JP2004249081A - モジュラ髄内釘 - Google Patents
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Abstract
【課題】多様な骨折を取り扱えるようにする多くのオプションを外科医に与え、そのために必要とされる部品を合理化することができる、モジュール性が増進された髄内釘を提供する。
【解決手段】骨折を修復するための髄内釘である。髄内釘は、その近位端に形成されたチャンバを有する釘部材を含むモジュラ構成のものである。中に骨ねじ又はファスナを受け入れるための少なくとも1つの開口を有するインサートが、チャンバの中に配置され、ロックリングによってその中に固定される。したがって、種々のインサートを使用して、選択された骨ねじ又はファスナ構成を達成することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】骨折を修復するための髄内釘である。髄内釘は、その近位端に形成されたチャンバを有する釘部材を含むモジュラ構成のものである。中に骨ねじ又はファスナを受け入れるための少なくとも1つの開口を有するインサートが、チャンバの中に配置され、ロックリングによってその中に固定される。したがって、種々のインサートを使用して、選択された骨ねじ又はファスナ構成を達成することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
本明細書は、1999年10月21日付けの米国特許出願第60/160,656号に基づく優先権を主張するものである2000年10月23日に出願され現在係属中の米国特許出願第09/694,666号の部分継続出願である。
【0002】
【発明の背景】
(発明の属する技術分野)
本発明は一般に、骨折の修復のための髄内釘に関し、より具体的には、外科医が、特定のタイプの骨折に用いるために、異なるインサートを使って選択された釘構成を達成可能にするモジュラ釘に関する。
【0003】
(関連する技術の説明)
髄内釘は、骨折が治るまで骨折部を安定化させるための一時的な固定手段を与える実証済みの装置である。この釘は、骨髄の中に挿入され、骨折部にわたるように配置される。この釘は、骨の中に受け入れられて、釘の位置合わせ孔の中に通された骨ねじによって固定される。
【0004】
ねじは、普通は、釘の近位端及び遠位端の中に挿入され、近位端の場合には、ねじの向きは、アンティ・グレード(順行性)、リコンストラクション(再構成)、及びレトロ・グレード(逆行性)の構成を含む、必要とされる特定の構成に依存する。したがって、異なる構成すなわち異なる骨折状態に対しては、異なる釘が必要とされる。多くの病院では、特定の骨折のみを取り扱うように設計された釘システムの一式をストックしている。釘システムの各々は、異なる部品を必要とするだけでなく、たった1種類の釘に用いられることが意図されている独特の器具使用システムも必要とする。この結果、不必要な在庫が増加し、それに対応して病院と患者の費用が増大する。
【0005】
したがって、多様な骨折を取り扱えるようにする多くのオプションを外科医に与え、そのために必要とされる部品を合理化することができる、モジュール性が増進された髄内釘にすることが有利である。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、治癒が起こるまで骨折部を安定化させるために用いるモジュラ髄内釘に向けられている。本発明のモジュラ髄内釘は、遠位端と近位端を有する細長い釘部材を含む。近位端は、そこに位置するチャンバを含む。チャンバは、中に開口を有するインサートを受け入れるように構成される。開口は、釘部材を骨に固定して骨折部を安定化させるのに使用するねじを受け入れるように構成される。ロックリングがチャンバに係合して、インサートをチャンバの中に固定する。
【0007】
本発明によれば、患者の必要性に基づいて、種々のインサートを用いることによって、選択されたねじ構成を達成し、手術前に選び、挿入前に組み立てることができる。単一の釘部材に多数のインサートを使用することにより、外科医がねじを、種々の角度で、アンティ・グレード、リコンストラクション、及びレトロ・グレード構成、並びに動的斜位ロック及び動的横方向ロックを含む種々のロック構成で配置可能になる。
【0008】
本発明は、以下の詳細な説明を付属の図面と併せて読むと、すぐに認識されると共に良く理解されるようになるであろう。
【0009】
【発明の好ましい実施形態の詳細な説明】
図1から図4は、骨16の中に組み立てられた状態で入れられた本発明の一実施形態に係るモジュラ髄内釘18を示す。モジュラ髄内釘18は、チタン合金のような金属合金で形成された釘部材20を含む。釘部材20は、遠位端22と、近位端24と、中間部26とを含む。遠位端22は前縁23を含み、近位端24は後方又は後縁25を含む。通路28が、近位端24と遠位端22との間の釘部材を通して長さ方向に延びる。通路28は、骨16の中に釘部材20を配置するのに使用するガイドワイヤ(図示せず)のような挿入及び抜去(引き抜き)器具を受け入れる。典型的には、釘部材20の前縁23は、ガイドワイヤの経路に後続して、最初に骨16の中に挿入される。
【0010】
図1に示すように、ここでは骨ねじとして示された複数のファスナ32は、釘部材20を通して延び、骨16の中に入って釘部材20を定位置に固定する。ブレード、ビーム、ピン、又はワイヤのような他のファスナを用いることもできる。
【0011】
図2に示すように、釘部材20の遠位端22は複数の孔30を有する。孔30は、典型的には、釘部材20の長さ方向軸線21を横切って延びる。ファスナ32は、孔30を通して延びて、釘部材20の下方端又は遠位端22を骨16に固定する。好ましい手順に従って、孔30を、骨16の長さ方向軸線に対して横方向になるように配置する。図3に示すように、釘部材20は、平面31によって示されるように僅かに曲げて、骨16の自然な湾曲をなすようにすることができる。こうした場合には、孔30の1つを釘部材20の長さ方向軸線21に対して僅かな角度をなすようにドリル穿孔し、釘部材20の遠位端22が曲がった状態であっても、孔30とこれに対応するファスナ32が骨16の長さ方向軸線に対して垂直なままとなるようにする。
【0012】
反対側の端、すなわち近位端24については、近位端24は、上に配置されたバレル又はチャンバ34を含む。チャンバ34は、遠位端34aと近位端34bを有する。チャンバ34の近位端34bに配置された開口36は、チャンバ34へのアクセスを与える。図示のように、開口36は、釘部材20の後縁25に配置される。さらに、チャンバ34は、後述する目的のためのソケット40を含む。チャンバ34は内面44も有する。チャンバ34の近位端34bの内面44は、複数のねじ溝45を有する。近位端24の後方縁又は後縁25にはノッチ48が見える。挿入及び抜去器具(図示せず)は、長さ方向通路28の中に通されて、ノッチ48に係合し、回転して、釘部材20を骨16の中に適正に配置するように構成される。
【0013】
図6および図7に示された、遠位端50aと近位端50bを有するインサート50が、チャンバ34の中に配置される。インサート50は、インサートの遠位端50aに配置されたロック突起52を有する。図6に示されるようなロック突起52は、平らな側面53を備えた円筒形の形状を有する。ロック突起52の形状は、チャンバ34の中のソケット40の形状に対応する。ロック突起52とこれに対応するソケット40の目的の1つは、チャンバ34の中でインサート50を適正に配向することであることを認識されたい。幾つかの場合においては、別の目的は、インサート50の遠位端50aを支持することである。したがって、その他の種々の形状及び構成を用いることもできる。例えば、ロック突起52とこれに対応するソケット40は、正方形、六角形、星型、三角形、又は他の形状をもつことができる。
【0014】
インサート50はさらに、その中を通して延びる開口54を有する。開口54は、インサート50がチャンバ34の中に入れられたときに、開口54が、チャンバ34に対向する釘部材20の壁58を通して延びる長さ方向スロット56と位置合わせされるように配向される。付加的なファスナ32が、インサート50の中の開口54とスロット56との両方の中に通されて、釘部材20の近位端24を骨16に固定する。インサート50は、釘部材20の長さ方向軸線21に対してあらゆる角度構成で配向された多数の開口54をもつことができる。インサート50はさらに、インサート50の中を通して延びる長さ方向通路55を有する。長さ方向通路55は、釘部材20の通路28と同軸にされ、それによりインサート50を通したガイドワイヤ又は他の挿入又は抜去器具の通過が可能になる。インサート50はさらに、その一端に配置されたねじ溝付きボア57を有する。ねじ溝付きボア57は、これに対応するねじ溝付き工具(図示せず)を受け入れて、組み立てられたモジュラ・インプラントの挿入又は抜去器具を取り付けることができる。したがって、種々のインサート50を使用して、種々の骨及び骨折タイプに使用可能なモジュラ髄内釘18を得ることができる。上述のように、ここで用いられるファスナ32は、骨ねじとして開示される。しかしながら、ブレード、ビーム、ピン、又はワイヤのような他のファスナ32を用いることもできる。
【0015】
外径上に複数のねじ溝62を有するロック部材60が、チャンバ34の近位端34bにあるねじ溝45に係合する。締め付けられると、ロック部材60は、インサート50をチャンバ34の中に固定する。ロック部材60は、ここではねじ溝付きリングとして開示されているが、インサート50を定位置に固定するスナップ・リング、プラグ、又はその他の装置のような他のロック部材も使用可能である。本発明において示されるように、ロック部材60の中央にある孔又は長さ方向通路61は、モジュラ髄内釘18の挿入又は抜去の際に中にガイドワイヤか又は他の器具が通る通路を与える。孔61は、ソケット62の形状に形成され、本実施形態においては六角形の形状にされる。したがって、好適な工具が駆動ソケット62の中に挿入されて、ロック部材60を締め付け、インサート50をチャンバ34内の定位置に固定する。
【0016】
本発明により、外科医が大腿骨用の単一のモジュラ髄内釘、及び脛骨用の単一のモジュラ髄内釘で多様な骨折に対処できるようにする。図8から図13に示されるように、インサート50と、これに対応する釘部材20は、アンティ・グレード、リコンストラクション、及びレトロ・グレードの構成を含む、大腿骨に必要とされる種々の構成に基づいて選択される。したがって、釘部材20の近位端24上に配置されるファスナ32の配向の可能性は、釘部材20に用いるために選択された特定のインサート50に基づき無限大である。こうしたモジュラシステムは、1つのシステムを用いて多様な取り付け又は技術を取り扱えるようにする多くのオプションを外科医に与え、インプラントの在庫及び器具使用を減らす。
【0017】
ここで開示するように、本発明の一実施形態に係るモジュラ髄内釘18は、主要な釘部材20を含み、該釘部材20の近位端24は、インサート50を異なる開口54構成で使用可能にするチャンバ34を有する。インサート50は、インサート50を配向するために、チャンバ34の対応する又は相補的な形状にされたソケット40の中に受け入れられたロック突起52で鎖錠される。ロック部材60は、釘部材20と係合して、インサート50をチャンバ34の中に固定する。
【0018】
本発明のさらに別の態様によれば、インサート50は、ダイナミゼーションのために再吸収性材料から形成することができる。すなわち、再吸収性材料が身体に吸収されるのに伴って、ファスナ32と釘部材20によってかかる負荷がゆっくりと減少する。したがって、骨折が治癒するのに伴って、負荷が骨折部に徐々に移動する。
【0019】
さらに、インサート50は、外科医がインサート50の中にドリル穿孔して、ファスナを位置決めし、及び配置できるようにするどんな埋め込み可能なポリマーから作ることもできる。これにより、各インサートが患者の特定の要求について特注されるので、外科医に融通性を与える。
【0020】
したがって、本発明の一実施形態によれば、モジュラ髄内釘18は、釘部材20と、釘部材20の近位端24のチャンバ34の中に受け入れられるインサート50とを含む。モジュラ髄内釘18の一実施形態は、釘部材20の近位端24の中に配置されたインサート50と共に示されているが、これは単に説明のためである。インサート50は常に近位端24に配置される必要はなく、例えばレトロ・グレード技術を示す図10を参照されたい。最終的には、ここに示される図面は、単に例示するためのものである。外科医は、使用するファスナの数と共に、ファスナの位置又は向きを変えることができる。手短に言えば、本発明のモジュラ髄内釘18は、外科医が、異なるインサート50を選択し、釘部材20のチャンバ34の中に配置して、特定の骨折に適した特定の釘構成を達成できるようにする装置である。
【0021】
図14は、エンドキャップ64を含む本発明の別の実施形態を示す。エンドキャップ64の細長いポスト部分65は、チャンバ34の中に内向きに延びる。ポスト部分65の上に複数のねじ溝66が形成される。ねじ溝66は、インサート50の相補的なねじ溝付きボア57と係合する。図14に示されるように、エンドキャップ64のポスト部分65のねじ溝が付いていない部分は、インサート50の長さ方向通路55の中に嵌合し、インサート50の開口54の中に配置されたファスナ32と係合する。エンドキャップ64のポスト部分65は、ファスナ32と係合してファスナ32を定位置にロックし、ファスナ32が回転したりゆるく機能することを防ぐ。上述の実施形態と同様に、ロック部材60は、インサート50をチャンバ34の中に固定する。エンドキャップ64のポスト部分65は、孔61の中に延びる。エンドキャップ64は、釘部材20の近位端24の直径と並ぶか、又は、これを超えて半径方向外側に延びることができる。エンドキャップ64は、釘部材20の中への骨の成長を防ぐ。
【0022】
したがって、骨16の中に設置する前に、インサート50を釘部材20のチャンバ34の中にロック部材60で固定することによって、モジュラ髄内釘18が組み立てられる。組み立てた後に、髄内釘18が骨16の中に挿入され、これに対応する骨ねじ又はファスナ32がインサート50の開口54に通されて、髄内釘18が骨16に締結される。ファスナ32が定位置に配置されると、エンドキャップ64がインサート50の中にねじ込み式に受け入れられ、エンドキャップ64の上面72に形成された駆動ソケット70と係合する好適な工具を用いて、ポスト部分65がファスナ32の骨ねじと係合するまで締め付けられる。
【0023】
ポスト部分65のねじ溝66は、チャンバ34のねじ溝45ではなくインサート50のねじ溝57と係合するような寸法及び直径にできることを理解されたい。したがって、ポスト部分65のねじ溝の付いていない部分は、ロック部材60の孔61を通して、インサート50の長さ方向通路55の中に延びることができる。
【0024】
本発明の別の実施形態が、図15から図22に示されている。図15は、本発明の別の実施形態に係るモジュラ髄内釘18の斜視図を示す。多くの態様において、釘部材80は、上述のものと同様である。釘部材80は、遠位端22と、近位端24と、中間部26と、該釘部材の中を通る長さ方向通路28とを含む。さらに、上述の実施形態と同様に、遠位端22にファスナ32を受け入れる孔30が形成され、近位端24の後縁25に一対のノッチ48が形成される。本発明の釘部材80はチャンバ82も有する。同様に、近位端24の後縁25に又は付近に開口36が配置され、チャンバ82へのアクセスを与える。チャンバ82はさらに、チャンバ82の内面86上に配置された複数のねじ溝87を有する。チャンバ82は、チャンバ82の内面86に沿って内向きに延びる一対の溝又は通路84を備えるという点で、既に開示したものとは異なる。図17及び図19に示されるように、溝又は通路84は、釘部材80の近位端24において長さ方向に内向きに延びる。本発明においては、溝又は通路84は、釘部材80の近位端24に配置された細長い開口又は長さ方向スロット56の手前で終端する。
【0025】
チャンバ82は、チャンバ82の内面86の周りに周方向に延びる半径方向の溝83も含むことができる。図17に示されるように、長さ方向の溝84は、半径方向の溝83において終端する。半径方向の溝83を加えることによって、ブローチ削り工程による溝又は通路84の形成が容易になる。
【0026】
図20から図22に示されるように、インサート90は、半径方向外側に突出して、インサート90の本体を超えて延びる一対のタブ92を含む。ここではタブ92として開示されるが、インサート90の本体から外向きに延びて、その上にリップ93を形成するような外向き突出部材が適している。後で示されるように、タブ92は、インサート90をチャンバ82内で支持する支持突出部として役立つ。前述のように、インサート90は、骨ねじか又はファスナ32を受け入れる複数の開口102を有することができる。タブ92は、溝84と協働して、チャンバ82内で開口102が適正に配向されて必要とされる構成が達成されるように、インサート90を適正に配向する。前述の実施形態と同様に、インサート90はさらに、インサートの端から端へと延びる長さ方向通路104を有する。同様に、例えばガイドワイヤといった挿入及び抜去器具は、インサート90の通路104を通して、及び釘部材80の長さ方向通路28を通して延びる。溝又は通路84が、釘部材80の開放端36から内向きに延びる。溝又は通路84の端に隣接してシェルフ又はレッジ100が形成される。半径方向の溝83が用いられるときには、該溝がシェルフ又はレッジ100を形成する。半径方向の溝83の幅は、タブ92の厚さより小さい。したがって、タブ92は、通路又は溝84内で位置合わせされた状態に維持される。シェルフ又はレッジ100は、釘部材80の近位端24に支持面を形成する。前述のように、溝又は通路84は、通常は、釘部材80の近位端24に形成された長さ方向スロット56に達する前に終端し、即ち、終わる。したがって、インサート90がチャンバ82の中に入れられたときに、タブ92が溝84の中に入り、タブ92の下に形成されたリップ93が、それぞれのシェルフ又はレッジ100と係合するまで移動する。したがって、タブ92は、これらがチャンバ82内でインサート90を支持することと、これらがチャンバ82内でインサート90を適正に配向するように働くこととの2つの機能を果たす。
【0027】
前の実施形態と同様に、ロック部材60は、インサート90をチャンバ82の中に固定するために用いることができる。同様に、ロック部材60は、六角形状をもつ孔61を含むことができ、該孔61は、挿入及び抜去器具のための開口と、中に適切な工具を挿入し、ロック部材60を締め付けてインサート90をチャンバ82の中で固定することができるソケットとの両方を与える。既に説明したように、釘部材80の近位端24の開放端36を閉鎖するために、エンドキャップを用いることができる。
【0028】
図23は、近位端24が釘部材80の長さ方向軸線21に対して或る角度をなすように釘部材80の近位端24を湾曲させるか又は曲げる、さらに別の実施形態を示す。
【0029】
図24および図25は、本発明の別の実施形態を示す。インサート110は、インサート110の本体114に沿って延びる両側の平らな側面112を備えたほぼ円筒形の形状を有することができる。図25に示されるように、平らな側面112は、インサート110の本体114に沿って、インサート110の遠位端116から近位端118に向けて延びる。平らな側面112が終端するのに対応して、インサート110の近位端118にリップ120が形成される。
【0030】
また、釘部材122は、多くの態様において、既に説明したものと同様である。この実施形態においては、図24に示されるようなチャンバ124は、内向きに突出するレッジ126を含む。レッジ126は、その上にインサート110のリップ120が着座し及び支持される座部128を形成する。したがって、インサート110は、該インサート110の遠位端116がチャンバ124の遠位端132に形成されたソケット130の中に配置されるようにチャンバ124の中に入れられる。ソケット130の形状は、インサート110の遠位端116の形状に対応する。したがって、本発明におけるソケット130は、2つの平らな側面を備えたほぼ円筒形の形状を有する。
【0031】
ソケット130は、インサート110の遠位端116を横方向に支持するだけでなく、インサート110をチャンバ124の中に適正に配向することも助ける。インサート110は、レッジ126上に着座したリップ120によって、チャンバ124の中で長さ方向に支持される。レッジ126はさらに、平らな側面112に係合して、インサート110を配向する。前の実施形態と同様に、ロック部材60は、釘部材122と係合して、インサート110を定位置に保持する。インサート110は、インサート110の中で遠位端116から近位端へと延びる長さ方向の通路134も含む。同様に、ロック部材60は孔61も含む。挿入及び抜去器具は、インサート110がチャンバ124の中で定位置にあるときに、インサート110とロック部材60との両方を通して延びることができる。
【0032】
本発明を例示的方法について説明してきた。使用した用語は、制限するためではなく本質的に説明の言葉となることが意図されていることを理解されたい。
【0033】
上記の教示に照らして、本発明の多くの修正及び変形が可能である。したがって、特許請求範囲の請求項の範囲内において、本発明は、特定的に説明した以外でも実施可能である。
【0034】
本発明は以下の実施形態を含む。
(1)骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
近位端と遠位端とを有する釘部材を備え、前記近位端は、中に配置されるチャンバを有し、前記チャンバは、内面と該内面に配置される少なくとも1つの溝を有し、
前記チャンバの中に挿入されるように構成され、少なくとも1つの外向きに延びるタブを含むインサートを備え、
前記釘部材と係合して前記インサートを前記チャンバの中に固定するロック部材を備えたことを特徴とする髄内釘。
【0035】
(2)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記釘部材が、その中を通る長さ方向通路を有し、
前記インサートが、その中を通る長さ方向通路を有し、
前記ロック部材が、その中を通る長さ方向通路を有し、それにより挿入装置がそれぞれの長さ方向通路を通して延びることを特徴とする髄内釘。
(3)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記近位端が、前記釘部材の前記近位端の中を横切って延びる長さ方向スロットを有し、前記スロットは前記チャンバと連通し、前記溝は、前記釘部材の後縁から前記チャンバの前記内面上で内向きに延びて、前記スロットの手前で終端し、前記溝の端に支持面が配置され、それにより前記インサートが前記チャンバの中に着座するときに前記タブが前記溝の中に入って前記支持面と係合することを特徴とする髄内釘。
【0036】
(4)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートが、ファスナを受け入れるための少なくとも1つの開口を含み、前記開口が、前記タブが前記溝に係合したときに前記開口が前記スロットと位置合わせされるように前記インサート上で配向されることを特徴とする髄内釘。
(5)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートが近位端と遠位端を含み、前記タブが前記近位端上に配置されることを特徴とする髄内釘。
(6)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートが外向きに延びる複数のタブを有し、前記チャンバが中に複数の溝を有し、前記タブが前記溝と協働して、前記インサートを前記チャンバ内で支持し、及び配向することを特徴とする髄内釘。
【0037】
(7)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートにねじ係合されて、前記釘部材に固定されるエンドキャップを含むことを特徴とする髄内釘。
(8)前記(7)に記載の髄内釘であって、
前記エンドキャップがポスト部分を有し、前記ポスト部分が前記インサートの前記長さ方向通路を通して内向きに延びて、前記インサートの中に受け入れられたファスナと係合することを特徴とする髄内釘。
(9)前記(1)に記載の髄内釘部材であって、
前記釘部材が、該釘部材の近位端上に一対のノッチを有することを特徴とする髄内釘部材。
【0038】
(10)前記(1)に記載の髄内釘部材であって、
前記釘部材の前記近位端に前記チャンバと連通する開口を有し、それにより前記インサートが前記開口を通して前記チャンバの中に配置されることを特徴とする髄内釘部材。
(11)前記(10)に記載の髄内釘部材であって、
前記開口が前記釘部材の長さ方向軸線を横切って延び、前記釘部材の後縁に配置され、それにより前記インサートが前記チャンバの中に前記釘部材の長さ方向軸線の方向に挿入されることを特徴とする髄内釘部材。
(12)前記(1)に記載の髄内釘部材であって、
前記チャンバは、前記釘部材の後縁から前記釘部材の長さ方向軸線に沿って延び、前記釘部材は、前記釘部材の近位端に形成された開口を有し、前記開口は、そこから前記インサートが前記チャンバの中に挿入される開口部を形成し、前記チャンバの内面上に配置された前記溝は、前記開口から内向きに延びることを特徴とする髄内釘部材。
【0039】
(13)骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
遠位端と近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる長さ方向通路とを有する釘部材を備え、前記釘部材はさらに、
前記近位端に配置されるチャンバを有し、前記近位端はさらに、前記チャンバへのアクセスを与える開口を有し、前記チャンバは近位端と遠位端を有し、前記開口は前記チャンバの前記近位端に隣接し、
インサートを有し、前記インサートは外向きに延びるタブを含み、前記インサートは近位端と遠位端を有し、前記インサートはさらに、前記遠位端から前記近位端までその中を通して延びる長さ方向通路を有し、前記インサートはまた、前記インサートの中を通して、前記通路に対して或る角度をなして延びる開口を備え、前記インサートが前記チャンバの中に入れられたときに、前記タブが前記溝と協働して前記インサートを前記チャンバ内で支持し、
前記釘部材と係合して前記インサートを前記チャンバの中に固定するロック部材を備える髄内釘。
【0040】
(14)前記(13)に記載の髄内釘であって、
前記チャンバが、該チャンバの近位端に複数のねじ溝を備え、
前記ロック部材は、該ロック部材の外面上に複数のねじ溝を備えた環状形状を有し、前記ねじ溝が前記チャンバの前記ねじ溝と協働して前記インサートを前記チャンバの中に固定し、前記ロック部材がさらに、その中を通る長さ方向通路を有することを特徴とする髄内釘。
(15)前記(13)に記載の髄内釘であって、
前記釘部材が該釘部材の近位端に長さ方向スロットを有し、前記長さ方向スロットは、前記釘部材の前記近位端を通して延びるファスナを受け入れるために、前記近位端を通して横方向に延びることを特徴とする髄内釘。
【0041】
(16)骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
近位端と遠位端を有する釘部材を備え、前記釘部材は、前記釘部材を通して前記近位端から前記遠位端まで延びる長さ方向通路を有し、かつ前記近位端に配置されたチャンバを有し、前記チャンバは、近位端と遠位端を有し、前記チャンバの近位端の少なくとも一部に見られるレッジを含み、
インサートを備え、前記インサートは、前記チャンバの中に挿入されるようになっており、前記インサートは近位端と遠位端を有し、前記インサートはさらに、前記インサートを通して前記近位端から前記遠位端まで延びる長さ方向通路を有し、前記インサートの中を通して前記長さ方向通路から或る角度をなして延びる少なくとも1つの開口を有し、前記インサートはさらにリップを含み、前記リップは、前記レッジと係合して前記インサートを前記チャンバの中に支持し、
ロック部材を備え、前記ロック部材は長さ方向通路を有し、前記ロック部材は、前記釘部材と協働して前記インサートを前記チャンバの中に固定することを特徴とする髄内釘。
【0042】
(17)前記(16)に記載の髄内釘部材であって、
前記リップが外向きに延びるタブによって形成され、
前記チャンバが前記チャンバの内面に配置された長さ方向の溝を有し、前記溝が、前記チャンバの前記近位端から内向きに延びて、前記チャンバの前記遠位端に達する前に終端し、前記レッジは、前記インサートが前記チャンバの中に挿入されたときに、前記タブが前記溝の中で移動するように前記溝の端に隣接して形成されることを特徴とする髄内釘部材。
(18)前記(16)に記載の髄内釘部材であって、
前記インサートがほぼ円筒形の形状を有し、前記インサートがさらに、該インサートに沿って前記インサートの前記遠位端から近位端より離れた位置まで延びる両側の平らな側面を有し、それにより前記インサートの残りのほぼ円筒形の形状の部分と、前記両側の側面との間に形成された界面がリップを形成することを特徴とする髄内釘部材。
(19)前記(18)に記載の髄内釘部材であって、
前記インサートが前記チャンバの中に挿入されて前記インサートが前記チャンバの中で配向されたときに、前記平らな側面が前記レッジと係合することを特徴とする髄内釘部材。
(20)前記(16)に記載の髄内釘部材であって、
前記釘部材が前記チャンバの遠位端に隣接するソケットを含み、前記ソケットは、前記インサートが前記チャンバの中に固定されたときに、前記インサートの遠位縁を受け入れるように構成されることを特徴とする髄内釘部材。
【図面の簡単な説明】
【図1】大腿骨の中にアンティ・グレード構成で埋め込まれた本発明に係るモジュラ釘を示す概略的な正面図である。
【図2】図1に示されたモジュラ釘の分解斜視図である。
【図3】図1に示されたモジュラ釘の釘部材の側面図であり、釘部材の特徴を示すために一部が断面で示されており、また、釘部材のさらに別の特徴を示すために一部が想像で示されている。
【図4】図3の線4−4に沿って見た図3の釘部材の断面図である。
【図5】図1に示されたモジュラ釘の図3の釘の上面図である。
【図6】図1に示されたモジュラ釘の釘部材に用いるインサートの斜視図である。
【図7】図5の線7−7に沿って見た図6のインサートの断面図である。
【図8】本発明に係るモジュラ釘の第2実施形態の分解斜視図である。
【図9】大腿骨の中にリコンストラクション構成で埋め込まれた状態を示す図8に係る本発明の第2実施形態の概略的な正面図である。
【図10】大腿骨の中にレトロ・グレード構成で埋め込まれた状態を示す本発明の第4実施形態の概略的な正面図である。
【図11】脛骨の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第5実施形態の概略的な背面図である。
【図12】脛骨の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第5実施形態の概略的な上面図である。
【図13】足関節の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第6実施形態の概略的な背面図である。
【図14】大腿骨の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第7実施形態の部分断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係るモジュラ釘の分解斜視図である。
【図16】図15に示されたモジュラ釘の釘部材の側面図であり、釘部材の特徴を示すために一部が断面で示されている。
【図17】図16の釘部材の部分断面図である。
【図18】図17の線18−18に沿って見た図17の釘部材の断面図である。
【図19】図17の線19−19に沿って見た図17の釘部材の断面図である。
【図20】図15に示されたモジュラ釘の釘部材に使用するためのインサートの側面図である。
【図21】図20の線21−21に沿って見た図20のインサートの断面図である。
【図22】釘部材にあるチャンバの中に固定されたインサートを示す図15のモジュラ釘とインサート組立体の側面断面図である。
【図23】本発明の別の実施形態に係る釘部材の正面図である。
【図24】釘部材にあるチャンバの中に固定されたインサートを示す本発明の第9実施形態の側面断面図である。
【図25】図24に示されたモジュラ釘組立体に用いるインサートの斜視図である。
【符号の説明】
20 釘部材
22 遠位端
24 近位端
30 孔
32 ファスナ
34 チャンバ
36 開口
40 ソケット
48 ノッチ
50 インサート
52 ロック突起
本明細書は、1999年10月21日付けの米国特許出願第60/160,656号に基づく優先権を主張するものである2000年10月23日に出願され現在係属中の米国特許出願第09/694,666号の部分継続出願である。
【0002】
【発明の背景】
(発明の属する技術分野)
本発明は一般に、骨折の修復のための髄内釘に関し、より具体的には、外科医が、特定のタイプの骨折に用いるために、異なるインサートを使って選択された釘構成を達成可能にするモジュラ釘に関する。
【0003】
(関連する技術の説明)
髄内釘は、骨折が治るまで骨折部を安定化させるための一時的な固定手段を与える実証済みの装置である。この釘は、骨髄の中に挿入され、骨折部にわたるように配置される。この釘は、骨の中に受け入れられて、釘の位置合わせ孔の中に通された骨ねじによって固定される。
【0004】
ねじは、普通は、釘の近位端及び遠位端の中に挿入され、近位端の場合には、ねじの向きは、アンティ・グレード(順行性)、リコンストラクション(再構成)、及びレトロ・グレード(逆行性)の構成を含む、必要とされる特定の構成に依存する。したがって、異なる構成すなわち異なる骨折状態に対しては、異なる釘が必要とされる。多くの病院では、特定の骨折のみを取り扱うように設計された釘システムの一式をストックしている。釘システムの各々は、異なる部品を必要とするだけでなく、たった1種類の釘に用いられることが意図されている独特の器具使用システムも必要とする。この結果、不必要な在庫が増加し、それに対応して病院と患者の費用が増大する。
【0005】
したがって、多様な骨折を取り扱えるようにする多くのオプションを外科医に与え、そのために必要とされる部品を合理化することができる、モジュール性が増進された髄内釘にすることが有利である。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、治癒が起こるまで骨折部を安定化させるために用いるモジュラ髄内釘に向けられている。本発明のモジュラ髄内釘は、遠位端と近位端を有する細長い釘部材を含む。近位端は、そこに位置するチャンバを含む。チャンバは、中に開口を有するインサートを受け入れるように構成される。開口は、釘部材を骨に固定して骨折部を安定化させるのに使用するねじを受け入れるように構成される。ロックリングがチャンバに係合して、インサートをチャンバの中に固定する。
【0007】
本発明によれば、患者の必要性に基づいて、種々のインサートを用いることによって、選択されたねじ構成を達成し、手術前に選び、挿入前に組み立てることができる。単一の釘部材に多数のインサートを使用することにより、外科医がねじを、種々の角度で、アンティ・グレード、リコンストラクション、及びレトロ・グレード構成、並びに動的斜位ロック及び動的横方向ロックを含む種々のロック構成で配置可能になる。
【0008】
本発明は、以下の詳細な説明を付属の図面と併せて読むと、すぐに認識されると共に良く理解されるようになるであろう。
【0009】
【発明の好ましい実施形態の詳細な説明】
図1から図4は、骨16の中に組み立てられた状態で入れられた本発明の一実施形態に係るモジュラ髄内釘18を示す。モジュラ髄内釘18は、チタン合金のような金属合金で形成された釘部材20を含む。釘部材20は、遠位端22と、近位端24と、中間部26とを含む。遠位端22は前縁23を含み、近位端24は後方又は後縁25を含む。通路28が、近位端24と遠位端22との間の釘部材を通して長さ方向に延びる。通路28は、骨16の中に釘部材20を配置するのに使用するガイドワイヤ(図示せず)のような挿入及び抜去(引き抜き)器具を受け入れる。典型的には、釘部材20の前縁23は、ガイドワイヤの経路に後続して、最初に骨16の中に挿入される。
【0010】
図1に示すように、ここでは骨ねじとして示された複数のファスナ32は、釘部材20を通して延び、骨16の中に入って釘部材20を定位置に固定する。ブレード、ビーム、ピン、又はワイヤのような他のファスナを用いることもできる。
【0011】
図2に示すように、釘部材20の遠位端22は複数の孔30を有する。孔30は、典型的には、釘部材20の長さ方向軸線21を横切って延びる。ファスナ32は、孔30を通して延びて、釘部材20の下方端又は遠位端22を骨16に固定する。好ましい手順に従って、孔30を、骨16の長さ方向軸線に対して横方向になるように配置する。図3に示すように、釘部材20は、平面31によって示されるように僅かに曲げて、骨16の自然な湾曲をなすようにすることができる。こうした場合には、孔30の1つを釘部材20の長さ方向軸線21に対して僅かな角度をなすようにドリル穿孔し、釘部材20の遠位端22が曲がった状態であっても、孔30とこれに対応するファスナ32が骨16の長さ方向軸線に対して垂直なままとなるようにする。
【0012】
反対側の端、すなわち近位端24については、近位端24は、上に配置されたバレル又はチャンバ34を含む。チャンバ34は、遠位端34aと近位端34bを有する。チャンバ34の近位端34bに配置された開口36は、チャンバ34へのアクセスを与える。図示のように、開口36は、釘部材20の後縁25に配置される。さらに、チャンバ34は、後述する目的のためのソケット40を含む。チャンバ34は内面44も有する。チャンバ34の近位端34bの内面44は、複数のねじ溝45を有する。近位端24の後方縁又は後縁25にはノッチ48が見える。挿入及び抜去器具(図示せず)は、長さ方向通路28の中に通されて、ノッチ48に係合し、回転して、釘部材20を骨16の中に適正に配置するように構成される。
【0013】
図6および図7に示された、遠位端50aと近位端50bを有するインサート50が、チャンバ34の中に配置される。インサート50は、インサートの遠位端50aに配置されたロック突起52を有する。図6に示されるようなロック突起52は、平らな側面53を備えた円筒形の形状を有する。ロック突起52の形状は、チャンバ34の中のソケット40の形状に対応する。ロック突起52とこれに対応するソケット40の目的の1つは、チャンバ34の中でインサート50を適正に配向することであることを認識されたい。幾つかの場合においては、別の目的は、インサート50の遠位端50aを支持することである。したがって、その他の種々の形状及び構成を用いることもできる。例えば、ロック突起52とこれに対応するソケット40は、正方形、六角形、星型、三角形、又は他の形状をもつことができる。
【0014】
インサート50はさらに、その中を通して延びる開口54を有する。開口54は、インサート50がチャンバ34の中に入れられたときに、開口54が、チャンバ34に対向する釘部材20の壁58を通して延びる長さ方向スロット56と位置合わせされるように配向される。付加的なファスナ32が、インサート50の中の開口54とスロット56との両方の中に通されて、釘部材20の近位端24を骨16に固定する。インサート50は、釘部材20の長さ方向軸線21に対してあらゆる角度構成で配向された多数の開口54をもつことができる。インサート50はさらに、インサート50の中を通して延びる長さ方向通路55を有する。長さ方向通路55は、釘部材20の通路28と同軸にされ、それによりインサート50を通したガイドワイヤ又は他の挿入又は抜去器具の通過が可能になる。インサート50はさらに、その一端に配置されたねじ溝付きボア57を有する。ねじ溝付きボア57は、これに対応するねじ溝付き工具(図示せず)を受け入れて、組み立てられたモジュラ・インプラントの挿入又は抜去器具を取り付けることができる。したがって、種々のインサート50を使用して、種々の骨及び骨折タイプに使用可能なモジュラ髄内釘18を得ることができる。上述のように、ここで用いられるファスナ32は、骨ねじとして開示される。しかしながら、ブレード、ビーム、ピン、又はワイヤのような他のファスナ32を用いることもできる。
【0015】
外径上に複数のねじ溝62を有するロック部材60が、チャンバ34の近位端34bにあるねじ溝45に係合する。締め付けられると、ロック部材60は、インサート50をチャンバ34の中に固定する。ロック部材60は、ここではねじ溝付きリングとして開示されているが、インサート50を定位置に固定するスナップ・リング、プラグ、又はその他の装置のような他のロック部材も使用可能である。本発明において示されるように、ロック部材60の中央にある孔又は長さ方向通路61は、モジュラ髄内釘18の挿入又は抜去の際に中にガイドワイヤか又は他の器具が通る通路を与える。孔61は、ソケット62の形状に形成され、本実施形態においては六角形の形状にされる。したがって、好適な工具が駆動ソケット62の中に挿入されて、ロック部材60を締め付け、インサート50をチャンバ34内の定位置に固定する。
【0016】
本発明により、外科医が大腿骨用の単一のモジュラ髄内釘、及び脛骨用の単一のモジュラ髄内釘で多様な骨折に対処できるようにする。図8から図13に示されるように、インサート50と、これに対応する釘部材20は、アンティ・グレード、リコンストラクション、及びレトロ・グレードの構成を含む、大腿骨に必要とされる種々の構成に基づいて選択される。したがって、釘部材20の近位端24上に配置されるファスナ32の配向の可能性は、釘部材20に用いるために選択された特定のインサート50に基づき無限大である。こうしたモジュラシステムは、1つのシステムを用いて多様な取り付け又は技術を取り扱えるようにする多くのオプションを外科医に与え、インプラントの在庫及び器具使用を減らす。
【0017】
ここで開示するように、本発明の一実施形態に係るモジュラ髄内釘18は、主要な釘部材20を含み、該釘部材20の近位端24は、インサート50を異なる開口54構成で使用可能にするチャンバ34を有する。インサート50は、インサート50を配向するために、チャンバ34の対応する又は相補的な形状にされたソケット40の中に受け入れられたロック突起52で鎖錠される。ロック部材60は、釘部材20と係合して、インサート50をチャンバ34の中に固定する。
【0018】
本発明のさらに別の態様によれば、インサート50は、ダイナミゼーションのために再吸収性材料から形成することができる。すなわち、再吸収性材料が身体に吸収されるのに伴って、ファスナ32と釘部材20によってかかる負荷がゆっくりと減少する。したがって、骨折が治癒するのに伴って、負荷が骨折部に徐々に移動する。
【0019】
さらに、インサート50は、外科医がインサート50の中にドリル穿孔して、ファスナを位置決めし、及び配置できるようにするどんな埋め込み可能なポリマーから作ることもできる。これにより、各インサートが患者の特定の要求について特注されるので、外科医に融通性を与える。
【0020】
したがって、本発明の一実施形態によれば、モジュラ髄内釘18は、釘部材20と、釘部材20の近位端24のチャンバ34の中に受け入れられるインサート50とを含む。モジュラ髄内釘18の一実施形態は、釘部材20の近位端24の中に配置されたインサート50と共に示されているが、これは単に説明のためである。インサート50は常に近位端24に配置される必要はなく、例えばレトロ・グレード技術を示す図10を参照されたい。最終的には、ここに示される図面は、単に例示するためのものである。外科医は、使用するファスナの数と共に、ファスナの位置又は向きを変えることができる。手短に言えば、本発明のモジュラ髄内釘18は、外科医が、異なるインサート50を選択し、釘部材20のチャンバ34の中に配置して、特定の骨折に適した特定の釘構成を達成できるようにする装置である。
【0021】
図14は、エンドキャップ64を含む本発明の別の実施形態を示す。エンドキャップ64の細長いポスト部分65は、チャンバ34の中に内向きに延びる。ポスト部分65の上に複数のねじ溝66が形成される。ねじ溝66は、インサート50の相補的なねじ溝付きボア57と係合する。図14に示されるように、エンドキャップ64のポスト部分65のねじ溝が付いていない部分は、インサート50の長さ方向通路55の中に嵌合し、インサート50の開口54の中に配置されたファスナ32と係合する。エンドキャップ64のポスト部分65は、ファスナ32と係合してファスナ32を定位置にロックし、ファスナ32が回転したりゆるく機能することを防ぐ。上述の実施形態と同様に、ロック部材60は、インサート50をチャンバ34の中に固定する。エンドキャップ64のポスト部分65は、孔61の中に延びる。エンドキャップ64は、釘部材20の近位端24の直径と並ぶか、又は、これを超えて半径方向外側に延びることができる。エンドキャップ64は、釘部材20の中への骨の成長を防ぐ。
【0022】
したがって、骨16の中に設置する前に、インサート50を釘部材20のチャンバ34の中にロック部材60で固定することによって、モジュラ髄内釘18が組み立てられる。組み立てた後に、髄内釘18が骨16の中に挿入され、これに対応する骨ねじ又はファスナ32がインサート50の開口54に通されて、髄内釘18が骨16に締結される。ファスナ32が定位置に配置されると、エンドキャップ64がインサート50の中にねじ込み式に受け入れられ、エンドキャップ64の上面72に形成された駆動ソケット70と係合する好適な工具を用いて、ポスト部分65がファスナ32の骨ねじと係合するまで締め付けられる。
【0023】
ポスト部分65のねじ溝66は、チャンバ34のねじ溝45ではなくインサート50のねじ溝57と係合するような寸法及び直径にできることを理解されたい。したがって、ポスト部分65のねじ溝の付いていない部分は、ロック部材60の孔61を通して、インサート50の長さ方向通路55の中に延びることができる。
【0024】
本発明の別の実施形態が、図15から図22に示されている。図15は、本発明の別の実施形態に係るモジュラ髄内釘18の斜視図を示す。多くの態様において、釘部材80は、上述のものと同様である。釘部材80は、遠位端22と、近位端24と、中間部26と、該釘部材の中を通る長さ方向通路28とを含む。さらに、上述の実施形態と同様に、遠位端22にファスナ32を受け入れる孔30が形成され、近位端24の後縁25に一対のノッチ48が形成される。本発明の釘部材80はチャンバ82も有する。同様に、近位端24の後縁25に又は付近に開口36が配置され、チャンバ82へのアクセスを与える。チャンバ82はさらに、チャンバ82の内面86上に配置された複数のねじ溝87を有する。チャンバ82は、チャンバ82の内面86に沿って内向きに延びる一対の溝又は通路84を備えるという点で、既に開示したものとは異なる。図17及び図19に示されるように、溝又は通路84は、釘部材80の近位端24において長さ方向に内向きに延びる。本発明においては、溝又は通路84は、釘部材80の近位端24に配置された細長い開口又は長さ方向スロット56の手前で終端する。
【0025】
チャンバ82は、チャンバ82の内面86の周りに周方向に延びる半径方向の溝83も含むことができる。図17に示されるように、長さ方向の溝84は、半径方向の溝83において終端する。半径方向の溝83を加えることによって、ブローチ削り工程による溝又は通路84の形成が容易になる。
【0026】
図20から図22に示されるように、インサート90は、半径方向外側に突出して、インサート90の本体を超えて延びる一対のタブ92を含む。ここではタブ92として開示されるが、インサート90の本体から外向きに延びて、その上にリップ93を形成するような外向き突出部材が適している。後で示されるように、タブ92は、インサート90をチャンバ82内で支持する支持突出部として役立つ。前述のように、インサート90は、骨ねじか又はファスナ32を受け入れる複数の開口102を有することができる。タブ92は、溝84と協働して、チャンバ82内で開口102が適正に配向されて必要とされる構成が達成されるように、インサート90を適正に配向する。前述の実施形態と同様に、インサート90はさらに、インサートの端から端へと延びる長さ方向通路104を有する。同様に、例えばガイドワイヤといった挿入及び抜去器具は、インサート90の通路104を通して、及び釘部材80の長さ方向通路28を通して延びる。溝又は通路84が、釘部材80の開放端36から内向きに延びる。溝又は通路84の端に隣接してシェルフ又はレッジ100が形成される。半径方向の溝83が用いられるときには、該溝がシェルフ又はレッジ100を形成する。半径方向の溝83の幅は、タブ92の厚さより小さい。したがって、タブ92は、通路又は溝84内で位置合わせされた状態に維持される。シェルフ又はレッジ100は、釘部材80の近位端24に支持面を形成する。前述のように、溝又は通路84は、通常は、釘部材80の近位端24に形成された長さ方向スロット56に達する前に終端し、即ち、終わる。したがって、インサート90がチャンバ82の中に入れられたときに、タブ92が溝84の中に入り、タブ92の下に形成されたリップ93が、それぞれのシェルフ又はレッジ100と係合するまで移動する。したがって、タブ92は、これらがチャンバ82内でインサート90を支持することと、これらがチャンバ82内でインサート90を適正に配向するように働くこととの2つの機能を果たす。
【0027】
前の実施形態と同様に、ロック部材60は、インサート90をチャンバ82の中に固定するために用いることができる。同様に、ロック部材60は、六角形状をもつ孔61を含むことができ、該孔61は、挿入及び抜去器具のための開口と、中に適切な工具を挿入し、ロック部材60を締め付けてインサート90をチャンバ82の中で固定することができるソケットとの両方を与える。既に説明したように、釘部材80の近位端24の開放端36を閉鎖するために、エンドキャップを用いることができる。
【0028】
図23は、近位端24が釘部材80の長さ方向軸線21に対して或る角度をなすように釘部材80の近位端24を湾曲させるか又は曲げる、さらに別の実施形態を示す。
【0029】
図24および図25は、本発明の別の実施形態を示す。インサート110は、インサート110の本体114に沿って延びる両側の平らな側面112を備えたほぼ円筒形の形状を有することができる。図25に示されるように、平らな側面112は、インサート110の本体114に沿って、インサート110の遠位端116から近位端118に向けて延びる。平らな側面112が終端するのに対応して、インサート110の近位端118にリップ120が形成される。
【0030】
また、釘部材122は、多くの態様において、既に説明したものと同様である。この実施形態においては、図24に示されるようなチャンバ124は、内向きに突出するレッジ126を含む。レッジ126は、その上にインサート110のリップ120が着座し及び支持される座部128を形成する。したがって、インサート110は、該インサート110の遠位端116がチャンバ124の遠位端132に形成されたソケット130の中に配置されるようにチャンバ124の中に入れられる。ソケット130の形状は、インサート110の遠位端116の形状に対応する。したがって、本発明におけるソケット130は、2つの平らな側面を備えたほぼ円筒形の形状を有する。
【0031】
ソケット130は、インサート110の遠位端116を横方向に支持するだけでなく、インサート110をチャンバ124の中に適正に配向することも助ける。インサート110は、レッジ126上に着座したリップ120によって、チャンバ124の中で長さ方向に支持される。レッジ126はさらに、平らな側面112に係合して、インサート110を配向する。前の実施形態と同様に、ロック部材60は、釘部材122と係合して、インサート110を定位置に保持する。インサート110は、インサート110の中で遠位端116から近位端へと延びる長さ方向の通路134も含む。同様に、ロック部材60は孔61も含む。挿入及び抜去器具は、インサート110がチャンバ124の中で定位置にあるときに、インサート110とロック部材60との両方を通して延びることができる。
【0032】
本発明を例示的方法について説明してきた。使用した用語は、制限するためではなく本質的に説明の言葉となることが意図されていることを理解されたい。
【0033】
上記の教示に照らして、本発明の多くの修正及び変形が可能である。したがって、特許請求範囲の請求項の範囲内において、本発明は、特定的に説明した以外でも実施可能である。
【0034】
本発明は以下の実施形態を含む。
(1)骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
近位端と遠位端とを有する釘部材を備え、前記近位端は、中に配置されるチャンバを有し、前記チャンバは、内面と該内面に配置される少なくとも1つの溝を有し、
前記チャンバの中に挿入されるように構成され、少なくとも1つの外向きに延びるタブを含むインサートを備え、
前記釘部材と係合して前記インサートを前記チャンバの中に固定するロック部材を備えたことを特徴とする髄内釘。
【0035】
(2)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記釘部材が、その中を通る長さ方向通路を有し、
前記インサートが、その中を通る長さ方向通路を有し、
前記ロック部材が、その中を通る長さ方向通路を有し、それにより挿入装置がそれぞれの長さ方向通路を通して延びることを特徴とする髄内釘。
(3)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記近位端が、前記釘部材の前記近位端の中を横切って延びる長さ方向スロットを有し、前記スロットは前記チャンバと連通し、前記溝は、前記釘部材の後縁から前記チャンバの前記内面上で内向きに延びて、前記スロットの手前で終端し、前記溝の端に支持面が配置され、それにより前記インサートが前記チャンバの中に着座するときに前記タブが前記溝の中に入って前記支持面と係合することを特徴とする髄内釘。
【0036】
(4)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートが、ファスナを受け入れるための少なくとも1つの開口を含み、前記開口が、前記タブが前記溝に係合したときに前記開口が前記スロットと位置合わせされるように前記インサート上で配向されることを特徴とする髄内釘。
(5)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートが近位端と遠位端を含み、前記タブが前記近位端上に配置されることを特徴とする髄内釘。
(6)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートが外向きに延びる複数のタブを有し、前記チャンバが中に複数の溝を有し、前記タブが前記溝と協働して、前記インサートを前記チャンバ内で支持し、及び配向することを特徴とする髄内釘。
【0037】
(7)前記(1)に記載の髄内釘であって、
前記インサートにねじ係合されて、前記釘部材に固定されるエンドキャップを含むことを特徴とする髄内釘。
(8)前記(7)に記載の髄内釘であって、
前記エンドキャップがポスト部分を有し、前記ポスト部分が前記インサートの前記長さ方向通路を通して内向きに延びて、前記インサートの中に受け入れられたファスナと係合することを特徴とする髄内釘。
(9)前記(1)に記載の髄内釘部材であって、
前記釘部材が、該釘部材の近位端上に一対のノッチを有することを特徴とする髄内釘部材。
【0038】
(10)前記(1)に記載の髄内釘部材であって、
前記釘部材の前記近位端に前記チャンバと連通する開口を有し、それにより前記インサートが前記開口を通して前記チャンバの中に配置されることを特徴とする髄内釘部材。
(11)前記(10)に記載の髄内釘部材であって、
前記開口が前記釘部材の長さ方向軸線を横切って延び、前記釘部材の後縁に配置され、それにより前記インサートが前記チャンバの中に前記釘部材の長さ方向軸線の方向に挿入されることを特徴とする髄内釘部材。
(12)前記(1)に記載の髄内釘部材であって、
前記チャンバは、前記釘部材の後縁から前記釘部材の長さ方向軸線に沿って延び、前記釘部材は、前記釘部材の近位端に形成された開口を有し、前記開口は、そこから前記インサートが前記チャンバの中に挿入される開口部を形成し、前記チャンバの内面上に配置された前記溝は、前記開口から内向きに延びることを特徴とする髄内釘部材。
【0039】
(13)骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
遠位端と近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる長さ方向通路とを有する釘部材を備え、前記釘部材はさらに、
前記近位端に配置されるチャンバを有し、前記近位端はさらに、前記チャンバへのアクセスを与える開口を有し、前記チャンバは近位端と遠位端を有し、前記開口は前記チャンバの前記近位端に隣接し、
インサートを有し、前記インサートは外向きに延びるタブを含み、前記インサートは近位端と遠位端を有し、前記インサートはさらに、前記遠位端から前記近位端までその中を通して延びる長さ方向通路を有し、前記インサートはまた、前記インサートの中を通して、前記通路に対して或る角度をなして延びる開口を備え、前記インサートが前記チャンバの中に入れられたときに、前記タブが前記溝と協働して前記インサートを前記チャンバ内で支持し、
前記釘部材と係合して前記インサートを前記チャンバの中に固定するロック部材を備える髄内釘。
【0040】
(14)前記(13)に記載の髄内釘であって、
前記チャンバが、該チャンバの近位端に複数のねじ溝を備え、
前記ロック部材は、該ロック部材の外面上に複数のねじ溝を備えた環状形状を有し、前記ねじ溝が前記チャンバの前記ねじ溝と協働して前記インサートを前記チャンバの中に固定し、前記ロック部材がさらに、その中を通る長さ方向通路を有することを特徴とする髄内釘。
(15)前記(13)に記載の髄内釘であって、
前記釘部材が該釘部材の近位端に長さ方向スロットを有し、前記長さ方向スロットは、前記釘部材の前記近位端を通して延びるファスナを受け入れるために、前記近位端を通して横方向に延びることを特徴とする髄内釘。
【0041】
(16)骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
近位端と遠位端を有する釘部材を備え、前記釘部材は、前記釘部材を通して前記近位端から前記遠位端まで延びる長さ方向通路を有し、かつ前記近位端に配置されたチャンバを有し、前記チャンバは、近位端と遠位端を有し、前記チャンバの近位端の少なくとも一部に見られるレッジを含み、
インサートを備え、前記インサートは、前記チャンバの中に挿入されるようになっており、前記インサートは近位端と遠位端を有し、前記インサートはさらに、前記インサートを通して前記近位端から前記遠位端まで延びる長さ方向通路を有し、前記インサートの中を通して前記長さ方向通路から或る角度をなして延びる少なくとも1つの開口を有し、前記インサートはさらにリップを含み、前記リップは、前記レッジと係合して前記インサートを前記チャンバの中に支持し、
ロック部材を備え、前記ロック部材は長さ方向通路を有し、前記ロック部材は、前記釘部材と協働して前記インサートを前記チャンバの中に固定することを特徴とする髄内釘。
【0042】
(17)前記(16)に記載の髄内釘部材であって、
前記リップが外向きに延びるタブによって形成され、
前記チャンバが前記チャンバの内面に配置された長さ方向の溝を有し、前記溝が、前記チャンバの前記近位端から内向きに延びて、前記チャンバの前記遠位端に達する前に終端し、前記レッジは、前記インサートが前記チャンバの中に挿入されたときに、前記タブが前記溝の中で移動するように前記溝の端に隣接して形成されることを特徴とする髄内釘部材。
(18)前記(16)に記載の髄内釘部材であって、
前記インサートがほぼ円筒形の形状を有し、前記インサートがさらに、該インサートに沿って前記インサートの前記遠位端から近位端より離れた位置まで延びる両側の平らな側面を有し、それにより前記インサートの残りのほぼ円筒形の形状の部分と、前記両側の側面との間に形成された界面がリップを形成することを特徴とする髄内釘部材。
(19)前記(18)に記載の髄内釘部材であって、
前記インサートが前記チャンバの中に挿入されて前記インサートが前記チャンバの中で配向されたときに、前記平らな側面が前記レッジと係合することを特徴とする髄内釘部材。
(20)前記(16)に記載の髄内釘部材であって、
前記釘部材が前記チャンバの遠位端に隣接するソケットを含み、前記ソケットは、前記インサートが前記チャンバの中に固定されたときに、前記インサートの遠位縁を受け入れるように構成されることを特徴とする髄内釘部材。
【図面の簡単な説明】
【図1】大腿骨の中にアンティ・グレード構成で埋め込まれた本発明に係るモジュラ釘を示す概略的な正面図である。
【図2】図1に示されたモジュラ釘の分解斜視図である。
【図3】図1に示されたモジュラ釘の釘部材の側面図であり、釘部材の特徴を示すために一部が断面で示されており、また、釘部材のさらに別の特徴を示すために一部が想像で示されている。
【図4】図3の線4−4に沿って見た図3の釘部材の断面図である。
【図5】図1に示されたモジュラ釘の図3の釘の上面図である。
【図6】図1に示されたモジュラ釘の釘部材に用いるインサートの斜視図である。
【図7】図5の線7−7に沿って見た図6のインサートの断面図である。
【図8】本発明に係るモジュラ釘の第2実施形態の分解斜視図である。
【図9】大腿骨の中にリコンストラクション構成で埋め込まれた状態を示す図8に係る本発明の第2実施形態の概略的な正面図である。
【図10】大腿骨の中にレトロ・グレード構成で埋め込まれた状態を示す本発明の第4実施形態の概略的な正面図である。
【図11】脛骨の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第5実施形態の概略的な背面図である。
【図12】脛骨の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第5実施形態の概略的な上面図である。
【図13】足関節の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第6実施形態の概略的な背面図である。
【図14】大腿骨の中に埋め込まれた状態を示す本発明の第7実施形態の部分断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係るモジュラ釘の分解斜視図である。
【図16】図15に示されたモジュラ釘の釘部材の側面図であり、釘部材の特徴を示すために一部が断面で示されている。
【図17】図16の釘部材の部分断面図である。
【図18】図17の線18−18に沿って見た図17の釘部材の断面図である。
【図19】図17の線19−19に沿って見た図17の釘部材の断面図である。
【図20】図15に示されたモジュラ釘の釘部材に使用するためのインサートの側面図である。
【図21】図20の線21−21に沿って見た図20のインサートの断面図である。
【図22】釘部材にあるチャンバの中に固定されたインサートを示す図15のモジュラ釘とインサート組立体の側面断面図である。
【図23】本発明の別の実施形態に係る釘部材の正面図である。
【図24】釘部材にあるチャンバの中に固定されたインサートを示す本発明の第9実施形態の側面断面図である。
【図25】図24に示されたモジュラ釘組立体に用いるインサートの斜視図である。
【符号の説明】
20 釘部材
22 遠位端
24 近位端
30 孔
32 ファスナ
34 チャンバ
36 開口
40 ソケット
48 ノッチ
50 インサート
52 ロック突起
Claims (10)
- 骨折を修復するファスナに使用するための髄内釘であって、
遠位端と、近位端と、前記遠位端から前記近位端まで延びる長さ方向通路とを有する釘部材を備え、前記釘部材は、さらに、
前記近位端に配置されるチャンバを有し、前記近位端はさらに、前記チャンバへのアクセスを与える開口を有し、前記チャンバは近位端と遠位端を有し、前記開口は前記チャンバの前記近位端に隣接し、前記チャンバは内面と該内面に配置される溝を備え、
インサートが設けられ、前記インサートは外向きに延びるタブを含み、前記インサートは近位端と遠位端を有し、前記インサートはさらに、前記遠位端から前記近位端までその中を通して延びる長さ方向通路を有し、前記インサートはまた、前記インサートの中を通して、前記通路に対して或る角度をなして延びる開口を備え、
前記インサートが前記チャンバの中に入れられたときに、前記タブが前記溝と協働して前記インサートを前記チャンバ内で支持し、
前記釘部材と係合して前記インサートを前記チャンバの中に固定するロック部材を備える、
ことを特徴とする髄内釘。 - 前記チャンバは、該チャンバの近位端に複数のねじ溝を有し、
前記ロック部材は、該ロック部材の外面上に複数のねじ溝を備えた環状形状を有し、前記ねじ溝が前記チャンバの前記ねじ溝と協働して前記インサートを前記チャンバの中に固定し、前記ロック部材がさらに、その中を通る長さ方向通路を有することを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。 - 前記釘部材が該釘部材の近位端に長さ方向スロットを有し、前記長さ方向スロットは、前記釘部材の前記近位端を通して延びるファスナを受け入れるために、前記近位端を通して横方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。
- 前記インサートにねじ係合されて、前記釘部材に固定されるエンドキャップを含むことを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。
- 前記エンドキャップがポスト部分を有し、前記ポスト部分は、前記インサートの長さ方向通路を通して内向きに延びて、前記インサートの中に受け入れられたファスナと係合することを特徴とする請求項4に記載の髄内釘。
- 前記釘部材が該釘部材の近位端上にノッチを有することを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。
- 前記開口が、前記釘部材の長さ方向軸線を横切って延び、前記釘部材の後縁に配置され、それにより前記インサートが前記釘部材の前記長さ方向軸線の方向に前記チャンバの中に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の髄内釘部材。
- 前記インサートが、近位端と遠位端を含み、前記タブが前記近位端の上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。
- 前記外向きに延びるタブがリップを形成し、
前記溝が前記チャンバの前記近位端から内向きに延びて、前記チャンバの前記遠位端に達する前に終端し、
前記溝の端に隣接してレッジが形成され、それにより前記インサートが前記チャンバの中に挿入されたときに、前記タブが前記溝の中で移動し、前記リップが前記縁の上に着座したときに、前記インサートが前記チャンバの中に着座することを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。 - 前記インサートがほぼ円筒形の形状を有し、前記インサートがさらに、該インサートに沿って前記インサートの前記遠位端から近位端より離れた位置まで延びる両側の平らな側面を有し、それにより、前記インサートの残りのほぼ円筒形の形状の部分と、前記両側の側面との間に形成された界面がリップを形成することを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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