JP2004242813A - 遊技機及び遊技制御方法 - Google Patents

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Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Seiya Hirata
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Abstract

【課題】識別情報が他のものと干渉しあう演出表示を可能としつつ、表示パターンの記憶容量を抑える。
【解決手段】特図ゲームにおいてリーチ状態が成立すると、特別図柄の背景画像を連続して切り換えて表示する。一方で、フレーム画像内に配置されている背景オブジェクトOBの形状に合わせて特別図柄のスプライトSPを変形して、背景オブジェクトOBに上書きし、半透明処理を行って上書きし、或いは、トリミングする等の所定の処理を実行し、特別図柄を背景オブジェクトOBにあわせて加工・編集して表示する。
【選択図】 図26

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシンに係り、特に、識別情報の変動表示を用いて遊技を行う遊技機及び遊技制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、始動入賞口を通過する遊技球の検出(変動実行条件の成立)に伴って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当たり」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当たり」となると、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。この状態を「特定遊技状態」という。
【0004】
遊技者は、この特定遊技状態を得ることを目標として遊技を行う。従って、遊技者の注目は、識別情報の変動表示に集中することになる。
【0005】
この識別情報の変動表示を変化に富んだものとして興趣性を高めるため、識別情報の変動表示を複数の識別情報が連携して変動するように表示することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−224777号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、特許文献1に開示された遊技機では、異なる識別情報を表裏一体に張り合わせて、これを回転などさせながら、立体的に表示することを提案している。
しかし、この変動表示方法では、張り合わされる図柄の組み合わせ毎に表示パターンを用意しなければならず、表示パターンの数が膨大になってしまい、表示パターンを記録するメモリの容量が膨大になってしまう。例えば、図柄の数が12通りとすれば、66(=12=12×11/2)パターンを用意する必要があり、識別符号の数が増加すると、準備しなければならない表示パターンの数も急激に増加する。
【0008】
このため、演出効果を落とすことなく、表示パターンのための記憶容量があまりかからない遊技装置が望まれる。
【0009】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、識別情報が他のものと干渉しあう演出表示を可能としつつ、表示パターンの記憶容量を抑えた遊技装置と遊技制御方法を実現することを目的とする。
また、この発明は、変化にとんだ演出表示を可能としつつ、表示パターンの記憶容量を抑えた遊技装置及び遊技制御方法を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、
所定の始動条件の成立(例えば、遊技球の入賞領域への入賞)により各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)の変動表示を行う変動表示手段(例えば、特図表示部43)と、
遊技の進行を制御すると共に該遊技の進行に応じて前記変動表示手段による前記識別情報の変動表示を制御し、前記識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段(例えば、遊技制御部11と表示制御部13)と、を備える遊技機であって、
前記遊技状態制御手段(例えば、遊技制御部11と表示制御部13のうち表示制御にかかわる部分)は、前記識別情報の変動表示画像を前記識別情報の種類毎に定められたスプライトを用いて生成し(例えば、CPU133の指示によりVDP138がキャラクタ/スプライトROM137から読み出してVRAM138上に展開)、生成した表示画像を前記変動表示手段に表示する制御(VRAM138上の画像データを読み出してLCD140を介して特図表示部43に出力)を行う識別情報表示制御手段(例えば、CPU133とVDP136)と、
前記識別情報の背景画像として、予め定められた複数のフレーム画像を連続して切り換えて前記変動表示手段に表示する制御を行う背景画像表示制御手段(例えば、CPU133から指定された映像データをVDP136で順次読み出してVRAM138に展開)と、を備え、
前記識別情報表示制御手段(例えば、CPU133とVDP136)は、前記背景画像表示制御手段により表示制御される前記フレーム画像に応じた形状に、前記識別情報のスプライトを変形した表示画像を生成し(例えば、CPU133からの指定に従ってVDP136がキャラクタ/スプライトROM137から読み出したスプライトを変形)、前記変動表示手段に表示する制御(VDP136からLCD駆動回路140を介して出力)を行う識別情報変形表示制御手段(例えば、CPU133とVDP136)を備える、
ことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、背景画像の形状の変化に対応して識別情報を変形して表示することが可能となる。例えば、弾性体上に描かれた識別情報(図柄)が他の物体や他の弾性体に衝突したりする演出表示を行う場合に、衝突に伴う弾性体の形状の変化を識別情報の背景画像の形状の変化で表現し、それに対応して識別情報のスプライトの形状を変形することにより、あたかも弾性体でできた識別情報が他の物体や他の識別情報に衝突したような印象を与える演出表示が可能となる。また、背景画像は、複数の識別情報に共通に使用できるので、表示パターンの記憶に要する記憶容量を抑えることができる。
【0012】
複数のフレーム画像は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)基準等の動き補償予測符号化により圧縮された映像データとして記憶される。この構成によれば、動きのある背景画像を効率よく圧縮して、記憶することができる。
【0013】
識別情報変形表示制御手段(例えば、CPU133とVDP136)は、例えば、フレーム画像に応じて、スプライトの縦・横比を変更し、スプライトのサイズを変更し、或いは、スプライトをトリミングする。このような構成によれば、変化にとんだ演出表示を行うことができ、興趣性を向上することができる。
【0014】
前記識別情報変形表示制御手段(例えば、CPU133とVDP136)は、前記識別情報のスプライトを半透明表示する半透明表示手段を含んでもよい。識別情報のスプライトを半透明表示することにより、背景と識別情報とが違和感なく表示される。
【0015】
例えば、前記識別情報変形表示制御手段と前記背景画像表示制御手段と(例えば、CPU133とVDP136)は、複数種類の識別情報のいずれかが所定位置に停止するか否かを演出するために用いられる。このような演出表示を、例えば、識別情報の変動表示の終盤の表示結果が特定表示結果となるか否かというような場面で行うことにより、遊技者に高揚感を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
【0016】
上記目的を達成するため、本願の請求項6に記載の遊技制御方法は、
遊技の進行を制御し、所定の始動条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を制御し、該変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技制御方法であって、
前記識別情報の背景画像として、予め定められた複数のフレーム画像を連続して切り換えて表示する制御を行う背景画像表示制御工程と、
前記識別情報の種類毎に定められたスプライトを前記背景画像表示制御工程により表示制御される前記フレーム画像に応じた形状に変形し、変形して得た画像を用いて前記識別情報の変動表示画像を生成して、前記背景画像と合成して表示する制御を行う識別情報表示制御工程と、
を備える。
【0017】
上記目的を達成するため、本願の請求項7に記載のコンピュータプログラムは、
所定の始動条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行う変動表示手段と、
遊技の進行を制御すると共に該遊技の進行に応じて前記変動表示手段による前記識別情報の変動表示を制御し、前記識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、を備える遊技機の動作のうち、少なくとも、前記識別情報の変動表示を制御又はシミュレートするためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
前記識別情報の背景画像として、予め定められた複数のフレーム画像を連続して切り換えて前記変動表示手段に表示する制御を行う背景画像表示制御手段、
前記識別情報の種類毎に定められたスプライトを前記背景画像表示制御手段により表示制御される前記フレーム画像に応じた形状に変形し、変形して得た画像により前記識別情報の変動表示画像を生成し、生成した変動表示画像を前記変動表示手段に表示する制御を行う識別情報表示制御手段、
として機能させることを可能とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態にかかる遊技機を詳細に説明する。
【0019】
本実施形態における遊技機は、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
【0020】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機で、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、特図ゲームに相当する演出表示を行うことが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0021】
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。
【0022】
遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域のほぼ中央位置には、表示装置4が設けられている。表示装置4の下側には、特別図柄の変動を許容する始動機能を有する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。また、遊技領域内には、通過部材5a〜5dが配置されている。
【0023】
表示装置4には、普通図表示部41と、普通図保留表示部42と、特図表示部43と、特図保留表示部44と、が配置されている。
【0024】
普通図表示部41は、表示装置4の上部に配置され、当たりとハズレを示す普通図柄(図1では、○(丸)と×(ばつ)を表す図柄)の表示素子41aと41bとから構成され、通過部材5a〜5dのいずれかを遊技球が通過することが実行条件となる普通図ゲームにおいて、所定時間交互に表示される(普通図柄の変動表示)。この所定時間は、後述する確変状態(確変フラグがオン)又は時短状態(時短フラグがオン)では、通常状態よりも短く制御される。変動が終了して、最終的に当たりの表示素子41aが表示されると、「普通図当たり」状態となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片6a・6bを開放制御する。
【0025】
普通図保留表示部42は、普通図柄の変動の保留数を表示する。即ち、通過部材5a〜5dのいずれかを遊技球が通過して、普通図柄の変動表示の実行条件が成立しても、従前の普通図ゲームが実行中である等の理由のために、未だ開始条件が成立していない実行条件が発生する場合がある。後述する普通図保留メモリ112(図4)は、この開始条件が成立していない状態を上限値(この実施形態では4)まで記憶する。普通図保留表示部42は、普通図保留メモリ112の記憶数を表示するものである。
【0026】
特図表示部43は、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行(始動)条件となる特図ゲームにおいて、図6(a)〜図7(c)に例示するように、3つの特別図柄431〜433の変動を開始する。特図表示部43は、変動開始から一定時間が経過すると、左特別図柄431、右特別図柄433、中特別図柄432、の順で図柄を確定する。確定された特別図柄431〜433の組み合せが所定の大当り組合せ(例えば、同一図柄のゾロ目)となったときに、この遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)となる。この特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放され、開放している間、遊技盤1の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、受け止めた遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた特定領域(図示しない)を通過する(V入賞)ことを条件として、特別可変入賞球装置7の閉鎖後、再び開放し、この開放サイクルを最高16回繰り返すことができる。
【0027】
普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動は、上限数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留メモリ113(図4)に記憶される。特図保留表示部44は、特図保留メモリ113に記憶されている保留数を表示する。
【0028】
通過部材5a〜5dは、それぞれ、その上端開口から受け入れた遊技球を下側に誘導する通路を備え、通路の途中には通過玉検出器が設けられている。通過玉検出器が通路を通過する遊技球を検出すると、普通図表示部41に表示される普通図柄の変動による普通図ゲームの実行条件が成立する。
【0029】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイドによって垂直(通常)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片6a、6bを有するチューリップ型役物として構成されている。普通可変入賞球装置6内には、入賞した遊技球を検出する入賞玉検出器が配置されている。
【0030】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイドによって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板71を備える。開閉板71は、通常時には閉成し、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づいて特図表示部43による特図ゲームが行われた結果、特定遊技状態(大当り遊技状態ともいう)になった場合に、ソレノイドによって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放(開放サイクル)する状態となるように設定され、その開放している間遊技盤1の表面を落下する遊技球を受け止める。特別可変入賞球装置7に受け止められた遊技球は入賞し、図示せぬ検出部により検出される。そして、受け止めた遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた特定領域(図示しない)を通過する(V入賞)ことを条件として、特別可変入賞球装置7の閉鎖後、再び開放し、この開放サイクルを最高16回繰り返すことができる。入賞球の検出に応答し、後述する遊技制御部11と払出制御部16(図2,図3)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0031】
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、風車21、アウト口22、等が設けられている。また、パチンコ遊技機には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
【0032】
図2は、パチンコ遊技機1の背面図であり、主要基板の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、詳細を後述するように、電源基板(電源部)10と、主制御基板(遊技制御部)11と、図柄制御基板(表示制御部)13と、音声制御基板(音声制御部)14と、ランプ制御基板(ランプ制御部)15と、払出制御基板(払出制御部)16と、外部端子基板(情報出力部)17とを備え、それぞれ適所に配設されている。
【0033】
図3は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)10と、遊技制御部(主制御基板)11と、入出力部12と、表示制御部(図柄制御基板)13と、音声制御部(音声制御基板)14と、ランプ制御部(ランプ制御基板)15と、払出制御部(払出制御基板)16と、情報出力部(外部端子基板)17とを備えている。
【0034】
電源部10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。
【0035】
遊技制御部11は、メイン側の制御基板である主制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、普通図ゲーム及び特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、入出力部12を介して信号の入出力を行う機能、表示制御部13、音声制御部14、ランプ制御部15及び払出制御部16に対し、それぞれ制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能、等を備えている。
【0036】
遊技制御部11は、図4に示すように、プロセッサ111と、普通図保留メモリ112と、特図保留メモリ113と、変動パターンメモリ114と、特図処理選択フラグメモリ115と、確変・時短フラグメモリ116と、大当たりフラグメモリ117と、特図変動時間タイマ118と、を備える。
【0037】
プロセッサ111は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Randam Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、I/O(Input/Output)装置などを備え、外部回路と通信を行いつつ遊技制御に関する様々な処理を実行する。
【0038】
普通図保留メモリ112は、遊技球が通過部材5a〜5dのいずれかを通過して普通図ゲームを実行するための条件である実行条件(変動実行条件)が成立したが、従前の普通図ゲームを実行中である等の理由のために変動を実際に開始するための開始条件(変動開始条件)が成立していない普通図ゲームの保留情報を記憶するためのメモリである。
【0039】
具体的には、普通図保留メモリ112は、第1〜第4の4つのエントリを備え、保留状態にある普通図ゲームの情報を記憶する。第1〜第4の各エントリには、遊技球が通過部材5a〜5dを通過したことによる変動実行条件の成立順に、抽出された乱数値が格納される。乱数値は、当たり(○)とハズレ(×)とを決定するために導出された値である。
【0040】
普通図ゲームが1回終了すると、第1エントリに格納されていた保留情報に基づいて、変動開始条件が成立し、普通図ゲームが実行される。第2〜第4エントリに登録されている保留情報は、1エントリずつ繰り上がる。また、遊技球が通過部材5a〜5dを新たに通過した場合には、乱数値が導出され、最上位の空エントリに登録される。普通図保留メモリ112の内容が更新されると、プロセッサ111は、表示制御部13に、表示制御コマンドを送信し、普通図保留表示部42の表示を更新させる。
【0041】
特図保留メモリ113は、現在実行中の特図ゲームに関する情報と、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特図ゲームを実行するための条件である実行条件(変動実行条件)が成立したが、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために変動を実際に開始するための開始条件(変動開始条件)が成立していない特図ゲームの保留情報を記憶するためのメモリである。
【0042】
具体的には、特図保留メモリ113は、第1〜第4の4個のエントリを備え、保留状態にある特図ゲームの情報を記憶する。第1〜第4の各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞による変動実行条件の成立順に、その入賞により抽出された乱数値が格納される。特図保留メモリ113の内容が更新されると、プロセッサ111は、表示制御部13に、表示制御コマンドを送信し、特図保留表示部44の表示を更新させる。
【0043】
特図ゲームが1回終了すると、第2〜第4エントリに登録されている保留情報が1エントリずつ繰り上がり、新たに第1エントリに登録された保留情報について変動開始条件が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞による乱数値が最上位の空エントリに登録される。
【0044】
変動パターンメモリ114は、図5に示すように、複数の変動パターンの名称と、その内容と、総変動時間(変動時間タイマのカウント値)、左図柄停止時間(変動時間タイマのカウント値)、右図柄停止時間時間(変動時間タイマのカウント値)、後述する背景画像を用いた演出表示(リーチ演出表示)の有無を示すフラグ情報、制御コード(変動パターンを特定するコード)とを対応付けて格納する。
【0045】
図5に示す変動パターンメモリ114に登録されている変動パターンには、例えば、図6(a)に示すように、リーチ演出を行わずに、ハズレの最終図柄を導出する変動パターン(変動パターン1)、図6(b)に示すように、通常の変動パターンと比較して、変動時間が短く設定された変動パターン(短縮変動パターン;変動パターン2)、図6(c)に示すように、通常のリーチ演出を行ってハズレの最終図柄を導出するリーチハズレ変動パターン(変動パターン20)、図7(a)に示すように、通常のリーチ演出を行って当たりの最終図柄を導出するリーチ当たり変動パターン(変動パターン21)、図7(b)に示すように、特徴的なリーチ演出を行ってハズレの最終図柄を導出するリーチハズレ変動パターン(変動パターン30)、図7(c)に示すように、特徴的なリーチ演出を行って最終図柄を導出するリーチ当たり変動パターン(変動パターン31)、等が含まれている。特に、リーチ変動パターンのうち、背景画像を用いた演出表示に「有」が設定されている変動パターンについては、左図柄431、右図柄433が停止した後、中図柄432の停止までのあいだにフレーム映像データを用いた特徴的な演出表示が行われる。
【0046】
図4に示す特図処理選択フラグメモリ115は、図19を参照して後述する特別図柄プロセス処理(特図ゲームを制御する処理)において、どの処理を選択・実行すべきかを示すフラグが設定される。
【0047】
確変・時短フラグメモリ116は、遊技機1の遊技状態が、確変状態(確率変動状態)或いは時短状態に制御されているときに、その旨を示すフラグが設定される。確変状態は、特図ゲームにおいて大当たりとなる確率が通常よりも高く設定されている状態であり、時短状態は、特図ゲームにおける特別図柄431〜433の変動時間が通常よりも短く設定されている状態である。確変状態及び時短状態は、通常の遊技状態よりも、遊技者に有利な遊技状態であり、図6(b)に例示するような変動時間の短い変動パターンが選択される。
【0048】
大当たりフラグメモリ117は、遊技機1の遊技状態が、大当たり状態、即ち、特定遊技状態に制御されているときに、その旨を示すフラグが設定される。特定遊技状態は、特図ゲームにおいて確定された特別図柄431〜433の組み合せが所定の大当り組合せ(例えば、同一図柄のゾロ目)となったときに設定される。特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放され、開放している間、遊技盤1の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、受け止めた遊技球が、特別可変入賞球装置7内に設けられた特定領域(図示しない)を通過すること(V入賞)を条件として、閉鎖後、再び開放し、この開放サイクルを最高16回繰り返すことができる。
【0049】
特図変動時間タイマ118は、特図表示部43上の特別図柄431〜433の変動を開始してからの経過時間をカウントするためのダウンカウンタである。
【0050】
図3の入出力部12は、遊技球の検出や役物の開閉動作を行うためのものであり、センサやソレノイドを備える。センサとしては、通過部材5a〜5dに配置されている通過玉検出器、普通可変入賞球装置6に配置されている入賞玉検出器、等がある。また、ソレノイドとしては、普通可変入賞球装置6の可動翼片6a、6bを傾動位置に可動制御するためのソレノイドや、特別可変入賞球装置7の開閉板71を開成するためのソレノイドがある。
【0051】
表示制御部13は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、表示装置4を制御するためのものであり、普通図ゲームにおける普通図表示部41の制御、特図ゲームにおける特図表示部43の制御、普通図保留表示部42の制御、特図保留表示部44の制御などを行う。
【0052】
図8は、表示制御部13の構成のうち特図表示部43を駆動する部分のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御部13は、サブ側の制御基板である図柄制御基板に設けられた各種回路とコンピュータプログラムとから構成され、遊技制御部11とは独立して特図ゲームにおける画像処理のための表示制御をコンピュータプログラムに従って行うものである。より詳細には、表示制御部13は、動作プログラムと特別図柄のスプライトと背景画像の映像データとを記憶しており、映像データを再生して背景画像を表示し、この背景画像の形状に合わせて識別情報のスプライトの形状を変形し、両者を合成して映像信号を生成し、表示装置4に表示する処理を行う。
【0053】
図8に示すように、表示制御部13は、発振回路131と、リセット回路132と、表示制御用のCPU133と、ROM134と、RAM135と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)136と、キャラクタ/スプライトROM137と、VRAM(Video RAM)138と、映像ROM139と、LCD駆動回路140とを備えている。
【0054】
発振回路131は、CPU133及びVDP136に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路132は、CPU133及びVDP136をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU133は、遊技制御部11から表示制御コマンドを受信するとRAM135を作業領域として用いながらROM134から表示制御を行うための制御データを読み出す。CPU133は、読み出した制御データに基づいてVDP136に描画命令を送る。
【0055】
ROM134は、CPU133によって利用される各種制御プログラム及び制御データ等を格納する半導体メモリである。具体的には、ROM134は、CPU133が後述する表示制御動作を実行するための制御プログラムを格納する。また、ROM134は、図5に示す変動パターンメモリ114に格納されているデータと同様のデータを格納する。さらに、ROM134は、図12を参照して後述する、背景画像上の各背景オブジェクトOBの数、位置、回転角、サイズ、施すべき処理などを特定するためのデータを格納する。
【0056】
RAM135は、CPU133によって作業領域として利用される半導体メモリである。
【0057】
VDP136は、画像表示を行うための表示装置制御機能及び高速描画機能を有し、CPU133からの描画命令に従って動作し、スプライトの変形(縦横比の変更、拡大縮小、トリミング)や移動などの処理を行う機能を有する。また、VDP136は、CPU133とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM138をマッピングしている。
【0058】
キャラクタ/スプライトROM137は、特図表示部43に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等のスプライト(画像)を予め記憶しておくためのものである。スプライトは、例えば、所定サイズのビットマップデータから構成される。
【0059】
VRAM138は、VDP136によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
【0060】
映像ROM139は、図9に示すように、図5に示す変動パターンメモリ114上において、背景画像を用いた演出表示が「有」に設定されている変動パターンについて、特別図柄431〜433の変動の背景画像の映像データを記憶しているメモリである。即ち、映像ROM140は、図7(b)、図7(c)に例示するような、特別図柄が相互に或いは周囲と干渉(接触、衝突等)を起こすような特別図柄のリーチ変動の表示を可能とするために、図10(a)〜(f)に例示するように変化する背景画像の映像データを記憶する。この背景画像は、特別図柄のスプライトが重畳される1又は複数の背景オブジェクトOB(iは自然数)を含んでいる。各背景オブジェクトOBiには、図11(a)、12(a)、13(a)、14(a)に示すように、u軸(水平方向軸)とv軸(上下方向軸)と幅Wと高さTとが割り当てられており、各背景オブジェクトOBの画面(特図表示部43)上の画像は、図15に示すように、画面上に設定されたX−Y座標上の位置(x,y)、X軸・Y軸に対する回転角(傾き角)θ、サイズ(u軸方向のサイズWとv軸方向のサイズT)、形状、等で特定される。
【0061】
前述のROM134には、図16に例示するように、背景画像について、特別図柄の変動の開始(特図ゲームの開始から)からの経過時間毎に、背景オブジェクトの数、画面のx−y平面上の位置(x,y)、各背景オブジェクトのサイズ(u(縦)方向サイズ、v(横)方向サイズ)、形状、画面のx−y軸との交差角度θ、形状、施すべき処理、等が制御データとして登録されている。
【0062】
一方、キャラクタ/スプライトROM137に格納される各スプライトSPにも、図11(b)、12(b)、13(b)、14(b)に例示するように、u軸(水平方向軸)とv軸(上下方向軸)とが割り当てられている。
【0063】
CPU133は、表示すべき特別図柄のスプライトを特定すると共にROM134に格納されている制御データに従って、スプライトの背景オブジェクトの位置、回転角、サイズ、処理等を特定し、VDP136に表示画像の生成を指示する。VDP136は、指示に従って、指示された特別図柄のスプライトを指定されたサイズにサイズを変更(拡大・縮小)し、指示された背景オブジェクトの位置に指定された回転角で、背景オブジェクトOBの画像との間で指定された処理を行って、VRAM138上に展開する。
【0064】
例えば、オブジェクトOBが図11(a)、12(a)、13(a)に示すような状態で、スプライトSPが図11(b)、12(b)、13(b)に示すような状態であり、処理が「上書き」であるとすれば、例えば、図11(c)、12(c)、13(c)に示すように、スプライトSPのサイズをオブジェクトOBのサイズに一致させ、さらに、スプライトの回転角θをオブジェクトの回転角θと一致させて両画像のu軸とv軸とが重なるような形態でスプライトSPをオブジェクトOBに上書きする形態で、VRAM138に展開する。なお、マルチレイヤが使用可能なVDPの場合には、背景画像を下層のレイヤに展開し、スプライトSPを上層のレイヤに展開するようにしてもよい。
【0065】
なお、例えば、処理=上書きについて半透明処理を指定できるようにしてもよい。例えば、透過率n%が指定されているとすれば、スプライトの各画素のR(赤)G(緑)B(青)の輝度をSR、SG,SB、オブジェクトの各画素のRGBの輝度をOR、OG,OB、とすれば、処理された画像の各画素のRGBの輝度IR、IG,IBは、例えば、次式で表される。
IR={(100−n)SR+n・OR}/100
IG={(100−n)SG+n・OG}/100
IB={(100−n)SB+n・OB}/100
【0066】
また、例えば、オブジェクトOBが図14(a)に示すような状態で、スプライトSPが図14(b)に示すような状態であり、処理が「トリミング」であるとすれば、例えば、図14(c)に示すように、スプライトSPのうちオブジェクトOBと重ならない部分をトリミングしてVRM138上に展開する。
なお、図11(c)、12(c)、13(c)、14(c)に示す破線は、理解を容易にするためのものであり、実際の画面には表示されない(表示しても構わない)。また、上述の処理は例示であり、これらに限定されるものではない。
【0067】
映像ROM139に格納される背景画像の映像データは、従来の任意のフォーマットの映像データを使用できる。この実施の形態では、MPEG2形式を採用するものとして、そのデータ構成を図17に示す。
【0068】
図示するように、MPEG−2のビデオストリームはシーケンス、GOP、ピクチャ、スライス、マクロブロック、ブロックの各レイヤごとに、階層的に構成されている。シーケンスとは、一つのビデオプログラム全体の符号化信号を意味する。シーケンスは、シーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終わる。シーケンスヘッダには、画像の大きさを表す情報や一秒間に符号化するフレーム数、通信速度などの情報が含まれる。シーケンスは一つ以上の「GOP」から構成される。 GOP(Group of Picture)は、「GOPヘッダ」、「ピクチャ」(1つ以上)から成り、GOPヘッダには、画像復元時に音声などとの時間あわせを可能とするためのタイムスタンプ情報などが含まれる。
【0069】
ピクチャは、動画像信号を構成する1枚1枚の各画面に相当し、フレーム内符号化され、単独で画像を復号可能なキーフレームであるIピクチャ、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行って画像を復号するための前方予測フレームであるPピクチャ、過去・未来両方のフレームを用いて双方向の動き補償を行う双方向予測フレームであるBピクチャのいずれかから構成される。各ピクチャは、「ピクチャヘッダ」、「スライス」(1つ以上)から成る。ピクチャヘッダには、I、P、Bピクチャを識別するための情報や、各ピクチャの表示順を指定する情報などが含まれる。スライスは、「スライス情報」、「マクロブロック」(1つ以上)から成り、スライス情報には、このスライス内で使われる符号化情報、たとえば量子化特性を表す情報などが含まれる。マクロブロックは、「マクロブロック情報」、「ブロック」(1つ以上)から成り、Y信号4個と、Cr、Cb各1ブロックから構成される。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。ブロックは、Y信号、Cr信号、Cb信号いずれかのDTC係数データから構成されている。
【0070】
一般に、キーフレームの割合が高くなると、画質が向上する反面、動画データの圧縮率が低下し、一方、キーフレームの割合が低下すると、圧縮率が向上する反面、画質が劣化するというトレードオフの関係が成立する。そこで、圧縮率と画質のバランスをとるために、特別図柄の変動速度を、所定速度を基準として低速と高速の2段階に分け、図18に示すように、高速で変動する部分の映像データの前記キーフレームの割合は、識別情報が低速で動作する部分の映像データのキーフレームの割合よりも高くなるように構成されている。なお、段階数は3以上でもよい。この場合は、ある高速で変動する部分の映像データの前記キーフレームの割合は、それよりも低速で動作する部分の映像データのキーフレームの割合よりも高くなるように構成される。
【0071】
なお、映像自体は、実写による映像でも、CG(コンピュータグラフィック)による映像でもかまわない。
【0072】
図8に示すLCD駆動回路140は、VDP136から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、特図表示部43に出力する。
【0073】
表示制御部13は、以上の構成により、遊技制御部11から、最終停止図柄と選択された変動パターンを指定する情報等を含む変動開始コマンドを受信すると、指定された変動パターンに従って特別図柄431〜433を変動させ、左図柄、右図柄、中図柄の順で、指定された最終停止図柄で図柄の変動を停止して最終停止図柄を確定する。
【0074】
図4の音声制御部14、ランプ制御部15は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、音声出力制御、ランプ表示制御を、それぞれ遊技制御部11とは独立して実行するサブ側の制御部である。
【0075】
図4の払出制御部16は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を行うものである。即ち、入出力部12が普通可変入賞球装置6或いは特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞を検出すると、入出力部12は、これを検出し遊技制御部11に通知する。遊技制御部11は、この通知に応答して、払出制御部16に賞球の払出を指示する。払出制御部16は、この指示に応答して、所定数の賞球を遊技者に払い出す。情報出力部17は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0076】
ここで、普通図表示部41及び特図表示部43上に表示される表示図柄の変動態様、最終表示図柄等は、遊技制御部11から出力される制御コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、表示制御部13、音声制御部14及びランプ制御部15は、制御コマンドを受け取ったタイミングから、表示装置4上における表示図柄の変動、スピーカ8L、8Rからの音声出力及びランプ9の明滅表示が連動して行われるように制御を行っている。
【0077】
次に、本実施例のパチンコ遊技機の動作(作用)を説明する。まず、本実施例のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。
【0078】
パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技領域中に遊技球が発射される。遊技制御部11のプロセッサ111は、入出力部12内の通過玉検出器や入賞玉検出器等の入力の有無を監視しており、遊技球が通過部材5a〜5dに形成された通路を通過すると、乱数値を求め、この乱数値を図4に示す普通図保留メモリ112の空きエントリの先頭に登録する。
【0079】
遊技制御部11は、普通図保留メモリ112に保管されている乱数値を、先頭エントリから読み出し、読み出した乱数値に基づいて、普通図の最終的な表示図柄を当たり図柄(○図柄)とするか、ハズレ図柄(×図柄)とするかを決定する。
【0080】
遊技制御部11は表示制御部13へ、普通図表示部41の変動表示を指令する表示制御コマンドを送信する。この表示制御コマンドに従って、表示制御部13は、普通図表示部41を制御し、当たり図柄とハズレ図柄とを交互に点灯させる変動表示処理を一定期間だけ行い、最終的な図柄を表示するという普通図ゲームを実行する。普通図柄を一定期間変動させ、最終表示図柄が当たり図柄であれば、普通可変入賞球装置6の可動翼片6a・6bを傾動させて、拡大開放させ、遊技球を入賞し易くする。普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞すれば、賞球が払い出されると共に特図ゲームの実行条件が成立する。
【0081】
遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞した場合(可動翼片6a・6bが垂直状態でも、傾動状態でもよい)、入賞玉検出器により遊技球の入賞が検出される。すると、遊技制御部11は、入出力部12を介してその旨の通知を受け、乱数値を発生し、得られた乱数値を図4に示す特図保留メモリ113の空きエントリの先頭に保留情報として記憶する。
【0082】
遊技制御部11は、特図保留メモリ113の第1エントリに記憶されている保留情報を読み出して、読み出した保留情報に対応する特図ゲームを実行する。即ち、特図保留メモリ113の第1エントリに設定されている乱数値から、大当たとするかハズレとするかを決定する。さらに、大当たりとするかハズレとするかの別に応じて、特別図柄の表示結果(最終停止図柄)の組み合わせを決定する。
【0083】
遊技制御部11は、図5に示す変動パターンメモリ114に格納されている複数の変動パターンのうちから状況に応じたものを選択し、その制御コードを取得する。遊技制御部11は表示制御部13へ、特図ゲームの開始と最終停止図柄と変動パターンとを指定する制御コードとを指示する変動開始コマンドを送信する。遊技制御部11は変動開始コマンド送信後の経過時間を計測し、総変動時間が経過すると、確定コマンドを送信する。
【0084】
表示制御部13は、遊技制御部11から供給される変動開始コマンドに応じて、表示装置4を制御することにより、特図表示部43に表示する特別図柄の変動(可変)表示を制御して表示結果を導出する。
【0085】
表示制御部13は、変動開始コマンドにより指定された変動パターンのタイムスケジュールに従って、映像を適宜切り替えて、特図表示部43に表示される3つの特別図柄431〜433を変動させる。
【0086】
表示制御部13は、遊技制御部11より確定コマンドを受信すると、最終的な図柄を確定する。最終停止図柄が、図7(a)、(c)に例示するような大当り図柄(3つの特別図柄431〜433の図柄が揃った状態)であれば、遊技機1は大当り状態(特定遊技状態)となり、特別可変入賞球装置7の開閉板71が一定時間又は一定数の遊技球が入賞するまで開成し、V入賞を条件に開閉を一定サイクル繰り返す。一方、最終停止図柄が、図6(a)〜(c)、図7(b)に例示するようなハズレ図柄であれば、特別可変入賞球装置7の開閉板71の開成等は行わない。
【0087】
遊技者は、このようにして普通図ゲーム及び特図ゲームを行いながら、普通可変入賞球装置6又は特別可変入賞球装置7に遊技球を入賞させ、払出制御部16により払い出される賞球を獲得する。
【0088】
以下、遊技制御部11が実行する特図ゲームの処理を図19〜図27を参照して説明する。
【0089】
遊技制御部11は、例えば、2m秒毎のタイマ割り込み等で、図19のフローチャートに示す特別図柄プロセス処理を開始する。
【0090】
遊技制御部11は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、入賞玉検出器の出力をチェックすることにより検出する(ステップS111)。遊技球が入賞した場合(ステップS111;Yes)、入賞処理を実行し(ステップS112)、遊技球が入賞していない場合(ステップS111;No)、入賞処理(ステップS112)をスキップする。
【0091】
ステップS112の入賞処理においては、図20に示すように、特図保留メモリ113の保留数が上限値の4以上であるか否かを判別する(ステップS201)。保留数が4以上であれば、今回の入賞による特図ゲームの始動は無効として特に何も行わず、一方、保留数が上限値の4未満である場合には、乱数プログラムを起動して乱数値を抽出する(ステップS202)。次に、抽出した乱数値を特図保留メモリ113の空エントリの先頭にセットする(ステップS203)。
【0092】
次に、遊技制御部11は、特図処理選択フラグメモリ115に格納されている特図処理選択フラグの値に基づいて、図19に示すステップS100〜107の8つの処理のうちのいずれかを選択する。
【0093】
ステップS100の特別図柄通常処理は、特図処理選択フラグメモリ115にセットされている特図処理選択フラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、遊技制御部11は、特図保留メモリ113に保留情報が格納されているか否かを判別し、格納されているときに、第2〜第4エントリの各保留情報を1エントリずつ上位にシフトし、新たに第1エントリに格納された乱数値を読み出し、特図処理選択フラグの値を「1」に更新する。
【0094】
ステップS101の特別図柄停止図柄設定処理は、特図処理選択フラグの値が「1」の場合に実行され、特図ゲームの表示結果を事前決定する処理である。この処理において、遊技制御部11は、特図保留メモリ113の第1エントリに保持されている乱数値を用いて、表示結果を決定(事前決定)する。具体的には、図21に示すように、その時点での遊技状態(確変・時短フラグメモリ116の内容で特定される確変状態、時短状態等)に応じた抽選テーブルを選択し(ステップS301)、ステップS100で特図保留メモリ113の第1エントリから読み出した乱数値を選択した抽選テーブルに適用して、大当たりか否かを事前(特図ゲームが開始する前に)判定する(ステップS302)。
【0095】
大当たりの場合には(ステップS303;Yes)、さらに、乱数値を抽出して、大当たりの表示結果(最終停止図柄)を決定する(ステップS304)。一方、ハズレの場合には(ステップS303;No)、乱数を抽出する等して、各図柄の表示結果を決定する(ステップS305)。その後、特図処理選択フラグの値を「2」に更新する(ステップS306)。
【0096】
ステップS102の変動パターン設定処理は、特図処理選択フラグの値が「2」の場合に実行される処理である。この処理において、遊技制御部11は、特図ゲームを行う際に使用する変動パターンを、図5に示す変動パターンメモリ114に格納されている変動パターンのうちから選択する。
【0097】
この変動パターン設定処理において、図22に示すように、遊技制御部11は、確変・時短フラグメモリ116に確変フラグ又は時短フラグが設定されているか否か、即ち、普通図ゲーム及び特図ゲームにおける変動時間を通常よりも短くする時短制御処理が有効状態にされているか否かを判別する(ステップS401)。確変フラグ又は時短フラグがオン(ステップS401;Yes)の場合には、時短用の変動パターンのうちで、且つ、ステップS101で設定した当たりかハズレを導出可能なもののうちから1つを、例えば乱数を発生させる等して選択する(ステップS402)。
【0098】
一方、確変フラグと時短フラグとが共にオフの状態にあるときには(ステップS401;No)、通常の変動パターンのうちで、且つ、ステップS101で設定した最終停止図柄を導出可能なもののうちか1つを、例えば乱数を発生させる等して選択する(ステップS403)。
【0099】
続いて、特図変動時間タイマ118に、選択した変動パターンに割り当てられている総変動時間に相当するカウント値を設定する(ステップS404)。
【0100】
続いて、特図ゲームの開始と最終停止図柄と変動パターンとを指定する制御コードとを指示する変動開始コマンドとを、表示制御部13に送信する(ステップS405)。続いて、特図処理選択フラグの値を「3」に更新する(ステップS406)。
【0101】
ステップS405で送信した変動開始コマンドは、表示制御部13に受信される。表示制御部13は、変動開始コマンドに含まれている情報から、変動表示に使用する変動パターンを特定し、この変動パターンのタイムスケジュールに沿って、特図表示部43に表示している特別図柄431〜434を変動させる変動表示処理を行う。
【0102】
この変動表示処理を図23と図24を参照して説明する。
【0103】
表示制御部13のCPU133は、変動開始コマンドに応答して、ROM134に格納されている情報から変動パターンを特定し、特定した変動パターンに対応する態様で特別図柄を変動させる。具体的には、例えば、発振回路131の基準クロックをカウントして、一定期間を計測する度に、特別図柄のスプライトの展開位置を特定された変動パターンに応じて求め、VDP136に指示する。VDP136は、表示画面に対応した二次元アドレス空間上の指示された位置に指示された特別図柄のスプライトを展開し、得られた画像の画像データをLCD駆動回路140に出力する。このような動作を繰り返すことにより、特図表示部43には、図6(a)〜7(c)に例示するように、停止状態からいっせいに変動を開始し、徐々に変動速度を増加させ、やがて一定速度で変動する特別図柄431〜433を表示させる。
【0104】
CPU133は、特別図柄の変動開始からの時間をカウントしており、選択された変動パターンについて変動パターンテーブル上で予め定められている左図柄停止時間が経過すると、CPU133は、左図柄431を予め定められている図柄で停止させ、以後、中図柄432と右図柄433について、変動表示の処理を行う。
【0105】
さらに、選択された変動パターンについて予め定められている右図柄停止期間が経過すると、CPU133は、右図柄433を予め定められている図柄で停止させ、以後、中図柄432について、変動表示の処理を行う。なお、ステップS501〜S503の動作は、基本的に従来の特別図柄の変動表示の処理と同様である。
【0106】
続いて、CPU133は、選択された変動パターンについて、何らかの演出表示を行うことが設定されているか否かを、図示せぬ制御データなどに基づいて、判別する(ステップS504)。ステップS504で、演出表示を行わないと判別されたとき(ステップS504:No)には、予め定められている総変動時間が経過した時点で、中図柄432を予め定められている停止図柄で仮停止させる(ステップS505)。続いて、遊技制御部11から表示確定コマンドを受信した時点で3つの特別図柄431〜433の最終停止図柄を確定する(ステップ509)。
【0107】
一方、ステップS504で、何らかの演出表示を行うと判別された場合(ステップS504:Yes)には、映像ROM139に格納された背景映像を用いた演出表示を行うか否か、選択された変動パターンに背景画像を用いた演出表示の有無を示すフラグを参照することにより判別する(ステップS506)。
【0108】
背景映像を用いた演出表示を行わないと判別したとき(ステップS506;No)には、所定の演出処理を行って(ステップS508)、前述のステップ509に進む。
【0109】
一方、背景映像を用いた演出表示を行うと判別したとき(ステップS506;Yes)には、図11〜図14を参照して前述したように、背景画像内の背景オブジェクトOBと特別図柄のスプライトSPとを合成する処理を行って、中図柄432を特図表示部43上で変動させる処理を行って(ステップS507)、その処理の終了後、前述のステップ509に進む。
【0110】
次に、ステップS507で、表示制御部13が実行する処理について、図24を参照してより詳細に説明する。
まず、CPU133は、図24(a)に示す処理を開始し、背景画像を用いた演出表示をVDP136に指示する(ステップS601)。
【0111】
次に、左図柄431と右図柄433を画面の左上の位置に移動かつ縮小して表示することを指示する(左図柄と右図柄の展開位置として、画面の左上の位置を特定し、且つ、スプライトの縮小率を特定する)(ステップS602)。
【0112】
続いて、映像ROM139に格納されている映像データのうちで、何れの映像を使用するかを、変動パターン番号から特定し、VDP136に通知する(ステップS603)。
【0113】
CPU133は、表示する1又は複数の特別図柄のスプライトを指定する。また、CPU133は、選択した映像について、ROM134に格納されている制御データを読み出し、変動時間t、tn+1、tn+2....が経過したことを検出する度に、背景オブジェクトOBの数とそれらの位置(x,y)、回転角θ、サイズ(W,T)、実行すべき処理を判別して、VDP136に通知する(ステップS604)。
【0114】
CPU133は、背景画像を用いた演出処理が終了したか否かを判別し(ステップS605)、終了していなければ(ステップS605;No)、ステップS604にリターンし、特別図柄のスプライトを指定すると共に制御データに基づいて次の指示タイミングで、各スプライトの位置、回転角θ、サイズなどを特定して、VDP136に指定する。
【0115】
一方、ステップS605で、背景画像を用いた演出処理が終了したと判別すると(ステップS605;Yes)、特別図柄の仮停止確定コマンドをVDP136に指示する(ステップS606)。
【0116】
一方、VDP136は、CPU133からの背景画像を用いた演出表示の指示(ステップS601)に応答し、図24(b)に示す背景画像を用いた演出表示の処理を開始する。まず、CPU133がステップS602で発行した指示に従って、それまでキャラクタ/スプライトROM137から読み出して表示していた左図柄431と右図柄のスプライト433を縮小し、指示された位置(画面の左上の位置)に移動する(ステップS701)。
【0117】
続いて、VDP136は、CPU133から指定された映像データを映像ROM139から順次読み出し、VRAM138上に順次切り換えながら(更新しながら)展開する。これにより、動きのある背景画像が表示可能となる。なお、この映像データは、例えば、図17に示すような動き補償予測符号化により圧縮されたフレーム構造を有しており、VDP136は、必要に応じて前後のフレームを参照しつつ映像データをVRAM138上に例えばビットマップパターンで順次展開する。
【0118】
続いて、VDP136は、CPU133から指示された特別図柄のスプライトSPを、キャラクタ/スプライトROM137から読み出して(或いは、先に読み出してあったものをシフトして)指定された位置に、指定された回転角θで、指定されたサイズに拡大縮小して展開し、これと背景画像との合成処理を行って、表示対象の画像データを生成する(ステップS703)。例えば、図11(a)に示すような背景オブジェクトOBが配置され、これに図11(b)に示すスプライトSPの上書きが指定されている場合には、VDP136は、図11(c)に示すような画像を合成する。
【0119】
また、例えば、図12(a)に示すような背景オブジェクトOBが配置され、これに図12(b)に示すスプライトSPの上書きが指定されている場合には、VDP136は、図12(c)に示すように、スプライトSPの回転角をθとして画像を合成する。
【0120】
また、例えば、図13(a)に示すような背景オブジェクトOBが配置され、これに図13(b)に示すスプライトSPの上書きが指定されている場合には、VDP136は、図13(c)に示すように、スプライトSPのサイズを背景オブジェクトOBのサイズにあわせて変更した上で、両画像を合成する。
【0121】
また、例えば、図14(a)に示すような背景オブジェクトOBが配置され、これに図14(b)に示すスプライトSPが指定され、さらに、処理として「トリミング」が指定されている場合には、VDP136は、図14(c)に示すように、スプライトSPの画像のうち、背景オブジェクトOBと重なる部分の画像だけを展開し、他の部分はトリミングする。
【0122】
VDP136は、CPU133から、図柄仮確定コマンドを受信するまで、背景画像データを映像ROM139から順次読み出して展開し、さらに、CPU133からスプライトの位置・サイズ・処理などを指定されるたびにこれを展開して合成する処理を繰り返す。
【0123】
この処理により、背景画像内の背景オブジェクトOBの位置、向き、形状やサイズの変化に応じて中図柄432が変化する演出表示が可能とななる。
【0124】
VDP136は、CPU133がステップS606で発行した図柄仮確定コマンドを受信すると、左、中、右の3つの特別図柄431〜433を仮に確定して示して、表示確定処理(図23、ステップS509)の実行を待つ(ステップS705)。
【0125】
最後に、図23のステップS509の表示確定処理において、CPU133は、遊技制御部11からの確定コマンドに従って、VDP136に指示し、特別図柄を確定表示させる。
【0126】
上述の動作を、図10に示した背景画像を例に説明する。
例えば、左図柄が7で停止し(図23;ステップS502)、右図柄が7で停止し(ステップS503)て図25(a)に示すようになリーチ状態となった後、ステップS504で演出ありと判別され、さらにステップS506で背景画像を使用した演出表示「有」とと判別されたとする。
【0127】
すると、CPU133は、背景画像を用いた演出表示をVDP136に指示する(ステップS601)。これにより、VDP136は、図24(b)に示す処理を開始する。
【0128】
一方、CPU133は、左図柄431と右図柄433を特図表示部43の左上の位置に移動かつ縮小して表示することを指示する。VDP136は、この指示に応答して、左図柄の「7」と右図柄の「7」とを画面の左上の位置に移動させる(ステップS602)。
CPU133は、映像ROM139に格納されている映像データのうちで、図10に示す変動パターンを特定してVDP136に通知する(ステップS604)。VDP136は、この指示に応答して、図10に示す変動パターン30用の背景画像を順次読み出し、VRAM138に展開する。
【0129】
また、CPU133は、ROM134に格納されている、図16に示すような制御データを読み出し、変動開始から時間t、tn+1、tn+2....が経過する度に、背景オブジェクトの数、各背景オブジェクトの位置、回転角、サイズ、実行すべき処理を判別し、それに基づいて、背景オブジェクトに合成すべき特別図柄「7」と「3」のスプライト、各スプライトの位置、回転角θ、サイズなどを特定して、VDP136に指定する(ステップS604)。図10の例では、2つの背景オブジェクトOB1とOB2の、位置、回転角(向き)、サイズ、を判別し、さらに、2つの背景オブジェクトに重ねる特別図柄のスプライトを指定する。VDP136は、指示に従って背景オブジェクトOBとスプライトSPとを合成する(ステップS703)。
【0130】
理解を容易にするため、背景オブジェクトの回転角θを全て0とし、処理の内容を「上書き」とすると、VDP136は、背景オブジェクトOB1とOB2の形状にあわせてスプライトの形状(縦横)を修正して、背景オブジェクトに上書きする。この結果、表示画像は、図25(b)〜(g)に示すようになる。
最後に、中図柄が7で確定すると、図25(g)に示すように、いったん全図柄の表示を揃え、次の大当たりの処理に移る。
【0131】
上述の処理における背景オブジェクトOBの変化と、背景オブジェクトOBとスプライトSPの合成画像の変化の例を図26(a)と図26(b)とに示す。この例に示すように、背景オブジェクトを適切に形成することにより、例えば、特別図柄が描かれた弾性円が壁面や他の弾性体と衝突・変形するような印象の画像を表示することができる。しかも、1つの背景画像を複数のスプライトに共通に使用できる。
【0132】
表示制御部13が、図23〜図26を参照して説明した処理(特別図柄の変動表示処理)を行っている間、遊技制御部11は、図19のステップS103の特別図柄変動処理を繰り返して実行する。なお、この処理は、特図処理選択フラグの値が「3」の場合に実行される処理である。この処理では、図27に示すように、遊技制御部11は、特図変動時間タイマ118のカウント値を1だけ減算する(ステップS801)。続いて、特図変動時間タイマ118の値が0であるか否か、すなわち、特別図柄を設定された変動時間だけ変動させたか否かが判別される(ステップS802)。
【0133】
特図変動時間タイマ=0と判別された場合(ステップS802;Yes)には、1回の特図ゲームが丁度終了したタイミングであり、遊技制御部11は、特図処理選択フラグを「4」とする(ステップS803)。
【0134】
一方、ステップS802で特図変動時間タイマ118=0ではないと判断されたとき(ステップS802;No)には、今回の割り込み処理を終了する。
【0135】
図19のステップS104の特別図柄停止処理は、特図処理選択フラグの値が「4」の場合に実行される処理である。この処理において、遊技制御部11は、表示制御部13に、確定コマンドを送信する。また、特図ゲームの終了に同期して、動作する必要のある各部に特図ゲームの終了を通知する。さらに、遊技制御部11は、最終停止図柄が当たりに相当する場合には、大当たりフラグメモリ117に大当たりフラグを設定し、特図処理選択フラグを「5」に更新し、ハズレに相当する場合には、特図処理選択フラグを「0」に更新する。
【0136】
表示制御部13のCPU133は、ステップS104の特別図柄停止処理において送出された確定コマンドを受信すると、図23のステップS509の表示確定処理を行う。
【0137】
図19のステップS105の大入賞口開放前処理は、特図処理選択フラグの値が「5」の場合に実行される処理である。この処理において、遊技制御部11は、大入賞口7を開放する前の演出を行うための処理、例えば、第1回目の開放前や開放処理間のインターバル演出等の処理を行う。大入賞口7を開放するタイミングになると、特図処理選択フラグの値を「6」に更新する。
【0138】
ステップS106の大入賞口開放中処理は、特図処理選択フラグの値が「6」の場合に実行される処理である。この処理では、遊技制御部11は、開放された大入賞口7への遊技球の入賞処理、開放時間の計測処理、表示制御部13を介した表示制御等を行う。遊技制御部11は、入賞球数が所定数に達するか開放時間が所定時間に達すると、特図処理選択フラグの値を更新する。遊技制御部11は、1回の大当たりについて、特別可変入賞球装置7の開放回数をカウントしており、特図処理選択フラグを更新する際に、開放回数が16回に達していれば、大当たり状態を終了する条件が成立したとして特図処理選択フラグの値を「7」とし、開放回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、特定領域への遊技球の通過があったか否か(V入賞の有無)を判別し、通過があったなら、特図処理選択フラグを「5」に、無しなら「7」とする。これにより、大当たり状態にあっては、特別可変入賞球装置7の開閉が最大16回繰り返されることになる。
【0139】
図19のステップS107の大当たり終了処理は、特図処理選択フラグの値が「7」の場合に実行される処理であり、遊技制御部11は、大当たり状態を終了させる処理を行い、特図処理選択フラグの値を「0」とする。
【0140】
以上説明したように、この実施の形態によれば、背景画像内の背景オブジェクトの形状にあわせて特別図柄の形状を変形して表示する。従って、例えば、図25に示すように、あたかも弾性体でできた特別図柄(識別情報)が他の物体や他の識別情報に衝突したような印象を与える演出表示が可能となる。また、背景画像は、複数の識別情報に共通に使用できるので、表示パターンの記憶に要する記憶容量を抑えることができる。
【0141】
また、背景画像の映像データを構成するフレーム画像は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)基準等の動き補償予測符号化により圧縮された映像データとして記憶される。この構成によれば、動きのある背景画像を効率よく圧縮して、記憶することができる。
【0142】
さらに、特別図柄を半透明処理することにより、特別図柄431〜433と背景オブジェクトOBとを違和感なく表示することができる。
【0143】
さらに、このような演出表示を、特別図柄(識別情報)の変動表示の終盤の表示結果が特定表示結果となるか否かというような場面で行うので、遊技者に高揚感を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
【0144】
さらに、映像データは、図18に示したように、特別図柄が高速で変動する部分の映像データのIピクチャの割合は、特別図柄が低速で動作する部分の映像データのIピクチャの割合よりも高くなるように構成されている。逆に、特別図柄が高速で変動する部分の映像データのBピクチャの割合は、特別図柄が低速で動作する部分の映像データのIBクチャの割合よりも低くなるように構成されている。一般に、Iピクチャの割合が高くなると、画質が向上する反面、圧縮率が低下し、一方、Iピクチャの割合が低下すると、圧縮率が向上する反面、画質が劣化する。この実施例にでは、特別図柄の高速変動時にはIピクチャの割合を高くして画質の劣化を抑え、一方、低速変動時にはIピクチャの割合を低くして、圧縮率を高めることができ、トレードオフの関係にある圧縮率と画質とのバランスを取ることができる。
【0145】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0146】
例えば、上記実施の形態では、特図ゲームにおけるリーチ状態が成立した後の演出表示に、この発明の表示手法を使用したが、特別図柄の変動開始と同時に、或いは左図柄が停止した後に、この発明の表示手法を使用してもよい。
さらに、いわゆるリーチ予告、大当たり予告などの任意の演出表示の場面でこの発明の表示手法を使用可能である。
【0147】
上記実施の形態においては、CPU133が、制御データを処理し、VDP136にコマンドを出力したが、例えば、VDP136が制御データを内部ROMなどに記憶しておき、CPU133はスプライトの種類(特別図柄)を特定するだけで、スプライトの位置、回転角、サイズ、処理などの判別から実際の処理までをVDP136が実行するようにしてもよい。
【0148】
上記実施の形態において示した数値は一例であり、任意に変更可能である。例えば、上述の例では、特図保留メモリ113の保留数の上限値を4としたが、保留数の上限値は任意である。また、特図ゲームにおいて変動中の図柄を停止する順番も任意である。
【0149】
普通図ゲームや特図ゲームの実行条件を成立させる方法も上記実施の形態に限定されない。例えば、特定の入賞口への遊技球の入賞を普通図ゲームの実行条件としたり、特定のゲートの遊技球の通過や特定の非可変型の入賞口への遊技球の入賞を特図ゲームの実行条件としてもよい。
【0150】
なお、図1及び図2に示した装置構成、図3及び図4に示すブロック構成や、図6、図7、図10に示した変動パターン、図19〜図24、図27に示すフローチャートの構成は任意に変更及び修正が可能である。
【0151】
また、上述した実施の形態では、パチンコ遊技機を用いてこの発明を説明したが、パチンコ遊技機に限られず、可変表示装置と画像表示装置とを別個に備えたスロット機等の他の遊技機においても、本発明を適用することができる。
【0152】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0153】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0155】
請求項1に記載の遊技機によれば、背景画像の形状の変化に対応して識別情報を変形して表示することが可能となる。例えば、識別情報の形状の変化を背景画像の形状の変化で表現し、それに対応して識別情報のスプライトの形状を変形することにより、任意の識別情報を背景画像の形状に応じて変形して表示することができる。また、背景画像は、複数の識別情報に共通に使用できるので、表示パターンの記憶に要する記憶容量を抑えることができる。
【0156】
請求項2の構成によれば、フレーム画像が動き補償予測符号化により圧縮された映像データとして記憶される。従って、動きのある背景画像を効率よく圧縮して、記憶することができる。
【0157】
請求項3の構成においては、フレーム画像の形状に従って、スプライトの縦・横比を変更し、スプライトのサイズを変更し、或いは、スプライトをトリミングすることが可能となる。このような構成によれば、変化にとんだ演出表示を行うことができ、興趣性を向上することができる。
【0158】
請求項4の構成においては、前記識別情報のスプライトを半透明表示することが可能となる。識別情報のスプライトを半透明表示することにより、背景と識別情報とが違和感なく表示される。
【0159】
請求項5の構成においては、前記識別情報変形表示制御手段と前記背景画像表示制御手段とは、複数の識別情報のいずれかが所定位置に停止するか否かを演出するために用いられ、遊技者に高揚感を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
【0160】
請求項6に記載の遊技制御方法によれば、背景画像の形状の変化に対応して識別情報を変形して表示することが可能となる。従って、予定している識別情報の形状の変化を背景画像の形状の変化で表現し、それに対応して識別情報のスプライトの形状を変形することにより、任意の識別情報に任意の形状で表示することができる。
【0161】
請求項7に記載のコンピュータプログラムによれば、背景画像の形状の変化に対応して識別情報を変形して表示することが可能となる。従って、予定している識別情報の形状の変化を背景画像の形状の変化で表現し、それに対応して識別情報のスプライトの形状を変形することにより、任意の識別情報に任意の形状で表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】遊技制御基板の基本構成を示す図である。
【図5】図4の変動パターンメモリの構成例を示す図である。
【図6】特図ゲームにおける変動パターンの例を示す図である。
【図7】特図ゲームにおける変動パターンの例を示す図である。
【図8】表示制御部の構成例を示す図である。
【図9】図8の映像ROMに格納される映像データの例を示す図である。
【図10】背景画像の例を示す図である。
【図11】(a)は背景オブジェクトの例を、(b)はスプライトの例を、(c)は合成結果の例を示す図である。
【図12】(a)は背景オブジェクトの例を、(b)はスプライトの例を、(c)は合成結果の例を示す図である。
【図13】(a)は背景オブジェクトの例を、(b)はスプライトの例を、(c)は合成結果の例を示す図である。
【図14】(a)は背景オブジェクトの例を、(b)はスプライトの例を、(c)は合成結果の例を示す図である。
【図15】表示画面と背景オブジェクトとスプライトとの関係を説明するための図である。
【図16】ROM134に格納される制御データの例を示す図である。
【図17】映像データの構成例を示す図である。
【図18】映像データの構成例を示す図である。
【図19】遊技制御基板による特図ゲームの制御を中心とする処理例を示すフローチャートである。
【図20】図19における入賞処理の詳細を示すフローチャートである。
【図21】図19における特別図柄停止図柄設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図22】図19における変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図23】表示制御部が実行する特別図柄の変動表示処理の概略を示すフローチャートである。
【図24】特別図柄変動表示処理のうち、ステップS507の背景画像使用表示制御処理の詳細処理を示すフローチャートであり、(a)は、CPUが実行する処理を、(b)はVDPが実行する処理を示す。
【図25】図10に示す背景画像を用いたリーチ演出処理の例を示す図である。
【図26】背景オブジェクトと、背景オブジェクトとスプライトの合成画像の変化の様子を示す図である。
【図27】図19における特別図柄変動処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4 … 表示装置(特別図柄表示装置)
5a〜5d … 通過部材
6 … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … ランプ
10 … 電源部(電源基板)
11 … 遊技制御部(主制御基板)
12 … 入出力部
13 … 表示制御部(図柄制御基板)
14 … 音声制御部(音声制御基板)
15 … ランプ制御部(ランプ制御基板)
16 … 払出制御部(払出制御基板)
17 … 情報出力部(外部端子基板)
21 … 風車
22 … アウト口
41 … 普通図表示部
42 … 普通図保留表示部
43 … 特図表示部
44 … 特図保留表示部
71 … 開閉板
111 … プロセッサ
112 … 普通図保留メモリ
113 … 特図保留メモリ
114 … 変動パターンメモリ
115 … 特図処理選択フラグメモリ
116 … 確変・時短フラグメモリ
117 … 大当たりフラグメモリ
118 … 特図変動時間タイマ
131 … 発振回路
132 … リセット回路
133 … CPU
134 … ROM
135 … RAM
136 … VDP
137 … キャラクタ/スプライトROM
138 … VRAM
139 … 映像ROM
140 … LCD駆動回路

Claims (7)

  1. 所定の始動条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行う変動表示手段と、
    遊技の進行を制御すると共に該遊技の進行に応じて前記変動表示手段による前記識別情報の変動表示を制御し、前記識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、を備える遊技機であって、
    前記遊技状態制御手段は、前記識別情報の変動表示画像を前記識別情報の種類毎に定められたスプライトを用いて生成し、生成した表示画像を前記変動表示手段に表示する制御を行う識別情報表示制御手段と、
    前記識別情報の背景画像として、予め定められた複数のフレーム画像を連続して切り換えて前記変動表示手段に表示する制御を行う背景画像表示制御手段と、を備え、
    前記識別情報表示制御手段は、前記背景画像表示制御手段により表示制御される前記フレーム画像に応じた形状に、前記識別情報のスプライトを変形した表示画像を生成し、前記変動表示手段に表示する制御を行う識別情報変形表示制御手段を備える、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記複数のフレーム画像は、動き補償予測符号化により圧縮された映像データとして記憶されている、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記識別情報変形表示制御手段は、前記フレーム画像に応じて、前記スプライトの縦・横比を変更する手段と、前記スプライトのサイズを変更する手段と、前記スプライトをトリミングする手段と、の少なくとも1つを備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記識別情報変形表示制御手段は、前記識別情報のスプライトを半透明表示する半透明表示手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技機。
  5. 前記識別情報変形表示制御手段と前記背景画像表示制御手段とは、複数種類の識別情報のいずれかが所定位置に停止するか否かを演出するために用いられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
  6. 遊技の進行を制御し、所定の始動条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を制御し、該変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技制御方法であって、
    前記識別情報の背景画像として、予め定められた複数のフレーム画像を連続して切り換えて表示する制御を行う背景画像表示制御工程と、
    前記識別情報の種類毎に定められたスプライトを前記背景画像表示制御工程により表示制御される前記フレーム画像に応じた形状に変形し、変形して得た画像を用いて前記識別情報の変動表示画像を生成して、前記背景画像と合成して表示する制御を行う識別情報表示制御工程と、
    を備える、ことを特徴とする遊技制御方法。
  7. 所定の始動条件の成立により各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行う変動表示手段と、
    遊技の進行を制御すると共に該遊技の進行に応じて前記変動表示手段による前記識別情報の変動表示を制御し、前記識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、を備える遊技機の動作のうち、少なくとも、前記識別情報の変動表示を制御又はシミュレートするためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記識別情報の背景画像として、予め定められた複数のフレーム画像を連続して切り換えて前記変動表示手段に表示する制御を行う背景画像表示制御手段、
    前記識別情報の種類毎に定められたスプライトを前記背景画像表示制御手段により表示制御される前記フレーム画像に応じた形状に変形し、変形して得た画像により前記識別情報の変動表示画像を生成し、生成した変動表示画像を前記変動表示手段に表示する制御を行う識別情報表示制御手段、
    として機能させることを可能とするコンピュータプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019155179A (ja) * 2019-06-28 2019-09-19 株式会社ソフイア 遊技機
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