JP2004252587A - 電子式デジタル圧力スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】電子式デジタル圧力スイッチの機能を充実させて利便性を改善する。
【解決手段】圧力を検出して出力を発生するデジタル圧力スイッチ1において、検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えている。これにより、接点出力にて従来同様の異常圧力などに対する対処を行わせながら、アナログ出力を用いてガス圧送用のコンプレッサなどの機器の制御を行うことが可能となり、制御装置の簡素化を図ることができるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】圧力を検出して出力を発生するデジタル圧力スイッチ1において、検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えている。これにより、接点出力にて従来同様の異常圧力などに対する対処を行わせながら、アナログ出力を用いてガス圧送用のコンプレッサなどの機器の制御を行うことが可能となり、制御装置の簡素化を図ることができるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスや液体などの流体を供給、若しくは、循環するシステムにおいて、当該システム内の流体の圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より冷媒回路内で冷媒ガスを強制循環する冷凍機や、ガスなどを圧送するガス圧送装置などのシステムではガスを圧縮して吐出するためにコンプレッサが用いられると共に、システム内の低圧/高圧のコントロールのためにデジタル式の圧力スイッチが用いられる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来のこの種デジタル圧力スイッチは、システム内のガスなどの圧力を検出する素子と、この検出素子にて検出された圧力を表示する表示部と、検出した圧力によってON−OFFする接点出力を備えている。そして、この接点出力を用いて、例えば冷凍機の冷媒回路内の低圧側冷媒ガス圧力が所定値に低下した場合にはコンプレッサを停止させるなどのために用いられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−75810号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のデジタル圧力スイッチは、専らシステム内の圧力の表示と制御用に用いられていたが、更にシステム内の機器、例えば上記コンプレッサの運転制御と異常圧力の対処に用いることができれば、システムの制御装置の簡素化を図ることができるものと期待されている。
【0006】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、電子式デジタル圧力スイッチの機能を充実させて利便性を改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチにおいて、検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、検出圧力をデジタル表示すると共に、切換により接点出力のON/OFF値をデジタル表示する表示手段と、検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えているので、接点出力にて従来同様の異常圧力などに対する対処を行わせながら、アナログ出力を用いて機器の制御を行うことが可能となり、制御装置の簡素化を図ることができるようになる。
【0008】
また、請求項2の発明では接点出力を複数備えているので、異常圧力の対処などを複数の接点出力にて細かく行うことが可能となると共に、請求項3の発明では、接点出力に遅延時間を設定可能としたので、例えば一時的な変動に対して誤動作を防止することなども可能となるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の電子式デジタル圧力スイッチの実施例としてのデジタル圧力スイッチ1の正面図、図2はその右側面図、図3はその左側面図、図4はパネル2を開いた状態のデジタル圧力スイッチ1の正面図、図5はデジタル圧力スイッチ1の電気回路のブロック図をそれぞれ示している。
【0010】
実施例のデジタル圧力スイッチ1は、図6に示す如きガス圧送装置3の高圧側の圧力を検出して制御出力を発生するために用いられるものであり、図1〜図4に示すような外装ケース4の下部に圧力検知管接続部6と、アナログ出力線7が取り付けられている。また、外装ケース4の後下角部にはカバー8がネジにより開閉可能に取り付けられており、このカバー8内に接点出力9(出力1)、接点出力11(出力2)の電気配線を接続するための端子板(図示せず)が設けられている。
【0011】
外装ケース4内には図5に示すマイクロコンピュータから構成された電子回路12から成る制御装置13が基板14上に構成されると共に、この外装ケース4の前面上部に表示手段としてのデジタル表示部16が配置されている。このデジタル表示部16は3桁の7セグメントLEDから構成されており、その下側には接点出力9(出力1)及び接点出力11(出力2)の動作を表示するためのLED17、18が配置されている。尚、接点出力9のONするとLED17が点灯し、接点出力11がONするとLED18が点灯される。
【0012】
外装ケース4の前面下部は奥側に段付き形成されており、この部分に回転スイッチ19とアップ設定スイッチ21、ダウン設定スイッチ22が設けられ、これらは前記パネル2にて開閉可能に覆われている。
【0013】
また、外装ケース4の左右側面上部及び下部にはピンホール孔23がそれぞれ複数カ所(実施例では三箇所)穿設され、これらにより外装ケース4の内外をガスが流通可能な通気部が構成されている。このピンホール孔23はガス(気体)は通過可能であるが、雨水などの液体は通過できない寸法とする。ピンホール孔23は外装ケース4の左右側面上下に複数カ所形成することで、使用ガス、流体の性質(空気より軽いか重いか)を問わず使用することができるようになる。
【0014】
次に、図5において24は圧力センサであり、その出力は電子回路12に接続されている。圧力センサ24は圧力検知管接続部6に接続された後述する圧力検知管26を介して検出した圧力を電圧として出力するものである。電子回路12には前述した接点出力9及び11が設けられ、各接点出力を介して後述する各負荷が電源に接続されることになる。また、電子回路12は圧力センサ24で検出した圧力に比例して変化する電圧値をアナログ出力線7に出力する。
【0015】
次に、図6のガス圧送装置3は、ガス(例えば冷媒ガスや六弗化イオウガス、可燃性ガスなど)を吸い込んで圧縮する例えば無給油式のレシプロ式コンプレッサ25と、このコンプレッサ25の吐出側に接続され、コンプレッサ25で圧縮されて吐出されたガスを一旦貯溜するリザーバータンク31と、このリザーバータンク31からコンプレッサ25の吸込側に渡って接続されたバイパス管27と、このバイパス管27に介設されたバイパス弁(電磁弁)28と、コンプレッサ25のON−OFF並びにその回転数(Hz)をPID制御するためのインバータ回路29などから構成されている。
【0016】
そして、ガス源から吸引したガスをコンプレッサ25で圧縮し、吐出して一旦リザーバータンク31に溜め、そこからガス消費機器に圧送するものである。本発明のデジタル圧力スイッチ1の圧力検知管接続部6には、このようなガス圧送装置3のリザーバータンク31内に連通接続された圧力検知管26が接続される。そして、接点出力9(出力1)はインバータ回路29が負荷として接続され、接点出力11(出力2)にはバイパス弁28が負荷として接続される。また、アナログ出力線7はインバータ回路29に接続される。
【0017】
以上の構成で図7を参照しながら本発明のデジタル圧力スイッチ1やガス圧送装置3の動作及び操作について説明する。先ず、デジタル圧力スイッチ1の各接点出力9(出力1)及び11(出力2)の設定操作について説明する。先ず、パネル2を開き(図4)、回転スイッチ19を設定1のONに合わせる。その状態でアップ設定スイッチ21やダウン設定スイッチ22を押すことで接点出力9(出力1)のON値を設定できる。この設定値はデジタル表示部16にデジタル表示される。次に、回転スイッチ19を設定1のOFFに合わせ、同様にスイッチ21、22を押すことで接点出力9(出力1)のOFF値を設定する。
【0018】
次に、回転スイッチ19を設定2のONに合わせる。その状態でアップ設定スイッチ21やダウン設定スイッチ22を押すことで接点出力11(出力2)のON値を設定できる。この設定値もデジタル表示部16にデジタル表示される。次に、回転スイッチ19を設定2のOFFに合わせ、同様にスイッチ21、22を押すことで接点出力11(出力2)のOFF値を設定する。実施例ではガス圧力の目標値を例えば6MPaとし、接点出力9のOFF値(設定1OFF)として例えば7MPa、ON値(設定1ON)として5MPaを設定し、接点出力11のON値(設定2ON)として例えば6.8MPa、OFF値(設定2OFF)として6.5MPaを設定した後、回転スイッチ19を運転の位置に合わせる。これによって、各設定値が電子回路12内のメモリに記憶される。
【0019】
今、リザーバータンク31内のガス圧力は十分低いものとすると、デジタル圧力スイッチ1は接点出力9(出力1)をONしており、接点出力11(出力2)はOFFしている。従って、バイパス弁28は閉じている。そして、インバータ回路29は運転可能状態となり、コンプレッサ25を起動する。コンプレッサ25が起動されると、コンプレッサ25にて圧縮されたガスがリザーバータンク31に吐出され、そこからガス消費機器に圧送されるようになる。
【0020】
デジタル圧力スイッチ1の圧力センサ24は圧力検知管26を介して流入するリザーバータンク31内のガスの圧力を検出し、出力電圧が変化する。電子回路12はこの圧力センサ24が検出するガス圧力(出力電圧)から現在のリザーバータンク31内のガス圧力をデジタル表示部16にデジタル表示すると共に、当該ガス圧力に比例した電圧値をアナログ出力線7に出力する。
【0021】
インバータ回路29は、デジタル圧力スイッチ1のアナログ出力線7から入力した電圧値(ガス圧力)に基づき、目標値である6MPaからの偏差eからP(比例)I(積分)D(微分)演算を実行してコンプレッサ25の回転数(Hz)を決定する。これにより、リザーバータンク31内のガス圧力を精度良く目標値に近付けていく。
【0022】
ここで、ガス消費機器側のガス消費が急激に減少するなどの理由によりリザーバータンク31内のガス圧力が急激に上昇すると、上記インバータ回路29によるPID制御では対応し切れなくなる。これにより、デジタル圧力スイッチ1が検出するガス圧力が上昇して6.8MPa(設定2ON)を超えると、電子回路12は接点出力11(出力2)をONし(LED18は点灯)、バイパス弁28を開く。これにより、リザーバータンク31内のガスはバイパス管27を通ってコンプレッサ25の吸込側に逃げるので、圧力上昇は抑制され、通常では降下に転じる。そして、6.5MPa(設定2OFF)まで降下したら、電子回路12は接点出力11(出力2)をOFFし(LED18は消灯)、バイパス弁28を閉じる。
【0023】
このようにバイパス管27を用いて圧力を逃がすことで、後述するコンプレッサ25の停止を抑制してその寿命延長を図り、或いは、ガス消費機器の故障や異常の発生を抑制できるようになる。
【0024】
尚、バイパス弁28を開放しても圧力上昇が止まらず、リザーバータンク31内のガス圧力が7MPa(設定1OFF)まで上昇した場合には、電子回路12は接点出力9(出力1)をOFFする(LED17消灯)。インバータ回路29は係る接点出力9(出力1)のOFFにより、コンプレッサ25を停止する。コンプレッサ25の停止によってリザーバータンク31内のガス圧力が低下していき、5MPa(設定1ON)に達すると、電子回路12は接点出力9(出力1)をONする(LED17点灯)。インバータ回路29はこの接点出力9(出力1)のONにより、コンプレッサ25を再び起動する。これによって、リザーバータンク31(コンプレッサ25の高圧側)内の異常圧力上昇を未然に回避する。
【0025】
ここで、圧力検知管26内にはリザーバータンク31内のガスが流入するため、デジタル圧力スイッチ1の外装ケース4内にもガスが漏洩する危険性がある。特にガスが都市ガスやプロパンガス、ブタン、天然ガスなどの可燃性ガスであった場合には外装ケース4内に溜まったガスが爆発する危険性が生じる。しかしながら、外装ケース4の左右側面には前述の如くピンホール孔23・・・が複数穿設されているので、外装ケース4内に漏れ出たガスはこのピンホール孔23・・・を通って外部に流出する。これにより、係る爆発の危険性を回避できる。
【0026】
また、デジタル圧力スイッチ1の接点出力9(出力1)及び接点出力11(出力2)のそれぞれのON値及びOFF値には、回転スイッチ19の操作とアップ設定スイッチ21及びダウン設定スイッチ22の操作により、遅延時間を設定することができる。そして、この遅延時間の設定によってガス圧力がON値或いはOFF値に達してから遅延して接点出力をON或いはOFFさせることが可能となる。従って、例えば上記実施例において接点出力9(出力1)のON値(設定1ON)を5.5MPaなどに設定し、且つ、遅延時間を例えば10秒(通常では0.5MPa低下しない時間)に設定することで、5MPaまで低下する以前にコンプレッサ25をONさせるなどの制御が可能となる。
【0027】
尚、上記実施例では接点出力を2個設けたが、1個若しくは3個以上あってもよい。また、実施例ではガス圧送装置3にデジタル圧力スイッチ1を適用したが、それに限らず、冷媒回路内で冷媒ガスを強制循環する冷凍機の高圧側や、液体(流体)を圧送する機器に適用しても有効である。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチにおいて、検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、検出圧力をデジタル表示すると共に、切換により接点出力のON/OFF値をデジタル表示する表示手段と、検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えているので、接点出力にて従来同様の異常圧力などに対する対処を行わせながら、アナログ出力を用いて機器の制御を行うことが可能となり、制御装置の簡素化を図ることができるようになる。
【0029】
また、請求項2の発明によれば接点出力を複数備えているので、異常圧力の対処などを複数の接点出力にて細かく行うことが可能となると共に、請求項3の発明では、接点出力に遅延時間を設定可能としたので、例えば一時的な変動に対して誤動作を防止することなども可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデジタル圧力スイッチの正面図である。
【図2】図1のデジタル圧力スイッチの右側面図である。
【図3】図1のデジタル圧力スイッチの左側面図である。
【図4】図1のデジタル圧力スイッチのパネルを開いた状態の正面図である。
【図5】図1のデジタル圧力スイッチの電気回路のブロック図である。
【図6】ガス圧送装置の回路図である。
【図7】図1のデジタル圧力スイッチ及び図6のガス圧送装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 デジタル圧力スイッチ
3 ガス圧送装置
4 外装ケース
7 アナログ出力線
9、11 接点出力
16 デジタル表示部
19 回転スイッチ
21、22 設定スイッチ
23 ピンホール孔
24 圧力センサ
25 コンプレッサ
26 圧力検知管
27 バイパス管
28 バイパス弁
29 インバータ回路
31 リザーバータンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスや液体などの流体を供給、若しくは、循環するシステムにおいて、当該システム内の流体の圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より冷媒回路内で冷媒ガスを強制循環する冷凍機や、ガスなどを圧送するガス圧送装置などのシステムではガスを圧縮して吐出するためにコンプレッサが用いられると共に、システム内の低圧/高圧のコントロールのためにデジタル式の圧力スイッチが用いられる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来のこの種デジタル圧力スイッチは、システム内のガスなどの圧力を検出する素子と、この検出素子にて検出された圧力を表示する表示部と、検出した圧力によってON−OFFする接点出力を備えている。そして、この接点出力を用いて、例えば冷凍機の冷媒回路内の低圧側冷媒ガス圧力が所定値に低下した場合にはコンプレッサを停止させるなどのために用いられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−75810号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のデジタル圧力スイッチは、専らシステム内の圧力の表示と制御用に用いられていたが、更にシステム内の機器、例えば上記コンプレッサの運転制御と異常圧力の対処に用いることができれば、システムの制御装置の簡素化を図ることができるものと期待されている。
【0006】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、電子式デジタル圧力スイッチの機能を充実させて利便性を改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチにおいて、検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、検出圧力をデジタル表示すると共に、切換により接点出力のON/OFF値をデジタル表示する表示手段と、検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えているので、接点出力にて従来同様の異常圧力などに対する対処を行わせながら、アナログ出力を用いて機器の制御を行うことが可能となり、制御装置の簡素化を図ることができるようになる。
【0008】
また、請求項2の発明では接点出力を複数備えているので、異常圧力の対処などを複数の接点出力にて細かく行うことが可能となると共に、請求項3の発明では、接点出力に遅延時間を設定可能としたので、例えば一時的な変動に対して誤動作を防止することなども可能となるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の電子式デジタル圧力スイッチの実施例としてのデジタル圧力スイッチ1の正面図、図2はその右側面図、図3はその左側面図、図4はパネル2を開いた状態のデジタル圧力スイッチ1の正面図、図5はデジタル圧力スイッチ1の電気回路のブロック図をそれぞれ示している。
【0010】
実施例のデジタル圧力スイッチ1は、図6に示す如きガス圧送装置3の高圧側の圧力を検出して制御出力を発生するために用いられるものであり、図1〜図4に示すような外装ケース4の下部に圧力検知管接続部6と、アナログ出力線7が取り付けられている。また、外装ケース4の後下角部にはカバー8がネジにより開閉可能に取り付けられており、このカバー8内に接点出力9(出力1)、接点出力11(出力2)の電気配線を接続するための端子板(図示せず)が設けられている。
【0011】
外装ケース4内には図5に示すマイクロコンピュータから構成された電子回路12から成る制御装置13が基板14上に構成されると共に、この外装ケース4の前面上部に表示手段としてのデジタル表示部16が配置されている。このデジタル表示部16は3桁の7セグメントLEDから構成されており、その下側には接点出力9(出力1)及び接点出力11(出力2)の動作を表示するためのLED17、18が配置されている。尚、接点出力9のONするとLED17が点灯し、接点出力11がONするとLED18が点灯される。
【0012】
外装ケース4の前面下部は奥側に段付き形成されており、この部分に回転スイッチ19とアップ設定スイッチ21、ダウン設定スイッチ22が設けられ、これらは前記パネル2にて開閉可能に覆われている。
【0013】
また、外装ケース4の左右側面上部及び下部にはピンホール孔23がそれぞれ複数カ所(実施例では三箇所)穿設され、これらにより外装ケース4の内外をガスが流通可能な通気部が構成されている。このピンホール孔23はガス(気体)は通過可能であるが、雨水などの液体は通過できない寸法とする。ピンホール孔23は外装ケース4の左右側面上下に複数カ所形成することで、使用ガス、流体の性質(空気より軽いか重いか)を問わず使用することができるようになる。
【0014】
次に、図5において24は圧力センサであり、その出力は電子回路12に接続されている。圧力センサ24は圧力検知管接続部6に接続された後述する圧力検知管26を介して検出した圧力を電圧として出力するものである。電子回路12には前述した接点出力9及び11が設けられ、各接点出力を介して後述する各負荷が電源に接続されることになる。また、電子回路12は圧力センサ24で検出した圧力に比例して変化する電圧値をアナログ出力線7に出力する。
【0015】
次に、図6のガス圧送装置3は、ガス(例えば冷媒ガスや六弗化イオウガス、可燃性ガスなど)を吸い込んで圧縮する例えば無給油式のレシプロ式コンプレッサ25と、このコンプレッサ25の吐出側に接続され、コンプレッサ25で圧縮されて吐出されたガスを一旦貯溜するリザーバータンク31と、このリザーバータンク31からコンプレッサ25の吸込側に渡って接続されたバイパス管27と、このバイパス管27に介設されたバイパス弁(電磁弁)28と、コンプレッサ25のON−OFF並びにその回転数(Hz)をPID制御するためのインバータ回路29などから構成されている。
【0016】
そして、ガス源から吸引したガスをコンプレッサ25で圧縮し、吐出して一旦リザーバータンク31に溜め、そこからガス消費機器に圧送するものである。本発明のデジタル圧力スイッチ1の圧力検知管接続部6には、このようなガス圧送装置3のリザーバータンク31内に連通接続された圧力検知管26が接続される。そして、接点出力9(出力1)はインバータ回路29が負荷として接続され、接点出力11(出力2)にはバイパス弁28が負荷として接続される。また、アナログ出力線7はインバータ回路29に接続される。
【0017】
以上の構成で図7を参照しながら本発明のデジタル圧力スイッチ1やガス圧送装置3の動作及び操作について説明する。先ず、デジタル圧力スイッチ1の各接点出力9(出力1)及び11(出力2)の設定操作について説明する。先ず、パネル2を開き(図4)、回転スイッチ19を設定1のONに合わせる。その状態でアップ設定スイッチ21やダウン設定スイッチ22を押すことで接点出力9(出力1)のON値を設定できる。この設定値はデジタル表示部16にデジタル表示される。次に、回転スイッチ19を設定1のOFFに合わせ、同様にスイッチ21、22を押すことで接点出力9(出力1)のOFF値を設定する。
【0018】
次に、回転スイッチ19を設定2のONに合わせる。その状態でアップ設定スイッチ21やダウン設定スイッチ22を押すことで接点出力11(出力2)のON値を設定できる。この設定値もデジタル表示部16にデジタル表示される。次に、回転スイッチ19を設定2のOFFに合わせ、同様にスイッチ21、22を押すことで接点出力11(出力2)のOFF値を設定する。実施例ではガス圧力の目標値を例えば6MPaとし、接点出力9のOFF値(設定1OFF)として例えば7MPa、ON値(設定1ON)として5MPaを設定し、接点出力11のON値(設定2ON)として例えば6.8MPa、OFF値(設定2OFF)として6.5MPaを設定した後、回転スイッチ19を運転の位置に合わせる。これによって、各設定値が電子回路12内のメモリに記憶される。
【0019】
今、リザーバータンク31内のガス圧力は十分低いものとすると、デジタル圧力スイッチ1は接点出力9(出力1)をONしており、接点出力11(出力2)はOFFしている。従って、バイパス弁28は閉じている。そして、インバータ回路29は運転可能状態となり、コンプレッサ25を起動する。コンプレッサ25が起動されると、コンプレッサ25にて圧縮されたガスがリザーバータンク31に吐出され、そこからガス消費機器に圧送されるようになる。
【0020】
デジタル圧力スイッチ1の圧力センサ24は圧力検知管26を介して流入するリザーバータンク31内のガスの圧力を検出し、出力電圧が変化する。電子回路12はこの圧力センサ24が検出するガス圧力(出力電圧)から現在のリザーバータンク31内のガス圧力をデジタル表示部16にデジタル表示すると共に、当該ガス圧力に比例した電圧値をアナログ出力線7に出力する。
【0021】
インバータ回路29は、デジタル圧力スイッチ1のアナログ出力線7から入力した電圧値(ガス圧力)に基づき、目標値である6MPaからの偏差eからP(比例)I(積分)D(微分)演算を実行してコンプレッサ25の回転数(Hz)を決定する。これにより、リザーバータンク31内のガス圧力を精度良く目標値に近付けていく。
【0022】
ここで、ガス消費機器側のガス消費が急激に減少するなどの理由によりリザーバータンク31内のガス圧力が急激に上昇すると、上記インバータ回路29によるPID制御では対応し切れなくなる。これにより、デジタル圧力スイッチ1が検出するガス圧力が上昇して6.8MPa(設定2ON)を超えると、電子回路12は接点出力11(出力2)をONし(LED18は点灯)、バイパス弁28を開く。これにより、リザーバータンク31内のガスはバイパス管27を通ってコンプレッサ25の吸込側に逃げるので、圧力上昇は抑制され、通常では降下に転じる。そして、6.5MPa(設定2OFF)まで降下したら、電子回路12は接点出力11(出力2)をOFFし(LED18は消灯)、バイパス弁28を閉じる。
【0023】
このようにバイパス管27を用いて圧力を逃がすことで、後述するコンプレッサ25の停止を抑制してその寿命延長を図り、或いは、ガス消費機器の故障や異常の発生を抑制できるようになる。
【0024】
尚、バイパス弁28を開放しても圧力上昇が止まらず、リザーバータンク31内のガス圧力が7MPa(設定1OFF)まで上昇した場合には、電子回路12は接点出力9(出力1)をOFFする(LED17消灯)。インバータ回路29は係る接点出力9(出力1)のOFFにより、コンプレッサ25を停止する。コンプレッサ25の停止によってリザーバータンク31内のガス圧力が低下していき、5MPa(設定1ON)に達すると、電子回路12は接点出力9(出力1)をONする(LED17点灯)。インバータ回路29はこの接点出力9(出力1)のONにより、コンプレッサ25を再び起動する。これによって、リザーバータンク31(コンプレッサ25の高圧側)内の異常圧力上昇を未然に回避する。
【0025】
ここで、圧力検知管26内にはリザーバータンク31内のガスが流入するため、デジタル圧力スイッチ1の外装ケース4内にもガスが漏洩する危険性がある。特にガスが都市ガスやプロパンガス、ブタン、天然ガスなどの可燃性ガスであった場合には外装ケース4内に溜まったガスが爆発する危険性が生じる。しかしながら、外装ケース4の左右側面には前述の如くピンホール孔23・・・が複数穿設されているので、外装ケース4内に漏れ出たガスはこのピンホール孔23・・・を通って外部に流出する。これにより、係る爆発の危険性を回避できる。
【0026】
また、デジタル圧力スイッチ1の接点出力9(出力1)及び接点出力11(出力2)のそれぞれのON値及びOFF値には、回転スイッチ19の操作とアップ設定スイッチ21及びダウン設定スイッチ22の操作により、遅延時間を設定することができる。そして、この遅延時間の設定によってガス圧力がON値或いはOFF値に達してから遅延して接点出力をON或いはOFFさせることが可能となる。従って、例えば上記実施例において接点出力9(出力1)のON値(設定1ON)を5.5MPaなどに設定し、且つ、遅延時間を例えば10秒(通常では0.5MPa低下しない時間)に設定することで、5MPaまで低下する以前にコンプレッサ25をONさせるなどの制御が可能となる。
【0027】
尚、上記実施例では接点出力を2個設けたが、1個若しくは3個以上あってもよい。また、実施例ではガス圧送装置3にデジタル圧力スイッチ1を適用したが、それに限らず、冷媒回路内で冷媒ガスを強制循環する冷凍機の高圧側や、液体(流体)を圧送する機器に適用しても有効である。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチにおいて、検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、検出圧力をデジタル表示すると共に、切換により接点出力のON/OFF値をデジタル表示する表示手段と、検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えているので、接点出力にて従来同様の異常圧力などに対する対処を行わせながら、アナログ出力を用いて機器の制御を行うことが可能となり、制御装置の簡素化を図ることができるようになる。
【0029】
また、請求項2の発明によれば接点出力を複数備えているので、異常圧力の対処などを複数の接点出力にて細かく行うことが可能となると共に、請求項3の発明では、接点出力に遅延時間を設定可能としたので、例えば一時的な変動に対して誤動作を防止することなども可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデジタル圧力スイッチの正面図である。
【図2】図1のデジタル圧力スイッチの右側面図である。
【図3】図1のデジタル圧力スイッチの左側面図である。
【図4】図1のデジタル圧力スイッチのパネルを開いた状態の正面図である。
【図5】図1のデジタル圧力スイッチの電気回路のブロック図である。
【図6】ガス圧送装置の回路図である。
【図7】図1のデジタル圧力スイッチ及び図6のガス圧送装置の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 デジタル圧力スイッチ
3 ガス圧送装置
4 外装ケース
7 アナログ出力線
9、11 接点出力
16 デジタル表示部
19 回転スイッチ
21、22 設定スイッチ
23 ピンホール孔
24 圧力センサ
25 コンプレッサ
26 圧力検知管
27 バイパス管
28 バイパス弁
29 インバータ回路
31 リザーバータンク
Claims (3)
- 圧力を検出して出力を発生する電子式デジタル圧力スイッチにおいて、
検出圧力に基づいてON−OFFすると共に、当該ON及びOFF値を設定可能な接点出力と、
検出圧力をデジタル表示すると共に、切換により前記接点出力のON/OFF値をデジタル表示する表示手段と、
前記検出圧力に応じて出力値が変化するアナログ出力とを備えたことを特徴とする電子式デジタル圧力スイッチ。 - 前記接点出力を複数備えたことを特徴とする請求項1の電子式デジタル圧力スイッチ。
- 前記接点出力には遅延時間を設定可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2の電子式デジタル圧力スイッチ。
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