JP2004238803A - 霧滴回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】風の状況に拘りなく霧滴の回収効率を向上できるとともに、耐久性に優れる霧滴回収装置を得ることにある。
【解決手段】上部に大気入口2a及び大気出口2bを有した集水槽2と、大気導入ダクト3と、気液分離器4と、送風機5とを具備する。ダクト3は、上下方向に延びる管部3aを有し、この管部3aの下部3bを大気入口2aに接続して設ける。気液分離器4を管部3aに内蔵する。送風機5をダクト3の大気取込み部3cから大気出口2bに至る風路中に設置する。送風機5の運転により、霧を含んだ大気を大気導入ダクト3に吸引し、このダクト3の管部3a内の気液分離器4で大気中から霧滴を分離して、霧滴が除去された空気を集水槽2の大気出口2bから流出させる。この分離に伴い、管部の3a直下に配置されている集水槽2に、分離された霧滴を重力で回収するようにしたことを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】上部に大気入口2a及び大気出口2bを有した集水槽2と、大気導入ダクト3と、気液分離器4と、送風機5とを具備する。ダクト3は、上下方向に延びる管部3aを有し、この管部3aの下部3bを大気入口2aに接続して設ける。気液分離器4を管部3aに内蔵する。送風機5をダクト3の大気取込み部3cから大気出口2bに至る風路中に設置する。送風機5の運転により、霧を含んだ大気を大気導入ダクト3に吸引し、このダクト3の管部3a内の気液分離器4で大気中から霧滴を分離して、霧滴が除去された空気を集水槽2の大気出口2bから流出させる。この分離に伴い、管部の3a直下に配置されている集水槽2に、分離された霧滴を重力で回収するようにしたことを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、霧滴を回収して造水などを行う霧滴回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、霧滴を回収して造水を行う装置が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1の装置は、風により回転力を生じる風車要素を有した細長い回転体を、垂直軸の周りを回転可能に取付けるとともに、この回転体の下部に集水用皿を固設し、上端を回転体の上部に固定し下端を集水用皿内に固定して多数の可撓性線材を設け、かつ、集水用皿にこれに溜まった水を受ける樋を接続している。
【0004】
この装置では、霧を多く含んだ風が吹くことにより、風車要素が回転力を生じて、回転体を垂直軸周りに回転させる。又は、モータにより回転体を回転させる。この回転体と一緒に可撓性線材も回転されるので、可撓性線材が水平方向に膨らんだ状態となって回転し、これらの可撓性線材に霧に含まれる水粒が付着し、やがて水滴となって集水用皿に流下して溜まり、樋を経て外部に取出される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−202537号公報(段落0006−0007、0013、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の装置では、主に風力を利用して風車要素、回転体、及び可撓性線材を回転させて霧滴を可撓性線材に付着させるので、霧が発生し易い略無風状態では回転体を回転させることが困難となり、霧滴の回収効率が低下する。更に、霧滴の回収量は霧滴を付着させる部材の表面積に比例するが、特許文献1では線材に霧滴を付着させているので、霧滴が付着可能な表面積が小さく、したがって、霧滴の回収効率が低い。しかも、遠心力による可撓性線材の膨らみ方は回転速度の変動に応じて異なるとともに、回転体の回転と停止との繰返しに伴って、可撓性線材の両端部には変動する負荷が繰り返し掛かる。このため、可撓性線材の両端部が疲労し易く、長期間にわたって使用することが難しい。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、風の状態に拘りなく霧滴の回収効率を向上できるとともに、耐久性に優れる霧滴回収装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、上部に大気入口及び大気出口を有した集水槽と、前記大気入口に下部を接続して上下方向又は斜め方向に延びる管部を有した大気導入ダクトと、前記管部に内蔵された気液分離器と、前記大気導入ダクトの大気取込み部から前記大気出口に至る風路中に設置された送風機と、を具備したことを特徴としている。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記気液分離器の上流側にこの気液分離器に流入する大気を冷却する冷却器を設置することができ、又これに代えて、前記気液分離器を冷却する分離器用冷却器を設置することができる。これらの形態の場合には、前記冷却器がペルチェ素子を有していることが更に好ましい。
【0010】
更に、本発明の好ましい形態では、前記集水槽の下部の内少なくとも底壁を前記集水槽内の水量に応じて昇降可能に設けることができ、この場合に、前記集水槽の下部をベローズで作るとよい。
【0011】
又、本発明の好ましい形態では、前記大気出口をその流出端側ほど風路断面積が次第に大きくなる拡大管で作ると共に、この拡大管の小径な流入端部側に前記送風機を設置することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0013】
図1中符号1は霧滴回収装置を示しており、この装置1は降雨量が少なく霧が発生し易い地域、例えば山岳地帯等に好適に設置して使用される。この霧滴回収装置1は、集水槽2、大気導入ダクト3、気液分離器4、送風機5、冷却器6、7、及び制御手段8等を具備している。
【0014】
集水槽2は、その内部に霧を含んだ大気中から回収された水を所定量溜めるためのもので、上部に大気入口2a及び大気出口2bを有している。大気入口2aは例えば集水槽2の天井壁に開口して設けられている。大気出口2bは、例えば集水槽2の一側壁の上部から側方に突出された円筒形の排気筒2cに接続した拡大管で作られている。この大気出口2bは、空気の流入端側から流出端側に向けて次第に風路断面積を拡大しており、その一端の小径開口端部が排気筒2cに接続され、他端の大径開口端が大気中に開放されている。
【0015】
集水槽2の底部には、排水手段として例えば弁11が接続されている。この弁11は、常時閉弁状態を維持し、開弁状態とすることにより、集水槽2に溜められた水の利用先への流出を可能としている。集水槽2の例えば一側壁には上下一対の水位センサ12、13が取付けられている。これらセンサ12、13の検出出力は制御手段8に供給される。この供給された検出出力に基づき制御手段8は弁11の開閉等を制御する。弁11の制御については、上部水位センサ12の高さ位置を超える水位が検出された時に弁11を開弁状態とし、下部水位センサ13の高さ位置を下回る水位が検出された時から再び上部水位センサ12を超える水位が検出されるまで弁11を閉弁状態に維持する制御が行われる。
【0016】
大気導入ダクト3は少なくとも上下方向に延びる管部3aを有している。この管部3aの下部を大気入口2aに接続して大気導入ダクト3が設けられている。第1実施形態では、好ましい例として管部3aの下端部3bを集水槽2内上部に上方から挿入している。この下端部3bにより、風路の拡大損失を抑制できるとともに、大気出口2b方向に流動する空気中に、回収された水滴が混じることを抑制し易い点で優れている。
【0017】
大気導入ダクト3の大気取込み部3cは本実施形態では管部3aの上端部をなすベルマウス部で作られている。この大気取込み部3cは上向きに開放されているので、風の流れ方向の制約を実質的に受けずに霧滴を含んだ大気を容易に取込むことができるとともに、大気導入ガイド3の構成を簡素化できる点優れている。しかし、本発明において大気取込み部3cは、管部3aとともにT形、Y形、L形等を作る横向き等の大気取り込み管を、管部3aの上端に接続することにより設けることも可能である。
【0018】
気液分離器4は管部3aに内蔵されている。この気液分離器4には例えば金属製の板や網などからなる図示しない水滴付着要素を有するデミスター(霧捕集器)を好適に使用できる。管部3aを下向きに流通する霧を含んだ空気は、気液分離器4を下向きに流通でき、この流通の過程で気液分離器4が有する水滴付着要素に、大気中の霧滴が付着されるようになっている。
【0019】
送風機5は、霧滴回収装置1の大気取込み部3cから大気出口2bに至る風路中に設置されるもので、例えば大気出口2bの小径な流入端側に位置した排気筒2cの終端部に設置されている。この送風機5の起動および停止などは制御手段8で制御される。
【0020】
この場合、好ましい例として制御手段8はこれに接続された霧発生検出手段14から入力される検出情報にしたがって送風機5の運転を制御する。霧発生検出手段14は、例えば金属ワイヤーに通電を行い、ワイヤーに霧が付着した時の電流変換を検出して、霧滴回収装置1が設置された場所での霧の発生の有無を検出する。このため、霧滴発生検出手段14が霧の発生を検出している時にのみ、制御手段8が送風機5を駆動するようになっている。
【0021】
なお、霧発生検出手段14に代えて、大気温度を検出する温度検出手段の検出情報を制御手段8に入力させると共に、制御手段8に、霧滴回収装置1が設置された場所の湿度状況に基づいた露点温度テーブルを記憶させておいて、温度検出手段で検出した大気温度が記憶されている露点温度よりも低い時にのみ、制御手段8で送風機5を駆動するようにしてもよい。前記露点温度テーブルは、霧滴回収装置1が設置された場所の年間気象(相対湿度)の情報から演算した平均相対湿度と、その時の露点温度との関係を記憶したデータである。これにより、検出された大気温度と露点温度との比較において、露点温度が大気温度より高くなった時、即ち、大気温度が低く気液分離器4内の水滴付着要素が所定温度以下に冷却される条件となった時にのみ、送風機5を駆動できる。
【0022】
このように霧発生検出手段14又は大気温度検出手段等の霧雰囲気を検出する手段での検出情報に基づいて、例えば霧発生時のみに霧滴回収装置1を稼動させることにより、電力量の節約と耐久性の劣化抑制及び使用頻度に伴うメンテナンスの増加を抑制できるので、低コストの運用が可能である。
【0023】
冷却器6、7は気液分離器4の上流側に位置して大気導入ダクト3に取付けられている。一方の冷却器6は例えば大気取込み部3cに寄せて管部3a内に取付けられ、他方の冷却器7は同じく大気取込み部3cに寄せて管部3a外面に取付けられている。
【0024】
内側冷却器6は、円筒状をなして、管部3a内に同心的に配置されている。内側冷却器6には、電源回路や冷却システムの構成が簡単でかつ運転コストが安価な以下に例示するものを好適に使用できる。この内側冷却器6は、円筒状の金属製冷却板6aの外周面に、ペルチェ効果を発揮する多数のペルチェ素子6bの吸熱面を直付けするとともに、各ぺルチェ素子6bの放熱面に接してウォータージャケット6cを取付けて形成されている。ウォータージャケット6cの入り口と集水槽2の底部とは、水導入管15を介して連通され、この水導入管15の途中には水ポンプ16が設けられている。ウォータージャケット6cの出口と集水槽2内の上部とは水導出管17を介して連通されている。
【0025】
このため、水ポンプ16の運転時には、集水槽2内に溜められた水Wがウォータージャケット6cを循環する。それにより、各ぺルチェ素子6bが放出する熱を輸送して、これらが素子6bの放熱で管部3aを通る大気が暖められないようにしている。水ポンプ16は、集水槽2内の水位が水位センサ12、13間に位置する場合にのみ、制御手段8によって運転される。
【0026】
外側冷却器7は、円筒状の金属製冷却板7aの外周面に、通電によりペルチェ効果を発揮する多数のペルチェ素子7bの吸熱面を直付けして形成されている。この冷却器7は、内側冷却器6と略同じ高さ位置において冷却板7aを管部3aの外周面に接して設けられており、又、各ぺルチェ素子7bの放熱面は大気中に露出している。
【0027】
これら内外一対の冷却器6、7への通電は、制御手段8によって例えば送風機5の運転と同期して制御される。なお、冷却器6、7の内のいずれか一方は省略することが可能である。
【0028】
以上の構成を備えた霧滴回収装置1は、霧発生時などに送風機5等を駆動することによって使用される。送風機5の駆動により、霧滴回収装置1の大気取込み部3cから流入して大気出口2bから吐き出される気流が作られる。すなわち、霧滴を含んだ大気が加速されて大気取込み部3cから大気導入ダクト3に吸込まれる。この大気は、気液分離器4を下方向に通って直下の集水槽2内に流入する。更に、大気は、集水槽2内で反転上昇し排気筒2cを経て送風機5を通リ、拡大管からなる大気出口2bを通って大気中に吐き出される。
【0029】
したがって、送風機5の駆動により風の強さや向き等の状況に拘りなく使用可能であるとともに、霧滴を含んだ大気を多量にかつ連続的に取込んで後述のように霧滴を回収するので、霧滴の回収効率を向上できる。しかも、霧滴回収装置1の可動部は送風機5及びポンプ16だけであり、同一部分に繰返し負荷が掛かって疲労する構成を備えていないので、この霧滴回収装置1は耐久性に優れている。
【0030】
使用時に、送風機5によって大気導入ダクト3に吸込まれて加速された大気が気液分離器4を通過する際に、その流れに対して気液分離器4内の水滴付着要素の抵抗が与えられる。それによって、気液分離器4を通過する大気中に含まれる霧滴は、水滴付着要素に水滴となって付着する。付着した水滴は、それ自体の自重により落下して集水槽2内に直接回収される。なお、図1中符号Tは水滴を示している。
【0031】
このように気液分離器4を上下方向に延びる管部3a内に設置し、この分離器4内で大気中から分離された水滴Tを重力で集水槽2内に回収するので、水滴を集水槽2内に回収するために格別な工夫を要することがなく、簡単な構成で確実に気液分離器4で分離した水滴Tを集水槽2内に回収できるとともに、それゆえに製造コストを低減可能である。しかも、気液分離器4を通過して集水槽2の底壁方向に向かう下向きの気流の勢いが加味されるので、速やかに水滴Tを集水槽2内に回収できる。
【0032】
更に、気液分離器4に流入しようとする大気は、それ以前に冷却器6、7で強制冷却される。この場合、内側冷却器6はその筒状の冷却板6aの内面に沿って流れる大気を冷却し、外側冷却器7は管部3aを冷却するので、この管部3aの内面に沿って流れる大気を冷却する。こうした事前冷却によって、気液分離器4に流入しようとする大気中に含まれる霧滴の露点温度が下がって霧滴が凝結し易くなるので、気液分離器4内の水滴付着要素への水滴付着量を増加できる。したがって、霧滴の回収効率、即ち、集水槽2内への水滴の集水効率を高めることが可能である。
【0033】
又、気液分離器4で水滴が除去されることにより乾燥状態となった空気は、既述のように送風機5を通って集水槽2の大気出口2bから外部に放出される。この場合、大気出口2bが拡大管で作られているので、空気は送風機5を通った直後に急激に流路を拡大しながら放出される。これにより、送風機5の下流側での圧力損失が小さくなって、送風機5に対する負荷が減る。よって、霧滴回収装置1に容易に大気を流通させて、霧滴を含んだ大気を取込み量を増やして霧滴の回収性能を向上し易くなり、若しくは送風能力が小さな送風機5でも使用することが可能となる。
【0034】
図2は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同一構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる構成を説明する。
【0035】
第2実施形態では、第1実施形態で用いた冷却器に代えて分離器用冷却器21を設けているとともに、これに関連して第1実施形態で用いた水循環系は省略している。冷却器21は気液分離器4の外側にこの分離器4を強制冷却するために用いられている。冷却器21は、円筒状の金属製冷却板21aの外周面に、通電によりペルチェ効果を発揮する多数のペルチェ素子21bの吸熱面を直付けして形成されている。冷却器21は、気液分離器4と同じ高さ位置において冷却板21aを管部3aの外周面に接して設けられ、各ぺルチェ素子21bの放熱面は大気中に露出している。
【0036】
この冷却器21は管部3aを冷却するので、この管部3aを介して気液分離器4を冷却し、結果的にこの気液分離器4を下向きに流通する大気を冷却する。これにより、気液分離器4内の水滴付着要素への水滴付着量を増加できることは勿論のこと、集水槽2から排出される空気への水分取り込み量を抑制して、集水量を増加できる。
【0037】
即ち、霧滴を含んだ大気が気液分離器4を通過するに伴い、この大気中から水滴Tが回収されるので、気液分離器4を通過した空気は乾燥状態となる。気液分離器4を通過した直後の空気は、送風機5に向かう際に落下する水滴Tとの接触により、水分を取込む恐れがある。しかし、以上のように冷却器21で気液分離器4を冷却することによって、この分離器4を通る空気を冷却して、その露点温度を下げて、飽和水分量を小さくした空気とすることができる。これにより、落下しつつある水滴Tから水分を取込むことを抑制できるとともに、この水分の取込み抑制に応じた分だけ、霧滴野回収効率、即ち、集水槽2への集水量を増加することが可能である。
【0038】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じであるので、この第2実施形態でも本発明の課題を解決できる。なお、第2実施形態では、分離器用冷却器21の他に、第1実施形態で用いた冷却器6、7を備えて実施することも可能である。
【0039】
図3は本発明の第3実施形態を示している。この実施形態は基本的には第2実施形態と同じであるので、同一構成については、第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下第2実施形態とは異なる構成を説明する。
【0040】
第3実施形態では、集水槽2が、水槽上部31と水槽下部32とを組合わせて作られている。水槽上部31に大気入口2a、大気出口2b、排気筒2cが設けられている。水槽下部32の底壁32aは水槽上部31に対して槽内の水量に応じて高さ位置が変わるように昇降可能に設けられている。
【0041】
この底壁32aの昇降を可能とするために、水槽下部32は、底壁32aを有して上下方向に伸縮可能なベロースで作られている。このベローズ製の水槽下部32の上端開口部は水槽上部31の下端開口部に連結されている。更に、水槽下部32は、図示しないばねにより上向きに付勢されている。これにより、ばねの付勢力と集水槽2内の水量の重さとがバランスする高さ位置に底壁32aが配置されるように水槽下部32が上下方向に伸縮される。
【0042】
図3中符号33は、集水槽2に溜められた水を利用先に流出させる排水手段としての排水ポンプを示している。このポンプ33の吸込み端34は水槽下部32の底壁32aが最も高く上昇した高さ位置より少し上側に配置されている。水槽上部31の下端部には水位センサ35が取付けられていて、このセンサ35の検出出力は制御手段8に供給される。水位センサ35の高さ位置を超える推移が検出されたときに、このセンサ35から供給された検出出力に基づき制御手段8は、排水ポンプ35を一定時間駆動させて、一定量の水を排出させるようになっている。
【0043】
集水槽2は、その内部に霧滴野回収によって溜められる水量の増加に従い、水槽下部32が下方に伸びて容積を増やすので、集水槽2の天井壁と水面との間の距離Hが水量の増加に従って狭められることを防止できる。これにより、以下の利点がある。
【0044】
即ち、前記距離Hが狭まると、集水槽2内での流路断面積が小さくなるので、集水槽2に流入しようとしている空気の速度u1よりも、集水槽2内で送風機5に吸引される空気の流速u2の方が速くなる。こうした流速の増加に伴い、集水槽2に溜まっている水面から水がしぶかれて送風機5方向に運ばれたり、気液分離器4から落下しつつある水滴Tが送風機5方向に運ばれたりする恐れが高まる。
【0045】
しかし、既述のように前記距離Hが狭められることが防止されるに伴い、集水槽2内で送風機5に吸引される空気の流速の増加を防止できる。このため、集水槽2内の水分が送風機5に吸引される気流に乗って排出されることが抑制されるとともに、それに応じて集水量を増やすことが可能である。
【0046】
以上説明した点以外の構成は第2実施形態と同じであるので、この第3実施形態でも本発明の課題を解決できる。なお、第3実施形態も、分離器用冷却器21の他に、第1実施形態で用いた冷却器6、7を備えて実施することも可能である。又、この第3実施例で例示した集水槽2の構成は第1、第2の実施形態にも適用可能である。
【0047】
図4は本発明の第4実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同一構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる構成を説明する。
【0048】
第4実施形態では、気液分離器として第1実施形態で用いたデミスターに代えて、冷房装置の冷却ユニット41を管部3aに内蔵している。この冷却ユニット41は、コンプレッサ及び放熱器などを備えた冷房装置本体42と冷媒配管を介して接続されている。冷却ユニット41は、水滴付着要素としての金属製吸熱フィンを多数枚有する凝縮器41aと、その例えば上流側に配置された送風機41bとを有している。この送風機41bの送風力により、管部3aに取込まれた霧を含んだ大気が、凝縮器41aに通されて直下の集水槽2に送り込まれるようになっている。冷却ユニット41が送風機41bを有していることにより、第4実施形態では、集水槽2には送風機は取付けられておらず、かつ、大気出口は排気筒2cで作られている。
【0049】
この第4実施形態の構成においては、冷却ユニット41での冷却能力がぺルチェ素子を用いたものよりも格段に高いので、吸熱フィンに対する霧滴の付着量をより増やして集水効率を向上させることが可能であるとともに、冷却ユニット41を流通する空気の露点温度をより下げて、集水槽2から排出される空気に含まれる水分量を減らして集水量を増加させることが可能である。
【0050】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じであるので、この第4実施形態でも本発明の課題を解決できる。なお、第4実施形態では冷却ユニット41の上流側の冷却器6、7及び水循環系は省略して、構成の簡素化を図ることも可能である。
【0051】
前記各実施形態で説明した霧滴回収装置1は、例えば、図5に示す緑化改善システム70に用いることができる。
【0052】
乾燥地である砂漠等には人為的に水分を供給することで植物(乾燥植物、樹木や作物等)を生育させるとともに保水を行う砂漠緑化プラント71が設けられている。
【0053】
海岸線近傍等には造水プラント72が設けられている。造水プラント72で海水から造水された蒸留水は砂漠緑化プラント71に図5において矢印B1で示すように送水される。
【0054】
海岸線近傍等には海水を処理することにより淡水を得る海水淡水化プラント73が設けられている。海水淡水化プラント73で得られた淡水は砂漠緑化プラント71に図5において矢印B2で示すように送水される。
【0055】
山岳地帯等の適宜箇所には風力発電所74が設けられている。風力発電所74で発電された電力は造水プラント72及び海水淡水化プラント73に図5において矢印C1及び矢印C2で示すように送電される。
【0056】
山岳地帯等の適宜箇所(降雨量の少ない山岳地帯であって霧が発生する箇所等)には霧滴回収装置1を備える霧滴回収プラント75が設けられている。霧滴回収プラント75で回収された水は砂漠緑化プラント71に図5において矢印B3で示すように送水される。
【0057】
海水淡水化プラント73の近傍等には太陽光発電所76が設けられている。太陽光発電所76で発電された電力は緑化造水プラント72、海水淡水化プラント73及び砂漠緑化プラント71に図5において矢印C3、矢印C4及び矢印C5に示すように送電される。
【0058】
更に、データの収集及び予測情報を送信する広域気象予測システム77が所定の場所に設けられている。広域気象予測システム77には広域気象観測及び通信を行う衛星78から図5に矢印Dで示すように観測情報が送られる。
【0059】
広域気象予測システム77からは、砂漠緑化プラント71、造水プラント72、及び海水淡水化プラント73に図5において矢印E1,矢印E2,及び矢印E3で示すように気象予測情報が送られて、各プラント71〜73の作動状況等が調整される。
【0060】
広域気象予測システム77からは、風力発電所74及び太陽光発電所76に図5において矢印F1及び矢印F2に示すように自然エネルギー量予測情報が送られて、各発電所74,76における発電状況が調整される。
【0061】
広域気象予測システム77から送られる気象予測情報及び自然エネルギー量予測情報により、現在から将来にわたり気象・環境状況が予測され、各プラント72,73及び各発電所74,76が1つの造水システムとして、最大限に自然エネルギーを利用して砂漠緑化プラント71に安定した水の供給を確保するように、その動作状況或いは発電状況が制御される。
【0062】
例えば、太陽光が少ない気象条件の時には太陽光発電所76の負荷を抑えるとともに風力発電所74の負荷を高くし、風量の少ない気象条件の時には太陽光発電所76の負荷を高くするとともに風力発電所74の負荷を抑え、トータルとしての動力が確実に確保できるように制御される。
【0063】
また、造水プラント72では、日射時間や日射量に応じて海水淡水化プラント73での造水能力を高めたり抑えたりして、気象状況に拘らず自然エネルギーを最大限に利用して砂漠緑化プラント71に安定した水の供給を確保する。
【0064】
上述した緑化改善システム70では、海水淡水化プラント73で造水される淡水に加えて、造水プラント72により造水し、更に、霧滴回収プラント75で霧を凝縮させて水を回収するので、海水淡水化プラント73の処理能力を低くした場合でも緑化のために十分な水を確保できる。
【0065】
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、気液分離器4が設けられる大気導入ダクト3の管部3aは、その入口と出口とが略同じ高さになく、上下方向に位置をずらして設けてあればよいので、鉛直方向に対して斜めに交差するように斜め方向に延びて設けてもよく、この場合、できるだけ鉛直に近い角度とすることが好ましい。又、一つの集水槽2に対して大気導入ダクト3を複数取付けることも可能である。更に、集水槽2の底壁32aを昇降させる構成として、ベローズに代えて水槽下部32全体を水槽上部31の周壁をガイドとして昇降可能に設け、この水槽下部32をばね等で上向きに付勢する構成等を採用することも可能である。又、本発明の霧滴回収装置は、既述のように霧滴を水滴として霧を除去することができるので、造水の目的だけではなく、例えば高速道路や空港などに設置して霧を除去する装置として適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、集水槽に接続される大気導入ダクトの管部を上下方向又は斜め方向に延びるように設けて、この管部に内蔵した気液分離器で、これに送風機の送風力で流通される霧滴を含んだ大気中から水滴を分離し、分離された水滴を重力で集水槽内に回収する構成であるので、風の状況に拘りなく霧滴の回収が容易であり、霧滴の回収効率を向上できるとともに、構成が簡単で耐久性に優れる霧滴回収装置を提供できる。
【0067】
気液分離器に流入しようとする大気を冷却する冷却器を備えた発明によれば、気液分離器に流入しようとする大気中に含まれる霧滴の露点温度が下がって、気液分離器での水滴付着量が増加するので、霧滴の回収効率を高めることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0068】
気液分離器を冷却する冷却器を備えた発明によれば、気液分離器から集水槽内に落下しようとする水滴と集水槽内を流通する乾燥空気とが接触することがあっても、飽和水分量が小さい乾燥空気とできるので、この空気への水分の取込みを抑制して霧滴の回収効率を高めることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0069】
気液分離器に流入しようとする大気を冷却する冷却器、又気液分離器を冷却する冷却器がペルチェ素子を備えた発明によれば、冷却器のコスト及び運転コストが低いので、霧滴回収装置の製造コストなどを低減できる。
【0070】
集水槽内に回収された水量に応じて、この槽の底壁を昇降可能とした発明によれば、集水槽を流通する大気速度が速くなることを防止できるので、集水槽から出る空気とともに水分が槽外に排出されることを抑制して霧滴の回収量を多くすることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0071】
集水槽の下部をベローズとしてその底壁を昇降可能とした発明によれば、簡単な構成で集水槽の底壁を昇降させることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0072】
集水槽の大気出口を拡大管で作り、その小径な流入端側に送風機を配置した発明によれば、送風機の下流側での圧力損失を減らして、送風機に対する負荷を小さくすることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図3】本発明の第3実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図4】本発明の第4実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図5】本発明の霧滴回収装置を備える緑化改善システムの概略的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…霧滴回収装置
2…集水槽
2a…集水槽の大気入口
2b…集水槽の大気出口
3…大気導入ダクト
3a…大気導入ダクトの管部
3b…大気導入ダクトの下端部
3c…大気導入ダクトの大気取込み部
4…気液分離器
5…送風機
6、7…冷却器
8…制御手段
6a、7a…冷却器の冷却板
6b、7b…冷却器のペルチェ素子
21…分離器用冷却器
21a…分離器用冷却器の冷却板
21b…分離器用冷却器のペルチェ素子
31…集水槽の水槽上部
32…集水槽の水槽下部
32a…集水槽の底壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、霧滴を回収して造水などを行う霧滴回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、霧滴を回収して造水を行う装置が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1の装置は、風により回転力を生じる風車要素を有した細長い回転体を、垂直軸の周りを回転可能に取付けるとともに、この回転体の下部に集水用皿を固設し、上端を回転体の上部に固定し下端を集水用皿内に固定して多数の可撓性線材を設け、かつ、集水用皿にこれに溜まった水を受ける樋を接続している。
【0004】
この装置では、霧を多く含んだ風が吹くことにより、風車要素が回転力を生じて、回転体を垂直軸周りに回転させる。又は、モータにより回転体を回転させる。この回転体と一緒に可撓性線材も回転されるので、可撓性線材が水平方向に膨らんだ状態となって回転し、これらの可撓性線材に霧に含まれる水粒が付着し、やがて水滴となって集水用皿に流下して溜まり、樋を経て外部に取出される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−202537号公報(段落0006−0007、0013、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の装置では、主に風力を利用して風車要素、回転体、及び可撓性線材を回転させて霧滴を可撓性線材に付着させるので、霧が発生し易い略無風状態では回転体を回転させることが困難となり、霧滴の回収効率が低下する。更に、霧滴の回収量は霧滴を付着させる部材の表面積に比例するが、特許文献1では線材に霧滴を付着させているので、霧滴が付着可能な表面積が小さく、したがって、霧滴の回収効率が低い。しかも、遠心力による可撓性線材の膨らみ方は回転速度の変動に応じて異なるとともに、回転体の回転と停止との繰返しに伴って、可撓性線材の両端部には変動する負荷が繰り返し掛かる。このため、可撓性線材の両端部が疲労し易く、長期間にわたって使用することが難しい。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、風の状態に拘りなく霧滴の回収効率を向上できるとともに、耐久性に優れる霧滴回収装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、上部に大気入口及び大気出口を有した集水槽と、前記大気入口に下部を接続して上下方向又は斜め方向に延びる管部を有した大気導入ダクトと、前記管部に内蔵された気液分離器と、前記大気導入ダクトの大気取込み部から前記大気出口に至る風路中に設置された送風機と、を具備したことを特徴としている。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記気液分離器の上流側にこの気液分離器に流入する大気を冷却する冷却器を設置することができ、又これに代えて、前記気液分離器を冷却する分離器用冷却器を設置することができる。これらの形態の場合には、前記冷却器がペルチェ素子を有していることが更に好ましい。
【0010】
更に、本発明の好ましい形態では、前記集水槽の下部の内少なくとも底壁を前記集水槽内の水量に応じて昇降可能に設けることができ、この場合に、前記集水槽の下部をベローズで作るとよい。
【0011】
又、本発明の好ましい形態では、前記大気出口をその流出端側ほど風路断面積が次第に大きくなる拡大管で作ると共に、この拡大管の小径な流入端部側に前記送風機を設置することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0013】
図1中符号1は霧滴回収装置を示しており、この装置1は降雨量が少なく霧が発生し易い地域、例えば山岳地帯等に好適に設置して使用される。この霧滴回収装置1は、集水槽2、大気導入ダクト3、気液分離器4、送風機5、冷却器6、7、及び制御手段8等を具備している。
【0014】
集水槽2は、その内部に霧を含んだ大気中から回収された水を所定量溜めるためのもので、上部に大気入口2a及び大気出口2bを有している。大気入口2aは例えば集水槽2の天井壁に開口して設けられている。大気出口2bは、例えば集水槽2の一側壁の上部から側方に突出された円筒形の排気筒2cに接続した拡大管で作られている。この大気出口2bは、空気の流入端側から流出端側に向けて次第に風路断面積を拡大しており、その一端の小径開口端部が排気筒2cに接続され、他端の大径開口端が大気中に開放されている。
【0015】
集水槽2の底部には、排水手段として例えば弁11が接続されている。この弁11は、常時閉弁状態を維持し、開弁状態とすることにより、集水槽2に溜められた水の利用先への流出を可能としている。集水槽2の例えば一側壁には上下一対の水位センサ12、13が取付けられている。これらセンサ12、13の検出出力は制御手段8に供給される。この供給された検出出力に基づき制御手段8は弁11の開閉等を制御する。弁11の制御については、上部水位センサ12の高さ位置を超える水位が検出された時に弁11を開弁状態とし、下部水位センサ13の高さ位置を下回る水位が検出された時から再び上部水位センサ12を超える水位が検出されるまで弁11を閉弁状態に維持する制御が行われる。
【0016】
大気導入ダクト3は少なくとも上下方向に延びる管部3aを有している。この管部3aの下部を大気入口2aに接続して大気導入ダクト3が設けられている。第1実施形態では、好ましい例として管部3aの下端部3bを集水槽2内上部に上方から挿入している。この下端部3bにより、風路の拡大損失を抑制できるとともに、大気出口2b方向に流動する空気中に、回収された水滴が混じることを抑制し易い点で優れている。
【0017】
大気導入ダクト3の大気取込み部3cは本実施形態では管部3aの上端部をなすベルマウス部で作られている。この大気取込み部3cは上向きに開放されているので、風の流れ方向の制約を実質的に受けずに霧滴を含んだ大気を容易に取込むことができるとともに、大気導入ガイド3の構成を簡素化できる点優れている。しかし、本発明において大気取込み部3cは、管部3aとともにT形、Y形、L形等を作る横向き等の大気取り込み管を、管部3aの上端に接続することにより設けることも可能である。
【0018】
気液分離器4は管部3aに内蔵されている。この気液分離器4には例えば金属製の板や網などからなる図示しない水滴付着要素を有するデミスター(霧捕集器)を好適に使用できる。管部3aを下向きに流通する霧を含んだ空気は、気液分離器4を下向きに流通でき、この流通の過程で気液分離器4が有する水滴付着要素に、大気中の霧滴が付着されるようになっている。
【0019】
送風機5は、霧滴回収装置1の大気取込み部3cから大気出口2bに至る風路中に設置されるもので、例えば大気出口2bの小径な流入端側に位置した排気筒2cの終端部に設置されている。この送風機5の起動および停止などは制御手段8で制御される。
【0020】
この場合、好ましい例として制御手段8はこれに接続された霧発生検出手段14から入力される検出情報にしたがって送風機5の運転を制御する。霧発生検出手段14は、例えば金属ワイヤーに通電を行い、ワイヤーに霧が付着した時の電流変換を検出して、霧滴回収装置1が設置された場所での霧の発生の有無を検出する。このため、霧滴発生検出手段14が霧の発生を検出している時にのみ、制御手段8が送風機5を駆動するようになっている。
【0021】
なお、霧発生検出手段14に代えて、大気温度を検出する温度検出手段の検出情報を制御手段8に入力させると共に、制御手段8に、霧滴回収装置1が設置された場所の湿度状況に基づいた露点温度テーブルを記憶させておいて、温度検出手段で検出した大気温度が記憶されている露点温度よりも低い時にのみ、制御手段8で送風機5を駆動するようにしてもよい。前記露点温度テーブルは、霧滴回収装置1が設置された場所の年間気象(相対湿度)の情報から演算した平均相対湿度と、その時の露点温度との関係を記憶したデータである。これにより、検出された大気温度と露点温度との比較において、露点温度が大気温度より高くなった時、即ち、大気温度が低く気液分離器4内の水滴付着要素が所定温度以下に冷却される条件となった時にのみ、送風機5を駆動できる。
【0022】
このように霧発生検出手段14又は大気温度検出手段等の霧雰囲気を検出する手段での検出情報に基づいて、例えば霧発生時のみに霧滴回収装置1を稼動させることにより、電力量の節約と耐久性の劣化抑制及び使用頻度に伴うメンテナンスの増加を抑制できるので、低コストの運用が可能である。
【0023】
冷却器6、7は気液分離器4の上流側に位置して大気導入ダクト3に取付けられている。一方の冷却器6は例えば大気取込み部3cに寄せて管部3a内に取付けられ、他方の冷却器7は同じく大気取込み部3cに寄せて管部3a外面に取付けられている。
【0024】
内側冷却器6は、円筒状をなして、管部3a内に同心的に配置されている。内側冷却器6には、電源回路や冷却システムの構成が簡単でかつ運転コストが安価な以下に例示するものを好適に使用できる。この内側冷却器6は、円筒状の金属製冷却板6aの外周面に、ペルチェ効果を発揮する多数のペルチェ素子6bの吸熱面を直付けするとともに、各ぺルチェ素子6bの放熱面に接してウォータージャケット6cを取付けて形成されている。ウォータージャケット6cの入り口と集水槽2の底部とは、水導入管15を介して連通され、この水導入管15の途中には水ポンプ16が設けられている。ウォータージャケット6cの出口と集水槽2内の上部とは水導出管17を介して連通されている。
【0025】
このため、水ポンプ16の運転時には、集水槽2内に溜められた水Wがウォータージャケット6cを循環する。それにより、各ぺルチェ素子6bが放出する熱を輸送して、これらが素子6bの放熱で管部3aを通る大気が暖められないようにしている。水ポンプ16は、集水槽2内の水位が水位センサ12、13間に位置する場合にのみ、制御手段8によって運転される。
【0026】
外側冷却器7は、円筒状の金属製冷却板7aの外周面に、通電によりペルチェ効果を発揮する多数のペルチェ素子7bの吸熱面を直付けして形成されている。この冷却器7は、内側冷却器6と略同じ高さ位置において冷却板7aを管部3aの外周面に接して設けられており、又、各ぺルチェ素子7bの放熱面は大気中に露出している。
【0027】
これら内外一対の冷却器6、7への通電は、制御手段8によって例えば送風機5の運転と同期して制御される。なお、冷却器6、7の内のいずれか一方は省略することが可能である。
【0028】
以上の構成を備えた霧滴回収装置1は、霧発生時などに送風機5等を駆動することによって使用される。送風機5の駆動により、霧滴回収装置1の大気取込み部3cから流入して大気出口2bから吐き出される気流が作られる。すなわち、霧滴を含んだ大気が加速されて大気取込み部3cから大気導入ダクト3に吸込まれる。この大気は、気液分離器4を下方向に通って直下の集水槽2内に流入する。更に、大気は、集水槽2内で反転上昇し排気筒2cを経て送風機5を通リ、拡大管からなる大気出口2bを通って大気中に吐き出される。
【0029】
したがって、送風機5の駆動により風の強さや向き等の状況に拘りなく使用可能であるとともに、霧滴を含んだ大気を多量にかつ連続的に取込んで後述のように霧滴を回収するので、霧滴の回収効率を向上できる。しかも、霧滴回収装置1の可動部は送風機5及びポンプ16だけであり、同一部分に繰返し負荷が掛かって疲労する構成を備えていないので、この霧滴回収装置1は耐久性に優れている。
【0030】
使用時に、送風機5によって大気導入ダクト3に吸込まれて加速された大気が気液分離器4を通過する際に、その流れに対して気液分離器4内の水滴付着要素の抵抗が与えられる。それによって、気液分離器4を通過する大気中に含まれる霧滴は、水滴付着要素に水滴となって付着する。付着した水滴は、それ自体の自重により落下して集水槽2内に直接回収される。なお、図1中符号Tは水滴を示している。
【0031】
このように気液分離器4を上下方向に延びる管部3a内に設置し、この分離器4内で大気中から分離された水滴Tを重力で集水槽2内に回収するので、水滴を集水槽2内に回収するために格別な工夫を要することがなく、簡単な構成で確実に気液分離器4で分離した水滴Tを集水槽2内に回収できるとともに、それゆえに製造コストを低減可能である。しかも、気液分離器4を通過して集水槽2の底壁方向に向かう下向きの気流の勢いが加味されるので、速やかに水滴Tを集水槽2内に回収できる。
【0032】
更に、気液分離器4に流入しようとする大気は、それ以前に冷却器6、7で強制冷却される。この場合、内側冷却器6はその筒状の冷却板6aの内面に沿って流れる大気を冷却し、外側冷却器7は管部3aを冷却するので、この管部3aの内面に沿って流れる大気を冷却する。こうした事前冷却によって、気液分離器4に流入しようとする大気中に含まれる霧滴の露点温度が下がって霧滴が凝結し易くなるので、気液分離器4内の水滴付着要素への水滴付着量を増加できる。したがって、霧滴の回収効率、即ち、集水槽2内への水滴の集水効率を高めることが可能である。
【0033】
又、気液分離器4で水滴が除去されることにより乾燥状態となった空気は、既述のように送風機5を通って集水槽2の大気出口2bから外部に放出される。この場合、大気出口2bが拡大管で作られているので、空気は送風機5を通った直後に急激に流路を拡大しながら放出される。これにより、送風機5の下流側での圧力損失が小さくなって、送風機5に対する負荷が減る。よって、霧滴回収装置1に容易に大気を流通させて、霧滴を含んだ大気を取込み量を増やして霧滴の回収性能を向上し易くなり、若しくは送風能力が小さな送風機5でも使用することが可能となる。
【0034】
図2は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同一構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる構成を説明する。
【0035】
第2実施形態では、第1実施形態で用いた冷却器に代えて分離器用冷却器21を設けているとともに、これに関連して第1実施形態で用いた水循環系は省略している。冷却器21は気液分離器4の外側にこの分離器4を強制冷却するために用いられている。冷却器21は、円筒状の金属製冷却板21aの外周面に、通電によりペルチェ効果を発揮する多数のペルチェ素子21bの吸熱面を直付けして形成されている。冷却器21は、気液分離器4と同じ高さ位置において冷却板21aを管部3aの外周面に接して設けられ、各ぺルチェ素子21bの放熱面は大気中に露出している。
【0036】
この冷却器21は管部3aを冷却するので、この管部3aを介して気液分離器4を冷却し、結果的にこの気液分離器4を下向きに流通する大気を冷却する。これにより、気液分離器4内の水滴付着要素への水滴付着量を増加できることは勿論のこと、集水槽2から排出される空気への水分取り込み量を抑制して、集水量を増加できる。
【0037】
即ち、霧滴を含んだ大気が気液分離器4を通過するに伴い、この大気中から水滴Tが回収されるので、気液分離器4を通過した空気は乾燥状態となる。気液分離器4を通過した直後の空気は、送風機5に向かう際に落下する水滴Tとの接触により、水分を取込む恐れがある。しかし、以上のように冷却器21で気液分離器4を冷却することによって、この分離器4を通る空気を冷却して、その露点温度を下げて、飽和水分量を小さくした空気とすることができる。これにより、落下しつつある水滴Tから水分を取込むことを抑制できるとともに、この水分の取込み抑制に応じた分だけ、霧滴野回収効率、即ち、集水槽2への集水量を増加することが可能である。
【0038】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じであるので、この第2実施形態でも本発明の課題を解決できる。なお、第2実施形態では、分離器用冷却器21の他に、第1実施形態で用いた冷却器6、7を備えて実施することも可能である。
【0039】
図3は本発明の第3実施形態を示している。この実施形態は基本的には第2実施形態と同じであるので、同一構成については、第2実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下第2実施形態とは異なる構成を説明する。
【0040】
第3実施形態では、集水槽2が、水槽上部31と水槽下部32とを組合わせて作られている。水槽上部31に大気入口2a、大気出口2b、排気筒2cが設けられている。水槽下部32の底壁32aは水槽上部31に対して槽内の水量に応じて高さ位置が変わるように昇降可能に設けられている。
【0041】
この底壁32aの昇降を可能とするために、水槽下部32は、底壁32aを有して上下方向に伸縮可能なベロースで作られている。このベローズ製の水槽下部32の上端開口部は水槽上部31の下端開口部に連結されている。更に、水槽下部32は、図示しないばねにより上向きに付勢されている。これにより、ばねの付勢力と集水槽2内の水量の重さとがバランスする高さ位置に底壁32aが配置されるように水槽下部32が上下方向に伸縮される。
【0042】
図3中符号33は、集水槽2に溜められた水を利用先に流出させる排水手段としての排水ポンプを示している。このポンプ33の吸込み端34は水槽下部32の底壁32aが最も高く上昇した高さ位置より少し上側に配置されている。水槽上部31の下端部には水位センサ35が取付けられていて、このセンサ35の検出出力は制御手段8に供給される。水位センサ35の高さ位置を超える推移が検出されたときに、このセンサ35から供給された検出出力に基づき制御手段8は、排水ポンプ35を一定時間駆動させて、一定量の水を排出させるようになっている。
【0043】
集水槽2は、その内部に霧滴野回収によって溜められる水量の増加に従い、水槽下部32が下方に伸びて容積を増やすので、集水槽2の天井壁と水面との間の距離Hが水量の増加に従って狭められることを防止できる。これにより、以下の利点がある。
【0044】
即ち、前記距離Hが狭まると、集水槽2内での流路断面積が小さくなるので、集水槽2に流入しようとしている空気の速度u1よりも、集水槽2内で送風機5に吸引される空気の流速u2の方が速くなる。こうした流速の増加に伴い、集水槽2に溜まっている水面から水がしぶかれて送風機5方向に運ばれたり、気液分離器4から落下しつつある水滴Tが送風機5方向に運ばれたりする恐れが高まる。
【0045】
しかし、既述のように前記距離Hが狭められることが防止されるに伴い、集水槽2内で送風機5に吸引される空気の流速の増加を防止できる。このため、集水槽2内の水分が送風機5に吸引される気流に乗って排出されることが抑制されるとともに、それに応じて集水量を増やすことが可能である。
【0046】
以上説明した点以外の構成は第2実施形態と同じであるので、この第3実施形態でも本発明の課題を解決できる。なお、第3実施形態も、分離器用冷却器21の他に、第1実施形態で用いた冷却器6、7を備えて実施することも可能である。又、この第3実施例で例示した集水槽2の構成は第1、第2の実施形態にも適用可能である。
【0047】
図4は本発明の第4実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、同一構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる構成を説明する。
【0048】
第4実施形態では、気液分離器として第1実施形態で用いたデミスターに代えて、冷房装置の冷却ユニット41を管部3aに内蔵している。この冷却ユニット41は、コンプレッサ及び放熱器などを備えた冷房装置本体42と冷媒配管を介して接続されている。冷却ユニット41は、水滴付着要素としての金属製吸熱フィンを多数枚有する凝縮器41aと、その例えば上流側に配置された送風機41bとを有している。この送風機41bの送風力により、管部3aに取込まれた霧を含んだ大気が、凝縮器41aに通されて直下の集水槽2に送り込まれるようになっている。冷却ユニット41が送風機41bを有していることにより、第4実施形態では、集水槽2には送風機は取付けられておらず、かつ、大気出口は排気筒2cで作られている。
【0049】
この第4実施形態の構成においては、冷却ユニット41での冷却能力がぺルチェ素子を用いたものよりも格段に高いので、吸熱フィンに対する霧滴の付着量をより増やして集水効率を向上させることが可能であるとともに、冷却ユニット41を流通する空気の露点温度をより下げて、集水槽2から排出される空気に含まれる水分量を減らして集水量を増加させることが可能である。
【0050】
以上説明した点以外の構成は第1実施形態と同じであるので、この第4実施形態でも本発明の課題を解決できる。なお、第4実施形態では冷却ユニット41の上流側の冷却器6、7及び水循環系は省略して、構成の簡素化を図ることも可能である。
【0051】
前記各実施形態で説明した霧滴回収装置1は、例えば、図5に示す緑化改善システム70に用いることができる。
【0052】
乾燥地である砂漠等には人為的に水分を供給することで植物(乾燥植物、樹木や作物等)を生育させるとともに保水を行う砂漠緑化プラント71が設けられている。
【0053】
海岸線近傍等には造水プラント72が設けられている。造水プラント72で海水から造水された蒸留水は砂漠緑化プラント71に図5において矢印B1で示すように送水される。
【0054】
海岸線近傍等には海水を処理することにより淡水を得る海水淡水化プラント73が設けられている。海水淡水化プラント73で得られた淡水は砂漠緑化プラント71に図5において矢印B2で示すように送水される。
【0055】
山岳地帯等の適宜箇所には風力発電所74が設けられている。風力発電所74で発電された電力は造水プラント72及び海水淡水化プラント73に図5において矢印C1及び矢印C2で示すように送電される。
【0056】
山岳地帯等の適宜箇所(降雨量の少ない山岳地帯であって霧が発生する箇所等)には霧滴回収装置1を備える霧滴回収プラント75が設けられている。霧滴回収プラント75で回収された水は砂漠緑化プラント71に図5において矢印B3で示すように送水される。
【0057】
海水淡水化プラント73の近傍等には太陽光発電所76が設けられている。太陽光発電所76で発電された電力は緑化造水プラント72、海水淡水化プラント73及び砂漠緑化プラント71に図5において矢印C3、矢印C4及び矢印C5に示すように送電される。
【0058】
更に、データの収集及び予測情報を送信する広域気象予測システム77が所定の場所に設けられている。広域気象予測システム77には広域気象観測及び通信を行う衛星78から図5に矢印Dで示すように観測情報が送られる。
【0059】
広域気象予測システム77からは、砂漠緑化プラント71、造水プラント72、及び海水淡水化プラント73に図5において矢印E1,矢印E2,及び矢印E3で示すように気象予測情報が送られて、各プラント71〜73の作動状況等が調整される。
【0060】
広域気象予測システム77からは、風力発電所74及び太陽光発電所76に図5において矢印F1及び矢印F2に示すように自然エネルギー量予測情報が送られて、各発電所74,76における発電状況が調整される。
【0061】
広域気象予測システム77から送られる気象予測情報及び自然エネルギー量予測情報により、現在から将来にわたり気象・環境状況が予測され、各プラント72,73及び各発電所74,76が1つの造水システムとして、最大限に自然エネルギーを利用して砂漠緑化プラント71に安定した水の供給を確保するように、その動作状況或いは発電状況が制御される。
【0062】
例えば、太陽光が少ない気象条件の時には太陽光発電所76の負荷を抑えるとともに風力発電所74の負荷を高くし、風量の少ない気象条件の時には太陽光発電所76の負荷を高くするとともに風力発電所74の負荷を抑え、トータルとしての動力が確実に確保できるように制御される。
【0063】
また、造水プラント72では、日射時間や日射量に応じて海水淡水化プラント73での造水能力を高めたり抑えたりして、気象状況に拘らず自然エネルギーを最大限に利用して砂漠緑化プラント71に安定した水の供給を確保する。
【0064】
上述した緑化改善システム70では、海水淡水化プラント73で造水される淡水に加えて、造水プラント72により造水し、更に、霧滴回収プラント75で霧を凝縮させて水を回収するので、海水淡水化プラント73の処理能力を低くした場合でも緑化のために十分な水を確保できる。
【0065】
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、気液分離器4が設けられる大気導入ダクト3の管部3aは、その入口と出口とが略同じ高さになく、上下方向に位置をずらして設けてあればよいので、鉛直方向に対して斜めに交差するように斜め方向に延びて設けてもよく、この場合、できるだけ鉛直に近い角度とすることが好ましい。又、一つの集水槽2に対して大気導入ダクト3を複数取付けることも可能である。更に、集水槽2の底壁32aを昇降させる構成として、ベローズに代えて水槽下部32全体を水槽上部31の周壁をガイドとして昇降可能に設け、この水槽下部32をばね等で上向きに付勢する構成等を採用することも可能である。又、本発明の霧滴回収装置は、既述のように霧滴を水滴として霧を除去することができるので、造水の目的だけではなく、例えば高速道路や空港などに設置して霧を除去する装置として適用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、集水槽に接続される大気導入ダクトの管部を上下方向又は斜め方向に延びるように設けて、この管部に内蔵した気液分離器で、これに送風機の送風力で流通される霧滴を含んだ大気中から水滴を分離し、分離された水滴を重力で集水槽内に回収する構成であるので、風の状況に拘りなく霧滴の回収が容易であり、霧滴の回収効率を向上できるとともに、構成が簡単で耐久性に優れる霧滴回収装置を提供できる。
【0067】
気液分離器に流入しようとする大気を冷却する冷却器を備えた発明によれば、気液分離器に流入しようとする大気中に含まれる霧滴の露点温度が下がって、気液分離器での水滴付着量が増加するので、霧滴の回収効率を高めることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0068】
気液分離器を冷却する冷却器を備えた発明によれば、気液分離器から集水槽内に落下しようとする水滴と集水槽内を流通する乾燥空気とが接触することがあっても、飽和水分量が小さい乾燥空気とできるので、この空気への水分の取込みを抑制して霧滴の回収効率を高めることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0069】
気液分離器に流入しようとする大気を冷却する冷却器、又気液分離器を冷却する冷却器がペルチェ素子を備えた発明によれば、冷却器のコスト及び運転コストが低いので、霧滴回収装置の製造コストなどを低減できる。
【0070】
集水槽内に回収された水量に応じて、この槽の底壁を昇降可能とした発明によれば、集水槽を流通する大気速度が速くなることを防止できるので、集水槽から出る空気とともに水分が槽外に排出されることを抑制して霧滴の回収量を多くすることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0071】
集水槽の下部をベローズとしてその底壁を昇降可能とした発明によれば、簡単な構成で集水槽の底壁を昇降させることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【0072】
集水槽の大気出口を拡大管で作り、その小径な流入端側に送風機を配置した発明によれば、送風機の下流側での圧力損失を減らして、送風機に対する負荷を小さくすることが可能な霧滴回収装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図3】本発明の第3実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図4】本発明の第4実施形態に係る霧滴回収装置の概略的構成図。
【図5】本発明の霧滴回収装置を備える緑化改善システムの概略的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…霧滴回収装置
2…集水槽
2a…集水槽の大気入口
2b…集水槽の大気出口
3…大気導入ダクト
3a…大気導入ダクトの管部
3b…大気導入ダクトの下端部
3c…大気導入ダクトの大気取込み部
4…気液分離器
5…送風機
6、7…冷却器
8…制御手段
6a、7a…冷却器の冷却板
6b、7b…冷却器のペルチェ素子
21…分離器用冷却器
21a…分離器用冷却器の冷却板
21b…分離器用冷却器のペルチェ素子
31…集水槽の水槽上部
32…集水槽の水槽下部
32a…集水槽の底壁
Claims (7)
- 上部に大気入口及び大気出口を有した集水槽と、
前記大気入口に下部を接続して上下方向又は斜め方向に延びる管部を有した大気導入ダクトと、
前記管部に内蔵された気液分離器と、
前記大気導入ダクトの大気取込み部から前記大気出口に至る風路中に設置された送風機と、
を具備したことを特徴とする霧滴回収装置。 - 請求項1に記載の霧滴回収装置において、前記気液分離器の上流側にこの気液分離器に流入する大気を冷却する冷却器を設置したことを特徴とする霧滴回収装置。
- 請求項1に記載の霧滴回収装置において、前記気液分離器を冷却する分離器用冷却器を設置したことを特徴とする霧滴回収装置。
- 請求項2又は3に記載の霧滴回収装置において、前記冷却器がペルチェ素子を有していることを特徴とする霧滴回収装置。
- 請求項1から4の内のいずれか1項に記載の霧滴回収装置において、前記集水槽の下部の内少なくとも底壁が前記集水槽内の水量に応じて昇降可能に設けられていることを特徴とする霧滴回収装置。
- 請求項5に記載の霧滴回収装置において、前記集水槽の下部がベローズで作られていることを特徴とする霧滴回収装置。
- 請求項1から6の内のいずれか1項に記載の霧滴回収装置において、前記大気出口がその流出端側ほど風路断面積を次第に大きくする拡大管で作られていると共に、この拡大管の小径な流入端部側に前記送風機が設置されていることを特徴とする霧滴回収装置。
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