JP2004245379A - 耐震性を具えた強化プラスチック管の井戸管用継手部 - Google Patents
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Abstract
【課題】水質保全性と施工性に加え、耐震性の要件を充足させる。
【解決手段】強化プラスチック管1aの受口内周面の雌ネジ2へ、別管1bの挿口外周面の雄ネジ3を螺合して継合する。雌ネジ2と雄ネジ3のすべてのネジ面は常に空隙Cを保って相対向させる。挿口外周面には、止水ゴム輪4が装着される。止水ゴム輪4は、複数のシール羽根を距離を隔てて備える。シール羽根は、止水ゴム輪4の底面から斜め上方へ向かって、鋭角的に突出した断面ほぼ鈍角三角形の形状を有する。止水ゴム輪4の変形前の全高Hは挿口外周面と受口内周面間の間隙Sよりは大きい。各シール羽根は圧縮変形してセルフシール作用を発現する。螺合部分の空隙と密封部分の可撓性により、継手部は外力に対応する。
【選択図】図1
【解決手段】強化プラスチック管1aの受口内周面の雌ネジ2へ、別管1bの挿口外周面の雄ネジ3を螺合して継合する。雌ネジ2と雄ネジ3のすべてのネジ面は常に空隙Cを保って相対向させる。挿口外周面には、止水ゴム輪4が装着される。止水ゴム輪4は、複数のシール羽根を距離を隔てて備える。シール羽根は、止水ゴム輪4の底面から斜め上方へ向かって、鋭角的に突出した断面ほぼ鈍角三角形の形状を有する。止水ゴム輪4の変形前の全高Hは挿口外周面と受口内周面間の間隙Sよりは大きい。各シール羽根は圧縮変形してセルフシール作用を発現する。螺合部分の空隙と密封部分の可撓性により、継手部は外力に対応する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は強化プラスチック管を継合した管路、特に垂直に継合する井戸管用の継手部に耐震性を具備する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
東海大地震、南海大地震は、発生周期の分析から今日以後の50年以内にその一方、または双方の発生する確率は50%と地震予知連絡会議で結論され、特に該当する府県、市町村の自治体では官民一体となって対策を展開している。ただし何時発生するのか判らないという不明感もあってその切迫した緊急度には必ずしも満足できず、過日の阪神淡路大震災の貴重な教訓が活かされているのか、心許ない面もある。
【0003】
阪神淡路大震災(以下「前震災」という)において、学校や公民館に避難した被災者が最も強く求めたのは飲料水であり、崩壊したライフラインの中でも清水の欠乏が衝撃を増幅し気力を奪い、自衛隊の給水車が活躍を開始するまでは地獄の様相であったと伝えられる。
【0004】
飲料水の確保には水道管路の耐震性を強化すれば最も直接的であり効果的であることが自明の理である。現に前震災の実績においても耐震性管継手を適用した管路はほぼ無事に機能を維持し、それ以外の管路と際立った違いを証明する結果となった。しかし新規や更新の計画管路は別として、現在使用中の膨大な管路のすべてを掘り起こして耐震性管継手に置換することは一朝一夕に捗るものではなく、早急に別の災害対策を強力に進めてこの悲劇を阻止しなければならない。
【0005】
出願人は災害避難の指定地、すなわち小、中学校、役所、公民館、公園、緑地帯、などすべての地点に井戸を完備することを提起する。本来、人類は原始の昔から生命の源として井戸を掘削し、あらゆる集落、寺院、神社、城塞に必須の設備として重用された。しかし上水道の普及と共にその本来の重要性は逐次後退し、鉄鋼、土建、化学、繊維などの近代製造業の用水としてや、豪雪地方の融雪対策として活用されるのが目立つ程度である。
【0006】
一般には井戸の掘削は50mから350mに及ぶこともあり井戸用の管路を形成する管材としては、従来は鋼管が多用され管の継合にはネジ接合が主体を占めていた。管材が金属であるから発錆の問題があり、錆自体によって井戸水が汚染されて水質を悪化し赤水を供給する場合と、管材の腐食によって浅い深度の管路途中から不適質な地下水が外水圧に押されて混入して水質を悪化する場合があり、何れにしても飲料水には不適当な水を供給する結果となる可能性が残る。ネジ接合による管の継合部の腐食や漏洩を解決するための従来技術も散見され、特許文献1では図4のように管101両端に凹溝を設けて内外面に防食表面処理を施し、雄ネジ102を螺刻した継手103の雌ネジ104と螺合する。この凹溝の先端に継合相手の継手内面と接するリップパッキン105を外嵌したパイプニップルの構成を示している。
【0007】
一方、金属管に代わって有機化学の発達とともに急速に普及しはじめた強化プラスチック管は、腐食に強く、錆の発生や、発錆に伴う赤水の懸念がなくなり、金属管に対し衛生面で有利であることが主な理由の一つに挙げられる。強化プラスチック管にも幾つかの型式があるが、耐食性については金属を遥かに凌駕する材質的な特徴が井戸管用管路の管材として選ばれる有力な根拠となる。
【0008】
特許文献2の従来技術は図5に示すように熱硬化性樹脂製の管の継合に係り、管の両端部にそれぞれ拡径して設けた受口内周面の雌ネジ201と挿口外周面の雄ネジ202とが螺合して締結する。挿口の雄ネジからさらに外端側には密閉部片203を受入れるみぞ204を形成し、みぞへ嵌入した密閉部片203は、みぞより一部突き出し、相対向する密閉部片関連面205と同支持面206の間で圧縮されて有効な密封作用が行なわれる。この従来技術の特徴は作業員の手作業によって軸線の周りに少なくとも360°密封作用を保ったまま回転できるように雌ネジ、雄ネジのリードと密封部片関連面205が傾斜する角度θを選ぶ点にある。前記の対向する二面205,206間の隙間は、螺合が進むと共に実質的に0となり、両面は密着して密封部片203は押圧されてみぞ204内へ押し込められた剛結構造を形成する。特許文献3は樹脂管体の継合に係る別の従来技術であり、図6(A)には全体の実施例を、また同図(B)には種々の形状のゴム質リングを例示している。
【0009】
【特許文献等一覧】
特許文献1 実開平4−127491号公報
特許文献2 特開昭53−89021号公報
特許文献3 実公昭59−7983号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
金属管を使用した従来技術(図4)では金属の腐食、発錆に伴う水質悪化が憂慮される。そのために内外面を防食処理するという煩瑣な工程が前提となり、その後のネジ加工によって折角形成した防食面も削り取られ、管内からの水がネジ部に及ばないように雌雄のネジを螺合する必要が伴なうが、管路を繋ぐためには管体を回動しなければならない。リップパッキンは凹溝に外嵌しただけであり、しかもリップパッキンの底面から突出する環状の突条(舌片)の外径は、管内からネジ部に水が回らないように継手の雌ネジの内径よりも大きく設定しなければならない。しかし、継合するために継手と管が相対的な回動運動を行なえば、突出した突条はネジ山を通り抜けるときに擦過したり、捩れの外力を受け、さらに機械加工による鋭利なネジ山に裂断されて局部的に損傷し止水作用を失う懸念もある。
【0011】
特許文献2の従来技術(図5)は、みぞに嵌合した密閉部片の変形前の高さは雄、雌ネジのネジ山より明らかに低く設定されているから、前例のようにゴム片が螺合時に傷付けられる恐れはないが、発明の対象が油田の流路管であることから、水平に横繋ぎに管を継合していく用途に限られ、管内を輸送する石油の漏洩のみを重視した剛結密封方式で足りる。しかしこの方式を井戸管に使用することは余りに課題が大きい。
【0012】
第一に井戸管において水質汚染の対象となるのは非衛生な管路外からの地下水の侵入である。最近は重化学の発達に伴って汚染された地下水が井戸管の途中から管内に侵入する危険性は従来に比べて格段に増加している。折角安全な水質を保証する深度まで掘り下げても途中から不安全な地下水が紛れ込んでは何にもならない。
【0013】
つぎに耐震性の問題である。前述のように井戸の設置目的が大震災に備えたライフラインの確保という観点からみれば、密封面同士が密着した剛結構造のため、異常な震動を吸収する術もなく、特に深度の大きい井戸管では横揺れによって継手部分から座屈、変形、裂断を生じて外圧に対する密封機能を失う危険は十分に予想される。このことは図4、図6の従来技術についても変るところはなく、耐震性という新たに発生した要件に応えることは不可能である。
【0014】
井戸管用継手部の要件として要約すれば、
▲1▼耐食性がよいこと
▲2▼軽量で施工性が容易なこと(組立てトルクは手動の範囲)
▲3▼管外からの侵水を断固阻止する密封性
▲4▼耐震性
の何れをも充足することが求められる。本発明はこの要件のすべてを満たす井戸管用継手部の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る強化プラスチック管の井戸管用継手部は、上向きに開口する強化プラスチック管1aの膨出した受口2の内周面21に螺刻した雌ネジ22へ、別の強化プラスチック管1bの挿口3の外周面31に螺刻した雄ネジ32を螺合して継合する手順を繰り返して垂直の井戸管用管路を形成する構成であって、雌ネジ22と雄ネジ32のすべてのネジ面は常に空隙Cを保って相対向し、前記挿口外周面31に装着した止水ゴム輪4は、挿口外周面31へ嵌合した底面41と、該底面41から斜め上方へ向かって鋭角的に突出した断面ほぼ鈍角三角形よりなる複数のシール羽根42を距離を隔てて周設し、該止水ゴム輪4の変形前の全高Hは挿口外周面31に対向する受口内周面21間の間隙Sよりは大きく、それぞれのシール羽根42が個別に圧縮変形して発現するセルフシール作用と震動、揺動を吸収することを特徴とする耐震性を具えたことによって前記の課題を解決した。
【0016】
本発明に係る井戸管用継手部は以上の構成を基本的に具え、螺合に際して寸法的には両ネジ面は常に空隙を保って相対向するように形成されているから、芯合せも容易できわめてスムースに螺合が進められる。この螺合が終了するまでの間、常に幾ばくかの空隙が保たれるから、管を回動させるためのトルクは常に軽微であり、作業員への負担は軽い範囲に限定されて生産性が高く確保できると共に、組立て後の管路は軸線方向に対して剛構造ではなく可撓性を具えた柔構造となる。
【0017】
螺合部の空隙が連通することは管路途中で管外からの地下水が侵入して水質汚染を促す可能性はある。本発明に使用する止水ゴム輪4は、その対策として特に継手部上方の管外から管内へ浸水を阻止する機能を重視した構成を特徴とする。挿口外周面31と受口内周面21とは螺合した後も、他の従来技術(たとえば図4〜6)のように密封面が面接着するのでなく対向間隙Sを設け、この両面間に挟まれて間隙Sよりも大きい全高Hを有するシール羽根42が任意に弾性変形して両面間の連通を断つ。しかも、複数のシール羽根42が底面41から距離を隔てて斜め上方(受口外周面側)に突出した断面ほぼ鈍角三角形状の舌片よりなるから、上方からの管外水が侵入しようとシール羽根42を押圧すれば、シール羽根42は一方的に変形しようとするが、形状的に変形すればするほどその反力も飛躍的に強化されるというセルフシール作用が現われる。この点、図示したすべての従来技術では、密封面が面接着し片側の面に刻設したみぞ内に嵌合したシール輪の僅かに露出した頭部のみが変形して封止作用を務めているから、かかるセルフシール作用の発生する余地はまったく認められない。
【0018】
このシール構造が挿口〜受口間で震動、揺動を吸収する可撓性に繋がることはいうまでもない。すなわち螺合部分の空隙と密封部分の可撓性によって非常時、すなわち大地震の異常な外力にも柔軟に対応できる耐震性を形成するのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1(A)、(B)は本発明の実施形態における継合の進行を示す縦断正面図である。図1(A)では、雄ネジ22、雌ネジ32が螺合しつつある中間段階であり、このネジはネジ山の外径が挿口側へ向かって縮径するテーパネジを採用した結果、螺合のための回動作業は一層容易となり位置決めにさほどの注意を必要とせず、回動に伴って必要なトルクは、ほとんど雌ネジのネジ山に当接したシール羽根42の変形抵抗だけである。しかし本発明のシール羽根は公知の鋸刃形(たとえば図6(B)のd)とは違って底面から必要な距離を隔てて2枚が突出し、それぞれ個別に弾性変形して、この狭い空間を潜り抜けることかできるように必要なトルクを選定しておけば、施工性は十分に保証できる。雌ネジのネジ山23の外径を小さくすることは受口自体の外径を小さくできることを意味し、材料コストや軽量化の点で有利な条件となる。図1(B)は、螺合の終了した状態を示し、テーパネジであるから螺合と共に両ネジ面の空隙は急速に縮まるが、螺合後も必ず空隙Cは残されている。
【0020】
実施例の一つとして止水ゴム輪4の断面図を図2に示す。止水ゴム輪4は挿口外周面31に圧着する底面41から鋭角α(たとえば80°)で上方へ立ち上がる断面がほぼ鈍角三角形よりなるシール羽根42を具える。止水ゴム輪4のシール羽根42は2枚設け、止水ゴム輪4の全高Hは、押し縮められて高さ間隙Sに変形し、S/H×100%で表わす圧縮率が40〜50%の範囲となるように選ぶのが適当である。また、各止水ゴム輪間に距離Pを設け、このPを底面41から立ち上がったシール羽根42の頂点43までの高さh1の少なくとも60%を維持するように設定しておけば、螺合時に雌ネジのネジ山と羽根先が干渉し合う時点でも単独で変形してトルクの大きな負担を発生させず、またシール羽根自身の損傷を誘発することもない。
【0021】
図2に基づいて実際の寸法を例示してみると、呼び径(管内径)300mmの井戸管用継手部で使用する止水ゴム輪4は、ゴム輪4自身の変形前の全高H=8mmを、受口〜挿口間の間隙S=4mm内へ弾性変形して押し込まれるとその圧縮率は50%になる。
【0022】
図3は雄雌ネジの成形時に設定した空隙を図面として表わしたもので、この実施例では雌ネジのネジ底(雄ネジのネジ山)部分で0.5mm、逆に雄ネジのネジ底(雌ネジのネジ山)部分では1.5mmの設け、傾斜したネジ面にも常に0.5mmの空隙を設けて螺合部のルーズ性を維持している。
【0023】
本発明が適用される井戸管用管路の全長は最高で350m程度までと想定し、最深部における地下水圧による外水圧を確認したところ、6kgf/cm2の外圧に耐えられれば止水機能として十分に満足できることが実測された。この外圧を図2のシール羽根2枚からなる止水ゴム輪の弾性変形で吸収して止水性を確保する一方、管材の継合に必要な回動時のトルクを実測して施工性(管材継合時の容易さ)との相関を調べたところ、管の呼び径が500mmまでは前記の圧縮率が40%以下では止水性に疑問が生じるケースが認められ、また圧縮率が50%以上になると、回動トルクが異常に増加して手作業による回動に大きな抵抗感が生れる見解が支配的であった。具体的にはチェーントングと呼ぶ回動用の治具を使用して各管径毎の人力荷重(kgf)を測定し、通常の体力を持つ作業員であれば、抵抗感の少ない領域は所要荷重が20〜25kgf程度までと判定され、その結果から止水ゴム輪の圧縮率を40〜50%に限定すれば最も施工性もよく、また止水機能も維持できることが確定できた。また、管の呼び径が300mmまでは突条が3枚でも所要荷重が20〜25kgfまでで好施工性の範囲に該当するし、止水性については一層有効であることは間違いないが、呼び径が300mmを超えると荷重が過大に失して施工性に課題が生じるから、全ての管径に適用するには突条の数を2枚に限定する方が現実の実施には賢明と言える。
【0024】
表1は図2で示した止水ゴム輪において全て圧縮率45%程度に変形するまで押圧するために必要な人力荷重値を、強化プラスチック管の呼び径別、弾性ゴムの硬度別、止水ゴム輪のシール羽根の枚数別に計算して纏めた一覧表であり、計算のベースとしては、強化プラスチック管の継合時の回動用として専用的に使用するチェーントングと呼ぶ治具のアーム(作動腕)の長さをa,各管の外周長さをLとし、適宜実測した回動荷重と管の呼び径との間に成立する関係から、未実測の各管毎の荷重値を推定したものである。すなわち、
推定荷重値=(実測荷重値P×a×L)/(実測値a×実測値L)
で実測値をベースとして未実測値を算出した推定値である。
註:aとLは管の呼び径毎に変る標準値
【0025】
【表1】
【0026】
表1からも推定されるように、荷重値を20〜25kgfまでに限定すれば、施工性はきわめて良好で殆ど大きな抵抗を感じることなく手作業によって容易に強化プラスチック管の継合作業ができる。この場合、止水ゴム輪のゴム硬度は55程度がよく、また、止水ゴム輪の具えるシール羽根は2枚が好ましい。シール羽根が3枚以上になると止水性はなお、完璧となるが、管径が大きくなるにつれて継合時の回動作業に大きな人力を要し、さらに大径となると機械的な駆動力によって回動をしなければならなくなるので、現地施工上の条件が加重されることを意味する。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上に述べた通り古来用水確保のために使用されてきた井戸管用継手部を従来から求められてきた水質安全性、施工性の要件に加え、新たに発生が二分の一の確率で警告されている大地震に対する緊急の防災措置として最も重視される耐震性の要件を十分に付加する効果がある。本発明の井戸管用継手部は長い垂直管路を直撃する震動や揺動を一時的に吸収して破断や座屈よる管路の崩壊を防止する可能性が高い。言うまでもなくこの耐震性の付与によって本来の施工性や水質保全機能に齟齬を来すものではなく、むしろセルフシール作用によって一層機能が強化されるという副次的効果は看過できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)によって螺合途中と終了後の継手部の位置関係を示す縦断正面図である。
【図2】止水ゴム輪の断面図である。
【図3】螺合部分の空隙を例示した縦断正面図である。
【図4】従来技術を示す縦断正面図である。
【図5】別の従来技術を示す縦断正面図である。
【図6】さらに別の従来技術を示す縦断正面図(A)と、a〜dによって公知の各種シールリングの断面図(B)を示す。
【符号の説明】
1 強化プラスチック管
2 受口
3 挿口
4 止水ゴム輪
21 内周面
22 雌ネジ
23 ネジ山
31 外周面
32 雄ネジ
33 ネジ山
41 底面
42 シール羽根
43 頂点
S 受口内周面と挿口外周面との間隙
C 雄、雌ネジ面間の空隙
H 止水ゴム輪の全高
P シール羽根間の距離
h1 弾性変形前のシール羽根の高さ
【発明の属する技術分野】
本発明は強化プラスチック管を継合した管路、特に垂直に継合する井戸管用の継手部に耐震性を具備する技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
東海大地震、南海大地震は、発生周期の分析から今日以後の50年以内にその一方、または双方の発生する確率は50%と地震予知連絡会議で結論され、特に該当する府県、市町村の自治体では官民一体となって対策を展開している。ただし何時発生するのか判らないという不明感もあってその切迫した緊急度には必ずしも満足できず、過日の阪神淡路大震災の貴重な教訓が活かされているのか、心許ない面もある。
【0003】
阪神淡路大震災(以下「前震災」という)において、学校や公民館に避難した被災者が最も強く求めたのは飲料水であり、崩壊したライフラインの中でも清水の欠乏が衝撃を増幅し気力を奪い、自衛隊の給水車が活躍を開始するまでは地獄の様相であったと伝えられる。
【0004】
飲料水の確保には水道管路の耐震性を強化すれば最も直接的であり効果的であることが自明の理である。現に前震災の実績においても耐震性管継手を適用した管路はほぼ無事に機能を維持し、それ以外の管路と際立った違いを証明する結果となった。しかし新規や更新の計画管路は別として、現在使用中の膨大な管路のすべてを掘り起こして耐震性管継手に置換することは一朝一夕に捗るものではなく、早急に別の災害対策を強力に進めてこの悲劇を阻止しなければならない。
【0005】
出願人は災害避難の指定地、すなわち小、中学校、役所、公民館、公園、緑地帯、などすべての地点に井戸を完備することを提起する。本来、人類は原始の昔から生命の源として井戸を掘削し、あらゆる集落、寺院、神社、城塞に必須の設備として重用された。しかし上水道の普及と共にその本来の重要性は逐次後退し、鉄鋼、土建、化学、繊維などの近代製造業の用水としてや、豪雪地方の融雪対策として活用されるのが目立つ程度である。
【0006】
一般には井戸の掘削は50mから350mに及ぶこともあり井戸用の管路を形成する管材としては、従来は鋼管が多用され管の継合にはネジ接合が主体を占めていた。管材が金属であるから発錆の問題があり、錆自体によって井戸水が汚染されて水質を悪化し赤水を供給する場合と、管材の腐食によって浅い深度の管路途中から不適質な地下水が外水圧に押されて混入して水質を悪化する場合があり、何れにしても飲料水には不適当な水を供給する結果となる可能性が残る。ネジ接合による管の継合部の腐食や漏洩を解決するための従来技術も散見され、特許文献1では図4のように管101両端に凹溝を設けて内外面に防食表面処理を施し、雄ネジ102を螺刻した継手103の雌ネジ104と螺合する。この凹溝の先端に継合相手の継手内面と接するリップパッキン105を外嵌したパイプニップルの構成を示している。
【0007】
一方、金属管に代わって有機化学の発達とともに急速に普及しはじめた強化プラスチック管は、腐食に強く、錆の発生や、発錆に伴う赤水の懸念がなくなり、金属管に対し衛生面で有利であることが主な理由の一つに挙げられる。強化プラスチック管にも幾つかの型式があるが、耐食性については金属を遥かに凌駕する材質的な特徴が井戸管用管路の管材として選ばれる有力な根拠となる。
【0008】
特許文献2の従来技術は図5に示すように熱硬化性樹脂製の管の継合に係り、管の両端部にそれぞれ拡径して設けた受口内周面の雌ネジ201と挿口外周面の雄ネジ202とが螺合して締結する。挿口の雄ネジからさらに外端側には密閉部片203を受入れるみぞ204を形成し、みぞへ嵌入した密閉部片203は、みぞより一部突き出し、相対向する密閉部片関連面205と同支持面206の間で圧縮されて有効な密封作用が行なわれる。この従来技術の特徴は作業員の手作業によって軸線の周りに少なくとも360°密封作用を保ったまま回転できるように雌ネジ、雄ネジのリードと密封部片関連面205が傾斜する角度θを選ぶ点にある。前記の対向する二面205,206間の隙間は、螺合が進むと共に実質的に0となり、両面は密着して密封部片203は押圧されてみぞ204内へ押し込められた剛結構造を形成する。特許文献3は樹脂管体の継合に係る別の従来技術であり、図6(A)には全体の実施例を、また同図(B)には種々の形状のゴム質リングを例示している。
【0009】
【特許文献等一覧】
特許文献1 実開平4−127491号公報
特許文献2 特開昭53−89021号公報
特許文献3 実公昭59−7983号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
金属管を使用した従来技術(図4)では金属の腐食、発錆に伴う水質悪化が憂慮される。そのために内外面を防食処理するという煩瑣な工程が前提となり、その後のネジ加工によって折角形成した防食面も削り取られ、管内からの水がネジ部に及ばないように雌雄のネジを螺合する必要が伴なうが、管路を繋ぐためには管体を回動しなければならない。リップパッキンは凹溝に外嵌しただけであり、しかもリップパッキンの底面から突出する環状の突条(舌片)の外径は、管内からネジ部に水が回らないように継手の雌ネジの内径よりも大きく設定しなければならない。しかし、継合するために継手と管が相対的な回動運動を行なえば、突出した突条はネジ山を通り抜けるときに擦過したり、捩れの外力を受け、さらに機械加工による鋭利なネジ山に裂断されて局部的に損傷し止水作用を失う懸念もある。
【0011】
特許文献2の従来技術(図5)は、みぞに嵌合した密閉部片の変形前の高さは雄、雌ネジのネジ山より明らかに低く設定されているから、前例のようにゴム片が螺合時に傷付けられる恐れはないが、発明の対象が油田の流路管であることから、水平に横繋ぎに管を継合していく用途に限られ、管内を輸送する石油の漏洩のみを重視した剛結密封方式で足りる。しかしこの方式を井戸管に使用することは余りに課題が大きい。
【0012】
第一に井戸管において水質汚染の対象となるのは非衛生な管路外からの地下水の侵入である。最近は重化学の発達に伴って汚染された地下水が井戸管の途中から管内に侵入する危険性は従来に比べて格段に増加している。折角安全な水質を保証する深度まで掘り下げても途中から不安全な地下水が紛れ込んでは何にもならない。
【0013】
つぎに耐震性の問題である。前述のように井戸の設置目的が大震災に備えたライフラインの確保という観点からみれば、密封面同士が密着した剛結構造のため、異常な震動を吸収する術もなく、特に深度の大きい井戸管では横揺れによって継手部分から座屈、変形、裂断を生じて外圧に対する密封機能を失う危険は十分に予想される。このことは図4、図6の従来技術についても変るところはなく、耐震性という新たに発生した要件に応えることは不可能である。
【0014】
井戸管用継手部の要件として要約すれば、
▲1▼耐食性がよいこと
▲2▼軽量で施工性が容易なこと(組立てトルクは手動の範囲)
▲3▼管外からの侵水を断固阻止する密封性
▲4▼耐震性
の何れをも充足することが求められる。本発明はこの要件のすべてを満たす井戸管用継手部の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る強化プラスチック管の井戸管用継手部は、上向きに開口する強化プラスチック管1aの膨出した受口2の内周面21に螺刻した雌ネジ22へ、別の強化プラスチック管1bの挿口3の外周面31に螺刻した雄ネジ32を螺合して継合する手順を繰り返して垂直の井戸管用管路を形成する構成であって、雌ネジ22と雄ネジ32のすべてのネジ面は常に空隙Cを保って相対向し、前記挿口外周面31に装着した止水ゴム輪4は、挿口外周面31へ嵌合した底面41と、該底面41から斜め上方へ向かって鋭角的に突出した断面ほぼ鈍角三角形よりなる複数のシール羽根42を距離を隔てて周設し、該止水ゴム輪4の変形前の全高Hは挿口外周面31に対向する受口内周面21間の間隙Sよりは大きく、それぞれのシール羽根42が個別に圧縮変形して発現するセルフシール作用と震動、揺動を吸収することを特徴とする耐震性を具えたことによって前記の課題を解決した。
【0016】
本発明に係る井戸管用継手部は以上の構成を基本的に具え、螺合に際して寸法的には両ネジ面は常に空隙を保って相対向するように形成されているから、芯合せも容易できわめてスムースに螺合が進められる。この螺合が終了するまでの間、常に幾ばくかの空隙が保たれるから、管を回動させるためのトルクは常に軽微であり、作業員への負担は軽い範囲に限定されて生産性が高く確保できると共に、組立て後の管路は軸線方向に対して剛構造ではなく可撓性を具えた柔構造となる。
【0017】
螺合部の空隙が連通することは管路途中で管外からの地下水が侵入して水質汚染を促す可能性はある。本発明に使用する止水ゴム輪4は、その対策として特に継手部上方の管外から管内へ浸水を阻止する機能を重視した構成を特徴とする。挿口外周面31と受口内周面21とは螺合した後も、他の従来技術(たとえば図4〜6)のように密封面が面接着するのでなく対向間隙Sを設け、この両面間に挟まれて間隙Sよりも大きい全高Hを有するシール羽根42が任意に弾性変形して両面間の連通を断つ。しかも、複数のシール羽根42が底面41から距離を隔てて斜め上方(受口外周面側)に突出した断面ほぼ鈍角三角形状の舌片よりなるから、上方からの管外水が侵入しようとシール羽根42を押圧すれば、シール羽根42は一方的に変形しようとするが、形状的に変形すればするほどその反力も飛躍的に強化されるというセルフシール作用が現われる。この点、図示したすべての従来技術では、密封面が面接着し片側の面に刻設したみぞ内に嵌合したシール輪の僅かに露出した頭部のみが変形して封止作用を務めているから、かかるセルフシール作用の発生する余地はまったく認められない。
【0018】
このシール構造が挿口〜受口間で震動、揺動を吸収する可撓性に繋がることはいうまでもない。すなわち螺合部分の空隙と密封部分の可撓性によって非常時、すなわち大地震の異常な外力にも柔軟に対応できる耐震性を形成するのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1(A)、(B)は本発明の実施形態における継合の進行を示す縦断正面図である。図1(A)では、雄ネジ22、雌ネジ32が螺合しつつある中間段階であり、このネジはネジ山の外径が挿口側へ向かって縮径するテーパネジを採用した結果、螺合のための回動作業は一層容易となり位置決めにさほどの注意を必要とせず、回動に伴って必要なトルクは、ほとんど雌ネジのネジ山に当接したシール羽根42の変形抵抗だけである。しかし本発明のシール羽根は公知の鋸刃形(たとえば図6(B)のd)とは違って底面から必要な距離を隔てて2枚が突出し、それぞれ個別に弾性変形して、この狭い空間を潜り抜けることかできるように必要なトルクを選定しておけば、施工性は十分に保証できる。雌ネジのネジ山23の外径を小さくすることは受口自体の外径を小さくできることを意味し、材料コストや軽量化の点で有利な条件となる。図1(B)は、螺合の終了した状態を示し、テーパネジであるから螺合と共に両ネジ面の空隙は急速に縮まるが、螺合後も必ず空隙Cは残されている。
【0020】
実施例の一つとして止水ゴム輪4の断面図を図2に示す。止水ゴム輪4は挿口外周面31に圧着する底面41から鋭角α(たとえば80°)で上方へ立ち上がる断面がほぼ鈍角三角形よりなるシール羽根42を具える。止水ゴム輪4のシール羽根42は2枚設け、止水ゴム輪4の全高Hは、押し縮められて高さ間隙Sに変形し、S/H×100%で表わす圧縮率が40〜50%の範囲となるように選ぶのが適当である。また、各止水ゴム輪間に距離Pを設け、このPを底面41から立ち上がったシール羽根42の頂点43までの高さh1の少なくとも60%を維持するように設定しておけば、螺合時に雌ネジのネジ山と羽根先が干渉し合う時点でも単独で変形してトルクの大きな負担を発生させず、またシール羽根自身の損傷を誘発することもない。
【0021】
図2に基づいて実際の寸法を例示してみると、呼び径(管内径)300mmの井戸管用継手部で使用する止水ゴム輪4は、ゴム輪4自身の変形前の全高H=8mmを、受口〜挿口間の間隙S=4mm内へ弾性変形して押し込まれるとその圧縮率は50%になる。
【0022】
図3は雄雌ネジの成形時に設定した空隙を図面として表わしたもので、この実施例では雌ネジのネジ底(雄ネジのネジ山)部分で0.5mm、逆に雄ネジのネジ底(雌ネジのネジ山)部分では1.5mmの設け、傾斜したネジ面にも常に0.5mmの空隙を設けて螺合部のルーズ性を維持している。
【0023】
本発明が適用される井戸管用管路の全長は最高で350m程度までと想定し、最深部における地下水圧による外水圧を確認したところ、6kgf/cm2の外圧に耐えられれば止水機能として十分に満足できることが実測された。この外圧を図2のシール羽根2枚からなる止水ゴム輪の弾性変形で吸収して止水性を確保する一方、管材の継合に必要な回動時のトルクを実測して施工性(管材継合時の容易さ)との相関を調べたところ、管の呼び径が500mmまでは前記の圧縮率が40%以下では止水性に疑問が生じるケースが認められ、また圧縮率が50%以上になると、回動トルクが異常に増加して手作業による回動に大きな抵抗感が生れる見解が支配的であった。具体的にはチェーントングと呼ぶ回動用の治具を使用して各管径毎の人力荷重(kgf)を測定し、通常の体力を持つ作業員であれば、抵抗感の少ない領域は所要荷重が20〜25kgf程度までと判定され、その結果から止水ゴム輪の圧縮率を40〜50%に限定すれば最も施工性もよく、また止水機能も維持できることが確定できた。また、管の呼び径が300mmまでは突条が3枚でも所要荷重が20〜25kgfまでで好施工性の範囲に該当するし、止水性については一層有効であることは間違いないが、呼び径が300mmを超えると荷重が過大に失して施工性に課題が生じるから、全ての管径に適用するには突条の数を2枚に限定する方が現実の実施には賢明と言える。
【0024】
表1は図2で示した止水ゴム輪において全て圧縮率45%程度に変形するまで押圧するために必要な人力荷重値を、強化プラスチック管の呼び径別、弾性ゴムの硬度別、止水ゴム輪のシール羽根の枚数別に計算して纏めた一覧表であり、計算のベースとしては、強化プラスチック管の継合時の回動用として専用的に使用するチェーントングと呼ぶ治具のアーム(作動腕)の長さをa,各管の外周長さをLとし、適宜実測した回動荷重と管の呼び径との間に成立する関係から、未実測の各管毎の荷重値を推定したものである。すなわち、
推定荷重値=(実測荷重値P×a×L)/(実測値a×実測値L)
で実測値をベースとして未実測値を算出した推定値である。
註:aとLは管の呼び径毎に変る標準値
【0025】
【表1】
【0026】
表1からも推定されるように、荷重値を20〜25kgfまでに限定すれば、施工性はきわめて良好で殆ど大きな抵抗を感じることなく手作業によって容易に強化プラスチック管の継合作業ができる。この場合、止水ゴム輪のゴム硬度は55程度がよく、また、止水ゴム輪の具えるシール羽根は2枚が好ましい。シール羽根が3枚以上になると止水性はなお、完璧となるが、管径が大きくなるにつれて継合時の回動作業に大きな人力を要し、さらに大径となると機械的な駆動力によって回動をしなければならなくなるので、現地施工上の条件が加重されることを意味する。
【0027】
【発明の効果】
本発明は以上に述べた通り古来用水確保のために使用されてきた井戸管用継手部を従来から求められてきた水質安全性、施工性の要件に加え、新たに発生が二分の一の確率で警告されている大地震に対する緊急の防災措置として最も重視される耐震性の要件を十分に付加する効果がある。本発明の井戸管用継手部は長い垂直管路を直撃する震動や揺動を一時的に吸収して破断や座屈よる管路の崩壊を防止する可能性が高い。言うまでもなくこの耐震性の付与によって本来の施工性や水質保全機能に齟齬を来すものではなく、むしろセルフシール作用によって一層機能が強化されるという副次的効果は看過できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)によって螺合途中と終了後の継手部の位置関係を示す縦断正面図である。
【図2】止水ゴム輪の断面図である。
【図3】螺合部分の空隙を例示した縦断正面図である。
【図4】従来技術を示す縦断正面図である。
【図5】別の従来技術を示す縦断正面図である。
【図6】さらに別の従来技術を示す縦断正面図(A)と、a〜dによって公知の各種シールリングの断面図(B)を示す。
【符号の説明】
1 強化プラスチック管
2 受口
3 挿口
4 止水ゴム輪
21 内周面
22 雌ネジ
23 ネジ山
31 外周面
32 雄ネジ
33 ネジ山
41 底面
42 シール羽根
43 頂点
S 受口内周面と挿口外周面との間隙
C 雄、雌ネジ面間の空隙
H 止水ゴム輪の全高
P シール羽根間の距離
h1 弾性変形前のシール羽根の高さ
Claims (3)
- 上向きに開口する強化プラスチック管1aの膨出した受口2の内周面21に螺刻した雌ネジ22へ、別の強化プラスチック管1bの挿口3の外周面31に螺刻した雄ネジ32を螺合して継合する手順を繰り返して垂直の井戸管用管路を形成する強化プラスチック管の井戸管用継手部において、雌ネジ22と雄ネジ32のすべてのネジ面は常に空隙Cを保って相対向し、前記挿口外周面31に装着した止水ゴム輪4は、挿口外周面31へ嵌合した底面41と、該底面41から斜め上方へ向かって鋭角的に突出した断面ほぼ鈍角三角形よりなる複数のシール羽根42を距離を隔てて周設し、該止水ゴム輪4の変形前の全高Hは挿口外周面31に対向する受口内周面21間の間隙Sよりは大きく、それぞれのシール羽根が個別に圧縮変形して発現するセルフシール作用と震動、揺動を吸収することを特徴とする耐震性を具えた強化プラスチック管の井戸管用継手部。
- 請求項1において、雌ネジ22、雄ネジ32は断面が台形のネジ山23および33を形成し、かつ、該ネジ山23,33の外径は挿口側へ向って縮径するテーパネジからなり、螺合の完了に至るまで相互に対向するネジ面間には必ず空隙Cを形成するように螺刻され、雌ネジ22のネジ山内径は前記止水ゴム輪4の外径よりも小さいことを特徴とする強化プラスチック管の井戸管用継手部。
- 請求項1または2において、止水ゴム輪4の具えるシール羽根42は2枚であり、弾性変形前の止水ゴム輪4の全高をH、シール羽根自身の高さをh1、変形後の受口内周面と挿口外周面との間隙をS、それぞれのシール羽根相互の距離をPで表わすとき、Pはh1の少なくとも60%以上よりなり、かつ
(S/H)×100%
で表わすシール羽根の圧縮率が40〜50%の範囲にあることを特徴とする強化プラスチック管の井戸管用継手部。
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JP2012062959A (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-29 | Kubota Corp | シール部材および管継手および取水用配管 |
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- 2003-02-17 JP JP2003038195A patent/JP2004245379A/ja active Pending
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