ステップS12にて、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされたと判定した場合には(ステップS12;Yes)、ステップS6に移行して、動作制御処理を実行する。
【0052】
一方、ステップS5において、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS5;No)、ステップS7に移行して、CPU10は、判断プログラム12bを実行し、計時回路23の計時結果に基づいて、第二スイッチ部SW2がONされたか否かを判断する。ここで、CPU10は、計時回路23により計時された時間が所定時間経過していると判断した場合に(ステップS7;Yes)、ステップS8に移行して、電力制限プログラム12cを実行し、電源回路14を制御して二次電池15からデジタルカメラ100を構成する各部に対する電力の供給量を低減させて、前記各部を待機状態とする処理を行う。これにより、ユーザの誤動作等により第一スイッチ部SW1がONされた場合であっても、必要以上の電力の供給を防止でき、電力の消費量を低減できる。
【0053】
その後、CPU10は、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第二スイッチ部SW2がONされているか否かを判定する(ステップS14)。ここで、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされていないと判定した場合には(ステップS14;No)、ユーザによるレンズバリア20の操作に基づいて第一スイッチ部SW1がONされているか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15にて、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされていないと判定した場合には(ステップS15;No)、ステップS1に移行して、レンズバリア20のユーザによる操作を待機した状態となる。一方、CPU10は、第一スイッチ部SW1がONされたと判定した場合には(ステップS15;Yes)、ステップS14に移行する。
【0054】
また、ステップS14にて、CPU10は、第二スイッチ部SW2がONされたと判定した場合には(ステップS14;Yes)、電力制限処理を中止するとともにステップS6に移行して、動作制御処理を実行する。
【0055】
一方、ステップS7にて、CPU10は、計時回路23により計時された時間が所定時間未満であると判断した場合に(ステップS7;No)、ステップS5に移行して、それ以降の処理を繰り返す。
【0056】
以上のように、本実施の形態のデジタルカメラ100によれば、レンズバリア20のスライド移動の過程で第一スイッチ部SW1がONされることに基づきレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8等のデジタルカメラ100を構成する各部に対して電力供給を開始するので、第二スイッチ部SW2がONされた際に、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8等に対する電力供給処理にかかる時間の影響をうけることがなくなり、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8等の各部をより早く動作させることができる。即ち、レンズバリア20のスライド移動に基づくスイッチ操作の終了時には、レンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8への電力の供給が既に開始され、その分、レンズバリア20のスイッチ操作終了後からレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8が動作する時間を短縮できる。
また、レンズバリア20のレンズ開位置までのスライド移動が完了するタイミングと撮像レンズ1aを露出させてデジタルカメラ100の撮影動作が可能な状態となるタイミングとの時間差を小さくすることができる。これにより、レンズバリア20のスライド移動が開始されてからレンズ1aを露出させてデジタルカメラ100の撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができ、使い勝手の良いデジタルカメラをユーザに対して提供できる。
さらに、第一及び第二スイッチ部SW1、SW2がONされる毎にタイミングをずらして、撮影準備動作を実行させるので、デジタルカメラ100の各部に性能の良い部品を用いずともレンズバリア20のスライド操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができることとなって、このような性能を有するデジタルカメラ100を安価に提供できる。
【0057】
また、第二スイッチ部SW2がONされない限り、レンズ駆動回路2はレンズユニット1が撮影可能な状態となるように駆動部2Aを駆動させないので、レンズバリア20のスライド移動が完了する前に、レンズユニット1が駆動するといった問題を防止することができる。即ち、第一スイッチ部SW1がONされることに基づき行われる電源回路14からレンズ駆動回路2に対しての定格電圧の供給、レンズ駆動回路2自身の初期化等が、第二スイッチ部SW2がONされる前に完了しても、第二スイッチ部SW2がONされない限り、レンズ駆動回路2は駆動部2Aを駆動させないこととなっている。従って、レンズバリア20が完全に開いた状態となる前に、レンズユニット1が駆動して当該レンズユニット1がレンズバリア20の裏面にぶつかるということを防止できる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、電源スイッチとしてスライド移動するレンズバリア20を例示したが、これに限られるものではなく、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる複数のスイッチ部を備えた電源スイッチであれば如何なるものであっても良く、例えば、押し釦式のスイッチであっても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、動作部としてレンズユニット1並びに液晶モニタ9を例示し、動作制御手段としてCPU10の制御下で駆動するレンズ駆動回路2並びにモニタ駆動回路8を例示したが、これに限られるものではなく、動作部はカメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を実行することができるものであれば、また、動作制御手段は動作部の動作を制御することができるものであれば、如何なるものであっても良い。
さらに、第二スイッチ部SW2がONされることに基づき動作する動作部としては、例えば、デジタルカメラ100の起動を表す音声や効果音を発音する発音部や、所定のパターンで振動する振動部であっても良いし、第一スイッチ部SW1がONされることに基づいて、前記動作部の動作を制御する動作制御手段としては、例えば、CPU10の制御下で駆動する発音部並びに振動部による動作を実行する発音部駆動回路並びに振動部駆動回路であっても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、電力制限処理において、デジタルカメラ100を構成する各部に対する電力の供給量を低減させて前記各部を待機状態とするようにしたが、これに限られるものではなく、前記各部に対する電力の供給を制限可能であれば良く、例えば前記各部に対する電力の供給を遮断するようにしても良い。
【0061】
さらに、上記実施の形態では、第一スイッチ部SW1がONされることにより電源回路14がデジタルカメラ100を構成する各部に必要な定格電圧を供給するような構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、第一スイッチ部SW1がONされることにより、クロック周波数を低下させておくことで低消費電力状態となっているCPU10が起動し、このCPU10が電源回路14を制御して、前記各部に定格電力を供給するような構成としても良い。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電源スイッチの一連のスイッチ操作の過程で複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができ、電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
また、スイッチ部がONされる毎にタイミングをずらして、撮影準備動作を処理するので、デジタルカメラの各部に性能の良い部品を用いずとも電源スイッチのスイッチ操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮することができることとなって、このような性能を有するデジタルカメラを安価に提供できる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、スイッチ操作の途中で動作部に電力が供給されるので、第二のスイッチ部がONされたときに、より早く動作部を動作させることができる。即ち、スイッチ操作の終了時には、動作部への電力の供給が既に開始され、その分、電源スイッチのスイッチ操作終了後から動作部が動作する時間を短縮できる。
【0064】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザの誤動作等により第一のスイッチ部がONされた場合であっても、必要以上の電力の供給を防止でき、電力の消費量を低減できる。
【0065】
請求項4に記載の発明によれば、移動部材のスライド操作の過程で、複数のスイッチ部の各々がONされる毎に撮影準備動作を処理することができる。
【0066】
請求項5に記載の発明によれば、レンズバリアのレンズ開位置までのスライド移動が完了するタイミングと撮像レンズを露出させてデジタルカメラの撮像動作が可能な状態となるタイミングとの時間差を小さくすることができる。よって、レンズバリアのスライド操作から撮影動作が可能な状態となるまでの時間を短縮させた使い勝手の良いデジタルカメラをユーザに対して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態として例示するデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】図1のデジタルカメラの要部構成を示したブロック図である。
【図3】図1のデジタルカメラによる撮影準備動作に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3の撮影準備動作におけるデジタルカメラに備わるレンズバリアの具体的な態様を示した図である。
【符号の説明】
100 デジタルカメラ
1 レンズユニット(撮影準備動作処理部、動作部)
1a レンズ(撮像レンズ)
2 レンズ駆動回路(撮影準備動作処理部、動作制御手段)
8 モニタ駆動回路(撮影準備動作処理部、動作制御手段)
9 液晶モニタ(撮影準備動作処理部、動作部)
10 CPU(撮影準備動作処理部、動作制御手段、判断手段)
14 電源回路(撮影準備動作処理部、電力供給手段、電力制限手段)
20 レンズバリア(電源スイッチ、移動部材)
SW1 第一スイッチ部(スイッチ部)
SW2 第二スイッチ部(スイッチ部)
Claims (5)
- 電源スイッチがONされることにより、複数の撮影準備動作を行うデジタルカメラにおいて、
前記電源スイッチは、一連のスイッチ操作により段階的にON/OFFされる複数のスイッチ部を備え、
前記スイッチ部の各々がONされることに基づいて、ONされたスイッチ部に対応付けられた前記撮影準備動作を処理する撮影準備動作処理部を備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影準備動作処理部は、
カメラの外観を第一の状態から第二の状態に変化させるための動作を行う動作部と、
前記複数のスイッチ部のうち、第一のスイッチ部がONされることに基づいて、前記動作部に電力を供給する電力供給手段と、
前記複数のスイッチ部のうち、第一のスイッチ部よりも後にONされる第二のスイッチ部がONされることに基づいて、前記動作部による動作を実行させる制御を行う動作制御手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮影準備動作処理部は、
前記第一のスイッチ部がONされた後、前記第二のスイッチ部が所定時間内にONされたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記第二のスイッチ部が所定時間内にONされていないと判断された場合に、前記電力供給手段による電力の供給を制限する電力制限手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のデジタルカメラにおいて、
スライド移動可能に設けられた移動部材を備え、
前記スイッチ部の各々は、前記移動部材のスライド操作により段階的にON/OFFされるように構成されていることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記移動部材は、撮像レンズを覆うレンズ閉位置と、前記撮像レンズを露出させるレンズ開位置との間をスライド移動可能に設けられたレンズバリアとされてなることを特徴とするデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003039837A JP2004253897A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | デジタルカメラ |
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JP2003039837A JP2004253897A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | デジタルカメラ |
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JP2003039837A Withdrawn JP2004253897A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | デジタルカメラ |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7855747B2 (en) | 2006-09-14 | 2010-12-21 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Portable integrated device and a method of controlling power thereof |
CN104580832A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-04-29 | 深圳市金立通信设备有限公司 | 一种终端 |
CN104601862A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-05-06 | 深圳市金立通信设备有限公司 | 一种拍照方法 |
-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003039837A patent/JP2004253897A/ja not_active Withdrawn
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060111 |
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