【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記した描線が、消しゴムにて消去可能である、消去性ボールぺン用インキ組成物、及びこのインキ組成物を使用した消去性を有するボールペンに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、筆記した描線が、消しゴムにて消去可能となる消去性インキ組成物は、数多くの提案がなされている。
【０００３】
例えば、顔料の粒径を大きくして、色材が紙に染み込まないようにして、その消去性を向上せしめた消去性インキ組成物や揮発性溶剤を添加してなる消去性インキ組成物が知られている。
顔料の粒径を大きくした消去性インキ組成物では、描線濃度が薄くなるという問題点を有し、また、揮発性溶剤を添加してなる消去性インキ組成物では、ペン先がドライアップし、筆記性能に悪影響を与えるという問題点を有するものであった。
【０００４】
一方、筆記描線の強さと消去性の点から熱可塑性ブロック共重合体を含有する消去性インキ、具体的には、重合体物質の原液着色された有機溶媒溶液を含有するボールペン用消去性インキにおいて、前記溶液がガラス質Ａ（熱可塑性）ブロックとＢ（ゴム状）ブロックのＡＢＡ、（ＡＢ）ｎＸまたは（−ＡＢ）−（ここで、Ｘは２〜４官能性をもつ有機または無機結合分子で、ｎはその官能性に相当する数である）からなる配列を有する熱可塑性ブロック共重合体を含み、前記熱可塑性ブロックはポリスチレンブロックからなり、前記ゴム状ブロックはポリブタジエン、ポリイソプレンまたはポリエチレン−ポリブチレンブロックからなり、そのゴム状ブロック対熱可塑性ブロックの比は６０：４０〜９０：１０までであり、前記溶媒の溶解度係数が７〜１０．５までであることを特徴とするボールペン用消去性インキ、並びに、上記溶媒として、溶解度係数７．２と７．８の間の第一溶媒と、溶解度係数８．７と８．９の間の第二溶媒との混合溶媒を用いることが知られている（例えば、特許文献１参照）。
また、筆記用紙に書かれた筆跡が初めのうちは普通の鉛筆用消しゴムで消すことができ、一定の時間後は消すことができなくなるボールペン筆記具用インキ組成物であって、該インキ組成物が、天然ゴム、合成ゴム及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記インキ組成物の約１８〜２８重量％の範囲で存在するエラストマーと、前記インキ組成物の約２０〜２２重量％の範囲で存在する含量と、前記エラストマー及び顔料用の溶媒系であって、前記インキ組成物の約８〜３０重量％の範囲で存在し、約１８０℃以下の沸点を有する揮発性成分と、約１８０℃以上約３００℃以下の沸点を有する本質的に非揮発性成分からなる溶媒系からなることを特徴とする初期には消去可能なボールペン用インキ組成物が知られている（例えば、特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】
特公平２−４７５１２号公報（特許請求の範囲、実施例等）
【特許文献２】
特開昭５７−１７０９６７号公報（特許請求の範囲、実施例等）
【０００６】
上記特許文献１に記載されるボールペン用消去性インキでは、溶媒の溶解度係数が７〜１０．５までであり、しかも、低揮発性のものを使用しているため、描線乾燥性が充分でなく、また、筆記直後に消去しようとすると、紙面上で描線が延びてしまい、紙面を汚してしまうという課題を有するものである。
また、上記特許文献２に記載されるボールペン用消去性インキは、溶剤がインキ組成物中に約８〜３０重量％の範囲で存在し、約１８０℃以下の沸点を有する揮発性成分と、約１８０℃以上約３００℃以下の沸点を有する本質的に非揮発性成分からなる溶媒系を用いるため、ある程度、消去性は向上するが、ペン先で溶剤が揮発してしまうため、長期保存性に課題を有するものである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、描線濃度を充分確保しながらも、充分な消去性能を有し、且つ、ペン先のドライアップによる筆記不良を低減した筆記性能に優れる消去性ボールペン用インキ組成物及び消去性ボールペンを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の従来の課題等について、鎖意検討した結果、少なくとも溶剤、着色剤、熱可塑性エラストマーからなるインキ組成物において、含有する上記熱可塑性エラストマーに対して特定物性の溶剤を特定量含有することにより、上記目的の消去性ボールペン用インキ組成物及び消去性ボールペンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の（１）〜（７）に存する。
（１） 少なくとも、溶剤、着色剤、熱可塑性エラストマーからなる消しゴムで消去可能なボールペン用インキにおいて、含有する上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がなく、かつ、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル基、アミノ基及びエチレンオキサイドから選ばれる少なくとも１種の官能基を有する添加溶剤をインキ組成物全量に対して、０．０５〜５重量％含有することを特徴とする、消去性ボールぺン用インキ組成物。
（２） 前記添加溶剤は、該溶剤１００重量％に対して、熱可塑性エラストマーを３０重量％添加し、７０℃環境下で１週間放置後、溶液部分の粘度を測定したとき、下記式（Ｉ）で示されるＳ値が１．１０以下となる上記（１）に記載の消去性ボールぺン用インキ組成物。
Ｓ値＝溶液部分の粘度（ｍＰａ・ｓ）／溶剤粘度（ｍＰａ・ｓ） ………（Ｉ）
（３） 熱可塑性エラストマーが、スチレン系エラストマーである上記（１）又は（２）に記載の消去性ボールぺン用インキ組成物。
（４） 前記熱可塑性エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体であり、溶剤の少なくとも１種は、流動パラフィンである上記（１）〜（３）の何れか一つに記載の消去性ボールぺン用インキ組成物。
（５） 添加溶剤がひまし油である上記（１）〜（４）の何れか一つに記載の消去性ボールぺン用インキ組成物。
（６） 上記（１）〜（５）の何れか一つに記載のインキ組成物がボールペン用リフィールに充填されたものから構成されたことを特徴とするボールペン。
（７） ボールペンが加圧式ボールぺンであり、リフィール内圧が、１，５００〜１０，０００ｈＰａである上記（６）記載のボールペン。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の消去性ボールペン用インキ組成物は、少なくとも、着色剤、熱可塑性エラストマーからなる消しゴムで消去可能なボールペン用インキにおいて、含有する上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がなく、かつ、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル基、アミノ基及びエチレンオキサイドから選ばれる少なくとも１種の官能基を有する添加溶剤をインキ組成物全量に対して、０．０５〜５重量％含有することを特徴とするものである。
【００１０】
本発明に用いる熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではない。
用いることができる熱可塑性エラストマーは、未加硫ゴムを含むものであり、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー（ＳＢＳ）、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＩＳ）、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＥＢＳ）、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＥＰＳ）、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、天然ゴム（ＮＲ）、イソプレンゴム（ＩＲ）、ブタジエンゴム（ＢＲ）、スチレン−ブタジエンゴム（ＳＢＲ）、クロロプレンゴム（ＣＲ）、ニトリルゴム（ＮＢＲ）、ブチルゴム（ＩＩＲ）、アクリルゴム（ＡＣＭ）、シリコーンゴムなどが挙げられる。
これらの熱可塑性エラストマーは、夫々単独で、又は２種以上混合して用いることができる。
これらの熱可塑性エラストマーの中でも、好ましくは、インキの流動性、すなわち、筆記性に優れ、かつ、相反する描線塗膜のゴム弾性、すなわち、消去性が発現しやすい点から、スチレン系エラストマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー（ＳＢＳ）、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＥＰＳ）、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＩＳ）、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー（ＳＥＢＳ）等が望ましい。
【００１１】
また、用いる熱可塑性エラストマーの平均分子量は、特に、限定されるものではないが、大きいほど、消去性能が良好であり、１０５〜５×１０６の範囲であることが望ましい。この平均分子量が５×１０６を越えて大きくなりすぎると、インキの流動性が極端に悪くなり、カスレや糸引きが発生したりと、筆記性能が低下してくることとなる。逆に、平均分子量が１０５より小さすぎると、消去性が発現しにくくなる。
【００１２】
用いる熱可塑性エラストマーの含有量は、使用する熱可塑性エラストマーの分子量や、その分子構造、更には使用する溶剤により異なるため、特に限定されないが、概ね、インキ組成物全量に対して、２〜２５重畳％、更に好ましくは、５〜１５重量％の範囲であることが望ましい。
この含有量が２５重量％を越えて多すぎると、インキの流動性が極端に悪くなり、カスレや糸引き発生といったように筆記性能が低下することとなり、また、２重量％未満であると、消去性が発現しにくくなる。
【００１３】
本発明に用いる溶剤は、特に限定されないが、少なくとも使用する熱可塑性エラストマーを完全に溶解する溶剤が少なくとも１種（１種又は２種以上、以下同様）含有することが好ましい。
用いることができる溶剤としては、例えば、ジエチルカルビトール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、３−メトキシ−３−メチル−ブチルアセテート、ｎ−デカン、ケロシン、イソプロピルベンゼン、ジペンテンなどが挙げられ、これらは、各単独で、または、２種以上を混合して用いることができる。なお、これらの溶剤を含有しない場合は、インキの流動性が極端に悪くなり、筆記時にカスレの問題が生じることとなる。
好ましくは、熱可塑性エラストマー、特に、スチレン系エラストマーの溶解性に優れる点及び適度な蒸気圧を有する点から、ジエチルカルビトール、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが望ましい。
【００１４】
この溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、好ましくは、２０〜７０重量％、更に好ましくは、３０〜５０重量％の範囲であることが望ましい。
この含有量が２０重量％未満であると、インキの流動性が非常に乏しくなり、筆記性に悪影響を及ぼすこととなり、また、７０重量％を越えると、筆記性を良好に保つことは可能であるが、消去性が悪くなる。
【００１５】
本発明に用いる添加溶剤は、上記溶剤と異なり、上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がなく、かつ、ヒドロキシル基（−ＯＨ）、カルボキシル基（−ＣＯＯＨ）、エーテル基（−Ｏ−）、カルボニル基（−ＣＯ）、アミノ基（−ＮＨ２）及びエチレンオキサイド（−ＣＨ２ＣＨ２Ｏ−）から選ばれる少なくとも１種の官能基を有する溶剤から構成されるものである。
本発明では、上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がない上記特性の添加溶剤をインキ組成中に含有することにより、紙面に浸透し、上記熱可塑性エラストマーの皮膜の紙面への付着力を発現するのを抑制することにより消去性を著しく向上せしめるものと推察される。なお、上記添加溶剤を含有しない場合では、本発明の効果を十分に発揮できないものとなる。
【００１６】
本発明に用いる添加溶剤は、上述の如く、上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がなく、かつ、ヒドロキシル基（−ＯＨ）、カルボキシル基（−ＣＯＯＨ）、エーテル基（−Ｏ−）、カルボニル基（−ＣＯ）、アミノ基（−ＮＨ２）及びエチレンオキサイド（−ＣＨ２ＣＨ２Ｏ−）から選ばれる少なくとも１種の官能基を有する溶剤であれば、特に限定されず、当該範疇に属する添加溶剤を用いることができ、上記熱可塑性エラストマーの種類によって好適な添加溶剤が選択使用される。
本発明において、上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がない添加溶剤としては、好ましくは、更なる消去性の向上の点から、該溶剤１００重量％に対して、上述の熱可塑性エラストマーを３０重量％添加し、７０℃環境下で１週間放置後、溶液部分の粘度を測定したとき、下記式（Ｉ）で示されるＳ値が１．１０以下となるものが望ましく、更に好ましくは、１．０５以下となるものが望ましい。
Ｓ値＝溶液部分の粘度（ｍＰａ・ｓ）／溶剤粘度（ｍＰａ・ｓ） ………（Ｉ）
【００１７】
例えば、熱可塑性エラストマーとして、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー（ＳＢＳ）を用いる場合等では、添加溶剤として、具体的には、以下に示されるＳ値が１．１０以下となり、ヒドロキシル基（−ＯＨ）、カルボキシル基（−ＣＯＯＨ）、エーテル基（−Ｏ−）、カルボニル基（−ＣＯ）、アミノ基（−ＮＨ２）及びエチレンオキサイド（−ＣＨ２ＣＨ２Ｏ−）から選ばれる少なくとも１種の官能基を有する添加溶剤が挙げられる。
すなわち、グリセリン、ジグリセリン等のポリオール類及びそれらの変性物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量６００以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、へキシレングリコール、オクチレングリコール等のジオール類、エチレングリコールモノエーテル類、エチレングリコールモノエステル類、ジエチレングリコールモノエーテル類、ジエチレングリコールモノエステル類、プロピレングリコールモノエーテル類、プロピレングリコールモノエステル類、ジプロピレングリコールモノエーテル類、ジプロピレングリコールモノエステル類、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル類、ポリエチレンオキサイドジグリセリルエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸、リノレン酸、リシノール酸、ひまし油等の脂肪酸などが挙げられ、これらは、各単独で、または、２種以上を混合して用いることができる。また、これらの溶剤は、上記ＳＢＳエラストマー以外のＳＩＳ、ＳＥＢＳ、ＳＥＰＳ、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーや、ＮＲ、ＩＲ、ＳＢＲなどに対しても、Ｓ値が１．１０以下となるものである。
これらの添加溶剤において、更に好ましくは、紙への親和性の点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ひまし油が特に望ましい。
なお、ヒドロキシル基（−ＯＨ）、カルボキシル基（−ＣＯＯＨ）、エーテル基（−Ｏ−）、カルボニル基（−ＣＯ）、アミノ基（−ＮＨ２）及びエチレンオキサイド（−ＣＨ２ＣＨ２Ｏ−）から選ばれる少なくとも１種の官能基を有しない溶剤、例えば、ステアリン酸ブチル、ニトロベンゼン、１−ニトロプロパン、ジエチルベンジルアミン等では、本発明の効果を発揮できないものとなる。
【００１８】
これらの添加溶剤は、用いる上記熱可塑性エラストマーとの極性差が大きいほど、インキ組成物中での分離が起こりやすくなるため、その含有量は少ないほうが良く、逆に、上記熱可塑性エラストマーとの極性差が小さいと、インキ組成物中で分離しにくくなるため、その含有量は多めに設定することができる。本発明において、添加溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、０．０５〜５重量％、好ましくは、０．１〜３重量％の範囲とすることが望ましい。
この含有量が０．０５重量％未満であると、被転写面への添加溶剤の移行が少なくなり、消去性が発現しにくくなり、また、５重量％を越えると、添加溶剤が分離したり、他の配合剤との相溶性が不安定になったりするため、筆記性が悪くなり、好ましくない。
【００１９】
本発明に用いる顔料としては、例えば、カーボンブラック、銅フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、モノアゾ、ジアゾ、縮合アゾ、アンスラキノン、イソインドリノン、キノフタロン、アシルアミド、アンスラピリミジン、キナクリドン、インダスレン、ペリレン、ペノリン、ジオキサジン、チオインジゴ、ジケトピロロビロール等の有機顔料や、酸化チタン、べんがら、黄土、チタン黄、アンチモン朱、群青、酸化クロム、酸化鉄、アルミナ等の無機顔料等が挙げられ、更にはレーキ顔料等も使用することができる。
顔料の粒径は、特に制限はないが、描線濃度の面から、平均粒径１μｍ以下であることが望ましい。
この顔料の含有量についても、特に筆記性、消去性を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常、インキ組成物全量に対して、１〜４０重量％、好ましくは、５〜２５重量％の範囲が望ましい。
【００２０】
本発明のインキ組成物には、更に、筆記性、消去性を阻害しない範囲であれば、通常ボールペン用インキ組成物に用いられる防腐剤、潤滑剤、溶解助剤、樹脂等の添加剤（任意成分）を含有することができる。
ただし、０℃以上のＴｇを有する樹脂を含有せしめる場合は、消去性の低下を招く場合があるため、その含有量は最小限に抑えた方が良い。また、使用する熱可塑性エラストマーを軟化させてしまう添加剤は、描線の乾燥速度が非常に遅くなり、消去性を大きく阻害してしまうため、その含有量も最小限に抑えた方が良い。
【００２１】
本発明では、インキ組成物の粘度は、高い方が消去性に有利であるが、粘度が高すぎると、カスレ等を生じ、筆記性に悪影響を及ぼすこととなる。従って、特に制限するものではないが、好ましくは、１０〜１０４Ｐａ・ｓが望ましい。特に、インキの粘度が１０２Ｐａ・ｓを超える場合は、加圧式ボールペンの形態が望ましい。これは、通常ボールペンの重力に頼った吐出機構では、インキが流出し難くなるためである。
【００２２】
このように構成される本発明の消去性ボールペン用インキ組成物では、少なくとも、溶剤、着色剤、熱可塑性エラストマーからなる消しゴムで消去可能なボールペン用インキにおいて、含有する上記熱可塑性エラストマーに対して溶解及び膨潤作用がなく、かつ、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル基、アミノ基及びエチレンオキサイドから選ばれる少なくとも１種の官能基を有する添加溶剤をインキ組成物全量に対して、０．０５〜５重量％含有することで、描線濃度を充分確保しながらも、充分な消去性能を有し、且つ、ペン先のドライアップによる筆記不良を低減した筆記性能に優れるものとなる。
【００２３】
本発明の消去性ボールペンは、上記構成となる本発明の消去性インキ組成物がボールペン用リフィール（インキ収容管）に充填されたものから構成されたものであることを特徴とするものである。
ボールペン構造等は、特に限定されるものではなく、通常のボールペン構造の他、加圧式ボールペンなどが挙げられる。
本発明の上記消去性インキ組成物を加圧式ボールぺンに使用する場合は、リフィール（インキ収納管内）の内圧は、１，５００〜１０，０００ｈＰａの範囲、更に好ましくは、２，０００〜６，０００ｈＰａの範囲とすることが望ましい。
この内圧が１，５００ｈＰａ未満の場合は、インキ流出に伴い次第に気相容積が増大し圧力が低下するため、インキが全て吐出してしまう前に外気圧力と同等になってしまう恐れがあり、このような事態になると、インキが残っているにも関わらず、筆訂不能になってしまうことがある。また、１０，０００ｈＰａを超える場合、吐出圧力が高すぎてインキの吹き出しや、流量が不安定になったり、ボールの動きも制限されることにより、書き味が重くなったりしてしまうことがある。
【００２４】
本発明の消去性ボールペンは、上述の構成となる消去性インキ組成物がボールペン用リフィールに充填されたものから構成されるので、描線濃度を充分確保しながらも、充分な消去性能を有し、且つ、ペン先のドライアップによる筆記不良を低減した筆記性能に優れるものとなり、特に、加圧式ボールペンでは、より高い粘度のインキを使用できるので、非常に優れた消去性を有するものとなる。
【００２５】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により、更に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって何ら限定されるものではない。
【００２６】
〔実施例１〜７及び比較例１〜６〕
下記表１に示される溶剤、添加溶剤、エラストマー、顔料（平均粒径１μｍ以下）、潤滑剤からなる配合組成で、全ての成分を調合した後、エラストマーが溶剤に対して十分に膨潤するまで高温下に密封状態で保存し、その後、三本ロールで４〜６Ｐａｓｓ混練することで、各インキ組成物を調製した。
なお、用いた添加溶剤のＳ値（後述）は、下記表１の各添加溶剤１００重量％に対して、用いる熱可塑性エラストマーを３０重量％添加し、７０℃環境下で１週間放置後、溶液部分の粘度（Ｅ型粘度計、ＴＶ−３０：東機産業社製、測定温度２５℃）を測定し、上述の式（Ｉ）により求めた値である。
【００２７】
得られた各インキ組成物は、下記評価方法により、インキ粘度を測定すると共に、インキ収納管内の圧力を、約３，０００ｈＰａに設定した加圧ボールペンに仕立て、下記評価方法により、筆記性及び消去性の評価を行った。
これらの結果を下記表１に示す。
【００２８】
（インキ粘度の測定方法）
Ｅ型粘度計（ＴＶ−３０：東機産業社製）、コーン：３° Ｒ×７．７、剪断速度０．２ｓｅｃ−１にて、２５℃の粘度（Ｐａ・ｓ）を測定した。なお、表１中の各粘度は、×１０３であり、例えば、実施例１は１．８×１０３（＝１８００）Ｐａ・ｓを意味する。
【００２９】
（筆記性の評価方法）
加圧ボールペンに仕立てた後、２５℃、６０％環境下に、ペン先が横に向くように３日間放置後、筆記を行い、カスレの有無を下記評価基準で評価した。
評価基準：
○：かすれず筆記が可能
△：ややかすれるが、筆記は可能
×：筆記不能
【００３０】
（消去性の評価方法）
ＪＩＳ規格分類の印刷用紙Ｄに、筆記後、プラスチック消しゴムにて消去し、消去の度合いを目視にて下記評価基準で評価した。なお、上記ＪＩＳ規格分類の印刷用紙Ｄは、一般の中性コピー用紙等の紙の中で非常に消えにくい紙である。
評価基準：
◎：痕跡が残らず消去できる
○：ほぼ消去できる
△：ややかすれるが、筆記は可能
×：描線の痕跡がはっきりと残っており、殆ど消えない
【００３１】
【表１】
【００３２】
上記表１中の＊１〜＊ｌ２、−＊は、下記のとおりである。
＊１：Ｓ値 １３２ 、 ＊２：Ｓ値 ２１１ 、＊３：Ｓ値＞１，０００、
＊４：Ｓ値＞１，０００、＊５：Ｓ値 ０．９６、＊６：Ｓ値 ０．９８
＊７：Ｓ値 ０．９９、 ＊８：Ｓ値 ０．９９、＊９：Ｓ値 １．０３
＊１０：Ｓ値 ０．９８
＊１１：アサプレン（旭化成社製）、平均分子量約４０万
＊１２：セプトン（クラレ社製）、平均分子量１０５〜５×１０６
−＊：筆記不良のため、評価できず。
【００３３】
上記表１の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例１〜７は、本発明の範囲外となる比較例１〜６と較べて、筆記性及び消去性ともに、満足のいく優れた性能となることが判明した。
これに対して、比較例１は、実施例１に対して添加溶剤が含有されない組成であるため、消去性が悪く、比較例２は、実施例３に対して添加溶剤の含有量が８重量％（＞５重量％）であるため、筆記性及び消去性が低下してしまうことが判った。
また、比較例３は、実施例６に対して添加溶剤が含有されない組成であるため、消去性が悪く、比較例４は、実施例６に対して添加溶剤の含有量が１０重量％（＞５重量％）であるため、筆記性及び消去性が低下してしまうことが判った。
更に、比較例５は、実施例７に対して添加溶剤が含有されない組成であるため、消去性が悪く、比較例６は、実施例７に対して添加溶剤の含有量が８重量％（＞５重量％）であるため、筆記性及び消去性が低下してしまうことが判った。
【００３４】
【発明の効果】
本発明によれば、通常のボールペンなみの筆記性及び描線濃度を充分確保しながらも、充分な消去性能を有し、且つ、ペン先のドライアップによる筆記不良を低減した筆記性能に優れる消去性ボールペン用インキ組成物及び消去性ボールペンが提供される。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an erasable ink composition for a ball-on, in which a drawn line can be erased with an eraser, and an erasable ball-point pen using the ink composition.
[0002]
[Prior art]
Hitherto, many proposals have been made on erasable ink compositions in which written lines can be erased with an eraser.
[0003]
For example, there is known an erasable ink composition obtained by increasing the particle size of a pigment so as to prevent the coloring material from penetrating into the paper and improving the erasability thereof, or an erasable ink composition obtained by adding a volatile solvent. Have been.
In the erasable ink composition having a large particle diameter of the pigment, there is a problem that the drawing line density is reduced.In the erasable ink composition obtained by adding a volatile solvent, the pen tip dries up, There is a problem that writing performance is adversely affected.
[0004]
On the other hand, in the erasable ink containing a thermoplastic block copolymer in terms of the strength of the writing line and the erasability, specifically, the erasable ink for a ballpoint pen containing an undiluted colored organic solvent solution of a polymer substance. Wherein the solution is a glassy A (thermoplastic) block and a B (rubbery) block of ABA, (AB) nX or (-AB)-, where X is an organic or inorganic binding molecule having 2 to 4 functionality. Wherein n is a number corresponding to its functionality), wherein the thermoplastic block comprises a polystyrene block and the rubbery block comprises polybutadiene, polyisoprene or polyethylene- Consisting of polybutylene blocks, the ratio of rubbery blocks to thermoplastic blocks being up to 60:40 to 90:10, An erasable ink for a ballpoint pen, wherein the coefficient is from 7 to 10.5, and as the solvent, a first solvent having a solubility coefficient of 7.2 and 7.8, and a solubility coefficient of 8.7. It is known to use a mixed solvent with a second solvent between 8.9 (see, for example, Patent Document 1).
In addition, a handwriting written on a writing paper can be erased with an ordinary pencil eraser at first, and cannot be erased after a certain time, which is an ink composition for a ballpoint pen writing implement, wherein the ink composition is An elastomer selected from the group consisting of natural rubber, synthetic rubber, and mixtures thereof, present in the range of about 18-28% by weight of the ink composition, and in the range of about 20-22% by weight of the ink composition. A solvent component for the elastomer and pigment present in the range of about 8-30% by weight of the ink composition and a volatile component having a boiling point of about 180 ° C. or less; Initially erasable ink compositions for ballpoint pens are known which consist of a solvent system consisting essentially of non-volatile components having a boiling point of above 300 ° C. or lower (for example, References 2).
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 2-47512 (Claims, Examples, etc.)
[Patent Document 2]
JP-A-57-170967 (Claims, Examples, etc.)
[0006]
In the erasable ink for a ballpoint pen described in Patent Document 1, the solubility coefficient of the solvent is up to 7 to 10.5, and the low volatility is used. In addition, when erasing is performed immediately after writing, there is a problem that a drawing line is extended on the paper surface and the paper surface is soiled.
Further, the erasable ink for a ballpoint pen described in Patent Document 2 described above contains a solvent in a range of about 8 to 30% by weight in the ink composition, a volatile component having a boiling point of about 180 ° C. or less, Since a solvent system consisting essentially of a non-volatile component having a boiling point of 180 ° C. or higher and about 300 ° C. or lower is used, the erasability is improved to some extent. It has problems.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described problems of the related art, and has been made to solve the problem, and has a sufficient erasing performance while ensuring a sufficient drawing line density, and has a writing defect due to dry-up of a pen tip. An object of the present invention is to provide an erasable ballpoint pen ink composition and an erasable ballpoint pen which are excellent in reduced writing performance.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted a chain study on the above conventional problems and the like, and as a result, at least in a solvent composition, a colorant, and an ink composition comprising a thermoplastic elastomer, specify a solvent having specific physical properties with respect to the thermoplastic elastomer contained therein. The inventors have found that the above-mentioned content of the ink composition for erasable ball-point pens and the erasable ball-point pens can be obtained, and the present invention has been completed.
That is, the present invention resides in the following (1) to (7).
(1) In a ball-point pen ink erasable with at least an eraser composed of a solvent, a colorant, and a thermoplastic elastomer, there is no dissolving and swelling action for the thermoplastic elastomer contained therein, and a hydroxyl group, a carboxyl group, an ether An erasable ball containing an additive solvent having at least one functional group selected from a group, a carbonyl group, an amino group and ethylene oxide in an amount of 0.05 to 5% by weight based on the total amount of the ink composition. Ink composition for inks.
(2) As for the additive solvent, 30% by weight of a thermoplastic elastomer was added to 100% by weight of the solvent, and the solution was allowed to stand at 70 ° C. for one week, and the viscosity of the solution was measured. ) The ink composition for erasable balun according to the above (1), wherein the S value represented by ()) is 1.10.
S value = viscosity of solution (mPa · s) / viscosity of solvent (mPa · s) (I)
(3) The ink composition for erasable balm according to (1) or (2), wherein the thermoplastic elastomer is a styrene-based elastomer.
(4) The erasability according to any one of the above (1) to (3), wherein the thermoplastic elastomer is a styrene-butadiene-styrene block copolymer, and at least one of the solvents is liquid paraffin. Ink composition for ballon.
(5) The ink composition according to any one of (1) to (4), wherein the additive solvent is castor oil.
(6) A ball-point pen comprising the ink composition according to any one of the above (1) to (5) filled in a ball-point pen refill.
(7) The ballpoint pen according to the above (6), wherein the ballpoint pen is a pressurized ball-point pen, and the refill internal pressure is 1,500 to 10,000 hPa.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The ink composition for erasable ballpoint pens of the present invention has at least a coloring agent and a ballpoint ink erasable with an eraser composed of a thermoplastic elastomer, and has no dissolving and swelling action with respect to the thermoplastic elastomer contained therein, and An additive solvent having at least one functional group selected from a hydroxyl group, a carboxyl group, an ether group, a carbonyl group, an amino group and ethylene oxide is contained in an amount of 0.05 to 5% by weight based on the total amount of the ink composition. It is a feature.
[0010]
The thermoplastic elastomer used in the present invention is not particularly limited.
The thermoplastic elastomer that can be used includes an unvulcanized rubber, and specifically, styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS), styrene-isoprene-styrene block copolymer (SIS), styrene-ethylene. Butylene-styrene block copolymer (SEBS), styrene-ethylene propylene-styrene block copolymer (SEPS), polyolefin-based thermoplastic elastomer, natural rubber (NR), isoprene rubber (IR), butadiene rubber (BR), styrene-butadiene rubber (SBR), chloroprene rubber (CR), nitrile rubber (NBR), butyl rubber (IIR), acrylic rubber (ACM), silicone rubber and the like.
These thermoplastic elastomers can be used alone or in combination of two or more.
Among these thermoplastic elastomers, preferably, the fluidity of the ink, i.e., excellent in writability, and rubber elasticity of the contradictory drawing coating film, that is, a styrene-based elastomer, for example, in that the erasability is easily developed. Styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS), styrene-ethylene-propylene-styrene block copolymer (SEPS), styrene-isoprene-styrene block copolymer (SIS), styrene-ethylene-butylene-styrene block copolymer (SEBS) and the like. desirable.
[0011]
Also an average molecular weight of the thermoplastic elastomer used, in particular, but not limited to, larger, have good erase performance, it is preferably in the range of 10 5 ~5 × 10 6. If the average molecular weight exceeds 5 × 10 6 and becomes too large, the fluidity of the ink will be extremely deteriorated, and the writing performance will be degraded due to the occurrence of blurring and stringing. Conversely, if the average molecular weight is too small than 10 5, erasability can hardly exhibited.
[0012]
The content of the thermoplastic elastomer used is not particularly limited because it varies depending on the molecular weight and the molecular structure of the thermoplastic elastomer used, and furthermore, the solvent used. %, More preferably in the range of 5 to 15% by weight.
If the content is too large, exceeding 25% by weight, the fluidity of the ink will be extremely poor, and the writing performance will be degraded, such as blurring and stringing, and if it is less than 2% by weight, Erasability becomes difficult to develop.
[0013]
The solvent used in the present invention is not particularly limited, but it is preferable that at least one (one or two or more, the same applies hereinafter) solvent that completely dissolves at least the thermoplastic elastomer used.
Examples of the solvent that can be used include diethyl carbitol, dipropylene glycol dimethyl ether, dibutyl cellosolve, propylene glycol methyl ether acetate, 3-methoxy-3-methyl-butyl acetate, n-decane, kerosene, isopropylbenzene, dipentene, and the like. These can be used alone or in combination of two or more. In the case where these solvents are not contained, the fluidity of the ink becomes extremely poor, and the problem of blurring during writing occurs.
Preferably, diethyl carbitol and dipropylene glycol dimethyl ether are desirable from the viewpoint that the thermoplastic elastomer, particularly the styrene-based elastomer, has excellent solubility and has an appropriate vapor pressure.
[0014]
The content of this solvent is preferably in the range of 20 to 70% by weight, more preferably 30 to 50% by weight, based on the total amount of the ink composition.
If the content is less than 20% by weight, the fluidity of the ink becomes very poor, which adversely affects writability. If it exceeds 70% by weight, it is possible to maintain good writability. However, the erasability deteriorates.
[0015]
The additive solvent used in the present invention, unlike the above solvent, has no dissolving and swelling action on the thermoplastic elastomer, and has a hydroxyl group (-OH), a carboxyl group (-COOH), and an ether group (-O-). and it is formed from a solvent having at least one functional group selected from a carbonyl group (-CO), amino group (-NH 2) and ethylene oxide (-CH 2 CH 2 O-).
In the present invention, by containing an additive solvent having the above-mentioned properties, which has no dissolving and swelling action with respect to the thermoplastic elastomer, in the ink composition, penetrates the paper surface and reduces the adhesion of the thermoplastic elastomer film to the paper surface. It is presumed that suppression of the expression significantly improves the erasability. When the above-mentioned additive solvent is not contained, the effect of the present invention cannot be sufficiently exhibited.
[0016]
As described above, the additive solvent used in the present invention has no dissolving or swelling action on the thermoplastic elastomer, and has a hydroxyl group (-OH), a carboxyl group (-COOH), an ether group (-O-), The solvent is not particularly limited as long as it is a solvent having at least one functional group selected from a carbonyl group (—CO), an amino group (—NH 2 ) and ethylene oxide (—CH 2 CH 2 O—). A suitable additive solvent can be selected and used depending on the type of the thermoplastic elastomer.
In the present invention, as the additive solvent having no dissolving and swelling action with respect to the thermoplastic elastomer, preferably, the above-mentioned thermoplastic elastomer is used with respect to 100% by weight of the solvent from the viewpoint of further improving erasability. After adding 30% by weight and allowing to stand for one week in an environment of 70 ° C., when the viscosity of the solution portion is measured, it is desirable that the S value represented by the following formula (I) is not more than 1.10, more preferably It is desirable that the value be 1.05 or less.
S value = viscosity of solution (mPa · s) / viscosity of solvent (mPa · s) (I)
[0017]
For example, when a styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS) is used as the thermoplastic elastomer, as the additive solvent, specifically, the S value shown below becomes 1.10 or less, and the hydroxyl group (—OH ), carboxyl (-COOH), an ether group (-O-), a carbonyl group (-CO), amino group (-NH 2) and ethylene oxide (-CH 2 CH 2 O-) from at least one selected An additive solvent having a functional group is exemplified.
That is, polyols such as glycerin and diglycerin and modified products thereof, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol having a molecular weight of 600 or less, propylene glycol, dipropylene glycol, polypropylene glycol, hexylene glycol, octylene glycol, etc. Diols, ethylene glycol monoethers, ethylene glycol monoesters, diethylene glycol monoethers, diethylene glycol monoesters, propylene glycol monoethers, propylene glycol monoesters, dipropylene glycol monoethers, dipropylene glycol monoester , Tetraethylene glycol monobutyl ethers, polyethylene oxide di Lysyl ethers, alcohols such as methanol, ethanol, isopropanol, hexanol, and benzyl alcohol, and fatty acids such as oleic acid, linoleic acid, isostearic acid, linolenic acid, ricinoleic acid, and castor oil, and the like. Or a mixture of two or more. These solvents also have an S value of 1.10 or less for SIS, SEBS, SEPS, polyolefin-based thermoplastic elastomers other than the above-mentioned SBS elastomer, NR, IR, SBR, and the like.
Among these additives, propylene glycol, dipropylene glycol, and castor oil are particularly desirable from the viewpoint of affinity for paper.
Incidentally, hydroxyl (-OH), an carboxyl group (-COOH), a an ether group (-O-), a carbonyl group (-CO), amino group (-NH 2) and ethylene oxide (-CH 2 CH 2 O-) Solvents having no at least one functional group selected from the group consisting of, for example, butyl stearate, nitrobenzene, 1-nitropropane, diethylbenzylamine and the like cannot exert the effects of the present invention.
[0018]
These additives, the larger the difference in polarity from the thermoplastic elastomer used, the more easily the separation in the ink composition occurs, the better the content is, the more conversely, the polarity with the thermoplastic elastomer If the difference is small, it is difficult to separate in the ink composition, so that the content can be set higher. In the present invention, the content of the additive solvent is desirably in the range of 0.05 to 5% by weight, preferably 0.1 to 3% by weight, based on the total amount of the ink composition.
If the content is less than 0.05% by weight, the transfer of the additive solvent to the surface to be transferred is reduced, and erasability is hardly exhibited. If the content exceeds 5% by weight, the additive solvent is separated. In addition, since the compatibility with other compounding agents becomes unstable, the writing property is deteriorated, which is not preferable.
[0019]
As the pigment used in the present invention, for example, carbon black, copper phthalocyanine, halogenated phthalocyanine, monoazo, diazo, condensed azo, anthraquinone, isoindolinone, quinophthalone, acylamide, anthrapyrimidine, quinacridone, indasulene, perylene, penoline, Organic pigments such as dioxazine, thioindigo, and diketopyrrolovirol; and inorganic pigments such as titanium oxide, red iron oxide, loess, titanium yellow, antimony vermilion, ultramarine, chromium oxide, iron oxide, and alumina. Etc. can also be used.
The particle size of the pigment is not particularly limited, but is preferably 1 μm or less in average particle size from the viewpoint of drawing line density.
The content of the pigment is not particularly limited as long as it does not impair the writability and the erasability, but is usually 1 to 40% by weight, preferably 5 to 25% by weight based on the total amount of the ink composition. % Is desirable.
[0020]
The ink composition of the present invention may further contain additives such as preservatives, lubricants, dissolution aids, resins and the like which are usually used in ink compositions for ball-point pens as long as they do not impair writability and erasability. Component).
However, when a resin having a Tg of 0 ° C. or higher is contained, the erasability may be reduced, so that the content thereof should be minimized. In addition, since the additive for softening the thermoplastic elastomer to be used has a very low drying speed of the drawn line and greatly impairs the erasability, the content of the additive is preferably minimized.
[0021]
In the present invention, the higher the viscosity of the ink composition is, the more advantageous the erasability is. However, if the viscosity is too high, the ink composition will cause blurring and adversely affect the writeability. Therefore, it is not particularly limited, but preferably 10 to 10 4 Pa · s. In particular, when the viscosity of the ink exceeds 10 2 Pa · s, the form of a pressurized ballpoint pen is desirable. This is because it is difficult for ink to flow out with a discharge mechanism that normally depends on the gravity of a ballpoint pen.
[0022]
In the ink composition for an erasable ballpoint pen of the present invention configured as described above, at least a solvent, a colorant, and a ballpoint ink erasable with an eraser composed of a thermoplastic elastomer are dissolved in the thermoplastic elastomer contained therein. And an additive solvent having no swelling action and having at least one functional group selected from a hydroxyl group, a carboxyl group, an ether group, a carbonyl group, an amino group and ethylene oxide is added to the ink composition in an amount of 0.05 to 0.05%. By containing 5 to 5% by weight, it is possible to obtain sufficient erasing performance while ensuring sufficient drawing line density, and to achieve excellent writing performance in which writing defects due to dry-up of the pen tip are reduced.
[0023]
The erasable ballpoint pen according to the present invention is characterized in that the erasable ink composition according to the present invention having the above-mentioned structure is filled in a ballpoint pen refill (ink storage tube).
The ballpoint pen structure and the like are not particularly limited, and include a pressurized ballpoint pen and the like in addition to a normal ballpoint pen structure.
When the erasable ink composition of the present invention is used in a pressurized ball-fill, the internal pressure of the refill (in the ink storage tube) is in the range of 1,500 to 10,000 hPa, and more preferably 2,000 to 6,0 h. 2,000 hPa is desirable.
If the internal pressure is less than 1,500 hPa, the gas volume gradually increases with the outflow of the ink, and the pressure decreases. Therefore, there is a possibility that the internal pressure becomes equal to the outside air pressure before all the ink is discharged. In such a situation, it may be impossible to revise the ink even though the ink remains. If the pressure exceeds 10,000 hPa, the ejection pressure may be too high and the ink may be blown out, the flow rate may be unstable, or the movement of the ball may be restricted, resulting in heavy writing. .
[0024]
Since the erasable ballpoint pen of the present invention is composed of the erasable ink composition having the above-described configuration filled in a ballpoint pen refill, it has a sufficient erasing performance while ensuring a sufficient drawing density, In addition, the writing performance with reduced writing failure due to the dry-up of the pen tip is excellent. In particular, a pressurized ballpoint pen can use an ink having a higher viscosity, and thus has extremely excellent erasability.
[0025]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to the following Examples.
[0026]
[Examples 1 to 7 and Comparative Examples 1 to 6]
After blending all components with a composition comprising a solvent, additive solvent, elastomer, pigment (average particle size of 1 μm or less) and a lubricant shown in Table 1 below, the mixture is heated at a high temperature until the elastomer swells sufficiently in the solvent. Each ink composition was prepared by kneading it in a sealed state below, and then kneading it with 3 to 4 Pass by 4 to 6 Pass.
The S value (to be described later) of the additive solvent used was determined by adding 30% by weight of the thermoplastic elastomer used to 100% by weight of each additive solvent shown in Table 1 below, and leaving the solution at 70 ° C. for one week. This is a value obtained by measuring the viscosity of a portion (E-type viscometer, TV-30: manufactured by Toki Sangyo Co., Ltd., measurement temperature: 25 ° C.) and using the above formula (I).
[0027]
Each of the obtained ink compositions was measured for the ink viscosity by the following evaluation method, and the pressure in the ink storage tube was set to a pressure ballpoint pen set at about 3,000 hPa. The sex was evaluated.
The results are shown in Table 1 below.
[0028]
(Method of measuring ink viscosity)
E-type viscometer (TV-30: manufactured by Toki Sangyo Co., Ltd.), cone: 3 ° R × 7.7, shear rate 0.2 sec −1 , viscosity at 25 ° C. (Pa · s) was measured. The respective viscosities in Table 1 are × 10 3 , for example, Example 1 means 1.8 × 10 3 (= 1800) Pa · s.
[0029]
(Writability evaluation method)
After being made into a pressurized ballpoint pen, it was left for 3 days in an environment of 25 ° C. and 60% so that the pen tip turned sideways, and writing was performed, and the presence or absence of blurring was evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria:
：: Writing is possible without fading. 筆: Writing is possible slightly, but writing is impossible. X: Writing is impossible.
(Evaluation method for erasability)
After writing on the printing paper D of the JIS standard classification, it was erased with a plastic eraser, and the degree of erasure was visually evaluated according to the following evaluation criteria. Note that the printing paper D classified according to the JIS standard is very hard to be erased among general neutral copy paper and the like.
Evaluation criteria:
◎: Can be erased without leaving traces ○: Almost can be erased Δ: Slightly faded, but writing is possible ×: Traces of drawing lines are clearly left and hardly disappear [0031]
[Table 1]
[0032]
* 1 to * 12 and-* in the above Table 1 are as follows.
* 1: S value 132, * 2: S value 211, * 3: S value> 1,000,
* 4: S value> 1,000, * 5: S value 0.96, * 6: S value 0.98
* 7: S value 0.99, * 8: S value 0.99, * 9: S value 1.03
* 10: S value 0.98
* 11: Asaprene (manufactured by Asahi Kasei Corporation), average molecular weight of about 400,000 * 12: Septon (manufactured by Kuraray), average molecular weight of 10 5 to 5 × 10 6
-*: Cannot be evaluated due to poor writing.
[0033]
As is evident from the results in Table 1, Examples 1 to 7 that are within the scope of the present invention are more excellent in both writing and erasability than Comparative Examples 1 to 6 that are outside the scope of the present invention. Performance.
On the other hand, Comparative Example 1 had a composition containing no additive solvent with respect to Example 1 and thus had poor erasability. Comparative Example 2 had an additive solvent content of 8 wt. % (> 5% by weight), it was found that writability and erasability were reduced.
Comparative Example 3 had a composition containing no additive solvent with respect to Example 6, and therefore had poor erasability. Comparative Example 4 had an additive solvent content of 10% by weight (>) with respect to Example 6. 5% by weight), it was found that writability and erasability were reduced.
Further, Comparative Example 5 had a composition containing no additive solvent with respect to Example 7, and thus had poor erasability. Comparative Example 6 had an additive solvent content of 8% by weight (>) with respect to Example 7. 5% by weight), it was found that writability and erasability were reduced.
[0034]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, it has sufficient erasing performance, while ensuring sufficient writing performance and drawing density as a normal ball-point pen, and excellent erasing performance with reduced writing failure due to dry-up of the pen tip. An ink composition for a ballpoint pen and an erasable ballpoint pen are provided.
