JP2004248486A - 交流整流子発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電に際して周波数を一定とし調整制御装置をできるだけ少なくして低コスト小重量の交流整流子発電装置を得ること。
【解決手段】界磁巻線1に界磁交流電源を接続し、整流子7に接触するブラシ8を相対的に整流子7に対し周方向に移動可能に構成したこと。固定子鉄心2に巻かれた界磁巻線1に励磁交流電源11を接続し、回転子鉄心5に巻かれた回転子巻線4と整流子7およびブラシ8とを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧を整流して基準電圧と比較器10にて比較し、この比較器10の出力にて励磁交流電源11の電圧を調整すること。
【選択図】 図1

Description

この発明は、原動機の入力である回転駆動力の大小にかかわらず、一定周波数で所望の発電出力を得る交流整流子発電装置に関する。
例えば水力発電や火力発電の原理としては、水車やタービンの回転駆動力を交流発電機に伝え、この交流発電機の回転子の回転に基づき発電し、交流電力を出力するものである。この場合、発電機出力としての交流電力を得るためには、一定の周波数になること、定格を超えない電圧に調整されていること、更には使用電力や送電線路の送電容量に応じた電流および位相が調整されること、等種々の調整制御が必要になる。このために、例えば発電機入力である水車やタービンの回転力を調整するためガスや水量の調整制御すなわちガバナによる調整制御、原動機の羽根の角度調整、等の種々の機械的調整や制御が必要になる。また、系統連系にあっては、負荷短絡時の防護のための高速遮断器等の連係保護装置が必要となり、更には雷害や地絡等の異常電圧防護措置を講ずる必要もある。
このようなことを勘案すると、発電のためには発電機本体である交流発電機以外にも検出器、調整装置、制御装置、保護装置等極めて多くの装置や設備が必要となり、電力の好適な供給のためには単に発電機本体のみならずこれら多くの装置や設備を含めた発電装置が必要になる。そして、この発電装置としては大電力になるほど大規模な発電プラントが構築されることとなり、同時に保守点検作業も頻繁に行う必要が生じてくる。
他方、最近の趨勢として、小水力発電、風力発電などの小出力の発電装置(風力発電は最近では大出力のものも出現している)も種々商品化されており、自然環境下でのいわゆるクリーンなエネルギを余すところなく電力に変えようとする動向に沿うものである。そして、これら小出力の発電装置にあってもガバナ等の装置や設備が必要となり保守点検も面倒となるのであるが、更にはこれらの発電装置の設置については、前述の火力発電等と同等あるいはそれ以上に予め設置環境を考慮することにより効率よくエネルギを取得できる設置場所を厳密に選択するという必要も生ずる。
上述のように大規模な発電プラントにあっても、あるいは小出力の発電装置にあっても、設備コストの低減、装置の簡素化、係員による保守点検の軽減等のために交流発電機以外の検出器、調整装置、制御装置、保護装置等極めて多く存在する装置や設備をできるだけ複合化して簡素化しあるいはできれば除去することによって発電装置のスリム化を図りたいという要請がある。
また、小出力の発電装置における設置場所の選択についても、常設の発電装置にあっては設置環境を考慮することは当然であるが、さらに季節や時期によって、例えば水量の豊富な時期、風の強い時期に簡便に設置して発電するという、夏になれば扇風機を出し冬になればストーブを出すことと同様に扱えるような、簡便に設置や収納が可能となる発電装置があってもよい。
具体例を考えると、風力発電にあって発電機自体で出力周波数や位相を所定値に自動調整でき屋根や塀に簡便に着脱できる携帯容易な大きさと構造を有し、強風や暴風の場合でも出力電圧を定格電圧以内に抑えるような特性を有する発電機があってもよい。
しかしながら、現実の風力発電装置にあっては、多くの調整制御装置等と係員による保守操作が必要であり、また設置場所も厳密に選択され固定された箇所となる。すなわち、系統連系をしている場合には周波数や位相を完全に一致させ、商用電源に完全に同期させる必要があり、また強風時には過大電圧を抑制すべく励磁電流を減少させるにしても限界があり周波数が上昇するので回転数を制御しあるいは機器の切り離しをする必要がある。すなわち多くの装置や機器が必要不可欠となっており、更には発電装置も固定設置される大きなものとなってしまっている。
また、別の発電機としてエンジン発電機に着目した場合、エンジン発電機としては大型の固定設置用あるいは小型の移動用発電機があるが、小容量のエンジン発電機になる程傾向として負荷変動による出力電圧変動が大きいという問題があり、この電圧変動を少なくするためにエンジンの出力調整を行い、あるいは励磁電流により出力電圧調整をすることになるのであるが、機械的な回転数制御に至ると応答が遅いため周波数が変動してしまうという問題が生じている。
また、電圧や周波数の変動を少なくするためには、磁気回路を大きくしあるいは巻線を太くしていわゆる大型化し、変動分を吸収する装置を得るという方策もあるが、エンジン発電装置としては必然的にコストや重量が大きくなる。
この発明は、上述の問題に鑑み発明されたもので、調整制御装置等の設備や装置あるいは保守点検作業をできるだけ少なくしてスリムな発電装置とし、また必要に応じて設置や収納が簡便にできる交流整流子発電装置を得ることを目的とする。
更に、この発明は、エンジン発電装置を利用した場合にあっても機械的回転数制御において応答遅れをなくし、またコストや重量が大きな発電装置とすることもなく電圧や周波数の変動分を吸収する交流整流子発電装置を得ることを目的とする。
上述の目的を達成するため、この発明にかかる交流整流子発電装置は、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す交流整流子発電装置において、界磁巻線に交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを回転子の停止中および駆動中の区別なく相対的に整流子の周方向に回動可能に構成し、ブラシには上記交流電源とは別の交流出力端を接続したことを特徴とする。
この発明によれば、界磁電流による周波数を常に発電装置の出力周波数とすることができ、ブラシの回動により出力電圧や位相を調整することができるので、回転駆動力の変動や負荷特性の変動があっても出力電圧や力率調整が可能となり、発電にかかわる設備や装置の低減やそれに基づく使用環境の拡大を図ることができる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、ブラシの回動は、整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うことを特徴とする。
この発明によれば、ブラシの回動をなるべく簡単な構造にて行うようにしたものである。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシの回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする。
この発明によれば、テーブルを内蔵した例えば1チップの専用コントローラにて原動機の回転数変動、負荷変動、あるいは力率変動に対処できることになる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置に制御することを特徴とする。
この発明によれば、原動機からの入力がなく発電機として機能しない場合でも負荷としての電力消費は極めてわずかとなり、あるいは回転子が過回転の場合は原動機のから回りを生起し、短絡や地絡等の事故時にあって迅速な電力の抑制が可能となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする。
この発明によれば、発電機の使用状態、負荷の状態、系統を含めた電力系全体の状態に応じた電力制御が可能となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、固定子鉄心の回動は、アクチュエータにて駆動させて行うことを特徴とする。
この発明によれば、固定子鉄心回動機構を備えたものである。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、アクチュエータは、回転子の回転数に対する固定子鉄心の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする。
この発明によれば、テーブルを内蔵した例えば1チップの専用コントローラにて原動機の回転数変動、負荷変動、あるいは力率変動に対処できることになる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近の回転子鉄心位置に制御することを特徴とする。
この発明によれば、原動機からの入力がなく発電機として機能しない場合でも負荷としての電力消費は極めてわずかとなり、あるいは回転子が過回転の場合は原動機のから回りを生起し、短絡や地絡等の事故時にあって迅速な電力の抑制が可能となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする。
この発明によれば、発電機の使用状態、負荷の状態、系統を含めた電力系全体の状態に応じた電力制御が可能となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うブラシの回動とアクチュエータにて駆動させて行う固定子鉄心の回動との双方を行うことを特徴とする。
この発明によれば、ブラシ回動機構と固定子鉄心回動機構との双方を備えたものである。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシ及び固定子鉄心相互の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする。
この発明によれば、テーブルを内蔵した例えば1チップの専用コントローラにて原動機の回転数変動、負荷変動、あるいは力率変動に対処できることになる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置あるいは回転子鉄心位置に制御することを特徴とする。
この発明によれば、原動機からの入力がなく発電機として機能しない場合でも負荷としての電力消費は極めてわずかとなり、あるいは回転子が過回転の場合は原動機のから回りを生起し、短絡や地絡等の事故時にあって迅速な電力の抑制が可能となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする。
この発明によれば、発電機の使用状態、負荷の状態、系統を含めた電力系全体の状態に応じた電力制御が可能となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、ブラシに接続される交流出力端あるいは界磁回路には、可変移相手段が備えられることを特徴とする。
この発明によれば、送電路の状態、負荷の状態、励磁の状態等に応じた適切な移相が可能になる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、回転子巻線の巻線数は、この回転子巻線に誘導される変圧器作用による誘導起電力と回転による誘導起電力との相対関係に応じて調整することを特徴とする。
この発明によれば、起電力の大きさや位相を好適に調整することができる。
以上の各発明にかかる交流整流子発電装置は、ブラシに接続される交流出力端が界磁電源である交流電源に接続した、いわゆる分巻型の交流整流子発電装置にも適用され、同様な作用効果を有する。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、界磁回路には界磁巻線に対して直列共振を生ずる容量のコンデンサを接続して可変移相手段としたことを特徴とする。
この発明によれば、界磁回路に仮に低電圧が印加されたとしても大きな電流を流すことができる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧を整流して基準電圧と比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整することを特徴とする。
この発明によれば、負荷変動があっても回転駆動力等をきめ細かに制御する必要なく装置が簡単かつ安価になる。また発電機の出力電圧容量が小さくても磁気回路を大きくする等大型化することなく交流電圧の補償が容易となる。系統連系した場合回転駆動力の変動に左右されにくく一定の出力が得られる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧と基準交流電圧とを比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整することを特徴とする。
この発明によれば、負荷変動があっても回転駆動力等をきめ細かに制御する必要なく装置が簡単かつ安価になる。また発電機の出力電圧容量が小さくても磁気回路を大きくする等大型化することなく交流電圧の補償が容易となる。系統連系した場合回転駆動力の変動に左右されにくく一定の出力が得られる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電流と基準電流とを比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整することを特徴とする。
この発明によれば、交流出力電流の補償が容易となる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、交流励磁電源の電圧波形に対応した同一波形を交流出力電源にて出力することを目的とすることを特徴とする。
この発明によれば、界磁電源である交流出力電源と同一の波形を出力として得ることができる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、交流出力端あるいは交流出力電源に対しては、UPSとして用いることを特徴とする。
この発明によれば、無停電電源を得ることができ、また簡単な構造にて系統に対して連系することができ、所望の周波数、位相、電圧にて出力を得ることができる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、ブラシから交流出力端に取り出される電圧が一入力端に印加されるパワーアンプを備え、このパワーアンプの出力端が界磁巻線に接続され、このパワーアンプの他の入力端には界磁巻線端子電圧の負帰還入力を戻したことを特徴とする。
この発明によれば、パワーアンプの負帰還によって系統電圧あるいは出力電圧と同相の界磁電流を流すことができ、電流位相を改善することができる。
次の発明にかかる交流整流子発電装置は、上記の発明において、ブラシから交流出力端に流れる電流値にてパワーアンプの一入力端に備えたAGC回路の出力制御を行うことを特徴とする。
この発明によれば、回転子電流に応じたパワーアンプの電圧制御が可能となり、ひいては界磁電流量の制御が可能となる。
この発明によれば、界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す交流整流子発電装置において、界磁巻線に交流電源を接続し、整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを回転子の停止中および駆動中の区別なく相対的に整流子の周方向に回動可能に構成し、ブラシには上記交流電源とは別の交流出力端を接続したことにより、界磁電流による周波数を常に発電装置の出力周波数とすることができ、ブラシの回動により出力電圧や位相を調整することができるので、回転駆動力の変動や負荷特性の変動があっても出力電圧や力率調整が可能となり、発電にかかわる設備や装置の低減やそれに基づく使用環境の拡大を図ることができる。
次の発明によれば、ブラシの回動は、整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うことにより、ブラシの回動をなるべく簡単な構造にて行うようにした。
次の発明によれば、アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシの回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることにより、テーブルを内蔵した例えば1チップの専用コントローラにて原動機の回転数変動、負荷変動、あるいは力率変動に対処できることになる。
次の発明によれば、コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変のいずれかにて0度あるいは0度付近のブラシ位置に制御することにより、原動機からの入力がなく発電機として機能しない場合でも負荷としての電力消費は極めてわずかとなり、あるいは回転子が過回転の場合は原動機のから回りを生起し、短絡や地絡等の事故時にあって迅速な電力の抑制が可能となる。
次の発明によれば、テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することにより、発電機の使用状態、負荷の状態、系統を含めた電力系全体の状態に応じた電力制御が可能となる。
次の発明によれば、固定子鉄心の回動は、アクチュエータにて駆動させて行うことにより、固定子鉄心回動機構を備えたものである。
次の発明によれば、アクチュエータは、回転子の回転数に対する固定子鉄心の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることにより、テーブルを内蔵した例えば1チップの専用コントローラにて原動機の回転数変動、負荷変動、あるいは力率変動に対処できることになる。
次の発明によれば、コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変のいずれかにて0度あるいは0度付近の回転子鉄心位置に制御することにより、原動機からの入力がなく発電機として機能しない場合でも負荷としての電力消費は極めてわずかとなり、あるいは回転子が過回転の場合は原動機のから回りを生起し、短絡や地絡等の事故時にあって迅速な電力の抑制が可能となる。
次の発明によれば、整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うブラシの回動とアクチュエータにて駆動させて行う固定子鉄心の回動との双方を行うことにより、ブラシ回動機構と固定子鉄心回動機構との双方を備えたものである。
次の発明によれば、アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシ及び固定子鉄心相互の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることにより、テーブルを内蔵した例えば1チップの専用コントローラにて原動機の回転数変動、負荷変動、あるいは力率変動に対処できることになる。
次の発明によれば、コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置あるいは回転子鉄心位置に制御することにより、原動機からの入力がなく発電機として機能しない場合でも負荷としての電力消費は極めてわずかとなり、あるいは回転子が過回転の場合は原動機のから回りを生起し、短絡や地絡等の事故時にあって迅速な電力の抑制が可能となる。
次の発明によれば、ブラシに接続される交流出力端には、可変移相手段が備えられることにより、送電路の状態、負荷の状態等に応じた適切な移相が可能になる。
次の発明によれば、回転子巻線の巻線数は、この回転子巻線に誘導される変圧器作用による誘導起電力と回転による誘導起電力との相対関係に応じて調整することにより、起電力の大きさや位相を好適に調整することができる。
以上の各発明はいわゆる分巻型の交流整流子発電装置にも適用され、同様な作用効果を有する。
次の発明によれば、界磁回路には界磁巻線に対して直列共振を生ずる容量のコンデンサを接続して可変移相手段としたことにより、界磁回路に仮に低電圧が印加されたとしても大きな電流を流すことができる。
次の発明によれば、固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧を整流して基準電圧と比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整することにより、負荷変動があっても回転駆動力等をきめ細かに制御する必要なく装置が簡単かつ安価になる。また発電機の出力電圧容量が小さくても磁気回路を大きくする等大型化することなく交流電圧の補償が容易となる。系統連系した場合回転駆動力の変動に左右されにくく一定の出力が得られる。
次の発明によれば、固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧と基準交流電圧とを比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整することにより、負荷変動があっても回転駆動力等をきめ細かに制御する必要なく装置が簡単かつ安価になる。また発電機の出力電圧容量が小さくても磁気回路を大きくする等大型化することなく交流電圧の補償が容易となる。系統連系した場合回転駆動力の変動に左右されにくく一定の出力が得られる。
次の発明によれば、固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電流と基準電流とを比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整することにより、交流出力電流の補償が容易となる。
次の発明によれば、交流励磁電源の電圧波形に対応した同一波形を交流出力電源にて出力することを目的とすることにより、界磁電源である交流出力電源と同一の波形を出力として得ることができる。
次の発明によれば、交流出力端あるいは交流出力電源に対しては、UPSとしての用いることにより、無停電電源を得ることができ、また簡単な構造にて系統に対して連系することができ、所望の周波数、位相、電圧にて出力を得ることができる。
次の発明によれば、ブラシから交流出力端に取り出される電圧が一入力端に印加されるパワーアンプを備え、このパワーアンプの出力端が界磁巻線に接続され、このパワーアンプの他の入力端には界磁巻線端子電圧の負帰還入力を戻したことにより、パワーアンプの負帰還によって系統電圧あるいは出力電圧と同相の界磁電流を流すことができ、電流位相を改善することができる。
次の発明によれば、ブラシから交流出力端に流れる電流値にてパワーアンプの一入力端に備えたAGC回路の出力制御を行うことにより、回転子電流に応じたパワーアンプの電圧制御が可能となり、ひいては界磁電流量の制御が可能となる。
以下に図面を参照して、この発明にかかる交流整流子発電装置の好適な発明の実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の交流整流子発電装置にかかる実施の形態1の簡略構成図を示している。図1においては、交流整流子発電機を分解してわかりやすく示したもので、界磁巻線1が巻かれた固定子鉄心2を有する固定子3に対して、回転子巻線4が巻かれた回転子鉄心5を有する回転子6が回転自在に配置され、この回転子6には整流子7が備えられ回転子巻線4と結線されている。
すなわち、図1に示す界磁巻線1は、単相商用交流電源(図示省略)に接続されており、この界磁巻線1が巻回された固定子鉄心2のヨーク21の端はそれぞれ磁極片22を有する2極の界磁極を構成する。この場合、界磁極としては2極のみならず2の倍数の極数とすることもでき、また界磁巻線1は三相交流電源に接続され、界磁極として3極もしくは3の倍数の極数に構成することもできる。なお、図1の固定子鉄心2の形状は、実際に即した形状ではなく、説明の都合上固定子鉄心2のヨーク21の端を形成する界磁極は回転子6に合わせた形状とし、ヨーク21は界磁極を連結し界磁巻線1が巻回された構造として簡略図示する。
一方、回転子6は、その外周の周方向に等しく配置して形成され軸方向に直線状に形成されたスロット内にコイル辺41を挿入した型巻コイルからなる回転子巻線4を有し、各型巻コイルからなる回転子巻線4の巻線端は整流子7を構成する整流子片71にそれぞれ接続されている。また、整流子7の対応する整流子片71に所望の接触抵抗値を有して接触するように対をなすブラシ8が配置されており、しかも、このブラシ8は整流子に接触しつつ整流子の周方向に沿って回動可能に配置されている。そして、このブラシ8は、図1では単相の交流出力端に接続されることになる。
更に、図1に示す構造にあって、この実施の形態1ではブラシ8は整流子7に接触させつつ整流子7の周方向に回動(移動)可能な構造となっている。すなわち、図1は発電機としてはいわゆる交流整流子機の構造を有しているのであるが、ブラシ8は、対をなすブラシ相互の位置関係を保ったまま、しかも整流子片71との間で所望の接触抵抗値を保ったままで整流子7の周方向(以下単に周方向と称する)に回動できるように構成されている。この状態は、回転子6ひいては整流子7が停止中であろうと回転中であろうと保たれる。
したがって、具体的構造としては、一例として、図2に示すように整流子7を貫通するように整流子7の周りに空隙を有してリング状のブラシホルダ81を配置し、このリング状のブラシホルダ81の周囲にこのブラシホルダ81と一体に形成された歯車82を設け、この歯車82とかみ合う歯車83を例えばモータ等のアクチュエータ84にて駆動する構造が挙げられる。
この場合、歯車82はブラシホルダ81と一体でなくともブラシホルダ81に連結することでブラシホルダ81を回転できるように構成できればよく、また歯車82とかみ合う歯車83としては、例えばアクチュエータ84の小さな駆動力に対しても駆動し得る歯車がよく、更にはアクチュエータ84の駆動に対して増速や変移量の増加をしたい場合には増速機に置き換え、アクチュエータ84よりも操作力を増したい場合には減速機に置き換えても良い。更には、アクチュエータ84は、コントローラ85によって後述のように電気的に制御可能に構成すると共に、アクチュエータ84もしくは歯車83を手動にて調整可能に構成してもよい。なお多くの場合、保守点検時の作業は、手動による調整となることが多い。
このようにしてブラシ8は、コントローラ85からの制御信号にてアクチュエータ84および歯車83,82を介して整流子7に対して相対的に回動され、あるいは手動にて整流子7に対して相対的に回動され得ることになる。
さて、このようなブラシ8が整流子7の周りを回動可能となっている交流整流子発電機にあっては、図1の構成に基づけば単相の交流電源を界磁巻線1に接続して界磁巻線1に界磁電流を流すことになる。この場合、交流整流子機の特性上ブラシ8間には、界磁電流と同一周波数で、界磁電流と同一位相または界磁電圧と同一位相の電圧が誘導され得る。交流整流子機の特性上電圧の誘導に当たっては、ブラシ8間でのこの界磁電流と同一周波数および界磁電流と同一位相または界磁電圧と同一位相の電圧の出現に際して、回転による誘導起電力すなわち界磁極による主磁束を回転子巻線4が切ることによる誘導起電力が生じ、更には回転には無関係な変圧器作用による誘導起電力が界磁電圧と同じ位相で生じる。図3は界磁電流と同相の回転による誘導起電力の発生状態を例示し、図4は界磁電圧と同相の変圧器作用による誘導起電力の発生状態を例示する。
すなわち、図3においては右方向への磁束Φに対してn方向(時計方向)の回転により回転子6の右半分の回転子巻線4には図面手前側に向かう誘導起電力が生じ、回転子6の左半分の回転子巻線4には図面裏側に向かう誘導起電力が生ずる。したがって、図3ではブラシ8をaa’位置に置くとき、ブラシ8間には各コイル辺41の回転による誘導起電力が重畳して電圧が生じ、bb’位置に置くとき各コイル辺41の回転による誘導起電力は相殺してブラシ8間には電圧が生じない。
他方、図4において、界磁巻線1に流れる界磁電流によって生ずる回転子巻線4への変圧器作用による誘導起電力としては、界磁電圧と同相で回転子6の下半分の回転子巻線4には図面手前側に向かう誘導起電力が生じ、回転子6の上半分の回転子巻線4には図面裏側に向かう誘導起電力が生ずる。したがって、図4ではブラシ8をbb’位置に置くとき、ブラシ8間には各コイル辺41の変圧器作用による誘導起電力が重畳して電圧が生じ、aa’位置に置くとき各コイル辺41の起電力は相殺してブラシ8間には電圧が生じない。
このようにして、ブラシ8の位置によって回転による誘導起電力および変圧器作用による誘導起電力それぞれがブラシ8間に生じ、ブラシ軸が主磁束軸と直角の状態(図3のaa’位置;90度位置と称する)では回転による誘導起電力のみがブラシ8間に現れ、ブラシ軸が主磁束軸と並行の状態(図4のbb’位置;0度位置と称する)では変圧器作用による誘導起電力のみがブラシ8間に現れる。
そして、このブラシ8の90度位置と0度位置との間のブラシ位置では、等価的に90度に近づくに従い回転による誘導起電力が大きくなると共にこの誘導起電力が界磁電流と同位相になり、逆に0度に近づくに従い変圧器作用による誘導起電力が大きくなると共にこの誘導起電力が界磁電圧に対して同位相の状態になる。そして、この90度と0度との間のブラシ位置にあっては、磁束軸を基準にしてブラシ軸のなす角度をαとしたとき、回転による誘導起電力の大きさは等価的にΦsinαの関数となり、変圧器作用による誘導起電力の大きさは等価的にΦcosαの関数となると考えられる。したがって、例えばブラシ位置が90度から0度(αがπ/2から0)に移行するとき、回転による誘導起電力はsin波形カーブに沿って最大値から最小値(0)に移行し、変圧器作用による誘導起電力はcos波形カーブに沿って最小値(0)から最大値に移行するような特性となる。
ここで、ブラシ8が回動する構造の交流整流子発電装置について、ブラシ8の0度位置と90度位置との具体例を図5にて説明する。この図5では、固定子鉄心2の左側と右側の界磁極をN,Sとする。また、回転子鉄心5のスロット内には2層巻きで4本の回転子巻線4のコイル辺41が備えられ、このコイル辺41から整流子側にはこの整流子片71とつながる巻線端42が引き出され、コイル辺41の整流子7と反対側は別のコイル辺(図5では隣り合うコイル辺)41のコイル接続部Bとなっている。そして、この回転子巻線4に対応して4本の整流子片71が配置されている。なお、この図5については簡略図示のため整流子7と反対側のコイル接続Bのみ表示し整流子側のコイル接続は省略する。
この図5では時計方向(n方向)に回転駆動力が生じて回転子6を回転させている状態を示す。図5(a)においては界磁の磁束(NからS)方向に当たる磁束軸に対して対応するブラシ8のブラシ軸が90度位置すなわち直角位置にある状態を示している。なお、図3ではaa’にて磁束軸とブラシ軸が90度位置にあるのに対し、図5(a)では磁束軸とブラシ軸aa’とが図面上0度位置(同一方向)となっているが、実際の構造上図5(a)に示すブラシ軸aa’の状態は、図3のように90度位置と等価である。これは、図5では説明の都合上周方向に90度ずつ離して4本の回転子巻線4のコイル辺41を設けかつ燐接するコイル辺41同士を接続ししかもこの各コイル辺41と整流子片71とを同一位置に対応付けたためであるが、多数の型巻コイルを有しこの型巻コイルを構成する二個のコイル辺は他の型巻コイルのコイル辺を複数飛び越して配置されしかも型巻コイルの中央に巻線端が位置する通常知られる巻線構造では図3の構造となる。このことは、図4でのbb’の0度位置と図5(b)でのブラシ軸bb’が図面上90度位置になっている関係についても同様であり、実際上図5(b)のブラシ軸bb’は0度位置と等価となっている。このため以下、図5の説明については、図5(a)の状態を90度位置、図5(b)の状態を0度位置として説明する。
図5では、磁束の向き、ブラシ位置、回転子の回転方向、および各コイル辺41に発生する回転による誘導起電力の向きが図示される。すなわち、図5(a)でのブラシ位置aa’が90度位置では、N,Sの磁極の直近の左右に図示の回転子巻線4が磁束を切り、その回転による誘導起電力がブラシ8間に現れる。他方、図5(b)のブラシ位置bb’が0度位置では、N,Sの磁極の直近の左右に図示の回転子巻線4が磁束を切るのであるが、ブラシ8と接触する整流子片71につながる図示上下の回転子巻線4ではこの回転による誘導起電力が相殺する方向に加わる。このため、ブラシ8間には回転による誘導起電力は生じない。
また、図5は回転による誘導起電力に着目して図示したのであるが、界磁電圧に対して同相の変圧器作用による誘導起電力に着目した場合、図5(a)での90度位置では磁束変化を妨げる誘導起電力が図示上下の回転子巻線4に発生してもブラシ8と接触する図示左右の回転子巻線4にて相殺されてブラシ8には変圧器作用による誘導起電力は現れず、図5(b)での0度位置では逆に図示上下の回転子巻線4につながるブラシ8にて変圧器作用による誘導起電力が現れることとなる。
こうして、界磁巻線1による主磁束に対して回転子巻線4の回転あるいは変圧器作用による誘導起電力にて生ずる電流に基因する磁束の向き、すなわち0度位置のブラシ位置と90度位置のブラシ位置を、簡略図示すれば図6(a)(b)のようになる。図6(a)のように0度位置では変圧器の1次と2次との関係と等価となり回転子6の静止あるいは回転にかかわらず回転子巻線数にて決まる変圧器作用による誘導起電力のみであり、図6(b)では90度位置にて界磁磁束を切ることによる回転子6の回転数に比例した大きさの回転による誘導起電力が生ずる。このようにして、ブラシ8の回動位置によって発生する起電力は、界磁電圧と同相の値から界磁電流と同相の回転スピードに関係する値まで変化することになる。
この結果、図1に戻り、界磁巻線1に界磁電流を通電すると界磁電流と同一周波数の誘導電圧が交流出力端につながるブラシ8間に現れ、しかも図3、図5(a)、図6(b)のようにブラシ軸と磁束軸とが90度位置では界磁電流と同一位相の回転による誘導起電力のみを生じ、図4、図5(b)、図6(a)のようにブラシ軸と磁束軸とが0度位置では界磁電圧と同一位相の変圧器作用による誘導起電力のみを生ずる。
また、90度位置と0度位置との間のブラシ位置では、前述のようにブラシ位置が90度位置に近づく程変圧器作用による誘導起電力が相殺して回転による誘導起電力が現れ、0度に近づく程回転による誘導起電力が相殺して変圧器作用による誘導起電力が現れる。図5では、2極の磁極で4本の回転子巻線4および4本の整流子片71を例示したのであるが、回転子巻線4および整流子片71を多数備えた場合、例えばブラシ8位置を90度位置から0度位置に徐々に回動させた場合においては、90度位置でのブラシ位置にて回転子6の回転数に応じて生じた誘起電圧が次第に少なくなり、0度位置のブラシ位置にて回転子6の回転数の高低にかかわらず回転子巻線数に応じた変圧器作用による誘導起電力のみになる。
したがって、90度位置から0度位置へのブラシの移動に際しては、ブラシ8間に生ずる回転による誘導起電力は徐々に相殺されることで磁束を切る有効な回転子巻線4が徐々に少なくなって、回転による誘導起電力が徐々に低くなり変圧器作用による誘導起電力に落ち着くことになる。また、0度位置から90度位置へのブラシの移動に際しては、変圧器作用による誘導起電力が徐々に相殺されて少なくなり、反面磁束を切る回転子巻線4が徐々に多くなって回転による誘導起電力が増大する。この場合、回転による誘導起電力は原動機からの回転駆動力に相応する回転速度に比例して増大するのであるが、変圧器作用による誘導起電力は回転子巻線数に依存する。そして、回転子巻線数が多くなればなるほど、変圧器作用による誘導起電力は大きくなり、かつ回転子が同一速度でも単位面積あたりの磁束をきる回転子巻線数が多くなり回転による誘導起電力も大きくなる。別の見方をすれば、回転による誘導起電力は回転数に依存するので回転数に応じて高電圧から低電圧まで広範囲に変化するのに対し、変圧器作用による誘導起電力は回転子巻線数に依存するので多数の巻線数では高電圧が誘起される結果90度位置と0度位置との間で広範囲の起電力変化となり得るが、少ない巻線数では低電圧のままにて電圧変化は少ないままである。
しかも、図5(a)にて、今、回転子6が回転駆動力により一定回転している状態において、交流界磁により磁極片の極性が周期的に変化するのに対応してブラシ8間に周期的に変化する起電力が生じるのであるが、この場合には回転子6の回転数にかかわらず界磁周波数に相応する起電力がブラシ8間に現れることになる。すなわち、回転子巻線4の起電力周波数すなわちブラシ8間の電圧周波数は、回転子6の回転数の大小如何にかかわらず界磁周波数で決まり、回転子6の回転数は回転子巻線4が磁束を切る速さに比例するので回転による誘導起電力の大きさに関係し、高スピードでは高電圧が低スピードでは低電圧が生ずることとなる。
また、図5(b)の状態では、回転子6の回転の有無にかかわらず界磁周波数に相応する変圧器差作用による誘導起電力がブラシ8間に現れることとなる。しかも、この変圧器作用による誘導起電力は、回転子6の回転数の高低にかかわらず回転子巻線数に依存する起電力であることは前述のとおりである。
このようにして、図5(a)に示すようにブラシ軸が磁束軸に対して90度位置の状態ではブラシ8間に界磁電流と同相で回転駆動力の回転数に応じた大きさの起電力が生じ、図5(b)に示すようにブラシ軸が磁束軸に対して0度位置の状態ではブラシ8間に界磁電圧と同じ位相で回転駆動力の回転数にかかわらず回転子巻線数に応じた大きさの起電力が生じ、また、図5(a)に示す90度から図5(b)に示す0度のブラシ位置になるに従いブラシ8間の起電力は回転数に依存する大きさから回転子巻線数に応じた値に落ち着くことになる。
したがって、回転駆動力が無くても変圧器作用による所定の誘導起電力が生じ、また回転駆動力が上昇するに従い回転による誘導起電力が上昇する。この際、回転駆動力の上昇に従い界磁電圧に対する同位相が界磁電流に対する同位相に向かって次第に移って行くことになるが、回転数が少なくて変圧器作用による誘導起電力の影響が大きな場合でも位相を界磁電流と同相にする場合には回転数に応じてブラシ8につながる交流出力端に可変移相器等を備えればよい。
この結果、定格電圧を決定し回転駆動力を予測して、変圧器作用による誘導起電力の大きさおよびコイル辺41を磁束が切ることによる回転による誘導起電力の大きさのそれぞれに関係する回転子巻線数を決定し、定格電流に伴う回転子巻線4の材質や太さによる抵抗値を決定し、更には回転による誘導起電力と変圧器作用による誘導起電力との電圧比率にて位相調整が容易かつ精度良く行えるように回転子巻線数を調整し、あるいは移相器を設置すればよい。
そして、界磁電流と同一周波数の出力電圧を得ることができ交流整流子機の発電機につき、上述の回転子巻線数や抵抗値等を決定しあるいは移相器を設置することで、回転駆動力の回転数と、ブラシ回転位置とのテーブルを作成し、このテーブルにてコントローラ85のブラシ位置あるいは移相器を含めた出力制御を行うことで、界磁電流と同一周波数で電圧および位相制御された発電出力を得ることができる。すなわち、回転子6の回転数あるいはこの回転数に伴う出力電圧を検出して図2に示すコントローラ85にてブラシ8の回動角を制御する。
また、同時にコントローラ85にて可変移相器も制御することが可能になる。この場合、定格電圧としてはブラシ位置にて70〜80度に決めることで、余裕のある発電が可能になる。更に、過剰な回転駆動力が入力された場合にはブラシ位置を0度あるいは0度付近にすることで過電圧や過電流を防止することができる。その上、系統負荷の急変による電圧変動が生じたとしてもこの変動をコントローラ85に入力することで、負荷の急変に対して迅速な制御を行うことができブラシ位置を0度あるいは0度付近にすることで発電機への衝撃を緩和することができる。
なお、可変移送器は、特性上系統負荷の位相にもよるが遅れ気味の負荷に対しては、当然進相器を設置すれば良いのであるが、この発電機が大型で送電線路のような進相系統につながる場合には遅相器を設置する場合も考えられる。そして、これらの進相あるいは遅相の程度はコントローラ85による可変移相器への制御にて調整することができる。
このようにして、発電機を設置し、回転駆動力が少しでも存在すれば、コントローラ85によるブラシ位置制御や移相器の制御によって同一周波数および同一位相の発電が可能となり、系統に連系する場合においてもきわめて都合がよい。しかも、回転駆動力が過大な場合等ブラシ位置の制御によって発電機の損傷等も免れる。
実施の形態2.
これまでの説明は、図1に示すように界磁電流を供給する商用交流電源とブラシ8につながる交流出力端とが別系統のいわば他励の場合を説明した。次に、分巻の交流整流子発電機の例について述べる。この分巻の交流整流子機は、図7に示すように発電機自体の構成は図1に示す簡略構成と同様であるが、界磁巻線1の商用交流電源の端子とブラシに接続される交流出力端とを同一とし、系統に対して界磁巻線1と回転子巻線4とを並列に接続した構成であり、系統連系には特に有用であって、図8に示す等価回路を有する。
図8においては、界磁巻線1と回転子巻線4とが商用交流電源に対して並列接続された分巻発電機の等価回路を示している。この場合、この等価回路では系統電圧に対する界磁巻線1のインダクタンスによる界磁電流の遅れを補償するためにコンデンサ19を挿入している。なおコンデンサ19の容量は界磁巻線1のインダクタンスに対して直列共振する値をとることによって、コンデンサの容量を小さくし巻線数を少なくしてもコンデンサ19に高電圧が現れかつコンデンサ19により90度の進み電流が現われ、低い電源電圧に対しても大きな界磁電流が得られるようにするのが好ましい。
この分巻の交流整流子発電機にあっても、発電によってブラシ8間には、界磁電流と同一周波数の誘起起電力が生じることは、図1に示す発電機と同様であり、図3のブラシ軸と磁束軸とが90度位置に当たるブラシ8の回動位置では界磁電流と同一位相の回転による誘導起電力を生じ、図4のブラシ軸と磁束軸とが0度位置では界磁電圧に対して同一位相の変圧器作用による誘導起電力を生ずることも実施の形態1と同様である。
しかしながら、この分巻回路では、発電機端子電圧と界磁回路端子電圧とが同電位でありかつ発電電流が系統以外にも界磁回路に流れ込むことが異なっている。この分巻回路の特性を得るため、図8中測定点C1、C2、C3にて回転子電流、系統出力電流および界磁電流を測定し、測定点V1にて系統電圧を測定した。このC1、C2、C3およびV1の符号は図8にあって測定点を示すものであるが、場合によっては電流プローブおよび電圧計をも示し更には電流波形および電圧波形を図示する場合にも兼用する。
図9は、ブラシ位置を0度位置とし発電機の回転子6を回転させないで系統電圧V1を印加したときの回転子電流C1と系統電流C2とを示している。この図9では、界磁巻線1に流れる界磁電流によって回転子巻線4には前述の変圧器作用による誘導起電力が発生している。この図9から判明するように、回転子電流C1は系統電圧V1に対して90度ほど遅れる。また、系統電圧V1とほぼ同相の系統電流C2が極めてわずかに流れる。この波形から判明するように発電機の回転子電流C1と系統電流は90度の位相差があって回転子6には無効電力を供給するので電力消費はなくまた系統電流C2もきわめて少なく、系統の電力損失はほとんどない。
他方、従来の交流整流子発電機を想定してブラシ位置を90度位置とし発電機の回転子6を回転させないで系統電圧V1を印加したときの回転子電流C1と界磁電流C3との関係を図10に示す。この図10では、ブラシ位置は90度位置であるため図6(b)のような磁気回路としては高磁気抵抗状態にあり磁気エネルギ蓄積のため界磁電流C3が増えて回転子電流C1の位相が進み波高値が大きくなる。そして、この図10に示すように、系統電圧V1と回転子電流C1による電力消費が大きくなり、図11に示す系統電流C2と系統電圧V1との波形からも明らかなように電力を消費するだけの回路となり電力損失が極めて大きい。この点から従来例として考えられる図10と等価の交流整流子機における90度位置固定の発電機に比べ、図9では、回転子6を回転させない状態にてブラシ位置を0度位置にすることによって電力損失が極めて少ないことが判明する。
図9戻り、ブラシ位置が0度位置の状態で、今度は回転子6を最大回転数まで回転させた場合、図9の波形状態には変化がない。このことは、ブラシ位置が0度位置では回転による誘導起電力が作用せず、回転数にかかわりなく変圧器作用による誘導起電力に基づく特性のままであることを示している。すなわち、回転駆動力が過大となり従来における交流整流子発電機では過大電圧が加わり過大電流が流れるような状態でも、本実施の形態における発電機にてブラシ位置を0度位置状態とすれば過大電圧や過大電流が生ずる恐れがないことを意味する。またこのことは、ある回転駆動力が入力された状態にてこの駆動力に応じたブラシ位置の角度調節によっては発電電圧や電流を定格値に抑えることも可能となる。
図12は、ブラシ位置を90度位置とし発電機の回転子6を所定回転させて系統電圧V1を印加したときの回転子電流C1と界磁電流C3とを示している。この図12に示す状態では、系統電圧V1に対して回転子電流C1が逆相の大電流となり発電電流として外部に給電されることを示している。そして、ブラシ位置が0度位置にあたる図9と90度位置にあたる図12との比較にて判明するように系統電圧V1は同一であっても図9にて回転子電流C1としては系統電圧V1より90度遅れの小さな電流値であったものが図12では逆相の大電流となる。このとき界磁電流C3もある程度大きな波高値となるが、これは図9に示したブラシ位置0度位置での回転がない場合の界磁電流C3からも判明するように磁気抵抗が大きくなって界磁電流が大きくなり、回転子電流C1である発電電流が界磁回路に流れ込むためである。結果として、図13に示すように系統電圧V1に対して逆相の系統電流C2が系統に流れ込み、発電が行われる。
そして、ブラシ位置の回動と回転駆動力による回転子の回転とによって図9の回転子電流C1の状態から図12の回転子電流C1の状態に変化し、ブラシ位置の回動に伴って変化する変圧器作用による誘導起電力の位相に基づく位相の変更が生じると共に変圧器作用による誘導起電力と回転による誘導起電力に基づく波高値の変更が生じる。この場合、回転駆動力を複数段階変えつつ各段階ごとにブラシ位置を0度位置から90あるいは120度付近まで回動位置を変化させてみると、好適な発電出力を得ると共に好適な位相状態を見出すことができ、高効率の発電となるような点を割り出すことができる。したがって、外部からの回転駆動力である回転数に対するブラシ位置のテーブルを用意することによりしかも発電電圧、出力、効率、系統である負荷の急変などをパラメータとして用意することにより、ある回転駆動力に対して最適運転を行うブラシ位置を高精度に設定することができる。そしてこのテーブルを図2のコントローラ85内に備えてアクチュエータ84を制御することにより最適出力、最適効率の発電を行うことが可能となる。
なお、ブラシ位置の回転と回転駆動力による回転数との関係、端的には各ブラシ位置での回転数を変えたときの出力特性あるいは各回転数でのブラシ位置を変えたときの出力特性は、変圧器作用による誘導起電力の大きさの調整、位相調整、出力電流あるいは界磁電流調整、により変化し、具体的には回転子巻線の抵抗値や巻線数、あるいは界磁回路に挿入されるコンデンサの容量、界磁電流抑制のために界磁回路に挿入される抵抗体の抵抗値によって変わることが推測されるので、これらの各要素を好適に組み合わせることにより最適なテーブルを得ることができる。
このようにして、発電機を設置し、系統に接続した状態で、回転駆動力が少しでも存在すれば、テーブルによって個々の場合に応じたコントローラ85によるブラシ位置制御や位相調整をすることによって同一周波数および同一位相の発電が可能となり、系統連系においてきわめて都合がよい。しかも、回転駆動力が過大の場合等ブラシの周方向位置の制御によって発電機の損傷等も免れる。
なお、実験上ブラシ位置が90度以上でも発電が可能であるので、テーブルの作成についても0度から90度の回動位置の範囲内のみならず90度の回動位置を超えてテーブルを作成して回転数に対するブラシ位置の制御を行うようにしてもよい。
図7以後の説明は、分巻の発電機について述べたものであるが、上述の好適なテーブルを作成するについては図1に示すいわゆる他励の発電機についても同様のことが言える。
更に、この回転数に対するブラシ位置の回動については、負荷に基づく電力消費の大小による電圧降下や系統の容量性あるいは誘導性の特性等系統負荷状態に基づいてもテーブルを作成することができる。
ここで、図8においては、界磁巻線による電流遅れを補償するためにコンデンサ19を挿入したのであるが、このコンデンサ19の変わりに図14に示す回路を構成して系統電圧に対して同位相の界磁電流を流すようにしてもよい。すなわち、図14に示すように、系統につながる回転子巻線4と並列に変成器191の一次側を接続し、変成器191の二次側はAGC(自動利得制御)回路192を介してパワーアンプ193の一入力に接続し、パワーアンプ193の出力は界磁巻線1に接続する構成を有する。そして、この界磁巻線1は抵抗器194を介して接地されるのであるが、同時に界磁巻線1はパワーアンプ193の他の入力に接続される。そして、この他の入力は負帰還入力となっている。また、AGC回路192の制御入力は、回転子巻線4と直列に接続した変流器195の二次側出力である。
この図14に示す回路において、変成器191に現れる系統電圧がパワーアンプ193の一入力となり負帰還により同相の界磁電流がパワーアンプ193より流れる。このため、界磁巻線1のインダクタンスの大小にかかわらず系統電圧と界磁電流が同相となる。また回転子巻線4の電流を検出してAGC回路192に入力することで、回転子電流に応じた変成器191の出力電圧の制御が行われ、ひいては界磁電流量の制御が行われる。この結果、この図14の回路では、図8のコンデンサ19の代わりに位相制御された界磁電流が得られることになる。また、出力電圧調整のために変成器191の一次側にAGC回路(図示省略)を挿入し低電圧の場合には電圧ゲインを増大して励磁を大きくするような制御をしてもよい。
これまでの説明は、いわば固定子に対してブラシを整流子の周方向に回動させる発明を説明してきたのであるが、本発明は固定子の磁束軸に対するブラシ軸の回動であり、相対的に磁束軸に対してブラシ軸が移動することを考えると、ブラシ軸に対して磁束軸が移動してもよく、言い換えればブラシ位置を固定として固定子鉄心2を回動させる構成としても同様の効果を得ることができる。
図15(a)(b)は、ブラシ位置を固定して、固定子鉄心を回動させる構造を例示したものである。この図15において、1は固定子巻線である界磁巻線、2は固定子鉄心、21は固定子鉄心2を磁気結合させるためのヨーク、4は回転子巻線、5は回転子鉄心、6は回転子、7は整流子、8はブラシ、71は整流子片であり、図1と同符号は、同一部分を示す。ここにおいて、シャフト101は回転子鉄心5および回転子巻線4からなる回転子6を支持しかつ整流子7を支持しており、これらはシャフト101と一体に回転可能となっている。一方、ブラシホルダ81は、このブラシ8のみを支持するブラケット100にて支持されており、このブラケット100は地面に固定されている。他方、固定子鉄心2および固定子巻線1は、ヨーク21(ここではブラケットを含めて全体をヨーク102とする)に固定され、このヨーク102は軸方向に二分され、二つのヨーク102はブラシ8を支持するブラケット100を跨ぐようにして連結されている。この各ヨーク102およびブラケット100には、軸受け103、104、105が備えられてシャフト101を支持する。また、固定子鉄心2を支持するヨーク102の外表面には周方向に沿って歯車106a、106bとかみ合う歯107が形成され、この歯車106a、106bは地面に回転自在に固定されている。歯車106a,106bはそれぞれアクチュエータ84に連結され、このアクチュエータ84は一つのコントローラ85に接続される。
このような構成において、地面に固定された歯車106a、106bを介して歯107が形成されたヨーク102引いては固定子鉄心2および界磁巻線1が回動可能に支持されると共に、軸受け104、105およびシャフト101を介して回転子6および整流子7がヨーク102に対して回転自在に支持される。また、地面に固定されたブラケット100は、ブラシホルダ81およびブラシ8を支持すると共に、軸受け103を介してシャフト101を支持する。したがって、ブラシ位置は固定しているのに対し、固定子鉄心2および固定子巻線1は歯車106a106bにて周方向に回動可能である。このためコントローラ85による制御信号にてアクチュエータ84を駆動することで、ヨーク102引いては固定子である界磁極を回転子6の周方向に沿って回動させることができる。
実施の形態3.
図16、図17は、実施の形態3を示す交流整流子発電装置の簡略構成図である。この図16、図17においては、回転子からの交流出力電圧の変動を補償するために界磁電圧制御を行うようにしたものである。この実施の形態3では、実施の形態1にて述べたように整流子に対するブラシの相対的な回動を行えばこれまで述べてきたような作用効果が得られるのであるが、この実施の形態3では、更に交流出力電圧の変動を補償する回路を付加することを主眼とする。なお、この実施の形態3は、実施の形態1,2に示す整流子に対するブラシの相対的な回動を行わない場合でも交流出力電圧の変動を補償するための界磁電圧制御が可能である。
図16において、図1と同一部分には同符号を付す。すなわち、1は界磁巻線、2は固定子鉄心、3は固定子、4は回転子巻線、5は回転子鉄心、6は回転子、7は整流子、8はブラシである。この図15に示す構成では、ブラシ8からの交流出力端にはブリッジ整流回路9が備えられ、このブリッジ整流回路9の整流出力電圧は比較器10の一入力となっており、比較器10の他の入力は直流の基準電圧が入力されている。
比較器10による比較の結果は、励磁(界磁)交流電源11に入力され、励磁(界磁)電圧の調整が行われる。すなわち、励磁交流電源11による電圧調整では、交流出力電圧が基準電圧よりも低い場合には励磁(界磁)電流を大きくして交流出力電圧を上げ、逆に高い場合には励磁電流を小さくして交流出力電圧を下げるようにする。この励磁電流調整のために励磁交流電源11による励磁電圧調整を行っている。このように交流出力電圧を基準電圧と比較して励磁電圧を制御することで、一定出力電圧を自動調整することができる。なお、図16において12は平滑用のコンデンサである。この場合、交流励磁電源11から出力される励磁電圧と同一波形の交流出力電流が得られることは、実施の形態1、2にて説明したとおりである。
図17は、図16の変形例である。図16ではブリッジ整流回路9による整流電圧を直流の基準電圧と比較したのであるが、この図17では、交流出力電圧そのものを基準交流電圧と比較したものである。ここでは、比較器10の一入力として実線にて示すように交流出力電圧をそのまま入力してもよいが、点線で示すようにCT13による検出値を入力してもよい。この場合、CT13は交流電流による電圧変動分を検出するもので、交流電流が大きければそれに比例して電流による変動分だけ交流出力電圧が低下するので、その分を補償し嵩上げするために励磁電圧を高くし交流出力電圧を嵩上げするようにしている。なお、比較器10による比較出力は交流電力増幅器またはPWMインバータ等14を介して励磁電圧出力を得ることにより界磁電流制御を行っている。
この実施の形態3では、界磁へのフィードバックによる出力電圧調整を行っているので、負荷変動があっても回転駆動力等をきめ細かに制御する必要なく装置が簡単かつ安価になる。また、系統連系した場合回転駆動力の変動に左右されにくく一定の出力が得られる。なお、図17に示す発電装置を定電流源とした場合、CT13による検出電流と基準電流(図示省略)とを比較器10にて比較し、検出電流の増大にて励磁電圧を下げ出力を下げることで、定電流源とすることができ、例えば溶接電源として有用となる。
これまでの実施の形態1,2,3の説明から明らかなように、本発明においては実施の形態1においていわゆる他励の交流整流子発電機を説明し交流出力端に界磁電流と同一の周波数で同一位相の出力電圧を生じ、実施の形態2にて分巻の交流整流子発電機を説明し交流出力端に界磁電流と同一の周波数で同一位相の出力電圧を生じ、そして実施の形態3にて出力電圧調整が可能で交流出力端に界磁電流と同一の周波数で同一位相の出力電圧を生ずる例を示している。このことは発電装置から系統を見るとき連系が極めて容易となることを意味する。この結果、この実施の形態1,2,3の発電装置は、簡単な構成にて系統とマッチングが取れるUPS(無停電電源装置)としてきわめて優れている。こうして本発電装置は、UPSの一種として系統と同一周波数、同一位相、同一電圧となるものである。
実施の形態2の説明では、ブラシを回動し固定子鉄心を固定する場合、あるいはブラシを固定し固定子鉄心を回動する場合について述べたが、このことは実施の形態1,3にも適用でき、また実施の形態1,2,3についてブラシおよび回転子を相互に周方向移動できるように構成してもよく、端的にはブラシおよび回転子を同時に周方向移動することも可能である。この場合、ブラシを移動するコントローラのテーブル、あるいは回転子を移動するコントローラのテーブルは相互の周方向移動に対応した相対的なテーブルをも設ける必要がある。
この発明の実施の形態1の簡略構成図である。 この発明の実施の形態1のブラシを回動する構成図である。 この発明の実施の形態1の回転による誘導起電力の説明図である。 この発明の実施の形態1の変圧器作用による誘導起電力の説明図である。 この発明の実施の形態1の原理説明図である。 この発明の実施の形態1のブラシ位置の機能説明図である。 この発明の実施の形態2の簡略構成図である。 この発明の実施の形態2の等価回路図である。 この発明の実施の形態2のブラシ位置0度の波形図である。 図9に対応する従来例での運転状態を示す波形図である。 図10での運転状態での系統波形図である。 この発明の実施の形態2のブラシ位置90度の波形図である。 図12での運転状態での系統波形図である。 この発明の一例にかかる界磁電流の位相調整回路図である。 この発明による界磁を回動させる具体的構成図である。 この発明の実施の形態3の一例の簡略構成図である。 この発明の実施の形態3の他の例の簡略構成図である。
符号の説明
1 界磁巻線
2 固定子鉄心
3 固定子
4 回転子巻線
5 回転子鉄心
6 回転子
7 整流子
8 ブラシ
9 ブリッジ整流回路
10 比較器
11 励磁交流電源
13 CT
19 コンデンサ
21、102 ヨーク
22 界磁極
41 コイル辺
42 巻線端
71 整流子片
81 ブラシホルダ
82、83、106a、106b、107 歯車
84 アクチュエータ
85 コントローラ
100 ブラケット
103、104、105 軸受け
191 変成器
192 AGC回路
193 パワーアンプ
195 変流器

Claims (38)

  1. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す交流整流子発電装置において、
    界磁巻線に交流電源を接続し、
    整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを回転子の停止中および駆動中の区別なく相対的に整流子の周方向に回動可能に構成し、
    ブラシには上記交流電源とは別の交流出力端を接続したことを特徴とする交流整流子発電装置。
  2. ブラシの回動は、整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うことを特徴とする請求項1に記載の交流整流子発電装置。
  3. アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシの回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする請求項2に記載の交流整流子発電装置。
  4. コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置に制御することを特徴とする請求項3に記載の交流整流子発電装置。
  5. テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする請求項3に記載の交流整流子発電装置。
  6. 固定子鉄心の回動は、アクチュエータにて駆動させて行うことを特徴とする請求項1に記載の交流整流子発電装置。
  7. アクチュエータは、回転子の回転数に対する固定子鉄心の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする請求項6に記載の交流整流子発電装置。
  8. コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近の回転子鉄心位置に制御することを特徴とする請求項7に記載の交流整流子発電装置。
  9. テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする請求項7に記載の交流整流子発電装置。
  10. 整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うブラシの回動とアクチュエータにて駆動させて行う固定子鉄心の回動との双方を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流整流子発電装置。
  11. アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシ及び固定子鉄心相互の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする請求項10に記載の交流整流子発電装置。
  12. コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置あるいは回転子鉄心位置に制御することを特徴とする請求項11に記載の交流整流子発電装置。
  13. テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする請求項11に記載の交流整流子発電装置。
  14. ブラシに接続される交流出力端あるいは界磁回路には、可変移相手段が備えられることを特徴とする請求項1に記載の交流整流子発電装置。
  15. 回転子巻線の巻線数は、この回転子巻線に誘導される変圧器作用による誘導起電力と回転による誘導起電力との相対関係に応じて調整することを特徴とする請求項1に記載の交流整流子発電装置。
  16. 界磁巻線が巻かれて励磁される固定子鉄心に対し回転子巻線が巻かれた回転子鉄心を回転させて整流子およびブラシを介して電力を取り出す交流整流子発電装置において、
    界磁巻線に交流電源を接続し、
    整流子に接触するブラシと固定子鉄心とを回転子の停止中および駆動中の区別なく相対的に整流子の周方向に回動可能に構成し、
    ブラシに接続される交流出力端は上記交流電源に接続したことを特徴とする交流整流子発電装置。
  17. ブラシの回動は、整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うことを特徴とする請求項16に記載の交流整流子発電装置。
  18. アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシの回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする請求項17に記載の交流整流子発電装置。
  19. コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置に制御することを特徴とする請求項18に記載の交流整流子発電装置。
  20. テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする請求項18に記載の交流整流子発電装置。
  21. 固定子鉄心の回動は、アクチュエータにて駆動させて行うことを特徴とする請求項16に記載の交流整流子発電装置。
  22. アクチュエータは、回転子の回転数に対する固定子鉄心の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする請求項21に記載の交流整流子発電装置。
  23. コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近の回転子鉄心位置に制御することを特徴とする請求項22に記載の交流整流子発電装置。
  24. テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする請求項22に記載の交流整流子発電装置。
  25. 整流子の周りに空隙を介して配置されたブラシホルダをアクチュエータにて駆動させて行うブラシの回動とアクチュエータにて駆動させて行う固定子鉄心の回動との双方を行うことを特徴とする請求項16に記載の交流整流子発電装置。
  26. アクチュエータは、回転子の回転数に対するブラシ及び固定子鉄心相互の回動角のテーブルを有するコントローラにて制御されることを特徴とする請求項25に記載の交流整流子発電装置。
  27. コントローラは、回転子の回転数が少ない状態あるいは停止、一定回転数以上、および負荷の急変の少なくとも一つにて0度あるいは0度付近のブラシ位置あるいは回転子鉄心位置に制御することを特徴とする請求項26に記載の交流整流子発電装置。
  28. テーブルは、出力電流、出力電圧、効率、系統負荷特性の少なくとも一つをパラメータとして作成することを特徴とする請求項26に記載の交流整流子発電装置。
  29. ブラシに接続される交流出力端、界磁回路、回転子回路の少なくとも一つには、可変移相手段が備えられることを特徴とする請求項16に記載の交流整流子発電装置。
  30. 回転子巻線の巻線数は、この回転子巻線に誘導される変圧器作用による誘導起電力と回転による誘導起電力との相対関係に応じて調整することを特徴とする請求項16に記載の交流整流子発電装置。
  31. 界磁回路には界磁巻線に対して直列共振を生ずる容量のコンデンサを接続して可変移相手段としたことを特徴とする請求項14、29に記載の交流整流子発電装置。
  32. 固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧を整流して基準電圧と比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整する交流整流子発電装置。
  33. 固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電圧と基準交流電圧とを比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整する交流整流子発電装置。
  34. 固定子鉄心に巻かれた界磁巻線に交流励磁電源を接続し、回転子鉄心に巻かれた回転子巻線と整流子およびブラシとを交流出力電源として形成し、交流出力電源による電流と基準電流とを比較器にて比較し、この比較器の出力にて交流励磁電源の電圧を調整する交流整流子発電装置。
  35. 交流励磁電源の電圧波形に対応した同一波形を交流出力電源にて出力することを目的とすることを特徴とする請求項32または33に記載の交流整流子発電装置。
  36. 交流出力端あるいは交流出力電源に対しては、UPSとしての用いることを特徴とする請求項1、16、32、33または34に記載の交流整流子発電装置。
  37. ブラシから交流出力端に取り出される電圧が一入力端に印加されるパワーアンプを備え、このパワーアンプの出力端が界磁巻線に接続され、このパワーアンプの他の入力端には界磁巻線端子電圧の負帰還入力を戻したことを特徴とする請求項1または16に記載の交流整流子発電装置。
  38. ブラシから交流出力端に流れる電流値にてパワーアンプの一入力端に備えたAGC回路の出力制御を行うことを特徴とする請求項37に記載の交流整流子発電装置。
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