JP2004246068A - フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部処理方法 - Google Patents

フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部処理方法 Download PDF

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JP2004246068A
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Masayoshi Hachiwaka
正義 八若
Shinya Yamatori
真也 山取
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Abstract

【課題】クラッドの細孔による吸湿及び吸着を防ぐことができるフォトニッククリスタルファイバを提供する。
【解決手段】フォトニッククリスタルファイバ100のファイバ端部処理方法は、フォトニッククリスタルファイバ100のファイバ端部を、ファイバ軸に対して略垂直に切断するステップと、フォトニッククリスタルファイバ100のファイバ端面におけるクラッド112の複数の細孔112aを閉塞材130で閉塞するステップと、フォトニッククリスタルファイバ100におけるクラッド112の複数の細孔112aの閉塞材130が充填された部分を、クラッド112の複数の細孔112aが閉塞材130で閉塞された所定のファイバ端面が露出するように切断するステップと、を備える。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトニッククリスタルファイバ(以下「PCF」という)のファイバ端部処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PCFは、コアを被覆するように設けられたクラッドにファイバ半径方向にフォトニッククリスタル構造が構成されたものであり、コアへの光の閉じ込め効果が極めて高い特性を有する。そして、そのようなPCFには、クラッドにコアに沿って延びる複数の細孔がコアを囲うように形成され、それによってファイバ半径方向にフォトニッククリスタル構造が構成された構造のものがある。
【0003】
下記特許文献1には、かかる構造のPCFと通常一般の光ファイバとを接続する技術として、コア部とクラッド部とからなる通常一般の光ファイバと、中空コア部とクラッド部とからなり、クラッド部に軸方向に延びる複数の屈折率変化部が形成された光ファイバ(PCF)とを接続する場合、まず、光ファイバ(PCF)の中空コア部の接続側端部にクラッド部を形成する材質よりも高い屈折率を有するマッチングオイルを注入し、続いて、両光ファイバをガラスパイプに挿入して接続することが開示されている。そして、同公報には、それによって、構造の異なる光ファイバ同士を接続した際の接続損失を低減することができると記載されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、コア部と、このコア部を取り囲むクラッド部とを有し、コア部およびクラッド部の少なくとも一方に、軸心方向に延びる中空部を設けた光ファイバであって、光ファイバの端面部には、中空部を塞ぐ封止部が設けられている光ファイバの端面部構造が開示されている。そして、これによれば、光特性の劣化を低減することができる、と記載されている。
【0005】
このようなPCFは、ファイバ端部に接着固定型のコネクタが装着された場合には、ファイバ端面が受光部又は発光部に突き合わせた状態で配設される一方、ファイバ端部に機械的固定型のコネクタが装着された場合には、ファイバ端面が受光部又は発光部から間隔をおいて位置付けられた状態で配設される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−236234号公報
【特許文献2】
特開2002−323625号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにクラッドに複数の細孔を有するPCFでは、その細孔に空気中の湿気を吸湿すると共に浮遊物を吸着する性質を有する。そのため、切断直後では図8(a)に模式的に示すような状態であったファイバ端面が、そのまま放置されることによって図8(b)に模式的に示すようにクラッド112の細孔112a周辺に水滴や空気中の浮遊物等などによる付着物200が付着した状態のものとなってしまう。図9は切断直後のファイバ端面の観察写真であり、図10は切断から24時間後のファイバ端面の観察写真であるが、これらの間におけるファイバ端面の形態の相違は上記の付着物の有無によるものである。そして、このようにファイバ端面に付着物が付着すると、例えばコアに高出力のレーザ光を伝送させたような場合、付着物が焼成されるのに伴ってファイバ端面が損傷を受けるという問題がある。また、付着物の影響によって伝送している信号光等の伝送パワーが変化するという問題もある。特に、ファイバ端部に機械的固定型のコネクタが装着されたPCFは、ファイバ端面が受光部や発光部を損傷させないようにファイバ端面がそれらからわずかな間隔をおいて位置付けられた状態で配設される。このため、細孔による吸湿や吸着が起こりやすく、上記の問題が顕著なものとなる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラッドの細孔による吸湿及び吸着を防ぐことができるPCFのファイバ端部処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
中実又は中空のコアと、該コアを被覆するように設けられ該コアに沿って延びる複数の細孔が該コアを囲うように形成されてファイバ半径方向にフォトニッククリスタル構造が構成されたクラッドと、を備えたPCFの本発明のファイバ端部処理方法は、
PCFのファイバ端面におけるクラッドの複数の細孔を閉塞材で閉塞するステップと、
上記PCFにおけるクラッドの複数の細孔の閉塞材が充填された部分を、クラッドの複数の細孔が閉塞材で閉塞された所定のファイバ端面が露出するように切断するステップと、を備えた、
ことを特徴とする。
【0010】
上記のようにすれば、ファイバ端面におけるクラッドの細孔が閉塞材で閉塞されるので、クラッドの細孔による湿気の吸湿及び空気中の浮遊物の吸着が防がれる。従って、ファイバ端面に水分や空気中の浮遊物による付着物が付着することがなく、付着物が焼成されるのに伴ってファイバ端面が損傷を受けたり、付着物の影響によって伝送している信号光等の伝送パワーが変化するといった問題が回避される。
【0011】
ファイバ端部に接着固定型のコネクタを装着する場合、ファイバ端部が接着剤に埋設された状態でコネクタに保持され、その接着剤に埋設された状態でファイバ端面が研磨されて平坦面に形成されている。これに対し、ファイバ端部に機械的固定型のコネクタを装着する場合、PCF単独でファイバ端面を研磨することは極めて困難である。しかしながら、上記のようにすれば、PCF単独であってもそのファイバ端面を、クラッドの細孔が閉塞材で閉塞され、しかも、所定の形態のものに形成することができる。従って、ファイバ端部に機械的固定型のコネクタを装着する場合のファイバ端部処理に好適である。
【0012】
また、上記のようにすれば、細孔を閉塞材で閉塞する際にファイバ端面に閉塞材が付着しても、その後に新たなファイバ端面が形成されるので、ファイバ端面に付着した閉塞材が光の伝送に影響するということがない。
【0013】
発明者らは、クラッドの細孔を閉塞材で閉塞すると、その部分で損失を生じるが、その大きさが閉塞材の充填長さに比例することを見出している。上記のようにすれば、クラッドの細孔を閉塞材で閉塞した後に、PCFのファイバ端部を切断するので、閉塞材の充填長さを調整自在であり、ファイバ端部で生じる損失を制御することができる。
【0014】
以上において、所定のファイバ端面は、ファイバ軸に対して略垂直なものであっても、ファイバ軸に対して斜めに傾斜したものであってもよく、また、平坦面であっても粗面であってもよい。
【0015】
本発明のPCFのファイバ端部処理方法は、PCFのファイバ端部を、ファイバ軸に対して略垂直に切断するステップと、上記PCFの切断されたファイバ端部のファイバ端面におけるクラッドの複数の細孔を閉塞材で閉塞するステップと、を備えたものであってもよい。
【0016】
上記のようにすれば、ファイバ端面のクラッドの複数の細孔を閉塞材で閉塞する前に、PCFのファイバ端部をファイバ軸に対して略垂直に切断するようにしているので、外径が僅か数μm程度しかない細孔を閉塞材で閉塞する作業性が良好となり、閉塞材で閉塞されない細孔が残ってそこから異物等が入るといったことが防がれる。
【0017】
また、通常、PCFのファイバ端面は、切断直後の状態のまま維持されているとは限らない。つまり、PCFの製造後から布設までの間に、ファイバ端部が傷ついたり、微細異物が付着したりすることがある。また、製造直後のファイバ端部は製造時の熱により細孔の一部が潰れている虞もある。従って、ファイバ端部にそのまま閉塞材を充填しようとしてもうまく充填できないことがあり得る。しかしながら、上記のように、閉塞材の充填前にファイバ端部を切断するようにすれば、傷も不純物の付着もないファイバ端面が露出することとなり、細孔への均一な閉塞材の充填が可能となり、閉塞材の充填作業の作業性が良好となる。
【0018】
なお、閉塞材を充填後、PCFのファイバ端部をファイバ軸に対して略垂直に切断するステップを加えてもよい。このステップを加えることで、さらに均一なファイバ端面を露出させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るPCF100を示す。
【0021】
このPCF100は、純石英で形成されたPCF素線110と、そのPCF素線110を被覆する紫外線硬化型樹脂で形成された樹脂被覆層120と、からなる。
【0022】
PCF素線110は、ファイバ中心をなす中実のコア111と、コア111を被覆するように設けられたクラッド112と、クラッド112を被覆するように設けられた被覆部113と、が一体となって形成されている。
【0023】
クラッド112には、コア111に沿って延びる複数の細孔112aがコア111を囲うように形成されている。それらの複数の細孔112aは、ファイバ横断面において三角格子パターンを形成しており、クラッド112においてファイバ半径方向にフォトニッククリスタル構造(屈折率変調構造)を構成している。そして、これにより、実効クラッド屈折率が純石英よりも低いものとなっており、クラッド112で囲われたコア111に光を閉じ込めて伝送するようになっている。
【0024】
クラッド112の複数の細孔112aのそれぞれは、ファイバ端面から所定長さの部分に閉塞材130が充填されている。そのため、ファイバ端面では、クラッド112の細孔112aが閉塞材130で閉塞された形態となっている。この閉塞材130は、コア111よりも屈折率の低い紫外線硬化型樹脂で形成されている。ここで、PCF100は、構造的に屈折率変調構造を構成したものであるため、仮に細孔112aを閉塞する閉塞材130が中実のコアよりも高屈折率であると、細孔112aの閉塞材130が充填された部分でコア111への光の閉じ込め効果が小さくなり、光がコア111から外部に漏れる虞がある。しかしながら、上記のように閉塞材130が中実のコア111よりも屈折率の低い紫外線硬化型樹脂材料で形成されているので、コア111への光の閉じ込め効果が小さくなることがなく、従って、細孔112aの閉塞材130が充填された部分で光がコア111から外部に漏れることもない。
【0025】
樹脂被覆層120や閉塞材130を形成する紫外線硬化型樹脂は、例えば、アクリル系ポリマーやメタクリル系ポリマーに紫外線を受けることによりラジカルを発生する重合開始剤が添加されたものである。
【0026】
このようなPCF100によれば、ファイバ端面におけるクラッド112の細孔112aが閉塞材130で閉塞されているので、クラッド112の細孔112aによる湿気の吸湿及び空気中の浮遊物の吸着が防がれる。従って、ファイバ端面に水分や空気中の浮遊物による付着物が付着することがなく、付着物が焼成されるのに伴ってファイバ端面が損傷を受けたり、付着物の影響によって伝送している信号光等の伝送パワーが変化するといった問題が回避される。
【0027】
次に、このPCF100の製造方法について説明する。
【0028】
まず、図2に示すように、石英製のサポート管113’にその中心軸位置に石英コアロッド111’を位置付けると共にその周りを囲うように石英キャピラリ112’を最密充填したファイバ母材110’を作製する。
【0029】
次いで、作製されたファイバ母材110’を線引き加工する。このとき、ファイバ母材110’が加熱溶融されると共に延伸されることにより、隣接する石英キャピラリ112’同士、石英キャピラリ112’と石英コアロッド111’、及び、石英キャピラリ112’とサポート管113’が相互に融着一体化してPCF素線110が作製される。
【0030】
次いで、作製されたPCF素線110の長さ方向に沿ってその表面に未硬化の液状の紫外線硬化型樹脂を付着させた後、外側から紫外線を照射する。このとき、紫外線硬化型樹脂が硬化してPCF素線110を被覆する樹脂被覆層120が形成されてPCF100が製造される。
【0031】
次に、このPCF100の端部処理方法について図3に基づいて説明する。
【0032】
まず、PCF100のファイバ端から所定長さ分だけ樹脂被覆層120を剥離し、ファイバ端部をファイバ軸に対して略垂直に切断する。
【0033】
次いで、図3(a)に示すように、PCF100のファイバ端面の各細孔112aの開口から未硬化の液状の紫外線硬化型樹脂130’を注入する。このとき、ファイバ端面のクラッド112の複数の細孔112aを閉塞材で閉塞する前に、PCF100のファイバ端部をファイバ軸に対して略垂直に切断するようにしているので、外径が僅か数μm程度しかない細孔112aを閉塞材130で閉塞する作業性が良好となり、閉塞材130で閉塞されない細孔112aが残ってそこから異物等が入るといったことが防がれる。なお、液状の紫外線硬化型樹脂130’の注入に毛細管現象を利用することができる。
【0034】
次いで、図3(b)に示すように、外側から紫外線を照射することにより紫外線硬化型樹脂を硬化させて閉塞材130を形成する。ここで、例えば、閉塞材130として熱硬化型樹脂を用いた場合、樹脂硬化に比較的長時間を要するため、未硬化樹脂の流動等によって細孔112aの閉塞状態が経時的に変化し、予定した通りの細孔112aの閉塞状態が得られない場合が起こり得る。しかしながら、上記のように閉塞材130を紫外線硬化型樹脂で形成すれば、細孔112aの開口から紫外線硬化型樹脂を注入して紫外線を照射するだけで樹脂が硬化して細孔112aの閉塞材130による閉塞が完了するので、細孔112aの閉塞の作業性が優れると共に、予定した通りの細孔112aの閉塞状態が安定して得られる。
【0035】
次いで、図3(c)に示すように、PCF素線110の外周における細孔112aの閉塞材130が充填された部分の中央付近に対応した位置に断面略V字状のノッチ140を入れる。
【0036】
次いで、図3(d)に示すように、PCF素線110の外周に入れられたノッチ140に対して側方に外力を作用させることによりノッチ140からファイバ端までの部分を切断除去する。このとき、PCF素線110がファイバ軸に対して略垂直に切断されて平坦面の新たなファイバ端面が露出する。そして、そのファイバ端面は、閉塞材130がクラッド112の細孔112aを閉塞した形態となる。なお、図3(d)は、図1におけるIIID−IIID断面図である。
【0037】
ファイバ端部に接着固定型のコネクタを装着するような場合には、ファイバ端部を接着剤に埋設された状態でコネクタに保持し、その接着剤に埋設された状態でファイバ端面を研磨することによりファイバ端面を平坦面に形成することができる。しかしながら、上記のようにすれば、PCF100だけであってもそのファイバ端面を、クラッド112の細孔112aが閉塞材130で閉塞され、しかも、平坦面のものに形成することができる。
【0038】
また、上記のようにすれば、クラッド112の細孔112aに未硬化の液状の紫外線硬化型樹脂130’を注入する際に、ファイバ端面にその紫外線硬化型樹脂130’が付着して硬化しても、その後に新たなファイバ端面が形成されるので、ファイバ端面に付着した閉塞材130が光の伝送に影響するということがない。
【0039】
さらに、クラッド112の細孔112aを閉塞材130で閉塞すると、その部分で損失を生じるが、その大きさが閉塞材130の充填長さに比例することが見出されている。上記のようにすれば、クラッド112の細孔112aを閉塞材130で閉塞した後に、PCF100のファイバ端部を切断するので、閉塞材130の充填長さを調整自在であり、ファイバ端部で生じる損失を制御することができる。
【0040】
上記のように端部処理が施されたPCF100は、その端部処理された方のファイバ端部に機械的固定型のコネクタ10が装着されて使用される。図4は、PCF100の端部処理された方のファイバ端部に機械的固定型のコネクタ10が装着された構造を示す。
【0041】
このコネクタ10は、本体部11と、本体部11の前部に設けられたファイバ保持部12と、本体部11の後部に設けられたファイバ固定部13と、を備えている。
【0042】
本体部11には、その後部に前後方向に延びるファイバ挿通孔11aが形成されている。
【0043】
ファイバ保持部12は、本体部11から前方に突出した突出部12aを有しており、その中心を通って後端まで貫通したファイバ保持孔12bが本体部11のファイバ挿通孔11aに連続するように形成されている。ファイバ保持孔12bは、その前方部分がPCF素線110と略同径に形成されており、後方部分がPCF100よりもやや大きい径に形成されている。また、ファイバ保持部12は、前後方向に移動可能に構成されており、本体部11内に設けられたコイルバネ14によって前方に付勢されている。
【0044】
ファイバ固定部13は、中心部が幅方向に延びる支軸15により軸支されており、その支軸15を中心に回動可能に構成されている。また、支軸15にはバネ部材16が通されており、そのバネ部材16によってファイバ固定部13が後方に傾斜するように付勢されている。そして、これによって、常時にはファイバ固定部13の後部と本体部11とが当接した状態が維持される一方、ファイバ固定部13の前部を下方に押した時にはそれらが離れるクリップ構造が構成されている。
【0045】
このようなコネクタ10をPCF100のファイバ端部に装着するには、まず、ファイバ固定部13の前部を下方に押してファイバ固定部13の後部と本体部11との間を離し、次いで、先端から所定長さだけ樹脂被覆層120が除去されたPCF100をファイバ固定部13の後部と本体部11との間を通し、それに続いてそれを本体部11のファイバ挿通孔11a及びファイバ保持部12のファイバ保持孔12bに挿入し、図5に示すように、ファイバ端面がファイバ保持部12の突出部12aの先端から数μmの位置に位置付けられたときにファイバ固定部13の前部に作用させていた力を解除してファイバ固定部13の後部と本体部11との間でPCF100を狭持固定する。つまり、PCF100は、そのファイバ端部に機械的にコネクタ10が装着されたものとなる。
【0046】
このような機械的固定型のコネクタ10が装着されたPCF100は、光学機器等の装置20のコネクタ取付部22に取り付けられる。図6は、コネクタ10が装着されたPCF100が装置20のコネクタ取付部22に取り付けられた構造を示す。
【0047】
この装置20では、コネクタ取付部22は、装置本体21の外側に設けられていると共に、コネクタ10の突出部12aを挿入固定するための突出部挿入孔22aが形成されている。そして、コネクタ10は、ファイバ保持部12の突出部12aがコネクタ取付部22の突出部挿入孔22aに挿入され且つその先端が装置本体21の外面位置に位置付けられるように保持固定されている。なお、コネクタ10のファイバ保持部12が前後方向に移動可能に構成され且つコイルバネ14によって前方に付勢されているので、突出部挿入孔22aの長さが若干短くてもそれが吸収されることとなる。
【0048】
装置本体21のコネクタ取付部22が設けられた部分には、コネクタ取付部22に取り付けられたコネクタ10の先端から僅かな空間23をおいて光センサ24が設けられている。このように、コネクタ10の先端から僅かな空間23をおいて光センサ24が設けられ、しかも、ファイバ端面がファイバ保持部12の突出部12aの先端から数μmの位置に位置付けられていることから、このPCF100の配設構造は、ファイバ端面が光センサ24から間隔をおいて位置付けられたものとなっている。
【0049】
ファイバ端部に機械的固定型のコネクタ10が装着されたPCF100は、このようにファイバ端面が光センサ24から間隔をおいて位置付けられた状態で配設されるので、ファイバ端面が露出したものとなり、ファイバ端面におけるクラッドの細孔が開口した従来のPCFであれば、細孔による吸湿や吸着が起こりやすい。しかしながら、上記構成では、PCF100のファイバ端面におけるクラッド112の細孔112aが閉塞材130で閉塞されているので、PCF100のファイバ端部に機械的固定型のコネクタ10が装着されているにも関わらず、クラッド112の細孔112aによる湿気の吸湿及び空気中の浮遊物の吸着が防がれる。従って、ファイバ端面に水分や空気中の浮遊物による付着物が付着することがなく、付着物が焼成されるのに伴ってファイバ端面が損傷を受けたり、付着物の影響によって伝送している信号光等の伝送パワーが変化するといった問題が回避される。
【0050】
また、上記のように端部処理されたPCF100は、コネクタ10を介さずにその端部処理された方のファイバ端部が装置30に設けられたファイバ固定部32に固定されて使用される。図7は、PCF100のファイバ端部が装置30に設けられたファイバ固定部32に固定された構造を示す。
【0051】
この装置30では、ファイバ固定部32は、装置本体31の外側に設けられており、装置本体31に向かって延びるファイバ保持溝32bが表面に形成されたブロック状の固定部本体32aと、その固定部本体32aのファイバ保持溝32b側に設けられた一対のファイバ押さえ32cと、で構成されている。そして、PCF100は、固定部本体32aのファイバ保持溝32bに嵌まり且つファイバ端面が装置本体31の外面位置に位置付けられるように設けられ、そして、ファイバ押さえ32cによって固定部本体32aとの間で狭持固定されている。
【0052】
装置本体31のファイバ固定部32の設けられた部分には、ファイバ固定部32に固定されたPCF100のファイバ端面から僅かな空間33をおいて光センサ34が設けられている。このように、ファイバ端面から僅かな空間33をおいて光センサ34が設けられていることから、このPCF100の配設構造は、ファイバ端面が光センサ34から間隔をおいて位置付けられたものとなっている。
【0053】
ファイバ端面が光センサ34から間隔をおいて位置付けられるように設けられたPCF100は、ファイバ端面が露出しており、ファイバ端面におけるクラッドの細孔が開口した従来のPCFであれば、細孔による吸湿や吸着が起こりやすい。しかしながら、上記構成によれば、PCF100のファイバ端面におけるクラッド112の細孔112aが閉塞材130で閉塞されているので、PCF100のファイバ端面が光センサ34から間隔をおいて位置付けられるように設けられているにも関わらず、クラッド112の細孔112aによる湿気の吸湿及び空気中の浮遊物の吸着が防がれる。従って、ファイバ端面に水分や空気中の浮遊物による付着物が付着することがなく、付着物が焼成されるのに伴ってファイバ端面が損傷を受けたり、付着物の影響によって伝送している信号光等の伝送パワーが変化するといった問題が回避される。
【0054】
なお、上記実施形態では、PCF素線110を純粋石英で形成したPCFとしたが、特にこれに限定されるものではなく、樹脂製のものであってもよく、また、コア111にGe等がドープされたものであってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、中実のコア111のPCF100としたが、特にこれに限定されるものではなく、コアが中空のものであってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、樹脂被覆層120及び閉塞材130を紫外線硬化型樹脂で形成したPCFとしたが、特にこれに限定されるものではなく、他の熱硬化型樹脂を用いたものであってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、一方のファイバ端部のクラッド112の細孔112aを閉塞材130で閉塞したPCF100を示したが、特にこれに限定されるものではなく、両ファイバ端部のそれぞれのクラッド112の細孔112aを閉塞材130で閉塞したものであってもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ファイバ端面におけるクラッドの細孔が閉塞材で閉塞されるので、クラッドの細孔による湿気の吸湿及び空気中の浮遊物の吸着が防がれる。従って、ファイバ端面に水分や空気中の浮遊物による付着物が付着することがなく、付着物が焼成されるのに伴ってファイバ端面が損傷を受けたり、付着物の影響によって伝送している信号光等の伝送パワーが変化するといった問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るPCFの斜視図である。
【図2】PCFのファイバ母材を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は、PCFの端部処理方法を示す説明図である。
【図4】(a)は、コネクタが装着されたPCFを示す側面図である。(b)は、コネクタが装着されたPCFを示す側断面図である。
【図5】コネクタの先端の拡大断面図である。
【図6】コネクタを装着したPCFを装置に取り付けた構造を示す説明図である。
【図7】(a)は、PCFを装置に直接取り付けた構造を示す側面図である。(b)は、矢視VIIBの平面図である。
【図8】(a)は、切断直後のPCFの模式的なファイバ端面の正面図である。(b)は、切断後所定時間放置後のPCFの模式的なファイバ端面の正面図である。
【図9】切断直後のPCFのファイバ端面の観察写真である。
【図10】切断から24時間経過後のPCFのファイバ端面の観察写真である。
【符号の説明】
10 コネクタ
11 本体部
11a ファイバ挿通孔
12 ファイバ保持部
12a 突出部
12b ファイバ保持孔
13 ファイバ固定部
14 コイルバネ
15 支軸
16 バネ部材
20,30 装置
21,31 装置本体
22 コネクタ取付部
22a 突出部挿入孔
23,33 空間
24,34 光センサ
32 ファイバ固定部
32a 固定部本体
32b ファイバ保持溝
32c ファイバ押さえ
100 PCF
110 PCF素線
110’ ファイバ母材
111 コア
111’石英コアロッド
112 クラッド
112’石英キャピラリ
112a 細孔
113 被覆部
113’ サポート管
120 樹脂被覆層
130 閉塞材
130’ 紫外線硬化型樹脂(未硬化)
140 ノッチ
200 付着物

Claims (2)

  1. 中実又は中空のコアと、該コアを被覆するように設けられ該コアに沿って延びる複数の細孔が該コアを囲うように形成されてファイバ半径方向にフォトニッククリスタル構造が構成されたクラッドと、を備えたフォトニッククリスタルファイバのファイバ端部処理方法であって、
    フォトニッククリスタルファイバのファイバ端面におけるクラッドの複数の細孔を閉塞材で閉塞するステップと、
    上記フォトニッククリスタルファイバにおけるクラッドの複数の細孔の閉塞材が充填された部分を、クラッドの複数の細孔が閉塞材で閉塞された所定のファイバ端面が露出するように切断するステップと、を備えた、
    ことを特徴とするフォトニッククリスタルファイバのファイバ端部処理方法。
  2. 中実又は中空のコアと、該コアを被覆するように設けられ該コアに沿って延びる複数の細孔が該コアを囲うように形成されてファイバ半径方向にフォトニッククリスタル構造が構成されたクラッドと、を備えたフォトニッククリスタルファイバのファイバ端部処理方法であって、
    フォトニッククリスタルファイバのファイバ端部を、ファイバ軸に対して略垂直に切断するステップと、
    上記フォトニッククリスタルファイバの切断されたファイバ端部のファイバ端面におけるクラッドの複数の細孔を閉塞材で閉塞するステップと、を備えた、
    ことを特徴とするフォトニッククリスタルファイバのファイバ端部処理方法。
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