JP2004245494A - 蒸発器および冷凍機 - Google Patents

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源太郎 大村
Kazuhisa Makita
和久 牧田
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将見 小中
Tomoo Honda
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Abstract

【課題】着霜による圧損を低減し、冷凍能力が低下してしまうことを防止することのできる蒸発器および冷凍機を提供する。
【解決手段】チューブ30は、空気流れ方向に沿って平行配置され、複数のチューブ30の間には空気が通過する空気通路32が形成され、この空気通路32には何も配されていない。
着霜が進んでも圧損が上昇しない位置に霜を着霜させることで、着霜に伴う冷凍能力の低下を抑制する。また、本発明のチューブ30では空気流れ方向に多数の淀み域を作ることで、従来、チューブ最後部に着霜していた霜が多数存在する淀み域に留まり、着霜が分散するためチューブピッチ方向への霜の成長が遅くなる。このため、従来に比べ長時間運転を行っても通風抵抗が増加しない。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍能力に対して蒸発器への着霜が及ぼす影響を低減させることを目的とした冷凍車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、荷物の受け渡しなどのためにトラックなどの車両を停車させる場合に、地球温暖化防止のために、車両エンジンを停止させる(アイドルストップを行う)事が要望されるようになっている。ところで、冷凍車では、夏期に、冷凍車の停車時、荷物の受け渡しなどのために冷凍庫のドアを開放すると、冷凍庫内の冷気がドア開口部から外部へと逃げると共に、高温外気が庫内に流入し、庫内の温度が上昇する。
【0003】
図12に示すように、停車時であってもエンジンを常に作動させている場合、庫内を冷却する冷凍サイクル装置も稼動しているため、庫内温度を維持することが可能であった。しかしながら、上述したように、停車時にアイドルストップを行う場合(第1の従来技術)、停車時にはエンジンによって駆動される圧縮機が停止するため、冷凍サイクル装置も停止する。その結果、エンジンが再起動するまで、庫内の冷却を行うことができず、停車を繰り返すうちに、図12に示すように庫内の温度が徐々に上昇してしまうといった問題点があった。
【0004】
また、湿度の高い外気の流入によって冷却ユニット内の蒸発器の着霜量が増大し、停車を繰り返すうちに徐々に冷凍能力が低下してしまうといった問題点があった。そこで、特許文献1では、ドア開放時に、ドア下方から外気を吹き出し、エアカーテンを形成することによって、冷凍庫内の冷気が外部へと逃げるのを防止すると共に、冷凍庫内への外気の流入を防止するものが提案されている(第2の従来技術)。
【0005】
しかしながら、上記公報に示されたようにドア開口部にエアカーテンを形成することにより、庫内への外気の流入を大幅に減少させることはできるものの、外気の流入を完全に防止することはできず、徐々に蒸発器に霜が付着し、図13に示すように、冷媒蒸発器を通過する風量および冷却性能が徐々に低下してしまうといった問題点があった。そのため、高温の冷媒を蒸発器に流入させ、蒸発器に着霜した霜を除霜する必要があった。
【0006】
この除霜運転は車両の走行中に、減圧手段をバイパスするバイパス流路に設けられた除霜バルブを開き、高圧高温冷媒を蒸発器に導くことで行なわれるが、除霜運転中には庫内の冷却を行うことができないため、除霜運転後、庫内温度が上昇してしまい、庫内温度の維持が困難であるといった問題点があった。
【0007】
ところで、従来、冷凍車の庫内空気を冷却する蒸発器として、熱交換性能を向上させるために表面にウエーブが形成されたプレートフィンを有する蒸発器が用いられていた。このような蒸発器における着霜挙動を詳細に検討したところ、図14に示すように、プレートフィン50の凹部において蒸発器を通過する空気流れが剥離し、逆流渦が生じた結果、凹部における水分の強制拡散量が局所的に増大し、凹部を起点として、空気通路を塞ぐように着霜が成長することが明らかとなった。
【0008】
この蒸発器を通過する空気流れの剥離部分において、集中的に着霜が成長する点に着目して成された従来技術として、特許文献2がある。これは複数の偏平チューブで構成し、チューブの空気流れ下流部の淀み域に霜を成長させることにより、着霜に伴う冷凍能力の低下を抑制したものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−211309号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2000−115934号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に示すような構成で長時間運転した場合、図15の従来形状に示すように、チューブピッチ方向にも着霜して、冷凍能力の低下が発生するという問題がある。そこで本発明は、この従来技術の問題点に鑑み、霜が主に淀み域に成長することに着目して成されたものであり、その目的は、着霜による圧損を低減し、冷凍能力が低下してしまうことを防止することのできる蒸発器および冷凍機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項5に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1、3に記載の発明によれば、チューブ(30)は、空気流れ方向に沿って平行配置され、複数のチューブ(30)の間には空気が通過する空気通路(32)が形成され、この空気通路(32)には何も配されていないことを特徴とする。
【0013】
図8に示すように、断面略円形形状のチューブ(30)が空気流れに沿うように配されるので、チューブ(30)の空気流れ下流側には淀み域が形成される。この淀み域において、空気通路(32)を通過する空気流れが剥離し、剥離渦が形成される。水分の多い空気が蒸発器(13)を通過すると、チューブ(30)の空気流れ下流側に着霜して、この部分を基点に霜が成長する。
【0014】
しかし、空気通路(32)には何も配されていないため、霜は空気流れ方向に成長するのみであり、空気通路を塞ぐように成長しない。そのため、蒸発器(13)への着霜による蒸発器(13)の圧損の増大を抑制することができ、冷凍能力の低減を防止することができる。更に本発明では、従来の偏平チューブを複数の断面略円形形状のチューブ(30)とし、着霜が進んでも圧損が上昇しない位置に霜を着霜させることで、着霜に伴う冷凍能力の低下を抑制するものである。
【0015】
また、従来の偏平チューブでは、空気流れ下流部のみに淀み域が形成され、この部分を起点に霜が成長していき、長時間経過するとチューブピッチ方向にも霜が成長して、冷凍能力低下の原因となるのに対し、本発明のチューブ(30)では空気流れ方向に多数の淀み域を作ることで、従来、チューブ最後部に着霜していた霜が多数存在する淀み域に留まり、着霜が分散するためチューブピッチ方向への霜の成長が遅くなる。このため、従来に比べ長時間運転を行っても通風抵抗が増加しない。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、平行配置された複数のチューブ(30)の列を1つのチューブ列(30a)とし、このチューブ列(30a)が空気流れ方向に複数列積層されており、隣接するチューブ列(30a)は空気流れに対してずれるよう、千鳥状に配されていることを特徴とする。これにより、空気通路(32)を通過する冷却空気が偏流し、淀み域が拡大するため、より集中的にチューブ(30)の空気流れ下流側に着霜させることができ、霜による圧損の増大をより抑制することができる。
【0017】
更に、請求項4に記載の発明によれば、除霜時に、前記蒸発器(13)の風下側に多くの冷媒を流通させることを特徴とする。これにより、霜が集中して付着しやすい風下側に高温高圧の冷媒を流入させて除霜するため、少ない冷媒流入量によって効率的に除霜を行うことができる。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る冷凍車1の斜視図であり、図2は図1の冷凍サイクル図である。冷凍車1はその運転室後方部に冷凍庫2が設けられており、冷凍庫2には冷凍食品などの商品が積み込まれる。冷凍庫2の後部には、その内部に冷凍物を搬入したり、冷凍庫2内の冷凍物を搬出したりするための2つの開閉ドア3・4が設けられている。
【0019】
そして、冷凍車1には、図1に示すように車両前方部に周知の冷凍サイクル装置5が搭載されている。この冷凍サイクル装置5は、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する圧縮機6を有し、この圧縮機6は周知の如く、電磁クラッチ7を介して走行用の車両エンジン8によって駆動される。この圧縮機6にて高温高圧に圧縮されたガス冷媒は、凝縮器9に流入する。
【0020】
この凝縮器9は、図1に示すように車両床下の部位に設置されており、電動式の凝縮器ファン10によって送風される冷却風により、内部のガス冷媒を冷却して凝縮させる。この凝縮器9の冷媒出口側にレシーバ11を設け、このレシーバ11にて凝縮後の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離すると共に、液相冷媒を貯留する。
【0021】
そしてこのレシーバ11の出口側には、このレシーバ11からの液相冷媒を減圧する減圧手段12を設け、この減圧手段12で減圧された低圧の気液2相冷媒を冷凍用蒸発器13にて蒸発させる。この冷凍用蒸発器13の出口側と圧縮機6の吸入側との間には、アキュムレータ14が設けてある。このアキュムレータ14は、冷凍用蒸発器13を通過した冷媒の気液分離を行い、液相冷媒を貯留し、気相冷媒を圧縮機6側へと送り出すものである。
【0022】
また、冷凍サイクル装置5において、圧縮機6の吐出側(高圧側)と、減圧手段12の下流側で、冷凍用蒸発器13の上流側部位(低圧側)との間を直接連通するバイパス流路15が設けられ、その途中には流路を開閉する除霜バルブ(バイパス流路開閉手段)16として電磁弁が設置されている。冷凍用蒸発器13は冷媒の蒸発潜熱により冷凍室2内の空気を冷却するものであって、図1に示すように冷凍庫2内の車両前方側の上方部位に設置されている。
【0023】
そして、冷凍庫2内には、冷凍用蒸発器13に向かって送風する電動式の冷凍用ファン17(図2参照)が冷凍用蒸発器13に隣接して設けられている。この冷凍用ファン17は冷凍庫2内の庫内空気を吸い込み、冷凍用蒸発器13を通過させて冷却した後、再度冷凍庫2内に冷風を送風するものである。尚、この冷凍用ファン17は、エンジン8の作動に関らず作動するようになっている。
【0024】
冷凍庫2の後部に設置される開閉ドア3・4を開くと、冷凍庫2の後部には冷凍物の搬入・搬出のための開口部18が形成される。そして開口部18の下方側、即ち冷凍庫2の外部で、開閉ドア3・4の下方位置には送風機19が設置されており、この送風機19により外気を開口部18の下方から上方に向けて送風することによりエアカーテンを形成するようにしてある。
【0025】
続いて、本発明の要部である冷凍用蒸発器13について詳述する。図3は本発明の一実施形態における冷媒蒸発器13を模式的に示す斜視図、図4は図3の冷媒蒸発器13における冷媒および空気流れを示す斜視図、図5は図3のA−A断面図であり、チューブの配列を示す図である。冷凍用蒸発器13は、図3・4に示すように、内部を冷媒が流れる複数のチューブ30と、これらのチューブ30の長手方向両端に接続されるタンク部31とを有している。
【0026】
チューブ30は、断面が略円形形状を有するチューブである。各チューブ30は、図5に示すように、空気流れ方向に数本づつ並んでおり、そのチューブ列毎が所定の間隔Tp(例えば3〜8mm)を空けて平行配置されている。複数のチューブ30が平行配置されたチューブの列が、空気流れ方向に所定の間隔L1(例えば、5〜20mm)を空けて積層されている。
【0027】
空気の流れ方向において隣り合う列に配されるチューブは、空気流れに対して互いにずれた位置に配されており、千鳥格子状に配列されている。尚、各チューブ30の間には何も配されておらず、冷却される空気が通過する空気通路32となっている。また、同じ列に配されるチューブ30は同一のタンク31に接続されており、タンク31において、チューブ30へと流入する冷媒が分配される、もしくはチューブ30から流出した冷媒が集合する。
【0028】
空気流れ最下流側に配されるタンク31には入口配管が接続されており、減圧手段12から送られる冷媒が流入する入口側タンク31aとなっている。一方、空気流れ最上流側に配されるタンク31には出口配管が接続されており、アキュムレータ14へと送られる冷媒が流出する出口側タンク31bとなっている。
【0029】
出口側タンク31bは下方となる部位に設けられており、冷媒中に含まれる潤滑油が冷凍サイクル装置5の停止時に冷凍用蒸発器13に滞留してしまうことを防止する。尚、その他のタンク31は、空気流れ方向において隣接するタンク31のうち一方のタンク31と連通している。
【0030】
入口側タンク31aに流入した冷媒は複数のチューブ30に分配され、これらのチューブ30を平行に流れた後、他端に配されるタンク31へと送られる。タンク31において冷媒は一旦集合され,隣接するタンク31へと送られ、このタンク31に接続された複数のチューブ30へと分配される。このようにUターンしながら流れ、最終的に最下流側に配されるチューブ30を通過した冷媒は出口側タンク31bを経てアキュムレータ14へと送られる。
【0031】
続いて、電気制御部について説明する。制御装置22は、マイクロコンピュータなどのコンピュータ手段を含んで構成されるものであって、入口端子からの入力信号に基づいて予めプログラムされた所定の演算処理を行って、上記冷凍サイクル装置5の作動を制御するものである。制御装置22の入力端子には、以下に述べるセンサ・スイッチなどが接続される。
【0032】
冷媒温度センサ23は、冷凍用蒸発器13の出口冷媒温度を検出する。庫内温度センサ24は、冷凍庫2内の庫内温度を検出する。温度設定器25は、冷凍庫2内の庫内設定温度を乗員の手動操作にて設定するもので、例えば、−10℃〜−20℃の範囲で任意に庫内設定温度が変更可能となっている。冷凍運転スイッチ26は乗員の手動操作にて冷凍サイクル装置5の運転・停止の信号を出すもので、エンジン運転スイッチ27はエンジンの運転・停止に応じた信号を出すものである。
【0033】
また、冷凍庫2後部の開口部18の周縁部には、開閉ドア3・4の開閉と連動して開閉されるドアスイッチ28が設置されている。一方、制御装置22の出力端子には、電磁クラッチ7・凝縮用ファン10・冷凍用ファン17・除霜バルブ16・エアカーテン形成用の送風機19等が接続されている。
【0034】
続いて、本実施形態の作動について述べる。図6は、本実施形態における車両エンジン8、ドア3・4、除霜バルブ16の作動のタイミングを示す図である。車両走行時には、走行用エンジン8から電磁クラッチ7を介して圧縮機6に動力が伝達されて、圧縮機6が作動すると共に、ファン10・17が作動状態となり、冷凍サイクル装置5が運転状態となる。
【0035】
冷凍用蒸発器13で冷却された冷気は、冷凍用ファン17により冷凍庫2内に吹き出して庫内の商品(冷凍物)を冷却する。尚、この際、除霜バルブ16は閉じられており、バイパス流路15には冷媒は流れない。一方、庫内の商品の搬入搬出を行うために停車する場合、車両エンジン8を停止させる。車両エンジン8の停止に伴い圧縮機6が停止され、庫内の冷却ユニット130の冷凍用ファン17も停止する。
【0036】
そして、冷凍庫2後部の開閉ドア3・4が開くと、これに連動してドアスイッチ28がオン状態となり、制御装置22によって、送風機19に通電され、開口部18の下方から上方に向けてエアカーテンが形成され、高温の外気が冷凍庫2の庫内へと侵入するのを防止する。
【0037】
図7は、除霜運転時における冷媒の流れを示す冷凍サイクル図である。この際、除霜バルブ16が開かれ、圧縮機6の吐出側と冷凍用蒸発器13の上流側部位との間の冷媒の圧力差(約1.9MPa)によって、高圧側(圧縮機6〜凝縮器9上流側)の高温の冷媒がバイパス流路15を介して冷凍用蒸発器13に流入する。高温の冷媒が冷凍用蒸発器13に流入することによって、冷凍用蒸発器13に着霜した霜は融解して水となり、外部へと排出される。
【0038】
尚、荷物の搬入・搬出が完了し、開閉ドア3・4が閉じられ、ドアスイッチ28がオフとなると、除霜バルブ16は再び閉じられた状態となり、冷凍用蒸発器13への高温冷媒の流入は停止される。
【0039】
続いて、本発明の要部である冷媒凝縮器13における着霜挙動について述べる。図8は、冷媒蒸発器13に霜が着霜した状態と気流を示す図であり、(a)は本発明、(b)は従来の扁平チューブの場合を表す。冷凍用ファン17によって冷凍用蒸発器13に送風された空気は、チューブ30間に形成された空気通路32を通過し、冷媒蒸発器13を通過する冷媒と熱交換することによって冷却される。
【0040】
冷媒蒸発器13は、複数の円形チューブ30の列を1つのチューブ列30aとし、このチューブ列30aが空気流れ方向に沿って配されていると共に複数列積層されているため、空気通路32を通過する空気は、チューブ列30aの空気流れ上流側端部において分流した後、チューブ列30aに沿って流れる。各チューブ30の空気流れ下流側には淀み域が形成されるため、チューブ列30aに沿って流れてきた空気流れの一部が剥離し、淀み域と空気流れとの境界面において剥離渦(逆流渦)が生じる。
【0041】
ところで、本発明者らは、剥離渦が生じる部位において水分の強制拡散量が局所的に増大し、剥離渦が生じた部位を起点として着霜した霜が成長していくことを見出した。本実施形態の冷凍用蒸発器13は、複数のチューブ30が空気流れ方向に沿って配されているため、空気流れ速度の遅い淀み域は各チューブ30の空気流れ下流側に形成される。
【0042】
図8に示すように、霜は各チューブ30の空気流れ下流側に付着し、空気流れ方向に沿って成長するので、霜の成長によって空気通路32が塞がれない。そのため、ドア3・4の開閉などによって庫内へと侵入した水分が冷凍用蒸発器13に着霜したとしても、冷凍用蒸発器13を通過する風量が低下せず、冷凍能力の低下を抑制することができる。
【0043】
また、チューブ30の間には何も配されていないため、除霜により生じたドレン水はチューブ30の風下面を伝って下方へと流れ、図示しない排出口から空調装置外部へと排出される。
【0044】
また、本実施形態では、空気流れ方向において、隣り合うチューブ列30aが互いにずれるように配されているため、コアンダ効果によって空気通路32を通過する空気流れが偏流する。そのため、隣接する列に配されるチューブ30が空気流れ方向においてほぼ同じ位置となるように配される蒸発器に比べて、空気下流側端部において大きな剥離渦が生じる。その結果、着霜した霜をより局所的に付着させることができる。
【0045】
更に、本実施形態では、庫内空気を冷凍用蒸発器13へと送風する冷却用ファン17として軸流ファンを用いているので、圧力損失の低下に伴い、送風風量が増加したとしても消費電力の増大を抑制することができる。そのため、ファンのモータの発熱も抑制でき、冷凍能力の低下も抑制することができる。
【0046】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、車両停止時、冷凍用蒸発器13の除霜を部分的に行うことを特徴とする。尚、第1実施形態と同様の構成・作動については説明を省略する。図9は、第2実施形態の除霜運転時における冷媒の流れを示す冷凍サイクル図であり、図10はチューブ30の配列を示す図である。図に示すように、冷凍蒸発器13は、冷媒流れ上流側、かつ空気流れ下流側(以下、吹出側とする)に配される第1冷媒蒸発器13aと、冷媒流れ下流側かつ空気流れ上流側(以下、吸込側とする)に配される第2冷媒蒸発器13bとに分割される。
【0047】
第1冷媒蒸発器13aと第2冷媒蒸発器13bとの間には開閉弁である電磁弁38、および第2冷媒蒸発器13b出口における冷媒圧力PEを検知する圧力センサ39が設けられる。車両が停止し、エンジンスイッチがオフとなると、除霜バルブ16が開き、電磁弁38は閉じられる。そのため、高温高圧の冷媒が圧力差によってバイパス流路15を介して第1冷媒蒸発器13aへと流入し、除霜が行われる。一方、電磁弁38は閉じられた状態であるので、第1冷媒蒸発器13aを通過した冷媒は第2冷媒蒸発器13bへと流入しない。
【0048】
除霜運転を行った後、走行が再開されると、圧縮機6が再起動し、冷凍サイクル装置5が再起動する。除霜運転時、冷凍用ファン17はオフとなっているが、圧縮機6の再起動後、冷凍用蒸発器13内の冷媒圧力を低下させ、冷凍用蒸発器13からの吹出温度を低下させるために、約10秒後にオンとなるよう遅延制御される。
【0049】
ところで、冷凍用蒸発器13のチューブ30は断面が略円形形状であるため、チューブ30の下流側において淀み域が形成され、剥離渦が形成される。なかでも、吹出側端部に配されるチューブ30の下流側端部は大気に解放されているため、水分の強制拡散量が極大となる。そのため、吹出側端部となるチューブ30には重量比82%の霜が集中して着霜する。すなわち、本実施形態の冷凍用蒸発器13では、吹出側に配される第1冷媒蒸発器13aに着霜が集中する。
【0050】
本実施形態では、除霜を行うに当たって、霜が集中的に付着する第1冷媒蒸発器13aのみに高温高圧のガス冷媒を流入させるため、少ない冷媒流入量によって除霜を効率的に行うことができる。また、除霜時に高温高圧の冷媒が流入するのは冷凍用蒸発器13の一部(第1冷媒蒸発器13a)であるため、除霜時に冷凍用蒸発器13全体に冷媒を流入させる場合に比べて、除霜完了後における冷媒の圧力上昇を抑制することができる。そのため、冷凍ファン17の遅延制御を短くすることができ、車両走行時における庫内冷却時間を長くすることができる。
【0051】
更に、除霜時、電磁弁38は閉じられており、第2冷媒蒸発器13bには冷媒は流入しない。そのため、除霜時に、冷媒の熱が第2冷媒蒸発器13bの未着霜部を介して庫内へと放熱されず、いたずらに庫内温度が上昇してしまうことを防止することができる。特に、第2冷媒蒸発器13bに殆ど霜が付着しない初期作動時において、除霜による冷媒の放熱の影響を小さくすることができ、クールダウン性能の悪化を抑制できる。
【0052】
尚、冷媒蒸発器13の風下側に配されるチューブ30間の距離Tpを、風上側に配されるチューブ30間の距離Tpよりも狭くした構成としても良い。このような構成とすることによって、チューブ30の下流側において形成される剥離渦が拡大し、吹出側端部となるチューブ30には重量比97%の霜が付着し、一定の間隔でチューブ30が配された蒸発器に比べて、更に霜が集中して着霜させることができる。
【0053】
(その他の実施形態)
図11の(a)〜(c)は、他の実施形態におけるチューブ30の断面形状を示す図である。上述した実施形態では、チューブ30の断面形状を略円形としたが、(a)は外形を矩形としたものであり、伝熱面積を広くする効果がある。(b)は外形を菱形としたものであり、伝熱面積を広くする効果に加え、表面の空気流速を上げることで後端部後流の渦が少なくなり、着霜を抑制できる効果がある。また、(c)はチューブ列30aの最後部チューブ30bのみ異形状としたもので、これによっても着霜を抑制できるという効果がある。
【0054】
また、上述した実施形態では、エンジン8によって圧縮機6が駆動される冷凍庫2を架装した冷凍車1に本発明を適用した実施形態について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、倉庫などの定置式の冷凍庫に本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る冷凍車の斜視図である。
【図2】図1の冷凍サイクル図である。
【図3】本発明の一実施形態における冷媒蒸発器を模式的に示す斜視図である。
【図4】図3の冷媒蒸発器における冷媒および空気流れを示す斜視図である。
【図5】図3のA−A断面図であり、チューブの配列を示す図である。
【図6】一実施形態における作動を示すタイムチャートである。
【図7】除霜運転時における冷媒の流れを示す冷凍サイクル図である。
【図8】冷媒蒸発器に霜が着霜した状態と気流を示す図であり、(a)は本発明、(b)は従来の扁平チューブの場合を表す。
【図9】本発明の第2実施形態の除霜運転時における冷媒の流れを示す冷凍サイクル図である。
【図10】第2実施形態におけるチューブの配列を示す図である。
【図11】(a)〜(c)は、他の実施形態におけるチューブの断面形状を示す図である。
【図12】第1の従来技術における庫内温度の変動を示すグラフである。
【図13】(a)は第2の従来技術における冷媒蒸発器を通過する風量の経時的な変動を示すグラフであり、(b)は第2の従来技術における庫内温度の経時的な変動を示すグラフである。
【図14】従来の冷媒蒸発器における気流の流れを示す図である。
【図15】従来形状(扁平チューブ)と本発明とで、冷媒蒸発器の霜が成長した状態を示す図である。
【符号の説明】
2 冷凍庫
6 圧縮機
9 凝縮器
12 減圧手段
13 蒸発器
15 バイパス流路
16 バイパス流路開閉手段
30 チューブ
30a チューブ列
31 ヘッダタンク
32 空気通路

Claims (4)

  1. 内部を冷媒が流れ、断面が略円形の複数のチューブ(30)と、
    これら複数の前記チューブ(30)の両端に配され、冷媒を流出入させるヘッダタンク(31)とを備え、
    前記チューブ(30)は、空気流れ方向に沿って平行配置され、前記複数のチューブ(30)の間には空気が通過する空気通路(32)が形成され、この空気通路(32)には何も配されていないことを特徴とする蒸発器。
  2. 前記平行配置された複数のチューブ(30)の列を1つのチューブ列(30a)とし、このチューブ列(30a)が空気流れ方向に複数列積層されており、隣接する前記チューブ列(30a)は空気流れに対してずれるよう、千鳥状に配されていることを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  3. 冷媒を圧縮する圧縮機(6)と、
    この圧縮機(6)から吐出された冷媒を凝縮液化する凝縮器(9)と、
    この凝縮器(9)において凝縮液化された冷媒を減圧膨張する減圧手段(12)と、
    この減圧手段(12)によって減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(13)と、
    前記減圧手段(12)をバイパスさせ、前記凝縮器(9)の入口側または出口側と、前記蒸発器(13)の入口側とを連通させるバイパス流路(15)と、
    このバイパス流路(15)に設けられたバイパス流路開閉手段(16)とを有する冷凍サイクル装置と、
    前記蒸発器(13)によって庫内が冷却される冷凍庫(2)とを備える冷凍機であって、
    前記蒸発器(13)は、内部を冷媒が流れ、断面が略円形の複数の偏平チューブ(30)と、これら複数の前記チューブ(30)の両端に配され、冷媒を流出入させるヘッダタンク(31)とを備え、前記チューブ(30)は空気流れ方向に沿って平行配置され、これらの平行配置された前記チューブ(30)の列が空気流れ方向に複数列積層されており、前記複数のチューブ(30)の間には空気が通過し、何も配されていない空気通路(32)が形成され、前記圧縮機(6)を停止させ、前記バイパス流路開閉手段(16)を開き、前記バイパス流路(15)を介して前記圧縮機(6)によって圧縮された高温高圧の冷媒を前記蒸発器(13)に流入させることによって前記蒸発器(13)の除霜を行うことを特徴とする冷凍機。
  4. 前記除霜時に、前記蒸発器(13)の風下側に多くの冷媒を流通させることを特徴とする請求項4記載の冷凍機。
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