JP2004236907A - ワックス用アイロン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒータ3により加熱され後部に立上り壁5を形成したベース2と、このベースの上方に固定した断熱板8と、断熱板或は把手の後部に一体成形した垂下片9と、この垂下片と立上り壁との間に形成した指先収納部13を備え、前記垂下片の内側には指先滑走曲面10を形成したものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固形のワックスをベースに当てて溶解し、スキー板の表面(滑走面)に塗布するようにしたワックス用アイロンに関する。
【0002】
【従来の技術】
此種のワックス用アイロンは、スキーヤーの間では古くから知られており、その具体的な構成を実開昭59−30278号公報により例示する。
【0003】
この先行技術は、第1図に示すように、溶解炉内の固形ワックスをヒータによって溶融し、ノズルから流出させてスキー板の表面に浸透させるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、溶融したワックスはベース面に沿って垂れ下がりベースの後端から周囲の床面やテーブルに落下し付着する。付着したワックスは凝固し取り除くにはかなりの時間を要した。特に衣服等の布地に付着した場合にはワックスが繊維の間に入り込んで洗濯を行っても全く取り除くことができなかった。
【0005】
本発明は、ベースに溶融して付着したワックスがベースの後端に垂れ下っても床面やテーブルに落下するのを防止し、且つアイロン本体に溜ったワックスを指先で容易に取り除くようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヒータを有し少なくとも後部に立上り壁を形成したベースと、前記ベースの上方に設けた断熱板と、前記断熱板の上方に固定した把手とを備え、前記断熱板或は把手の後部に垂下片を一体成形し、この垂下片と前記立上り壁との間に指先収納部を形成したものである。
【0007】
また、前記指先収納部を形成する垂下片の内側には、指先滑走曲面を形成したものである。
【0008】
さらに、前記指先収納部を形成する立上り壁は、上部が前記指先滑走曲面側に向って傾斜する案内面を形成したものである。
【0009】
そして、前記指先滑走曲面は、r=5mm〜12mmの範囲内に設定したものである。
【0010】
加えて、前記垂下片は断熱板に一体成形したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明のワックス用アイロンの断面図、図2は同じく水平状態の外観斜視図、図3は同じく自立状態の外観斜視図、図4は同じく自立状態の側面図である。
【0012】
(1)はアイロン本体、(2)はヒータ(3)を埋設固定した平面形状が略長方形を呈するダイキャスト製のベースで、上部には複数個の固定ボス(4)(4)…を形成し、周囲には立上り壁(5)を一体に形成しており、さらに後部の立上り壁(5)には図1に示す様に案内面(6)を形成している。
【0013】
前記案内面(6)は後述する断熱板に形成した指先滑走曲面(10)側に向って傾斜している。
【0014】
(7)は前記ベース(2)の上面に固定したベース温度を設定するサーモスタット、(8)は前記ベース(2)の上方に配設し固定ボス(4)(4)…によりベース(2)に固定した合成樹脂製の断熱板で、図1に示す様に後部には水平方向から斜め下方に延設する垂下片(9)を一体に形成している。この垂下片の内側には半径(r)が5mm〜12mmの指先滑走曲面(10)を形成しており、この寸法は専門的にスキーやボードの板にワックスを塗布して滑走する年令層を小学生から成人を一応の基準に設定したものである。
【0015】
即ち、半径(r)を5mm〜12mmに設定することで、統計的に小学生の人差指や成人の人差指の指先の内側と自然に一致することとなる。
【0016】
(11)は前記断熱板(8)の上方に固定した握り部を有する把手で、握り部の下部には前記サーモスタット(7)の調節ツマミ(12)を配設している。
【0017】
斯して、前記ベース(2)の後部の立上り壁(5)と垂下片(9)との間の図3に示す後部領域には指先収納部(13)を形成する。
【0018】
次に使用状態について述べる。あらかじめヒータ(3)を発熱させてベース(2)をサーモスタット(12)により設定した温度まで上昇させる。その後、固形ワックスをベース(2)に押し当ててワックスを溶融し液状化した状態でスキー板やボードの滑走面にたらし、把手(11)を持ちアイロン本体をベース(2)を滑走面に沿って前後に移動させワックスをまんべんなく滑走面に伸ばす。
【0019】
ワックス塗布中の小休止や作業終了直後には、図4に示す様にアイロン本体の把手後部及び垂下片(9)の後壁をテーブル上に置くわけであるが、この状態ではベース(2)の温度が高くワックスが液状となっている。このため、ワックスはベース面に沿って垂れ下がり、案内面(6)に沿って指先収納部(13)に入り込み凝固する。
【0020】
ここで凝固する理由を述べると、ワックス塗布中や作業終了直後にはベース面の温度が高いためにワックスの温度も高く液状となっている。一方、断熱板(8)はもともとベースよりも温度が低く、特にベースから離れた位置にある垂下片(9)の温度はかなり低くなっている。このため、ベース面を伝って流れ落ちた液状のワックスは図4に示す様に案内面(6)から離れた時点で比較的温度の低い指先収納部(13)に入るため時間の経過と共に凝固する。
【0021】
仮に、液状のワックスが指先収納部(13)に入ったとしてもワックス掛けの作業が終了した後では自立状態にあるベースの温度は徐々に低下し凝固する。
【0022】
指先収納部(13)内に溜ったワックスは、仮に指先収納部(13)からあふれ出る程度の量となった時に、例えば人差指の指先の内側を指先滑走曲面(10)に沿って移動させ指先収納部から外側に導き出して別途用意した容器(図示せず)に落下し収容する。
【0023】
勿論、凝固した状態のワックスを取り除く際にも同様の手順で容器内に落下して収容する。
【0024】
【発明の効果】
以上の様に本発明は、垂下片と立上り壁との間に指先収納部を設けたものであるから、余分なワックスは指先収納部内に溜め床面やテーブルに落下するのを防止することができると共に、この指先収納部内に溜ったワックスは指先を指先収納部内に当てがい移動させ取り除くことができる。
【0025】
また、前記指先収納部を形成する垂下片の内側に指先滑走曲面を形成したものであるから、指先収納部内に入れた指は滑走曲面に沿ってワックスを滑らかに移動させ取り除くことができる。
【0026】
さらに、ベースの立上り壁には、上部が指先滑走曲面側に向って傾斜する案内面を形成したものであるから、ベース面に沿って落下するワックスを案内面に沿ってスムースに指先収納部内に導くことができ、ベースの後端で直接床面やテーブルに落下するのを未然に防止する。また、この案内面はベースをスキー板やボードの滑走面に沿って移動する際にベースの後端がスキー板やボードに引っ掛らずキズがつくのを防止する。
【0027】
そして、指先滑走曲面の半径を5mm〜12mmの範囲に設定したものであるから、統計的にスキーやボードを本格的に行うことが多い小学生から止めることが多い60才までの標準的な成人の指先内側のサイズに沿ったものとなり指先収納部のワックスを簡単に取り出すことができる。
【0028】
加えて、垂下片は断熱板と一体成形して設けたものであるから、自ずと垂下片と断熱板との接合部が不要となり、その結果、指先収納部内に流れ込んだ液状のワックスが指先収納部から漏れ出て把手内や断熱板の上面に流れ込むことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワックス用アイロンの断面図である。
【図2】同じく水平状態の外観斜視図である。
【図3】同じく自立状態の外観斜視図である。
【図4】同じく自立状態の側面図である。
【符号の説明】
1 アイロン本体
2 ベース
3 ヒータ
5 立上り壁
6 案内面
8 断熱板
9 垂下片
10 指先滑走曲面
11 把手
13 指先収納部
Claims (5)
- ヒータを有し少なくとも後部に立上り壁を形成したベースと、前記ベースの上方に設けた断熱板と、前記断熱板の上方に固定した把手とを備え、前記断熱板或は把手の後部に垂下片を一体成形し、この垂下片と前記立上り壁との間に指先収納部を形成したことを特徴とするワックス用アイロン。
- 前記指先収納部を形成する垂下片の内側には、指先滑走曲面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のワックス用アイロン。
- 前記指先収納部を形成する立上り壁は、上部が前記指先滑走曲面側に向って傾斜する案内面を形成したことを特徴とする請求項1と2のワックス用アイロン。
- 前記指先滑走曲面は、r=5mm〜12mmの範囲内に設定したことを特徴とする請求項2に記載のワックス用アイロン。
- 前記垂下片は断熱板に一体成形したことを特徴とする請求項1に記載のワックス用アイロン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030333A JP2004236907A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | ワックス用アイロン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003030333A JP2004236907A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | ワックス用アイロン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004236907A true JP2004236907A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32957251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003030333A Pending JP2004236907A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | ワックス用アイロン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004236907A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013081612A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Heat Tec:Kk | ワクシング用ヒータ |
JP2016135288A (ja) * | 2016-03-18 | 2016-07-28 | ジャイロテクノロジー株式会社 | ワクシング用ヒータ |
WO2022030051A1 (ja) * | 2020-08-04 | 2022-02-10 | 株式会社成光工業 | ワックス塗布装置 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030333A patent/JP2004236907A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016135288A (ja) * | 2016-03-18 | 2016-07-28 | ジャイロテクノロジー株式会社 | ワクシング用ヒータ |
WO2022030051A1 (ja) * | 2020-08-04 | 2022-02-10 | 株式会社成光工業 | ワックス塗布装置 |
JP7005088B1 (ja) * | 2020-08-04 | 2022-02-14 | 株式会社成光工業 | ワックス塗布装置 |
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