JP2004243515A - 中空部材の製造方法および中空タービンブレード予備形成品の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】タービンブレードのような中空の部材を容易に製造する製造方法を提供する。
【解決手段】タービンブレードのような中空の部材は、それぞれ、切断側と反対の非切断側とを備えるように、金属製の部材を第１の部品と第２の部品とに切断することにより製造される。切断された側には、この中空部材の内部構造を構成するように機械加工がなされる。非切断側には、この中空部材の外部構造を構成するように機械加工がなされる。これらの両部品は、切断面（４４，４６）が互いに向かい合うように組み付けられ、このアセンブリは、拡散接合が施される。このアセンブリにより、各リブ（６４）のリム表面が互いに接し合うことになる。
【選択図】図４

Description

本発明は、ベーン、ブレード、エーロフォイルなどに代表されるタービン部材の製造方法に関する。特に、複数の部材を拡散接合したタービン部材の製造方法に関する。

タービンブレードの製造（形成）において拡散接合を用いることがよく知られている。ここに参考として、上記方法を開示し詳細に検討している例として、特許文献１および２がある。特許文献１では内部構造を備えたツイスト中空ブレードの成形プロセスが詳細に開示されている。上記プロセスには、付加的な塑性加工および機械加工が伴う、ブレード半部同士を拡散接合する処理が含まれる。特許文献２では、一体の部材から２つのブレード半部を切断し、その後、非切断面同士を向き合わせつつ拡散接合する特殊な状況を開示している。
米国特許第５，０６３，６６２号明細書 米国特許第５，７１１，０６８号明細書

本発明の一つの態様は、中空部材を製造する方法に関する。一つもしくは複数の金属製の部材が、それぞれ、第１の部品と第２の部品とに切断される。各第１および第２の部品はそれぞれ、切断側に切断面を、かつ、切断側とほぼ反対側に反対側の面を備える。切断側には、内部構造をなすように機械加工が施される。非切断側には外部構造をなすように機械加工が施される。第１の部品は、それぞれ、第２の部品と組み立てられ、アセンブリを構成する。上記第１の部品と第２の部品の切断側同士は互いに向かい合っている。このアセンブリは拡散接合がされる。

多様な実施態様において、このアセンブリは、第１の部品の切断面とそれに対応する第２の部品の切断面とが接触した構成を含み得る。この拡散接合されたアセンブリには、アセンブリの一部分がねじられるように塑性加工がなされてもよい。この拡散接合アセンブリの外側には、仕上げ加工がなされうる。第１および第２の部品の切断側への機械加工により、それぞれ非対称な第１および第２の内部構造が構成されてもよい。第１および第２の部品の上記非切断側への機械加工により、それぞれ非対称な第１および第２の外部構造が構成されてもよい。第１および第２の部品の上記切断側への機械加工により、それぞれ、第１および第２の複数のリブが構成されてもよい。拡散接合により、第１の複数のリブの各々が、第２の複数のリブの対応するリブに接合されて、第１の部品と第２の部品とを接続する複数の細長いウェブが構成されうる。

本発明にかかる一つもしくは複数の実施例が以下に添付した図面や説明において詳細に示されている。本発明にかかる他の特徴および長所は、本明細書、図面、特許請求の範囲から明白となろう。

図１は、一つのストック材料を構成する金属部材２０を示す。この部材２０は、例えば、直角平行六面体のチタン合金からなり、図示の実施例では上面２２、底面２４、第１と第２の側面２６，２８、および第１と第２の端面３０，３２のみが特定されている。この部材２０は、さらに大きな部材（シート材、板材、ストリップ材等：図示せず）を切断することにより作られ、この部材表面に精密機械加工が施されたものでもよい。この部材２０は切断部３４上に沿って２つの部品に分けられる。この切断部３４は、例えば、平面であり、かつ、上面２２と端面３０とのエッジからオフセットした所定の位置から上面２２と端面３２とのエッジからオフセットした所定の位置まで、端面３０、３２間を延在する。あるいは、切断部３４は前述のエッジ間を延在してもよい。この切断部は、例えば、長手方向５００に対し角度θをなし、かつ、横方向５０２に平行な構成としてもよい。この例示の角度θは、比較的に小さい（例として、１°〜７°）。切断技術として、例えば、帯鋸、放電加工（ＥＤＭ）、レーザー切断加工、および／もしくは、噴射加工などが使用される。

この切断部３４は上記部材を２つの部品４０，４２に分割するため、上記部品はそれぞれ切断面４４，４６とを備えることになる。切断面４４は上面２２とほぼ反対を向いており、切断面４６は底面２４とほぼ反対を向いている。上記部品同士は、それぞれ、上記部材２０の第１と第２の端面３０，３２との各一部分である第１と第２の端面を備える。上記切断部３４の傾きにより、各部品の一端（一方の端面）は比較的に長く、他端（他方の端面）は比較的に短い構成となる。図２は、上記部品の比較的に長い端面５０と比較的に短い端面５２を示す。

切断後は、適当な仕上げ面を有するように上記切断面に機械加工が施される。同様に、上記切断面内を機械加工することにより内部の形状も作られる。図２は、底部６２を有しかつリブ６４により区画されたチャンネル６０を示す。リブは、例えば、平坦な切断面の一部からなるエンドリム面６６を備える。上記チャンネルは最終的なエーロフォイルの軽量を実現するように中空の内部構造を構成する。次に、図３に示すようにおおまかなエーロフォイル半部の外部構造７０を含むように外側の形状に機械加工が施される。上記エーロフォイル半部は、遠方端７６を備え、かつ、機械加工が比較的に施されない根元ブロック部７４においては根元近接部７２を備える。タービンロータディスク（図示せず）内に上記ブレードを固定するための根元ブロック取付構造（図示せず）に、この時点で機械加工を施すようにしてもよい。この外側への機械加工により、当初未切断であった面から大幅に材料が切り取られ、下記の後加工を経て、最終的なエーロフォイルの所望の形状を得るための予備的な形状が上記半部の部品に与えられる。上記機械加工により、最終的なエーロフォイルの胴体部品となる２つの半部が構成される。機械加工された内部構造と外部構造とは、同一であっても、対称であっても、非対称であってもよい。例えば、非対称性によって、エーロフォイルに初期反りが与えられることもあり、以下に述べる塑性加工によりこの初期反りをさらに拡大できることもあろう。

上記半部の両部品は、互いに接する切断面４４，４６のうち、切削されなった部分で組み付けられる。このアセンブリにより、各リブ６４のリム表面が互いに接し合うことになる。このアセンブリには、位置決め機構（例えば、ペグがある。図示せず）が用いられてもよい。選択的に、一つもしくは複数の層が両部品の間を介在し両部品を分離するように積層されてもよい。選択的に、付加的な根元ブロックオーグメンテーションやその他の付属品が上記両部品に取り付けられてもよい。この最終的なアセンブリ品は、その後、アセンブリをブレード予備形成品として一体にする公知な技術を用いて、拡散接合される。

拡散接合後には、付加的な、機械加工および／もしくは塑性加工、の処理がなされることもある。例えば、この拡散接合された予備形成品に大まかなトリム／機械加工が施された後、このブレードエーロフォイルをねじるように加熱成形の超塑性加工がなされることもある。なお、上記処理の双方とも公知の技術が用いられうる。図５は、根元ブロック８４における根元近接部８３から遠方端８５まで延びたエーロフォイル８２を備えた最終的なブレード８０を示す。このエーロフォイルは、正圧面８８と負圧面８９とに区分するように前縁８６と後縁８７とを有する。前述したように、このエーロフォイルは多数の内部通路９０を備える。この内部通路９０は、上記両部品のチャンネル６６を一組にすることによって作られ、かつ、上記両部品に接合したリブ６４同士により構成されたウェブ９１によって区画される。加熱成形後には、仕上げ加工や後処理工程が続くこともある。また、付加的な根元ブロックの取付形状（図示せず）についても、この時点において機械加工を行ってよい。

以上、本発明にかかる一つもしくは複数の実施例の説明がなされた。それにも拘わらず、本発明の趣旨および内容から逸脱することなしに、多様な改良がなされよう。例えば、上記方法は、種々な型式のブレードの製造に適用され得る。それ故、他の態様も添付の特許請求の範囲内に属することになる。

本発明のエーロフォイルの材料となるストック材料の図 図１のストック材料から切断された部品であって、最終的に本発明のエーロフォイルの半部となる構成部品についての長手方向の側面図 外側に機械加工がなされた後の図２の部品についての図 機械加工されかつ組み付けられた２つの部品の図 図４のアセンブリから構成されたエーロフォイルの端面からみた図

符号の説明

４４…第１の部品の切断面
４６…第２の部品の切断面
６４…リブ

Claims (9)

1. 切断側に切断面を備えるとともに切断側のほぼ反対側に反対の面を備えるように複数の金属部材の各々を第１の部品と第２の部品とに切断する工程と、
   内部構造を構成するように上記第１の部品と上記第２の部品の上記切断側に機械加工を施す工程と、
   外部構造を構成するように上記第１の部品と上記第２の部品の上記非切断側に機械加工を施す工程と、
   第１の部品の上記切断側と第２の部品の上記切断側とを互いに向かい合わせつつ、アセンブリを構成するように上記第１の部品の各々を上記第２の部品の対応する部品に組み付ける工程と、
   上記アセンブリを拡散接合する工程と、
   を有する中空部材の製造方法。
2. 上記アセンブリ工程には、それぞれの第１の部品における上記切断面を上記対応する第２の部品における上記切断面に接触させることを含むことを特徴とする請求項１に記載の中空部材の製造方法。
3. 上記拡散接合したアセンブリの一部分がねじられるように上記アセンブリに塑性加工を施す工程をさらに有する請求項１に記載の中空部材の製造方法。
4. 上記拡散接合したアセンブリの外側に仕上げ機械加工を施す工程をさらに有する請求項１に記載の中空部材の製造方法。
5. 上記第１および第２の部品の上記切断側それぞれに上記機械加工を施すことにより相互に異なる第１および第２の内部構造が構成され、かつ
   上記第１および第２の部品の上記非切断側それぞれに上記機械加工を施すことにより相互に異なる第１および第２の外部構造が構成されることを特徴とする請求項１に記載の中空部材の製造方法。
6. 上記第１および第２の部品の上記切断側それぞれに上記機械加工を施すことにより第１および第２の複数のリブが構成され、かつ
   上記拡散接合により、上記第１の複数のリブそれぞれが上記第２の複数のリブの対応するリブに接合され、第１部品と第２の部品とを接続する複数の細長いウェブが構成されることを特徴とする請求項１に記載の中空部材の製造方法。
7. 上記中空部材がタービンブレードであることを特徴とする請求項１に記載の中空部材の製造方法。
8. 中空タービンブレード予備形成品を製造する製造方法であって、上記予備形成品は第１と第２の胴体部品を含む金属製ブレード部品を拡散接合した積層物であり、各々の胴体部品はブレードが完成品となったときにロータディスクに該ブレードを固定する役割をする根元部分と上記根元部分から半径方向外側の先端まで延在するエーロフォイル部分とを備えており、かつ、
   （ａ）予備形成品の根元から先端までの長さを少なくともその長さとする平行六面体をほぼなす金属部品を製造する段階と、
   （ｂ）切断面と非切断面とをそれぞれ備えかつ長手方向に先細となる厚みを有する２つの分割したパネルを構成するように、それぞれの平行六面体を長さ方向の傾斜平面に沿って切断する段階と、
   （ｃ）完成品のブレードにおいてブレードの中空内部構造となる三次元形状をなすように各パネルの切断面を加工することにより、上記パネルから第１および第２の胴体部品を製造する段階と、
   （ｄ）上記（ｂ）段階で切断された胴体部品の上記表面同士が互いに向かい合うように組み立ててブレード部品の積層物とする段階と、
   （ｅ）上記積層物の部品同士を一体に拡散接合する段階と、
   を備えた予備形成品の製造方法。
9. 上記（ｅ）段階の後に上記ブレード予備形成品を超塑性加工する付加的な段階を含む請求項８に記載の中空タービンブレード予備形成品の製造方法。

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