JP2004243366A - ダイカスト装置 - Google Patents

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Teruo Sato
輝雄 佐藤
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KYOEI DIECAST KK
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Abstract

【課題】ランニングコストが低く、また、酸素との接触も抑制し得る給湯機構を備えたダイカスト装置を提供することを課題とする。また、その給湯技術を提供することを課題とする。
【解決手段】金型Xに溶湯を射出する射出装置10に溶湯を給湯するための給湯装置30を備えたダイカスト装置1であって、給湯装置30は、溶湯になる棒形状のインゴットBの断面形状と同形の開口端形状を有する収容通路31と、この収容通路31に収容されたインゴットBの先端を溶融する溶融装置32と、溶融済みのインゴットBを射出装置10に給湯するための給湯通路33と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイカスト装置に関し、より詳細には、金型に溶湯を射出する射出装置に溶湯を給湯するための給湯装置を備えたダイカスト装置及びその給湯方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト装置の代表例として、従来より、ホットチャンバー機およびコールドチャンバー機などが知られている(特許文献1の従来例参照)。
【0003】
ホットチャンバー機100は、図12に示されるように、溶湯で充たされる溶解炉101と、溶解炉101の内部に組み込まれた鋳込みピストン102及びシリンダ103からなる。
また、シリンダ103の上部には、溶解炉101内に充たされる溶湯をシリンダ103内に取り込むための給湯ポート104が設けられ、金型への射出時には、この取り込んだ溶湯に圧力を加えて金型105に送り出している。
【0004】
また、溶解炉101内には、六フッ化硫黄ガス(SF)、および空気若しくは二酸化炭素(CO)から成る燃焼防止用保護ガスが充填されている。この燃焼防止用保護ガスは、溶湯の表面に酸化被膜を形成するガスで、この被膜によって溶湯と酸素との接触を遮断して溶湯の酸化(燃焼)を抑制している。
【0005】
コールドチャンバー機200は、図13に示すように、金型205に連結されたシリンダ201と、このシリンダ201内に設けられたプランジャ202とを主要構成部品として構成されている。
また、使用時には、別途設けた溶解鍋(図示せず)で鋳塊を溶融し、この鋳塊を柄杓204等で汲み取り、シリンダ201の給湯ポート203に注ぎ込み、この溶湯に、プランジャ202で圧力を加えて金型205に送り出している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−239354
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者の鋭意研究によれば、上述のダイカスト装置に関して、種々の改善すべき点が見出された。
【0008】
まず、必要数の成形品を得るにあたり、従来のダイカスト装置では、必要数の成形品を得るために必要な鋳塊全てを事前に溶解炉若しくは溶湯鍋で溶融しておき、シリンダへの給湯時には、これら溶融済みの鋳塊を小分けにして給湯している。
このため溶湯の液化状態を維持すべく保温用の熱エネルギーを多く要することとなり、また、溶解鍋や溶解炉の大型化にも繋がる。
【0009】
また、近年では、機械的特性に富むマグネシウム合金を対象とした鋳造も増えつつある。しかしながら、このマグネシウム合金は、酸素との接触によって容易に燃焼する易燃焼性を有するため、この燃焼を抑制すべく種々の対策が必要になる。
【0010】
なお、その対策として、従来のホットチャンバー機では、上述の如く燃焼防止用保護ガスを溶解炉103内に導入して、マグネシウム合金の燃焼を抑制するが、溶解炉103は大型の装置で気密性に欠けるため、燃焼防止溶保護ガスの導入を以てしても、外気(酸素)を遮断することは困難であった。
【0011】
また、コールドチャンバー機では、溶湯鍋で溶融した鋳塊を柄杓204で汲み取り、シリンダへ注ぎ込むため、その過程で必然的に酸素と接触する。また、一部のコールドチャンバー機では、溶融鍋内にメタルポンプを備えて溶湯をシリンダ内に圧送するものもあるが、この場合にも、溶解鍋側に於いて酸素との接触を回避する何らかの措置が必要になる。
【0012】
本発明は、このような技術的背景を考慮してなされたもので、ランニングコストが低く、また、酸素との接触も抑制し得る給湯機構を備えたダイカスト装置を提供することを課題とする。また、その給湯技術を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するため、本発明では以下の構成とした。
すなわち、本発明は、
金型に溶湯を射出する射出装置に溶湯を給湯するための給湯装置を備えたダイカスト装置であって、
前記給湯装置は、前記溶湯になる金属塊の断面形状と同形の開口端形状を有する収容通路と、この収容通路に収容された金属塊の先端を溶融する溶融装置と、前記溶融済みの金属塊を前記射出装置に給湯するための給湯通路と、を備えることを特徴とする。
【0014】
このように構成された本発明では、金属塊の断面形状と同形の開口端形状を有する収容通路を備えている。また、射出装置に溶湯を供給する際には、まず、金属塊を収容通路に収容し、この収容した金属塊の先端を溶融装置で溶融する。また、溶融済みの金属塊は、給湯通路を介して射出装置に給湯される。
つまり、収容通路に金属塊を収容し、且つこの状態で金属塊の先端を溶融して射出装置に給湯するため、金属塊の後端すなわち非溶融部分を、収容通路の封止栓として利用できる。
【0015】
なお、金属塊の形状としては種々選択可能であるが、好ましくは、収容通路の開口端の寸法(例えば、内径)に対して、十分に長い全長を有する棒形状とするのが望ましい。また、金属塊としては、インゴット等の鋳塊や、鋳塊に加工を施した加工品及び成型品などをその一例として例示できる。
【0016】
また、前記収容通路から前記射出装置に至る経路には、前記射出装置の圧力低下によって開成して、前記収容通路から前記射出装置に至る溶湯の流れを許容する逆止弁が設けられている構成としてもよい。
【0017】
この構成では、収容通路から射出装置に至る経路に逆止弁を設けている。逆止弁は、収容通路と射出装置との間に生じる差圧をもとに開成する逆止弁であり、収容通路内の圧力に対して射出装置内の圧力が低下したときには逆止弁が開弁状態となる。よって、収容通路から射出装置に至る溶湯の流れは許容され、逆に、射出装置から収容通路に至る溶湯の逆流は規制されることとなる。
【0018】
また、前記射出装置は、加圧ピストンを内部に摺動自在に収容するシリンダを備える構成としてもよい。この構成では、給湯通路を介してシリンダ内に溶湯が給湯され、射出時には、加圧ピストンの加圧動作によってシリンダ内の溶湯が金型に射出されることとなる。
【0019】
また、前記加圧ピストンの加圧面には、温度の低下に起因して固化する溶湯を前記加圧面に係止させるための係止部が設けられている構成としてもよい。
【0020】
この構成では、温度の低下に伴い固化する溶湯を加圧ピストンの加圧面に係止させるための係止部を加圧ピストンの加圧面に設けている。したがって、温度の低下に伴い固化した溶湯は、加圧ピストンの加圧面に係止され、加圧面に擬似ピストンを形成することとなる。よって、加圧ピストン及び擬似ピストンにて高い射出圧の確保が可能になる。
【0021】
また、前記加圧ピストンの加圧面には、この加圧面に開口を有する溶湯導入路が設けられ、
前記溶湯導入路の少なくとも一部は、前記加圧ピストンの摺動方向に対して傾斜して設けられている構成としてもよい。
【0022】
この構成では、係止部として、加圧ピストンの加圧面に開口端を有する溶湯導入路を備えている。また、溶湯導入路の少なくとも一部は、加圧ピストンの摺動方向に対して傾斜している。したがって、溶湯が溶湯導入路内に流れ込み固化すると、その固化済みの溶湯は溶湯導入路との係合により、加圧ピストンに係止されることとなる。
なお、ここで「摺動方向に対して傾斜する」とは、加圧ピストンの摺動方向を基準にした軸線上から溶湯導入路が変位していれば足り、例えば、摺動方向に対して直角に屈曲した形状等をも含むものである。
【0023】
また、前記給湯通路の一端は、前記シリンダの内壁面に開口した給湯ポートに接続され、
前記給湯ポートは、前記加圧ピストンの圧縮行程に於いて、この加圧ピストンの側壁にて閉鎖される位置に開口している構成としてもよい。
【0024】
この構成では、給湯ポートを介してシリンダ内に溶湯が給湯される。また、給湯ポートは、加圧ピストンの圧縮行程に於いて、この加圧ピストンの側壁により閉鎖される位置に開口している。したがって、溶湯の射出時には、給湯装置側への溶湯の逆流が抑制されるため、溶湯に効率良く圧力をかけることができる。
また、射出後に於ける加圧ピストンの後退に伴い、シリンダ内の圧力は低下するため、給湯ポートの開口時には、この圧力低下に起因して給湯装置内の溶湯がシリンダに給湯される。
【0025】
また、前記給湯通路と前記収容通路は一直線上に配置され、且つ各通路の内径は、前記給湯通路から前記収容通路の開口端にかけての経路中で減少することのないように設定されている構成としてもよい。
【0026】
この構成では、給湯通路と収容通路とを一直線上に配置している。また、各通路の内径は、給湯通路から収容通路の開口端にかけての経路中で減少することのないように設定されている。したがって、給湯通路及び収容通路内で固化した溶湯を、収容通路の開口端側に引き出せる。
【0027】
また、上記した技術的課題を解決するため、本発明では、以下の給湯方法を提供する。
すなわち、金属塊を溶融して射出装置に給湯するための給湯方法であって、
給湯に供される金属塊を溶融する溶融装置に至る通路の開口端形状を前記金属塊の断面形状と同形に形成し、
前記射出装置への給湯時には、前記溶融装置に至る通路を通じて前記金属塊を溶融装置に供すると共に、この金属塊の先端を前記溶融装置で溶融して射出装置に給湯することを特徴とする。
【0028】
また、前記射出装置に対する給湯時には、この給湯動作と並行して前記金属塊の非溶解部分を前記溶融装置での溶融に供するようにしてもよい。また、溶融に供する前記金属塊の量は、前記給湯動作にて消費された溶湯の消費量に略等しい量とするのが望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明に係るダイカスト装置の好適な実施形態を説明する。
本実施の形態に示すダイカスト装置1は、図1に示されるように金型Xに溶湯を射出する射出装置10と、この射出装置10に溶湯を給湯するための給湯装置30と、を主要構成部品とし、例えば、マグネシウム合金製のインゴットB(鋳塊)を金属塊として金型Xに射出している。
【0030】
射出装置10は、円筒状をなすシリンダ11と、このシリンダ11内に摺動自在に組み込まれた加圧ピストン12を備えて構成されている。
また、シリンダ11の先端には、溶湯の吐出口たるノズル13が設けられ、ノズル13の先端は、金型Xの注湯口X1に着脱自在に接続されている。
【0031】
加圧ピストン12の加圧面には、温度の低下に起因して固化する溶湯をこの加圧面に係止させるための係止部12bが設けられている。
より詳しくは、図3に示すように、加圧ピストン12の端面12a周囲を切り欠きくことで、加圧ピストン12の内部に延びる溝12c(溶湯導入路)を形成し、さらにその内部を加圧ピストン12の中央に向かって切り欠くことで係止部12bが形成される。
なお、図3に示すように、加圧ピストン12の加圧面には断面T字型をなす突起15が実質的に形成されることとなる。
【0032】
給湯装置30は、図1及び図4に示すように、溶湯になる棒形状のインゴットBをその軸方向に於いて収容する収容通路31と、この収容通路31に収容されたインゴットBの先端を溶融する溶融装置32と、インゴットBの溶融部分を溶湯として射出装置10に給湯するための給湯通路33と、を備えている。
【0033】
収容通路31は、溶湯の熱に耐え得る高融点材料から形成された円筒形状をなす筒状体であり、その一端は、給湯装置30の外部に開口している。また、他端は、射出装置10に至る給湯通路33に接続されている。
【0034】
また、収容通路31の開口端形状及び内部通路形状は、棒形状をなすインゴットBの断面形状(形状及び寸法含む)に略等しく、インゴットBの収容時には、このインゴットBが封止栓となって収容通路31の開口端31aを塞ぐこととなる(図4参照)。
【0035】
溶融装置32は、図1に示すように火炎を熱源として収容通路31の先端部近傍(給湯通路側)を加熱するバーナ装置32aと、このバーナ装置32a及び収容通路31の一部を内包するカバー体32bから構成されている。
【0036】
なお、図1に示すように収容通路31は、溶融装置32のカバー体32bに対して十分長く、収容通路31の開口端31aは、カバー体32bから突き出して設けられている。したがって、収容通路31の先端と開口端31a(後端)との間には大きな温度差が生じ、収容通路31の開口端31a側から収容されるインゴットBは、その先端から順次溶融される。
【0037】
給湯通路33は、収容通路31と同様に、溶湯の熱に耐え得る高融点材料から構成され、射出装置10のシリンダ11に開口する給湯ポート14と収容通路31の先端とを相互に接続している。また、給湯通路33の先端は、給湯ポート14に対して着脱自在に接続されており、必要に応じて取り外すことができる。
【0038】
また、給湯通路33には逆止弁34が設けられている。この逆止弁34は、加圧ピストン12の作動に伴い発生するシリンダ11内の圧力低下に起因して開成し、収容通路31から射出装置10に至る溶湯の流れのみを許容する機能を備えている。
【0039】
逆止弁34は、図5及び図6に示すように給湯通路33内に細径の流路を形成する流路形成部材34aと、この流路形成部材34aの下流側(射出装置10側)に設けられたチェックボール34bと、流路形成部材34aとの間でチェックボール34bを揺動自在に支持する支持部材34cと、を備えている。
【0040】
また、チェックボール34aの直径は、流路形成部材34aにて形成される細径の流路に較べて大きく且つ給湯通路33の内径に較べて小さく、給湯通路33下流側の圧力が低下した場合には、給湯通路33上流側(給湯装置30側)との差圧をもとに開成して(図5参照)、給湯装置30から射出装置10に至る流路を形成する。また、射出に伴い給湯通路33下流側の圧力が高くなった場合には、流路形成部材34aの端縁にチェックボール34aが接して細径の流路が閉ざされ(図6参照)、射出装置10から給湯装置30に至る溶湯の逆流が抑制される。
なお、上記逆止弁34の構造は、あくまでも一例であり、各種仕様に応じてその構造は変更可能である。
【0041】
続いて、上記構成を有するダイカスト装置1の使用方法について、本発明に係る給湯方法を踏まえて説明する。
まず、作業者は、加圧ピストン12をシリンダ11内部に押し込み、シリンダ11内の余分な空気をシリンダ11内から排出する。また、射出装置10のノズル13を金型Xの注湯口X1に接続固定する。
【0042】
次に、棒形状のインゴットBを収容通路31の内部に収容(挿入)すると共に、バーナ装置32aを点火してインゴットBの先端を収容通路31内にて加熱溶融する。また、インゴットBの先端部分の溶融後、作業者は、次なる作業として収容通路31から射出装置10にかけてのエア抜き作業に移る。
【0043】
本作業では、まず、加圧ピストン12を後退させてシリンダ11内の圧力を低下させる。なお、シリンダ11は、給湯通路33及び溶湯の吐出口たるノズル13に接続しているが、ノズル13の内径は、給湯通路33に較べて十分に小さく、シリンダ11内の圧力低下に起因して生じる負圧は、主に給湯通路33に作用する。
【0044】
したがって、図5に示されるように、給湯通路33に設けられる逆止弁34は、シリンダ11内の圧力低下によって開成し、収容通路31内の溶融は逆止弁34を介してシリンダ11内に吸引・給湯される。また、この給湯動作と共に収容通路31の圧力も低下するため、インゴットBの非溶融部分は、収容通路31の内部へと引き込まれ、続く給湯動作に供される溶湯を形成することとなる。
【0045】
続いて、作業者は、加圧ピストン12をシリンダ11内に押し込み、シリンダ11内の溶湯と共に、残留空気をシリンダ11外部へと排出する。
なお、上記した一連の動作は、収容通路31から射出装置10のノズル13にかけての経路中にあるエアが抜ける迄、数度に亘り繰り返される。そして、このエア抜き作業の終了後に、鋳造品を成型すべく射出作業に移る。
【0046】
また、上記エア抜き作業の過程では、加圧ピストン12の端面に擬似ピストン18が形成される。
この擬似ピストン18は、温度の低下に伴い固化する溶湯が、先の係止部12bを介して加圧ピストン12の加圧面に係止されることで形成される。
【0047】
より詳しくは、シリンダ11内に給湯された溶湯の一部が、図7に示されるように加圧ピストン12の端面12aに形成された溝12c内に流れ込み、係止部12bたる断面T字形の突起15を内包して固化することで、加圧ピストン12の加圧面に擬似ピストン18が係止・形成される。
【0048】
また、溶湯の固化によって形成される擬似ピストン18は、シリンダ11内に充たされる溶湯が固化したものであるため、その外径はシリンダ11の内径に略等しく、擬似ピストン18の生成時にはシリンダ11内壁面との間に高い気密性が確保される。よって、以降の射出作業では、高い射出圧をもって金型Xへの射出が可能になる。
【0049】
続いて、作業者は、金型Xを充たすために必要な溶湯をシリンダ11内に確保すべく加圧ピストン12を所定ストローク量後退させてシリンダ11内に必要量の溶湯を給湯する。
次いで、加圧ピストン12を前進させてシリンダ11内の溶湯に圧力を加えながら金型X内に溶湯を射出する。また、このとき給湯通路33に設けられた逆止弁34は、シリンダ11内の圧力上昇に伴い閉鎖状態になるため(図6参照)、シリンダ11内の溶湯は、収容通路31側に逆流することなく金型X内に供給されることとなる。
【0050】
また、作業者は、金型Xに射出された溶湯の養生を待ち、溶湯の固化後に金型Xを分割して内部の鋳造品を取り外す。また、再度、金型Xを閉じて次なる射出作業に備える。
【0051】
続いて、作業者は、次なる鋳造品を成形すべく、再度、加圧ピストン12を後退させてシリンダ11内に新たな溶湯を取り込む。また、加圧ピストン12をシリンダ11内に押し込み、金型Xに新たな溶湯を射出する。そして、上記同様、溶湯の養生の後、金型Xを分割して内部の鋳造品を取り出す。
なお、鋳造品の取出作業と給湯作業の順序は変更でき、又は並行して行ってもよい。なお、金型Xを開く前に加圧ピストン12を戻して給湯を行えば、金型X内の鋳造品がノズル13の栓となるため、給湯時に於いて、外気と溶湯の接触をより確実に遮断できる。
【0052】
このように本実施の形態では、給湯に供されるインゴットBを溶融する溶融装置32に至る収容通路31の開口端形状をインゴットBの断面形状と同形に形成し、また、射出装置10への給湯時には、収容通路31にインゴットBを収容すると共に、このインゴットBの先端を溶融装置32で溶融して、その溶融部分を射出装置10に給湯している。
【0053】
また、射出動作に伴い溶湯が消費され、新たな溶湯を確保すべく加圧ピストン12を後退させると、射出装置10及び収容通路31の圧力低下に起因して、インゴットBの非溶融部分が順次収容通路31内に引き込まれる。
つまり、射出装置10に対する給湯時には、この給湯動作と並行してインゴットBの非溶解部分が溶融装置32での溶融に供されることとなり、射出に要する溶湯は、その都度、給湯装置30に必要量確保される。
【0054】
このように本発明のダイカスト装置1では、射出装置10に対する給湯動作と並行して、金属塊の非溶融部分が溶融に供されるため、金型Xに対する溶湯の射出作業終了時には、次なる射出作業に必要な溶融が既に給湯装置30側に確保されることになる。
したがって、射出作業の後、射出装置10への給湯が即座に可能であり、新たな金属塊の溶融を待たずに短時間に連続して射出作業を行える。
【0055】
また、給湯装置30内では、一給湯動作で消費された分の溶湯を補うために必要な金属塊が新たに溶融され、また、溶湯になった金属塊は、順次射出装置10に給湯されて射出に供されるため、金属塊の溶融に要する熱エネルギーと、溶融済み金属塊の保温に要する熱エネルギーの双方を減らすことができ、この相乗効果によってランニングコストを大幅に低下させることができる。
【0056】
また、収容通路31に収容された金属塊は、その先端部分が溶融に供されるため、この金属塊の後端すなわち棒形状に形成されたインゴットBの非溶融部分は収容通路31の封止栓となり、この封止栓によって溶湯と外気(酸素)との遮断がなされる。このように本発明のダイカスト装置1では、燃焼防止用保護ガス等を収容通路31内に導入せずとも溶湯と外気とを遮断できる。よって、例えば、マグネシウム合金といった易燃焼性を有する金属の鋳造も可能になる。
【0057】
なお、上記実施形態は、あくまでも本発明の一実施形態であり、その詳細は、各種仕様に応じて変更可能である。
【0058】
例えば、上記実施形態では、射出装置10と給湯装置30の双方を備えてダイカスト装置1を構成しているが、必ずしもその必要はなく、給湯装置30をユニット化として、例えば、コールドチャンバー機等への適用も可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、給湯通路33に逆止弁34を設けているが、逆止弁34に代え、例えば、以下の構成でも逆止弁34と同様の機能を奏することができる。
本構成では、図10及び図11に示すように、加圧ピストン12の全長をその有効ストローク長(摺動範囲)と略同等の長さにとり、また、加圧ピストン12の圧縮行程に於いて、この加圧ピストン12の側壁にて閉鎖可能な位置に給湯ポート14を設ける。
【0060】
また、その射出動作及び給湯動作について説明すると、射出動作では、上述の如く加圧ピストン12の前進に伴いシリンダ11内の溶湯が金型X内に射出される。またこの時、給湯ポート14は、加圧ピストン12の側壁によって閉ざされた状態にあり、シリンダ11内に溶湯は、給湯通路33側に逆流することなく射出に供される(図11参照)。
【0061】
一方、給湯動作では、加圧ピストン12を後退させることで、給湯ポート14が開口し、給湯通路33内の溶湯は、給湯ポート14の開口と同時にシリンダ11内に給湯される。また、このとき、シリンダ11内の圧力は、加圧ピストン12の後退に伴い低下するため、給湯ポート14の開口時には、この負圧に起因して短時間に溶湯がシリンダ11内に給湯される(図10参照)。
【0062】
なお、上記構成の、より好ましい形態としては、加圧ピストン12が最も後退した位置において、その加圧ピストン12の端面12a近傍に給湯ポート14が臨むように給湯ポート14を形成するとよい。この場合には、加圧ピストン12の後退により、シリンダ11内の圧力が大幅に低下するため、より短時間で給湯が可能となる。
【0063】
また、上記では、射出装置10として、加圧ピストン12及びシリンダ11からなる射出装置10を例示したが、例えば、内部に搬送スクリュー等を備える汎用の射出装置等の起用も可能である。また、この場合には、射出装置に圧力低下が生じないため、必要に応じて金属塊を収容通路31内に送り込むようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、金属塊として収容通路31の全長に対して十分に長い棒形状のインゴットBを採用しているが、例えば、図9に示すように収容通路31の全長に対して短いカートリッジ状のインゴットCを、収容通路31の開口端31a側から順次収容(装填)してもよく、金属塊たるインゴットの形状は、上記実施形態に記載した棒形状に必ずしも限定されるものではない。すなわち、収容通路31内に於いて、未だ溶湯に供されない金属塊が収容通路31の封止栓としの機能を奏すればよく、金属塊の形状や、収容通路31に対する金属塊の収容方法は、各種仕様に応じて変更可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、加圧ピストン12の操作を作業者が行っているが、例えば、油圧ピストン等を加圧ピストン12に連結すると共に、この油圧ピストンを制御装置を介して稼働させることで自動化を図るなどの構成も考えられる。
【0066】
また、上記では、給湯装置30に溶融装置32を内蔵しているが、別途用意したガスバーナ等を収容通路31の先端部分をあぶり、インゴットBを溶融してもよい。また、火炎を熱源とするバーナ装置32aに変えて、電気ヒータや高周波過熱機等の使用も可能である。また、給湯通路33及び射出装置10の周囲にバーナ装置32aの熱を導くことで、給湯通路33及び射出装置10内の溶湯を保温することもできる。
【0067】
また、本実施の形態では、収容通路31を水平に配置しているが、収容通路31の配置方向は所望に応じて種々の方向に変更可能である。また、本実施の形態では、図4に示すように収容通路31の開口端形状並びにインゴットの断面形状を円形としているが、収容通路31の開口端形状並びにインゴットの断面形状は、双方が互いに係合し得る形状であれば、断面四角形等、種々変更可能である。
【0068】
また、上記実施形態では、係止部として、断面T字型の突起15を加圧ピストン12の加圧面に形成しているが、例えば、図8に示すように、加圧ピストン12の端面12a(加圧面)から、加圧ピストン12の摺動方向に対して傾斜した孔19を形成するなどの構成でも係止部12cとしての機能を持たせることができる。
【0069】
また、図11に示すように給湯通路33と収容通路31とを一直線上に配置し、且つ射出装置10から収容通路31の開口端31aにかけての内径を、その経路中において減少することのない通路形状とすれば、作業終了時に於いて給湯通路33及び収容通路31内で固化した溶湯を、収容通路31の開口端31a側に引き出すことが可能となる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、溶融や保温に要する熱エネルギーの消費量が少なく、また、短時間に連続して射出作業が可能であり、さらに溶湯と酸素との接触も抑制し得る給湯機構を備えたダイカスト装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るダイカスト装置の概略構成図。
【図2】本実施の形態に係るダイカスト装置の給湯動作を説明した説明図。
【図3】加圧ピストンの加圧面に形成された係止部の斜視図。
【図4】収容通路に棒形状のインゴットを収容した状態を示す図。
【図5】本実施の形態に係る逆止弁の開弁状態を示す図。
【図6】本実施の形態に係る逆止弁の閉弁状態を示す図。
【図7】加圧ピストンの加圧面に擬似ピストンが係止された状態を示す図。
【図8】係止部に係る他の形状例を示す図。
【図9】カートリッジ状のインゴットを、収容通路内に多数装填した状態を示す図。
【図10】加圧ピストンの摺動により、給湯ポートを開閉可能としたダイカスト装置の給湯動作を説明するための図。
【図11】加圧ピストンの摺動により、給湯ポートを開閉可能としたダイカスト装置の射出動作を説明するための図。
【図12】従来の鋳造装置の代表例であるホットチャンバー機の概略構成図。
【図13】従来の鋳造装置の代表例であるコールドチャンバー機の概略構成図。
【符号の説明】
1 ダイカスト装置
10 射出装置
11 シリンダ
12 加圧ピストン
12a 端面(加圧面)
12b 係止部
12c 溝
13 ノズル
14 給湯ポート
15 突起
18 擬似ピストン
19 孔
30 給湯装置
31 収容通路
31a 開口端
32 溶融装置
32a バーナ装置
32b カバー体
33 給湯通路
34 逆止弁
34a 流路形成部材
34b チェックボール
34c 支持部材
100 ホットチャンバー機
101 溶解炉
102 鋳込みピストン
103 シリンダ
104 給湯ポート
105 金型
200 コールドチャンバー機
201 シリンダ
202 プランジャ
203 給湯ポート
204 柄杓
205 金型
B インゴット(金属塊)
C インゴット
X 金型
X1 注湯口

Claims (10)

  1. 金型に溶湯を射出する射出装置に溶湯を給湯するための給湯装置を備えたダイカスト装置であって、
    前記給湯装置は、前記溶湯になる金属塊の断面形状と同形の開口端形状を有する収容通路と、この収容通路に収容された金属塊の先端を溶融する溶融装置と、前記溶融済みの金属塊を前記射出装置に給湯するための給湯通路と、を備えることを特徴とするダイカスト装置。
  2. 前記収容通路から前記射出装置に至る経路には、前記射出装置の圧力低下によって開成して、前記収容通路から前記射出装置に至る溶湯の流れを許容する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト装置。
  3. 前記射出装置は、加圧ピストンを内部に摺動自在に収容するシリンダを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイカスト装置。
  4. 前記加圧ピストンの加圧面には、温度の低下に起因して固化する溶湯を前記加圧面に係止させるための係止部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のダイカスト装置。
  5. 前記加圧ピストンの加圧面には、この加圧面に開口を有する溶湯導入路が設けられ、
    前記溶湯導入路の少なくとも一部は、前記加圧ピストンの摺動方向に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項4に記載のダイカスト装置。
  6. 前記給湯通路の一端は、前記シリンダの内壁面に開口した給湯ポートに接続され、
    前記給湯ポートは、前記加圧ピストンの圧縮行程に於いて、この加圧ピストンの側壁にて閉鎖される位置に開口していることを特徴とする請求項3から5の何れかに記載のダイカスト装置。
  7. 前記給湯通路と前記収容通路は一直線上に配置され、且つ各通路の内径は、前記給湯通路から前記収容通路の開口端にかけての経路中で減少することのないように設定されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のダイカスト装置。
  8. 金属塊を溶融して射出装置に給湯するための給湯方法であって、
    給湯に供される金属塊を溶融する溶融装置に至る通路の開口端形状を前記金属塊の断面形状と同形に形成し、
    前記射出装置への給湯時には、前記溶融装置に至る通路を通じて前記金属塊を溶融装置に供すると共に、この金属塊の先端を前記溶融装置で溶融して射出装置に給湯することを特徴とする給湯方法。
  9. 前記射出装置に対する給湯時には、この給湯動作と並行して前記金属塊の非溶解部分を前記溶融装置での溶融に供することを特徴とする請求項8に記載の給湯方法。
  10. 前記溶融に供する金属塊の量は、前記給湯動作にて消費された溶湯の消費量に略等しい量とすることを特徴とする請求項9に記載の給湯方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103658596A (zh) * 2013-11-30 2014-03-26 雄邦压铸(南通)有限公司 一种压铸液转运设备
US9233417B2 (en) 2009-11-30 2016-01-12 Oskar Frech Gmbh + Co. Kg Casting unit for a diecasting machine

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