JP2004252441A - シート状導光体およびそれを用いた通信システム - Google Patents

シート状導光体およびそれを用いた通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 シート状導光体において良好な光取り出し効率および、均一な出射光強度分布が得られ、また双方向通信も可能な通信システムを得る。
【解決手段】 シート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなり、一端面から入射した信号光を前記粒子により散乱させながら、受光器が結合された他端面側に伝搬させるシート状導光体10を用いた通信システムにおいて、前記粒子の散乱断面積をΦ、前記光学媒質の光伝搬方向の長さをL、粒子密度をNp、補正係数をKとしたとき、Φ・Np・L・Kの値が0.9以下であるシート状導光体10を用いる。
【選択図】 図10

Description

本発明は導光体、特に詳細には、シート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなり、一端面から入射した光を前記粒子により散乱させながら他端面側に伝搬させるシート状導光体を用いた通信システムに関するものである。
また本発明は、上記通信システムに用いられるシート状導光体に関するものである。
従来、例えば特許文献1や特許文献2に示されているように、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなり、一端面から入射した光を前記粒子により散乱させながら別の端面側に伝搬させる導光体が公知となっている。
このような導光体は、その側端面と周囲媒質(空気あるいはクラッド層)との界面における全反射の作用に加えて、光学媒質内の粒子で散乱を繰り返させながら光を伝搬させるものであるので、全反射の作用のみで光を伝搬させる導光体と比較すると、より強度が均一化した光を出射端面から取り出せるという利点を有している。その利点を活かしてこの種の導光体は、例えば特許文献3に示されるように、シート状の光学媒質を用いて形成し、その一端面に光信号を入力する1つの入力部を結合するとともに他端面に複数の出力部を結合して、入力された光信号を複数の出力部に共通の信号として分配する光データバス(シートバス)を構成するために適用することが考えられている。
また、このような光データバスとして、例えば特許文献4に示されるように、シート状光学媒質の光入射側の端部に各信号光入射部に対応させて光拡散部を設け、この光拡散部で拡散、分岐した信号光を該光学媒質の光出射側の端部に向けて伝搬させるようにしたものも公知となっている。
特許第3162398号公報 特許第3184219号公報 特開平10−123350号公報 特開平11−31035号公報
特許文献4に示されるような光データバスにおいては、光拡散部を一辺が100μmからなる多数の単位光学素子から構成する必要があり、作製が極めて困難であるという問題が認められている。また、このような光拡散部をシート状光学媒質の一方の端部に形成すれば、その端部側において光検出することは事実上不可能であってその端部は光入射側と限定せざるを得ず、よってこのシート状光学媒質を介して双方向通信することは不可能となる。
特許文献3に示されるようなシート状導光体を用いれば、双方向通信することも可能である。しかし従来、この種のシート状導光体において、所望の光取り出し効率や、均一な出射光強度分布を実現する設計条件を簡単に求めることは不可能であった。そこで従来は、所望の特性の導光体を得る上で、光学媒質内に含有させる粒子の粒子径や粒子密度を変えて複数の導光体サンプルを作製し、それらの中から所望の光取り出し効率や均一な出射光強度分布が得られる導光体を選んで使用する手法や、計算機を用いた大がかりなシミュレーションによって設計条件を求める手法が採用されていた。
本発明は上記の事情に鑑みて、シート状導光体において良好な光取り出し効率および、均一な出射光強度分布が得られ、また双方向通信も可能である、シート状導光体を用いた通信システムを提供することを目的とする。
また本発明は、そのような通信システムに好適に用いることができるシート状導光体を提供することを目的とするものである。
本発明によるシート状導光体を用いた通信システムは、
前述したようにシート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなり、一端面から入射した信号光を前記粒子により散乱させながら、受光器が結合された他端面側に伝搬させるシート状導光体を用いた通信システムにおいて、
前記粒子の散乱断面積をΦ、前記光学媒質の光伝搬方向の長さをL、粒子密度をNp、補正係数をKとしたとき、Φ・Np・L・Kの値が0.9以下となっていることを特徴とするものである。
なお、本発明によるシート状導光体を用いた通信システムにおいては、システムのrms(root mean square)ノイズをNoise(System_rms)、許容されるビットエラーレートをBER(accept)、Noise(System_rms)の発生確率をPr(Noise(System_rms))としたとき、Qを比例定数として、
Pr(Noise(System_rms)・Q)≦BER(accept)
を満足していることが望ましい。
さらに、本発明によるシート状導光体を用いた通信システムにおいては、システムのrmsノイズをNoise(System_rms)、2値化における任意の閾値をV(Thresh)、受光器から負荷抵抗を介して出力する信号電圧をS(PRmin )vとしたとき、Qを比例定数として、
{S(PRmin )v−V(Thresh)}>Noise(System_rms)・Q
を満足していることが望ましい。
また、本発明で用いる上記シート状導光体は、入射光が入・出射端面以外の各面においてSnell’s Lawに従って反射を繰り返すものとし、周囲媒質の屈折率をNs、母材の光学媒質の屈折率をNm、入射角をθm、屈折角をθsとしたとき、粒子を含有しない場合にNm・sinθm=Ns・sinθsであるならば、sinθs>1を満足する形状の光学媒質から構成されることが望ましい。
また上記シート状導光体は、少なくとも1つの出射端面から出射する光線が該出射端面での反射・屈折においてSnell’s Lawに従うものとし、周囲媒質の屈折率をNs、母材となる光学媒質の屈折率をNm、入射角をθm、屈折角をθsとしたとき、粒子を含有しない場合にNm・sinθm=Ns・sinθsであるならば、sinθs<1を満足する形状の光学媒質から構成されることが望ましい。
また本発明で用いるシート状導光体においては、光学媒質に混入する粒子がMie散乱理論に従う非磁性の伝導体粒子であってもよい。また光学媒質において、粒子は粒子密度に勾配を持たせて混入されてもよい。
さらにこのシート状導光体は、複数の光学媒質を組み合わせて構成することも可能である。
また本発明は、上述のようなシート状導光体として、導光体本体の表面(入・出射端面以外の面)を被覆する保護層を有するシート状導光体を提供するものである。そのような保護層は、例えばプラスチック光ファイバの被覆材として従来広く用いられているポリエチレンや塩化ビニル等を好適に用いて形成することができる。
なお、上述の保護層を有するシート状導光体は、該保護層と導光体本体表面との間に、この導光体本体より低屈折率のクラッド層を有するものであることが特に望ましい。そのようなクラッド層は、具体的には、例えば紫外線硬化樹脂やシリコン樹脂等の材料を、導光体本体に塗布、蒸着する等によって形成することができる。またこのクラッド層のシート状導光体本体に対する屈折率差は、シート状導光体本体における信号光の最大入射角に対して全反射条件を満足する値となっていることが望ましい。
前述の特許文献1および2には、屈折率不均一構造により、あるいは誘電体粒子を光学媒質に混入・拡散させ、所望の光強度分布を実現するための導光路が提案されている。またこれらの特許文献1および2には、Debyeの濁度(Turbidity)理論(Journal of Applied Physics Vol.20 pp.518〜525(1949))を応用することにより、散乱光強度を高め、かつ出射口における光強度分布の均一化を実現できることが記されている。Debyeは、Einsteinの“気体または液体中の誘電率の熱的揺らぎについての理論”(Annalen Der Physik 33 pp.1275〜1298(1910))の中で、特に散乱光に関する考察を引用しており、上記論文中のEinsteinの式は下の通りである。
i/I=(RT/N)・〔(ε−1)(ε+2)/P〕・(2π/λ)
〔V/(4πD)〕cosθ・・・・(1)
ここで、 i:散乱体から距離D離れた位置での光強度
:入射光の強度
R:気体定数
T:絶対温度
N:1グラム分子中の分子数
ε:波長λに対する屈折率の二乗(誘電率)
P:流体に加わる圧力
λ:波長
V:光散乱体の体積
D:光散乱体と観測点までの距離
θ:散乱角
上記Einsteinの式はDebyeにより変形され、下式で表されている。
i/I=<η>/ε(πV/λ)・(1+cosθ)/2・ω・・・(2)
ここで、 i:散乱体から距離D離れた位置での光強度
:入射光の強度
ε:散乱体の誘電率
<η>:散乱体の誘電率の揺らぎの二乗平均値
R:観測点と散乱体までの距離
λ:波長
V:光散乱体の全体積
θ:散乱角
ω:相関体積
また、ω=4π∫sin(ksr)/ksr・rγ(r)dr・・・(3)
k:波数
s:入射光の単位ベクトルと出射光の単位ベクトルの合成ベクトルの長さ
r:誘電率揺らぎを生じている2点間の距離
s=2sin(θ/2) である。
Debyeによれば、相関体積ωは相関関数γ(r)を
γ(r)=exp(−r/a)(a:相関距離)
とおくと積分でき、故に(3)式は、
ω=8πa/(1+k ・・・・(4)
で表される。
(2)、(4)式より、
i/I=<η>2/ε(πV/λ)・(1+cosθ)/2・8πa/(1+k
ここで、s=2sin(θ/2)を用いて(2)式は、
i/I=4πa<η>2/ε(πV/λ)・(1+cosθ)
/(1+8π(1−cosθ)(a/λ)・・・・(5)
となる。(4)式の散乱角強度の項は、以下で示される。
f(θ)=(1+cosθ)/(1+8π(1−cosθ)(a/λ)
・・・・(6)
この(6)式を代表的な(a/λ)の値毎に計算して、散乱角対規格化強度を求めた結果を図1に示す。また、Mie散乱理論に基づいて、代表的な粒子径Dpの値毎に散乱角対規格化強度を求めた結果を図2に示す。
特許文献1および2によれば、粒子径はほぼ相関距離に等しいと考えることができるので、図1より、粒子径が波長と同程度の大きさであれば前方散乱光の強度が強くなるが、粒子径が波長の10倍を超えると側方散乱光の強度が極めて強くなり、もはや前方には光が進行しないことが分かる。一方、Mie散乱理論によれば、図2から明らかなように、粒子径が波長の10倍を超えても前方散乱光の強度はなお強い。Debyeの濁度理論は、γ(r)=exp(−r/a)で近似した場合、粒子径が波長と同程度の場合は、Mie散乱の結果に近いが、それよりも大きい粒子径に対しては、Mie散乱理論と大きくずれを生じていることが分かる。
以上の考察から、所望の光学媒質に光散乱を生じさせる粒子を混入し、入射した光を均一な強度分布として出射させるために用いる計算手法として、粒子の大きさが波長よりも非常に小さい場合にはRayleigh散乱を表し、非常に大きい場合はHuygens−Fresnel回折を表す、Mie散乱理論がより適切であると考えられる。さらに、Mie散乱理論は1粒子系であり、多粒子の散乱に対しては、Mie散乱理論に基づいた多粒子系での解析が必要であると考えられる。
本発明で用いるシート状導光体を製造するに当たっては、以上の考察に基づいて、所望の光取り出し効率を実現する設計条件を簡単に求めることができる。以下、この方法を詳しく説明する。
<散乱断面積>
まず、散乱断面積Φについて説明する。Mie散乱理論に限らず、また可視域の光以外に、γ線やX線等の放射線領域や赤外線やマイクロ波等の長波長領域において、散乱断面積という概念が広く用いられている。粒子径と波長の関係がRayleigh領域にある場合、散乱断面積Φは、
Φ=128・π5・(a 6/3λ4)・{(n2−1)/(n2+2)}2・・(7)
ただし a:粒子半径
λ:入射光の波長
n:相対屈折率
で表される。
一方、Mieの理論において、散乱断面積Φは下の(8)式で表される。
Figure 2004252441
上記(8)式のa/λ>>1の極限では、散乱断面積Φは、
Φ=Mπa (収束時:M≒2)・・・・(9)
である。そして(8)式より、2πa/λ≒1の領域では、上記Mが1<M<6の間で振動することが分かっている。
ここで図3a、bおよびcにそれぞれ、相対屈折率nが1.1、1.5、2.1である場合のMの振動の様子を示す。これらの図より、Mie散乱領域における散乱断面積Φは、粒子径Dpの増大により振動・収束して行くことが分かる。この振動領域においても、相対屈折率nが1から2程度の広い範囲で、Mie散乱領域の収束する幾何学的散乱断面積πa に乗ずる数値を、図3a〜cにより各粒子径に応じて求めることが可能である。
上述の(7)、(9)式に基づいて粒子径Dpと散乱断面積Φとの関係を、いくつかの相対屈折率n毎に求めた結果を図4に示す。一方、Mie散乱理論に基づいて、多粒子系の粒子径Dpと、ある数値を乗じた粒子密度の逆数との関係を計算機シミュレーションで求めた結果を図5に示す。
なお、これらの計算機シミュレーションでは、ある有限の拡がり角をもつ光を、内部に粒子を含有する10mm角から1000mm角の各種の大きさの立方体形状を持つ光学媒質に入射させたものとしている。すなわち、入射光と立方体の大きさは相似的に変化する。また粒子径Dp、はRayleigh散乱領域からFresnel回折領域に至るまでの幅広い範囲で変化させた。またこれらの計算機シミュレーションでは、光は入射側と対向する位置から入射光と同方向に出射するものとし、そして立方体の光の出射端における光の取り出し効率は約80%としている。
これらの図4および5より、散乱断面積と、有限の大きさの光学媒質中の粒子数との間に密接な関係が有ることが分かる。
<Lambert−Beer則と散乱断面積>
平行光束を等方媒質に入射させた場合の透過率Tは、Lambert−Beer則により
T=I/I=exp(−ρ・x)・・・・(10)
ここで x:距離
:入射光強度
I:出射光強度
ρ:減衰定数
で表される。
上記減衰定数ρは、粒子の散乱断面積をΦ、媒質に含まれる単位体積当たりの粒子数をNpとすると
ρ=Φ・Np・K ・・・(11)
であると考えられる。ここで、Kは有限の空間の光学媒質中で光が伝搬する場合に経験的に求められる無次元の補正係数である。
そして、導光体を設計する上で一般に必要とされるパラメータは、光学媒質の体積V、混入粒子数NPTおよび粒子径Dpであり、その場合に出射光強度がどのように変化するか検討する。
ここで、Np=NPT/V である。さらに、図4と図5との比較・類推並びに図示しないいくつかのデータからKは決定される。本計算においては、図4、図5並びに図示しないいくつかのデータからK=0.004が得られた。粒子径Dpと散乱断面積Φは、(7)、(9)式より対応付けられ、故に、光学媒質の光軸方向への長さをLとすると、光の取り出し効率Eoutは、
Eout=exp{−(Φ・Np・L・K)}・・・・(13)
で与えられる。この(13)式より、Φ・Np・L=CONST.とすれば取り出し効率を一定にできることが分かる。つまり、光学媒質の光軸方向への長さLに応じてNpを変化させればよい。
さらに、粒子が存在しない場合に、立体の形状、入射光の強度分布、入射角度に依存するFresnel損失と、内部透過率等を総合した損失係数Kで表せば、
上記(13)式は、
Eout=exp{−(Φ・Np・L・K)}・K・・・・(14)
となる。
すなわち、粒子の散乱断面積Φ、粒子密度Np、光学媒質の光伝搬方向の長さL、補正係数Kおよび損失係数Kにより取り出し効率Eoutを決定できる。言い換えれば、所望の光取り出し効率Eoutが与えられたとき、上記(14)式を満足させれば、その光取り出し効率Eoutが実現される。
<Fresnel損失因子>
Fresnel損失は、まず反射率を考え、p偏光成分をRp、s偏光成分をRsとすれば
Rp=tan(θi−θr)/tan(θi+θr)・・・(15a)
Rs=−sin(θi−θr)/sin(θi+θr)・・・(15b)
ここで、θi:入射角
θr:屈折角
となる。故に反射光の強度Irは、(15a)、(15b)式より
Ir=(Rp+Rs)/2・・・・(16)
この(16)式より透過光強度Itは、
It=1−Ir・・・・(17)
となり、入射光の強度分布を考慮した透過光強度をIt’すると(17)式は、
It’(θi)=It(θi)・D(θi)・・・・(18)
D(θi):強度分布関数
となる。
<Fresnel損失の算出>
任意の拡がり角の有る光束が光学媒質に入射する場合、任意の入射角θiに対し、Fresnel損失は変化する。光束の最大入射角をθmaxとすると、境界面におけるFresnel損失は、
Figure 2004252441
で表される。
ここで、計算の簡素化のために入射光の強度分布を矩形とすると上記(19)式は
Figure 2004252441
となる。この(20)式に基づいて、光学媒質の種々屈折率に対するFresnel損失を求めた結果を図6に示す。なおこの図6では、縦軸に透過率を取って損失を示してある。つまり、透過率1が損失0(ゼロ)である。
<Fresnel損失を含む光取り出し効率の算出>
上記の図6から、入射角が30°以下の場合、光学媒質の屈折率と周囲媒体の屈折率が大きく異なっていても、Fresnel損失はほぼ同じになることが分かる。今、光学媒質がシート状直方体の場合、反射・屈折において光線の方向余弦は保存され、入射角と出射角は粒子が存在しない場合、同じになると考えられる。また、内部透過率Tin≒1と近似できる場合は、入射面の透過率と出射面の透過率の積が全透過率Ttotalとなる。よって光学媒質の屈折率をn=1.5とすると、Ttotal=0.92となる。
故に(14)式は、
Eout=exp{−(Φ・Np・L・K)}・0.92・・・(14b)
となる。この(14b)式により、粒子径と光取り出し効率との関係を求めた結果を図7a〜eに示す。なお、入射光の強度に分布が有る場合や、入射光の入射角度が30°以上になる場合は、(19)式、(20)式によりFresnel損失を求め(14b)式に代入すればよい。ただし、出射時には臨界角を考慮して、入射光の広がりは半角で30°程度にするのが望ましい。
上記の図7a〜eは、本計算方法において、まず各粒子径の平均的な狙いの光取り出し効率を定め、それに対し各粒子径における計算値(10mmC、100mmC、1000mmC)と本計算で用いた粒子径、粒子密度による精密なシミュレーション(S 10mm、S 100mm、S 1000mm)の結果を示している。平均的な狙いの光取り出し効率は、図7a、7b、7c、7d、7eにおいてそれぞれ80%,70%,60%,50%,40%である。散乱断面積Φは、粒子径20nmの場合はRayleigh理論により、また粒子径200nm以上についてはMie理論により求めた。Sはシミュレーションを表し、Cは本計算によることを表している。また数値は光学媒質の光伝搬方向の長さLを表している。
この図7a〜eによれば、平均的な狙いの光取り出し効率が60%以上であれば、精密なシミュレーションの結果と10%未満の誤差におさまっており、よく一致していることが分かる。すなわち、言い換えれば、Φ・Np・L・Kの値が0.4以下であれば、誤差が10%未満におさまることを表している。また、上記値が0.9以下であっても、誤差は50%未満におさまることを同時に表している。なおKの値は、経験的に求めた値0.92を用いた。シミュレーションや試作を行う上では、誤差が50%程度生じていても、光取り出し効率の狙いを付けるためには特に問題無いと考えられる。言うまでもなく、誤差が10%未満であればシミュレーションをする必要性は無く、また数種類のサンプルを評価し、絞り込む必要性が無くなるため、開発効率が向上するという効果が得られる。
上述の結果から、Mie散乱の複雑な理論に頼らなくても、比較的簡便なRayleigh領域とMie散乱収束領域の結果を基に(14)式を用いて、光の取り出し効率について見通しの良い解を得ることが可能であると考えられる。本方法は、この知見に鑑みてなされたものであり、前述のように
Eout=exp{−(Φ・Np・L・K)}・K
を満足させることにより、所望の光取り出し効率Eoutを実現する。
<計算例>
(14)式に基づいてシート状直方体について計算した結果を、表1〜3および図8a〜cに示す。なお、表1の数値をグラフに表したものが図8aであり、以下同様に、表2と図8b、表3と図8cが順次対応している。これらの表中の計算結果において、Φ・Np・L・Kの値はいずれも0.9以下になっている。なお、いずれの場合も、Kの値は0.92である。
Figure 2004252441
Figure 2004252441
Figure 2004252441
図8a〜cにおいて(C)、(S)はそれぞれ本計算の結果、精密なシミュレーションの結果を表している。また数値は光学媒質の寸法(mm)である。また狙いの光取り出し効率は、各粒子径における平均としている。表1〜3および図8a〜cから明らかなように、本計算の結果とシミュレーション結果とがよく一致していることが分かる。特に粒子径2000nmにおける結果は、本計算方法がシミュレーションに一致することをより一層明白にしている。
<出射光強度分布特性>
出射光強度分布特性は、光源の強度分布、広がり角、光源の数と配置などに影響を受けるため、シミュレーションにて評価した。そのようにして求めた粒子径毎の出射光強度分布特性を図9a、b、cに示す。ここで、光源は光学媒質の入射側断面の中心に位置させたものとし、広がり角を半角で30°とした。図9a、b、cは表1と同じ条件でシート状直方体の場合についてシミュレーションした結果であり、それぞれシートサイズが小、中、大の場合を示している。
これらの図から、断面が矩形の光学媒質において光取り出し効率90%前後で、ほぼ均一な強度分布が実現されていることが分かる。以上の考察および計算機シミュレーションから、任意の光学媒質に光散乱を生じさせる粒子を混入して導光体を製造する場合には、まず(14)式に基づいて、各粒子径による散乱断面積、粒子密度、光学媒質の寸法などから、光取り出し効率を予め絞り込むこともできる。そしてさらに、光強度分布特性を精密なシミュレーションにより求めるようにしてもよい。あるいは、(14)式から予め絞り込んだ条件に沿って数種類のサンプルを製作し、実験的に評価することも可能である。
そして本発明で用いられるシート状導光体は、前述した通りΦ・Np・L・K≦0.9の関係を満足する構成としたことにより、シミュレーションとの誤差が10%未満におさまるので、良好な光取り出し効率および、均一な出射光強度分布を実現することができる。
また本発明で用いられるシート状導光体は、光学媒質内の粒子で散乱を繰り返させながら光を伝搬させるものであるので、一方の端面から光を入射させて他方の端面に伝搬させることも、また上記他方の端面から光を入射させて上記一方の端面に伝搬させることも同じように可能である。そこで、このシート状導光体を用いる本発明のシート状導光体を用いた通信システムは、双方向通信することも可能となる。
<シート状導光体を用いた通信システムの必要条件>
代表的な通信用シート状導光体を図10に示す。シート状導光体10は、前述したように例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)等の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなり、一端面から入射した光を上記粒子により散乱させながら別の端面側に伝搬させるものである。そしてこのシート状導光体10の一端面には複数の光ファイバ21、22および23が接続され、他端面には光ファイバ31、32および33が接続される。これらの光ファイバ21〜23および31〜33としては通常大N.A.(開口数)のものが適用され、双方向の通信を可能にする。
光ファイバで受光する場合の条件について考察する。文献“High-Uniformity Star Coupler Using Diffused Light Transmission” IEICE TRANS. ELECTRON, Vol.E84C,No.3 MARCH 2001 p339(以下、非特許文献1という)によれば、通信用シート状導光体システムにおける受光器への要求は、以下の通りである。
《受光器の最小受光光量が20.5dBm(0dBm=1mW)以上必要》
これは、500Mbpsの信号を送受信した場合のBit-Error-Rate(BER)より算出されており、また受光器はPINフォトダイオードであるため、受光器が異なる場合(例えばフォトマルチプライヤ、アバランシェフォトダイオードなど)、或いは送信帯域が異なる場合には参考にはならない。すなわち、任意の受光器において、ある送信帯域において許され得る最小受光光量というものが存在するはずである。これより、上記の条件を満足する受光器の許容最小受光量をP(Receiver)minと定義する。
まず上記の条件からシート状導光体の出射光強度分布がフラットな場合について制約条件を求める。この出射光強度分布がフラットな場合でも、一本の光ファイバにおいて導光路と光ファイバの断面の面積比π/4が必ず損失につながる。ただし、光ファイバのコア径がシート状導光体の厚みに等しいとする。また公差は、今は考慮しない。
分岐数(ノード数)をNとすると、光量は1/Nに下がり、かつそのうちπ/4を損失分として計上すると、理想的な場合、受光器が受光する光量P(Receiver)は、
P(Receiver)=Eout・(1/N)・π/4・・・(21)
ここで受光器は、光ファイバからの出射光すべてを受光するものとする。これより、導光体への入射光の光量をPinとすると(21)式は
P(Receiver)=Pin・Eout・(1/N)・π/4・・・(22)
となる。この(22)式の対数をとって受光器の受光光量をdBmで表すと、
P(Receiver)dBm=−10Log{Pin・Eout・(1/N)・π/4}・・(23)
受光光量と分岐数(ノード数)の関係を、入射光量が1mW、10mWの場合について図11に示す。この図11から分かるように、当然のことながら受光光量は出射光量に比例する。また、ここではシート状導光体からの出射光の強度分布をフラットなものと想定しているが、実際には光源の位置が変われば出射光の強度分布も変化する。すなわち、受光光量に増減が生じ、出射光強度の最小部において受光光量も最小になると考えられる。
ここで、導光体への入射光量Pinが与えられたとき、光源が任意の位置にある場合の出射光の分布形状を、出射光強度分布が長辺となっている方向をx、短辺となっている方向をyとして、規格化強度分布関数D(x,y)で表す。また分岐数(ノード数)で分割された入、出射部における1単位をセグメントと呼ぶことにし、各セグメントの中心に光ファイバの中心(光軸)を理想的に位置決めするものとする。
故に、i番目のセグメントにおける出射光量の規格化された平均値NPiは、Segiをi番目のセグメントにおける積分領域とすると、
Figure 2004252441
ここで、Segmaxは全セグメント中で最大の光量となるセグメントを表す。また、光量が最小となる場合のセグメントにおいては、
Figure 2004252441
となる。(23)式において出射全光量Poutは、
Pout=Pin・Eout ・・・・(26)
である。これよりi番目のセグメントにおける光量PSegiは、分岐数=セグメント数=ノード数であるから、
Figure 2004252441
となる。なお本明細書では、上記(27)式に含まれる
Figure 2004252441
を便宜的にΣNPiと表すこととする。
上記(23)式、(27)式をまとめて、出射光強度分布がフラットな場合の1/Nに換えて、
P(Receiver)dBm=−10Log{Pin・Eout・(NPi/ΣNPi)・π/4}
となる。いま必要な数値は、光ファイバから出射する光量が最小の場合であり、それは(25)式より与えられる。すなわち、P(Receiver_min) dBmを受光器の得る最小受光光量とすると、上記式から
P(Receiver_min)dBm=−10Log{Pin・Eout・(NPi(min)/ΣNPi)
・π/4}・・・・(28)
となる。ここでPin:入射光量、Eout:光の取り出し効率、NPi(min):最小光量となるセグメントの光量、ΣNPi:セグメントの光量和である。
また、あるBERを満足するために受光器に必要な最小光量をPRmindBmとすると
PRmindBm ≦ P(Receiver_min)dBm
であり、さらに発光器と光ファイバとの結合損失をK、光ファイバとシート状導光体との結合損失をK、光ファイバと受光器との結合損失をK、光ファイバの内部損失KFIとすると、
PRmindBm≦P(Receiver_min)dBm・K・K・K・KFI・・・(29)
であり、この(29)式がシート状導光体を用いた通信システムの必要条件になる。
<BER(Bit-Error-Rate)>
BERは、ランダムに発生させたデジタル信号をある通信媒体を通じて送信し、受信したデジタル信号が元のデジタル信号に対してどの程度の食い違いを生じているかを表す指標であり、送信したビット数をBits、ビットエラー数をBiterとすると、
BER=Biter/Bits ・・・・(30)
で表される。
次に、ビットエラーの発生するメカニズムについて考察する。まず、デジタル変換する際のアナログ波形の歪が、第一要因として挙げられる。また信号レベルが低下した際にビットエラーが増加することから、S/Nも要因として考える必要がある。波形の歪により信号レベルが低下しても、それが(0,1)信号を区別する閾値を安定して超えていればビットエラーは発生しないはずであり、ノイズが外部から飛来し、あるいは内部から発生することにより、歪んだ波形にレベル変化を与えそれがビットエラーの原因になると考えられる(図12参照)。
シート状導光体を用いた通信システムにおける波形歪みの最大因子は、任意の入射セグメントと出射セグメントとが対応した受信信号自身の歪みと、各入射セングメントと任意の出射セグメントに対応したミキシンング信号に含まれる各信号成分の位相ずれによる波形歪であると考えられる。そして上記の波形歪は信号光の光路差に起因している。光ファイバとシート状導光体とを用いた通信システムにおいて光路差を生じる要素は、シート状導光体自身と光ファイバである。すなわちビットエラーは、アナログ信号をデジタル変換する際に、波形歪により信号レベルが予め決められた閾値を下回ることにより生じると推定される。さらにデジタル信号を送信する際には、基準信号(基準クロック)を付随させるとし、かつ読み取る際にも基準信号と照合すると考えると、基準信号とデジタル化された信号とに位相差(ジッタ)が大きくなるとビットエラーが発生すると考えられる。また、閾値近傍のアナログ信号はノイズによるゆらぎにより閾値を上下し、間違ったデジタル信号に化ける。すなわち、光路差要因とノイズ要因とが複合してビットエラーが発生すると推測される。
<光路差とBER(Bit-Error-Rate)との関係>
シート状導光体を用いた通信システムにおける、4、8、16の各ノード数に対する波形歪をそれぞれ図13aおよびb(4ノード)、図14aおよびb(8ノード)、図15aおよびb(16ノード)に示す。これらの通信システムにおいて、光ファイバの外径は全て1mm、長さは光路差を無視できる1mであり、それらは各々光入射側においても光出射側においても互いに密接して並設されている。
また各図における「In」と「Out」の数値はそれぞれ、光入射位置、出射位置をシート状導光体の光ファイバ並び方向中央位置からの距離(mm:光を入射させる光ファイバが有る側には−、それと反対側には+で示す)で表している。すなわち、図13aは上記中央位置から−1.5mmの位置に中心がある光ファイバ、つまり該中央位置から−方向に2本目の光ファイバ(後述の図18を例に挙げれば光ファイバ21)に光を入射させ、同じ位置に中心がある光ファイバ(同様に光ファイバ31)から光を出射させた場合、図13bは上記と同じ位置の光ファイバ(同様に光ファイバ21)に光を入射させ、上記中央位置から+1.5mmの位置に中心がある光ファイバつまり該中央位置から+方向に2本目の光ファイバ(同様に光ファイバ34)から光を出射させた場合の各波形歪を示している。また図14aは上記中央位置から−3.5mmの位置に中心がある光ファイバ、つまり該中央位置から−方向に4本目の光ファイバに光を入射させ、同じ位置に中心がある光ファイバから光を出射させた場合、図14bは上記と同じ位置の光ファイバに光を入射させ、上記中央位置から+3.5mmの位置に中心がある光ファイバつまり該中央位置から+方向に4本目の光ファイバから光を出射させた場合の各波形歪を示している。また図15aは上記中央位置から−7.5mmの位置に中心がある光ファイバ、つまり該中央位置から−方向に8本目の光ファイバに光を入射させ、同じ位置に中心がある光ファイバから光を出射させた場合、図15bは上記と同じ位置の光ファイバに光を入射させ、上記中央位置から+7.5mmの位置に中心がある光ファイバつまり該中央位置から+方向に8本目の光ファイバから光を出射させた場合の各波形歪を示している。
これらの図より、入力信号1Gbpsにおいて、波形歪によるレベル変化は無視できることが分かる。
<S/NとBERとの関係>
読み間違い(ビットエラー)の発生は、信号の質、すなわちS/Nにも関係すると考えられる。つまり、いくら合い隣り合う信号スペクトルの高調波成分を除去した主要成分が分離されていても、高調波成分(ノイズ成分)が大きければ、別々の信号として区別できなくなる。極端な場合を想像すると、ノイズ成分に埋もれた信号は特別にフィルタ処理した場合以外は、通常、検出不可能と考えられる。
ノイズ成分には熱ノイズ(Johnson Noise)、量子ノイズ(Shot Noise)、発光器や受光器に用いる半導体素子特有の1/fノイズなどのシステム内部で発生するノイズに加えて、放射線ノイズ、誘導ノイズなどの外来ノイズが存在する。ここでは、システム自身の能力について評価するため、外来ノイズは無視することにし、システム内部で発生するノイズに限定して考える。また、1/fノイズの影響は無視する。
ノイズ成分のパワー(電力)Noise(Total)は、
Noise(Total)=Noise(熱)+Noise(量子)・・(31)
で表され、各成分は、受光素子について電力で表記すると、
Noise(熱) =(4kT/R)・Δν ・・・・(31a)
ただしk:Plank定数
T:等価温度(雑音指数により決まる)
R:受光器の負荷抵抗
Δν:受光器の帯域
Noise(量子) =3e・(P+P)・η・Δν/(hν)
+2ei・Δν ・・・・(31b)
ただしe:電子の電荷
P:信号光光量
:背景光光量
η:量子効率
h:Plank定数
ν:信号光の振動数
:暗電流
Δν:受光器の帯域
ここで、0.5Gbpsの信号を作る上で、出力低下が無い0.25GHz帯域の信号を整流することを考える。つまり、フォトダイオードの帯域は0.25GHzである。この場合、一例として浜松ホトニクス株式会社製Siフォトダイオード:S5973について、P=8.9×10−6W(20.5dBm)、η=0.4、R=50Ω、T=300Kとしてノイズ成分を計算すると、電流値に換算して
Noise(熱rms) =2.88×10−7(A)
Noise(量子rms)=8.19×10−8(A)
となり、トータルの雑音成分は、
Noise(トータルrms)=3.70×10−7(A) ・・・(32)
となる。一方、最小受光光量における信号電流Scは、
Sc=P・e・η・/(h・ν) ・・・・(33)
で与えられるため、最小受光光量での信号電流S(min)cは、
S(min)c =2.46×10−6(A)
となる。故にこの場合の信号対雑音比(S/N)は、S/N(Pmin)=6.65となる。
さて、ノイズの分布を熱雑音が支配的であるため、Gaussianで近似すると、あるタイミングにおけるシステムノイズがrmsノイズの6.65倍になる場合、すなわち信号電流レベル=雑音電流レベル(S/N=1)となる場合のノイズの発生確率Pr(S/N=1)は、
Pr(S/N=1)≒3.47×10−11
となり、BER≒1×10−11にほぼ近い値となり、前記非特許文献1のBERの発生確率に近い値になる。さらに、デジタル信号の伝送に支障の無い20MHz程度のハイパスフィルタを使った場合、
S/N(Pmin)=6.81
Pr(S/N=1)≒1.31×10−11
となり非特許文献1の記載にほぼ一致する。つまり上記の結果が、BERに関してこれまでの推測が正しいと考え得る根拠である。なお図16に、rms(root mean square)ノイズの大きさとその発生確率との関係を示す。
さらに、BERに関して推測を一歩進めて、より実際的な手法について考察する。まず、シート状導光体を用いた通信システムにおける代表的なrmsノイズ(電圧値)を測定し、Noise(System_rms)で定義する。また、システムに許容されるBERをBER(accept)とし、そのときの受光信号パワーをPRminとすれば、信号電圧S(PRmin )vは、Rを負荷抵抗として、
S(PRmin )v=PRmin・e・η/(h・ν)×R ・・・・(34)
となる。また、(0,1)信号の閾値レベルをV(Thresh)とし、閾値レベルを考慮したS/N(Thresh)を、
S/N(Thresh)
={S(PRmin )v−V(Thresh)}/Noise(System_rms)・・・(35)
で定義する。(35)式がある値に達したときBEがある確率で発生し、それをS/Nacceptとすると、上記の考察から、そのときのNoise(System_rms)の発生確率がBERに等しいと考えられる。図17に、上記の考察から計算したBERと受光光量との関係を示す。この関係は非特許文献1の実測結果に非常に近く、かつ形状もよく近似している。
またV(Thresh)について考えると、信号成分からノイズ成分を差し引いた値がこれを下回わる場合と、“0”レベルからノイズ成分を加えた値がこれを上回る場合に、BEが発生することになる。故にこのV(Thresh)は、平均信号電圧の半分の値にするのが望ましいと考えられる。
以上より、シート状導光体を用いた通信システムにおいて、許容されるBERすなわちBER(accept)が与えられ、またシステムのrmsノイズをNoise(System_rms)とした場合に、Noise(System_rms)の発生確率Pr(Noise(System_rms))が、信号波形の歪を考慮する必要の無い帯域において、Qを比例定数として、
Pr(Noise(System_rms)・Q)≦BER(accept) ・・・(36)
を満足する大きさのNoise(System_rms)であり、信号レベルが、2値化における任意の閾値V(Thresh)を与えた場合に、
{S(PRmin )v−V(Thresh)}>Noise(System_rms)・Q ・・・(37)
を満足する入力信号PRminであって、かつ該(37)式を満足する受光器から負荷抵抗を介して出力する信号電圧S(PRmin )vとなる通信システムが定義できる。
あるいは上記(37)式は、前記の理由から
S(PRmin )v/2>Noise(System_rms)・Q ・・・・(38)
としても定義できる。
さらに、BERをシステム内部で測定できるような回路構成を持たせて、BER(accept)を満足するように光源の出力パワーPRminを調整して、(37)式および(38)式を満足させるようにしてもよい。この場合、BER測定回路から光源側にフィードバックするデジタル回路を設け、本デジタル回路は、BER(accept)から決められたテーブルにより光源光量を制御するものとすることにより、システム自身が発生するNoise(System_rms)以外の外来ノイズにも対応可能となる。
なお本発明の通信システムにおいて、特にシート状導光体として、導光体本体の表面を被覆する保護層を有するものが用いられた場合は、外部からの衝撃や圧力によって導光体本体が破壊あるいは破損することが防止されるので、システムの信頼性が向上する。
またその場合、特に保護層と導光体本体表面との間にクラッド層が形成されていれば、シート表面に到達した信号光の多くは該表面とクラッド層との界面で全反射するようになるので、この信号光が保護層に吸収されることを防止して、高い光伝搬効率を実現可能となる。
さらに、上記クラッド層のシート状導光体本体に対する屈折率差が、シート状導光体本体における信号光の最大入射角に対して全反射条件を満足する値となっていれば、シート状導光体をある程度屈曲させても、屈曲させない場合と同等の高い光伝搬効率を確保できる。そこで、そのようなシート状導光体を用いた本発明の通信システムは、例えば狭い機械内の配線用に従来用いられているフレキシブル基板やフラットケーブルを用いる通信システムに代えて、その種の用途に広く適用し得るものとなる。しかも本発明のシート状導光体を用いた通信システムは、単に上記従来品に置き換えられ得るだけではなく、光信号で通信するものであるから電磁ノイズに強く、他方、光信号で通信するシステムの中でも光ファイバを用いる通信システムと比べれば安価に構築可能なものとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図18は、本発明の一実施の形態によるシート状導光体を用いた通信システムの平面形状を示すものである。図示されるようにこのシステムは、1つのシート状導光体10の一端面に一例として4本の光ファイバ21、22、23および24が結合されるとともに、他端面にも4本の光ファイバ31、32、33および34が結合されてなる4ノードタイプのものである。シート状導光体10は、厚みが1mm、幅が4mm、長さが30mmに形成されたものである。
ここで本実施の形態においては、許容されるビットエラーレートBER(accept)は、一般にエラーフリーとされる限界の1×10−11である。一方、上記シート状導光体10の光取り出し効率Eout=0.9とする。この場合、前述の(14)式より、粒子直径を7μmとすると、粒子密度Npは0.93×10(個/mm)となる。言い換えれば、粒子直径および粒子密度Npをこの値にしておくことにより、(14)式が満足されることになる。
次に、このシステムの信号対雑音比(S/N)を求める。前記(28)式に基づくシミュレーションによれば、このとき受光器40が得る最小受光光量P(Receiver_min) dBmは10.5(dBm)となる。ただし、Pin=1.0mW、Eout=0.9、NPi(min)/ΣNPi≒0.15とした。
そして、最小受光光量P(Receiver_min) dBmとなる任意のノードで前記(28)式および(29)式が満足されるものとする。なおここで、経験的な事実並びに公差解析から、(29)式中の発光器と光ファイバとの結合損失:K、光ファイバとシート状導光体との結合損失:K、光ファイバと受光器との結合損失:Kの値はそれぞれ概略1dBであることが分かっている。
次に光ファイバの内部損失KFIを求める。ここでは、コアがPMMAからなるプラスチック光ファイバを使用するものとし、その場合の光ファイバの伝搬損失は約0.15〜0.2dB/mである。該通信システムが配置される装置内の配線を考慮した場合、シート状導光体10の両端で合わせて10m程度のファイバ長さが必要であるとすると、光ファイバの内部損失KFIは最大で2dB程度となる。(29)式において、この内部損失KFIとその他の結合損失を加算すると、受光器に必要な最小光量PRmin=15.5(dBm)となる。Watts表示ではPRmin=0.028(mW)である。
よって信号電流Scは、帯域を500MHzとして(この帯域では、シミュレーション結果から、波形歪は考慮する必要はない)、前述の(33)式よりSc=8.01×10−6(A)となる。一方ノイズ成分は、前述の(31a)、(31b)式よりNoise(System_rms)=5.28×10−7(A)である。故にこの場合の信号対雑音比(S/N)は15.2となる。
ここでV(Thresh)=S(PRmin )v/2とした上で、上記の結果を(37)式に代入すると、15.2/2=7.6となるので、Noise(System_rms)・7.6のノイズ振幅が発生する確率が、所望のBERより小さければ前記(36)式を満たすことになる。この場合のNoise(System_rms)・Qの発生確率は4×10−15である。つまり、許容されるビットエラーレートBER(accept)=1×10−11であるので、前記(36)式の条件を満足している。
次に、本発明の別の実施形態によるシート状導光体を用いた通信システムについて、図19を参照して説明する。同図の(1)は本実施形態において用いられるシート状導光体50の一部破断側面形状を示すものであり、また同図の(2)は、同図(1)のA1−A1線に沿った部分の断面形状を示すものである。このシート状導光体50は、図18に示したシート状導光体10と同様に、シート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなる導光体本体51を有するものであるが、それに加えて、該導光体本体51の表面(入・出射端面51a以外の面)を覆うように形成されたクラッド層52と、該クラッド層52の外周をさらに覆う保護層53とを有している。
シート状導光体本体51は、光を散乱させる粒子を含有してシート状に成形されたPMMAからなり、一方の入・出射端面51aから入射した光を上記粒子により散乱させながら他方の入・出射端面51a側に伝搬させる。クラッド層52は具体的には、上記PMMAより低屈折率の例えば紫外線硬化樹脂やシリコン樹脂等の材料を、導光体本体51の表面に塗布あるいは蒸着して形成されたものである。なお、このクラッド層52のシート状導光体本体51に対する屈折率差は、シート状導光体本体51における信号光SLの入射角θmの最大値に対して全反射条件を満足する値とされている。
また、シート状導光体本体51の2つの入・出射端面51aには、それぞれ送・受光ユニット54が固定されている。1つの送・受光ユニット54は、上記入・出射端面51aに直接光学的に結合された3個の受光器55および1個の送光器56を備えて成るものである。つまり本実施形態の通信システムは、4ノードタイプのものである。なお送・受光ユニット54は、上述のように入・出射端面51aに直接光学的に結合させる他、該入・出射端面51aと光ファイバ等を介して結合させてもよい。
本実施形態においては、例えば同図(1)中左方の送・受光ユニット54の送光器56から変調された信号光SLが発せられ、シート状導光体本体51を伝搬したその信号光SLが、図中右方の送・受光ユニット54の3個の受光器55によって受光される。また、これとは反対に、同図(1)中右方の送・受光ユニット54から図中左方の送・受光ユニット54に向けて信号光SLを伝搬させることもできるので、双方向通信が実現される。
本実施形態においては、シート状導光体50として、導光体本体51の表面を被覆する保護層53を有するものが用いられているので、外部からの衝撃や圧力によって導光体本体51が破壊あるいは破損することが防止され、通信システムの信頼性が向上する。
またこのシート状導光体50は、特に上記保護層53と導光体本体51の表面との間に、導光体本体51より低屈折率のクラッド層52を有しているので、導光体本体51の表面に到達した信号光SLの多くは該表面とクラッド層52との界面で全反射するようになる。そこで本通信システムにおいては、信号光SLが保護層53に吸収されることを防止して、高い光伝搬効率を確保可能となる。
さらに、上記クラッド層52のシート状導光体本体51に対する屈折率差は、シート状導光体本体51における信号光SLの入射角θmの最大値に対して全反射条件を満足する値とされているので、シート状導光体50をある程度屈曲させても、屈曲させない場合と同等の高い光伝搬効率を確保可能となる。そこで本実施形態の通信システムは、例えば狭い機械内の配線用に従来用いられているフレキシブル基板やフラットケーブルを用いる通信システムに代えて、そのような用途に広く適用し得るものとなる。
しかも本実施形態の通信システムは、単に上記従来品に置き換えられ得るだけではなく、光信号で通信するものであるから電磁ノイズに強く、他方、光信号で通信するシステムの中でも光ファイバを用いる通信システムと比べれば安価に構築可能なものとなる。
次に図20の(1)は、本発明の通信システムに用いられるさらに別のシート状導光体60の一部破断側面形状を示すものであり、また同図の(2)は、同図(1)のA2−A2線に沿った部分の断面形状を示している。なおこの図20において、図19中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。
ここに示されるシート状導光体60は、図19に示したシート状導光体50から保護層53が除かれた形のものである。このようなシート状導光体60においても、クラッド層52がシート状導光体本体51を覆う保護層として機能するので、外部からの衝撃や圧力によって導光体本体51が破壊あるいは破損することが防止され、通信システムの信頼性が高められる。
次に図21の(1)は、本発明の通信システムに用いられるさらに別のシート状導光体70の一部破断側面形状を示すものであり、また同図の(2)は、同図(1)のA3−A3線に沿った部分の断面形状を示している。ここに示されるシート状導光体70は、図19に示したシート状導光体50からクラッド層52が除かれた形のものである。このシート状導光体70においても、保護層53がシート状導光体本体51を覆って保護するので、外部からの衝撃や圧力によって導光体本体51が破壊あるいは破損することが防止され、通信システムの信頼性が高められる。なおこの場合は、保護層53を光反射性の材料を用いて形成することにより、伝搬する信号光がそこに吸収されることを防止できる。
次に図22の(1)は、本発明の通信システムに用いられるさらに別のシート状導光体80の一部破断側面形状を示すものであり、また同図の(2)は、同図(1)のA4−A4線に沿った部分の断面形状を示している。ここに示されるシート状導光体80は、図19に示したシート状導光体50とはノード数が異なるものである。つまり本例では、1つの送・受光ユニット81が7個の受光器55および1個の送光器56を備えており、8ノードの通信システムが構成されている。このシート状導光体80もクラッド層52および保護層53を有しているので、該シート状導光体80を用いることにより、図19のシート状導光体50を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
次に図23を参照して、本発明の別の実施形態による双方向通信システムについて説明する。本実施形態では、先に図18に示したものと基本的に同じ構成を有するシート状導光体10が用いられている。そしてこのシート状導光体10の入・出射端面となる一端面、他端面にはそれぞれ、3個の受光器55および1個の送光器56が直接光学的に結合されている。つまり本実施形態でも、双方向通信可能な4ノードタイプの通信システムが構成されている。
上記受光器55にはそれぞれデマルチプレクサ84が接続されている。また送光器56としては、例えば高速の直接変調が可能な半導体レーザが適用されており、該送光器56はLDドライバ83によって駆動される。このLDドライバ83および上記デマルチプレクサ84の動作は、コントローラ85によって制御される。
以下、この通信システムの動作を、一例として図中左から右側に信号光を伝搬させる場合を例にとって説明する。図中左側のコントローラ85には、4チャンネルの情報を担う信号SQが時分割してシリアルに入力される。コントローラ85は入力されたこの信号SQに基づいてLDドライバ83の動作を制御し、送光器56を構成する半導体レーザを直接変調駆動させる。こうして送光器56から発せられた4チャンネルの信号光は、シート状導光体10を伝搬して、図中右側の3つの受光器55に受光される。各受光器55が光電変換して出力する電気信号は、それぞれデマルチプレクサ84に入力される。デマルチプレクサ84はシリアル入力された4チャンネルの電気信号を、それぞれ別個の系統に分離して出力する。
こうして本実施形態においては、4チャンネルの各電気信号が各々3系統にパラレルに伝送されることになる。この信号分割を、シート状導光体10だけで行おうとすると、合計12チャンネルのノードに送光用の1ノードを併せて合計13ノードが必要となる。このようにシート状導光体10のノード数を増やすと伝送信号のS/Nが低下するおそれがあるが、デマルチプレクサ84を用いて信号分割を電気的に行うことにより、ノード数を少なく抑えて、伝送信号のS/N低下を防止できる。
なお、上述のようなデマルチプレクサを用いる通信システムにおいても、図19〜22に示したような保護層を有するシート状導光体が適用可能である。
次に図24を参照して、本発明のさらに別の実施形態による通信システムについて説明する。本実施形態では、曲がり部を有する導光体88を用いて通信システムが構成されている。この導光体88は、先に図18に示したものと基本的に同じ構成を有するシート状導光体10が2個と、これらのシート状導光体10がそれぞれ光学的に結合された角度変換導光体90とから構成されている。角度変換導光体90は、円環を1/4切り取った形の断面形状を有しており、一方のシート状導光体10に結合する端面と他方のシート状導光体10に結合する端面が互いに90°の角度をなす状態となっている。この角度変換導光体90は、例えばPMMA等の樹脂を射出成形してなるものであり、特に大きな外力が加えられない限り上記形状を維持する。
したがって、一方のシート状導光体10に結合されている送・受光ユニット54から発せられて、他方のシート状導光体10に結合されている送・受光ユニット54に向けて伝搬する信号光は、この角度変換導光体90において伝搬方向を90°変えるようになる。
シート状導光体を用いた通信システムを各種機器内に導入する場合、シート状導光体を屈曲させなければならないことも多い。ところが、シート状導光体は一般にある程度の厚みを有して、可撓性が高いものではないので、特に機器内空間が狭い場合には、屈曲配置が不可能になることもある。この点は、各種機器内の電線による通信システムを、シート状導光体を用いた通信システムに置き換える上で、深刻な問題となる。
しかし上記導光体88を用いた通信システムは、上述のような角度変換導光体90を備えたことにより、たとえシート状導光体10が屈曲困難であっても、通信経路を屈曲させて、狭い機器内空間に容易に適用可能となる。そこで本実施形態の通信システムは、例えば狭い機械内の配線用に従来用いられているフレキシブル基板やフラットケーブルを用いる通信システムに代えて、広く適用し得るものとなる。しかもこの通信システムは、単に上記従来品に置き換えられ得るだけではなく、光信号で通信するものであるから電磁ノイズに強く、他方、光信号で通信するシステムの中でも光ファイバを用いる通信システムと比べれば安価に構築可能なものとなる。
なお角度変換導光体90は、シート状導光体10と同じ材料に限らず、それとは異なる材料から形成されても構わない。また角度変換導光体90は、シート状導光体10と別体に形成して後から該シート状導光体10と結合する他、射出成形等により最初からシート状導光体10と一体的に形成されてもよい。またこの角度変換導光体90には、シート状導光体10と同様に光を散乱させる粒子を含有させても、させなくてもよいが、出射光の強度分布を均一化する上では、勿論含有させるのが望ましい。
さらに上記角度変換導光体90は、図25に示すように複数用いて、屈曲部の多いより複雑な導光体89を構成することも可能である。
また角度変換導光体の形状も、上述した角度変換導光体90のような形状に限られるものではなく、図26に例示するような形状を適宜採用することもできる。なおこの図26は、角度変換導光体の幅方向に垂直な面内の断面形状を示している。同図(1)に示す角度変換導光体90aは、上述の角度変換導光体90と同様に光の伝搬角度を90°変換するものであるが、円弧状ではなく、直線状部分が折れ曲がった断面形状を有するものである。また同図(2)に示す角度変換導光体90bは、光の伝搬角度を180°変換するもので、円弧状の断面形状を有するものである。また同図(3)に示す角度変換導光体90cは、上記角度変換導光体90bと同様に光の伝搬角度を180°変換するものであるが、円弧状ではなく、直線状部分が折れ曲がった断面形状を有するものである。
なお、上述のような角度変換導光体を用いる通信システムにおいても、図23に示したデマルチプレクサを用いることが可能であり、さらには、図19〜22に示したような保護層を有するシート状導光体を適用することも可能である。
次に図27を参照して、本発明のさらに別の実施形態による通信システムについて説明する。同図(1)、(2)はそれぞれ、本実施形態に用いられる導光体150およびその周辺部分の平面形状、側面形状を示している。図示の通り本実施形態では、先に図18に示したシート状導光体10と基本的に同じ構成を有するシート状導光体91と、このシート状導光体91の両端面に接合された2つのテーパ状導光体92とからなる導光体150が用いられている。そして、一方のテーパ状導光体92には4本の光ファイバ21、22、23および24が結合され、他方のテーパ状導光体92にも同様に4本の光ファイバ31、32、33および34が結合されている。
なお、上記シート状導光体91およびテーパ状導光体92は、詳しい図示は省いてあるが、図19に示したクラッド層52および保護層53と同様のクラッド層および保護層を有するものであり、図27(2)ではそれらの内側の導光体本体の外形形状を破線で示してある。また光ファイバ21〜24および31〜34についても、同図においてコア部の外形形状を破線で示してある。図示の通りテーパ状導光体92の導光体本体は、光ファイバ21〜24および31〜34側ではそのコアの外径とほぼ等しい厚さとされ、シート状導光体91側ではその導光体本体の厚さとほぼ等しい厚さとされている。
上記光ファイバ21〜24および31〜34は、シート状導光体91の厚さよりも大きいコア径を有するものである。そこで、これらの光ファイバ21〜24および31〜34をそれぞれシート状導光体91に結合する場合、結合効率を高く確保するためにはシート状導光体91の厚さをより大きくして、光ファイバ21〜24および31〜34のコア径と一致させることが望まれる。しかしそのように厚く形成されたシート状導光体91は屈曲し難くなり、狭い機器内空間に配設することが困難になる。
それに対して本実施形態では、上述のようなテーパ状導光体92を設けることにより、シート状導光体91は厚く形成しなくても、それと光ファイバ21〜24および31〜34との間の結合効率が高く確保される。こうしてシート状導光体91が比較的薄く形成されていれば、該シート状導光体91をある程度まで屈曲させることが可能になり、狭い機器内空間に配設することも容易となる。
そこで本実施形態の通信システムは、例えば狭い機械内の配線用に従来用いられているフレキシブル基板やフラットケーブルを用いる通信システムに代えて、そのような用途に広く適用し得るものとなる。しかもこの通信システムは、単に上記従来品に置き換えられ得るだけではなく、光信号で通信するものであるから電磁ノイズに強いものとなる。
なおテーパ状導光体92は、テーパ角が付いた形状をしている以外は、シート状導光体91と基本的に同様の構成とすればよい。またそのテーパ角は、結合する光ファイバの入射N.A.(開口数)を満足するように制限することが望ましい。
次に図28を参照して、本発明のさらに別の実施形態による通信システムについて説明する。同図(1)、(2)はそれぞれ、本実施形態に用いられる導光体160およびその周辺部分の平面形状、側面形状を示している。図示の通り本実施形態は、図27に示した通信システムと比べると、導光体160を構成するシート状導光体およびテーパ状導光体の形状が異なるものである。
すなわち本実施形態では、比較的幅の狭いシート状導光体93が用いられており、それに対応させてテーパ状導光体94は、その厚さ方向だけでなく幅方向にもテーパが付いた形状とされている。このような構成においても、基本的に、図27に示した通信システムにおけるのと同様の効果を奏することができる。それに加えてこの構成は、比較的幅の狭いシート状導光体および比較的大径の光ファイバを用いる場合でも、ノード数を多く設定しやすいという利点がある。
なお、上述のようなテーパ状導光体を用いる通信システムにおいても、図24〜26に示した角度変換導光体が適用可能であり、また図23に示したデマルチプレクサを用いることも可能である。
次に図29を参照して、本発明のさらに別の実施形態による通信システムについて説明する。同図は、本実施形態に用いられるシート状導光体95およびその周辺部分の平面形状を示すものである。図示の通り該シート状導光体95は、図18に示したシート状導光体10と同様に、シート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなるものであるが、それぞれ上記光学媒質の屈折率がN、N’(N<N’)と相異なる高屈折率部95a、および低屈折率部95bを有している。そしてこれら高屈折率部95aと低屈折率部95bとの境界は、シート表面と平行な面内で、前者が凹となる円弧状となる形とされている。そのためこのシート状導光体95は、伝搬する光を上記面内で発散させる凹レンズ効果を有するものとなっている。
このようなレンズ効果を有するシート状導光体95を用いれば、上記粒子により光を散乱させるだけの場合と比べて、該シート状導光体95から出射する光の強度分布をさらに高度に均一化することが可能となる。そこで、複数のノード間の光量ばらつきを少なく抑えて、ノード間のBER(Bit-Error-Rate)をほぼ同等にすることができる。
なお、シート状導光体におけるレンズ形状は、図29に示した形状に限られるものではなく、その他例えば図30に示すような形状を採用することもできる。すなわちこの図30に平面形状を示すシート状導光体96は、1つの低屈折率部96b(屈折率=N)の両側に、該低屈折率部96bに対して凹形状となる高屈折率部96a(屈折率=N’、N<N’)が配設されてなるものであり、この構成においても、伝搬する光を発散させる凹レンズ効果を得ることができる。
ここで、上記図30に示す構成のシート状導光体96について、出射光のシート幅方向の強度分布を計算機によってシミュレーションした結果の一例を、図31に示す。この場合シート幅は4mmと設定してあり、図中横軸の数値はシート幅方向中央位置からの距離を示している。この図31により、出射光の強度分布が高度に均一化され得ることが確認できる。
なお、上述のようなレンズ部分を有するシート状導光体を用いる通信システムにおいても、図27、28に示したテーパ状導光体や、図24〜26に示した角度変換導光体が適用可能であり、また図23に示したデマルチプレクサを用いることも可能であり、さらには、該シート状導光体に図19〜22に示したような保護層を設けることもできる。
次に図32を参照して、本発明のさらに別の実施形態による通信システムについて説明する。同図は、本実施形態に用いられるシート状導光体100およびその周辺部分の平面形状を示すものである。このシート状導光体100は、図18に示したシート状導光体10と同様に、シート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなるものであり、その2つの入・出射端面100aの一方には4本の光ファイバ21、22、23および24が結合され、他方にも同様に4本の光ファイバ31、32、33および34が結合されている。
図33の(1)には上記入・出射端面100aの正面形状を示し、また同図(2)にはこの入・出射端面100aに対する4本の光ファイバ21、22、23および24の配置状態を示す。ここに示される通りシート状導光体100の入・出射端面100aの高さは光ファイバ21〜24の外径と略等しい値とされ、またその左右両側端部は最も外側の光ファイバ21および24の外形形状に合わせて半円形状とされている。入・出射端面100aをこのような形状とすることにより、シート状導光体100から光ファイバ21〜24へ通信光が入射する際の漏れが、入・出射端面形状を一般的な長方形(同図(2)に2点鎖線で示す)とした場合と比べてより少なくなり、両者の結合効率が高められる。それにより、S/Nが高く、またBER(Bit-Error-Rate)がより低い通信システムを実現可能となる。
なお、上記光結合効率を高める上で、別の入・出射端面形状を採用することも可能である。図34の(1)には、別のシート状導光体110の入・出射端面110aの形状を示し、また同図(2)にはこの入・出射端面110aに対する4本の光ファイバ21、22、23および24の配置状態を示す。ここに示される通りシート状導光体110の入・出射端面110aは、1列に並んだ光ファイバ21〜24の断面を投影した形を基にし、それにおいて2つの光ファイバの間の部分を若干厚くした形状とされている。入・出射端面110aをこのような形状にした場合も、シート状導光体110から光ファイバ21〜24へ通信光が入射する際の漏れが、入・出射端面形状を一般的な長方形(同図(2)に2点鎖線で示す)とした場合と比べてより少なくなり、両者の結合効率が高められる。それにより、S/Nが高く、またBER(Bit-Error-Rate)がより低い通信システムを実現可能となる。
なお、上記図33、34の各シート状導光体100、110と光ファイバ21〜24との間の光結合効率を、シート状導光体の入・出射端面を普通の長方形状とした場合(比較例)と比較して下に示す。
いずれの場合も、シート状導光体を伝搬させた信号光を4本の光ファイバ21〜24に結合させ、そのとき1本の光ファイバに結合した出力の、シート状導光体からの全体出力に対する比をOutputとし、該1本の光ファイバについての減衰の程度をdB=−10×log(Output)で定義する。結合が理想的であるならばOutput=0.25で、このときの減衰の程度は6dBとなるのに対し、比較例、シート状導光体100、シート状導光体110における減衰の程度は、それぞれ7.0〜7.2dB、6.6〜6.8dB、6.6dB以下となった。これにより、比較例に比べて、シート状導光体100、110の方が結合効率が高いことが裏付けされた。
また、上述したような入・出射端面形状を有するシート状導光体100やシート状導光体110は、例えばインジェクション成型や、精密切削加工によって作製することができる。
なお、入・出射端面の形状を上述のように設定したシート状導光体を用いる通信システムにおいても、そのシート状導光体に図29、30に示したようなレンズ部分を形成することができ、また図27、28に示したテーパ状導光体や、図24〜26に示した角度変換導光体が適用可能であり、また図23に示したデマルチプレクサを用いることも可能であり、さらには、該シート状導光体に図19〜22に示したような保護層を設けることもできる。
Debye濁度理論による散乱角対規格化強度を示すグラフ Mieの散乱理論による散乱角対規格化強度を示すグラフ Mieの理論において、散乱断面積が振動する様子を相対屈折率が1.1のときについて示すグラフ Mieの理論において、散乱断面積が振動する様子を相対屈折率が1.5のときについて示すグラフ Mieの理論において、散乱断面積が振動する様子を相対屈折率が2.1のときについて示すグラフ 粒子径と散乱断面積との関係を、いくつかの相対屈折率毎に計算機シミュレーションで求めた結果を示すグラフ 多粒子系の粒子径と粒子密度の逆数との関係を、計算機シミュレーションで求めた結果を示すグラフ 光学媒質の種々屈折率に対するFresnel損失を示すグラフ 粒子径と光取り出し効率との関係を、本発明方法と計算機シミュレーションで求めた結果を比較して示すグラフ(光取り出し効率80%狙い) 粒子径と光取り出し効率との関係を、本発明方法と計算機シミュレーションで求めた結果を比較して示すグラフ(光取り出し効率70%狙い) 粒子径と光取り出し効率との関係を、本発明方法と計算機シミュレーションで求めた結果を比較して示すグラフ(光取り出し効率60%狙い) 粒子径と光取り出し効率との関係を、本発明方法と計算機シミュレーションで求めた結果を比較して示すグラフ(光取り出し効率50%狙い) 粒子径と光取り出し効率との関係を、本発明方法と計算機シミュレーションで求めた結果を比較して示すグラフ(光取り出し効率40%狙い) シート状導光体における粒子径と光取り出し効率との関係を、計算とシミュレーションとの場合とで比較して示すグラフ(平均光取り出し効率:80%) シート状導光体における粒子径と光取り出し効率との関係を、計算とシミュレーションとの場合とで比較して示すグラフ(平均光取り出し効率:70%) シート状導光体における粒子径と光取り出し効率との関係を、計算とシミュレーションとの場合とで比較して示すグラフ(平均光取り出し効率:60%) シート状導光体における出射光強度分布特性を、シートサイズが小の場合について示すグラフ シート状導光体における出射光強度分布特性を、シートサイズが中の場合について示すグラフ シート状導光体における出射光強度分布特性を、シートサイズが大の場合について示すグラフ シート状導光体の概略形状を示す平面図 シート状導光体を用いた通信システムにおける受光光量とノード数との関係例を示すグラフ ビットエラーの発生原因を説明する説明図 シート状導光体を用いたノード数4の通信システムにおける信号光波形歪の一例を示すグラフ シート状導光体を用いたノード数4の通信システムにおける信号光波形歪の別の例を示すグラフ シート状導光体を用いたノード数8の通信システムにおける信号光波形歪の一例を示すグラフ シート状導光体を用いたノード数8の通信システムにおける信号光波形歪の別の例を示すグラフ シート状導光体を用いたノード数16の通信システムにおける信号光波形歪の一例を示すグラフ シート状導光体を用いたノード数16の通信システムにおける信号光波形歪の別の例を示すグラフ rms(root mean square)ノイズの大きさとその発生確率との関係を示すグラフ BER(Bit-Error-Rate)と受光光量との関係を示すグラフ 本発明の一実施の形態による通信システムを示す平面図 本発明の通信システムに用いられるシート状導光体の別の例を示す一部破断側面図(1)と立断面図(2) 本発明の通信システムに用いられるシート状導光体のさらに別の例を示す一部破断側面図(1)と立断面図(2) 本発明の通信システムに用いられるシート状導光体のさらに別の例を示す一部破断側面図(1)と立断面図(2) 本発明の通信システムに用いられるシート状導光体のさらに別の例を示す一部破断側面図(1)と立断面図(2) 本発明による通信システムの別の実施形態を示す概略平面図 角度変換導光体を含む導光体の一例を示す斜視図 角度変換導光体を含む導光体の別の例を示す側面図 角度変換導光体の別の例を示す側面図 テーパ状導光体を含む導光体の一例を示す平面図(1)と側面図 テーパ状導光体を含む導光体の別の例を示す平面図(1)と側面図 レンズ機能付きシート状導光体の一例を示す平面図 レンズ機能付きシート状導光体の別の例を示す平面図 レンズ機能付きシート状導光体による効果を説明するグラフ 本発明の別の実施形態によるシート状導光体を示す平面図 図32のシート状導光体の入・出射端面の形状を示す立面図(1)および、該端面と光ファイバとの位置関係を示す説明図(2) 本発明のさらに別の実施形態によるシート状導光体を示す立面図(1)および、該端面と光ファイバとの位置関係を示す説明図(2)
符号の説明
10、50、60、70、80、91、93、95、96、100、110 シート状導光体
21、22、23、24、31、32、33、34 光ファイバ
40 受光器
51 シート状導光体本体
52 クラッド層
53 保護層
54、81 送・受光ユニット
83 LDドライバ
84 デマルチプレクサ
85 コントローラ
88、89、150、160 導光体
90、90a、90b、90c 角度変換導光体
92、94 テーパ状導光体
95a、96a シート状導光体の高屈折率部
95b、96b シート状導光体の低屈折率部
100a シート状導光体の入・出射端面
110a シート状導光体の入・出射端面

Claims (5)

  1. シート状の光学媒質内に光を散乱させる粒子を含有してなり、一端面から入射した信号光を前記粒子により散乱させながら、受光器が結合された他端面側に伝搬させるシート状導光体を用いた通信システムにおいて、
    前記粒子の散乱断面積をΦ、前記光学媒質の光伝搬方向の長さをL、粒子密度をNp、補正係数をKとしたとき、Φ・Np・L・Kの値が0.9以下となっていることを特徴とするシート状導光体を用いた通信システム。
  2. システムのrmsノイズをNoise(System_rms)、許容されるビットエラーレートをBER(accept)、Noise(System_rms)の発生確率をPr(Noise(System_rms))としたとき、Qを比例定数として、
    Pr(Noise(System_rms)・Q) ≦BER(accept)
    を満足していることを特徴とする請求項1記載のシート状導光体を用いた通信システム。
  3. シート状導光体の内部透過率等を総合した損失係数をKとして、該シート状導光体における光の取り出し効率Eoutを、
    Eout=exp{−(Φ・Np・L・K)}・K
    とし、
    入射光量をPin、最小光量となるセグメントの光量をNPi(min)、各セグメントの光量和をΣNPi、発光器、光ファイバおよび受光器等の結合損失をKとして受光器の最小受光光量P(Receiver_min) dBmを、
    P(Receiver_min)dBm=−10Log{Pin・Eout・(NPi(min)/ΣNPi)
    ・π/4}・K
    とし、
    上記最小受光光量P(Receiver_min) dBmおよび受光器の負荷抵抗から決まる信号電圧をS(PRmin )v、システムのrmsノイズをNoise(System_rms)、2値化における任意の閾値をV(Thresh)としたとき、
    {S(PRmin )v−V(Thresh)}>Noise(System_rms)・Q
    を満足していることを特徴とする請求項1または2記載のシート状導光体を用いた通信システム。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のシート状導光体を用いた通信システムに用いられるシート状導光体において、導光体本体の表面を被覆する保護層を有することを特徴とするシート状導光体。
  5. 前記導光体本体の表面と前記保護層との間に、該導光体本体より低屈折率のクラッド層を有することを特徴とする請求項4記載のシート状導光体。
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