JP2004247564A - ダイヤモンドへのイオン注入法 - Google Patents

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Masataka Hasegawa
雅考 長谷川
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Abstract

【課題】従来の手法は、イオン注入による不純物元素添加によりダイヤモンドに電気伝導性を付与する手法としてある程度有効である。しかし、より低抵抗の試料を作成するために、10倍の濃度をこのプロセスにより達成することは実際には不可能に近い。
【解決手段】本願発明においては、試料を低温に保ちながらイオン注入を行い、それに伴って生成される照射損傷をイオン注入と同時にレーザー光を照射することにより逐次連続的にアニールする方法を提供する。これにより、従来の方法に比べて、非常に簡便にかつダイヤモンドのグラファイト化を避けつつ添加元素の電気的活性化を生じさせることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンド単結晶中に添加元素をイオン注入する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、イオン注入法によりドーピングする際、照射損傷の蓄積が添加元素の電気的活性化を阻む最大の要因となっている。特に、ダイヤモンドの場合、イオン注入に伴う照射損傷の蓄積がダイヤモンドのグラファイトへの相転移(グラファイト化)をもたらすという問題があり、イオン注入による高濃度の不純物元素添加の妨げとなっている。
【0003】
そこで照射損傷の蓄積を最小限に抑制し、グラファイト化を避けるために、試料を液体窒素あるいは液体ヘリウム等により冷却した状態で、非常に少量のイオン注入を行い、照射損傷を回復し添加元素の電気的活性化をはかるため、その場で急速加熱により照射損傷をアニールし、このプロセスを必要な不純物元素濃度に達するまで繰り返すという手法がこれまで行われてきた。
【0004】
非特許文献1には、試料を−97℃に保持した状態で、ホウ素イオンを25〜640keVのエネルギーで、およそ1013/cm注入し、次にイオン注入用のチェンバーの中で(すなわち真空から取り出すことなく)−97℃から+1050℃まで20秒以下で加熱するという一連の過程を数回繰り返すことにより、ある程度照射損傷をアニールした、厚さが750nmであり、均一な濃度(4×1018/cm)のホウ素を添加した層を形成することが可能であると記載されている。また、類似の方法が本願発明者が既に出願した下記特許文献1にも示されている。
【0005】
また、この手法においては、この後さらに1450℃においてアニールすることにより、より良いp形ダイヤモンドを作成することが可能であり、試料を低温に保持するのは、イオン注入により生成される照射損傷がその第一次過程において空孔と格子間原子が生成するが、この格子間原子の熱的な拡散を抑制し、イオン注入領域からの流出を防止するためであり、これにより、それに引き続くその場急速アニールで空孔と格子間原子との再結合を促進することができると記載されている。
【0006】
【非特許文献1】
Appl. Phys. Lett. 68(16), 15 April 1996 「Boron implantation/ in situ annealing procedure for optimal p−type properties of diamond」
【特許文献】
特開2001−230213
【非特許文献2】
Appl. Phys. Lett. 63(15), 11 October 1993, 「Puse laser annealing of P−implanted diamond 」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の手法は、イオン注入による不純物元素添加によりダイヤモンドに電気伝導性を付与する手法としてある程度有効である。しかし、より低抵抗の試料を作成する場合は、このプロセスを多数回繰り返す必要があるが、例えば、上記非特許文献1記載のプロセスにおいては、ほぼ丸一日を要しているが、例えば、10倍の濃度をこのプロセスにより達成することは実際には不可能に近い。
【0008】
またこの手法においては、イオン注入チェンバー内、その場での1050℃、さらにイオン注入後1450℃という高温でのアニールプロセスが電気伝導性の向上の点で有効であるが、一方で、このような高温でのアニールは、ダイヤモンドのごく表面層が金属に非常に近い導電性をもつグラファイトに転じてしまい、半導体として利用するためには、表面のグラファイト層を除去しなければならないという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】照射損傷のアニールは、試料全体を加熱する手法以外に、レーザーを用いてアニールする手法、すなわち、レーザーアニール法がある。レーザーアニール法の特長は、その波長を上手に選択することにより、照射損傷部分以外を加熱することなく照射損傷の部分のみにエネルギーを集中し、照射損傷を非常に効率的にアニールすることが可能であると考えられる。
【0010】
ダイヤモンドの照射損傷は、ダイヤモンド結晶の禁制帯中の価電子帯上端からおよそ2eV上にバンド的な準位を作ると考えられている。
【0011】
したがって、このエネルギーに適合する波長のレーザー光を照射することにより、そのエネルギーを非常に効率的に照射損傷部位に集中し、そのアニールを行うことが可能であると考えられる(図4参照)。
【0012】
ダイヤモンドの場合、4MeVの燐を1×1015/cmイオン注入したダイヤモンド単結晶に532nmの波長を持つNd−YAGレーザーを照射することにより、照射損傷のアニールが促進されることが見出されている(非特許文献2参照)。
【0013】
このレーザーアニール法のさらなる特長は、レーザー光のエネルギーが照射損傷の部分から吸収されるため、照射損傷をアニールするために試料全体を加熱する必要がないということである。
【0014】
この特長を利用して、本出願においては、試料を低温に保ちながらイオン注入を行い、それに伴って生成される照射損傷をイオン注入と同時にレーザー光を照射することにより逐次連続的にアニールする方法を提供する。これにより、従来の方法に比べて、非常に簡便にかつダイヤモンドのグラファイト化を避けつつ添加元素の電気的活性化を生じさせることができる。
【0015】
【実施の態様】イオン注入によって添加する元素は、p形の不純物元素としては、ホウ素(B)、n形の不純物元素としては、燐(P)、窒素(N)、硫黄(S)、珪素(Si)、砒素(As)及びリチウム(Li)等である。
【0016】
イオン注入されるダイヤモンドは、イオン注入用のチェンバー内の試料ホルダーに固定し、イオン注入及びレーザー光照射に先立って液体窒素、液体ヘリウム及びペルチェ素子等により冷却する。その温度は、最も好ましくはー270℃以上―150℃以下、好ましくは、―270℃以上―100℃以下、また、―270℃以上0℃以下であってもよい。
【0017】
イオン注入と同時に、真空チェンバー外に装備したレーザー装置からのレーザー光を真空チェンバーの窓を通して試料に照射する。この際、レーザー光の波長は、157nm以上532nm以下である。イオン注入によるダイヤモンドの照射損傷は、ダイヤモンド結晶の禁制帯中の価電子帯上端からおよそ2eV上にバンド的(かなりのエネルギー幅を持った)準位を作ることが知られており、このエネルギーにうまく適合した波長のレーザー光を照射することにより、そのエネルギーを非常に効率的に照射損傷部位に集中し、アニールを行うことができる。
【0018】
レーザー光は、パルス光が好ましい。レーザー光の強度は、照射損傷を有効にアニールするため、ある程度以上のエネルギー密度が必要となる。繰り返し周波数は、200Hz以上10kHz以下であり、一パルスあたりのエネルギー密度が0.1J/cm以上10J/cm以下であるのが良い。
【0019】
イオン注入の照射線量率は、照射損傷の蓄積を避けるため、好ましくは1×1014/(cm・hr)以上1×1016/(cm・hr)以下、1×1014/(cm・hr)以上1×1017/(cm・hr)以下であってもよい。
【0020】
【比較例】
以下に、まず、従来の方法を説明し、その後、本願発明の実施例を説明する。図1は、従来の方法の工程であり、およそ500nmの厚さで、濃度3×1018/cmのホウ素を添加したp形ダイヤモンド層を形成した場合の説明図である。横軸は、経過時間であり、それぞれのプロセスが行われる時刻が表記されている。(便宜上作業開始時刻を0時とする。)
【0021】
始めに(A)において、イオン注入前の試料冷却を行う。冷却には液体窒素を用い、−170℃まで冷却し、そのまま保持した。
【0022】
次に、(B)において、試料を低温に保持したまま、ホウ素のイオン注入を行った。この際、イオン注入のエネルギーは、40〜400keVの範囲で10段階を選び、合計5×1013/cm注入した。これにより、およそ500nmの厚さで、濃度1×1018/cmのホウ素を添加した層を形成した。この際必要な時間のほとんどはイオン注入のエネルギーを変える際に加速器調整に必要となる時間であり、それぞれのエネルギーにおいて実際に注入に必要な時間は数秒である。
【0023】
次に、(C)においては、イオン注入チェンバー内において試料をその場で急速アニールした。試料ホルダーに設置したタンタル製ヒーターを通電加熱し、−170℃から1200℃まで20秒で一気に昇温し、1200℃で10分保持した。これに引き続き、(C)においては、次のホウ素イオン注入の準備のため試料の冷却を行った。
【0024】
添加したホウ素の濃度を3×1018/cmとするためにさらに(B)−(C)−(B)と繰り返し、(D)において、最後のその場1200℃アニールを行い、試料を取り出すため室温への冷却を行った。
【0025】
以上の工程において必要とした時間は、合計19時間である。この従来の方法では、この後1450℃でアニールし、その際表面に発生したグラファイト層を除去するため、さらに1日を要した。
【0026】
【実施例】次に、図2及び図3に基づいて、本願発明の実施例を説明する。
作成した試料は、同じくおよそ500nmの厚さで、濃度3×1018/cmのホウ素を添加したp形ダイヤモンド層である。
【0027】
まず、図2において、始めの(ア)の工程においては、イオン注入前の試料冷却を行う。冷却には液体窒素を用い、−170℃まで冷却し、そのまま保持した。またこの間にレーザー光の調整を行った。
【0028】
次に、(イ)の工程において、試料を低温に保持したまま、レーザー光照射を行い、それと同時に、ホウ素のイオン注入を行った。この際、イオン注入のエネルギーは、40〜400keVの範囲で10段階を選び、合計1.5×1014/cm注入した。これにより、およそ500nmの厚さで、濃度3×1018/cmのホウ素を添加した層を形成した。この際必要となる時間のほとんどは、イオン注入のエネルギーを変える際に加速器調整に必要となる時間であり、したがって(イ)の工程における所用時間は、図1の従来の手法による(B)の工程とほとんど同じ時間である。
【0029】
最後に、(ウ)の工程において、試料を取り出すため、試料を加熱し、−170℃から室温に戻した。
【0030】
以上の工程において、必要となった時間は、合計6時間である。さらに本願発明の方法においては、従来のように、1450℃においてアニールしたり、その際発生する表面のグラファイト層を除去する必要はない。
【0031】
また、この10倍の濃度のホウ素を添加する場合においても、(イ)の工程においてさらに必要となる時間は、およそ1時間程度であり、本願発明の方法が従来の方法に比べて非常に有効であり簡便であることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本願発明においては、試料を冷却してイオン注入を行い、それに引き続いて1000℃に加熱してアニールし、また冷却して、このプロセスを繰り返すという手間がなくなり、これまで実質的に不可能であった高濃度のイオン注入プロセスが可能となる。
【0033】
また、本願発明においては、レーザー光のエネルギーは、照射損傷の部分において吸収され、同時に試料自身は冷却されているため、照射損傷を受けていない部分は、照射損傷の部分ほど加熱されることがない。したがって、従来の1000℃以上でのアニールにおいて問題となったダイヤモンドのグラファイト化を避けることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の方法の工程の概略図
【図2】本願発明に係る工程の概略図
【図3】本願発明に係る方法を実施する装置の概念図
【図4】イオン注入による照射損傷が作る準位の説明図

Claims (5)

  1. ダイヤモンド単結晶中に添加元素をイオン注入する方法において、該単結晶をー270℃以上0℃以下に保持し、イオン注入と同時にレーザー光を照射することを特徴とするイオン注入法。
  2. 請求項1記載のイオン注入法において、上記レーザー光の波長は、157nm以上532nm以下であることを特徴とするイオン注入法。
  3. 請求項1記載のイオン注入法において、上記レーザー光は、繰り返し周波数が200Hz以上10kHz以下のパルス光であることを特徴とするイオン注入法。
  4. 請求項1記載のイオン注入法において、上記レーザー光の強度は、一パルスあたり0.1J/cm以上10J/cm以下であることを特徴とするイオン注入法。
  5. 請求項1記載のイオン注入法において、上記イオン注入の照射線量率は、1×1014/(cm・hr)以上、1×1017/(cm・hr)以下であることを特徴とするイオン注入法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006237179A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ダイヤモンドのオーム性接合部の形成方法

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