JP2004243859A - 車上装置、地上装置、及び、車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャタリング等が生じた場合であっても、的確な信号処理を実現し得る車上装置、及び、地上装置を提供する。
【解決手段】受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含む。第1のカウンタ27は、第2の判定信号S4が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタ27が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【選択図】 図1
【解決手段】受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含む。第1のカウンタ27は、第2の判定信号S4が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタ27が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車上装置、地上装置、及び、車上装置及び地上装置を用いた車両制御装置に関する。この車両制御装置には、ATS(Automatic train Stop)装置が含まれる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特許文献1は、地上装置及び車上装置を用いたATS装置を開示している。特許文献1に示したATS装置は、点制御システムであり、軌道に沿って備えられた地上子上を車上子が通過した瞬間に、地上装置と車上装置との間で信号の授受が行われる。
【0003】
地上子と車上子とが接近した瞬間に、正確な信号の授受を行う手段として、従来は、例えば、車上装置側に、受信部及び検出部を設け、これらを用いて「信号有り」であるか、「信号無し」であるかを判定し、この判定に基づいて車両の制御を行なっていた。具体的には、受信部は、地上子から車上子を介して入力された信号を受信し、デジタル信号を生成する。検出部は、受信部が生成したデジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、論理値「1」のカウントを1つ歩進するとともに、論理値「0」のカウントをクリアする。サンプリング値が論理値「0」であれば、論理値「0」のカウントを1つ歩進するとともに、論理値「1」のカウントをクリアする。
【0004】
そして、所定回数連続して論理値「1」が検出されれば「信号有り」と判定し、所定回数連続して論理値「0」が検出されれば「信号無し」と判定する。
【0005】
上述したように従来の検出部は、所定回数連続して論理値「1」を検出した場合のみ、「信号有り」を判定していたので、論理値「1」をカウントしている途中で、チャタリング等により論理値「0」がカウントされると、それまでのカウントがクリアされ、実際には、「信号有り」が継続していたにもかかわらず、再びゼロから、論理値「1」をカウントし始めることになる。ここで、チャタリングとは、例えば、現示変化があった瞬間や、ノイズが乗った場合等に生じるものであり、デジタル信号を不安定にさせる。
【0006】
また、従来の検出部は、所定回数連続して論理値「0」を検出した場合のみ、「信号無し」を判定していたので、論理値「0」をカウントしている途中で、チャタリング等により論理値「1」がカウントされると、それまでのカウントがクリアされ、実際には、「信号無し」が継続していたにもかかわらず、再びゼロから、論理値「0」をカウントし始めることになる。
【0007】
したがって、チャタリング等が生じた場合には、本来の制御タイミングで車両制御を行うことができなくなるという問題が生じていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−33124号公報 (第2−3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、チャタリング等が生じた場合であっても、的確な信号処理を実現し得る車上装置、地上装置及びこれらを用いた車両制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、車上装置、地上装置、及び、車両制御装置を開示する。
【0011】
1.車上装置
本発明の車上装置は、受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。
【0012】
第1のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力する。第2のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力する。
【0013】
また、第1のカウンタは、第2の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、第2のカウンタは、第1の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。信号処理部は、第1の判定信号及び第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて信号処理をする。
【0014】
本発明に係る車上装置は、地上装置と組み合わされて車両制御装置を構成し、地上装置との間で信号の授受を行なう。車両制御装置は、例えば、ATS装置等を構成する。ATS装置において、地上装置−車上装置間の信号の授受は、例えば、軌道に沿って備えられた地上子と、車上子との電磁結合により行われる。
【0015】
ここで、本発明に係る車上装置は、受信部を含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。受信信号は、例えば、車両のブレーキ制御に用いられる信号である。本発明に係る車上装置は、デジタル信号処理を実現し得るので、高度な信号処理を容易に実現することができる。
【0016】
また、本発明に係る車上装置は、第1のカウンタ、及び、第2のカウンタを含む。第1のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力する。したがって、第1の判定信号は、デジタル信号が論理値「1」状態を一定の期間継続したことを示す信号、具体的には「信号有り」に相当する信号となる。
【0017】
第2のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力する。したがって、第2の判定信号は、デジタル信号が論理値「0」状態を一定の期間継続したことを示す信号、即ち、「信号無し」に相当する信号となる。
【0018】
本発明に係る車上装置は、信号処理部を有しており、信号処理部は、第1の判定信号及び第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて、信号処理をする。
【0019】
上述したように、第1の判定信号は、デジタル信号が論理値「1」状態を一定の期間継続したことを示す信号であり、第2の判定信号は、デジタル信号が論理値「0」状態を一定の期間継続したことを示す信号であるから、信号処理部では、信頼性の高い信号処理が実行されることになる。
【0020】
次に、チャタリング防止について説明する。チャタリングを防止する手段として、まず、第1のカウンタは、第2の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。第2のカウンタは、第1の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0021】
したがって、第1のカウンタが論理値「1」をカウントしている途中で、チャタリング等により、第2のカウンタにおいて論理値「0」がカウントされた場合であっても、その後、第1のカウンタが論理値「1」をカウントする限り、第1のカウンタでは、そのカウント数がクリアされることなく、論理値「1」のカウントが続行される。このため、第1のカウンタは、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第1の判定信号を出力することができる。
【0022】
第2のカウンタでも、基本的には同様の動作が行われる。即ち、第2のカウンタが論理値「0」をカウントしている途中で、チャタリング等により、第1のカウンタにおいて論理値「1」がカウントされた場合であっても、その後、第2のカウンタが論理値「0」をカウントする限り、第2のカウンタでは、そのカウント数がクリアされることなく、論理値「0」のカウントが続行される。このため、第2のカウンタも、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第2の判定信号を出力することができる。
【0023】
したがって、チャタリング等が生じた場合であっても、信号処理部は、本来の制御タイミングで的確に出力された第1の判定信号及び第2の判定信号の少なくとも一方を用いることにより、的確なタイミングで、信号処理を行うことができる。
【0024】
2.地上装置
本発明の地上装置は、受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。
【0025】
第1のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力する。第2のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力する。
【0026】
また、第1のカウンタは、第2の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、第2のカウンタは、第1の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。信号処理部は、第1の判定信号及び第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて信号処理をする。
【0027】
本発明に係る地上装置は、車上装置と組み合わされて車両制御装置を構成し、車上装置との間で信号の授受を行なう。車両制御装置は、例えば、ATS装置等を構成する。
【0028】
ここで、本発明に係る地上装置は、受信部を含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。受信信号は、例えば、車両のブレーキ制御の結果を示す信号である。本発明に係る地上装置は、デジタル信号処理を実現し得るので、高度な信号処理を容易に実現することができる。
【0029】
また、本発明に係る地上装置は、本発明に係る車上装置と同様に、受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含むので、本発明に係る車上装置と同様の好ましい作用効果を奏することができる。
【0030】
更に、本発明に係る車両制御装置においては、車上装置を本発明に係る車上装置とするとともに、地上装置を本発明に係る地上装置とすることができる。
【0031】
このような構成により、本発明に係る車両制御装置は、本発明の車上装置による作用効果、及び、本発明の地上装置による作用効果を併せ持つことが可能となる。
【0032】
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
【0033】
【発明の実施の形態】
1.車上装置
図1は本発明に係る車上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図、図2は図1に示した車両制御装置に含まれる車上装置の詳細図である。図1に示した車両制御装置は、例えば、ATS装置であり、地上装置1と、車上装置2と、地上子121、122、…12nと、車上子22と、軌道3とが組み合わされて構成されている。
【0034】
図示実施例のATS装置は、点制御システムであり、軌道に沿って備えられた地上子121〜12n上を車上子22が通過した際に、地上装置1と車上装置2との間で信号の授受が行われる。
【0035】
図1、図2において、地上装置1は、信号生成部11を含む。信号生成部11は、ATS信号S1を生成する。ATS信号S1は、例えば、車両のブレーキ制御に用いられる信号である。
【0036】
車両4は、軌道3上を矢印aで示す方向に走行している。地上子121〜12nは、軌道3に沿って設けられており、地上装置1が生成したATS信号S1を出力する。地上子121〜12nの個数は任意であり、その構成は周知である。車上子22は、一種のアンテナであり、車両4に備えられている。地上子121〜12n及び車上子22は、例えば、電磁結合により、信号の授受を行う。
【0037】
車上装置2は、受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含む。これらは、必ずしも、ハードウエアとして存在することを要するものではなく、その全体または一部は、コンピュータ上のソフトウエアと観念されるものであってもよい。
【0038】
受信部23は、車上子22を介してATS信号S1を受信する。受信部23はこの受信信号(ATS信号)S1に基づいてデジタル信号S2を生成する。
【0039】
図2において、第1のカウンタ27は、「信号有り」を判定するために用いられるカウンタであり、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号S3を出力する。本実施例においては、カウント数が「8」に達したとき、第1の判定信号S3を出力する。
【0040】
第2のカウンタ28は、「信号無し」を判定するために用いられるカウンタであり、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号S4を出力する。本実施例においては、カウント数が「7」に達したとき、第2の判定信号S4を出力する。
【0041】
第1のカウンタ27は、第2の判定信号S4が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0042】
第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタ27が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0043】
信号処理部26は、第1の判定信号S3及び第2の判定信号S4のうち、少なくとも一方を用いて信号処理し、車両4をATS制御する。また、信号処理には、速度発電機25により得られた車両速度等を用いてもよい。
【0044】
上述した車両制御装置において、本実施例に係る車上装置2は、受信部23を含む。受信部23は、受信信号S1に基づいてデジタル信号S2を生成する。このため、本実施例に係る車上装置2は、受信部23が生成したデジタル信号S2を用いて、デジタル信号S2処理を行うことが可能となる。このため、高度な信号処理が、容易に実現可能となる。
【0045】
また、車両制御装置において、本実施例に係る車上装置2は、第1のカウンタ27、及び、第2のカウンタ28を含む。第1のカウンタ27は、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号S3を出力する。したがって、第1の判定信号S3は、デジタル信号S2が論理値「1」状態を一定の期間継続したことを示す信号となる。
【0046】
第2のカウンタ28は、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号S4を出力する。したがって、第2の判定信号S4は、デジタル信号S2が論理値「0」状態を一定の期間継続したことを示す信号となる。
【0047】
したがって、本実施例に係る車上装置2の信号処理部26は、第1の判定信号S3及び第2の判定信号S4のうち、少なくとも一方を用いて、高度な信号処理を行うことができる。
【0048】
ところで、第1のカウンタ27は、第2の判定信号S4が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタ27が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0049】
したがって、本実施例に係る車上装置2は、論理値「1」をカウントしている途中で、例えば、チャタリング等により論理値「0」がカウントされた場合であっても、後に論理値「1」がカウントされたときは、論理値「1」のカウントが続行される。
【0050】
このように、論理値「1」をカウントしている途中で、論理値「0」がカウントされた場合であっても、第1のカウンタ27のカウントがクリアされないので、第1のカウンタ27は、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第1の判定信号S3を出力することができる。
【0051】
また、同様に、論理値「0」をカウントしている途中で、論理値「1」がカウントされた場合であっても、第2のカウンタ28のカウントがクリアされないので、第2のカウンタ28は、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第2の判定信号S4を出力することができる。
【0052】
したがって、チャタリング等が生じた場合であっても、信号処理部26は、本来の制御タイミングで的確に出力された第1の判定信号S3及び第2の判定信号S4の少なくとも一方を用いることにより、的確なタイミングで、信号処理を行うことができる。
【0053】
図3は、本発明に係る車上装置の動作を示すタイムチャートである。以下、図3を参照して、車上装置の動作を説明する。
【0054】
図3において、デジタル信号S2は、論理値「0」又は論理値「1」を有する信号である。デジタル信号S2は、本来、時刻t0〜t4において論理値「1」、時刻t4〜t9において論理値「0」となるべきであるが、時刻t1〜t2、及び、時刻t5〜t6において、チャタリングの影響を受けている。このデジタル信号S2は、サンプリング周期Tで、サンプリングされる。
【0055】
時刻t0〜t1においては、デジタル信号S2の論理値が「1」であるから、第1のカウンタ27が歩進する。
【0056】
時刻t1〜t2においては、デジタル信号S2の論理値が「0」であるから、第2のカウンタ28が歩進する。このとき、第1のカウンタ27のカウント数は、クリアされない。
【0057】
時刻t2〜t3において、第1のカウンタ27は、カウント数が「8」に達し、「信号有り」判定をする。これにより、第1のカウンタ27は、第1の判定信号S3を出力する。第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0058】
時刻t4〜t5においては、デジタル信号S2の論理値が「0」であるから、第2のカウンタ28が歩進する。また、時刻t4においては、論理値「1」が所定カウント数「8」に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、第1のカウンタ27のカウント数がクリアされる。
【0059】
時刻t5〜t6においては、デジタル信号S2の論理値が「1」であるから、第1のカウンタ27が歩進する。このとき、第2のカウンタ28のカウント数は、クリアされない。
【0060】
時刻t7〜t8において、第2のカウンタ28は、カウント数が「7」に達し、「信号無し」判定をする。これにより、第2のカウンタ28は、第2の判定信号S4を出力する。
【0061】
図4は、従来の車上装置の動作を示すタイムチャートである。図4に示した従来の車上装置は、「信号有り」判定及び「信号無し」判定の方法が、図1〜図3に示した本発明の車上装置と相違する。
【0062】
図4に示した従来の車上装置は、論理値「1」をカウントした場合には、論理値「0」のカウントをクリアし、論理値「0」をカウントした場合には、論理値「1」のカウントをクリアする。そして、サンプリング値が「8」回数連続して論理値「1」であれば「信号有り」と判定し、「7」回数連続して論理値「0」であれば「信号無し」と判定する。
【0063】
したがって、図4に示すように、従来の車上装置は、時刻t1〜t2において、チャタリングの影響を受けて、デジタル信号の論理値が「0」になった場合、第1のカウンタのカウント数「7」がクリアされる。
【0064】
したがって、第1のカウンタは、時刻t2より後、「0」からカウントを始めなければならないので「信号有り」を判定するタイミングが遅れるという問題が生じる。
【0065】
更に、図4においては、時刻t4より後、デジタル信号の論理値は「0」となっており、チャタリング終了時刻t2と時刻t4との間が非常に短い。このため、時刻t2〜t4に、カウント数「8」に達することができず、「信号有り」判定ができないから、所望の制御ができなくなるという問題が生じる。
【0066】
2.地上装置
図5は本発明に係る地上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図、図6は図5に示した車両制御装置に含まれる地上装置の詳細図である。図5、図6において、図1〜図3に示した構成部分と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。
【0067】
図5に示した車両制御装置は、例えば、ATS装置であり、地上装置1と、車上装置2と、地上子121、122、…12nと、車上子22と、軌道3とが組み合わされて構成されている。
【0068】
車上装置2は、信号生成部13を含む。この車上装置2は、地上装置1から供給されたATS信号S1を用いて、車両4をATS制御するとともに、信号生成部13を用いてATS信号S5を生成する。このATS信号S5は、例えば、車両のブレーキ制御結果を示すフィードバック信号である。
【0069】
地上装置1は、図1に示した信号生成部11と、受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含む。
【0070】
受信部23は、地上子121〜12nを介してATS信号S5を受信する。受信部23はこの受信信号(ATS信号)S5に基づいてデジタル信号S2を生成する。
【0071】
第1のカウンタ27及び第2のカウンタ28は、図1〜図3に示した第1のカウンタ27及び第2のカウンタ28と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。信号処理部26は、第1のカウンタ27から出力された第1の判定信号S3、及び、第2のカウンタ28から出力された第2の判定信号S4のうち、少なくとも一方を用いて信号処理を行う。
【0072】
信号生成部11は、信号処理部26が信号処理した結果に基づいて、ATS信号S1の内容を変更し、変更されたATS信号S1を出力する。
【0073】
上述したように、本実施例に係る地上装置1は、図1〜図3に示した本発明の車上装置2と同様に、受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含むので、図1〜図3に示した本発明の車上装置2と同様の好ましい作用効果を奏することができる。
【0074】
3.更に別の実施例
図7は本発明に係る更に別の車両制御装置を示すブロック図である。図7において、図1〜図6に示した構成部分と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。図7に示した車両制御装置は、例えば、ATS装置である。
【0075】
図示実施例の車上装置2は、図1、図2に示した本発明に係る車上装置であり、さらに、信号生成部13を含む。信号生成部13の詳細については、図5で説明した通りである。地上装置1は本発明に係る地上装置であり、その詳細は図5で説明した通りである。
【0076】
本実施例に係る車両制御装置においては、車上装置2及び地上装置1が、受信部23、第1のカウンタ27、第2のカウンタ28及び信号処理部26を含むので、図1〜図3に示した車上装置2による作用効果、及び、図5、図6に示した地上装置1による作用効果を併せ持つことが可能となる。
【0077】
以上、好ましい実施例を参照して本実施例の内容を具体的に説明したが、本実施例の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、チャタリング等が生じた場合であっても、的確な信号処理を実現し得る車上装置、地上装置及びこれらを用いた車両制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示した車両制御装置に含まれる車上装置の詳細図である。
【図3】本発明に係る車上装置の動作を示すタイムチャートである。
【図4】従来の車上装置の動作を示すタイムチャートである。
【図5】本発明に係る地上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図である。
【図6】図5に示した車両制御装置に含まれる地上装置の詳細図である。
【図7】本発明に係る更に別の車両制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 地上装置
2 車上装置
23 受信部
27 第1のカウンタ
28 第2のカウンタ
26 信号処理部
121〜12n 地上子
22 車上子
3 軌道
【発明の属する技術分野】
本発明は、車上装置、地上装置、及び、車上装置及び地上装置を用いた車両制御装置に関する。この車両制御装置には、ATS(Automatic train Stop)装置が含まれる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特許文献1は、地上装置及び車上装置を用いたATS装置を開示している。特許文献1に示したATS装置は、点制御システムであり、軌道に沿って備えられた地上子上を車上子が通過した瞬間に、地上装置と車上装置との間で信号の授受が行われる。
【0003】
地上子と車上子とが接近した瞬間に、正確な信号の授受を行う手段として、従来は、例えば、車上装置側に、受信部及び検出部を設け、これらを用いて「信号有り」であるか、「信号無し」であるかを判定し、この判定に基づいて車両の制御を行なっていた。具体的には、受信部は、地上子から車上子を介して入力された信号を受信し、デジタル信号を生成する。検出部は、受信部が生成したデジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、論理値「1」のカウントを1つ歩進するとともに、論理値「0」のカウントをクリアする。サンプリング値が論理値「0」であれば、論理値「0」のカウントを1つ歩進するとともに、論理値「1」のカウントをクリアする。
【0004】
そして、所定回数連続して論理値「1」が検出されれば「信号有り」と判定し、所定回数連続して論理値「0」が検出されれば「信号無し」と判定する。
【0005】
上述したように従来の検出部は、所定回数連続して論理値「1」を検出した場合のみ、「信号有り」を判定していたので、論理値「1」をカウントしている途中で、チャタリング等により論理値「0」がカウントされると、それまでのカウントがクリアされ、実際には、「信号有り」が継続していたにもかかわらず、再びゼロから、論理値「1」をカウントし始めることになる。ここで、チャタリングとは、例えば、現示変化があった瞬間や、ノイズが乗った場合等に生じるものであり、デジタル信号を不安定にさせる。
【0006】
また、従来の検出部は、所定回数連続して論理値「0」を検出した場合のみ、「信号無し」を判定していたので、論理値「0」をカウントしている途中で、チャタリング等により論理値「1」がカウントされると、それまでのカウントがクリアされ、実際には、「信号無し」が継続していたにもかかわらず、再びゼロから、論理値「0」をカウントし始めることになる。
【0007】
したがって、チャタリング等が生じた場合には、本来の制御タイミングで車両制御を行うことができなくなるという問題が生じていた。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−33124号公報 (第2−3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、チャタリング等が生じた場合であっても、的確な信号処理を実現し得る車上装置、地上装置及びこれらを用いた車両制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、車上装置、地上装置、及び、車両制御装置を開示する。
【0011】
1.車上装置
本発明の車上装置は、受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。
【0012】
第1のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力する。第2のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力する。
【0013】
また、第1のカウンタは、第2の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、第2のカウンタは、第1の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。信号処理部は、第1の判定信号及び第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて信号処理をする。
【0014】
本発明に係る車上装置は、地上装置と組み合わされて車両制御装置を構成し、地上装置との間で信号の授受を行なう。車両制御装置は、例えば、ATS装置等を構成する。ATS装置において、地上装置−車上装置間の信号の授受は、例えば、軌道に沿って備えられた地上子と、車上子との電磁結合により行われる。
【0015】
ここで、本発明に係る車上装置は、受信部を含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。受信信号は、例えば、車両のブレーキ制御に用いられる信号である。本発明に係る車上装置は、デジタル信号処理を実現し得るので、高度な信号処理を容易に実現することができる。
【0016】
また、本発明に係る車上装置は、第1のカウンタ、及び、第2のカウンタを含む。第1のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力する。したがって、第1の判定信号は、デジタル信号が論理値「1」状態を一定の期間継続したことを示す信号、具体的には「信号有り」に相当する信号となる。
【0017】
第2のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力する。したがって、第2の判定信号は、デジタル信号が論理値「0」状態を一定の期間継続したことを示す信号、即ち、「信号無し」に相当する信号となる。
【0018】
本発明に係る車上装置は、信号処理部を有しており、信号処理部は、第1の判定信号及び第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて、信号処理をする。
【0019】
上述したように、第1の判定信号は、デジタル信号が論理値「1」状態を一定の期間継続したことを示す信号であり、第2の判定信号は、デジタル信号が論理値「0」状態を一定の期間継続したことを示す信号であるから、信号処理部では、信頼性の高い信号処理が実行されることになる。
【0020】
次に、チャタリング防止について説明する。チャタリングを防止する手段として、まず、第1のカウンタは、第2の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。第2のカウンタは、第1の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0021】
したがって、第1のカウンタが論理値「1」をカウントしている途中で、チャタリング等により、第2のカウンタにおいて論理値「0」がカウントされた場合であっても、その後、第1のカウンタが論理値「1」をカウントする限り、第1のカウンタでは、そのカウント数がクリアされることなく、論理値「1」のカウントが続行される。このため、第1のカウンタは、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第1の判定信号を出力することができる。
【0022】
第2のカウンタでも、基本的には同様の動作が行われる。即ち、第2のカウンタが論理値「0」をカウントしている途中で、チャタリング等により、第1のカウンタにおいて論理値「1」がカウントされた場合であっても、その後、第2のカウンタが論理値「0」をカウントする限り、第2のカウンタでは、そのカウント数がクリアされることなく、論理値「0」のカウントが続行される。このため、第2のカウンタも、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第2の判定信号を出力することができる。
【0023】
したがって、チャタリング等が生じた場合であっても、信号処理部は、本来の制御タイミングで的確に出力された第1の判定信号及び第2の判定信号の少なくとも一方を用いることにより、的確なタイミングで、信号処理を行うことができる。
【0024】
2.地上装置
本発明の地上装置は、受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。
【0025】
第1のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力する。第2のカウンタは、デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力する。
【0026】
また、第1のカウンタは、第2の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、第2のカウンタは、第1の判定信号が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。信号処理部は、第1の判定信号及び第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて信号処理をする。
【0027】
本発明に係る地上装置は、車上装置と組み合わされて車両制御装置を構成し、車上装置との間で信号の授受を行なう。車両制御装置は、例えば、ATS装置等を構成する。
【0028】
ここで、本発明に係る地上装置は、受信部を含む。受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成する。受信信号は、例えば、車両のブレーキ制御の結果を示す信号である。本発明に係る地上装置は、デジタル信号処理を実現し得るので、高度な信号処理を容易に実現することができる。
【0029】
また、本発明に係る地上装置は、本発明に係る車上装置と同様に、受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含むので、本発明に係る車上装置と同様の好ましい作用効果を奏することができる。
【0030】
更に、本発明に係る車両制御装置においては、車上装置を本発明に係る車上装置とするとともに、地上装置を本発明に係る地上装置とすることができる。
【0031】
このような構成により、本発明に係る車両制御装置は、本発明の車上装置による作用効果、及び、本発明の地上装置による作用効果を併せ持つことが可能となる。
【0032】
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
【0033】
【発明の実施の形態】
1.車上装置
図1は本発明に係る車上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図、図2は図1に示した車両制御装置に含まれる車上装置の詳細図である。図1に示した車両制御装置は、例えば、ATS装置であり、地上装置1と、車上装置2と、地上子121、122、…12nと、車上子22と、軌道3とが組み合わされて構成されている。
【0034】
図示実施例のATS装置は、点制御システムであり、軌道に沿って備えられた地上子121〜12n上を車上子22が通過した際に、地上装置1と車上装置2との間で信号の授受が行われる。
【0035】
図1、図2において、地上装置1は、信号生成部11を含む。信号生成部11は、ATS信号S1を生成する。ATS信号S1は、例えば、車両のブレーキ制御に用いられる信号である。
【0036】
車両4は、軌道3上を矢印aで示す方向に走行している。地上子121〜12nは、軌道3に沿って設けられており、地上装置1が生成したATS信号S1を出力する。地上子121〜12nの個数は任意であり、その構成は周知である。車上子22は、一種のアンテナであり、車両4に備えられている。地上子121〜12n及び車上子22は、例えば、電磁結合により、信号の授受を行う。
【0037】
車上装置2は、受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含む。これらは、必ずしも、ハードウエアとして存在することを要するものではなく、その全体または一部は、コンピュータ上のソフトウエアと観念されるものであってもよい。
【0038】
受信部23は、車上子22を介してATS信号S1を受信する。受信部23はこの受信信号(ATS信号)S1に基づいてデジタル信号S2を生成する。
【0039】
図2において、第1のカウンタ27は、「信号有り」を判定するために用いられるカウンタであり、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号S3を出力する。本実施例においては、カウント数が「8」に達したとき、第1の判定信号S3を出力する。
【0040】
第2のカウンタ28は、「信号無し」を判定するために用いられるカウンタであり、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号S4を出力する。本実施例においては、カウント数が「7」に達したとき、第2の判定信号S4を出力する。
【0041】
第1のカウンタ27は、第2の判定信号S4が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0042】
第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタ27が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0043】
信号処理部26は、第1の判定信号S3及び第2の判定信号S4のうち、少なくとも一方を用いて信号処理し、車両4をATS制御する。また、信号処理には、速度発電機25により得られた車両速度等を用いてもよい。
【0044】
上述した車両制御装置において、本実施例に係る車上装置2は、受信部23を含む。受信部23は、受信信号S1に基づいてデジタル信号S2を生成する。このため、本実施例に係る車上装置2は、受信部23が生成したデジタル信号S2を用いて、デジタル信号S2処理を行うことが可能となる。このため、高度な信号処理が、容易に実現可能となる。
【0045】
また、車両制御装置において、本実施例に係る車上装置2は、第1のカウンタ27、及び、第2のカウンタ28を含む。第1のカウンタ27は、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号S3を出力する。したがって、第1の判定信号S3は、デジタル信号S2が論理値「1」状態を一定の期間継続したことを示す信号となる。
【0046】
第2のカウンタ28は、デジタル信号S2を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号S4を出力する。したがって、第2の判定信号S4は、デジタル信号S2が論理値「0」状態を一定の期間継続したことを示す信号となる。
【0047】
したがって、本実施例に係る車上装置2の信号処理部26は、第1の判定信号S3及び第2の判定信号S4のうち、少なくとも一方を用いて、高度な信号処理を行うことができる。
【0048】
ところで、第1のカウンタ27は、第2の判定信号S4が出力されたこと、又は、論理値「1」が所定カウント数に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたこと、又は、論理値「0」が所定カウント数に達した状態で第1のカウンタ27が歩進したことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0049】
したがって、本実施例に係る車上装置2は、論理値「1」をカウントしている途中で、例えば、チャタリング等により論理値「0」がカウントされた場合であっても、後に論理値「1」がカウントされたときは、論理値「1」のカウントが続行される。
【0050】
このように、論理値「1」をカウントしている途中で、論理値「0」がカウントされた場合であっても、第1のカウンタ27のカウントがクリアされないので、第1のカウンタ27は、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第1の判定信号S3を出力することができる。
【0051】
また、同様に、論理値「0」をカウントしている途中で、論理値「1」がカウントされた場合であっても、第2のカウンタ28のカウントがクリアされないので、第2のカウンタ28は、チャタリング等の影響を受けることなく、本来の制御タイミングで的確に第2の判定信号S4を出力することができる。
【0052】
したがって、チャタリング等が生じた場合であっても、信号処理部26は、本来の制御タイミングで的確に出力された第1の判定信号S3及び第2の判定信号S4の少なくとも一方を用いることにより、的確なタイミングで、信号処理を行うことができる。
【0053】
図3は、本発明に係る車上装置の動作を示すタイムチャートである。以下、図3を参照して、車上装置の動作を説明する。
【0054】
図3において、デジタル信号S2は、論理値「0」又は論理値「1」を有する信号である。デジタル信号S2は、本来、時刻t0〜t4において論理値「1」、時刻t4〜t9において論理値「0」となるべきであるが、時刻t1〜t2、及び、時刻t5〜t6において、チャタリングの影響を受けている。このデジタル信号S2は、サンプリング周期Tで、サンプリングされる。
【0055】
時刻t0〜t1においては、デジタル信号S2の論理値が「1」であるから、第1のカウンタ27が歩進する。
【0056】
時刻t1〜t2においては、デジタル信号S2の論理値が「0」であるから、第2のカウンタ28が歩進する。このとき、第1のカウンタ27のカウント数は、クリアされない。
【0057】
時刻t2〜t3において、第1のカウンタ27は、カウント数が「8」に達し、「信号有り」判定をする。これにより、第1のカウンタ27は、第1の判定信号S3を出力する。第2のカウンタ28は、第1の判定信号S3が出力されたことを条件として、カウント数がクリアされる。
【0058】
時刻t4〜t5においては、デジタル信号S2の論理値が「0」であるから、第2のカウンタ28が歩進する。また、時刻t4においては、論理値「1」が所定カウント数「8」に達した状態で第2のカウンタ28が歩進したことを条件として、第1のカウンタ27のカウント数がクリアされる。
【0059】
時刻t5〜t6においては、デジタル信号S2の論理値が「1」であるから、第1のカウンタ27が歩進する。このとき、第2のカウンタ28のカウント数は、クリアされない。
【0060】
時刻t7〜t8において、第2のカウンタ28は、カウント数が「7」に達し、「信号無し」判定をする。これにより、第2のカウンタ28は、第2の判定信号S4を出力する。
【0061】
図4は、従来の車上装置の動作を示すタイムチャートである。図4に示した従来の車上装置は、「信号有り」判定及び「信号無し」判定の方法が、図1〜図3に示した本発明の車上装置と相違する。
【0062】
図4に示した従来の車上装置は、論理値「1」をカウントした場合には、論理値「0」のカウントをクリアし、論理値「0」をカウントした場合には、論理値「1」のカウントをクリアする。そして、サンプリング値が「8」回数連続して論理値「1」であれば「信号有り」と判定し、「7」回数連続して論理値「0」であれば「信号無し」と判定する。
【0063】
したがって、図4に示すように、従来の車上装置は、時刻t1〜t2において、チャタリングの影響を受けて、デジタル信号の論理値が「0」になった場合、第1のカウンタのカウント数「7」がクリアされる。
【0064】
したがって、第1のカウンタは、時刻t2より後、「0」からカウントを始めなければならないので「信号有り」を判定するタイミングが遅れるという問題が生じる。
【0065】
更に、図4においては、時刻t4より後、デジタル信号の論理値は「0」となっており、チャタリング終了時刻t2と時刻t4との間が非常に短い。このため、時刻t2〜t4に、カウント数「8」に達することができず、「信号有り」判定ができないから、所望の制御ができなくなるという問題が生じる。
【0066】
2.地上装置
図5は本発明に係る地上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図、図6は図5に示した車両制御装置に含まれる地上装置の詳細図である。図5、図6において、図1〜図3に示した構成部分と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。
【0067】
図5に示した車両制御装置は、例えば、ATS装置であり、地上装置1と、車上装置2と、地上子121、122、…12nと、車上子22と、軌道3とが組み合わされて構成されている。
【0068】
車上装置2は、信号生成部13を含む。この車上装置2は、地上装置1から供給されたATS信号S1を用いて、車両4をATS制御するとともに、信号生成部13を用いてATS信号S5を生成する。このATS信号S5は、例えば、車両のブレーキ制御結果を示すフィードバック信号である。
【0069】
地上装置1は、図1に示した信号生成部11と、受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含む。
【0070】
受信部23は、地上子121〜12nを介してATS信号S5を受信する。受信部23はこの受信信号(ATS信号)S5に基づいてデジタル信号S2を生成する。
【0071】
第1のカウンタ27及び第2のカウンタ28は、図1〜図3に示した第1のカウンタ27及び第2のカウンタ28と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。信号処理部26は、第1のカウンタ27から出力された第1の判定信号S3、及び、第2のカウンタ28から出力された第2の判定信号S4のうち、少なくとも一方を用いて信号処理を行う。
【0072】
信号生成部11は、信号処理部26が信号処理した結果に基づいて、ATS信号S1の内容を変更し、変更されたATS信号S1を出力する。
【0073】
上述したように、本実施例に係る地上装置1は、図1〜図3に示した本発明の車上装置2と同様に、受信部23と、第1のカウンタ27と、第2のカウンタ28と、信号処理部26とを含むので、図1〜図3に示した本発明の車上装置2と同様の好ましい作用効果を奏することができる。
【0074】
3.更に別の実施例
図7は本発明に係る更に別の車両制御装置を示すブロック図である。図7において、図1〜図6に示した構成部分と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。図7に示した車両制御装置は、例えば、ATS装置である。
【0075】
図示実施例の車上装置2は、図1、図2に示した本発明に係る車上装置であり、さらに、信号生成部13を含む。信号生成部13の詳細については、図5で説明した通りである。地上装置1は本発明に係る地上装置であり、その詳細は図5で説明した通りである。
【0076】
本実施例に係る車両制御装置においては、車上装置2及び地上装置1が、受信部23、第1のカウンタ27、第2のカウンタ28及び信号処理部26を含むので、図1〜図3に示した車上装置2による作用効果、及び、図5、図6に示した地上装置1による作用効果を併せ持つことが可能となる。
【0077】
以上、好ましい実施例を参照して本実施例の内容を具体的に説明したが、本実施例の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、チャタリング等が生じた場合であっても、的確な信号処理を実現し得る車上装置、地上装置及びこれらを用いた車両制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示した車両制御装置に含まれる車上装置の詳細図である。
【図3】本発明に係る車上装置の動作を示すタイムチャートである。
【図4】従来の車上装置の動作を示すタイムチャートである。
【図5】本発明に係る地上装置を用いた車両制御装置を示すブロック図である。
【図6】図5に示した車両制御装置に含まれる地上装置の詳細図である。
【図7】本発明に係る更に別の車両制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 地上装置
2 車上装置
23 受信部
27 第1のカウンタ
28 第2のカウンタ
26 信号処理部
121〜12n 地上子
22 車上子
3 軌道
Claims (4)
- 受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含む車上装置であって、
前記受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成し、
前記第1のカウンタは、前記デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力し、
前記第2のカウンタは、前記デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力し、
前記第1のカウンタは、前記第2の判定信号が出力されたこと、又は、前記論理値「1」が前記所定カウント数に達した状態で前記第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、
前記第2のカウンタは、前記第1の判定信号が出力されたこと、又は、前記論理値「0」が前記所定カウント数に達した状態で前記第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、
前記信号処理部は、前記第1の判定信号及び前記第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて信号処理をする
車上装置。 - 受信部と、第1のカウンタと、第2のカウンタと、信号処理部とを含む地上装置であって、
前記受信部は、受信信号に基づいてデジタル信号を生成し、
前記第1のカウンタは、前記デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「1」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第1の判定信号を出力し、
前記第2のカウンタは、前記デジタル信号を所定時間間隔でサンプリングし、サンプリング値が論理値「0」であれば、カウントを1つ歩進し、所定カウント数に達したとき、第2の判定信号を出力し、
前記第1のカウンタは、前記第2の判定信号が出力されたこと、又は、前記論理値「1」が前記所定カウント数に達した状態で前記第2のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、
前記第2のカウンタは、前記第1の判定信号が出力されたこと、又は、前記論理値「0」が前記所定カウント数に達した状態で前記第1のカウンタが歩進したことを条件として、カウント数がクリアされ、
前記信号処理部は、前記第1の判定信号及び前記第2の判定信号のうち、少なくとも一方を用いて信号処理をする
地上装置。 - 車上装置と、地上装置とを含む車両制御装置であって、
前記車上装置は、請求項1に記載されたものでなり、
前記地上装置は、前記車上装置との間で信号の授受を行なう
車両制御装置。 - 地上装置と、車上装置とを含む車両制御装置であって、
前記地上装置は、請求項2に記載されたものでなり、
前記車上装置は、前記地上装置との間で信号の授受を行なう
車両制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003034794A JP2004243859A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 車上装置、地上装置、及び、車両制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003034794A JP2004243859A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 車上装置、地上装置、及び、車両制御装置 |
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JP2011173528A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Daido Signal Co Ltd | 軌道回路装置 |
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JP2017175398A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 株式会社東芝 | 通信中継システム及び方法 |
-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003034794A patent/JP2004243859A/ja active Pending
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