JP2004247343A - 有機能動素子のパッシベーション、及び有機能動装置、並びに電子機器 - Google Patents

有機能動素子のパッシベーション、及び有機能動装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】有機能動素子の分子が破壊されないパッシベーションを提供し、当該有機能動素子のパッシベーションを備えた有機能動装置、電子機器を提供すること。
【解決手段】有機能動素子11が形成された第1基板10と、第1基板10における有機能動素子11が形成された面に対向して配置された第2基板12と、第1基板10と第2基板12との間の少なくとも有機能動素子11を含む空間16を密閉状態に保持する保持部材13とを具備することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機能動素子のパッシベーション、及び有機能動装置、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機高分子や有機低分子からなる有機材料を利用した有機能動素子の研究が活発に行われている。有機能動素子の一例である有機トランジスタは、ニッケルからなるゲート電極層、SiOからなるゲート絶縁層、パラジウムからなるソース電極及びドレイン電極、チャネル層が形成されるペンタセン等の有機半導体薄膜が順次積層形成されたものが代表的である。
【0003】
このような有機能動素子に形成するパッシベーションとして、金属等の無機材料を用いたものが一般的である。例えば、セラミックや金属等を用いて、有機能動素子をオーバーコートし、ハーメティック・シールを達成している。
ところが、有機能動素子の特性として、超高温(即ち、一般的に約300℃より高い)には耐えられないことから、パッシベーションを形成する際に、比較的長時間にわたって高温を維持すると、有機能動素子を劣化させてしまい、信頼性低下や短寿命化を招いてしまう。
そこで、有機能動素子のパッシベーションを低温状態で形成する方法としては、PECVD方法を用いてセラミックや金属を堆積する方法がある。この方法を用いた場合には、PECVDによる堆積の間に有機能動素子が放射損傷を受ける可能性が非常に高いという問題がある。
他の方法としては、パッシベーションとして誘導体物質の一つであるSiOを採用し、プラズマを用いずに誘導体物質を低温状態で形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法においては、高真空雰囲気下、かつ酸素(O)含有雰囲気下において一酸化シリコン(SiO)を蒸発させることにより、有機能動素子上にSiOを堆積するものである。当該SiO膜の厚さは種種の有機能動素子の種類等に応じて異なる。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−306955号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術によれば、有機能動素子に接触するようにパッシベーションが形成されるので、当該パッシベーションの内部応力が生じ、当該パッシベーションと有機能動素子との界面に歪みが生じ、有機能動素子を破損し、有機分子が壊れてしまうという問題がある。また、当該技術はSiO膜の側部を十分にシールしておらず、当該側部から浸入する酸素や水分に起因する有機能動素子の劣化を招き、有機能動素子の長寿命化を達成できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、有機能動素子の分子が破壊されずに、酸素や水分の浸入を防止するパッシベーションを提供し、当該有機能動素子のパッシベーションを備えることで、長寿命化が達成できる有機能動装置、並びに電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、有機能動素子が形成された第1基板と、第1基板における有機能動素子が形成された面に対向して配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間の少なくとも有機能動素子を含む空間を密閉状態に保持する保持部材とを具備することを特徴とする。
ここで、有機能動素子とは、分子単電子トランジスタ、有機トランジスタ、有機薄膜トランジスタ、有機スピンエレクトロニクス素子、量子コンピュータ、分子プロセッサ、有機ストレージ等の有機素子を備える能動素子を意味する。
また、第1基板とは、ガラス基板、薄膜フィルム、絶縁基板、シリコンウェハ等の所定材料の基板や、配線層、絶縁膜、スイッチング素子等が予め形成された回路基板等を意味する。
また、第2基板とは、ガラス基板、有機材料基板、絶縁基板、金属等の種種の材料からなり、有機能動素子の劣化や分子破壊に起因する種種の状態から当該有機能動素子を保護するものであり、例えば、第2基板の外部側から有機能動素子側に対する衝撃の伝達、熱の伝達、酸素や水分の侵入等を防止することにより、有機能動素子を保護するものである。
また、保持部材とは、有機能動素子と接触することなく、第1基板と第2基板とを接着する接着剤の機能を有するものである。
従って、本発明によれば、有機能動素子は従来技術に示した保護膜(SiO)と接触して配置されることなく、第1基板と第2基板と保持部材とによって密閉された空間内に保持されるので、上記保護膜を形成した際の応力による有機能動素子の分子破壊を防止することができる。また、有機能動素子側に対する衝撃の伝達、熱の伝達、酸素や水分の侵入等を防止し、有機能動素子を保護することができる。更に、酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止し、長寿命化を達成することができる。
【0008】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、先に記載の有機能動素子のパッシベーションであり、保持部材は第1基板と第2基板との間であって第2基板の外周部分に対応して設けられていることを特徴とする。
従って、本発明によれば、有機能動素子と保持部材とが接触することがなく、第1基板と第2基板との間の空間を密閉することができる。
【0009】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、有機能動素子が形成された第1基板と、第1基板における有機能動素子が形成された面のうち少なくとも有機能動素子が形成された領域に対向して配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間の空間を密閉状態に保持する保持部材とを具備することを特徴とする。
ここで、領域とは、有機能動素子が形成される第1基板の面のうちの一部分を意味するものである。
従って、本発明によれば、上記の領域に対向して第2基板が配置されるので、有機能動素子は従来技術に示した保護膜(SiO)と接触配置することなく、密閉された上記空間内に保持されるので、当該保護膜を形成した際の応力による有機能動素子の分子破壊を防止することができる。また、有機能動素子側に対する衝撃の伝達、熱の伝達、酸素や水分の侵入等を防止し、有機能動素子を保護することができる。更に、酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止し、長寿命化を達成することができる。
また、第2基板は上記の領域に対向するように配置されるので、第1基板全体、もしくは有機能動素子より大きい平面積で第2基板を形成する必要がなく、即ち、第2基板を上記の領域の対向する最小限の平面積で形成することができる。
【0010】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、凹部を備えると共に当該凹部内に有機能動素子が形成された第1基板と、凹部に対向して配置された第2基板と、凹部内の少なくとも有機能動素子を含む空間を密閉状態に保持する保持部材とを具備することを特徴とする。
ここで、凹部とは、有機能動素子が形成される第1基板の面に所望に形成された部位を意味するものである。また、当該凹部の形成方法は、例えば、第1基板を削って形成した凹部でもよく、第1基板上に所望の材料の凸部を設け、当該凸部に対して相対的に形成された凹部でもよい。
従って、本発明によれば、第1基板に形成された凹部の空間内に有機能動素子が形成されるので、有機能動素子は従来技術に示した保護膜(SiO)と接触配置することなく、密閉された上記空間内に保持されるので、当該保護膜を形成した際の応力による有機能動素子の分子破壊を防止することができる。また、有機能動素子側に対する衝撃の伝達、熱の伝達、酸素や水分の侵入等を防止し、有機能動素子を保護することができる。更に、酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止し、長寿命化を達成することができる。
また、第1基板を削って上記凹部を形成した場合には、第1基板内に有機能動素子を埋設することが可能になると共に、ギャップ材が不要になるので、有機能動素子を具備する有機能動装置のスリム化を図ることができる。
【0011】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、先に記載の有機能動素子のパッシベーションであり、保持部材には、第1基板と第2基板との間の空間を所定間隔に維持するギャップ材が含まれていることを特徴とする。
本発明によれば、保持部材にギャップ材を含めることにより、ギャップ材の高さを所望に設定することで、上記空間を所定間隔にすることができ、第1基板及び第2基板の撓みに伴う有機能動素子の破損を防止することができる。
【0012】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、先に記載の有機能動素子のパッシベーションであり、空間内には不活性ガスが充填されていることを特徴とする。
ここで、不活性ガスとしては、窒素(N)ガスや希ガス等が好適に用いられる。
従って、本発明によれば、上記空間に不活性ガスを充填することによって、酸素や水分から有機能動素子を保護し、当該酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止することができ、即ち、先に記載の有機能動素子のパッシベーションと同様の効果を奏する。
【0013】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、先に記載の有機能動素子のパッシベーションであり、空間内は真空雰囲気に保持されていることを特徴とする。
従って、本発明によれば、上記空間を真空雰囲気に保持することによって、酸素や水分から有機能動素子を保護し、当該酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止することができ、即ち、先に記載の有機能動素子のパッシベーションと同様の効果を奏する。
【0014】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、先に記載の有機能動素子のパッシベーションであり、空間内には乾燥剤又は脱酸素剤が配置されていることを特徴とする。
ここで、乾燥剤とは、水分を吸収してその周辺を乾燥状態に保つものであり、脱酸素剤とは、酸素を吸収してその周辺を無酸素状態に保つものである。また、当該乾燥剤及び脱酸素剤はシリカゲルやTi等のようなゲッター剤を含むものである。
本発明によれば、上記空間を乾燥状態又は無酸素状態の維持することによって、酸素や水分から有機能動素子を保護し、当該酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止することができ、即ち、先に記載の有機能動素子のパッシベーションと同様の効果を奏する。
【0015】
また、本発明の有機能動素子のパッシベーションは、先に記載の有機能動素子のパッシベーションであり、第1基板、第2基板及び保持部材のうち少なくともいずれかを被覆する保護膜が形成されていることを特徴とする。
ここで、保護膜とは、長時間の安定性及び長寿命性を備えた、いわゆるハーメティック・シールであり、特に金属等の無機材料が好適であり、例えば、酸化シリコン膜(SiO)や窒化シリコン膜(SiN)等が用いられる。
本発明によれば、第1基板と第2基板と保持部材のうち少なくともいずれかの部位が保護膜で被覆されるので、先に記載した酸素や水分の侵入防止を促進することができる。また、例えば、有機能動素子の積層体を形成する場合に、第1の有機能動素子を形成し、更に第2の有機能動素子を形成するには、当該保護膜は第1及び第2有機能動素子を分離するので、有機能動素子の積層構造体に起因する有機能動素子の劣化を抑制することができる。従って、有機能動素子の積層構造体を容易に形成することができる。
また、本発明においては、第1基板と第2基板と保持部材の全てを被覆するように上記保護膜が形成されていることがより好ましい。
【0016】
また、本発明の有機能動装置は、先に記載の有機能動素子のパッシベーションを備えたことを特徴とする。
従って、本発明によれば、先に記載の有機能動素子のパッシベーションと同様の効果を奏すると共に、長寿命の有機能動装置となる。
【0017】
また、本発明の電子機器は、先に記載の有機能動装置を備えたことを特徴とする。
ここで、電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。
従って、本発明によれば、先に記載の有機能動装置と同様の効果を奏すると共に、長寿命の電子機器を提供することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る有機能動素子のパッシベーション、及び有機能動装置、並びに電子機器について、図面を参照して説明する。
なお、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材の縮尺は実際のものとは異なるように表している。
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る有機能動素子のパッシベーションの第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態の有機能動素子のパッシベーションを備えた有機能動装置の模式平面図、図2は図1のA−A断面における模式断面図、図3は有機能動装置の要部を示す断面図である。
図2に示すように、有機能動装置1は、基板(第1基板)10と、有機能動素子11と、保護部材(第2基板)12と、シール部材(保護部材)13と、配線14と、保護膜15とを具備し、基板10と保護部材12との間の空間16が、所定の間隔で密閉された構成となっている。
【0020】
基板10は、絶縁性材料の基板であり、絶縁性材料の中でもガラス基板等の種種のものが採用される。基板10の有機能動素子11が形成される面には、SiNからなる表面保護膜10aが形成されている。
また、基板10としては、ガラス基板等の無機材料やプラスチック等の有機材料を用いることができる。このとき、基板10として可撓性が求められる場合には樹脂材料等の薄膜フィルムでもよく、後の工程で半導体回路を形成する場合にはシリコンウェハ等の基板でもよい。また、無機材料からなるスイッチング素子(例えばシリコントランジスタ)等が予め形成された基板であってもよい。この場合、予め形成されたスイッチング素子を有機能動素子11に電気的に接続してもよい。また、表面保護膜10aに用いられる材料はSiOの酸化膜からなる無機膜や、アクリル等の有機膜を用いてもよい。なお、表面保護膜10aを形成せずに、基板10上に有機能動素子を形成してもよい。
【0021】
有機能動素子11は、有機能動装置1の機能や形態に応じて種種の素子を備え、例えば、分子単電子トランジスタ、有機トランジスタ、有機薄膜トランジスタ、有機スピンエレクトロニクス素子、量子コンピュータ、分子プロセッサ、有機ストレージ等を備える。
本実施形態においては、有機能動素子11が図4に示す分子単電子トランジスタを備えており、図4に示すように分子単電子トランジスタは、量子ドット部Rと、ソース部Sと、ドレイン部Dと、ゲート部Gと、トンネル接合部Tとを備えている。
【0022】
保護部材12の材料としては、上記基板10に対応したものが採用され、もしくは種種の目的に応じて選択される。本実施形態においてはガラス基板が用いられる。
ここで言う「基板10に対応したもの」とは、例えば、基板10が可撓性材料である場合には、保護部材12として樹脂材料等の薄膜フィルムが採用される。また、「種種の目的に応じて」とは、例えば、保護部材12の上面に半導体回路を形成する場合には、保護部材12の材料としてシリコンウェハ等の基板や、半導体回路を形成するために好適な下地となる材料が選択される。また、保護部材12の上面に別の有機能動装置を形成し、有機能動素子の積層体を形成する場合には、当該積層体に応じて種種の材料が好適に採用される。
【0023】
シール部材13としては、有機材料、無機材料、または有機材料及び無機材料の混合材料等が用いられる。また、シール部材13として有機材料を採用した場合には、UV硬化樹脂もしくは熱硬化樹脂を用いれば、シール部材13の形成を容易に行うことができる。一方、シール部材13として無機材料を採用した場合には低融点ガラスやはんだ材料等が用いられる。このとき、無機材料が水分又は酸素の非透過性を有することが好ましい。
また、図3に示すように、シール部材13は空間16の間隔を所定に維持するギャップ材17を備えている。当該ギャップ材17の高さを所望に設定することにより、空間16を好適な間隔で維持することができる。ギャップ材17としては、円柱状のガラス材や球状のプラスチック材等が用いられる。
【0024】
配線14は、無機配線14aと有機配線14bとを具備しており、無機配線14aと有機配線14bは、空間16内で接続されている。
無機配線14aは保護膜15の一部を除去して形成された外部端子18を備えており、有機配線14bは有機能動素子11と接続されているので、有機能動素子11と外部端子18とは電気導通性が得られた状態になっている。
無機配線14aには金属が用いられ、有機配線14bには五フッ化ヒ素をドープしたポリアセチレン等の導電性ポリマーが用いられる。
また、外部端子18には図示しない入出力装置が接続されている。
【0025】
保護膜15は、外部端子18を除いて、有機能動装置1の全体を覆うように形成された、いわゆるハーメティック・シールである。当該保護膜15は長時間の安定性及び長寿命性を備え、特に無機材料が好適であり、例えば、酸化シリコン膜(SiO)や窒化シリコン膜(SiN)等が用いられる。
なお、保護膜15の材料は、上記の保護部材12の形態に応じて採用される。例えば、保護部材12が樹脂材料等の可撓性を有している場合には、当該樹脂材料に応じた種種の材料が好適に採用される。また、例えば、保護部材12の上層に、半導体回路を形成する場合には、保護部材12の材料としてシリコンウェハ等の基板や、半導体回路を形成するために好適な材料の下地基板が選択される。また、例えば、保護部材12の上面に別の有機能動装置を形成し、有機能動素子の積層体を形成する場合には、当該積層体に応じて種種の材料が好適に採用される。
【0026】
空間16には、不活性ガスの一種である窒素ガスが充填されている。
なお、本実施の形態においては窒素ガスを採用したが、希ガス等の不活性ガスを採用してもよい。また、空間16は、真空雰囲気に保持された空間でもよい。
【0027】
なお、本実施形態においては、基板10の面のうち有機能動素子11が形成された領域に対向して保護部材12を形成してもよい。この場合、基板10全体、もしくは有機能動素子11より大きい平面積で、保護部材12を形成する必要がなく、即ち、有機能動素子11が形成された領域の対向する最小限の平面積で、保護部材12を形成することができる。
【0028】
このように構成された有機能動装置1においては、不図示の入出力装置が外部端子18と配線14を介して有機能動素子11に所定の信号を入力し、当該入力に応じて、有機能動素子11が具備する分子単電子トランジスタが作動する。
この分子単電子トランジスタは、ソース部Sから供給される電子の速度がゲート部Gによって制御される特性を有しており、そのスイッチング速度は、量子ドットRの寸法によってほぼ決定され、例えば、量子ドットRの直径が1nm程度である場合には、速度10THz、集積度10G個/mm程度と、従来のトランジスタの1000倍以上の高性能となる。また、当該分子単電子トランジスタを基本として、ダイナミックメモリーセルや論理回路を構成することができる。
このような分子単電子トランジスタの動作に伴って、有機能動素子11の信号は外部端子18を介して不図示の入出力装置に出力される。
【0029】
また、このような有機能動素子においては、有機能動素子11は保護部材12と接触せずに、密閉された空間16内に保持されるので、有機能動素子11の分子破壊を防止することができる。また、有機能動素子11側に対する衝撃の伝達、熱の伝達、酸素や水分の侵入等を防止し、有機能動素子を保護することができる。特に、酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子の劣化を防止し、長寿命化を達成することができる。
また、空間16には、窒素ガスが充填されているので、酸素や水分から有機能動素子11を保護するので、即ち、上記と同様の効果を奏する。
なお、空間16を真空雰囲気に保持した場合であっても、酸素や水分から有機能動素子11を保護するので、即ち、上記と同様の効果を奏する。
【0030】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る有機能動素子のパッシベーションの第2実施形態について説明する。
本実施形態と第1実施形態との相違点について概略説明すると、第1実施形態は基板と保護部材との間の空間に有機能動素子を形成したが、本実施形態は基板に凹部が形成され、当該凹部内に有機能動素子が形成された構成となっている。
本実施形態においては、第1実施形態と異なる部分のみ説明し、同一構成には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
図5は本実施形態の有機能動素子のパッシベーションを備えた有機能動装置の模式断面図である。
図5に示すように、有機能動装置2においては、基板10に形成された凹部20の空間16に、有機能動素子11と、保護部材12と、シール部材13と、配線14とが配置されている。更に、外部端子18を露出しつつ、保護部材12と基板10の表面を被覆する保護膜15が形成され、また、空間16内には乾燥剤/脱酸素剤材21が配置されている。また、保護部材12は凹部20に埋設されている。
【0032】
凹部20の形成方法としては、例えば、エッチング等の方法で基板10を削る方法や、材料吐出法等の液相法で基板10上に凸部を設け、当該凸部に対して凹部20を相対的に形成する方法でもよい。ここで、基板10を削って凹部20を形成した場合には、基板10内に有機能動素子11を埋設することが可能になると共に、ギャップ材17が不要になるので有機能動装置2のスリム化を図ることができる。材料吐出法を用いる際にはSOG等が用いられる。
【0033】
乾燥剤/脱酸素剤材21は、図5において有機能動素子11の側方に配置されているが、当該乾燥剤/脱酸素剤材21は、具体的な位置を示すものではなく、基板10、保護部材12及びシール部材13によって囲まれた空間内の任意の位置に配置される。この場合、酸素や水分の侵入が生じやすい部分、例えば、基板10とシール部材13との界面、保護部材12とシール部材13との界面など、異なる部位の界面近傍等に配置されることが好ましい。また、ここで言う「乾燥剤/脱酸素剤材」とは、シリカゲルやTi等のようなゲッター剤を含むものである。従って、空間16を乾燥状態又は無酸素状態の維持するので、酸素や水分から有機能動素子11を保護し、酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子11の劣化を防止することができ、先に記載した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
上述したように、有機能動装置2においても、酸素や水分の侵入に伴う有機能動素子11の劣化を防止することができ、有機能動素子11と保護部材12との接触が生じることがなく有機能動素子の分子破壊を防止し、即ち、先に記載した有機能動素子のパッシベーションと同様の効果を奏する。
【0035】
なお、本実施形態においては、保護部材12は凹部20に埋設されて有機能動装置2のスリム化を達成しているが、凹部20に対向する位置に当該保護部材12が配置されていれば、必ずしも凹部20に埋設する必要はない。これらは、有機能動装置2の所望の設計に応じて、種種に変更可能である。
【0036】
(第3実施形態)
以下、上記実施形態の有機能動装置を備えた電子機器の例について説明する。
図6は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図6において、符号1000は携帯電話本体を示しており、また、符号1001は表示部を示しており、この携帯電話本体1000においては、先に記載した有機能動装置が具備されている。
【0037】
図7は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図7において、符号1100は時計本体を示しており、また、符号1101は表示部を示しており、この時計本体1100においては、先に記載した有機能動装置が具備されている。
【0038】
図8は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は表示部を示している。この情報処理装置本体1204においては、先に記載した有機能動装置が具備されている。
【0039】
図6から図8に示す電子機器は、いずれも上記実施形態の有機能動装置を備えているので、長寿命の電子機器を提供することが可能となる。
【0040】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に示した有機能動装置の模式平面図。
【図2】本発明の第1実施形態に示した有機能動装置の模式断面図。
【図3】本発明の第1実施形態に示した有機能動装置の要部の断面図。
【図4】有機能動素子の一例として挙げた分子単電子トランジスタの模式図。
【図5】本発明の第2実施形態に示した有機能動装置の模式断面図。
【図6】本実施形態の有機能動装置を備えた電子機器の一例を示す図。
【図7】本実施形態の有機能動装置を備えた電子機器の一例を示す図。
【図8】本実施形態の有機能動装置を備えた電子機器の一例を示す図。
【符号の説明】
1、2 有機能動装置、10 基板(第1基板)、11 有機能動素子、12 保護部材(第2基板)、13 シール部材(保護部材)、16 空間、17 ギャップ材、20 凹部

Claims (11)

  1. 有機能動素子が形成された第1基板と、
    前記第1基板における前記有機能動素子が形成された面に対向して配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間の少なくとも前記有機能動素子を含む空間を密閉状態に保持する保持部材と、
    を具備することを特徴とする有機能動素子のパッシベーション。
  2. 前記保持部材は、前記第1基板と前記第2基板との間であって前記第2基板の外周部分に対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機能動素子のパッシベーション。
  3. 有機能動素子が形成された第1基板と、
    前記第1基板における前記有機能動素子が形成された面のうち少なくとも前記有機能動素子が形成された領域に対向して配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間の空間を密閉状態に保持する保持部材と、
    を具備することを特徴とする有機能動素子のパッシベーション。
  4. 凹部を備えると共に当該凹部内に有機能動素子が形成された第1基板と、
    前記凹部に対向して配置された第2基板と、
    前記凹部内の少なくとも前記有機能動素子を含む空間を密閉状態に保持する保持部材と、
    を具備することを特徴とする有機能動素子のパッシベーション。
  5. 前記保持部材には、前記空間を所定間隔に維持するギャップ材が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の有機能動素子のパッシベーション。
  6. 前記空間内には不活性ガスが充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機能動素子のパッシベーション。
  7. 前記空間内は真空雰囲気に保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の有機能動素子のパッシベーション。
  8. 前記空間内には乾燥剤又は脱酸素剤が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の有機能動素子のパッシベーション。
  9. 前記第1基板、前記第2基板及び前記保持部材のうち少なくともいずれかを被覆する保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の有機能動素子のパッシベーション。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の有機能動素子のパッシベーションを備えたことを特徴とする有機能動装置。
  11. 請求項10に記載の有機能動装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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