JP2004252376A - 組み合わせレンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一方のレンズを利用してもう一方のレンズのレンズを形成することにより、光軸調整を簡単化し、製造工程の簡略化を実現できる組み合わせレンズの製造方法を提供する。
【解決手段】部分的に光の透過率を異ならせたマスクであり、紫外光に強度分布を与えるグレースケールマスク23と、レンズ24と、第1レンズ1とで露光光学系を構成する。そして、グレースケールマスク23を介して第1レンズ1に紫外光を照射し、第1レンズを透過した光でレジスト層13を露光することで、レジスト層13に第2レンズのパターンを形成する。その後、ガラス平面基板12をエッチングすることで第2レンズを形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】部分的に光の透過率を異ならせたマスクであり、紫外光に強度分布を与えるグレースケールマスク23と、レンズ24と、第1レンズ1とで露光光学系を構成する。そして、グレースケールマスク23を介して第1レンズ1に紫外光を照射し、第1レンズを透過した光でレジスト層13を露光することで、レジスト層13に第2レンズのパターンを形成する。その後、ガラス平面基板12をエッチングすることで第2レンズを形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組み合わせレンズの製造方法に関し、特に高記録密度を実現できる光ディスク用の光学ピックアップ装置に対物レンズとして搭載される組み合わせレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野においては、光学情報記録方式に関する研究が各所で進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれぞれのメモリ形態に対応できるなどの数々の利点を有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から民生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】
上記の各種光学情報記録方式用のCD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)などの光学記録媒体(以下、光ディスクともいう)の記録・再生装置(以下、光ディスク装置ともいう)に搭載される光学ピックアップ装置においては、例えば780nmあるいは650nmの波長のレーザ光を出射するレーザダイオードからのレーザ光がビームスプリッタなどの光学部材を含む光学系により光ディスクの光学記録層上に集光され、光ディスクからの反射光は、上記の光学系を逆の経路を辿り、マルチレンズなどによりフォトダイオードなどの受光素子上に投光される。上記の光ディスクからの反射光の変化により、光ディスクの光学記録層上に記録された情報の読み出しがなされる。
【0004】
上記のような光ディスク装置は、通常の構成において、波長λの光を照射する光源と、当該光源の出射する光を光学記録媒体の光学記録層上に集光する開口数NAの対物レンズ(集光レンズ)を含む光学系と、光学記録層からの反射光を検出する受光素子などを有する。
【0005】
上記の光ディスク装置において、光学記録層上における光のスポットサイズφは、一般に下記式(1)で与えられる。
φ=λ/NA………(1)
光のスポットサイズφは光学記録媒体の記録密度に直接影響を与え、スポットサイズφが小さいほど高密度記録が可能となり、大容量化ができる。即ち、光の波長λがより短いほど、また、対物レンズの開口数NAが大きいほど、スポットサイズφはより小さくなるので高密度記録が可能となることを示す。
【0006】
上記の指針に従って、光ディスクの大容量化を実現するために、例えば光源の波長を緑色から青色、さらには紫外線の領域にまで短波長化し、対物レンズの開口数NAを例えば0.85にまで高めた光ディスク装置の検討がなされており、組み合わせレンズが検討されている。
【0007】
このような組み合わせレンズの例として、例えば特許文献1に開示されているものがある。図6は、特許文献1に開示の組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。同図に示すように、組み合わせレンズは、第1凸レンズ51および第2凸レンズ52から構成されている。
【0008】
第1凸レンズ51は、ガラスなどの光学材料よりなるレンズ基体の上面に設けられた底面が凸状となっている凹部の表面とレンズ基体の下面表面とから構成されており、この凹部を除く部分のレンズ基体の上面および下面はそれぞれ基準面となりうる平面となっている。
【0009】
一方、第2凸レンズ52は、ガラスなどの光学材料よりなるレンズ基体より高屈折率な材料53が埋め込まれて構成されている。レンズ基体の凹部を除く部分のレンズ基体の上面および下面はそれぞれ基準面となりうる平面となっている。
【0010】
第1凸レンズ51と第2凸レンズ52とは、同一光軸上に配置され、レンズ基体の下面とレンズ基体の上面とが接着、固定され、光源54からの光ビームが第1凸レンズ51を通過した後、第2凸レンズ52を通過し、第1凸レンズ51とは反対側の光軸上の、所定の点に集光するように構成されている。
【0011】
上記のように平面同士を貼り合わせることで、組み合わせる際に発生するレンズの光軸の倒れを抑制して高精度に調整することが可能な組み合わせレンズとなっている。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−243912号公報 (公開日 平成14年8月28日)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の方法では、組み合わせレンズの収差を小さくするために、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52との貼り合わせ工程において、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52との光軸の位置ずれを極力小さくする必要があり、そのためには複雑な調整機構を用いて光軸調整を行わなければならず、生産性に問題があった。
【0014】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み合わせレンズを製造するにあたって、一方のレンズを利用してもう一方のレンズのレンズを形成することにより、光軸調整を簡単化し、製造工程の簡略化を実現できる組み合わせレンズの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せた後、上記第1レンズに光を照射し、該第1レンズを透過した光を用いて上記第2レンズ材料からなる層に第2レンズのパターンを形成することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば 、第2レンズのパターンは第1レンズを透過した光を用いて形成される。そのため、このパターンを用いて第2レンズを形成すれば、第2レンズと第1レンズとの光軸を同一光軸上に配置することができる。これによれば、複雑な調整機構を必要とせずに、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を高精度で行える。したがって、製造工程を簡略化することで、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができる。
【0017】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と光学部材とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記光学部材とが対向するように貼り合せる貼り合せ工程と、上記光学部材上に感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、上記貼り合せ工程後、第1レンズに可視光あるいは紫外光を照射する照射工程と、第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いて上記感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成するレンズ形成工程とを含むことを特徴としている。
【0018】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂はレジストであり、上記レンズ形成工程では、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて光学部材をエッチングすることで、光学部材からなる第2レンズを形成することを特徴としている。
【0019】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂は紫外線硬化樹脂であり、上記レンズ形成工程では、紫外線硬化樹脂層に形成された第2レンズのパターンの未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成することを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、第1レンズに照射された可視光あるいは紫外光は、第1レンズを透過した後、光学部材を透過し、光学部材上に形成された感光性樹脂層に到達する。このように、第1レンズを透過する可視光あるいは紫外光と、感光性樹脂層に到達する可視光あるいは紫外光とは同じ光であるので、第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いることで、第1レンズの光軸と同一光軸上に配置される第2レンズのパターンを感光性樹脂層に形成することができる。そこで感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成後、このパターンを用いて第2レンズを形成すれば、第2レンズの光軸を第1レンズの光軸と同一光軸上に配置することができる。このようにすれば、複雑な調整機構を用いることなく、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を、高精度でしかも簡単に行うことができる。これによれば、製造工程の簡略化によって、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができる。
【0021】
このとき、上記感光性樹脂としてレジストを用いれば、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて光学部材をエッチングすることで、光学部材からなる第2レンズを形成することができる。
【0022】
また、感光性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いれば、第1レンズを透過した紫外光で紫外線硬化樹脂を硬化するとともに、未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成することができる。これによれば、光学部材をエッチングする工程が不要となるので、感光性樹脂としてレジストを用いる場合よりも、第2レンズの形成をより簡単化することができるので、組み合わせレンズの生産性をより向上させることができる。
【0023】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、上記光学部材が、無機誘電体であることを特徴としている。
【0024】
無機誘電体は、熱膨張が小さく耐湿性に優れている。さらに、無機誘電体は、一般に高屈折率を有し、また光の透過率が良好である。したがって、光学部材として無機誘電体を用いれば、熱による光学性能劣化が低く耐湿性に優れ、高屈折率を有し、光の透過率の良好な組み合わせレンズを得ることができる。
【0025】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射することを特徴としている。
【0026】
例えば感光性樹脂層がネガレジスト層の場合には、強い光が照射された地点ではネガレジスト層が厚く残り、弱い光が照射された地点ではネガレジスト層は薄くなる。また、感光性樹脂層が紫外線硬化樹脂層である場合には、強い紫外光が照射された地点では紫外線硬化樹脂層は硬化しやすく、弱い紫外光が照射された地点の紫外線硬化樹脂層は硬化しにくくなる。したがって、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射し、光の強度に対する感光性樹脂の特性を利用することで、所望の第2レンズの形状を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズを製造する方法である。
【0028】
本実施の形態では、まず初めに、第1レンズのレンズ部外縁に設けられ、第1レンズと第2レンズとの間の距離を一定に保って支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せる。
【0029】
上記第1レンズの材質は特に限定されるものではなく、従来の組み合わせレンズで使用される種々の材質を用いることができる。また本実施の形態において、第1レンズとは、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹凸レンズなどであり、これらの形状は特に限定されるものではない。
【0030】
上記第1レンズ支持体とは、第1レンズのレンズ部外縁に設けられ、第1レンズと第2レンズとの間の距離を一定に保って支持するものであり、第1レンズと一体に形成される。あるいは、第1レンズ支持体を薄くし、円筒形のスペーサと組み合わせ、第1レンズと第2レンズとの間の距離を一定に保って支持してもよい。
【0031】
上記第2レンズ材料からなる層としては、レンズを構成することの可能な無機誘電体やプラスチックからなる層が挙げられるがこれらは特に限定されるものではない。
【0032】
本実施の形態では、例えば接着剤を用いて第1レンズ支持体および第2レンズ材料からなる層を貼り合せる。このときスペーサを介して第1レンズ支持体および第2レンズ材料からなる層を貼り合せることもできる。
【0033】
第1レンズ支持体および第2レンズ材料からなる層を貼り合せた後、第1レンズに光(可視光あるいは紫外光)を照射する。すると光は第1レンズを透過し、第2レンズ材料からなる層に到達し、さらに第2レンズ材料からなる層を透過するが、この際、第1レンズを透過する光と、第2レンズ材料からなる層を透過する光とは同一の光である。そこで、例えば第2レンズ材料からなる層を透過した光を用いて第2レンズのパターンを形成し、このパターンに基づいて第2レンズを形成するようにすれば、第2レンズの光軸を第1レンズの光軸と同一光軸上に配置することができる。このとき、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射することもできる。
【0034】
このとき、例えば第2レンズ材料からなる層として光学部材を用い、この光学部材上にさらに感光性樹脂を塗布することで感光性樹脂層を形成し、光学部材を透過した光を用いて感光性樹脂に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成することができる。
【0035】
上記光学部材は、例えば無機誘電体(例えばガラス等)材料あるいは高分子(例えばプラスチック)材料から構成すればよい。無機誘電体材料は、熱膨張が小さく、耐湿性に優れている。また無機誘電体材料は、一般に高分子材料よりも高い屈折率を示し、また短波長での光の透過率も高いものが多い。さらに無機誘電体材料は、複屈折率が小さい、均質性が良いなどの利点を備えている。したがって、光学部材として無機誘電体材料を用いれば、組み合わせレンズの光学性能劣化を低く抑えるとともに、耐湿性に優れ、複屈折が小さく、均質性の良好な組み合わせレンズを得ることができる。
【0036】
上記感光性樹脂としては、例えばレジストや紫外線硬化樹脂を用いることができる。以下、感光性樹脂としてレジストを用いた場合の、組み合わせレンズの製造方法について説明する。
【0037】
まず、軟化したガラスなどの光学材料を金型に充填し、第1レンズ体(第1レンズ体とは、図1に示すように、凸レンズ3,4が対になった両凸レンズから構成されている第1レンズ1、およびその外縁に設けられた第1レンズ支持体5を合わせたものを指す)が複数個並べられてなる第1レンズ集積体11を形成する。図2(a)に、第1レンズ集積体11の断面図を示す。
【0038】
次に、図2(b)に示すように、第1レンズ支持体5の下面側の第1レンズ集積体11に、ガラス平面基板(光学部材)12を接着固定する。
【0039】
さらに、図2(c)に示すように、ガラス平面基板12上にレジストを塗布することで、レジスト層13を形成する。レジスト層13を形成後、第1レンズ1に紫外光を照射する。これにより第1レンズ1を透過した紫外光は、ガラス平面基板12を透過し、レジスト層13に到達する。そしてレジスト層13が、図2(d)に示すように紫外光で露光される。
【0040】
このとき第1レンズ1に照射する紫外光に強度分布を持たせれば、第1レンズ1を透過した紫外光によって露光されたレジスト層13の各地点での感光量は異なるので、現像後のレジスト層13の残膜量は、レジスト層13の各地点で異なることになる。
【0041】
そこで、本実施形態では照射する紫外光の強度分布を調整することで、レジスト層13に所望のパターンを形成し、これによって第2レンズの形状を調整する。なお、レジスト層13の露光工程についての詳細は後述する。
【0042】
露光後、現像処理を行うことで、図2(d)に示すような第2レンズのパターン14を得る。その後、ポストベーク処理を行う。
【0043】
そして図2(e)に示すように、レジスト層13側からガラス平面基板12をエッチングすることで、ネガレジスト層13に形成されたパターン14をガラス平面基板12に転写する。これによりガラス平面基板12からなる第2レンズ7を形成する。
【0044】
上記エッチングとして、ドライエッチングを行えばよい。ドライエッチングの方法として、例えば、反応性イオンエッチングやイオンミリングなどが挙げられる。このとき、エッチング条件によって、レジスト層13に形成されたパターン14の厚みを拡大することができる。例えば、ガラス平面基板12が石英ガラスからなり、レジスト13と石英ガラスのエッチング選択比が1:2となるようなエッチング条件を選択すると、レジスト層13において厚み50μmのパターン14は、ガラス平面基板12においては厚み100μmのパターンに拡大される。このようなことから、レジスト層13に第2レンズのパターンを形成するときには、エッチングの選択比も考慮して決定する。
【0045】
エッチング後、図2(f)に示すように所定の分割ラインで分割することで、図1に示す組み合わせレンズが得られる。ここで、本実施形態によって得られる組み合わせレンズについて、図1に基づいて説明する。
【0046】
図1に示すのは、本実施の形態にかかる製造方法よって得られる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。図1に示すように、組み合わせレンズは、第1レンズ1と、第2レンズ7とから構成されている。第1レンズ1は、凸レンズ3,4から構成される両凸レンズとなっている。第1レンズ1は第1レンズ支持体5に支持されており、第1レンズ支持体5の下面6は、凸レンズ4よりも下側に位置している。
【0047】
第1レンズ支持体1の下面6に第2レンズ支持体2(第2レンズ支持体2は、図2に示すガラス平面基板12から構成されている)および第2レンズ7が設けられている。本実施の形態によれば、第2レンズ7は、前述したガラス平面基板12をエッチングすることで構成されたものであり、第2レンズ7部分を除くガラス平面基板12の上面および下面はそれぞれ基準面となりうる平面を持っている。
【0048】
そして第1レンズ1と第2レンズ7とは同一光軸上に配置されており、光源8からの光ビームが第1レンズ1を通過した後、第2レンズ7を通過し、第1レンズ1とは反対側の光軸の、所定の点に集光するようになっている。図1に示す組み合わせレンズは、全体の収差が小さくなるよう、第1レンズ1と第2レンズ7との光軸が一致するように配置されている。
【0049】
ここで、前述した露光工程について、図3に基づいて説明する。図3は、露光工程を行うための露光光学系の構成を概略的に示している。同図に示すように、露光光学系は、超高圧水銀ランプ21と、曲面ミラー22と、グレースケールマスク23と、レンズ24とを備えて構成されている。
【0050】
超高圧水銀ランプ21は、露光光の光源である。超高圧水銀ランプ21から出射されたi線(波長365nm)の紫外光は、曲面ミラー22によって反射され、グレースケールマスク23を照明する。
【0051】
グレースケールマスク(マスク)23は、部分的に光の透過率を変化させたマスクである。本実施の形態では、グレースケールマスク23は、第1レンズ1と第2レンズ7との光軸が一致するように、第1レンズ1の形状に合わせた光の透過率を有している。またこのときの光の透過率は連続的に変調するようになっている。グレースケールマスク23を介して紫外光を照射することで、紫外光を所望の強度分布をもった光束として作りだすことができる。
【0052】
グレースケールマスク23を透過した紫外光は、レンズ24と第1レンズ1によってレジスト層13に結像し、レジスト層13が露光される。ここで、例えば、レジスト層13をネガレジストからなる層とすれば、強く露光された地点では、レジスト層13が厚く残り、弱く露光された地点ではレジスト層13は薄くなる。このようにグレースケールマスク23の透過率分布の制御を行うことにより、所望の第2レンズ7の形状のパターンが得られる。
【0053】
本実施の形態によれば、第1レンズ1を透過する紫外光を用いて第2レンズ7のパターン14を形成することで、第1レンズ1と第2レンズ2の位置ずれを抑制することができる。
【0054】
なお、第1レンズ1と第2レンズ7とのレンズ間の光軸ずれは、第1レンズ集積体11とガラス平面基板12との傾きや、第2レンズ2の露光光学系の傾きにより引き起こされるが、本実施の形態によれば、第1レンズ1と第2レンズ7との間隔が500μmの場合、光軸傾き0.1°内でのレンズ間の光軸ずれを0.9μm以下と小さく抑えることができる。光軸傾き0.1°は管理可能な数字である。また、第1レンズ支持体5の平面を利用し干渉計を用いることで精密に測定することで、露光光学系の傾きを小さく抑えることが可能である。したがって本実施の形態によれば、第1レンズ集積体11とガラス平面基板12の傾きや、第2レンズ2の露光光学系の傾きによって、第1レンズ1と第2レンズ7とのレンズ間の光軸ずれが生じるということはない。なお、露光原理ではレジスト層がネガレジストからなる層を用いた場合について説明したが、これに限らず、本実施の形態にかかるレジスト層13としてポジレジストからなる層としてもよい。
【0055】
また本実施の形態によれば、第2レンズ7を形成するために金型を必要としない。したがって、第2レンズ7を構成する材料が低融点ガラスに限定されないので、材料を自由に選択することができる。第2レンズ7を構成する材料として、例えば高屈折率の材料を選択すれば、レンズの集光性能をより向上させることができる。また例えば屈折率の値が2に近い高屈折率の材料を用いれば、第2レンズの面のカーブを緩くすることができるので、第2レンズの形成が容易になるという利点がある。
【0056】
〔実施の形態2〕
次に、本発明にかかる他の実施の形態について、図4および図5に基づいて説明する。なお、本実施の形態にかかる第1レンズ、第1レンズ支持体、ガラス平面基板の材質や形状などは、実施の形態1と同様にすればよい。
【0057】
本実施形態では、軟化したガラスなどの光学材料を金型に充填し、図4に示す両凸レンズから構成される第1レンズ30およびそれを支持する第1レンズ支持体31からなる第1レンズ体を1個ずつ作製する。実施の形態1では、複数個並べた第1レンズ体からなる第1集積体11を利用したが、この場合、高精度に作製された第1レンズの金型を複数個必要とし、さらにそれぞれの第1レンズ厚みを均一に保つ必要があるため、第1レンズ集積体11の作製が困難になる虞がある。これに対して、本実施の形態によれば、第1レンズ体を1個ずつ作製することで、第1レンズ30の作製誤差を低減することができ、これにより組み合わせレンズの性能を向上させることができる。
【0058】
第1レンズ体を作製後、本実施の形態では、図5(b)に示すように、第1レンズ支持体31を筒状のスペーサ33にはめ込み、このスペーサ33を介して第1レンズ支持体31およびガラス平面基板34を貼り合せる。これにより第1レンズ30と後述する第2レンズ32との間隔を所望の値に調整する。
【0059】
そして図5(b)に示すように、スペーサ33とガラス平面基板34とを貼り合せ、さらに図5(c)に示すように、ガラス平面基板34上に高屈折率の紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化樹脂層35を形成する。
【0060】
次に、実施の形態1で述べた露光光学系を用いて、第1レンズ20を通して紫外光を紫外線硬化樹脂層35に照射する。そして紫外線硬化樹脂層35を硬化させ、紫外線硬化樹脂層35に第2レンズのパターンを形成する。
【0061】
紫外線硬化樹脂層35の硬化する部分の厚みは、紫外光の強度分布に応じて変化する。そこで、本実施の形態では、紫外光の強度分布を調整することにより、所望の形状の第2レンズのパターンを紫外線硬化樹脂層35に形成する。
【0062】
紫外線照射後、紫外線硬化樹脂層35を有機溶剤に浸ける。これにより、紫外線により硬化しない紫外線硬化樹脂層35は除去され、図5(d)に示すように、紫外線硬化樹脂層35からなる第2レンズ32が形成される。本実施の形態では、第2レンズ32の形成後、第2レンズ32側からさらに紫外線を照射することで、第2レンズ32を完全に硬化させる。これにより、紫外線硬化樹脂層35からなる第2レンズ32がガラス平面基板34に形成される。
【0063】
最後に、図5(e)に示すように所定の分割ラインで分割することで、図4に示す組み合わせレンズが得られる。ここで、本実施形態によって得られる組み合わせレンズについて、図4に基づいて説明する。
【0064】
図4に示すのは、本実施の形態にかかる製造方法によって得られる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。図4に示すように、組み合わせレンズは、第1レンズ30および該第1レンズ30を支持する第1レンズ支持体31、スペーサ33、ガラス平面基板34、第2レンズ32から構成されている。
【0065】
図4に示すように、スペーサ32の上面は第1レンズ30の第1レンズ支持体31にはめこまれ、スペーサ33の下面は、ガラス平面基板34に接着固定されている。組み合わせレンズは全体の収差が小さくなるよう、第1レンズ30と第2レンズ32との光軸が一致するように配置されている。
【0066】
本実施の形態によれば、第1レンズ30をより高精度に作製することで、組み合わせレンズの作製精度を向上させることができる。また感光性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いているので、実施の形態1で述べたようにレジスト層13に形成されたパターン14を転写するためのエッチングを行う必要がなくなるので、製造工程をより簡略化することで、組み合わせレンズの生産コストをより低減することができる。なお本実施の形態でも、紫外光を照射する際に、マスクを用いることが好ましい。
【0067】
なお、実施の形態1および本実施の形態では、それぞれ図2、図5に示すように、第2レンズは1つのレンズ面を備える構成としたが、これに限らず、第1レンズに照射する光を調整することで、2つ以上のレンズ面を備える第2レンズとして形成してもよい。また、照射する光は紫外光に限られるものではなく、例えば可視光を用いてもよい。
【0068】
また、さらに第2レンズ側にガラス平面基板(光学部材)を設け、第1レンズおよび第2レンズを透過した光を用いて、実施の形態1や本実施の形態で第2レンズを形成したようにして、さらに第3レンズを備える組み合わせレンズを製造することもできる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せた後、上記第1レンズに光を照射し、該第1レンズを透過した光を用いて上記第2レンズ材料からなる層に第2レンズのパターンを形成する構成である。
【0070】
それゆえ、複雑な調整機構を必要とせずに、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を高精度で行えるので、製造工程を簡略化することで、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0071】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と光学部材とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記光学部材とが対向するように貼り合せる貼り合せ工程と、上記光学部材上に感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、上記貼り合せ工程後、第1レンズに可視光あるいは紫外光を照射する照射工程と、第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いて上記感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成するレンズ形成工程とを含む構成である。
【0072】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂はレジストであり、上記レンズ形成工程では、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて光学部材をエッチングすることで、光学部材からなる第2レンズを形成する構成である。
【0073】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂は紫外線硬化樹脂であり、上記レンズ形成工程では、紫外線硬化樹脂層に形成された第2レンズのパターンの未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成する構成である。
【0074】
それゆえ、複雑な調整機構を用いることなく、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を、高精度かつ簡単に行うことができる。このような方法により製造工程の簡略化を実現することができるので、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができるという効果を奏する。また感光性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いれば、感光性樹脂としてレジストを用いる場合よりも、第2レンズの形成をより簡単に行うことができるので、組み合わせレンズの生産性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0075】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、上記光学部材が、無機誘電体である構成である。
【0076】
それゆえ、熱による光学性能劣化が低く耐熱性に優れ、高屈折率を有し、光の透過率の良好な組み合わせレンズを得ることができるという効果を奏する。
【0077】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射する構成である。
【0078】
それゆえ、所望の第2レンズの形状を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる組み合わせレンズの製造工程を概略的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1および2にかかる組み合わせレンズの製造方法で用いる、露光光学系の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる組み合わせレンズの製造工程を概略的に示す図である。
【図6】従来の組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,30 第1レンズ
5,31 第1レンズ支持体
7,32 第2レンズ
11 第1レンズ集積体
12,34 ガラス平面基板(光学部材)
13 レジスト層(感光性樹脂層)
23 グレースケールマスク(マスク)
35 紫外線硬化樹脂層
【発明の属する技術分野】
本発明は、組み合わせレンズの製造方法に関し、特に高記録密度を実現できる光ディスク用の光学ピックアップ装置に対物レンズとして搭載される組み合わせレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野においては、光学情報記録方式に関する研究が各所で進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれぞれのメモリ形態に対応できるなどの数々の利点を有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から民生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】
上記の各種光学情報記録方式用のCD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)などの光学記録媒体(以下、光ディスクともいう)の記録・再生装置(以下、光ディスク装置ともいう)に搭載される光学ピックアップ装置においては、例えば780nmあるいは650nmの波長のレーザ光を出射するレーザダイオードからのレーザ光がビームスプリッタなどの光学部材を含む光学系により光ディスクの光学記録層上に集光され、光ディスクからの反射光は、上記の光学系を逆の経路を辿り、マルチレンズなどによりフォトダイオードなどの受光素子上に投光される。上記の光ディスクからの反射光の変化により、光ディスクの光学記録層上に記録された情報の読み出しがなされる。
【0004】
上記のような光ディスク装置は、通常の構成において、波長λの光を照射する光源と、当該光源の出射する光を光学記録媒体の光学記録層上に集光する開口数NAの対物レンズ(集光レンズ)を含む光学系と、光学記録層からの反射光を検出する受光素子などを有する。
【0005】
上記の光ディスク装置において、光学記録層上における光のスポットサイズφは、一般に下記式(1)で与えられる。
φ=λ/NA………(1)
光のスポットサイズφは光学記録媒体の記録密度に直接影響を与え、スポットサイズφが小さいほど高密度記録が可能となり、大容量化ができる。即ち、光の波長λがより短いほど、また、対物レンズの開口数NAが大きいほど、スポットサイズφはより小さくなるので高密度記録が可能となることを示す。
【0006】
上記の指針に従って、光ディスクの大容量化を実現するために、例えば光源の波長を緑色から青色、さらには紫外線の領域にまで短波長化し、対物レンズの開口数NAを例えば0.85にまで高めた光ディスク装置の検討がなされており、組み合わせレンズが検討されている。
【0007】
このような組み合わせレンズの例として、例えば特許文献1に開示されているものがある。図6は、特許文献1に開示の組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。同図に示すように、組み合わせレンズは、第1凸レンズ51および第2凸レンズ52から構成されている。
【0008】
第1凸レンズ51は、ガラスなどの光学材料よりなるレンズ基体の上面に設けられた底面が凸状となっている凹部の表面とレンズ基体の下面表面とから構成されており、この凹部を除く部分のレンズ基体の上面および下面はそれぞれ基準面となりうる平面となっている。
【0009】
一方、第2凸レンズ52は、ガラスなどの光学材料よりなるレンズ基体より高屈折率な材料53が埋め込まれて構成されている。レンズ基体の凹部を除く部分のレンズ基体の上面および下面はそれぞれ基準面となりうる平面となっている。
【0010】
第1凸レンズ51と第2凸レンズ52とは、同一光軸上に配置され、レンズ基体の下面とレンズ基体の上面とが接着、固定され、光源54からの光ビームが第1凸レンズ51を通過した後、第2凸レンズ52を通過し、第1凸レンズ51とは反対側の光軸上の、所定の点に集光するように構成されている。
【0011】
上記のように平面同士を貼り合わせることで、組み合わせる際に発生するレンズの光軸の倒れを抑制して高精度に調整することが可能な組み合わせレンズとなっている。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−243912号公報 (公開日 平成14年8月28日)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の方法では、組み合わせレンズの収差を小さくするために、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52との貼り合わせ工程において、第1凸レンズ51と第2凸レンズ52との光軸の位置ずれを極力小さくする必要があり、そのためには複雑な調整機構を用いて光軸調整を行わなければならず、生産性に問題があった。
【0014】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み合わせレンズを製造するにあたって、一方のレンズを利用してもう一方のレンズのレンズを形成することにより、光軸調整を簡単化し、製造工程の簡略化を実現できる組み合わせレンズの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せた後、上記第1レンズに光を照射し、該第1レンズを透過した光を用いて上記第2レンズ材料からなる層に第2レンズのパターンを形成することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば 、第2レンズのパターンは第1レンズを透過した光を用いて形成される。そのため、このパターンを用いて第2レンズを形成すれば、第2レンズと第1レンズとの光軸を同一光軸上に配置することができる。これによれば、複雑な調整機構を必要とせずに、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を高精度で行える。したがって、製造工程を簡略化することで、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができる。
【0017】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と光学部材とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記光学部材とが対向するように貼り合せる貼り合せ工程と、上記光学部材上に感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、上記貼り合せ工程後、第1レンズに可視光あるいは紫外光を照射する照射工程と、第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いて上記感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成するレンズ形成工程とを含むことを特徴としている。
【0018】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂はレジストであり、上記レンズ形成工程では、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて光学部材をエッチングすることで、光学部材からなる第2レンズを形成することを特徴としている。
【0019】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂は紫外線硬化樹脂であり、上記レンズ形成工程では、紫外線硬化樹脂層に形成された第2レンズのパターンの未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成することを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、第1レンズに照射された可視光あるいは紫外光は、第1レンズを透過した後、光学部材を透過し、光学部材上に形成された感光性樹脂層に到達する。このように、第1レンズを透過する可視光あるいは紫外光と、感光性樹脂層に到達する可視光あるいは紫外光とは同じ光であるので、第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いることで、第1レンズの光軸と同一光軸上に配置される第2レンズのパターンを感光性樹脂層に形成することができる。そこで感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成後、このパターンを用いて第2レンズを形成すれば、第2レンズの光軸を第1レンズの光軸と同一光軸上に配置することができる。このようにすれば、複雑な調整機構を用いることなく、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を、高精度でしかも簡単に行うことができる。これによれば、製造工程の簡略化によって、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができる。
【0021】
このとき、上記感光性樹脂としてレジストを用いれば、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて光学部材をエッチングすることで、光学部材からなる第2レンズを形成することができる。
【0022】
また、感光性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いれば、第1レンズを透過した紫外光で紫外線硬化樹脂を硬化するとともに、未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成することができる。これによれば、光学部材をエッチングする工程が不要となるので、感光性樹脂としてレジストを用いる場合よりも、第2レンズの形成をより簡単化することができるので、組み合わせレンズの生産性をより向上させることができる。
【0023】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、上記光学部材が、無機誘電体であることを特徴としている。
【0024】
無機誘電体は、熱膨張が小さく耐湿性に優れている。さらに、無機誘電体は、一般に高屈折率を有し、また光の透過率が良好である。したがって、光学部材として無機誘電体を用いれば、熱による光学性能劣化が低く耐湿性に優れ、高屈折率を有し、光の透過率の良好な組み合わせレンズを得ることができる。
【0025】
本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記の課題を解決するために、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射することを特徴としている。
【0026】
例えば感光性樹脂層がネガレジスト層の場合には、強い光が照射された地点ではネガレジスト層が厚く残り、弱い光が照射された地点ではネガレジスト層は薄くなる。また、感光性樹脂層が紫外線硬化樹脂層である場合には、強い紫外光が照射された地点では紫外線硬化樹脂層は硬化しやすく、弱い紫外光が照射された地点の紫外線硬化樹脂層は硬化しにくくなる。したがって、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射し、光の強度に対する感光性樹脂の特性を利用することで、所望の第2レンズの形状を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズを製造する方法である。
【0028】
本実施の形態では、まず初めに、第1レンズのレンズ部外縁に設けられ、第1レンズと第2レンズとの間の距離を一定に保って支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せる。
【0029】
上記第1レンズの材質は特に限定されるものではなく、従来の組み合わせレンズで使用される種々の材質を用いることができる。また本実施の形態において、第1レンズとは、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹凸レンズなどであり、これらの形状は特に限定されるものではない。
【0030】
上記第1レンズ支持体とは、第1レンズのレンズ部外縁に設けられ、第1レンズと第2レンズとの間の距離を一定に保って支持するものであり、第1レンズと一体に形成される。あるいは、第1レンズ支持体を薄くし、円筒形のスペーサと組み合わせ、第1レンズと第2レンズとの間の距離を一定に保って支持してもよい。
【0031】
上記第2レンズ材料からなる層としては、レンズを構成することの可能な無機誘電体やプラスチックからなる層が挙げられるがこれらは特に限定されるものではない。
【0032】
本実施の形態では、例えば接着剤を用いて第1レンズ支持体および第2レンズ材料からなる層を貼り合せる。このときスペーサを介して第1レンズ支持体および第2レンズ材料からなる層を貼り合せることもできる。
【0033】
第1レンズ支持体および第2レンズ材料からなる層を貼り合せた後、第1レンズに光(可視光あるいは紫外光)を照射する。すると光は第1レンズを透過し、第2レンズ材料からなる層に到達し、さらに第2レンズ材料からなる層を透過するが、この際、第1レンズを透過する光と、第2レンズ材料からなる層を透過する光とは同一の光である。そこで、例えば第2レンズ材料からなる層を透過した光を用いて第2レンズのパターンを形成し、このパターンに基づいて第2レンズを形成するようにすれば、第2レンズの光軸を第1レンズの光軸と同一光軸上に配置することができる。このとき、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射することもできる。
【0034】
このとき、例えば第2レンズ材料からなる層として光学部材を用い、この光学部材上にさらに感光性樹脂を塗布することで感光性樹脂層を形成し、光学部材を透過した光を用いて感光性樹脂に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成することができる。
【0035】
上記光学部材は、例えば無機誘電体(例えばガラス等)材料あるいは高分子(例えばプラスチック)材料から構成すればよい。無機誘電体材料は、熱膨張が小さく、耐湿性に優れている。また無機誘電体材料は、一般に高分子材料よりも高い屈折率を示し、また短波長での光の透過率も高いものが多い。さらに無機誘電体材料は、複屈折率が小さい、均質性が良いなどの利点を備えている。したがって、光学部材として無機誘電体材料を用いれば、組み合わせレンズの光学性能劣化を低く抑えるとともに、耐湿性に優れ、複屈折が小さく、均質性の良好な組み合わせレンズを得ることができる。
【0036】
上記感光性樹脂としては、例えばレジストや紫外線硬化樹脂を用いることができる。以下、感光性樹脂としてレジストを用いた場合の、組み合わせレンズの製造方法について説明する。
【0037】
まず、軟化したガラスなどの光学材料を金型に充填し、第1レンズ体(第1レンズ体とは、図1に示すように、凸レンズ3,4が対になった両凸レンズから構成されている第1レンズ1、およびその外縁に設けられた第1レンズ支持体5を合わせたものを指す)が複数個並べられてなる第1レンズ集積体11を形成する。図2(a)に、第1レンズ集積体11の断面図を示す。
【0038】
次に、図2(b)に示すように、第1レンズ支持体5の下面側の第1レンズ集積体11に、ガラス平面基板(光学部材)12を接着固定する。
【0039】
さらに、図2(c)に示すように、ガラス平面基板12上にレジストを塗布することで、レジスト層13を形成する。レジスト層13を形成後、第1レンズ1に紫外光を照射する。これにより第1レンズ1を透過した紫外光は、ガラス平面基板12を透過し、レジスト層13に到達する。そしてレジスト層13が、図2(d)に示すように紫外光で露光される。
【0040】
このとき第1レンズ1に照射する紫外光に強度分布を持たせれば、第1レンズ1を透過した紫外光によって露光されたレジスト層13の各地点での感光量は異なるので、現像後のレジスト層13の残膜量は、レジスト層13の各地点で異なることになる。
【0041】
そこで、本実施形態では照射する紫外光の強度分布を調整することで、レジスト層13に所望のパターンを形成し、これによって第2レンズの形状を調整する。なお、レジスト層13の露光工程についての詳細は後述する。
【0042】
露光後、現像処理を行うことで、図2(d)に示すような第2レンズのパターン14を得る。その後、ポストベーク処理を行う。
【0043】
そして図2(e)に示すように、レジスト層13側からガラス平面基板12をエッチングすることで、ネガレジスト層13に形成されたパターン14をガラス平面基板12に転写する。これによりガラス平面基板12からなる第2レンズ7を形成する。
【0044】
上記エッチングとして、ドライエッチングを行えばよい。ドライエッチングの方法として、例えば、反応性イオンエッチングやイオンミリングなどが挙げられる。このとき、エッチング条件によって、レジスト層13に形成されたパターン14の厚みを拡大することができる。例えば、ガラス平面基板12が石英ガラスからなり、レジスト13と石英ガラスのエッチング選択比が1:2となるようなエッチング条件を選択すると、レジスト層13において厚み50μmのパターン14は、ガラス平面基板12においては厚み100μmのパターンに拡大される。このようなことから、レジスト層13に第2レンズのパターンを形成するときには、エッチングの選択比も考慮して決定する。
【0045】
エッチング後、図2(f)に示すように所定の分割ラインで分割することで、図1に示す組み合わせレンズが得られる。ここで、本実施形態によって得られる組み合わせレンズについて、図1に基づいて説明する。
【0046】
図1に示すのは、本実施の形態にかかる製造方法よって得られる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。図1に示すように、組み合わせレンズは、第1レンズ1と、第2レンズ7とから構成されている。第1レンズ1は、凸レンズ3,4から構成される両凸レンズとなっている。第1レンズ1は第1レンズ支持体5に支持されており、第1レンズ支持体5の下面6は、凸レンズ4よりも下側に位置している。
【0047】
第1レンズ支持体1の下面6に第2レンズ支持体2(第2レンズ支持体2は、図2に示すガラス平面基板12から構成されている)および第2レンズ7が設けられている。本実施の形態によれば、第2レンズ7は、前述したガラス平面基板12をエッチングすることで構成されたものであり、第2レンズ7部分を除くガラス平面基板12の上面および下面はそれぞれ基準面となりうる平面を持っている。
【0048】
そして第1レンズ1と第2レンズ7とは同一光軸上に配置されており、光源8からの光ビームが第1レンズ1を通過した後、第2レンズ7を通過し、第1レンズ1とは反対側の光軸の、所定の点に集光するようになっている。図1に示す組み合わせレンズは、全体の収差が小さくなるよう、第1レンズ1と第2レンズ7との光軸が一致するように配置されている。
【0049】
ここで、前述した露光工程について、図3に基づいて説明する。図3は、露光工程を行うための露光光学系の構成を概略的に示している。同図に示すように、露光光学系は、超高圧水銀ランプ21と、曲面ミラー22と、グレースケールマスク23と、レンズ24とを備えて構成されている。
【0050】
超高圧水銀ランプ21は、露光光の光源である。超高圧水銀ランプ21から出射されたi線(波長365nm)の紫外光は、曲面ミラー22によって反射され、グレースケールマスク23を照明する。
【0051】
グレースケールマスク(マスク)23は、部分的に光の透過率を変化させたマスクである。本実施の形態では、グレースケールマスク23は、第1レンズ1と第2レンズ7との光軸が一致するように、第1レンズ1の形状に合わせた光の透過率を有している。またこのときの光の透過率は連続的に変調するようになっている。グレースケールマスク23を介して紫外光を照射することで、紫外光を所望の強度分布をもった光束として作りだすことができる。
【0052】
グレースケールマスク23を透過した紫外光は、レンズ24と第1レンズ1によってレジスト層13に結像し、レジスト層13が露光される。ここで、例えば、レジスト層13をネガレジストからなる層とすれば、強く露光された地点では、レジスト層13が厚く残り、弱く露光された地点ではレジスト層13は薄くなる。このようにグレースケールマスク23の透過率分布の制御を行うことにより、所望の第2レンズ7の形状のパターンが得られる。
【0053】
本実施の形態によれば、第1レンズ1を透過する紫外光を用いて第2レンズ7のパターン14を形成することで、第1レンズ1と第2レンズ2の位置ずれを抑制することができる。
【0054】
なお、第1レンズ1と第2レンズ7とのレンズ間の光軸ずれは、第1レンズ集積体11とガラス平面基板12との傾きや、第2レンズ2の露光光学系の傾きにより引き起こされるが、本実施の形態によれば、第1レンズ1と第2レンズ7との間隔が500μmの場合、光軸傾き0.1°内でのレンズ間の光軸ずれを0.9μm以下と小さく抑えることができる。光軸傾き0.1°は管理可能な数字である。また、第1レンズ支持体5の平面を利用し干渉計を用いることで精密に測定することで、露光光学系の傾きを小さく抑えることが可能である。したがって本実施の形態によれば、第1レンズ集積体11とガラス平面基板12の傾きや、第2レンズ2の露光光学系の傾きによって、第1レンズ1と第2レンズ7とのレンズ間の光軸ずれが生じるということはない。なお、露光原理ではレジスト層がネガレジストからなる層を用いた場合について説明したが、これに限らず、本実施の形態にかかるレジスト層13としてポジレジストからなる層としてもよい。
【0055】
また本実施の形態によれば、第2レンズ7を形成するために金型を必要としない。したがって、第2レンズ7を構成する材料が低融点ガラスに限定されないので、材料を自由に選択することができる。第2レンズ7を構成する材料として、例えば高屈折率の材料を選択すれば、レンズの集光性能をより向上させることができる。また例えば屈折率の値が2に近い高屈折率の材料を用いれば、第2レンズの面のカーブを緩くすることができるので、第2レンズの形成が容易になるという利点がある。
【0056】
〔実施の形態2〕
次に、本発明にかかる他の実施の形態について、図4および図5に基づいて説明する。なお、本実施の形態にかかる第1レンズ、第1レンズ支持体、ガラス平面基板の材質や形状などは、実施の形態1と同様にすればよい。
【0057】
本実施形態では、軟化したガラスなどの光学材料を金型に充填し、図4に示す両凸レンズから構成される第1レンズ30およびそれを支持する第1レンズ支持体31からなる第1レンズ体を1個ずつ作製する。実施の形態1では、複数個並べた第1レンズ体からなる第1集積体11を利用したが、この場合、高精度に作製された第1レンズの金型を複数個必要とし、さらにそれぞれの第1レンズ厚みを均一に保つ必要があるため、第1レンズ集積体11の作製が困難になる虞がある。これに対して、本実施の形態によれば、第1レンズ体を1個ずつ作製することで、第1レンズ30の作製誤差を低減することができ、これにより組み合わせレンズの性能を向上させることができる。
【0058】
第1レンズ体を作製後、本実施の形態では、図5(b)に示すように、第1レンズ支持体31を筒状のスペーサ33にはめ込み、このスペーサ33を介して第1レンズ支持体31およびガラス平面基板34を貼り合せる。これにより第1レンズ30と後述する第2レンズ32との間隔を所望の値に調整する。
【0059】
そして図5(b)に示すように、スペーサ33とガラス平面基板34とを貼り合せ、さらに図5(c)に示すように、ガラス平面基板34上に高屈折率の紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線硬化樹脂層35を形成する。
【0060】
次に、実施の形態1で述べた露光光学系を用いて、第1レンズ20を通して紫外光を紫外線硬化樹脂層35に照射する。そして紫外線硬化樹脂層35を硬化させ、紫外線硬化樹脂層35に第2レンズのパターンを形成する。
【0061】
紫外線硬化樹脂層35の硬化する部分の厚みは、紫外光の強度分布に応じて変化する。そこで、本実施の形態では、紫外光の強度分布を調整することにより、所望の形状の第2レンズのパターンを紫外線硬化樹脂層35に形成する。
【0062】
紫外線照射後、紫外線硬化樹脂層35を有機溶剤に浸ける。これにより、紫外線により硬化しない紫外線硬化樹脂層35は除去され、図5(d)に示すように、紫外線硬化樹脂層35からなる第2レンズ32が形成される。本実施の形態では、第2レンズ32の形成後、第2レンズ32側からさらに紫外線を照射することで、第2レンズ32を完全に硬化させる。これにより、紫外線硬化樹脂層35からなる第2レンズ32がガラス平面基板34に形成される。
【0063】
最後に、図5(e)に示すように所定の分割ラインで分割することで、図4に示す組み合わせレンズが得られる。ここで、本実施形態によって得られる組み合わせレンズについて、図4に基づいて説明する。
【0064】
図4に示すのは、本実施の形態にかかる製造方法によって得られる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。図4に示すように、組み合わせレンズは、第1レンズ30および該第1レンズ30を支持する第1レンズ支持体31、スペーサ33、ガラス平面基板34、第2レンズ32から構成されている。
【0065】
図4に示すように、スペーサ32の上面は第1レンズ30の第1レンズ支持体31にはめこまれ、スペーサ33の下面は、ガラス平面基板34に接着固定されている。組み合わせレンズは全体の収差が小さくなるよう、第1レンズ30と第2レンズ32との光軸が一致するように配置されている。
【0066】
本実施の形態によれば、第1レンズ30をより高精度に作製することで、組み合わせレンズの作製精度を向上させることができる。また感光性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いているので、実施の形態1で述べたようにレジスト層13に形成されたパターン14を転写するためのエッチングを行う必要がなくなるので、製造工程をより簡略化することで、組み合わせレンズの生産コストをより低減することができる。なお本実施の形態でも、紫外光を照射する際に、マスクを用いることが好ましい。
【0067】
なお、実施の形態1および本実施の形態では、それぞれ図2、図5に示すように、第2レンズは1つのレンズ面を備える構成としたが、これに限らず、第1レンズに照射する光を調整することで、2つ以上のレンズ面を備える第2レンズとして形成してもよい。また、照射する光は紫外光に限られるものではなく、例えば可視光を用いてもよい。
【0068】
また、さらに第2レンズ側にガラス平面基板(光学部材)を設け、第1レンズおよび第2レンズを透過した光を用いて、実施の形態1や本実施の形態で第2レンズを形成したようにして、さらに第3レンズを備える組み合わせレンズを製造することもできる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せた後、上記第1レンズに光を照射し、該第1レンズを透過した光を用いて上記第2レンズ材料からなる層に第2レンズのパターンを形成する構成である。
【0070】
それゆえ、複雑な調整機構を必要とせずに、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を高精度で行えるので、製造工程を簡略化することで、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができるという効果を奏する。
【0071】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、第1レンズを支持する第1レンズ支持体と光学部材とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記光学部材とが対向するように貼り合せる貼り合せ工程と、上記光学部材上に感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、上記貼り合せ工程後、第1レンズに可視光あるいは紫外光を照射する照射工程と、第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いて上記感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成するレンズ形成工程とを含む構成である。
【0072】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂はレジストであり、上記レンズ形成工程では、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて光学部材をエッチングすることで、光学部材からなる第2レンズを形成する構成である。
【0073】
また、本発明にかかる組み合わせレンズの製造方法は、上記感光性樹脂は紫外線硬化樹脂であり、上記レンズ形成工程では、紫外線硬化樹脂層に形成された第2レンズのパターンの未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成する構成である。
【0074】
それゆえ、複雑な調整機構を用いることなく、第1レンズおよび第2レンズのレンズ間の光軸調整を、高精度かつ簡単に行うことができる。このような方法により製造工程の簡略化を実現することができるので、組み合わせレンズの生産性を向上させるとともに、生産コストを低減させることができるという効果を奏する。また感光性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いれば、感光性樹脂としてレジストを用いる場合よりも、第2レンズの形成をより簡単に行うことができるので、組み合わせレンズの生産性をより向上させることができるという効果を奏する。
【0075】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、上記光学部材が、無機誘電体である構成である。
【0076】
それゆえ、熱による光学性能劣化が低く耐熱性に優れ、高屈折率を有し、光の透過率の良好な組み合わせレンズを得ることができるという効果を奏する。
【0077】
本発明の組み合わせレンズの製造方法は、以上のように、部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射する構成である。
【0078】
それゆえ、所望の第2レンズの形状を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる組み合わせレンズの製造工程を概略的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1および2にかかる組み合わせレンズの製造方法で用いる、露光光学系の構成を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかる組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる組み合わせレンズの製造工程を概略的に示す図である。
【図6】従来の組み合わせレンズの構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,30 第1レンズ
5,31 第1レンズ支持体
7,32 第2レンズ
11 第1レンズ集積体
12,34 ガラス平面基板(光学部材)
13 レジスト層(感光性樹脂層)
23 グレースケールマスク(マスク)
35 紫外線硬化樹脂層
Claims (6)
- 2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、
第1レンズを支持する第1レンズ支持体と第2レンズ材料からなる層とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記第2レンズ材料からなる層とが対向するように貼り合せた後、上記第1レンズに光を照射し、該第1レンズを透過した光を用いて上記第2レンズ材料からなる層に第2レンズのパターンを形成することを特徴とする組み合わせレンズの製造方法。 - 2個以上のレンズから構成される組み合わせレンズの製造方法であって、
第1レンズを支持する第1レンズ支持体と光学部材とを、上記第1レンズ支持体に支持された第1レンズと上記光学部材とが対向するように貼り合せる貼り合せ工程と、
上記光学部材上に感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、上記貼り合せ工程後、第1レンズに可視光あるいは紫外光を照射する照射工程と、
第1レンズを透過した可視光あるいは紫外光を用いて上記感光性樹脂層に第2レンズのパターンを形成し、このパターンを用いて第2レンズを形成するレンズ形成工程とを含むことを特徴とする組み合わせレンズの製造方法。 - 上記感光性樹脂はレジストであり、上記レンズ形成工程では、レジスト層に形成された第2レンズのパターンを用いて上記光学部材をエッチングすることで、上記光学部材からなる第2レンズを形成することを特徴とする請求項2に記載の組み合わせレンズの製造方法。
- 上記感光性樹脂は紫外線硬化樹脂であり、上記レンズ形成工程では、紫外線硬化樹脂層に形成された第2レンズのパターンの未硬化部分を除去することで、紫外線硬化樹脂からなる第2レンズを形成することを特徴とする請求項2に記載の組み合わせレンズの製造方法。
- 上記光学部材が、無機誘電体であることを特徴とする請求項2に記載の組み合わせレンズの製造方法。
- 部分的に光の透過率を変化させたマスクを用いて第1レンズに光を照射することを特徴とする請求項1または2に記載の組み合わせレンズの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2003045069A JP2004252376A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 組み合わせレンズの製造方法 |
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JP2003045069A JP2004252376A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 組み合わせレンズの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010119726A1 (ja) * | 2009-04-13 | 2010-10-21 | コニカミノルタオプト株式会社 | ウエハレンズの製造方法 |
CN104591527A (zh) * | 2015-02-09 | 2015-05-06 | 王磊 | 一种后支撑的真空玻璃制作方法 |
CN110869200A (zh) * | 2017-06-30 | 2020-03-06 | 株式会社尼康 | 制造光学器件的方法及相应的系统 |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003045069A patent/JP2004252376A/ja active Pending
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