JP2004247902A - チャネル補償装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適なチャネル補償係数を求めてチャネル補償できるようにする。
【解決手段】OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定し、該各サブキャリアのチャネル特性および分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出してチャネル補償する。
【選択図】 図1
【解決手段】OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定し、該各サブキャリアのチャネル特性および分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出してチャネル補償する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送路(チャネル)でマルチパスにより周波数選択性フェージングが生じることに起因する品質劣化を軽減するチャネル補償装置に係わり、特に、CDMA(Code Division Multiple Access)方式とOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を組み合わせたOFDM−CDMA方式の無線通信を行う通信装置内のチャネル補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周波数分割多重されたサブキャリアが、それぞれ直交符号を用いた符号多重された信号を送信するOFDM−CDMA方式の無線通信が次世代の方式として注目されている。
図5はOFDM−CDMAの送信側(基地局)の構成図である。データ変調部11はユーザの送信データを変調し、同相成分と直交成分を有する複素べースバンド信号(シンボル)に変換する。時間多重部12は複数シンボルのパイロットを送信データの前に時間多重する。シリアルパラレル変換部13は入力データをNシンボルの並列データに変換し、各シンボルはそれぞれL分岐して拡散部14に入力する。拡散部14はN個の乗算部141〜14Nを備えており、各乗算部141〜14Nはそれぞれ直交コードを構成するコード(符号)C1,C2,..CLを個別に分岐シンボルに乗算して出力する。この結果、L×N個のサブキャリアでマルチキャリア伝送するためのサブキャリア信号S1〜SNLが拡散部14より出力する。すなわち、拡散部14は直交コードを各パラレル系列毎のシンボルに乗算することにより周波数方向に拡散する。拡散において使用する直交コードとしてユーザ毎に異なるコード(ウォルシュコード) C1,C2,..CLが示されているが、実際には局識別コードG1〜GNLが更にサブキャリア信号S1〜SNLに乗算される。
【0003】
コード多重部15は以上のようにして生成されたサブキャリア信号を、同様な方法で生成された他ユーザのサブキャリア信号とコード多重する。すなわち、コード多重部15は、サブキャリア毎に該サブキャリアに応じた複数ユーザのサブキャリア信号を合成して出力する。周波数インタリーブ部16は、周波数ダイバーシチ利得を得るために、コード多重されたサブキャリア信号を周波数インタリーブにより並び替えて周波数軸上に分散する。IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部17は並列入力するサブキャリア信号にIFFT(逆フーリエ変換)処理を施して時間軸上のOFDM信号(実数部信号、虚数部信号)に変換する。ガードインターバル挿入部18は、OFDM信号にガードインターバルを挿入し、直交変調部19はガードインターバルが挿入されたOFDM信号に直交変調を施し、無線送信部20は無線周波数にアップコンバージョンすると共に高周波増幅してアンテナより送信する。
【0004】
サブキャリアの総数は、(拡散率L)×(パラレル系列数N)である。又、伝搬路ではサブキャリア毎に異なるフェージングを受けるため、パイロットを全てのサブキャリアに時間多重し、受信側ではサブキャリア毎にフェージングの補償を行えるようにする。ここで時間多重されるパイロットは、全てのユーザがチャネル推定に使用する共通パイロットである。
【0005】
図6はシリアルパラレル変換説明図であり、1フレームの送信データの前方に共通パイロットPが時間多重されている。尚、後述するように共通パイロットPはフレーム内で分散することもできる。1フレーム当たり共通パイロットがたとえば4×Nシンボル、送信データが28×Nシンボルであるとすると、シリアルパラレル変換部13より並列データとして最初の4回までパイロットのNシンボルが出力し、以後、並列データとして28回送信データのNシンボルが出力する。この結果、1フレーム期間においてパイロットを全てのサブキャリアに時間多重して4回伝送でき、受信側で該パイロットを用いてはサブキャリア毎にチャネルを推定してチャネル補償(フェージング補償)が可能となる。
【0006】
図7はガードインターバル挿入説明図である。ガードインターバル挿入とは、N×L個のサブキャリアサンプル(=1 OFDMシンボル)に応じたIFFT出力信号を1単位とするとき、その先頭部に末尾部分をコピーすることである。ガードインターバルGIを挿入することによりGI長以下のマルチパス遅延による符号間干渉の影響を無くすことが可能になる。
【0007】
図8はOFDM−CDMAの受信側の構成図である。無線受信部21は受信したマルチキャリア信号に周波数変換処理を施し、直交復調部22は受信信号に直交復調処理を施す。タイミング同期・ガードインターバル除去部23は、受信信号のタイミング同期を取った後、該受信信号よりガードインターバルGIを除去してFFT(Fast Fourier Transform)部24に入力する。FFT部24はFFTウインドウタイミングでFFT演算処理を行って時間領域の信号をL×N個のサブキャリア信号(サブキャリアサンプル)に変換し、周波数デインタリーブ部25は送信側と逆の並び替えを行い、サブキャリアの周波数順に並べて出力する。
チャネル推定補償部26はデインタリーブ後、送信側で時間多重されたパイロットを用いてサブキャリア毎にチャネル推定を行い、フェージングの補償を行う。図では第1サブキャリアについてのみチャネル推定部26a1が示されているが、サブキャリア毎にこのチャネル推定部が設けられている。すなわち、チャネル推定部26a1は、パイロット信号を用いてフェージングによる振幅、位相の影響
A・exp(jφ)を推定し、これをもとに算出した補償係数を乗算器26b1で受信シンボルのサブキャリア信号に乗算してフェージングを補償する。
【0008】
逆拡散部27はN個の乗算部271〜27Nを備えており、乗算部271はユーザに割り当てられた直交コード(ウォルシュコード)を構成する各コードC1,C2,...CLを個別にL個のサブキャリアに乗算して出力し、他の乗算部も同様の演算処理を行う。この結果、フェージング補償された信号は、各ユーザに割り当てられた拡散コードにより逆拡散され、この逆拡散によりコード多重された信号の中から所望ユーザの信号が抽出される。尚、実際には、ウォルシュコードが乗算される前に局識別コードが乗算される。
合成部281〜28Nはそれぞれ乗算部271〜27Nから出力するL個の乗算結果を加算してN個のシンボルよりなる並列データを作成し、パラレルシリアル変換部29は該並列データを直列データに変換し、データ復調部30は送信データを復調する。
【0009】
従来技術では代表的なものとして、最小平均二乗誤差合成(Mimimum Mean Square Error Combining)に基づいて雑音(誤差)を最小にするようにチャネル補償係数Ck′(k=1〜NL)を算出する(例えば非特許文献1、非特許文献2参照)。
まず、第iサブキャリアにおいて、IFFT後の送信波(ベースバンド)xiを
【数1】
Sj:各ユーザの送信シンボル(j=1〜M)
Pji:直交拡散コード(長さL)
とし、伝送路を経て受信FFTされた結果yiを次式
【数2】
で表現する(ベースバンド)。(2)式に補償係数ci′を乗ずる事により、
【数3】
チャネル補償する。
【0010】
しかる後、(3)式を逆拡散し、コード長Lに亘って累積すると、送信シンボルSkに対して、受信推定値Sk^が次式で
【数4】
与えられる。上式右辺に於いて、第1項は希望シンボル成分、第2項はコード間干渉成分、第3項は熱雑音成分である。ここで、MMSECでは(4)式で与えられる受信シンボル推定値Sk^と既知の参照シンボルSkとの差εを、
【数5】
として、この2乗平均値ε2 −を最小にするci′を求める。上式より、
【数6】
である。従って、各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズAWGN(Additive White Gausian Noise)の分散σ2を用いて
【数7】
Es ̄:平均シンボルエネルギー
となる。ここでσ2は雑音niの分散を表しており、定義により、下式で求まる。
【数8】
ここでci=riejθi, ci′=ri′ejθi′とすれば、
【数9】
上式は、2L個の変数(r1′〜rL′,θ1′〜θL′)の関数であるが、ε2 −を最小にする条件は
【数10】
が同時に成立つ事である。
【0011】
【数11】
となる。
【0012】
次に振幅に対する条件は、(9)式を(7)式に代入し、
【数12】
極値の条件から、
【数13】
が得られる。
【0013】
一方、MMSEの補償係数の場合を考えると、例えば(12)式により、
【数14】
となる。これを(4)の第1項に代入すると
【数15】
従って、(4)式の第1項は
【数16】
となる。即ち、この場合、常に再生シンボルの平均値(希望シンボル成分)が送信シンボルより小さくなり、雑音が多い程顕著となる。
【0014】
従って、これを元に戻す為には、(13)式より
【数17】
を再生シンボルSk^に乗ずる必要がある。本補正係数αは、多値変調の場合、特に重要である。したがって、補償係数は(12)式に(14)式のαを乗算した次式
【数18】
で与えられる。
【0015】
図9は従来のチャネル推定補償部26の構成図であり、チャネル推定装置26a、チャネル補償装置26bを有している。チャネル推定装置26aにおいて、第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLはそれぞれ、サブキャリア毎にパイロット受信タイミングにおけるFFT出力S1〜SNLを監視することによりサブキャリア毎のチャネル(振幅特性、位相特性)の推定を行う。すなわち、第1 ̄第NLチャネル推定部26a1〜26aNLのパイロットシンボル検出部31は、自サブキャリアのパイロットシンボルを検出し、チャネル推定部32は既知のパイロットシンボルと検出パイロットシンボルを比較してチャネルCk(k=1〜NL)を推定して出力する。
分散推定部26cは、(6)′式に従って分散σを計算し、各補償係数演算部33に入力する。具体的には、パイロットシンボル送信振幅を1とする。これが、伝送路利得変動ciを受けた結果、FFT出力に、A=ci+ni
が現れる。一方、チャネル推定部で、B=ciが得られるので、この両者から、下式の演算を行えばσ2が求まる。
【数19】
【0016】
第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLにおける各補償係数演算部33は、各チャネル推定値Ck(k=1〜NL)及び分散推定部(雑音推定部)26cから出力する分散σを用いて(15)式により各サブキャリアのチャネル補償係数Ck′(k=1〜NL)を算出してチャネル補償装置26bの各乗算部26bk(k=1〜NL)に入力する。チャネル補償装置26bの各乗算部26bkは以後、FFT出力信号S1〜SNLに補償係数Ck′(k=1〜NL)を乗算してチャネル補償する。
【非特許文献1】S.Kaiser: ”On−the Performance of Different Detection Techniques for OFDM−CDMA in Fading channels” IEEE Trans on VEHICULAR TECHNOLOGY, VOL 48 No.5 Sept 1999, P1584−1595
【非特許文献2】前田他: 「SIR推定に基づくMMSE合成を用いた下りリンクブロードバンドOFCDMパケット伝送の特性」 信学技報RCS2001−166(2001−10), P105〜111。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の最小平均二乗誤差合成MMSECは、既知の参照シンボルと受信した参照シンボル間の誤差を小さくするものであるため、参照シンボルの区間以外に対して、(15)式の補正係数は必ずしも最適になる保障はない。
以上から本発明の目的は、最適なチャネル補償係数を求めてチャネル補償できるようにすることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のOFDM−CDMA受信機のチャネル補償装置は、OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定するチャネル推定部、前記各サブキャリアのチャネル特性推定値および各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズの分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出する補償係数算出部を備えている。受信信号の品質を上げるには、SN比が最も大きくなるようにチャネル補償係数を生成すればよく、参照シンボルは必須ではない。本発明によれば、SN比が最大となるようにチャネル補償係数を決定できるため正確にチャネル補償が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のチャネル推定補償部26の構成図であり、チャネル推定装置26a、チャネル補償装置26bを有している。図1において、図9の従来装置と異なる点は、補償係数演算部51を設け、SN比が最大となるようにチャネル補償係数Ck′(k=1 ̄NL)を算出する点である。なお、SN比が最大となるようにチャネル補償係数を決定する制御をMaximum Mean Signal to Noise ratio Combining(MMSNC)という。
始めに、MMSNCによるチャネル補償係数Ck′の算出式を説明する。
【0020】
まず、第iサブキャリアにおいて、IFFT後の送信波(ベースバンド)xiを
【数20】
とし、伝送路を経て受信FFTされた結果yiを次式
【数21】
で表現する(ベースバンド)。(17)式に補償係数ci′を乗ずる事により、
【数22】
チャネル補償する。
【0021】
しかる後、(18)式を逆拡散し、コード長に亘って累積すると、送信シンボルSkに対して、受信推定値Sk^が次式
【数23】
で与えられる。上式右辺に於いて、第1項は希望シンボル成分、第2項はコード間干渉成分、第3項は熱雑音成分である。そして、次式
【数24】
により再生シンボルの平均S/Nを定義する。
【0022】
仮定として、シンボル区間で、チャネル変動ciが一定とすれば、
【数25】
(21)式の右辺については平均値0の白色ガウシャンノイズAWGN (Additive White Gausian Noise)だから、第3項=0である。又、第2項は、下記の様に変形できる。
【0023】
【数26】
更に上式右辺第2項は、
【数27】
である。拡散コードとして、長さの直交コードを使用した場合、
【数28】
が成立する。更に右辺第2項は、Pji,Pki,Sjが±等確率である事を考慮すると、平均的には
【数29】
と見なせる。従って
【数30】
(19)、(22)式より
【数31】
となる。これから、
【数32】
右辺の(A)〜(D)を求める。
【0024】
Sk^を求めた過程を参照すれば、ni −=ni − *=0より
(C)=(D)=0
又、
【数33】
である。なお、σは各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズAWGNの分散であり、(6)′式より求まる。一方、
【数34】
右辺第2項は前述と同様に0と見なせる。又、第1項は、
【数35】
従って、
【数36】
(23),(24)式より
【数37】
(20),(22),(26)式より
【数38】
上式を最大にする{ci′}(i=1〜L )を見出す事により、再生シンボルの品質を最良に出来る。
【0025】
次に、ρの最大値を与えるci′を求める。
【数39】
とする。(28)式を(27)式へ代入すれば、
【数40】
となる。上式は、位相及び振幅に関する夫々個の変数θi′及びri′(i=1〜L) を含む多変数関数だから、ρの最大値は、全てのについて、偏微分
【数41】
が同時に満たされる必要がある。以下に、(30)式を満たす条件を求める。
【0026】
[1] 位相に関する条件
これは、直観的に、逆拡散後のチップを個集積することから、全てのcici′が同相である事が最適である。即ち、
θi+θi′(i=1〜L)・・・(31)
が必要と思われる。以下に確認の意味で、実際(31)が(30)の条件下で導かれることを示す。ある任意のθk′について(29)式を偏微分する。
いま、(29)式を、
【数42】
が成り立つ。従って、
【数43】
(32)、(33)式より
【数44】
これより、
【数45】
右辺はkに依らず、一定である。
【0027】
従って、
θk+θk′=Const.
又、kは任意だから
θ1+θ1′=θ2+θ2′=…=θL+θL′=θ+θ′
この結果を、上式に代入すれば
【数46】
となる。それゆえ、
θ+θ′=0
となり、(31)式が得られる。
【0028】
[2] 振幅に関する条件
[1]で得られた位相に関する条件を(29)に代入すると、
【数47】
が得られる。任意のrk′について、(34)式を偏微分する。
[1]と同様、
【数48】
(35)、(36)式より
【数49】
(37)、(38)式より
【数50】
上式を整理すると
【数51】
(39)式から、k=2〜Lについてrk′をr1′で表わし、(38)式に代入し、これをr1′について解く。
【0029】
まず、C,Dをr1′で表わす。
【数52】
これらを、(38)式に代入すれば、
【数53】
上式の右辺を移項し、r1′2,r1′及び定数項についてまとめる。
・r1′2の項:
【数54】
従ってr1′2の項=0
・r1′の項:
【数55】
に帰着する。
【0030】
従って、M≠1とすれば
【数56】
(42)式を(39)式に代入すれば、一般に
【数57】
これから、ck′は
【数58】
となる。(44)式が所与のck, M,L,σ2に対してρを最大にする補償係数ck′を与える。
【0031】
以上より、図1のチャネル推定装置26aにおいて、第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLのパイロットシンボル検出部31は、自サブキャリアのパイロットシンボルを検出し、チャネル推定部32は既知のパイロットシンボルと検出パイロットシンボルを比較してチャネルCk(k=1〜NL)を推定して出力する。
分散推定部26cは、(6)′式に従って分散σ2を計算し、各補償係数演算部51に入力する。具体的には、パイロットシンボル送信振幅を1とする。これが、伝送路利得変動ciを受けた結果、FFT出力に、A=ci+niが現れる。一方、チャネル推定部で、B=ciが得られるので、この両者から、下式の演算を行えばσ2が求まる。
【数59】
【0032】
第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLにおける各補償係数演算部51は、分散推定部(雑音推定部)26cから出力する分散σ2と各サブキャリアのチャネル特性推定値Ck(k=1〜NL)を用いて、(44)式により各サブキャリアのチャネル補償係数Ck′(k=1〜NL)を算出してチャネル補償装置26bの各乗算部26bk(k=1〜NL)に入力する。チャネル補償装置26bの各乗算部26bkは以後、FFT出力信号S1〜SNLに補償係数Ck′(k=1〜NL)を乗算してチャネル補償する。
【0033】
図2〜図4は(44)式によりチャネル補償した本発明と(15)式によりチャネル補償した従来技術を比較するためのシミューレーション結果である。
図2は、多重数M=1,64QAM多値変調時において拡散率をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果であり、実線が本発明、点線が従来技術である。本発明のBER (Bit Error Rate)が従来技術のBERよりと小さいことがわかる。
図3は、拡散率L=128,64QAM多値変調時において多重数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果であり、実線が本発明、点線が従来技術である。多重数が小さいほど、BER (Bit Error Rate)に関して本発明と従来技術との差が明確になっている。
図4は、多重数M=1,拡散率L=128において変調多値数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【0034】
【発明の効果】
以上本発明によれば、OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定し、該各サブキャリアのチャネル特性推定値および各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズの分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出してチャネル補償するように構成したから正確にチャネル補償を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチャネル推定補償部の構成図である。
【図2】多重数M=1,64QAM変調時において拡散率をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【図3】拡散率L=128,64QAM変調時において多重数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【図4】多重数M=1,拡散率L=128において変調多値数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【図5】OFDM−CDMAの送信側(基地局)の構成図である。
【図6】シリアルパラレル変換説明図である。
【図7】ガードインターバル挿入説明図である。
【図8】OFDM−CDMAの受信側の構成図である。
【図9】従来のチャネル推定補償部の構成図である。
【符号の説明】
26a チャネル推定装置
26b チャネル補償装置
26c 分散推定部
51 補償係数演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送路(チャネル)でマルチパスにより周波数選択性フェージングが生じることに起因する品質劣化を軽減するチャネル補償装置に係わり、特に、CDMA(Code Division Multiple Access)方式とOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を組み合わせたOFDM−CDMA方式の無線通信を行う通信装置内のチャネル補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周波数分割多重されたサブキャリアが、それぞれ直交符号を用いた符号多重された信号を送信するOFDM−CDMA方式の無線通信が次世代の方式として注目されている。
図5はOFDM−CDMAの送信側(基地局)の構成図である。データ変調部11はユーザの送信データを変調し、同相成分と直交成分を有する複素べースバンド信号(シンボル)に変換する。時間多重部12は複数シンボルのパイロットを送信データの前に時間多重する。シリアルパラレル変換部13は入力データをNシンボルの並列データに変換し、各シンボルはそれぞれL分岐して拡散部14に入力する。拡散部14はN個の乗算部141〜14Nを備えており、各乗算部141〜14Nはそれぞれ直交コードを構成するコード(符号)C1,C2,..CLを個別に分岐シンボルに乗算して出力する。この結果、L×N個のサブキャリアでマルチキャリア伝送するためのサブキャリア信号S1〜SNLが拡散部14より出力する。すなわち、拡散部14は直交コードを各パラレル系列毎のシンボルに乗算することにより周波数方向に拡散する。拡散において使用する直交コードとしてユーザ毎に異なるコード(ウォルシュコード) C1,C2,..CLが示されているが、実際には局識別コードG1〜GNLが更にサブキャリア信号S1〜SNLに乗算される。
【0003】
コード多重部15は以上のようにして生成されたサブキャリア信号を、同様な方法で生成された他ユーザのサブキャリア信号とコード多重する。すなわち、コード多重部15は、サブキャリア毎に該サブキャリアに応じた複数ユーザのサブキャリア信号を合成して出力する。周波数インタリーブ部16は、周波数ダイバーシチ利得を得るために、コード多重されたサブキャリア信号を周波数インタリーブにより並び替えて周波数軸上に分散する。IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部17は並列入力するサブキャリア信号にIFFT(逆フーリエ変換)処理を施して時間軸上のOFDM信号(実数部信号、虚数部信号)に変換する。ガードインターバル挿入部18は、OFDM信号にガードインターバルを挿入し、直交変調部19はガードインターバルが挿入されたOFDM信号に直交変調を施し、無線送信部20は無線周波数にアップコンバージョンすると共に高周波増幅してアンテナより送信する。
【0004】
サブキャリアの総数は、(拡散率L)×(パラレル系列数N)である。又、伝搬路ではサブキャリア毎に異なるフェージングを受けるため、パイロットを全てのサブキャリアに時間多重し、受信側ではサブキャリア毎にフェージングの補償を行えるようにする。ここで時間多重されるパイロットは、全てのユーザがチャネル推定に使用する共通パイロットである。
【0005】
図6はシリアルパラレル変換説明図であり、1フレームの送信データの前方に共通パイロットPが時間多重されている。尚、後述するように共通パイロットPはフレーム内で分散することもできる。1フレーム当たり共通パイロットがたとえば4×Nシンボル、送信データが28×Nシンボルであるとすると、シリアルパラレル変換部13より並列データとして最初の4回までパイロットのNシンボルが出力し、以後、並列データとして28回送信データのNシンボルが出力する。この結果、1フレーム期間においてパイロットを全てのサブキャリアに時間多重して4回伝送でき、受信側で該パイロットを用いてはサブキャリア毎にチャネルを推定してチャネル補償(フェージング補償)が可能となる。
【0006】
図7はガードインターバル挿入説明図である。ガードインターバル挿入とは、N×L個のサブキャリアサンプル(=1 OFDMシンボル)に応じたIFFT出力信号を1単位とするとき、その先頭部に末尾部分をコピーすることである。ガードインターバルGIを挿入することによりGI長以下のマルチパス遅延による符号間干渉の影響を無くすことが可能になる。
【0007】
図8はOFDM−CDMAの受信側の構成図である。無線受信部21は受信したマルチキャリア信号に周波数変換処理を施し、直交復調部22は受信信号に直交復調処理を施す。タイミング同期・ガードインターバル除去部23は、受信信号のタイミング同期を取った後、該受信信号よりガードインターバルGIを除去してFFT(Fast Fourier Transform)部24に入力する。FFT部24はFFTウインドウタイミングでFFT演算処理を行って時間領域の信号をL×N個のサブキャリア信号(サブキャリアサンプル)に変換し、周波数デインタリーブ部25は送信側と逆の並び替えを行い、サブキャリアの周波数順に並べて出力する。
チャネル推定補償部26はデインタリーブ後、送信側で時間多重されたパイロットを用いてサブキャリア毎にチャネル推定を行い、フェージングの補償を行う。図では第1サブキャリアについてのみチャネル推定部26a1が示されているが、サブキャリア毎にこのチャネル推定部が設けられている。すなわち、チャネル推定部26a1は、パイロット信号を用いてフェージングによる振幅、位相の影響
A・exp(jφ)を推定し、これをもとに算出した補償係数を乗算器26b1で受信シンボルのサブキャリア信号に乗算してフェージングを補償する。
【0008】
逆拡散部27はN個の乗算部271〜27Nを備えており、乗算部271はユーザに割り当てられた直交コード(ウォルシュコード)を構成する各コードC1,C2,...CLを個別にL個のサブキャリアに乗算して出力し、他の乗算部も同様の演算処理を行う。この結果、フェージング補償された信号は、各ユーザに割り当てられた拡散コードにより逆拡散され、この逆拡散によりコード多重された信号の中から所望ユーザの信号が抽出される。尚、実際には、ウォルシュコードが乗算される前に局識別コードが乗算される。
合成部281〜28Nはそれぞれ乗算部271〜27Nから出力するL個の乗算結果を加算してN個のシンボルよりなる並列データを作成し、パラレルシリアル変換部29は該並列データを直列データに変換し、データ復調部30は送信データを復調する。
【0009】
従来技術では代表的なものとして、最小平均二乗誤差合成(Mimimum Mean Square Error Combining)に基づいて雑音(誤差)を最小にするようにチャネル補償係数Ck′(k=1〜NL)を算出する(例えば非特許文献1、非特許文献2参照)。
まず、第iサブキャリアにおいて、IFFT後の送信波(ベースバンド)xiを
【数1】
Sj:各ユーザの送信シンボル(j=1〜M)
Pji:直交拡散コード(長さL)
とし、伝送路を経て受信FFTされた結果yiを次式
【数2】
で表現する(ベースバンド)。(2)式に補償係数ci′を乗ずる事により、
【数3】
チャネル補償する。
【0010】
しかる後、(3)式を逆拡散し、コード長Lに亘って累積すると、送信シンボルSkに対して、受信推定値Sk^が次式で
【数4】
与えられる。上式右辺に於いて、第1項は希望シンボル成分、第2項はコード間干渉成分、第3項は熱雑音成分である。ここで、MMSECでは(4)式で与えられる受信シンボル推定値Sk^と既知の参照シンボルSkとの差εを、
【数5】
として、この2乗平均値ε2 −を最小にするci′を求める。上式より、
【数6】
である。従って、各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズAWGN(Additive White Gausian Noise)の分散σ2を用いて
【数7】
Es ̄:平均シンボルエネルギー
となる。ここでσ2は雑音niの分散を表しており、定義により、下式で求まる。
【数8】
ここでci=riejθi, ci′=ri′ejθi′とすれば、
【数9】
上式は、2L個の変数(r1′〜rL′,θ1′〜θL′)の関数であるが、ε2 −を最小にする条件は
【数10】
が同時に成立つ事である。
【0011】
【数11】
となる。
【0012】
次に振幅に対する条件は、(9)式を(7)式に代入し、
【数12】
極値の条件から、
【数13】
が得られる。
【0013】
一方、MMSEの補償係数の場合を考えると、例えば(12)式により、
【数14】
となる。これを(4)の第1項に代入すると
【数15】
従って、(4)式の第1項は
【数16】
となる。即ち、この場合、常に再生シンボルの平均値(希望シンボル成分)が送信シンボルより小さくなり、雑音が多い程顕著となる。
【0014】
従って、これを元に戻す為には、(13)式より
【数17】
を再生シンボルSk^に乗ずる必要がある。本補正係数αは、多値変調の場合、特に重要である。したがって、補償係数は(12)式に(14)式のαを乗算した次式
【数18】
で与えられる。
【0015】
図9は従来のチャネル推定補償部26の構成図であり、チャネル推定装置26a、チャネル補償装置26bを有している。チャネル推定装置26aにおいて、第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLはそれぞれ、サブキャリア毎にパイロット受信タイミングにおけるFFT出力S1〜SNLを監視することによりサブキャリア毎のチャネル(振幅特性、位相特性)の推定を行う。すなわち、第1 ̄第NLチャネル推定部26a1〜26aNLのパイロットシンボル検出部31は、自サブキャリアのパイロットシンボルを検出し、チャネル推定部32は既知のパイロットシンボルと検出パイロットシンボルを比較してチャネルCk(k=1〜NL)を推定して出力する。
分散推定部26cは、(6)′式に従って分散σを計算し、各補償係数演算部33に入力する。具体的には、パイロットシンボル送信振幅を1とする。これが、伝送路利得変動ciを受けた結果、FFT出力に、A=ci+ni
が現れる。一方、チャネル推定部で、B=ciが得られるので、この両者から、下式の演算を行えばσ2が求まる。
【数19】
【0016】
第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLにおける各補償係数演算部33は、各チャネル推定値Ck(k=1〜NL)及び分散推定部(雑音推定部)26cから出力する分散σを用いて(15)式により各サブキャリアのチャネル補償係数Ck′(k=1〜NL)を算出してチャネル補償装置26bの各乗算部26bk(k=1〜NL)に入力する。チャネル補償装置26bの各乗算部26bkは以後、FFT出力信号S1〜SNLに補償係数Ck′(k=1〜NL)を乗算してチャネル補償する。
【非特許文献1】S.Kaiser: ”On−the Performance of Different Detection Techniques for OFDM−CDMA in Fading channels” IEEE Trans on VEHICULAR TECHNOLOGY, VOL 48 No.5 Sept 1999, P1584−1595
【非特許文献2】前田他: 「SIR推定に基づくMMSE合成を用いた下りリンクブロードバンドOFCDMパケット伝送の特性」 信学技報RCS2001−166(2001−10), P105〜111。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の最小平均二乗誤差合成MMSECは、既知の参照シンボルと受信した参照シンボル間の誤差を小さくするものであるため、参照シンボルの区間以外に対して、(15)式の補正係数は必ずしも最適になる保障はない。
以上から本発明の目的は、最適なチャネル補償係数を求めてチャネル補償できるようにすることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のOFDM−CDMA受信機のチャネル補償装置は、OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定するチャネル推定部、前記各サブキャリアのチャネル特性推定値および各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズの分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出する補償係数算出部を備えている。受信信号の品質を上げるには、SN比が最も大きくなるようにチャネル補償係数を生成すればよく、参照シンボルは必須ではない。本発明によれば、SN比が最大となるようにチャネル補償係数を決定できるため正確にチャネル補償が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のチャネル推定補償部26の構成図であり、チャネル推定装置26a、チャネル補償装置26bを有している。図1において、図9の従来装置と異なる点は、補償係数演算部51を設け、SN比が最大となるようにチャネル補償係数Ck′(k=1 ̄NL)を算出する点である。なお、SN比が最大となるようにチャネル補償係数を決定する制御をMaximum Mean Signal to Noise ratio Combining(MMSNC)という。
始めに、MMSNCによるチャネル補償係数Ck′の算出式を説明する。
【0020】
まず、第iサブキャリアにおいて、IFFT後の送信波(ベースバンド)xiを
【数20】
とし、伝送路を経て受信FFTされた結果yiを次式
【数21】
で表現する(ベースバンド)。(17)式に補償係数ci′を乗ずる事により、
【数22】
チャネル補償する。
【0021】
しかる後、(18)式を逆拡散し、コード長に亘って累積すると、送信シンボルSkに対して、受信推定値Sk^が次式
【数23】
で与えられる。上式右辺に於いて、第1項は希望シンボル成分、第2項はコード間干渉成分、第3項は熱雑音成分である。そして、次式
【数24】
により再生シンボルの平均S/Nを定義する。
【0022】
仮定として、シンボル区間で、チャネル変動ciが一定とすれば、
【数25】
(21)式の右辺については平均値0の白色ガウシャンノイズAWGN (Additive White Gausian Noise)だから、第3項=0である。又、第2項は、下記の様に変形できる。
【0023】
【数26】
更に上式右辺第2項は、
【数27】
である。拡散コードとして、長さの直交コードを使用した場合、
【数28】
が成立する。更に右辺第2項は、Pji,Pki,Sjが±等確率である事を考慮すると、平均的には
【数29】
と見なせる。従って
【数30】
(19)、(22)式より
【数31】
となる。これから、
【数32】
右辺の(A)〜(D)を求める。
【0024】
Sk^を求めた過程を参照すれば、ni −=ni − *=0より
(C)=(D)=0
又、
【数33】
である。なお、σは各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズAWGNの分散であり、(6)′式より求まる。一方、
【数34】
右辺第2項は前述と同様に0と見なせる。又、第1項は、
【数35】
従って、
【数36】
(23),(24)式より
【数37】
(20),(22),(26)式より
【数38】
上式を最大にする{ci′}(i=1〜L )を見出す事により、再生シンボルの品質を最良に出来る。
【0025】
次に、ρの最大値を与えるci′を求める。
【数39】
とする。(28)式を(27)式へ代入すれば、
【数40】
となる。上式は、位相及び振幅に関する夫々個の変数θi′及びri′(i=1〜L) を含む多変数関数だから、ρの最大値は、全てのについて、偏微分
【数41】
が同時に満たされる必要がある。以下に、(30)式を満たす条件を求める。
【0026】
[1] 位相に関する条件
これは、直観的に、逆拡散後のチップを個集積することから、全てのcici′が同相である事が最適である。即ち、
θi+θi′(i=1〜L)・・・(31)
が必要と思われる。以下に確認の意味で、実際(31)が(30)の条件下で導かれることを示す。ある任意のθk′について(29)式を偏微分する。
いま、(29)式を、
【数42】
が成り立つ。従って、
【数43】
(32)、(33)式より
【数44】
これより、
【数45】
右辺はkに依らず、一定である。
【0027】
従って、
θk+θk′=Const.
又、kは任意だから
θ1+θ1′=θ2+θ2′=…=θL+θL′=θ+θ′
この結果を、上式に代入すれば
【数46】
となる。それゆえ、
θ+θ′=0
となり、(31)式が得られる。
【0028】
[2] 振幅に関する条件
[1]で得られた位相に関する条件を(29)に代入すると、
【数47】
が得られる。任意のrk′について、(34)式を偏微分する。
[1]と同様、
【数48】
(35)、(36)式より
【数49】
(37)、(38)式より
【数50】
上式を整理すると
【数51】
(39)式から、k=2〜Lについてrk′をr1′で表わし、(38)式に代入し、これをr1′について解く。
【0029】
まず、C,Dをr1′で表わす。
【数52】
これらを、(38)式に代入すれば、
【数53】
上式の右辺を移項し、r1′2,r1′及び定数項についてまとめる。
・r1′2の項:
【数54】
従ってr1′2の項=0
・r1′の項:
【数55】
に帰着する。
【0030】
従って、M≠1とすれば
【数56】
(42)式を(39)式に代入すれば、一般に
【数57】
これから、ck′は
【数58】
となる。(44)式が所与のck, M,L,σ2に対してρを最大にする補償係数ck′を与える。
【0031】
以上より、図1のチャネル推定装置26aにおいて、第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLのパイロットシンボル検出部31は、自サブキャリアのパイロットシンボルを検出し、チャネル推定部32は既知のパイロットシンボルと検出パイロットシンボルを比較してチャネルCk(k=1〜NL)を推定して出力する。
分散推定部26cは、(6)′式に従って分散σ2を計算し、各補償係数演算部51に入力する。具体的には、パイロットシンボル送信振幅を1とする。これが、伝送路利得変動ciを受けた結果、FFT出力に、A=ci+niが現れる。一方、チャネル推定部で、B=ciが得られるので、この両者から、下式の演算を行えばσ2が求まる。
【数59】
【0032】
第1〜第NLチャネル推定部26a1〜26aNLにおける各補償係数演算部51は、分散推定部(雑音推定部)26cから出力する分散σ2と各サブキャリアのチャネル特性推定値Ck(k=1〜NL)を用いて、(44)式により各サブキャリアのチャネル補償係数Ck′(k=1〜NL)を算出してチャネル補償装置26bの各乗算部26bk(k=1〜NL)に入力する。チャネル補償装置26bの各乗算部26bkは以後、FFT出力信号S1〜SNLに補償係数Ck′(k=1〜NL)を乗算してチャネル補償する。
【0033】
図2〜図4は(44)式によりチャネル補償した本発明と(15)式によりチャネル補償した従来技術を比較するためのシミューレーション結果である。
図2は、多重数M=1,64QAM多値変調時において拡散率をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果であり、実線が本発明、点線が従来技術である。本発明のBER (Bit Error Rate)が従来技術のBERよりと小さいことがわかる。
図3は、拡散率L=128,64QAM多値変調時において多重数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果であり、実線が本発明、点線が従来技術である。多重数が小さいほど、BER (Bit Error Rate)に関して本発明と従来技術との差が明確になっている。
図4は、多重数M=1,拡散率L=128において変調多値数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【0034】
【発明の効果】
以上本発明によれば、OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定し、該各サブキャリアのチャネル特性推定値および各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズの分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出してチャネル補償するように構成したから正確にチャネル補償を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチャネル推定補償部の構成図である。
【図2】多重数M=1,64QAM変調時において拡散率をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【図3】拡散率L=128,64QAM変調時において多重数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【図4】多重数M=1,拡散率L=128において変調多値数をパラメータにしたときのEs/No対BERのシミューレーション結果である。
【図5】OFDM−CDMAの送信側(基地局)の構成図である。
【図6】シリアルパラレル変換説明図である。
【図7】ガードインターバル挿入説明図である。
【図8】OFDM−CDMAの受信側の構成図である。
【図9】従来のチャネル推定補償部の構成図である。
【符号の説明】
26a チャネル推定装置
26b チャネル補償装置
26c 分散推定部
51 補償係数演算部
Claims (1)
- OFDM−CDMA受信機のチャネル補償装置において、
OFDMのサブキャリア毎にチャネル特性を推定するチャネル推定部、
前記各サブキャリアのチャネル特性推定値および各サブキャリア伝送路の白色ガウシャンノイズの分散を用いて、サブキャリア毎にSN比が最大となるようにチャネル補償係数を算出する補償係数算出部、
各サブキャリアのチャネル補償係数を対応するサブキャリア信号に乗算してチャネル補償するチャネル補償部、
を備えたチャネル補償装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034790A JP2004247902A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | チャネル補償装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034790A JP2004247902A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | チャネル補償装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=33020379
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008537434A (ja) * | 2005-05-04 | 2008-09-11 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 直交周波数分割多重システムにおける符号化されないチャネル情報の送受信方法、装置、及びシステム |
-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003034790A patent/JP2004247902A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008537434A (ja) * | 2005-05-04 | 2008-09-11 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 直交周波数分割多重システムにおける符号化されないチャネル情報の送受信方法、装置、及びシステム |
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