JP2004241749A - イメージセンサ - Google Patents
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Abstract
【目的】イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素から、しゃ光漏れの影響を受けることのない常に安定した基準信号を得るようにする。
【構成】撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をドランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもっで電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにおいて、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制する手段を設ける。
【選択図】 図9
【構成】撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をドランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもっで電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにおいて、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制する手段を設ける。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換した出力を生ずる光センサ回路を画素に用いたイメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子(フォトダイオード)に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換して、その電圧信号を増幅してダイナミックレンジの広いセンサ出力を生ずる光センサ回路を画素に用いたMOS型のイメージセンサが開発されている。そして、そのイメージセンサにあって、各画素の光センサ回路における光電変換素子の寄生容量の残留電荷に起因する残像を抑制するべく、撮影に先がけて対数特性変換用のトランジスタのドレイン電圧を定常よりも低い値に切り換えて、その寄生容量に過剰電荷を注入することによって初期化するようにしている(特開2000−329616公報参照)。
【0003】
このような対数出力特性をもった光センサ回路を画素に用いたイメージセンサにあっては、各画素における対数特性変換用トランジスタや増幅用トランジスタなどの特性上の差異によるセンサ出力のばらつきが否めないものになっている。
【0004】
そのため、各画素のセンサ出力のばらつき状態を測定して、補正値を作成してメモリに登録しておき、その補正値を用いた演算処理によって各画素のセンサ出力のばらつきの補正を行わせるようにしている(国際公開WO 02/45414 A1公報参照)。
【0005】
特に、各画素のセンサ出力が、図4に示すように、温度によって変動してしまう。そのため、各画素の温度ドリフトによるセンサ出力のばらつきを補正するべく、温度を検出して、その検出温度にもとづいてセンサ出力の温度補正を行わせるようにしている(特開2000−175108号公報参照)。
【0006】
また、従来、オプティカルブラック用のしゃ光された画素を設けることによって基準信号を得て、各画素のセンサ出力の温度補正を行うようにしたものがある(特許第1226271号公報参照)。
【0007】
増幅型の固体撮像素子では、クランプレベルの基準信号等を得るために、オプティカルブラック用のしゃ光された画素を用いる場合がある。
【0008】
図5は、イメージセンサにあって、受光用の画素1とオプティカルブラック用の画素2とが並設された部分的な構成を示している。
【0009】
ここでは、各画素がCMOSプロセスによってフォトダイオードPDおよび光検知制御用トランジススタQ1、増幅用トランジスタQ2、画素選択用のトランジスタQ3からなる光センサ回路(図1参照)が形成されている。そして、各画素の受光量を増加させるためにオンチップで設けられたマイクロレンズLを通した光が受光用画素1におけるフォトダイオードPDが形成されている受光部の上に直接照射され、隣接のオプティカルブラック用の画素2に対応するマイクロレンズLを通した光がしゃ断されるようにしゃ光層3が設けられている。図中、4は透明層を示している。
【0010】
そのしゃ光層3としては、通常アルミニウムAlの薄膜によって形成されているが、Alよりもしゃ光効果の大きな高融点材料であるタングステンW、モリブデンMo、チタンTi等、あるいはそれらの化合物による薄膜を形成することもある。
【0011】
しかし、しゃ光層3といってもそれが薄膜によるものであるために、マイクロレンズLを通した光が完全にしゃ断されることなく、微少ながらそのしゃ光漏れによる光がオプティカルブラック用の画素2のフォトダイオードPDによって受光されてしまう。
【0012】
特にダイナミックレンジの大きな対数出力特性をもった光センサ回路を画素に用いたいメージセンサでは、オプティカルブラック用の画素2にはダイナミックレンジ以上のしゃ光性能が要求される。
【0013】
図6は、受光用画素1の輝度に対する出力特性Aとオプティカルブラック用の画素2の輝度に対する出力特性Bとの一例をそれぞれ示している。オプティカルブラック用の画素2では、しゃ光層3によってしゃ光されているにもかかわらず、1000cd/m2を越えるとセンサ出力が生じてしまう。
【0014】
オプティカルブラック用の画素2にセンサ出力を生じてしまう原因としては、図7に示すように、しゃ光層3を透過した光P1がフォトダイオードPDによって受光される場合、隣接の受光用画素1に入射した光が上部で転送ゲート15との間で反射しながら、その反射光P2がオプティカルブラック用の画素2のフォトダイオードPDによって受光される場合、入射光P3により受光用画素1の下部で発生した正孔や電子が漂ってオプティカルブラック用の画素2のフォトダイオードPDに到達する場合などが考えられる。
【0015】
オプティカルブラック用の画素2からセンサ出力を生ずるようになると、例えばオプティカルブラック用の画素2によって基準信号を得て受光用の画素1のセンサ出力の温度補正を行うような場合に、補正の精度が悪くなってしまう。これは、ダイナミックレンジの大きなイメージセンサの場合に特に問題となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用いたイメージセンサにあって、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けることにより基準信号を得て、各画素のセンサ出力の温度補正などを行わせようとする場合、しゃ光層の透過光などによってオプティカルブラック用の画素からセンサ出力を生じてしまい、正確な基準信号が得られないことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにおいて、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制する手段を設けるようにしている。
【0018】
【実施例】
図1は、本発明のイメージセンサにおける画素単位となる光センサ回路の基本的な構成を示している。
【0019】
その光センサ回路は、撮影時における入射光Lsの光量に応じたセンサ電流を生ずる光電変換素子としてのフォトダイオードPDと、そのフォトダイオードPDに流れるセンサ電流をサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号Vpdに変換するトランジスタQ1と、その変換された電圧信号Vpdを増幅するトランジスタQ2と、読出し信号Vsのパルスタイミングでもってセンサ信号Voを出力するトランジスタQ3とによって構成され、ダイナミックレンジを拡大して光信号の検出を高感度で行わせることができるようになっている。そして、撮影に先がけてトランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定時間だけ定常値よりも低く設定して、フォトダイオードPDの寄生容量Cに蓄積された残留電荷の影響をなくすために余剰電荷を注入して初期化することにより、センサ電流に急激な変化が生じても即座にそのときの入射光Lsの光量に応じた電圧信号Vpdが得られるようにして、入射光量が少ない場合でも残像が生ずることがないようにしている。この光センサ回路自体は、公知である。
【0020】
図2は、その光センサ回路における各部信号のタイムチャートを示している。ここで、t1は初期化のタイミングを、t2はセンサ信号Voの出力タイミングを、Tは光検知時の寄生容量Cにおける電荷蓄積期間をそれぞれ示している。
【0021】
図3は、その光センサ回路における入射光の輝度に対するセンサ信号Voの出力特性を示している。それは、フォトダイオードPDに流れるセンサ電流が多いときには対数出力特性を示し、センサ電流が少ないときには寄生容量Cの充電に応答遅れを生じてほぼ線形の非対数出力特性を示している。図中、WAは非対数応答領域を示し、WBは対数応答領域を示している。
【0022】
このような光センサ回路が画素単位として、前述したように、CMOSプロセスによって固体撮像素子として構成されるが(図5参照)、このような構成によるのではしゃ光漏れによってオプティカルブラック用の画素2にセンサ出力を生じてしまうことになる(図6参照)。
【0023】
いま、このような光センサ回路にあって、初期化後におけるセンサ信号の出力タイミングを通常の出力タイミング(例えば初期化完了から1/30sec)よりも早める(例えば初期化完了から1/1000sec)と、入射光に応じたフォトダイオードPDにおける寄生容量Cの必要な電荷蓄積時間(トランジスタQ1の対数動作による出力が安定するまでの時間)が不充分となって、図8中、A′の特性で示すように、低輝度時の出力感度が悪くなってしまう(感度は通常の場合に比べて1桁ほど悪くなる)。図8中、Aは通常の出力タイミングで読み出されたセンサ信号の特性を示している。
【0024】
図9は、そのときの光センサ回路における初期化のタイミングt1、その初期化後のT′(1/1000sec)期間経過によるセンサ信号の早めの出力タイミングt2′、その初期化後のT(1/30sec)期間経過によるセンサ信号の通常の出力タイミングt2およびその各タイミングに応じたフォトダイオードPDにおける寄生容量Cの充電状態の一例を示している。
【0025】
本発明によるイメージセンサにあっては、このような現象をオプティカルブラック用の画素2に適用することにより、しゃ光漏れによる出力感度を有効に低下させて、暗から明までの広い輝度範囲にわたって微少なしゃ光漏れによる光の影響を抑制して、安定した基準信号を得ることができるようにしている。
【0026】
すなわち、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素2におけるフォトダイオードPDの寄生容量Cに余剰電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制するようにしている。
【0027】
具体的には、イメージセンサにおける受光用およびオプティカルブラック用の全ての画素の初期化を同時に行い、その初期化後における入射光によるフォトダイオードPDの寄生容量Cの充電初期の段階でオプティカルブラック用の画素2の出力を得て、その後寄生容量Cが充分な充電状態になった段階で受光用の画素1のセンサ信号を出力させるようにする。
【0028】
図10は、初期化後に、受光用の画素1を1/30secで出力させたときの信号Aと1/1000secで出力させたときの信号Bとの関係およびオプティカルブラック用の画素2を1/30secで出力させたときの信号A′と1/1000secで出力させたときの信号B′との関係をそれぞれ示している。
【0029】
本発明によれば、受光用の画素1にあっては感度の良い出力特性Aが、オプティカルブラック用の画素2にあってはしゃ光漏れによる微少な光によっては変動することがなく安定した出力特性B′が得られることになる。
【0030】
図11は、光センサ回路を画素単位として、画素をマトリクス状に複数配設して、各面素のセンサ信号Soの時系列的な読出し走査を行わせるようにしたイメージセンサの構成例を示している。
【0031】
そのイメージセンサは、その基本的な構成が、例えば、D11〜D44からなる4×4の画素をマトリクス状に配設して、各1ライン分の画素列を画素列選択回路5から順次出力される選択信号LS1〜LS4によって選択し、その選択された画素列における各画素を、画素選択回路6から順次出力される選択信号DS1〜DS4によって制御スイッチ群7における各対応するスイッチSW1〜SW4が逐次オン状態にされることによって各画素のセンサ信号Soが時系列的に読み出されるようになっている。図中、8は各画素における前記トランジスタQ1のゲート電圧VG用電源であり、10はドレイン電圧VD用電源である。ここでは、出力側に基準抵抗Rを介してバイアス電圧Vbを印加することによって各画素のセンサ信号Soを電圧信号Voとしてとり出すようにしている。
【0032】
そして、このようなイメージセンサにあって、各1ライン分の画素列の選択に際して、その選択された画素列における各画素の前記トランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定のタイミングをもって定常時のハイレベルHおよび初期化時のローレベルLに切り換える電圧切換回路9が設けられている。
【0033】
このように構成されたイメージセンサの基本的な動作について、図12に示す各部信号のタイムチャートとともに、以下説明をする。
【0034】
まず、画素列選択信号LS1がハイレベルHになると、それに対応するD11,D12,D13,D14からなる第1の画素列が選択される。そして、LS1がハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D11,D12,D13,D14のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0035】
次いで、画素列選択信号LS1がローレベルLになった時点で次のLS2がハイレベルHになると、それに対応するD21,D22,D23,D24からなる第2の画素列が選択される。そして、LS2がハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D21,D22,D23,D24のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0036】
以下同様に、画素列選択信号LS3およびLS4が連続的にハイレベルHになって各対応する第3および第4の画素列が順次選択され、LS3およびLS4がそれぞれハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D31,D32,D33,D34およびD41,D42,D43,D44のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0037】
また、画素列選択信号LS1がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第1の画素列における各画素D11,D12,D13,D14のドレイン電圧VD1をそれまでのハイレベルHからローレベルLに所定時間T2のあいだ切り換えることによって各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号Voの読出しにそなえる。
【0038】
次いで、画素列選択信号LS2がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第2の画素列における各画素D21,D22,D23,D24のドレイン電圧VD1をそれまでのハイレベルHからローレベルLに所定時間T2のあいだ切り換えることによって各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号Voの読出しにそなえる。
【0039】
以下同様に、画素列選択信号LS3およびLS4がそれぞれT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第3および第4の画素列にそれぞれ対応するドレイン電圧VD3をローレベルLに切り換えて各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号Voの読出しにそなえる。
【0040】
図中、T4は各画素からセンサ信号の読み出しを行わない入射光に応じた電荷の蓄積期間である。
【0041】
以上のような各部信号の発生のタイミングは、図示しないECUの制御下で画素列選択回路5、画素選択回路6および電圧切換回路10の駆動を行わせることによって決定されるようになっている。
【0042】
このように、各画素のセンサ信号Soの読出し走査に応じた適切なタイミングをもって各画素の初期化を行わせることによって、イメージセンサ全体としての蓄積時間の過不足を低減できるようになる。
【0043】
そして、残像がなく、ダイナミックレンジの広い対数出力特性をもったイメージセンサが実現できるようになる。
【0044】
図13は、イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素2の設置状態の一例を示している。ここでは、642×482画素のマトリクス構成にあって、第1行および第2行、第481列および第482列の各画素をそれぞれオプティカルブラック用の画素とし、他の640×480の画素を受光用の画素1としている。
【0045】
図14は、図13の画素構成における各画素の初期化および各画素信号の読出しのタイミングを示している。
【0046】
また、図15は、イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素2の設置状態の他の例を示している。
【0047】
前述のようにして得られたオプティカルブラック用の画素2の出力信号は、例えば、以下のようにして用いられる。
【0048】
オプティカルブラック用の画素2の出力信号は、電荷蓄積時間に違いがあっても、図16に示すように、同じ傾向の温度特性を有している。
【0049】
しかし、各オプティカルブラック用の画素2からそれぞれ得られる出力信号は電荷蓄積時間の違いから同じ特性にはならない。そのため、各オプティカルブラック用の画素2からそれぞれ得られる出力信号の特性を変換してやる必要がある。
【0050】
図17は、イメージセンサにおける各オプティカルブラック用の画素2の出力信号を用いてその受光用の画素1から出力するセンサ信号の温度補正をする場合の構成例を示している。
【0051】
ここでは、ECU11の制御下において、イメージセンサ12から出力する各オプティカルブラック用の画素の信号が変換回路13へ送られ、各受光用の画素から出力するセンサ信号が温度補正回路14へ送られる。変換回路13ではオプティカルブラック用の画素の信号によりイメージセンサ12の温度を検出して温度補正回路14に与える。温度補正回路14では、その温度検出信号に応じて各受光用の画素から出力するセンサ信号の温度補正のための演算処理を行って、その処理されたセンサ信号Vo′を出力するようになっている。
【0066】
【効果】
以上、本発明によれば、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにあって、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制することにより、常に安定した精度の良い基準信号を得ることができるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】イメージセンサにおける画素単位となる対数出力特性をもった光センサ回路の一般的な回路構成例を示す電気回路図である。
【図2】その光センサ回路において初期化手段をとったときの各部信号のチイムチャートである。
【図3】その光センサ回路における初期化手段をとったときの入射光の輝度に対するセンサ信号の出力特性を示す図である。
【図4】その光センサ回路から出力するセンサ信号の温度による変化状態の一例を示す特性図である。
【図5】CMOSプロセスによって形成された受光用の画素とオプティカルブラック用の画素とが並設された部分的な構成を示す正断面図である。
【図6】入射光の輝度に対する受光画素の出力としゃ光漏れの影響を受けているオプティカルブラック用の画素の出力との特性をそれぞれ示す図である。
【図7】オプティカルブラック用の画素におけるしゃ光漏れの状態を示す正断面図である。
【図8】光センサ回路におけるセンサ信号の読出しのタイミングを変化させたときの入射光の輝度に対するセンサ信号の出力特性の変化状態の一例を示す図である。
【図9】光センサ回路における初期化、早めのセンサ信号の読出し、通常のセンサ信号の読出しの各タイミングチャートおよびその各タイミングに応じたフォトダイオードの寄生容量の充電状態の特性を示す図である。
【図10】イメージセンサにおける受光用の画素およびオプティカルブラック用の画素の早めに出力させたときの信号と通常に出力させたときの信号の出力特性をそれぞれ示す図である。
【図11】光センサ回路を画素単位に用いたイメージセンサの一構成例を示すブロック図である。
【図12】図11に示すイメージセンサにおける各部信号のタイムチャートである。
【図13】イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素の設置状態の一例を示す図である。
【図14】図13の画素構成における各画素の初期化および各画素信号の読出しのタイミングを示すタイムチャートである。
【図15】イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素の設置状態の他の例を示す図である。
【図16】オプティカルブラック用の画素の出力信号の温度特性の一例を示す図である。
【図17】イメージセンサにおける各オプティカルブラック用の画素の出力信号を用いて受光用の画素から出力するセンサ信号の温度補正をする場合の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受光用画素
2 オプティカルブラック用の画素
3 しゃ光層
4 透明層
15 転送ゲート
L マイクロレンズ
Q1 対数特性変換用トランジスタ
Q2 増幅用トランジスタ
Q3 出力用トランジスタ
PD フォトダイオード(光電変換素子)
C 寄生容量
【産業上の利用分野】
本発明は、入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換した出力を生ずる光センサ回路を画素に用いたイメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子(フォトダイオード)に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換して、その電圧信号を増幅してダイナミックレンジの広いセンサ出力を生ずる光センサ回路を画素に用いたMOS型のイメージセンサが開発されている。そして、そのイメージセンサにあって、各画素の光センサ回路における光電変換素子の寄生容量の残留電荷に起因する残像を抑制するべく、撮影に先がけて対数特性変換用のトランジスタのドレイン電圧を定常よりも低い値に切り換えて、その寄生容量に過剰電荷を注入することによって初期化するようにしている(特開2000−329616公報参照)。
【0003】
このような対数出力特性をもった光センサ回路を画素に用いたイメージセンサにあっては、各画素における対数特性変換用トランジスタや増幅用トランジスタなどの特性上の差異によるセンサ出力のばらつきが否めないものになっている。
【0004】
そのため、各画素のセンサ出力のばらつき状態を測定して、補正値を作成してメモリに登録しておき、その補正値を用いた演算処理によって各画素のセンサ出力のばらつきの補正を行わせるようにしている(国際公開WO 02/45414 A1公報参照)。
【0005】
特に、各画素のセンサ出力が、図4に示すように、温度によって変動してしまう。そのため、各画素の温度ドリフトによるセンサ出力のばらつきを補正するべく、温度を検出して、その検出温度にもとづいてセンサ出力の温度補正を行わせるようにしている(特開2000−175108号公報参照)。
【0006】
また、従来、オプティカルブラック用のしゃ光された画素を設けることによって基準信号を得て、各画素のセンサ出力の温度補正を行うようにしたものがある(特許第1226271号公報参照)。
【0007】
増幅型の固体撮像素子では、クランプレベルの基準信号等を得るために、オプティカルブラック用のしゃ光された画素を用いる場合がある。
【0008】
図5は、イメージセンサにあって、受光用の画素1とオプティカルブラック用の画素2とが並設された部分的な構成を示している。
【0009】
ここでは、各画素がCMOSプロセスによってフォトダイオードPDおよび光検知制御用トランジススタQ1、増幅用トランジスタQ2、画素選択用のトランジスタQ3からなる光センサ回路(図1参照)が形成されている。そして、各画素の受光量を増加させるためにオンチップで設けられたマイクロレンズLを通した光が受光用画素1におけるフォトダイオードPDが形成されている受光部の上に直接照射され、隣接のオプティカルブラック用の画素2に対応するマイクロレンズLを通した光がしゃ断されるようにしゃ光層3が設けられている。図中、4は透明層を示している。
【0010】
そのしゃ光層3としては、通常アルミニウムAlの薄膜によって形成されているが、Alよりもしゃ光効果の大きな高融点材料であるタングステンW、モリブデンMo、チタンTi等、あるいはそれらの化合物による薄膜を形成することもある。
【0011】
しかし、しゃ光層3といってもそれが薄膜によるものであるために、マイクロレンズLを通した光が完全にしゃ断されることなく、微少ながらそのしゃ光漏れによる光がオプティカルブラック用の画素2のフォトダイオードPDによって受光されてしまう。
【0012】
特にダイナミックレンジの大きな対数出力特性をもった光センサ回路を画素に用いたいメージセンサでは、オプティカルブラック用の画素2にはダイナミックレンジ以上のしゃ光性能が要求される。
【0013】
図6は、受光用画素1の輝度に対する出力特性Aとオプティカルブラック用の画素2の輝度に対する出力特性Bとの一例をそれぞれ示している。オプティカルブラック用の画素2では、しゃ光層3によってしゃ光されているにもかかわらず、1000cd/m2を越えるとセンサ出力が生じてしまう。
【0014】
オプティカルブラック用の画素2にセンサ出力を生じてしまう原因としては、図7に示すように、しゃ光層3を透過した光P1がフォトダイオードPDによって受光される場合、隣接の受光用画素1に入射した光が上部で転送ゲート15との間で反射しながら、その反射光P2がオプティカルブラック用の画素2のフォトダイオードPDによって受光される場合、入射光P3により受光用画素1の下部で発生した正孔や電子が漂ってオプティカルブラック用の画素2のフォトダイオードPDに到達する場合などが考えられる。
【0015】
オプティカルブラック用の画素2からセンサ出力を生ずるようになると、例えばオプティカルブラック用の画素2によって基準信号を得て受光用の画素1のセンサ出力の温度補正を行うような場合に、補正の精度が悪くなってしまう。これは、ダイナミックレンジの大きなイメージセンサの場合に特に問題となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用いたイメージセンサにあって、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けることにより基準信号を得て、各画素のセンサ出力の温度補正などを行わせようとする場合、しゃ光層の透過光などによってオプティカルブラック用の画素からセンサ出力を生じてしまい、正確な基準信号が得られないことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにおいて、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制する手段を設けるようにしている。
【0018】
【実施例】
図1は、本発明のイメージセンサにおける画素単位となる光センサ回路の基本的な構成を示している。
【0019】
その光センサ回路は、撮影時における入射光Lsの光量に応じたセンサ電流を生ずる光電変換素子としてのフォトダイオードPDと、そのフォトダイオードPDに流れるセンサ電流をサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号Vpdに変換するトランジスタQ1と、その変換された電圧信号Vpdを増幅するトランジスタQ2と、読出し信号Vsのパルスタイミングでもってセンサ信号Voを出力するトランジスタQ3とによって構成され、ダイナミックレンジを拡大して光信号の検出を高感度で行わせることができるようになっている。そして、撮影に先がけてトランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定時間だけ定常値よりも低く設定して、フォトダイオードPDの寄生容量Cに蓄積された残留電荷の影響をなくすために余剰電荷を注入して初期化することにより、センサ電流に急激な変化が生じても即座にそのときの入射光Lsの光量に応じた電圧信号Vpdが得られるようにして、入射光量が少ない場合でも残像が生ずることがないようにしている。この光センサ回路自体は、公知である。
【0020】
図2は、その光センサ回路における各部信号のタイムチャートを示している。ここで、t1は初期化のタイミングを、t2はセンサ信号Voの出力タイミングを、Tは光検知時の寄生容量Cにおける電荷蓄積期間をそれぞれ示している。
【0021】
図3は、その光センサ回路における入射光の輝度に対するセンサ信号Voの出力特性を示している。それは、フォトダイオードPDに流れるセンサ電流が多いときには対数出力特性を示し、センサ電流が少ないときには寄生容量Cの充電に応答遅れを生じてほぼ線形の非対数出力特性を示している。図中、WAは非対数応答領域を示し、WBは対数応答領域を示している。
【0022】
このような光センサ回路が画素単位として、前述したように、CMOSプロセスによって固体撮像素子として構成されるが(図5参照)、このような構成によるのではしゃ光漏れによってオプティカルブラック用の画素2にセンサ出力を生じてしまうことになる(図6参照)。
【0023】
いま、このような光センサ回路にあって、初期化後におけるセンサ信号の出力タイミングを通常の出力タイミング(例えば初期化完了から1/30sec)よりも早める(例えば初期化完了から1/1000sec)と、入射光に応じたフォトダイオードPDにおける寄生容量Cの必要な電荷蓄積時間(トランジスタQ1の対数動作による出力が安定するまでの時間)が不充分となって、図8中、A′の特性で示すように、低輝度時の出力感度が悪くなってしまう(感度は通常の場合に比べて1桁ほど悪くなる)。図8中、Aは通常の出力タイミングで読み出されたセンサ信号の特性を示している。
【0024】
図9は、そのときの光センサ回路における初期化のタイミングt1、その初期化後のT′(1/1000sec)期間経過によるセンサ信号の早めの出力タイミングt2′、その初期化後のT(1/30sec)期間経過によるセンサ信号の通常の出力タイミングt2およびその各タイミングに応じたフォトダイオードPDにおける寄生容量Cの充電状態の一例を示している。
【0025】
本発明によるイメージセンサにあっては、このような現象をオプティカルブラック用の画素2に適用することにより、しゃ光漏れによる出力感度を有効に低下させて、暗から明までの広い輝度範囲にわたって微少なしゃ光漏れによる光の影響を抑制して、安定した基準信号を得ることができるようにしている。
【0026】
すなわち、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素2におけるフォトダイオードPDの寄生容量Cに余剰電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制するようにしている。
【0027】
具体的には、イメージセンサにおける受光用およびオプティカルブラック用の全ての画素の初期化を同時に行い、その初期化後における入射光によるフォトダイオードPDの寄生容量Cの充電初期の段階でオプティカルブラック用の画素2の出力を得て、その後寄生容量Cが充分な充電状態になった段階で受光用の画素1のセンサ信号を出力させるようにする。
【0028】
図10は、初期化後に、受光用の画素1を1/30secで出力させたときの信号Aと1/1000secで出力させたときの信号Bとの関係およびオプティカルブラック用の画素2を1/30secで出力させたときの信号A′と1/1000secで出力させたときの信号B′との関係をそれぞれ示している。
【0029】
本発明によれば、受光用の画素1にあっては感度の良い出力特性Aが、オプティカルブラック用の画素2にあってはしゃ光漏れによる微少な光によっては変動することがなく安定した出力特性B′が得られることになる。
【0030】
図11は、光センサ回路を画素単位として、画素をマトリクス状に複数配設して、各面素のセンサ信号Soの時系列的な読出し走査を行わせるようにしたイメージセンサの構成例を示している。
【0031】
そのイメージセンサは、その基本的な構成が、例えば、D11〜D44からなる4×4の画素をマトリクス状に配設して、各1ライン分の画素列を画素列選択回路5から順次出力される選択信号LS1〜LS4によって選択し、その選択された画素列における各画素を、画素選択回路6から順次出力される選択信号DS1〜DS4によって制御スイッチ群7における各対応するスイッチSW1〜SW4が逐次オン状態にされることによって各画素のセンサ信号Soが時系列的に読み出されるようになっている。図中、8は各画素における前記トランジスタQ1のゲート電圧VG用電源であり、10はドレイン電圧VD用電源である。ここでは、出力側に基準抵抗Rを介してバイアス電圧Vbを印加することによって各画素のセンサ信号Soを電圧信号Voとしてとり出すようにしている。
【0032】
そして、このようなイメージセンサにあって、各1ライン分の画素列の選択に際して、その選択された画素列における各画素の前記トランジスタQ1のドレイン電圧VDを所定のタイミングをもって定常時のハイレベルHおよび初期化時のローレベルLに切り換える電圧切換回路9が設けられている。
【0033】
このように構成されたイメージセンサの基本的な動作について、図12に示す各部信号のタイムチャートとともに、以下説明をする。
【0034】
まず、画素列選択信号LS1がハイレベルHになると、それに対応するD11,D12,D13,D14からなる第1の画素列が選択される。そして、LS1がハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D11,D12,D13,D14のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0035】
次いで、画素列選択信号LS1がローレベルLになった時点で次のLS2がハイレベルHになると、それに対応するD21,D22,D23,D24からなる第2の画素列が選択される。そして、LS2がハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D21,D22,D23,D24のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0036】
以下同様に、画素列選択信号LS3およびLS4が連続的にハイレベルHになって各対応する第3および第4の画素列が順次選択され、LS3およびLS4がそれぞれハイレベルHになっている一定期間T1のあいだ画素選択信号DS1〜DS4が順次ハイレベルHになって、各画素D31,D32,D33,D34およびD41,D42,D43,D44のセンサ信号Voが順次読み出される。
【0037】
また、画素列選択信号LS1がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第1の画素列における各画素D11,D12,D13,D14のドレイン電圧VD1をそれまでのハイレベルHからローレベルLに所定時間T2のあいだ切り換えることによって各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号Voの読出しにそなえる。
【0038】
次いで、画素列選択信号LS2がT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第2の画素列における各画素D21,D22,D23,D24のドレイン電圧VD1をそれまでのハイレベルHからローレベルLに所定時間T2のあいだ切り換えることによって各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号Voの読出しにそなえる。
【0039】
以下同様に、画素列選択信号LS3およびLS4がそれぞれT1期間後にローレベルLに立ち下がった時点で、そのとき選択されている第3および第4の画素列にそれぞれ対応するドレイン電圧VD3をローレベルLに切り換えて各画素の初期化が行われ、1サイクル期間T3の経過後に行われる次サイクルにおけるセンサ信号Voの読出しにそなえる。
【0040】
図中、T4は各画素からセンサ信号の読み出しを行わない入射光に応じた電荷の蓄積期間である。
【0041】
以上のような各部信号の発生のタイミングは、図示しないECUの制御下で画素列選択回路5、画素選択回路6および電圧切換回路10の駆動を行わせることによって決定されるようになっている。
【0042】
このように、各画素のセンサ信号Soの読出し走査に応じた適切なタイミングをもって各画素の初期化を行わせることによって、イメージセンサ全体としての蓄積時間の過不足を低減できるようになる。
【0043】
そして、残像がなく、ダイナミックレンジの広い対数出力特性をもったイメージセンサが実現できるようになる。
【0044】
図13は、イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素2の設置状態の一例を示している。ここでは、642×482画素のマトリクス構成にあって、第1行および第2行、第481列および第482列の各画素をそれぞれオプティカルブラック用の画素とし、他の640×480の画素を受光用の画素1としている。
【0045】
図14は、図13の画素構成における各画素の初期化および各画素信号の読出しのタイミングを示している。
【0046】
また、図15は、イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素2の設置状態の他の例を示している。
【0047】
前述のようにして得られたオプティカルブラック用の画素2の出力信号は、例えば、以下のようにして用いられる。
【0048】
オプティカルブラック用の画素2の出力信号は、電荷蓄積時間に違いがあっても、図16に示すように、同じ傾向の温度特性を有している。
【0049】
しかし、各オプティカルブラック用の画素2からそれぞれ得られる出力信号は電荷蓄積時間の違いから同じ特性にはならない。そのため、各オプティカルブラック用の画素2からそれぞれ得られる出力信号の特性を変換してやる必要がある。
【0050】
図17は、イメージセンサにおける各オプティカルブラック用の画素2の出力信号を用いてその受光用の画素1から出力するセンサ信号の温度補正をする場合の構成例を示している。
【0051】
ここでは、ECU11の制御下において、イメージセンサ12から出力する各オプティカルブラック用の画素の信号が変換回路13へ送られ、各受光用の画素から出力するセンサ信号が温度補正回路14へ送られる。変換回路13ではオプティカルブラック用の画素の信号によりイメージセンサ12の温度を検出して温度補正回路14に与える。温度補正回路14では、その温度検出信号に応じて各受光用の画素から出力するセンサ信号の温度補正のための演算処理を行って、その処理されたセンサ信号Vo′を出力するようになっている。
【0066】
【効果】
以上、本発明によれば、撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにあって、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制することにより、常に安定した精度の良い基準信号を得ることができるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】イメージセンサにおける画素単位となる対数出力特性をもった光センサ回路の一般的な回路構成例を示す電気回路図である。
【図2】その光センサ回路において初期化手段をとったときの各部信号のチイムチャートである。
【図3】その光センサ回路における初期化手段をとったときの入射光の輝度に対するセンサ信号の出力特性を示す図である。
【図4】その光センサ回路から出力するセンサ信号の温度による変化状態の一例を示す特性図である。
【図5】CMOSプロセスによって形成された受光用の画素とオプティカルブラック用の画素とが並設された部分的な構成を示す正断面図である。
【図6】入射光の輝度に対する受光画素の出力としゃ光漏れの影響を受けているオプティカルブラック用の画素の出力との特性をそれぞれ示す図である。
【図7】オプティカルブラック用の画素におけるしゃ光漏れの状態を示す正断面図である。
【図8】光センサ回路におけるセンサ信号の読出しのタイミングを変化させたときの入射光の輝度に対するセンサ信号の出力特性の変化状態の一例を示す図である。
【図9】光センサ回路における初期化、早めのセンサ信号の読出し、通常のセンサ信号の読出しの各タイミングチャートおよびその各タイミングに応じたフォトダイオードの寄生容量の充電状態の特性を示す図である。
【図10】イメージセンサにおける受光用の画素およびオプティカルブラック用の画素の早めに出力させたときの信号と通常に出力させたときの信号の出力特性をそれぞれ示す図である。
【図11】光センサ回路を画素単位に用いたイメージセンサの一構成例を示すブロック図である。
【図12】図11に示すイメージセンサにおける各部信号のタイムチャートである。
【図13】イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素の設置状態の一例を示す図である。
【図14】図13の画素構成における各画素の初期化および各画素信号の読出しのタイミングを示すタイムチャートである。
【図15】イメージセンサにおけるオプティカルブラック用の画素の設置状態の他の例を示す図である。
【図16】オプティカルブラック用の画素の出力信号の温度特性の一例を示す図である。
【図17】イメージセンサにおける各オプティカルブラック用の画素の出力信号を用いて受光用の画素から出力するセンサ信号の温度補正をする場合の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受光用画素
2 オプティカルブラック用の画素
3 しゃ光層
4 透明層
15 転送ゲート
L マイクロレンズ
Q1 対数特性変換用トランジスタ
Q2 増幅用トランジスタ
Q3 出力用トランジスタ
PD フォトダイオード(光電変換素子)
C 寄生容量
Claims (3)
- 撮影時の入射光量に応じて光電変換素子に流れる電流をトランジスタのサブスレッショルド領域の特性を利用した弱反転状態で対数特性をもって電圧信号に変換してセンサ信号を出力する光センサ回路を画素に用い、一部に受光部分をしゃ光したオプティカルブラック用の画素を設けたイメージセンサにおいて、撮影に先がけてオプティカルブラック用の画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して、撮影時におけるしゃ光漏れによる光の影響を抑制する手段を設けたことを特徴とするイメージセンサ。
- 撮影に先がけて、各受光用画素における光電変換素子の寄生容量に電荷を注入して初期化を行わせるようにしたことを特徴とする請求項1の記載によるイメージセンサ。
- 初期化後における入射光による光電変換素子の寄生容量の充電初期の段階で、受光用画素のセンサ信号の出力に先がけて、オプティカルブラック用の画素のセンサ信号を出力させるようにしたことを特徴とする請求項2の記載によるイメージセンサ。
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Cited By (1)
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2003
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