JP2004252176A - 点字表示装置 - Google Patents
点字表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004252176A JP2004252176A JP2003042659A JP2003042659A JP2004252176A JP 2004252176 A JP2004252176 A JP 2004252176A JP 2003042659 A JP2003042659 A JP 2003042659A JP 2003042659 A JP2003042659 A JP 2003042659A JP 2004252176 A JP2004252176 A JP 2004252176A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- braille
- pin
- display surface
- line
- braille display
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- User Interface Of Digital Computer (AREA)
Abstract
【課題】点字ピンを選択的に突出させて、一行分の点字情報を表示可能な点字表示装置において、点字ピンを駆動するためのピン駆動機構の小型化、省電力化および製造コストの低減化を図ること。
【解決手段】点字表示装置1の点字表示面3では、各点字を表示するための6本ずつの点字ピン16が一行分配列されている。点字ピン16を駆動するための駆動機構20は指先Pと共に点字行方向Xに移動する駆動ユニット4と、駆動ユニット4に搭載された二文字分の点字ピン16を同時に駆動可能な12個のピン駆動素子21とを備えている。指先Pの移動位置、即ち駆動ユニット4の移動位置を検出し、当該位置に対応する二文字分の12本の点字ピン16を、駆動ユニット4の12個のピン駆動素子21により選択的に突出させる。指先Pが位置している部位の点字情報のみを提示すればよいので、駆動機構20の小型化、省電力化、コスト低減化を達成できる。
【選択図】 図2
【解決手段】点字表示装置1の点字表示面3では、各点字を表示するための6本ずつの点字ピン16が一行分配列されている。点字ピン16を駆動するための駆動機構20は指先Pと共に点字行方向Xに移動する駆動ユニット4と、駆動ユニット4に搭載された二文字分の点字ピン16を同時に駆動可能な12個のピン駆動素子21とを備えている。指先Pの移動位置、即ち駆動ユニット4の移動位置を検出し、当該位置に対応する二文字分の12本の点字ピン16を、駆動ユニット4の12個のピン駆動素子21により選択的に突出させる。指先Pが位置している部位の点字情報のみを提示すればよいので、駆動機構20の小型化、省電力化、コスト低減化を達成できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の点字ピンを点字表示面から選択的に突出させることにより点字一文字を指先触覚情報として提示可能な点字表示装置に関するものである。更に詳しくは、所定の文字数からなる一行分の点字情報を表示可能な点字表示面を備えた点字表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点字は、一文字分の枡領域に、3行2列の6ドット表示あるいは4行2列の8ドット表示により、一文字分の点字が指先触覚情報として提示されるように構成されている。点字をかかる指先触覚情報として提示可能な点字表示装置としては、複数本の点字ピンを点字表示面から選択的に突出させることにより点字一文字分の指先触覚情報を提示するように構成されたものが知られている。
【0003】
この構成の点字表示装置では、一般に、一行分の点字、例えば32文字からなる一行分の点字情報(指先触覚情報)を提示可能な点字表示面を備えている。一行分の点字情報を提示するために、一行分の点字情報を同時に提示可能な本数の点字ピンが点字表示面から突出可能な状態に配列されている。また、各点字ピンを駆動するために、点字ピンに対応する個数のピン駆動素子も配列されている。ピン駆動素子は、例えば、電磁駆動式のプランジャなどが採用されている。このような構成を備えた一行分の点字情報を提示する点字表示装置は、例えば、次の特許文献に開示されている。
【0004】
【特許文献】
特開平8−241033号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一行分の点字情報を提示可能な点字表示装置では、一行分の点字情報を提示するために必要な点字ピンの本数に対応した個数のピン駆動素子が必要である。例えば、一行が32文字からなり、一文字が6本の点字ピンにより表示される場合には、192個ものピン駆動素子(=32×6)が必要になる。このために、点字ピンの駆動機構は、そのサイズが大きく、また、製造コストも高いという問題点がある。さらには、その消費電力も大きいという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、この点に鑑みて、小型・コンパクトで廉価に製造でき、しかも消費電力も少なくて済むピン駆動機構を用いて一行分の点字情報を提示可能な点字表示装置を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、所定の文字数からなる一行分の点字情報を提示する点字表示面を有し、前記点字表示面上において、点字一文字分の情報が、それぞれ、複数本の点字ピンを選択的に点字表示面から突出させることにより提示される点字表示装置において、
前記点字表示面をなぞる指先の位置を検出する検出手段と、
少なくとも、点字一文字を提示するために必要な本数の点字ピンを同時に駆動するために必要なピン駆動素子を備えたピン駆動機構と、
前記点字表示面における前記検出手段によって検出された指先位置に対応する位置において、前記ピン駆動機構の前記ピン駆動素子により、前記指先位置に配列されている前記点字ピンを選択的に駆動して、前記一行分の点字情報における前記指先位置に対応する部分の点字情報を提示させる制御手段と、
を有していることを特徴としている。
【0008】
本発明の点字表示装置では、点字表示面をなぞる指先の位置を検出し、指先位置に対応する部位における点字ピンを駆動するようにしている。すなわち、指先がなぞっている点字行の部分の点字情報のみを提示するようにしている。従って、同時に一行分の点字情報を提示していた従来の点字表示装置とは異なり、ピン駆動機構におけるピン駆動素子の個数を大幅に減らすことができる。よって、ピン駆動機構を小型でコンパクトに構成でき、その製造コストを低減できる。さらには、同時に駆動されるピン駆動素子の個数が少ないので、ピン駆動機構の省電力化も達成できる。
【0009】
本発明の点字表示装置において、前記ピン駆動機構は、前記点字表示面をなぞる指先と共に前記点字表示面に沿って往復移動可能な駆動ユニットを備えたものとすることができ、この場合には、前記駆動ユニットに前記ピン駆動素子を搭載すればよい。この構成によれば、駆動ユニットは点字表示面をなぞる指先と共に移動するので、指先の位置検出は駆動ユニットの移動位置を検出することにより実現できる。
【0010】
ここで、前記検出手段によって、前記駆動ユニットの位置、移動方向および移動速度を検出することにより、前記制御手段は、前記駆動ユニットの移動に同期させて、前記ピン駆動素子により前記点字ピンを選択駆動することができる。
【0011】
また、複数行の点字情報を提示する場合には、前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を配置し、前記制御手段は、前記入力手段から切り替え指示があると、前記点字表示面に提示可能な一行分の点字情報を、先行する行あるいは後続する行の点字情報に切り替えるようにすればよい。
【0012】
次に、本発明の点字表示装置は、前記点字表示面から突出した前記点字ピンを所定期間、突出状態に保持する保持手段を有していることを特徴としている。この場合には、指先が移動しても所定期間の間は、点字ピンが突出状態に保持されるので、一文字分の点字情報を表示するために必要な本数の点字ピンを同時に駆動しなくても良い。
【0013】
すなわち、点字一文字を提示するために用いる点字ピンのうち、左右いずれかの列を構成している点字ピンを同時に駆動するために必要な本数のピン駆動素子を備えたピン駆動機構を採用し、点字一文字の左右一方の列の点字ピンを同時に駆動し、次に、指先の移動方向にピン駆動素子を移動して、他方の列の点字ピンを同時に駆動すればよい。最初に駆動された点字ピンは、保持手段によって所定の期間の間はその駆動状態に保持される。よって、左右の列の駆動ピンが駆動された状態が所定期間だけ保持される。換言すると、一文字分の点字情報が所定期間提示される。
【0014】
よって、保持手段を有している場合には、ピン駆動素子の本数を更に低減できるので、駆動機構の更なる小型・コンパクト化、省電力化を実現できる。
【0015】
ここで、保持手段としては、摩擦力によって前記点字ピンを前記突出状態に保持可能な摩擦ダンパを用いることができる。
【0016】
また、前記保持手段としては、前記点字ピンに機械的に係合して当該点字ピンを前記突出状態に保持する係合部材を用いることができる。この構成によれば、一行分の点字情報を同時に提示した状態を形成できる。
【0017】
この場合、指先が前記点字表示面に表示されている一行分の点字情報の最終端に到ったときに前記係合部材による係合を解除するように構成することができる。
【0018】
ここで、前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を有している場合には、この入力手段を、前記係合部材を前記点字ピンから外すための入力手段として機能させることもできる。
【0019】
次に、本発明において、駆動される前記点字ピンは、前記検出された指先位置の進行方向に位置し、駆動される時には指先に接触していないことが望ましい。このようにすれば、点字ピンが駆動されている時には指先Pによる押圧力を受けていないので、点字ピンを突出方向へ移動させるために必要なエネルギを最小限にすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した点字表示装置の実施の形態を説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る点字表示装置の外観を示す概略斜視図である。点字表示装置1は、横長の装置ケース2と、この装置ケース2の上面に形成された横長の点字表示面3と、点字表示面3に沿ってその長手方向(点字行方向)Xに往復移動可能な駆動ユニット4を有している。点字表示面3は、所定文字数からなる一行分の点字情報を表示するためのものである。
【0022】
本例では、点字表示面3の左側に隣接した位置に行送りボタン5が配列され、点字表示面3の右側に隣接した位置に行戻しボタン6が配列されている。行送りボタン5を押すと、点字表示面3に表示されている点字行が後続の点字行に切り替わり、行戻しボタン6を押すと、点字表示面3に表示されている点字行が先行する点字行に戻るようになっている。また、装置ケース2の左側端面における下側部位に電源スイッチ7が配置されている。
【0023】
駆動ユニット4は、点字表示面3をなぞるために当該点字表示面3に載せた指先Pを差し込むための凹部8を備えている。図に示すように指先Pを点字表示面3に載せると共に凹部8に差し込み、この状態で指先Pを点字表示面3の一方の端から他方の端に向けてなぞると、指先Pと一緒に駆動ユニット4が点字行方向に移動する。一般的には、点字表示面3の左端が点字行の先頭とされ、指先Pを点字表示面3の左端P1(図において実線で示す位置)から右端P2(図において想像線で示す位置)に向けてなぞることにより、一行分の点字情報の読み取りが行われる。なお、駆動ユニット4の移動情報(移動位置、移動方向、移動速度)は光学式のリニアエンコーダなどからなるセンサ(図4参照)からの検出信号に基づき検出されるようになっている。
【0024】
図2は点字表示装置1の点字表示面3および駆動ユニット4を示す概略部分斜視図であり、図3はそのIII−III線で切断した部分を示す概略部分断面図である。これらの図を参照して説明すると、点字表示面3は、左右に細長い一定厚さの点字表示板11の表面によって直接あるいは間接的に規定されている。点字表示面3は例えば32文字分の点字枡領域(一点鎖線で示す領域)12(n)(n=1、2・・・32)に仕切られ、各点字枡領域12(n)に対応する点字表示板11の部位には、それぞれ3行2列のピン孔13が形成されている。点字表示板11の下側には一定の間隔で平行にほぼ同一形状のピン支持板14が平行に配置されている。このピン支持板14における対応する部分にもピン孔15が同様に形成されている。
【0025】
点字表示板11およびピン支持板14における対応するピン孔13、15には、これらを貫通した状態で点字ピン16が配置されている(図2において2本の点字ピンのみを示す)。各点字ピン16は点字表示面3に垂直な方向に延びており、ピン孔13、15内を摺動可能である。図3から分かるように、各点字ピン16は、同一外径寸法のピン本体部分16aと、ピン本体部分16aの途中位置に形成された大径の円環状の抜け止め16bとを備えており、ピン本体部分16aの先端部分は点字構成用ドットと同様な円弧状の先細り形状のピン先端部16cとされている。また、各点字ピン16は、点字表示板11の裏面と抜け止め16bの間に装着されている復帰ばね17によって下方に付勢されている。すなわち、抜け止め16bが下側のピン支持板14の表面に当接して、ピン先端部16cが点字表示面3よりも下側に引き込まれた引き込み状態に保持されている。
【0026】
このように、点字表示面3には、32文字分の点字枡領域12(n)が配列され、各点字枡領域にはそれぞれ3行2列構成で6本の点字ピン16が配列されている。これら6本の点字ピン16を選択的に点字表示面3から上方に突出させることにより、各点字を指先触覚情報として提示可能である。なお、図3に示すように、一般に、一文字分を構成している点字ピン15の列間隔は約2.3mmであり、隣接する点字を構成している点字ピン15の列間隔は約3.3mmである。
【0027】
ここで、この構成の点字ピン16の下端には、同軸状態で大径の係合円盤18が連結されている。この係合円盤18の下面が円形の係合面18aとされ、この係合面18aの外周縁には上方に向けて広がったテーパ部分18bが連続している。
【0028】
次に、図2、3を参照して、各点字ピン16を、そのピン先端部分16cが点字表示面3から突出した突出状態に移動させるためのピン駆動機構を説明する。本例のピン駆動機構20は、駆動ユニット4と、この駆動ユニット4に搭載された複数のピン駆動素子21を有している。駆動ユニット4は、前後一対のユニットガイド軸22a、22bに沿って、点字行方向Xに往復移動可能である。この駆動ユニット4は、ユニットガイド軸22a、22bに架け渡された水平板部分23と、この水平板部分23の前端から垂直に起立している垂直板部分24とを備えている。
【0029】
水平板部分23はピン支持板14の裏面に平行に対峙しており、ここには、点字二文字分の点字ピン16に対応する個数のピン駆動素子21が搭載されている。本例では、点字二文字分の12本の点字ピン16に対応する配列状態で、12個のピン駆動素子21が配列されている。各ピン駆動素子21は、昇降ロッド21aと、この昇降ロッド21aを昇降させるための駆動部21bを備えている。例えば、電磁駆動式のプランジャを各ピン駆動素子21に採用することができる。勿論、これ以外の駆動素子を用いることも可能である。
【0030】
駆動ユニット4の垂直板部分24の上半部分は、点字表示面3から上方に突出しており、その上端部分には、当該部分をU字状に切り欠くことにより、指先差し込み用の凹部8が形成されている。指先Pをこの凹部8に差し込み、この状態で指先Pを点字表示面3に沿って点字行方向Xに移動すると、駆動ユニット4は指先と一緒に点字行方向Xに移動する。駆動ユニット4のピン駆動素子21が、隣接する点字二文字を構成している12本の点字ピン16に対応する部位に位置した状態で、ピン駆動素子21を駆動してその昇降ロッド21aを押し上げると、対応する点字ピン16が突出状態に切り替わる。
【0031】
ここで、ピン駆動素子21は点字ピン16の下端に連結した係合円盤18の係合面18aに係合する。係合面18aは点字行方向Xに向けて所定の長さ寸法を備えている。従って、駆動ユニット4と共に点字行方向Xに移動するピン駆動素子21は、点字ピン16に対して同軸状態になる手前の時点から点字ピン16を突出状態にすることができる。また、ピン駆動素子21が係合面18aから外れるまでの間、点字ピン16を突出状態に保持できる。
【0032】
次に、図4は点字表示装置1の制御系を示す概略ブロック図である。この図に示すように、点字表示装置1の制御系は、制御回路31と、点字表示面3に表示するための多数行の点字情報が保持されているメモリ32と、点字表示面3に表示される一行分の点字情報が展開されるラスタメモリ33と、ピン駆動機構20の各ピン駆動素子21を駆動するピンドライバ34を有している。制御回路31は、センサ35によって検出された駆動ユニット4の位置情報に基づき、ピンドライバ34を駆動して、指先Pのなぞりに同期させて、点字情報の提示を行う。
【0033】
詳細に説明すると、電源スイッチ7(図1参照)を操作して点字表示装置1をオンすると、メモリ32から最初の一行分の点字情報が出力され、ラスタメモリ33に展開される。本例では例えば、32文字分の点字情報が出力される。一方、駆動ユニット4の位置情報はセンサ35の検知信号に基づき、制御回路31において検出される。指先Pが差し込まれていない状態では駆動ユニット4は静止しており、その位置が制御回路31において検出される。
【0034】
制御回路31からは、検出された駆動ユニット4の位置に対応する点字表示面3上に配列されている二文字分の12本の点字ピン16を表す駆動ピン位置信号31sがピンドライバ34に出力される。一方、ラスタメモリ33からは、一行分の点字情報を表す信号、すなわち、32文字分の点字情報を提示するためにいずれの点字ピン16を突出状態に切り替えるのかを表すピン駆動信号33sがピンドライバ34に出力される。
【0035】
ピンドライバ34では、これら駆動ピン位置信号31sおよびピン駆動信号33sの論理積を求め、駆動ピン位置信号31sによって表される12本の点字ピン16のうち、ピン駆動信号33sによって指示されている駆動対象の点字ピンに対応するピン駆動素子21に対して駆動信号34sを出力する。この駆動信号34sによって、駆動対象のピン駆動素子22が駆動され、12本の点字ピン16が選択的に突出状態とされる。この結果、点字表示面3は、駆動ユニット4が位置している部位に、二文字分の点字情報が提示された状態になる。
【0036】
説明を簡単にするために、駆動ユニット4が点字表示面3の左端P1に位置しているものとする(図1参照)。この状態においては、点字表示面3には一行分の点字情報における先頭の二文字分の点字が表示される。この状態において、操作者は、指先Pを、点字表示面3に載せた状態で駆動ユニット4の凹部8に差し込む。この状態で、指先Pを点字行方向Xに向けて移動させながら、点字表示面3をなぞると、指先Pの移動位置における点字表示面3の部位に、指先Pの移動に同期して、二文字分ずつの点字情報が提示される。
【0037】
すなわち、指先Pが先頭位置P1から移動すると、それに伴って駆動ユニット4も同一方向に向けて、同一速度で移動する。駆動ユニット4の移動位置、移動方向および移動速度は、リニアエンコーダなどからなるセンサ35からの信号に基づき、制御回路31においてリアルタイムで検知される。検知された移動位置に対応する点字ピン16を表す駆動ピン位置信号31sが、駆動ユニット4の移動に同期して、ドライバ34に出力される。よって、駆動ユニット4の移動位置、換言すると指先Pによる点字表示面3上の移動位置に、常に、二文字分の点字情報が提示される。
【0038】
ここで、行送りボタン5が押されると、行送り指示信号が発生して制御回路31に入力される。制御回路31では、この行送り指示信号を受け取ると、ラスタメモリ32に展開されている一行分の点字情報を、後続の一行分の点字情報に切り替える。逆に、行戻しボタン6が押されると、行戻し指示信号が発生して制御回路31に入力される。制御回路31では、ラスタメモリ32に展開されている一行分の点字情報を、先行する一行分の点字情報に切り替える。従って、これらのボタン5、6を操作することにより、点字表示面3上に、多数行の点字情報を順次に切り替え表示することができる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態に係る点字表示装置1では、一行分の文字情報を提示するために必要な点字ピン本数よりも少ないピン駆動素子を用いて、あたかも一行分の点字を任意の速度で指先でなぞって読み取る場合と同様に、点字情報を提示することができる。よって、一行分の点字情報の読み取り容易性を阻害することなく、ピン駆動機構20を小型でコンパクトに構成でき、しかもその省電力化も達成できる。
【0040】
(実施の形態2)
図5および図6は、本発明を適用した実施の形態2に係る点字表示装置の主要部分を示す概略斜視図および概略断面図である。本実施の形態に係る点字表示装置40の基本構成は図1〜図4に示す実施の形態1に係る点字表示装置1と同様である。よって、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略し、特徴となる部分についてのみ説明する。
【0041】
点字表示装置40の駆動機構20Aでは、駆動ユニット4に3個のピン駆動素子21が搭載されている。3個のピン駆動素子21は、各点字枡領域における6本の点字ピン16のうち、左あるいは右側の列に配列されている3本の点字ピン16を同時駆動可能なものである。
【0042】
また、点字表示装置40は、点字ピン16を突出状態に保持するための保持手段として機能する摩擦ダンパ41を備えている。すなわち、各点字ピン16の下端には、外周面に螺旋溝42が形成されたねじ部43が同軸状態に連結されている。ピン支持板14Aの側には、螺旋溝42に係合しているラチェット歯を先端に備えた板ばねからなるラチェット44が形成されている。ラチェット44は点字ピン16の突出方向に向けて斜めに突出した状態で螺旋溝42に係合しており、点字ピン16の突出時には点字ピン16に作用する負荷が少ない。従って、ピン駆動素子21によって点字ピン16を押し上げると、ラチェット44のラチェット歯が螺旋溝42から外れ、点字ピン16は回転せずに速やかに突出状態に移行する。ラチェット44のラチェット歯は、点字ピン16の外周を付勢しているので、やがて螺旋溝42と係合する。
【0043】
しかるに、突出状態となった点字ピン16がピン駆動素子21から開放された後は、点字ピン16は復帰ばね17のばね力によって、ゆっくりと引き込み状態に復帰する。すなわち、ラチェット44の係合により、点字ピン16は突出時とは逆方向に回転しながら引き込み状態に復帰する。逆回転時にはラチェット44によって大きな負荷が作用するので、点字ピン16が引き込み状態に復帰するために所定の時間が掛かる。
【0044】
また、突出状態の点字ピン16のピン先端部16aに指先Pが接触している状態においては、点字ピン16の回転が拘束される。この結果、点字ピン16は突出状態に保持されることになる。
【0045】
このように、本実施の形態に係る点字表示装置40では、螺旋溝42が形成されたねじ部43と、ラチェット44からなる摩擦ダンバ41を備えており、摩擦ダンパ41によって突出状態の点字ピン16が所定期間、点字表示面3から突出した状態に保持される。従って、指先Pの移動に同期させて、3本ずつ点字ピン16を選択的に駆動すれば、所定期間の間は、少なくとも点字一文字を構成する6本の点字ピン16が同時に選択的に駆動された状態になる。よって、指先Pの移動に同期させながら点字情報を提示することができる。
【0046】
本実施の形態に係る点字表示装置40によれば、点字情報の提示のために必要なピン駆動素子の個数を更に少なくできるので、ピン駆動機構の更なる小型・コンパクト化、並びに省電力化を実現できる。
【0047】
また、図6における指先Pとピン駆動素子21の位置関係に示す様に、ピン駆動素子21により駆動される点字ピン16は、指先Pの移動方向に先行しており、駆動されている時には指先Pによる押圧力を受けていないために、突出方向へのエネルギは必要最小限で良い。
【0048】
(実施の形態3)
図7、図8および図9は、本発明を適用した実施の形態3に係る点字表示装置の主要部分を示す概略斜視図、概略断面図および点字ピン保持板を示す部分斜視図である。本実施の形態に係る点字表示装置50の基本構成も図1〜図4に示す実施の形態1に係る点字表示装置1と同様である。よって、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略し、特徴となる部分についてのみ説明する。
【0049】
本実施の形態に係る点字表示装置50のピン駆動機構20Bでは、その駆動ユニット4に3個のピン駆動素子21が搭載されている。また、点字ピン16を突出状態に保持するための保持手段として機能する保持板51を備えている。
【0050】
保持板51は、ピン支持板14の表面に配置されており、各点字ピン16の抜け止め16bの下側に係合可能な板ばね52を備えている。板ばね52は各点字ピン16に対応した部位に形成されており、その先端部分52aは点字ピン16の突出方向に向けて傾斜している。従って、点字ピン16を突出させると、点字ピン16の抜け止め16bは板ばね52を側方に押しながら突出状態になる。抜け止め16bが板ばね52を乗り越えると、板ばね52は弾性復帰して抜け止め16bの下側位置に戻る。従って、この後は、板ばね52が点字ピン16に機械的に係合した状態が形成され、点字ピン16が突出状態に保持される。
【0051】
ここで、保持板51の右端にはピン支持板14の端から下方に直角に折れ曲がった操作レバー53が形成されている。また、保持板51は、全体として、点字行方向Xの左側に向けて常にばね54によって引張られており、操作レバー53はピン支持板14の右端面14bに当接状態とされている。図8において想像線で示すように、駆動ユニット4が右端に到ると、駆動ユニット4の右端面4aによって操作レバー53が押されて、保持板51は全体として右側に所定量だけ移動する。
【0052】
この結果、突出状態にある点字ピン16の抜け止め16bに係合していた板ばね52が抜け止め16bから外れ、突出状態の点字ピン16が復帰ばね17のばね力によって引き込み状態に復帰する。この例では操作レバー53を保持板51の右端に配置した事例で説明したが、操作レバー53は反対側のP1(図1)のさらに左端に設置し、保持板51およびばね54の位置関係を全く逆にしても良い。その場合は行送りボタン5(図1)と連動させておけば、毎行行送りボタン5を押さなくても、操作レバー53を駆動ユニット4を介して指先Pで押すことで、改行と点字ピン16の復帰を同時に実施できる。
【0053】
本実施の形態に係る点字表示装置50では、保持板51の板ばね52によって点字ピン16が突出状態に保持される。従って、上記の実施の形態2に係る点字表示装置40と同様に、少ないピン駆動素子により点字情報を提示できるので、ピン駆動機構20Bの小型・コンパクト化およびその省電力化を達成できる。また、本実施の形態では、一行分の点字情報が同時の提示された状態を形成することができると利点もある。つまり、この実施例では、操作レバー53を操作するまではすでに突出した点字ピン16は復帰しないので、行の途中から左側への読み直しも可能である。
【0054】
図8から明らかなように、実施の形態2と同様に、ピン駆動素子21により駆動される点字ピン16は、指先Pの移動方向に先行しており、駆動されている時には指先Pによる押圧力を受けていないために、突出方向へのエネルギは必要最小限で良い。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の点字表示装置は、一行分の点字情報を表示するための点字表示面をなぞる指先の移動位置を検出し、指先の位置に対応する点字表示面の部位に位置する点字ピンを選択的に駆動して点字情報を提示するようにしている。従って、指先が位置している部位の点字ピンのみを同時駆動すればよい。よって、一行分の点字ピンのそれぞれに対応してピン駆動素子が設けられている従来の点字表示装置に比べて、ピン駆動素子の個数を減らすことができる。この結果、ピン駆動機構の小型・コンパクト化および、その製造コストの低減化を達成でき、しかも、その省電力化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態1に係る点字表示装置を示す外観図である。
【図2】図1の点字表示装置の主要部分を示す概略部分斜視図である。
【図3】図2のIII−III線で切断した部分を示す概略部分断面図である。
【図4】図1の点字表示装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明を適用した実施の形態2に係る点字表示装置の主要部分を示す概略部分斜視図である。
【図6】図5の点字表示装置の概略部分断面図である。
【図7】本発明を適用した実施の形態3に係る点字表示装置の主要部分を示す概略部分斜視図である。
【図8】図7の点字表示装置の概略部分断面図である。
【図9】図7の点字表示装置の保持板を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1、40、50 点字表示装置、2 装置ケース、3 点字表示面、4 駆動ユニット、5 行送りボタン、6 行戻しボタン、7 電源スイッチ、8 凹部、11 点字表示板、12(n) 点字枡領域、13 ピン孔、14 ピン支持板、15 ピン孔、16 点字ピン、16b 抜け止め、17 復帰ばね、18 係合円盤、20、20A ピン駆動機構、21 ピン駆動素子、21a 昇降ロッド、21b 駆動部、31 制御回路、32 メモリ、33 ラスタメモリ、34 ピンドライバ、35 センサ、41 摩擦ダンパ、42 螺旋溝、43 ねじ部、44 ラチェット、51 保持板、52 板ばね、53 操作レバー、54 ばね
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の点字ピンを点字表示面から選択的に突出させることにより点字一文字を指先触覚情報として提示可能な点字表示装置に関するものである。更に詳しくは、所定の文字数からなる一行分の点字情報を表示可能な点字表示面を備えた点字表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点字は、一文字分の枡領域に、3行2列の6ドット表示あるいは4行2列の8ドット表示により、一文字分の点字が指先触覚情報として提示されるように構成されている。点字をかかる指先触覚情報として提示可能な点字表示装置としては、複数本の点字ピンを点字表示面から選択的に突出させることにより点字一文字分の指先触覚情報を提示するように構成されたものが知られている。
【0003】
この構成の点字表示装置では、一般に、一行分の点字、例えば32文字からなる一行分の点字情報(指先触覚情報)を提示可能な点字表示面を備えている。一行分の点字情報を提示するために、一行分の点字情報を同時に提示可能な本数の点字ピンが点字表示面から突出可能な状態に配列されている。また、各点字ピンを駆動するために、点字ピンに対応する個数のピン駆動素子も配列されている。ピン駆動素子は、例えば、電磁駆動式のプランジャなどが採用されている。このような構成を備えた一行分の点字情報を提示する点字表示装置は、例えば、次の特許文献に開示されている。
【0004】
【特許文献】
特開平8−241033号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一行分の点字情報を提示可能な点字表示装置では、一行分の点字情報を提示するために必要な点字ピンの本数に対応した個数のピン駆動素子が必要である。例えば、一行が32文字からなり、一文字が6本の点字ピンにより表示される場合には、192個ものピン駆動素子(=32×6)が必要になる。このために、点字ピンの駆動機構は、そのサイズが大きく、また、製造コストも高いという問題点がある。さらには、その消費電力も大きいという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、この点に鑑みて、小型・コンパクトで廉価に製造でき、しかも消費電力も少なくて済むピン駆動機構を用いて一行分の点字情報を提示可能な点字表示装置を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、所定の文字数からなる一行分の点字情報を提示する点字表示面を有し、前記点字表示面上において、点字一文字分の情報が、それぞれ、複数本の点字ピンを選択的に点字表示面から突出させることにより提示される点字表示装置において、
前記点字表示面をなぞる指先の位置を検出する検出手段と、
少なくとも、点字一文字を提示するために必要な本数の点字ピンを同時に駆動するために必要なピン駆動素子を備えたピン駆動機構と、
前記点字表示面における前記検出手段によって検出された指先位置に対応する位置において、前記ピン駆動機構の前記ピン駆動素子により、前記指先位置に配列されている前記点字ピンを選択的に駆動して、前記一行分の点字情報における前記指先位置に対応する部分の点字情報を提示させる制御手段と、
を有していることを特徴としている。
【0008】
本発明の点字表示装置では、点字表示面をなぞる指先の位置を検出し、指先位置に対応する部位における点字ピンを駆動するようにしている。すなわち、指先がなぞっている点字行の部分の点字情報のみを提示するようにしている。従って、同時に一行分の点字情報を提示していた従来の点字表示装置とは異なり、ピン駆動機構におけるピン駆動素子の個数を大幅に減らすことができる。よって、ピン駆動機構を小型でコンパクトに構成でき、その製造コストを低減できる。さらには、同時に駆動されるピン駆動素子の個数が少ないので、ピン駆動機構の省電力化も達成できる。
【0009】
本発明の点字表示装置において、前記ピン駆動機構は、前記点字表示面をなぞる指先と共に前記点字表示面に沿って往復移動可能な駆動ユニットを備えたものとすることができ、この場合には、前記駆動ユニットに前記ピン駆動素子を搭載すればよい。この構成によれば、駆動ユニットは点字表示面をなぞる指先と共に移動するので、指先の位置検出は駆動ユニットの移動位置を検出することにより実現できる。
【0010】
ここで、前記検出手段によって、前記駆動ユニットの位置、移動方向および移動速度を検出することにより、前記制御手段は、前記駆動ユニットの移動に同期させて、前記ピン駆動素子により前記点字ピンを選択駆動することができる。
【0011】
また、複数行の点字情報を提示する場合には、前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を配置し、前記制御手段は、前記入力手段から切り替え指示があると、前記点字表示面に提示可能な一行分の点字情報を、先行する行あるいは後続する行の点字情報に切り替えるようにすればよい。
【0012】
次に、本発明の点字表示装置は、前記点字表示面から突出した前記点字ピンを所定期間、突出状態に保持する保持手段を有していることを特徴としている。この場合には、指先が移動しても所定期間の間は、点字ピンが突出状態に保持されるので、一文字分の点字情報を表示するために必要な本数の点字ピンを同時に駆動しなくても良い。
【0013】
すなわち、点字一文字を提示するために用いる点字ピンのうち、左右いずれかの列を構成している点字ピンを同時に駆動するために必要な本数のピン駆動素子を備えたピン駆動機構を採用し、点字一文字の左右一方の列の点字ピンを同時に駆動し、次に、指先の移動方向にピン駆動素子を移動して、他方の列の点字ピンを同時に駆動すればよい。最初に駆動された点字ピンは、保持手段によって所定の期間の間はその駆動状態に保持される。よって、左右の列の駆動ピンが駆動された状態が所定期間だけ保持される。換言すると、一文字分の点字情報が所定期間提示される。
【0014】
よって、保持手段を有している場合には、ピン駆動素子の本数を更に低減できるので、駆動機構の更なる小型・コンパクト化、省電力化を実現できる。
【0015】
ここで、保持手段としては、摩擦力によって前記点字ピンを前記突出状態に保持可能な摩擦ダンパを用いることができる。
【0016】
また、前記保持手段としては、前記点字ピンに機械的に係合して当該点字ピンを前記突出状態に保持する係合部材を用いることができる。この構成によれば、一行分の点字情報を同時に提示した状態を形成できる。
【0017】
この場合、指先が前記点字表示面に表示されている一行分の点字情報の最終端に到ったときに前記係合部材による係合を解除するように構成することができる。
【0018】
ここで、前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を有している場合には、この入力手段を、前記係合部材を前記点字ピンから外すための入力手段として機能させることもできる。
【0019】
次に、本発明において、駆動される前記点字ピンは、前記検出された指先位置の進行方向に位置し、駆動される時には指先に接触していないことが望ましい。このようにすれば、点字ピンが駆動されている時には指先Pによる押圧力を受けていないので、点字ピンを突出方向へ移動させるために必要なエネルギを最小限にすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した点字表示装置の実施の形態を説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る点字表示装置の外観を示す概略斜視図である。点字表示装置1は、横長の装置ケース2と、この装置ケース2の上面に形成された横長の点字表示面3と、点字表示面3に沿ってその長手方向(点字行方向)Xに往復移動可能な駆動ユニット4を有している。点字表示面3は、所定文字数からなる一行分の点字情報を表示するためのものである。
【0022】
本例では、点字表示面3の左側に隣接した位置に行送りボタン5が配列され、点字表示面3の右側に隣接した位置に行戻しボタン6が配列されている。行送りボタン5を押すと、点字表示面3に表示されている点字行が後続の点字行に切り替わり、行戻しボタン6を押すと、点字表示面3に表示されている点字行が先行する点字行に戻るようになっている。また、装置ケース2の左側端面における下側部位に電源スイッチ7が配置されている。
【0023】
駆動ユニット4は、点字表示面3をなぞるために当該点字表示面3に載せた指先Pを差し込むための凹部8を備えている。図に示すように指先Pを点字表示面3に載せると共に凹部8に差し込み、この状態で指先Pを点字表示面3の一方の端から他方の端に向けてなぞると、指先Pと一緒に駆動ユニット4が点字行方向に移動する。一般的には、点字表示面3の左端が点字行の先頭とされ、指先Pを点字表示面3の左端P1(図において実線で示す位置)から右端P2(図において想像線で示す位置)に向けてなぞることにより、一行分の点字情報の読み取りが行われる。なお、駆動ユニット4の移動情報(移動位置、移動方向、移動速度)は光学式のリニアエンコーダなどからなるセンサ(図4参照)からの検出信号に基づき検出されるようになっている。
【0024】
図2は点字表示装置1の点字表示面3および駆動ユニット4を示す概略部分斜視図であり、図3はそのIII−III線で切断した部分を示す概略部分断面図である。これらの図を参照して説明すると、点字表示面3は、左右に細長い一定厚さの点字表示板11の表面によって直接あるいは間接的に規定されている。点字表示面3は例えば32文字分の点字枡領域(一点鎖線で示す領域)12(n)(n=1、2・・・32)に仕切られ、各点字枡領域12(n)に対応する点字表示板11の部位には、それぞれ3行2列のピン孔13が形成されている。点字表示板11の下側には一定の間隔で平行にほぼ同一形状のピン支持板14が平行に配置されている。このピン支持板14における対応する部分にもピン孔15が同様に形成されている。
【0025】
点字表示板11およびピン支持板14における対応するピン孔13、15には、これらを貫通した状態で点字ピン16が配置されている(図2において2本の点字ピンのみを示す)。各点字ピン16は点字表示面3に垂直な方向に延びており、ピン孔13、15内を摺動可能である。図3から分かるように、各点字ピン16は、同一外径寸法のピン本体部分16aと、ピン本体部分16aの途中位置に形成された大径の円環状の抜け止め16bとを備えており、ピン本体部分16aの先端部分は点字構成用ドットと同様な円弧状の先細り形状のピン先端部16cとされている。また、各点字ピン16は、点字表示板11の裏面と抜け止め16bの間に装着されている復帰ばね17によって下方に付勢されている。すなわち、抜け止め16bが下側のピン支持板14の表面に当接して、ピン先端部16cが点字表示面3よりも下側に引き込まれた引き込み状態に保持されている。
【0026】
このように、点字表示面3には、32文字分の点字枡領域12(n)が配列され、各点字枡領域にはそれぞれ3行2列構成で6本の点字ピン16が配列されている。これら6本の点字ピン16を選択的に点字表示面3から上方に突出させることにより、各点字を指先触覚情報として提示可能である。なお、図3に示すように、一般に、一文字分を構成している点字ピン15の列間隔は約2.3mmであり、隣接する点字を構成している点字ピン15の列間隔は約3.3mmである。
【0027】
ここで、この構成の点字ピン16の下端には、同軸状態で大径の係合円盤18が連結されている。この係合円盤18の下面が円形の係合面18aとされ、この係合面18aの外周縁には上方に向けて広がったテーパ部分18bが連続している。
【0028】
次に、図2、3を参照して、各点字ピン16を、そのピン先端部分16cが点字表示面3から突出した突出状態に移動させるためのピン駆動機構を説明する。本例のピン駆動機構20は、駆動ユニット4と、この駆動ユニット4に搭載された複数のピン駆動素子21を有している。駆動ユニット4は、前後一対のユニットガイド軸22a、22bに沿って、点字行方向Xに往復移動可能である。この駆動ユニット4は、ユニットガイド軸22a、22bに架け渡された水平板部分23と、この水平板部分23の前端から垂直に起立している垂直板部分24とを備えている。
【0029】
水平板部分23はピン支持板14の裏面に平行に対峙しており、ここには、点字二文字分の点字ピン16に対応する個数のピン駆動素子21が搭載されている。本例では、点字二文字分の12本の点字ピン16に対応する配列状態で、12個のピン駆動素子21が配列されている。各ピン駆動素子21は、昇降ロッド21aと、この昇降ロッド21aを昇降させるための駆動部21bを備えている。例えば、電磁駆動式のプランジャを各ピン駆動素子21に採用することができる。勿論、これ以外の駆動素子を用いることも可能である。
【0030】
駆動ユニット4の垂直板部分24の上半部分は、点字表示面3から上方に突出しており、その上端部分には、当該部分をU字状に切り欠くことにより、指先差し込み用の凹部8が形成されている。指先Pをこの凹部8に差し込み、この状態で指先Pを点字表示面3に沿って点字行方向Xに移動すると、駆動ユニット4は指先と一緒に点字行方向Xに移動する。駆動ユニット4のピン駆動素子21が、隣接する点字二文字を構成している12本の点字ピン16に対応する部位に位置した状態で、ピン駆動素子21を駆動してその昇降ロッド21aを押し上げると、対応する点字ピン16が突出状態に切り替わる。
【0031】
ここで、ピン駆動素子21は点字ピン16の下端に連結した係合円盤18の係合面18aに係合する。係合面18aは点字行方向Xに向けて所定の長さ寸法を備えている。従って、駆動ユニット4と共に点字行方向Xに移動するピン駆動素子21は、点字ピン16に対して同軸状態になる手前の時点から点字ピン16を突出状態にすることができる。また、ピン駆動素子21が係合面18aから外れるまでの間、点字ピン16を突出状態に保持できる。
【0032】
次に、図4は点字表示装置1の制御系を示す概略ブロック図である。この図に示すように、点字表示装置1の制御系は、制御回路31と、点字表示面3に表示するための多数行の点字情報が保持されているメモリ32と、点字表示面3に表示される一行分の点字情報が展開されるラスタメモリ33と、ピン駆動機構20の各ピン駆動素子21を駆動するピンドライバ34を有している。制御回路31は、センサ35によって検出された駆動ユニット4の位置情報に基づき、ピンドライバ34を駆動して、指先Pのなぞりに同期させて、点字情報の提示を行う。
【0033】
詳細に説明すると、電源スイッチ7(図1参照)を操作して点字表示装置1をオンすると、メモリ32から最初の一行分の点字情報が出力され、ラスタメモリ33に展開される。本例では例えば、32文字分の点字情報が出力される。一方、駆動ユニット4の位置情報はセンサ35の検知信号に基づき、制御回路31において検出される。指先Pが差し込まれていない状態では駆動ユニット4は静止しており、その位置が制御回路31において検出される。
【0034】
制御回路31からは、検出された駆動ユニット4の位置に対応する点字表示面3上に配列されている二文字分の12本の点字ピン16を表す駆動ピン位置信号31sがピンドライバ34に出力される。一方、ラスタメモリ33からは、一行分の点字情報を表す信号、すなわち、32文字分の点字情報を提示するためにいずれの点字ピン16を突出状態に切り替えるのかを表すピン駆動信号33sがピンドライバ34に出力される。
【0035】
ピンドライバ34では、これら駆動ピン位置信号31sおよびピン駆動信号33sの論理積を求め、駆動ピン位置信号31sによって表される12本の点字ピン16のうち、ピン駆動信号33sによって指示されている駆動対象の点字ピンに対応するピン駆動素子21に対して駆動信号34sを出力する。この駆動信号34sによって、駆動対象のピン駆動素子22が駆動され、12本の点字ピン16が選択的に突出状態とされる。この結果、点字表示面3は、駆動ユニット4が位置している部位に、二文字分の点字情報が提示された状態になる。
【0036】
説明を簡単にするために、駆動ユニット4が点字表示面3の左端P1に位置しているものとする(図1参照)。この状態においては、点字表示面3には一行分の点字情報における先頭の二文字分の点字が表示される。この状態において、操作者は、指先Pを、点字表示面3に載せた状態で駆動ユニット4の凹部8に差し込む。この状態で、指先Pを点字行方向Xに向けて移動させながら、点字表示面3をなぞると、指先Pの移動位置における点字表示面3の部位に、指先Pの移動に同期して、二文字分ずつの点字情報が提示される。
【0037】
すなわち、指先Pが先頭位置P1から移動すると、それに伴って駆動ユニット4も同一方向に向けて、同一速度で移動する。駆動ユニット4の移動位置、移動方向および移動速度は、リニアエンコーダなどからなるセンサ35からの信号に基づき、制御回路31においてリアルタイムで検知される。検知された移動位置に対応する点字ピン16を表す駆動ピン位置信号31sが、駆動ユニット4の移動に同期して、ドライバ34に出力される。よって、駆動ユニット4の移動位置、換言すると指先Pによる点字表示面3上の移動位置に、常に、二文字分の点字情報が提示される。
【0038】
ここで、行送りボタン5が押されると、行送り指示信号が発生して制御回路31に入力される。制御回路31では、この行送り指示信号を受け取ると、ラスタメモリ32に展開されている一行分の点字情報を、後続の一行分の点字情報に切り替える。逆に、行戻しボタン6が押されると、行戻し指示信号が発生して制御回路31に入力される。制御回路31では、ラスタメモリ32に展開されている一行分の点字情報を、先行する一行分の点字情報に切り替える。従って、これらのボタン5、6を操作することにより、点字表示面3上に、多数行の点字情報を順次に切り替え表示することができる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態に係る点字表示装置1では、一行分の文字情報を提示するために必要な点字ピン本数よりも少ないピン駆動素子を用いて、あたかも一行分の点字を任意の速度で指先でなぞって読み取る場合と同様に、点字情報を提示することができる。よって、一行分の点字情報の読み取り容易性を阻害することなく、ピン駆動機構20を小型でコンパクトに構成でき、しかもその省電力化も達成できる。
【0040】
(実施の形態2)
図5および図6は、本発明を適用した実施の形態2に係る点字表示装置の主要部分を示す概略斜視図および概略断面図である。本実施の形態に係る点字表示装置40の基本構成は図1〜図4に示す実施の形態1に係る点字表示装置1と同様である。よって、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略し、特徴となる部分についてのみ説明する。
【0041】
点字表示装置40の駆動機構20Aでは、駆動ユニット4に3個のピン駆動素子21が搭載されている。3個のピン駆動素子21は、各点字枡領域における6本の点字ピン16のうち、左あるいは右側の列に配列されている3本の点字ピン16を同時駆動可能なものである。
【0042】
また、点字表示装置40は、点字ピン16を突出状態に保持するための保持手段として機能する摩擦ダンパ41を備えている。すなわち、各点字ピン16の下端には、外周面に螺旋溝42が形成されたねじ部43が同軸状態に連結されている。ピン支持板14Aの側には、螺旋溝42に係合しているラチェット歯を先端に備えた板ばねからなるラチェット44が形成されている。ラチェット44は点字ピン16の突出方向に向けて斜めに突出した状態で螺旋溝42に係合しており、点字ピン16の突出時には点字ピン16に作用する負荷が少ない。従って、ピン駆動素子21によって点字ピン16を押し上げると、ラチェット44のラチェット歯が螺旋溝42から外れ、点字ピン16は回転せずに速やかに突出状態に移行する。ラチェット44のラチェット歯は、点字ピン16の外周を付勢しているので、やがて螺旋溝42と係合する。
【0043】
しかるに、突出状態となった点字ピン16がピン駆動素子21から開放された後は、点字ピン16は復帰ばね17のばね力によって、ゆっくりと引き込み状態に復帰する。すなわち、ラチェット44の係合により、点字ピン16は突出時とは逆方向に回転しながら引き込み状態に復帰する。逆回転時にはラチェット44によって大きな負荷が作用するので、点字ピン16が引き込み状態に復帰するために所定の時間が掛かる。
【0044】
また、突出状態の点字ピン16のピン先端部16aに指先Pが接触している状態においては、点字ピン16の回転が拘束される。この結果、点字ピン16は突出状態に保持されることになる。
【0045】
このように、本実施の形態に係る点字表示装置40では、螺旋溝42が形成されたねじ部43と、ラチェット44からなる摩擦ダンバ41を備えており、摩擦ダンパ41によって突出状態の点字ピン16が所定期間、点字表示面3から突出した状態に保持される。従って、指先Pの移動に同期させて、3本ずつ点字ピン16を選択的に駆動すれば、所定期間の間は、少なくとも点字一文字を構成する6本の点字ピン16が同時に選択的に駆動された状態になる。よって、指先Pの移動に同期させながら点字情報を提示することができる。
【0046】
本実施の形態に係る点字表示装置40によれば、点字情報の提示のために必要なピン駆動素子の個数を更に少なくできるので、ピン駆動機構の更なる小型・コンパクト化、並びに省電力化を実現できる。
【0047】
また、図6における指先Pとピン駆動素子21の位置関係に示す様に、ピン駆動素子21により駆動される点字ピン16は、指先Pの移動方向に先行しており、駆動されている時には指先Pによる押圧力を受けていないために、突出方向へのエネルギは必要最小限で良い。
【0048】
(実施の形態3)
図7、図8および図9は、本発明を適用した実施の形態3に係る点字表示装置の主要部分を示す概略斜視図、概略断面図および点字ピン保持板を示す部分斜視図である。本実施の形態に係る点字表示装置50の基本構成も図1〜図4に示す実施の形態1に係る点字表示装置1と同様である。よって、対応する部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略し、特徴となる部分についてのみ説明する。
【0049】
本実施の形態に係る点字表示装置50のピン駆動機構20Bでは、その駆動ユニット4に3個のピン駆動素子21が搭載されている。また、点字ピン16を突出状態に保持するための保持手段として機能する保持板51を備えている。
【0050】
保持板51は、ピン支持板14の表面に配置されており、各点字ピン16の抜け止め16bの下側に係合可能な板ばね52を備えている。板ばね52は各点字ピン16に対応した部位に形成されており、その先端部分52aは点字ピン16の突出方向に向けて傾斜している。従って、点字ピン16を突出させると、点字ピン16の抜け止め16bは板ばね52を側方に押しながら突出状態になる。抜け止め16bが板ばね52を乗り越えると、板ばね52は弾性復帰して抜け止め16bの下側位置に戻る。従って、この後は、板ばね52が点字ピン16に機械的に係合した状態が形成され、点字ピン16が突出状態に保持される。
【0051】
ここで、保持板51の右端にはピン支持板14の端から下方に直角に折れ曲がった操作レバー53が形成されている。また、保持板51は、全体として、点字行方向Xの左側に向けて常にばね54によって引張られており、操作レバー53はピン支持板14の右端面14bに当接状態とされている。図8において想像線で示すように、駆動ユニット4が右端に到ると、駆動ユニット4の右端面4aによって操作レバー53が押されて、保持板51は全体として右側に所定量だけ移動する。
【0052】
この結果、突出状態にある点字ピン16の抜け止め16bに係合していた板ばね52が抜け止め16bから外れ、突出状態の点字ピン16が復帰ばね17のばね力によって引き込み状態に復帰する。この例では操作レバー53を保持板51の右端に配置した事例で説明したが、操作レバー53は反対側のP1(図1)のさらに左端に設置し、保持板51およびばね54の位置関係を全く逆にしても良い。その場合は行送りボタン5(図1)と連動させておけば、毎行行送りボタン5を押さなくても、操作レバー53を駆動ユニット4を介して指先Pで押すことで、改行と点字ピン16の復帰を同時に実施できる。
【0053】
本実施の形態に係る点字表示装置50では、保持板51の板ばね52によって点字ピン16が突出状態に保持される。従って、上記の実施の形態2に係る点字表示装置40と同様に、少ないピン駆動素子により点字情報を提示できるので、ピン駆動機構20Bの小型・コンパクト化およびその省電力化を達成できる。また、本実施の形態では、一行分の点字情報が同時の提示された状態を形成することができると利点もある。つまり、この実施例では、操作レバー53を操作するまではすでに突出した点字ピン16は復帰しないので、行の途中から左側への読み直しも可能である。
【0054】
図8から明らかなように、実施の形態2と同様に、ピン駆動素子21により駆動される点字ピン16は、指先Pの移動方向に先行しており、駆動されている時には指先Pによる押圧力を受けていないために、突出方向へのエネルギは必要最小限で良い。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の点字表示装置は、一行分の点字情報を表示するための点字表示面をなぞる指先の移動位置を検出し、指先の位置に対応する点字表示面の部位に位置する点字ピンを選択的に駆動して点字情報を提示するようにしている。従って、指先が位置している部位の点字ピンのみを同時駆動すればよい。よって、一行分の点字ピンのそれぞれに対応してピン駆動素子が設けられている従来の点字表示装置に比べて、ピン駆動素子の個数を減らすことができる。この結果、ピン駆動機構の小型・コンパクト化および、その製造コストの低減化を達成でき、しかも、その省電力化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態1に係る点字表示装置を示す外観図である。
【図2】図1の点字表示装置の主要部分を示す概略部分斜視図である。
【図3】図2のIII−III線で切断した部分を示す概略部分断面図である。
【図4】図1の点字表示装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明を適用した実施の形態2に係る点字表示装置の主要部分を示す概略部分斜視図である。
【図6】図5の点字表示装置の概略部分断面図である。
【図7】本発明を適用した実施の形態3に係る点字表示装置の主要部分を示す概略部分斜視図である。
【図8】図7の点字表示装置の概略部分断面図である。
【図9】図7の点字表示装置の保持板を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1、40、50 点字表示装置、2 装置ケース、3 点字表示面、4 駆動ユニット、5 行送りボタン、6 行戻しボタン、7 電源スイッチ、8 凹部、11 点字表示板、12(n) 点字枡領域、13 ピン孔、14 ピン支持板、15 ピン孔、16 点字ピン、16b 抜け止め、17 復帰ばね、18 係合円盤、20、20A ピン駆動機構、21 ピン駆動素子、21a 昇降ロッド、21b 駆動部、31 制御回路、32 メモリ、33 ラスタメモリ、34 ピンドライバ、35 センサ、41 摩擦ダンパ、42 螺旋溝、43 ねじ部、44 ラチェット、51 保持板、52 板ばね、53 操作レバー、54 ばね
Claims (13)
- 所定の文字数からなる一行分の点字情報を提示する点字表示面を有し、前記点字表示面上において、点字一文字分の情報が、それぞれ、複数本の点字ピンを選択的に点字表示面から突出させることにより提示される点字表示装置において、
前記点字表示面をなぞる指先の位置を検出する検出手段と、
少なくとも点字一文字を提示するために必要な本数の点字ピンを同時に駆動するために必要なピン駆動素子を備えたピン駆動機構と、
前記点字表示面における前記検出手段によって検出された指先位置に対応する位置において、前記ピン駆動機構の前記ピン駆動素子により、前記指先位置に配列されている前記点字ピンを選択的に駆動して、前記一行分の点字情報における前記指先位置に対応する部分の点字情報を提示させる制御手段と、
を有していることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項1において、
前記ピン駆動機構は、前記点字表示面をなぞる指先と共に前記点字表示面に沿って往復移動可能な駆動ユニットを備えており、
前記駆動ユニットには前記ピン駆動素子が搭載されていることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項2において、
前記検出手段は、前記駆動ユニットの位置、移動方向および移動速度を検出するものであり、
前記制御手段は、前記駆動ユニットの移動に同期させて、前記ピン駆動素子により前記点字ピンを選択駆動することを特徴とする点字表示装置。 - 請求項1、2または3において、
前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を有し、
前記制御手段は、前記入力手段から切り替え指示があると、前記点字表示面に提示可能な一行分の点字情報を、先行する行あるいは後続する行の点字情報に切り替えることを特徴とする点字表示装置。 - 所定の文字数からなる一行分の点字情報を表示する点字表示面を有し、前記点字表示面上において、点字一文字分の情報が、それぞれ、複数本の点字ピンを選択的に点字表示面から突出させることにより提示される点字表示装置において、
前記点字表示面をなぞる指先の位置を検出する検出手段と、
少なくとも、点字一文字を提示するために用いる点字ピンのうち、左右いずれかの列を構成している点字ピンを同時に駆動するために必要な本数のピン駆動素子を備えたピン駆動機構と、
前記点字表示面における前記検出手段によって検出された指先位置に対応する位置において、前記ピン駆動機構の前記ピン駆動素子により、前記指先位置に配列されている前記点字ピンを選択的に駆動して、前記一行分の点字情報における前記指先位置に対応する部分の点字情報を提示させる制御手段と、
前記点字表示面から突出した前記点字ピンを所定期間、突出状態に保持する保持手段を有していることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項5において、
前記保持手段は、摩擦力によって前記点字ピンを前記突出状態に保持可能な摩擦ダンパであることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項5において、
前記保持手段は、前記点字ピンに機械的に係合して当該点字ピンを前記突出状態に保持する係合部材を備えていることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項7において、
指先が前記点字表示面に提示されている一行分の点字情報の最終端に到ると、前記係合部材が前記点字ピンから外れることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項5ないし8のうちのいずれかの項において、
前記ピン駆動機構は、前記点字表示面をなぞる指先と共に前記点字表示面に沿って往復移動可能な駆動ユニットを備えており、
前記駆動ユニットには前記ピン駆動素子が搭載されていることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項9において、
前記検出手段は、前記駆動ユニットの位置、移動方向および移動速度を検出するものであり、
前記制御手段は、前記駆動ユニットの移動に同期させて、前記ピン駆動素子により前記点字ピンを選択駆動することを特徴とする点字表示装置。 - 請求項5ないし10のうちのいずれかの項において、
前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を有し、
前記制御手段は、前記入力手段から切り替え指示があると、前記点字表示面に提示可能な一行分の点字情報を、先行する行あるいは後続する行の点字情報に切り替えることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項7において、
前記点字表示面に提示される一行分の点字情報の切り替えを指示する入力手段を有し、
前記入力手段から切り替え指示があると、前記係合部材が前記点字ピンから外されると共に、前記制御手段は、前記点字表示面に提示可能な一行分の点字情報を、先行する行あるいは後続する行の点字情報に切り替えることを特徴とする点字表示装置。 - 請求項5ないし12のうちのいずれかの項において、
駆動される前記点字ピンは、前記検出された指先位置の進行方向に位置し、駆動される時には指先に接触していないことを特徴とする点字表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042659A JP2004252176A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 点字表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003042659A JP2004252176A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 点字表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004252176A true JP2004252176A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33025882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003042659A Withdrawn JP2004252176A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 点字表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004252176A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010029980A1 (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-18 | パイオニア株式会社 | ハンドヘルド点字変換装置、点字変換方法及び点字変換プログラム |
JP2010528754A (ja) * | 2007-06-04 | 2010-08-26 | エスヴィーアイピー 8 エルエルシー | 組織を固着可能な装置 |
US20120070805A1 (en) * | 2010-09-21 | 2012-03-22 | Sony Corporation | Text-to-Touch Techniques |
JP2013024932A (ja) * | 2011-07-15 | 2013-02-04 | Toyokuni:Kk | 情報伝達装置 |
CN106846991A (zh) * | 2017-03-30 | 2017-06-13 | 安庆师范大学 | 一种触摸式盲文与图形显示装置 |
JP2018013692A (ja) * | 2016-07-22 | 2018-01-25 | 凸版印刷株式会社 | 電子点字書籍システムおよび電子点字表示装置 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042659A patent/JP2004252176A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010528754A (ja) * | 2007-06-04 | 2010-08-26 | エスヴィーアイピー 8 エルエルシー | 組織を固着可能な装置 |
WO2010029980A1 (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-18 | パイオニア株式会社 | ハンドヘルド点字変換装置、点字変換方法及び点字変換プログラム |
JP5015323B2 (ja) * | 2008-09-12 | 2012-08-29 | パイオニア株式会社 | ハンドヘルド点字変換装置、点字変換方法及び点字変換プログラム |
US20120070805A1 (en) * | 2010-09-21 | 2012-03-22 | Sony Corporation | Text-to-Touch Techniques |
CN103098113A (zh) * | 2010-09-21 | 2013-05-08 | 索尼公司 | 文本到触摸技术 |
CN103098113B (zh) * | 2010-09-21 | 2016-08-03 | 索尼公司 | 文本到触摸技术 |
US9691300B2 (en) * | 2010-09-21 | 2017-06-27 | Sony Corporation | Text-to-touch techniques |
JP2013024932A (ja) * | 2011-07-15 | 2013-02-04 | Toyokuni:Kk | 情報伝達装置 |
JP2018013692A (ja) * | 2016-07-22 | 2018-01-25 | 凸版印刷株式会社 | 電子点字書籍システムおよび電子点字表示装置 |
CN106846991A (zh) * | 2017-03-30 | 2017-06-13 | 安庆师范大学 | 一种触摸式盲文与图形显示装置 |
CN106846991B (zh) * | 2017-03-30 | 2022-08-19 | 安庆师范大学 | 一种触摸式盲文与图形显示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2003323110A (ja) | 触覚型ディスプレイ装置および触覚型ディスプレイ装置の制御方法 | |
JP4835538B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP2004252176A (ja) | 点字表示装置 | |
US6633416B1 (en) | Computer scanner for three-dimensional objects | |
JP2004317729A (ja) | 点字表示装置 | |
KR20090129314A (ko) | 정보 표시 장치, 정보 표시 방법 및 컴퓨터 판독 가능한 기억 매체 | |
CN101419525A (zh) | 输入处理装置 | |
KR20180040724A (ko) | 촉각 그래픽 디스플레이 | |
JP2015102886A (ja) | 筆跡再生装置及びプログラム | |
JP2023514778A (ja) | 点字タブレット用ディスプレイ | |
JP2009098559A (ja) | 形状形成装置 | |
JP2004257754A (ja) | 物品の寸法測定装置 | |
JPWO2006109691A1 (ja) | 多段検出装置 | |
JP2004101677A (ja) | 触覚ディスプレー装置 | |
KR860002044A (ko) | 터치 패널(Touch Pannel)입력장치 | |
JP2010015084A (ja) | 点字表示装置 | |
CN100522657C (zh) | 内容可变的立体浮雕显示方法 | |
US20160266708A1 (en) | Display device | |
JP2005266357A (ja) | 触覚ディスプレイおよび触覚ディスプレイシステム | |
JP2001297652A (ja) | 昇降式キートップを備えた入力装置 | |
KR100944862B1 (ko) | 형태 변경이 가능한 입력 장치 및 그 입력 변경 방법 | |
JPH03113486A (ja) | 表示装置 | |
JP2004184691A (ja) | 点字表示装置 | |
JP2005352210A (ja) | 表示装置 | |
JP2007033724A (ja) | 触覚ピン表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |