JP2004247349A - 位置計測装置及び方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

位置計測装置及び方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズの影響を受けにくく高い精度をもって計測対象としてのマークが合焦位置に配置されているか否かを計測することができる位置計測装置を提供する。
【解決手段】ウェハWに形成された位置計測用のマークAMを撮像素子で撮像して得られる画像信号から、所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出し、この抽出した高周波信号の各周波数成分の二乗和を算出し、二乗和がピークとなる位置をもってマークAMが位置計測装置の合焦位置に配置されたと計測する。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハ若しくはガラスプレート又はマスク若しくはレチクル等の物体に形成されたマークの位置情報を計測する位置計測装置及び方法、当該位置計測装置及び方法によって得られたマークの位置情報を用いて物体の位置合わせ(アライメント)を行い、マスク若しくはレチクルに形成されたパターンをウェハ若しくはガラスプレート上に転写する露光装置、並びに当該露光装置を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示素子、その他のデバイスの製造においては、露光装置を用いてマスクやレチクル(以下、これらを総称する場合はマスクという)に形成された微細なパターンの像をフォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体ウェハ又はガラスプレート等の基板上に投影露光することが繰り返し行われる。露光装置は、マスク及び基板に形成されたマークの位置情報を計測し、これらの計測結果からマスクと基板との相対的な位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を補正することで投影されるパターン像と既に基板上に形成されているパターンとの位置合わせを精確に行っている。近年においては、パターンの微細化の要求が高まっており、重ね合わせ精度の向上が益々厳しくなっている。重ね合わせ精度を向上させるためには、まずマスク及び基板に形成されたマークの計測精度を高める必要がある。
【0003】
マスクに形成されたマークの位置情報を計測するアライメントセンサは、基板を露光する際に用いる露光光をマークに照射して位置情報を計測するものが一般的である。このアライメントセンサとしては、例えばVRA(Visual Reticle Alignment)方式を用いたものがある。VRA方式は、基板がステージ上に搬送される前に、露光光をマスク上に形成されたマークに照射して得られる光学像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で画像信号に変換し、この画像信号に対して画像処理を施してマークの位置情報を検出するものである。
【0004】
また、基板に形成されたマークの位置情報を計測するアライメントセンサは、デバイスの製造過程において測定対象である基板の表面状態(荒れ程度)が変化するため、単一種類のアライメントセンサによって基板の位置情報を正確に検出することは困難なことが多いため、一般的には異なる方式のアライメントセンサが複数設けられる。これらの主なものとしては、LSA(Laser Step Alignment)方式、FIA(Field Image Alignment)方式、LIA(Laser Interferometric Alignment)方式のものがある。
【0005】
これらの方式のアライメントセンサを概説すると以下の通りである。つまり、LSA方式のアライメントセンサは、レーザ光を基板に形成されたマークに照射し、回折・散乱された光を利用してそのマークの位置情報を計測するものであり、従来から種々の半導体素子を製造する際に幅広く使用されている。FIA方式のアライメントセンサは、ハロゲンランプ等の波長帯域幅の広い光源を用いてマークを照明し、その結果得られたマークの像を撮像素子で画像信号に変換した後、画像処理して位置計測を行うものであり、アルミニウム層や基板表面に形成された非対称なマークの計測に効果的である。LIA方式のアライメントセンサは、基板表面に形成された回折格子状のマークに、僅かに波長が異なるレーザ光を2方向から照射し、その結果生ずる2つの回折光を干渉させ、この干渉光の位相からマークの位置情報を検出するものである。このLIA方式の基板位置情報検出装置は、低段差のマークや基板表面の荒れが大きい基板に用いると効果的である。
【0006】
また、以上の各方式のアライメントセンサは、投影光学系を介してマークの位置情報を計測するか否かによりTTL(スルー・ザ・レンズ)方式とオフ・アクシス方式とに分類される。以上説明した各方式のアライメントセンサの詳細については、例えば以下の特許文献1及び特許文献2を参照されたい。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−289871号公報
【特許文献2】
特開平5−217835号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した各種アライメントセンサのうち、マークの像の画像信号を得て画像処理を施すことによりマークの位置情報を計測するVRA方式及びFIA方式のアライメントセンサにおいては、マークがセンサの焦点位置からデフォーカスしている状態で位置情報の計測を行うと、その計測結果が実際のマークの位置からは大きくずれたものとなる場合がある。これは、例えばアライメントセンサが備える光学系の残存収差又はテレセントリシティの僅かな崩れが原因でマークの像が横方向(基板の面内方向)にシフトするためである。よって、高い精度でマークの位置情報を計測するためには、マークをセンサの焦点位置に精確に配置する必要がある。
【0009】
計測対象のマークがセンサの焦点位置に配置されているか否かを計測する方法の1つとして、垂直方向(基板の表面に垂直な方向)における基板の位置を可変させつつマークの画像信号のコントラストを計測し、コントラストが最大となる位置をもってマークがセンサの焦点位置に配置されていると判断する方法がある。しかしながらこの方法では、マークが幅広のマーク要素(マークがライン・アンド・スペースパターンである場合には、マーク又はスペース)から構成されている場合には、マークが焦点位置に配置されているときに得られるコントラストとデフォーカスしているときに得られるコントラストとはさほど変わらないため計測精度が悪い。
【0010】
計測精度を高める方法として、画像信号を微分して得られる信号を用いた方法がある。図14は、画像信号を微分した信号を用いてマークがセンサの焦点位置に配置されているか否かを計測する従来の方法を説明するための図である。図14においては、マーク(ライン・アンド・スペースマーク)AM0の上面図及び断面図を図示している。また、図14中の符号SG0を付した曲線はマークAM0を撮像して得られる画像信号の一例を示しており、符号SG1を付した曲線は画像信号SG0を微分して得られる信号の絶対値を示している。
【0011】
図14を参照すると、画像信号SG0はマークAM0をなす各マーク要素の端部(エッジ部)EGにおいて信号強度が急激に変化するため、画像信号SG0を微分して得られる信号SG1は各端部EGの位置おいてピークが現れる信号となる。信号SG1のピーク値c1は、画像信号SG0の信号の傾き(変化率)、即ちシャープさを示すものである。このため、垂直方向における基板の位置又はマーク像検出系内におけるマーク像の結像位置を変化させつつ信号SG1のピーク値c1を計測し、このピーク値c1が最大となる位置、即ち画像信号が最もシャープとなる位置をもってマークがセンサの焦点位置に配置されたと判断する。この方法では、画像信号のシャープさを評価しているため、上述した幅広のマーク要素からなるマークを用いた場合であっても高い精度をもってマークがセンサの焦点位置に配置されているか否かを計測することができる。
【0012】
しかしながら、上述した画像信号SG0を微分した信号SG1を用いる方法では、マークがセンサの焦点位置に配置されているか否か、即ち画像信号SG0がシャープであるか否かを、端部EGにおけるピーク値c1の大小のみをもって判断している。マークAM0全体に対して端部EGが占める割合は極めて小さいため、ピークにノイズが乗った場合には計測誤差が生じやすい傾向がある。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ノイズの影響を受けにくく高い精度をもって計測対象としてのマークが合焦位置に配置されているか否かを計測することができる位置計測装置及び方法、当該位置計測装置を備える露光装置、並びに当該露光装置を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の位置計測装置は、物体(R、W、10)上に形成されたマーク(RM、AM)の、所定の計測方向(X、Y)における位置情報を計測する位置計測装置(6A、6B、16)であって、前記マークを含む被照射領域に対して検知光(EL1、DL)を照射する照射部(20A,20B、41〜46)と、前記検知光の照射により前記被照射領域から得られる光を結像光学系(23、45、46、48、49)を介して受光して、前記被照射領域の画像に対応する画像信号(VS1、VS2)を出力する受光部(25、50)と、前記画像信号から、所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出する抽出部(72)と、前記抽出された高周波信号に基づいて、前記結像光学系を介した前記画像の結像位置に関する結像位置情報を求める演算部(75)とを有することを特徴としている。
この発明は、物体が位置計測装置の焦点位置に配置されている状態においては、受光部に最良の状態で被照射領域の画像が結像するため、受光部から出力される画像信号には高い周波数成分を多く含むシャープな画像信号が得られる。これに対し、物体がデフォーカスしている状態では、高い高周波成分が少なくなり鈍った画像信号が得られる。本発明はこの事象に着目し、マークを含む被照射領域の画像を画像信号に変換し、画像信号から所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出し、この高周波信号に基づいて上記画像の結像位置に関する結像位置情報を求めるようにしている。本発明は、物体が位置計測装置の焦点位置に配置されているか否かの評価基準として画像信号から抽出した高周波信号に基づいた結像位置情報を用いているため、被照射領域の全体に亘るシャープさが対象となる。よって、従来のように被照射領域の1点又は数点における信号のピーク値を評価基準とする場合に比べてノイズの影響を受けにくく、しかも高い精度をもって計測対象としてのマークが合焦位置に配置されているか否かを計測することができる。
本発明の露光方法は、物体(R、W、10)上に形成されたマーク(AM)の、所定の計測方向(X、Y)における位置情報を計測する位置計測方法であって、結像光学系(23、45、46、48、49)を介して前記マークを撮像して画像信号(VS1、VS2)を出力する工程(S12)と、前記画像信号から、所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出する工程(S13)と、前記抽出された高周波信号に基づいて、前記結像光学系を介した前記画像の結像位置に関する結像位置情報を求める演算工程(S14、S17)とを含むことを特徴としている。
本発明の露光装置は、マスク(R)上に形成されたデバイスパターンを基板(W)上に露光転写する露光装置であって、上記の位置計測装置を用いて前記基板上に形成されたマーク(Mxi,Myi)の前記所定の計測方向(X、Y)におけるマーク位置情報を計測し、前記計測されたマーク位置情報に基づいて前記基板を位置決めした後に、前記デバイスパターンを前記基板上に露光することを特徴としている。
本発明のデバイス製造方法は、上記の露光装置を用いて前記デバイスパターンを前記基板(W)に転写する露光工程(S36)と、転写された前記基板を現像する現像工程(S37)とを含むことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による位置計測装置及び方法、露光装置、並びにデバイス製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による位置計測装置を備える本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。尚、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態においては、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置を例に挙げて説明する。
【0016】
図1において、1は照明光学系の一部をなすコンデンサレンズである。照明光学系は例えば超高圧水銀ランプ又はエキシマレーザ等の光源(図示省略)が設けられており、この光源から射出された露光光ELはコンデンサレンズ1を介してマスクとしてのレチクルRに形成されたパターン領域PAを均一な照度分布で照射する。露光光ELとしては、例えばg線(436nm)やi線(365nm)、又はKrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、若しくはFエキシマレーザ(157nm)から射出される光が用いられる。
【0017】
レチクルRは、モータ2によって投影光学系PLの光軸AXの方向に微動可能で、且つその光軸AXに垂直な面内で2次元移動及び微小回転可能なレチクルステージ3上に吸着保持されている。尚、レチクルRは不図示のレチクル交換器により適宜交換されて使用される。レチクルステージ3の端部にはレーザ干渉計4からのレーザビームを反射する移動鏡5が固定されており、レチクルステージ3の2次元的な位置はレーザ干渉計4によって、例えば1nm程度の分解能で常時検出されている。レチクルRの上方にはレチクル・アライメントセンサ6A,6Bが配置されている。
【0018】
レチクル・アライメントセンサ6A,6Bは、レチクルRの外周付近に形成された位置検出用のレチクルマークRMと投影光学系PLを介して後述するウェハステージ9上に形成された基準部材10又はウェハステージ9上に載置されたウェハWに形成されたマークとを同時に観察し、レチクルRとウェハステージ9との相対的な位置関係又はレチクルRとウェハWとのX方向又はY方向(所定の計測方向)における相対的な位置関係を直接的に計測(観察)する。
【0019】
レチクル・アライメントセンサ6A,6Bの計測結果は後述する主制御系15へ出力され、画像処理、演算処理、フィルタリング処理等の処理が施されてレチクルRとウェハステージ9又はウェハWとの相対的な位置ずれ量が求められる。そして、この位置ずれ量に応じて主制御系15がモータ2を駆動してレチクルステージ3を微動させることで、レチクルRに形成されたパターン領域PAの中心点が光軸AXと一致するように位置決めされる。このレチクル・アライメントセンサ6A,6Bは、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のアライメントセンサの一種であるTTR(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメントセンサであって、レチクルマークRM等の画像信号から位置情報を計測するVRA方式のアライメントセンサであり、その詳細については後述する。尚、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bは、本発明の一実施形態による位置計測装置の一部をなすものである。
【0020】
上記レチクルRのパターン領域PAを透過した露光光ELは、例えば両側(片側でも良い。)テレセントリックな投影光学系PLに入射して基板としてのウェハW上の各ショット領域に投影される。ここで、投影光学系PLは、露光光ELの波長に関して最良に収差補正されており、その波長のもとでレチクルRとウェハWとは互いに光学的に共役になっている。また、照明光ELは、ケラー照明であり、投影光学系PLの瞳(図示省略)の中心に光源像として結像されている。尚、投影光学系PLは複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ELの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択され、その投影倍率は、例えば1/4又は1/5に設定されている。このため、露光光ELによりレチクルR上の照明領域が照明されると、そのレチクルRのパターン面に形成されたパターンの像が投影光学系PLによってウェハW上に縮小投影され、表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布されたウェハW上の一つのショット領域にレチクルRの回路パターンの縮小像が転写される。
【0021】
ウェハWはウェハホルダ8を介してウェハステージ9上に吸着保持されている。ウェハホルダ8上には、レチクルRの位置計測及びベースライン計測等で使用する基準部材10が設けられている。ここで、ベースラインとは、例えばレチクルRのパターン領域PAに形成されたパターンの投影光学系PLによる投影像の中心位置と後述するウェハ・アライメントセンサ16の計測視野中心との距離をいう。基準部材10には基準マークとして、例えば光透過性の5組のL字状パターンから成るスリットパターンと、光反射性のクロムで形成された2組の基準パターン(デューティ比は1:1)とが設けられている。
【0022】
一方の組の基準パターンは、例えばY方向に配列された7個のドットマークをX軸方向に3列配列してなる回折格子マークと、3本の直線パターンをX軸方向に配列してなる回折格子マークと、Y方向に延びた12本のバーマークとを、X軸方向に配列したものである。他方の組の基準パターンは、例えばその一方の組の基準パターンを90°回転したものである。
【0023】
ウェハステージ9は、投影光学系PLの光軸AXに垂直な面内でウェハWを2次元的に位置決めするXYステージ、投影光学系PLの光軸AXに平行な方向(Z方向)にウェハWを位置決めするZステージ、ウェハWを微小回転させるステージ、及びZ軸に対する角度を変化させてXY平面に対するウェハWの傾きを調整するステージ等より構成されている。ウェハステージ9の上面の一端にはL字型の移動鏡11が取り付けられ、移動鏡11の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計12が配置されている。
【0024】
図1では簡略化して図示しているが、移動鏡11はX軸に垂直な反射面を有する平面鏡及びY軸に垂直な反射面を有する平面鏡より構成されている。また、レーザ干渉計12は、X軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、ウェハステージ9のX座標及びY座標が計測される。また、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、ウェハステージ9のXY平面内における回転角が計測される。
【0025】
ウェハステージ9の2次元的な座標は、レーザ干渉計12によって例えば1nm程度の分解能で常時検出されており、X軸方向及びY軸方向の座標によりウェハステージ9のステージ座標系(静止座標系)(X,Y)が定められる。即ち、レーザ干渉計12により計測されるウェハステージ9の座標値が、ステージ座標系(X,Y)上の座標値である。レーザ干渉計12により計測されたX座標、Y座標、及び回転角を示す位置計測信号PDSは主制御系15に出力される。
【0026】
主制御系15は、供給された位置計測信号PDSをモニタしつつ、ウェハステージ9の位置を制御する制御信号をモータ13へ出力する。このような閉ループの制御系により、例えばウェハステージ9はウェハW上の1つのショット領域に対するレチクルRのパターンの転写露光が終了すると、次のショット位置までステッピングされる。また、主制御系15は図示しない照明光学系に設けられる光源から露光光ELを射出するか否か、露光光ELを射出する場合の露光光ELの強度等の制御を行う。尚、主制御系15の構成についての詳細な説明は後述する。
【0027】
また、本実施形態の露光装置は、投影光学系PLの結像特性を調整するための結像特性補正部14が設けられている。この結像特性補正部14は、投影光学系PLを構成する一部のレンズエレメント、特にレチクルRに近い複数のレンズエレメントの各々を、ピエゾ素子等の圧電素子を用いて独立に駆動(光軸AXに対して平行な方向の移動又は傾斜)することで、投影光学系PLの結像特性、例えば投影倍率やディストーションを補正するものである。
【0028】
また、本実施形態の露光装置は、オフ・アクシス方式のウェハ・アライメントセンサ16を投影光学系PLの側方に備える。このウェハ・アライメントセンサは16、本発明の位置計測装置の一部をなすものであり、ウェハWに形成されたマークのX方向及びY方向(所定の計測方向)における位置情報を計測するために用いられる。ウェハ・アライメントセンサ16の計測結果を上述したベースラインの計測結果で補正することにより、ステージ座標系(X,Y)におけるマークの位置情報を得ることができる。尚、ウェハ・アライメントセンサ16の詳細については後述する。
【0029】
更に、本実施形態の露光装置は、投影光学系PLの側面にウェハWのZ軸方向の位置及びXY平面に対する傾斜量を計測するための斜入射方式の多点のメインフォーカスセンサ17が設置されている。このメインフォーカスセンサ17は、ウェハW上においてレチクルRの像が投影される露光領域内の予め設定された複数の計測点にスリット像を投影する照射光学系18と、それらスリット像からの反射光を受光してそれらスリット像を再結像し、これら再結像されたスリット像の横ずれ量に対応する複数のフォーカス信号を生成する集光光学系19とから構成され、それら複数のフォーカス信号が主制御系15に供給されている。そして、主制御系15が集光光学系19から出力されるフォーカス信号に基づいて常に投影光学系PLの最良結像面にウェハWの表面が位置するようにモータ13を介してウェハステージ9を制御する。
【0030】
尚、本実施形態では不図示であるが、ウェハステージ9のZ方向の位置を測定する手段として、前述したメインフォーカスセンサ17に限らず、Z方向干渉計を用いても良い。Z方向計測用干渉計としては、投影光学系PLの鏡筒側に固定鏡を設け、ウェハステージ9上に移動鏡を設け、これらにより、その固定鏡(投影光学系PLの鏡筒)を基準としてウェハステージ9のZ方向位置を求めるようにすれば良い。
【0031】
以上、本発明の露光装置の全体構成について概説したが、次に本発明の位置計測装置の一部をなすレチクル・アライメントセンサ6A,6B及びウェハ・アライメントセンサ16の詳細について順に説明する。図2は、レチクル・アライメントセンサ6Aの構成例を示す構成図である。尚、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bは同様の構成であるため、以下では主にレチクル・アライメントセンサ6Aについて詳細に説明する。
【0032】
レチクル・アライメントセンサ6Aは、プリズム20A、ハーフミラー21A、及び観察光学系22Aを含んで構成される。レチクル・アライメントセンサ6Aはケースにより一体化され、不図示の駆動装置によって図1中の符号A,A′を付した方向に移動自在に構成されている。レチクルRのアライメントを行なう際には、主制御系15は不図示の駆動装置を介してレチクル・アライメントセンサ6Aを符号Aを付した方向に駆動して図1に示した位置に位置決めし、レチクルアライメントが終了すると、露光の際に邪魔にならないように、符号A′を付した方向に駆動して所定の退避位置に退避させる。
【0033】
レチクル・アライメントセンサ6Bは、同様に、プリズム20B、ハーフミラー21B、及び不図示の観察光学系を含んでケースにより一体化され、不図示の駆動装置によって図1中の符号B,B′を付した方向に移動自在に構成されている。そして、このレチクル・アライメントセンサ6Bも、同様に主制御系15により、後述するレチクルアライメントを行なう際に、図1に示される位置に位置決めされ、レチクルアライメントが終了すると、所定の退避位置に退避されるように構成されている。尚、上記プリズム20A,20Bは、本発明の照射部に相当するものである。
【0034】
図2に示すように、プリズム20Aは、露光光ELをレチクルR上のレチクルマークRM上に導くためのものである。レチクルマークRMはパターン領域PAの外側に設けられており、この部分は通常は照明する必要の無い部分であるため、照明光学系の負荷、照度の無駄を無くすため、通常照明領域より露光光ELの一部の光束(以下、この光束を便宜上、露光光EL1という)を導くようにしたものである。尚、この露光光EL1は本発明にいう検知光に相当するものである。
【0035】
露光光EL1の光路上に、ハーフミラー21Aが配置されており、プリズム20Aにより導かれた露光光EL1はハーフミラー21Aを介してレチクルマークRM1を照明するとともに、レチクルR及び投影光学系PLを介して、例えば基準部材10に形成された基準マークを照明する。レチクルマークRMからの反射光及び基準部材10からの反射光は、ハーフミラー21Aでそれぞれ反射されて観察光学系22Aに入射する。
【0036】
観察光学系22Aは、結像光学系23、ハーフミラー24、CCDセンサ25、焦点位置検出用の光ファイバ26、スリット板27、ハーフミラー28、瞳遮光板30、及びCCDセンサ31を含んで構成されている。これらの部材のうち、結像光学系23、ハーフミラー24、及び受光部としてのCCDセンサ25により、レチクルマークRM及び基準部材10に形成された基準マーク等の像を検出するための検出光学系が構成されている。
【0037】
つまり、前述したように、ハーフミラー21Aでそれぞれ反射されたレチクルマークRM、基準部材10からの反射光は、ハーフミラー24を透過して結像光学系23の最良結像面(焦点位置)にそれぞれ結像される。この場合、レチクルRのパターン形成面と基準部材10の上面とは光学的に共役関係となるよう設定されている。
【0038】
このため、レチクルRのパターン形成面とCCDセンサ25の受光面とが光学的に共役であれば、CCDセンサ25の受光面にレチクルマークRM及び基準部材10に形成された基準マークの像が最良の結像状態でそれぞれ結像し、CCDセンサ25からはレチクルマークRM及び基準部材10に形成された基準マークの画像信号VS1が出力される。従って、主制御系15がCCDセンサ25から出力される画像信号VS1に対して画像処理、演算処理、フィルタリング処理等の処理を行えば、レチクルマークRMと基準部材10に形成された基準マークとの相対位置を求めることができる。尚、本実施形態では、上記結像光学系23として、焦点距離を可変とできる光学系、即ち所謂内焦式の光学系が用いられている。
【0039】
また、観察光学系22Aを構成する部材のうち、焦点位置検出用の光として露光光源から分岐した光を導く光ファイバ26、スリット板27、ハーフミラー28、瞳遮光板30、及びCCDセンサ31によって、結像光学系23の焦点ずれを検出する焦点位置検出系が構成されている。
【0040】
スリット板27には、所定形状の開口(スリット)が形成されている。光ファイバ26から射出された検出光ILがスリット板27を照明すると、スリット板27のスリットを透過した検出光ILは、ハーフミラー28,24で順次反射され、結像光学系23を通過した後、ハーフミラー21AによりレチクルRのパターン面を落射照明する。これにより、レチクルRのパターン形成面にスリット板27のスリット像が結像される。このスリット像が結像される領域は本発明にいう被照射領域に相当する。
【0041】
このスリット像の反射光は検出光ILと同じ光路を逆向きに戻り、ハーフミラー24で反射された後、ハーフミラー28を透過し、瞳遮光板30に至る。この瞳遮光板30は、例えば焦点位置検出系の瞳面に配置され、瞳面の図2における左半分を遮光する半円状のものである。この瞳遮光板30を通過したスリット像の反射光は強制的に傾斜させられた後、CCDセンサ31上にスリット像を再結像する。
【0042】
以上のように、CCDセンサ31の受光面には、その光軸が傾斜した光束が入射するため、例えばレチクルRの厚さ変化等の要因により結像光学系23の焦点位置がずれて、レチクルRのパターン形成面とCCDセンサ25の受光面との共役関係が維持できなくなると、CCDセンサ31上におけるスリット像の結像位置がずれる。従って、CCDセンサ31からの合焦用信号FS1に基づいて主制御系15が結像光学系23の焦点ずれを測定し、結像光学系23内部の不図示のレンズ群を駆動することで結像光学系23の焦点をレチクルパターン面とCCDセンサ25の受光面とに合わせることができることができるようになっている。
【0043】
この場合、主制御系15は、CCDセンサ31上でのスリット像の結像位置が常に一定になるように、結像光学系23内部のレンズ群を駆動することにより、常にCCDセンサ25に焦点位置を一致させる。CCDセンサ25上でのスリット像結像位置の目標値は、以下の方法を用いて予め求めておく。つまり、結像光学系23のレンズ群を駆動して結像光学系23の焦点位置を可変させつつCCDセンサ25から出力される画像信号VS1を取得し、各々の画像信号VS1について所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号の大きさを求め、この高周波信号の大きさが最大となるときのスリット像の結像位置(換言すれば、結像光学系23の、該結像光学系23の光軸方向における位置)を目標値とする。
【0044】
このように、本実施形態においては、レチクルマークRM等の像を検出するための検出光学系の一部をなすCCDセンサ25の画像信号VS1の高周波成分に着目し、その大きさが最大となるときに結像光学系23の焦点がレチクルパターン面とCCDセンサ25の受光面に合った状態としている。これは、結像光学系23の焦点がレチクルパターン面とCCDセンサ25の受光面とに合っている状態では、高周波成分が多く含まれるシャープな画像信号VS1が得られ、焦点がずれるに従って高周波成分が少なくなって画像信号VS1が鈍る事象に着目したものである。尚、高周波信号の抽出方法等の詳細については後述する。
【0045】
次に、ウェハ・アライメントセンサ16について詳細に説明する。図3は、ウェハ・アライメントセンサ16の構成例を示す構成図である。尚、図3に示すウェハ・アライメントセンサ16は、FIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサである。ウェハ・アライメントセンサ16は、所定の広帯域波長(ブロードバンドな)の光束を検知ビームDLとして射出する光源41(例えば、ハロゲンランプ)を備える。この光源41はウェハWに形成されたマークAMの観察用及び合焦用(焦点合わせ)に共用される。尚、検知ビームDLは本発明にいう検知光に相当する。
【0046】
光源41の光路上にはコンデンサレンズ42、視野絞り43、照明リレーレンズ44、及びビームスプリッタ45が順に配置されている。視野絞り43は、図3中に示すように、主開口K1及び副開口K2,K3を有する。主開口K1は略正方形状に形成され、視野絞り43の中央部に配置されており、その中心がコンデンサレンズ42及び照明リレーレンズ44の光軸とほぼ一致するように光路中に挿入されている。
【0047】
副開口K2,K3は細長い矩形スリット状に形成され、その長手方向の辺が主開口K1の対向する2つの辺に対して所定の角度(例えば5°)傾いた状態で主開口K1の近傍位置に配置されている。そして、主開口K1の辺と直交し、且つ副開口K2,K3の長手方向と略直交する方向(傾いていない状態で直交する方向)が、後述するフォーカスの計測方向となる。以下の説明中では、副開口K2,K3の略長手方向を非計測方向と呼ぶ。また、フォーカスの計測方向は、種々の方向に設定することが可能であるが、本実施形態ではウェハWの表面のパターンの基準線の方向(X方向又はY方向)に合わせているものとする。
【0048】
照明リレーレンズ44を介した光源41からの検知ビームDLがビームスプリッタ45において反射される方向、図3ではビームスプリッタ45から下方に進む光路上には、第1対物レンズ46が配置されている。この光路の先にはウェハWを載置するためのウェハステージ9が配置されることになる。
【0049】
ウェハWの表面が基準面F1に一致するように位置決めされた状態では、ウェハWの表面は、視野絞り43と光学的に共役の関係となる。ウェハW上には位置検出用のマークAMが形成されており、このマークAMが図3に示すようにウェハ・アライメントセンサ16の計測視野内に配置されると、マークAMは検知ビームDLにより落射照明される。尚、ウェハステージ9上において検知ビームDLが落射照明される領域は、本発明にいう被照射領域に相当する。
【0050】
また、第1対物レンズ46の光軸に沿って、ビームスプリッタ45の反射面を透過する方向、図では上方向への光路上には、第2対物レンズ48、ビームスプリッタ49、遮光板51、第1リレーレンズ52、及び瞳分割用反射型プリズム53が順に配置されている。遮光板51は基準面F1と光学的に共役な面F2に配置されており、ウェハWの表面で反射され、第1対物レズ46、ビームスプリッタ45、第2対物レンズ48、及びビームスプリッタ49を順に通過した光の一部を遮光する。尚、遮光板51の詳細については後述する。
【0051】
瞳分割用反射型プリズム53は、第1リレーレンズ52を介して入射する光束を複数の光束に分割(本実施形態では2本の光束に分割)する光束分割部材であって、光源41と共役な位置又はその近傍に配置される。ここで、瞳分割用反射型プリズム53は、2面が180度に近い鈍角で山型に形成されたプリズムの、その2面を反射面に仕上げた光学部材である。本実施形態では、この2面の交線(山の稜線)が第1リレーレンズ52の光軸と交差し、その光軸をほぼ90度折り曲げるように傾けて配置されている。
【0052】
第1リレーレンズ52を介して瞳分割用反射型プリズム53に入射した検知ビームDLは、ここで図中右方へ分割反射される。この右方への光路上には、瞳分割用反射型プリズム53に続いて第2リレーレンズ54、円柱光学系である円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)55、及びAF(オートフォーカス)センサ56が順次配置される。ここで円柱光学系とは、前後の面が、互いに平行な母線を有する円柱面であるレンズである。前後の面の一方が平面であってもよい。この場合、具体的には円柱面の母線と直角の方向には屈折力があるが母線方向の屈折力はゼロである。本実施形態では、円柱レンズ55はその母線がフォーカスの計測方向にほぼ一致するように配置される。また、本明細書では、直交する2方向で屈折力が異なるレンズ、トーリックレンズを含む概念とする。
【0053】
AFセンサ56は、面F2と光学的に共役又はその近傍の位置である第1撮像面V1に配置され、第1撮像面V1上に結像される像の位置関係を検出して合焦用信号FS2を出力する。また、第1対物レンズ46、ビームスプリッタ45、及び第2対物レンズ48を順に介した光束がビームスプリッタ49によって反射される方向、図3中では左方向の光路上には基準面F1と光学的に設定された第2撮像面V2にCCD撮像素子等の撮像素子50の受光面が配置される。撮像素子50は第2撮像面V2上に結像される像を画像信号VS2に変換して出力する。上記AFセンサ56からの合焦用信号FS2及び撮像素子50からの画像信号VS2は主制御系15に出力される。
【0054】
尚、上記光源41、コンデンサレンズ42、視野絞り43、照明リレーレンズ44、ビームスプリッタ45、及び第1対物レンズ46は本発明にいう照射部に相当し、第1対物レンズ46、ビームスプリッタ45、第2対物レンズ48、及びビームスプリッタ49は本発明にいう結像光学系に相当し、撮像素子50は本発明にいう受光部に相当する。
【0055】
以下、図3を参照して上記の構成におけるウェハ・アライメントセンサ16の動作について説明する。光源41から射出した検知ビームDLがコンデンサレンズ42によって集光され、主開口K1及び副開口K2,K3を有する視野絞り43を均一に照明する。視野絞り43の主開口K1及び副開口K2,K3を通過した光束は、照明リレーレンズ44によってコリメートされ、ビームスプリッタ45で反射される。
【0056】
この反射された光束は、第1対物レンズ46によって集光され、ウェハステージ9上に載置されたウェハWの表面に垂直に照射される。ウェハWの表面が基準面F1に配置されているときには、ウェハWの表面と視野絞り43とは光学的に共役の関係となるため、主開口K1及び副開口K2,K3の像は照明リレーレンズ44及び第1対物レンズ46を介してウェハWの表面に結像される。
【0057】
ここで、ウェハWの表面に結像された主開口K1の像からの反射光束をL1、副開口K2の像からの光束をL2、副開口K3の像からの光束をL3とする。これらの光束L1〜L3は第1対物レンズ46によってコリメートされ、ビームスプリッタ45を透過し、第2対物レンズ48によって再び集光され、ビームスプリッタ49によって透過及び反射分岐される。
【0058】
反射分岐された光束のうち、光束L1は集束されて撮像素子50の受光面にマークAMの像が結像される。撮像素子50は受光面に結像したマークAMの像を光電変換して画像信号VS2を出力する。一方、ビームスプリッタ49において透過分岐された光束L1〜L3は、第1対物レンズ46及び第2対物レンズ48の結像作用によって、ウェハW表面と共役又はその近傍の面F2の位置に設けられた遮光板51にK1〜K3の像を再結像する。即ち、遮光板51上には、第1対物レンズ46及び第2対物レンズ48によってウェハWの表面上に形成された主開口K1及び副開口K2,K3の中間像が形成される。
【0059】
図3中に光軸方向から見た遮光板51の構成例を示す。遮光板51には光軸に対して対称な位置に2個のスリット状の光束通過部K12,K13が副開口K2,K3に対応するように設けられており、ウェハ表面において結像反射された光束L1〜L3のうち光束L1は遮光され、光束L2,L3のみがK12及びK13をそれぞれ介して通過できるように構成されている。また、遮光板51の他の構成例も図3中に示してある。即ち、光束L1が遮光板51に入射する(図中斜線で示す)範囲のみが遮光され、その周囲の部分全ての領域K14が光束通過部として構成されていてもよい。
【0060】
遮光板51を通過した光束L2,L3は第1リレーレンズ52によってコリメートされた後、瞳分割用反射型プリズム53上に光源41の像を結像する。更に、光束L2,L3は瞳分割用反射型プリズム53によってそれぞれ2つの光束に分割されるとともに、図中右方へ反射されて第2リレーレンズ54により再び集光される。そして、円柱レンズ55を介して、AFセンサ56上に光束L2及びL3による副開口K2,K3のスリット像をそれぞれ2分割して結像する。
【0061】
ここで、ウェハ・アライメントセンサ16のフォーカス計測原理について説明する。図4は、ウェハ・アライメントセンサ16のフォーカス計測原理を説明するための図である。尚、図4においては、瞳分割用反射型プリズム53に入射する光束L2,L3のうち光束L2のみを図示しており、この光束L2を例に挙げてフォーカス計測原理を説明する。
【0062】
図4(b)は、ウェハWの表面と撮像素子50とが光学的に共役関係にある場合の光束L2の結像状態を示す図である。図4(b)を参照すると、瞳分割用反射型プリズム53で分割された光束L2は、第1撮像面V1の位置に結像していることが分かる。このとき、分割された2光束(2分割光束)各々の結像位置中心をP1,P2とし、これら結像位置中心P1,P2間の距離をdとする。図4(b)に示した結像状態にあるとき、結像位置中心P1,P2は2分割光束の各々が集光される位置にそれぞれ対応することになる。
【0063】
これに対して、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置から−Z方向(図3参照)にずれた状態であるとすると、図4の(a)に示すように、2分割光束各々の合焦点がAFセンサ56の受光面よりも図中で左方寄り、即ち第2リレーレンズ54寄りの位置となる。これにより、AFセンサ56の受光面における結像位置中心又は光量中心は、図4(b)に示した結像位置中心P1,P2よりも互いに近づく方向へずれた位置P1a,P2aになる。従って、これらの位置P1a,P2a間の距離をdaとすると、da<dの関係となる。
【0064】
また、これとは反対にウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置から+Z方向にずれた状態であるとすると、図4(c)に示すように、2分割光束による結像位置中心又は光量中心は図4(b)に示した結像位置中心P1,P2よりも互いに離れる方向へずれた位置P1c,P2cになる。従って、これらの位置P1c,P2c間の距離をdcとすると、dc>dの関係となる。
【0065】
つまり、ウェハステージ9を駆動してウェハWのZ方向の位置を変化させると、2分割光束のスリット像が計測方向に関して互いに近づいたり離れたりする。このため、AFセンサ56を用いて2分割光束の結像位置についての情報を検出し、この情報を含む合焦用信号FS2を主制御系15で処理して結像位置間の距離を算出し、合焦状態にあるときの基準距離(図4中の距離d)と算出した距離を比較する。
【0066】
そして、この比較結果から主制御系15はウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されているか否か(合焦しているか否か)を判断し、合焦していない場合には基準距離と算出した距離との大小関係からウェハWのずれ方向を求めて、ずれ方向と反対方向にウェハステージ9を駆動する。ウェハステージ9をZ方向に駆動している最中においてもAFセンサ56による上述した検出及び各種処理を行い、2分割光束の結像位置間の距離と基準距離とが等しくなったときにウェハステージ9の駆動を停止する。
【0067】
このようにして、ウェハWに形成されたマークAMのXY面内における位置計測に先立ってウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置にウェハWを位置合わせしている。このため、マークAMのXY面内における位置情報の計測時には、計測対象のマークAMはウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置された状態で計測が行われるため、計測精度を高めることができる。
【0068】
以上説明したウェハ・アライメントセンサ16のフォーカス計測においては、計測された2分割光束の結像位置間の距離が基準距離dと等しいか否かをもって、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されているか否かを判断している。このため、精確にウェハWの表面をウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置するには、基準距離dの設定が極めて重要になる。この基準距離dの設定は、前述したレチクル・アライメントセンサ6A,6Bにおける目標値の設定方法と同様の方法を用いて設定している。
【0069】
つまり、ウェハステージ9を駆動してウェハWのZ方向の位置を可変させつつ、撮像素子50から出力される画像信号VS2を取得し、各々の画像信号VS2について所定の空間周波数(以下、閾空間周波数という)以上の周波数成分を含む高周波信号の大きさ(所定の特徴量)を求め、この高周波信号の大きさが最大となるときにAFセンサ56で検出される2分割光束の結像位置間の距離を基準距離dとする。
【0070】
このように、ウェハ・アライメントセンサ16においても、レチクルアライメントセンサ6A,6Bと同様に、ウェハWに形成されたマークAM等の像を検出するための検出光学系の一部をなす撮像素子50の画像信号VS2の高周波成分に着目し、その大きさが最大となるときにウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に合った状態としている。
【0071】
以上、レチクル・アライメントセンサ6A,6B及びウェハ・アライメントセンサ16の構成及び動作について説明したが、次に主制御系15について詳細に説明する。図5は、主制御系15の内部構成を示すブロック図である。尚、図5においては、図1〜図3中に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。図5に示すように、主制御系15は、フォーカス検出ユニット60、画像処理ユニット61、フォーカス検出ユニット62、FIA演算ユニット63、アライメントデータ記憶部64、EGA演算ユニット65、記憶部66、ショットマップデータ部67、システムコントローラ68、ウェハステージコントローラ69、及びレチクルステージコントローラ70から構成されている。
【0072】
画像処理ユニット61は、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bから出力される画像信号VS1に対して、画像処理、演算処理、フィルタリング処理等の処理を行い、レチクルマークRMと基準部材10に形成された基準マークとの相対位置を求め、その処理結果をシステムコントローラ68へ出力する。また、FIA演算ユニット63は、ウェハ・アライメントセンサ16から出力される画像信号VS2に対して、画像処理、演算処理、フィルタリング処理等の処理を行い、ウェハWに形成されたマークAMの位置情報を求めてアライメントデータ記憶部64へ出力する。尚、上記画像処理ユニット61及びFIA演算ユニット63で行われる画像処理等の具体例としては、マークの輪郭を求める処理、得られた輪郭からマークをなすマーク要素各々のエッジ位置を検出する処理、検出したエッジ位置からマーク中心を求める処理等がある。
【0073】
フォーカス検出ユニット60は、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bから出力される合焦用信号FS1及び画像信号VS1を用いて、図2に示すレチクル・アライメントセンサ6A,6Bが備える結像光学系23の焦点ずれを検出する。また、フォーカス検出ユニット62は、ウェハ・アライメントセンサ16から出力される合焦用信号FS2及び画像信号VS2を用いて、ウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置からのウェハWの表面のずれ量を検出する。フォーカス検出ユニット60,62の算出結果は、システムコントローラ68へ出力される。
【0074】
アライメントデータ記憶部64はFIA演算ユニット63から出力されたマークAMの位置情報を記憶する。EGA演算ユニット65は、ウェハW上に予め設定された代表的な数個(3〜9個)のショット領域の各々に付随して形成されたマークAMの、ウェハ・アライメントセンサ16により計測された位置情報と、その設計上の位置情報とに基づいてEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)演算を行い、ウェハW上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を統計的な手法で決定する。
【0075】
記憶部66は、EGA演算ユニット65がEGA演算を行っている最中に得られる各種変換パラメータ及び残留誤差成分(例えば、設計値と計測値との残差の単純な自乗和)を一時的に記憶する。ショットマップデータ部67は、上述したウェハW上に設定された複数のショット領域の設計上の位置情報及びショット領域に付随して設けられたマークAMの位置情報を含むショットマップデータを予め記憶している。
【0076】
システムコントローラ68は、EGA演算ユニット65の演算結果に基づいて、ウェハステージコントローラ69を介してレーザ干渉計12の計測値をモニタしつつ、モータ13を介して図1に示したウェハステージ9を駆動して、ウェハW上の各ショット領域の位置決め及び各ショット領域に対する露光制御を行う。また、システムコントローラ68は、レチクルステージコントローラ70を介してレーザ干渉計4の計測値をモニタしつつ、モータ2を介して図1に示したレチクルステージ3を駆動して、レチクルRの位置調整を行う。
【0077】
更に、システムコントローラ68は、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bの焦点位置と図2に示すCCDセンサ25の受光面とが一致していない場合には、フォーカス検出ユニット60の検出結果に応じてレチクル・アライメントセンサ6A,6Bに設けられた結像光学系23が備えるレンズ群を駆動し、結像光学系23の焦点位置を可変させる。また更に、ウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置にウェハWの表面が配置されていない場合には、フォーカス検出ユニット62の検出結果に応じてモータ13を介して図1に示したウェハステージ9を駆動して、ウェハWをZ方向に移動させる。
【0078】
次に、主制御系15に設けられる上述したフォーカス検出ユニット60,62の構成について説明する。図6は、フォーカス検出ユニット62の内部構成を示すブロック図である。尚、フォーカス検出ユニット60とフォーカス検出ユニット62とは同様の構成であるため、以下においてはフォーカス検出ユニット62について説明し、フォーカス検出ユニット60については説明を省略する。図6に示すように、フォーカス検出ユニット62は、フォーカス検出部71、高周波信号抽出部72、及び最大値算出部75を含んで構成される。
【0079】
フォーカス検出部71は、ウェハ・アライメントセンサ16から出力される合焦用信号FS2を処理し、図4を用いて説明した2分割光束の結像位置間の距離を算出する。また、図4を用いて説明した基準距離dを記憶しており、この基準距離dと算出した2分割光束の結像位置間の距離との誤差を算出してシステムコントローラ68へ出力する。高周波信号抽出部72は、本発明にいう抽出部に相当するものであり、ウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置にウェハW表面が配置されているか否かを計測するために、ウェハ・アライメントセンサ16から出力される画像信号VS2から閾空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出する。ここで、閾空間周波数は、少なくともマークAMの形状で定まる基本空間周波数よりも高い周波数である。
【0080】
尚、高周波信号抽出部72としては、所望の周波数以上の信号を抽出し、それ未満の周波数信号をカットするハイパスフィルタリング動作を行うものでも良いし、あるいは、所望の周波数未満の信号を抽出し、それ以上の周波数信号をカットするローパスフィルタリングを行って、そのローパスフィルタリングで得られた信号を元信号(ローパス前の信号)から引算(除外)することにより、所望の周波数以上の信号を抽出する演算手法を行うものであっても良い。
【0081】
図7は、ウェハWに形成されたマークAM及びその形状をフーリエ変換したときの空間周波数成分の一部を示す図である。いま、図7に示す通りライン・アンド・スペースパターンのマークAMを考える。マークAMの上面を示す図に付したA−A線に沿ったマークAMの断面は、図示の通り矩形形状となる。A−A線に沿ってマークAMの形状をフーリエ変換により成分分解すると、図7中に示した成分C0〜C3,…が得られる。成分C0は直流成分であり、成分C1はマークAMの周期Tの逆数、即ちf0=1/Tの空間周波数を有しており、これがマークAMの形状で定まる基本空間周波数の成分である。このマークAMを観察して得られる画像信号SV1をフーリエ変換しても同様の成分が得られる。
【0082】
高周波信号抽出部72は、画像信号VS2から少なくとも基本空間周波数f0より高い周波数成分を含む高周波信号を抽出している。即ち、高周波信号抽出部72は、画像信号VS2から少なくとも基本空間周波数f0の成分C0を除去した高周波信号を抽出している。このように、画像信号VS2から基本空間周波数f0の成分C0必ず除去するのは、他の周波数を有する成分C2,C3等の大きさに比べて大きさが大きいためである。尚、ウェハWの表面状態は、ウェハWの処理工程に応じて変化するため、上記の閾空間周波数は工程毎(ウェハWに加えられたプロセス処理内容毎)に変えるようにすることが好ましい。
【0083】
図8は、画像信号VS2に含まれる成分のスペクトル分布の一例を示す図である。図8において、スペクトル分布PF1は、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されているときに得られる画像信号VS2のスペクトル分布である。また、スペクトル分布PF2は、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されていないとき(デフォーカスしているとき)に得られる画像信号VS2のスペクトル分布である。
【0084】
図8を参照すると、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されていても、デフォーカスしていても、低周波領域LFに含まれる成分の振幅はさほど変化しない。しかしながら、デフォーカスすると、高周波領域HFに含まれる成分の振幅が極めて小さくなる。この高周波領域HFに含まれる成分は、画像信号VS1のシャープさを決定付けるものであり、これらの成分が少なくなると画像信号VS1が鈍る。本実施形態では、この特性を利用して、高周波信号の大きさ(所定の特徴量)がピークを示す位置をもって、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されたとしている。尚、低周波領域LFと高周波領域HFとの境界の周波数を、前述した閾空間周波数に設定しても良い。
【0085】
図6に戻り、高周波信号抽出部72は、フィルタ部73及び減算部74を含んで構成されている。フィルタ部73はカットオフ周波数がk/2πである以下の(1)式に示す透過特性を有するローパスフィルタf(x)を備えており、画像信号VS2から閾空間周波数以上の周波数成分を除去した低周波数成分信号を得る。尚、このローパスフィルタf(x)は、マークAMを構成するマーク要素(ライン及びスペース)の配列方向がX方向であるときに用いられるものである。Y方向についても同様のローパスフィルタを用いることができる。
【数1】
Figure 2004247349
【0086】
実際には、上記(1)式で示されるローパスフィルタf(x)に適当な窓関数をかけて使用する。この窓関数は、上記カットオフ周波数より高い周波数成分のゲインを“0”、カットオフ周波数より低い周波数成分のゲインを“1”とするフィルタである。また、このフィルタとして、より一般的に以下の(2)式で示されるフィルタf(x)を用いても良い。以下の(2)式では変数kに応じてA及びΦを設定することにより、任意のゲインを設定することができる。尚、上記(2)式に示したフィルタf(x)は、その値(和)が1となるように正規化する。
【数2】
Figure 2004247349
【0087】
減算部74は、画像信号VS2からフィルタ部73で抽出された低周波数成分信号を減算して閾空間周波数以上の全ての周波数成分を含む高周波信号を得る。このように、本実施形態においては、画像信号VS2から低周波数成分信号を抽出し、抽出した低周波数成分信号を画像信号VS2から減算することで、高周波信号を得ている。これは、主としてフィルタ処理の容易さのためである。尚、画像信号VS2から閾空間周波数未満の周波数成分を除去し、高周波信号を直接得ることができるフィルタ部が用意できるのであれば、高周波信号抽出部72の構成を、フィルタ部73及び減算部74に代えてそのようなフィルタ部を含む構成とすればよい。
【0088】
最大値算出部75は、本発明にいう演算部に相当するものであり、高周波信号抽出部72で抽出された高周波信号に基づいて、ウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置にウェハW表面が配置されているか否かを示す情報、即ち撮像素子50の受光面に対するマークAMの像の結像位置に関する結像位置情報を求める。最大値算出部75は、強度算出部76とピーク算出部77とを含んで構成される。
【0089】
強度算出部75は、本発明にいう第1演算部に相当するものであり、ウェハWのZ方向の位置を変化させて撮像素子50の受光面に対するマークAMの像の結像位置を変える度に高周波信号抽出部72から出力される高周波信号に含まれる各周波数成分を二乗してその強度を算出し、各周波数成分毎に得られた強度の和を算出する。つまり、強度算出部75は高周波信号の大きさ(所定の特徴量;例えば、図8に示した高周波信号の面積A1,A2)を示す二乗和を算出している。
【0090】
ピーク算出部77は、本発明にいう第2演算部に相当するものであり、ウェハWのZ方向の位置を変化させる度に強度算出部76から出力される算出結果を一時的に記憶し、ウェハWの移動が完了した後で、その算出結果がピークとなる位置(ウェハWの表面の位置)を算出する。図9は、ピーク算出部77の処理を説明するための図である。図9において、横軸はウェハWの表面のZ方向の位置であり、縦軸は高周波信号の二乗和の大きさである。ウェハWを一方向(+Z方向又は−Z方向)に移動させた場合には、図中黒丸で示す算出結果が時系列的に強度算出部76から出力される。ピーク算出部77はこれらの算出結果がピークとなる位置情報Z0を算出する。
【0091】
以上のように本実施形態においては、強度算出部76が高周波信号の二乗和を算出し、ピーク算出部77が二乗和のピーク位置を算出しているため、最大値算出部75における処理は、以下の(3)式で表される真値を0とした標準偏差のピークを求める処理と同様の処理を行っている。
【数3】
Figure 2004247349
【0092】
上記(3)式におけるh(x)は高周波信号であり、nはデータ数(図9中における黒丸の数)である。尚、上記(3)式の右辺には変数zが表れていないが、右辺はウェハWのZ方向の位置を変化させて得られるものであるため、左辺においてzの関数である点を明示している点に注意されたい。強度算出部76は周波数成分毎に二乗和を算出して高周波信号の大きさを求めていたが、上記(3)式では周波数成分に分解せずに高周波信号の大きさを求めている。
【0093】
ピーク算出部77の算出結果はフォーカス検出部71へ出力される。フォーカス検出部71は、ピーク算出部77によって算出された位置情報Z0にウェハWが配置されているときに得られる2分割光束の結像位置間の距離を基準距離dとする。これにより、以後においては、フォーカス検出部71において算出される2分割光束の結像位置間の距離が基準距離dと等しいときには、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置され、マークAMの像が最良の状態、即ちシャープな画像信号VS2が得られる状態で撮像素子50の受光面に結像していることになる。
【0094】
次に、上記構成におけるウェハ・アライメントセンサ16のフォーカス計測時の動作について説明する。このフォーカス計測はウェハWに形成されたマークAMの位置情報を計測する前に行われる。尚、この計測はウェハWがウェハステージ9上に吸着保持される度に(即ち、ウェハ1枚毎に)行っても良く、スループット(単位時間内において露光装置で露光処理することができるウェハWの枚数)の向上のために複数枚のウェハWを単位としたロット毎に行っても良いし、あるいはプロセス毎に(ウェハに対する処理プロセスが異なるウェハがステージ上に搭載される毎に)行っても良い。
【0095】
図10は、アライメントセンサ16のフォーカス計測時における動作を示すフローチャートである。計測動作が開始されると、主制御系15がモータ13を駆動してウェハステージ9をXY面内で移動させ、ウェハWに形成されたマークAM1の1つをウェハ・アライメントセンサ16の計測視野内に配置する(ステップS10)。次に、主制御系15はモータ16を駆動してウェハステージ9をZ方向に移動させ、ウェハWをフォーカス計測の初期位置に配置する(ステップS11)。
【0096】
以上のウェハWの配置が完了すると、ウェハ・アライメントセンサ16は計測対象のマークAMに対して検知ビームDL(図3参照)を照射し、検知ビームDLの照射によって得られるマークAMの像を撮像素子50で撮像して画像信号VS2に変換し、この画像信号VS2を主制御系15に出力する(ステップS12:画像信号を出力する工程)。尚、ウェハ・アライメントセンサ16は画像信号VS2とともに、AFセンサ56で検出された合焦用信号FS2も主制御系15へ出力する。これらの画像信号VS2及び合焦用信号FS2は、主制御系15のフォーカス検出ユニット62(図4参照)に入力される。
【0097】
フォーカス検出ユニット62に入力された合焦用信号FS2は、図6に示すフォーカス検出部71において処理され、2分割光束の結像位置間の距離が算出されて一時的に記憶される。また、フォーカス検出ユニット62に入力された画像信号VS2は、図6に示す高周波信号抽出部72のフィルタ部73及び減算部74へ入力される。フィルタ部73へ入力された画像信号VS2は低周波成分信号が抽出され、減算部74へ入力された画像信号VS2はフィルタ部73で抽出された低周波成分信号が減算される。これにより、前述した閾空間周波数以上の全ての周波数成分を含む高周波信号が抽出される(ステップS13:高周波信号を抽出する工程)。
【0098】
抽出された高周波信号は高周波信号抽出部72から最大値算出部75の強度算出部76へ出力されて高周波信号の二乗和(所定の特徴量)が算出される(ステップS14:第1演算)。算出された二乗和はピーク算出部77に出力されて一時的に記憶される。次に、主制御系15は、ウェハWの移動範囲が予め設定された移動範囲を超えたか否かを判断し(ステップS15)、越えていないと判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、モータ13を介してウェハステージ9を駆動して、ウェハWをZ方向に所定量だけ移動させる(ステップS16)。尚、ウェハWのZ方向の位置を変化させると、撮像素子50の受光面に対するマークAMの像の結像位置が変化する。
【0099】
ウェハWの移動が完了すると、前述したステップS12の処理に戻り、マークAMの像をウェハ・アライメントセンサ16の撮像素子50で撮像して画像信号VS2を主制御系15のフォーカス検出ユニット62へ出力し(ステップS12)、高周波信号抽出部72において画像信号VS2から高周波信号を抽出し(ステップS13)、最大値算出部75において抽出した高周波信号の二乗和を算出する(ステップS14)。このように、ウェハWの移動範囲が予め設定された移動範囲を超えていない場合には、ウェハWをZ方向に移動させつつ(撮像素子50の受光面に対するマークAMの像の結像位置を変化させつつ)、画像信号VS2の高周波成分の二乗和をピーク算出部77に順次記憶するとともに、2分割光束の結像位置間の距離をフォーカス検出部71へ順次記憶する。
【0100】
ウェハWの移動範囲が予め設定された移動範囲を超えたと主制御系15が判断した場合(ステップS15における判断結果が「YES」の場合)には、ピーク算出部77は一時的に記憶している複数の二乗和から、図9を用いて説明した方法で二乗和がピークをとる結像位置情報としての位置情報Z0を算出する(ステップS17:第2演算工程)。尚、この位置情報Z0はウェハステージ9のZ方向の位置を示す情報であっても良く、ピーク算出部77に順に記憶されている二乗和の記憶位置を示す情報であっても良い。
【0101】
この位置情報Z0が算出されると、ピーク算出部77からフォーカス検出部71へ出力され、位置情報Z0で示される二乗和がピークとなる位置において検出された2分割光束の結像位置間の距離が基準距離dに設定される(ステップS18)。
このようにして、ウェハ・アライメントセンサ16のフォーカス計測が行われる。尚、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bのフォーカス計測についても、図10に示すフローチャートに示す処理と同様の処理が行われる。レチクル・アライメントセンサ6A,6Bのフォーカス計測においては、Z方向へのウェハWの移動に代えて、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bが備える結像光学系23の焦点位置が可変される。
【0102】
次に、ウェハW上の各ショット領域の位置決めを行って、各ショット領域にレチクルRに形成されたパターンの像を投影露光する際の動作について説明する。まず、ウェハW上のショット領域の配列及びアライメントマークとしてのマークの形状等について説明する。図11は、ウェハW上のショット領域の配列及びマークの形状を説明するための図である。図11において、ウェハW上にはウェハW上に設定された座標系(X,Y)に沿って規則的にショット領域ES1,ES2,……,ESNが形成され、各ショット領域ESiにはそれまでの工程によりそれぞれデバイスパターンが形成されている。
【0103】
また、各ショット領域ESiはX方向及びY方向に所定幅のストリートラインで区切られており、各ショット領域ESiに近接するX方向に伸びたストリートラインの中央部にマークAMとしてのX軸方向のマークMxiが形成され、各ショット領域ESiに近接するY方向に伸びたストリートラインの中央部にY方向のマークMyiが形成されている。マークMxi,MyiはそれぞれX方向及びY方向に所定ピッチで3本の直線パターンを並べたものであり、これらのパターンはウェハWの下部に凹部又は凸部のパターンとして形成したものである。
【0104】
ウェハWへの露光を行う際には、それらショット領域ESiの内から例えば斜線を施して示す9個のショット領域が選択される。このように選択されたショット領域をサンプルショットSA1〜SA9と称する。各サンプルショットSAiにはそれぞれマークMxi,Myiが近接して形成されている。本例ではこれらマークMxi,Myiの位置を計測することにより、各サンプルショットSA1〜SA9のステージ座標系(X,Y)上での位置情報を計測する。この計測結果は、図5に示す主制御系15のアライメントデータ記憶部64に記憶される。
【0105】
尚、マークMxi,Myiの位置情報の計測を行う前に、ウェハ・アライメントセンサ16が備えるAFセンサ56から出力される合焦用信号FS2を主制御系15内のフォーカス検出部71において処理し、2分割光束の結像位置間の距離と基準距離dとを比較し、ウェハWの表面がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置されているか否かを判断している。2分割光束の結像位置間の距離と基準距離dとが異なる場合には、これらが一致するように主制御系15がウェハステージ9をZ方向に移動させ、マークMxi,Myiの像がウェハ・アライメントセンサ16が備える撮像素子50の受光面に最良の結像する状態に設定しておく。これにより、この最良結像状態への設定動作以降に行われるマークMxi,Myiの位置情報(XY平面上での位置情報)の計測が極めて高い精度で行われる。
【0106】
各サンプルショットSA1〜SA9のステージ座標系(X,Y)上での位置情報が計測されると、これらの位置情報とショットマップデータ部67に記憶されているショットマップデータを用いてEGA演算ユニット65においてEGA演算が行われ、ウェハW上に設定された全てのショット領域の配列の規則性が決定される。システムコントローラ68は決定されたショット領域の配列を用いて、露光すべきショット領域が投影光学系PLの投影領域(レチクルRに形成されたパターンが投影される領域)に配置されるように、ウェハステージ9を移動させて位置決めする。ウェハWの位置決めが完了すると露光光ELがレチクルRに照射され、そのショット領域が露光される。以後同様に、決定されたショット領域の配列を用いてウェハステージ9がステップ移動により位置決めされて、順次ショット領域が露光される。
【0107】
本実施形態においては、マークMxi,Myi(マークAM)がウェハ・アライメントセンサ16の焦点位置に配置された状態で、マークMxi,Myiの位置情報の計測を行っているため、高い精度で計測が行われる。この高精度の計測結果を用いて上述したEGA演算が行われ、決定されるショット領域の配列の規則性も高い精度のものとなる。この結果、露光時においてウェハWの各ショット領域を投影光学系PLの投影領域に精確に位置決めすることができ、重ね合わせ精度を向上を図ることができる。
【0108】
以上、本発明の一実施形態による位置計測装置及び方法並びに露光装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、高周波信号抽出部72において画像信号VS2から閾空間周波数以上の全ての周波数成分を含む高周波信号を抽出するようにしていたが、閾空間周波数以上の全ての周波数成分ではなく、閾空間周波数以上の一部の周波数成分を含む高周波信号を抽出するようにしても良い。
【0109】
また、強度算出部76においては、所定の特徴量として高周波信号の二乗和を算出するようにしていたが、所定の特徴量として高周波信号の各成分の強度の単純和を求めるようにしても良い。更に、所定の特徴量として高周波信号の強度に関するものではなく、高周波信号の振幅に関するものであっても良い。この高周波信号の振幅に関するものとは、例えば閾空間周波数以上の1つの周波数成分を高周波信号として用いるときの、その1つの周波数成分の振幅である。
【0110】
また、上記実施形態では、画像信号VS2から得られた高周波信号の二乗和がピークとなる位置において、AFセンサ56からの合焦用信号FS2から得られる2分割光束の結像位置間の距離を基準距離dとしていた。しかしながら、合焦用信号FS2を用いずに画像信号VS2から得られた高周波信号のみを用いて、ウェハ・アライメントセンサ16のフォーカシングを行うようにしても良い。
【0111】
また、上記の実施形態においては、ウェハWに形成されたマークの位置情報を求める場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られる訳ではなく、レチクルRに形成されたマークの位置情報を求める場合、その他の物体に形成されたマークの位置情報を求める場合について適用可能である。更に、図5及び図6に示した各ブロックは、電子回路によりハードウェア的に構成されていても良く、ソフトウェア的に構成されていても良い。各ブロックをソフトウェア的に構成する場合には、各ブロックの機能を規定するプログラムをCPU(中央処理装置)が実行することにより、各ブロックが実現される。また、図5に示す各ブロックをハードウェア的又はソフトウェア的に構成する場合には、図示した全てのブロックが1つにまとまって構成されていなくとも良く、分散されて構成されていても良い。例えば、フォーカス検出ユニット60,62は、主制御系15とは別個に設けられていても良い
【0112】
また、上記実施形態においては、レチクル・アライメントセンサ6A,6BがVRA方式のアライメントセンサであり、ウェハ・アライメントセンサ16がFIA方式のアライメントセンサである場合を例に挙げて説明したが、レチクル・アライメントセンサ6A,6B及びウェハ・アライメントセンサ16は、更にLSA方式及びLIA方式のアライメントセンサを備えた構成であっても良い。また、本発明は、レチクルRを介さずに投影光学系PLのみを介して基準部材10の基準パターンを観察するTTL方式のアライメントセンサにも適用することができる。
【0113】
更に、上記実施形態で説明したレチクル・アライメントセンサ6A,6Bは露光光ELの一部の露光光EL1をレチクルマークRMに照射するとともに、投影光学系PLを介して基準部材10の上面に照射して、レチクルマークRM及び基準パターンを観察するようにしていた。しかしながら、光ファイバー(不図示)等を用いて基準部材10の下方に露光光ELの一部を導き、基準部材10に形成されたスリットパターンを下方(ウェハステージ9の内部)から照明するように構成しても良い。
【0114】
また、本発明の露光装置は、図1に示したステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置に限定されず、例えばステップ・アンド・スキャン方式の露光装置、ミラープロジェクション方式、プロキシミティ方式、コンタクト方式等の露光装置に適用することが可能である。
【0115】
更に、半導体素子、液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCDなど)の製造にも用いられる露光装置、及びレチクル、又はマスクを製造するために、ガラス基板、又はシリコンウェハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
【0116】
尚、前述した本発明の一実施形態による露光装置(図1)は、ウェハWを精度よく高速に位置制御することができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光が可能となるように、照明光学系、モータ2、レチクルステージ3、レーザ干渉計4、移動鏡5、レチクル・アライメントセンサ6A,6Bを含むマスクアライメント系、ウェハホルダ8、ウェハステージ9、基準部材10、移動鏡11、レーザ干渉計12、及びモータ13を含むウェハアライメント系、投影光学系PL等の図1に示された各要素が電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。尚、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0117】
次に、本発明の一実施形態による露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法の実施形態について簡単に説明する。図12は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図12に示すように、まず、ステップS20(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS21(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS22(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0118】
次に、ステップS23(ウェハ処理ステップ)において、ステップS20〜ステップS22で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS24(デバイス組立ステップ)において、ステップS23で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS24には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS25(検査ステップ)において、ステップS24で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
【0119】
図13は、半導体デバイスの場合における、図12のステップS23の詳細なフローの一例を示す図である。図13において、ステップS31(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS32(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS33(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS34(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS31〜ステップS34のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0120】
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS35(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS36(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステップS37(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS38(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS39(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マークを含む被照射領域の画像を画像信号に変換し、画像信号から所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出し、この高周波信号に基づいて上記画像の結像位置に関する結像位置情報を求めるようにしている。本発明は、物体が位置計測装置の焦点位置に配置されているか否かの評価基準として画像信号から抽出した高周波信号に基づいた結像位置情報を用いているため、被照射領域の全体に亘るシャープさが対象となる。よって、従来のように被照射領域の1点又は数点における信号のピーク値を評価基準とする場合に比べてノイズの影響を受けにくく、しかも高い精度をもって計測対象としてのマークが合焦位置に配置されているか否かを計測することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による位置計測装置を備える本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】レチクル・アライメントセンサ6Aの構成例を示す構成図である。
【図3】ウェハ・アライメントセンサ16の構成例を示す構成図である。
【図4】ウェハ・アライメントセンサ16のフォーカス計測原理を説明するための図である。
【図5】主制御系15の内部構成を示すブロック図である。
【図6】フォーカス検出ユニット62の内部構成を示すブロック図である。
【図7】ウェハWに形成されたマークAM及びその形状をフーリエ変換したときの空間周波数成分の一部を示す図である。
【図8】画像信号VS2に含まれる成分のスペクトル分布の一例を示す図である。
【図9】ピーク算出部77の処理を説明するための図である。
【図10】アライメントセンサ16のフォーカス計測時における動作を示すフローチャートである。
【図11】ウェハW上のショット領域の配列及びマークの形状を説明するための図である。
【図12】マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャーである。
【図13】半導体デバイスの場合における、図12のステップS23の詳細なフローの一例を示す図である。
【図14】画像信号を微分した信号を用いてマークがセンサの焦点位置に配置されているか否かを計測する従来の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
6A,6B レチクル・アライメントセンサ(位置計測装置)
10 基準部材(物体)
16 ウェハ・アライメントセンサ(位置計測装置)
20A,20B プリズム(照射部)
23 結像光学系
25 CCDセンサ(受光部)
41 光源(照射部)
42 コンデンサレンズ42(照射部)
43 視野絞り(照射部)
44 照明リレーレンズ(照射部)
45 ビームスプリッタ(照射部、結像光学系)
46 第1対物レンズ(照射部、結像光学系)
48 第2対物レンズ(結像光学系)
49 ビームスプリッタ(結像光学系)
50 撮像素子(受光部)
72 高周波信号抽出部(抽出部)
73 フィルタ部
74 減算部
75 最大値算出部(演算部)
76 強度算出部(第1演算部)
77 ピーク算出部(第2演算部)
AM マーク
DL 検知ビーム(検知光)
EL1 露光光(検知光)
Mxi,Myi マーク
R レチクル(物体、マスク)
RM レチクルマーク(マーク)
VS1,VS2 画像信号
W ウェハ(物体、基板)

Claims (18)

  1. 物体上に形成されたマークの、所定の計測方向における位置情報を計測する位置計測装置であって、
    前記マークを含む被照射領域に対して検知光を照射する照射部と、
    前記検知光の照射により前記被照射領域から得られる光を結像光学系を介して受光して、前記被照射領域の画像に対応する画像信号を出力する受光部と、
    前記画像信号から、所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出する抽出部と、
    前記抽出された高周波信号に基づいて、前記結像光学系を介した前記画像の結像位置に関する結像位置情報を求める演算部と
    を有することを特徴とする位置計測装置。
  2. 前記高周波信号は、前記所定の空間周波数以上の一部の周波数成分で構成され、
    前記演算部は、前記高周波信号に関する所定の特徴量に基づいて、前記結像位置情報を求めることを特徴とする請求項1記載の位置計測装置。
  3. 前記高周波信号は、前記所定の空間周波数以上の全ての周波数成分を含み、
    前記演算部は、前記高周波信号に関する所定の特徴量に基づいて、前記結像位置情報を求めることを特徴とする請求項1記載の位置計測装置。
  4. 前記所定の特徴量は、前記高周波信号の強度に関する特徴量であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の位置計測装置。
  5. 前記所定の特徴量は、前記高周波信号の振幅に基づき算出されることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の位置計測装置。
  6. 前記演算部は、
    前記特徴量として、前記高周波信号に含まれる複数の周波数成分毎の所定情報の単純和又は二乗和を算出し、
    その算出結果に基づいて、前記結像位置情報を求めることを特徴とする請求項3記載の位置計測装置。
  7. 前記所定情報は、前記周波数成分の信号毎の振幅情報を含むことを特徴とする請求項6記載の位置計測装置。
  8. 前記所定の空間周波数は、少なくとも前記マークの形状で定まる基本空間周波数よりも高い周波数であることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の位置計測装置。
  9. 前記演算部は、
    前記結像光学系を介した前記画像の結像位置を変化させながら、複数の結像位置毎に前記所定の特徴量を算出する第1演算部と、
    前記第1演算部の演算結果に基づいて、前記所定の特徴量がピークを示す結像位置を算出する第2演算部と
    を含むことを特徴とする請求項2から請求項8の何れか一項に記載の位置計測装置。
  10. 前記抽出部は、前記画像信号から前記所定の空間周波数以上の周波数成分を除去した低周波数成分信号を得るフィルタ部と、
    前記画像信号から前記低周波数成分信号を減じて前記所定の空間周波数以上の周波数成分を得る減算部と
    を備えることを特徴とする請求項9記載の位置計測装置。
  11. 前記抽出部は、前記画像信号から前記所定の空間周波数未満の周波数成分を除去するフィルタ部を備えることを特徴とする請求項9記載の位置計測装置。
  12. 前記演算部で求められた前記結像位置情報に基づいて位置決めされた前記マークを撮像し、その撮像結果に基づいて前記マークの前記所定の計測方向における位置情報を計測することを特徴とする請求項1から請求項11の何れか一項に記載の位置計測装置。
  13. マスク上に形成されたデバイスパターンを基板上に露光転写する露光装置であって、
    請求項12記載の位置計測装置を用いて前記基板上に形成されたマークの前記所定の計測方向におけるマーク位置情報を計測し、
    前記計測されたマーク位置情報に基づいて前記基板を位置決めした後に、前記デバイスパターンを前記基板上に露光することを特徴とする露光装置。
  14. 物体上に形成されたマークの、所定の計測方向における位置情報を計測する位置計測方法であって、
    結像光学系を介して前記マークを撮像して画像信号を出力する工程と、
    前記画像信号から、所定の空間周波数以上の周波数成分を含む高周波信号を抽出する工程と、
    前記抽出された高周波信号に基づいて、前記結像光学系を介した前記画像の結像位置に関する結像位置情報を求める演算工程と
    を含むことを特徴とする位置計測方法。
  15. 前記高周波信号は、前記所定の空間周波数以上の一部又は全ての周波数成分を含み、
    前記演算工程では、前記高周波信号に関する所定の特徴量に基づいて、前記結像位置情報を求めることを特徴とする請求項14記載の位置計測方法。
  16. 前記所定の特徴量は、前記高周波信号の強度に関する特徴量であることを特徴とする請求項15記載の位置計測方法。
  17. 前記演算工程は、
    前記結像光学系を介した前記画像の結像位置を変化させながら、複数の結像位置毎に前記所定の特徴量を算出する第1演算工程と、
    前記第1演算工程の算出結果に基づいて、前記所定の特徴量がピークを示す結像位置を算出する第2演算工程とを含み、
    前記第2演算工程で求められた前記結像位置の情報に基づいて位置決めされた前記マークを撮像し、その撮像結果に基づいて前記マークの前記所定の計測方向における位置情報を計測することを特徴とする請求項14から請求項16の何れか一項に記載の位置計測方法。
  18. 請求項13記載の露光装置を用いて前記デバイスパターンを前記基板に転写する露光工程と、
    転写された前記基板を現像する現像工程と
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008139026A (ja) * 2006-11-29 2008-06-19 Canon Inc 計測装置、計測方法、露光装置及びデバイス製造方法
JP2011502249A (ja) * 2007-10-29 2011-01-20 シグノプティク テクノロジーズ 正反射性挙動を伴う対象物のミリメートルまたはサブミリメートル構造細部を観察するための光学装置

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