JP2004251132A - オイルレスリニア圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルレスリニア圧縮機に関し、圧縮機構部から密閉容器までの熱伝達抵抗を小さくし、圧縮機構部の温度を低くし、高効率化、且つ高信頼性化を図る。
【解決手段】密閉容器101内に固定子102bおよび可動子103からなるリニアモータ102と、圧縮室108を形成するシリンダー104と、可動子103と連結され、シリンダー104内を往復動するピストン104と、可動子103の往復動に伴い伸縮するスプリング106a、bとを備え、シリンダー104および固定子102bの少なくとも一方が密閉容器101に固定されているので、発熱部の外周面が密閉容器101の内周面と密着されることにより、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器101の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できる。
【選択図】 図1
【解決手段】密閉容器101内に固定子102bおよび可動子103からなるリニアモータ102と、圧縮室108を形成するシリンダー104と、可動子103と連結され、シリンダー104内を往復動するピストン104と、可動子103の往復動に伴い伸縮するスプリング106a、bとを備え、シリンダー104および固定子102bの少なくとも一方が密閉容器101に固定されているので、発熱部の外周面が密閉容器101の内周面と密着されることにより、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器101の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍冷蔵装置や空調機等に用いられるリニア圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍機器分野において、高効率、高信頼性の一環として、摺動部に潤滑油の代わりにガスベアリングを設けたオイルレスリニア圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来のオイルレスリニア圧縮機について説明する。
図5は、従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図である。図5において圧縮機構1は、巻き線2aを挿入した固定子2bおよびマグネット2cを備えた可動子3からなるリニアモータ2と、固定子2bに固定されたシリンダー4と、シリンダー4内に往復自在に嵌装されるとともに可動子3に連結されたピストン5と、可動子3と固定子2bを連結し可動子3が軸方向に可動可能なように支持するスプリング6とを備え、サスペションスプリング等(図示せず)により、密閉容器7内に弾性支持されている。またシリンダー4はガスベアリング8を構成しており、潤滑油は用いないオイルレスの仕様となっている。
【0004】
以上のような構成において交流電源から電流が巻き線2aに通電すると、マグネット2cにより発生する磁界との作用により、マグネット2c、可動子3に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子3と連結されたピストン5は、スプリング6を変形させるとともに、そのスプリング6の反発力を利用しながら共振し、効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。
【0005】
冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー4とピストン5から形成された圧縮室9に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド10内に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−122071号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成はオイルレスがゆえに発熱部の冷却が課題となる。
【0008】
リニア圧縮機において主な発熱部は圧縮仕事から発熱を生ずるシリンダー4と、モーター損失が発熱として生ずる固定子2bの2箇所である。
【0009】
シリンダー4においてピストン5の往復運動により圧縮室9に冷媒ガスを圧縮する時に、圧縮熱が発生する。その圧縮熱は大部分が吐出ガスとともに冷凍システムに排出されるが一部がシリンダー4に伝わり、シリンダー4の温度は上昇する。
【0010】
また固定子2bに固定された巻き線2aに通電すると、巻き線2aはその電気抵抗によりジュール熱が発生し、さらに巻き線2aによる交番磁界も固定子2b、可動子3に渦電流を誘起しこれによってジュール熱が発生するため固定子2bの温度は上昇する。
【0011】
これらシリンダー4や固定子2bの発熱はそれら外周面から輻射され、また密閉容器内ガス対流による熱伝達によって密閉容器の内周面へと放熱される。この際、オイルを用いる方式であれば熱容量の大きなオイルはミスト状となってガス対流とともに密閉容器内を循環することで熱搬送し、密閉容器7に熱伝達されることで比較的効率よく放熱される。しかしながらオイルレスの場合、ガス対流による熱伝達が主体のため熱伝達抵抗が高くなり、その結果シリンダー4や固定子2bの温度が上昇してしまう。
【0012】
その結果、吸入期と圧縮初期に冷媒ガスが加熱され圧縮効率が低下し、更にシリンダー温度が高くなると、ピストン焼き付きになり、信頼性が低下する。また固定子2bの温度が高くなることでモータ効率が低下する、といった欠点があった。
【0013】
本発明は、従来の課題を解決するもので発熱部の熱を有効に排除し、発熱部の温度を下げることによって、圧縮効率、モータ効率の向上および信頼性の確保を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、密閉容器内に固定子および可動子からなるリニアモータと、圧縮室を形成するシリンダーと、前記可動子と連結され、前記シリンダー内を往復動するピストンと、前記可動子の往復動に伴い伸縮するスプリングとを備え、前記シリンダーおよび前記固定子の少なくとも一方が前記密閉容器に固定されたものであり、発熱部の外周面が密閉容器の内周面と密着されることにより、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できるという作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明に、さらに、前記シリンダーおよび前記固定子の少なくとも一方が薄厚弾性材を介して前記密閉容器に固定されたものであり、薄厚弾性材が変形し易いので、密閉容器の内周面と発熱部の外周面と確実に密着することができ、有効な熱伝達面積が増え、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できるという作用を有する。
【0016】
また、薄厚弾性材により、密閉容器の内周面と外周面の加工精度が低くしても、密閉容器の内周面と発熱部の外周面と密着することができ、加工容易と低コストを図るという作用を有する。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明に、さらに、前記密閉容器に動吸振器を備えたものであり、密閉容器に伝わる圧縮振動を、動吸振器が打ち消すことで振動を減衰するという作用を有する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明に、さらに、前記シリンダーと前記ピストンはガスベアリングを構成したものであり、ガスベアリングによってシリンダーとピストン間でのオイル潤滑が不要となり、摺動部の非接触化による摺動損失の低減及び摺動部の信頼性確保を図ることができるという作用を有する。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明に、さらに、前記スプリングは板バネであるものであり、板バネは横剛性が高く軸受けとして機能するためオイル潤滑が不要となり、摺動損失が小さく、摺動部が無いことでオイルレスにおける高い信頼性が得られるという作用を有する。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項2記載の発明に、さらに、前記薄厚弾性材はシリコンゴムまたは4弗化エチレンであるものであり、熱伝導性がよく、固体熱伝導により熱伝達抵抗が小さくなり、発熱部の熱を有効に排除することができ、発熱部の温度が低くなり、圧縮効率、モータ効率の向上と信頼性の確保を図るという作用を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態によるオイルレスリニア圧縮機用の板ばねの平面図、図3はスプリングの平面図、図3(a)は従来例のオイルレスリニア圧縮機内の、シリンダー内周面から密閉容器内周面までの熱伝達方式の略図、図3(b)は同実施の形態によるオイルレスリニア圧縮機内の、シリンダー内周面から密閉容器内周面までの熱伝達方式の略図である。
【0023】
図1において密閉容器101に収納された圧縮機構101aは、巻き線102aを挿入した固定子102bおよびマグネット102cを備えた可動子103からなるリニアモータ102と、固定子102bに固定されたシリンダー104と、シリンダー104内に往復自在に嵌装され、可動子103に連結されたピストン105と、可動子103と固定子102bを連結し可動子103が軸方向に可動可能なように支持する略円盤状のスプリング106aおよび106bとを備えている。
【0024】
固定子102bおよびシリンダー104はともに密閉容器101に焼き嵌め等により直接、密着固定されている。
【0025】
密閉容器101内には、可動ウエイト107aおよび可動ウエイト107aと密閉容器101を連結する支持スプリング107bとから形成される動吸振器107を備えている。
【0026】
またシリンダー104とピストン105は圧縮室108を形成するとともにガスベアリング109を構成している。ガスベアリング109は一端が吐出室110に連通し、他端が複数の給気孔109aに連通する連通路109bと、連通路109bの途中に設けた絞り手段109cから形成されている。
【0027】
以上のような構成において交流電源から電流が巻き線102aに通電すると、マグネット102cにより発生する磁界との作用により、マグネット102c、可動子103に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子103と連結されたピストン105は、スプリング106aおよび106bの反発力を利用しながら共振し、効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。
【0028】
冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー104とピストン105から形成された圧縮室108に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド111内の吐出室110に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
【0029】
また圧縮された冷媒ガスは吐出室110から連通路109bを通り、連通路109bの途中に設けた絞り手段106cによって減圧し、給気孔106aからピストン105とシリンダー104との間に噴出させることで噴出した冷媒のガス膜の剛性がピストン105を支持しガスベアリング109を形成する。このため、ピストン105とシリンダー104の摺動部は相互に接触することが無く、よってオイルは不要でありまた摺動損失もほとんど発生しない。
【0030】
一方、スプリング106aおよび106bは図2に示すとおり、平板状で渦巻き状の切り欠きを設けたもので、法線方向に高い剛性を有するため、ピストン105や可動子103を軸支することができる。スプリング106aおよび106bはピストン105や可動子103との間に摺動部を持たないため、摺動部を潤滑するための手段であるオイルを必要としない。
【0031】
従ってガスベアリング109を形成するピストン105、シリンダー104とあいまってオイルレスリニア圧縮機を形成するものである。
【0032】
尚、本実施の形態においては、可動子の二個所にそれぞれ一枚ずつ板ばねを配設した例にて説明したが、どちらか一方の板バネを省いたり、同じ個所に複数の板バネを配設したりすることも同様に実施可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0033】
次に、圧縮仕事から生ずるシリンダー104の発熱と、モーター損失から生ずる巻き線102aの発熱は固定子102bおよびシリンダー104がともに密閉容器101に焼き嵌め等により直接、密着固定されているため熱伝導しやすく、密閉容器101から効率よく放熱され、シリンダー104および固定子102bの温度は低く抑えられる。
【0034】
その結果、圧縮工程における冷媒ガスの温度上昇が低く抑えられ、体積効率が上昇し、また高いモータ効率を維持できることからオイルレスリニア圧縮機の高効率化を図ることができる。
【0035】
さらにシリンダー104および固定子102bの温度が低く抑えられることでピストンの焼き付きやモーター巻線の劣化等が回避でき、信頼性を向上させることができる。
【0036】
ここで、図3はガス圧縮による圧縮熱をシリンダー104の内周面から密閉容器101の内周面までの本実施の形態と従来例の熱伝達抵抗を比較したものである。
【0037】
図3の(a)は従来例の熱伝達抵抗を示したもので、シリンダー4の外周面から密閉容器7の内周面への輻射、シリンダー4の外周面と密閉容器7の内周面との冷媒ガスの対流のふたつの放熱形態が形成されている。このうち、冷媒ガスの対流による相当対流熱伝達率(対流、輻射両方による)は100W/m2/Kとなる。
【0038】
一方、図3の(b)は本実施の形態の熱伝達抵抗を示したもので、ガス圧縮による圧縮熱がシリンダー104外周面から固体熱伝導の方式で密閉容器101の内周面へ伝わる。
【0039】
一般にシリンダー104は金属材料で構成されるが、その熱伝導率は低くても20W/m/Kを超え、もし圧縮室108から密閉容器101の内周面までの距離をδ10mmと仮定すると、本実施形態の熱伝達抵抗は0.0005m2K/Wになり、理論的には従来例に対し20倍以上の熱伝達抵抗の差が生ずることとなり、本願発明の放熱効果がいかに高いかが分かる。
【0040】
固定子102bについてもまったく同様の差が生じるものであり、詳細な説明を省く。
【0041】
尚、本実施の形態においては、シリンダー104外周面、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面に密着した例にて説明したが、シリンダー104外周面、固定子102b外周面のいずれの一方と密閉容器101の内周面に密着しても、もしくは、シリンダー104、固定子102bのいずれの一方、両方と密閉容器101と一体に構成しても同様に実施可能であり、それぞれの効果が得られることは言うまでもない。
【0042】
一方、圧縮機構101aを形成する可動子103、スプリング106、ピストン105等が圧縮時に発生する往復運動方向の振動エネルギは固定子102bおよびシリンダー104が直接、密閉容器101に密着固定されているため、ほとんど減衰されずに密閉容器101に伝達され、オイルレスリニア圧縮機は往復運動方向に大きく振動することとなる。
【0043】
しかしながら密閉容器101の内周面に設置された複数の動吸振器107が振れることで上記振動エネルギを打ち消し、その結果、オイルレスリニア圧縮機の振動は大幅に減衰される。
【0044】
従って振動の低いオイルレスリニア圧縮機を実現することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施形態2によるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図である。
【0046】
図4において、本実施の形態は、実施の形態1によるオイルレスリニア圧縮機に、さらに、シリンダー104、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面の間にシリコンゴムからなる薄厚弾性材112を備えており、この薄厚弾性材112はシリンダー104、固定子102bの外周面と、密閉容器101の内周面と密着している。
【0047】
なお、上記薄厚弾性材112以外の構成は実施の形態1と同様であり、詳細な説明を省く。
【0048】
以上のように構成されたオイルレスリニア圧縮機において、薄厚弾性材112はシリコンゴムからなるため弾性変形し易いので、発熱部の外周面と密閉容器101の内周面との間の密着性を良くすることができ、有効な伝熱面積が増えることで固体熱伝導により熱伝達抵抗が小さくなり、発熱部の熱を有効に排除することができる。また、薄厚弾性材により、密閉容器と発熱部の分離加工が可能になり、且つ密閉容器の内周面と発熱部の外周面の加工精度を低くしても、密閉容器の内周面と発熱部の外周面を密着することができ、加工容易と低コストを図るものとなっている。
【0049】
一方薄厚弾性材112がシリンダー104、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面の間に介在することで圧縮機構101aから密閉容器101の内周面までの熱伝達抵抗は大きくなるが、シリコンゴムを薄厚弾性材として採用した場合に、熱伝導率が0.2W/mKより高く、厚みを1mmより薄くすることで、熱伝達抵抗の増加分はわずか0.005m2K/Wであり、この熱伝達抵抗は従来例の半分に満たない。従って上記効果ともあいまって、従来例に比べはるかに効率よくシリンダー104や固定子102bの熱を排除できる。
【0050】
その結果、発熱部の温度が低くなり、圧縮効率、モータ効率向上と信頼性の確保を図ることができるものである。
【0051】
尚、本実施の形態においては、シリンダー104外周面、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面に薄厚弾性材112を介して密着した例にて説明したが、シリンダー104外周面、固定子102b外周面のいずれの一方と密閉容器101の内周面に密着しても、もしくは、シリンダー104、固定子102bのいずれの一方が薄厚弾性材112を介して密閉容器101と密着し、一方が密閉容器101と一体に構成しても同様に実施可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
尚、本実施の形態においては、薄厚弾性材112の材料としてシリコンゴムで構成した例にて説明したが、熱伝導性もよく弾性を有する4弗化エチレンゴムにて構成しても同様に実施可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により発熱部の熱は密閉容器の内周面へ効率よく伝わることで発熱部の熱を放熱できる。
【0054】
また、請求項2に記載の発明は、薄厚弾性材が変形し易いので、密閉容器の内周面と発熱部の外周面と確実に密着することができ、有効な熱伝達面積が増え、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できる。
【0055】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の作用に加えて、密閉容器に伝わる圧縮振動を、動吸振器が打ち消すことで振動を減衰することができる。
【0056】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、ガスベアリングによってシリンダーとピストン間でのオイル潤滑が不要となり、摺動部の非接触化による摺動損失の低減及びオイルレスにおける摺動部の信頼性確保を図ることができる。
【0057】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明の作用に加えて、板バネは横剛性が高く軸受けとして機能するためオイル潤滑が不要となり、摺動損失が小さく、摺動部が無いことでオイルレスにおける高い信頼性が得られる。
【0058】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2記載の発明に、さらに、前記薄厚弾性材はシリコンゴムまたは4弗化エチレンであるものであり、熱伝導性がよく、固体熱伝導により熱伝達抵抗が小さくなり、発熱部の熱を有効に排除することができ、発熱部の温度が低くなり、圧縮効率、モータ効率の向上と信頼性の確保を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態1の縦断面図
【図2】本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態1用の板ばね平面図
【図3】オイルレスリニア圧縮機の熱伝達方式の略図
【図4】本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態2の縦断面図
【図5】従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図
【符号の説明】
101 密閉容器
102 リニアモータ
102b 固定子
103 可動子
104 シリンダー
105 ピストン
106 スプリング
107 動吸振器
108 圧縮室
109 ガスベアリング
112 薄厚弾性材
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍冷蔵装置や空調機等に用いられるリニア圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍機器分野において、高効率、高信頼性の一環として、摺動部に潤滑油の代わりにガスベアリングを設けたオイルレスリニア圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来のオイルレスリニア圧縮機について説明する。
図5は、従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図である。図5において圧縮機構1は、巻き線2aを挿入した固定子2bおよびマグネット2cを備えた可動子3からなるリニアモータ2と、固定子2bに固定されたシリンダー4と、シリンダー4内に往復自在に嵌装されるとともに可動子3に連結されたピストン5と、可動子3と固定子2bを連結し可動子3が軸方向に可動可能なように支持するスプリング6とを備え、サスペションスプリング等(図示せず)により、密閉容器7内に弾性支持されている。またシリンダー4はガスベアリング8を構成しており、潤滑油は用いないオイルレスの仕様となっている。
【0004】
以上のような構成において交流電源から電流が巻き線2aに通電すると、マグネット2cにより発生する磁界との作用により、マグネット2c、可動子3に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子3と連結されたピストン5は、スプリング6を変形させるとともに、そのスプリング6の反発力を利用しながら共振し、効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。
【0005】
冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー4とピストン5から形成された圧縮室9に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド10内に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−122071号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成はオイルレスがゆえに発熱部の冷却が課題となる。
【0008】
リニア圧縮機において主な発熱部は圧縮仕事から発熱を生ずるシリンダー4と、モーター損失が発熱として生ずる固定子2bの2箇所である。
【0009】
シリンダー4においてピストン5の往復運動により圧縮室9に冷媒ガスを圧縮する時に、圧縮熱が発生する。その圧縮熱は大部分が吐出ガスとともに冷凍システムに排出されるが一部がシリンダー4に伝わり、シリンダー4の温度は上昇する。
【0010】
また固定子2bに固定された巻き線2aに通電すると、巻き線2aはその電気抵抗によりジュール熱が発生し、さらに巻き線2aによる交番磁界も固定子2b、可動子3に渦電流を誘起しこれによってジュール熱が発生するため固定子2bの温度は上昇する。
【0011】
これらシリンダー4や固定子2bの発熱はそれら外周面から輻射され、また密閉容器内ガス対流による熱伝達によって密閉容器の内周面へと放熱される。この際、オイルを用いる方式であれば熱容量の大きなオイルはミスト状となってガス対流とともに密閉容器内を循環することで熱搬送し、密閉容器7に熱伝達されることで比較的効率よく放熱される。しかしながらオイルレスの場合、ガス対流による熱伝達が主体のため熱伝達抵抗が高くなり、その結果シリンダー4や固定子2bの温度が上昇してしまう。
【0012】
その結果、吸入期と圧縮初期に冷媒ガスが加熱され圧縮効率が低下し、更にシリンダー温度が高くなると、ピストン焼き付きになり、信頼性が低下する。また固定子2bの温度が高くなることでモータ効率が低下する、といった欠点があった。
【0013】
本発明は、従来の課題を解決するもので発熱部の熱を有効に排除し、発熱部の温度を下げることによって、圧縮効率、モータ効率の向上および信頼性の確保を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、密閉容器内に固定子および可動子からなるリニアモータと、圧縮室を形成するシリンダーと、前記可動子と連結され、前記シリンダー内を往復動するピストンと、前記可動子の往復動に伴い伸縮するスプリングとを備え、前記シリンダーおよび前記固定子の少なくとも一方が前記密閉容器に固定されたものであり、発熱部の外周面が密閉容器の内周面と密着されることにより、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できるという作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明に、さらに、前記シリンダーおよび前記固定子の少なくとも一方が薄厚弾性材を介して前記密閉容器に固定されたものであり、薄厚弾性材が変形し易いので、密閉容器の内周面と発熱部の外周面と確実に密着することができ、有効な熱伝達面積が増え、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できるという作用を有する。
【0016】
また、薄厚弾性材により、密閉容器の内周面と外周面の加工精度が低くしても、密閉容器の内周面と発熱部の外周面と密着することができ、加工容易と低コストを図るという作用を有する。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明に、さらに、前記密閉容器に動吸振器を備えたものであり、密閉容器に伝わる圧縮振動を、動吸振器が打ち消すことで振動を減衰するという作用を有する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明に、さらに、前記シリンダーと前記ピストンはガスベアリングを構成したものであり、ガスベアリングによってシリンダーとピストン間でのオイル潤滑が不要となり、摺動部の非接触化による摺動損失の低減及び摺動部の信頼性確保を図ることができるという作用を有する。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明に、さらに、前記スプリングは板バネであるものであり、板バネは横剛性が高く軸受けとして機能するためオイル潤滑が不要となり、摺動損失が小さく、摺動部が無いことでオイルレスにおける高い信頼性が得られるという作用を有する。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項2記載の発明に、さらに、前記薄厚弾性材はシリコンゴムまたは4弗化エチレンであるものであり、熱伝導性がよく、固体熱伝導により熱伝達抵抗が小さくなり、発熱部の熱を有効に排除することができ、発熱部の温度が低くなり、圧縮効率、モータ効率の向上と信頼性の確保を図るという作用を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態によるオイルレスリニア圧縮機用の板ばねの平面図、図3はスプリングの平面図、図3(a)は従来例のオイルレスリニア圧縮機内の、シリンダー内周面から密閉容器内周面までの熱伝達方式の略図、図3(b)は同実施の形態によるオイルレスリニア圧縮機内の、シリンダー内周面から密閉容器内周面までの熱伝達方式の略図である。
【0023】
図1において密閉容器101に収納された圧縮機構101aは、巻き線102aを挿入した固定子102bおよびマグネット102cを備えた可動子103からなるリニアモータ102と、固定子102bに固定されたシリンダー104と、シリンダー104内に往復自在に嵌装され、可動子103に連結されたピストン105と、可動子103と固定子102bを連結し可動子103が軸方向に可動可能なように支持する略円盤状のスプリング106aおよび106bとを備えている。
【0024】
固定子102bおよびシリンダー104はともに密閉容器101に焼き嵌め等により直接、密着固定されている。
【0025】
密閉容器101内には、可動ウエイト107aおよび可動ウエイト107aと密閉容器101を連結する支持スプリング107bとから形成される動吸振器107を備えている。
【0026】
またシリンダー104とピストン105は圧縮室108を形成するとともにガスベアリング109を構成している。ガスベアリング109は一端が吐出室110に連通し、他端が複数の給気孔109aに連通する連通路109bと、連通路109bの途中に設けた絞り手段109cから形成されている。
【0027】
以上のような構成において交流電源から電流が巻き線102aに通電すると、マグネット102cにより発生する磁界との作用により、マグネット102c、可動子103に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子103と連結されたピストン105は、スプリング106aおよび106bの反発力を利用しながら共振し、効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。
【0028】
冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダー104とピストン105から形成された圧縮室108に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド111内の吐出室110に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
【0029】
また圧縮された冷媒ガスは吐出室110から連通路109bを通り、連通路109bの途中に設けた絞り手段106cによって減圧し、給気孔106aからピストン105とシリンダー104との間に噴出させることで噴出した冷媒のガス膜の剛性がピストン105を支持しガスベアリング109を形成する。このため、ピストン105とシリンダー104の摺動部は相互に接触することが無く、よってオイルは不要でありまた摺動損失もほとんど発生しない。
【0030】
一方、スプリング106aおよび106bは図2に示すとおり、平板状で渦巻き状の切り欠きを設けたもので、法線方向に高い剛性を有するため、ピストン105や可動子103を軸支することができる。スプリング106aおよび106bはピストン105や可動子103との間に摺動部を持たないため、摺動部を潤滑するための手段であるオイルを必要としない。
【0031】
従ってガスベアリング109を形成するピストン105、シリンダー104とあいまってオイルレスリニア圧縮機を形成するものである。
【0032】
尚、本実施の形態においては、可動子の二個所にそれぞれ一枚ずつ板ばねを配設した例にて説明したが、どちらか一方の板バネを省いたり、同じ個所に複数の板バネを配設したりすることも同様に実施可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0033】
次に、圧縮仕事から生ずるシリンダー104の発熱と、モーター損失から生ずる巻き線102aの発熱は固定子102bおよびシリンダー104がともに密閉容器101に焼き嵌め等により直接、密着固定されているため熱伝導しやすく、密閉容器101から効率よく放熱され、シリンダー104および固定子102bの温度は低く抑えられる。
【0034】
その結果、圧縮工程における冷媒ガスの温度上昇が低く抑えられ、体積効率が上昇し、また高いモータ効率を維持できることからオイルレスリニア圧縮機の高効率化を図ることができる。
【0035】
さらにシリンダー104および固定子102bの温度が低く抑えられることでピストンの焼き付きやモーター巻線の劣化等が回避でき、信頼性を向上させることができる。
【0036】
ここで、図3はガス圧縮による圧縮熱をシリンダー104の内周面から密閉容器101の内周面までの本実施の形態と従来例の熱伝達抵抗を比較したものである。
【0037】
図3の(a)は従来例の熱伝達抵抗を示したもので、シリンダー4の外周面から密閉容器7の内周面への輻射、シリンダー4の外周面と密閉容器7の内周面との冷媒ガスの対流のふたつの放熱形態が形成されている。このうち、冷媒ガスの対流による相当対流熱伝達率(対流、輻射両方による)は100W/m2/Kとなる。
【0038】
一方、図3の(b)は本実施の形態の熱伝達抵抗を示したもので、ガス圧縮による圧縮熱がシリンダー104外周面から固体熱伝導の方式で密閉容器101の内周面へ伝わる。
【0039】
一般にシリンダー104は金属材料で構成されるが、その熱伝導率は低くても20W/m/Kを超え、もし圧縮室108から密閉容器101の内周面までの距離をδ10mmと仮定すると、本実施形態の熱伝達抵抗は0.0005m2K/Wになり、理論的には従来例に対し20倍以上の熱伝達抵抗の差が生ずることとなり、本願発明の放熱効果がいかに高いかが分かる。
【0040】
固定子102bについてもまったく同様の差が生じるものであり、詳細な説明を省く。
【0041】
尚、本実施の形態においては、シリンダー104外周面、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面に密着した例にて説明したが、シリンダー104外周面、固定子102b外周面のいずれの一方と密閉容器101の内周面に密着しても、もしくは、シリンダー104、固定子102bのいずれの一方、両方と密閉容器101と一体に構成しても同様に実施可能であり、それぞれの効果が得られることは言うまでもない。
【0042】
一方、圧縮機構101aを形成する可動子103、スプリング106、ピストン105等が圧縮時に発生する往復運動方向の振動エネルギは固定子102bおよびシリンダー104が直接、密閉容器101に密着固定されているため、ほとんど減衰されずに密閉容器101に伝達され、オイルレスリニア圧縮機は往復運動方向に大きく振動することとなる。
【0043】
しかしながら密閉容器101の内周面に設置された複数の動吸振器107が振れることで上記振動エネルギを打ち消し、その結果、オイルレスリニア圧縮機の振動は大幅に減衰される。
【0044】
従って振動の低いオイルレスリニア圧縮機を実現することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施形態2によるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図である。
【0046】
図4において、本実施の形態は、実施の形態1によるオイルレスリニア圧縮機に、さらに、シリンダー104、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面の間にシリコンゴムからなる薄厚弾性材112を備えており、この薄厚弾性材112はシリンダー104、固定子102bの外周面と、密閉容器101の内周面と密着している。
【0047】
なお、上記薄厚弾性材112以外の構成は実施の形態1と同様であり、詳細な説明を省く。
【0048】
以上のように構成されたオイルレスリニア圧縮機において、薄厚弾性材112はシリコンゴムからなるため弾性変形し易いので、発熱部の外周面と密閉容器101の内周面との間の密着性を良くすることができ、有効な伝熱面積が増えることで固体熱伝導により熱伝達抵抗が小さくなり、発熱部の熱を有効に排除することができる。また、薄厚弾性材により、密閉容器と発熱部の分離加工が可能になり、且つ密閉容器の内周面と発熱部の外周面の加工精度を低くしても、密閉容器の内周面と発熱部の外周面を密着することができ、加工容易と低コストを図るものとなっている。
【0049】
一方薄厚弾性材112がシリンダー104、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面の間に介在することで圧縮機構101aから密閉容器101の内周面までの熱伝達抵抗は大きくなるが、シリコンゴムを薄厚弾性材として採用した場合に、熱伝導率が0.2W/mKより高く、厚みを1mmより薄くすることで、熱伝達抵抗の増加分はわずか0.005m2K/Wであり、この熱伝達抵抗は従来例の半分に満たない。従って上記効果ともあいまって、従来例に比べはるかに効率よくシリンダー104や固定子102bの熱を排除できる。
【0050】
その結果、発熱部の温度が低くなり、圧縮効率、モータ効率向上と信頼性の確保を図ることができるものである。
【0051】
尚、本実施の形態においては、シリンダー104外周面、固定子102bの外周面と密閉容器101の内周面に薄厚弾性材112を介して密着した例にて説明したが、シリンダー104外周面、固定子102b外周面のいずれの一方と密閉容器101の内周面に密着しても、もしくは、シリンダー104、固定子102bのいずれの一方が薄厚弾性材112を介して密閉容器101と密着し、一方が密閉容器101と一体に構成しても同様に実施可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
尚、本実施の形態においては、薄厚弾性材112の材料としてシリコンゴムで構成した例にて説明したが、熱伝導性もよく弾性を有する4弗化エチレンゴムにて構成しても同様に実施可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により発熱部の熱は密閉容器の内周面へ効率よく伝わることで発熱部の熱を放熱できる。
【0054】
また、請求項2に記載の発明は、薄厚弾性材が変形し易いので、密閉容器の内周面と発熱部の外周面と確実に密着することができ、有効な熱伝達面積が増え、発熱部の熱は熱伝達抵抗が小さい固体熱伝導により密閉容器の内周面へ伝わることで効率よく発熱部の熱を放熱できる。
【0055】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の作用に加えて、密閉容器に伝わる圧縮振動を、動吸振器が打ち消すことで振動を減衰することができる。
【0056】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、ガスベアリングによってシリンダーとピストン間でのオイル潤滑が不要となり、摺動部の非接触化による摺動損失の低減及びオイルレスにおける摺動部の信頼性確保を図ることができる。
【0057】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明の作用に加えて、板バネは横剛性が高く軸受けとして機能するためオイル潤滑が不要となり、摺動損失が小さく、摺動部が無いことでオイルレスにおける高い信頼性が得られる。
【0058】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2記載の発明に、さらに、前記薄厚弾性材はシリコンゴムまたは4弗化エチレンであるものであり、熱伝導性がよく、固体熱伝導により熱伝達抵抗が小さくなり、発熱部の熱を有効に排除することができ、発熱部の温度が低くなり、圧縮効率、モータ効率の向上と信頼性の確保を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態1の縦断面図
【図2】本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態1用の板ばね平面図
【図3】オイルレスリニア圧縮機の熱伝達方式の略図
【図4】本発明によるオイルレスリニア圧縮機の実施の形態2の縦断面図
【図5】従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図
【符号の説明】
101 密閉容器
102 リニアモータ
102b 固定子
103 可動子
104 シリンダー
105 ピストン
106 スプリング
107 動吸振器
108 圧縮室
109 ガスベアリング
112 薄厚弾性材
Claims (6)
- 密閉容器内に固定子および可動子からなるリニアモータと、圧縮室を形成するシリンダーと、前記可動子と連結され、前記シリンダー内を往復動するピストンと、前記可動子の往復動に伴い伸縮するスプリングとを備え、前記シリンダーおよび前記固定子の少なくとも一方が前記密閉容器に固定されたオイルレスリニア圧縮機。
- 前記シリンダーおよび前記固定子の少なくとも一方が薄厚弾性材を介して前記密閉容器に固定された請求項1に記載のオイルレスリニア圧縮機。
- 前記密閉容器に動吸振器を備えた請求項1または2に記載のオイルレスリニア圧縮機。
- 前記シリンダーと前記ピストンはガスベアリングを構成した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のオイルレスリニア圧縮機。
- 前記スプリングは板バネである請求項4に記載のオイルレスリニア圧縮機。
- 前記薄厚弾性材はシリコンゴムまたは4弗化エチレンである請求項2に記載のオイルレスリニア圧縮機。
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2003
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