JP2004251648A - 管状体の内径測定装置 - Google Patents

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政治 山下
Hidetoshi Ono
英敏 大野
Eiichi Seguchi
栄一 瀬口
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Abstract

【課題】管状体の内径を管状体を破壊することなく、短時間で管状体長さ方向にわたり連続的に高精度で測定できる管状体の内径測定装置を提供する。
【解決手段】管状体P内を走行するとともに、管状体内面に常に接触する可動アーム6の変位を変位信号として出力する測定装置本体1と、測定装置本体1に接続されたワイヤー15aを巻き取って測定装置本体1を走行させるとともに、走行距離を測定するワイヤ巻取り装置15と、測定装置本体1で出力された変位信号を送信するケーブル12aを測定装置本体1の走行に追随して送るケーブル送り装置12と、ケーブル12aにより送信された変位信号からコンクリートポールPの内径を演算する演算装置を備える管状体の内径測定装置。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートポールや鋼管などの管状体の内径を測定することができる管状体の内径測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テーパ付きコンクリートポール、鋼管等の管状体が電柱、支柱などの構造物に利用されている。図3は管状体のうち、テーパー付きコンクリートポールを例にその製造工程を示す斜視図である。図3において、円筒状鋼製型枠16に鉄筋かご17を配置し(a)、円筒状鋼製型枠16を台車18に載せて移動させながらコンクリート注入装置19から円筒状鋼製型枠16内にコンクリートを注入する(b)。注入が完了すると、円筒状鋼製型枠16を回転装置20で回転させ、遠心力により円筒状に成形する(c)。成形が完了すると円筒状鋼製型枠16を取り外す(d)。
【0003】
しかし、コンクリートポールの製造方法では、テーパ等の影響により、壁厚を均一に保つことは難しく、また壁厚を簡易に測定する方法がないため、コンクリートを設計より多めに注入(コンクリートロス)して、規定壁厚を確保しているのが現状である。したがって、コンクリートポールの製造において、コンクリート注入量を適正に管理してコンクリートロスを低減させることは、コスト面において非常に重要な課題であり、壁厚を簡易に測定して壁厚管理することは、コンクリートロス低減につながる有効な手段となる。内径測定装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものがあるが、これは連続した中空部を有する管状体の内径測定には使用できない。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−318338号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貫通孔やカッター切断による従来の壁厚測定では、測定個所が数カ所に限られるうえ、測定に多大な手間と時間を要するだけでなく、測定に使用した製品は、廃品となるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は管状体の壁厚分布を正確に算出するため、管状体の内径を管状体を破壊することなく、短時間で管状体の長さ方向にわたり連続的に高精度で測定できる管状体の内径測定装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の管状体の内径測定装置は、管状体内を走行するとともに、管状体内面に常に接触する可動アームの変位を変位信号として出力する測定装置本体と、前記測定装置本体に接続されたワイヤを巻き取って測定装置本体を走行させるとともに、走行距離を測定するワイヤ巻取り装置と、前記測定装置本体で出力された変位信号を送信するケーブルを前記測定装置本体の走行に追随して送るケーブル送り装置と、前記ケーブルにより送信された前記変位信号から管状体の内径を演算する演算装置を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1(a)は本発明の内径測定装置の斜視図、(b)は図1(a)のA−A断面図、(c)は変位測定原理の説明図、図2は本発明の内径測定装置の使用方法の説明図である。
【0009】
図1において、内径測定装置本体1の長手方向の前部には内径測定装置本体1を測定対象である管状体(本実施例ではコンクリートポールである。以下「ポール」という。)P内で支持する3本の支持アーム2が周方向に角度120°の間隔をおいて配置されている。各支持アーム2の先端には車輪3が設けられ、支持アーム2は、後述する可動アーム6と同様の構造により、車輪3がポールPの内壁に常に接するように回動可能にポール内面側に付勢されている。また、内径測定装置本体1には、車輪4aを先端に取り付けた可動式のセンサーアーム4を備えた走行距離センサー5が設けられている。これら支持アーム2により測定装置本体1を走行中にポールPの中心軸に位置させることができるとともに、センサーアーム4の先端に車輪4aを備えた走行距離センサー5により測定装置本体1の走行距離を測定して、その距離から測定装置本体1の位置を求めることができる。
【0010】
測定装置本体1の長手方向の後部には、3本の可動アーム6が周方向に角度120°の間隔をおいてそれぞれ軸7に回転可能に枢着され、各可動アーム6の先端には車輪3が設けられている。各可動アーム6は、車輪3がポールPの内壁に常に接するようにポールPの内面側に付勢されている。
【0011】
各可動アーム6の後端には軸7の回りにギヤ8が形成され、ギヤ8は測定装置本体1の長手方向に移動可能に支持された可動ラック9に噛み合うように配置される。可動ラック9の後端には、可動ラック9を測定装置本体1の長手方向の後部へ引っ張るコイルバネ等の弾性材10が取り付けられ、弾性材10の付勢力により可動ラック9が引っ張られ、可動ラック9に噛み合う可動アーム6のギヤ8が回転することにより可動アーム6が軸回りに回転し、可動アーム6の車輪3がポールPの内壁に常に接することになる。
【0012】
可動ラック9の前端は、可動ラック9の変位(移動距離)を測定するダイアルリニアゲージ等の変位測定装置11に接続されている。
【0013】
図2において、変位測定装置の測定信号は、ケーブル12aを巻き取り・巻き戻し可能なケーブル送り装置12のケーブル12aによりインターフェース13を介してパソコン14に送られる。測定信号によりポールPの半径を求め、予め入力されている外径により壁厚が演算される。演算装置であるパソコン14では演算結果を表示装置にグラフなどで表示する。
【0014】
また、測定装置本体にはワイヤー巻き取り装置15のワイヤ15aが接続され、ワイヤーの巻き取りにより測定装置本体がポール内を移動する。ワイヤー巻き取り装置15には測定装置本体1の走行距離センサー15bが内蔵されており、測定装置本体1の走行距離を検出し、検出信号がインターファース13を介してパソコン14に送られ、パソコン14では測定装置の測定位置が演算される。
【0015】
【実施例】
ワイヤーの巻き取りにより測定装置本体1がポールP内を移動し、測定装置本体1の走行距離を検出し、検出信号がインターファース13を介してパソコン14に送られる。パソコンでは測定装置の測定位置が演算される。
【0016】
また、図1(c)において、測定装置本体1の走行の際、ポール内径の変化に追従して可動する可動アーム6の回転によりギア8が回転し、ギア8に噛み合う可動ラック9が移動し、変位測定装置11により可動ラック9の変位が測定される。変位は測定装置本体1が走行中に連続的に測定され、リアルタイムで出力される。
【0017】
変位測定装置11の測定信号は、ケーブル送り装置12のケーブル12によりインターファース13を介してパソコン14に送られる。測定信号によりポールPの内径を求め、予め入力されている外径により壁厚が演算される。パソコン14では演算結果を表示装置にポール全長にわたり、例えば10cmピッチで内径を測定下結果をグラフなどで表示する。
【0018】
表1にポール内において本発明の測定装置を走行させて測定した壁厚測定結果とポールを切断してノギスにより測定した壁厚測定結果を示す。
【0019】
【表1】
Figure 2004251648
表1から、本発明の測定装置の測定結果は、ノギスによる実測値とほとんど誤差がなく、誤差も目標の±2mm以内を達成することができた。
【0020】
【発明の効果】
本発明の内径測定装置によれば、管状体を破壊することなく短時間で管状体の内径、壁厚を測定できる。
【0021】
管状体全長にわたり内径及び壁厚分布を表示装置のモニター上でグラフとして見ることができるため、内径変化の傾向がつかみ易く、コンクリート製造の適正な条件の設定が可能となり、コンクリートロス低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の内径測定装置の斜視図、(b)は図1(a)のA−A断面図、(c)は変位測定原理の説明図である。
【図2】本発明の内径測定装置の使用方法の説明図である。
【図3】管状体のうち、テーパー付きコンクリートポールを例にその製造工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:内径測定装置本体 2:支持アーム
3:車輪 4:センサーアーム
4a:車輪 5:走行距離センサー
6:可動アーム 7:軸
8:ギヤ 9:可動ラック
10:弾性材 11:変位測定装置
12:ケーブル送り装置 12a:ケーブル
13:インターフェース
14:演算装置(パソコン)
15:ワイヤー巻き取り装置 15a:ワイヤー
16:円筒状鋼製型枠 17:鉄筋かご
18:台車
19:コンクリート注入装置 P:ポール

Claims (2)

  1. 管状体内を走行するとともに、管状体内面に常に接触する可動アームの変位を変位信号として出力する測定装置本体と、
    前記測定装置本体に接続されたワイヤを巻き取って測定装置本体を走行させるとともに、走行距離を測定するワイヤ巻取り装置と、
    前記測定装置本体で出力された変位信号を送信するケーブルを前記測定装置本体の走行に追随して送るケーブル送り装置と、
    前記ケーブルにより送信された前記変位信号から管状体の内径を演算する演算装置を備えたことを特徴とする管状体の内径測定装置。
  2. 3本の可動アームが周方向に間隔をおいてそれぞれ軸に回転可能に枢着され、各可動アームの先端には車輪が設けられるとともに、各可動アームの後端にはギヤが形成され、ギヤは測定装置本体の長手方向に移動可能に支持された可動ラックに噛み合うように設けられ、可動ラックの後端には可動ラックを測定装置本体の長手方向の後部へ引っ張る弾性材が取り付けられ、可動ラックの前端は可動ラックの変位を測定する変位測定装置に接続されていることを特徴とする請求項1記載の管状体の内径測定装置。
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