JP2023023790A - 成形管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の成形不良の原因を容易に分析することができる成形管理装置を提供すること。【解決手段】成形管理装置500は、目的変数を選択する選択部としての操作部504と、目的変数に対応する時系列データと、目的変数を説明する説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する相関算出部515と、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示するとともに、目的変数に対応する時系列データと、相関に基づく表示様態で表示される説明変数に対応する複数の時系列データと、を共通の時間軸TA1に沿って表示する表示部503と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、成形管理装置に関する。
従来、特許文献1に示すように、成形品に成形不良が発生した場合、成形不良対策マトリクスを参照して成形不良に対する複数の対策案を順次導出する射出成形支援装置が知られている。
特開平7-24894号公報
しかしながら、特許文献1のように、射出成形支援装置が、成形不良対策マトリクスを参照するだけでは、成形品の成形不良が改善しないおそれがある。そこで、成形品の成形不良の原因を容易に分析することができる成形管理装置が求められている。
成形管理装置は、成形品を生産する成形機に接続可能な成形管理装置であって、目的変数を選択する選択部と、前記目的変数に対応する時系列データと、前記目的変数を説明する説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する相関算出部と、前記説明変数に対応する前記複数の時系列データを前記相関に基づく表示様態で表示するとともに、前記目的変数に対応する前記時系列データと、前記表示様態で表示される前記説明変数に対応する前記複数の時系列データと、を共通の時間軸に沿って表示する表示部と、を有する。
実施形態1に係る成形管理装置を備える成形管理システムの概略構成を示す説明図。 実施形態1に係る成形管理装置のデータ処理方法を示すフローチャート。 実施形態1に係る表示部が表示する表示画面を示す説明図。 実施形態2に係る表示部が表示する表示画面を示す説明図。 実施形態3に係る成形管理装置のデータ処理方法を示すフローチャート。 実施形態3に係る不良種別と説明変数との対応を示すテーブル。 実施形態3に係る表示部が表示する表示画面を示す説明図。
1.実施形態1
実施形態1に係る成形管理装置500を備える成形管理システム10の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、成形管理システム10は、成形機100と、周辺機器200と、成形管理装置500と、を備える。
成形機100は、成形品を生産する装置である。
周辺機器200は、成形機100とともに成形品の生産に用いられる機器である。周辺機器200は、成形機100が生産する成形品の検査を行う検査装置300を含む。周辺機器200としては、検査装置300の他、例えば、成形品の材料である樹脂などを乾燥する乾燥機、成形機100が備える金型の温度調整を行う温調機、金型から成形品を取り出して検査装置300などに搬送する搬送装置、成形品のゲートカットまたはバリなどを除去する加工機などが挙げられる。
なお、成形機100と、周辺機器200と、をまとめて産業機械と呼ぶことがある。つまり、産業機械は、成形機100と、周辺機器200と、を含む概念である。
成形機100と、成形管理装置500と、は通信可能に接続される。周辺機器200と、成形管理装置500と、は通信可能に接続される。本実施形態では、成形管理装置500は、ネットワークNTを介して、成形機100や周辺機器200と通信することにより、成形機100や周辺機器200とのデータの送受信などを実行する。ネットワークNTは、LAN(ローカルエリアネットワーク)でも構わないし、インターネットでも構わない。
次に、成形機100について説明する。
本実施形態では、成形機100は、例えば、射出成形機である。成形機100は、それぞれ図示しない成形制御部と、射出装置と、型締装置と、を備える。射出装置には、成形品の材料である樹脂などを貯留するホッパーが装着される。型締装置には成形型が装着される。成形型は、金属製でも構わないし、セラミック製や樹脂製でも構わない。金属製の成形型を金型と呼ぶ。
成形制御部は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行うインターフェイスとを備える。
成形制御部は、成形プログラムに従って、型締装置を制御して成形型を型締めし、ホッパーを制御してホッパーから射出装置に材料を供給し、射出装置を制御して材料を可塑化して成形型に射出する。このようにして、成形機100は、成形型のキャビティーに応じた形状の成形品を生産する。
成形プログラムは、成形機100において射出成形を1回行うためのプログラムである。成形プログラムは、射出装置や型締装置などの制御値の変更タイミングや、制御値の大きさなどの成形条件を成形機100に指示する。
成形制御部は、生産予定数に対応する回数分の射出成形サイクルを成形機100に実行させることによって、生産予定数分の成形品を成形する。なお、1回の射出成形サイクルのことをショットと呼ぶ。
また、成形制御部は、成形機100に設けられる図示しないセンサーを用いて成形機100における各種の実測値を取得し、センサーを用いて取得した各種の実測値を成形管理装置500に送信する。センサーとしては、例えば、ホッパーに貯留される材料の重量を検出する重量センサーや、射出装置や成形型の内部における材料やガスなどの圧力を検出する圧力センサーや、射出装置や成形型などの温度を検出する温度センサーなどが挙げられる。成形制御部がセンサーを用いて取得した各種の実測値には、実測値が計測された時刻またはショット数が対応付けされている。
次に、周辺機器200の一例として、検査装置300について説明する。
本実施形態では、検査装置300は、例えば、画像検査装置である。検査装置300は、それぞれ図示しない検査制御部と、センサーである撮像装置と、を備える。
検査制御部は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行うインターフェイスとを備える。検査制御部は、撮像装置を制御して、成形機100が生産した成形品を撮像し、撮像した成形品の画像を解析することにより、成形品の寸法検査および外観検査を行う。
検査制御部は、成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果と、を取得する。検査制御部が取得した成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果と、には、成形品の検査が行われた時刻またはショット数が対応付けされている。さらに、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果には、成形品の不良種別が対応付けされている。成形品の不良種別には、寸法不良と、外観不良と、が含まれる。成形品の不良種別とは、例えば、充填不良(ショートショット)、フローマーク、シルバーストリーク、ジェッティング、ヒケ、白化などが挙げられる。
検査制御部は、成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の結果と、を成形管理装置500に送信する。
検査装置300の他の周辺機器200としては、前述したように、例えば、乾燥機、温調機、搬送装置、加工機などが挙げられる。例えば、乾燥機は、乾燥機を制御する制御部と、乾燥機の各種の実測値を計測するためのセンサーと、を有する。乾燥機を制御する制御部は、センサーを用いて取得した各種の実測値を成形管理装置500に送信する。温調機、搬送装置、加工機は、乾燥機と同様に、それぞれの機器を制御する制御部と、それぞれの機器に設けられるセンサーを有する。それぞれの機器を制御する制御部は、センサーを用いて取得した各種の実測値を成形管理装置500に送信する。センサーを用いて取得した各種の実測値には、実測値が計測された時刻またはショット数が対応付けされている。
次に、成形管理装置500について、図1、図2および図3を参照して説明する。
まず、成形管理装置500の概略構成について、図1を参照して説明し、次に、成形管理装置500が備える相関算出部515および表示制御部520について、図2および図3を参照して説明する。
図1に示すように、成形管理装置500は、制御部501と、記憶部502と、表示部503と、操作部504と、を備える。成形管理装置500は、例えば、コンピューターなどの情報処理装置を用いることができる。
制御部501は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路である。
記憶部502は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリー、着脱式の外部記憶装置である。
表示部503は、例えば、液晶ディスプレイである。
操作部504は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどである。なお、タッチパネルディスプレイのように、操作部504と表示部503とが一体になっていても構わない。また、本実施形態では、操作部504と表示部503とは、成形管理装置500と一体になっているが、操作部504と表示部503とが、成形管理装置500から独立した端末装置であっても構わない。端末装置としては、例えば、タブレット端末や、スマートフォンなどを用いることができる。
作業者は、操作部504を介して、後述する目的変数を選択することができる。つまり、操作部504は、目的変数を選択する選択部として機能する。
また、作業者は、操作部504を介して、成形品を生産するための生産4要素に関する4要素情報を成形管理装置500に入力することができる。生産4要素とは、人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、および、方法(Method)の4つの要素のことである。人とは、例えば、成形機100の運転を担当する作業者や、検査装置300による検査を担当する作業者など、成形品の生産に関与する者のことを意味する。機械とは、例えば、成形機100や、検査装置300を含む周辺機器200など、成形品の生産に用いられる機械を意味する。つまり、本実施形態では、機械とは、成形機100と、周辺機器200と、を含む産業機械を意味する。材料とは、成形品の材料のことを意味する。方法とは、例えば、射出成形の方法や、成形品の検査の方法など、成形品の生産方法のことを意味する。4要素情報には、成形品の不良種別が対応付けされていても構わない。なお、生産4要素のことを4Mと呼び、4要素情報のことを4M情報と呼ぶことがある。
本実施形態では、4要素情報は、作業者によって成形管理装置500に入力されるが、4要素情報の少なくとも一部は、成形管理装置500以外の装置に入力されて、成形管理装置500以外の装置から成形管理装置500に送信されても構わない。例えば、4要素情報の少なくとも一部は、例えば、成形機100に入力されて、成形機100から成形管理装置500に送信されても構わない。
成形管理装置500は、データ取得部510と、相関算出部515と、表示部503を制御する表示制御部520と、を備える。データ取得部510、相関算出部515、および表示制御部520は、記憶部502に記憶されているプログラムを制御部501が実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
データ取得部510は、成形機100から送信される各種の実測値を取得し、取得した各種の実測値を時系列に従って、記憶部502に記憶する。このようにして、記憶部502には、成形機100における各種の実測値の時系列データが記憶される。
データ取得部510は、検査装置300から送信される成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果と、を取得し、取得した成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果と、を時系列に従って、記憶部502に記憶する。このようにして、記憶部502には、成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果と、のそれぞれの時系列データが記憶される。
データ取得部510は、検査装置300の他の周辺機器200から送信される各種の実測値を取得し、取得した各種の実測値を時系列に従って、記憶部502に記憶する。このようにして、記憶部502には、検査装置300の他の周辺機器200における各種の実測値の時系列データが記憶される。
データ取得部510は、成形管理装置500に入力される4要素情報を取得し、取得した4要素情報を時系列に従って、記憶部502に記憶する。このようにして、記憶部502には、4要素情報の時系列データが記憶される。
なお、成形機100から送信される各種の実測値と、検査装置300から送信される成形品の寸法の実測値と、検査装置300の他の周辺機器200から送信される各種の実測値と、をまとめて産業機械の実測値と呼ぶことがある。産業機械の実測値は、これらの実測値のような数量データ以外に、カテゴリカルデータを含めても構わない。カテゴリカルデータの一例として、成形品の外観に関する情報が挙げられる。成形品の外観に関する情報は、成形品の外観を順序尺度で表現したデータである。成形品の外観を順序尺度で表現したデータとは、例えば、成形品の外観検査の検査結果として「フローマークがない」、「小さいフローマークがある」、「大きいフローマークがある」のようにそれぞれの検査結果が大小関係または順序関係を示すデータである。カテゴリカルデータは、順序尺度を示す任意のダミー変数であっても構わない。また、実測値のような数量データをカテゴリカルデータに変換しても構わない。カテゴリカルデータには、成形品を生産するための生産4要素に関する4要素情報も含まれる。
また、検査装置300から送信される成形品の寸法の実測値と、成形品の寸法検査および外観検査の検査結果と、をまとめて成形品の品質に係る情報と呼ぶことがある。成形品の品質に係る情報は、成形品の寸法や外観に関する情報であり、例えば、不良種別毎の不良数や不良率、不良種別を限定しない全不良数や全不良率、成形品の寸法、寸法の変動量や変動率、成形品の幾何公差の変動量や変動率などを含む。
次に、成形管理装置500が備える相関算出部515および表示制御部520について、図2および図3を参照して説明する。
図2に示すように、成形管理装置500のデータ処理方法は、目的変数を選択する工程であるステップS1と、目的変数に対応する時系列データと説明変数に対応する複数の時系列データとの相関を算出する工程であるステップS2と、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示する工程であるステップS3と、を含む。なお、目的変数および説明変数は、統計用語である。本実施形態では、目的変数は作業者が監視または予測したい変数を意味し、説明変数は目的変数を説明する変数を意味する。
相関算出部515は、ステップS2において、目的変数に対応する時系列データと、説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する。
表示制御部520は、ステップS3において、表示部503を制御し、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示させる。
ステップS1は、目的変数を選択する工程である。前述したように、作業者は、選択部としての操作部504を介して、目的変数を選択することができる。
本実施形態では、目的変数は、成形品の品質に係る情報である。以下の説明では、説明の便宜上、ステップS1において、目的変数として成形品の寸法の実測値が選択されたこととする。成形品の寸法の実測値は、成形品の品質に係る情報の一例である。
なお、本実施形態では、作業員が目的変数を選択しているが、これに限らず、成形管理装置500が自動的に目的変数を選択するようにしても構わない。例えば、成形品の品質に係る情報のうち成形品の寸法の実測値に対応する時系列データにおいて、異常発生回数が所定回数を超えた場合に、成形管理装置500の制御部501が目的変数として成形品の寸法の実測値を選択することにしても構わない。成形品の寸法の実測値と、成形品の図面規格と、を比較することにより、成形品の寸法の実測値における異常の有無を判定することができる。また、例えば、成形品の品質に係る情報のうち、成形品の全不良率に対応する時系列データにおいて、異常発生回数が所定回数を超えた場合に、成形管理装置500の制御部501が目的変数として成形品の全不良率を選択するようにしても構わない。成形品の全不良率と、成形品の目標歩留まりと、を比較することにより、成形品の全不良率の異常の有無を判定することができる。なお、成形管理装置500が自動的に目的変数を選択する場合は、成形管理装置500の制御部501が選択部として機能する。
ステップS2は、目的変数に対応する時系列データと説明変数に対応する複数の時系列データとの相関を算出する工程である。
相関算出部515は、ステップS1において選択された目的変数に対応する時系列データを記憶部502から取得する。本実施形態では、目的変数に対応する時系列データは、成形品の寸法の実測値を時系列に従って記憶した時系列データである。
相関算出部515は、目的変数を説明する説明変数に対応する複数の時系列データを記憶部502から取得する。本実施形態では、説明変数は、産業機械の実測値であり、例えば、成形機100の最大射出圧力や、射出最前進位置、充填時間、樹脂温度、金型温度などである。本実施形態では、説明変数に対応する複数の時系列データは、産業機械の実測値がそれぞれ時系列に従って記憶された時系列データであり、例えば、成形機100の最大射出圧力や、射出最前進位置、充填時間、成形型の温度などの実測値がそれぞれ時系列に従って記憶された時系列データである。
相関算出部515は、記憶部502から取得した目的変数に対応する時系列データと、記憶部502から取得した説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する。例えば、相関算出部515は、成形品の寸法の実測値を時系列に従って記憶した時系列データと、成形機100の最大射出圧力の実測値を時系列に従って記憶した時系列データと、の相関を算出する。同様にして、相関算出部515は、成形品の寸法の実測値を時系列に従って記憶した時系列データと、成形機100の最大射出圧力とは別の、例えば、成形機100の樹脂温度などを時系列に従って記憶した複数の時系列データと、の相関をそれぞれ算出する。このようにして、相関算出部515は、目的変数と組み合わせる説明変数を変えながら、目的変数と複数の説明変数との相関を算出し、それぞれの説明変数に対応する相関を算出する。なお、相関を算出するとは、目的変数と説明変数との相関関係の強さを示す指標を算出するという意味である。
本実施形態では、相関算出部515が算出する相関は、相関係数である。ただし、相関算出部515が算出する相関は、相関係数に限らず、標準偏差や、非線形の相関関係の強さを示す指標である最大情報係数などでも構わない。
ステップS3は、説明変数に対応する複数の時系列データをステップS2において算出された相関に基づく表示様態で表示する工程である。
本実施形態では、相関に基づく表示様態は、説明変数に対応する複数の時系列データのうちステップS2において算出された相関に基づき選択される少なくとも1つの時系列データを表示する表示様態である。具体的には、相関に基づく表示様態は、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数に対応する時系列データを表示する表示様態である。以下の説明では、説明の便宜上、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数は、成形機100の射出最前進位置であり、成形機100の射出最前進位置の時系列データがステップS3において表示されることとする。成形機100の射出最前進位置は、産業機械の実測値の一例である。なお、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数が2つ以上ある場合は、それら2つ以上の時系列データがステップS3において表示される。例えば、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数が、成形機100の射出最前進位置と、成形機100の樹脂温度と、の2つであるときは、それら2つの時系列データがステップS3において表示される。
表示制御部520は、表示部503を制御し、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示させる。さらに、表示制御部520は、表示部503を制御し、目的変数に対応する時系列データと、説明変数に対応する複数の時系列データと、を共通の時間軸に沿って表示させる。
表示部503は、表示制御部520に制御され、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示する。さらに、表示部503は、目的変数に対応する時系列データと、説明変数に対応する複数の時系列データと、を共通の時間軸に沿って表示する。
図3は、ステップS3において、表示部503が表示する表示画面SC1である。
図3に示すように、表示画面SC1には、上から順に、時間軸TA1と、目的変数表示領域RG1と、説明変数表示領域RG2と、が設けられる。ただし、これらの配置の順序は任意である。
時間軸TA1は、目的変数表示領域RG1と、説明変数表示領域RG2と、における横方向の軸と共通する軸である。本実施形態では、時間軸TA1には、期間T1~T17を表すラベルが表示されている。なお、時間軸TA1は、時間に限らず、成形品のショット数やロット数などの生産量に関する情報に基づいて規定されても構わない。
目的変数表示領域RG1には、ステップS1において選択された目的変数に対応する時系列データが表示される。本実施形態では、前述したように、ステップS1において目的変数の一例として、成形品の寸法の実測値が選択されているので、目的変数表示領域RG1には、成形品の寸法の実測値に対応する時系列データが表示される。
説明変数表示領域RG2には、ステップS2において算出された相関に基づく表示様態で、説明変数に対応する時系列データが表示される。本実施形態では、前述したように、相関に基づく表示様態は、ステップS2において算出された相関に基づき選択される少なくとも1つの時系列データを表示する表示様態である。具体的には、説明変数表示領域RG2には、相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数である成形機100の射出最前進位置に対応する時系列データが表示される。
このように、説明変数表示領域RG2において、ステップS2において算出された相関に基づく表示様態で、説明変数に対応する時系列データが表示されることにより、作業者は、目的変数に相関する説明変数を容易に把握することができる。そのため、作業者は、成形品の成形不良の原因を容易に分析することができる。
また、目的変数表示領域RG1と、説明変数表示領域RG2に表示される目的変数に対応する時系列データと、説明変数表示領域RG2において表示される説明変数に対応する時系列データと、は共通の時間軸である時間軸TA1に沿って表示される。これにより、作業者は、目的変数に対応する時系列データと、説明変数に対応する時系列データと、時系列に従って比較することが容易になり、目的変数と説明変数との相関について的確に把握することができる。そのため、作業者は、成形品の成形不良の原因を的確に分析することができる。
また、相関に基づく表示様態は、ステップS2において算出された相関に基づき選択される少なくとも1つの時系列データを表示する表示様態であるので、作業者は、目的変数に相関する説明変数をさらに容易に把握することができる。
また、前述したように、本実施形態では、目的変数は成形品の品質に係る情報であり、説明変数は成形品の生産に係る産業機械の実測値である。一般的には、成形品の生産においては、成形品の品質を監視するため、目的変数を成形品の品質に係る情報にすることにより、成形品の成形不良の原因を容易に分析することができる。
なお、本実施形態では、説明変数は成形品の生産に係る産業機械の実測値であるが、説明変数を生産4要素の4要素情報にしても構わない。生産4要素の4要素情報は数量データではないが、カテゴリカルデータとして取り扱い、カテゴリー分析を行うことにより、産業機械の実測値と同様に、目的変数と説明変数との相関を算出することができる。説明変数を生産4要素の4要素情報にすることにより、作業者は、成形品の成形不良の原因として、生産4要素について分析することができる。
また、目的変数を産業機械の実測値にし、説明変数を産業機械の実測値または生産4要素の4要素情報にしても構わない。つまり、目的変数と、説明変数と、は作業者が任意に決めて構わない。例えば、成形品の生産条件は、成形時の射出速度、圧力、温度などの複数の制御パラメーターが複雑に関係し合っているため、それらの複数の制御パラメーター間の相関についても分析する必要がある。目的変数と、説明変数と、を作業者が任意に決められるようにすることにより、例えば、成形品の生産条件に係る複数の制御パラメーター間の相関についても分析することができる。そのため、作業者にとって利便性の高い成形管理装置500を提供することができる。
本実施形態では、目的変数表示領域RG1と、説明変数表示領域RG2に表示される目的変数に対応する時系列データと、説明変数表示領域RG2において表示される説明変数に対応する時系列データと、は統計図の一例である箱ひげ図で表示されている。ただし、目的変数表示領域RG1と、説明変数表示領域RG2に表示される目的変数に対応する時系列データと、説明変数表示領域RG2において表示される説明変数に対応する時系列データと、は箱ひげ図に限らず、正規分布を表すグラフや、折れ線グラフ、棒グラフなどで表示されても構わない。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
成形管理装置500は、目的変数を選択する選択部としての操作部504と、目的変数に対応する時系列データと、目的変数を説明する説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する相関算出部515と、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示するとともに、目的変数に対応する時系列データと、相関に基づく表示様態で表示される説明変数に対応する複数の時系列データと、を共通の時間軸である時間軸TA1に沿って表示する表示部503と、を有する。これにより、作業者が成形品の成形不良の原因を容易に分析することができる成形管理装置500を提供することができる。
2.実施形態2
実施形態2に係る成形管理装置500について、図4を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施形態2は、ステップS2において算出される相関に基づく表示様態が、説明変数に対応する複数の時系列データを相関に基づき並び替えて表示する表示様態であること以外は、実施形態1と同様である。
図4は、ステップS3において、表示部503が表示する表示画面SC2である。
説明変数表示領域RG2には、ステップS2において算出された相関に基づく表示様態で、説明変数に対応する時系列データが表示される。本実施形態では、相関に基づく表示様態は、説明変数に対応する複数の時系列データをステップS2において算出された相関に基づき並び替えて表示する表示様態である。具体的には、相関に基づく表示様態は、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数に対応する複数の時系列データを、相関係数の絶対値が大きい順に並び替えて表示する表示様態である。以下の説明では、説明の便宜上、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数は、相関係数の絶対値が大きい順に、成形機100の射出最前進位置、成形機100の最大射出圧力、および成形機100の充填時間であることとする。成形機100の射出最前進位置、成形機100の最大射出圧力、および成形機100の充填時間は、産業機械の実測値の一例である。
説明変数表示領域RG2には、上から相関係数の絶対値が大きい順に、説明変数に対応する複数の時系列データが表示される。図4では、説明変数表示領域RG2には、成形機100の射出最前進位置の時系列データ、成形機100の最大射出圧力の時系列データ、および成形機100の充填時間の時系列データが、算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい順に上から表示されている。
このように、本実施形態では、相関に基づく表示様態は、説明変数に対応する複数の時系列データをステップS2において算出された相関に基づき並び替えて表示する表示様態であるので、作業者は、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
3.実施形態3
実施形態3に係る成形管理装置500について、図5、図6および図7を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施形態3は、表示部503が、目的変数に対応する不良種別に基づき説明変数を選択することや、目的変数に対応する不良種別に基づき選択された説明変数の時系列データを相関に基づく表示様態で表示すること以外は、実施形態1と同様である。
図5に示すように、成形管理装置500のデータ処理方法は、目的変数を選択する工程であるステップS1と、目的変数に対応する時系列データと説明変数に対応する複数の時系列データとの相関を算出する工程であるステップS2と、目的変数に対応する不良種別に基づき説明変数を選択する工程であるステップS10と、ステップS10において選択された説明変数に対応する時系列データを相関に基づく表示様態で表示する工程であるステップS11と、を含む。
表示制御部520は、ステップS10において、目的変数に対応する不良種別に基づき説明変数を選択する。そして、表示制御部520は、ステップS11において、表示部503を制御し、ステップS10において選択された説明変数に対応する時系列データを相関に基づく表示様態で表示させる。
ステップS1は、目的変数を選択する工程である。
本実施形態では、目的変数は、成形品の品質に係る情報である。以下の説明では、説明の便宜上、ステップS1において、目的変数として成形品のフローマークによる不良数が選択されたこととする。成形品のフローマークによる不良数とは、成形品の不良種別がフローマークである不良数である。成形品のフローマークによる不良数は、成形品の品質に係る情報の一例である。
ステップS2は、目的変数に対応する時系列データと説明変数に対応する複数の時系列データとの相関を算出する工程である。
相関算出部515は、ステップS1において選択された目的変数に対応する時系列データを記憶部502から取得する。本実施形態では、目的変数である成形品のフローマークによる不良数を時系列に従って記憶した時系列データである。
相関算出部515は、目的変数を説明する説明変数に対応する複数の時系列データを記憶部502から取得する。本実施形態では、説明変数は、実施形態1と同様に、産業機械の実測値である。ただし、説明変数は、生産4要素の4要素情報であっても構わない。
相関算出部515は、記憶部502から取得した目的変数に対応する時系列データと、記憶部502から取得した説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する。
ステップS10は、目的変数に対応する不良種別に基づき説明変数を選択する工程である。
表示制御部520は、図6に示すテーブルTB1を参照することにより、目的変数に対応する不良種別に基づき説明変数を選択する。
図6に示すように、テーブルTB1は、成形品の品質に係る情報に対応する不良種別と、その不良種別に原理的に関係する説明変数と、の対応を示す一例である。図示は省略するが、テーブルTB1には、充填不良やフローマークの他の不良種別についても、それらの不良種別に原理的に関係する説明変数との対応が記載されている。テーブルTB1に記載される説明変数は、産業機械の実測値に限らず、生産4要素の4要素情報が含まれていても構わない。テーブルTB1は、例えばデータベース形式で、予め記憶部502に記憶されている。
前述したように、本実施形態では、目的変数は成形品のフローマークによる不良数である。表示制御部520は、目的変数に対応する不良種別であるフローマークに基づき説明変数を選択する。具体的には、表示制御部520は、テーブルTB1を参照し、フローマークに原理的に関係する説明変数を選択する。本実施形態では、フローマークに原理的に関係する説明変数は、成形機100の射出圧力、成形機100の最大射出圧力、成形機100の射出速度、成形機100の計量値、成形機100の射出最前進位置、および成形機100の樹脂温度である。
ステップS11は、ステップS10において選択された説明変数に対応する時系列データを相関に基づく表示様態で表示する工程である。ステップS10において選択された説明変数とは、目的変数に対応する不良種別に基づき選択された説明変数である。
本実施形態では、相関に基づく表示様態は、説明変数に対応する複数の時系列データをステップS2において算出された相関に基づき並び替えて表示する表示様態である。具体的には、相関に基づく表示様態は、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数に対応する複数の時系列データを、相関係数の絶対値が大きい順に並び替えて表示する表示様態である。
以下の説明では、説明の便宜上、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数は、成形機100の最大射出圧力、成形機100の射出速度、成形機100の射出最前進位置、成形機100の樹脂温度、成形機100の金型温度、および成形機100の充填時間であることとする。これらの説明変数は、産業機械の実測値の一例である。
ステップS10において選択された説明変数のうち、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数は、相関係数の絶対値が大きい順に、成形機100の最大射出圧力、成形機100の射出速度、成形機100の射出最前進位置、成形機100の樹脂温度である。
図7は、ステップS11において、表示部503が表示する表示画面SC3である。
目的変数表示領域RG1には、ステップS1において選択された目的変数に対応する時系列データが表示される。本実施形態では、前述したように、ステップS1において目的変数の一例として、成形品のフローマークによる不良数が選択されているので、目的変数表示領域RG1には、成形品のフローマークによる不良数に対応する時系列データが表示される。
説明変数表示領域RG2には、ステップS10において選択された説明変数に対応する時系列データが、相関に基づく表示様態で表示される。具体的には、ステップS10において選択された説明変数のうち、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数である成形機100の最大射出圧力、成形機100の射出速度、成形機100の射出最前進位置、および成形機100の樹脂温度のそれぞれの時系列データが、上から相関係数の絶対値が大きい順に表示される。
本実施形態では、ステップS10において選択された説明変数に対応する時系列データが説明変数表示領域RG2に表示されるため、ステップS2において算出された相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも大きい説明変数のうち、成形機100の金型温度および成形機100の充填時間のそれぞれの時系列データは、説明変数表示領域RG2に表示されない。また、ステップS2において算出される相関に基づく表示様態で表示されるため、ステップS10において選択された説明変数に対応する時系列データのうち、相関係数の絶対値が予め設定された基準値よりも小さい説明変数である成形機100の射出圧力および成形機100の計量値は、説明変数表示領域RG2には表示されない。換言すると、表示部503は、説明変数である産業機械の実測値または生産4要素の4要素情報の時系列データのうち、目的変数である成形品の品質に係る情報に対応する不良種別に基づき選択される時系列データを表示する。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、説明変数表示領域RG2において、目的変数に対して相関が強く、かつ、成形品の不良種別に原理的に関係する説明変数の時系列データが表示される。このため、作業者は、目的変数である成形品の品質に係る情報とは関係しない説明変数を排除することができ、成形品の成形不良の原因を容易に分析することができる。
10…成形管理システム、100…成形機、200…周辺機器、300…検査装置、500…成形管理装置、501…制御部、502…記憶部、503…表示部、504…操作部、510…データ取得部、515…相関算出部、520…表示制御部、SC1,SC2,SC3…表示画面、RG1…目的変数表示領域、RG2…説明変数表示領域、TA1…時間軸、TB1…テーブル。

Claims (6)

  1. 成形品を生産する成形機に接続可能な成形管理装置であって、
    目的変数を選択する選択部と、
    前記目的変数に対応する時系列データと、前記目的変数を説明する説明変数に対応する複数の時系列データと、の相関を算出する相関算出部と、
    前記説明変数に対応する前記複数の時系列データを前記相関に基づく表示様態で表示するとともに、前記目的変数に対応する前記時系列データと、前記表示様態で表示される前記説明変数に対応する前記複数の時系列データと、を共通の時間軸に沿って表示する表示部と、を有する、
    成形管理装置。
  2. 前記表示様態は、前記説明変数に対応する前記複数の時系列データのうち前記相関に基づき選択される少なくとも1つの時系列データを表示する表示様態である、
    請求項1に記載の成形管理装置。
  3. 前記表示様態は、前記説明変数に対応する前記複数の時系列データを前記相関に基づき並び替えて表示する表示様態である、
    請求項1に記載の成形管理装置。
  4. 前記目的変数は、前記成形品の品質に係る情報であり、
    前記説明変数は、前記成形品の生産に係る産業機械の実測値または生産4要素の4要素情報である、
    請求項1に記載の成形管理装置。
  5. 前記表示部は、前記産業機械の実測値の時系列データまたは前記生産4要素の4要素情報の時系列データのうち、前記成形品の前記品質に係る情報に対応する不良種別に基づき選択される時系列データを表示する、
    請求項4に記載の成形管理装置。
  6. 前記目的変数は、前記成形品の生産に係る産業機械の実測値であり、
    前記説明変数は、前記成形品の生産に係る産業機械の実測値または生産4要素の4要素情報である、
    請求項1に記載の成形管理装置。
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