JP2004247836A - 通信制御方法、中継装置、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents
通信制御方法、中継装置、プログラムおよび記憶媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004247836A JP2004247836A JP2003033655A JP2003033655A JP2004247836A JP 2004247836 A JP2004247836 A JP 2004247836A JP 2003033655 A JP2003033655 A JP 2003033655A JP 2003033655 A JP2003033655 A JP 2003033655A JP 2004247836 A JP2004247836 A JP 2004247836A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- packet
- mobile terminal
- relay device
- relay
- communication
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
Abstract
【課題】移動端末が移動に伴って異なる中継装置を介して通信を行う場合であっても、移動端末の使い勝手を損なうことなく、かつ移動通信網において移動端末から送信されたデータを効率よく中継できるようにする。
【解決手段】中継装置は、移動端末から送信されたパケットを受信し、当該パケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みか否かを判定する。該判定の結果、認証済みでない場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末の気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定する。該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し、該移動端末が認証済みであるか否かを他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合に該パケットをその宛先へ転送する。
【選択図】 図1
【解決手段】中継装置は、移動端末から送信されたパケットを受信し、当該パケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みか否かを判定する。該判定の結果、認証済みでない場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末の気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定する。該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し、該移動端末が認証済みであるか否かを他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合に該パケットをその宛先へ転送する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信網において移動端末から送信されたデータを中継するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図10に示すように、基地局110a〜110dと、基地局110a及び110bを配下に有するルータ120aと、基地局110c及び110dを配下に有するルータ120bとを有する移動通信網100がある。各ルータは、メモリと無線端末130の認証を行う認証機能とを有し、この認証機能によって認証された無線端末130の認証情報を当該メモリに保持する一方、無線端末130から配下の基地局を介して送られてきたデータの中継可否を、このデータの送信元となる無線端末130の認証情報が当該メモリに保持されているか否かに応じて決定する。
【0003】
このような移動通信網100において、例えば、通信中の無線端末130が、ルータ120bの配下にある基地局110cの無線エリアから、ルータ120aの配下にある基地局110bの無線エリアへと移動し、今までとは異なるルータ120aを介して通信を行うこととなった場合、あらたに無線端末130の通信を中継することとなったルータ120aは、無線端末130の認証情報を保持していないため、この無線端末130について認証処理を行う必要がある。このため、無線端末130においては、移動に伴って異なるルータ120を介して通信を行う場合に、認証処理のため、この通信が一旦中断されてしまう、という問題があった。つまり、移動端末の使い勝手が損なわれてしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために参考となる技術として、移動通信網内における各ルータ間で、各々が保持している認証情報をやり取りできるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1には、マイクロモビリティ網において、最上位ルータ10に各移動端末40の認証情報を保持させておき、この最上位ルータ10の配下にある各ルータ20は、移動端末40から経路更新情報を受信したときに、その発信元となる移動端末40についての認証情報を自装置20内に保持していない場合には、この認証情報の有無を最上位ルータ10に問い合わせ、問い合わせた結果、有った場合には、この移動端末40の経路情報を更新する一方、無かった場合には、受信した経路更新情報を破棄することが記載されている。
【0006】
また、特許文献1には、ルータ20が認証情報の有無を最上位ルータ10に問い合わせるために問い合わせ用のメッセージを送信した場合に、このメッセージの転送経路中の各ルータが、このメッセージの内容を監視し、このメッセージを用いて有無が問い合わせられている認証情報を保持している場合には、このメッセージの転送を中止し、この認証情報を、問い合わせ元のルータ20へ送信する、ことが記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−281010号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、問い合わせ元のルータ20から最上位ルータ10に到る転送経路中の全てのルータは、上記メッセージを受信すると、このメッセージの内容を解析し、有無が問い合わせられている認証情報を保持しているか否かを確認しなければならない。このように特許文献1に記載された技術は、各ルータ2での認証情報の問い合わせに関する処理の負荷が大きく、マイクロモビリティ網における通信効率を低下させてしまう、という問題があった。
【0009】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動端末が移動に伴って異なる中継装置(ルータ)を介して通信を行う場合であっても、移動端末の使い勝手を損なうことなく、かつ移動通信網において移動端末から送信されたデータを効率よく中継できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置を複数備える移動通信網における通信制御方法において、前記中継装置が、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信過程と、前記中継装置が、前記パケット受信過程にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定過程と、前記中継装置が、前記判定過程にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継過程とを有することを特徴とする通信制御方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置を複数備えるとともに、前記複数の中継装置を管理する管理装置を備える移動通信網における通信制御方法において、前記中継装置が、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信過程と、前記中継装置が、前記パケット受信過程にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定過程と、前記中継装置が、前記判定過程にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他の中継装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他の中継装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継過程とを有することを特徴とする通信制御方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、移動通信網に設けられ、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置において、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段と、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定手段にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他のコンピュータを特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他のコンピュータに問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段とを有することを特徴とする中継装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、移動通信網に設けられ、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置において、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段と、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他のコンピュータの特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他のコンピュータに対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段とを有することを特徴とする中継装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータ装置を、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を当該コンピュータ装置内に保持しているか否かを判定する判定手段、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信手段にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定手段にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに他のコンピュータ装置により管轄される通信エリアから移動してきた前記移動端末に対して、当該移動端末が当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータ装置を、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を当該コンピュータ装置内に保持しているか否かを判定する判定手段、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信手段にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、他当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに他のコンピュータ装置により管轄される通信エリアから移動してきた前記移動端末に対して、当該移動端末が当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他の中継装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他の中継装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0016】
また、本発明は、上述のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0017】
本発明によれば、中継装置は、移動端末から送信されたパケットを受信し、当該パケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する。該判定の結果、保持していると判定された場合には当該パケットをその宛先へ転送する一方、保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する無線エリアに他の中継装置の管轄する無線エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する無線エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定する。該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[第1実施形態]
(1.構成)
<通信システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の構成を例示するブロック図である。なお、本実施形態における通信システム1においては、無線端末10に対してデータを送受信するための通信プロトコルとして、例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC2002に規定されているモバイルIPv4又はモバイルIPv6を用いる。
また、本明細書においては、以降、特に区別を必要としない限り、基地局20a〜20lの各々を「基地局20」、無線アクセス通信網30a〜30dの各々を「無線アクセス通信網30」、AR50a〜50dの各々を「AR50」と記載する。
【0019】
無線端末10は、例えば、パケット通信機能を有する携帯電話機11が接続されたノート型のパーソナルコンピュータ12(以下、「PC12」と記載する)である。例えば、図1に示すように、無線端末10が基地局20dと通信可能な場合、すなわち無線端末10が基地局20dの無線エリアに在圏している場合、この無線端末10は、基地局20d、無線アクセス通信網30bおよび事業者通信網40を介して、インターネット70や他の通信網80に接続されている通信装置とパケット通信を行うことができる。
【0020】
基地局20は、自局20がカバーする無線エリアに在圏している無線端末10と無線通信を行う。また、無線アクセス通信網30は、配下の基地局20と事業者通信網40との間で送受信されるデータを中継する。なお、異なる無線アクセス通信網30a〜30dには、それぞれ異なるネットワークプリフィクスが割り当てられており、無線アクセス通信網30a〜30dをそれぞれ配下に有するAR50a〜50dには、各無線アクセス通信網30a〜30dに割り当てられたネットワークプリフィクスをそれぞれ有する異なるIPアドレスが割り当てられている。
【0021】
事業者通信網40は、通信事業者によって運営されており、無線端末10に対して移動パケット通信サービスを提供するためのものである。この事業者通信網40には、無線アクセス通信網30やインターネット70に加え、例えば、他の通信事業者が運営している事業者通信網等の、他の通信網80が接続されている。また、この事業者通信網40は、AR(Access Router)50とAR管理サーバ60とを有している。
【0022】
AR50は、無線アクセス通信網30を介して無線端末10が送受信するデータ(パケット)を中継する中継装置である。例えば、図1においてAR50aは、その配下に基地局20a,20b,20cを有している。したがって、AR50aは、基地局20aがカバーする無線エリアと、基地局20bがカバーする無線エリアと、基地局20cがカバーする無線エリアとを管轄している。すなわち、これら3つの無線エリアがAR50aにより管轄される通信エリアであって、AR50aは、自身が管轄する通信エリアに在圏している各無線端末10が送受信するパケットを中継する。
また、このAR50は、AR50は、自身が管轄する通信エリア内の無線端末10から送信されてくるパケットについて、1パケット単位で、このパケットの送信元となる無線端末10を認証すべきか否かを判定する認証判定機能を有している。具体的な認証判定機能については、後述する。
AR50は、この認証判定機能によって無線端末10を認証すべきと判定した場合にのみ、無線端末10から送られてきたパケットに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送する。
【0023】
なお、本明細書においては、便宜上、認証判定機能による認証の対象を無線端末10とするが、勿論、認証判定機能による認証の対象を、無線端末10ではなく、無線端末10を使用しているユーザとしてもよい。このようにすれば、事業者通信網40の提供する移動パケット通信サービスに加入しているユーザであれば、自身の所有する無線端末10ではない、別の無線端末10を使用した場合であっても、事業者通信網40を介したパケット通信を行うことができる。
【0024】
通信網80は、無線端末10が本来接続されるべきホームネットワークであり、無線端末10のHA(Home Agent)80aを有している。HA80aは、無線端末10の気付アドレスを管理し、無線端末10に永続的に割り当てられたIPアドレス(以下、ホームアドレスという)宛てに届いたパケットを、当該無線端末10の気付アドレス宛てに転送する機能を有している。なお、本実施形態においては、気付アドレスとして共存気付アドレスを用いる。この気付アドレスは、無線端末10が通信網80とは異なる通信網(以下、外部通信網という)に接続されている場合、当該外部通信網における無線端末10の通信接続ポイントを示すアドレスであり、無線端末10が当該外部通信網に接続される間に無線端末10を一意に識別可能なように無線端末10に対し割り当てられるものである。これは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)、IPCP(Internet Protocol Control Protocol;IP制御プロトコル)などの割り当て手続きなどによって割り当てられる。
【0025】
AR管理サーバ60は、事業者通信網40内に設けられた各AR50を管理するためのサーバである。このAR管理サーバ60のメモリには、例えば、各AR50のIPアドレスや、送信アドレスとして用いることで同じデータを事業者通信網40内の全てのAR50に対して1回の送信で送ることができるマルチキャストアドレス(以下、MC(ALL)という)等のデータが記憶されている。なお、AR管理サーバ60や各AR50は、互いにデータを送受信することが可能である。
【0026】
<ARの構成>
図2は、AR50のハードウェア構成を例示するブロック図である。
CPU501は、ROM502やHD(Hard Disk)505に記憶されている各種プログラムを実行することにより、バス506を介して接続されている装置各部を制御する。また、CPU501は、現在時刻を計時する機能を有している。ROM502には、装置各部の基本制御を司るプログラム等が記憶されている。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして用いられる。通信インタフェース504は、例えば、AR管理サーバ60や他のAR50、無線アクセス通信網30との間で行われる通信を制御する。なお、AR50は、さらに操作入力部や表示部等を備えていてもよい。
【0027】
HD505には、オペレーティングシステム等の各種ソフトウェアに加え、認証情報登録DB(Data Base)505aと、到達性テーブル505bとが記憶されている。認証情報登録DB505aには、AR50によって認証された無線端末10についての認証情報や、他のAR50から取得した無線端末10の認証情報が登録される。この認証情報登録DB505aは、例えば、図3に示すデータ構成を有しており、認証情報として、例えば、無線端末10を一意に特定し得る端末ID、あるいは移動パケット通信サービスに加入しているユーザを一意に特定し得る加入者IDが、この認証情報(端末IDまたは加入者ID)が認証情報登録DB505aから削除される期限を示す日時情報と対応付けられて登録されている。
なお、端末IDとしては、例えば、無線端末10の通信アドレス、PC12に割り当てられているMACアドレス、携帯電話機11の電話番号等を用いることができる。また、認証情報について設定される削除期限としては、当該認証情報が認証情報登録DB505aに登録されたときの現在時刻から、予め定められた時間分(例えば、3時間や1日等)だけ先の日時を採用している。また、このようにして設定された削除期限までに認証情報が利用されなかった場合には、この認証情報が認証情報登録DB505aから削除される一方、削除期限までに認証情報が利用された場合には、この認証情報の削除期限を示す日時情報が、利用されたときの現在時刻から予め定められた時間分だけ先の日時を示すよう更新される。
【0028】
到達性テーブル505bには、例えば、図4に示すように、このAR50を除いた事業者通信網40内の各AR50から広告された到達性を表す到達性情報がAR50毎に格納されている。本実施形態における「到達性」は、該当するAR50がパケットを正しくやりとりすることができる範囲と等価であり、上記の到達性情報は、該当するAR50の配下の無線アクセス通信網30に割り当てられたネットワークプリフィクス及びサブネットマスクを表す情報から構成されている。到達性テーブル505bには、このような到達性情報とAR50のIPアドレスとが対応付けられて格納されている。
【0029】
また、HD505には、事業者通信網40におけるAR50に対するMC(ALL)や、CPU501がネットワークの到達性を広告する際に用いる、当該AR50の配下にある無線アクセス通信網30のネットワークプリフィクス及びサブネットマスクを表す情報が格納されている。更に、CPU501に以下の機能を実現させるためのプログラムを記憶している。
【0030】
CPU501は、このMC(ALL)を用いて、電源が投入されたとき及び経路情報の更新があったときに、事業者通信網40内の全てのAR50に対し、当該AR50に係る到達性を広告する。本実施形態において、「到達性を広告する」とは、上記の到達性情報を送信することと等価である。
更に、CPU501は、他のAR50から到達性が広告されると、このAR50に係る到達性情報を到達性テーブル505bに格納し、また、この広告に対する確認応答メッセージに、当該AR50に係る到達性情報を含ませて、このメッセージを当該他のAR50に対してユニキャスト(Unicast)で返信する。
また更に、CPU501は、無線端末10からパケットを受信すると、当該無線端末10の認証情報が認証情報登録DB505aに登録されているか否かを判定し、登録されている場合には、当該無線端末10を認証し、無線端末10から受信したパケットを、当該パケットに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送する。しかし、登録されていない場合には、次いで、当該パケットが後述のレジストレーションリクエスト(Registration Request)メッセージであるか否かを判定し、レジストレーションリクエストメッセージである場合には、当該レジストレーションリクエストメッセージが登録要求メッセージであるか否かを判定する。登録要求メッセージである場合には、以下のことが判定される。無線端末10が、他のAR50の配下にある無線アクセス通信網30の配下にある基地局20がカバーする無線エリアから、当該AR50の配下にある無線アクセス通信網30の配下にある基地局がカバーする無線エリアに移動してきたということである。以後、無線端末10の移動元の無線アクセス通信網30を無線端末10の移動前無線アクセス通信網ともいう。このような判定結果から、登録要求メッセージである場合には、当該レジストレーションリクエストメッセージに含まれる移動前無線アクセス通信網における気付アドレスを読み出し、この気付アドレスと到達性テーブル505bとを用いて、移動前無線アクセス通信網を配下に持つAR50(以下、移動前ARという)を特定する。
CPU501は、特定した移動前ARに対し、無線端末50の認証情報を有するか否かを問い合わせるリクエストメッセージを送信し、移動前ARから当該リクエストメッセージに応答するレスポンスメッセージを受信すると、当該メッセージに基づいて、移動前ARが無線端末50の認証情報を有するか否かを判定する。この判定の結果、認証情報を有していると判定すると、当該無線端末10を認証する。そして、無線端末10から受信したレジストレーションリクエストメッセージを、当該メッセージに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送する。
【0031】
<無線端末の構成>
無線端末10は、移動通信中に、当該無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったことを検知すると、当該無線端末10が現在接続されている無線アクセス通信網30において当該無線端末10に割り当てられた気付アドレスをHA80aに対して登録を要求する情報を含むレジストレーションリクエストメッセージ(登録要求メッセージ)を送出する。なお、この情報を含むレジストレーションリクエストメッセージがHA80aによって受信されると、当該無線端末10が現在接続されている無線アクセス通信網30が検出されると共に、当該気付アドレスが当該無線端末10のホームアドレスと対応付けられて図示しない転送先テーブルに登録される。この結果、無線端末10のホームアドレス宛のパケットが、無線端末10に現在割り当てられている気付アドレス宛に転送されうる。
更に、本実施形態においては、無線端末10は、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールド(Extension Field)に、移動前の無線アクセス通信網30において当該無線端末10に割り当てられていた気付アドレス(以下、移動前気付アドレスという)をセットする。なお、無線端末10が移動通信中ではない場合は、移動通信を新規に開始する場合である。この場合には、当該無線アクセス通信網30に接続される前に無線端末10に割り当てられた気付アドレスは存在せず、従って、無線端末10は、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの値を空値(Null)とさせる。
なお、無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったことを検知する方法としては、トランスポート層やデータリンク層を用いて現在位置推定し、DHCPなどの手続きにより検知するなど方法がある。
【0032】
(2.動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。
<ネットワークの到達性取得動作>
図5は、ネットワークの到達性取得時におけるAR50a〜AR50dの動作を例示するシーケンスチャートである。AR50aは、電源が投入されたとき及び経路情報の更新があったときに、同図に示す処理を開始する。
AR50aは、AR50aに係る到達性即ち、HD505に記憶されている到達性情報、を含む広告メッセージをMC(ALL)宛に送信する(ステップS10)。この結果、事業者通信網40内の全てのAR(ここでは、AR50b、50c、50d)に対して、AR50aに係る到達性が広告される。
【0033】
以下、AR50bにおける動作について説明するが、AR50c、50dにおける動作もAR50bにおける動作と同様であるため、その説明を省略する。
AR50bは、当該広告メッセージを受信すると、その送信元アドレスからメッセージの送信元となるAR50aを特定する。そして、AR50bは、特定したAR50aの送信元アドレス(IPアドレス)と、広告メッセージに含まれる到達性情報とを対応付けて到達性テーブル505bに格納する。次いで、この広告メッセージに対する応答を示す確認応答メッセージに、AR50bに係る到達性情報を含ませて、これをユニキャストでAR50aに送信する(ステップS11)。
【0034】
AR50aは、当該確認応答メッセージを受信すると、その送信元アドレスからメッセージの送信元となるAR50bを特定し、特定したAR50bのIPアドレスと、確認応答メッセージに含まれる到達性情報とを対応付けて到達性テーブル505bに格納する。
【0035】
<データパケット受信動作>
次に、AR50aが無線端末10からパケットを受信した場合の動作について説明する。
図6及び7は、パケット受信時におけるAR50aおよびAR50bの動作を例示するシーケンスチャートである。
AR50aのCPU501は、自身が管轄する通信エリア内の無線端末10から送信されてきたパケットを通信インタフェース504を介して受信すると(ステップS20)、受信したパケットに含まれている送信元アドレス等から当該パケットの送信元となる無線端末10を特定する。次いで、CPU501は、認証情報登録DB505aを検索し(ステップS21)、特定した無線端末10の認証情報が登録されているか否かを判定する。
【0036】
判定の結果、CPU501は、特定した無線端末10の認証情報が認証情報登録DB505aに登録されていた場合は(ステップS21:はい)、上記ステップS20において受信したパケットの送信元となる無線端末10が、AR50aによって既に認証された無線端末10であると判定する。そして、CPU501は、無線端末10を認証すべきであると判定し、認証情報登録DB505aにおいて、検索の対象となった認証情報の有効期限を示す日時情報を、現在時刻から予め定められた時間分だけ先の日時に更新する(ステップS26)。そして、CPU501は、上記ステップS201において受信したパケットに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送するための処理を実行し(ステップS27)、図6に示す処理を終える。
【0037】
一方、CPU501は、上記ステップS21における判定の結果、無線端末10の認証情報が認証情報登録DB505aに登録されていなかった場合は(ステップS21:いいえ)、当該パケットがレジストレーションリクエストメッセージであるか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、例えば、当該パケットのヘッダの所定のデータエリアにセットされるパケット種別フラグを用いて判定すれば良い。
【0038】
ステップS22において、CPU501は、レジストレーションリクエストメッセージであると判定すると、更に、当該レジストレーションリクエストメッセージが登録要求メッセージであるか否かを判定する(ステップS23)。具体的には、例えば、当該パケットのヘッダにおける所定のデータエリアにセットされる要求種別フラグを用いて判定すれば良い。
【0039】
ステップS23において、CPU501は、登録要求メッセージでないと判定すると、無線端末10は未認証であると判定する。即ち、無線端末10を認証すべきでないと判定する。このような場合、CPU501は、この無線端末10を認証するための認証処理を行なうか、あるいは、上記ステップS201において受信したパケットを破棄し(ステップS25)、図6に示す処理を終える。
しかし、ステップS23において、CPU501は、登録要求メッセージであると判定すると、次に、モビリティチェック(Mobility Check)処理を行う(ステップS24)。
【0040】
続いて、図7を参照しながら、モビリティチェック処理について説明する。
CPU501は、モビリティチェック処理を開始すると(ステップS30)、このレジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの所定のデータエリアに、値がセットされているか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31において、CPU501は、値がセットされていると判定すると、無線端末10は移動通信中であり無線アクセス通信網30aとは異なる無線アクセス通信網30の配下にある基地局20がカバーする無線エリアから移動してきたと判定する。次いで、到達性テーブル505bを参照し、当該テーブルに、AR50のIPアドレスと対応付けられて記憶されている到達性情報と、エクステンションフィールドの所定のデータエリアにセットされた値(移動前気付アドレス)とを用いて、移動前無線アクセス通信網を配下に持つ移動前ARのIPアドレスを特定する。具体的には、サブネットマスクと移動前気付アドレスと比較して、IPアドレスを算出し、当該IPアドレスを到達性テーブル505bから抽出する。以上のようにして、移動前ARのIPアドレスを特定することにより、無線端末10が移動前に接続されていた無線アクセス通信網30を配下に持つAR50を特定する。
【0041】
次いで、AR50aのCPU501は、特定されたIPアドレスを有する移動前AR(ここでは、AR50bとする)に対し、無線端末10の認証情報を有しているか否かを問い合わせるリクエストメッセージを送信する(ステップS34)。なお、このメッセージには、問い合わせようとしている無線端末10の認証情報を特定するために必要となる情報が含まれている。
【0042】
AR50bのCPU501は、当該リクエストメッセージを受信すると、当該AR50bに記憶されている認証情報登録DB505aを検索し、無線端末10の認証情報が登録されているか否かを判定する(ステップS35)。そして、AR50bのCPU501は、この判定結果、即ち、無線端末10の認証情報を有しているか否かを示す情報を含んだ応答メッセージをAR50aにユニキャストで返信する(ステップS36)。
【0043】
一方、AR50aのCPU501は、当該応答メッセージを受信すると、このメッセージに基づいて、AR50bが無線端末10の認証情報を有しているか否かを判定する(ステップS37)。
AR50aのCPU501は、AR50bが無線端末10の認証情報を有していると判定すると、上記ステップS20において受信したパケットの送信元となる無線端末10が、AR50bによって既に認証された無線端末10であると判定する。この結果、CPU501は、無線端末10を認証すべきであると判定する。
次いで、CPU501は、ステップS39に進み、上述のステップS26と同様の処理を行う。次いで、CPU501は、ステップS40に進み、ステップS27と同様の処理を行う。
【0044】
なお、ステップS31において、AR50aのCPU501は、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの所定のデータエリアに値がセットされていないと判定すると、無線端末10は移動通信中ではなく未認証であると判定して、ステップS41に進み、ステップS25と同様の処理を行う。
【0045】
また、認証情報登録DB505aに記憶されている認証情報は、AR50のCPU501によって、当該認証情報の削除期限が到来した場合に、認証情報登録DB505aから削除される。
【0046】
以上説明したように本実施形態によれば、無線端末10が移動に伴って異なるAR50を介して通信を行う場合であっても、AR50は、無線端末10が行っている通信を一旦中断させて認証処理を行うようなことがない。したがって、無線端末10の使い勝手を損なうことがなく、無線端末10に対して好適な通信環境を提供することができる。また、特許文献1に記載された技術と比較すると、認証情報の有無を問い合わせる場合に、事業者通信網40において1つのAR50に対して問い合わせが集中するようなことがなく、また、各AR50は、他のAR50宛てのメッセージを解析する必要もないので、各AR50での認証情報の問い合わせに関する処理の負荷が軽減できる。よって、事業者通信網40における通信効率を向上することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下、上記第1実施形態と共通する部分については、その説明を省略したり、同一の符号を使用して説明したりする。
(1.構成)
<ARの構成>
本実施形態におけるAR50のCPU501は、事業者通信網40内の全てのAR50に対してではなく、AR管理サーバ60へ当該AR50に係る到達性を広告する。
また、CPU501は、上述の第1実施形態において、無線端末10が移動前に接続されていた無線アクセス通信網30(移動前無線アクセス通信網)を配下に持つAR50(移動前AR)を特定するために、当該移動前ARのIPアドレスを問い合わせるリクエストメッセージを、AR管理サーバ60に送信する機能を有している。なお、このリクエストメッセージには、無線端末10から受信したレジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドにセットされた移動前気付アドレスが含まれている。そして、AR管理サーバ60から当該IPアドレスを受信すると、当該IPアドレスを有する移動前ARに対し、上述の第1実施形態と同様にして、当該無線端末10の認証情報を有しているか否かを問い合わせるリクエストメッセージを送信する。以降は上述の第1実施形態と同様の動作を行う機能を有している。
HD505には、上述の第1実施形態で用いた到達性テーブル505bは記憶されておらず、認証情報登録DB505aのみ記憶されている。
【0048】
<AR管理サーバの構成>
AR管理サーバ60は、上述の第1実施形態において用いた到達性テーブル605bを記憶している。
本実施形態におけるAR管理サーバ60は、移動前ARのIPアドレスを問い合わせるリクエストメッセージをAR50から受信すると、当該メッセージに含まれる気付アドレスと到達性テーブル605bに格納された情報とを用いて、移動前ARのIPアドレスを特定し、これをAR50へ送信する機能を有している。
【0049】
(2.動作)
次に本実施形態の動作について説明する。なお、上述の第1実施形態と共通する動作については、その説明を省略する。
<ネットワークの到達性取得動作>
図8は、本実施形態に係るネットワークの到達性取得時におけるAR50a及びAR管理サーバ60の動作を例示するシーケンスチャートである。AR50aは、電源が投入されたとき及び経路情報の更新があったときに、同図に示す処理を開始する。
AR50aは、AR50aに係る到達性、即ち、HD505に記憶されている到達性情報、を含む広告メッセージを、AR管理サーバ60にユニキャストで送信する(ステップS50)。
AR管理サーバ60は、当該広告メッセージを受信すると、その送信元アドレスからメッセージの送信元となるAR50aを特定する。そして、特定したAR50aの送信元アドレス(IPアドレス)と、広告メッセージに含まれる到達性情報とを対応付けて到達性テーブル505bに格納する。次いで、この広告に対する応答を示す確認応答メッセージをAR50aにユニキャストで送信する(ステップS51)。
【0050】
<データパケット受信動作>
次に、AR50aが無線端末10からパケットを受信した場合の動作について図6及び図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係るパケット受信時におけるAR50aおよびAR管理サーバ60の動作を例示するシーケンスチャートである。以下、上述の第1実施形態と異なる動作についてのみ説明する。
AR50aのCPU501は、上述の第1実施形態におけるモビリティチェック処理(図6のステップS24)において、本実施形態においては、以下のように動作する。
図9に示されるように、AR50aのCPU501は、上述のステップS30〜S32と同様のS60〜S62の処理を行い、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの所定のデータエリアに値(移動前気付アドレス)がセットされていると判定した場合(ステップS62:いいえ)、当該移動前気付アドレスを用いていた移動前ARのIPアドレスを問い合わせるリクエストメッセージをAR管理サーバ60に送信する(ステップS63)。なお、このリクエストメッセージには、当該移動前気付アドレスが含まれている。
【0051】
AR管理サーバ60は、当該メッセージを受信すると、到達性テーブル605bを参照し、当該テーブルに、AR50のIPアドレスと対応付けられて記憶されている到達性情報と、当該メッセージに含まれる移動前気付アドレスとを用いて、上述の第1実施形態と同様にして移動前ARのIPアドレスを特定する。
次いで、AR管理サーバ60は、特定された移動前AR(ここでは、AR50bとする)のIPアドレスを含むレスポンスメッセージをAR50aへ送信する(ステップS64)。
【0052】
一方、AR50aのCPU501は、当該レスポンスメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれるIPアドレスを有するAR(AR50b)に対し、無線端末10の認証情報を有しているか否かを問い合わせるリクエストメッセージをユニキャストで送信する(ステップS65)。
以降の処理の流れは上述の第1実施形態と同様である。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、無線端末10が移動に伴って異なるAR50を介して通信を行う場合であっても、AR50は、無線端末10が行っている通信を一旦中断させて認証処理を行うようなことがない。また、上述の第1実施形態と比較すると、各AR50に係る到達性をAR管理サーバ60で一括して管理するので、各AR50におけるメモリ資源を節約できる。
【0054】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形態で実施することが可能である。なお、変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
【0055】
<変形例1>無線アクセス通信網30にFA(Foreign Agent)(図示せず)を設けるような構成としても良い。このFAは、無線端末10に気付アドレスを割り当てる機能を有している。また、無線端末10の気付アドレス宛のパケットがHA80aから転送されてくると、これを受信し無線端末10に送信する機能を有している。このような構成においては、無線端末50は、無線アクセス通信網30に接続されるため、この無線アクセス通信網30が上述の外部通信網となり、この無線アクセス通信網30内にFA(図示せず)が存在する。このような構成において、FAは、AR50を介してHA80aから転送されてきた、無線端末10宛のパケットを受信する。
また、このような構成において、無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったことを検知する方法としては、無線アクセス通信網30に存在するFAから定期的に広告されるエージェント広告を用いて検知する方法でも良いし、無線端末10自体が無線アクセス通信網30においてエージェント検索を行うことにより検知する方法でも良い。
また、このような構成においては、気付アドレスとして、外部エージェント気付アドレスを用いれば良い。この外部エージェント気付アドレスとは、無線端末10が接続される無線アクセス通信網30に設けられたFAのアドレスである。このような構成において、送受信されるパケットは、この外部気付アドレスによってカプセル化されるようにしても良い。FAは、このようにカプセル化されたパケットをデカプセル化して、当該パケットを本来の宛先へと転送すれば良い。
【0056】
<変形例2>AR50は、事業者通信網40ではなく、無線アクセス通信網30に設けられてもよい。また、無線端末10は、無線LANカードが装着されたPC12や、無線通信機能を有するPDA等であってもよい。
【0057】
<変形例3>各AR50間、各AR50とAR管理サーバ60との間で各メッセージを送受信する際に、MD5等のハッシュ関数や、公開鍵方式や鍵交換プロトコルを利用してもよい。
これにより、各AR50間、各AR50とAR管理サーバ60との間の通信のセキュリティを向上させることができる。
【0058】
<変形例4>なお、本実施形態においてAR50は、ROM502やHD505に記憶されているプログラムに従って、図5〜図9に示した処理を実行するが、このような本発明に係る処理を実行するためのプログラムを通信によりAR50に提供するようにしてもよい。あるいは、このようなプログラムを記憶媒体に記録してAR50に提供するようにしてもよい。
【0059】
<変形例5>上述の各実施形態において、AR50bから認証済みであると通知されてきた場合、AR50aは、認証済みであると通知してきたAR50に対して、この無線端末10の認証情報をAR50bの認証情報登録DB505aから削除するよう指示するメッセージを送信し、該当する認証情報を認証情報登録DB505aから削除させるようにしてもよい。このようにすれば、複数のAR50が同じ無線端末10の認証情報を保持しているような状況をなくすことができるから、各AR50におけるメモリ資源を有効に利用することができるようになる。
【0060】
<変形例6>上述の各実施形態において、HAは、通信網80にあるとしたが、HAは、AR50のうちのいずれかにあっても良いし、基地局20のうちのいずれかにあっても良い。
【0061】
<変形例7>無線端末10は、上述の移動前気付アドレスの保持期間を管理する機能を備えても良い。具体的には、無線端末10は、当該無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったこと又は通信が終了したことを検知すると、その直前まで当該無線端末10に対して割り当てられていた気付アドレスを移動前気付アドレスとしてメモリに記憶する。このとき、上記のことを検知したときの現在時刻から、予め定められた時間分だけ先の日時を、当該移動前気付アドレスをメモリから削除する期限(削除期限)として、当該移動前気付アドレスと対応付けて記憶する。そして、削除期限が到来したときには、当該移動前気付アドレスを削除する。
そして、上述の各実施形態と同様にして、無線端末10は登録要求メッセージを送出する際に、以上説明したような移動前気付アドレスをレジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドにセットする。
このような構成により、事業者通信網40において通信中であった無線端末10が通信を終了した場合でも、予め定められた時間内であれば、事業者通信網40において再度通信を開始しても、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドに移動前気付アドレスがセットされるため、無線端末10に対して認証処理がなされることなく認証済の端末であるとしてスムーズに通信を開始させることが可能となる。しかし、予め定められた時間が過ぎると、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドにセットされる移動前気付アドレスの値は空値となるため、未認証の端末であるとして無線端末10に対して認証処理がなされることとなる。
【0062】
【発明の効果】
移動端末が移動に伴って異なる中継装置を介して通信を行う場合であっても、移動端末の使い勝手を損なうことなく、かつ移動通信網において移動端末から送信されたデータを効率よく中継できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を例示するブロック図である。
【図2】同実施形態に係るARのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【図3】同実施形態に係るARに記憶されている認証情報登録DBのデータ構成を例示する図である。
【図4】同実施形態に係るARに記憶されている到達性テーブルのデータ構成を例示する図である。
【図5】同実施形態に係り、ネットワークの到達性取得時におけるARの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図6】同実施形態に係り、パケット受信時におけるARの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図7】同実施形態に係り、モビリティチェック処理時におけるARの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態同実施形態に係り、ネットワークの到達性取得時におけるAR及びAR管理サーバの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図9】同実施形態に係り、モビリティチェック処理時におけるAR及びAR管理サーバの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図10】移動通信網の構成を例示するブロック図である。
【符号の説明】
1……通信システム、10……無線端末、11……携帯電話機、12……PC、20a〜20f……基地局、30a,30b……無線アクセス通信網、40……事業者通信網、50a〜50d……AR、60……AR管理サーバ、70……インターネット、80……他の通信網、501……CPU、502……ROM、503……RAM、504……通信インタフェース、505……HD、505a……認証情報登録DB、505b……到達性テーブル、506……バス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信網において移動端末から送信されたデータを中継するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図10に示すように、基地局110a〜110dと、基地局110a及び110bを配下に有するルータ120aと、基地局110c及び110dを配下に有するルータ120bとを有する移動通信網100がある。各ルータは、メモリと無線端末130の認証を行う認証機能とを有し、この認証機能によって認証された無線端末130の認証情報を当該メモリに保持する一方、無線端末130から配下の基地局を介して送られてきたデータの中継可否を、このデータの送信元となる無線端末130の認証情報が当該メモリに保持されているか否かに応じて決定する。
【0003】
このような移動通信網100において、例えば、通信中の無線端末130が、ルータ120bの配下にある基地局110cの無線エリアから、ルータ120aの配下にある基地局110bの無線エリアへと移動し、今までとは異なるルータ120aを介して通信を行うこととなった場合、あらたに無線端末130の通信を中継することとなったルータ120aは、無線端末130の認証情報を保持していないため、この無線端末130について認証処理を行う必要がある。このため、無線端末130においては、移動に伴って異なるルータ120を介して通信を行う場合に、認証処理のため、この通信が一旦中断されてしまう、という問題があった。つまり、移動端末の使い勝手が損なわれてしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために参考となる技術として、移動通信網内における各ルータ間で、各々が保持している認証情報をやり取りできるようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1には、マイクロモビリティ網において、最上位ルータ10に各移動端末40の認証情報を保持させておき、この最上位ルータ10の配下にある各ルータ20は、移動端末40から経路更新情報を受信したときに、その発信元となる移動端末40についての認証情報を自装置20内に保持していない場合には、この認証情報の有無を最上位ルータ10に問い合わせ、問い合わせた結果、有った場合には、この移動端末40の経路情報を更新する一方、無かった場合には、受信した経路更新情報を破棄することが記載されている。
【0006】
また、特許文献1には、ルータ20が認証情報の有無を最上位ルータ10に問い合わせるために問い合わせ用のメッセージを送信した場合に、このメッセージの転送経路中の各ルータが、このメッセージの内容を監視し、このメッセージを用いて有無が問い合わせられている認証情報を保持している場合には、このメッセージの転送を中止し、この認証情報を、問い合わせ元のルータ20へ送信する、ことが記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−281010号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、問い合わせ元のルータ20から最上位ルータ10に到る転送経路中の全てのルータは、上記メッセージを受信すると、このメッセージの内容を解析し、有無が問い合わせられている認証情報を保持しているか否かを確認しなければならない。このように特許文献1に記載された技術は、各ルータ2での認証情報の問い合わせに関する処理の負荷が大きく、マイクロモビリティ網における通信効率を低下させてしまう、という問題があった。
【0009】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動端末が移動に伴って異なる中継装置(ルータ)を介して通信を行う場合であっても、移動端末の使い勝手を損なうことなく、かつ移動通信網において移動端末から送信されたデータを効率よく中継できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置を複数備える移動通信網における通信制御方法において、前記中継装置が、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信過程と、前記中継装置が、前記パケット受信過程にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定過程と、前記中継装置が、前記判定過程にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継過程とを有することを特徴とする通信制御方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置を複数備えるとともに、前記複数の中継装置を管理する管理装置を備える移動通信網における通信制御方法において、前記中継装置が、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信過程と、前記中継装置が、前記パケット受信過程にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定過程と、前記中継装置が、前記判定過程にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他の中継装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他の中継装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継過程とを有することを特徴とする通信制御方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、移動通信網に設けられ、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置において、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段と、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定手段にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他のコンピュータを特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他のコンピュータに問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段とを有することを特徴とする中継装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、移動通信網に設けられ、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置において、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段と、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他のコンピュータの特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他のコンピュータに対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段とを有することを特徴とする中継装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータ装置を、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を当該コンピュータ装置内に保持しているか否かを判定する判定手段、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信手段にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定手段にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに他のコンピュータ装置により管轄される通信エリアから移動してきた前記移動端末に対して、当該移動端末が当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0015】
また、本発明は、コンピュータ装置を、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段、前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を当該コンピュータ装置内に保持しているか否かを判定する判定手段、前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信手段にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、他当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに他のコンピュータ装置により管轄される通信エリアから移動してきた前記移動端末に対して、当該移動端末が当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他の中継装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他の中継装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0016】
また、本発明は、上述のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0017】
本発明によれば、中継装置は、移動端末から送信されたパケットを受信し、当該パケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する。該判定の結果、保持していると判定された場合には当該パケットをその宛先へ転送する一方、保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する無線エリアに他の中継装置の管轄する無線エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する無線エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定する。該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[第1実施形態]
(1.構成)
<通信システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の構成を例示するブロック図である。なお、本実施形態における通信システム1においては、無線端末10に対してデータを送受信するための通信プロトコルとして、例えば、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC2002に規定されているモバイルIPv4又はモバイルIPv6を用いる。
また、本明細書においては、以降、特に区別を必要としない限り、基地局20a〜20lの各々を「基地局20」、無線アクセス通信網30a〜30dの各々を「無線アクセス通信網30」、AR50a〜50dの各々を「AR50」と記載する。
【0019】
無線端末10は、例えば、パケット通信機能を有する携帯電話機11が接続されたノート型のパーソナルコンピュータ12(以下、「PC12」と記載する)である。例えば、図1に示すように、無線端末10が基地局20dと通信可能な場合、すなわち無線端末10が基地局20dの無線エリアに在圏している場合、この無線端末10は、基地局20d、無線アクセス通信網30bおよび事業者通信網40を介して、インターネット70や他の通信網80に接続されている通信装置とパケット通信を行うことができる。
【0020】
基地局20は、自局20がカバーする無線エリアに在圏している無線端末10と無線通信を行う。また、無線アクセス通信網30は、配下の基地局20と事業者通信網40との間で送受信されるデータを中継する。なお、異なる無線アクセス通信網30a〜30dには、それぞれ異なるネットワークプリフィクスが割り当てられており、無線アクセス通信網30a〜30dをそれぞれ配下に有するAR50a〜50dには、各無線アクセス通信網30a〜30dに割り当てられたネットワークプリフィクスをそれぞれ有する異なるIPアドレスが割り当てられている。
【0021】
事業者通信網40は、通信事業者によって運営されており、無線端末10に対して移動パケット通信サービスを提供するためのものである。この事業者通信網40には、無線アクセス通信網30やインターネット70に加え、例えば、他の通信事業者が運営している事業者通信網等の、他の通信網80が接続されている。また、この事業者通信網40は、AR(Access Router)50とAR管理サーバ60とを有している。
【0022】
AR50は、無線アクセス通信網30を介して無線端末10が送受信するデータ(パケット)を中継する中継装置である。例えば、図1においてAR50aは、その配下に基地局20a,20b,20cを有している。したがって、AR50aは、基地局20aがカバーする無線エリアと、基地局20bがカバーする無線エリアと、基地局20cがカバーする無線エリアとを管轄している。すなわち、これら3つの無線エリアがAR50aにより管轄される通信エリアであって、AR50aは、自身が管轄する通信エリアに在圏している各無線端末10が送受信するパケットを中継する。
また、このAR50は、AR50は、自身が管轄する通信エリア内の無線端末10から送信されてくるパケットについて、1パケット単位で、このパケットの送信元となる無線端末10を認証すべきか否かを判定する認証判定機能を有している。具体的な認証判定機能については、後述する。
AR50は、この認証判定機能によって無線端末10を認証すべきと判定した場合にのみ、無線端末10から送られてきたパケットに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送する。
【0023】
なお、本明細書においては、便宜上、認証判定機能による認証の対象を無線端末10とするが、勿論、認証判定機能による認証の対象を、無線端末10ではなく、無線端末10を使用しているユーザとしてもよい。このようにすれば、事業者通信網40の提供する移動パケット通信サービスに加入しているユーザであれば、自身の所有する無線端末10ではない、別の無線端末10を使用した場合であっても、事業者通信網40を介したパケット通信を行うことができる。
【0024】
通信網80は、無線端末10が本来接続されるべきホームネットワークであり、無線端末10のHA(Home Agent)80aを有している。HA80aは、無線端末10の気付アドレスを管理し、無線端末10に永続的に割り当てられたIPアドレス(以下、ホームアドレスという)宛てに届いたパケットを、当該無線端末10の気付アドレス宛てに転送する機能を有している。なお、本実施形態においては、気付アドレスとして共存気付アドレスを用いる。この気付アドレスは、無線端末10が通信網80とは異なる通信網(以下、外部通信網という)に接続されている場合、当該外部通信網における無線端末10の通信接続ポイントを示すアドレスであり、無線端末10が当該外部通信網に接続される間に無線端末10を一意に識別可能なように無線端末10に対し割り当てられるものである。これは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)、IPCP(Internet Protocol Control Protocol;IP制御プロトコル)などの割り当て手続きなどによって割り当てられる。
【0025】
AR管理サーバ60は、事業者通信網40内に設けられた各AR50を管理するためのサーバである。このAR管理サーバ60のメモリには、例えば、各AR50のIPアドレスや、送信アドレスとして用いることで同じデータを事業者通信網40内の全てのAR50に対して1回の送信で送ることができるマルチキャストアドレス(以下、MC(ALL)という)等のデータが記憶されている。なお、AR管理サーバ60や各AR50は、互いにデータを送受信することが可能である。
【0026】
<ARの構成>
図2は、AR50のハードウェア構成を例示するブロック図である。
CPU501は、ROM502やHD(Hard Disk)505に記憶されている各種プログラムを実行することにより、バス506を介して接続されている装置各部を制御する。また、CPU501は、現在時刻を計時する機能を有している。ROM502には、装置各部の基本制御を司るプログラム等が記憶されている。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして用いられる。通信インタフェース504は、例えば、AR管理サーバ60や他のAR50、無線アクセス通信網30との間で行われる通信を制御する。なお、AR50は、さらに操作入力部や表示部等を備えていてもよい。
【0027】
HD505には、オペレーティングシステム等の各種ソフトウェアに加え、認証情報登録DB(Data Base)505aと、到達性テーブル505bとが記憶されている。認証情報登録DB505aには、AR50によって認証された無線端末10についての認証情報や、他のAR50から取得した無線端末10の認証情報が登録される。この認証情報登録DB505aは、例えば、図3に示すデータ構成を有しており、認証情報として、例えば、無線端末10を一意に特定し得る端末ID、あるいは移動パケット通信サービスに加入しているユーザを一意に特定し得る加入者IDが、この認証情報(端末IDまたは加入者ID)が認証情報登録DB505aから削除される期限を示す日時情報と対応付けられて登録されている。
なお、端末IDとしては、例えば、無線端末10の通信アドレス、PC12に割り当てられているMACアドレス、携帯電話機11の電話番号等を用いることができる。また、認証情報について設定される削除期限としては、当該認証情報が認証情報登録DB505aに登録されたときの現在時刻から、予め定められた時間分(例えば、3時間や1日等)だけ先の日時を採用している。また、このようにして設定された削除期限までに認証情報が利用されなかった場合には、この認証情報が認証情報登録DB505aから削除される一方、削除期限までに認証情報が利用された場合には、この認証情報の削除期限を示す日時情報が、利用されたときの現在時刻から予め定められた時間分だけ先の日時を示すよう更新される。
【0028】
到達性テーブル505bには、例えば、図4に示すように、このAR50を除いた事業者通信網40内の各AR50から広告された到達性を表す到達性情報がAR50毎に格納されている。本実施形態における「到達性」は、該当するAR50がパケットを正しくやりとりすることができる範囲と等価であり、上記の到達性情報は、該当するAR50の配下の無線アクセス通信網30に割り当てられたネットワークプリフィクス及びサブネットマスクを表す情報から構成されている。到達性テーブル505bには、このような到達性情報とAR50のIPアドレスとが対応付けられて格納されている。
【0029】
また、HD505には、事業者通信網40におけるAR50に対するMC(ALL)や、CPU501がネットワークの到達性を広告する際に用いる、当該AR50の配下にある無線アクセス通信網30のネットワークプリフィクス及びサブネットマスクを表す情報が格納されている。更に、CPU501に以下の機能を実現させるためのプログラムを記憶している。
【0030】
CPU501は、このMC(ALL)を用いて、電源が投入されたとき及び経路情報の更新があったときに、事業者通信網40内の全てのAR50に対し、当該AR50に係る到達性を広告する。本実施形態において、「到達性を広告する」とは、上記の到達性情報を送信することと等価である。
更に、CPU501は、他のAR50から到達性が広告されると、このAR50に係る到達性情報を到達性テーブル505bに格納し、また、この広告に対する確認応答メッセージに、当該AR50に係る到達性情報を含ませて、このメッセージを当該他のAR50に対してユニキャスト(Unicast)で返信する。
また更に、CPU501は、無線端末10からパケットを受信すると、当該無線端末10の認証情報が認証情報登録DB505aに登録されているか否かを判定し、登録されている場合には、当該無線端末10を認証し、無線端末10から受信したパケットを、当該パケットに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送する。しかし、登録されていない場合には、次いで、当該パケットが後述のレジストレーションリクエスト(Registration Request)メッセージであるか否かを判定し、レジストレーションリクエストメッセージである場合には、当該レジストレーションリクエストメッセージが登録要求メッセージであるか否かを判定する。登録要求メッセージである場合には、以下のことが判定される。無線端末10が、他のAR50の配下にある無線アクセス通信網30の配下にある基地局20がカバーする無線エリアから、当該AR50の配下にある無線アクセス通信網30の配下にある基地局がカバーする無線エリアに移動してきたということである。以後、無線端末10の移動元の無線アクセス通信網30を無線端末10の移動前無線アクセス通信網ともいう。このような判定結果から、登録要求メッセージである場合には、当該レジストレーションリクエストメッセージに含まれる移動前無線アクセス通信網における気付アドレスを読み出し、この気付アドレスと到達性テーブル505bとを用いて、移動前無線アクセス通信網を配下に持つAR50(以下、移動前ARという)を特定する。
CPU501は、特定した移動前ARに対し、無線端末50の認証情報を有するか否かを問い合わせるリクエストメッセージを送信し、移動前ARから当該リクエストメッセージに応答するレスポンスメッセージを受信すると、当該メッセージに基づいて、移動前ARが無線端末50の認証情報を有するか否かを判定する。この判定の結果、認証情報を有していると判定すると、当該無線端末10を認証する。そして、無線端末10から受信したレジストレーションリクエストメッセージを、当該メッセージに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送する。
【0031】
<無線端末の構成>
無線端末10は、移動通信中に、当該無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったことを検知すると、当該無線端末10が現在接続されている無線アクセス通信網30において当該無線端末10に割り当てられた気付アドレスをHA80aに対して登録を要求する情報を含むレジストレーションリクエストメッセージ(登録要求メッセージ)を送出する。なお、この情報を含むレジストレーションリクエストメッセージがHA80aによって受信されると、当該無線端末10が現在接続されている無線アクセス通信網30が検出されると共に、当該気付アドレスが当該無線端末10のホームアドレスと対応付けられて図示しない転送先テーブルに登録される。この結果、無線端末10のホームアドレス宛のパケットが、無線端末10に現在割り当てられている気付アドレス宛に転送されうる。
更に、本実施形態においては、無線端末10は、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールド(Extension Field)に、移動前の無線アクセス通信網30において当該無線端末10に割り当てられていた気付アドレス(以下、移動前気付アドレスという)をセットする。なお、無線端末10が移動通信中ではない場合は、移動通信を新規に開始する場合である。この場合には、当該無線アクセス通信網30に接続される前に無線端末10に割り当てられた気付アドレスは存在せず、従って、無線端末10は、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの値を空値(Null)とさせる。
なお、無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったことを検知する方法としては、トランスポート層やデータリンク層を用いて現在位置推定し、DHCPなどの手続きにより検知するなど方法がある。
【0032】
(2.動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。
<ネットワークの到達性取得動作>
図5は、ネットワークの到達性取得時におけるAR50a〜AR50dの動作を例示するシーケンスチャートである。AR50aは、電源が投入されたとき及び経路情報の更新があったときに、同図に示す処理を開始する。
AR50aは、AR50aに係る到達性即ち、HD505に記憶されている到達性情報、を含む広告メッセージをMC(ALL)宛に送信する(ステップS10)。この結果、事業者通信網40内の全てのAR(ここでは、AR50b、50c、50d)に対して、AR50aに係る到達性が広告される。
【0033】
以下、AR50bにおける動作について説明するが、AR50c、50dにおける動作もAR50bにおける動作と同様であるため、その説明を省略する。
AR50bは、当該広告メッセージを受信すると、その送信元アドレスからメッセージの送信元となるAR50aを特定する。そして、AR50bは、特定したAR50aの送信元アドレス(IPアドレス)と、広告メッセージに含まれる到達性情報とを対応付けて到達性テーブル505bに格納する。次いで、この広告メッセージに対する応答を示す確認応答メッセージに、AR50bに係る到達性情報を含ませて、これをユニキャストでAR50aに送信する(ステップS11)。
【0034】
AR50aは、当該確認応答メッセージを受信すると、その送信元アドレスからメッセージの送信元となるAR50bを特定し、特定したAR50bのIPアドレスと、確認応答メッセージに含まれる到達性情報とを対応付けて到達性テーブル505bに格納する。
【0035】
<データパケット受信動作>
次に、AR50aが無線端末10からパケットを受信した場合の動作について説明する。
図6及び7は、パケット受信時におけるAR50aおよびAR50bの動作を例示するシーケンスチャートである。
AR50aのCPU501は、自身が管轄する通信エリア内の無線端末10から送信されてきたパケットを通信インタフェース504を介して受信すると(ステップS20)、受信したパケットに含まれている送信元アドレス等から当該パケットの送信元となる無線端末10を特定する。次いで、CPU501は、認証情報登録DB505aを検索し(ステップS21)、特定した無線端末10の認証情報が登録されているか否かを判定する。
【0036】
判定の結果、CPU501は、特定した無線端末10の認証情報が認証情報登録DB505aに登録されていた場合は(ステップS21:はい)、上記ステップS20において受信したパケットの送信元となる無線端末10が、AR50aによって既に認証された無線端末10であると判定する。そして、CPU501は、無線端末10を認証すべきであると判定し、認証情報登録DB505aにおいて、検索の対象となった認証情報の有効期限を示す日時情報を、現在時刻から予め定められた時間分だけ先の日時に更新する(ステップS26)。そして、CPU501は、上記ステップS201において受信したパケットに含まれている宛先アドレスや経路情報に従ってしかるべき宛先へと転送するための処理を実行し(ステップS27)、図6に示す処理を終える。
【0037】
一方、CPU501は、上記ステップS21における判定の結果、無線端末10の認証情報が認証情報登録DB505aに登録されていなかった場合は(ステップS21:いいえ)、当該パケットがレジストレーションリクエストメッセージであるか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、例えば、当該パケットのヘッダの所定のデータエリアにセットされるパケット種別フラグを用いて判定すれば良い。
【0038】
ステップS22において、CPU501は、レジストレーションリクエストメッセージであると判定すると、更に、当該レジストレーションリクエストメッセージが登録要求メッセージであるか否かを判定する(ステップS23)。具体的には、例えば、当該パケットのヘッダにおける所定のデータエリアにセットされる要求種別フラグを用いて判定すれば良い。
【0039】
ステップS23において、CPU501は、登録要求メッセージでないと判定すると、無線端末10は未認証であると判定する。即ち、無線端末10を認証すべきでないと判定する。このような場合、CPU501は、この無線端末10を認証するための認証処理を行なうか、あるいは、上記ステップS201において受信したパケットを破棄し(ステップS25)、図6に示す処理を終える。
しかし、ステップS23において、CPU501は、登録要求メッセージであると判定すると、次に、モビリティチェック(Mobility Check)処理を行う(ステップS24)。
【0040】
続いて、図7を参照しながら、モビリティチェック処理について説明する。
CPU501は、モビリティチェック処理を開始すると(ステップS30)、このレジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの所定のデータエリアに、値がセットされているか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31において、CPU501は、値がセットされていると判定すると、無線端末10は移動通信中であり無線アクセス通信網30aとは異なる無線アクセス通信網30の配下にある基地局20がカバーする無線エリアから移動してきたと判定する。次いで、到達性テーブル505bを参照し、当該テーブルに、AR50のIPアドレスと対応付けられて記憶されている到達性情報と、エクステンションフィールドの所定のデータエリアにセットされた値(移動前気付アドレス)とを用いて、移動前無線アクセス通信網を配下に持つ移動前ARのIPアドレスを特定する。具体的には、サブネットマスクと移動前気付アドレスと比較して、IPアドレスを算出し、当該IPアドレスを到達性テーブル505bから抽出する。以上のようにして、移動前ARのIPアドレスを特定することにより、無線端末10が移動前に接続されていた無線アクセス通信網30を配下に持つAR50を特定する。
【0041】
次いで、AR50aのCPU501は、特定されたIPアドレスを有する移動前AR(ここでは、AR50bとする)に対し、無線端末10の認証情報を有しているか否かを問い合わせるリクエストメッセージを送信する(ステップS34)。なお、このメッセージには、問い合わせようとしている無線端末10の認証情報を特定するために必要となる情報が含まれている。
【0042】
AR50bのCPU501は、当該リクエストメッセージを受信すると、当該AR50bに記憶されている認証情報登録DB505aを検索し、無線端末10の認証情報が登録されているか否かを判定する(ステップS35)。そして、AR50bのCPU501は、この判定結果、即ち、無線端末10の認証情報を有しているか否かを示す情報を含んだ応答メッセージをAR50aにユニキャストで返信する(ステップS36)。
【0043】
一方、AR50aのCPU501は、当該応答メッセージを受信すると、このメッセージに基づいて、AR50bが無線端末10の認証情報を有しているか否かを判定する(ステップS37)。
AR50aのCPU501は、AR50bが無線端末10の認証情報を有していると判定すると、上記ステップS20において受信したパケットの送信元となる無線端末10が、AR50bによって既に認証された無線端末10であると判定する。この結果、CPU501は、無線端末10を認証すべきであると判定する。
次いで、CPU501は、ステップS39に進み、上述のステップS26と同様の処理を行う。次いで、CPU501は、ステップS40に進み、ステップS27と同様の処理を行う。
【0044】
なお、ステップS31において、AR50aのCPU501は、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの所定のデータエリアに値がセットされていないと判定すると、無線端末10は移動通信中ではなく未認証であると判定して、ステップS41に進み、ステップS25と同様の処理を行う。
【0045】
また、認証情報登録DB505aに記憶されている認証情報は、AR50のCPU501によって、当該認証情報の削除期限が到来した場合に、認証情報登録DB505aから削除される。
【0046】
以上説明したように本実施形態によれば、無線端末10が移動に伴って異なるAR50を介して通信を行う場合であっても、AR50は、無線端末10が行っている通信を一旦中断させて認証処理を行うようなことがない。したがって、無線端末10の使い勝手を損なうことがなく、無線端末10に対して好適な通信環境を提供することができる。また、特許文献1に記載された技術と比較すると、認証情報の有無を問い合わせる場合に、事業者通信網40において1つのAR50に対して問い合わせが集中するようなことがなく、また、各AR50は、他のAR50宛てのメッセージを解析する必要もないので、各AR50での認証情報の問い合わせに関する処理の負荷が軽減できる。よって、事業者通信網40における通信効率を向上することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下、上記第1実施形態と共通する部分については、その説明を省略したり、同一の符号を使用して説明したりする。
(1.構成)
<ARの構成>
本実施形態におけるAR50のCPU501は、事業者通信網40内の全てのAR50に対してではなく、AR管理サーバ60へ当該AR50に係る到達性を広告する。
また、CPU501は、上述の第1実施形態において、無線端末10が移動前に接続されていた無線アクセス通信網30(移動前無線アクセス通信網)を配下に持つAR50(移動前AR)を特定するために、当該移動前ARのIPアドレスを問い合わせるリクエストメッセージを、AR管理サーバ60に送信する機能を有している。なお、このリクエストメッセージには、無線端末10から受信したレジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドにセットされた移動前気付アドレスが含まれている。そして、AR管理サーバ60から当該IPアドレスを受信すると、当該IPアドレスを有する移動前ARに対し、上述の第1実施形態と同様にして、当該無線端末10の認証情報を有しているか否かを問い合わせるリクエストメッセージを送信する。以降は上述の第1実施形態と同様の動作を行う機能を有している。
HD505には、上述の第1実施形態で用いた到達性テーブル505bは記憶されておらず、認証情報登録DB505aのみ記憶されている。
【0048】
<AR管理サーバの構成>
AR管理サーバ60は、上述の第1実施形態において用いた到達性テーブル605bを記憶している。
本実施形態におけるAR管理サーバ60は、移動前ARのIPアドレスを問い合わせるリクエストメッセージをAR50から受信すると、当該メッセージに含まれる気付アドレスと到達性テーブル605bに格納された情報とを用いて、移動前ARのIPアドレスを特定し、これをAR50へ送信する機能を有している。
【0049】
(2.動作)
次に本実施形態の動作について説明する。なお、上述の第1実施形態と共通する動作については、その説明を省略する。
<ネットワークの到達性取得動作>
図8は、本実施形態に係るネットワークの到達性取得時におけるAR50a及びAR管理サーバ60の動作を例示するシーケンスチャートである。AR50aは、電源が投入されたとき及び経路情報の更新があったときに、同図に示す処理を開始する。
AR50aは、AR50aに係る到達性、即ち、HD505に記憶されている到達性情報、を含む広告メッセージを、AR管理サーバ60にユニキャストで送信する(ステップS50)。
AR管理サーバ60は、当該広告メッセージを受信すると、その送信元アドレスからメッセージの送信元となるAR50aを特定する。そして、特定したAR50aの送信元アドレス(IPアドレス)と、広告メッセージに含まれる到達性情報とを対応付けて到達性テーブル505bに格納する。次いで、この広告に対する応答を示す確認応答メッセージをAR50aにユニキャストで送信する(ステップS51)。
【0050】
<データパケット受信動作>
次に、AR50aが無線端末10からパケットを受信した場合の動作について図6及び図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係るパケット受信時におけるAR50aおよびAR管理サーバ60の動作を例示するシーケンスチャートである。以下、上述の第1実施形態と異なる動作についてのみ説明する。
AR50aのCPU501は、上述の第1実施形態におけるモビリティチェック処理(図6のステップS24)において、本実施形態においては、以下のように動作する。
図9に示されるように、AR50aのCPU501は、上述のステップS30〜S32と同様のS60〜S62の処理を行い、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドの所定のデータエリアに値(移動前気付アドレス)がセットされていると判定した場合(ステップS62:いいえ)、当該移動前気付アドレスを用いていた移動前ARのIPアドレスを問い合わせるリクエストメッセージをAR管理サーバ60に送信する(ステップS63)。なお、このリクエストメッセージには、当該移動前気付アドレスが含まれている。
【0051】
AR管理サーバ60は、当該メッセージを受信すると、到達性テーブル605bを参照し、当該テーブルに、AR50のIPアドレスと対応付けられて記憶されている到達性情報と、当該メッセージに含まれる移動前気付アドレスとを用いて、上述の第1実施形態と同様にして移動前ARのIPアドレスを特定する。
次いで、AR管理サーバ60は、特定された移動前AR(ここでは、AR50bとする)のIPアドレスを含むレスポンスメッセージをAR50aへ送信する(ステップS64)。
【0052】
一方、AR50aのCPU501は、当該レスポンスメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれるIPアドレスを有するAR(AR50b)に対し、無線端末10の認証情報を有しているか否かを問い合わせるリクエストメッセージをユニキャストで送信する(ステップS65)。
以降の処理の流れは上述の第1実施形態と同様である。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、無線端末10が移動に伴って異なるAR50を介して通信を行う場合であっても、AR50は、無線端末10が行っている通信を一旦中断させて認証処理を行うようなことがない。また、上述の第1実施形態と比較すると、各AR50に係る到達性をAR管理サーバ60で一括して管理するので、各AR50におけるメモリ資源を節約できる。
【0054】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形態で実施することが可能である。なお、変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
【0055】
<変形例1>無線アクセス通信網30にFA(Foreign Agent)(図示せず)を設けるような構成としても良い。このFAは、無線端末10に気付アドレスを割り当てる機能を有している。また、無線端末10の気付アドレス宛のパケットがHA80aから転送されてくると、これを受信し無線端末10に送信する機能を有している。このような構成においては、無線端末50は、無線アクセス通信網30に接続されるため、この無線アクセス通信網30が上述の外部通信網となり、この無線アクセス通信網30内にFA(図示せず)が存在する。このような構成において、FAは、AR50を介してHA80aから転送されてきた、無線端末10宛のパケットを受信する。
また、このような構成において、無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったことを検知する方法としては、無線アクセス通信網30に存在するFAから定期的に広告されるエージェント広告を用いて検知する方法でも良いし、無線端末10自体が無線アクセス通信網30においてエージェント検索を行うことにより検知する方法でも良い。
また、このような構成においては、気付アドレスとして、外部エージェント気付アドレスを用いれば良い。この外部エージェント気付アドレスとは、無線端末10が接続される無線アクセス通信網30に設けられたFAのアドレスである。このような構成において、送受信されるパケットは、この外部気付アドレスによってカプセル化されるようにしても良い。FAは、このようにカプセル化されたパケットをデカプセル化して、当該パケットを本来の宛先へと転送すれば良い。
【0056】
<変形例2>AR50は、事業者通信網40ではなく、無線アクセス通信網30に設けられてもよい。また、無線端末10は、無線LANカードが装着されたPC12や、無線通信機能を有するPDA等であってもよい。
【0057】
<変形例3>各AR50間、各AR50とAR管理サーバ60との間で各メッセージを送受信する際に、MD5等のハッシュ関数や、公開鍵方式や鍵交換プロトコルを利用してもよい。
これにより、各AR50間、各AR50とAR管理サーバ60との間の通信のセキュリティを向上させることができる。
【0058】
<変形例4>なお、本実施形態においてAR50は、ROM502やHD505に記憶されているプログラムに従って、図5〜図9に示した処理を実行するが、このような本発明に係る処理を実行するためのプログラムを通信によりAR50に提供するようにしてもよい。あるいは、このようなプログラムを記憶媒体に記録してAR50に提供するようにしてもよい。
【0059】
<変形例5>上述の各実施形態において、AR50bから認証済みであると通知されてきた場合、AR50aは、認証済みであると通知してきたAR50に対して、この無線端末10の認証情報をAR50bの認証情報登録DB505aから削除するよう指示するメッセージを送信し、該当する認証情報を認証情報登録DB505aから削除させるようにしてもよい。このようにすれば、複数のAR50が同じ無線端末10の認証情報を保持しているような状況をなくすことができるから、各AR50におけるメモリ資源を有効に利用することができるようになる。
【0060】
<変形例6>上述の各実施形態において、HAは、通信網80にあるとしたが、HAは、AR50のうちのいずれかにあっても良いし、基地局20のうちのいずれかにあっても良い。
【0061】
<変形例7>無線端末10は、上述の移動前気付アドレスの保持期間を管理する機能を備えても良い。具体的には、無線端末10は、当該無線端末10が接続される無線アクセス通信網30が変わったこと又は通信が終了したことを検知すると、その直前まで当該無線端末10に対して割り当てられていた気付アドレスを移動前気付アドレスとしてメモリに記憶する。このとき、上記のことを検知したときの現在時刻から、予め定められた時間分だけ先の日時を、当該移動前気付アドレスをメモリから削除する期限(削除期限)として、当該移動前気付アドレスと対応付けて記憶する。そして、削除期限が到来したときには、当該移動前気付アドレスを削除する。
そして、上述の各実施形態と同様にして、無線端末10は登録要求メッセージを送出する際に、以上説明したような移動前気付アドレスをレジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドにセットする。
このような構成により、事業者通信網40において通信中であった無線端末10が通信を終了した場合でも、予め定められた時間内であれば、事業者通信網40において再度通信を開始しても、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドに移動前気付アドレスがセットされるため、無線端末10に対して認証処理がなされることなく認証済の端末であるとしてスムーズに通信を開始させることが可能となる。しかし、予め定められた時間が過ぎると、レジストレーションリクエストメッセージのエクステンションフィールドにセットされる移動前気付アドレスの値は空値となるため、未認証の端末であるとして無線端末10に対して認証処理がなされることとなる。
【0062】
【発明の効果】
移動端末が移動に伴って異なる中継装置を介して通信を行う場合であっても、移動端末の使い勝手を損なうことなく、かつ移動通信網において移動端末から送信されたデータを効率よく中継できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を例示するブロック図である。
【図2】同実施形態に係るARのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【図3】同実施形態に係るARに記憶されている認証情報登録DBのデータ構成を例示する図である。
【図4】同実施形態に係るARに記憶されている到達性テーブルのデータ構成を例示する図である。
【図5】同実施形態に係り、ネットワークの到達性取得時におけるARの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図6】同実施形態に係り、パケット受信時におけるARの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図7】同実施形態に係り、モビリティチェック処理時におけるARの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態同実施形態に係り、ネットワークの到達性取得時におけるAR及びAR管理サーバの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図9】同実施形態に係り、モビリティチェック処理時におけるAR及びAR管理サーバの動作を例示するシーケンスチャートである。
【図10】移動通信網の構成を例示するブロック図である。
【符号の説明】
1……通信システム、10……無線端末、11……携帯電話機、12……PC、20a〜20f……基地局、30a,30b……無線アクセス通信網、40……事業者通信網、50a〜50d……AR、60……AR管理サーバ、70……インターネット、80……他の通信網、501……CPU、502……ROM、503……RAM、504……通信インタフェース、505……HD、505a……認証情報登録DB、505b……到達性テーブル、506……バス。
Claims (15)
- 認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置を複数備える移動通信網における通信制御方法において、
前記中継装置が、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信過程と、
前記中継装置が、前記パケット受信過程にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定過程と、
前記中継装置が、前記判定過程にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継過程とを有する
ことを特徴とする通信制御方法。 - 前記パケット受信過程は、前記移動端末に対して前記他の中継装置の管轄する通信エリアにおいて割り当てられた前記気付アドレスを含むパケットを受信し、
前記中継過程は、前記パケット受信過程にて受信されたパケットに含まれる、前記移動端末に対して前記他の中継装置の管轄する通信エリアにおいて割り当てられた前記気付アドレスと、前記中継装置のうちパケットの中継が可能な中継装置の管轄する通信エリアの通信範囲を特定する到達性情報と、この到達性情報と対応付けられた当該中継装置の通信アドレスとを用いて、前記他の中継装置の通信アドレスを特定することにより、前記他の中継装置を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。 - 前記中継装置が、パケットの中継が可能となったとき又はパケットの中継経路が変更になったときに、前記到達性情報を、前記移動通信網に含まれる1以上の中継装置に対して送信する到達性送信過程を有し、
前記移動通信網に含まれる1以上の各中継装置が、前記到達性送信過程で送信された前記中継装置に関する前記到達性情報を、当該中継装置の通信アドレスと対応付けて記憶する到達性記憶過程を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信制御方法。 - 前記認証情報は、前記移動端末を使用しているユーザが前記移動通信網において既に認証されたユーザであることを示す情報である
ことを特徴とする請求項1記載の通信制御方法。 - 前記中継装置が、前記中継過程にて問い合わせを行った前記他の中継装置から前記認証情報を保持していると通知されてきた場合に、前記認証情報を自装置内に保持するとともに、当該他の中継装置へ前記認証情報の削除を指示する削除指示過程を有し、
前記他の中継装置が、自装置内に保持している前記認証情報を削除する削除過程とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の通信制御方法。 - 認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置を複数備えるとともに、前記複数の中継装置を管理する管理装置を備える移動通信網における通信制御方法において、
前記中継装置が、前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信過程と、
前記中継装置が、前記パケット受信過程にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定過程と、
前記中継装置が、前記判定過程にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他の中継装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他の中継装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継過程とを有する
ことを特徴とする通信制御方法。 - 前記パケット受信過程は、前記移動端末に対して前記他の中継装置の管轄する通信エリアにおいて割り当てられた前記気付アドレスを含むパケットを受信し、
前記管理装置が、前記中継過程にて前記他の中継装置の特定を要求された場合、前記パケット受信過程にて受信されたパケットに含まれる、前記移動端末に対して前記他の中継装置の管轄する通信エリアにおいて割り当てられた前記気付アドレスを取得し、当該気付アドレスと、前記中継装置のうちパケットの中継が可能な中継装置の管轄する通信エリアの通信範囲を特定する到達性情報と、この到達性情報と対応付けられた当該中継装置の通信アドレスとを用いて、前記他の中継装置の通信アドレスを特定し、当該他の中継装置の通信アドレスを前記中継装置へ送信する特定過程を有し、
前記中継過程は、前記特定過程にて送信された前記他の中継装置の通信アドレスを用いて、当該他の中継装置に対して前記移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせる
ことを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。 - 前記中継装置が、データの中継が可能となったとき又はデータの中継経路が変更になったときに、前記到達性情報を、前記管理装置に対して送信する到達性送信過程を有し、
前記管理装置が、前記到達性送信過程で送信された前記中継装置に関する前記到達性情報を、当該中継装置の通信アドレスと対応付けて記憶する到達性記憶過程を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。 - 前記認証情報は、前記移動端末を使用しているユーザが前記移動通信網において既に認証されたユーザであることを示す情報である
ことを特徴とする請求項6記載の通信制御方法。 - 前記中継装置が、前記中継過程にて問い合わせを行った前記他の中継装置から前記認証情報を保持していると通知されてきた場合に、前記認証情報を自装置内に保持するとともに、当該他の中継装置へ前記認証情報の削除を指示する削除指示過程を有し、
前記他の中継装置が、自装置内に保持している前記認証情報を削除する削除過程とを有する
ことを特徴とする請求項6記載の通信制御方法。 - 移動通信網に設けられ、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置において、
前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定手段にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他の中継装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他の中継装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段と
を有することを特徴とする中継装置。 - 移動通信網に設けられ、認証済みの移動端末から送信されたパケットをその宛先へ転送する中継装置において、
前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を自装置内に保持しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信過程にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該中継装置の管轄する通信エリアに他の中継装置の管轄する通信エリアから移動した前記移動端末に対して、当該移動端末が当該中継装置の管轄する通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他の中継装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他の中継装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段と
を有することを特徴とする中継装置。 - コンピュータ装置を、
前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段、
前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を当該コンピュータ装置内に保持しているか否かを判定する判定手段、
前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信手段にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定手段にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに他のコンピュータ装置により管轄される通信エリアから移動してきた前記移動端末に対して、当該移動端末が当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記他のコンピュータ装置を特定し該移動端末の認証情報を保持しているか否かを前記他のコンピュータ装置に問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段
として機能させるためのプログラム。 - コンピュータ装置を、
前記移動端末から送信されたパケットを受信するパケット受信手段、
前記パケット受信手段にて受信されたパケットの送信元アドレスで特定される移動端末が認証済みであることを示す認証情報を当該コンピュータ装置内に保持しているか否かを判定する判定手段、
前記判定手段にて保持していると判定された場合には前記パケット受信手段にて受信されたパケットをその宛先へ転送する一方、前記判定過程にて保持していないと判定された場合には、該パケットが、当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに他のコンピュータ装置により管轄される通信エリアから移動してきた前記移動端末に対して、当該移動端末が当該コンピュータ装置により管轄される通信エリアに在圏している間に当該移動端末に対して割り当てられた通信アドレスを示す気付アドレスの登録を要求する旨のパケットである否かを判定し、該判定の結果が肯定的な場合には前記管理装置へ前記他のコンピュータ装置の特定を要求し、該要求に応じて前記管理装置にて特定された前記他のコンピュータ装置に対して該移動端末の認証情報を保持しているか否かを問い合わせ、該問い合わせの結果が肯定的な場合にのみ該パケットをその宛先へ転送する中継手段
として機能させるためのプログラム。 - 請求項13又は14に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003033655A JP2004247836A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 通信制御方法、中継装置、プログラムおよび記憶媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003033655A JP2004247836A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 通信制御方法、中継装置、プログラムおよび記憶媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004247836A true JP2004247836A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33019571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003033655A Pending JP2004247836A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | 通信制御方法、中継装置、プログラムおよび記憶媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004247836A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123656A1 (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-23 | Ntt Docomo, Inc. | アクセスルータ、サービス制御システム、サービス制御方法 |
-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003033655A patent/JP2004247836A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123656A1 (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-23 | Ntt Docomo, Inc. | アクセスルータ、サービス制御システム、サービス制御方法 |
JP2006319858A (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-24 | Ntt Docomo Inc | アクセスルータ、サービス制御システム、サービス制御方法 |
JP4616074B2 (ja) * | 2005-05-16 | 2011-01-19 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ | アクセスルータ、サービス制御システム、サービス制御方法 |
US8199669B2 (en) | 2005-05-16 | 2012-06-12 | Ntt Docomo, Inc. | Access router, service control system, and service control method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3587984B2 (ja) | 移動通信システム、パケットゲートウェイ装置、位置情報管理方法、および、位置情報通知方法 | |
JP5147982B2 (ja) | 無線ネットワークのためのシームレス・ローミングの方法および装置 | |
JP4616732B2 (ja) | パケット転送装置 | |
JP4071136B2 (ja) | 通信システム、接続装置及び通信方法 | |
EP1574010B1 (en) | Inter-proxy communication protocol for mobile ip | |
JP4034729B2 (ja) | モバイルインターネット通信装置及び方法 | |
US7450544B2 (en) | Apparatus and method for supporting mobility between subnetworks of mobile node in wireless LAN | |
JP4796135B2 (ja) | パケット・データ通信環境におけるハンドオーバを管理するための方法およびネットワーク・ノード | |
US20090279452A1 (en) | Hierarchical mobility management system, access router, anchor node, mobile communication system and route setting method | |
US20060056369A1 (en) | Communication system, server, router, and mobile communications terminal | |
JP5371987B2 (ja) | 移動端末及びネットワークノード | |
JPWO2008099802A1 (ja) | 移動端末管理システム、ネットワーク機器及びそれらに用いる移動端末動作制御方法 | |
JP2006505154A (ja) | モバイルipの動的ホームエージェント割当ての方法及び装置 | |
JP4088540B2 (ja) | パケット通信システム、通信ネットワーク、およびモバイルノードにおけるipアドレス選択方法 | |
JP4522035B2 (ja) | 通信システム及び方法 | |
US20100103876A1 (en) | Mobile terminal and communication management device | |
WO2011153777A1 (zh) | 移动通信控制方法、系统、映射转发服务器及接入路由器 | |
JP5239665B2 (ja) | 無線lanシステムにおけるハンドオーバ方法およびその方法において使用される装置 | |
JPWO2009054127A1 (ja) | 通信システム及び移動端末並びにネットワークノード | |
JP2002271368A (ja) | 移動網における移動端末管理システム | |
JP4175855B2 (ja) | 移動ネットワークおよびその通信管理方法 | |
JP2004135178A (ja) | ハンドオーバプログラム | |
WO2011050679A1 (zh) | 基于Wimax网络架构实现的通信网络及终端接入方法 | |
JP4425757B2 (ja) | モバイルネットワークシステム | |
JP2004247836A (ja) | 通信制御方法、中継装置、プログラムおよび記憶媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050407 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070313 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070904 |