JP2004249154A - 静電塗布装置および静電塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布液の吐出量が増大した場合にも、前記塗布液を確実に、しかも安定して微粒子化でき、良質なマット化面の得られる静電塗布装置および静電塗布方法の提供。
【解決手段】塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布装置であって、前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって滴状に吐出するノズルとを有してなり、前記ノズルの先端部には、前記塗布液の吐出方向に向かって延在する針状部が設けられてなる静電塗布装置、静電塗布方法。
【選択図】 図1
【解決手段】塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布装置であって、前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって滴状に吐出するノズルとを有してなり、前記ノズルの先端部には、前記塗布液の吐出方向に向かって延在する針状部が設けられてなる静電塗布装置、静電塗布方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電塗布装置および静電塗布方法に関し、特に、静電塗布時において、塗布液の吐出両が多い場合にも、塗布液を確実に微粒化して被塗布物に塗布できる静電塗布装置および静電塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PS版を露光する際に製版層とフィルムとが確実に真空密着するように、PS版の製版層の全面に多数のマットが形成されている。
【0003】
前記マットは、通常、水溶性樹脂の水溶液を主成分とするマット化液を霧化して前記製版層に付着させて乾燥させることにより形成される。
【0004】
前記マット化液は、これまでは、高速で回転する回転霧化頭を有する静電霧化装置を用いて霧化して前記製版層に静電的に付着させるのが一般的であった。
【0005】
しかし、前記静電霧化装置を用いる場合には、回転霧化頭からの遠心力で飛び散ったマット化液によって周囲が汚れないようにし、同時に、前記回転霧化頭に印加された高電圧からオペレータを保護する目的で、前記静電霧化装置全体をブースに収容する必要があったので、設備が大掛かりになるという問題があった。また、前記静電霧化装置を用いた場合には、製版層の表面に不揃いなマットが形成される問題もあった。
【0006】
そこで、前記問題を解決すべく、インキジェットプリンタを前記PS版のマット化に使用することが検討された。
【0007】
インキジェットプリンタは、インキを滴状に吐出する多数のノズルと、前記ノズルのそれぞれについて設けられ、前記インキを貯留するインキ室とを有するインキジェットヘッドを備える。そして、前記インキを前記ノズルから吐出させる圧力発生部材と前記圧力発生部材を駆動する圧電素子とが前記インキ室の内部に収容されている。
【0008】
前記インキジェットは、高電圧を印加する必要がなく、しかも、インキが周囲に飛び散ることもないから、大掛かりなブースは不要であると考えられる。また、インキ滴の粒度分布が単分散に近いので、大きさの均一なマットが形成できると考えられる。
【0009】
しかしながら、前記インキジェットをPS版のマット化に使用する場合には、前記インキジェットヘッドによってPS版の全幅をカバーできるように、前記インキジェットヘッドの巾を前記PS版の巾と同適度にする必要がある。
【0010】
また、隣接する2つのノズルから吐出されるインキ(マット化液)によって形成される点が重なり合わないように、前記ノズルの間隔は数100μm程度に設定する必要がある。ここで、PS版の巾が1mであり、前記ノズルの間隔が500μmであると仮定すると、前記インキジェットヘッドには、2000個のノズルを設ける必要がある。
【0011】
また、前述のように、前記ノズル1個につき、前記圧力発生部材および前記圧電素子を1個づつ設ける必要があるから、前記圧力発生部材および前記圧電素子の何れも2000個づつ設ける必要がある。
【0012】
したがって、インキジェットヘッドの部品点数が多くなるので、製造コストが急増するとともに、マット化液の吐出制御が複雑になるから、インキジェットプリンタをマット化に使用することは実際的ではない。
【0013】
更に、マット化液は粘度が高いが、インキジェットプリンタにおいては粘度の高いインキの吐出は困難なので、インキジェットプリンタをマット化に使用すると、前記マット化液の吐出が困難になる可能性があると考えられる。
【0014】
そこで、前記問題を解決すべく、塗布液を内部に貯留する塗布液室と、前記塗布液が塗布される被塗布物に対して正または負の電圧を前記塗布液に印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段により電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって滴状に吐出するノズルとを備えた静電塗布装置が提案された(特許文献1)。
【0015】
前記静電塗布装置においては、吐出されたマット化液の飛行経路は前記電圧印加手段によって形成された電場によって規制されるから、前記静電霧化装置とは異なり、周囲がマット化液で汚れることはない。したがって、前記電圧印加手段によって印加される高電圧からオペレータを保護する簡易なブースがあれば十分であり、前記静電霧化装置程設備が大掛かりになることはない。また、前記マット化液の粘度が高い場合においても、前記マット液を安定な粒径および頻度で霧化し、吐出させることができる。
【0016】
【特許文献1】
特願2002−211120号明細書
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に係る静電塗布装置においても、マット化液の吐出量が増大するとノズル先端に過大なメニスカスが形成されるようになり、電圧を印加しても前記塗布液が微粒子状に滴化されないばかりか、前記メニスカスが巨大な液滴を形成し、この液滴が前記ノズルと前記被塗布物とを短絡することがあった。
【0018】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、マット化液などの塗布液の吐出量が増大した場合にも、前記塗布液を確実に、しかも安定して微粒子化でき、良質なマット化面の得られる静電塗布装置および静電塗布方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布装置であって、前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって吐出するノズルとを有してなり、前記ノズルの先端部には、前記塗布液の吐出方向に沿って延在する針状部が設けられてなることを特徴とする静電塗布装置に関する。
【0020】
前記静電塗布装置においては、前記塗布液には電圧印加手段によって電圧が印加されているから、前記塗布液は、前記被塗布物から静電力を受けて前記ノズルの先端開口部に向かって引き寄せられる。ここで、前記ノズルの先端部には、前記塗布液を吐出させる方向、通常は前記被塗布物に向かう方向に沿って針状部材が設けられているから、前記前記ノズルの先端開口部まで到着した塗布液は、前記針状部材を伝わって前記針状部の先端部まで移動する。そして、前記針状部の先端において滴化し、前記被塗布物に向かって飛行する。
【0021】
したがって、塗布液の吐出量を増大させた場合においても過大な液滴が形成されることがないから、塗布液をより高い供給量で供給しても安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、より高いマット化液供給量においてもマットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を形成できるから、高い生産性でPS版のマット化を行うことができる。
【0022】
針状部は、尖端を有し、前記尖端に隣接する部分である先端部が前記尖端に向かって収縮するテーパ状に形成されていることが好ましい。
【0023】
前記針状部を2以上設けるときは、互いに隣接する2つの針状部は、先端における間隔が2mm以上あることが好ましく、特に2〜15mmの範囲が好ましい。前記ノズルの先端開口部またはそれに隣接する位置に針状部を設けるときは、前記針状部を、互いに平行に配設するか、または、先端に向かって互いに離間するように放射状に配設するかすることが好ましい。
【0024】
前記針状部の長さは3〜15mmの範囲が好ましいが、この範囲には限定されない。
【0025】
前記針状部は、前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより形成することができる。また、前記ノズルの先端開口部の周縁部を1箇所または2箇所以上針状に突出させることによっても形成することができる。
【0026】
前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより前記針状部を形成する場合には、前記針状部材の外径は、0.1〜1.2mmの範囲であることが、PS版のマット化に使用したときに、マット径の均一性が高く、しかも半球状の良好な形状を有するマットがPS版の製版層の全面に均一な分布で形成される点で好ましく、特に0.3〜0.5mmの範囲が好ましい。また、前記針状部材の根本部を前記ノズル部の先端開口部に直接に固定してもよく、また、前記ノズルの先端開口部に相対する位置に、前記塗布液を前記針状部に供給する給液部材を配設し、前記給液部材に前記針状部材を固定してもよい。
【0027】
前記針状部およびノズルは、ステンレス鋼、普通鋼、真鍮、青銅、銅などの金属材料から形成されていることが好ましい。
【0028】
ノズルの内径は、10〜100μmの範囲が好ましいが、吐出しようとする帯電滴の粒径および電圧印加手段により印加する電圧によっては、10μm以下であってもよく、また100μm以上であっても良い。
【0029】
前記ノズルは1個であっても2個以上であってもよい。
【0030】
前記ノズルを複数設けるときは、前記ノズルの間隔は、前記塗布液を、前記被塗布物に点状に付着させるか、それとも前記被塗布物の全面に一様に付着させるかに応じて決定できる。たとえば、PS版のマット化のように、前記塗布液を点状に付着させる場合には、前記被塗布物の表面において、前記塗布液の帯電滴が互いに重なり合わず、したがって合一することがないように、前記ノズルの最小間隔は2mm以上が好ましい。但し、前記ノズルから吐出される帯電滴の粒径が小さな場合には、前記ノズルの間隔は2mm未満であってもよい。
【0031】
また、前記針状部材の先端と前記被塗布物との間隔は、後述する電圧印加手段によって印加される電圧の大きさとの関係で、前記ノズルから吐出される前記帯電滴の単位時間あたりの個数が所望の範囲内になるように定めることができるが、1mm〜500mmの範囲に設定することが好ましい。
【0032】
前記ノズルの方向は、下向きであってもよく、また、上向きまたは横向きであってもよい。
【0033】
前記電圧印加手段としては、前記塗布液に電圧を印加する電極と、前記電極に電圧を印加する電圧発生装置とを備える電圧印加装置が挙げられる。前記ノズルおよび前記針状部が金属から形成されている場合には、前記電圧印加手段としては、前記ノズルに接続される電圧発生装置がある。前記電圧発生装置としては、各種の高圧直流発生装置、高圧交流発生装置、高圧矩形波電流発生装置、高圧台形波電流発生装置などが使用できる。
【0034】
前記電圧印加手段において付加される電圧の大きさは、前記ノズルの先端から被塗布物までの距離との関係で、前記ノズルから吐出される前記帯電滴の1秒間の個数が所望の範囲内になるように定めることができるが、通常は±1〜120kVの範囲であり、好ましくは±3〜60kVの範囲である。
【0035】
前記電圧印加手段においては直流を印加することができるが、通常の商用交流のような正弦波を印加してもよく、矩形波および台形波など、各種の波形を有する交番電流を印加してもよい。前記交番電流を印加する場合には、前記交番電流の波形を制御することにより、前記ノズルから吐出される帯電滴の粒径を制御できる。
【0036】
前記電圧印加手段により電圧を印加するときは、前記被塗布物に反対の極性の電圧を印加してもよく、前記被塗布物を接地してもよい。また、前記被塗布物が非導電性のシート材のときは、前記被塗布物と前記ノズルとの間、または前記被塗布物における前記塗布液が付着する側とは反対側の面に隣接した位置に接地電極を設ければよい。
【0037】
前記塗布液は、後述する被塗布物に塗布できるものであれば特に制限はないが、たとえば静電塗装に使用される溶剤型塗料やエマルジョン型塗料のように比較的低粘度のものから、前記マット化液やハイソリッド型塗料のように粘度が数1000mPa・sと高粘度のものまで包含される。
【0038】
前記被塗布物としては、前記塗布液を静電塗布できるシート状またはフィルム状の物品が挙げられ、具体的には、前記PS版のほか、アルミニウム薄板および薄鋼鈑などの導電性シート材、およびプラスチックシート、プラスチックフィルム、紙、各種ラミネート紙などの絶縁性シート材が挙げられる。
【0039】
前記被塗布物は、連続した帯状であっても、特定のサイズに裁断された枚葉状であってもよい。
【0040】
前記静電塗布装置の用途としては、PS版のような平版印刷版や磁気記録材料のような記録材料の製造のほかに、視野角改善フィルムのような光学材料の製造などが挙げられるが、これらの用途には限定されない。
【0041】
請求項2に記載の発明は、前記ノズルが前記針状部を2以上備えてなる静電塗布装置に関する。
【0042】
前記塗布装置においては、前記針状部のそれぞれの先端から帯電滴が放出されるから、前記被塗布物に、一度に多数の帯電滴を付着させることができる。したがって、PS版のマット化に使用すれば、さらに高い生産性でPS版のマット化を行うことができるから好ましい。
【0043】
請求項3に記載の発明は、前記針状部の先端が尖端状に形成されてなる静電塗布装置に関する。
【0044】
前記静電塗布装置においては、前記電圧印加手段によって印加された電荷は、前記針状部の先端に集中するから、強い電界が生じる。したがって、前記塗布液は、前記針状部の先端において効果的に滴化される。
【0045】
請求項4に記載の発明は、前記針状部の先端における間隔が2mm以上である静電塗布装置に関する。
【0046】
請求項5に記載の発明は、前記針状部の先端における間隔が3〜12mmである静電塗布装置に関する。
【0047】
PS版のマット化においては、前記針状部の先端の間隔を請求項4または5に記載の範囲に設定することにより、前記針状部の先端に形成されたマット化液の液滴が互いに集合して大きな液滴に成長することが防止される。したがって、均一で微細なマットが全面に形成されたマット化面が得られる。
【0048】
請求項6に記載の発明は、前記針状部の長さが3〜15mmである静電塗布装置に関する。
【0049】
前記静電塗布装置においては、ノズルに機械的な衝撃が加わった場合にも針状部が大きな振幅で振動することがないから、塗布液の液滴の飛行方向が大きく振れることがない。
【0050】
請求項7に記載の発明は、前記針状部が、前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより形成されてなる静電塗布装置に関する。
【0051】
前記静電塗布装置においては、ノズルと針状部材とを別個に形成できるから、塗布液の性状や塗布量に応じて両者を最適化できる。
【0052】
前記針状部材は、1本のみ設けられてもよく、2本以上設けられてもよい。
【0053】
前記針状部材は、前記塗布液に電圧を印加して帯電させ、帯電滴を形成する機能を有するから金属から形成されていることが好ましい。
【0054】
請求項8に記載の発明は、前記針状部材が0.1〜1.2mmの外径を有してなる静電塗布装置に関する。
【0055】
前記静電塗布装置においては、針状部材の外径は、0.2〜1mmの範囲が特に好ましい。
【0056】
PS版をマット化する場合には、針状部材の外径を前記範囲に設定することにより、半球状の良好な形状を有するマットが得られる。但し、塗布液の組成、性状、および付着量によっては、前記針状部材の外径は前記範囲外であってもよい。
【0057】
請求項9に記載の発明は、前記針状部が、前記針状部材と、前記ノズルの先端開口部に相対する位置に配設され、前記塗布液を前記針状部材に供給する給液部材とを備え、前記針状部材は、前記給液部材において前記先端開口部に相対する給液面とは反対側の面の周縁部に立設されてなる静電塗布装置に関する。
【0058】
前記静電塗布装置においては、塗布液は、前記ノズルの先端開口部から、前記給液部材における前記ノズルの先端開口部に相対する側の面の中心部に向かって吐出される。そして、前記面を周縁部に向かって移動し、更に針状部材上をその先端部に向かって移動し、前記針状部材の先端において微粒化する。ここで、前記針状部材は、前記給液部材の前記先端開口部に相対する側とは反対側の面の周縁部に立設されているから、塗布時においては前記被塗布物に向かう方向に向いている。したがって、前記針状部材の先端で微粒化した塗布液は、前記被塗布物に向かって飛行し、前記被塗布物に付着する。
【0059】
前記静電塗布装置は、広範囲にわたって塗布液を付着させることができる点で好ましい。
【0060】
前記給液部材は、形状に特に制限はないが、給液面は、前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状、および前記ノズルの先端開口部を中心とする円盤状に形成されていることが好ましい。
【0061】
請求項10に記載の発明は、前記給液部材が、前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状に形成された給液面を有する錐状給液部材である静電塗布装置に関する。
【0062】
前記静電塗布装置は、請求項9に記載の静電塗布装置において、前記給液部材の給液面が前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状に形成された例である。
【0063】
請求項11に記載の発明は、前記給液部材が、前記ノズルの先端開口部を中心とする円板面状の給液面を有する円盤状給液部材である静電塗布装置に関する。
【0064】
前記静電塗布装置は、請求項9に記載の静電塗布装置において、前記給液部材が前記ノズルの先端開口部を中心とする円盤状に形成された例である。
【0065】
請求項12に記載の発明は、前記ノズルを2以上備えてなる静電塗布装置に関する。
【0066】
前記静電塗布装置は、PS版のように巾の広い被塗布物の全面に塗布液を付着させる場合に特に好ましく使用できる。
【0067】
前記ノズルの配置には特に制限はないが、前記被塗布物を一定方向に搬送する場合には、前記搬送方向に対して交差する方向に配置することが好ましく、特に、前記搬送方向に対して直角の方向に配置することが好ましい。
【0068】
請求項13に記載の発明は、塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布方法であって、前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加し、前記電圧を印加した塗布液を、前記塗布液の吐出方向に沿って延在する針状部が先端部に設けられたノズルから前記被塗布物に向かって滴状に吐出させることを特徴とする静電塗布方法に関する。
【0069】
請求項1に係る静電塗布装置についての説明のところで述べたのと同様の理由により、塗布液の吐出量を増大させた場合においても過大な液滴が形成されることがないから、塗布液をより高い供給量で供給しても安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、より高いマット化液供給量においてもマットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を形成できるから、高い生産性でPS版のマット化を行うことができる。
【0070】
請求項14に記載の発明は、前記電圧を印加した塗布液を、先端部に2以上の針状部材が設けられてなるノズルから吐出させる静電塗布方法に関する。
【0071】
前記静電塗布方法によれば、前記針状部のそれぞれの先端から帯電滴が放出させることにより、前記被塗布物に、一度に多数の帯電滴を付着させることができる。したがって、PS版のマット化に使用すれば、さらに高い生産性でPS版のマット化を行うことができるから好ましい。
【0072】
請求項15に記載の発明は、前記針状部が、前記ノズルの先端部に固定された針状部材である静電塗布方法に関する。
【0073】
前記静電塗布方法においては、別個に形成されたノズルと針状部材とを使用できるから、塗布液の組成や性状、付着量に応じて前記ノズルと針状部材とを最適化できる。
【0074】
請求項16に記載の発明は、前記針状部の先端における間隔が2mm以上である静電塗布方法に関する。
【0075】
前記静電塗布方法によってPS版のマット化を行うと、前記針状部の先端に形成されたマット化液の液滴が互いに集合して大きな液滴に成長することが防止される。したがって、均一で微細なマットが全面に形成されたマット化面が得られる。
【0076】
請求項17に記載の発明は、前記電圧を印加した塗布液を、2以上のノズルから吐出させる静電塗布方法に関する。
【0077】
前記静電塗布方法は、PS版のように巾の広い被塗布物の全面にマットを形成する場合に好適である。
【0078】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置の一例を図1および図3に示す。
【0079】
実施形態1に係るマット化装置100は、PS版のマット化に使用され、図1および図3に示すように、下方に向かって延在する円管状のノズル2と、ノズル2の下端に開口する先端開口部2aに根元部が固定され、斜め下方に向かって放射状に延在する4本の針状部材4とを備える。ノズル2は、マット化液を吐出するノズルである。針状部材4は、互いに等間隔に固定されている。針状部材4は、ノズル2の中心軸に対して軸対象に配設されていれば、マットの形成密度にムラが生じるのを防止できるから好ましい。なお、針状部材の本数は4本には限定されず、3本、2本、または1本であってもよい.また、5本以上であってもよい。
【0080】
針状部材4の下方には被塗布物の一例であるPS版が配設されている。図1および図2に示す例においては、PS版は枚葉体であり、針状部材4の下方における所定の位置に固定されているが、一定方向に搬送搬送される連続した帯状のPS原版であってもよい。
【0081】
ノズル2および針状部材4は、何れもステンレス鋼などの金属材料で形成されている。針状部材4をノズル2の先端開口部2aに固定する方法としては、たとえば鑞付けや溶接などが挙げられるが、先端開口部2aを閉塞しない限り、針状部材4の固定方法はこれらの方法には限定されない。
【0082】
ノズル2には、高圧直流発生装置6の負極が接続されている。高圧直流発生装置6の正極およびPS版は接地されている。高圧直流発生装置6は、本発明の静電塗布装置における電圧印加手段に相当する。
【0083】
針状部材4の先端は、図2に示すように尖端状に形成されているとともに、先端部は、前記尖端に向かって縮小するテーパ状に形成されている。針状部材4の外径dは、0.1〜1.2mmであり、先端の間隔Dは2〜15mmである。そして長さLは3〜15mmである。
【0084】
マット化装置100の作用について図3を用いて説明する。
【0085】
前述のように、ノズル2には、直流高電圧発生装置6の負極が接続され、PS版は接地されているから、マット化時においては、たとえばPS版に対して−3〜60kVの電圧が印加される。
【0086】
したがって、ノズル2の内部を通過するマット化液にも、PS版に対して−3〜60kVの電圧が印加される。
【0087】
ノズル2の尖端開口部2aから流出したマット化液により、針状部材4の根元部に液膜が形成される。前記液膜は、隣接する2本の針状部材4の間に形成される。
【0088】
ノズル2の尖端開口部2aから流出したマット化液は、前記液膜を通って針状部材4の根元部に供給される。針状部材4の根元部に供給されたマット化液は、針状部材4を先端部に向かって移動し、針状部材4の先端において滴化する。前述のように、マット化液は、PS版に対して負に帯電しているから、針状部材4の先端において生成したマット化液滴は、PS版から静電力を受けてPS版に向かって飛行して付着する。
【0089】
実施形態1に係るマット化装置100においては、マット化液の吐出量を増大させた場合においても過大なマット化液滴が形成されることがない。したがって、マット化液をより高い供給量で供給しても安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、マットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を高い生産性で形成できるから好ましい。
【0090】
マット化装置100は、更に、円管状のノズル2の先端開口部2aに4本の針状部材4を固定することにより作製できるから、工作が簡易である点でも好ましい。
【0091】
2.実施形態2
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置の別の例を図4〜図6に示す。
【0092】
実施形態2に係る静電塗布装置102は、実施形態1に係る静電塗布装置と同様にPS版のマット化に使用され、図4に示すように、下方に向かって延在するノズル22と、ノズル22の下端に開口する先端開口部22aに相対する位置に頂部が固定され、下方に向かって拡大する円錐状の給液錐体8と、給液錐体8の底面の周縁から下方に伸びる4本の針状部材42とを備える。給液錐体8は、本発明に係る静電塗布装置の備える錐状給液部材の一例であり、ノズル22は、実施形態1に係る静電塗布装置100の備えるノズル2と同様の円管状ノズルであり、高圧直流発生装置6と同様の高圧直流発生装置62の負極に接続されている。
【0093】
先端開口部22aの周縁と給液錐体8の外周面との間には、図4および図6に示すように塗布液が流出する隙間が形成されている。給液部材8は、図4に示す例においては中空状であり、底面を有しないが、給液部材8は、底面を有してもよく、また、中実状であってもよい。
【0094】
また、図4および図6に示すように、針状部材42は互いに等間隔に配置されている。針状部材42の先端は、図2に示すように尖端状に形成され、その近傍は、前記尖端に向かって縮小するテーパ状に形成されている。針状部材42の外径dは、実施形態1における針状部材4と同様に0.1〜1.2mmであり、先端の間隔Dは2〜15mmである。そして長さLは3〜15mmである。
【0095】
ノズル22、針状部材42、および給液錐体8は、何れもステンレス鋼などの金属材料で形成されている。
【0096】
給液錐体8の外壁面、即ち給液面8aの頂部には、十字型の断面を有する金属製の固定部材10が鑞付けされ、給液部材10は、ノズル22の内壁面に鑞付けされている。したがって、給液錐体8は、固定部材10を介してノズル22の内壁面に固定されている。
【0097】
針状部材は、図5に示すように給液錐体8と一体に形成されてもよい。図5に示すマット化装置においては、給液錐体8の周縁部は、4箇所において斜め下方針状に突出し、針状部82を形成している。
【0098】
マット化装置102の作用について図6を用いて説明する。
【0099】
ノズル22には、高圧直流発生装置62から、たとえばPS版に対して−3〜60kVの負電圧が印加されているから、固定部材10を介してノズル22と電気的に接続された給液錐体8および針状部材42にも同様に負電圧が印加されている。したがって、マット化液は、ノズル22内を流通し、給液錐体8の給液面8a上を通過する間に負に帯電する。
【0100】
給液面8aを流下したマット化液は、給液錐体8の周縁部から針状部材42に供給され、針状部材42の先端において滴化し、帯電液滴が形成される。そして、前記マット化液に対して正の電位を有するPS版から静電力を受けてPS版に向かって飛行して付着する。
【0101】
実施形態2に係るマット化装置102においても、実施形態1に係るマット化装置と同様、マット化液の吐出量を増大させた場合においても過大なマット化液滴が形成されることがないから、高いマット化液供給量においても、安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、マットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を高い生産性で形成できるから好ましい。
【0102】
更に、ノズル22から吐出されたマット化液は、給液錐体8の給液面8a上を濡れ広がりながら周縁部に向かって流下するから、給液面8aの表面にはマット化液の薄い液膜が形成され、前記液膜を形成したマット化液が針状部材42に供給される。
【0103】
したがって、4本の針状部材42のそれぞれについて隣接する2本の針状部材42の間隔Dにバラツキがある場合においても、マット化液を均一な粒径で滴化できる。
【0104】
3.実施形態3
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置の更に別の例を図7に示す。
【0105】
実施形態3に係る静電塗布装置104もまた、PS版のマット化に使用され、図7に示すように、下方に向かって延在するノズル24と、ノズル24の下端に開口する先端開口部24aを覆蓋するように固定された円盤状の給液円盤84と、給液円盤84において先端開口部24aに当接する側に位置する給液面84aとは反対側の面の周縁から下方に伸び、等間隔に配設された8本の針状部材44とを備える。給液円盤84は、本発明に係る静電塗布装置の備える錐状給液部材の一例であり、ノズル24は、実施形態1に係る静電塗布装置100の備えるノズル2と同様の円管状ノズルであり、高圧直流発生装置6と同様の高圧直流発生装置64の負極に接続されている。
【0106】
給液円盤84の給液面84aには、中心から半径方向に沿って外側に伸びる8本の給液溝86が等間隔に設けられている。給液溝86の外側末端は、給液円盤84の外周面に至るように形成されている。針状部材44は、給液円盤84を挟んで給液溝86の外側末端に相対する位置に設けられている。
【0107】
針状部材44の先端は、図2に示すように尖端状に形成され、その近傍は、前記尖端に向かって縮小するテーパ状に形成されている。針状部材44の外径dは、実施形態1における針状部材4と同様に0.1〜1.2mmであり、先端の間隔Dは2〜15mmである。そして長さLは3〜15mmである。
【0108】
ノズル24、給液円盤84、および針状部材44は、何れもステンレス鋼などの金属材料によって形成されている。
【0109】
ノズル24の先端開口部24aから吐出されたマット化液は、給液溝86を中央部から外側に向かって流れ、針状部材44に供給される。そして、針状部材44を先端部に向かって移動し、針状部材44の先端において滴化してPS版に向かって飛行する。
【0110】
実施形態3に係るマット化装置104は、実施形態1および2に係るマット化装置と同様に、高いマット化液供給量においても、安定した微粒子化が可能になる故に、PS版のマット化などに使用すれば、マットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を高い生産性で形成できる点で好ましい。
【0111】
また、給液円盤84は、ステンレス鋼などの円盤に給液溝86を放射状に設けることにより形成できるから、機械加工が容易に行える。
【0112】
4.実施形態4
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置であって、ノズルと針状部とを一体に形成した例を図8に示す。
【0113】
実施形態4に係るマット化装置106は、図8に示すように、枚葉状のPS版にマット化液の液滴を噴出するノズル26と、ノズル26に高電圧を印加する高圧直流発生装置66とを備える。
【0114】
高圧直流発生装置66は、実施形態1に係る高圧直流発生装置6と同様の高圧直流発生装置である。
【0115】
ノズル26は、上下方向に延在する円管状に形成されたノズル本体26Aと、ノズル本体26AのPS版に相対する側の端部である下端部に、下方に向かって円錐状に拡大する拡大部26Bとを備える。拡大部26Bの下端部は、4ヶ所が斜め下方に向かって針状に突出して針状部26Cを形成している。ノズル本体26Aおよび拡大部26Bは、何れもステンレス鋼などの金属材料で形成されている。
【0116】
ノズル本体26Aには、高圧直流電圧発生装置66の負極が接続され、高圧直流電圧発生装置66の正極とPS版とは何れも接地されている。したがって、ノズル本体26Aおよび拡大部26Bの何れにも、PS版に対して負の電圧が印加されている。
【0117】
マット化液は、ノズル本体26Aの内部を流通し、拡大部26Bの内壁面を流下するとともに、PS版に対し負に帯電してして針状部26Cに至る。そして、針状部26Cの尖端部において滴化されてPS版に向かって飛行する。
【0118】
【実施例】
(実施例1〜3、参考例1)
図1に示すマット化装置において、ノズル2の先端に固定された針状部材4の外径を0.2〜1.4mmの範囲で変化させてPS版のマット化を行った。
【0119】
針状部材4とPS版との距離は15mmに設定し、高圧直流電流発生装置6で印加する直流電圧の大きさを−15kVに設定した。また、マット化液としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸ソーダを68:20:12の仕込み重量比で共重合させた共重合ポリマーの水溶液を使用した。前記共重合体ポリマーの水溶液中の固形分濃度は18重量%であった。結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
表1から明らかなように、針状部材4の外径が0.2〜0.6mmであった実施例1および2では、マット化液の微粒化性は良好であり、また、マット化面には、半球状で均一なマット径を有する微細なマットが形成された。これに対して、針状部材4の外径が1.2mmを超える参考例1では、針状部材4の先端に大型の液滴が形成され、マット化液の微細な粒子は形成されなかった。
【0122】
但し、マット化液の性状および供給量が異なれば、参考例1に示す条件においても良好なマットが得られると考えられる。
【0123】
(実施例4〜6、参考例2〜3)
図1に示すマット化装置において、針状部材4の先端における間隔Dを0.5〜12mmの範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてPS版のマット化を行った。結果を表2に示す。
【0124】
【表2】
【0125】
針状部材4の間隔Dが3mm以上の実施例4〜6では、マット化面には、半球状で均一なマット径を有する微細なマットが形成された。これに対して、針状部材4の間隔Dが1mm以下の参考例2および3では、針状部材4の先端に大型の液滴が形成され、マット化液の微細な粒子は形成されなかった。
【0126】
但し、マット化液の性状および供給量が異なれば、針状部材4の間隔Dが1mm以下であっても、良好なマットが得られると考えられる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、 本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、マット化液などの塗布液の吐出量が増大した場合にも、前記塗布液を確実に、しかも安定して微粒子化でき、良質なマット化面の得られる静電塗布装置および静電塗布方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施形態1に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すマット化装置の備える針状部材の先端部を示す拡大図である。
【図3】図3は、図1に示すマット化装置を側方から見たところを示す側面図である
【図4】図4は、実施形態2に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施形態2に係るマット化装置における給液錐体の別の例を示す斜視図である。
【図6】図6は、図4に示すマット化装置を側方から見たところを示す側面図である
【図7】図7は、実施形態3に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【図8】図8は、実施形態4に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 ノズル
4 針状部材
6 高圧直流発生装置
8 給液錐体
10 固定部材
22 ノズル
24 ノズル
26 ノズル
42 針状部材
44 針状部材
62 高圧直流発生装置
64 高圧直流発生装置
66 高圧直流発生装置
82 給液錐体
84 給液円盤
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電塗布装置および静電塗布方法に関し、特に、静電塗布時において、塗布液の吐出両が多い場合にも、塗布液を確実に微粒化して被塗布物に塗布できる静電塗布装置および静電塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PS版を露光する際に製版層とフィルムとが確実に真空密着するように、PS版の製版層の全面に多数のマットが形成されている。
【0003】
前記マットは、通常、水溶性樹脂の水溶液を主成分とするマット化液を霧化して前記製版層に付着させて乾燥させることにより形成される。
【0004】
前記マット化液は、これまでは、高速で回転する回転霧化頭を有する静電霧化装置を用いて霧化して前記製版層に静電的に付着させるのが一般的であった。
【0005】
しかし、前記静電霧化装置を用いる場合には、回転霧化頭からの遠心力で飛び散ったマット化液によって周囲が汚れないようにし、同時に、前記回転霧化頭に印加された高電圧からオペレータを保護する目的で、前記静電霧化装置全体をブースに収容する必要があったので、設備が大掛かりになるという問題があった。また、前記静電霧化装置を用いた場合には、製版層の表面に不揃いなマットが形成される問題もあった。
【0006】
そこで、前記問題を解決すべく、インキジェットプリンタを前記PS版のマット化に使用することが検討された。
【0007】
インキジェットプリンタは、インキを滴状に吐出する多数のノズルと、前記ノズルのそれぞれについて設けられ、前記インキを貯留するインキ室とを有するインキジェットヘッドを備える。そして、前記インキを前記ノズルから吐出させる圧力発生部材と前記圧力発生部材を駆動する圧電素子とが前記インキ室の内部に収容されている。
【0008】
前記インキジェットは、高電圧を印加する必要がなく、しかも、インキが周囲に飛び散ることもないから、大掛かりなブースは不要であると考えられる。また、インキ滴の粒度分布が単分散に近いので、大きさの均一なマットが形成できると考えられる。
【0009】
しかしながら、前記インキジェットをPS版のマット化に使用する場合には、前記インキジェットヘッドによってPS版の全幅をカバーできるように、前記インキジェットヘッドの巾を前記PS版の巾と同適度にする必要がある。
【0010】
また、隣接する2つのノズルから吐出されるインキ(マット化液)によって形成される点が重なり合わないように、前記ノズルの間隔は数100μm程度に設定する必要がある。ここで、PS版の巾が1mであり、前記ノズルの間隔が500μmであると仮定すると、前記インキジェットヘッドには、2000個のノズルを設ける必要がある。
【0011】
また、前述のように、前記ノズル1個につき、前記圧力発生部材および前記圧電素子を1個づつ設ける必要があるから、前記圧力発生部材および前記圧電素子の何れも2000個づつ設ける必要がある。
【0012】
したがって、インキジェットヘッドの部品点数が多くなるので、製造コストが急増するとともに、マット化液の吐出制御が複雑になるから、インキジェットプリンタをマット化に使用することは実際的ではない。
【0013】
更に、マット化液は粘度が高いが、インキジェットプリンタにおいては粘度の高いインキの吐出は困難なので、インキジェットプリンタをマット化に使用すると、前記マット化液の吐出が困難になる可能性があると考えられる。
【0014】
そこで、前記問題を解決すべく、塗布液を内部に貯留する塗布液室と、前記塗布液が塗布される被塗布物に対して正または負の電圧を前記塗布液に印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段により電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって滴状に吐出するノズルとを備えた静電塗布装置が提案された(特許文献1)。
【0015】
前記静電塗布装置においては、吐出されたマット化液の飛行経路は前記電圧印加手段によって形成された電場によって規制されるから、前記静電霧化装置とは異なり、周囲がマット化液で汚れることはない。したがって、前記電圧印加手段によって印加される高電圧からオペレータを保護する簡易なブースがあれば十分であり、前記静電霧化装置程設備が大掛かりになることはない。また、前記マット化液の粘度が高い場合においても、前記マット液を安定な粒径および頻度で霧化し、吐出させることができる。
【0016】
【特許文献1】
特願2002−211120号明細書
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に係る静電塗布装置においても、マット化液の吐出量が増大するとノズル先端に過大なメニスカスが形成されるようになり、電圧を印加しても前記塗布液が微粒子状に滴化されないばかりか、前記メニスカスが巨大な液滴を形成し、この液滴が前記ノズルと前記被塗布物とを短絡することがあった。
【0018】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、マット化液などの塗布液の吐出量が増大した場合にも、前記塗布液を確実に、しかも安定して微粒子化でき、良質なマット化面の得られる静電塗布装置および静電塗布方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布装置であって、前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって吐出するノズルとを有してなり、前記ノズルの先端部には、前記塗布液の吐出方向に沿って延在する針状部が設けられてなることを特徴とする静電塗布装置に関する。
【0020】
前記静電塗布装置においては、前記塗布液には電圧印加手段によって電圧が印加されているから、前記塗布液は、前記被塗布物から静電力を受けて前記ノズルの先端開口部に向かって引き寄せられる。ここで、前記ノズルの先端部には、前記塗布液を吐出させる方向、通常は前記被塗布物に向かう方向に沿って針状部材が設けられているから、前記前記ノズルの先端開口部まで到着した塗布液は、前記針状部材を伝わって前記針状部の先端部まで移動する。そして、前記針状部の先端において滴化し、前記被塗布物に向かって飛行する。
【0021】
したがって、塗布液の吐出量を増大させた場合においても過大な液滴が形成されることがないから、塗布液をより高い供給量で供給しても安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、より高いマット化液供給量においてもマットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を形成できるから、高い生産性でPS版のマット化を行うことができる。
【0022】
針状部は、尖端を有し、前記尖端に隣接する部分である先端部が前記尖端に向かって収縮するテーパ状に形成されていることが好ましい。
【0023】
前記針状部を2以上設けるときは、互いに隣接する2つの針状部は、先端における間隔が2mm以上あることが好ましく、特に2〜15mmの範囲が好ましい。前記ノズルの先端開口部またはそれに隣接する位置に針状部を設けるときは、前記針状部を、互いに平行に配設するか、または、先端に向かって互いに離間するように放射状に配設するかすることが好ましい。
【0024】
前記針状部の長さは3〜15mmの範囲が好ましいが、この範囲には限定されない。
【0025】
前記針状部は、前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより形成することができる。また、前記ノズルの先端開口部の周縁部を1箇所または2箇所以上針状に突出させることによっても形成することができる。
【0026】
前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより前記針状部を形成する場合には、前記針状部材の外径は、0.1〜1.2mmの範囲であることが、PS版のマット化に使用したときに、マット径の均一性が高く、しかも半球状の良好な形状を有するマットがPS版の製版層の全面に均一な分布で形成される点で好ましく、特に0.3〜0.5mmの範囲が好ましい。また、前記針状部材の根本部を前記ノズル部の先端開口部に直接に固定してもよく、また、前記ノズルの先端開口部に相対する位置に、前記塗布液を前記針状部に供給する給液部材を配設し、前記給液部材に前記針状部材を固定してもよい。
【0027】
前記針状部およびノズルは、ステンレス鋼、普通鋼、真鍮、青銅、銅などの金属材料から形成されていることが好ましい。
【0028】
ノズルの内径は、10〜100μmの範囲が好ましいが、吐出しようとする帯電滴の粒径および電圧印加手段により印加する電圧によっては、10μm以下であってもよく、また100μm以上であっても良い。
【0029】
前記ノズルは1個であっても2個以上であってもよい。
【0030】
前記ノズルを複数設けるときは、前記ノズルの間隔は、前記塗布液を、前記被塗布物に点状に付着させるか、それとも前記被塗布物の全面に一様に付着させるかに応じて決定できる。たとえば、PS版のマット化のように、前記塗布液を点状に付着させる場合には、前記被塗布物の表面において、前記塗布液の帯電滴が互いに重なり合わず、したがって合一することがないように、前記ノズルの最小間隔は2mm以上が好ましい。但し、前記ノズルから吐出される帯電滴の粒径が小さな場合には、前記ノズルの間隔は2mm未満であってもよい。
【0031】
また、前記針状部材の先端と前記被塗布物との間隔は、後述する電圧印加手段によって印加される電圧の大きさとの関係で、前記ノズルから吐出される前記帯電滴の単位時間あたりの個数が所望の範囲内になるように定めることができるが、1mm〜500mmの範囲に設定することが好ましい。
【0032】
前記ノズルの方向は、下向きであってもよく、また、上向きまたは横向きであってもよい。
【0033】
前記電圧印加手段としては、前記塗布液に電圧を印加する電極と、前記電極に電圧を印加する電圧発生装置とを備える電圧印加装置が挙げられる。前記ノズルおよび前記針状部が金属から形成されている場合には、前記電圧印加手段としては、前記ノズルに接続される電圧発生装置がある。前記電圧発生装置としては、各種の高圧直流発生装置、高圧交流発生装置、高圧矩形波電流発生装置、高圧台形波電流発生装置などが使用できる。
【0034】
前記電圧印加手段において付加される電圧の大きさは、前記ノズルの先端から被塗布物までの距離との関係で、前記ノズルから吐出される前記帯電滴の1秒間の個数が所望の範囲内になるように定めることができるが、通常は±1〜120kVの範囲であり、好ましくは±3〜60kVの範囲である。
【0035】
前記電圧印加手段においては直流を印加することができるが、通常の商用交流のような正弦波を印加してもよく、矩形波および台形波など、各種の波形を有する交番電流を印加してもよい。前記交番電流を印加する場合には、前記交番電流の波形を制御することにより、前記ノズルから吐出される帯電滴の粒径を制御できる。
【0036】
前記電圧印加手段により電圧を印加するときは、前記被塗布物に反対の極性の電圧を印加してもよく、前記被塗布物を接地してもよい。また、前記被塗布物が非導電性のシート材のときは、前記被塗布物と前記ノズルとの間、または前記被塗布物における前記塗布液が付着する側とは反対側の面に隣接した位置に接地電極を設ければよい。
【0037】
前記塗布液は、後述する被塗布物に塗布できるものであれば特に制限はないが、たとえば静電塗装に使用される溶剤型塗料やエマルジョン型塗料のように比較的低粘度のものから、前記マット化液やハイソリッド型塗料のように粘度が数1000mPa・sと高粘度のものまで包含される。
【0038】
前記被塗布物としては、前記塗布液を静電塗布できるシート状またはフィルム状の物品が挙げられ、具体的には、前記PS版のほか、アルミニウム薄板および薄鋼鈑などの導電性シート材、およびプラスチックシート、プラスチックフィルム、紙、各種ラミネート紙などの絶縁性シート材が挙げられる。
【0039】
前記被塗布物は、連続した帯状であっても、特定のサイズに裁断された枚葉状であってもよい。
【0040】
前記静電塗布装置の用途としては、PS版のような平版印刷版や磁気記録材料のような記録材料の製造のほかに、視野角改善フィルムのような光学材料の製造などが挙げられるが、これらの用途には限定されない。
【0041】
請求項2に記載の発明は、前記ノズルが前記針状部を2以上備えてなる静電塗布装置に関する。
【0042】
前記塗布装置においては、前記針状部のそれぞれの先端から帯電滴が放出されるから、前記被塗布物に、一度に多数の帯電滴を付着させることができる。したがって、PS版のマット化に使用すれば、さらに高い生産性でPS版のマット化を行うことができるから好ましい。
【0043】
請求項3に記載の発明は、前記針状部の先端が尖端状に形成されてなる静電塗布装置に関する。
【0044】
前記静電塗布装置においては、前記電圧印加手段によって印加された電荷は、前記針状部の先端に集中するから、強い電界が生じる。したがって、前記塗布液は、前記針状部の先端において効果的に滴化される。
【0045】
請求項4に記載の発明は、前記針状部の先端における間隔が2mm以上である静電塗布装置に関する。
【0046】
請求項5に記載の発明は、前記針状部の先端における間隔が3〜12mmである静電塗布装置に関する。
【0047】
PS版のマット化においては、前記針状部の先端の間隔を請求項4または5に記載の範囲に設定することにより、前記針状部の先端に形成されたマット化液の液滴が互いに集合して大きな液滴に成長することが防止される。したがって、均一で微細なマットが全面に形成されたマット化面が得られる。
【0048】
請求項6に記載の発明は、前記針状部の長さが3〜15mmである静電塗布装置に関する。
【0049】
前記静電塗布装置においては、ノズルに機械的な衝撃が加わった場合にも針状部が大きな振幅で振動することがないから、塗布液の液滴の飛行方向が大きく振れることがない。
【0050】
請求項7に記載の発明は、前記針状部が、前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより形成されてなる静電塗布装置に関する。
【0051】
前記静電塗布装置においては、ノズルと針状部材とを別個に形成できるから、塗布液の性状や塗布量に応じて両者を最適化できる。
【0052】
前記針状部材は、1本のみ設けられてもよく、2本以上設けられてもよい。
【0053】
前記針状部材は、前記塗布液に電圧を印加して帯電させ、帯電滴を形成する機能を有するから金属から形成されていることが好ましい。
【0054】
請求項8に記載の発明は、前記針状部材が0.1〜1.2mmの外径を有してなる静電塗布装置に関する。
【0055】
前記静電塗布装置においては、針状部材の外径は、0.2〜1mmの範囲が特に好ましい。
【0056】
PS版をマット化する場合には、針状部材の外径を前記範囲に設定することにより、半球状の良好な形状を有するマットが得られる。但し、塗布液の組成、性状、および付着量によっては、前記針状部材の外径は前記範囲外であってもよい。
【0057】
請求項9に記載の発明は、前記針状部が、前記針状部材と、前記ノズルの先端開口部に相対する位置に配設され、前記塗布液を前記針状部材に供給する給液部材とを備え、前記針状部材は、前記給液部材において前記先端開口部に相対する給液面とは反対側の面の周縁部に立設されてなる静電塗布装置に関する。
【0058】
前記静電塗布装置においては、塗布液は、前記ノズルの先端開口部から、前記給液部材における前記ノズルの先端開口部に相対する側の面の中心部に向かって吐出される。そして、前記面を周縁部に向かって移動し、更に針状部材上をその先端部に向かって移動し、前記針状部材の先端において微粒化する。ここで、前記針状部材は、前記給液部材の前記先端開口部に相対する側とは反対側の面の周縁部に立設されているから、塗布時においては前記被塗布物に向かう方向に向いている。したがって、前記針状部材の先端で微粒化した塗布液は、前記被塗布物に向かって飛行し、前記被塗布物に付着する。
【0059】
前記静電塗布装置は、広範囲にわたって塗布液を付着させることができる点で好ましい。
【0060】
前記給液部材は、形状に特に制限はないが、給液面は、前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状、および前記ノズルの先端開口部を中心とする円盤状に形成されていることが好ましい。
【0061】
請求項10に記載の発明は、前記給液部材が、前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状に形成された給液面を有する錐状給液部材である静電塗布装置に関する。
【0062】
前記静電塗布装置は、請求項9に記載の静電塗布装置において、前記給液部材の給液面が前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状に形成された例である。
【0063】
請求項11に記載の発明は、前記給液部材が、前記ノズルの先端開口部を中心とする円板面状の給液面を有する円盤状給液部材である静電塗布装置に関する。
【0064】
前記静電塗布装置は、請求項9に記載の静電塗布装置において、前記給液部材が前記ノズルの先端開口部を中心とする円盤状に形成された例である。
【0065】
請求項12に記載の発明は、前記ノズルを2以上備えてなる静電塗布装置に関する。
【0066】
前記静電塗布装置は、PS版のように巾の広い被塗布物の全面に塗布液を付着させる場合に特に好ましく使用できる。
【0067】
前記ノズルの配置には特に制限はないが、前記被塗布物を一定方向に搬送する場合には、前記搬送方向に対して交差する方向に配置することが好ましく、特に、前記搬送方向に対して直角の方向に配置することが好ましい。
【0068】
請求項13に記載の発明は、塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布方法であって、前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加し、前記電圧を印加した塗布液を、前記塗布液の吐出方向に沿って延在する針状部が先端部に設けられたノズルから前記被塗布物に向かって滴状に吐出させることを特徴とする静電塗布方法に関する。
【0069】
請求項1に係る静電塗布装置についての説明のところで述べたのと同様の理由により、塗布液の吐出量を増大させた場合においても過大な液滴が形成されることがないから、塗布液をより高い供給量で供給しても安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、より高いマット化液供給量においてもマットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を形成できるから、高い生産性でPS版のマット化を行うことができる。
【0070】
請求項14に記載の発明は、前記電圧を印加した塗布液を、先端部に2以上の針状部材が設けられてなるノズルから吐出させる静電塗布方法に関する。
【0071】
前記静電塗布方法によれば、前記針状部のそれぞれの先端から帯電滴が放出させることにより、前記被塗布物に、一度に多数の帯電滴を付着させることができる。したがって、PS版のマット化に使用すれば、さらに高い生産性でPS版のマット化を行うことができるから好ましい。
【0072】
請求項15に記載の発明は、前記針状部が、前記ノズルの先端部に固定された針状部材である静電塗布方法に関する。
【0073】
前記静電塗布方法においては、別個に形成されたノズルと針状部材とを使用できるから、塗布液の組成や性状、付着量に応じて前記ノズルと針状部材とを最適化できる。
【0074】
請求項16に記載の発明は、前記針状部の先端における間隔が2mm以上である静電塗布方法に関する。
【0075】
前記静電塗布方法によってPS版のマット化を行うと、前記針状部の先端に形成されたマット化液の液滴が互いに集合して大きな液滴に成長することが防止される。したがって、均一で微細なマットが全面に形成されたマット化面が得られる。
【0076】
請求項17に記載の発明は、前記電圧を印加した塗布液を、2以上のノズルから吐出させる静電塗布方法に関する。
【0077】
前記静電塗布方法は、PS版のように巾の広い被塗布物の全面にマットを形成する場合に好適である。
【0078】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置の一例を図1および図3に示す。
【0079】
実施形態1に係るマット化装置100は、PS版のマット化に使用され、図1および図3に示すように、下方に向かって延在する円管状のノズル2と、ノズル2の下端に開口する先端開口部2aに根元部が固定され、斜め下方に向かって放射状に延在する4本の針状部材4とを備える。ノズル2は、マット化液を吐出するノズルである。針状部材4は、互いに等間隔に固定されている。針状部材4は、ノズル2の中心軸に対して軸対象に配設されていれば、マットの形成密度にムラが生じるのを防止できるから好ましい。なお、針状部材の本数は4本には限定されず、3本、2本、または1本であってもよい.また、5本以上であってもよい。
【0080】
針状部材4の下方には被塗布物の一例であるPS版が配設されている。図1および図2に示す例においては、PS版は枚葉体であり、針状部材4の下方における所定の位置に固定されているが、一定方向に搬送搬送される連続した帯状のPS原版であってもよい。
【0081】
ノズル2および針状部材4は、何れもステンレス鋼などの金属材料で形成されている。針状部材4をノズル2の先端開口部2aに固定する方法としては、たとえば鑞付けや溶接などが挙げられるが、先端開口部2aを閉塞しない限り、針状部材4の固定方法はこれらの方法には限定されない。
【0082】
ノズル2には、高圧直流発生装置6の負極が接続されている。高圧直流発生装置6の正極およびPS版は接地されている。高圧直流発生装置6は、本発明の静電塗布装置における電圧印加手段に相当する。
【0083】
針状部材4の先端は、図2に示すように尖端状に形成されているとともに、先端部は、前記尖端に向かって縮小するテーパ状に形成されている。針状部材4の外径dは、0.1〜1.2mmであり、先端の間隔Dは2〜15mmである。そして長さLは3〜15mmである。
【0084】
マット化装置100の作用について図3を用いて説明する。
【0085】
前述のように、ノズル2には、直流高電圧発生装置6の負極が接続され、PS版は接地されているから、マット化時においては、たとえばPS版に対して−3〜60kVの電圧が印加される。
【0086】
したがって、ノズル2の内部を通過するマット化液にも、PS版に対して−3〜60kVの電圧が印加される。
【0087】
ノズル2の尖端開口部2aから流出したマット化液により、針状部材4の根元部に液膜が形成される。前記液膜は、隣接する2本の針状部材4の間に形成される。
【0088】
ノズル2の尖端開口部2aから流出したマット化液は、前記液膜を通って針状部材4の根元部に供給される。針状部材4の根元部に供給されたマット化液は、針状部材4を先端部に向かって移動し、針状部材4の先端において滴化する。前述のように、マット化液は、PS版に対して負に帯電しているから、針状部材4の先端において生成したマット化液滴は、PS版から静電力を受けてPS版に向かって飛行して付着する。
【0089】
実施形態1に係るマット化装置100においては、マット化液の吐出量を増大させた場合においても過大なマット化液滴が形成されることがない。したがって、マット化液をより高い供給量で供給しても安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、マットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を高い生産性で形成できるから好ましい。
【0090】
マット化装置100は、更に、円管状のノズル2の先端開口部2aに4本の針状部材4を固定することにより作製できるから、工作が簡易である点でも好ましい。
【0091】
2.実施形態2
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置の別の例を図4〜図6に示す。
【0092】
実施形態2に係る静電塗布装置102は、実施形態1に係る静電塗布装置と同様にPS版のマット化に使用され、図4に示すように、下方に向かって延在するノズル22と、ノズル22の下端に開口する先端開口部22aに相対する位置に頂部が固定され、下方に向かって拡大する円錐状の給液錐体8と、給液錐体8の底面の周縁から下方に伸びる4本の針状部材42とを備える。給液錐体8は、本発明に係る静電塗布装置の備える錐状給液部材の一例であり、ノズル22は、実施形態1に係る静電塗布装置100の備えるノズル2と同様の円管状ノズルであり、高圧直流発生装置6と同様の高圧直流発生装置62の負極に接続されている。
【0093】
先端開口部22aの周縁と給液錐体8の外周面との間には、図4および図6に示すように塗布液が流出する隙間が形成されている。給液部材8は、図4に示す例においては中空状であり、底面を有しないが、給液部材8は、底面を有してもよく、また、中実状であってもよい。
【0094】
また、図4および図6に示すように、針状部材42は互いに等間隔に配置されている。針状部材42の先端は、図2に示すように尖端状に形成され、その近傍は、前記尖端に向かって縮小するテーパ状に形成されている。針状部材42の外径dは、実施形態1における針状部材4と同様に0.1〜1.2mmであり、先端の間隔Dは2〜15mmである。そして長さLは3〜15mmである。
【0095】
ノズル22、針状部材42、および給液錐体8は、何れもステンレス鋼などの金属材料で形成されている。
【0096】
給液錐体8の外壁面、即ち給液面8aの頂部には、十字型の断面を有する金属製の固定部材10が鑞付けされ、給液部材10は、ノズル22の内壁面に鑞付けされている。したがって、給液錐体8は、固定部材10を介してノズル22の内壁面に固定されている。
【0097】
針状部材は、図5に示すように給液錐体8と一体に形成されてもよい。図5に示すマット化装置においては、給液錐体8の周縁部は、4箇所において斜め下方針状に突出し、針状部82を形成している。
【0098】
マット化装置102の作用について図6を用いて説明する。
【0099】
ノズル22には、高圧直流発生装置62から、たとえばPS版に対して−3〜60kVの負電圧が印加されているから、固定部材10を介してノズル22と電気的に接続された給液錐体8および針状部材42にも同様に負電圧が印加されている。したがって、マット化液は、ノズル22内を流通し、給液錐体8の給液面8a上を通過する間に負に帯電する。
【0100】
給液面8aを流下したマット化液は、給液錐体8の周縁部から針状部材42に供給され、針状部材42の先端において滴化し、帯電液滴が形成される。そして、前記マット化液に対して正の電位を有するPS版から静電力を受けてPS版に向かって飛行して付着する。
【0101】
実施形態2に係るマット化装置102においても、実施形態1に係るマット化装置と同様、マット化液の吐出量を増大させた場合においても過大なマット化液滴が形成されることがないから、高いマット化液供給量においても、安定した微粒子化が可能になる。故に、PS版のマット化などに使用すれば、マットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を高い生産性で形成できるから好ましい。
【0102】
更に、ノズル22から吐出されたマット化液は、給液錐体8の給液面8a上を濡れ広がりながら周縁部に向かって流下するから、給液面8aの表面にはマット化液の薄い液膜が形成され、前記液膜を形成したマット化液が針状部材42に供給される。
【0103】
したがって、4本の針状部材42のそれぞれについて隣接する2本の針状部材42の間隔Dにバラツキがある場合においても、マット化液を均一な粒径で滴化できる。
【0104】
3.実施形態3
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置の更に別の例を図7に示す。
【0105】
実施形態3に係る静電塗布装置104もまた、PS版のマット化に使用され、図7に示すように、下方に向かって延在するノズル24と、ノズル24の下端に開口する先端開口部24aを覆蓋するように固定された円盤状の給液円盤84と、給液円盤84において先端開口部24aに当接する側に位置する給液面84aとは反対側の面の周縁から下方に伸び、等間隔に配設された8本の針状部材44とを備える。給液円盤84は、本発明に係る静電塗布装置の備える錐状給液部材の一例であり、ノズル24は、実施形態1に係る静電塗布装置100の備えるノズル2と同様の円管状ノズルであり、高圧直流発生装置6と同様の高圧直流発生装置64の負極に接続されている。
【0106】
給液円盤84の給液面84aには、中心から半径方向に沿って外側に伸びる8本の給液溝86が等間隔に設けられている。給液溝86の外側末端は、給液円盤84の外周面に至るように形成されている。針状部材44は、給液円盤84を挟んで給液溝86の外側末端に相対する位置に設けられている。
【0107】
針状部材44の先端は、図2に示すように尖端状に形成され、その近傍は、前記尖端に向かって縮小するテーパ状に形成されている。針状部材44の外径dは、実施形態1における針状部材4と同様に0.1〜1.2mmであり、先端の間隔Dは2〜15mmである。そして長さLは3〜15mmである。
【0108】
ノズル24、給液円盤84、および針状部材44は、何れもステンレス鋼などの金属材料によって形成されている。
【0109】
ノズル24の先端開口部24aから吐出されたマット化液は、給液溝86を中央部から外側に向かって流れ、針状部材44に供給される。そして、針状部材44を先端部に向かって移動し、針状部材44の先端において滴化してPS版に向かって飛行する。
【0110】
実施形態3に係るマット化装置104は、実施形態1および2に係るマット化装置と同様に、高いマット化液供給量においても、安定した微粒子化が可能になる故に、PS版のマット化などに使用すれば、マットの形状および大きさの均一性に優れた良質なマット化面を高い生産性で形成できる点で好ましい。
【0111】
また、給液円盤84は、ステンレス鋼などの円盤に給液溝86を放射状に設けることにより形成できるから、機械加工が容易に行える。
【0112】
4.実施形態4
本発明の静電塗布装置に包含されるマット化装置であって、ノズルと針状部とを一体に形成した例を図8に示す。
【0113】
実施形態4に係るマット化装置106は、図8に示すように、枚葉状のPS版にマット化液の液滴を噴出するノズル26と、ノズル26に高電圧を印加する高圧直流発生装置66とを備える。
【0114】
高圧直流発生装置66は、実施形態1に係る高圧直流発生装置6と同様の高圧直流発生装置である。
【0115】
ノズル26は、上下方向に延在する円管状に形成されたノズル本体26Aと、ノズル本体26AのPS版に相対する側の端部である下端部に、下方に向かって円錐状に拡大する拡大部26Bとを備える。拡大部26Bの下端部は、4ヶ所が斜め下方に向かって針状に突出して針状部26Cを形成している。ノズル本体26Aおよび拡大部26Bは、何れもステンレス鋼などの金属材料で形成されている。
【0116】
ノズル本体26Aには、高圧直流電圧発生装置66の負極が接続され、高圧直流電圧発生装置66の正極とPS版とは何れも接地されている。したがって、ノズル本体26Aおよび拡大部26Bの何れにも、PS版に対して負の電圧が印加されている。
【0117】
マット化液は、ノズル本体26Aの内部を流通し、拡大部26Bの内壁面を流下するとともに、PS版に対し負に帯電してして針状部26Cに至る。そして、針状部26Cの尖端部において滴化されてPS版に向かって飛行する。
【0118】
【実施例】
(実施例1〜3、参考例1)
図1に示すマット化装置において、ノズル2の先端に固定された針状部材4の外径を0.2〜1.4mmの範囲で変化させてPS版のマット化を行った。
【0119】
針状部材4とPS版との距離は15mmに設定し、高圧直流電流発生装置6で印加する直流電圧の大きさを−15kVに設定した。また、マット化液としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸ソーダを68:20:12の仕込み重量比で共重合させた共重合ポリマーの水溶液を使用した。前記共重合体ポリマーの水溶液中の固形分濃度は18重量%であった。結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
表1から明らかなように、針状部材4の外径が0.2〜0.6mmであった実施例1および2では、マット化液の微粒化性は良好であり、また、マット化面には、半球状で均一なマット径を有する微細なマットが形成された。これに対して、針状部材4の外径が1.2mmを超える参考例1では、針状部材4の先端に大型の液滴が形成され、マット化液の微細な粒子は形成されなかった。
【0122】
但し、マット化液の性状および供給量が異なれば、参考例1に示す条件においても良好なマットが得られると考えられる。
【0123】
(実施例4〜6、参考例2〜3)
図1に示すマット化装置において、針状部材4の先端における間隔Dを0.5〜12mmの範囲で変化させた以外は、実施例1と同様にしてPS版のマット化を行った。結果を表2に示す。
【0124】
【表2】
【0125】
針状部材4の間隔Dが3mm以上の実施例4〜6では、マット化面には、半球状で均一なマット径を有する微細なマットが形成された。これに対して、針状部材4の間隔Dが1mm以下の参考例2および3では、針状部材4の先端に大型の液滴が形成され、マット化液の微細な粒子は形成されなかった。
【0126】
但し、マット化液の性状および供給量が異なれば、針状部材4の間隔Dが1mm以下であっても、良好なマットが得られると考えられる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、 本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、マット化液などの塗布液の吐出量が増大した場合にも、前記塗布液を確実に、しかも安定して微粒子化でき、良質なマット化面の得られる静電塗布装置および静電塗布方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施形態1に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すマット化装置の備える針状部材の先端部を示す拡大図である。
【図3】図3は、図1に示すマット化装置を側方から見たところを示す側面図である
【図4】図4は、実施形態2に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施形態2に係るマット化装置における給液錐体の別の例を示す斜視図である。
【図6】図6は、図4に示すマット化装置を側方から見たところを示す側面図である
【図7】図7は、実施形態3に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【図8】図8は、実施形態4に係るマット化装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 ノズル
4 針状部材
6 高圧直流発生装置
8 給液錐体
10 固定部材
22 ノズル
24 ノズル
26 ノズル
42 針状部材
44 針状部材
62 高圧直流発生装置
64 高圧直流発生装置
66 高圧直流発生装置
82 給液錐体
84 給液円盤
Claims (17)
- 塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布装置であって、
前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加する電圧印加手段と、
前記電圧印加手段によって電圧が印加された塗布液を前記被塗布物に向かって吐出するノズルとを有してなり、
前記ノズルの先端部には、前記塗布液の吐出方向に沿って延在する針状部が設けられてなることを特徴とする静電塗布装置。 - 前記ノズルは、前記針状部を2以上備えてなる請求項1に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部の先端は尖端状に形成されてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部は、先端における間隔が2mm以上である請求項2または3に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部は、先端における間隔が3〜12mmである請求項4に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部の長さは3〜15mmである請求項1〜5の何れか1項に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部は、前記ノズルの先端開口部に1または2以上の針状部材を固定することにより形成されてなる請求項1〜6の何れか1項に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部材は、0.1〜1.2mmの外径を有してなる請求項7に記載の静電塗布装置。
- 前記針状部は、前記針状部材と、前記ノズルの先端開口部に相対する位置に配設され、前記塗布液を前記針状部材に供給する給液部材とを備え、前記針状部材は、前記給液部材において前記先端開口部に相対する給液面とは反対側の面の周縁部に立設されてなる請求項7または8に記載の静電塗布装置。
- 前記給液部材は、前記ノズルの先端開口部に向かって突出する略錐状に形成された給液面を有する錐状給液部材である請求項9に記載の静電塗布装置。
- 前記給液部材は円板状に形成された円盤状給液部材である請求項9に記載の静電塗布装置。
- 前記ノズルを2以上備えてなる請求項1〜11の何れか1項に記載の静電塗布装置。
- 塗布液を滴化して被塗布物に静電的に付着させる静電塗布方法であって、
前記塗布液に、前記被塗布物に対して正または負の電圧を印加し、
前記電圧を印加した塗布液を、前記塗布液の吐出方向に沿って延在する針状部が先端部に設けられたノズルから前記被塗布物に向かって滴状に吐出させることを特徴とする静電塗布方法。 - 前記電圧を印加した塗布液を、先端部に2以上の針状部材が設けられてなるノズルから吐出させる請求項13に記載の静電塗布方法。
- 前記針状部は、前記ノズルの先端部に針状部材を固定することにより形成されてなる請求項13または14に記載の静電塗布方法。
- 前記針状部は、先端における間隔は2mm以上である請求項13〜15の何れか1項に記載の静電塗布方法。
- 2以上のノズルから前記電圧を印加した塗布液を吐出させる請求項13〜16の何れか1項に記載の静電塗布方法。
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