JP2004246697A - 住宅買い替え支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】関係者が満足感を得やすい住宅買い替え支援システムの提供。
【解決手段】売却する旧住宅の査定価格がシステムの査定価格記憶装置(10)に入力され、査定価格にもとづき買取り価格と売却価格を買取り価格演算装置(20)と売却価格演算装置(30)で演算する。買取り諸費用、仮住まい家賃、売却準備費用を各演算装置(40、50、60、)で演算し、売却利益演算装置(70)で売却価格から買取り価格、買取り諸費用、売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して売却利益を演算し、キャッシュバック演算装置(80)で売却利益からキャッシュバックを演算し、売却収入演算装置(90)が買取り価格にキャッシュバックを加えて売却収入を演算し、売却収入は新住宅の購入代金とされる。住宅買い替え支援業者がこのシステムを運用し、買い取った旧住宅を仮住まいとして賃貸し、住宅買い替え客は旧住宅から新住宅へ引越すだけでよい。
【選択図】 図1
【解決手段】売却する旧住宅の査定価格がシステムの査定価格記憶装置(10)に入力され、査定価格にもとづき買取り価格と売却価格を買取り価格演算装置(20)と売却価格演算装置(30)で演算する。買取り諸費用、仮住まい家賃、売却準備費用を各演算装置(40、50、60、)で演算し、売却利益演算装置(70)で売却価格から買取り価格、買取り諸費用、売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して売却利益を演算し、キャッシュバック演算装置(80)で売却利益からキャッシュバックを演算し、売却収入演算装置(90)が買取り価格にキャッシュバックを加えて売却収入を演算し、売却収入は新住宅の購入代金とされる。住宅買い替え支援業者がこのシステムを運用し、買い取った旧住宅を仮住まいとして賃貸し、住宅買い替え客は旧住宅から新住宅へ引越すだけでよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅の買い替えを支援するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅を買い換える際には、通常は、現在の住宅を先行売却し、ある期間仮住まいをし、その後、新しい住宅に入居するということがおこなわれている。
現在居住中の旧住宅を売却して、新住宅の購入を計画している住宅買い替え客は、通常、資金に余裕がないかぎり、旧住宅の売却の決済と引渡しを先におこない、新住宅の購入資金をえようとする。そのために、以下のような、問題を抱える。
(1)購入のための資金繰りは、売却の成否に左右されるので、売却の決定まで不安が続く。また、購入契約後、一定期間内に売れないと購入契約が無償解除されるのが通例となっている。
(2)売出したら、購入検討客の案内に備えて毎日自宅待機が必要である。購入検討客が現われても当然のように価格交渉され、気が滅入る。
(3)仲介業者が買い取ってくれれば楽だが、仲介業者の提示価格は通常の査定価格の50%〜60%と低く、通常は売る気にならない。仲介業者のねらいは、安くても受忍する客から、低価格で買い取ってこれをリフォームして高く売却することである。仲介業者は、資金負担、保有経費負担、瑕疵担保リスク負担があるので、高利益を求める。
(4)自宅売却後に購入物件に転居するまでの間、「仮住まい」が必要になるが、この「仮住まい」は金銭的、肉体的、精神的に大きな負担となる。特に、高齢者の場合はつらいものとなる。
【0003】
以下、ある客が、仲介業者を介して、現在居住中の住宅(旧住宅)を別の客に売却する場合の関係者の収支の例を説明する。
ここで、旧住宅を売却する客を客A、客Aが売却した住宅を購入する客を客B、仲介業者を仲介業者Cとする。
例えば、現在の査定額2000万円の旧住宅を売却し、仮住まい期間1年で、新住宅に移る場合、査定額の100%で売却できたとして、客Aは以下のような収支となる。
その他、上記に加えて、この仮住まいから新規物件への引越し費用、売却印紙、抵当抹消の費用等が発生する。
【0004】
一方、客Bは、生活中の物件を見ると幻滅するが、そもそも、予算が少ないために中古を検討しておりリフォームする前提であることから、幻滅部分は妥協している。そして、以下のような収支となる。
その他、上記に加えて、登記費用、取得税等が発生する。
【0005】
また、旧住宅の売却依頼を受けた仲介業者Cは、希望価格で購入客が見つからない場合には客Aに価格下げを勧告するが、その結果、客Aが他の業者に依頼をしてしまうと、それまでの苦労が水の泡になる。
また、客Aが入居中だと、購入検討客が現われても、すぐに案内することができず、日程調整をしている間に御破算になることもある。また、売り手、買い手ともに素人であり、細々した注文をすべて中立の立場で調整することに労力を要する。
また、仲介業者Cの手数料は以下の金額が上限である、別の業者が購入客を見つけた場合は購入仲介手数料はその別の業者が手にするために、仲介業者Cには売却仲介手数料しか手に入らないこともある。
【0006】
したがって、客Aにとっては、仮住まいの費用267万円が無駄な出費であり、客Bにとっては、リフォーム業者が個人から受注した際に得るであろう高い利益、例えば、リフォーム費用300万円×30%(粗利益率)=90万円が割高な出費である。また、仲介業者Cも安定して利益を上げることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、住宅の買い替えに係る者が満足感を得やすい住宅買替え支援システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客を支援する住宅買い替え支援システムであって、
旧住宅の査定価格を記憶する査定価格記憶装置と、
査定価格にもとづいて旧住宅の買取り価格を演算する買取り価格演算装置と、
査定価格にもとづいて旧住宅の売却価格を演算する売却価格演算装置と、
旧住宅の買取りに伴って発生する買取り諸費用を演算する買取り諸費用演算装置と、
旧住宅を退去してから新住宅に入居するまでの仮住まい住居の家賃を演算する仮住まい家賃演算装置と、
旧住宅を売却するための準備費用を演算する売却準備費用演算装置と、
旧住宅の売却価格から、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して、売却利益を演算する売却利益演算装置と、
旧住宅の売却利益にもとづいて、前記住宅買い替え客へのキャッシュバックを演算するキャッシュバック演算装置と、
旧住宅の買取り価格にキャッシュバックを加算して前記住宅買い替え客の旧住宅の売却収入を演算する売却収入演算装置と、を含み、
売却収入演算装置の演算した旧住宅の売却収入が前記住宅買い替え客に還金処理され、
旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこない、該住宅買い替え支援業者がシステムを運用し、
前記仮住まい住居は前記住宅買い替え客が売却した旧住宅であることを特徴とする住宅買い替え支援システムが提供される。
【0009】
このように構成される住宅買い替え支援システムを用いれば、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客は、旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこなってくれるので旧住宅を売却して売却収入を得るための苦労が殆どなく、また、キャッシュバックさえ得ることができる。そして、仮住まい住居は旧住宅であるので旧住宅から新住宅へ引越すだけでよく、精神的、肉体的、経済的負担が大幅に軽減される。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、買い替え支援業者が旧住宅の買取りと売却の一方または両方を、買取り代理手数料または、および、売却代理手数料を払って、仲介業者に代行させ、 買取り諸費用演算装置が買取り代理手数料を演算し、売却準備費用演算装置が演算売却代理手数料を演算する。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、仮住まい期間が1ヶ月以内とされる。
【0011】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、旧住宅はリフォーム後に売却され、リフォームにより増加する価値を査定価格に加えて売却価格が決定される。
請求項5の発明によれば、請求項1の発明において、旧住宅の買取りから売却まで、所定の売却準備期間を見込み、売却準備費用演算装置は、売却準備期間における金利、管理費、固定資産税を演算する。
【0012】
請求項6の発明によれば、請求項1の発明において、住宅性能評価機関に委託して、リフォーム後の旧住宅の性能評価をおこない、売却準備費用が性能評価費用を含む。
請求項7の発明によれば、請求項1の発明において、瑕疵担保保険に加入し、売却準備費用が瑕疵担保保険加入料を含む。
請求項8の発明によれば、請求項1の発明において、キャッシュバックは、旧住宅の売却利益から所定値を差し引いた残りに所定の割合を乗算してもとめる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
初めに、この実施の形態の概要を説明する。この実施の形態では、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客に対して、住宅買い替え支援業者が、旧住宅の買取りと売却をおこなって、住宅買い替え客が新住宅の購入資金とする旧住宅の売却収入の確保を支援する。そして、この住宅買い替え支援業者は、買い取った旧住宅を、住宅買い替え客が新住宅に入居するまでの間の仮住まい住居として住宅買い替え客に短期的に賃貸する。
そして、この実施の形態では、住宅買い替え支援業者が、旧住宅の買取りと売却を仲介業者に代行させる。
【0014】
住宅買い替え支援業者は図1に示すような住宅買い替え支援システム1を有しており、住宅買い替え支援システム1は査定価格記憶装置10と、買取り価格演算装置20、売却価格演算装置30、買取り諸費用演算装置40、仮住まい家賃演算装置50、売却準備費用演算装置60、売却利益演算装置70、キャッシュバック演算装置80、売却収入演算装置90、および出力装置100を具備している。
【0015】
これらは、住宅買い替え支援業者の有するコンピュータ内に組み込まれている。
【0016】
図2は上記の装置がおこなう計算のフローチャートである。以下、図2のフローチャートを参照しながら、本発明による住宅買い替え支援システムにおける計算過程を説明する。
【0017】
先ずは、ステップ10において、査定価格記憶装置10に売却される住宅の査定価格EVが入力されて、それが記憶される。例えば、査定価格が2000万円であれば、2000万円と入力される。
次に、ステップ20において買取り価格演算装置20で査定価格EVに予め定められた買取り比率KBRを乗算して買取り価格を演算するものであって、買取り比率KBRは、例えば、70%とされる。その場合、査定価格が上述のように2000万円であれば、買取り価格は2000万円×0.7=1400万円となる。
【0018】
次に、ステップ30において売却価格演算装置30で査定価格EVをもとにして売却価格SVを演算する。この売却価格SVは、売却物件をリフォームするものとして、リフォームにより増大する市場価値AVを加えたものとされる。例えば、リフォームにより増大する(市場)価値が300万円であれば、査定価格が上述のように2000万円であれば、売却価格は2000万円+300万円=2300万円となる。
【0019】
ステップ40では、買取り諸費用演算装置40で買取りに係って発生する諸費用である買取り諸費用BCを演算する。買取諸費用BCとは、例えば、以下のものがある。
B1:買取り業務の代理手数料
B2:登記費用
B3:取得税
【0020】
B1の代理手数料は、この実施の形態では、住宅買い替え支援業者が、仲介業者に買取り業務を代行させるので、この仲介業者に支払う手数料である。例えば、買取り価格BVに所定の比率KB1を乗算してもとめる。この比率KB1は、例えば5%とされる。その場合、買取り価格が上述のように1400万円であれば、代理手数料は1400万円×0.05=70万円となる。
B2の登記費用は買取り価格から所定の計算式KB2によって演算され、買取り価格が1400万円の場合は、例えば、40万円とされる。
B3の取得税は買取り価格から所定の計算式KB3によって演算され、買取り価格が1400万円の場合は、例えば、30万円となる。
図3にB1、B2、B3からもとめて、さらにBCをもとめる手順がしめされている。
【0021】
ステップ50では、仮住まい家賃演算装置50が、仮住まい家賃TSを演算する。
本発明においては、仮住まい住居は、住宅買い替え支援業者が買い取った旧住宅そのものである。したがって、旧住宅を売却してから新住宅へ引っ越すまでの仮住まい期間を、任意に設定することができ、例えば、仮住まい期間は、1ヶ月以内、好ましくは、10日程度にされる。
そして、仮住まいといっても、新住居の準備が整うまで旧住居に、そのまま済み続けるので、旧住宅から新住宅へ引越すだけでよく、住宅買い替え客の精神的、肉体的、経済的負担は大幅に軽減される。
そして、この家賃TSを客Aから徴収するが、これは1日当たりの料金DSに日数Dを乗算して計算する。例えば、1日当たりの料金を1万円とし、仮住まい期間を10日とすれば、仮住まい家賃は1万円×10=10万円となる。この仮住まい家賃は住宅買い替え支援業者にとっては収入となるので、買取り諸費用に対してはマイナス(−)で処理される。
【0022】
ステップ60では、売却準備費用演算装置60が売却するための準備費用を演算する。売却するための準備諸費用とは、例えば、以下のものがある。
S1:売却業務の代理手数料
S2:リフォーム費用
S3:固定資産税
S4:金利
S5:性能評価取得費用
S6:瑕疵担保保険料
S7:管理費
【0023】
S1の代理手数料は、この実施の形態では、住宅買い替え支援業者が、仲介業者に売却業務を代行させるので、この仲介業者に支払う手数料である。例えば、売却価格SVに所定の比率KS1を乗算してもとめる。この比率KS1は、例えば5%とされる。その場合、売却価格が上述のように2300万円であれば、代理手数料は2300万円×0.05=115万円となる。
【0024】
S2のリフォーム費用は売却価格の決定に際して使用したリフォームにより増大する市場価値の原価という意味合いにおいて、リフォームにより増大する価値に所定の比率KS2を乗算して決定される。この比率KS2は例えば70%とされ、リフォームにより増大する価値が300万円であれば、リフォーム費用は300万円×0.70=210万円となる。
【0025】
S3の固定資産税は、買取りから売却まで売却準備期間PD、例えば6ヶ月のの間に発生する固定資産税であって、査定価格EVから所定の計算式KS3によって演算され、査定価格が2000万円の場合は、例えば、年10万円であるので、その半分の5万円となる。
【0026】
S4の金利負担は、買取りから売却までの売却準備期間PD、例えば6ヶ月、の間に発生する金利である。これは、買取り時に発生する費用=買取り価格BV+買取り諸費用BCに、金利KCRと上記の期間PDを乗算して算出される。例えば、金利KCRを年3%とした場合に、買取り時に発生している費用は、買取り価格BV1400万円+買取り諸費用BC140万円(=代理手数料70万円+登記費用40万円+取得税30万円)−仮住まい家賃10万円であるので、1530万円×0.03×0.5(年)=23万円となる。
【0027】
S5の性能評価取得費用というのは、リフォーム後の売却住宅の性能を、例えば、財団法人日本建築センター等の第3者機関により評価してもらうための費用であって、予め入力されている値であって、例えば、10万円とされる。
S6の瑕疵担保保険料というのは欠陥が発生した場合の修復費用に充当するためのものであって、売却価格に所定の係数KS6を乗算して計算され、例えば、10万円と算出される。
S7の管理費は、集合住宅において毎月支払う管理費であって、物件毎に異なるので、入力される。例えば、毎月2万円であれば、6ヶ月の場合、2万円×6=12万円となる。
【0028】
ステップ70では売却利益演算装置70が、売却価格から原価としての、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用の合計を減算した、売却利益を計算する。
この例の場合、売却価格が2300万円、買取り価格が1400万円、買取り諸費用が130万円、売却準備費用が385万円であるので、売却利益は2300万円−(1400万円+130万円+385万円)=385万円となる。
【0029】
ステップ80では、キャッシュバック演算装置80が、売却利益をもとにキャッシュバック額を計算するが、この実施の形態では、キャッシュバックは売却利益から予め定めたキャッシュバック控除額CBNを減算した値に予め定めたキャッシュバック比率KCBを乗算してもとめる。例えば、キャッシュバック控除額CBNを50万円、キャッシュバック比率KCBを80%とすると、(385万円−50万円)×0.80=268万円がキャッシュバックとして住宅買い替え客に還金される額である。
【0030】
そして、ステップ90では、売却収入演算装置90が、買取り価格にキャッシュバックを加えたものを売却収入SIとして計算する。この場合は、売却収入SI=買取り価格1400万円+キャッシュバック268万円=1668万円である。客Aは、この金額を、旧住宅を売却した収入として得ることができる。
実際は、例えば、住宅買い替え支援業者が、出力装置100で上記の金額をプリントアウトして客Aに提示するとともに、客Aの指定する銀行口座への振込みをおこなう。
【0031】
ここで、上記の取引の過程における、各関係者における、メリットは以下のようになる。
客Aの売却収入SIは前述のように1668万円であり、従来技術において、算出された1664万円と略同等であるが、客Aにとっては、売却住宅の購入客の見学に備えて休日も待機する苦痛、仮住まい探し、そして、売却住宅が売れるかどうかの不安等、から解放されるという大きなメリットがある。また、仮住まいは、実際は旧住宅であり、引越し荷物の移動は旧住宅から新住宅への移動の1回ですむというのも大きなメリットである。
【0032】
住宅買い替え支援業者は、買取り業務と売却業務を仲介業者に代行させても売却利益385万円−キャッシュバック268万円=117万円の収入を得ることができる。
【0033】
仲介業者Cは、買取り代理手数料70万円+売却代理手数料115万円=185万円を得ることができ、これは、従来技術における仲介業者の収入132万円に比べて大幅に増加するし、買取り代理手数料を売却相手が未定の状態でも即時に確実に計上することができる。また、客Aは住宅買い替え支援業者に紹介されて、あるいは、逆に、仲介業者Cが住宅買い替え業者を紹介する場合もあるが、その関係によって、他の仲介業者とは交渉せずに、専属的に、あるいは排他的に、この仲介業者Cと交渉をすることになるので、仲介業者Cは他の仲介業者と競争することがなく、客Aを説得しやすいので、利益も確保しやすい。
【0034】
また、旧住宅の客Bへの展示は客Aが退去して、リフォーム後に行うことができる。したがって、仲介業者自身が鍵を常時保有でき、従来のような都合の調整が不要で対応がしやすく、リフォーム後の見栄えのよいものを見せることができるので幻滅を与えることもすくなく、成功率も高くなる。さらに、客Bには購入手数料を請求しなくてもよいので、客Bは、その分、割引感を感じ、瑕疵担保保険がついていることで安心感を感じることも成功率を高めるのに寄与する。また、客Bにとっても所望の通りに旧住宅の見学ができる可能性が高い。
【0035】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明は、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客を支援する住宅買い替え支援システムであるが、
旧住宅の査定価格を記憶する査定価格記憶装置と、査定価格にもとづいて旧住宅の買取り価格を演算する買取り価格演算装置と、査定価格にもとづいて旧住宅の売却価格を演算する売却価格演算装置と、旧住宅の買取りに伴って発生する買取り諸費用を演算する買取り諸費用演算装置と、旧住宅を退去してから新住宅に入居するまでの仮住まい住居の家賃を演算する仮住まい家賃演算装置と、旧住宅を売却するための準備費用を演算する売却準備費用演算装置と、旧住宅の売却価格から、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して、売却利益を演算する売却利益演算装置と、旧住宅の売却利益にもとづいて、前記住宅買い替え客へのキャッシュバックを演算するキャッシュバック演算装置と、旧住宅の買取り価格にキャッシュバックを加算して前記住宅買い替え客の旧住宅の売却収入を演算する売却収入演算装置と、を含み、売却収入演算装置の演算した旧住宅の売却収入が前記住宅買い替え客に還金処理され、旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこない、該住宅買い替え支援業者がシステムを運用し、前記仮住まい住居は前記住宅買い替え客が売却した旧住宅とされている。
したがって、住宅買い替え客は、旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこなってくれるので旧住宅を売却して売却収入を得るための苦労が殆どなく、また、キャッシュバックさえ得ることができる。そして、仮住まい住居は旧住宅であるので、旧住宅から新住宅へ引越すだけでよく、精神的、肉体的、経済的負担が大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による住宅買い替え支援システムの構成を示す図である。
【図2】本発明による住宅買い替え支援システムより住宅買い替え支援金額を計算するフローチャートである。
【図3】買取り諸費用を演算するルーチンのフローチャートである。
【図4】仮住まい家賃を演算するルーチンのフローチャートである。
【図5】売却準備費用を演算するルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10…査定価格記憶装置
20…買取り価格演算装置
30…売却価格演算装置
40…買取り諸費用演算装置
50…仮住まい家賃演算装置
60…売却準備費用演算装置
70…売却利益演算装置
80…キャッシュバック演算装置
90…売却収入演算装置
100…出力装置
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅の買い替えを支援するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅を買い換える際には、通常は、現在の住宅を先行売却し、ある期間仮住まいをし、その後、新しい住宅に入居するということがおこなわれている。
現在居住中の旧住宅を売却して、新住宅の購入を計画している住宅買い替え客は、通常、資金に余裕がないかぎり、旧住宅の売却の決済と引渡しを先におこない、新住宅の購入資金をえようとする。そのために、以下のような、問題を抱える。
(1)購入のための資金繰りは、売却の成否に左右されるので、売却の決定まで不安が続く。また、購入契約後、一定期間内に売れないと購入契約が無償解除されるのが通例となっている。
(2)売出したら、購入検討客の案内に備えて毎日自宅待機が必要である。購入検討客が現われても当然のように価格交渉され、気が滅入る。
(3)仲介業者が買い取ってくれれば楽だが、仲介業者の提示価格は通常の査定価格の50%〜60%と低く、通常は売る気にならない。仲介業者のねらいは、安くても受忍する客から、低価格で買い取ってこれをリフォームして高く売却することである。仲介業者は、資金負担、保有経費負担、瑕疵担保リスク負担があるので、高利益を求める。
(4)自宅売却後に購入物件に転居するまでの間、「仮住まい」が必要になるが、この「仮住まい」は金銭的、肉体的、精神的に大きな負担となる。特に、高齢者の場合はつらいものとなる。
【0003】
以下、ある客が、仲介業者を介して、現在居住中の住宅(旧住宅)を別の客に売却する場合の関係者の収支の例を説明する。
ここで、旧住宅を売却する客を客A、客Aが売却した住宅を購入する客を客B、仲介業者を仲介業者Cとする。
例えば、現在の査定額2000万円の旧住宅を売却し、仮住まい期間1年で、新住宅に移る場合、査定額の100%で売却できたとして、客Aは以下のような収支となる。
その他、上記に加えて、この仮住まいから新規物件への引越し費用、売却印紙、抵当抹消の費用等が発生する。
【0004】
一方、客Bは、生活中の物件を見ると幻滅するが、そもそも、予算が少ないために中古を検討しておりリフォームする前提であることから、幻滅部分は妥協している。そして、以下のような収支となる。
その他、上記に加えて、登記費用、取得税等が発生する。
【0005】
また、旧住宅の売却依頼を受けた仲介業者Cは、希望価格で購入客が見つからない場合には客Aに価格下げを勧告するが、その結果、客Aが他の業者に依頼をしてしまうと、それまでの苦労が水の泡になる。
また、客Aが入居中だと、購入検討客が現われても、すぐに案内することができず、日程調整をしている間に御破算になることもある。また、売り手、買い手ともに素人であり、細々した注文をすべて中立の立場で調整することに労力を要する。
また、仲介業者Cの手数料は以下の金額が上限である、別の業者が購入客を見つけた場合は購入仲介手数料はその別の業者が手にするために、仲介業者Cには売却仲介手数料しか手に入らないこともある。
【0006】
したがって、客Aにとっては、仮住まいの費用267万円が無駄な出費であり、客Bにとっては、リフォーム業者が個人から受注した際に得るであろう高い利益、例えば、リフォーム費用300万円×30%(粗利益率)=90万円が割高な出費である。また、仲介業者Cも安定して利益を上げることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、住宅の買い替えに係る者が満足感を得やすい住宅買替え支援システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客を支援する住宅買い替え支援システムであって、
旧住宅の査定価格を記憶する査定価格記憶装置と、
査定価格にもとづいて旧住宅の買取り価格を演算する買取り価格演算装置と、
査定価格にもとづいて旧住宅の売却価格を演算する売却価格演算装置と、
旧住宅の買取りに伴って発生する買取り諸費用を演算する買取り諸費用演算装置と、
旧住宅を退去してから新住宅に入居するまでの仮住まい住居の家賃を演算する仮住まい家賃演算装置と、
旧住宅を売却するための準備費用を演算する売却準備費用演算装置と、
旧住宅の売却価格から、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して、売却利益を演算する売却利益演算装置と、
旧住宅の売却利益にもとづいて、前記住宅買い替え客へのキャッシュバックを演算するキャッシュバック演算装置と、
旧住宅の買取り価格にキャッシュバックを加算して前記住宅買い替え客の旧住宅の売却収入を演算する売却収入演算装置と、を含み、
売却収入演算装置の演算した旧住宅の売却収入が前記住宅買い替え客に還金処理され、
旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこない、該住宅買い替え支援業者がシステムを運用し、
前記仮住まい住居は前記住宅買い替え客が売却した旧住宅であることを特徴とする住宅買い替え支援システムが提供される。
【0009】
このように構成される住宅買い替え支援システムを用いれば、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客は、旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこなってくれるので旧住宅を売却して売却収入を得るための苦労が殆どなく、また、キャッシュバックさえ得ることができる。そして、仮住まい住居は旧住宅であるので旧住宅から新住宅へ引越すだけでよく、精神的、肉体的、経済的負担が大幅に軽減される。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、買い替え支援業者が旧住宅の買取りと売却の一方または両方を、買取り代理手数料または、および、売却代理手数料を払って、仲介業者に代行させ、 買取り諸費用演算装置が買取り代理手数料を演算し、売却準備費用演算装置が演算売却代理手数料を演算する。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、仮住まい期間が1ヶ月以内とされる。
【0011】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、旧住宅はリフォーム後に売却され、リフォームにより増加する価値を査定価格に加えて売却価格が決定される。
請求項5の発明によれば、請求項1の発明において、旧住宅の買取りから売却まで、所定の売却準備期間を見込み、売却準備費用演算装置は、売却準備期間における金利、管理費、固定資産税を演算する。
【0012】
請求項6の発明によれば、請求項1の発明において、住宅性能評価機関に委託して、リフォーム後の旧住宅の性能評価をおこない、売却準備費用が性能評価費用を含む。
請求項7の発明によれば、請求項1の発明において、瑕疵担保保険に加入し、売却準備費用が瑕疵担保保険加入料を含む。
請求項8の発明によれば、請求項1の発明において、キャッシュバックは、旧住宅の売却利益から所定値を差し引いた残りに所定の割合を乗算してもとめる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
初めに、この実施の形態の概要を説明する。この実施の形態では、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客に対して、住宅買い替え支援業者が、旧住宅の買取りと売却をおこなって、住宅買い替え客が新住宅の購入資金とする旧住宅の売却収入の確保を支援する。そして、この住宅買い替え支援業者は、買い取った旧住宅を、住宅買い替え客が新住宅に入居するまでの間の仮住まい住居として住宅買い替え客に短期的に賃貸する。
そして、この実施の形態では、住宅買い替え支援業者が、旧住宅の買取りと売却を仲介業者に代行させる。
【0014】
住宅買い替え支援業者は図1に示すような住宅買い替え支援システム1を有しており、住宅買い替え支援システム1は査定価格記憶装置10と、買取り価格演算装置20、売却価格演算装置30、買取り諸費用演算装置40、仮住まい家賃演算装置50、売却準備費用演算装置60、売却利益演算装置70、キャッシュバック演算装置80、売却収入演算装置90、および出力装置100を具備している。
【0015】
これらは、住宅買い替え支援業者の有するコンピュータ内に組み込まれている。
【0016】
図2は上記の装置がおこなう計算のフローチャートである。以下、図2のフローチャートを参照しながら、本発明による住宅買い替え支援システムにおける計算過程を説明する。
【0017】
先ずは、ステップ10において、査定価格記憶装置10に売却される住宅の査定価格EVが入力されて、それが記憶される。例えば、査定価格が2000万円であれば、2000万円と入力される。
次に、ステップ20において買取り価格演算装置20で査定価格EVに予め定められた買取り比率KBRを乗算して買取り価格を演算するものであって、買取り比率KBRは、例えば、70%とされる。その場合、査定価格が上述のように2000万円であれば、買取り価格は2000万円×0.7=1400万円となる。
【0018】
次に、ステップ30において売却価格演算装置30で査定価格EVをもとにして売却価格SVを演算する。この売却価格SVは、売却物件をリフォームするものとして、リフォームにより増大する市場価値AVを加えたものとされる。例えば、リフォームにより増大する(市場)価値が300万円であれば、査定価格が上述のように2000万円であれば、売却価格は2000万円+300万円=2300万円となる。
【0019】
ステップ40では、買取り諸費用演算装置40で買取りに係って発生する諸費用である買取り諸費用BCを演算する。買取諸費用BCとは、例えば、以下のものがある。
B1:買取り業務の代理手数料
B2:登記費用
B3:取得税
【0020】
B1の代理手数料は、この実施の形態では、住宅買い替え支援業者が、仲介業者に買取り業務を代行させるので、この仲介業者に支払う手数料である。例えば、買取り価格BVに所定の比率KB1を乗算してもとめる。この比率KB1は、例えば5%とされる。その場合、買取り価格が上述のように1400万円であれば、代理手数料は1400万円×0.05=70万円となる。
B2の登記費用は買取り価格から所定の計算式KB2によって演算され、買取り価格が1400万円の場合は、例えば、40万円とされる。
B3の取得税は買取り価格から所定の計算式KB3によって演算され、買取り価格が1400万円の場合は、例えば、30万円となる。
図3にB1、B2、B3からもとめて、さらにBCをもとめる手順がしめされている。
【0021】
ステップ50では、仮住まい家賃演算装置50が、仮住まい家賃TSを演算する。
本発明においては、仮住まい住居は、住宅買い替え支援業者が買い取った旧住宅そのものである。したがって、旧住宅を売却してから新住宅へ引っ越すまでの仮住まい期間を、任意に設定することができ、例えば、仮住まい期間は、1ヶ月以内、好ましくは、10日程度にされる。
そして、仮住まいといっても、新住居の準備が整うまで旧住居に、そのまま済み続けるので、旧住宅から新住宅へ引越すだけでよく、住宅買い替え客の精神的、肉体的、経済的負担は大幅に軽減される。
そして、この家賃TSを客Aから徴収するが、これは1日当たりの料金DSに日数Dを乗算して計算する。例えば、1日当たりの料金を1万円とし、仮住まい期間を10日とすれば、仮住まい家賃は1万円×10=10万円となる。この仮住まい家賃は住宅買い替え支援業者にとっては収入となるので、買取り諸費用に対してはマイナス(−)で処理される。
【0022】
ステップ60では、売却準備費用演算装置60が売却するための準備費用を演算する。売却するための準備諸費用とは、例えば、以下のものがある。
S1:売却業務の代理手数料
S2:リフォーム費用
S3:固定資産税
S4:金利
S5:性能評価取得費用
S6:瑕疵担保保険料
S7:管理費
【0023】
S1の代理手数料は、この実施の形態では、住宅買い替え支援業者が、仲介業者に売却業務を代行させるので、この仲介業者に支払う手数料である。例えば、売却価格SVに所定の比率KS1を乗算してもとめる。この比率KS1は、例えば5%とされる。その場合、売却価格が上述のように2300万円であれば、代理手数料は2300万円×0.05=115万円となる。
【0024】
S2のリフォーム費用は売却価格の決定に際して使用したリフォームにより増大する市場価値の原価という意味合いにおいて、リフォームにより増大する価値に所定の比率KS2を乗算して決定される。この比率KS2は例えば70%とされ、リフォームにより増大する価値が300万円であれば、リフォーム費用は300万円×0.70=210万円となる。
【0025】
S3の固定資産税は、買取りから売却まで売却準備期間PD、例えば6ヶ月のの間に発生する固定資産税であって、査定価格EVから所定の計算式KS3によって演算され、査定価格が2000万円の場合は、例えば、年10万円であるので、その半分の5万円となる。
【0026】
S4の金利負担は、買取りから売却までの売却準備期間PD、例えば6ヶ月、の間に発生する金利である。これは、買取り時に発生する費用=買取り価格BV+買取り諸費用BCに、金利KCRと上記の期間PDを乗算して算出される。例えば、金利KCRを年3%とした場合に、買取り時に発生している費用は、買取り価格BV1400万円+買取り諸費用BC140万円(=代理手数料70万円+登記費用40万円+取得税30万円)−仮住まい家賃10万円であるので、1530万円×0.03×0.5(年)=23万円となる。
【0027】
S5の性能評価取得費用というのは、リフォーム後の売却住宅の性能を、例えば、財団法人日本建築センター等の第3者機関により評価してもらうための費用であって、予め入力されている値であって、例えば、10万円とされる。
S6の瑕疵担保保険料というのは欠陥が発生した場合の修復費用に充当するためのものであって、売却価格に所定の係数KS6を乗算して計算され、例えば、10万円と算出される。
S7の管理費は、集合住宅において毎月支払う管理費であって、物件毎に異なるので、入力される。例えば、毎月2万円であれば、6ヶ月の場合、2万円×6=12万円となる。
【0028】
ステップ70では売却利益演算装置70が、売却価格から原価としての、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用の合計を減算した、売却利益を計算する。
この例の場合、売却価格が2300万円、買取り価格が1400万円、買取り諸費用が130万円、売却準備費用が385万円であるので、売却利益は2300万円−(1400万円+130万円+385万円)=385万円となる。
【0029】
ステップ80では、キャッシュバック演算装置80が、売却利益をもとにキャッシュバック額を計算するが、この実施の形態では、キャッシュバックは売却利益から予め定めたキャッシュバック控除額CBNを減算した値に予め定めたキャッシュバック比率KCBを乗算してもとめる。例えば、キャッシュバック控除額CBNを50万円、キャッシュバック比率KCBを80%とすると、(385万円−50万円)×0.80=268万円がキャッシュバックとして住宅買い替え客に還金される額である。
【0030】
そして、ステップ90では、売却収入演算装置90が、買取り価格にキャッシュバックを加えたものを売却収入SIとして計算する。この場合は、売却収入SI=買取り価格1400万円+キャッシュバック268万円=1668万円である。客Aは、この金額を、旧住宅を売却した収入として得ることができる。
実際は、例えば、住宅買い替え支援業者が、出力装置100で上記の金額をプリントアウトして客Aに提示するとともに、客Aの指定する銀行口座への振込みをおこなう。
【0031】
ここで、上記の取引の過程における、各関係者における、メリットは以下のようになる。
客Aの売却収入SIは前述のように1668万円であり、従来技術において、算出された1664万円と略同等であるが、客Aにとっては、売却住宅の購入客の見学に備えて休日も待機する苦痛、仮住まい探し、そして、売却住宅が売れるかどうかの不安等、から解放されるという大きなメリットがある。また、仮住まいは、実際は旧住宅であり、引越し荷物の移動は旧住宅から新住宅への移動の1回ですむというのも大きなメリットである。
【0032】
住宅買い替え支援業者は、買取り業務と売却業務を仲介業者に代行させても売却利益385万円−キャッシュバック268万円=117万円の収入を得ることができる。
【0033】
仲介業者Cは、買取り代理手数料70万円+売却代理手数料115万円=185万円を得ることができ、これは、従来技術における仲介業者の収入132万円に比べて大幅に増加するし、買取り代理手数料を売却相手が未定の状態でも即時に確実に計上することができる。また、客Aは住宅買い替え支援業者に紹介されて、あるいは、逆に、仲介業者Cが住宅買い替え業者を紹介する場合もあるが、その関係によって、他の仲介業者とは交渉せずに、専属的に、あるいは排他的に、この仲介業者Cと交渉をすることになるので、仲介業者Cは他の仲介業者と競争することがなく、客Aを説得しやすいので、利益も確保しやすい。
【0034】
また、旧住宅の客Bへの展示は客Aが退去して、リフォーム後に行うことができる。したがって、仲介業者自身が鍵を常時保有でき、従来のような都合の調整が不要で対応がしやすく、リフォーム後の見栄えのよいものを見せることができるので幻滅を与えることもすくなく、成功率も高くなる。さらに、客Bには購入手数料を請求しなくてもよいので、客Bは、その分、割引感を感じ、瑕疵担保保険がついていることで安心感を感じることも成功率を高めるのに寄与する。また、客Bにとっても所望の通りに旧住宅の見学ができる可能性が高い。
【0035】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明は、現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客を支援する住宅買い替え支援システムであるが、
旧住宅の査定価格を記憶する査定価格記憶装置と、査定価格にもとづいて旧住宅の買取り価格を演算する買取り価格演算装置と、査定価格にもとづいて旧住宅の売却価格を演算する売却価格演算装置と、旧住宅の買取りに伴って発生する買取り諸費用を演算する買取り諸費用演算装置と、旧住宅を退去してから新住宅に入居するまでの仮住まい住居の家賃を演算する仮住まい家賃演算装置と、旧住宅を売却するための準備費用を演算する売却準備費用演算装置と、旧住宅の売却価格から、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して、売却利益を演算する売却利益演算装置と、旧住宅の売却利益にもとづいて、前記住宅買い替え客へのキャッシュバックを演算するキャッシュバック演算装置と、旧住宅の買取り価格にキャッシュバックを加算して前記住宅買い替え客の旧住宅の売却収入を演算する売却収入演算装置と、を含み、売却収入演算装置の演算した旧住宅の売却収入が前記住宅買い替え客に還金処理され、旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこない、該住宅買い替え支援業者がシステムを運用し、前記仮住まい住居は前記住宅買い替え客が売却した旧住宅とされている。
したがって、住宅買い替え客は、旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこなってくれるので旧住宅を売却して売却収入を得るための苦労が殆どなく、また、キャッシュバックさえ得ることができる。そして、仮住まい住居は旧住宅であるので、旧住宅から新住宅へ引越すだけでよく、精神的、肉体的、経済的負担が大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による住宅買い替え支援システムの構成を示す図である。
【図2】本発明による住宅買い替え支援システムより住宅買い替え支援金額を計算するフローチャートである。
【図3】買取り諸費用を演算するルーチンのフローチャートである。
【図4】仮住まい家賃を演算するルーチンのフローチャートである。
【図5】売却準備費用を演算するルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10…査定価格記憶装置
20…買取り価格演算装置
30…売却価格演算装置
40…買取り諸費用演算装置
50…仮住まい家賃演算装置
60…売却準備費用演算装置
70…売却利益演算装置
80…キャッシュバック演算装置
90…売却収入演算装置
100…出力装置
Claims (8)
- 現在居住している旧住宅を売却して新住宅を購入する住宅買い替え客を支援する住宅買い替え支援システムであって、
旧住宅の査定価格を記憶する査定価格記憶装置と、
査定価格にもとづいて旧住宅の買取り価格を演算する買取り価格演算装置と、
査定価格にもとづいて旧住宅の売却価格を演算する売却価格演算装置と、
旧住宅の買取りに伴って発生する買取り諸費用を演算する買取り諸費用演算装置と、
旧住宅を退去してから新住宅に入居するまでの仮住まい住居の家賃を演算する仮住まい家賃演算装置と、
旧住宅を売却するための準備費用を演算する売却準備費用演算装置と、
旧住宅の売却価格から、買取り価格と買取り諸費用と売却準備費用を減算し、仮住まい家賃を加算して、売却利益を演算する売却利益演算装置と、
旧住宅の売却利益にもとづいて、前記住宅買い替え客へのキャッシュバックを演算するキャッシュバック演算装置と、
旧住宅の買取り価格にキャッシュバックを加算して前記住宅買い替え客の旧住宅の売却収入を演算する売却収入演算装置と、を含み、
売却収入演算装置の演算した旧住宅の売却収入が前記住宅買い替え客に還金処理され、
旧住宅の買取りと売却を住宅買い替え支援業者がおこない、該住宅買い替え支援業者がシステムを運用し、
前記仮住まい住居は前記住宅買い替え客が売却した旧住宅であることを特徴とする住宅買い替え支援システム。 - 住宅買い替え支援業者が旧住宅の買取りと売却の一方または両方を、買取り代理手数料または、および、売却代理手数料を払って、仲介業者に代行させ、買取り諸費用演算装置が買取り代理手数料を演算し、売却準備費用演算装置が演算売却代理手数料の演算もおこなう、ことを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
- 仮住まい期間が1ヶ月以内に設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
- 旧住宅はリフォーム後に売却され、リフォームにより増加する価値を査定価格に加えて売却価格が決定されることを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
- 旧住宅の買取りから売却まで、所定の売却準備期間を見込み、売却準備費用演算装置は、売却準備期間における金利、管理費、固定資産税を演算する、ことを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
- 住宅性能評価機関に委託して、リフォーム後の旧住宅の性能評価をおこない、売却準備費用が性能評価費用を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
- 瑕疵担保保険に加入し、売却準備費用が瑕疵担保保険加入料を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
- キャッシュバックは、旧住宅の売却利益から所定値を差し引いた残りに所定の割合を乗算してもとめる、ことを特徴とする請求項1に記載の住宅買い替え支援システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003036950A JP2004246697A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 住宅買い替え支援システム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006252434A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-09-21 | Tokyo Kiyuukou Dentetsu Kk | 不動産売買システムおよび不動産売買方法 |
JP2017162316A (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | 株式会社ホームネット | 不動産リノベーションの収支シミュレーション装置、収支シミュレーションプログラム及び収支シミュレーション方法 |
JP2020126670A (ja) * | 2015-02-27 | 2020-08-20 | ソニー株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036950A patent/JP2004246697A/ja active Pending
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