JP2004237480A - 成形機の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予め、ショットに対するモニタショット数N(N1,N2…)を設定し、成形時に、モニタショット数N毎に、監視対象がモニタ上限値Luとモニタ下限値Ldから外れる不良数EuとEdをそれぞれカウントし、モニタショット数Nに対する不良数EuとEdの割合を出度数Ku(=Eu/N),Kd(=Ed/N)として求めるとともに、予め設定した単位補正値Aou,Aodと出度数Ku,Kdの演算により補正量を求め、この補正量により制御量を補正する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショット毎に検出される監視対象がモニタ範囲から外れたなら制御量を補正するようにした成形機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、射出成形機により成形品(製品)を生産するに際しては、成形品に対する良否判定を行い、成形品が不良の場合には、射出成形機における当該不良に関係する制御量を補正することにより、成形品が良品になるように制御しており、この種の制御方法としては、特公平4−81930号公報及び特公平5−55291号公報で開示される射出成形機の制御方法が知られている。
【0003】
前者の制御方法は、成形品質に影響する物理量に対して上限値と下限値による許容範囲を設定し、物理量の実測値が許容範囲から連続して外れる回数を計数するとともに、この回数が所定数に達したなら、次のサイクルにて物理量を可変する制御手段の制御量を、予め設定した補正量により補正し、補正が不要な突発的な外乱と、補正が必要な成形環境の経時変化を判別することにより的確な補正ができるようにしたものである。また、後者の制御方法は、予め、スクリュの最前進位置に対するモニタ範囲,スクリュの最前進位置を可変する保圧力を制御する制御量に対する補正量及び制御量に対する限界値をそれぞれ設定し、成形時に、各成形サイクルにおけるスクリュの最前進位置を検出し、検出したスクリュの最前進位置がモニタ範囲の許容範囲を外れたときに、次の成形サイクルにおけるスクリュの最前進位置がモニタ範囲に入る方向に、制御量に補正量を加算又は減算する補正を行うものである。
【特許文献1】
特公平4−81930号公報
【特許文献2】
特公平5−55291号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の制御方法は、予め一定の補正量を設定し、補正すべき不良が発生した際に、この補正量により制御量を補正するため、次のような解決すべき課題が存在した。
【0005】
第一に、補正量を小さく設定した場合は、良品を得るに必要な補正量を確保するまでに、何回もショットを繰返さなければならず、速やかに良品を得れないとともに、他方、補正量を大きく設定した場合は、一回の補正量が大きくなり、高精度でキメの細かい補正を行うことができないため、結局、妥協的な設定を行わざるを得ない。
【0006】
第二に、成形品の良品・不良品の度合と制御量は、明確な相関関係があるわけではなく、実際に、どの程度の補正量が必要であるかを判断するには経験と勘に頼らざるを得ず、的確な補正量の設定が容易でないとともに、迅速な設定を行うことができない。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、モニタ範囲から外れた監視対象を速やかにモニタ範囲に入れることができるとともに、高精度でキメの細かい補正を行うことができ、しかも、補正量を容易かつ迅速に設定することができる成形機の制御方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】
本発明に係る成形機Mの制御方法は、ショット毎に検出される監視対象をモニタし、この監視対象がモニタ上限値Luとモニタ下限値Ldにより設定したモニタ範囲Zmから外れたなら制御量を補正するに際し、予め、ショットに対するモニタショット数N(N1,N2,N3…)を設定し、成形時に、モニタショット数N毎に、監視対象がモニタ上限値Luとモニタ下限値Ldから外れる不良数EuとEdをそれぞれカウントし、モニタショット数Nに対する不良数Eu,Edの割合を出度数Ku(=Eu/N),Kd(=Ed/N)として求めるとともに、予め設定した単位補正値Aou,Aodと出度数Ku,Kdの演算により補正量を求め、この補正量により制御量を補正するようにしたことを特徴とする。これにより、監視対象がモニタ範囲Zmから外れる頻度が高い場合には、これに対応して補正量が大きくなるとともに、モニタ範囲Zmから外れる頻度が低い場合には、これに対応して補正量が小さくなる。
【0009】
この場合、好適な実施の態様により、モニタショット数Nの中で、監視対象がモニタ上限値Lu及びモニタ下限値Ldの双方から外れる不良が発生したときは、対応するメッセージを表示する表示処理を行うことができる。また、制御量に対して、補正を許容する補正上限値Au及び補正下限値Adを設定し、補正による制御量が補正上限値Au又は補正下限値Adに達したなら補正を中止し、他の補正処理に変更することができる。なお、監視対象としては、成形機Mに備える金型Cの型内圧Pcを適用することができる。
【0010】
【実施例】
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
まず、本実施例に係る制御方法を実施できる制御装置1の構成及びこの制御装置1を搭載する射出成形機Mの概略構成について、図3,図5及び図6を参照して説明する。
【0012】
図3には射出成形機Mの概略構成を仮想線で示す。射出成形機Mは、機台Mbと、この機台Mb上に設置された射出装置Mi及び型締装置Mcを備える。射出装置Miは、加熱筒2を備え、この加熱筒2の前端に図に現れない射出ノズルを有するとともに、加熱筒2の後部には材料を供給するホッパ3を備える。また、型締装置Mcには可動型と固定型からなる金型Cを備える。一方、機台Mb上には側面パネル4を起設し、この側面パネル4にタッチパネルを付設したカラー液晶ディスプレイ等のディスプレイ5を配設する。
【0013】
さらに、射出成形機Mには制御装置1を搭載する。制御装置1は、制御装置本体10を備え、この制御装置本体10には、金型Cに付設した型内圧センサ11を接続する。この型内圧センサ11により金型Cの型内圧Pcを検出することができる。
【0014】
図5は、制御装置1のブロック系統図を示す。制御装置1は各種制御処理及び演算処理等を実行するコンピュータ機能を備える。12はCPUであり、このCPU12にはバスライン13を介してRAM14及びROM15等の内部メモリを接続する。この場合、RAM14はCPU12に管理され、作業メモリとして機能する。また、ROM15には本実施例に係る制御方法を実行する制御プログラムが格納されている。
【0015】
一方、バスライン13には、インタフェース16を介して前述した型内圧センサ11を接続するとともに、入力インタフェース17及び出力インタフェース18を介してディスプレイ(タッチパネル)5を接続する。また、入力インタフェース17には各種センサ及び各種スイッチ類を接続する。これにより、射出圧力,保圧力,背圧,スクリュ位置(射出速度,速度−圧力切換位置(V−P切換位置)),スクリュ回転速度(計量値),金型温度,加熱筒温度,ノイズ温度,ホットランナ温度等に係わる各種検出信号Si…が入力する。さらに、射出インタフェース18には各種アクチュエータを接続する。これにより、各種指令信号(制御信号(制御量))So…が対応するアクチュエータに対して出力する。
【0016】
他方、ディスプレイ(タッチパネル)5には、本実施例に係る制御方法に用いる図6の補正画面Vaを表示する。これにより、この補正画面Vaから、モニタショット数N,モニタ上下限値,補正上下限値,単位補正値等の各種設定情報F…を入力することができる。
【0017】
次に、本実施例に係る制御方法について、図3〜図6を参照しつつ図2(図1)に示すフローチャートに従って説明する。
【0018】
まず、本実施例に係る制御方法は、成形品の良否を判定し、成形品が不良の場合、この不良に関係(相関)のある制御量を補正しようとするものである。本実施例では、成形品の良否を判定する物量量(監視対象)として、型内圧センサ11から検出される金型Cの型内圧Pcを用いる。成形品に直接関係する型内圧Pcを用いることにより、成形品の良否を的確に判定することができる。したがって、制御装置本体10には、図4に示すように、ショット毎に検出される型内圧Pc(検出値)に対するモニタ範囲Zmを、モニタ上限値Luとモニタ下限値Ldにより予め設定する。この場合、モニタ上限値Luとモニタ下限値Ldは、オペレータが実際の成形品を観察するなどにより任意に設定できる。これにより、検出される型内圧Pcがモニタ範囲Zm内にあれば良とし、モニタ上限値Lu及びモニタ下限値Ldのいずれかを外れれば不良とする。
【0019】
一方、ディスプレイ5に表示される図6に示す補正画面Vaは、タッチパネルによる入力機能とディスプレイ5による表示機能を兼ねている。補正画面Vaは、所定の制御量に対して補正を許容する補正上限値Auの設定及び表示を行う補正上限値欄D1,所定の制御量に対して補正を許容する補正下限値Adの設定及び表示を行う補正下限値欄D2,補正項目(補正対象)の設定及び表示を行う補正項目欄D3,補正前のデータ(制御量)を表示する補正前データ欄D4,型内圧Pcがモニタ上限値Luを外れた際の補正に用いる単位補正値Aouの設定及び表示を行う上限外補正値欄D5,型内圧Pcがモニタ下限値Ldを外れた際の補正に用いる単位補正値Aodの設定及び表示を行う下限外補正値欄D6,補正処理のスタート又はストップを選択するスタート/ストップ選択ボタンD7,ノーマルモード又はローテーションモードの選択及び表示を行う補正モード選択ボタンD8及びモニタショット数Nの設定及び表示を行うモニタショット数欄D9等を備えている。この場合、補正上限値欄D1〜下限外補正値欄D6までの六つの欄は、1〜3の三つの表示部(設定部)があり、これらは選択した三つの補正項目X1,X2,X3に対応する。
【0020】
次に、補正画面Vaを用いて本実施例に係る制御方法を実施する際の設定情報を入力する手順について説明する。まず、補正項目欄D3を用いて補正項目の設定を行う(ステップS1)。この場合、補正項目欄D3は、上から順位番号が付された三つの表示部(設定部)を有する。設定時には、一番上の表示部をタッチすることにより、補正画面Va上に補正項目リストがウィンドウ表示される。補正項目としては、一例として、「射出速度」,「射出圧力」,「保圧力」,「背圧」,「スクリュ回転速度」,「速度−圧力切換位置(V−P切換位置)」,「計量値」,「金型温度」,「加熱筒温度」,「ノイズ温度」,「ホットランナ温度」等を適用できる。
【0021】
そして、オペレータは、この補正項目リストから型内圧Pcに対して最も関係(相関)があると判断した補正項目X1をタッチにより選択する。これにより、選択した補正項目X1が一番上の表示部に表示される。実施例は補正項目X1として「射出圧力」を設定した場合を示している。同様に、上から二番目の表示部には、型内圧Pcに対して二番目に関係(相関)があると判断した補正項目X2を設定できるとともに、同様に、上から三番目の表示部には、型内圧Pcに対して三番目に関係(相関)があると判断した補正項目X3を設定できる。実施例は、二番目の補正項目X2として「保圧力」、三番目の補正項目X3として「背圧」を設定した場合を示している。
【0022】
次に、各種設定情報F…を入力する(ステップS2)。なお、以下には補正項目X1に対応する設定情報を入力する場合について説明するが、他の補正項目X2,X3の場合も補正項目X1の場合と同様に入力することができる。この場合、各欄D1〜D6における三つの表示部の順番は、補正項目X1,X2,X3の順番に対応している。
【0023】
まず、補正上限値欄D1における補正上限値Auの設定を行う。この場合、補正上限値欄D1の一番上の表示部をタッチすることにより、補正画面Va上にテンキーボードがウィンドウ表示される。したがって、オペレータは設定する数字をタッチすることにより補正上限値Auを入力することができる。実施例は「70」を入力した場合を示している。これにより、70〔%〕の補正上限値Auが設定されるとともに表示部に表示される。なお、この場合の設定値は、最大射出圧力に対するパーセンテイジである。同様に、補正下限値欄D2における補正下限値Ad(実施例は「30〔%〕」)の設定、上限外補正値欄D5における単位補正値Aou(実施例は「−5〔%〕」)の設定、下限外補正値欄D6における単位補正値Aod(実施例は「+5〔%〕」)の設定をそれぞれ行うことができる。なお、補正前データ欄D4には、補正前のデータ(実施例は「50〔%〕」)が表示される。
【0024】
また、補正モード選択ボタンD8によりノーマルモード又はローテーションモードの選択を行う。この場合、ノーマルモードを選択すれば、補正項目X1〜X3に対してそれぞれ一回の補正処理が行われるとともに、ローテーションモードを選択すれば、補正項目X1〜X3に対する補正処理が繰り返し行われる。選択する際には、補正モード選択ボタンD8をタッチすることにより、「ノーマル」及び「ローテーション」の双方の文字が表示されるため、いずれかをタッチすれば、選択されたモードが表示される。実施例はローテーションモードを選択した場合を示している。なお、ローテーションモードは、例えば、成形を長時間続ける際に、温度変化等に対応して制御量を逐次設定変更できる利点があるとともに、ノーマルモードは、型内圧Pc(監視対象)に関係(相関)のある補正項目を探し出す場合等に利用できる。
【0025】
さらに、モニタショット数欄D9によりモニタショット数Nを設定する。実施例は、モニタショット数Nとして「5」を設定した場合を示している。この場合、成形初期は、動作が安定しないため、数値を小さくして単位時間当たりの補正回数を多くし、かつ補正量(出度数)を大きくするとともに、動作が安定したなら数値を大きくして頻繁な補正を回避し、かつ補正量(出度数)を小さくすることができる。
【0026】
そして、補正処理を開始するには、スタート/ストップ選択ボタンD7によりスタートを選択する(ステップS3)。この場合の選択の方法は、補正モード選択ボタンD8と同じである。これにより、最初に補正項目X1(射出圧力)に対する補正処理が行われる(ステップS4)。以下、補正項目X1(射出圧力)に対する補正処理について、図1に示すフローチャートを参照して説明する。
【0027】
まず、型内圧センサ11によりショット毎に検出される型内圧Pc(検出信号)は、制御装置本体10に付与される(ステップS21)。一方、制御装置本体10では、付与された型内圧Pcがモニタ範囲Zm内にあるか否かを判断する(ステップS22)。この際、モニタ上限値Lu又はモニタ下限値Ldを外れた場合には、モニタ上限値Lu又はモニタ下限値Ldから外れた不良数Eu又はEdをそれぞれ区別してカウントする(ステップS23)。このカウントは、ソフトウェアによるカウンタ機能により実行され、ショット毎に行われる。そして、ショット毎の検出が設定したモニタショット数Nに達したなら、各カウント値を取込むとともに、カウンタ機能のカウンタ値をリセットする(ステップS24,S25)。
【0028】
なお、図4は、ショット毎に検出される型内圧Pc(検出値)を時系列的にプロットした一例を示したものであリ、N1,N2,N3,N4…は、モニタショット数Nを順番に示す。この場合、最初のモニタショット数N1は、モニタ上限値Luから外れた不良数Euが1及びモニタ下限値Ldから外れた不良数Edが1であることを示し、次のモニタショット数N2は、モニタ下限値Ldから外れた不良数Edが3であることを示し、次のモニタショット数N3は、全てモニタ範囲Zm内に入っていることを示している。
【0029】
一方、取込んだカウント値に対して次の処理を行う。まず、カウンタ値がゼロ、即ち、図4に示すモニタショット数N3のように、型内圧Pcが全てモニタ範囲Zm内に入っている場合には、補正処理は行わず、次のショットに移行する(ステップS26,S33,S21…)。
【0030】
また、カウンタ値が、図4に示すモニタショット数N1のように、モニタ上限値Lu及びモニタ下限値Ldの双方から外れている場合には、制御が安定していない状態であるため、対応するメッセージを表示する表示処理を行う(ステップS26,S27,S28)。この場合のメッセージは、成形条件の設定又はモニタ範囲Zmの設定の確認を促すメッセージとなる。これにより、オペレータは制御が安定していないことを容易に知ることができ、成形条件の設定又はモニタ範囲Zmの設定を速やかに確認することができる。なお、この場合、成形動作は中止してもよいし継続させてもよい。
【0031】
さらに、カウンタ値が、図4に示すモニタショット数N2のように、モニタ下限値Ld(又はモニタ上限値Lu)のみから外れている場合には、補正項目X1(射出圧力(制御量))に対する補正処理を行う。補正に際しては、まず、モニタショット数Nに対する不良数Ed(又はEu)の割合を出度数Kd=Ed/N(又はKu=Eu/N)として求める。そして、求めた出度数Kd=Ed/N(又はKu=Eu/N)を、予め設定した単位補正値Aod(又はAod)に乗算(演算)して補正量を求める(ステップS29)。具体的には、実施例の場合、N=5,Ed=3,Aod=+5〔%〕であるため、出度数Kdは、Kd=Ed/N=3/5となる。したがって、補正量は、Kd×Aod=(3/5)×(+5)=+3〔%〕となる。
【0032】
そして、補正による制御量が補正上限値Au(又は補正下限値Ad)に達するか否かを判断し、補正しても制御量が補正上限値Au(又は補正下限値Ad)内にあれば、補正項目E1(射出圧力(制御量))に対する補正を行う。即ち、補正により射出圧力を設定変更する(ステップS30,S31)。具体的には、実施例の場合、補正前データが50〔%〕であるため、補正により射出圧力は、50〔%〕+3〔%〕=53〔%〕に設定変更される。この場合、補正上限値Auは70〔%〕であるため、53〔%〕≦70〔%〕となり、補正が行われる。
【0033】
これに対して、補正により制御量が補正上限値Au(又は補正下限値Ad)を越えてしまう場合には補正を中止し、他の補正処理に変更する。即ち、次の補正項目X2による補正処理へ移行させる(ステップS32,S5,S6)。例えば、実施例において、補正前データが68〔%〕になっているような場合、補正すれば71〔%〕になるため、71〔%〕>70〔%〕となり、補正は行わない。これにより、オペレータは、補正項目E1と型内圧Pcが相関関係のないことを容易に知ることができる。
【0034】
ところで、補正を行う場合、出度数Kd(又はKu)が5/5になれば、+5〔%〕の補正が行われるとともに、出度数Kd(又はKu)が1/5であれば、+1〔%〕の補正が行われる。即ち、型内圧Pcがモニタ範囲Zmから外れる頻度が高い場合には、これに対応して補正値(補正量)が大きくなるため、モニタ範囲Zmから外れた型内圧Pcを速やかにモニタ範囲Zmに入れることができるとともに、モニタ範囲Zmから外れる頻度が低い場合には、これに対応して補正値(補正量)が小さくなるため、高精度でキメの細かい補正を行うことができる。したがって、単位補正値Aod(又はAou)の設定も厳格に行う必要がなく、単位補正値Aod(又はAou)に対する設定の容易化と迅速化を図ることができる。
【0035】
他方、補正項目X2による補正処理に移行した場合も、上述した補正項目X1の場合と同様の補正処理を行う(ステップS7)。この場合、補正する制御量は保圧力となる。そして、補正項目X2(保圧力)による補正処理によっても型内圧Pcがモニタ範囲Zmに入らず、補正により制御量が補正上限値Au又は補正下限値Adを越えてしまう場合には補正を中止し、さらに、補正項目X3による補正処理に移行させ、上述した補正項目X1の場合と同様の補正処理を行う(ステップS8,S9,S10)。この場合、補正する制御量は背圧となる。そして、補正項目X3(背圧)による補正処理によっても型内圧Pcがモニタ範囲Zmに入らず、補正により制御量が補正上限値Au又は補正下限値Adを越えてしまう場合には補正を中止し、選択した補正モードに従って次の処理を行なう(ステップS11,S12)。
【0036】
即ち、ノーマルモードを選択した場合には、補正項目X1〜X3まで一連の補正処理を実行したにも拘わらず、型内圧Pcがモニタ範囲Zmに入らなかったため、補正項目X1〜X3は型内圧Pcに対して関係(相関)がないことを意味する。したがって、この場合には、成形を中止し、対応するメッセージを表示する表示処理を行う(ステップS13)。この場合のメッセージは、選択した三つの補正項目X1〜X3では相関関係がない旨及び新しい補正項目の選択を促す旨のメッセージとなる。これにより、オペレータは、補正項目X1〜X3以外の補正項目を再設定し、同様の補正処理を行うことができる。ノーマルモードでは、このような処理が行われるため、特に、成形初期において、型内圧Pc(監視対象)に関係(相関)のある補正項目を探し出す場合等に利用できる。
【0037】
一方、ローテーションモードを選択した場合には、再度、補正項目X1による補正処理に移行し、以下、同様の補正処理が繰り返して行われる(ステップS14)。したがって、ローテーションモードでは、三つの補正項目X1〜X3による補正処理が繰り返されるため、例えば、成形を長時間続ける場合において、朝と夜のように温度変化があったとしても、この温度変化に対応して制御量を逐次設定変更できる。なお、補正処理の途中で型内圧Pcがモニタ範囲Amに入り、モニタ上限値Lu及びモニタ下限値Ldを外れない状態を継続すれば、そのときの状態が補正画面Vaに表示されたままとなるため、オペレータは、型内圧Pcがどの補正項目と相関関係があったかを知ることができる。
【0038】
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,数値,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、選択する補正項目は三つの場合を例示したが、二つであってもよいし四つ以上であってもよい。また、監視対象として、型内圧Pcを例示したが、スクリュ最前進位置等、他の監視対象であっても同様に実施できるとともに、射出成形機以外の任意の成形機(広くは工作機を含む)に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
このように、本発明に係る成形機の制御方法は、予め、ショットに対するモニタショット数を設定し、成形時に、モニタショット数毎に、監視対象がモニタ上限値とモニタ下限値から外れる不良数をそれぞれカウントし、モニタショット数に対する不良数の割合を出度数として求めるとともに、予め設定した単位補正値と出度数の演算により補正量を求め、この補正量により制御量を補正するようにしたため、次のような顕著な効果を奏する。
【0040】
(1) 監視対象がモニタ範囲から外れる頻度が高い場合には、これに対応して補正量(補正値)が大きくなるため、モニタ範囲から外れた監視対象を速やかにモニタ範囲に入れることができるとともに、モニタ範囲から外れる頻度が低い場合には、これに対応して補正量(補正値)が小さくなるため、高精度でキメの細かい補正を行うことができる。
【0041】
(2) 単位補正値の設定を厳格に行う必要がないため、単位補正値に対する設定の容易化と迅速化を図ることができる。
【0042】
(3) 好適な実施の態様により、監視対象がモニタ上限値及びモニタ下限値の双方から外れる不良が発生したときに、対応するメッセージを表示する表示処理を行えば、オペレータは制御が安定していない状態を容易に知ることができ、成形条件の設定又はモニタ範囲の設定を速やかに確認することができる。
【0043】
(4) 好適な実施の態様により、制御量に対して、補正を許容する補正上限値及び補正下限値を設定し、補正による制御量が補正上限値又は補正下限値に達したなら補正を中止し、他の補正処理に変更するようにすれば、オペレータは、補正項目と監視対象が相関関係のないことを容易に知ることができる。
【0044】
(5) 好適な実施の態様により、監視対象として、成形機に備える金型の型内圧を適用すれば、成形品の良否を的確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る制御方法の処理手順を示すフローチャート、
【図2】同制御方法の他の処理手順を示すフローチャート、
【図3】同制御方法を実施する制御装置を搭載する射出成形機の概略構成図、
【図4】同制御方法においてショット毎に検出した型内圧のプロット図、
【図5】同制御方法を実施する制御装置のブロック回路図、
【図6】同制御装置のディスプレイに表示される補正画面図、
【符号の説明】
M 成形機(射出成形機)
Lu モニタ上限値
Ld モニタ下限値
Zm モニタ範囲
C 金型
Pc 型内圧
N モニタショット数
Claims (4)
- ショット毎に検出される監視対象をモニタし、この監視対象がモニタ上限値とモニタ下限値により設定したモニタ範囲から外れたなら制御量を補正する成形機の制御方法において、予め、前記ショットに対するモニタショット数を設定し、成形時に、前記モニタショット数毎に、前記監視対象が前記モニタ上限値と前記モニタ下限値から外れる不良数をそれぞれカウントし、前記モニタショット数に対する前記不良数の割合を出度数として求めるとともに、予め設定した単位補正値と前記出度数の演算により補正量を求め、この補正量により前記制御量を補正することを特徴とする成形機の制御方法。
- 前記モニタショット数の中で、前記監視対象が前記モニタ上限値及び前記モニタ下限値の双方から外れる不良が発生したときは、対応するメッセージを表示する表示処理を行うことを特徴とする請求項1記載の成形機の制御方法。
- 前記制御量に対して、補正を許容する補正上限値及び補正下限値を設定し、補正による前記制御量が前記補正上限値又は前記補正下限値に達したなら補正を中止し、他の補正処理に変更することを特徴とする請求項1記載の成形機の制御方法。
- 前記監視対象は、成形機に備える金型の型内圧であることを特徴とする請求項1記載の成形機の制御方法。
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