JP2004239596A - 廃棄物溶融処理炉 - Google Patents

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Ryota Hidaka
亮太 日高
Kazutake Murahashi
一毅 村橋
Yoshihiro Ishida
吉浩 石田
Yasuhiko Katou
也寸彦 加藤
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Abstract

【課題】炉床の導電性物質を効率よく誘導加熱するとともに、その炉殻に渦電流が流れることによる発熱ロスを抑制して、廃棄物を溶融処理できる廃棄物溶融炉を提供する。
【解決手段】廃棄物溶融処理炉であって、炉下部に配置された誘導加熱コイル10により炉底部に充填された導電性物質に高周波電流を通電して誘導加熱する廃棄物溶融処理炉において、電気抵抗が低く且つ非磁性の金属で炉殼15を構成し、炉殻15の外側に誘導加熱コイル10を設置し、炉殻15の周方向の少なくとも一箇所を電気的に絶縁するとともに、炉殻15を誘導加熱コイル10の上下端近傍の位置で水平方向に分割部21を形成して炉殼15を上下の金属製炉体と垂直方向の電気的絶縁を図るとともに、分割部21を炉内への磁束の透磁路とした廃棄物溶融処理炉。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ、産業廃棄物、汚泥、最終処分場に埋め立てた廃棄物を掘り起こした廃棄物等の廃棄物を直接溶融する廃棄物溶融処理炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ、産業廃棄物などの廃棄物を溶融炉で溶融処理することが知られている。溶融炉は炉上部から炉下部に向かって、予熱、乾燥、熱分解、溶融ゾーンが形成されており、溶融炉上部から供給された廃棄物は炉内を下降する過程で、順次予熱、乾燥、熱分解して、炉底部で溶融される。予熱、乾燥、熱分解の加熱源としては、炉本体下部から吹き込まれた空気又は酸素を添加した空気によって、コークス及び廃棄物中の可燃物質が部分的に燃焼して、高温の熱ガスを発生し、この高温の熱ガスが炉内を上昇して、炉上部から供給された廃棄物を予熱、乾燥、熱分解する。
【0003】
本出願人は、廃棄物の溶融処理に関して、溶融炉本体上部に廃棄物とコークスと装入し、1段または複数段の羽口から空気又は酸素富化空気を吹き込み廃棄物を溶融処理する方法において、炉底溶融ゾーンのコークスを羽口から吹き込まれた空気又は酸素富化空気により還元燃焼せしめるとともに、該コークスを誘導加熱することにより廃棄物を溶融し、スラグ化する方法を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
この方法により、施設の廃熱回収による発電電力を溶融熱源として有効利用し、外部から購入するコークスの使用量を低減することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−54810号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の溶融炉では、廃棄物を溶融処理するのに約1000℃以上の高温が必要となるため、一般的には炉体は耐火物で形成され、誘導加熱を行うためにはその耐火物の外側に接して水冷のコイルが設置されている。また、溶融炉内には廃棄物の熱分解ガスである一酸化炭素が充満し、しかも圧力は最大1000mmHO程度あるために炉内ガスが外部に漏れないようにガスシールする必要があるが、耐火物のみで構成された炉は亀裂の発生があるため、炉内が1000mmHO程度の高圧下ではガスシール性は期待出来ない。
【0007】
そこで、耐火物からなる炉体を金属製の炉殻で覆うことになる。その際、誘導加熱コイルの設置場所としては、金属の誘導加熱溶解炉では通常該炉殼の内側がとられる。ところが、高周波数の誘導加熱においては、誘導加熱コイルのターン間の電圧が数千オーダVと高くなり、耐火物を介して炉内の高温雰囲気に影響されて、誘導加熱コイルが放電し、安定した運転条件を確保することが出来ない。
【0008】
また、誘導加熱コイルは、渦電流による発熱、温度上昇防止及び炉内高温雰囲気から守るため通常水冷されるが、耐火物の亀裂等を通じて、誘導加熱コイルが損傷した時に漏れた水が炉内の溶融物に混入して水蒸気爆発の危険性がある。そのため、誘導加熱コイルを炉殼の外側に設置することが考えられるが、溶融炉内のガスをシールすることは可能だが、金属製の炉殼に渦電流が流れて、ジュール損により炉殼を加熱して熱損失を生じるとともに、炉内の被加熱物を効率よく加熱できないという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、ガスをシールする炉殻の外側に誘導加熱コイルを配置し、誘導加熱コイルを電気的、機械的に安全な炉殻の外に配置しながら、炉底の導電性物質を効率よく誘導加熱するとともに、その炉殻に渦電流が流れることによる発熱ロスを抑制して、廃棄物を溶融処理できる廃棄物溶融処理炉を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の廃棄物溶融処理炉は、廃棄物溶融処理炉本体上部から廃棄物を装入し、羽口から空気又は酸素富化空気を吹き込んで廃棄物の可燃性物質を燃焼させ、不燃物を溶融処理する廃棄物溶融処理炉であって、炉下部に配置された誘導加熱コイルにより炉底部に充填された導電性物質に高周波電流を通電して誘導加熱する廃棄物溶融処理炉において、電気抵抗が低く且つ非磁性の金属で炉殼を構成し、該炉殻の外側に誘導加熱コイルを設置し、前記炉殻の周方向の少なくとも一箇所を電気的に絶縁するとともに、前記炉殻を前記誘導加熱コイルの上下端近傍の位置で水平方向に分割部を形成して前記炉殼を上下の金属製炉体と垂直方向の電気的絶縁を図るとともに、前記分割部を炉内への磁束の透磁路としたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
廃棄物中には金属などの導電性物質が、これは誘導加熱により溶融して流れ出て行くために加熱物質として利用できないので、導電性物質としては、融点が高くて安定な物質である、コークス、黒鉛などのカーボンを使用する。カーボンは金属に比べて電気抵抗率が10ぐらい高いが、周波数を高くして誘導起電力を高くすることにより誘導加熱が可能となる。特にコークスが入手し易いので適している。
【0012】
【実施例】
以下、図に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の廃棄物溶融処理炉の全体図である。図1において、廃棄物溶融処理炉は、シャフト炉1、廃棄物装入装置2、上段羽口3、下段羽口4、シャフト部5、朝顔部6、炉底部7、ガス排出管8、出湯ノズル9、誘導加熱コイル10、高周波電源11、導電性物質装入装置12で構成され、導電性物質13として例えばコークスが炉底部に装入されている。
【0014】
図2は本発明の廃棄物溶融処理炉の炉底部を示す縦断面図、図3は同斜視図、図4は炉殻の隙間にフェライトあるいは絶縁スペーサを挟んだ状態を示す図である。
【0015】
図2及び図3において、廃棄物溶融処理炉の炉底部7の耐火壁14aの外面は、電気抵抗が低く非磁性の銅で覆われ、炉殻15も銅製である。炉殻15は、周方向の分割部16により、周方向に電気的に絶縁されている。炉殼15の外側には、水冷の誘導加熱コイル10を配置する。該コイル10の作る磁束を効率的に炉内に導くために、炉殻15の上端の上部近傍、下端の下部近傍にそれぞれすきまを形成して分割部21を設ける。
【0016】
図4に示すように、分割部21にはリング状の絶縁スペーサ21aあるいはフェライト17を挟み込む。この分割部21は、誘導加熱コイル10により発生した磁束が、炉側面を貫いて、炉殻15内側に到達する時の磁路となる。
【0017】
図4(b)に示すように、リング状の絶縁スペーサ21aは炉殻15のフランジ15aの間に数枚重ねて挟む。さらに、分割部21のすきま幅を小さくする等の工夫のために、図4(c)に示すように、分割部21に絶縁スペーサ21aとフェライト17を挿入して、磁路を形成することもできる。
【0018】
フェライト17の形状は、図4(a)に示すようにリング状もしくは図4(d)に示すように直方体とし、直方体のフェライト17を使用するときは、三角形の絶縁スペーサー21bで空隙を埋める。フェライト17を使用するときは、分割部21は、該炉殼15と上の金属製炉体15bの間及び該炉殼15と下の金属製炉体15cの間が電気的に絶縁できるように、炉殻のフランジ15aとフェライト17の間に絶縁材21aを挿入する。
【0019】
図2にもどって、炉殻15の表面に水冷パイプ18を配設し、炉殻15及び上下の金属製炉体を冷却する。水冷パイプは18は、上下の金属製炉体に設けたヘッダ19から分岐し、炉底部の金属製炉体を縦断している。但し、分割部21を縦断する部分は、分割部21での電気的絶縁を確保するために、ゴム等の絶縁ホース20で接続する。
【0020】
炉殻15内の耐火壁は2層構造とし、炉殻に隣接する外層14aを高熱伝導率のSiCキャスタとし、炉内に隣接する内層14bを、外層14aより熱伝導率の低い高アルミナ系キャスタもしくはアルミア/クロミア系キャスタで構成する。
【0021】
本発明では、まず導電性物質装入装置12から導電性物質13として、例えばコークスを装入して炉底部に充填する。次いで、溶融炉1の頂部に配置された廃棄物装入装置2から廃棄物を装入する。廃棄物は炉内を下降する過程で順次予熱、乾燥、熱分解する。この予熱、乾燥、熱分解は、羽口3,4から吹き込まれた空気又は酸素富化空気によって廃棄物中の可燃物質が燃焼して高温のガスを発生し、この高温ガスが炉内を上昇することにより行われる。熱分解残渣等の不燃物は、誘導加熱コイル10により誘導加熱された導電性物質の高熱によって溶融する。
【0022】
また、廃棄物の溶融熱源として、廃熱回収による発電電力を利用するので、コークスの燃焼量が殆ど無くても溶融機能を維持でき、コークス使用量を低減することが可能となる。
【0023】
そのとき、コークスを効率的に誘導加熱できる30kHz程度の高周波数で、実用スケール炉の必要発熱量を確保できる電流を流すと、コイルのターン間電圧が数千Vオーダーと高くなるが、本発明によれば、コイルを炉外の清浄雰囲気に配置できるので、漏電、短絡等の不都合を回避できる。
【0024】
図5は炉殻に発生するうず電流の説明図である。図5(a)において、本発明の構成によれば、炉殻15を周方向の分割部16により周方向に絶縁することにより、渦電流は小さくなり、又、その渦電流による磁束は、炉内コークス充填部の合成磁束をほとんど減衰しない。その結果、効率的にコークスを誘導加熱させることができる。この場合、炉殻15の周方向の分割部16は、理論的には1箇所でも良いが、絶縁の確実性をあげるためには複数箇所が良い。周方向の分割部16は、マイカや耐火キャスタ、繊維強化樹脂等の絶縁スペーサー16aでガスシールを確保する。
【0025】
もし、図5(b)に示すように、周方向の絶縁がない場合、うず電流は炉殻15外周に沿って周回するとともに大きな電流となる。その渦電流の作る磁束は誘導加熱コイル10の作る磁束を炉殻15内側で打ち消し、殆ど減衰してしまう。その結果、コークス充填部の合成磁束が小さく、効率的にコークスを誘導加熱できない。
【0026】
周方向の分割部16に加えて分割部21も同時に必要である。図5(c)に示すように、誘導加熱コイル10で発生し、炉殻15内側に到達する磁束は、必ず炉側面を2回貫き、出入りする。しかしながら、分割部21が無い場合、炉側面は金属製炉殼となり、炉殻面に発生する渦電流によって、磁束の打ち消しが発生して、炉内コークス充填部の合成磁束を殆ど減衰してしまう。
【0027】
そこで本発明は、図5(d)に示すように、周方向の絶縁に加えて、誘導加熱コイル10の上下端近傍の位置で、分割部21を形成することにより、炉内コークス充填部の合成磁束がほとんど減衰しないものとできることを見い出した。
【0028】
分割部21は、誘導加熱コイル10の近傍で、誘導加熱コイル10の上下に2カ所必要である。この場合、誘導加熱コイル10で発生させ、炉殻等に到達する磁束は、渦電流とその磁束合成により、合成磁束は結果的にフランジ15aの間の分割部21のすきまに集中して炉側面を貫通し、炉内コークス充填部の合成磁束はほとんど減衰しないものとなる。
【0029】
本発明においては、金属製の炉殻15には、電気抵抗が低く且つ非磁性の金属を使用する。電気抵抗の大きな金属を用いれば、渦電流は小さく抑えられ、渦電流による内部磁束の減衰は小さくなるが、前述のとおり、本発明では炉殻15の周方向に絶縁しており、渦電流による内部磁束の減衰はほとんど生じない。そこで、渦電流による炉殻の発熱ロスの大小が問題となる。炉の外側を覆う炉殻15には、渦電流が流れるが、その発熱量は炉内の溶解等には寄与しない熱ロスとなる。そのため、その発熱ロスを抑えるためには、この1kHz以上の高周波数帯では、非磁性で電気抵抗の低い金属を使用した方が良い。非磁性で電気抵抗の低い金属としては、銀及び銅があるが、コスト面から銅が適している。
【0030】
また、銅炉殻には、絶縁性の塗料または絶縁ワニスを塗っても良いし、電気抵抗を下げるために銀メッキをしたあと、上記絶縁処理を行っても良い。さらに、銅炉殻と内部耐火物との隙間には、絶縁性、耐高温性のあるマイカを挟んでも良い。
【0031】
また、本発明では炉殻15の分割部21に、絶縁スペーサ21aを挟み込む。該分割部21は、電気的絶縁性と気密性が必要であり、それらを確保するために、フランジ構造にして、そのフランジ間に、マイカや耐火キャスタ、繊維強化樹脂等の絶縁スペーサ21aを挟み込む。
【0032】
また、本発明は、炉殻の分割部21に、高透磁率材料17を挟み込んでもよい。分割部21に高透磁率材料17を挟むことにより、炉内の発熱効率を上昇させ、さらに炉殻15に発生する渦電流による発熱ロスを低減させることができる。なお、高透磁率材料17としては、特にフェライトが適している。高透磁率材料としては、電磁鋼板も考えられるが、コークス誘導加熱のような高周波数では、電磁鋼板は高透磁率を維持できず、しかも発熱損失が大なため、非効率である。一方、フェライトの場合には、高周波数でも、高透磁率を維持し、しかも発熱損失も少ないため、効率が良い。
【0033】
本発明では、図2のA−A断面図である図4(d)に示すように、炉殻15を垂直方向に絶縁したフランジ15a間に高透磁率材料、例えば、フェライトを挟み込む場合、その位置は、炉殻外部では少なくともフランジ外面より長く、例えば20mm長くし、炉内側でも、炉殻内面よりも長く、例えば少なくとも20mm長くしたものを配置する。これは、フェライトの角部分には、磁束が集中するため、該磁束が金属製の炉殻15もしくはフランジ15aにを貫通する様な配置とすると、貫通部に無用な渦電流を発生させ、発熱,熱効率低下の要因になると共に、磁束の打ち消しにより、コークス充填部の合成磁束が減衰し、効率的にコークスを誘導加熱できない。
【0034】
そこで、フェライトをフランジ15a及び炉殻15の内面から内側に設置すれば、そのような無駄を発生させることなく、効率的にコークスを誘導加熱できると共に、誘導炉の効率も向上する。
【0035】
フェライト長さについて、長い方が効率向上に寄与するが、コスト面からフランジ15aつら面及び炉殻15の内面から20mm程度長いものが最適となる。また、本発明では、炉殻15を水冷ジャケット構造にするか、もしくは炉殻外部に水冷管を密着させ、炉殻、フェライト、炉内耐火物を水冷するものである。
【0036】
炉殻15は、金属で構成されるが、金属は高温で電気抵抗が高いので、温度上昇が電気抵抗上昇と発熱量上昇を招き、そのことが、さらなる温度上昇を招くという悪循環におちいるため、炉殻15は何らかの冷却手段で冷却することが必要である。
【0037】
また、フェライトは、キュリー点(温度)を越えると、透磁率が急速に減少するため、適度な冷却が必要である。そのため、炉殻を水冷することにより、炉殻金属の熱暴走を防ぐとともに、フェライトをキュリー温度に上昇することを防ぐことが可能となる。
【0038】
また本発明では、炉内の耐火物14の構造を、2層に分け、炉殻15に隣接する外層14aを高熱伝導率のSiC耐火キャスタ(不定形耐火物)とし、炉内に隣接する内層14bを、高アルミナ系や耐火度の高いアルミア/クロミア系耐火物で構成する。
【0039】
フェライトは、前述のようにキュリー温度があるので低温に維持する必要があり、しかも磁路形成の効率上、炉殻15内面から、高温側の耐火物内に20mm以上突き入れる必要がある。
【0040】
水冷炉殻15に隣接する外層14aを、高熱伝導率として冷却能を高くすることで、外層14aとフェライトの温度を低温に保たれる。又、もし内層14bの耐火物がある程度溶損しても、水冷した炉殻15と外層14aの高伝熱によって外層14aとフェライトの温度を低温に保つことが可能である。
【0041】
また、水冷した炉殻15と外層14aの高伝熱能によって、内層14bの背面が冷却されるので、伝熱上バランスする厚みで、溶損が止まり、表面にスラグコーティング層を形成する。熱伝導率の高い耐火物としては、SiC系のキャスタ材などが有効である。
【0042】
本発明では、側面同様、炉底面の金属炉殻を水冷構造にするとともに、耐火物構成を2層構造にし、下層14aを高熱伝導率の耐火物とし、上層14bをその下層より熱伝導率の低い耐火物とするとともに、図6の炉底部の断面図に示すように、分割部21に挟み込む高透磁率材料17を、炉底側においては、下層の高熱伝導率の耐火物層内に配置し、その炉内側先端を炉中心近傍とする。
【0043】
炉底面のフェライトを下層の高熱伝導率の耐火物層内に配置すれば、キュリー温度以下に抑えつつ、炉内近傍までフェライトの炉内側先端位置を炉内方向に伸ばすことが可能になり、このことにより、コークス誘導加熱に寄与する磁束が増加し、側面の耐火物層を通る無駄磁束を減少できる。
【0044】
また、本発明は、図7の2次コイルの断面図に示すように、炉殻15の内面に、電気抵抗の低い金属で構成した複数個の2次コイル22(図7(b)のA−A断面参照)を円周方向に接続する。前述のように、フェライトを伸ばして内部に突き入れることで、耐火物層を通る無駄磁束を減少できるが、ゼロにはならない。そこで、耐火物層を通る無駄磁束を2次コイル22と鎖交させ、2次コイル22に発生する渦電流により、無駄磁束を有効にして、炉内のコークス充填部の合成磁束増加と、それによるコークス誘導加熱量増加を図る。図7(b)に示すようにこのとき2次コイル22の幅と位置は、コークスの誘導加熱が必要な領域にあわせて、その幅と高さ方向の位置を設定する。
【0045】
また、図8に示されるように炉殻15と耐火物14の間に絶縁テープもしくは絶縁性塗料、マイカシート等の絶縁物23を配置させることにより、炉殻15に発生する誘導起電力に基づく漏電を未然に防止することができる。
【0046】
また、図9に示すとおり、下側の分割部21の位置より上方の磁束経路に出湯ノズル9を設け、出湯ノズル9にカーボン成分を有するレンガもしくは力一ボンを使用することにより、出湯ノズル9を誘導加熱させることが出来る。
【0047】
実施例
図1において、シャフト炉1の炉底部に導電性物質としてコークスを充填し、廃棄物及び副原料が装入装置2から装入される。廃棄物としては都市ごみを処理した。表1に溶融処理した都市ごみの性状を示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004239596
廃棄物の処理量は560kg/h、コークスおよび石灰石は廃棄物の各々約1%および6%であり、空気は羽口から400Nm/hを供給した。
【0049】
溶融処理炉1に装入された廃棄物は炉内で充填層を形成し、上段羽口3および下段羽口4から吹き込まれた空気により、廃棄物の可燃物が燃焼する。燃焼により発生したガスは溶融炉内を上昇し、ガスの顕熱により廃棄物は予熱、乾燥、熱分解する。廃棄物の乾燥、熱分解の過程で発生した水蒸気、熱分解ガスおよび微細なダストはガス排出管8から排出される。一方、廃棄物の灰分および非燃焼物とコークス、石灰石は高温に加熱され炉床部7へと下りていく。
【0050】
炉床部の外周に配置した誘導加熱コイル10に高周波電源11から交番電流を通電して、炉床部7に堆積した導電性物質であるコークス12を誘導加熱し、高温状態のコークス12に廃棄物中の灰分および不燃物を接触させて溶融する。灰分および非燃焼物は1450℃から1550℃に加熱され溶融状態となって、スラグ排出口9から炉外へ排出される。石灰石はスラグの塩基度すなわちスラグ中の石灰分CaOと珪素分SiOの比率を0.7以上とし、溶融状態のスラグの流動性の調整のために添加する。
【0051】
また、誘導加熱の電力としては、ガス排出管8から排出された排ガスを燃焼させ、その廃熱をボイラーで蒸気回収して発電したものを利用した。すなわち、ガス排出管8から排出された排ガスは、公知の焼却灰処理設備の排ガス処理系において、二次燃焼室で排ガス中の可燃分を燃焼した後、この廃熱をボイラーで回収し、蒸気を発生させて発電機で発電した電力を誘導加熱電力として使用する。ボイラーを通過した後の排ガスは、排ガス冷却器で排ガス温度を下げた後、集じん機で集じんして煙突から排出する。誘導加熱用の電力は60KW使用した。
【0052】
出湯ノズル9から排出された溶融物は水砕されて、メタル層とスラグ層が別々の砂状粒子となる。スラグはインターロッキングブロック等のコンクリート2次製品の骨材や土木資材などとして資源利用され、メタルはカウンターウェイト等として資源利用される。
【0053】
従来の方式では、誘導加熱コイルの放電等により安定運転は不可能であったが、本発明により安定した誘導加熱が達成できた。
【0054】
【発明の効果】
本発明により、誘導加熱コイルを電気的・機械的に安定な炉外に置きながら、高周波電流で炉床部に充填された導電性物質を効率よく誘導加熱することが可能となり、従来に比べて、コークスの消費量、羽口から送風する酸素の使用量を大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物溶融処理炉の全体図である。
【図2】本発明の廃棄物溶融処理炉の炉底部を示す縦断面図である。
【図3】本発明の廃棄物溶融処理炉の炉底部を示す斜視図である。
【図4】炉殻の隙間にフェライトあるいは絶縁スペーサを挟んだ状態を示す図である。
【図5】炉殻に発生するうず電流の説明図である。
【図6】高透磁率材料の配置の別実施例を示す断面図である。
【図7】2次コイルを示す図2のB−B断面図である。
【図8】炉殻と耐火物の間に絶縁物を配置させた実施例を示す断面図である。
【図9】下側の垂直方向分割の位置より上方の磁束経路に出湯ノズルを設けた実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:シャフト炉 2:廃棄物装入装置 3:上段羽口 4:下段羽口 5:シャフト部 6:朝顔部 7:炉床部 8:ガス排出管 9:スラグ排出 10:誘導加熱コイル 11:高周波電源 12:導電性物質装入装置 13:導電性物質 14:耐火物 14a:外層 14b:内層 15:炉殼 15a:フランジ 16:周方向の分割部 17:高透磁率材 18:導電性の水冷パイプ 19:ヘッダ 20:絶縁性の水冷パイプ 21:分割部 21a:絶縁スペーサ
22:2次コイル 23:絶縁物

Claims (11)

  1. 廃棄物溶融処理炉本体上部から廃棄物を装入し、羽口から空気又は酸素富化空気を吹き込んで廃棄物の可燃性物質を燃焼させ、不燃物を溶融処理する廃棄物溶融処理炉であって、炉下部に配置された誘導加熱コイルにより炉底部に充填された導電性物質に高周波電流を通電して誘導加熱する廃棄物溶融処理炉において、
    電気抵抗が低く且つ非磁性の金属で炉殼を構成し、該炉殻の外側に誘導加熱コイルを設置し、前記炉殻の周方向の少なくとも一箇所を電気的に絶縁するとともに、前記炉殻を前記誘導加熱コイルの上下端近傍の位置で水平方向に分割部を形成して前記炉殼を上下の金属製炉体と垂直方向の電気的絶縁を図るとともに、前記分割部を炉内への磁束の透磁路としたことを特徴とする廃棄物溶融処理炉。
  2. 前記分割部に絶縁スペーサーを挟み込むことを特徴とする請求項1記載の廃棄物溶融処理炉。
  3. 前記分割部に高透磁率材料を挟み込むことを特徴とする請求項1記載の廃棄物溶融処理炉。
  4. 挟み込む高透磁率材料がフェライトであることを特徴とする請求項3記載の廃棄物溶融処理炉。
  5. 挟み込む高透磁率材料又はフェライトの長さが、半径方向に見て、炉殼外部では、少なくともフランジ外周面より20mm外側に突出し、炉内側では、炉殻内周面より少なくとも20mm内側に突出したものを配置したことを特徴とする請求項3又は4記載の廃棄物溶融処理炉。
  6. 炉殼を水冷構造とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃棄物溶融処理炉。
  7. 炉底部の耐火壁は2層構造にし、炉殻に隣接する外層を高熱伝導率の耐火物とし、炉内に隣接する内層を、その外層より熱伝導率の低い耐火物で構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃棄物溶融処理炉。
  8. 炉殻を水冷構造にし、炉底部の耐火物構成を2層構造にし、下層は高熱伝導率の耐火物、上層はその下層より熱伝導率の低い耐火物とするとともに、炉底側分割部に挟み込む高透磁率材料又はフェライトを、該下層部の高熱伝導率の耐火物層内に配置し、その炉内側の先端を炉中心近傍とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃棄物溶融処理炉。
  9. 炉殻の内側に、炉殻を一部とする2次コイルを円周方向に複数個配置したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の廃棄物溶融処理炉。
  10. 炉殻と耐火物の間にテープ、塗料、マイカシート等の絶縁材を挟み込むことで絶縁したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の廃棄物溶融処理炉。
  11. 出湯ノズルに炭素成分を含有する耐火物もしくは黒鉛材料を使用し、該出湯ノズルを炉底側分割部の上方炉殻に配置することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の廃棄物溶融処理炉。
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