JP2004242631A - 植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法 - Google Patents

植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法 Download PDF

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弘道 森川
Atsushi Sakamoto
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Abstract

【課題】植物において、硝酸態窒素により汚染された土壌で生育させた場合においても亜硝酸濃度を一定に維持する能力を増強させる手段を提供すること。
【解決手段】植物体内で、非共生型ヘモグロビンを過剰発現させることを特徴とする、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法、植物における活性窒素ストレスを低減させるための非共生型ヘモグロビンの使用、特定のアミノ酸配列からなるポリペプチド又はその機能的同等物をコードした核酸を保持する、トランスジェニック植物、並びに植物の生育環境における亜硝酸レベルを低減させるための該非共生型ヘモグロビン又は該トランスジェニック動物の使用。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法、植物における活性窒素ストレスを低減させるための非共生型ヘモグロビンの使用及びトランスジェニック植物に関する。さらに詳しくは、本発明は、硝酸態窒素により汚染された土壌で生育させた場合においても亜硝酸濃度を一定に維持する能力を増強させうる、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法及び植物における活性窒素ストレスを低減させるための非共生型ヘモグロビンの使用、並びに、硝酸態窒素により汚染された土壌のレメディエーションに有用なトランスジェニック植物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、硝酸態窒素による土壌の汚染が問題となっている。例えば、硝酸を過剰に含む飲水、牧草等を経口摂取した家畜体内では、亜硝酸が生じ、該亜硝酸が、ヘモグロビンと反応することにより、酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)が引き起こされることが知られている(非特許文献1及び非特許文献2)。これは、ヘモグロビン中のヘム鉄が2価から3価に酸化されることに因ると考えられている。また、同様な現象は、ヒトでも報告されている。
【0003】
土壌環境に大きな影響をうける植物において、硝酸塩は、窒素同化の出発物質であるが、硝酸塩から有機アミノ態窒素への変換プロセスにおいては、多量の還元力が必要とされる。そのため、かかる事実からは、土壌中における過剰な硝酸態窒素の存在は、植物に対するストレス因子となりうることが予想される。しかしながら、実際には、植物は、比較的高濃度の硝酸塩に対して耐性であるが、細胞内の亜硝酸レベルは非常に低い濃度(植物の実生の葉中における硝酸濃度から算出される濃度の約10−4倍)で厳密に維持されている。また、植物への過剰な亜硝酸塩の投与は、生育阻害や葉の白化現象を引き起こすなど、植物に対して強いストレスとなる。
【0004】
これらの事実から、動物及び植物を通じて、硝酸過剰障害は、亜硝酸の蓄積と生体に対する該亜硝酸の毒性にあると推定される。
【0005】
従来、植物が細胞内の亜硝酸濃度を一定に維持する機構は、一義的に葉緑体に局在する亜硝酸還元酵素(NiR)活性によるものと考えられている(非特許文献3)。
【0006】
しかしながら、硝酸から亜硝酸への還元は、細胞質で起こり、また、該亜硝酸からアンモニアヘの変換に要する還元力(6電子還元)は、環境ストレスの影響をうけやすい光合成の光化学反応に依存しているため、NiR活性のみで、植物中における亜硝酸レベルの維持が行なわれるのかどうかは、不明であるのが現状である。
【0007】
一方、哺乳類のヘモグロビンは、亜硝酸により機能障害をうけることが知られている(非特許文献4)。しかしながら、植物のヘモグロビンは、哺乳類のヘモグロビンと比べて、酸素を強固に結合し離しにくいという親和性等の諸性質における大きな相違点があり、また、植物のヘモグロビンと、亜硝酸との関連は不明である。
【0008】
また、いくつかの植物では低酸素又は無酸素条件で非共生型ヘモグロビンの発現が誘導される事実に基づき、そのような生育条件における非共生型ヘモグロビンの生理機能の解析が行なわれている(非特許文献5、非特許文献6)。例えば、大麦の非共生型ヘモグロビン遺伝子をトウモロコシの培養細胞に導入した形質転換培養細胞において、該非共生型ヘモグロビンを過剰発現させること及び該非共生型ヘモグロビン遺伝子のアンチセンス鎖を導入した形質転換細胞において、該非共生型ヘモグロビン遺伝子の発現を抑制させることにより、低酸素下、トウモロコシ細胞におけるエネルギー状態が変化することが見出されている(前記非特許文献5)。また、シロイヌナズナにおいて、非共生型ヘモグロビンの1つであるAHB1を過剰発現させることにより、低酸素ストレスに対する生存率を増加し、早期生育が促進されることが見出されている(前記非特許文献6)。しかしながら、非共生型ヘモグロビンと亜硝酸等との直接の関連は不明であるのが現状である。
【0009】
【非特許文献1】
グプタ(Gupta SK), Methaemoglobinaemia in areas with high nitrate concentration in drinking water, Natl. Med. J. India., 2000年発行, 13, 第58〜61頁
【非特許文献2】
マックナイト(McKnight GM) ら, Dietary nitrate in man: friend or foe? Br J Nutr., 1999 年発行, 81, 第349 〜358 頁
【非特許文献3】
カワムラ(Kawamura,Y.) ら, Determination of levels of N0 , N0 and NH ions in leaves of various plants by capillary electrophoresis. Plant Cell Physiol., 37, 1996年発行, 第878 〜880 頁
【非特許文献4】
グルツェラック(Grzelak A) ら, ヘモグロビンは、該ヘモグロビン自体と他のタンパク質をニトロ化する(Hemoglobin can nitrate itself and other proteins.), Biochim. Biophys. Acta., 2001年発行, 1528, 第97〜100 頁
【非特許文献5】
ソーワ(Sowa AW) ら、ヘモグロビンレベルの変動は、低酸素下、トウモロコシ細胞におけるエネルギー状態を変化させる(Altering hemoglobin levels changes energy status in maize cells under hypoxia.), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1998年発行, 95, 第10317 〜10321 頁
【非特許文献6】
ハント(Hunt PW)ら、ヘモグロビン1レベルの増加は、シロイヌナズナにおける低酸素ストレスに対する生存率を増加させ、早期生育を促進する(Increased level of hemoglobin 1 enhances survival of hypoxic stress and promotes early growth in Arabidopsis thaliana.), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2003年発行, 99, 第17197 〜17202 頁
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、植物において、硝酸態窒素により汚染された土壌で生育させた場合においても亜硝酸濃度を一定に維持する能力を増強させること、硝酸態窒素により汚染された土壌のレメディエーションのための手段を提供すること等を可能にする、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法、及び植物における活性窒素ストレスを低減させるための非共生型ヘモグロビンの使用を提供することを目的とする。また、本発明は、硝酸態窒素により汚染された土壌のレメディエーションに有用なトランスジェニック植物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 植物体内で、非共生型ヘモグロビンを過剰発現させることを特徴とする、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法、
〔2〕 植物が、ナス科植物、イネ科植物及びアブラナ科植物からなる群より選ばれた植物である、前記〔1〕記載の増強方法、
〔3〕 非共生型ヘモグロビンが、
(a)配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は
(b)配列番号:1に対して、少なくとも1つのアミノ酸残基が、置換、欠失、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつパーオキシダーゼ様活性を有するポリペプチド、
である、前記〔1〕又は〔2〕記載の増強方法、
〔4〕 植物における活性窒素ストレスを低減させるための前記〔1〕〜〔3〕いずれか1項に規定された非共生型ヘモグロビンの使用、並びに
〔5〕 (a)配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は
(b)配列番号:1に対して、少なくとも1つのアミノ酸残基が、置換、欠失、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつパーオキシダーゼ様活性を有するポリペプチド、
をコードした核酸を保持する、トランスジェニック植物、
〔6〕 植物の生育環境における亜硝酸レベルを低減させるための前記〔1〕〜〔3〕いずれか1項に規定された非共生型ヘモグロビン又は前記〔5〕記載のトランスジェニック動物の使用、
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、植物、具体的には、シロイヌナズナに存在する3種類のヘモグロビンのうち、AHB1が、パーオキシダーゼ様活性を有し、かかるAHB1のパーオキシダーゼ様活性により、亜硝酸レベルを低減させうるという本発明者らの驚くべき知見に基づく。
【0013】
かかる本発明者らの知見によれば、植物体内で、非共生型ヘモグロビンを過剰発現させることを特徴とする、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法が提供される。
【0014】
本発明の植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法においては、非共生型ヘモグロビン、特に、シロイヌナズナ起源の非共生型ヘモグロビンAHB1又は該AHB1の機能的同等物を用いることに1つの大きな特徴がある。本発明の増強方法においては、前記非共生型ヘモグロビンを用いるため、植物体内で、下記▲1▼〜▲4▼の一連の反応:
▲1▼ パーオキシダーゼと類似の反応により過酸化水素(H)を水まで還元する際に、下記式1:
【0015】
【化1】
Figure 2004242631
【0016】
に示されるように、電子供与体として亜硝酸(NO )が利用され、
▲2▼ 前記亜硝酸は、酸化されることにより二酸化窒素(NO)となり、
▲3▼ 生じた二酸化窒素により、下記式2:
【0017】
【化2】
Figure 2004242631
【0018】
に示されるように、前記非共生型ヘモグロビン自体のチロシン残基がニトロ化され、
▲4▼ 下記式3:
【0019】
【化3】
Figure 2004242631
【0020】
及び下記式4:
【化4】
Figure 2004242631
【0021】
に示されるように、ニトロ化に関与しない二酸化窒素が、二量体化を経て水と反応し、硝酸と亜硝酸とを生じると考えられる一連の反応が増強されるという優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明の増強方法によれば、植物体内での前記▲1▼〜▲4▼の一連の反応が増強されることにより、植物が生育する環境中における亜硝酸濃度を低下させることができるという優れた効果を発揮する。
【0023】
前記AHB1のアミノ酸配列は、配列番号:1(GenBankアクセッション番号:AAB82769)に示され、該AHB1をコードする核酸の塩基配列は、配列番号:2(GenBankアクセッション番号:U94998)に示される。
【0024】
本発明の増強方法には、非共生型ヘモグロビンとして、(a)配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを用いることができる。また、本発明においては、前記AHB1と実質的に同等なパーオキシダーゼ様活性を有するものであれば、機能的同等物、すなわち、他種起源の非共生型ヘモグロビン、改変型非共生型ヘモグロビンAHB1等を用いてもよい。
【0025】
前記「機能的同等物」としては、
(b)配列番号:1に対して、少なくとも1つのアミノ酸残基が、置換、欠失、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつパーオキシダーゼ様活性を有するポリペプチド、
(c)配列番号:1に示される配列と高い配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつパーオキシダーゼ様活性を有するポリペプチド、
等が挙げられる。
【0026】
前記(b)において、置換、欠失、付加若しくは挿入の変異の数は、かかる変異を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドが、パーオキシダーゼ様活性を有すればよく、少なくとも1つ、すなわち、1個若しくは数個であればよい。
【0027】
前記(b)のポリペプチドは、天然に存在する非局在型ヘモグロビンであってもよく、AHB1を人為的に改変することにより得られたポリペプチドであってもよい。人為的な改変は、慣用の部位特異的変異法等により実施されうる。
【0028】
なお、前記パーオキシダーゼ様活性は、測定対象のタンパク質について、例えば、反応液〔組成:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、0.011mM 測定対象のタンパク質、0.1mM NaNO、0.1mM H〕中、25℃で10分又は30分間インキュベーションし、95℃で2分間熱変性させ、変性タンパク質を遠心分離で除去し、上清をキャピラリー電気泳動に供し、サンプル中の硝酸濃度と亜硝酸濃度とを測定することにより評価されうる。なお、コントロールとして、前記反応液において、測定対象のタンパク質、亜硝酸又は過酸化水素のいずれかを含まない組成のもので反応を行なうか、あるいはAHB1とは構造及び機能上無関係のタンパク質を用いて評価すればよい。
【0029】
前記(c)において、前記配列同一性は、2つの分子における比較対象の配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの配列を配列同一性の算出に適したアルゴリズムに基づき比較することにより決定されうる。ここで、比較対象のアミノ酸配列は、2つの配列の最適なアラインメントのための参考配列(例えば、コンセンサス配列等)と比べて、付加又は欠失(例えば、ギャップ等)を有していてもよい。最適なアラインメント及び配列同一性の算出のためのアルゴリズムとしては、例えば、スミス(Smith) らの局所ホモロジーアルゴリズム[Add. APL. Math., 2, 482 (1981)]、ニードルマン(Needleman) らのホモロジーアラインメントアルゴリズム[J. Mol. Biol., 48, 443(1970)]、パールソン(Pearson) らの相同性検索法[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 2444 (1988)] が挙げられ、より具体的には、ギャップペナルテイ法、Smith−Watermanアルゴリズム、Good−Kanehisa アルゴリズム、BLAST アルゴリズム、FASTA アルゴリズム等が挙げられる。なお、かかる配列同一性は、例えば、ホームページアドレスhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/において、一般に利用可能なBLAST等を用いて算出されうる。なお、本明細書においては、配列同一性は、前記BLASTにおいて、期待値10、ワードサイズ3、ギャップコスト〔Existence:11、Extension:1〕によりアラインメントされ得られた値をいう。
【0030】
本発明の増強方法を適用しうる植物としては、ナス科植物、イネ科植物、アブラナ科植物等が挙げられる。
【0031】
本発明の増強方法は、具体的には、植物に、前記非共生型ヘモグロビンをコードする核酸を導入し、該非共生型ヘモグロビンを過剰発現させることにより行なわれる。
【0032】
植物への核酸の導入は、例えば、前記非共生型ヘモグロビンをコードする核酸を、生物的導入法、直接的導入法等により行なわれうる。
【0033】
前記生物的導入法としては、例えば、慣用のアグロバクテリウムを用いる方法等が挙げられる。かかるアグロバクテリウムを用いる方法においては、Tiプラスミド等の慣用のベクターに前記非共生型ヘモグロビンをコードする核酸を連結し、得られた組換えベクターが用いられうる。前記ベクターは、マーカーとなる遺伝子、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子等、前記非共生型ヘモグロビンの発現制御可能なプロモーター、例えば、カリフラワーモザイクウイルス35S RNAプロモーター、イネアクチン遺伝子プロモーター、トウモロコシユビキチン遺伝子プロモーター等、前記非共生型ヘモグロビンの発現を調節しうるエレメント、例えば、アグロバクテリウムのノパリンシンターゼ遺伝子のターミネーター等を含有していてもよい。
【0034】
前記直接的導入法としては、エレクトロポレーション法、パーティクルガンを用いたボンバードメント法等が挙げられる。かかる直接的導入法においては、前記非共生型ヘモグロビンをコードする核酸又は該核酸を含有した発現可能な構築物が用いられうる。また、前記直接的導入法においては、前記非共生型ヘモグロビンをコードする核酸又は該核酸を含有した発現可能な構築物を、植物のプロトプラスト、ディスク状の葉切片(リーフディスク)等に導入する。
【0035】
前記非共生型ヘモグロビンをコードする核酸を植物に導入することにより、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強されたトランスジェニック植物が得られる。かかるトランスジェニック植物も本発明に含まれる。
【0036】
前記トランスジェニック植物における活性窒素ストレス耐性能は、例えば、種々の強度の亜硝酸ストレス下での培養、化学窒素肥料(硝酸塩又はアンモニウム塩) 過剰施肥下での生育の評価をバイオマス増加量(根や茎葉の生長量)・クロロフィル含有量(ともに個体レベル)や光合成活性(細胞レベル)を指標とすること、二酸化窒素などの窒素酸化物を含む大気中での生育等により評価されうる。
【0037】
また、本発明には、植物における活性窒素ストレスを低減させるための前記非共生型ヘモグロビンの使用も含まれる。
【0038】
前記増強方法及び前記非共生型ヘモグロビンの使用によれば、植物生育環境における亜硝酸濃度の低減等、硝酸態窒素による土壌汚染の低減への応用が期待される。
【0039】
また、本発明によれば、植物の生育環境における亜硝酸レベルを低減させるための前記非共生型ヘモグロビン又は前記トランスジェニック動物の使用も提供される。
【0040】
【実施例】
本発明を下記実施例等により具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
【0041】
実施例1
シロイヌナズナに見出される3種類の非共生型ヘモグロビンAHB1、AHB2及びGLB3のそれぞれについて、組換えタンパク質を調製した。種々の生物学的活性を調べたところ、非共生型ヘモグロビンAHB1は、驚くべく、ペルオキシダーゼ様活性を有することが見出された。以下に、非共生型ヘモグロビンAHB1の結果を示す。
【0042】
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana ecotype C24)実生より、慣用の方法により、全RNAを抽出した。得られたRNA(約2μg)を鋳型とし、プライマー(1μ1)として、オリゴdTを用い、逆転写酵素(東洋紡社製、商品名:ReverTraAce、終濃度5U/μl)を用いた逆転写反応により、一本鎖cDNAを合成した。なお、逆転写反応は、42℃で45分間のインキュベーションにより行なった。
【0043】
ついで、得られた一本鎖cDNA(約0.01μg)を鋳型とし、AHB1遺伝子のコード領域を特異的に増幅する下記プライマー:
AHB1 F(forward primer) 5’−ttcatatggagagtgaaggaaagattgtgttc−3’(配列番号:3)と、
AHB1 R(reverse primer) 5’−ttggatccttagttggaaagattcatttcagctt−3’(配列番号:4)
とからなるプライマー対を用い、DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製、商品名:LA−Taq、終濃度0.05U/μl)を用いて、PCRを行なった。なお、PCRにおけるサーマルプロファイルは、95℃180秒の反応後、95℃60秒と60℃60秒と72℃60秒とを1サイクルとする30サイクルの反応を行なう条件とした。その結果、0.5kbの増幅産物が得られた。
【0044】
得られた増幅産物を、ベクター(商品名:pGEM−T Easyベクター、プロメガ社製)を用いてクローン化した。得られた組換えプラスミドを用いて、前記増幅産物の塩基配列を確認したところ、該増幅産物の塩基配列は、AHB1の塩基配列(GenBankアクセッション番号:U94998)と一致ししていることがわかった。
【0045】
ついで、得られたAHB1遺伝子を含む断片を、大腸菌タンパク質発現ベクター商品名:pET16b〔ノバジェン(Novagen)社製〕に組み込んだ。ついで、得られた組換えプラスミドにより大腸菌株BL21(DE)pLysSを形質転換し、AHB1の組換えタンパク質を、アミノ末端にヒスチジンタグ配列を有するタンパク質として、大量発現させた。ここで、タンパク質発現の誘導は、形質転換体をLB液体培地〔組成:0.01重量% トリプトン、0.005重量% 酵母エキス、0.005重量% NaCl(pH7.0)〕で37℃で振とう培養し、培養物の濁度がOD600 で1.5に到達した時点で、イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)を、終濃度0.4mMになるように添加し、さらに37℃で12時間振とう培養することにより行なった。
【0046】
培養後、得られた培養物から、常法に従い、Ni2+親和性カラムクロマトグラフィーを用いて、ヒスチジン標識タンパク質としてAHB1タンパク質を精製した。15%(w/v) ポリアクリルアミドゲル/ドデシル硫酸ナトリウム電気泳動(SDS−PAGE)により、各精製段階で得られた画分の精製度を調べた結果を図1に示す。図中、レーンは、分子量マーカーを示し、レーン1は、粗抽出液、レーン2は、Ni2+親和性カラムクロマトグラフィー画分を示す。また、レーン1及びレーン2は、それぞれ2μg相当量のタンパク質を泳動した結果である。
【0047】
その結果、Ni2+親和性カラムクロマトグラフィーで得られた精製タンパク質は、SDS−PAGE上、実質的に均一のタンパク質であることがわかった。
【0048】
ついで、得られたAHB1タンパク質について、島津製作所社製、商品名:BioSpec1600を用いて、450〜650nmの吸収スペクトルを測定した。結果を図2の左パネルに示す。また、得られたAHB1タンパク質を5mMフェリシアン化カリウムで、25℃で20分間処理し、得られた産物について、前記と同様に、450〜650nmの吸収スペクトルを測定した。結果を図2の右パネルに示す。
【0049】
その結果、図2の左パネルに示されるように、500〜600nm間における可視スペクトルにおいて、540nm及び576nmで吸収極大を示すことから、得られたAHB1タンパク質は、酸素分子が配位した2価鉄(Fe2+)ヘムを有するオキシヘモグロビン(oxyHB)であることがわかった。また、図2の右パネルに示されるように、5mM フェリシアン化カリウムによる処理により、ヘム中のFe2+は、容易に酸化され、酸素分子を結合しない3価鉄(Fe3+)ヘムを有するメトヘモグロビン(metHB)に変換されることがわかった。これらの結果は、ヘモグロビンに共通してみられる物理化学的分子特性である。
【0050】
実施例2
(1) 抗ニトロチロシン抗体を用いたイムノブロッティング
実施例1で得られたAHB1のoxyHB及びmetHBについて、反応液〔組成:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、0.011mM AHB1 (oxyHB又はmetHB)、1mM NaNO、1mM H〕 40μl中、亜硝酸存在下で過酸化水素と25℃で30分反応させた。ここで、前記AHB1タンパク質のモル濃度は、分子量を19,274Daとして算出した値である。なお、前記反応液の組成において、NaNO又はHを含まない反応液、又はAHB1の代わりに、同濃度のウシ血清アルブミン(BSA)を用いた反応液をコントロールとして用いた。
【0051】
反応終了後、常法に従い、反応産物20μlを、15%(w/v) SDS−PAGEに供し、泳動後のゲルをPVDF膜(ミリポア社製、商品名:ImmobilonTM−P)にブロッティングした。ブロッティング後のPVDF膜と、抗ニトロチロシン抗体〔アップステート・バイオテクノロジー(Upstate Biotechnology) 社製〕と、市販キット〔パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社製、商品名:Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plus〕とを用い、前記Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plusに添付の説明書に記載の条件に従って、イムノブロッティングを行なった。結果を図3に示す。
【0052】
その結果、図3に示すように、AHB1は、oxyHB及びmetHBのどちらの型のヘモグロビンでも、過酸化水素存在下で、亜硝酸と反応し、ニトロ化物を生じることがわかった。さらに、抗ニトロチロシン抗体とAHB1との結合が検出されたことから、AHB1中に存在する3つのチロシン残基のいずれか、あるいは全てがニトロ化されていることが推定された。また、BSAを用いたコントロール実験の結果、抗ニトロチロシン抗体とBSAとの結合が検出されなかったことから、このニトロ化は、AHB1に特異的であると考えられる。
【0053】
かかる結果により、非共生型ヘモグロビンAHB1は、チロシン残基が特異的にニトロ化され、それにより、亜硝酸を酸化後に安定なニトロ化合物として捕捉することが示唆される。また、非共生型ヘモグロビンAHB1は、植物において有毒な亜硝酸の細胞内レベルを一定濃度以下に保つための亜硝酸スキャベンジャー(消去剤) として機能しているという仮説がたてられる。したがって、植物における遺伝子操作によるヘモグロビンの過剰発現は、過剰硝酸障害の直接的原因と推定される有毒な亜硝酸の蓄積を防ぎ、活性窒素ストレスに対する耐性の増強に応用できる可能性がある。
【0054】
(2) AHB1のニトロ化反応における硝酸の生成
実施例1で得られたAHB1を用い、該AHB1のニトロ化反応時における硝酸の生成を調べた。
【0055】
ニトロ化反応においては、反応液〔組成:20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、0.011mM AHB1(oxyHB)、0.1mM NaNO、0.1mM H〕 200μlを用い、25℃で行なった。
【0056】
反応開始後0分、10分、20分及び30分の各時点で、45μl 反応産物をサンプリングした。サンプリング直後、サンプルを95℃で2分間熱変性させ、変性タンパク質を遠心分離で除去し、上清10μlをキャピラリー電気泳動に供し、サンプル中の硝酸濃度と亜硝酸濃度とを測定した。表1にAHB1のニトロ化に際して生じた硝酸イオンを定量した結果を示し、図4にAHB1のニトロ化反応中における亜硝酸及び硝酸の濃度変化を示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004242631
【0058】
その結果、表1及び図4に示されるように、ニトロ化反応の進行により反応組成中の亜硝酸濃度が低下するとともに、反応組成中には含まれないはずの硝酸が生じていることが明らかとなった。また、亜硝酸濃度が一定レベルに達した後、減少しなかった。このことから、AHB1のペルオキシダーゼ様活性による触媒効率が低いこと及び/又は又はAHB1は、自己ニトロ化により失活することが推定される。
【0059】
実施例3
AHB1を過剰発現するトランスジェニックタバコ植物の作成を試みた。
【0060】
実施例1において、PCRで得られたAHB1のコード領域を含む断片を、バイナリーベクターであるTiプラスミドpIG121−Hmに組み込んだ。得られた組換えプラスミド内において、AHB1 cDNAの転写は、カリフラワーモザイクウイルスの35S RNAプロモーターと、アグロバクテリウム・トゥメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) のノパリンシンターゼ遺伝子のターミネータにより調節されている。かかる組換えプラスミドを、凍結融解法にてアグロバクテリウム・トゥメファシエンス EHA101株(Agrobacterium tumefaciens strain EHA101) に導入し、リーフディスク法を用いて、タバコ(Nicotiana tabacum cv. Xanthi)の野生株及び亜硝酸還元酵素活性を著しく欠くクローン271のそれぞれを形質転換した。
【0061】
クローン271由来のトランスジェニックタバコ植物によれば、亜硝酸還元酵素活性を著しく欠くことから亜硝酸感受性の表現型を持つため、非共生型ヘモグロビンが亜硝酸の消去に機能していることの確認に用いることができる。
【0062】
得られた形質転換株から、任意に、粗DNAを抽出して、PCRにより、AHB1 cDNAの核ゲノムへの組込みを確認することにより、トランスジェニックタバコ植物を評価する。また、得られたトランスジェニックタバコ植物について、種々の強度の亜硝酸ストレス下での培養、化学窒素肥料(硝酸塩又はアンモニウム塩) 過剰施肥下での生育の評価をバイオマス増加量(根や茎葉の生長量)・クロロフィル含有量(ともに個体レベル)や光合成活性(細胞レベル)を指標とすること、二酸化窒素などの窒素酸化物を含む大気中での生育等により、亜硝酸ストレス耐性能を評価する。
【0063】
【発明の効果】
本発明の植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法、及び植物における活性窒素ストレスを低減させるための非共生型ヘモグロビンの使用によれば、植物において、硝酸態窒素により汚染された土壌で生育させた場合においても亜硝酸濃度を一定に維持する能力を増強させること、硝酸態窒素により汚染された土壌のレメディエーションのための手段を提供すること等を可能になるという優れた効果を奏する。また、本発明のトランスジェニック動物は、硝酸態窒素により汚染された土壌のレメディエーションへの応用に用いることができるという優れた性質を有する。
【0064】
【配列表】
Figure 2004242631
Figure 2004242631
Figure 2004242631
Figure 2004242631

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、AHB1タンパク質について、各精製段階で得られた画分の精製度を調べた結果を図1に示す。図中、レーンは、分子量マーカーを示し、レーン1は、粗抽出液、レーン2は、Ni2+親和性カラムクロマトグラフィー画分を示す。また、レーン1及びレーン2は、それぞれ2μg相当量のタンパク質を泳動した結果である。
【図2】図2は、AHB1タンパク質の450〜650nmの吸収スペクトルを示す。図中、左パネルは、Ni2+親和性カラムクロマトグラフィーで得られたAHB1タンパク質の結果を示し、右パネルは、5mM フェリシアン化カリウムで、25℃で20分間処理されたAHB1タンパク質の結果を示す。
【図3】図3は、抗ニトロチロシン抗体によるAHB1のニトロ化を検出した結果を示す図である。
【図4】図4は、AHB1のニトロ化反応中における亜硝酸及び硝酸の濃度変化を示す図である。

Claims (6)

  1. 植物体内で、非共生型ヘモグロビンを過剰発現させることを特徴とする、植物の活性窒素ストレス耐性能の増強方法。
  2. 植物が、ナス科植物、イネ科植物及びアブラナ科植物からなる群より選ばれた植物である、請求項1記載の増強方法。
  3. 非共生型ヘモグロビンが、
    (a)配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は
    (b)配列番号:1に対して、少なくとも1つのアミノ酸残基が、置換、欠失、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつパーオキシダーゼ様活性を有するポリペプチド、
    である、請求項1又は2記載の増強方法。
  4. 植物における活性窒素ストレスを低減させるための請求項1〜3いずれか1項に規定された非共生型ヘモグロビンの使用。
  5. (a)配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は
    (b)配列番号:1に対して、少なくとも1つのアミノ酸残基が、置換、欠失、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつパーオキシダーゼ様活性を有するポリペプチド、
    をコードした核酸を保持する、トランスジェニック植物。
  6. 植物の生育環境における亜硝酸レベルを低減させるための請求項1〜3いずれか1項に規定された非共生型ヘモグロビン又は請求項5記載のトランスジェニック動物の使用。
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