JP2004240924A - 指紋読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被験者の指が接触する接触部材に対して指を所定方向にガイドして被験者の正確な指紋画像を取得する。
【解決手段】本発明に係る指紋読取装置1は、被験者の指Fが接触する透明部材3を有し、指Fが透明部材3に接触した状態で透明部材3上を前後方向に移動したときに指Fの指紋を読み取るようになっている。そして指紋読取装置1では、指Fの移動方向(前後方向)の透明部材3より前側及び後側には、指Fの移動をガイドするガイド部6,7(突条)が配設されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る指紋読取装置1は、被験者の指Fが接触する透明部材3を有し、指Fが透明部材3に接触した状態で透明部材3上を前後方向に移動したときに指Fの指紋を読み取るようになっている。そして指紋読取装置1では、指Fの移動方向(前後方向)の透明部材3より前側及び後側には、指Fの移動をガイドするガイド部6,7(突条)が配設されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被験者の指の指紋を読み取る指紋読取装置に係り、特に被験者の指を所定方向にガイドするガイド機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、携帯電話,PDA(Personal Digital Assistance),PC(Personal Computer)といった電子機器間のネットワーク化が進展し、種々の情報源にアクセスして多くの情報を迅速かつ安易に取得できるようになってきているが、これに伴い、悪意ある者による不正アクセスが跡を絶たず、セキュリティの重要性がますます高まっている。セキュリティ技術においては、各個人でユーザ名,パスワードを設定して個人認証をおこなう技術が一般的となっているが、その他にも各個人の指紋により個人認証をおこなうといった技術が実用化されており、セキュリティ技術は進歩の一途をたどっている。
【0003】
指紋認証のためには被験者の指紋を読み取る指紋読取装置が必要とされる。この指紋読取装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1の指紋読取装置は、被験者が回転自在な読取りローラに指を接触させながら読取りローラを回転させることで被験者の指紋を読み取ることができるようになっており、詳しくは、読取りローラが所定角度回転する毎に被験者の指を光学的に検出・撮像して指紋の一次元画像を断片的に順次取得・蓄積し、その後、断片化された複数の一次元画像を合成して最終的に被験者の指紋の二次元画像を取得できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−184490号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の指紋読取装置では、被験者が読取りローラに対して所定方向に指を移動させなければ、最終的に取得した二次元画像が歪んだり変形したりして正確な指紋の二次元画像を取得できない可能性がある。また特に、読取りローラ上で被験者の指が移動方向とは異なる方向にずれた場合には、正確な指紋の二次元画像を取得することはできない。
【0006】
本発明の課題は、被験者の正確な指紋画像を取得できる指紋読取装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
被験者の指が接触する接触部材を有し、前記指が前記接触部材に接触した状態で前記接触部材上を所定方向に移動したときに前記指の指紋を読み取る指紋読取装置において、
前記指の移動方向の前記接触部材より前側及び後側の少なくとも一方の側には、前記指の移動をガイドするガイド部が配設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明では、指の移動方向の接触部材より前側及び後側の少なくとも一方の側にガイド部が配設されているため、被験者がガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指は、接触部材から離れたり接触部材上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく接触部材に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は突条、溝又は複数の点状の突起であり、
前記ガイド部としての突条、溝又は各突起は、前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、ガイド部が突条、溝又は複数の突起であるため、簡単な構成でガイド部を構成することができる。そして被験者が指で突条、溝又は各突起をたどりながらこれらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができ、ひいては被験者の正確な指紋画像を取得することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記接触部材の略中央部を通過する前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明では、ガイド部が、接触部材の略中央部を通過する指の移動方向に延在するため、被験者が指の中心部でガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材の略中央部に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
請求項2に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記接触部材の端部を通過する前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、ガイド部が、接触部材の端部を通過する指の移動方向に延在するため、被験者が指の側部でガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は互いに略平行に並んだ1対の突条であり、
前記ガイド部としての各突条は、前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明では、ガイド部が互いに平行に並んだ1対の突条であり、各突条が指の移動方向に延在しているため、被験者が指の左右側部で各ガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、各ガイド部は指の左右側部を支持することができるので、指の移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は互いに略平行に並んだ複数の突条であり、
前記ガイド部としての各突条は前記指の移動方向に沿って延在するとともに、略中心に配置された突条を基準として基準の突条から離れるにつれて高さが高くなることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明では、ガイド部としての各突条は、略中心に配置された突条を基準として基準の突条から離れるにつれて高さが高くなるため、各突条を断面視すると略円弧状を呈し、ガイド部としての各突条は被験者の指の腹(凹凸を有する面)に略合致するような形態となる。従って、被験者が指の腹で各ガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、各ガイド部は指の腹全体を支持することができるので、指の移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記指の移動方向に沿って幅が狭くなる略ハ字状の突条であるか又は前記指の移動方向に沿って屈曲する略く字状の突条であることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明では、ガイド部が略ハ字状の突条又は略く字状の突条であるため、被験者が指でガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の指紋読取装置において、
前記接触部材上には、前記指の移動方向に延在する溝が形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明では、接触部材上に、指の移動方向に延在する溝が形成されているため、被験者が指で溝をたどりながら溝に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材上で所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の指紋読取装置において、
前記接触部材には、前記指の移動方向に切り欠かれた切欠部又は前記指の移動方向若しくはその反対方向に突き出た突起部が配設されていることを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の発明では、接触部材に切欠部又は突起部が配設されているため、被験者が指で切欠部又は突起部をたどりながら切欠部又は突起部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る指紋読取装置の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0026】
[第一の実施の形態]
始めに、図1〜図3を参照しながら指紋読取装置の第一の実施形態について説明する。
図1は指紋読取装置1の斜視図であり、図2は指紋読取装置1の断面図である。
図1に示す通り、指紋読取装置1は直方体状の筐体2を有しており、筐体2の上部の略中央部には接触部材としての透明部材3が固定されている。透明部材3は、左右方向に延在する長尺な部材であり、ガラス,アクリル,ポリカーボネイト等の光透過性の材料から構成されている。図2に示す通り、透明部材3は所定の厚みを有する略弓形の部材であって、透明部材3の上面は筐体2の上面より盛り上がった状態で前後方向にわたり湾曲しており、透明部材3の下面は滑らかな平面となっている。
【0027】
筐体2の上部の透明部材3より後側には、透明部材3の長手方向に沿って延在する長尺なローラ4が配設されており、ローラ4は透明部材3に対して平行に配置されている。図1に示す通り、筐体2の上部にはスリット状の開口部2aが形成されており、円柱状を呈するローラ4は、外周面の一部が開口部2aから僅かに突出した状態で筐体2の外部に露出している。ローラ4は軸心回りに回転自在な状態で筐体2により支持されており、ローラ4の内部にはローラ4の回転角度を検出するロータリーエンコーダ5(図3参照)が配設されている。
【0028】
さらに筐体2の上部には、前後方向に延在するガイド部6,7が配設されている。各ガイド部6,7は断面が略半円状を有する直線状の突条である。一方のガイド部6は透明部材3より前側に配設されており、他方のガイド部7はローラ4より後側に配設されている。各ガイド部6,7は、互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されており、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在している。
【0029】
図2に示す通り、筐体2の内部には、指Fの指紋を読み取る指紋読取部10が配設されている。指紋読取部10には支持部材11が配設されている。支持部材11は左右方向に延在した部材であり、筐体2に固定されている。ただし、図2では、紙面の表側から裏側又は裏側から表側に向かう方向が左右方向となっている。
【0030】
支持部材11には、上下方向に貫通する光路孔11aが形成されており、光路孔11aは支持部材11に沿って左右方向に延在している。光路孔11aにはセルフォックレンズアレイ12が嵌め込まれている。
【0031】
セルフォックレンズアレイ12は、複数のセルフォックレンズ12a,12a,…と1対のプレート12b,12bとを有している。各セルフォックレンズ12aは、互いに平行な状態で左右方向に沿って一列に配列されるように1対のプレート12b,12bにより挟持されている。ただし、左右方向に沿って一列をなす複数のセルフォックレンズ12a,12a,…が前後方向にわたり複数の列をなして配列されてもよい。また、各セルフォックレンズ12aは円柱状のロッドレンズであって、中心軸から周面にかけて放物線状の屈折率分布を有している。具体的に各セルフォックレンズ12aの屈折率は、中心軸において最も高く、周面において最も低い。従って各セルフォックレンズ12aは球面レンズと光学的に略等価な性質を備えており、全てのセルフォックレンズ12a,12a,…は互いに等価な性質を備えている。
【0032】
上記構成を具備するセルフォックレンズアレイ12は、各セルフォックレンズ12aの中心軸(つまりセルフォックレンズアレイ12の光軸)が上記透明部材3の上面及び下面に対して直交するように配置されている。セルフォックレンズアレイ12は、透明部材3の上面に接した指Fに合焦するようになっており、複数のセルフォックレンズ12a,12a,…全体で指Fと透明部材3の上面とが接した部分の連続した像を後述の固体撮像デバイス14に正立等倍に結像することができるようになっている。
【0033】
支持部材11の下部には、基板13がセルフォックレンズアレイ12の下方に位置するように固定されている。基板13の上面であって支持部材11と基板13とに囲まれた光路孔11aの内部には、固体撮像デバイス14がセルフォックレンズアレイ12の光軸上に位置するように配置されている。
【0034】
上記固体撮像デバイス14は具体的に、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像デバイス,CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型固体撮像デバイス等であり、入射した光の強度(又は光量)を電気信号に変換する画素としての複数の光電変換素子(例えばフォトダイオード,フォトトランジスタ等)が左右方向に配列された構造となっている。固体撮像デバイス14においては、複数の光電変換素子が左右方向に沿って一列に並んでいてもよいし、複数列にわたり並んでいてもよい。つまり、固体撮像デバイス14は、左右方向に延在する長尺な一次元固体撮像デバイスであって、セルフォックレンズアレイ12によって結像された一次元像を取得するものである。
【0035】
支持部材11の後側の側面には、左右方向に延在する線状の光源15が固定されている。光源15は、セルフォックレンズアレイ12の光軸を避けて配置されており、より詳しくはセルフォックレンズアレイ12の光軸と透明部材3の上面とが交差する部分に向けて光を照射できる位置に配置されている。光源15は具体的に、LED(Light Emitting Diode),有機EL(Electronic Luminescent),無機EL,冷陰極管,蛍光管等の自発光素子等から構成されている。
【0036】
次に、指紋読取装置1の回路構成について説明する。
図3は指紋読取装置1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示す通り、ロータリーエンコーダ5には、ドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24が接続されている。ロータリーエンコーダ5は、ローラ4が所定角度回転する毎に同期信号をドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24へ出力するようになっている。ドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24は、ロータリーエンコーダ5からの同期信号に同期して動作するようになっている。
【0037】
ドライバ回路12には上記固体撮像デバイス14が接続されており、ドライバ回路12は、ロータリーエンコーダ5から入力された同期信号に従って固体撮像デバイス14を駆動するようになっている。固体撮像デバイス14には信号処理回路22が接続されており、固体撮像デバイス14は、ドライバ回路21により駆動されることで、受光した光量(又は光強度)を電気信号に変換して一次元画像を電気信号として取得し、その電気信号を信号処理回路22に出力するようになっている。信号処理回路22にはA/D変換回路23が接続されており、信号処理回路22は、固体撮像デバイス14から入力された電気信号に増幅等の処理をおこなってその電気信号をA/D変換回路23に出力するようになっている。
【0038】
A/D変換回路23には合成バッファ24が接続されており、A/D変換回路23は、信号処理回路22から入力された電気信号をA/D変換し、その電気信号を一次元画像データとして合成バッファ24に出力するようになっている。合成バッファ24には、A/D変換回路23から入力された一次元画像データが順次格納され、合成バッファ24では一次元画像データが順次合成されて二次元画像データが生成されるようになっている。また合成バッファ24にはコンピュータ(図示略)が接続されており、合成バッファ24は、生成された二次元画像データを上記コンピュータに出力するようになっている。コンピュータに入力された二次元画像データは、コンピュータの処理の用に供されるようになっている。
【0039】
次に、指紋読取装置1の使用方法及び動作について説明する。
被験者は、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2の上面に押し付けながら後方から前方へと移動させる。この場合、被験者の指Fは、まず、ガイド部7によりガイドされた状態でローラ4に接触してローラ4を回転させながら移動し、その後透明部材3の上面に接触する。
【0040】
指Fが透明部材3に接触すると、光源15が点灯し、光源15の光が透明部材3を介して指Fに入射し、指Fは透明部材3の上面に接触した部分で光の照射を受ける。
【0041】
さらに被験者が指Fを透明部材3に押し付けながら後方から前方へと移動させると、指Fが固体撮像デバイス14の上方を後方から前方へと通過し、ローラ4が指Fの移動に伴い回転する。このときローラ4が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ5が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24のそれぞれに出力し、指Fは固体撮像デバイス14により線走査される。
【0042】
ここで、指Fと透明部材3の上面とが接触した部分においてセルフォックレンズアレイ12の光軸と透明部材3の上面とが交差する部分では、指Fの凸部(指紋の稜線)が透明部材3の上面に密着し、指Fの凹部(指紋の溝線)が透明部材3の上面から僅かに離間する。従って指Fに入射した光のうち、凸部に入射した光はセルフォックレンズアレイ12を通じて固体撮像デバイス14に高強度で入射する。一方、凹部に入射した光は、指Fの表皮と透明部材3の上面との間で反射を繰り返したり乱反射したりして、凹部で反射した反射光が、セルフォックレンズアレイ12を通じて固体撮像デバイス14に低強度で入射する。
【0043】
このように、指Fの凹凸で定義された像、つまり指Fの凸部が明るく凹部が暗い像がセルフォックレンズアレイ12により固体撮像デバイス14に結像される。
【0044】
そして固体撮像デバイス14は、ドライバ回路21により駆動されて指Fの凹凸で定義された像を同期信号のタイミングで撮像し、指紋の一次元画像を電気信号として取得し、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路22に出力する。すると信号処理回路22は、入力された電気信号を処理してその電気信号をA/D変換回路23に出力し、A/D変換回路23は入力された電気信号をA/D変換してその電気信号を指紋の一次元画像データとして合成バッファ24に出力する。そして最終的に、指紋の一次元画像データが合成バッファ24に順次蓄積され合成されて、合成バッファ24で指紋の二次元画像データが生成され、生成された二次元画像データは、合成バッファ24からコンピュータに出力される。
【0045】
なお、指紋読取装置1で取得した二次元画像データは、上記の通りコンピュータの処理の用に供されるが、例えば、コンピュータは、予め登録された登録者の登録指紋画像データと指紋読取装置1で取得された二次元画像データとを比較する処理と、比較した結果に基づき二次元画像データが登録指紋画像データと一致するか否かを判定する処理と、二次元画像データが登録指紋画像データと一致する場合には被験者を登録者として認識する処理と、を行うようになっている。
【0046】
以上のような指紋読取装置1では、透明部材3の前方とローラ4の後方とに、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、透明部材3から離れたり透明部材3上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく透明部材3に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0047】
ところで上記第一の実施形態では、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7(図1及び図2参照)を例示したが、以下の実施形態では、図4〜図13を参照しながらガイド部6,7に代わるガイド部の変形例([変形例1]〜[変形例7])と、透明部材3に代わる透明部材の変形例([変形例8]〜[変形例10])とを順次説明する。ただし、[変形例1]〜[変形例7]では、図1及び図2に示すガイド部6,7以外の指紋読取装置1の構成、使用方法及び動作は全て上記と略同様なのでそれらの詳細な説明を省略しており、[変形例8]〜[変形例10]でも、図1及び図2に示す透明部材3以外の指紋読取装置1の構成、使用方法及び動作は全て上記と略同様なのでそれらの詳細な説明を省略している。
【0048】
[変形例1]
図4に示す通り、変形例1では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、2つのガイド部26a,26bが筐体2の上部に形成されている。各ガイド部26a,26bは直線状の溝であって、前後方向に延在している。一方のガイド部26bは透明部材3の前側に形成されており、他方のガイド部26aはローラ4の後側に形成されている。各ガイド部26a,26bは、互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されており、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在している。
【0049】
変形例1においては、被験者が指Fの中心部で各ガイド部26a,26bをたどりながらこれらガイド部26a,26bに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0050】
[変形例2]
図5に示す通り、変形例2では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、複数のガイド部28a〜28gが筐体2の上部に形成されている。各ガイド部28a〜28gは平面視して円形状を有する点状の突起であって、前後方向に並んで延在している。ガイド部28d〜28gは透明部材3の前側に形成されており、ガイド部28a〜28cはローラ4の後側に形成されている。各ガイド部28a〜28gは互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されており、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在している。
【0051】
変形例2においては、被験者が指Fの中心部で各ガイド部28a〜28gをたどりながらこれらガイド部28a〜28gに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0052】
[変形例3]
図6に示す通り、変形例3では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、2つのガイド部27a,27bが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部27a,27bは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条であって、前後方向に延在している。一方のガイド部27bは透明部材3の前側に配設されており、他方のガイド部27aはローラ4の後側に配設されている。各ガイド部27a,27bは互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されている。また各ガイド部27a,27bは上記ガイド部6,7と異なり、透明部材3の左端部を通過する方向に延在している。
【0053】
変形例3においては、被験者が指Fの左側部で各ガイド部27a,27bをたどりながらこれらガイド部27a,27bに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0054】
なお、変形例3では、各ガイド部27a,27bは透明部材3の左端部を通過する方向に延在しているが、透明部材3の右端部を通過する方向に延在していてもよい。この場合、被験者が指Fの右側部で各ガイド部27a,27bをたどりながらこれらガイド部27a,27bに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。また、各ガイド部27a,27bは直線状の突条であるが、突条に代えて、図4に示すような溝であってもよいし、図5に示すような複数の点状の突起であってもよい。
【0055】
[変形例4]
図7に示す通り、変形例4では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、4つのガイド部29a〜29dが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部29a〜29dは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条である。4つのガイド部29a〜29dのうち、2つのガイド部29a,29bは対となってローラ4の後側に配設されており、互いに略平行に並んだ状態で前後方向に延在している。一方、残り2つのガイド部29c,29dは対となって透明部材3の前側に配設されており、互いに略平行に並んだ状態で前後方向に延在している。各ガイド部29a,29cは互いに同じ直線上に配置されており、これと同様に、各ガイド部29b,29dも互いに同じ直線上に配置されている。またガイド部29a,29b間とガイド部29c,29d間との各幅は、指Fの幅よりやや狭くなっている。
【0056】
変形例4においては、被験者が指Fの左右側部で各ガイド部29a〜29dをたどりながらこれらガイド部29a〜29dに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。特に変形例4では、指Fの幅よりやや狭い2対のガイド部29a,29b及びガイド部29c,29dは指Fの左右側部を支持することができるので、指Fの移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0057】
[変形例5]
図8に示す通り、変形例5では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、複数のガイド部30a〜30lが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部30a〜30lは上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条であって、各ガイド部30a〜30lとも前後方向に延在している。複数のガイド部30a〜30lのうち、6つのガイド部30a〜30fはローラ4の後側に配設されており、残り6つのガイド部30g〜30lは透明部材3の前側に配設されている。
【0058】
ローラ4の後側に配設された6つのガイド部30a〜30fは互いに略平行に並んで配置されており、最も内側に配置された2つのガイド部30a,30b間の幅は指Fの幅よりもやや狭くなっている。そしてこれら6つのガイド部30a〜30fでは、中心に配置された1対のガイド部30a,30bを基準として基準のガイド部30a,30bから左右に離れるにつれて他のガイド部30c〜30fの高さが徐々に高くなっている。つまり、各突条30c,30dの高さは突条30a,30bよりも高くなっており、各突条30e,30fの高さは突条30c,30dよりも高くなっている。
【0059】
一方、透明部材3の前側に配設された6つの各ガイド部30g〜30lも上記ガイド部30a〜30fと同様に配置されており、中心に配置された1対のガイド部30g,30hを基準として基準のガイド部30g,30hから左右に離れるにつれて他のガイド部30i〜30lの高さが徐々に高くなっている。また、各ガイド部30g,30h間の幅も指Fの幅よりもやや狭くなっている。
【0060】
変形例5においては、各ガイド部30a〜30f(又は30g〜30l)は、中心に配置されたガイド部30a,30b(又は30g,30h)を基準として基準のガイド部30a,30b(又は30g,30h)から離れるにつれて高さが高くなるため、各ガイド部30a〜30f(又は30g〜30l)を断面視すると略円弧状を呈し、各ガイド部30a〜30f(又は30g〜30l)は被験者の指Fの腹(凹凸を有する面)に略合致するような形態となっている。従って、被験者が指Fの腹で各ガイド部30a〜30lをたどりながらガイド部30a〜30lに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、各ガイド部30a〜30lは指Fの腹全体を支持することができるので、指Fの移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0061】
[変形例6]
図9に示す通り、変形例6では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、4つのガイド部31a〜31dが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部31a〜31dは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条である。4つのガイド部31a〜31dのうち、2つのガイド部31a,31bはローラ4の後側に配設されており、平面視して略ハ字状を形成するようにそれぞれ配置されている。各ガイド部31a,31b間の幅は後方から前方に向かうにつれて徐々に狭くなっており、より詳しくは後方では指Fの幅よりもやや広く、後方から前方に向かうにつれて徐々に狭まり、前方では指Fの幅よりもやや狭くなっている。一方、残り2つのガイド部31c,31dは対となって透明部材3の前側に配設されており、互いに平行に並んだ状態で前後方向に延在している。ガイド部31c,31d間の幅は指Fの幅よりやや狭くなっている。
【0062】
変形例6においては、被験者が指Fの左右側部で各ガイド部31a〜31dをたどりながらこれらガイド部31a〜31dに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0063】
[変形例7]
図10に示す通り、変形例7では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、7つのガイド部32a〜32gが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部32a〜32gは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する突条である。7つのガイド部32a〜32gのうち、3つのガイド部32a〜32cはローラ4の後側に配設されており、残り4つのガイド部32d〜32gは透明部材3の前側に配設されている。各ガイド部32a〜32gは後方から前方に向かって屈曲しており、平面視して略く字状を呈している。そして各ガイド部32a〜32gの屈曲部が、前後方向に延在する同じ直線上に配置されている。
【0064】
変形例7においては、被験者が指Fの中心部で各ガイド部32a〜32gの屈曲部をたどりながらこれらガイド部32a〜32gに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0065】
[変形例8]
図11に示す通り、変形例8では上記透明部材3(図1参照)に代えて、接触部材としての透明部材35が筐体2の上部の略中央部に固定されている。透明部材35は、透明部材3と略同様のものであって、左右方向に延在しており、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の光透過性の材料から構成されている。透明部材35の上部は筐体2の上面より僅かに突出しており、透明部材35の下部は筐体2の内部に埋設されているとともに下面が滑らかな平面となっている。透明部材35の上部の各面のうち、後側面35aは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、前側面35bは後方から前方に向かって下方に傾斜している。
【0066】
後側面35aから前側面35bにつながる上面35cは略平面とされており、より詳しくは、上面35cには、前後方向に延在する複数の溝35dが等間隔をあけて略平行に並んで形成されている。各溝35dのピッチは指Fの凹凸のピッチよりも狭く、各溝35dの深さは指Fの凹凸の深さよりも浅い。また上面35cに形成された各溝35cは、上記の通り非常に微細なものであり、指Fの指紋の読み取りには何ら支障をきたすものではない。
【0067】
変形例8においては、被験者が指Fの中心部で各溝35dをたどりながら各溝35dに沿って後方から前方に向かい指Fを移動させることにより、被験者は透明部材35上で所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0068】
[変形例9]
図12に示す通り、変形例9では上記透明部材3(図1参照)に代えて、接触部材としての透明部材36が筐体2の上部の略中央部に固定されている。透明部材36は、透明部材3と略同様のものであって、左右方向に延在しており、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の光透過性の材料から構成されている。透明部材36の上部は筐体2の上面より僅かに突出しており、透明部材36の下部は筐体2の内部に埋設されているとともに下面が滑らかな平面となっている。
【0069】
透明部材36の上部の後側部には、後方から前方に向かう方向に三角形状に切り欠かれた切欠部36aが形成されている。また透明部材36の上部の各面のうち、後側面36bは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、上面36cは平面とされており、前側面36dは後方から前方に向かって下方に傾斜している。
【0070】
変形例9においては、被験者が指Fの中心部で切欠部36aをたどりながら切欠部36aに沿って後方から前方に向かい指Fを移動させることにより、被験者は透明部材36に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0071】
[変形例10]
図13に示す通り、変形例10では上記透明部材3(図1参照)に代えて、接触部材としての透明部材37が筐体2の上部の略中央部に固定されている。透明部材37は、透明部材3と略同様のものであって、左右方向に延在しており、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の光透過性の材料から構成されている。透明部材37の上部は筐体2の上面より僅かに突出しており、透明部材37の下部は筐体2の内部に埋設されているとともに下面が滑らかな平面となっている。透明部材37の上部の各面のうち、後側面37aは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、上面37bは平面とされており、前側面37cは後方から前方に向かって下方に傾斜している。
【0072】
後側面37a及び前側面37cの各中央部には、三角形状の突起部37d,37eが配設されている。突起部37dは前方から後方に向かう方向に突き出ており、突起部37eは後方から前方に向かう方向に突き出ている。
【0073】
変形例10においては、被験者が指Fの中心部で各突起部37d,37eをたどりながら各突起部37d,37eに沿って後方から前方に向かい指Fを移動させることにより、被験者は透明部材37に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0074】
[第二の実施の形態]
続いて、図14及び図15を参照しながら指紋読取装置の第二の実施形態について説明する。ただし、本第二の実施形態では、第一の実施形態で示した部材と同様の部材に上記と同様の符号を付してそれら部材の詳細な説明を省略する。
図14は指紋読取装置40の斜視図であり、図15は指紋読取装置40の断面図である。
【0075】
図14及び図15に示す指紋読取装置40が第一の実施形態における上記指紋読取装置1と主に異なる点は、透明部材3に代えて接触部材としてのプリズム41が配設されており、筐体2の内部での指紋読取部10の部材の配置が変更されていることである。
【0076】
詳しくは、図14及び図15に示す通り、プリズム41は、左右方向に延在しかつ断面が五角形を呈する多角柱状のプリズムである。プリズム41は、左右側面を除く5面のうち3面を含む上部が筐体2の上面より突出しており、残り2面を含む下部が筐体2の内部に埋設されている。
【0077】
プリズム41の上部の第1の面42は後方から前方に向かって上方に傾斜しており、第2の面43は平面とされており、第3の面44は後方から前方に向かって下方に傾斜している。このように第1の面42及び第3の面44が傾斜しているため、被験者は指をプリズム41の上部に接触させながらプリズム41の前後方向にわたり指Fをスムーズに移動させることができる。また、プリズム41の下部の第4の面45と第5の面46は互いに直交している。
【0078】
一方、筐体2の内部に配設された指紋読取部10では、光源15が支持部材11から分離しており、光源15を除く指紋読取部10の各部材は、プリズム41の第4の面45に対向する位置に配置されており、より詳しくは、セルフォックレンズアレイ12の光軸が第4の面45に対して直交するように配置されている。これに対し光源15は、プリズム41の第5の面46に対向する位置に配置されており、より詳しくは、セルフォックレンズアレイ12の光軸とプリズム41の第2の面43とが交差する部分に向けて光を照射できる位置に配置されている。
【0079】
次に、指紋読取装置40の使用方法及び動作について説明する。
指紋読取装置40の使用方法及び動作は、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1の使用方法及び動作と略同様である。すなわち、被験者が、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2に押し付けながら後方から前方へと移動させる。すると被験者の指Fは、ガイド部7によりガイドされた状態でローラ4の外周面に接触し、ローラ4を回転させながら移動してプリズム41に接触する。
【0080】
指Fがプリズム41に接触すると、光源15が点灯し、光源15の光がプリズム41を介して指Fに入射し、指Fはプリズム41に接触した状態で光の照射を受ける。また、ローラ4が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ5が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24のそれぞれに出力し、指Fは固体撮像デバイス14により線走査される。
【0081】
そして上記第一の実施形態で示した原理と同様の原理に従い、指Fの凹凸で定義された像がセルフォックレンズアレイ12により固体撮像デバイス14に結像され、固体撮像デバイス14は指Fの指紋の一次元画像を取得する。その後も上記第一の実施形態と同様に、固体撮像デバイス14は、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路22に出力し、出力された各電気信号は、信号処理回路22により増幅等の処理がおこなわれ、A/D変換回路23によりA/D変換され、合成バッファ24に順次蓄積される。そして合成バッファ24が、蓄積した各一次元画像データから指紋の二次元画像データを生成し、その二次元画像データは合成バッファ24からコンピュータに出力されて被験者の指紋認証の処理の用に供されるようになっている。
【0082】
以上のような指紋読取装置40でも、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1と同様に、プリズム41の前方とローラ4の後方とに、プリズム41の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者はプリズム41の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、プリズム41から離れたりプリズム41上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなくプリズム41に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0083】
なお、本第二の実施形態の指紋読取装置40では、図14及び図15に示す通り、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7を図示したが、上記第一の実施形態に示した[変形例1]〜[変形例7]の各ガイド部(符号略)を指紋読取装置40に適用してもよい。また、上記第一の実施形態に示した[変形例8]のような溝をプリズム41上に形成してもよいし、上記第一の実施形態に示した[変形例9],[変形例10]のような切欠部又は突起をプリズム41に配設してもよい。
【0084】
[第三の実施の形態]
続いて、図16〜図19を参照しながら指紋読取装置の第三の実施形態について説明する。ただし、本第三の実施形態では、第一の実施形態で示した部材と同様の部材に上記と同様の符号を付してそれら部材の詳細な説明を省略する。
図16は指紋読取装置50の斜視図であり、図17は指紋読取装置50の断面図であり、図18は指紋読取装置50の筐体2の内部に配設された部材を示す斜視図であり、図19は指紋読取装置50の回路構成を示すブロック図である。
【0085】
図16及び図17に示す指紋読取装置50が第一の実施形態における上記指紋読取装置1と主に異なる点は、透明部材3及びローラ4が配設されておらず、透明部材3に代えて、接触部材としての回転ローラ51が配設されていることである。
【0086】
詳しくは、図16に示す通り、筐体2の略中央部には、左右方向に長尺な長方形状の開口部2gが形成されている。図16及び図17に示す通り、筐体2の内部には、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の透明な光透過性材料から構成された回転ローラ51が配設されている。回転ローラ51は、左右方向に延在した円筒状の部材であって、軸心回りに回転自在な状態で筐体2により支持されている。回転ローラ51は、外周面の一部が筐体2の開口部2gから突出した状態で筐体2の外部に露出している。
【0087】
回転ローラ51の外周面と回転ローラ51の内周面とは同軸となっており、回転ローラ51の外周面及び内周面は滑らかな曲面になっている。ただし、回転ローラ51の外周面に微小な凹凸(シボ)を形成し、回転ローラ51の外周面で光を拡散するような構成としてもよい。
【0088】
図17に示す通り、回転ローラ51の内部には、第一の実施形態で示した指紋読取部10と同様の各部材が配設されている。セルフォックレンズアレイ12は、各セルフォックレンズ12aの中心軸(つまりセルフォックレンズアレイ12の光軸)が回転ローラ51の内周面及び外周面に直交するように配置されている。光源15は、セルフォックレンズアレイ12の光軸と回転ローラ51の外周面とが交差する部分に向けて光を照射できる位置に配置されている。
【0089】
さらに筐体2の内部において、図18に示す通り、回転ローラ51の一方の端部には、回転ローラ51と同軸の平歯車52が固定されている。平歯車52にはピニオン53が噛み合っており、ピニオン53にはロータリーエンコーダ54が配設されている。このような構成により、回転ローラ51が回転するとその回転力が平歯車52からピニオン53に伝達され、ロータリーエンコーダ54は、回転ローラ51の回転角度を検出して同期信号を発生・出力できるようになっている。
【0090】
次に、指紋読取装置50の回路構成について説明する。
図19に示す通り、ロータリーエンコーダ54には、ドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58が接続されている。ロータリーエンコーダ54は、回転ローラ51が所定角度回転する毎に同期信号をドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58へ出力するようになっている。ドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58は、第一の実施形態で示したドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24と略同様の機能を有するものであって、ロータリーエンコーダ54からの同期信号に同期して動作するようになっている。ただし、ドライバ回路55には固体撮像デバイス14が接続されており、ドライバ回路55が、ロータリーエンコーダ54から入力された同期信号に従って固体撮像デバイス14を駆動するようになっている。そして固体撮像デバイス14には信号処理回路56が接続されており、固体撮像デバイス14は、ドライバ回路55により駆動されることで、受光した光量(又は光強度)を電気信号に変換して一次元画像を取得し、その電気信号を信号処理回路56に出力するようになっている。
【0091】
次に、指紋読取装置50の使用方法及び動作について説明する。
被験者は、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2に押し付けながら後方から前方へと移動させる。すると被験者の指Fは、ガイド部7によりガイドされた状態で回転ローラ51の外周面に接触し、その後回転ローラ51を回転させながら移動して固体撮像デバイス14の上方を後方から前方へと通過する。
【0092】
この場合に、指Fが回転ローラ51に接触すると、光源15が点灯し、光源15の光が回転ローラ51を介して指Fに入射し、指Fは回転ローラ51の外周面に接触した状態で光の照射を受ける。また、回転ローラ51が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ54が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58のそれぞれに出力し、指Fは固体撮像デバイス14により線走査される。
【0093】
そして上記第一の実施形態で示した原理と同様の原理に従い、指Fの凹凸で定義された像がセルフォックレンズアレイ12により固体撮像デバイス14に結像され、固体撮像デバイス14は指Fの指紋の一次元画像を取得する。その後も上記第一の実施形態と同様に、固体撮像デバイス14は、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路56に出力し、出力された各電気信号は、信号処理回路56により増幅等の処理がおこなわれ、A/D変換回路57によりA/D変換され、合成バッファ58に順次蓄積される。そして合成バッファ58が、蓄積した各一次元画像データから指紋の二次元画像データを生成し、その二次元画像データは合成バッファ58からコンピュータに出力されて被験者の指紋認証の処理の用に供されるようになっている。
【0094】
以上のような指紋読取装置50でも、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1と同様に、回転ローラ51の前方と後方とに、回転ローラ51の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者は回転ローラ51の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、回転ローラ51から離れたり回転ローラ51上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく回転ローラ51に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0095】
なお、本第三の実施形態の指紋読取装置50では、図16及び図17に示す通り、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7を図示したが、上記第一の実施形態に示した[変形例1]〜[変形例7]の各ガイド部(符号略)を指紋読取装置50に適用してもよい。
【0096】
[第四の実施の形態]
続いて、図20〜図22を参照しながら指紋読取装置の第四の実施形態について説明する。ただし、本第四の実施形態では、第一の実施形態で示した部材と同様の部材に上記と同様の符号を付してそれら部材の詳細な説明を省略する。
図20は指紋読取装置60の斜視図であり、図21は指紋読取装置60の断面図であり、図22は指紋読取装置60の回路構成を示すブロック図である。
【0097】
図20及び図21に示す指紋読取装置60が第一の実施形態における上記指紋読取装置1と主に異なる点は、透明部材3が配設されておらず、筐体2の内部において指紋読取部10の部材が変更されていることである。
【0098】
詳しくは、図20及び図21に示す通り、筐体2の上部の略中央部には、断面視して台形状に起伏した起伏部2bが筐体2と一体になって形成されている。起伏部2bを構成する各面のうち、後側面2cは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、上面2dは平面とされており、前側面2eは後方から前方に向かって下方に傾斜している。このように後側面2c及び前側面2eが傾斜しているため、被験者は指を起伏部2bに接触させながら起伏部2bの前後方向にわたり指Fをスムーズに移動させることができる。また、起伏部2bの上面2dの中央部には、左右方向に延在するスリット状の開口部2fが形成されている。
【0099】
筐体2の起伏部2bの内部には、左右方向に延在する基板61が配設されている。基板61は筐体2に固定されている。基板61の上部には、基板61に沿って延在するラインセンサ62が実装されている。ラインセンサ62は、複数のコンデンサ(図示略)を左右方向に配列した静電容量方式半導体センサであって、指Fの指紋の凹凸に応じて各コンデンサの容量値(電荷量)がコンデンサの静電容量効果により変化する性質を備えている。ラインセンサ62の上面は起伏部2bの開口部2fから筐体2の外部に露出しており、起伏部2bの上面2dと同じ面上に存している。
【0100】
次に、指紋読取装置60の回路構成について説明する。
図22に示す通り、ロータリーエンコーダ5には、ドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66が接続されている。ロータリーエンコーダ5は、ローラ4が所定角度回転する毎に同期信号をドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66へ出力するようになっている。ドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66は、第一の実施形態で示したドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24と略同様の機能を有するものであって、ロータリーエンコーダ5からの同期信号に同期して動作するようになっている。ただし、ドライバ回路63には上記ラインセンサ62が接続されており、ドライバ回路63が、ロータリーエンコーダ5から入力された同期信号に従ってラインセンサ62を駆動するようになっている。そしてラインセンサ62には信号処理回路64が接続されており、ラインセンサ62は、ドライバ回路63により駆動されることで、各コンデンサで蓄積した電荷量を電気信号に変換して一次画像を取得し、その電気信号を信号処理回路64に出力するようになっている。
【0101】
次に、指紋読取装置60の使用方法及び動作について説明する。
被験者は、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2に押し付けながら後方から前方へと移動させる。この場合、被験者の指Fは、ガイド部7によりガイドされた状態でローラ4に接触し、その後ローラ4を回転させながら移動してラインセンサ62の上部を後方から前方へと通過する。
【0102】
そしてローラ4が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ5が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66のそれぞれに出力し、指Fはラインセンサ62により線走査される。
【0103】
ここで、指Fとラインセンサ62の上面とが接触する部分では、指Fの凸部(指紋の稜線)はラインセンサ62の上面に密着し、指Fの凸部の直下に存する各コンデンサは静電容量が大きくなる(電荷の蓄積量が多くなる)。一方、指Fの凹部(指紋の溝線)はラインセンサ62の上面から僅かに離間し、指Fの凹部の直下に存する各コンデンサは静電容量が小さくなる(電荷の蓄積量が少なくなる)。
【0104】
そしてラインセンサ62はドライバ回路63により駆動され、ロータリーエンコーダ5による同期信号のタイミングで指Fの凹凸に応じた電荷量を電気信号に変換し、指Fの指紋の一次元画像を取得する。その後ラインセンサ62は、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路64に出力し、出力された各電気信号は、信号処理回路64により増幅等の処理がおこなわれ、A/D変換回路65によりA/D変換され、合成バッファ66に順次蓄積される。そして合成バッファ66は、蓄積した各一次元画像データから指紋の二次元画像データを生成し、その二次元画像データは合成バッファ66からコンピュータに出力されて被験者の指紋認証の処理の用に供されるようになっている。
【0105】
以上のような指紋読取装置60でも、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1と同様に、ラインセンサ62の前方とローラ4の後方とに、ラインセンサ62の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者はラインセンサ62の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、ラインセンサ62から離れたりラインセンサ62上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなくラインセンサ62に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0106】
なお、本第四の実施形態の指紋読取装置60では、図20及び図21に示す通り、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7を図示したが、上記第一の実施形態に示した[変形例1]〜[変形例7]の各ガイド部(符号略)を指紋読取装置60に適用してもよい。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、被験者がガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指は、接触部材から離れたり接触部材上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく接触部材に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図2】第一の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図3】第一の実施形態における指紋読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図5】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図6】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図7】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図8】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図9】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図10】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図11】図1の透明部材の変形例を示す斜視図である。
【図12】図1の透明部材の変形例を示す斜視図である。
【図13】図1の透明部材の変形例を示す斜視図である。
【図14】第二の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図15】第二の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図16】第三の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図17】第三の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図18】第三の実施形態における指紋読取装置の筐体の内部に配設された部材の斜視図である。
【図19】第三の実施形態における指紋読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図20】第四の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図21】第四の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図22】第四の実施形態における指紋読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,40,50,60 指紋読取装置
2 筐体
3,35,36,37 透明部材(接触部材)
4 ローラ
5,54 ロータリーエンコーダ
6,7;26a,26b;27a,27b;28a〜28g;29a〜29d;30a〜30l;31a〜31d;32a〜32g ガイド部
10 指紋読取部
11 支持部材
11a 光路孔
12 セルフォックレンズアレイ
12a セルフォックレンズ
12b プレート
13 基板
14 固体撮像デバイス
15 光源
21,55,63 ドライバ回路
22,56,64 信号処理回路
23,57,65 A/D変換回路
24,58,66 合成バッファ
35d 溝
36a 切欠部
37d,37e 突起部
41 プリズム(接触部材)
51 回転ローラ(接触部材)
52 平歯車
53 ピニオン
61 基板
62 ラインセンサ(接触部材)
F 指
【発明の属する技術分野】
本発明は被験者の指の指紋を読み取る指紋読取装置に係り、特に被験者の指を所定方向にガイドするガイド機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、携帯電話,PDA(Personal Digital Assistance),PC(Personal Computer)といった電子機器間のネットワーク化が進展し、種々の情報源にアクセスして多くの情報を迅速かつ安易に取得できるようになってきているが、これに伴い、悪意ある者による不正アクセスが跡を絶たず、セキュリティの重要性がますます高まっている。セキュリティ技術においては、各個人でユーザ名,パスワードを設定して個人認証をおこなう技術が一般的となっているが、その他にも各個人の指紋により個人認証をおこなうといった技術が実用化されており、セキュリティ技術は進歩の一途をたどっている。
【0003】
指紋認証のためには被験者の指紋を読み取る指紋読取装置が必要とされる。この指紋読取装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1の指紋読取装置は、被験者が回転自在な読取りローラに指を接触させながら読取りローラを回転させることで被験者の指紋を読み取ることができるようになっており、詳しくは、読取りローラが所定角度回転する毎に被験者の指を光学的に検出・撮像して指紋の一次元画像を断片的に順次取得・蓄積し、その後、断片化された複数の一次元画像を合成して最終的に被験者の指紋の二次元画像を取得できるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−184490号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の指紋読取装置では、被験者が読取りローラに対して所定方向に指を移動させなければ、最終的に取得した二次元画像が歪んだり変形したりして正確な指紋の二次元画像を取得できない可能性がある。また特に、読取りローラ上で被験者の指が移動方向とは異なる方向にずれた場合には、正確な指紋の二次元画像を取得することはできない。
【0006】
本発明の課題は、被験者の正確な指紋画像を取得できる指紋読取装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
被験者の指が接触する接触部材を有し、前記指が前記接触部材に接触した状態で前記接触部材上を所定方向に移動したときに前記指の指紋を読み取る指紋読取装置において、
前記指の移動方向の前記接触部材より前側及び後側の少なくとも一方の側には、前記指の移動をガイドするガイド部が配設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明では、指の移動方向の接触部材より前側及び後側の少なくとも一方の側にガイド部が配設されているため、被験者がガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指は、接触部材から離れたり接触部材上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく接触部材に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は突条、溝又は複数の点状の突起であり、
前記ガイド部としての突条、溝又は各突起は、前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、ガイド部が突条、溝又は複数の突起であるため、簡単な構成でガイド部を構成することができる。そして被験者が指で突条、溝又は各突起をたどりながらこれらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができ、ひいては被験者の正確な指紋画像を取得することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記接触部材の略中央部を通過する前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明では、ガイド部が、接触部材の略中央部を通過する指の移動方向に延在するため、被験者が指の中心部でガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材の略中央部に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
請求項2に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記接触部材の端部を通過する前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、ガイド部が、接触部材の端部を通過する指の移動方向に延在するため、被験者が指の側部でガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は互いに略平行に並んだ1対の突条であり、
前記ガイド部としての各突条は、前記指の移動方向に延在することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明では、ガイド部が互いに平行に並んだ1対の突条であり、各突条が指の移動方向に延在しているため、被験者が指の左右側部で各ガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、各ガイド部は指の左右側部を支持することができるので、指の移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は互いに略平行に並んだ複数の突条であり、
前記ガイド部としての各突条は前記指の移動方向に沿って延在するとともに、略中心に配置された突条を基準として基準の突条から離れるにつれて高さが高くなることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明では、ガイド部としての各突条は、略中心に配置された突条を基準として基準の突条から離れるにつれて高さが高くなるため、各突条を断面視すると略円弧状を呈し、ガイド部としての各突条は被験者の指の腹(凹凸を有する面)に略合致するような形態となる。従って、被験者が指の腹で各ガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、各ガイド部は指の腹全体を支持することができるので、指の移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、
請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記指の移動方向に沿って幅が狭くなる略ハ字状の突条であるか又は前記指の移動方向に沿って屈曲する略く字状の突条であることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明では、ガイド部が略ハ字状の突条又は略く字状の突条であるため、被験者が指でガイド部をたどりながらガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の指紋読取装置において、
前記接触部材上には、前記指の移動方向に延在する溝が形成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明では、接触部材上に、指の移動方向に延在する溝が形成されているため、被験者が指で溝をたどりながら溝に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材上で所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の指紋読取装置において、
前記接触部材には、前記指の移動方向に切り欠かれた切欠部又は前記指の移動方向若しくはその反対方向に突き出た突起部が配設されていることを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の発明では、接触部材に切欠部又は突起部が配設されているため、被験者が指で切欠部又は突起部をたどりながら切欠部又は突起部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る指紋読取装置の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0026】
[第一の実施の形態]
始めに、図1〜図3を参照しながら指紋読取装置の第一の実施形態について説明する。
図1は指紋読取装置1の斜視図であり、図2は指紋読取装置1の断面図である。
図1に示す通り、指紋読取装置1は直方体状の筐体2を有しており、筐体2の上部の略中央部には接触部材としての透明部材3が固定されている。透明部材3は、左右方向に延在する長尺な部材であり、ガラス,アクリル,ポリカーボネイト等の光透過性の材料から構成されている。図2に示す通り、透明部材3は所定の厚みを有する略弓形の部材であって、透明部材3の上面は筐体2の上面より盛り上がった状態で前後方向にわたり湾曲しており、透明部材3の下面は滑らかな平面となっている。
【0027】
筐体2の上部の透明部材3より後側には、透明部材3の長手方向に沿って延在する長尺なローラ4が配設されており、ローラ4は透明部材3に対して平行に配置されている。図1に示す通り、筐体2の上部にはスリット状の開口部2aが形成されており、円柱状を呈するローラ4は、外周面の一部が開口部2aから僅かに突出した状態で筐体2の外部に露出している。ローラ4は軸心回りに回転自在な状態で筐体2により支持されており、ローラ4の内部にはローラ4の回転角度を検出するロータリーエンコーダ5(図3参照)が配設されている。
【0028】
さらに筐体2の上部には、前後方向に延在するガイド部6,7が配設されている。各ガイド部6,7は断面が略半円状を有する直線状の突条である。一方のガイド部6は透明部材3より前側に配設されており、他方のガイド部7はローラ4より後側に配設されている。各ガイド部6,7は、互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されており、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在している。
【0029】
図2に示す通り、筐体2の内部には、指Fの指紋を読み取る指紋読取部10が配設されている。指紋読取部10には支持部材11が配設されている。支持部材11は左右方向に延在した部材であり、筐体2に固定されている。ただし、図2では、紙面の表側から裏側又は裏側から表側に向かう方向が左右方向となっている。
【0030】
支持部材11には、上下方向に貫通する光路孔11aが形成されており、光路孔11aは支持部材11に沿って左右方向に延在している。光路孔11aにはセルフォックレンズアレイ12が嵌め込まれている。
【0031】
セルフォックレンズアレイ12は、複数のセルフォックレンズ12a,12a,…と1対のプレート12b,12bとを有している。各セルフォックレンズ12aは、互いに平行な状態で左右方向に沿って一列に配列されるように1対のプレート12b,12bにより挟持されている。ただし、左右方向に沿って一列をなす複数のセルフォックレンズ12a,12a,…が前後方向にわたり複数の列をなして配列されてもよい。また、各セルフォックレンズ12aは円柱状のロッドレンズであって、中心軸から周面にかけて放物線状の屈折率分布を有している。具体的に各セルフォックレンズ12aの屈折率は、中心軸において最も高く、周面において最も低い。従って各セルフォックレンズ12aは球面レンズと光学的に略等価な性質を備えており、全てのセルフォックレンズ12a,12a,…は互いに等価な性質を備えている。
【0032】
上記構成を具備するセルフォックレンズアレイ12は、各セルフォックレンズ12aの中心軸(つまりセルフォックレンズアレイ12の光軸)が上記透明部材3の上面及び下面に対して直交するように配置されている。セルフォックレンズアレイ12は、透明部材3の上面に接した指Fに合焦するようになっており、複数のセルフォックレンズ12a,12a,…全体で指Fと透明部材3の上面とが接した部分の連続した像を後述の固体撮像デバイス14に正立等倍に結像することができるようになっている。
【0033】
支持部材11の下部には、基板13がセルフォックレンズアレイ12の下方に位置するように固定されている。基板13の上面であって支持部材11と基板13とに囲まれた光路孔11aの内部には、固体撮像デバイス14がセルフォックレンズアレイ12の光軸上に位置するように配置されている。
【0034】
上記固体撮像デバイス14は具体的に、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像デバイス,CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型固体撮像デバイス等であり、入射した光の強度(又は光量)を電気信号に変換する画素としての複数の光電変換素子(例えばフォトダイオード,フォトトランジスタ等)が左右方向に配列された構造となっている。固体撮像デバイス14においては、複数の光電変換素子が左右方向に沿って一列に並んでいてもよいし、複数列にわたり並んでいてもよい。つまり、固体撮像デバイス14は、左右方向に延在する長尺な一次元固体撮像デバイスであって、セルフォックレンズアレイ12によって結像された一次元像を取得するものである。
【0035】
支持部材11の後側の側面には、左右方向に延在する線状の光源15が固定されている。光源15は、セルフォックレンズアレイ12の光軸を避けて配置されており、より詳しくはセルフォックレンズアレイ12の光軸と透明部材3の上面とが交差する部分に向けて光を照射できる位置に配置されている。光源15は具体的に、LED(Light Emitting Diode),有機EL(Electronic Luminescent),無機EL,冷陰極管,蛍光管等の自発光素子等から構成されている。
【0036】
次に、指紋読取装置1の回路構成について説明する。
図3は指紋読取装置1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示す通り、ロータリーエンコーダ5には、ドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24が接続されている。ロータリーエンコーダ5は、ローラ4が所定角度回転する毎に同期信号をドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24へ出力するようになっている。ドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24は、ロータリーエンコーダ5からの同期信号に同期して動作するようになっている。
【0037】
ドライバ回路12には上記固体撮像デバイス14が接続されており、ドライバ回路12は、ロータリーエンコーダ5から入力された同期信号に従って固体撮像デバイス14を駆動するようになっている。固体撮像デバイス14には信号処理回路22が接続されており、固体撮像デバイス14は、ドライバ回路21により駆動されることで、受光した光量(又は光強度)を電気信号に変換して一次元画像を電気信号として取得し、その電気信号を信号処理回路22に出力するようになっている。信号処理回路22にはA/D変換回路23が接続されており、信号処理回路22は、固体撮像デバイス14から入力された電気信号に増幅等の処理をおこなってその電気信号をA/D変換回路23に出力するようになっている。
【0038】
A/D変換回路23には合成バッファ24が接続されており、A/D変換回路23は、信号処理回路22から入力された電気信号をA/D変換し、その電気信号を一次元画像データとして合成バッファ24に出力するようになっている。合成バッファ24には、A/D変換回路23から入力された一次元画像データが順次格納され、合成バッファ24では一次元画像データが順次合成されて二次元画像データが生成されるようになっている。また合成バッファ24にはコンピュータ(図示略)が接続されており、合成バッファ24は、生成された二次元画像データを上記コンピュータに出力するようになっている。コンピュータに入力された二次元画像データは、コンピュータの処理の用に供されるようになっている。
【0039】
次に、指紋読取装置1の使用方法及び動作について説明する。
被験者は、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2の上面に押し付けながら後方から前方へと移動させる。この場合、被験者の指Fは、まず、ガイド部7によりガイドされた状態でローラ4に接触してローラ4を回転させながら移動し、その後透明部材3の上面に接触する。
【0040】
指Fが透明部材3に接触すると、光源15が点灯し、光源15の光が透明部材3を介して指Fに入射し、指Fは透明部材3の上面に接触した部分で光の照射を受ける。
【0041】
さらに被験者が指Fを透明部材3に押し付けながら後方から前方へと移動させると、指Fが固体撮像デバイス14の上方を後方から前方へと通過し、ローラ4が指Fの移動に伴い回転する。このときローラ4が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ5が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24のそれぞれに出力し、指Fは固体撮像デバイス14により線走査される。
【0042】
ここで、指Fと透明部材3の上面とが接触した部分においてセルフォックレンズアレイ12の光軸と透明部材3の上面とが交差する部分では、指Fの凸部(指紋の稜線)が透明部材3の上面に密着し、指Fの凹部(指紋の溝線)が透明部材3の上面から僅かに離間する。従って指Fに入射した光のうち、凸部に入射した光はセルフォックレンズアレイ12を通じて固体撮像デバイス14に高強度で入射する。一方、凹部に入射した光は、指Fの表皮と透明部材3の上面との間で反射を繰り返したり乱反射したりして、凹部で反射した反射光が、セルフォックレンズアレイ12を通じて固体撮像デバイス14に低強度で入射する。
【0043】
このように、指Fの凹凸で定義された像、つまり指Fの凸部が明るく凹部が暗い像がセルフォックレンズアレイ12により固体撮像デバイス14に結像される。
【0044】
そして固体撮像デバイス14は、ドライバ回路21により駆動されて指Fの凹凸で定義された像を同期信号のタイミングで撮像し、指紋の一次元画像を電気信号として取得し、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路22に出力する。すると信号処理回路22は、入力された電気信号を処理してその電気信号をA/D変換回路23に出力し、A/D変換回路23は入力された電気信号をA/D変換してその電気信号を指紋の一次元画像データとして合成バッファ24に出力する。そして最終的に、指紋の一次元画像データが合成バッファ24に順次蓄積され合成されて、合成バッファ24で指紋の二次元画像データが生成され、生成された二次元画像データは、合成バッファ24からコンピュータに出力される。
【0045】
なお、指紋読取装置1で取得した二次元画像データは、上記の通りコンピュータの処理の用に供されるが、例えば、コンピュータは、予め登録された登録者の登録指紋画像データと指紋読取装置1で取得された二次元画像データとを比較する処理と、比較した結果に基づき二次元画像データが登録指紋画像データと一致するか否かを判定する処理と、二次元画像データが登録指紋画像データと一致する場合には被験者を登録者として認識する処理と、を行うようになっている。
【0046】
以上のような指紋読取装置1では、透明部材3の前方とローラ4の後方とに、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、透明部材3から離れたり透明部材3上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく透明部材3に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0047】
ところで上記第一の実施形態では、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7(図1及び図2参照)を例示したが、以下の実施形態では、図4〜図13を参照しながらガイド部6,7に代わるガイド部の変形例([変形例1]〜[変形例7])と、透明部材3に代わる透明部材の変形例([変形例8]〜[変形例10])とを順次説明する。ただし、[変形例1]〜[変形例7]では、図1及び図2に示すガイド部6,7以外の指紋読取装置1の構成、使用方法及び動作は全て上記と略同様なのでそれらの詳細な説明を省略しており、[変形例8]〜[変形例10]でも、図1及び図2に示す透明部材3以外の指紋読取装置1の構成、使用方法及び動作は全て上記と略同様なのでそれらの詳細な説明を省略している。
【0048】
[変形例1]
図4に示す通り、変形例1では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、2つのガイド部26a,26bが筐体2の上部に形成されている。各ガイド部26a,26bは直線状の溝であって、前後方向に延在している。一方のガイド部26bは透明部材3の前側に形成されており、他方のガイド部26aはローラ4の後側に形成されている。各ガイド部26a,26bは、互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されており、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在している。
【0049】
変形例1においては、被験者が指Fの中心部で各ガイド部26a,26bをたどりながらこれらガイド部26a,26bに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0050】
[変形例2]
図5に示す通り、変形例2では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、複数のガイド部28a〜28gが筐体2の上部に形成されている。各ガイド部28a〜28gは平面視して円形状を有する点状の突起であって、前後方向に並んで延在している。ガイド部28d〜28gは透明部材3の前側に形成されており、ガイド部28a〜28cはローラ4の後側に形成されている。各ガイド部28a〜28gは互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されており、透明部材3の略中央部を通過する方向に延在している。
【0051】
変形例2においては、被験者が指Fの中心部で各ガイド部28a〜28gをたどりながらこれらガイド部28a〜28gに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0052】
[変形例3]
図6に示す通り、変形例3では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、2つのガイド部27a,27bが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部27a,27bは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条であって、前後方向に延在している。一方のガイド部27bは透明部材3の前側に配設されており、他方のガイド部27aはローラ4の後側に配設されている。各ガイド部27a,27bは互いに前後方向に延在する同じ直線上に配置されている。また各ガイド部27a,27bは上記ガイド部6,7と異なり、透明部材3の左端部を通過する方向に延在している。
【0053】
変形例3においては、被験者が指Fの左側部で各ガイド部27a,27bをたどりながらこれらガイド部27a,27bに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0054】
なお、変形例3では、各ガイド部27a,27bは透明部材3の左端部を通過する方向に延在しているが、透明部材3の右端部を通過する方向に延在していてもよい。この場合、被験者が指Fの右側部で各ガイド部27a,27bをたどりながらこれらガイド部27a,27bに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。また、各ガイド部27a,27bは直線状の突条であるが、突条に代えて、図4に示すような溝であってもよいし、図5に示すような複数の点状の突起であってもよい。
【0055】
[変形例4]
図7に示す通り、変形例4では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、4つのガイド部29a〜29dが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部29a〜29dは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条である。4つのガイド部29a〜29dのうち、2つのガイド部29a,29bは対となってローラ4の後側に配設されており、互いに略平行に並んだ状態で前後方向に延在している。一方、残り2つのガイド部29c,29dは対となって透明部材3の前側に配設されており、互いに略平行に並んだ状態で前後方向に延在している。各ガイド部29a,29cは互いに同じ直線上に配置されており、これと同様に、各ガイド部29b,29dも互いに同じ直線上に配置されている。またガイド部29a,29b間とガイド部29c,29d間との各幅は、指Fの幅よりやや狭くなっている。
【0056】
変形例4においては、被験者が指Fの左右側部で各ガイド部29a〜29dをたどりながらこれらガイド部29a〜29dに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。特に変形例4では、指Fの幅よりやや狭い2対のガイド部29a,29b及びガイド部29c,29dは指Fの左右側部を支持することができるので、指Fの移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0057】
[変形例5]
図8に示す通り、変形例5では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、複数のガイド部30a〜30lが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部30a〜30lは上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条であって、各ガイド部30a〜30lとも前後方向に延在している。複数のガイド部30a〜30lのうち、6つのガイド部30a〜30fはローラ4の後側に配設されており、残り6つのガイド部30g〜30lは透明部材3の前側に配設されている。
【0058】
ローラ4の後側に配設された6つのガイド部30a〜30fは互いに略平行に並んで配置されており、最も内側に配置された2つのガイド部30a,30b間の幅は指Fの幅よりもやや狭くなっている。そしてこれら6つのガイド部30a〜30fでは、中心に配置された1対のガイド部30a,30bを基準として基準のガイド部30a,30bから左右に離れるにつれて他のガイド部30c〜30fの高さが徐々に高くなっている。つまり、各突条30c,30dの高さは突条30a,30bよりも高くなっており、各突条30e,30fの高さは突条30c,30dよりも高くなっている。
【0059】
一方、透明部材3の前側に配設された6つの各ガイド部30g〜30lも上記ガイド部30a〜30fと同様に配置されており、中心に配置された1対のガイド部30g,30hを基準として基準のガイド部30g,30hから左右に離れるにつれて他のガイド部30i〜30lの高さが徐々に高くなっている。また、各ガイド部30g,30h間の幅も指Fの幅よりもやや狭くなっている。
【0060】
変形例5においては、各ガイド部30a〜30f(又は30g〜30l)は、中心に配置されたガイド部30a,30b(又は30g,30h)を基準として基準のガイド部30a,30b(又は30g,30h)から離れるにつれて高さが高くなるため、各ガイド部30a〜30f(又は30g〜30l)を断面視すると略円弧状を呈し、各ガイド部30a〜30f(又は30g〜30l)は被験者の指Fの腹(凹凸を有する面)に略合致するような形態となっている。従って、被験者が指Fの腹で各ガイド部30a〜30lをたどりながらガイド部30a〜30lに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、各ガイド部30a〜30lは指Fの腹全体を支持することができるので、指Fの移動を安定させた状態でガイドすることができる。
【0061】
[変形例6]
図9に示す通り、変形例6では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、4つのガイド部31a〜31dが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部31a〜31dは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する直線状の突条である。4つのガイド部31a〜31dのうち、2つのガイド部31a,31bはローラ4の後側に配設されており、平面視して略ハ字状を形成するようにそれぞれ配置されている。各ガイド部31a,31b間の幅は後方から前方に向かうにつれて徐々に狭くなっており、より詳しくは後方では指Fの幅よりもやや広く、後方から前方に向かうにつれて徐々に狭まり、前方では指Fの幅よりもやや狭くなっている。一方、残り2つのガイド部31c,31dは対となって透明部材3の前側に配設されており、互いに平行に並んだ状態で前後方向に延在している。ガイド部31c,31d間の幅は指Fの幅よりやや狭くなっている。
【0062】
変形例6においては、被験者が指Fの左右側部で各ガイド部31a〜31dをたどりながらこれらガイド部31a〜31dに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0063】
[変形例7]
図10に示す通り、変形例7では上記ガイド部6,7(図1参照)に代えて、7つのガイド部32a〜32gが筐体2の上部に配設されている。各ガイド部32a〜32gは、上記ガイド部6,7と同様に断面が略半円状を有する突条である。7つのガイド部32a〜32gのうち、3つのガイド部32a〜32cはローラ4の後側に配設されており、残り4つのガイド部32d〜32gは透明部材3の前側に配設されている。各ガイド部32a〜32gは後方から前方に向かって屈曲しており、平面視して略く字状を呈している。そして各ガイド部32a〜32gの屈曲部が、前後方向に延在する同じ直線上に配置されている。
【0064】
変形例7においては、被験者が指Fの中心部で各ガイド部32a〜32gの屈曲部をたどりながらこれらガイド部32a〜32gに沿って指Fを移動させることにより、被験者は透明部材3に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0065】
[変形例8]
図11に示す通り、変形例8では上記透明部材3(図1参照)に代えて、接触部材としての透明部材35が筐体2の上部の略中央部に固定されている。透明部材35は、透明部材3と略同様のものであって、左右方向に延在しており、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の光透過性の材料から構成されている。透明部材35の上部は筐体2の上面より僅かに突出しており、透明部材35の下部は筐体2の内部に埋設されているとともに下面が滑らかな平面となっている。透明部材35の上部の各面のうち、後側面35aは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、前側面35bは後方から前方に向かって下方に傾斜している。
【0066】
後側面35aから前側面35bにつながる上面35cは略平面とされており、より詳しくは、上面35cには、前後方向に延在する複数の溝35dが等間隔をあけて略平行に並んで形成されている。各溝35dのピッチは指Fの凹凸のピッチよりも狭く、各溝35dの深さは指Fの凹凸の深さよりも浅い。また上面35cに形成された各溝35cは、上記の通り非常に微細なものであり、指Fの指紋の読み取りには何ら支障をきたすものではない。
【0067】
変形例8においては、被験者が指Fの中心部で各溝35dをたどりながら各溝35dに沿って後方から前方に向かい指Fを移動させることにより、被験者は透明部材35上で所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0068】
[変形例9]
図12に示す通り、変形例9では上記透明部材3(図1参照)に代えて、接触部材としての透明部材36が筐体2の上部の略中央部に固定されている。透明部材36は、透明部材3と略同様のものであって、左右方向に延在しており、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の光透過性の材料から構成されている。透明部材36の上部は筐体2の上面より僅かに突出しており、透明部材36の下部は筐体2の内部に埋設されているとともに下面が滑らかな平面となっている。
【0069】
透明部材36の上部の後側部には、後方から前方に向かう方向に三角形状に切り欠かれた切欠部36aが形成されている。また透明部材36の上部の各面のうち、後側面36bは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、上面36cは平面とされており、前側面36dは後方から前方に向かって下方に傾斜している。
【0070】
変形例9においては、被験者が指Fの中心部で切欠部36aをたどりながら切欠部36aに沿って後方から前方に向かい指Fを移動させることにより、被験者は透明部材36に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0071】
[変形例10]
図13に示す通り、変形例10では上記透明部材3(図1参照)に代えて、接触部材としての透明部材37が筐体2の上部の略中央部に固定されている。透明部材37は、透明部材3と略同様のものであって、左右方向に延在しており、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の光透過性の材料から構成されている。透明部材37の上部は筐体2の上面より僅かに突出しており、透明部材37の下部は筐体2の内部に埋設されているとともに下面が滑らかな平面となっている。透明部材37の上部の各面のうち、後側面37aは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、上面37bは平面とされており、前側面37cは後方から前方に向かって下方に傾斜している。
【0072】
後側面37a及び前側面37cの各中央部には、三角形状の突起部37d,37eが配設されている。突起部37dは前方から後方に向かう方向に突き出ており、突起部37eは後方から前方に向かう方向に突き出ている。
【0073】
変形例10においては、被験者が指Fの中心部で各突起部37d,37eをたどりながら各突起部37d,37eに沿って後方から前方に向かい指Fを移動させることにより、被験者は透明部材37に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。
【0074】
[第二の実施の形態]
続いて、図14及び図15を参照しながら指紋読取装置の第二の実施形態について説明する。ただし、本第二の実施形態では、第一の実施形態で示した部材と同様の部材に上記と同様の符号を付してそれら部材の詳細な説明を省略する。
図14は指紋読取装置40の斜視図であり、図15は指紋読取装置40の断面図である。
【0075】
図14及び図15に示す指紋読取装置40が第一の実施形態における上記指紋読取装置1と主に異なる点は、透明部材3に代えて接触部材としてのプリズム41が配設されており、筐体2の内部での指紋読取部10の部材の配置が変更されていることである。
【0076】
詳しくは、図14及び図15に示す通り、プリズム41は、左右方向に延在しかつ断面が五角形を呈する多角柱状のプリズムである。プリズム41は、左右側面を除く5面のうち3面を含む上部が筐体2の上面より突出しており、残り2面を含む下部が筐体2の内部に埋設されている。
【0077】
プリズム41の上部の第1の面42は後方から前方に向かって上方に傾斜しており、第2の面43は平面とされており、第3の面44は後方から前方に向かって下方に傾斜している。このように第1の面42及び第3の面44が傾斜しているため、被験者は指をプリズム41の上部に接触させながらプリズム41の前後方向にわたり指Fをスムーズに移動させることができる。また、プリズム41の下部の第4の面45と第5の面46は互いに直交している。
【0078】
一方、筐体2の内部に配設された指紋読取部10では、光源15が支持部材11から分離しており、光源15を除く指紋読取部10の各部材は、プリズム41の第4の面45に対向する位置に配置されており、より詳しくは、セルフォックレンズアレイ12の光軸が第4の面45に対して直交するように配置されている。これに対し光源15は、プリズム41の第5の面46に対向する位置に配置されており、より詳しくは、セルフォックレンズアレイ12の光軸とプリズム41の第2の面43とが交差する部分に向けて光を照射できる位置に配置されている。
【0079】
次に、指紋読取装置40の使用方法及び動作について説明する。
指紋読取装置40の使用方法及び動作は、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1の使用方法及び動作と略同様である。すなわち、被験者が、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2に押し付けながら後方から前方へと移動させる。すると被験者の指Fは、ガイド部7によりガイドされた状態でローラ4の外周面に接触し、ローラ4を回転させながら移動してプリズム41に接触する。
【0080】
指Fがプリズム41に接触すると、光源15が点灯し、光源15の光がプリズム41を介して指Fに入射し、指Fはプリズム41に接触した状態で光の照射を受ける。また、ローラ4が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ5が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24のそれぞれに出力し、指Fは固体撮像デバイス14により線走査される。
【0081】
そして上記第一の実施形態で示した原理と同様の原理に従い、指Fの凹凸で定義された像がセルフォックレンズアレイ12により固体撮像デバイス14に結像され、固体撮像デバイス14は指Fの指紋の一次元画像を取得する。その後も上記第一の実施形態と同様に、固体撮像デバイス14は、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路22に出力し、出力された各電気信号は、信号処理回路22により増幅等の処理がおこなわれ、A/D変換回路23によりA/D変換され、合成バッファ24に順次蓄積される。そして合成バッファ24が、蓄積した各一次元画像データから指紋の二次元画像データを生成し、その二次元画像データは合成バッファ24からコンピュータに出力されて被験者の指紋認証の処理の用に供されるようになっている。
【0082】
以上のような指紋読取装置40でも、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1と同様に、プリズム41の前方とローラ4の後方とに、プリズム41の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者はプリズム41の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、プリズム41から離れたりプリズム41上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなくプリズム41に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0083】
なお、本第二の実施形態の指紋読取装置40では、図14及び図15に示す通り、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7を図示したが、上記第一の実施形態に示した[変形例1]〜[変形例7]の各ガイド部(符号略)を指紋読取装置40に適用してもよい。また、上記第一の実施形態に示した[変形例8]のような溝をプリズム41上に形成してもよいし、上記第一の実施形態に示した[変形例9],[変形例10]のような切欠部又は突起をプリズム41に配設してもよい。
【0084】
[第三の実施の形態]
続いて、図16〜図19を参照しながら指紋読取装置の第三の実施形態について説明する。ただし、本第三の実施形態では、第一の実施形態で示した部材と同様の部材に上記と同様の符号を付してそれら部材の詳細な説明を省略する。
図16は指紋読取装置50の斜視図であり、図17は指紋読取装置50の断面図であり、図18は指紋読取装置50の筐体2の内部に配設された部材を示す斜視図であり、図19は指紋読取装置50の回路構成を示すブロック図である。
【0085】
図16及び図17に示す指紋読取装置50が第一の実施形態における上記指紋読取装置1と主に異なる点は、透明部材3及びローラ4が配設されておらず、透明部材3に代えて、接触部材としての回転ローラ51が配設されていることである。
【0086】
詳しくは、図16に示す通り、筐体2の略中央部には、左右方向に長尺な長方形状の開口部2gが形成されている。図16及び図17に示す通り、筐体2の内部には、ガラス,アクリル,ポリカーボネート等の透明な光透過性材料から構成された回転ローラ51が配設されている。回転ローラ51は、左右方向に延在した円筒状の部材であって、軸心回りに回転自在な状態で筐体2により支持されている。回転ローラ51は、外周面の一部が筐体2の開口部2gから突出した状態で筐体2の外部に露出している。
【0087】
回転ローラ51の外周面と回転ローラ51の内周面とは同軸となっており、回転ローラ51の外周面及び内周面は滑らかな曲面になっている。ただし、回転ローラ51の外周面に微小な凹凸(シボ)を形成し、回転ローラ51の外周面で光を拡散するような構成としてもよい。
【0088】
図17に示す通り、回転ローラ51の内部には、第一の実施形態で示した指紋読取部10と同様の各部材が配設されている。セルフォックレンズアレイ12は、各セルフォックレンズ12aの中心軸(つまりセルフォックレンズアレイ12の光軸)が回転ローラ51の内周面及び外周面に直交するように配置されている。光源15は、セルフォックレンズアレイ12の光軸と回転ローラ51の外周面とが交差する部分に向けて光を照射できる位置に配置されている。
【0089】
さらに筐体2の内部において、図18に示す通り、回転ローラ51の一方の端部には、回転ローラ51と同軸の平歯車52が固定されている。平歯車52にはピニオン53が噛み合っており、ピニオン53にはロータリーエンコーダ54が配設されている。このような構成により、回転ローラ51が回転するとその回転力が平歯車52からピニオン53に伝達され、ロータリーエンコーダ54は、回転ローラ51の回転角度を検出して同期信号を発生・出力できるようになっている。
【0090】
次に、指紋読取装置50の回路構成について説明する。
図19に示す通り、ロータリーエンコーダ54には、ドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58が接続されている。ロータリーエンコーダ54は、回転ローラ51が所定角度回転する毎に同期信号をドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58へ出力するようになっている。ドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58は、第一の実施形態で示したドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24と略同様の機能を有するものであって、ロータリーエンコーダ54からの同期信号に同期して動作するようになっている。ただし、ドライバ回路55には固体撮像デバイス14が接続されており、ドライバ回路55が、ロータリーエンコーダ54から入力された同期信号に従って固体撮像デバイス14を駆動するようになっている。そして固体撮像デバイス14には信号処理回路56が接続されており、固体撮像デバイス14は、ドライバ回路55により駆動されることで、受光した光量(又は光強度)を電気信号に変換して一次元画像を取得し、その電気信号を信号処理回路56に出力するようになっている。
【0091】
次に、指紋読取装置50の使用方法及び動作について説明する。
被験者は、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2に押し付けながら後方から前方へと移動させる。すると被験者の指Fは、ガイド部7によりガイドされた状態で回転ローラ51の外周面に接触し、その後回転ローラ51を回転させながら移動して固体撮像デバイス14の上方を後方から前方へと通過する。
【0092】
この場合に、指Fが回転ローラ51に接触すると、光源15が点灯し、光源15の光が回転ローラ51を介して指Fに入射し、指Fは回転ローラ51の外周面に接触した状態で光の照射を受ける。また、回転ローラ51が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ54が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路55、信号処理回路56、A/D変換回路57及び合成バッファ58のそれぞれに出力し、指Fは固体撮像デバイス14により線走査される。
【0093】
そして上記第一の実施形態で示した原理と同様の原理に従い、指Fの凹凸で定義された像がセルフォックレンズアレイ12により固体撮像デバイス14に結像され、固体撮像デバイス14は指Fの指紋の一次元画像を取得する。その後も上記第一の実施形態と同様に、固体撮像デバイス14は、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路56に出力し、出力された各電気信号は、信号処理回路56により増幅等の処理がおこなわれ、A/D変換回路57によりA/D変換され、合成バッファ58に順次蓄積される。そして合成バッファ58が、蓄積した各一次元画像データから指紋の二次元画像データを生成し、その二次元画像データは合成バッファ58からコンピュータに出力されて被験者の指紋認証の処理の用に供されるようになっている。
【0094】
以上のような指紋読取装置50でも、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1と同様に、回転ローラ51の前方と後方とに、回転ローラ51の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者は回転ローラ51の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、回転ローラ51から離れたり回転ローラ51上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく回転ローラ51に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0095】
なお、本第三の実施形態の指紋読取装置50では、図16及び図17に示す通り、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7を図示したが、上記第一の実施形態に示した[変形例1]〜[変形例7]の各ガイド部(符号略)を指紋読取装置50に適用してもよい。
【0096】
[第四の実施の形態]
続いて、図20〜図22を参照しながら指紋読取装置の第四の実施形態について説明する。ただし、本第四の実施形態では、第一の実施形態で示した部材と同様の部材に上記と同様の符号を付してそれら部材の詳細な説明を省略する。
図20は指紋読取装置60の斜視図であり、図21は指紋読取装置60の断面図であり、図22は指紋読取装置60の回路構成を示すブロック図である。
【0097】
図20及び図21に示す指紋読取装置60が第一の実施形態における上記指紋読取装置1と主に異なる点は、透明部材3が配設されておらず、筐体2の内部において指紋読取部10の部材が変更されていることである。
【0098】
詳しくは、図20及び図21に示す通り、筐体2の上部の略中央部には、断面視して台形状に起伏した起伏部2bが筐体2と一体になって形成されている。起伏部2bを構成する各面のうち、後側面2cは後方から前方に向かって上方に傾斜しており、上面2dは平面とされており、前側面2eは後方から前方に向かって下方に傾斜している。このように後側面2c及び前側面2eが傾斜しているため、被験者は指を起伏部2bに接触させながら起伏部2bの前後方向にわたり指Fをスムーズに移動させることができる。また、起伏部2bの上面2dの中央部には、左右方向に延在するスリット状の開口部2fが形成されている。
【0099】
筐体2の起伏部2bの内部には、左右方向に延在する基板61が配設されている。基板61は筐体2に固定されている。基板61の上部には、基板61に沿って延在するラインセンサ62が実装されている。ラインセンサ62は、複数のコンデンサ(図示略)を左右方向に配列した静電容量方式半導体センサであって、指Fの指紋の凹凸に応じて各コンデンサの容量値(電荷量)がコンデンサの静電容量効果により変化する性質を備えている。ラインセンサ62の上面は起伏部2bの開口部2fから筐体2の外部に露出しており、起伏部2bの上面2dと同じ面上に存している。
【0100】
次に、指紋読取装置60の回路構成について説明する。
図22に示す通り、ロータリーエンコーダ5には、ドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66が接続されている。ロータリーエンコーダ5は、ローラ4が所定角度回転する毎に同期信号をドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66へ出力するようになっている。ドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66は、第一の実施形態で示したドライバ回路21、信号処理回路22、A/D変換回路23及び合成バッファ24と略同様の機能を有するものであって、ロータリーエンコーダ5からの同期信号に同期して動作するようになっている。ただし、ドライバ回路63には上記ラインセンサ62が接続されており、ドライバ回路63が、ロータリーエンコーダ5から入力された同期信号に従ってラインセンサ62を駆動するようになっている。そしてラインセンサ62には信号処理回路64が接続されており、ラインセンサ62は、ドライバ回路63により駆動されることで、各コンデンサで蓄積した電荷量を電気信号に変換して一次画像を取得し、その電気信号を信号処理回路64に出力するようになっている。
【0101】
次に、指紋読取装置60の使用方法及び動作について説明する。
被験者は、指Fの中心部で後方のガイド部7から前方のガイド部6へと各ガイド部6,7をたどるように、指Fを筐体2に押し付けながら後方から前方へと移動させる。この場合、被験者の指Fは、ガイド部7によりガイドされた状態でローラ4に接触し、その後ローラ4を回転させながら移動してラインセンサ62の上部を後方から前方へと通過する。
【0102】
そしてローラ4が所定角度回転する毎に、ロータリーエンコーダ5が、同期信号を発生させてその同期信号をドライバ回路63、信号処理回路64、A/D変換回路65及び合成バッファ66のそれぞれに出力し、指Fはラインセンサ62により線走査される。
【0103】
ここで、指Fとラインセンサ62の上面とが接触する部分では、指Fの凸部(指紋の稜線)はラインセンサ62の上面に密着し、指Fの凸部の直下に存する各コンデンサは静電容量が大きくなる(電荷の蓄積量が多くなる)。一方、指Fの凹部(指紋の溝線)はラインセンサ62の上面から僅かに離間し、指Fの凹部の直下に存する各コンデンサは静電容量が小さくなる(電荷の蓄積量が少なくなる)。
【0104】
そしてラインセンサ62はドライバ回路63により駆動され、ロータリーエンコーダ5による同期信号のタイミングで指Fの凹凸に応じた電荷量を電気信号に変換し、指Fの指紋の一次元画像を取得する。その後ラインセンサ62は、一次元画像を取得する毎にその電気信号を信号処理回路64に出力し、出力された各電気信号は、信号処理回路64により増幅等の処理がおこなわれ、A/D変換回路65によりA/D変換され、合成バッファ66に順次蓄積される。そして合成バッファ66は、蓄積した各一次元画像データから指紋の二次元画像データを生成し、その二次元画像データは合成バッファ66からコンピュータに出力されて被験者の指紋認証の処理の用に供されるようになっている。
【0105】
以上のような指紋読取装置60でも、上記第一の実施形態で示した指紋読取装置1と同様に、ラインセンサ62の前方とローラ4の後方とに、ラインセンサ62の略中央部を通過する方向に延在したガイド部6,7が配設されているため、被験者が指Fの中心部で各ガイド部6,7をたどりながらガイド部6,7に沿って指Fを移動させることにより、被験者はラインセンサ62の略中央部に対して所定方向に指Fを円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指Fは、ラインセンサ62から離れたりラインセンサ62上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなくラインセンサ62に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【0106】
なお、本第四の実施形態の指紋読取装置60では、図20及び図21に示す通り、被験者の指Fをガイドする部材としてガイド部6,7を図示したが、上記第一の実施形態に示した[変形例1]〜[変形例7]の各ガイド部(符号略)を指紋読取装置60に適用してもよい。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、被験者がガイド部に沿って指を移動させることにより、被験者は接触部材に対して所定方向に指を円滑に移動させることができる。この場合、被験者の指は、接触部材から離れたり接触部材上で移動方向と異なる方向にずれたりすることなく接触部材に対して所定方向に移動するので、被験者の正確な指紋画像を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図2】第一の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図3】第一の実施形態における指紋読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図5】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図6】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図7】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図8】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図9】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図10】図1のガイド部の変形例を示す斜視図である。
【図11】図1の透明部材の変形例を示す斜視図である。
【図12】図1の透明部材の変形例を示す斜視図である。
【図13】図1の透明部材の変形例を示す斜視図である。
【図14】第二の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図15】第二の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図16】第三の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図17】第三の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図18】第三の実施形態における指紋読取装置の筐体の内部に配設された部材の斜視図である。
【図19】第三の実施形態における指紋読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図20】第四の実施形態における指紋読取装置の斜視図である。
【図21】第四の実施形態における指紋読取装置の断面図である。
【図22】第四の実施形態における指紋読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,40,50,60 指紋読取装置
2 筐体
3,35,36,37 透明部材(接触部材)
4 ローラ
5,54 ロータリーエンコーダ
6,7;26a,26b;27a,27b;28a〜28g;29a〜29d;30a〜30l;31a〜31d;32a〜32g ガイド部
10 指紋読取部
11 支持部材
11a 光路孔
12 セルフォックレンズアレイ
12a セルフォックレンズ
12b プレート
13 基板
14 固体撮像デバイス
15 光源
21,55,63 ドライバ回路
22,56,64 信号処理回路
23,57,65 A/D変換回路
24,58,66 合成バッファ
35d 溝
36a 切欠部
37d,37e 突起部
41 プリズム(接触部材)
51 回転ローラ(接触部材)
52 平歯車
53 ピニオン
61 基板
62 ラインセンサ(接触部材)
F 指
Claims (9)
- 被験者の指が接触する接触部材を有し、前記指が前記接触部材に接触した状態で前記接触部材上を所定方向に移動したときに前記指の指紋を読み取る指紋読取装置において、
前記指の移動方向の前記接触部材より前側及び後側の少なくとも一方の側には、前記指の移動をガイドするガイド部が配設されていることを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は突条、溝又は複数の点状の突起であり、
前記ガイド部としての突条、溝又は各突起は、前記指の移動方向に延在することを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項2に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記接触部材の略中央部を通過する前記指の移動方向に延在することを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項2に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記接触部材の端部を通過する前記指の移動方向に延在することを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は互いに略平行に並んだ1対の突条であり、
前記ガイド部としての各突条は前記指の移動方向に延在することを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は互いに略平行に並んだ複数の突条であり、
前記ガイド部としての各突条は前記指の移動方向に沿って延在するとともに、略中心に配置された突条を基準として基準の突条から離れるにつれて高さが高くなることを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項1に記載の指紋読取装置において、
前記ガイド部は、前記指の移動方向に沿って幅が狭くなる略ハ字状の突条であるか又は前記指の移動方向に沿って屈曲する略く字状の突条であることを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の指紋読取装置において、
前記接触部材上には、前記指の移動方向に延在する溝が形成されていることを特徴とする指紋読取装置。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の指紋読取装置において、
前記接触部材には、前記指の移動方向に切り欠かれた切欠部又は前記指の移動方向若しくはその反対方向に突き出た突起部が配設されていることを特徴とする指紋読取装置。
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---|---|---|---|
JP2003032338A JP2004240924A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 指紋読取装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100889181B1 (ko) * | 2008-12-30 | 2009-03-17 | 윤광상 | 훼손된 지문의 복원이 가능한 신원조회용 지문채취기 |
WO2009122493A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 富士通株式会社 | 指紋読取装置、情報処理装置 |
US20110317886A1 (en) * | 2010-06-28 | 2011-12-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information processing apparatus |
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JP2013246423A (ja) * | 2012-05-29 | 2013-12-09 | Fujitsu Ltd | 生体情報読取装置及び電子装置 |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003032338A patent/JP2004240924A/ja active Pending
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