JP2004242021A - 無線通信システム用移動端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】認証処理のプロセスを効率化する。
【解決手段】移動端末装置T1が基地局Aの通信エリア内に入ると、通信接続準備部10が、基地局Aの識別コード<A>を取得し、通信接続の準備を完了する。接続許可判定部40は、リスト格納部30内のリストL1またはL2を参照し、識別コード<A>と同一のコードの有無を調べる。モード設定部50により許可モードが設定されていた場合には、同一コードが許可コードリストL1内にあった場合にのみ接続許可を出し、禁止モードが設定されていた場合には、同一コードが禁止コードリストL2内になかった場合にのみ接続許可を出す。リストの内容は、リスト編集部60によって編集できる。通信接続実行部20は、接続許可判定部40から接続許可が出たら、基地局Aと本来のデータ交信を開始する。
【選択図】 図4
【解決手段】移動端末装置T1が基地局Aの通信エリア内に入ると、通信接続準備部10が、基地局Aの識別コード<A>を取得し、通信接続の準備を完了する。接続許可判定部40は、リスト格納部30内のリストL1またはL2を参照し、識別コード<A>と同一のコードの有無を調べる。モード設定部50により許可モードが設定されていた場合には、同一コードが許可コードリストL1内にあった場合にのみ接続許可を出し、禁止モードが設定されていた場合には、同一コードが禁止コードリストL2内になかった場合にのみ接続許可を出す。リストの内容は、リスト編集部60によって編集できる。通信接続実行部20は、接続許可判定部40から接続許可が出たら、基地局Aと本来のデータ交信を開始する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システム用移動端末装置に関し、特に、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行う際の認証処理を効率化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話をはじめとする移動端末装置を用いた無線通信システムは、欠くことのできない社会インフラとしての基盤を揺るぎないものとしており、また、コンピュータ用ネットワークとしても、様々な規格の無線通信システムが利用されている。更に、パソコン、携帯電話、家電製品などを相互に無線で接続するための無線通信システムの規格として、Bluetoothなる規格が注目を集めており、この規格に基づいた無線通信システムの環境が整備されつつある。たとえば、下記の文献には、このBluetoothなる規格による基本的な通信手順が記載されている。
【0003】
【非特許文献1】
宮津和弘著「テクノロジー解体新書Bluetooth技術解説ガイド」株式会社リックテレコム刊、2001年6月11日
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多数の基地局と多数の移動端末装置とを含む無線通信システムでは、特定の基地局と特定の移動端末装置との間で、実際のデータ交信を行う通信接続を実行する前段階として、通常、通信接続準備段階と通信接続認証段階とが設けられる。個々の基地局には、それぞれ固有の通信エリアが定まっており、この通信エリア内に存在する移動端末装置と通信接続を行うことになるが、まず、通信接続準備段階において、基地局と移動端末装置との間で識別コードや通信条件などを交換し合い、どの相手とどのような通信条件で通信接続するかを確定させる処理が行われる。続く、通信接続認証段階では、両者間で必要な認証処理が実行され、相互に通信接続が許可されている相手であることの確認が行われる。この認証処理が滞りなく実行された後に、はじめて、当該基地局と当該移動端末装置とが通信接続され、本来の通信対象となるデータの送受処理が実行される。
【0005】
通信接続認証段階で行われる認証処理の具体的なプロセスは、個々の無線通信システムによって様々であるが、通常は、両者間で所定の認証データのやりとりが行われる。また、必要に応じて、移動端末装置のユーザ自身に何らかの操作入力を行わせ、入力されたデータを用いて、所定の認証処理が行われるケースもある。ところが、このように基地局と移動端末装置との間でデータをやりとりしながら行われる認証処理は、必ずしも効率的な処理ではなく、認証処理が完了するまで、ユーザに待ち時間を強いる結果となる。
【0006】
そこで本発明は、認証処理のプロセスをより効率化することが可能な無線通信システム用移動端末装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置において、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、この特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、この特定の基地局の識別コードを受信することにより、この特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストを格納したリスト格納部と、
リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが許可コードリストにあるか否かを確認し、リストにある場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を設けるようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置において、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、この特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、この特定の基地局の識別コードを受信することにより、この特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストを格納したリスト格納部と、
リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが禁止コードリストにあるか否かを確認し、リストにない場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を設けるようにしたものである。
【0009】
(3) 本発明の第3の態様は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置において、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、この特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、この特定の基地局の識別コードを受信することにより、この特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストと、接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストと、を格納したリスト格納部と、
外部からの操作入力により、許可モードと禁止モードとのいずれか一方のモードを設定することができるモード設定部と、
モード設定部による設定が許可モードの場合には、リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが許可コードリストにあるか否かを確認し、リストにある場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与え、モード設定部による設定が禁止モードの場合には、リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが禁止コードリストにあるか否かを確認し、リストにない場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を設けるようにしたものである。
【0010】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
リスト格納部に格納されているリストに対して編集を行う機能をもったリスト編集部を更に設けるようにしたものである。
【0011】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
リスト格納部に、識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタ群を設け、各レジスタにそれぞれリストに収録すべき識別コードを格納するようにし、
接続許可判定部に、通信接続準備部によって受信した識別コードを格納するためのインデックスレジスタと、各レジスタの個々のビットとインデックスレジスタの個々のビットとを比較して一致判定を行うビット判定器と、個々のレジスタについての一致判定の結果を記録するための各フラグと、を設け、各フラグの状態に基づいて接続許可の指示を与えることができるようにしたものである。
【0012】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
インデックスレジスタの特定のビットをマスクするためのマスクレジスタを更に設け、ビット判定器が、マスクレジスタによってマスクされていないビットについてのみ一致判定を行うようにしたものである。
【0013】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
通信接続準備部が、特定の基地局から、識別コードを問い合わせるための問い合わせ信号を受信したときに、自己の識別コードを返信する第1の処理と、特定の基地局から、自己の識別コードを特定した呼び出し信号を受信したときに、これに応答する第2の処理と、特定の基地局から、特定の基地局自身の識別コードを受信したときに、これに応答する第3の処理と、を実行するようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。はじめに、無線通信システムにおいて、特定の移動端末装置が特定の基地局と通信接続を開始するまでの一般的な手順を簡単に説明する。
【0015】
図1は、複数の基地局と複数の移動端末装置とによって構成される無線通信システムのモデルを示す模式図である。このモデルでは、説明の便宜上、3つの基地局A,B,Cと、7つの移動端末装置T1〜T7とによって、無線通信システムが構成される極めて単純な例が示されている。各基地局A,B,Cは、それぞれ所定の通信エリアa,b,cを有しており、各通信エリア内にいる移動端末装置との間で通信を行うことができる。図示の例の場合、たとえば、移動端末装置T1,T2は、通信エリアa内に入っているため、基地局Aとの間で通信を行うことができる。また、移動端末装置T6は、通信エリアb,cの双方に入っているため、基地局B,Cのいずれとも通信を行うことができる。
【0016】
ただ、図示のように、多数の基地局と多数の移動端末装置とを含む無線通信システムでは、通常、特定の基地局と特定の移動端末装置との間での交信は、図2に示すような複数の段階を経て実行される。まず、ステップS10の通信接続準備段階では、特定の基地局と特定の移動端末装置との間で、それぞれ識別コードを交換し合い、両者間で通信相手を特定し、通信を確立するための処理が行われる。たとえば、基地局Aと移動端末装置T1との間で交信を行う場合、通信エリアa内に入った移動端末装置T1は、基地局Aに対して自己の識別コード<T1>を送信するとともに、基地局Aから送られてくる基地局A自身の識別コード<A>を受信する処理を行う必要がある。
【0017】
図3は、Bluetoothなる通信規格における通信接続準備段階(ステップS10)の手順を更に細かく示す流れ図である。Bluetoothでは、基地局に対応するマスタと、移動端末装置に対応するスレーブとの間で通信が行われる。図1に示す例では、A,B,Cがそれぞれマスタとして機能し、T1〜T7がそれぞれスレーブとして機能する。
【0018】
このBluetoothの規格に従えば、まず、ステップS11において、マスタから全スレーブへの識別コードの問い合わせが行われる。具体的には、IQパケットと呼ばれるパケットデータが、マスタからその通信エリア内にいるすべてのスレーブに対してブロードキャストされることになる。たとえば、図1の例の場合、マスタAからスレーブT1,T2に対して、IQパケットが送信される。このようなIQパケットを受信した各スレーブは、ステップS12において、自己の識別コードをマスタに返信する処理を行う。具体的には、Bluetoothの場合、FHSパケットと呼ばれるパケットデータとして、各スレーブの識別コード(Bluetoothアドレス)とともに、クロック(Bluetoothクロック)やデバイスクラスといった属性情報が、マスタへと返されることになる。たとえば、図1の例の場合、マスタAに対して、スレーブT1からは識別コード<T1>等の情報が返信され、スレーブT2からは識別コード<T2>等の情報が返信される。
【0019】
続いて、ステップS13において、マスタから特定のスレーブへの呼び出しが行われる。図1の例の場合、既にステップS12において、マスタAには、スレーブT1,T2のそれぞれから識別コードが返信されてきているので、このうちのいずれか一方を選択して、呼び出しをかけることになる。たとえば、スレーブT1が選択された場合、スレーブT1に対して、マスタAからの呼び出しが行われる(実際には、IDパケットと呼ばれるパケットが送信される)。ステップS14では、この呼び出しを受けた特定のスレーブから、マスタへの受信確認を示す応答が行われる。この例では、スレーブT1からマスタAに対して、呼び出しに対する応答が返される(実際には、やはりIDパケットと呼ばれるパケットが返信される)。
【0020】
マスタは、呼び出しに対する応答を受け取ると、ステップS15において、当該応答をしてきた特定のスレーブに対して、マスタ自身の識別コードを送信する。具体的には、FHSパケットと呼ばれるパケットデータとして、マスタ自身の識別コード(Bluetoothアドレス)とクロック(Bluetoothクロック)の情報が、当該特定のスレーブへと返されることになる。たとえば、上述の例の場合、マスタAからスレーブT1に対して、マスタA自身の識別コード<A>などの情報が送信されることになる。続くステップS16では、当該特定のスレーブからマスタに対して、受信確認を示す応答が行われる。この例では、スレーブT1からマスタAに対して、再度の応答が返されることになる(やはりIDパケットと呼ばれるパケットが返信される)。
【0021】
以上、述べたステップS11〜S16の手順により、マスタAとスレーブT1との間における通信の同期が確立されることになる。この時点で、マスタAは、通信相手となるスレーブT1の識別コード(Bluetoothアドレス)、クロック(Bluetoothクロック)、デバイスクラスを認識しており、スレーブT1は、通信相手となるマスタAの識別コード(Bluetoothアドレス)およびクロック(Bluetoothクロック)を認識していることになる。図2のステップS10に示す通信接続準備段階は、このように、特定の基地局(Bluetoothの場合はマスタ)と特定の移動端末装置(Bluetoothの場合はスレーブ)との間において、少なくとも相手の識別コードを認識し、どの相手とどのような通信条件で通信接続するかを確定させる処理ということができる。
【0022】
こうして、ステップS10の通信接続準備段階が完了すると、ステップS20の通信接続認証段階が行われる。この段階では、両者間で必要な認証処理が実行され、相互に通信接続が許可されている相手であることの確認が行われる。通信接続認証段階S20で行われる認証処理の具体的なプロセスは、個々の無線通信システムによって様々であるが、通常は、両者間で所定の認証データのやりとりが行われる。場合によっては、移動端末装置のユーザ自身に何らかの操作入力を行わせ、入力されたデータを用いて、所定の認証処理を実行することもある。この通信接続認証段階S20における認証が完了すると、ようやくステップS30の通信接続実行段階への移行が行われ、本来のデータ送受処理が実行される。
【0023】
以上、Bluetoothなどの規格に基づく一般的な無線通信システムにおける通信接続のための手順を述べたが、ステップS20に示す通信接続認証段階は、必ずしも効率的な処理ではなく、認証処理が完了するまで、ユーザに待ち時間を強いるという問題があることは、既に述べたとおりである。本発明は、このステップS20の通信接続認証段階のプロセスを効率化するための新たな提案を行うものである。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの基本構成を示すブロック図である。この無線通信システムは、実際には、複数の基地局(Bluetoothの場合はマスタに対応)と複数の移動端末装置(Bluetoothの場合はスレーブに対応)とによって構成されるが、ここでは説明の便宜上、1つの基地局Aと1つの移動端末装置T1だけを図示することにする。
【0025】
本発明に係る移動端末装置T1は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行う機能を有しており、ここでは、移動端末装置T1が基地局Aの通信エリア内に入っているものとして、以下の説明を行うことにする。
【0026】
移動端末装置T1は、図示のとおり、通信接続準備部10、通信接続実行部20、リスト格納部30、接続許可判定部40、モード設定部50、リスト編集部60によって構成されている。もっとも、これらの各構成要素は、移動端末装置T1のもつ個々の機能をそれぞれ機能要素として捉えたものであり、実際のハードウエア構成を示しているものではない。
【0027】
通信接続準備部10は、この移動端末装置T1が、特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、当該特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、当該特定の基地局の識別コードを受信することにより、当該特定の基地局に対する通信接続の準備を行う機能を有する構成要素であり、図2に示す流れ図における通信接続準備段階S10を実行する。たとえば、Bluetoothの通信規格を採用している場合であれば、基地局Aと通信接続準備部10との間で、図3の流れ図に示す手順が実行されることになる。その結果、通信接続準備部10から基地局Aに対しては、移動端末装置T1の識別コード<T1>が送信され、基地局Aから通信接続準備部10に対しては、基地局Aの識別コード<A>が送信されることになる。
【0028】
一方、通信接続実行部20は、特定の基地局(図4の例では、基地局A)に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する機能を有する構成要素である。図示の例では、基地局Aから通信接続実行部20に対して、データDATA(1)が送信され、逆に、通信接続実行部20から基地局Aに対して、データDATA(2)が送信される例が示されている。これは、図2に示す流れ図における通信接続実行段階S30に対応する手順である。通常、基地局Aと通信接続実行部20との間のデータの送受は、データパケットのやりとりによって行われる。
【0029】
もっとも、通信接続実行部20は、無条件で、基地局Aに対するデータの送受を実行するわけではない。通信接続準備部10によって、基地局Aに対する通信接続の準備が完了したとしても、所定の接続許可が与えられない限り、通信接続実行部20による本来のデータ送受が行われることはない。すなわち、図2の流れ図に示されているとおり、通信接続準備部10による接続準備完了(ステップS10)から、通信接続実行部20による通信接続実行(ステップS30)へ移行する前に、ステップS20における通信接続認証段階が必要になる。
【0030】
ただ、本発明に係る移動端末装置T1の場合、このステップS20における通信接続認証段階は、従来の一般的な無線通信システム用移動端末装置で行われていた手順よりもはるかに単純になる。図4に示す本発明に係る移動端末装置T1では、リスト格納部30および接続許可判定部40によって、この通信接続認証段階の処理が実行される。
【0031】
図示のとおり、リスト格納部30には、接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストL1と、接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストL2と、が格納されている。具体的には、図示の例の場合、許可コードリストL1には、識別コード<A>,<B>,<C>が格納されており、これは基地局A,基地局B,基地局Cに対しては接続が許可されることを示している。一方、禁止コードリストL2には、識別コード<X>,<Y>,<Z>が格納されており、これは基地局X,基地局Y,基地局Zに対しては接続が禁止されることを示している。
【0032】
接続許可判定部40は、通信接続準備部10によって接続準備が完了した相手先となる基地局、別言すれば、通信接続準備部10が受信した識別コードによって示される基地局について、通信接続実行部20に対する接続許可の指示を与えるか否かを判定する機能をもった構成要素である。この判定には、リスト格納部30内に格納されている許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2が参照されることになる。
【0033】
モード設定部50は、この判定を行うための2種類のモードのいずれか一方を設定する機能を有する構成要素であり、外部からの操作入力により、許可モードと禁止モードとのいずれか一方のモードの設定が可能である。別言すれば、この実施例に示されている移動端末装置T1は、許可モードか禁止モードかのいずれか一方のモードで動作するように構成されており、ユーザは、所定の切替操作を行うことにより、モード設定部50におけるモード設定を切り替えることができる。なお、この切替は無線通信を介した外部からの操作により行うことも可能である。リスト格納部30内には、許可コードリストL1と禁止コードリストL2との双方が格納されているが、モード設定部50における設定が許可モードになっていた場合には、接続許可判定部40における判定には、許可コードリストL1のみが利用され、モード設定部50における設定が禁止モードになっていた場合には、接続許可判定部40における判定には、禁止コードリストL2のみが利用される。
【0034】
具体的には、モード設定部50によって許可モードが設定されていた場合、接続許可判定部40は、リスト格納部30内の許可コードリストL1を検索することにより、通信接続準備部10によって受信した識別コードが、許可コードリストL1にあるか否かを確認し、リストにある場合にのみ、通信接続実行部20に対して接続許可の指示を与える処理が行われる。一方、モード設定部50によって禁止モードが設定されていた場合、接続許可判定部40は、リスト格納部30内の禁止コードリストL2を検索することにより、通信接続準備部10によって受信した識別コードが、禁止コードリストL2にあるか否かを確認し、リストにない場合にのみ、通信接続実行部20に対して接続許可の指示を与える処理が行われる。
【0035】
図示の例では、モード設定部50における設定が許可モードになっていた場合、接続許可判定部40は、通信接続準備部10が受信した基地局の識別コードが、<A>,<B>,<C>のいずれかであったときには接続許可の指示を与えることになるが、それ以外であったときには接続許可の指示は与えられないことになる。別言すれば、通信接続準備部10が通信接続の準備を完了した相手の基地局が、基地局A,B,Cのいずれかであれば接続許可を与えるが、それ以外の基地局であった場合には、接続許可は与えられないことになる。このように、許可モードは、予め許可コードリストL1内に登録されている特定の基地局に対してのみ接続許可を与え、それ以外の基地局に対しては接続許可を与えない、という判定を行う場合に便利なモードということになる。
【0036】
一方、モード設定部50における設定が禁止モードになっていた場合、接続許可判定部40は、通信接続準備部10が受信した基地局の識別コードが、<X>,<Y>,<Z>のいずれでもなかったときは接続許可の指示を与えることになるが、いずれかであったときには接続許可の指示は与えられないことになる。別言すれば、通信接続準備部10が通信接続の準備を完了した相手の基地局が、基地局X,Y,Zのいずれかであれば接続許可は与えられないが、それ以外の基地局であった場合には、接続許可を与えることになる。このように、禁止モードは、予め禁止コードリストL2内に登録されている特定の基地局に対しては接続を禁止し、それ以外の基地局に対しては接続許可を与える、という判定を行う場合に便利なモードということになる。
【0037】
リスト格納部30内に格納されている許可コードリストL1および禁止コードリストL2の内容は、リスト編集部60によって編集することができる。ユーザは、このリスト編集部60に対して、所定の操作入力を行うことにより、各リストに特定の基地局の識別コードを追加したり削除したりする編集を行うことができる。また、ここに示す実施形態の場合、通信接続実行部20を介して受信したデータDATA(2)をリスト編集部60に与えることにより、各リストに対する編集を行うことも可能になっている。この場合、ユーザの操作によらずに、無線通信を介した外部からの操作により、各リストの内容が編集されることになる。
【0038】
結局、本発明に係る移動端末装置T1の場合、図2のステップS20に示す通信接続認証段階は、リスト格納部30および接続許可判定部40による上述した判定処理によって実行されることになり、接続許可判定部40から通信接続実行部20に対して接続許可が与えられた場合には、接続認証が得られたことになる。このような接続認証処理は、移動端末装置T1の内部において、リスト格納部30内の許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2を参照する処理によって実行可能であり、外部の基地局に対する通信を行う必要はない。このため、認証処理のプロセスを非常に効率化することが可能になる。
【0039】
もちろん、本発明に係る移動端末装置T1における認証処理は、通信接続準備部10が通信接続準備を完了した基地局の識別コードが、リスト格納部30内の許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2にあるか否かという二者択一の単純な判定に基づくものであるため、複雑な認証を実行することはできない。たとえば、通信接続準備を完了した基地局との間で、所定のパスワードを取り交わし、このパスワードが正しいか否かを判定するような複雑な認証プロセスが必要な場合には、本発明をそのまま適用することはできない。しかしながら、特定の基地局に対して接続してよいか否かという二者択一的な判定を行えば十分なケースでは、本発明は極めて有効である。
【0040】
今後は、駅などの公共施設や様々な商業施設内に、種々の企業がそれぞれ基地局を設置して、様々な情報を発信するサービスが提供されることが予想される。この場合、携帯電話、パソコン、PDAなどの移動端末装置をもったユーザが、これらの施設の通信エリア内に入ってきた場合、各基地局から提供されるサービスを受けることができるようになるが、本発明を利用すれば、受けることができるサービスを予め絞り込むことが可能になる。
【0041】
たとえば、ある企業が社員に配布した移動端末装置の場合、当該企業あるいはその関連企業からの情報提供が行われる基地局の識別コードを、予めリスト格納部30内に許可コードリストL1として格納しておき、モード設定部50の設定を許可モードに設定しておくようにすればよい。そうすれば、当該企業の業務に必要な情報を提供している基地局に対する接続のみが許可されることになり、それ以外の基地局からの無用な情報の受信を排除することが可能になる。
【0042】
あるいは、原則として様々な情報提供サービスを受けることを希望しているが、風俗関連情報など、一部の有害情報に関しては受信したくない、と希望するユーザの場合には、有害情報を提供する基地局の識別コードを、予めリスト格納部30内に禁止コードリストL2として格納しておき、モード設定部50の設定を禁止モードに設定しておくようにすればよい。そうすれば、禁止コードリストL2に登録されている特定の基地局からの情報を除いて、他の基地局からの情報を自由に受信することができるようになる。もちろん、有害な基地局が新たに判明した場合には、リスト編集部60を用いて、禁止コードリストL2に、当該有害基地局の識別コードを追加する操作を行えばよい。
【0043】
なお、本発明を実行するにあたり、接続許可判定部40による判定処理は、できるだけ短時間に行うことが好ましい。そのためには、リスト格納部30内に格納されている許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2に対する高速検索が可能となるようなハードウエアを用意しておく必要がある。
【0044】
図5は、このようなハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図示の例は、リスト格納部30に、識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタ群を設け、各レジスタにそれぞれリストに収録すべき識別コードを格納するようにした例である。図において、レジスタR1〜R5は、いずれも識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタであり、各レジスタには、たとえば、BlueToothアドレスなどの識別コードが格納されることになる。なお、図では便宜上、5つのレジスタR1〜R5のみが設けられている例が示されているが、実用上は、より多数のレジスタが用意されることになる。
【0045】
この図5に示すハードウエアには、接続許可判定部40の構成要素の一部として、インデックスレジスタIR、マスクレジスタMR、フラグF1〜F5が設けられている。インデックスレジスタIRおよびマスクレジスタMRは、レジスタR1〜R5と同じワード長をもったレジスタである。インデックスレジスタIRには、通信接続準備部10によって受信した識別コードが格納される。また、このハードウエアには、図示されていないビット判定器が設けられており、このビット判定器によって、各レジスタR1〜R5の個々のビットとインデックスレジスタIRの個々のビットとが比較され、一致判定の処理が行われる。フラグF1〜F5は、個々のレジスタR1〜R5についての一致判定の結果を記録するためのフラグであり、接続許可判定部40は、各フラグF1〜F5の状態に基づいて接続許可の指示を与えることができる。
【0046】
たとえば、各フラグF1〜F5の初期状態を論理「0」としておき、インデックスレジスタIR内に格納されたデータ(通信接続準備部10によって受信した識別コード)の全ビットと、第i番目のレジスタRi内に格納されたデータの全ビットとが一致した場合には、第i番目のフラグFiの論理を「1」とするようにしておいた場合を考えてみよう。この場合、もし、図6にハッチングを施して示すように、インデックスレジスタIR内に格納されたデータの全ビットと、第4番目のレジスタR4内に格納されたデータの全ビットとが一致した場合には(図では一致したレジスタをハッチングで示す)、第4番目のフラグF4の論理が「1」になる。そこで、接続許可判定部40は、許可モードが設定されていた場合には、フラグF1〜F5のうちのいずれかが論理「1」になっていれば(すなわち、全フラグの論理和が論理「1」になっていれば)、通信接続実行部20に対して接続許可を与えるようにすればよいし、そうでなければ(すなわち、全フラグの論理和が論理「0」になっていれば)、接続許可を与えないようにすればよい。逆に、禁止モードが設定されていた場合には、全フラグの論理和が論理「0」になっていれば接続許可を与え、論理「1」になっていれば接続許可を与えないようにすればよい。
【0047】
上述のようなハードウエア構成をとれば、許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2に対する高速検索が可能になり、しかも検索結果に基づいて、接続許可を与えるか否かの論理判断を高速に行うことが可能になる。なお、各レジスタR1〜R5のワード長に余裕があれば、個々の基地局に関する付随的なデータを格納しておくことができ、これらのレジスタをアクセスすることにより、各基地局の付随的な情報を引き出すことも可能である。
【0048】
なお、図5および図6に示す例では、マスクレジスタMRを設けることにより、柔軟な判断が可能になるような工夫が施されている。すなわち、マスクレジスタMRは、インデックスレジスタIRの特定のビットをマスクするためのレジスタであり、ビット判定器は、このマスクレジスタMRによってマスクされていないビットについてのみ一致判定を行うように構成されている。たとえば、マスクレジスタMRの各ビットが、論理「0」の場合はマスクせず、論理「1」の場合はマスクする、と定めておけば、マスクレジスタMRのビットが「0」となっている桁の一致だけが判定され、その他の桁の一致は不問になる。別言すれば、各レジスタR1〜R5のうち、マスクレジスタMRのビットが「0」となっている桁についてだけ、インデックスレジスタIRとの一致判定が行われることになる。結局、マスクレジスタMRを利用すれば、単一のレジスタに格納したデータによって、複数の識別コードを表現することが可能になる。
【0049】
このように識別コードの一部分についてのみの一致を見ることにより、接続許可の判定を行うようにすると、より柔軟な判断が可能になる。たとえば、BlueToothの場合、識別コードとして機能するBlueToothアドレスは、48ビットの情報によって構成されている。この48ビットのうち、下位24ビットはLAP(Lower Address Part)、次の8ビットがUAP(Upper Address Part)、残りの16ビットがNAP(Non−significant Address Part)と呼ばれており、UAPとNAPは、IEEE802によって企業を定める識別子として用いられ、LAPは個々の企業が独自に定められる任意のコードになる。そこで、マスクレジスタMRに格納するデータを適当に設定してやれば、たとえば、企業を定める識別子の部分についてのみ一致判定が行われるような設定が可能になり、通信接続準備部10によって接続準備完了となった基地局(マスタ)のBlueToothアドレスが、特定の企業についてのBlueToothアドレスであるか否かを判定するようなことが可能になる。
【0050】
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、図4に示す実施形態では、モード設定部50によって、許可モードか禁止モードかのいずれか一方を設定することにより、2通りのモード動作を切り替えることが可能な例を示したが、本発明を実施する上では、必ずしも2通りのモード動作を用意しておく必要はない。たとえば、許可モードの動作のみが可能であれば十分な場合には、リスト格納部30内には許可コードリストL1のみを用意しておくようにし、接続許可判定部40は常に許可モードで動作するようにしておけばよい。この場合、モード設定部50は不要である。逆に、禁止モードの動作のみが可能であれば十分な場合には、リスト格納部30内には禁止コードリストL2のみを用意しておくようにし、接続許可判定部40は常に禁止モードで動作するようにしておけばよい。この場合も、モード設定部50は不要である。
【0051】
また、上述の実施形態では、主として、BlueToothなる通信規格を用いた無線通信システムに本発明を適用した例を述べたが、本発明が適用可能な通信規格はBlueToothのみに限定されるものではなく、本発明は、この他にも様々な通信規格を用いた無線通信システムに利用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る無線通信システム用移動端末装置によれば、認証処理のプロセスをより効率化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の基地局と複数の移動端末装置とによって構成される無線通信システムのモデルを示す模式図である
【図2】特定の基地局と特定の移動端末装置との間での一般的な交信プロセスを示す流れ図である。
【図3】Bluetoothなる通信規格における通信接続準備段階(図2のステップS10)の手順を細かく示す流れ図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの基本構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す移動端末装置T1に組み込むのに適したハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5に示すハードウエア構成による検索処理を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…通信接続準備部
20…通信接続実行部
30…リスト格納部
40…接続許可判定部
50…モード設定部
60…リスト編集部
A,B,C…基地局(マスタ)
a,b,c…通信エリア
F1〜F5…フラグ
IR…インデックスレジスタ
L1…許可コードリスト
L2…禁止コードリスト
MR…マスクレジスタ
R1〜R5…レジスタ
S10〜S16,S20,S30…流れ図の各ステップ
T1〜T7…移動端末装置(スレーブ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システム用移動端末装置に関し、特に、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行う際の認証処理を効率化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話をはじめとする移動端末装置を用いた無線通信システムは、欠くことのできない社会インフラとしての基盤を揺るぎないものとしており、また、コンピュータ用ネットワークとしても、様々な規格の無線通信システムが利用されている。更に、パソコン、携帯電話、家電製品などを相互に無線で接続するための無線通信システムの規格として、Bluetoothなる規格が注目を集めており、この規格に基づいた無線通信システムの環境が整備されつつある。たとえば、下記の文献には、このBluetoothなる規格による基本的な通信手順が記載されている。
【0003】
【非特許文献1】
宮津和弘著「テクノロジー解体新書Bluetooth技術解説ガイド」株式会社リックテレコム刊、2001年6月11日
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多数の基地局と多数の移動端末装置とを含む無線通信システムでは、特定の基地局と特定の移動端末装置との間で、実際のデータ交信を行う通信接続を実行する前段階として、通常、通信接続準備段階と通信接続認証段階とが設けられる。個々の基地局には、それぞれ固有の通信エリアが定まっており、この通信エリア内に存在する移動端末装置と通信接続を行うことになるが、まず、通信接続準備段階において、基地局と移動端末装置との間で識別コードや通信条件などを交換し合い、どの相手とどのような通信条件で通信接続するかを確定させる処理が行われる。続く、通信接続認証段階では、両者間で必要な認証処理が実行され、相互に通信接続が許可されている相手であることの確認が行われる。この認証処理が滞りなく実行された後に、はじめて、当該基地局と当該移動端末装置とが通信接続され、本来の通信対象となるデータの送受処理が実行される。
【0005】
通信接続認証段階で行われる認証処理の具体的なプロセスは、個々の無線通信システムによって様々であるが、通常は、両者間で所定の認証データのやりとりが行われる。また、必要に応じて、移動端末装置のユーザ自身に何らかの操作入力を行わせ、入力されたデータを用いて、所定の認証処理が行われるケースもある。ところが、このように基地局と移動端末装置との間でデータをやりとりしながら行われる認証処理は、必ずしも効率的な処理ではなく、認証処理が完了するまで、ユーザに待ち時間を強いる結果となる。
【0006】
そこで本発明は、認証処理のプロセスをより効率化することが可能な無線通信システム用移動端末装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置において、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、この特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、この特定の基地局の識別コードを受信することにより、この特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストを格納したリスト格納部と、
リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが許可コードリストにあるか否かを確認し、リストにある場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を設けるようにしたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置において、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、この特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、この特定の基地局の識別コードを受信することにより、この特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストを格納したリスト格納部と、
リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが禁止コードリストにあるか否かを確認し、リストにない場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を設けるようにしたものである。
【0009】
(3) 本発明の第3の態様は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置において、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、この特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、この特定の基地局の識別コードを受信することにより、この特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストと、接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストと、を格納したリスト格納部と、
外部からの操作入力により、許可モードと禁止モードとのいずれか一方のモードを設定することができるモード設定部と、
モード設定部による設定が許可モードの場合には、リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが許可コードリストにあるか否かを確認し、リストにある場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与え、モード設定部による設定が禁止モードの場合には、リスト格納部を検索することにより、通信接続準備部によって受信した識別コードが禁止コードリストにあるか否かを確認し、リストにない場合には、通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を設けるようにしたものである。
【0010】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
リスト格納部に格納されているリストに対して編集を行う機能をもったリスト編集部を更に設けるようにしたものである。
【0011】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
リスト格納部に、識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタ群を設け、各レジスタにそれぞれリストに収録すべき識別コードを格納するようにし、
接続許可判定部に、通信接続準備部によって受信した識別コードを格納するためのインデックスレジスタと、各レジスタの個々のビットとインデックスレジスタの個々のビットとを比較して一致判定を行うビット判定器と、個々のレジスタについての一致判定の結果を記録するための各フラグと、を設け、各フラグの状態に基づいて接続許可の指示を与えることができるようにしたものである。
【0012】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
インデックスレジスタの特定のビットをマスクするためのマスクレジスタを更に設け、ビット判定器が、マスクレジスタによってマスクされていないビットについてのみ一致判定を行うようにしたものである。
【0013】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る無線通信システム用移動端末装置において、
通信接続準備部が、特定の基地局から、識別コードを問い合わせるための問い合わせ信号を受信したときに、自己の識別コードを返信する第1の処理と、特定の基地局から、自己の識別コードを特定した呼び出し信号を受信したときに、これに応答する第2の処理と、特定の基地局から、特定の基地局自身の識別コードを受信したときに、これに応答する第3の処理と、を実行するようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。はじめに、無線通信システムにおいて、特定の移動端末装置が特定の基地局と通信接続を開始するまでの一般的な手順を簡単に説明する。
【0015】
図1は、複数の基地局と複数の移動端末装置とによって構成される無線通信システムのモデルを示す模式図である。このモデルでは、説明の便宜上、3つの基地局A,B,Cと、7つの移動端末装置T1〜T7とによって、無線通信システムが構成される極めて単純な例が示されている。各基地局A,B,Cは、それぞれ所定の通信エリアa,b,cを有しており、各通信エリア内にいる移動端末装置との間で通信を行うことができる。図示の例の場合、たとえば、移動端末装置T1,T2は、通信エリアa内に入っているため、基地局Aとの間で通信を行うことができる。また、移動端末装置T6は、通信エリアb,cの双方に入っているため、基地局B,Cのいずれとも通信を行うことができる。
【0016】
ただ、図示のように、多数の基地局と多数の移動端末装置とを含む無線通信システムでは、通常、特定の基地局と特定の移動端末装置との間での交信は、図2に示すような複数の段階を経て実行される。まず、ステップS10の通信接続準備段階では、特定の基地局と特定の移動端末装置との間で、それぞれ識別コードを交換し合い、両者間で通信相手を特定し、通信を確立するための処理が行われる。たとえば、基地局Aと移動端末装置T1との間で交信を行う場合、通信エリアa内に入った移動端末装置T1は、基地局Aに対して自己の識別コード<T1>を送信するとともに、基地局Aから送られてくる基地局A自身の識別コード<A>を受信する処理を行う必要がある。
【0017】
図3は、Bluetoothなる通信規格における通信接続準備段階(ステップS10)の手順を更に細かく示す流れ図である。Bluetoothでは、基地局に対応するマスタと、移動端末装置に対応するスレーブとの間で通信が行われる。図1に示す例では、A,B,Cがそれぞれマスタとして機能し、T1〜T7がそれぞれスレーブとして機能する。
【0018】
このBluetoothの規格に従えば、まず、ステップS11において、マスタから全スレーブへの識別コードの問い合わせが行われる。具体的には、IQパケットと呼ばれるパケットデータが、マスタからその通信エリア内にいるすべてのスレーブに対してブロードキャストされることになる。たとえば、図1の例の場合、マスタAからスレーブT1,T2に対して、IQパケットが送信される。このようなIQパケットを受信した各スレーブは、ステップS12において、自己の識別コードをマスタに返信する処理を行う。具体的には、Bluetoothの場合、FHSパケットと呼ばれるパケットデータとして、各スレーブの識別コード(Bluetoothアドレス)とともに、クロック(Bluetoothクロック)やデバイスクラスといった属性情報が、マスタへと返されることになる。たとえば、図1の例の場合、マスタAに対して、スレーブT1からは識別コード<T1>等の情報が返信され、スレーブT2からは識別コード<T2>等の情報が返信される。
【0019】
続いて、ステップS13において、マスタから特定のスレーブへの呼び出しが行われる。図1の例の場合、既にステップS12において、マスタAには、スレーブT1,T2のそれぞれから識別コードが返信されてきているので、このうちのいずれか一方を選択して、呼び出しをかけることになる。たとえば、スレーブT1が選択された場合、スレーブT1に対して、マスタAからの呼び出しが行われる(実際には、IDパケットと呼ばれるパケットが送信される)。ステップS14では、この呼び出しを受けた特定のスレーブから、マスタへの受信確認を示す応答が行われる。この例では、スレーブT1からマスタAに対して、呼び出しに対する応答が返される(実際には、やはりIDパケットと呼ばれるパケットが返信される)。
【0020】
マスタは、呼び出しに対する応答を受け取ると、ステップS15において、当該応答をしてきた特定のスレーブに対して、マスタ自身の識別コードを送信する。具体的には、FHSパケットと呼ばれるパケットデータとして、マスタ自身の識別コード(Bluetoothアドレス)とクロック(Bluetoothクロック)の情報が、当該特定のスレーブへと返されることになる。たとえば、上述の例の場合、マスタAからスレーブT1に対して、マスタA自身の識別コード<A>などの情報が送信されることになる。続くステップS16では、当該特定のスレーブからマスタに対して、受信確認を示す応答が行われる。この例では、スレーブT1からマスタAに対して、再度の応答が返されることになる(やはりIDパケットと呼ばれるパケットが返信される)。
【0021】
以上、述べたステップS11〜S16の手順により、マスタAとスレーブT1との間における通信の同期が確立されることになる。この時点で、マスタAは、通信相手となるスレーブT1の識別コード(Bluetoothアドレス)、クロック(Bluetoothクロック)、デバイスクラスを認識しており、スレーブT1は、通信相手となるマスタAの識別コード(Bluetoothアドレス)およびクロック(Bluetoothクロック)を認識していることになる。図2のステップS10に示す通信接続準備段階は、このように、特定の基地局(Bluetoothの場合はマスタ)と特定の移動端末装置(Bluetoothの場合はスレーブ)との間において、少なくとも相手の識別コードを認識し、どの相手とどのような通信条件で通信接続するかを確定させる処理ということができる。
【0022】
こうして、ステップS10の通信接続準備段階が完了すると、ステップS20の通信接続認証段階が行われる。この段階では、両者間で必要な認証処理が実行され、相互に通信接続が許可されている相手であることの確認が行われる。通信接続認証段階S20で行われる認証処理の具体的なプロセスは、個々の無線通信システムによって様々であるが、通常は、両者間で所定の認証データのやりとりが行われる。場合によっては、移動端末装置のユーザ自身に何らかの操作入力を行わせ、入力されたデータを用いて、所定の認証処理を実行することもある。この通信接続認証段階S20における認証が完了すると、ようやくステップS30の通信接続実行段階への移行が行われ、本来のデータ送受処理が実行される。
【0023】
以上、Bluetoothなどの規格に基づく一般的な無線通信システムにおける通信接続のための手順を述べたが、ステップS20に示す通信接続認証段階は、必ずしも効率的な処理ではなく、認証処理が完了するまで、ユーザに待ち時間を強いるという問題があることは、既に述べたとおりである。本発明は、このステップS20の通信接続認証段階のプロセスを効率化するための新たな提案を行うものである。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの基本構成を示すブロック図である。この無線通信システムは、実際には、複数の基地局(Bluetoothの場合はマスタに対応)と複数の移動端末装置(Bluetoothの場合はスレーブに対応)とによって構成されるが、ここでは説明の便宜上、1つの基地局Aと1つの移動端末装置T1だけを図示することにする。
【0025】
本発明に係る移動端末装置T1は、所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行う機能を有しており、ここでは、移動端末装置T1が基地局Aの通信エリア内に入っているものとして、以下の説明を行うことにする。
【0026】
移動端末装置T1は、図示のとおり、通信接続準備部10、通信接続実行部20、リスト格納部30、接続許可判定部40、モード設定部50、リスト編集部60によって構成されている。もっとも、これらの各構成要素は、移動端末装置T1のもつ個々の機能をそれぞれ機能要素として捉えたものであり、実際のハードウエア構成を示しているものではない。
【0027】
通信接続準備部10は、この移動端末装置T1が、特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、当該特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、当該特定の基地局の識別コードを受信することにより、当該特定の基地局に対する通信接続の準備を行う機能を有する構成要素であり、図2に示す流れ図における通信接続準備段階S10を実行する。たとえば、Bluetoothの通信規格を採用している場合であれば、基地局Aと通信接続準備部10との間で、図3の流れ図に示す手順が実行されることになる。その結果、通信接続準備部10から基地局Aに対しては、移動端末装置T1の識別コード<T1>が送信され、基地局Aから通信接続準備部10に対しては、基地局Aの識別コード<A>が送信されることになる。
【0028】
一方、通信接続実行部20は、特定の基地局(図4の例では、基地局A)に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する機能を有する構成要素である。図示の例では、基地局Aから通信接続実行部20に対して、データDATA(1)が送信され、逆に、通信接続実行部20から基地局Aに対して、データDATA(2)が送信される例が示されている。これは、図2に示す流れ図における通信接続実行段階S30に対応する手順である。通常、基地局Aと通信接続実行部20との間のデータの送受は、データパケットのやりとりによって行われる。
【0029】
もっとも、通信接続実行部20は、無条件で、基地局Aに対するデータの送受を実行するわけではない。通信接続準備部10によって、基地局Aに対する通信接続の準備が完了したとしても、所定の接続許可が与えられない限り、通信接続実行部20による本来のデータ送受が行われることはない。すなわち、図2の流れ図に示されているとおり、通信接続準備部10による接続準備完了(ステップS10)から、通信接続実行部20による通信接続実行(ステップS30)へ移行する前に、ステップS20における通信接続認証段階が必要になる。
【0030】
ただ、本発明に係る移動端末装置T1の場合、このステップS20における通信接続認証段階は、従来の一般的な無線通信システム用移動端末装置で行われていた手順よりもはるかに単純になる。図4に示す本発明に係る移動端末装置T1では、リスト格納部30および接続許可判定部40によって、この通信接続認証段階の処理が実行される。
【0031】
図示のとおり、リスト格納部30には、接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストL1と、接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストL2と、が格納されている。具体的には、図示の例の場合、許可コードリストL1には、識別コード<A>,<B>,<C>が格納されており、これは基地局A,基地局B,基地局Cに対しては接続が許可されることを示している。一方、禁止コードリストL2には、識別コード<X>,<Y>,<Z>が格納されており、これは基地局X,基地局Y,基地局Zに対しては接続が禁止されることを示している。
【0032】
接続許可判定部40は、通信接続準備部10によって接続準備が完了した相手先となる基地局、別言すれば、通信接続準備部10が受信した識別コードによって示される基地局について、通信接続実行部20に対する接続許可の指示を与えるか否かを判定する機能をもった構成要素である。この判定には、リスト格納部30内に格納されている許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2が参照されることになる。
【0033】
モード設定部50は、この判定を行うための2種類のモードのいずれか一方を設定する機能を有する構成要素であり、外部からの操作入力により、許可モードと禁止モードとのいずれか一方のモードの設定が可能である。別言すれば、この実施例に示されている移動端末装置T1は、許可モードか禁止モードかのいずれか一方のモードで動作するように構成されており、ユーザは、所定の切替操作を行うことにより、モード設定部50におけるモード設定を切り替えることができる。なお、この切替は無線通信を介した外部からの操作により行うことも可能である。リスト格納部30内には、許可コードリストL1と禁止コードリストL2との双方が格納されているが、モード設定部50における設定が許可モードになっていた場合には、接続許可判定部40における判定には、許可コードリストL1のみが利用され、モード設定部50における設定が禁止モードになっていた場合には、接続許可判定部40における判定には、禁止コードリストL2のみが利用される。
【0034】
具体的には、モード設定部50によって許可モードが設定されていた場合、接続許可判定部40は、リスト格納部30内の許可コードリストL1を検索することにより、通信接続準備部10によって受信した識別コードが、許可コードリストL1にあるか否かを確認し、リストにある場合にのみ、通信接続実行部20に対して接続許可の指示を与える処理が行われる。一方、モード設定部50によって禁止モードが設定されていた場合、接続許可判定部40は、リスト格納部30内の禁止コードリストL2を検索することにより、通信接続準備部10によって受信した識別コードが、禁止コードリストL2にあるか否かを確認し、リストにない場合にのみ、通信接続実行部20に対して接続許可の指示を与える処理が行われる。
【0035】
図示の例では、モード設定部50における設定が許可モードになっていた場合、接続許可判定部40は、通信接続準備部10が受信した基地局の識別コードが、<A>,<B>,<C>のいずれかであったときには接続許可の指示を与えることになるが、それ以外であったときには接続許可の指示は与えられないことになる。別言すれば、通信接続準備部10が通信接続の準備を完了した相手の基地局が、基地局A,B,Cのいずれかであれば接続許可を与えるが、それ以外の基地局であった場合には、接続許可は与えられないことになる。このように、許可モードは、予め許可コードリストL1内に登録されている特定の基地局に対してのみ接続許可を与え、それ以外の基地局に対しては接続許可を与えない、という判定を行う場合に便利なモードということになる。
【0036】
一方、モード設定部50における設定が禁止モードになっていた場合、接続許可判定部40は、通信接続準備部10が受信した基地局の識別コードが、<X>,<Y>,<Z>のいずれでもなかったときは接続許可の指示を与えることになるが、いずれかであったときには接続許可の指示は与えられないことになる。別言すれば、通信接続準備部10が通信接続の準備を完了した相手の基地局が、基地局X,Y,Zのいずれかであれば接続許可は与えられないが、それ以外の基地局であった場合には、接続許可を与えることになる。このように、禁止モードは、予め禁止コードリストL2内に登録されている特定の基地局に対しては接続を禁止し、それ以外の基地局に対しては接続許可を与える、という判定を行う場合に便利なモードということになる。
【0037】
リスト格納部30内に格納されている許可コードリストL1および禁止コードリストL2の内容は、リスト編集部60によって編集することができる。ユーザは、このリスト編集部60に対して、所定の操作入力を行うことにより、各リストに特定の基地局の識別コードを追加したり削除したりする編集を行うことができる。また、ここに示す実施形態の場合、通信接続実行部20を介して受信したデータDATA(2)をリスト編集部60に与えることにより、各リストに対する編集を行うことも可能になっている。この場合、ユーザの操作によらずに、無線通信を介した外部からの操作により、各リストの内容が編集されることになる。
【0038】
結局、本発明に係る移動端末装置T1の場合、図2のステップS20に示す通信接続認証段階は、リスト格納部30および接続許可判定部40による上述した判定処理によって実行されることになり、接続許可判定部40から通信接続実行部20に対して接続許可が与えられた場合には、接続認証が得られたことになる。このような接続認証処理は、移動端末装置T1の内部において、リスト格納部30内の許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2を参照する処理によって実行可能であり、外部の基地局に対する通信を行う必要はない。このため、認証処理のプロセスを非常に効率化することが可能になる。
【0039】
もちろん、本発明に係る移動端末装置T1における認証処理は、通信接続準備部10が通信接続準備を完了した基地局の識別コードが、リスト格納部30内の許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2にあるか否かという二者択一の単純な判定に基づくものであるため、複雑な認証を実行することはできない。たとえば、通信接続準備を完了した基地局との間で、所定のパスワードを取り交わし、このパスワードが正しいか否かを判定するような複雑な認証プロセスが必要な場合には、本発明をそのまま適用することはできない。しかしながら、特定の基地局に対して接続してよいか否かという二者択一的な判定を行えば十分なケースでは、本発明は極めて有効である。
【0040】
今後は、駅などの公共施設や様々な商業施設内に、種々の企業がそれぞれ基地局を設置して、様々な情報を発信するサービスが提供されることが予想される。この場合、携帯電話、パソコン、PDAなどの移動端末装置をもったユーザが、これらの施設の通信エリア内に入ってきた場合、各基地局から提供されるサービスを受けることができるようになるが、本発明を利用すれば、受けることができるサービスを予め絞り込むことが可能になる。
【0041】
たとえば、ある企業が社員に配布した移動端末装置の場合、当該企業あるいはその関連企業からの情報提供が行われる基地局の識別コードを、予めリスト格納部30内に許可コードリストL1として格納しておき、モード設定部50の設定を許可モードに設定しておくようにすればよい。そうすれば、当該企業の業務に必要な情報を提供している基地局に対する接続のみが許可されることになり、それ以外の基地局からの無用な情報の受信を排除することが可能になる。
【0042】
あるいは、原則として様々な情報提供サービスを受けることを希望しているが、風俗関連情報など、一部の有害情報に関しては受信したくない、と希望するユーザの場合には、有害情報を提供する基地局の識別コードを、予めリスト格納部30内に禁止コードリストL2として格納しておき、モード設定部50の設定を禁止モードに設定しておくようにすればよい。そうすれば、禁止コードリストL2に登録されている特定の基地局からの情報を除いて、他の基地局からの情報を自由に受信することができるようになる。もちろん、有害な基地局が新たに判明した場合には、リスト編集部60を用いて、禁止コードリストL2に、当該有害基地局の識別コードを追加する操作を行えばよい。
【0043】
なお、本発明を実行するにあたり、接続許可判定部40による判定処理は、できるだけ短時間に行うことが好ましい。そのためには、リスト格納部30内に格納されている許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2に対する高速検索が可能となるようなハードウエアを用意しておく必要がある。
【0044】
図5は、このようなハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図示の例は、リスト格納部30に、識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタ群を設け、各レジスタにそれぞれリストに収録すべき識別コードを格納するようにした例である。図において、レジスタR1〜R5は、いずれも識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタであり、各レジスタには、たとえば、BlueToothアドレスなどの識別コードが格納されることになる。なお、図では便宜上、5つのレジスタR1〜R5のみが設けられている例が示されているが、実用上は、より多数のレジスタが用意されることになる。
【0045】
この図5に示すハードウエアには、接続許可判定部40の構成要素の一部として、インデックスレジスタIR、マスクレジスタMR、フラグF1〜F5が設けられている。インデックスレジスタIRおよびマスクレジスタMRは、レジスタR1〜R5と同じワード長をもったレジスタである。インデックスレジスタIRには、通信接続準備部10によって受信した識別コードが格納される。また、このハードウエアには、図示されていないビット判定器が設けられており、このビット判定器によって、各レジスタR1〜R5の個々のビットとインデックスレジスタIRの個々のビットとが比較され、一致判定の処理が行われる。フラグF1〜F5は、個々のレジスタR1〜R5についての一致判定の結果を記録するためのフラグであり、接続許可判定部40は、各フラグF1〜F5の状態に基づいて接続許可の指示を与えることができる。
【0046】
たとえば、各フラグF1〜F5の初期状態を論理「0」としておき、インデックスレジスタIR内に格納されたデータ(通信接続準備部10によって受信した識別コード)の全ビットと、第i番目のレジスタRi内に格納されたデータの全ビットとが一致した場合には、第i番目のフラグFiの論理を「1」とするようにしておいた場合を考えてみよう。この場合、もし、図6にハッチングを施して示すように、インデックスレジスタIR内に格納されたデータの全ビットと、第4番目のレジスタR4内に格納されたデータの全ビットとが一致した場合には(図では一致したレジスタをハッチングで示す)、第4番目のフラグF4の論理が「1」になる。そこで、接続許可判定部40は、許可モードが設定されていた場合には、フラグF1〜F5のうちのいずれかが論理「1」になっていれば(すなわち、全フラグの論理和が論理「1」になっていれば)、通信接続実行部20に対して接続許可を与えるようにすればよいし、そうでなければ(すなわち、全フラグの論理和が論理「0」になっていれば)、接続許可を与えないようにすればよい。逆に、禁止モードが設定されていた場合には、全フラグの論理和が論理「0」になっていれば接続許可を与え、論理「1」になっていれば接続許可を与えないようにすればよい。
【0047】
上述のようなハードウエア構成をとれば、許可コードリストL1もしくは禁止コードリストL2に対する高速検索が可能になり、しかも検索結果に基づいて、接続許可を与えるか否かの論理判断を高速に行うことが可能になる。なお、各レジスタR1〜R5のワード長に余裕があれば、個々の基地局に関する付随的なデータを格納しておくことができ、これらのレジスタをアクセスすることにより、各基地局の付随的な情報を引き出すことも可能である。
【0048】
なお、図5および図6に示す例では、マスクレジスタMRを設けることにより、柔軟な判断が可能になるような工夫が施されている。すなわち、マスクレジスタMRは、インデックスレジスタIRの特定のビットをマスクするためのレジスタであり、ビット判定器は、このマスクレジスタMRによってマスクされていないビットについてのみ一致判定を行うように構成されている。たとえば、マスクレジスタMRの各ビットが、論理「0」の場合はマスクせず、論理「1」の場合はマスクする、と定めておけば、マスクレジスタMRのビットが「0」となっている桁の一致だけが判定され、その他の桁の一致は不問になる。別言すれば、各レジスタR1〜R5のうち、マスクレジスタMRのビットが「0」となっている桁についてだけ、インデックスレジスタIRとの一致判定が行われることになる。結局、マスクレジスタMRを利用すれば、単一のレジスタに格納したデータによって、複数の識別コードを表現することが可能になる。
【0049】
このように識別コードの一部分についてのみの一致を見ることにより、接続許可の判定を行うようにすると、より柔軟な判断が可能になる。たとえば、BlueToothの場合、識別コードとして機能するBlueToothアドレスは、48ビットの情報によって構成されている。この48ビットのうち、下位24ビットはLAP(Lower Address Part)、次の8ビットがUAP(Upper Address Part)、残りの16ビットがNAP(Non−significant Address Part)と呼ばれており、UAPとNAPは、IEEE802によって企業を定める識別子として用いられ、LAPは個々の企業が独自に定められる任意のコードになる。そこで、マスクレジスタMRに格納するデータを適当に設定してやれば、たとえば、企業を定める識別子の部分についてのみ一致判定が行われるような設定が可能になり、通信接続準備部10によって接続準備完了となった基地局(マスタ)のBlueToothアドレスが、特定の企業についてのBlueToothアドレスであるか否かを判定するようなことが可能になる。
【0050】
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、図4に示す実施形態では、モード設定部50によって、許可モードか禁止モードかのいずれか一方を設定することにより、2通りのモード動作を切り替えることが可能な例を示したが、本発明を実施する上では、必ずしも2通りのモード動作を用意しておく必要はない。たとえば、許可モードの動作のみが可能であれば十分な場合には、リスト格納部30内には許可コードリストL1のみを用意しておくようにし、接続許可判定部40は常に許可モードで動作するようにしておけばよい。この場合、モード設定部50は不要である。逆に、禁止モードの動作のみが可能であれば十分な場合には、リスト格納部30内には禁止コードリストL2のみを用意しておくようにし、接続許可判定部40は常に禁止モードで動作するようにしておけばよい。この場合も、モード設定部50は不要である。
【0051】
また、上述の実施形態では、主として、BlueToothなる通信規格を用いた無線通信システムに本発明を適用した例を述べたが、本発明が適用可能な通信規格はBlueToothのみに限定されるものではなく、本発明は、この他にも様々な通信規格を用いた無線通信システムに利用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る無線通信システム用移動端末装置によれば、認証処理のプロセスをより効率化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の基地局と複数の移動端末装置とによって構成される無線通信システムのモデルを示す模式図である
【図2】特定の基地局と特定の移動端末装置との間での一般的な交信プロセスを示す流れ図である。
【図3】Bluetoothなる通信規格における通信接続準備段階(図2のステップS10)の手順を細かく示す流れ図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの基本構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す移動端末装置T1に組み込むのに適したハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5に示すハードウエア構成による検索処理を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…通信接続準備部
20…通信接続実行部
30…リスト格納部
40…接続許可判定部
50…モード設定部
60…リスト編集部
A,B,C…基地局(マスタ)
a,b,c…通信エリア
F1〜F5…フラグ
IR…インデックスレジスタ
L1…許可コードリスト
L2…禁止コードリスト
MR…マスクレジスタ
R1〜R5…レジスタ
S10〜S16,S20,S30…流れ図の各ステップ
T1〜T7…移動端末装置(スレーブ)
Claims (7)
- 所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置であって、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、前記特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、前記特定の基地局の識別コードを受信することにより、前記特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、前記特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストを格納したリスト格納部と、
前記リスト格納部を検索することにより、前記通信接続準備部によって受信した識別コードが前記許可コードリストにあるか否かを確認し、リストにある場合には、前記通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。 - 所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置であって、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、前記特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、前記特定の基地局の識別コードを受信することにより、前記特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、前記特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストを格納したリスト格納部と、
前記リスト格納部を検索することにより、前記通信接続準備部によって受信した識別コードが前記禁止コードリストにあるか否かを確認し、リストにない場合には、前記通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。 - 所定位置に配置された複数の基地局のうちのいずれかの通信エリア内に入ったときに、当該基地局との間で無線通信を行うことができる無線通信システム用移動端末装置であって、
特定の基地局の通信エリア内に入ったときに、前記特定の基地局に対して自己の識別コードを送信するとともに、前記特定の基地局の識別コードを受信することにより、前記特定の基地局に対する通信接続の準備を行う通信接続準備部と、
接続許可の指示が与えられたときに、前記特定の基地局に対する通信のための接続を行い、通信対象となるデータの送受処理を実行する通信接続実行部と、
接続を許可する基地局の識別コードを収録した許可コードリストと、接続を禁止する基地局の識別コードを収録した禁止コードリストと、を格納したリスト格納部と、
外部からの操作入力により、許可モードと禁止モードとのいずれか一方のモードを設定することができるモード設定部と、
前記モード設定部による設定が許可モードの場合には、前記リスト格納部を検索することにより、前記通信接続準備部によって受信した識別コードが前記許可コードリストにあるか否かを確認し、リストにある場合には、前記通信接続実行部に対して接続許可の指示を与え、前記モード設定部による設定が禁止モードの場合には、前記リスト格納部を検索することにより、前記通信接続準備部によって受信した識別コードが前記禁止コードリストにあるか否かを確認し、リストにない場合には、前記通信接続実行部に対して接続許可の指示を与える接続許可判定部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の移動端末装置において、
リスト格納部に格納されているリストに対して編集を行う機能をもったリスト編集部を更に備えることを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の移動端末装置において、
リスト格納部に、識別コードを格納するのに十分なワード長をもったレジスタ群を設け、各レジスタにそれぞれリストに収録すべき識別コードを格納するようにし、
接続許可判定部に、通信接続準備部によって受信した識別コードを格納するためのインデックスレジスタと、前記各レジスタの個々のビットと前記インデックスレジスタの個々のビットとを比較して一致判定を行うビット判定器と、個々のレジスタについての一致判定の結果を記録するための各フラグと、を設け、前記各フラグの状態に基づいて接続許可の指示を与えることができるようにしたことを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。 - 請求項5に記載の移動端末装置において、
インデックスレジスタの特定のビットをマスクするためのマスクレジスタを更に設け、ビット判定器が、前記マスクレジスタによってマスクされていないビットについてのみ一致判定を行うことを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の移動端末装置において、
通信接続準備部が、特定の基地局から、識別コードを問い合わせるための問い合わせ信号を受信したときに、自己の識別コードを返信する第1の処理と、前記特定の基地局から、前記自己の識別コードを特定した呼び出し信号を受信したときに、これに応答する第2の処理と、前記特定の基地局から、前記特定の基地局自身の識別コードを受信したときに、これに応答する第3の処理と、を実行することを特徴とする無線通信システム用移動端末装置。
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JP2003028561A JP2004242021A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 無線通信システム用移動端末装置 |
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JP2007316946A (ja) * | 2006-05-25 | 2007-12-06 | Toshiba Tec Corp | 情報処理装置 |
JP2009534952A (ja) * | 2006-04-20 | 2009-09-24 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 複数のネットワーク間の無線ハンドオフ |
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2003
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US8275377B2 (en) | 2006-04-20 | 2012-09-25 | Qualcomm Incorporated | Wireless handoffs between multiple networks |
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