JP2004245659A - 物体の表面状態の検査方法及び物体の表面状態の検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲面を有する黒色状の物体の表面状態の検査を精度よく簡易に行う方法及びこの方法の原理を用いた物体の表面状態の検査装置の提供を目的とする。
【解決手段】物体2に光源1から光を照射して、物体表面から反射される光の強度変化を検出器3により検出することにより物体の表面状態を検査する方法において、光源1の光の波長を赤外領域とする検査方法及び曲面を有する黒色状の物体2に赤外領域の波長の光を照射する光源1と、物体2表面から反射される光の強度変化を検出する検出器3を有する物体の表面状態の検査装置検査装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】物体2に光源1から光を照射して、物体表面から反射される光の強度変化を検出器3により検出することにより物体の表面状態を検査する方法において、光源1の光の波長を赤外領域とする検査方法及び曲面を有する黒色状の物体2に赤外領域の波長の光を照射する光源1と、物体2表面から反射される光の強度変化を検出する検出器3を有する物体の表面状態の検査装置検査装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の表面状態の検査方法及びこの検査方法の原理を用いた検査装置に関するものである。また本発明は特に、曲面を有し黒色状の物体の表面状態の検査方法及びこの検査方法の原理を用いた検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
曲面を有する物体、例えば、塗装された車両の車体、被覆された電線ケーブル、成型体などの物体の表面状態を検査する方法として目視による方法、光を物体に照射して物体からの反射光の強度変化を検出する方法等が知られている。
【0003】
一般に物体は、表面に傷、欠け、凸凹等の表面異常が存在すると、製品価値が下がり、消費者の信用にかかわる問題が発生する場合がある。そのため、上記した方法により表面状態の検査が行われているが、目視による方法では、全品についての検査を人手に頼らなければならず、コストがかかってしまう。
【0004】
そこで、人手に頼らない方法として、光を物体に照射して物体からの反射光の強度変化を検出する方法、装置が知られている。この検査装置は、図2(イ)、(ロ)に示されているように、物体2に光を照射する光源1、物体2から反射された光を検出する検出器3を有する。
【0005】
この装置の検査原理は以下の通りである。
▲1▼ 光源1から物体2に対して可視領域の光を照射する。
▲2▼ 光を照射された物体2はその表面で光を反射する。
▲3▼ 反射された光をカメラ等の検出器3で検出する。
▲4▼ 検出した光の強度変化ついて二値化処理等を行い画像化する。
この検査において、塗料、被膜等で表面が一様に覆われた物体2に傷、欠け、凸凹等などの表面異常があると、図4(イ)に示すように二値化処理を行った画像に異常点6として表示される。したがって、この装置を用いた検査では異常点6の有無により被検査物体2の表面状態の良否を自動的に判定することができる。以上説明した測定原理及び装置は、特許文献1の〔従来技術〕においてその概略が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平07−92104号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような方法では以下のような問題があった。まず、物体2の表面が一様な平面に近いものである場合には、照射された光が平面にて一様に反射し、この一様に反射した光を検出器3で検知する。そのため、物体の表面の異常点6の存在を検出しやすい。しかしながら、物体2に曲面が存在する場合は、その部分において特により多くの光を反射することになる(この部分を強反射領域4という。)。
【0008】
そのため、検出器3で検出した光について、二値化処理を行うと、曲面の曲率の大きい部分に相当する部分に存在する異常点6が強反射領域4で隠されてしまい検出しにくくなる。また、強反射領域4に相当する物体2の部分に表面異常がない場合であっても、強反射領域4が異常点6として検出されることになるため、表面状態が不良であると判断される恐れがあった。
【0009】
さらに、物体2の表面がいわゆる黒色状を呈している場合は、検出器3で検出される光の強度が弱くなる。そのため、検出した光について二値化処理を行ったとしても、S/N比が小さいため物体2の表面について正常部分と異常部分との判別が困難になる。
【0010】
そこで、S/N比を向上させるため、光源1から照射する光の強度自体を強くする方法もあるが、物体2に曲面が存在する場合では、曲面の曲率の大きい部分においてより一層多くの光が反射され顕著な強反射領域4となるため、前述した問題と同様の問題が発生する。
【0011】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、曲面を有する黒色状の物体の表面状態の検査を精度よく簡易に行う方法及びこの方法の原理を用いた物体の表面状態の検査装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した問題を解決するために、本発明の第一は請求項1に記載のように、物体2に光を照射して、前記物体2表面から反射される前記光の強度変化を検出することにより前記物体2の表面状態を検査する方法において、前記物体2は曲面を有する黒色状体であり、前記光の波長は赤外領域であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第二は請求項2に記載のように、物体2に光を照射する光源1と、前記物体2表面から反射される前記光の強度変化を検出する検出器3を有する物体2の表面状態の検査装置において、前記物体2は曲面を有する黒色状体であり、前記光源1の光の波長は赤外領域であることを特徴とする。
【0014】
ここで、黒色状体の物体とは、外観上黒味がかかっている程度のもので足りる。さらに、可視領域の光を照射した時に、強反射領域が現れる物体であれば何であっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る方法は以下の装置を用いて実施することができる。また、本発明に係る方法を実施するための装置は図1(イ)、(ロ)のような基本構成からなっている。すなわち、物体2に光を照射する光源1と、物体2表面から反射される光の強度変化を検出する検出器3を少なくとも有している。原理は前述した従来の技術のものと同じである。
【0016】
光源1から物体2へ照射される光は赤外領域のものを用いる。赤外領域の光を発生する光源1としては例えば、赤外ランプ、発光ダイオード、半導体レーザ、固体レーザ、気体レーザ等が挙げられる。また、検出器3は、赤外領域の波長の光を検出するものであれば何でも良い。例えば、赤外線カメラ、半導体受光素子、光電管等が挙げられる。
【0017】
さらに、検査する物体2は専ら、本来的な曲面を有する黒色状体のものについて行う。例えば、塗装された車両の車体、被覆された電線ケーブル、成型体等が挙げられる。なお、物体は完全に黒色である必要はなく、外観上黒味がかかっている程度のものでも良い。さらに、可視領域の光を照射した時に、強反射領域が現れる物体であれば何であっても良い。
【0018】
上記した基本構成を有する検査装置では、光源1から照射される光の波長が赤外光領域であるため、検査される物体2が曲面を有し、黒色状体状のものであっても、精度良く表面状態の異常の有無を検出することができる。
【0019】
すなわち、黒色状体状の曲面を有する物体2の表面状態の検査において、光源1の光の波長が可視領域のものを用いた場合では、光源1の光強度が強すぎると、曲面上の強反射領域4が顕著に現れるため、光源1の光強度を弱くする必要があったが、本発明に係る方法、装置では、光源1の光の波長が赤外領域のものを用いているため、強反射領域4が発生せず、照射する光の強度を十分に強くすることができる。
【0020】
そのため、曲面の多い物体2の表面状態を検査において、検出光のS/N比が上がり、表面状態の正常部分と異常部分を精度良く判別することができる。さらに、本発明に係る方法、装置では光源1以外の構成が従来のものとほとんど同じものであるため、従来の検査装置の光源1を赤外領域の光を発するものに交換するだけで本発明の実施が可能である。そのため、精度のよい物体2の表面状態の検査装置を簡易に実現することができる。
【0021】
(実施例)
本実施例においては、検査する物体2として電力ケーブルを用い、その表面状態の検査を行った。検査した電力ケーブルは断面が55mm径の円をなし、表面が黒色のポリエチレンからなる被覆材にて覆われている。
この電力ケーブルの表面状態の検査装置は図1(イ)、(ロ)のような構成からなっている。すなわち、光源1、検出器3を備え、検出器3の出力を画像処理装置5に接続している。光源1は中心波長が850nm帯の赤外線ランプ、検出器3は赤外線カメラを使用している。なお、比較のため図1(イ)、(ロ)と同様の構成で、光源1として可視領域の光を発する白色光ランプ、検出器として一般のカメラを使用した検査装置を使って物体2となる電力ケーブルの表面状態の検査も行った(図2(イ)、(ロ)参照)。
【0022】
図3は、電力ケーブルの同一箇所についての検出器3からの出力画像である。ここで、図3(イ)は光源1を白色光ランプとした検査装置のもので、図3(ロ)は光源1を赤外ランプとした検査装置のものである。図3(イ)では、電力ケーブルの曲率が大きく、光源1からの光のベクトルの当たる部分が帯状に光って強反射領域4をなしている。図3(ロ)では、この帯状の強反射領域4が消失している。
【0023】
図4は、検出器3からの出力を画像処理装置5で二値化処理した画像である。図4(イ)は光源1を白色光ランプとした検査装置のもので、図4(ロ)は光源1を赤外ランプとした検査装置のものである。ここで、図4の画像において、白くなっている部分は電力ケーブルの表面に何らかの表面異常があると考えられる部分である。
【0024】
図4は(イ)、(ロ)ともに、光源1から直進する光のベクトルが当たる部分以外の電力ケーブル表面の傷部分が、白くなっておりそこに傷があることを判別することができた。しかしながら、図4(イ)では、図3(イ)において帯状に光って強反射領域4となっている部分も白くなっており、その部分は本来傷が無いにもかかわらず表面異常があると判断されてしまい、的確な判定が不可能であった。一方、図4(ロ)では、電力ケーブル表面に傷がある部分以外の部分は、表面異常がないと判断されたため的確な判定が可能であった。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、曲面を有する黒色状の物体の表面状態の検査を精度よく簡易に行う方法及びこの方法の原理を用いた物体の表面状態の検査装置の提供が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る物体の表面状態の検査装置の構成の概略で、(イ)は正面図、(ロ)は平面図である。
【図2】従来技術に係る物体の表面状態の検査装置の構成の概略で、(イ)は正面図、(ロ)は平面図である。
【図3】物体の表面状態の検査装置の検出器からの出力画像である。(イ)は従来技術に係るもの、(ロ)は本発明に係るものである。
【図4】物体の表面状態の検査装置の検出器からの出力画像を画像処理装置で二値化処理した画像である。(イ)は従来技術に係るもの、(ロ)は本発明に係るものである。
【符号の説明】
1 光源
2 物体
3 検出器
4 強反射領域
5 画像処理装置
6 異常点
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の表面状態の検査方法及びこの検査方法の原理を用いた検査装置に関するものである。また本発明は特に、曲面を有し黒色状の物体の表面状態の検査方法及びこの検査方法の原理を用いた検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
曲面を有する物体、例えば、塗装された車両の車体、被覆された電線ケーブル、成型体などの物体の表面状態を検査する方法として目視による方法、光を物体に照射して物体からの反射光の強度変化を検出する方法等が知られている。
【0003】
一般に物体は、表面に傷、欠け、凸凹等の表面異常が存在すると、製品価値が下がり、消費者の信用にかかわる問題が発生する場合がある。そのため、上記した方法により表面状態の検査が行われているが、目視による方法では、全品についての検査を人手に頼らなければならず、コストがかかってしまう。
【0004】
そこで、人手に頼らない方法として、光を物体に照射して物体からの反射光の強度変化を検出する方法、装置が知られている。この検査装置は、図2(イ)、(ロ)に示されているように、物体2に光を照射する光源1、物体2から反射された光を検出する検出器3を有する。
【0005】
この装置の検査原理は以下の通りである。
▲1▼ 光源1から物体2に対して可視領域の光を照射する。
▲2▼ 光を照射された物体2はその表面で光を反射する。
▲3▼ 反射された光をカメラ等の検出器3で検出する。
▲4▼ 検出した光の強度変化ついて二値化処理等を行い画像化する。
この検査において、塗料、被膜等で表面が一様に覆われた物体2に傷、欠け、凸凹等などの表面異常があると、図4(イ)に示すように二値化処理を行った画像に異常点6として表示される。したがって、この装置を用いた検査では異常点6の有無により被検査物体2の表面状態の良否を自動的に判定することができる。以上説明した測定原理及び装置は、特許文献1の〔従来技術〕においてその概略が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平07−92104号公報(第2頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような方法では以下のような問題があった。まず、物体2の表面が一様な平面に近いものである場合には、照射された光が平面にて一様に反射し、この一様に反射した光を検出器3で検知する。そのため、物体の表面の異常点6の存在を検出しやすい。しかしながら、物体2に曲面が存在する場合は、その部分において特により多くの光を反射することになる(この部分を強反射領域4という。)。
【0008】
そのため、検出器3で検出した光について、二値化処理を行うと、曲面の曲率の大きい部分に相当する部分に存在する異常点6が強反射領域4で隠されてしまい検出しにくくなる。また、強反射領域4に相当する物体2の部分に表面異常がない場合であっても、強反射領域4が異常点6として検出されることになるため、表面状態が不良であると判断される恐れがあった。
【0009】
さらに、物体2の表面がいわゆる黒色状を呈している場合は、検出器3で検出される光の強度が弱くなる。そのため、検出した光について二値化処理を行ったとしても、S/N比が小さいため物体2の表面について正常部分と異常部分との判別が困難になる。
【0010】
そこで、S/N比を向上させるため、光源1から照射する光の強度自体を強くする方法もあるが、物体2に曲面が存在する場合では、曲面の曲率の大きい部分においてより一層多くの光が反射され顕著な強反射領域4となるため、前述した問題と同様の問題が発生する。
【0011】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、曲面を有する黒色状の物体の表面状態の検査を精度よく簡易に行う方法及びこの方法の原理を用いた物体の表面状態の検査装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した問題を解決するために、本発明の第一は請求項1に記載のように、物体2に光を照射して、前記物体2表面から反射される前記光の強度変化を検出することにより前記物体2の表面状態を検査する方法において、前記物体2は曲面を有する黒色状体であり、前記光の波長は赤外領域であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第二は請求項2に記載のように、物体2に光を照射する光源1と、前記物体2表面から反射される前記光の強度変化を検出する検出器3を有する物体2の表面状態の検査装置において、前記物体2は曲面を有する黒色状体であり、前記光源1の光の波長は赤外領域であることを特徴とする。
【0014】
ここで、黒色状体の物体とは、外観上黒味がかかっている程度のもので足りる。さらに、可視領域の光を照射した時に、強反射領域が現れる物体であれば何であっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る方法は以下の装置を用いて実施することができる。また、本発明に係る方法を実施するための装置は図1(イ)、(ロ)のような基本構成からなっている。すなわち、物体2に光を照射する光源1と、物体2表面から反射される光の強度変化を検出する検出器3を少なくとも有している。原理は前述した従来の技術のものと同じである。
【0016】
光源1から物体2へ照射される光は赤外領域のものを用いる。赤外領域の光を発生する光源1としては例えば、赤外ランプ、発光ダイオード、半導体レーザ、固体レーザ、気体レーザ等が挙げられる。また、検出器3は、赤外領域の波長の光を検出するものであれば何でも良い。例えば、赤外線カメラ、半導体受光素子、光電管等が挙げられる。
【0017】
さらに、検査する物体2は専ら、本来的な曲面を有する黒色状体のものについて行う。例えば、塗装された車両の車体、被覆された電線ケーブル、成型体等が挙げられる。なお、物体は完全に黒色である必要はなく、外観上黒味がかかっている程度のものでも良い。さらに、可視領域の光を照射した時に、強反射領域が現れる物体であれば何であっても良い。
【0018】
上記した基本構成を有する検査装置では、光源1から照射される光の波長が赤外光領域であるため、検査される物体2が曲面を有し、黒色状体状のものであっても、精度良く表面状態の異常の有無を検出することができる。
【0019】
すなわち、黒色状体状の曲面を有する物体2の表面状態の検査において、光源1の光の波長が可視領域のものを用いた場合では、光源1の光強度が強すぎると、曲面上の強反射領域4が顕著に現れるため、光源1の光強度を弱くする必要があったが、本発明に係る方法、装置では、光源1の光の波長が赤外領域のものを用いているため、強反射領域4が発生せず、照射する光の強度を十分に強くすることができる。
【0020】
そのため、曲面の多い物体2の表面状態を検査において、検出光のS/N比が上がり、表面状態の正常部分と異常部分を精度良く判別することができる。さらに、本発明に係る方法、装置では光源1以外の構成が従来のものとほとんど同じものであるため、従来の検査装置の光源1を赤外領域の光を発するものに交換するだけで本発明の実施が可能である。そのため、精度のよい物体2の表面状態の検査装置を簡易に実現することができる。
【0021】
(実施例)
本実施例においては、検査する物体2として電力ケーブルを用い、その表面状態の検査を行った。検査した電力ケーブルは断面が55mm径の円をなし、表面が黒色のポリエチレンからなる被覆材にて覆われている。
この電力ケーブルの表面状態の検査装置は図1(イ)、(ロ)のような構成からなっている。すなわち、光源1、検出器3を備え、検出器3の出力を画像処理装置5に接続している。光源1は中心波長が850nm帯の赤外線ランプ、検出器3は赤外線カメラを使用している。なお、比較のため図1(イ)、(ロ)と同様の構成で、光源1として可視領域の光を発する白色光ランプ、検出器として一般のカメラを使用した検査装置を使って物体2となる電力ケーブルの表面状態の検査も行った(図2(イ)、(ロ)参照)。
【0022】
図3は、電力ケーブルの同一箇所についての検出器3からの出力画像である。ここで、図3(イ)は光源1を白色光ランプとした検査装置のもので、図3(ロ)は光源1を赤外ランプとした検査装置のものである。図3(イ)では、電力ケーブルの曲率が大きく、光源1からの光のベクトルの当たる部分が帯状に光って強反射領域4をなしている。図3(ロ)では、この帯状の強反射領域4が消失している。
【0023】
図4は、検出器3からの出力を画像処理装置5で二値化処理した画像である。図4(イ)は光源1を白色光ランプとした検査装置のもので、図4(ロ)は光源1を赤外ランプとした検査装置のものである。ここで、図4の画像において、白くなっている部分は電力ケーブルの表面に何らかの表面異常があると考えられる部分である。
【0024】
図4は(イ)、(ロ)ともに、光源1から直進する光のベクトルが当たる部分以外の電力ケーブル表面の傷部分が、白くなっておりそこに傷があることを判別することができた。しかしながら、図4(イ)では、図3(イ)において帯状に光って強反射領域4となっている部分も白くなっており、その部分は本来傷が無いにもかかわらず表面異常があると判断されてしまい、的確な判定が不可能であった。一方、図4(ロ)では、電力ケーブル表面に傷がある部分以外の部分は、表面異常がないと判断されたため的確な判定が可能であった。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、曲面を有する黒色状の物体の表面状態の検査を精度よく簡易に行う方法及びこの方法の原理を用いた物体の表面状態の検査装置の提供が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る物体の表面状態の検査装置の構成の概略で、(イ)は正面図、(ロ)は平面図である。
【図2】従来技術に係る物体の表面状態の検査装置の構成の概略で、(イ)は正面図、(ロ)は平面図である。
【図3】物体の表面状態の検査装置の検出器からの出力画像である。(イ)は従来技術に係るもの、(ロ)は本発明に係るものである。
【図4】物体の表面状態の検査装置の検出器からの出力画像を画像処理装置で二値化処理した画像である。(イ)は従来技術に係るもの、(ロ)は本発明に係るものである。
【符号の説明】
1 光源
2 物体
3 検出器
4 強反射領域
5 画像処理装置
6 異常点
Claims (2)
- 物体に光を照射して、前記物体表面から反射される前記光の強度変化を検出することにより前記物体の表面状態を検査する方法において、前記物体は曲面を有する黒色状体であり、前記光の波長は赤外領域であることを特徴とする物体の表面状態の検査方法。
- 物体に光を照射する光源と、前記物体表面から反射される前記光の強度変化を検出する検出器を有する物体の表面状態の検査装置において、前記物体は曲面を有する黒色状体であり、前記光源の光の波長は赤外領域であることを特徴とする物体の表面状態の検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034593A JP2004245659A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 物体の表面状態の検査方法及び物体の表面状態の検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034593A JP2004245659A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 物体の表面状態の検査方法及び物体の表面状態の検査装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004245659A true JP2004245659A (ja) | 2004-09-02 |
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ID=33020223
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---|---|---|---|
JP2003034593A Pending JP2004245659A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 物体の表面状態の検査方法及び物体の表面状態の検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004245659A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009222532A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Kanto Auto Works Ltd | 付着物検知装置 |
-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003034593A patent/JP2004245659A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009222532A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Kanto Auto Works Ltd | 付着物検知装置 |
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