JP2004246851A - 記録媒体の読み出し制限方式 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に書き込んだ情報のうち、読み出されたくない情報をファイル(管理)システムで読み出せなくする、低コストの記録媒体の読み出し制限方式を提供する。
【解決手段】記録媒体1のユーザ領域5に読み出し不能領域8を確保すべく、読み出し不能領域8が属しているクラスタが、ファイルシステムから欠陥クラスタとして認識されるように、記録媒体1の管理領域6に、読み出し不能領域8の状態情報(欠陥クラスタであること)を書き込んでおく。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿抜可能な記録媒体に格納されている情報を、コンピュータなどで読み出せないようにする、記録媒体の読み出し制限方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動販売機や車載機器やロボットや計測装置(メータ装置)などのユーザ機器において、それらのユーザ機器ないしそのインタフェース装置(アダプタ)に、ユーザが業者から購入する記録媒体をセットして、前記記録媒体から前記ユーザ機器へ情報(ファイル)を伝送し、前記ユーザ機器にその情報(ファイル)書き込んで、前記ユーザ機器が特定又は全部の機能を発揮するような記録媒体の使い方が知られている。このような記録媒体からファイルを勝手に読み出されることがあると、ユーザ機器にセットする記録媒体を販売する業者にとって、損失となるという問題点がある。
そこで、通常は、記録媒体に格納されている情報に価値がある場合、その記録媒体を販売する業者は、該記録媒体からファイルを読み出し得る回数を制限する情報を該記録媒体に書き込んでおくことが多い。
例えば、ある記録媒体Aには、8回まで読み出しを許容する情報を書き込んでおく。記録媒体Aからファイルを読み出すユーザ機器B1は、記録媒体Aからファイルを1回読み出すと、記録媒体Aに書き込まれている読み出し許容回数を1減じる。ユーザ機器B2でも同様にする。このようにすれば、8台目のユーザ機器B8まで、記録媒体Aからファイルを読み出して、ユーザ機器を作動させることができる。9台目のユーザ機器B9に記録媒体Aをセットすると、既に読み出し許容回数が0になっているので、ユーザ機器B9は、記録媒体Aからのファイルの読み出しを実行することがない。
つまり、記録媒体Aは、8台のユーザ機器(B1〜B8)に対して、ファイルを提供することができ、記録媒体Aの販売価格は、ユーザ機器8台分を動作させる情報料金が適当なものとなる。同様に、ある記録媒体Cに20回の読み出し許容回数が書き込まれているとするなら、その記録媒体Cの販売価格は、ユーザ機器20台分を動作させる情報料金が適当となる。
しかしながら、フロッピーディスク(FD)、メモリカードなどの挿入及び抜き出しが可能な記録媒体を、そのリード装置ないしリード/ライト装置に挿入して、オペレーティングシステム(OS)が搭載されているパーソナルコンピュータいわゆるパソコンでもって、前記記録媒体に格納されているファイルを容易に読み出すことができる。読み出したファイルは、他の記録媒体へ書き込んで、元の記録媒体のコピーを作ることができる。
こうなると、記録媒体に読み出し制限回数が書き込まれていて、かつ、ユーザ機器が、その読み出し許容回数を参照して記録媒体からファイルを読み出す設計であるとしても、ユーザによって容易に複製を作られてしまうので、有用情報を書き込んだ記録媒体の販売業者にとっては、やはり、損失が発生するという問題点が従来あった。
【0003】
一方、このような問題点の一解決手段として、挿抜可能、言い換えれば可搬型の記録媒体ないし記憶媒体に読み出し制限機能を持たせる、特開2000−228060号公報に開示されている方式が知られている。
特開2000−228060号公報に開示されている方式は、大容量の画像データ等を可搬型記憶媒体に格納する際、データ内容の秘匿性、真正性を確保し、且つデータの不正な消去・破壊を含めた改竄を防止でき、且つ高速な処理を実現できるデータ記録/再生装置であって、次のような構成である。
システム管理用データが記録されるシステム管理領域及びユーザー用データが記録されるユーザー領域を有する可搬型記憶媒体にデータを記録するデータ記録装置において、暗号化鍵信号又は暗号化鍵信号を生成するための暗号化鍵信号生成情報を含む暗号化秘密情報を保持する暗号化秘密情報保持手段と、前記暗号化秘密情報保持手段に保持されている前記秘密情報暗号化を用いて暗号化処理を行う暗号化手段と、前記暗号化手段により、前記可搬型記憶媒体のシステム管理領域に記録すべきシステム管理用データの少なくとも一部を暗号化処理して前記可搬型記憶媒体のシステム管理領域へ記録する記録手段とを有する。
すなわち、記憶媒体のシステム管理領域に記録すべきシステム管理用データの少なくとも一部を暗号化処理して記憶媒体のシステム管理領域へ記録することによって、この記憶媒体からの不正読み出しを阻止しようとする方式である。
この従来公知技術の問題点は、所期の目的を達成するために、暗号化装置(暗号化秘密情報保持手段と暗号化手段)及び復号化装置(復号化秘密情報保持手段と復号化手段)が必要であり、コストが掛かることである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−228060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明に係る記録媒体の読み出し制限方式は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑み成されたものであり、次の課題を解決することを目的とする。
記録媒体に書き込んだ情報のうち、読み出されたくない情報を、ファイル(管理)システムを備えるパソコンなどの汎用性の高い制御・演算機器(情報処理機器)で読み出せなくする、もしくは読み出し難くする、低コストの記録媒体の読み出し制限方式を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの記録媒体の読み出し制限方式であり、次のようなものである。
記録媒体のユーザ領域に所定領域を確保し、ファイルシステムから読み出されたくない隠し情報を前記所定領域に書込み、前記所定領域が属しているクラスタ(このクラスタの一部もしくは全部に前記所定領域が属している)が、前記ファイルシステムに欠陥クラスタとして認識されるように、前記記録媒体の管理領域に、前記所定領域の状態情報を書き込んでおくことを特徴とする構成である。
なお、前記ユーザ領域というのは、記録媒体を使う者が、データないしファイルを、自由に書き込むことが可能なデータ領域のことである。
また、ファイルシステムというのは、記憶装置や記憶媒体にファイルやフォルダを作成したり、移動や削除を行なったりするデータ管理システムである。通常、オペレーティングシステムは、ファイルシステムを機能として持つ。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの記録媒体の読み出し制限方式であり、次のようなものである。
請求項1記載の記録媒体の読み出し制限方式において、前記所定領域は、前記ユーザ領域の先頭番地もしくは最後尾番地から確保するものである。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの記録媒体の読み出し制限方式であり、次のようなものである。
請求項1記載または請求項2記載の記録媒体の読み出し制限方式において、前記記録媒体は、メモリカードである構成である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの記録媒体の読み出し制限方式であり、次のようなものである。
請求項1記載、請求項2記載または請求項3記載の記録媒体の読み出し制限方式において、前記記録媒体は、フラッシュメモリを使用する記録媒体である構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式の実施の一形態を示すブロック図である。
本発明の記録媒体1としては、メモリカード、特にフラッシュメモリを使用するメモリカードが適する。メモリカードの具体例としては、商標名スマートメディア、商標名コンパクトフラッシュなどが挙げられる。
記録媒体1は、使用するファイルシステムによって、フォーマット時に、管理領域6とユーザ領域5と使用不能セクタ9との三つの領域に区分けされる。
使用不能セクタ9というのは、1クラスタ未満の半端なセクタの集まりであり、そのファイルシステムによっては、データの記録ができない領域である。オペレーティングシステム(OS)の一つの機能である(ことが多い)ファイルシステムは、クラスタ単位で情報の管理、すなわち記録媒体への読み書きを行なうからである。
ユーザ領域5は、ファイルを書き込んで記録しておくデータ領域である。
管理領域6は、データ領域(ユーザ領域5)に記録するファイルの管理情報を書き込んでおく領域である、ここでは、管理領域6は、4つの領域に分けられるものとする。管理領域6を幾つの領域にどのように分けるかは、OSが採用しているファイルシステムによって異なる。パソコン用のファイルシステムとして広く普及しているFAT(File Allocation Table)ファイルシステムの一つでは、概ね図1のような区切り方をする。すなわち、予約セクタ2、FAT1領域3a、FAT2領域3b、及びルートディレクトリ領域4である。
FAT1領域3aとFAT2領域3bには、全く同じ情報を書く。FAT領域(3a、3b)には、あるファイルを構成しているのはどのクラスタか、あるクラスタは、現在使用中か未使用か、ユーザ領域の各クラスタが欠陥(不良)であるか正常であるかどうか、などの情報を書く。なお、FAT領域は、二つでなくても、一つでもよいし三つでもよい。それは、本発明実施において、採用するファイルシステムで定まることである。
予約セクタ2は、記録媒体1の論理的な構造、及び、ブートプログラムを記録する部分である。
ルートディレクトリ領域4には、ファイル毎に、ファイル名、拡張子、属性、作成日時、開始クラスタアドレス、ファイルのサイズなどの情報を書く。
【0011】
本発明を実施するには、管理領域6の例えばFAT1領域3a及びFAT2領域3bに、欠陥クラスタ領域確保領域7a及び欠陥クラスタ領域確保領域7bをそれぞれ設ける。当然、欠陥クラスタ領域確保領域7aと欠陥クラスタ領域確保領域7bとは、そのサイズも書きまれいてる情報も全く同じである。
欠陥クラスタ領域確保領域7a及び欠陥クラスタ領域確保領域7bに所定情報を書き込んでおくことによって確保されるデータ(ファイル)書込み領域がユーザ領域5に設けてある読み出し不能領域8である。
ファイルシステムは、記録媒体1にアクセスして読み出し不能領域8から情報を読み出そうとする前には、FAT1領域3aの欠陥クラスタ確保領域7aにアクセスして、当該クラスタが不良クラスタであることを知る。従って、ファイルシステムは、読み出し不能領域8からデータを読み出さない。パソコンなどの汎用の制御演算機器(のOS)は、読み出し不能領域8に書き込まれている情報だけは読み出さないので、記録媒体1に有用情報を記録して売り出す業者は、読み出されたくない、いわゆる隠しファイルを、この読み出し不能領域8に格納しておけば、該記録媒体からの不正読み出しを防止でき、ひいては不正コピーをも防止できる。
【0012】
図2は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式における欠陥クラスタ領域の確保方法を説明する概略図である。
FAT2領域3bに書き込むデータは、FAT1領域3aと全く同様であるので、FAT1領域3aだけについて説明する。
ユーザ領域5は、1番目のクラスタから100番目のクラスタまで、100個のクラスタで構成されているとする。図2では、1番目のクラスタのことを1番クラスタ、71番目のクラスタのことを71番クラスタと表示するものとする。また、図2中、[]内の記載情報は、記録される情報そのものではなくて、その情報が記録される番地情報、すなわち情報が記録される場所に関する情報であることを示す。
ここではユーザ領域5に100個あるクラスタのうち、先頭から数えて71番目のクラスタを欠陥領域として指定するものとする。そのためには、管理領域6のFAT1領域3aに、所要の情報、すなわち71番目のクラスタが欠陥クラスタ(不良クラスタ)であることの示す情報を、書き込んでおく。欠陥クラスタであることをマーキングする情報が例えば16進数でFF7であり、正常なクラスタであることをマーキングする情報が例えば16進数でFF6であるとするなら、FAT1領域3aの70番目のクラスタに関する情報を書く場所には、情報FF6が書き込まれる。71番目のクラスタに関する情報を書く場所には、情報FF7が書き込まれる。72番目のクラスタに関する情報を書く場所には、情報FF6が書き込まれる。なお、情報FF6及び情報FF7の後ろに記載されているXという文字は、任意の16進数の数字である。Xが何であろうと、ファイルシステムがFAT領域にアクセスして、FF6を読みこんだときは、その読み込んだ場所に対応するユーザ領域のクラスタは正常であり、FF7を読み込んだときは、その読み込んだ場所に対応するユーザ領域のクラスタは、欠陥であると認識する。
【0013】
図3は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式の別の実施の一形態を示すブロック図である。
ユーザ領域5に設ける読み出し不能領域8、すなわち不良クラスタではないのだけれど、ファイルを読み出しできないよう、管理領域6の所定領域(例、FAT1領域3aとFAT2領域3b)に不良クラスタであると記録しておく領域は、ユーザ領域5のどこに設けてもよい。例えば、ユーザ領域5の1番目のクラスタからその領域を確保してもよい。
また、図示はしないが、読み出し不良領域をユーザ領域の2箇所以上に設けてもよい。
【0014】
図4は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式のもう一つの別の実施の一形態を示すブロック図である。
ユーザ領域5の読み出し不能領域8は、ユーザ領域5の一番最後のクラスタを含む領域として確保してもよい。当然、管理領域6のFAT1領域3aとFAT2領域3bに書き込んでおく不良クラスタ情報は、その読み出し不能領域8に対応する番地の場所に書き込む。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係る記録媒体の読み出し制限方式は、以上説明してきたような構成であるので、以下に記載する効果を奏する。
記録媒体に書き込んだ情報のうち、読み出されたくない情報を、通常OSの機能の一つであるファイル(管理)システムを備えるパソコンなどの汎用の制御演算機器で読み出せなくする、もしくは読み出し難くすることが可能である。しかも、暗号などの複雑な情報処理を使わないので、低コストの記録媒体の読み出し制限方式を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式における欠陥クラスタ領域の確保方法を説明する概略図である。
【図3】図3は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式の別の実施の一形態を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明に係わる記録媒体の読み出し制限方式のもう一つの別の実施の一形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 記録媒体
2 予約セクタ
3a FAT1領域
3b FAT2領域
4 ルートディレクトリ領域
5 ユーザ領域
6 管理領域
8 読み出し不能領域
7a 欠陥クラスタ領域確保領域
7b 欠陥クラスタ領域確保領域
8 読み出し不能領域
9 使用不能セクタ

Claims (4)

  1. 記録媒体のユーザ領域に所定領域を確保し、
    ファイルシステムから読み出されたくない隠し情報を前記所定領域に書込み、
    前記所定領域が属しているクラスタが、前記ファイルシステムに欠陥クラスタとして認識されるように、前記記録媒体の管理領域に、前記所定領域の状態情報を書き込んでおくことを特徴とする、記録媒体の読み出し制限方式。
  2. 前記所定領域は、前記ユーザ領域の先頭番地もしくは最後尾番地から確保するものである、請求項1記載の記録媒体の読み出し制限方式。
  3. 前記記録媒体は、メモリカードである請求項1記載または請求項2記載の記録媒体の読み出し制限方式。
  4. 前記記録媒体は、フラッシュメモリを使用する記録媒体である、請求項1記載、請求項2記載または請求項3記載の記録媒体の読み出し制限方式。
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