JP2004251111A - 躯体と管材との接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有底円筒形状をなし、中継する流入側の管材25または流出側の管材24を連通するために管材の外径よりも大きい貫通孔11fを側壁11dに設けた躯体11と、管材25が接続される接続部40aと、接続部の基端に首振り可能に設けられる蛇腹構造の連設部40cと、連設部の基端側に設けられ躯体の側壁の周方向に回動可能に取り付けられるフランジ部40bとを有するアダプタ40とを備え、アダプタを介して管材を貫通孔に連通させる構成としている。
【選択図】 図6
Description
なお、本願明細書でいう「躯体」とは、地中に埋設される下水道管路施設、上水道やガス配管における路面下の配管施設、電力・通信における地下施設等の地下構造物と地上とを通じるために設けられる立孔状の構造物を総称する。
このように、従来の構造のものにおいては、マンホール本体1に接続管5を接続した後の点検作業に支障を来すという問題がある。特に、マンホール本体1が小径の所謂小口径マンホールにおいてはこのような問題が発生する虞があり、その対策が望まれている。
請求項3の発明は、前記躯体は、底部にインバートを備え、このインバートの溝部は、底面が前記躯体の流入側から流出側に向けて下り傾斜し、躯体の側壁に設けた前記貫通孔と連通する側の端部の溝幅が前記貫通孔の横幅と一致するように形成された構成としている。
請求項3の発明によれば、躯体の底部にインバートの溝部を、底面が前記躯体の流入側から流出側に向けて下り傾斜し、躯体の側壁に設けた貫通孔と連通する側の端部の溝幅が前記貫通孔の横幅と一致するように形成することにより、下水等の流れがスムーズになり、躯体と管材との接続角度を変化させたとしてもその流れが阻害されることがない。
(実施例1)
図1は、本発明に係る躯体と管材との接続構造の分解斜視図、図2は、図1の組立斜視図である。図1および図2において躯体と管材との接続構造10は、敷設される管材を中継接続する躯体としてのマンホール本体11、アダプタ13、押さえ部材14等により構成されている。マンホール本体11は、有底円筒形状をなし、その側壁11dには孔11eと貫通孔11fが貫通して設けられている。孔11eは、管材としての流出管24の外径程度の丸孔とされ、この孔11eには後述する継手部材12を介して流出管24が連通して接続される。貫通孔11fは、管材としての流入管25の外径よりも大きく形成されており、実施例では、垂直方向の内径(短径)が流入管25の外径と略同程度で水平方向に長い長孔(以下「長孔11f」という。)とされている。この長孔11fには後述するアダプタ13を介して流入管25が周方向の接続角度を調整可能として連通して接続される。そして、長孔11fの四隅近傍位置の側壁11dには、インサートナット17が4個設けられている。
継手部材12は、管状の継手部12aの基端側に固定部12bが一体に形成されている。継手部12aは、内径が孔11eと略同径とされ、先端部外周には流出管24を固定するための締め輪21が装着されている。固定部12bは、湾曲する板状をなし、内面の曲率がマンホール本体11の側壁11dの外周面の曲率と略同じ曲率の円弧面とされている。この継手部材12は、合成ゴム部材により形成されている。そして、継手部材12は、継手部12aの基端側がマンホール本体11の孔11eと整合するように取り付けられ、固定部12bが側壁11dの外周面に例えば、接着剤により密着固定される(図2)。
アダプタ13は、管状の接続部13aと、この接続部13aの基端側に一体に形成されマンホール本体11の側壁11dに取り付けられるフランジ部13bとから成り、接続部13aの内径が長孔11fの短径と略同径とされている。接続部13aの先端部外周には、流入管25を固定するための締め輪22が装着されている。フランジ部13bは、湾曲する板状をなし、マンホール本体11の側壁11dの周方向に回動可能とされ、その内面の曲率が側壁11dの外周面の曲率と略同じ曲率の円弧面とされている。さらに、フランジ部13bは、長孔11fよりも大きい横方向に長い矩形状をなしており、アダプタ13を周方向に回動させて接続部13aを長孔11fの左、右何れか一側に合致する最端位置まで移動させた状態において、この長孔11fの何れか他側の隙間を閉塞できる大きさとされている。フランジ部13bの周縁部の四隅には、前記マンホール本体11の側壁11dに設けられている各インサートナット17と対応して水平方向(横方向)に長いボルト挿通孔13cが設けられている。このアダプタ13は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチック、或いは合成ゴム部材、エラストマー等の柔軟性、耐蝕性を有する部材により形成されている。
図2に示すようにマンホール本体11は、アダプタ13側が流入側とされ、継手部材12側が流出側とされて地下に設置される。このとき、各ボルト18は、インサートナット17に緩く螺合されており、アダプタ13は、マンホール本体11の側壁11dの周方向に回動可能な状態とされている。そして、継手部材12の継手部12aに流出管24を、アダプタ13の接続部13aに流入管25を、夫々接続する。
特に、下水道のような汚泥を含む場合にはアダプタ13側を流入側、継手部材12側を流出側として図3(a)〜(c)の矢印方向に下水を流すことで、フランジ部13bの付け根部分13b’によって流れが阻害されることが無く、汚泥の堆積が防止され、下水の円滑な流れが確保されて好ましい。
また、本実施例においては、アダプタ13が取り付けられるマンホール本体11の流入側の長孔11fを、水平方向(横方向)に長い長孔としたが、これに限るものではなく、長孔11fの長径を直径とする大径の丸孔としてもよい。しかしながら、本実施例のように水平方向に長い長孔とすることで、マンホール本体11の側壁11dの強度の低下を防止することができると共に、アダプタ13のフランジ部13bや、押さえ部材14の上下方向の幅を狭くして形状を小さくすることが可能であり、軽量化や、コストの低減を図る上で好ましい。
さらに、本実施例では、マンホール本体11の側壁11dに孔11eと長孔11fとを対向させて配置した構造としたが、これに限るものではなく、流出側の孔11eと流入側の長孔11fとを周方向に沿って所定の角度をなして設けてもよい。
図4は、本発明の第2の実施例を示す躯体と管材との接続構造の分解斜視図である。実施例2において実施例1と異なる点は、アダプタ30をマンホール本体11に対して周方向(水平方向)に回動可能とするだけでなく軸方向(垂直方向)にも摺動可能とした点である。なお、実施例1と同一および相当する部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
以上の構成において、図5に示すように回動部材32がボルト18によりマンホール本体11の側壁11dにその周方向に回動可能に取り付けられ、接続部材31がボルト34により回動部材32にその外面32cに沿って垂直方向に摺動可能に取り付けられる。即ち、アダプタ30全体としては、マンホール本体11の側壁11dに対して矢印で示す周方向および垂直方向の両方向に調整可能に取り付けられる。これにより、流入管25の接続角度の調整の自由度が大きくなり、しかも、実施例1と同様に流入管25の中心線上にマンホール本体11の中心が常に位置するので、流入管25の内部状況の確認を確実に行うことができる。
図6は、本発明の第3の実施例を示す躯体と管材との接続構造の分解斜視図である。実施例3において実施例1と異なる点は、アダプタ40をマンホール本体11に対して周方向(水平方向)に回動可能として管材の周方向の接続角度を調整可能とするだけでなく、軸方向(垂直方向)にも管材の接続角度を調整可能とした点である。なお、実施例1と同一および相当する部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
以上の構成において、アダプタ40は、ボルト18によりパッキン41を介してマンホール本体11の側壁11dにその周方向に回動可能に取り付けられる。したがって、アダプタ40を周方向に回動させて管材(図示せず)の周方向の接続角度を変化させたとしても、この管材の中心線上にマンホール本体11の中心が常に位置するので、実施例1と同様の効果を奏する。さらに本実施例では、接続部40aがフランジ部40bに対して垂直方向に首振り可能とされていることで、管材の垂直方向の接続角度の若干の調整も行うことができる。
図7は、本発明の第4の実施例を示す躯体と管材との接続構造の分解斜視図である。実施例4において実施例1と異なる点は、アダプタ50をマンホール本体11に取り付けるボルト18を締め付けた状態において、アダプタ50をマンホール本体11に対して周方向に回動可能とした点である。なお、実施例1と同一および相当する部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
アダプタ50は、フランジ部50bがホルダ本体52の凹部52bに収納されてカバー53によりサンドイッチ状に保持され、且つ接続部50aがカバー53の長孔53aを貫通して突出する。ホルダ本体52は、パッキン54を介してマンホール本体11の側壁11dに取り付けられ、インサートナット17に螺合するナット18によりカバー53と共締め固定される。
そして、本実施例においてもアダプタ50は、マンホール本体11の側壁11dの周方向に回動可能に取り付けられているので、管材(図示せず)の周方向の接続角度を変化させたとしても、この管材の中心線上にマンホール本体11の中心が常に位置し、実施例1と同様の効果を奏する。
図8は、本発明の第5の実施例を示す躯体と管材との接続構造の斜視図である。図9は、図8の矢線IX−IXに沿う断面図である。実施例5において実施例1と異なる点は、アダプタ70を円筒形状としてマンホール本体60の周方向に回動可能に外嵌した構造とした点である。
また、本実施例では、アダプタ70をマンホール本体60の側壁60dの外周面に沿って回動可能となるように外嵌した構造としたが、これに限るものではなく、アダプタ70をマンホール本体60の側壁60dの内周面に沿って回動可能となるように内嵌する構造としてよい。
11a インバート
11b 溝
11d 側壁
11e 孔
11f 長孔(貫通孔)
13、30、40、50、70 アダプタ
13a、31a、40a、50a、70g 接続部
13b、40b、50b フランジ部
14 押さえ部材
24 流出管(管材)
25 流入管(管材)
31 接続部材
32 回動部材
32a 連通孔
41、54 パッキン
51 ホルダ
70d 胴部(フランジ部)
Claims (4)
- 有底円筒形状をなし、中継する流入側または流出側の管材を連通するために管材の外径よりも大きい貫通孔を側壁に設けた躯体と、
前記管材が接続される接続部と、前記接続部の基端に首振り可能に設けられる蛇腹構造の連設部と、前記連設部の基端側に設けられ躯体の側壁の周方向に回動可能に取り付けられるフランジ部とを有するアダプタと
を備え、前記アダプタを介して管材を前記貫通孔に連通させることを特徴とする躯体と管材との接続構造。 - 前記躯体と前記アダプタとの間には、前記躯体の貫通孔に連通する連通孔が設けられるとともに、前記躯体の側壁の周方向に回動可能に取り付けられ前記貫通孔の回りを塞ぐパッキンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の躯体と管材との接続構造。
- 前記躯体は、底部にインバートを備え、このインバートの溝部は、底面が前記躯体の流入側から流出側に向けて下り傾斜し、躯体の側壁に設けた前記貫通孔と連通する側の端部の溝幅が前記貫通孔の横幅と一致するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の躯体と管材との接続構造。
- 前記アダプタは、前記躯体の流入側に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の躯体と管材との接続構造。
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