JP2004250596A - 連通発泡体およびその製造方法、ならびにその発泡体を用いた断熱構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境に有害と思われる化学物質を発泡体として使用せず、かつ、発泡倍率が高く、簡便な方法で耐熱性および断熱特性の優れた発泡体およびその製造方法、ならびにそれを利用した断熱構造体および前記製造方法。
【解決手段】発泡体原料を発泡硬化させて発泡体を形成する発泡体の製造方法において、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程とを含むことを特徴とする発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体の製造方法、および前記製造方法により製造される連通発泡体およびそれを利用した断熱構造体およびその製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】発泡体原料を発泡硬化させて発泡体を形成する発泡体の製造方法において、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程とを含むことを特徴とする発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体の製造方法、および前記製造方法により製造される連通発泡体およびそれを利用した断熱構造体およびその製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材、冷蔵庫、自動販売機等の断熱材として使用可能な発泡体の製造方法とこの製造方法により製造される発泡体、ならびにその発泡体を利用して作製される断熱構造体の製造方法とその製造方法により製造される断熱構造体に関する。特に本発明は、高発泡倍率で耐熱性および断熱性能の高い発泡体とその製造方法、ならびにその発泡体を用いた断熱構造体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建材、冷蔵庫、自動販売機等の断熱材として使用可能な熱硬化性樹脂を用いた発泡体は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂に、フロン系ガス、化学反応により発生するガス、熱分解ガスなどの発泡剤を利用して、適切な発泡手段を用いて発泡することにより製造される。今日オゾン層破壊の防止などの環境破壊の観点から、ウレタンフォームなどの廃棄の際は、これを粉々に粉砕し、中に存在するガスを回収する必要がある。しかし、特殊なガスを用いた発泡体では、ガスを回収し、ガスおよび発泡体をリサイクルする観点から処理コストが大きくなる。このため、新たな発泡体およびその製造方法が望まれている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4などには、フロンガスの代わりに空気等を混入して発泡させる方法が開示されている。
【0003】
しかしこれらの発明では、高発泡倍率で耐熱性および断熱性能の高い発泡体を製造する方法は示されていない。
【0004】
また、その他に、耐熱性および断熱性能の高い断熱パネルとして、シリカ粉末またはウレタン粉末などをガスバリヤ性フィルムでパックし、中を真空にしたものが知られている。
【0005】
しかし、そのように耐熱性および断熱性を高めるためにシリカ粉末または繊維等を用いたり、真空パックなどの手段を用いる場合は、コスト高につながるか、設備負担が大きくなるなどの問題がある。したがって、材料の低コスト化が必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、環境に有害と思われる化学物質を発泡体として使用せず、かつ、発泡倍率が高く、簡便な方法で耐熱性および断熱特性の優れた発泡体およびそれを利用した断熱構造体を製造する方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、前記製造方法により製造された耐熱性および断熱特性に優れた発泡体および断熱構造体を提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−36142号公報
【0008】
【特許文献2】
特開昭60−35016号公報
【0009】
【特許文献3】
特開昭64−45606号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平5−318506号公報
【0011】
【特許文献5】
特願2001−294638号
【0012】
【特許文献6】
特願2001−304927号
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明の第1は、発泡体原料を発泡硬化させて発泡体を形成する発泡体の製造方法において、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程とを含むことを特徴とする発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体の製造方法である。該方法は、発泡硬化および連通化を連続的に行うことも可能であるが、発泡体原料を発泡硬化した後に、独立して連通化を行うことも可能であり、これを本発明の第2とする。
【0014】
本発明の第3は、上記の製造方法によって製造される、発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上であることを特徴とする連通発泡体である。
【0015】
本発明の第4は、内部に発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を、少なくとも部分的に含む内包体を含み、外部に熱反射フィルムでパックした構造を有することを特徴とする断熱構造体である。この断熱構造体は、好ましくは内部が0.5torr(67Pa)以下で真空パックされる。さらに好ましくは、外部の熱反射フィルムはアルミ箔付きフィルムである。
【0016】
上記断熱構造体の内包体は、連通発泡体の単層構造か、または、少なくとも片面に熱反射フィルムを有する連通発泡体を複数層積層した構造である。
【0017】
以上の構造の断熱構造体の製造方法を本発明の第5とする。該方法は、(1)発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を少なくとも部分的に含む内包体を作製する工程と、(2)外部を熱反射フィルムでパックする工程とを含む断熱構造体の製造方法である。内包体が積層構造の断熱構造体の場合は、上記の内包体を作製する工程において、(a)発泡体原料を、熱反射フィルムに塗工印刷する工程と、(b)発泡体原料を塗工印刷したフィルムを複数層積層して、積層体を作成する工程と(c)前記積層体を発泡硬化および連通化する工程とをさらに含む。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1は、断熱特性の優れた発泡体の製造方法に関する。
【0019】
本発明の第1の製造方法は、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程とを具備し、この発泡体の密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を製造するための方法である。
【0020】
以下それぞれの工程について説明する。
【0021】
本発明の第1の工程は発泡体原料を調製する工程である。この工程は、(a)原料を混合または混練して原料混合物を作製する手順と、(b)原料混合物を脱泡する手順と、(c)原料混合物に気体を混入および分散させる手順と、(d)混入分散させた前記原料混合物中の気泡サイズを調整する手順を含む。以下それぞれの手順について説明する。
【0022】
(a)の手順は、本発明に使用可能な原料を混合または混練して原料混合物を作製する手順である。本発明では、原料は、液状で、かつ(c)の手順で気体を取り込むことができることが必要であり、更に発泡後に大気圧以上の圧力に耐え得る強度(0.04g/cm3の発泡密度で圧縮強さが1.2g/cm3以上)のものである。ただし、樹脂自体に強度が若干不足している場合でも、ミクロマイカ、アエロジル等の粉末充填剤を配合することで、樹脂強度を向上することができる。また、反応を熱などで制御できる材料であればよい。例えば発泡体にする原料が、曲げ強さ127MPa以上、曲げ弾性率8300MPa以上になるような熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、上記要件を満たす限り特に限定されないが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂などを例として挙げることができる。具体的には旭チバ製のエポキシ樹脂GY−260、CT200などを使用することができる。さらに、熱硬化性樹脂の場合、硬化剤を含むことができ、これらは例えば、アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤などを挙げることができる。具体的には、ナガセケムテックス社製、H−2、バンティコ製、HY−225などである。
【0023】
本発明では、界面活性剤、シリコン整泡剤のような整泡剤などを添加することができるが、これらは任意成分であり、必ずしもこれらの成分を添加する必要はない。これらの成分を含まないことにより、コストダウンおよび発泡体原料の調製をより簡便に行うことができる。
【0024】
これらの材料を所定量秤量し、機械的な混合または混練の手段、例えばはじめに大きな攪拌羽で混ぜ、次に混ぜた気泡を小さくするため小型の羽を使用し、高速(例えば1000rpm以上)で混合すればよい。このような手段で混合または混練し、原料混合物を調製する。混合または混練は、材料が均一になるまで行えばよく、材料の種類に従って、当業者により容易に設定することができる。
【0025】
(b)の手順は、(a)の手順で得られた原料混合物を脱泡する手順である。混合または混練した原料混合物を真空脱泡により脱泡する。このように一度脱泡することで、水分の除去、低分子分の除去ができ、(c)の手順で気体を均一に取り込むことができる。さらに、(c)の手順で空気以外の気体を用いる場合には、空気の不要な混合を防止することができる。混練後の真空脱泡は、発泡させる圧力以上で行う必要があり、通常約1〜3torr(133〜399Pa)で行うことができる。この真空脱泡においては、発泡体原料が約1〜3torr(133〜399Pa)で発泡しないことを確認する。混合物から不必要な気泡が出るまで行い、この後、発泡体原料を大気圧に戻し、次の(c)の手順に供する。
【0026】
(c)の手順は、気体を原料混合物に混入および分散させる手順である。この工程は、気体を原料混合物に混入および分散させ、原料混合物中に気泡を形成させることが可能な任意の方法を用いることができる。例えば特許文献5に記載の粉体混入法、特許文献6に記載の攪拌法、またはこれらを組み合わせた方法等を用いることができる。粉体混入法とは、活性炭、アエロジル、酸化マグネシウム、ゼオライト、シリカゲル等の微粉末を反応前の樹脂に混合することで、均一で微細な空気核(1torr(133Pa)で膨張させた場合に約100μmになるような、20μm以下の空気核)を導入し、および気泡維持のためのチクソ性を付与する方法である。また、該方法は、粉末を樹脂に混合する際に巻き込まれる気泡が分散したものと、微粉末の表面、細孔に化学的、物理的に吸着、付着しているガスの気泡の2種類を、後に行う発泡の核材とすることができる。攪拌法は、得られた原料混合物を所望の気体雰囲気中で攪拌することにより、原料混合物に気体を取り込ませ、気泡を形成させる方法である。該方法の攪拌は、原料混合物に空気などの気体を取り込ませ、気泡を形成させることができる手段であれば限定されないが、気泡が原料混合物全体に、微細かつ均一に分散・溶解されるように行うことが好ましい。例えば、常圧下または加圧下によるミキサーによる攪拌、キャビテーションを利用した混合のような手段がある。ミキサーの場合は、10000rpm以上30000rpm以下、好ましくは20000rpm以上26000rpm以下の高速攪拌が好ましい。また、原料混合物から気体が抜け出ることを防止するため、攪拌終了時までに、加熱等の手段により原料混合物が増粘されている必要がある。
【0027】
これらの方法により、気体が混入および分散された原料混合物を密閉容器内で発泡する場合、発泡空間に応じた気体量が必要である。ここで、取り込まれた気体について、例えば大気圧下でφ8.7μmの空気核は、1torr(133Pa)ではφ100μmになる。これらの方法を用いて、原料混合物の気泡含有率が、所望の気泡含有率、例えば約25〜60体積%、好ましくは約50〜60体積%になるまで気泡を形成させる。
【0028】
気体を原料混合物に取り込む際、気体の取り込みは、取り込まれる気体の雰囲気下で攪拌することによって行ってもよく、または、取り込まれる気体をノズルなどから原料混合物に噴射しながら攪拌することによって行ってもよい。
【0029】
本発明では、原料混合物に取り込ませる気体は、不活性ガス、例えば空気、窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、クリプトンガス、無害な炭化水素ガス(例えばメタンなど)などを用いることが可能である。
【0030】
(d)の手順は、(c)の手順で原料混合物に取り込まれた気泡サイズを調整する手順である。(c)の手順によって気体が取り込まれた原料混合物は、大小様々な大きさの気泡が取り込まれ、そのように、大きさが異なる気泡が存在すると、気泡内の真空度およびそれに伴う熱伝導率にばらつきが生じ、全体として断熱性能が低下することとなる。そのため、本手順で気泡サイズの均一化を行う。具体的な方法としては、(c)の手順により気泡が取り込まれた原料混合物を遊星式攪拌装置に入れ、脱泡作用により、約φ200μm以上の大きい気泡のみを選択的に排除する。公転−自転の条件と時間は、材料などの諸条件に従って、当業者により容易に設定することができる。
以上、発泡体原料を調製する工程は(a)〜(d)の手順を含み、これらの工程は、約30℃〜60℃で行うのが好ましい。以上の工程を終了し、約φ200μm以下の気泡を有する気泡含有率が、所望の気泡含有率、例えば約25〜50体積%、好ましくは約40〜50体積%である原料混合物を、本発明において、発泡体原料という。
【0031】
第2の工程は、第1の工程で得られた発泡体原料を発泡硬化および連通化し、連通発泡体を作製する工程である。連通化とは、図1に表されるように、気泡壁1に隔てられることにより各々独立していた気泡を有する独立気泡発泡体を、2の部分のように気泡壁を破壊することで連続状態とし、連通発泡体にすることである。発泡体の断熱性を向上させるためには、発泡体の気泡空間の熱伝導率を均一に低くする必要があり、そのために、気泡内の熱伝導率を低くかつ均一化する手段として連通化を行う。連通化は、発泡硬化時の圧力から減圧することによる差圧を利用して行われ、発泡硬化の工程と連続して行う。
【0032】
発泡体を成形するためには、例えば熱硬化性樹脂を用いた場合、所定の型(例えばポリエーテルイミドのケース)または、プラスチックフィルムの袋のような適切な容器に発泡体原料を流し込み、密閉した後、減圧下で発泡させればよい。このときに適する圧力は、使用する発泡体原料の気泡含有率に依存して変化するが、到達圧力を、約15〜45torr(2.0〜6.0kPa)、好ましくは約15〜23torr(2.0〜3.0kPa)で維持するとよい。温度は、用いる熱硬化性樹脂の種類によって異なるので、熱硬化性樹脂の反応性から判断した、それぞれに適した制御可能温度とする。以上の条件を維持し、発泡および一次硬化を行う。完全硬化の約10%〜30%、好ましくは約15%〜30%硬化したところで減圧処理を行うことにより連通化および二次硬化を行う。減圧処理は、圧力を、維持していた到達圧力以下に下げることにより行い、例えば約15〜0.5torr(2.0〜0.07kPa)、好ましくは約10〜0.5torr(1.3〜0.07kPa)まで下げることにより行う。連通化に適した温度は、用いる熱硬化性樹脂の種類によって異なるが、ガラス転移温度の−10℃以上+10℃以下、好ましくはガラス転移温度以上ガラス転移温度+10℃以下が適している。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した気泡含有率50体積%の発泡体原料の場合、到達圧力は40torr(5.3kPa)であり、温度を40℃に維持し、完全硬化の約30%まで硬化させた時点で、圧力を40torr(5.3kPa)から0.75torr(0.1kPa)まで下げ、60℃で連通化させ、連通発泡体とする。
【0033】
以上のように、発泡硬化および連通化は、連続して行ってもよいが、発泡硬化を行い、連通化前の発泡体内の気泡が各々独立している独立気泡発泡体を作製した後に取り出して、次に独立して連通化を行うことも可能である。本発明においては、発泡硬化および連通化を連続して行う方法を第1の発明とし、発泡硬化と連通化とを別途に行う方法を第2の発明とする。以下に本発明の第2の発明について説明する。
【0034】
本発明の第2の製造方法は、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化して独立気泡発泡体を作製する工程と、(3)独立気泡発泡体を連通化する工程とを具備する発泡体密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を製造するための方法である。
【0035】
第1の工程は、発泡体原料を調製する工程である。この工程は、本発明の第1の製造方法と同様である。
【0036】
第2の工程は、第1の工程で得られた発泡体原料を発泡硬化し、独立気泡発泡体を作製する工程である。
発泡体を成形するためには、例えば熱硬化性樹脂を用いた場合、所定の型(例えばポリエーテルイミドのケース)または、プラスチックフィルムの袋のような適切な容器に発泡体原料を流し込み、密閉した後、減圧下で発泡させればよい。このときに適する圧力は、使用する発泡体原料の気泡含有量に依存し変化するが、到達圧力を、約15〜45torr(2.0〜6.0kPa)、好ましくは約15〜23torr(2.0〜3.0kPa)に維持するとよい。適する温度は、用いる熱硬化樹脂の種類によって異なるので、熱硬化性樹脂の反応性から判断した、それぞれに適した制御可能温度とする。これらの条件で完全に発泡硬化するまで放置し、独立気泡発泡体とする。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した気泡含有率50体積%の発泡体原料の場合、到達圧力は40torr(5.3kPa)であり、温度は60℃に維持することで完全に発泡硬化を行う。
【0037】
第3の工程は、第2の工程で作製された独立気泡発泡体を連通化して連通発泡体を作製する工程である。
熱硬化性樹脂を用いた場合、所定の型(例えばポリエーテルイミドのケース)または、プラスチックフィルムの袋のような適切な容器に第2の工程で作製された独立気泡発泡体を入れ、密閉した後、減圧処理を行うことにより連通化を行う。減圧処理は、使用する発泡体原料の気泡含有量に依存し変化するが、圧力を、約15〜0.5torr(2.0〜0.07kPa)、好ましくは約10〜0.5torr(1.3〜0.07kPa)まで低下させるとよい。温度は、用いる熱硬化性樹脂の種類によって異なるが、ガラス転移温度の−10℃以上+10℃以下、好ましくはガラス転移温度以上ガラス転移温度+10℃以下が適している。以上の条件を維持し、連通化を行う。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した気泡含有率が50体積%の発泡体原料の場合、圧力を40torr(5.3kPa)から0.75torr(0.1kPa)まで下げ、温度は60℃に維持することで連通化を行い、連通発泡体とする。
【0038】
以上のように本発明の製造方法は、シリカ粉末または繊維等の材料を用いることなく、低コストにかつ断熱性の優れた発泡体を製造することが可能である。
【0039】
次に、本発明の第3の発明について説明する。
本発明の第3は、先に説明した製造方法により製造される発泡体に関する。
【0040】
本発明の発泡体は、上記第1の発明および第2の製造方法により製造される発泡体であり、発泡体密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上の連通発泡体である。発泡体密度および樹脂容積率は、大気圧に耐えて形態を維持することができ、かつ材料費と性能のバランスを取ることができる範囲が好ましい。したがって、発泡体密度を0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下、樹脂容積率を5体積%以上10体積%以下とした。また、厚さに関しては、所望される機能が実用に適する程度に発揮される厚さが好ましく、0.5mm以上とした。
【0041】
この発泡体は、上記の方法において、種々の要請に応じた容器を使用することで、所望の構造(たとえば、所定の厚さの板状、フィルム状などの構造体)とすることができる。
【0042】
例えば、プラスチックフィルムの袋などを使用し、これに第1の発明で説明した発泡体原料を入れて減圧発泡させたり、所望形状の型中に発泡体原料を入れ、減圧発泡することで、所望形状の発泡体とすることができる。具体的には箱形(立方体、直方体など)の形状を有するプラスチックフィルムの袋に発泡体原料を入れ、減圧下で発泡させることにより、箱形の発泡体を得ることができる。また、プラスチックフィルムの袋に発泡体原料を入れ、所望の間隔(例えば20mmの間隔)のあいたたな板の間にこれを置き、これをたな板ごと減圧下に置くことで発泡体原料を発泡させ、所望の厚さの発泡体を得ることが可能である。これらは後に、さらに所望の形状に裁断または加工することも可能である。
【0043】
本発明の発泡体は、所定の構造を有する発泡体、例えば建材、冷蔵庫、自動販売機などに適した断熱材として使用することができる。
【0044】
また、本発明の発泡体は、上記第1の発明の製造方法により、使用可能な材料により構成される。本発明では、発泡体を構成する主な材料は、熱硬化性樹脂などの液状の硬化性樹脂であれば特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂などを例として挙げることができる。具体的には、旭チバ社製のエポキシ樹脂GY−260、CT200などを使用することができる。この他には、第1の発明で説明した発泡体原料の他の材料が含まれうる。
【0045】
上述の連通発泡体を用いて、断熱構造体を製造することができる。これを本発明の第4の発明として以下に説明する。
【0046】
該発泡体を利用した断熱構造体の模式図を図2に示す。該構造体は、パッケージ内部3に上記の連通発泡体を少なくとも部分的に含む内包体を含み、外側をパッキング用フィルム4でパックした構造体である。
【0047】
内包体は、前述の連通発泡体の単層構造か、または図2のように、少なくとも片面に積層フィルム6を有する連通発泡体5の層が複数層積層された積層構造を有する。これらの厚さは断熱性能を有するのに適した厚さであれば良い。単層構造の場合は、例えば約5mm以上20mm以下、好ましくは約5mm以上10mm以下の所望のサイズに切断または作製した連通発泡体を用いるとよい。積層構造の場合は、例えば厚さ約1mm〜3mm、好ましくは約1mm〜2mmの、積層フィルムを少なくとも片面に有する連通発泡体を、複数層積層させた構造が適している。この積層構造体の厚さは、例えば約5mm以上20mm以下、好ましくは約10mm以上15mm以下がよい。ここで用いられる積層フィルムは、断熱性に影響を与えない厚さの熱反射フィルムが好ましい。断熱性および取り扱い性を考慮すると、例えば約12〜50μmほどの厚さの熱反射フィルムが好ましい。材料はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミニウム箔付きフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約12μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。
【0048】
外側のパッキング用フィルムは、連通発泡体の内部を真空に維持するのに耐えられる強度を有する熱反射フィルムであり、形状は、シート状でもよいが、好ましくは容器として連通発泡体の製造に用いることが可能な袋状である。熱反射フィルムの厚さはガスバリア性を維持できる厚さが好ましく、例えば約50μm〜100μmの厚さがよい。材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエーテルイミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミ箔付きプラスチックフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約25μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。
【0049】
以上のような構造とすることで、輻射熱を抑制することができ、また、さらに密封したパッキング用フィルムの内部を真空に近い雰囲気にすることで気泡内の空間での対流を抑制でき、断熱性をより高めることができる。従って、パッキング用フィルム内部は好ましくは約1torr(133Pa)以下、さらに好ましくは約0.5torr(67Pa)以下にするとよい。
【0050】
次に上記の断熱構造体の製造方法を説明し、これを本発明の第5の発明とする。
【0051】
連通発泡体を利用した断熱構造体の製造方法は、大きく分けて内包体を作製する工程と、内包体をパッキング用フィルムでパックする工程からなる。
【0052】
以下、内包体の作製方法について説明する。
【0053】
内包体は、前述の連通発泡体の単層構造か、または、少なくとも片面に積層フィルムを有する連通発泡体層が複数層積層された構造を有する。
【0054】
単層構造の内包体を作製する場合は、次の工程であるパッキング用フィルムを密封する時に同時に連通化を行うことができるので、本発明の第2の製造方法の第2の工程で発泡硬化した独立気泡発泡体を所望のサイズにしたものを用いることができる。厚さは断熱性能を有するのに適した厚さであれば良いが、例えば約5mm以上20mm以下、好ましくは約5mm以上10mm以下の独立気泡発泡体がよい。次の工程でこの独立気泡体をパックする外側のパッキング用フィルムは、袋状の場合には容器として用いることができることから、第2の製造方法のいずれの工程からパッキング用フィルム袋内で行うことが可能である。したがって、本発明の第1の製造方法のように、発泡硬化および連通化を連続して行うことも可能である。
【0055】
積層構造の内包体の製造方法は、本発明の第1および第2の製造方法の第1の工程を経た後に得られる発泡体原料を用いる。具体的には、(1)発泡体原料を積層フィルムに塗工または印刷する工程と、(2)該発泡体原料を塗工または印刷した積層フィルムを複数層積層して張り合わせ、積層体を作成する工程と(3)積層体を発泡硬化および連通化する工程とからなる。
【0056】
第1の工程は、本発明の第1の製造方法の第4の工程で得られた発泡体原料を、積層フィルムに、均一な厚さで塗工または印刷する工程である。積層フィルムは、断熱性に影響を与えない厚さの熱反射フィルムが好ましい。断熱性および取り扱い性を考慮すると、例えば約12〜50μmの厚さの熱反射フィルムが好ましい。材料はポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエーテルイミド等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミニウム箔付きフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約12μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。このフィルム上に、発泡体原料を、塗工または印刷する。発泡体原料の厚さは、約1mm〜3mm、好ましくは約1mm〜2mmが適している。塗工印刷の方法は従来の方法により行う。
【0057】
第2の工程は、第1の工程で得られた発泡体原料が塗工または印刷されたフィルムを、複数層積層し、張り合わせて積層体を作製する工程である。塗工した樹脂により層間を張り合わせてゆき、最終的に断熱性能を有するのに適した厚さとすればよい。積層構造体の厚さは、約5mm以上20mm以下、好ましくは約5mm以上10mm以下が適している。
【0058】
第3の工程である発泡硬化および連通化する工程は、本発明の第1の製造方法における第2の工程、および本発明の第2の製造方法の第2、第3の工程の発泡硬化、連通化の工程と同様である。したがって、本発明の第1の製造方法のように発泡硬化および連通化を連続的に行ってもよく、本発明の第2の製造方法のように発泡硬化と連通化とを独立に行ってもよい。上下および厚さを規定した棚に入れて行うことで、所望の形状にすることができる。外側のパッキング用フィルムが袋状である場合は、これらの工程を行ってからパッキング用フィルムの袋に入れてもよいが、容器としてそのパッキング用フィルムの袋を使用し、これに発泡体原料を入れ、その中で発泡硬化および/または連通化をさせてもよい。
【0059】
次に内包体をパッキング用フィルムでパックする工程について説明する。
【0060】
この工程は、第4の工程で作製された連通化後の積層体を、パッキング用フィルムでパックする工程である。外側のパッキング用フィルムのパックは、連通発泡体の内部を真空に維持するのに耐えられる強度を有するものであり、形状は、シート状でもよいが、好ましくは容器として連通発泡体の製造に用いることが可能な袋状である。用いられるパッキング用フィルムは、連通下発泡体内を真空に維持するのに耐えられる強度を有する熱反射フィルムである。熱反射フィルムの厚さはガスバリア性を維持できる厚さが好ましく、例えば約50μm〜100μmが好ましい。材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエーテルイミド、エチレンビニルアルコール等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミ箔付きプラスチックフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約25μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。
【0061】
次に、パックする際に用いる部分を除いて開口部分を接着しろで接着、またはヒートシール等した後、内包体を入れたパッキング用フィルムをパックする。この時、内包体が連通化を行っていないものである場合は、パッキング用フィルム内部の圧力を減圧することで連通化を行う。この工程は本発明の第2の発明の第3の工程の連通化と同様である。そして残りの開口部分を接着しろで接着、またはヒートシール等により密封すると断熱構造体となる。
【0062】
以上のような構造とすることで、輻射熱を抑制することができ、また、さらに密封したプラスチックフィルム内部を真空に近い雰囲気にすることで気泡内の空間での対流を抑制でき、断熱性をより高めることができる。従って、パッキング用フィルム袋内部は、約1torr(133Pa)以下、好ましくは約0.5torr(67Pa)以下の圧力が適している。
【0063】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例はあくまで例示であり、本発明を制限することを意図するものではない。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では、約60℃で硬化するエポキシ樹脂と、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン系硬化剤を使用して連続的に発泡硬化および連通化を行って連通発泡体を作製する例を示す。
【0065】
エポキシ樹脂(GY260、旭チバ社製、エポキシ当量:185)に変性脂肪族ポリアミン系硬化剤(ナガセケムテック社製、H−2)を加え、ミキサーで混練し、原料混合物を調製した。混練後、真空脱泡を1torr(133Pa)で5分間行った。この真空脱泡においては、原料混合物が1torr(133Pa)以下で発泡しないことを確認し、その後ドライの窒素ガスまたは空気でパージして大気圧に戻した。極力水分の侵入がないように、操作する系統をドライ雰囲気で行った。
【0066】
次に、得られた原料混合物を、温度を40℃にし、大気中で90分間放置した後、25000rpmで攪拌することにより、原料混合物に気体を取り込ませ、気泡を形成させた。原料混合物の体積の気泡含有率は50体積%とした。そして樹脂の完全硬化の約5%の反応状態まで攪拌した。次に、この気泡が導入された原料混合物を遊星式攪拌装置に入れ、公転−自転の条件を1:2とし、40℃で0.5分間遊星式攪拌を行い、大きい気泡のみを選択的に排除して、発泡体原料とした。
【0067】
上記のようにして得られた発泡体原料を、発泡体を形成するための所定の型(20cm×20cm×1cmのアルミケース)に流し込み、密閉した後、到達圧力を40torr(5.3kPa)とし、この圧力を約40℃の温度で5時間維持することにより、発泡および硬化を行った。次に、樹脂の完全硬化の約30%で、圧力を0.75torr(0.1kPa)まで低下させ、60℃で5時間維持することにより連通化し、連通発泡体とした。
【0068】
(実施例2)
本実施例は、発泡硬化と連通化を独立して行う連通発泡体の製造方法を用いて単層断熱構造体を製造する実施例について説明する。
【0069】
実施例1において作製した発泡体原料を、発泡体を形成するための所定の型(20cm×20cm×2cmのアルミケース)に流し込み、密閉した後、到達圧力を40torr(5.3kPa)とし、この圧力を約60℃の温度で2時間維持することにより、完全に発泡および硬化を行った。次に、これを型から取り出し、22cm×22cm×2.2cmのアルミ箔付きPETフィルム(蒸着厚さ300Å/PET厚さ12μm)の袋に入れた。圧力を0.5torr(67Pa)まで低下させ、60℃で、1時間維持することにより連通化を行った後、0.5torr(67Pa)で真空パックをして、約20cm×20cm×2cmの単層断熱体とした。
【0070】
(実施例3)
本実施例は、多層断熱構造体を製造する実施例について説明する。
【0071】
実施例1において作製した発泡体原料を、アルミ蒸着PETフィルム(蒸着厚さ300Å/PET厚さ12μm)に厚さ1.5mmで均一に塗工、印刷したフィルムを5枚張り合わせて積層し、厚さ7.5mmの積層体とした。張り合わせた積層品は、上下厚さを決めた25cm×25cm×1.5cmの棚に入れ、到達圧力40torr(5.3kPa)に保持した状態で、約60℃の温度で発泡硬化させた。樹脂の完全硬化の約30%で0.5torr(67Pa)まで圧力を下げ、60℃で、1時間維持することにより連通化を行い、0.5torr(67Pa)で真空パックをして、約20cm×20cm×2cmの多層断熱構造体とした。
断熱構造体の空間は真空状態であり、樹脂部分を除くと、発泡体密度が0.11g/cm3のとき90体積%、0.05g/cm3のとき、約96質量%が真空空間となった。
【0072】
(比較例)
連通化の処理以外は実施例3に記載の方法と同様の方法で多層断熱構造体を作製した。
【0073】
比較例により作製された連通化を行わなかった多層断熱構造体は、断熱性能が、真空度0.1torr(13Pa)で、30mW/m・kであったのに対し、実施例3によって作製された断熱構造体は、真空度0.1torr(13Pa)で、5mW/m・kと優れた断熱性能を示した。発泡倍率に関しては、結果を図3および図4に示す。発泡体密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下の場合の発泡倍率は、樹脂気泡含有率が50体積%で約5倍〜15倍(図3)、27.7体積%で約10倍〜22倍(図4)であり、高い発泡率が得られた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、高発泡倍率の発泡体を連通化させ、その連通化した空間を真空にすることで、断熱性能と低コストを両立することが可能である。また、樹脂配合を耐熱性の高いものに変更することで、耐熱性、断熱性能の高い断熱体を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡体および連通発泡体の内部の断面模式図を示した図である。
【図2】多層断熱体の断面模式図を示した図である。
【図3】発泡体積356cc、樹脂気泡含有率が50体積%の場合の発泡密度と発泡倍率の関係および発泡密度と気泡内圧力の関係を示した図である。
【図4】発泡体積356cc、樹脂気泡含有率が27.7体積%の場合の発泡密度と発泡倍率の関係および発泡密度と気泡内圧力の関係を示した図である。
【符号の説明】
1 気泡壁
2 連通化により壊れた気泡壁
3 パッケージ内部
4 パッキング用フィルム
5 連通発泡体
6 積層フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材、冷蔵庫、自動販売機等の断熱材として使用可能な発泡体の製造方法とこの製造方法により製造される発泡体、ならびにその発泡体を利用して作製される断熱構造体の製造方法とその製造方法により製造される断熱構造体に関する。特に本発明は、高発泡倍率で耐熱性および断熱性能の高い発泡体とその製造方法、ならびにその発泡体を用いた断熱構造体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建材、冷蔵庫、自動販売機等の断熱材として使用可能な熱硬化性樹脂を用いた発泡体は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂に、フロン系ガス、化学反応により発生するガス、熱分解ガスなどの発泡剤を利用して、適切な発泡手段を用いて発泡することにより製造される。今日オゾン層破壊の防止などの環境破壊の観点から、ウレタンフォームなどの廃棄の際は、これを粉々に粉砕し、中に存在するガスを回収する必要がある。しかし、特殊なガスを用いた発泡体では、ガスを回収し、ガスおよび発泡体をリサイクルする観点から処理コストが大きくなる。このため、新たな発泡体およびその製造方法が望まれている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4などには、フロンガスの代わりに空気等を混入して発泡させる方法が開示されている。
【0003】
しかしこれらの発明では、高発泡倍率で耐熱性および断熱性能の高い発泡体を製造する方法は示されていない。
【0004】
また、その他に、耐熱性および断熱性能の高い断熱パネルとして、シリカ粉末またはウレタン粉末などをガスバリヤ性フィルムでパックし、中を真空にしたものが知られている。
【0005】
しかし、そのように耐熱性および断熱性を高めるためにシリカ粉末または繊維等を用いたり、真空パックなどの手段を用いる場合は、コスト高につながるか、設備負担が大きくなるなどの問題がある。したがって、材料の低コスト化が必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、環境に有害と思われる化学物質を発泡体として使用せず、かつ、発泡倍率が高く、簡便な方法で耐熱性および断熱特性の優れた発泡体およびそれを利用した断熱構造体を製造する方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、前記製造方法により製造された耐熱性および断熱特性に優れた発泡体および断熱構造体を提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−36142号公報
【0008】
【特許文献2】
特開昭60−35016号公報
【0009】
【特許文献3】
特開昭64−45606号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平5−318506号公報
【0011】
【特許文献5】
特願2001−294638号
【0012】
【特許文献6】
特願2001−304927号
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明の第1は、発泡体原料を発泡硬化させて発泡体を形成する発泡体の製造方法において、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程とを含むことを特徴とする発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体の製造方法である。該方法は、発泡硬化および連通化を連続的に行うことも可能であるが、発泡体原料を発泡硬化した後に、独立して連通化を行うことも可能であり、これを本発明の第2とする。
【0014】
本発明の第3は、上記の製造方法によって製造される、発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上であることを特徴とする連通発泡体である。
【0015】
本発明の第4は、内部に発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を、少なくとも部分的に含む内包体を含み、外部に熱反射フィルムでパックした構造を有することを特徴とする断熱構造体である。この断熱構造体は、好ましくは内部が0.5torr(67Pa)以下で真空パックされる。さらに好ましくは、外部の熱反射フィルムはアルミ箔付きフィルムである。
【0016】
上記断熱構造体の内包体は、連通発泡体の単層構造か、または、少なくとも片面に熱反射フィルムを有する連通発泡体を複数層積層した構造である。
【0017】
以上の構造の断熱構造体の製造方法を本発明の第5とする。該方法は、(1)発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を少なくとも部分的に含む内包体を作製する工程と、(2)外部を熱反射フィルムでパックする工程とを含む断熱構造体の製造方法である。内包体が積層構造の断熱構造体の場合は、上記の内包体を作製する工程において、(a)発泡体原料を、熱反射フィルムに塗工印刷する工程と、(b)発泡体原料を塗工印刷したフィルムを複数層積層して、積層体を作成する工程と(c)前記積層体を発泡硬化および連通化する工程とをさらに含む。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1は、断熱特性の優れた発泡体の製造方法に関する。
【0019】
本発明の第1の製造方法は、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程とを具備し、この発泡体の密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を製造するための方法である。
【0020】
以下それぞれの工程について説明する。
【0021】
本発明の第1の工程は発泡体原料を調製する工程である。この工程は、(a)原料を混合または混練して原料混合物を作製する手順と、(b)原料混合物を脱泡する手順と、(c)原料混合物に気体を混入および分散させる手順と、(d)混入分散させた前記原料混合物中の気泡サイズを調整する手順を含む。以下それぞれの手順について説明する。
【0022】
(a)の手順は、本発明に使用可能な原料を混合または混練して原料混合物を作製する手順である。本発明では、原料は、液状で、かつ(c)の手順で気体を取り込むことができることが必要であり、更に発泡後に大気圧以上の圧力に耐え得る強度(0.04g/cm3の発泡密度で圧縮強さが1.2g/cm3以上)のものである。ただし、樹脂自体に強度が若干不足している場合でも、ミクロマイカ、アエロジル等の粉末充填剤を配合することで、樹脂強度を向上することができる。また、反応を熱などで制御できる材料であればよい。例えば発泡体にする原料が、曲げ強さ127MPa以上、曲げ弾性率8300MPa以上になるような熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、上記要件を満たす限り特に限定されないが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂などを例として挙げることができる。具体的には旭チバ製のエポキシ樹脂GY−260、CT200などを使用することができる。さらに、熱硬化性樹脂の場合、硬化剤を含むことができ、これらは例えば、アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤などを挙げることができる。具体的には、ナガセケムテックス社製、H−2、バンティコ製、HY−225などである。
【0023】
本発明では、界面活性剤、シリコン整泡剤のような整泡剤などを添加することができるが、これらは任意成分であり、必ずしもこれらの成分を添加する必要はない。これらの成分を含まないことにより、コストダウンおよび発泡体原料の調製をより簡便に行うことができる。
【0024】
これらの材料を所定量秤量し、機械的な混合または混練の手段、例えばはじめに大きな攪拌羽で混ぜ、次に混ぜた気泡を小さくするため小型の羽を使用し、高速(例えば1000rpm以上)で混合すればよい。このような手段で混合または混練し、原料混合物を調製する。混合または混練は、材料が均一になるまで行えばよく、材料の種類に従って、当業者により容易に設定することができる。
【0025】
(b)の手順は、(a)の手順で得られた原料混合物を脱泡する手順である。混合または混練した原料混合物を真空脱泡により脱泡する。このように一度脱泡することで、水分の除去、低分子分の除去ができ、(c)の手順で気体を均一に取り込むことができる。さらに、(c)の手順で空気以外の気体を用いる場合には、空気の不要な混合を防止することができる。混練後の真空脱泡は、発泡させる圧力以上で行う必要があり、通常約1〜3torr(133〜399Pa)で行うことができる。この真空脱泡においては、発泡体原料が約1〜3torr(133〜399Pa)で発泡しないことを確認する。混合物から不必要な気泡が出るまで行い、この後、発泡体原料を大気圧に戻し、次の(c)の手順に供する。
【0026】
(c)の手順は、気体を原料混合物に混入および分散させる手順である。この工程は、気体を原料混合物に混入および分散させ、原料混合物中に気泡を形成させることが可能な任意の方法を用いることができる。例えば特許文献5に記載の粉体混入法、特許文献6に記載の攪拌法、またはこれらを組み合わせた方法等を用いることができる。粉体混入法とは、活性炭、アエロジル、酸化マグネシウム、ゼオライト、シリカゲル等の微粉末を反応前の樹脂に混合することで、均一で微細な空気核(1torr(133Pa)で膨張させた場合に約100μmになるような、20μm以下の空気核)を導入し、および気泡維持のためのチクソ性を付与する方法である。また、該方法は、粉末を樹脂に混合する際に巻き込まれる気泡が分散したものと、微粉末の表面、細孔に化学的、物理的に吸着、付着しているガスの気泡の2種類を、後に行う発泡の核材とすることができる。攪拌法は、得られた原料混合物を所望の気体雰囲気中で攪拌することにより、原料混合物に気体を取り込ませ、気泡を形成させる方法である。該方法の攪拌は、原料混合物に空気などの気体を取り込ませ、気泡を形成させることができる手段であれば限定されないが、気泡が原料混合物全体に、微細かつ均一に分散・溶解されるように行うことが好ましい。例えば、常圧下または加圧下によるミキサーによる攪拌、キャビテーションを利用した混合のような手段がある。ミキサーの場合は、10000rpm以上30000rpm以下、好ましくは20000rpm以上26000rpm以下の高速攪拌が好ましい。また、原料混合物から気体が抜け出ることを防止するため、攪拌終了時までに、加熱等の手段により原料混合物が増粘されている必要がある。
【0027】
これらの方法により、気体が混入および分散された原料混合物を密閉容器内で発泡する場合、発泡空間に応じた気体量が必要である。ここで、取り込まれた気体について、例えば大気圧下でφ8.7μmの空気核は、1torr(133Pa)ではφ100μmになる。これらの方法を用いて、原料混合物の気泡含有率が、所望の気泡含有率、例えば約25〜60体積%、好ましくは約50〜60体積%になるまで気泡を形成させる。
【0028】
気体を原料混合物に取り込む際、気体の取り込みは、取り込まれる気体の雰囲気下で攪拌することによって行ってもよく、または、取り込まれる気体をノズルなどから原料混合物に噴射しながら攪拌することによって行ってもよい。
【0029】
本発明では、原料混合物に取り込ませる気体は、不活性ガス、例えば空気、窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、クリプトンガス、無害な炭化水素ガス(例えばメタンなど)などを用いることが可能である。
【0030】
(d)の手順は、(c)の手順で原料混合物に取り込まれた気泡サイズを調整する手順である。(c)の手順によって気体が取り込まれた原料混合物は、大小様々な大きさの気泡が取り込まれ、そのように、大きさが異なる気泡が存在すると、気泡内の真空度およびそれに伴う熱伝導率にばらつきが生じ、全体として断熱性能が低下することとなる。そのため、本手順で気泡サイズの均一化を行う。具体的な方法としては、(c)の手順により気泡が取り込まれた原料混合物を遊星式攪拌装置に入れ、脱泡作用により、約φ200μm以上の大きい気泡のみを選択的に排除する。公転−自転の条件と時間は、材料などの諸条件に従って、当業者により容易に設定することができる。
以上、発泡体原料を調製する工程は(a)〜(d)の手順を含み、これらの工程は、約30℃〜60℃で行うのが好ましい。以上の工程を終了し、約φ200μm以下の気泡を有する気泡含有率が、所望の気泡含有率、例えば約25〜50体積%、好ましくは約40〜50体積%である原料混合物を、本発明において、発泡体原料という。
【0031】
第2の工程は、第1の工程で得られた発泡体原料を発泡硬化および連通化し、連通発泡体を作製する工程である。連通化とは、図1に表されるように、気泡壁1に隔てられることにより各々独立していた気泡を有する独立気泡発泡体を、2の部分のように気泡壁を破壊することで連続状態とし、連通発泡体にすることである。発泡体の断熱性を向上させるためには、発泡体の気泡空間の熱伝導率を均一に低くする必要があり、そのために、気泡内の熱伝導率を低くかつ均一化する手段として連通化を行う。連通化は、発泡硬化時の圧力から減圧することによる差圧を利用して行われ、発泡硬化の工程と連続して行う。
【0032】
発泡体を成形するためには、例えば熱硬化性樹脂を用いた場合、所定の型(例えばポリエーテルイミドのケース)または、プラスチックフィルムの袋のような適切な容器に発泡体原料を流し込み、密閉した後、減圧下で発泡させればよい。このときに適する圧力は、使用する発泡体原料の気泡含有率に依存して変化するが、到達圧力を、約15〜45torr(2.0〜6.0kPa)、好ましくは約15〜23torr(2.0〜3.0kPa)で維持するとよい。温度は、用いる熱硬化性樹脂の種類によって異なるので、熱硬化性樹脂の反応性から判断した、それぞれに適した制御可能温度とする。以上の条件を維持し、発泡および一次硬化を行う。完全硬化の約10%〜30%、好ましくは約15%〜30%硬化したところで減圧処理を行うことにより連通化および二次硬化を行う。減圧処理は、圧力を、維持していた到達圧力以下に下げることにより行い、例えば約15〜0.5torr(2.0〜0.07kPa)、好ましくは約10〜0.5torr(1.3〜0.07kPa)まで下げることにより行う。連通化に適した温度は、用いる熱硬化性樹脂の種類によって異なるが、ガラス転移温度の−10℃以上+10℃以下、好ましくはガラス転移温度以上ガラス転移温度+10℃以下が適している。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した気泡含有率50体積%の発泡体原料の場合、到達圧力は40torr(5.3kPa)であり、温度を40℃に維持し、完全硬化の約30%まで硬化させた時点で、圧力を40torr(5.3kPa)から0.75torr(0.1kPa)まで下げ、60℃で連通化させ、連通発泡体とする。
【0033】
以上のように、発泡硬化および連通化は、連続して行ってもよいが、発泡硬化を行い、連通化前の発泡体内の気泡が各々独立している独立気泡発泡体を作製した後に取り出して、次に独立して連通化を行うことも可能である。本発明においては、発泡硬化および連通化を連続して行う方法を第1の発明とし、発泡硬化と連通化とを別途に行う方法を第2の発明とする。以下に本発明の第2の発明について説明する。
【0034】
本発明の第2の製造方法は、(1)発泡体原料を調製する工程と、(2)発泡体原料を発泡硬化して独立気泡発泡体を作製する工程と、(3)独立気泡発泡体を連通化する工程とを具備する発泡体密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を製造するための方法である。
【0035】
第1の工程は、発泡体原料を調製する工程である。この工程は、本発明の第1の製造方法と同様である。
【0036】
第2の工程は、第1の工程で得られた発泡体原料を発泡硬化し、独立気泡発泡体を作製する工程である。
発泡体を成形するためには、例えば熱硬化性樹脂を用いた場合、所定の型(例えばポリエーテルイミドのケース)または、プラスチックフィルムの袋のような適切な容器に発泡体原料を流し込み、密閉した後、減圧下で発泡させればよい。このときに適する圧力は、使用する発泡体原料の気泡含有量に依存し変化するが、到達圧力を、約15〜45torr(2.0〜6.0kPa)、好ましくは約15〜23torr(2.0〜3.0kPa)に維持するとよい。適する温度は、用いる熱硬化樹脂の種類によって異なるので、熱硬化性樹脂の反応性から判断した、それぞれに適した制御可能温度とする。これらの条件で完全に発泡硬化するまで放置し、独立気泡発泡体とする。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した気泡含有率50体積%の発泡体原料の場合、到達圧力は40torr(5.3kPa)であり、温度は60℃に維持することで完全に発泡硬化を行う。
【0037】
第3の工程は、第2の工程で作製された独立気泡発泡体を連通化して連通発泡体を作製する工程である。
熱硬化性樹脂を用いた場合、所定の型(例えばポリエーテルイミドのケース)または、プラスチックフィルムの袋のような適切な容器に第2の工程で作製された独立気泡発泡体を入れ、密閉した後、減圧処理を行うことにより連通化を行う。減圧処理は、使用する発泡体原料の気泡含有量に依存し変化するが、圧力を、約15〜0.5torr(2.0〜0.07kPa)、好ましくは約10〜0.5torr(1.3〜0.07kPa)まで低下させるとよい。温度は、用いる熱硬化性樹脂の種類によって異なるが、ガラス転移温度の−10℃以上+10℃以下、好ましくはガラス転移温度以上ガラス転移温度+10℃以下が適している。以上の条件を維持し、連通化を行う。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤を使用した気泡含有率が50体積%の発泡体原料の場合、圧力を40torr(5.3kPa)から0.75torr(0.1kPa)まで下げ、温度は60℃に維持することで連通化を行い、連通発泡体とする。
【0038】
以上のように本発明の製造方法は、シリカ粉末または繊維等の材料を用いることなく、低コストにかつ断熱性の優れた発泡体を製造することが可能である。
【0039】
次に、本発明の第3の発明について説明する。
本発明の第3は、先に説明した製造方法により製造される発泡体に関する。
【0040】
本発明の発泡体は、上記第1の発明および第2の製造方法により製造される発泡体であり、発泡体密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上の連通発泡体である。発泡体密度および樹脂容積率は、大気圧に耐えて形態を維持することができ、かつ材料費と性能のバランスを取ることができる範囲が好ましい。したがって、発泡体密度を0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下、樹脂容積率を5体積%以上10体積%以下とした。また、厚さに関しては、所望される機能が実用に適する程度に発揮される厚さが好ましく、0.5mm以上とした。
【0041】
この発泡体は、上記の方法において、種々の要請に応じた容器を使用することで、所望の構造(たとえば、所定の厚さの板状、フィルム状などの構造体)とすることができる。
【0042】
例えば、プラスチックフィルムの袋などを使用し、これに第1の発明で説明した発泡体原料を入れて減圧発泡させたり、所望形状の型中に発泡体原料を入れ、減圧発泡することで、所望形状の発泡体とすることができる。具体的には箱形(立方体、直方体など)の形状を有するプラスチックフィルムの袋に発泡体原料を入れ、減圧下で発泡させることにより、箱形の発泡体を得ることができる。また、プラスチックフィルムの袋に発泡体原料を入れ、所望の間隔(例えば20mmの間隔)のあいたたな板の間にこれを置き、これをたな板ごと減圧下に置くことで発泡体原料を発泡させ、所望の厚さの発泡体を得ることが可能である。これらは後に、さらに所望の形状に裁断または加工することも可能である。
【0043】
本発明の発泡体は、所定の構造を有する発泡体、例えば建材、冷蔵庫、自動販売機などに適した断熱材として使用することができる。
【0044】
また、本発明の発泡体は、上記第1の発明の製造方法により、使用可能な材料により構成される。本発明では、発泡体を構成する主な材料は、熱硬化性樹脂などの液状の硬化性樹脂であれば特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂などを例として挙げることができる。具体的には、旭チバ社製のエポキシ樹脂GY−260、CT200などを使用することができる。この他には、第1の発明で説明した発泡体原料の他の材料が含まれうる。
【0045】
上述の連通発泡体を用いて、断熱構造体を製造することができる。これを本発明の第4の発明として以下に説明する。
【0046】
該発泡体を利用した断熱構造体の模式図を図2に示す。該構造体は、パッケージ内部3に上記の連通発泡体を少なくとも部分的に含む内包体を含み、外側をパッキング用フィルム4でパックした構造体である。
【0047】
内包体は、前述の連通発泡体の単層構造か、または図2のように、少なくとも片面に積層フィルム6を有する連通発泡体5の層が複数層積層された積層構造を有する。これらの厚さは断熱性能を有するのに適した厚さであれば良い。単層構造の場合は、例えば約5mm以上20mm以下、好ましくは約5mm以上10mm以下の所望のサイズに切断または作製した連通発泡体を用いるとよい。積層構造の場合は、例えば厚さ約1mm〜3mm、好ましくは約1mm〜2mmの、積層フィルムを少なくとも片面に有する連通発泡体を、複数層積層させた構造が適している。この積層構造体の厚さは、例えば約5mm以上20mm以下、好ましくは約10mm以上15mm以下がよい。ここで用いられる積層フィルムは、断熱性に影響を与えない厚さの熱反射フィルムが好ましい。断熱性および取り扱い性を考慮すると、例えば約12〜50μmほどの厚さの熱反射フィルムが好ましい。材料はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミニウム箔付きフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約12μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。
【0048】
外側のパッキング用フィルムは、連通発泡体の内部を真空に維持するのに耐えられる強度を有する熱反射フィルムであり、形状は、シート状でもよいが、好ましくは容器として連通発泡体の製造に用いることが可能な袋状である。熱反射フィルムの厚さはガスバリア性を維持できる厚さが好ましく、例えば約50μm〜100μmの厚さがよい。材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエーテルイミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミ箔付きプラスチックフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約25μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。
【0049】
以上のような構造とすることで、輻射熱を抑制することができ、また、さらに密封したパッキング用フィルムの内部を真空に近い雰囲気にすることで気泡内の空間での対流を抑制でき、断熱性をより高めることができる。従って、パッキング用フィルム内部は好ましくは約1torr(133Pa)以下、さらに好ましくは約0.5torr(67Pa)以下にするとよい。
【0050】
次に上記の断熱構造体の製造方法を説明し、これを本発明の第5の発明とする。
【0051】
連通発泡体を利用した断熱構造体の製造方法は、大きく分けて内包体を作製する工程と、内包体をパッキング用フィルムでパックする工程からなる。
【0052】
以下、内包体の作製方法について説明する。
【0053】
内包体は、前述の連通発泡体の単層構造か、または、少なくとも片面に積層フィルムを有する連通発泡体層が複数層積層された構造を有する。
【0054】
単層構造の内包体を作製する場合は、次の工程であるパッキング用フィルムを密封する時に同時に連通化を行うことができるので、本発明の第2の製造方法の第2の工程で発泡硬化した独立気泡発泡体を所望のサイズにしたものを用いることができる。厚さは断熱性能を有するのに適した厚さであれば良いが、例えば約5mm以上20mm以下、好ましくは約5mm以上10mm以下の独立気泡発泡体がよい。次の工程でこの独立気泡体をパックする外側のパッキング用フィルムは、袋状の場合には容器として用いることができることから、第2の製造方法のいずれの工程からパッキング用フィルム袋内で行うことが可能である。したがって、本発明の第1の製造方法のように、発泡硬化および連通化を連続して行うことも可能である。
【0055】
積層構造の内包体の製造方法は、本発明の第1および第2の製造方法の第1の工程を経た後に得られる発泡体原料を用いる。具体的には、(1)発泡体原料を積層フィルムに塗工または印刷する工程と、(2)該発泡体原料を塗工または印刷した積層フィルムを複数層積層して張り合わせ、積層体を作成する工程と(3)積層体を発泡硬化および連通化する工程とからなる。
【0056】
第1の工程は、本発明の第1の製造方法の第4の工程で得られた発泡体原料を、積層フィルムに、均一な厚さで塗工または印刷する工程である。積層フィルムは、断熱性に影響を与えない厚さの熱反射フィルムが好ましい。断熱性および取り扱い性を考慮すると、例えば約12〜50μmの厚さの熱反射フィルムが好ましい。材料はポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエーテルイミド等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミニウム箔付きフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約12μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。このフィルム上に、発泡体原料を、塗工または印刷する。発泡体原料の厚さは、約1mm〜3mm、好ましくは約1mm〜2mmが適している。塗工印刷の方法は従来の方法により行う。
【0057】
第2の工程は、第1の工程で得られた発泡体原料が塗工または印刷されたフィルムを、複数層積層し、張り合わせて積層体を作製する工程である。塗工した樹脂により層間を張り合わせてゆき、最終的に断熱性能を有するのに適した厚さとすればよい。積層構造体の厚さは、約5mm以上20mm以下、好ましくは約5mm以上10mm以下が適している。
【0058】
第3の工程である発泡硬化および連通化する工程は、本発明の第1の製造方法における第2の工程、および本発明の第2の製造方法の第2、第3の工程の発泡硬化、連通化の工程と同様である。したがって、本発明の第1の製造方法のように発泡硬化および連通化を連続的に行ってもよく、本発明の第2の製造方法のように発泡硬化と連通化とを独立に行ってもよい。上下および厚さを規定した棚に入れて行うことで、所望の形状にすることができる。外側のパッキング用フィルムが袋状である場合は、これらの工程を行ってからパッキング用フィルムの袋に入れてもよいが、容器としてそのパッキング用フィルムの袋を使用し、これに発泡体原料を入れ、その中で発泡硬化および/または連通化をさせてもよい。
【0059】
次に内包体をパッキング用フィルムでパックする工程について説明する。
【0060】
この工程は、第4の工程で作製された連通化後の積層体を、パッキング用フィルムでパックする工程である。外側のパッキング用フィルムのパックは、連通発泡体の内部を真空に維持するのに耐えられる強度を有するものであり、形状は、シート状でもよいが、好ましくは容器として連通発泡体の製造に用いることが可能な袋状である。用いられるパッキング用フィルムは、連通下発泡体内を真空に維持するのに耐えられる強度を有する熱反射フィルムである。熱反射フィルムの厚さはガスバリア性を維持できる厚さが好ましく、例えば約50μm〜100μmが好ましい。材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエーテルイミド、エチレンビニルアルコール等からなる。好ましくは金属箔または金属蒸着膜が付されており、より好ましくはアルミ箔付きプラスチックフィルムである。具体的には、蒸着厚さが約300Å、PETの厚さが約25μmのアルミ蒸着PETフィルムが好ましい。
【0061】
次に、パックする際に用いる部分を除いて開口部分を接着しろで接着、またはヒートシール等した後、内包体を入れたパッキング用フィルムをパックする。この時、内包体が連通化を行っていないものである場合は、パッキング用フィルム内部の圧力を減圧することで連通化を行う。この工程は本発明の第2の発明の第3の工程の連通化と同様である。そして残りの開口部分を接着しろで接着、またはヒートシール等により密封すると断熱構造体となる。
【0062】
以上のような構造とすることで、輻射熱を抑制することができ、また、さらに密封したプラスチックフィルム内部を真空に近い雰囲気にすることで気泡内の空間での対流を抑制でき、断熱性をより高めることができる。従って、パッキング用フィルム袋内部は、約1torr(133Pa)以下、好ましくは約0.5torr(67Pa)以下の圧力が適している。
【0063】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例はあくまで例示であり、本発明を制限することを意図するものではない。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では、約60℃で硬化するエポキシ樹脂と、硬化剤として変性脂肪族ポリアミン系硬化剤を使用して連続的に発泡硬化および連通化を行って連通発泡体を作製する例を示す。
【0065】
エポキシ樹脂(GY260、旭チバ社製、エポキシ当量:185)に変性脂肪族ポリアミン系硬化剤(ナガセケムテック社製、H−2)を加え、ミキサーで混練し、原料混合物を調製した。混練後、真空脱泡を1torr(133Pa)で5分間行った。この真空脱泡においては、原料混合物が1torr(133Pa)以下で発泡しないことを確認し、その後ドライの窒素ガスまたは空気でパージして大気圧に戻した。極力水分の侵入がないように、操作する系統をドライ雰囲気で行った。
【0066】
次に、得られた原料混合物を、温度を40℃にし、大気中で90分間放置した後、25000rpmで攪拌することにより、原料混合物に気体を取り込ませ、気泡を形成させた。原料混合物の体積の気泡含有率は50体積%とした。そして樹脂の完全硬化の約5%の反応状態まで攪拌した。次に、この気泡が導入された原料混合物を遊星式攪拌装置に入れ、公転−自転の条件を1:2とし、40℃で0.5分間遊星式攪拌を行い、大きい気泡のみを選択的に排除して、発泡体原料とした。
【0067】
上記のようにして得られた発泡体原料を、発泡体を形成するための所定の型(20cm×20cm×1cmのアルミケース)に流し込み、密閉した後、到達圧力を40torr(5.3kPa)とし、この圧力を約40℃の温度で5時間維持することにより、発泡および硬化を行った。次に、樹脂の完全硬化の約30%で、圧力を0.75torr(0.1kPa)まで低下させ、60℃で5時間維持することにより連通化し、連通発泡体とした。
【0068】
(実施例2)
本実施例は、発泡硬化と連通化を独立して行う連通発泡体の製造方法を用いて単層断熱構造体を製造する実施例について説明する。
【0069】
実施例1において作製した発泡体原料を、発泡体を形成するための所定の型(20cm×20cm×2cmのアルミケース)に流し込み、密閉した後、到達圧力を40torr(5.3kPa)とし、この圧力を約60℃の温度で2時間維持することにより、完全に発泡および硬化を行った。次に、これを型から取り出し、22cm×22cm×2.2cmのアルミ箔付きPETフィルム(蒸着厚さ300Å/PET厚さ12μm)の袋に入れた。圧力を0.5torr(67Pa)まで低下させ、60℃で、1時間維持することにより連通化を行った後、0.5torr(67Pa)で真空パックをして、約20cm×20cm×2cmの単層断熱体とした。
【0070】
(実施例3)
本実施例は、多層断熱構造体を製造する実施例について説明する。
【0071】
実施例1において作製した発泡体原料を、アルミ蒸着PETフィルム(蒸着厚さ300Å/PET厚さ12μm)に厚さ1.5mmで均一に塗工、印刷したフィルムを5枚張り合わせて積層し、厚さ7.5mmの積層体とした。張り合わせた積層品は、上下厚さを決めた25cm×25cm×1.5cmの棚に入れ、到達圧力40torr(5.3kPa)に保持した状態で、約60℃の温度で発泡硬化させた。樹脂の完全硬化の約30%で0.5torr(67Pa)まで圧力を下げ、60℃で、1時間維持することにより連通化を行い、0.5torr(67Pa)で真空パックをして、約20cm×20cm×2cmの多層断熱構造体とした。
断熱構造体の空間は真空状態であり、樹脂部分を除くと、発泡体密度が0.11g/cm3のとき90体積%、0.05g/cm3のとき、約96質量%が真空空間となった。
【0072】
(比較例)
連通化の処理以外は実施例3に記載の方法と同様の方法で多層断熱構造体を作製した。
【0073】
比較例により作製された連通化を行わなかった多層断熱構造体は、断熱性能が、真空度0.1torr(13Pa)で、30mW/m・kであったのに対し、実施例3によって作製された断熱構造体は、真空度0.1torr(13Pa)で、5mW/m・kと優れた断熱性能を示した。発泡倍率に関しては、結果を図3および図4に示す。発泡体密度が0.04g/cm3以上、0.11g/cm3以下の場合の発泡倍率は、樹脂気泡含有率が50体積%で約5倍〜15倍(図3)、27.7体積%で約10倍〜22倍(図4)であり、高い発泡率が得られた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、高発泡倍率の発泡体を連通化させ、その連通化した空間を真空にすることで、断熱性能と低コストを両立することが可能である。また、樹脂配合を耐熱性の高いものに変更することで、耐熱性、断熱性能の高い断熱体を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡体および連通発泡体の内部の断面模式図を示した図である。
【図2】多層断熱体の断面模式図を示した図である。
【図3】発泡体積356cc、樹脂気泡含有率が50体積%の場合の発泡密度と発泡倍率の関係および発泡密度と気泡内圧力の関係を示した図である。
【図4】発泡体積356cc、樹脂気泡含有率が27.7体積%の場合の発泡密度と発泡倍率の関係および発泡密度と気泡内圧力の関係を示した図である。
【符号の説明】
1 気泡壁
2 連通化により壊れた気泡壁
3 パッケージ内部
4 パッキング用フィルム
5 連通発泡体
6 積層フィルム
Claims (10)
- 発泡体原料を発泡硬化させて発泡体を形成する発泡体の製造方法において、
(1)発泡体原料を調製する工程と、
(2)発泡体原料を発泡硬化および連通化する工程と
を含むことを特徴とする発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体の製造方法。 - 発泡体原料を発泡硬化した後に、独立して連通化を行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上であることを特徴とする連通発泡体。
- 内部に発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を少なくとも部分的に含む内包体を含み、外部に熱反射フィルムでパックした構造を有することを特徴とする断熱構造体。
- 前記断熱構造体の内部が67Pa以下の真空度であることを特徴とする請求項4に記載の断熱構造体。
- 前記熱反射フィルムがアルミ箔付きフィルムであることを特徴とする請求項4に記載の断熱構造体。
- 前記内包体が連通発泡体の単層構造であることを特徴とする請求項4に記載の断熱構造体。
- 前記内包体が、少なくとも片面に熱反射フィルムを有する連通発泡体を複数層積層した構造であることを特徴とする請求項4に記載の断熱構造体。
- (1)発泡体密度が0.04g/cm3以上0.11g/cm3以下であり、樹脂容積率が5体積%以上10体積%以下であり、および厚さが0.5mm以上である連通発泡体を少なくとも部分的に含む内包体を作製する工程と、
(2)外部を熱反射フィルムでパックする工程と
を含むことを特徴とする断熱構造体の製造方法。 - 内包体を作製する工程において、
(a)発泡体原料を熱反射フィルムに塗工印刷する工程と、
(b)発泡体原料を塗工印刷した熱反射フィルムを複数層積層して、積層体を作成する工程と、
(c)前記積層体を発泡硬化および連通化する工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の断熱構造体の製造方法。
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JP2010533757A (ja) * | 2007-07-16 | 2010-10-28 | シーカ・テクノロジー・アーゲー | 熱により硬化可能な発泡体 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042993A patent/JP2004250596A/ja active Pending
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