JP2004241176A - 基板搭載用コネクタのグラウンド構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コネクタの一半部1aと他半部は、それぞれ基板の表面と裏面に搭載される。両部は、それぞれハウジング1a1と、ハウジングに保持される複数枚の第1のグラウンドプレート1a2と、ハウジングに保持され、かつ、各第1のグラウンドプレートに格子状に交差する複数枚の第2のグラウンドプレート1a3とを有する。各グラウンドプレートに形成された複数個の端子部1a2b,1a3bは、基板に形成された複数個のスルーホールにそれぞれ千鳥状にプレスフィットされる。両部にわたって配設される複数本の信号用コンタクトは、基板に形成された複数個のスルーホールにそれぞれ挿通され、かつ、各信号用コンタクトの少なくとも一部は、各グラウンドプレートによって包囲される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に搭載されるコネクタのグラウンド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の基板搭載用コネクタについて説明する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
コネクタは、図9と図10に示されるように、コネクタの一半部31と、コネクタの一半部31に接続するコネクタの他半部41と、コネクタの一半部31が一面51aに搭載され、かつ、コネクタの他半部41が一面51aに対して平行な他面51bに搭載される基板51とから構成される。
【0004】
コネクタの一半部31は、多数本の信号コンタクト32と、行列方向(横方向と縦方向)に配置される各信号コンタクト32を保持するインシュレータ33と、各信号コンタクト32の列間に配置されて各信号コンタクト32の列間をシールドするようにインシュレータ33に保持される数枚のグラウンドプレート34とから構成される。
【0005】
コネクタの他半部41は、インシュレータ43と、各信号コンタクト32の列間でシールドするようにインシュレータ43に保持される数枚のグラウンドプレート44とから構成される。
【0006】
コネクタの一半部31には、第1の相手コネクタ(図示せず)が接続される。第1の相手コネクタは、多数本の信号コンタクトと、数個のグラウンド部材とを有する。
【0007】
コネクタの他半部41には、第2の相手コネクタ(図示せず)が接続される。第2の相手コネクタは、多数本の信号コンタクトと、数個のグラウンド部材とを有する。
【0008】
各信号コンタクト32は、第1の相手コネクタの各信号コンタクトに接続する接触部32aと、第2の相手コネクタの各信号コンタクトに接続するように、基板51の一面51aに対向してインシュレータ33の一面上へ延びる挿入接触部32bとを有する。
【0009】
各グラウンドプレート34は、各接触部32aの列間に位置して第1の相手コネクタの各グラウンド部材に接続するプレート部34aと、基板51の一面51aに対向するように、インシュレータ33の一面上へ延びるグラウンド端子部34bとを有する。
【0010】
各グラウンドプレート44は、第2の相手コネクタの各グラウンド部材に接続するプレート部44aと、基板51の他面51bに対向するインシュレータ43の一面上へ延びるグラウンド端子部44bとを有する。
【0011】
基板51は、コネクタの一半部31を基板51の一面51aに搭載した際に、各挿入接触部32bが挿通可能な、かつ、各グラウンド端子部34b,44bを受け入れる多数のスルーホール53を有する。各グラウンド端子部34b,44bは、各スルーホール53で位置決めされて相互に突合わせ接続される。
【0012】
各挿入接触部32bは、コネクタの一半部31が基板51の一面51aに搭載された際に、基板51の各スルーホール53を通過し、コネクタの他半部41のインシュレータ43の一面に形成されている各挿入孔43aを通過する。
【0013】
各グラウンドプレート34から各グラウンドプレート44へグラウンド接続のリターン(帰還)電流が流れる。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−33162号公報(第3頁第4欄第2行−第4頁第5欄第26行、図1,2)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の基板搭載用コネクタでは、コネクタの一半部31の各グラウンドプレート34の各グラウンド端子部34bと、他半部41の各グラウンドプレート44の各グラウンド端子部44bとが、基板51の各スルーホール53内で突き合わされて接触している。したがって、基板51が厚くならざるを得ず、また、シールド効果が十分に発揮されない。
【0016】
そこで、本発明は、前記従来の基本搭載用コネクタの欠点を改良し、基板(ミッドプレーン)の厚さが薄く、しかも、シールド効果を向上することができる基板搭載用コネクタのグラウンド構造を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、次の手段を採用する。
【0018】
1.コネクタの一半部は基板の表面に搭載され、前記コネクタの他半部は前記基板の裏面に搭載され、前記一半部は第1の相手コネクタに対して嵌合離脱することができ、前記他半部は第2の相手コネクタに対して嵌合離脱することができ、前記一半部及び前記他半部は、それぞれハウジングと、前記ハウジングに保持される複数枚の第1のグラウンドプレートと、前記ハウジングに保持され、かつ、前記各第1のグラウンドプレートに格子状に交差する複数枚の第2のグラウンドプレートとを有し、前記各グラウンドプレートに形成された複数個の端子部は、前記基板に形成された複数個のスルーホールにそれぞれ千鳥状にプレスフィットされ、前記一半部から前記他半部までにわたって配設される複数本の信号用コンタクトは、前記基板に形成された複数個のスルーホールに挿通され、かつ、前記各信号用コンタクトの少なくとも一部は、前記各グラウンドプレートによって包囲される基板搭載用コネクタのグラウンド構造。
【0019】
2.前記一半部及び前記他半部の前記各端子部の先端若しくは前記各グラウンドプレートに複数のばね部が形成され、前記一半部又は前記他半部の一方の前記各ばね部が他方の前記各グラウンドプレート若しくは前記各端子部の先端に接触する前記1記載の基板搭載用コネクタのグラウンド構造。
【0020】
3.前記一半部及び前記他半部の前記各グラウンドプレートに複数の凹部が形成され、前記一半部又は前記他半部の一方の前記各端子部の先端は、他方の前記各凹部に進入する前記1記載の基板搭載用コネクタのグラウンド構造。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の5つの実施の形態例の基板搭載用コネクタのグラウンド構造について説明する。
【0022】
まず、本発明の第1実施の形態例について図1〜図3と図8を参照して説明する。
【0023】
図1に示されるように、レセプタクルコネクタ1は、一半部1aと他半部1bとから構成され、一半部1aは、基板(ミッドプレーン)11の表面側に搭載され、他半部1bは、基板11の裏面側に搭載される。
【0024】
第1のプラグコネクタ21は、水平方向に配設された基板22に搭載されて、レセプタクルコネクタ1の一半部1aに対して嵌合離脱することができる。また、第2のプラグコネクタ26は、垂直方向に配設された基板27に搭載されて、レセプタクルコネクタ1の他半部1bに対して嵌合離脱することができる。
【0025】
図2に示されるように、レセプタクルコネクタ1の一半部1a(他半部1bも同様である。)は、長方形枠状のハウジング1a1、ハウジング1a1に縦方向に配設保持された数枚の第1のグラウンドプレート1a2、及びハウジング1a1に横方向に配設保持された数枚の第2のグラウンドプレート1a3を有する。
各第1のグラウンドプレート1a2と各第2のグラウンドプレート1a3とは、縦横方向に格子状に交差する。
【0026】
各第1のグラウンドプレート1a2は、略長方形状のプレート部1a2aと、プレート部1a2aの一長辺側から突出して形成された数個の端子部1a2bと、プレート部1a2aの他長辺に形成された数個の溝1a2cとから構成される。
【0027】
各第2のグラウンドプレート1a3は、略長方形状のプレート部1a3aと、プレート部1a3aの一長辺側から突出して形成された数個の端子部1a3bと、各端子部1a3bの間及び左右両端の端子部1a3bの付近に形成された数個の溝1a3cとから構成される。
【0028】
各第1のグラウンドプレート1a2の各溝1a2cを各第2のグラウンドプレート1a3の各溝1a3cに挿入することによって、各第1のグラウンドプレート1a2と各第2のグラウンドプレート1a3とは、縦横方向に格子状に交差するように組み立てられる。
【0029】
図8(模式図のため、スルーホールの個数は正確でない。)に示されるように、基板11には、一半部1aの各第1のグラウンドプレート1a2の数個の端子部1a2bがプレスフィットされる各スルーホール(斜線が引かれた円の一部)11aと、各第2のグラウンドプレート1a3の数個の端子部1a3bがプレスフィットされる各スルーホール(斜線が引かれた円の残部)11bとが、千鳥状に形状される。また、他半部1bの各端子部(図示せず)がプレスフィットされる各スルーホール(黒塗の円)11cも、前述した各スルーホール11a,11bと同様に千鳥状に形成される。更に、レセプタクルコネクタ1の一半部1aから他半部1bまでにわたって配設される数十本の信号用コンタクト1cは、基板11に形成された各スルーホール(白い円)11dに挿通される。
【0030】
本発明の第1実施の形態例では、一半部1aの各第1のグラウンドプレート1a2及び各第2のグラウンドプレート1a3と、他半部1bの各第1のグラウンドプレート(図示せず)及び各第2のグラウンドプレート(図示せず)とは、接触しない。接触する構造については、第2乃至第5実施の各形態例で後述する。
【0031】
次に、本発明の第2実施の形態例について図4を参照して説明する。
【0032】
各第1のグラウンドプレート1a2の各端子部1a2bの先端にフック形のばね部1a2b1を形成する。すると、各端子部1a2bは、基板11の各スルーホール11aにプレスフィットされたとき、ばね部1a2b1が弾性変形できるため、他半部1bの各第1のグラウンドプレートに圧接する。したがって、シールド効果は、向上する。
【0033】
続いて、本発明の第3実施の形態例について図5を参照して説明する。
【0034】
各第1のグラウンドプレート1a2のプレート部1a2aにおいて、各端子部1a2bの根元の箇所の反対側にへこみ1a2a1を形成する。すると、他半部1bの各第1のグラウンドプレートの各端子部の先端は、深さLのへこみ1a2a1に進入できるため、基板11を寸法2Lだけ薄く構成することができる。
【0035】
更に、本発明の第4実施の形態例について図6を参照して説明する。
【0036】
各第1のグラウンドプレート1a2のプレート部1a2aにおいて、各端子部1a2aの根元の箇所の反対側に斜面を有するへこみ1a2a2とばね部1a2a3を形成する。すると、基板11の厚さが薄くなるのみならず、他半部1bの各第1のグラウンドプレートの各端子部の先端は、へこみ1a2a2の斜面にガイドされ、また、ばね部1a2a3に圧接するため、シールド効果が向上する。
【0037】
更に、本発明の第5実施の形態例について図7を参照して説明する。
【0038】
各第1のグラウンドプレート1a2のプレート部1a2aにおいて、各端子部1a2bの根元の箇所の反対側にスリット1a2a4を形成する。スリット1a2a4の入口は、内部よりも狭く形成されている。すると、基板11の厚さが薄くなるのみならず、他半部1bの各第1のグラウンドプレートの各端子部の先端は、スリット1a2a4に圧接して挿入されるため、シールド効果が向上する。
【0039】
本発明においては、各信号用コンタクト1cは、通常、1本毎に上下左右の4面を一半部1aの各第1のグラウンドプレート1a2及び各第2のグラウンドプレート1a3と他半部1bの各第1のグラウンドプレート及び各第2のグラウンドプレートによって包囲される。差動信号を伝送する場合には、隣接する2本の信号用コンタクト1c毎に包囲される。
【0040】
また、本発明の各実施の形態例においては、各第1のグラウンドプレート1a2及び各第2のグラウンドプレート1a3を例として説明したが、コネクタのグラウンド構造に関しては、他の全てのグラウンドプレートも同様である。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次の効果が、奏される。
【0042】
1.コネクタの一半部及び他半部がそれぞれ有する複数枚の第1及び第2の各グラウンドプレートに形成された複数個の端子部は、基板に形成された複数個のスルーホールにそれぞれ千鳥状にプレスフィットされるので、基板を薄く構成することができる。
【0043】
2.コネクタの一半部又は他半部の一方の各端子部の先端若しくは各グラウンドプレートに形成された各ばね部が、他方の各グラウンドプレート若しくは各端子部の先端に接触するので、シールド効果が向上する。
【0044】
3.コネクタの一半部又は他半部の一方の各端子部の先端は、他方の各グラウンドプレートに形成された各凹部に進入するので、基板を更に薄く構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態例に係るレセプタクルコネクタ、第1のプラグコネクタ及び第2のプラグコネクタの嵌合前の斜視図である。
【図2】同レセプタクルコネクタの一半部の斜視図である。
【図3】同レセプタクルコネクタにおける2枚のグラウンドプレートの正面図であり、(A)は第1のグラウンドプレート、(B)は第2のグラウンドプレートを、それぞれ示す。
【図4】本発明の第2実施の形態例に係る第1のグラウンドプレートにおける端子部の正面図である。
【図5】本発明の第3実施の形態例に係る第1のグラウンドプレートの要部の正面図である。
【図6】本発明の第4実施の形態例に係る第1のグラウンドプレートの要部の正面図である。
【図7】本発明の第5実施の形態例に係る第1のグラウンドプレートの要部の正面図である。
【図8】本発明の第1実施の形態例に係る多数のスルーホールが形成された基板(ミッドプレーン)の正面図である。
【図9】従来の基板搭載用コネクタの基板に搭載する前の斜視図である。
【図10】同基板に搭載された同基板搭載用コネクタの断面図である。
【符号の説明】
1 レセプタクルコネクタ
1a 一半部
1a1 ハウジング
1a2 第1のグラウンドプレート
1a2a プレート部
1a2a1 へこみ
1a2a2 へこみ
1a2a3 ばね部
1a2a4 スリット
1a2b 端子部
1a2b1 ばね部
1a2c 溝
1a3 第2のグラウンドプレート
1a3a プレート部
1a3b 端子部
1a3c 溝
1b 他半部
1b1 ハウジング
1c 信号用コンタクト
11 基板(ミッドプレーン)
11a スルーホール
11b スルーホール
11c スルーホール
11d スルーホール
21 第1のプラグコネクタ
22 基板
26 第2のプラグコネクタ
27 基板
Claims (3)
- コネクタの一半部は基板の表面に搭載され、前記コネクタの他半部は前記基板の裏面に搭載され、前記一半部は第1の相手コネクタに対して嵌合離脱することができ、前記他半部は第2の相手コネクタに対して嵌合離脱することができ、
前記一半部及び前記他半部は、それぞれハウジングと、前記ハウジングに保持される複数枚の第1のグラウンドプレートと、前記ハウジングに保持され、かつ、前記各第1のグラウンドプレートに格子状に交差する複数枚の第2のグラウンドプレートとを有し、
前記各グラウンドプレートに形成された複数個の端子部は、前記基板に形成された複数個のスルーホールにそれぞれ千鳥状にプレスフィットされ、
前記一半部から前記他半部までにわたって配設される複数本の信号用コンタクトは、前記基板に形成された複数個のスルーホールに挿通され、かつ、前記各信号用コンタクトの少なくとも一部は、前記各グラウンドプレートによって包囲されることを特徴とする基板搭載用コネクタのグラウンド構造。 - 前記一半部及び前記他半部の前記各端子部の先端若しくは前記各グラウンドプレートに複数のばね部が形成され、前記一半部又は前記他半部の一方の前記各ばね部が他方の前記各グラウンドプレート若しくは前記各端子部の先端に接触することを特徴とする請求項1記載の基板搭載用コネクタのグラウンド構造。
- 前記一半部及び前記他半部の前記各グラウンドプレートに複数の凹部が形成され、前記一半部又は前記他半部の一方の前記各端子部の先端は、他方の前記各凹部に進入することを特徴とする請求項1記載の基板搭載用コネクタのグラウンド構造。
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