JP3626428B2 - ワックスアイロン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキー板の裏面にワックスを溶かして塗布するようにしたワックスアイロンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スキー板の滑りを良好にするためにスキー板の裏面である滑走面に、ワックスを塗布することが行われている。ワックスを塗布する場合は、ワックスをアイロンで溶かしてスキー板の裏面にむらなくのばすように塗布している。このように、ワックスを塗布するワックスアイロンの従来の構成例を図7に示す。
図7に示すワックスアイロン100はアイロン本体102と、アイロン本体102の下部に設けられた金属製の発熱部103と、アイロン本体102の上部に設けられているワックスアイロン100を把持するための把持部105とを有している。また、発熱部103にはヒータが内蔵されており、ヒータにより所定の温度になるように発熱部103は加熱されている。発熱部103の温度は、アイロン本体102に設けられている温度調整つまみ104を回転操作することにより任意の温度に調整することができるようにされている。
【0003】
また、発熱部103における裏面であるアイロンかけ面103bは、図8に示すように一端が鋭く形成された略5角形とされている。このようなワックスアイロン100によりワックスをスキー板の滑走面に塗布する場合は、温度調整つまみ104を調整してワックスを溶かすことのできる温度に設定して、ワックスアイロン100に通電する。次いで、ワックスアイロン100の発熱部103が設定された温度まで上昇したら、アイロンかけ面103bにワックスを当接させることによりワックスを溶かし、固定されているスキー板の滑走面に所定量滴下する。続いて、ワックスが滴下されているスキー板の滑走面にワックスアイロン100を載置して、ワックスを溶かしながら均等にのばすようにワックスアイロン100を移動させていく。これにより、ワックスをスキー板の滑走面に塗布することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ワックスアイロン100によりワックスをスキー板の滑走面に塗布する様子を図11に示す。ワックスアイロン100は、スキー板10の延伸方向に略直交するように載置され、スキー板10の滑走面に滴下されているワックス11を溶かしながら矢印で示す方向に移動させていくものとする。すると、ワックスアイロン100における発熱部103からの放射熱により溶けたワックス11が、ワックスアイロン100の移動に伴い発熱部103の側面に沿って流れていくようになる。発熱部103の側面の形状は、図8に示すように凸状の形状とされていることから発熱部103の側面に沿って流れていくワックス11は、スキー板10の両側に移動して下に落下してしまうようになる。従って、ワックス11が無駄になるという問題点があった。
【0005】
また、ワックス11は雪質によって異なる種類のワックスが使用されるようになる。さらに、異なる種類のワックスを混合して塗布することも行われている。なお、異なる種類のワックスでは、その融点も異なるようになる。ここで、2種類のワックス11を混合して塗布する場合は、アイロンかけ面103bに2種類のワックス11をそれぞれ当接させることにより溶かし、固定されているスキー板10の滑走面に所定量それぞれ滴下するようにする。続いて、2種類のワックス11が滴下されているスキー板10の滑走面にワックスアイロン100を載置して、ワックスを溶かしながら混合して均等にのばすようにワックスアイロン100を移動させて塗布する。
【0006】
しかしながら、2種類のワックスは融点が異なっており、ワックスアイロン100における発熱部113の設定温度は融点の高いワックスに合わせる必要があることから、2種類のワックスが溶けた際に融点の低い方のワックスの流動性が高くなる。すると、融点の低い方のワックス11が移動しやすくなることからスキー板10の両側から落下しやすく、融点の高い方のワックス11だけがスキー板10の滑走面に残りやすくなる。この結果、2種類のワックス11を均一に混合して塗布することが困難になるという問題点があった。
また、従来のワックスアイロン100においては、発熱部の形状は図8に示す形状の他に、図9あるいは図10に示す形状とされている。図9に示す発熱部113では、アイロンかけ面113bが楕円形状に形成されている。また、図10に示す発熱部123では、アイロンかけ面123bが矩形状に形成されている。このように、アイロンかけ面113b、123bを楕円形状や矩形状としても、上記した問題点を解決することはできない。
【0007】
そこで、本発明はワックスを無駄にすることがないと共に、容易に混合して塗布することのできるワックスアイロンを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のワックスアイロンは、アイロン本体の下部に発熱部が設けられており、該発熱部により溶かした複数種類のワックスをスキー板の滑走面に塗布するようにされているワックスアイロンであって、前記発熱部は略矩形状に形成されており、前記発熱部により溶けた複数種類のワックスが貯留され、混合可能なように形成された凹状のアーチ部が、ワックスを前記塗布していく方向に対して略直交して配置される前記発熱部の側面に形成されている。
【0009】
このような本発明によれば、発熱部により溶けたワックスが貯留される凹状のアーチ部が発熱部の側面に形成されていることから、ワックスを塗布する際にスキー板からワックスが落下することが防止されて、ワックスの無駄をなくすことができる。さらに、複数種類のワックスが溶けた状態でアーチ部に貯留されることから、複数種類のワックスが容易に混合されて塗布されるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの構成を図1ないし図5に示す。ただし、図1は本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの斜視図であり、図2はその平面図であり、図3はその底面図であり、図4はその上面図であり、図5はその側面図である。
これらの図に示すように、本発明にかかるワックスアイロン1はユリア樹脂やメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂製とされているアイロン本体2と、アイロン本体2の下部に設けられた例えば、アルミニウム等の金属製とされている発熱部3と、ワックスアイロン1を把持するためのアイロン本体2の上部に設けられている樹脂製の把持部5とを有している。また、発熱部3には、例えば800Wのヒータが内蔵されており、このヒータにより所定の温度になるように発熱部3は加熱されている。発熱部3の温度は、アイロン本体2に設けられている温度調整つまみ4を回転操作することにより任意の温度に調整することができるようにされている。調整することのできる最高温度は、例えば約180℃とされている。これは、種々のワックスにおける融点の最高温度が約160℃とされているからである。
【0011】
また、発熱部3における裏面であるアイロンかけ面3bは、図3に示されているように全体は略矩形状とされているが、その長軸方向の両側面に凹状のアーチ部3aが形成されている。このアーチ部3aは、本発明にかかるワックスアイロン1における特徴的な構成であり、アーチ部3aの曲率半径は例えば400mmとされている。ただし、この曲率半径に限らず後述するように溶けたワックスが貯留される曲率半径であればよい。
【0012】
このような本発明にかかるワックスアイロン1によりワックスをスキー板の滑走面に塗布する場合は、温度調整つまみ4を調整して使用するワックスを溶かすことのできる温度に設定して、ワックスアイロン1に通電する。この場合、ワックスアイロン1はAC100V〜AC240Vの商用電源に対応している。次いで、ワックスアイロン1の発熱部3が設定された温度まで上昇したら、アイロンかけ面3bにワックスを当接させて溶かすことにより、固定されているスキー板の滑走面に所定量滴下する。続いて、ワックスが滴下されているスキー板の滑走面にワックスアイロン1を載置して、滴下されているワックスを溶かしながら均等にのばすようにワックスアイロン1を移動させていく。これにより、ワックスをスキー板の滑走面に塗布することができる。
【0013】
ワックスアイロン1によりワックスをスキー板の滑走面に塗布する様子を図6に示す。
図6に示すようにワックスアイロン1は、スキー板10の延伸方向に略直交するように載置され、スキー板10の滑走面に滴下されているワックス11を溶かしながら矢印で示す方向に移動させていくものとする。すると、ワックスアイロン1における発熱部3からの放射熱により溶けたワックス11が、ワックスアイロン1の移動に伴いスキー板10の滑走面に塗布されると共に、残るワックス11は発熱部3の側面に形成されたアーチ部3aに貯留するようになる。これにより、溶けたワックス11は、スキー板10の両側から下に落下しないようになる。これにより、ワックス11を有効に使用することができるようになる。
【0014】
次に、2種類のワックス11を混合して塗布する場合について説明する。この場合は、アイロンかけ面3bに順次当接させることにより溶かした2種類のワックス11を所定量ずつ固定されているスキー板10の滑走面に滴下する。続いて、2種類のワックス11が滴下されているスキー板10の滑走面に、図6に示すようにワックスアイロン1を載置して、図示する方向に移動させると2種類のワックス11が溶けてアーチ部3aに貯留することにより混合するようになる。この混合したワックス11が、ワックスアイロン1の移動に伴いスキー板10の滑走面に塗布されていく。このように、本発明のワックスアイロン1では、異なる種類のワックス11を容易に混合しながら塗布していくことができるようになる。
【0015】
なお、3種類以上の異なる種類のワックスを使用するようにしても、これらの異なる種類のワックスを容易に混合しながら塗布していくことができるようになる。
また、図1ないし図5には図示していないが、ワックスアイロン1に通電するためのコードがワックスアイロン1から導出されており、その先端にはコンセントに差し込まれるプラグが装着されている。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、発熱部により溶けたワックスが貯留される凹状のアーチ部が発熱部の側面に形成されていることから、ワックスを塗布する際にスキー板からワックスが落下することが防止されて、ワックスの無駄をなくすことができる。さらに、複数種類のワックスが溶けた状態でアーチ部に貯留されることから、複数種類のワックスが容易に混合されて塗布されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの構成を示す底面図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの構成を示す上面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンの構成を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかるワックスアイロンによりスキー板にワックスを塗布する様子を示す図である。
【図7】従来のワックスアイロンの構成を示す平面図である。
【図8】従来のワックスアイロンの構成を示す底面図である。
【図9】従来のワックスアイロンにおける発熱部の他の形状を示す図である。
【図10】従来のワックスアイロンにおける発熱部のさらに他の形状を示す図である。
【図11】従来のワックスアイロンによりスキー板にワックスを塗布する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 ワックスアイロン、2 アイロン本体、3 発熱部、3a アーチ部、3bアイロンかけ面、5 把持部、10 スキー板、11 ワックス、100 ワックスアイロン、102 アイロン本体、103 発熱部、103b アイロンかけ面、105 把持部、113 発熱部、113b アイロンかけ面、123
発熱部、123b アイロンかけ面
Claims (1)
- アイロン本体の下部に発熱部が設けられており、該発熱部により溶かした複数種類のワックスをスキー板の滑走面に塗布するようにされているワックスアイロンであって、前記発熱部は略矩形状に形成されており、前記発熱部により溶けた複数種類のワックスが貯留され、混合可能なように形成された凹状のアーチ部が、ワックスを前記塗布していく方向に対して略直交して配置される前記発熱部の側面に形成されていることを特徴とするワックスアイロン。
Priority Applications (1)
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JP2001180128A JP3626428B2 (ja) | 2001-06-14 | 2001-06-14 | ワックスアイロン |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JP2002370062A JP2002370062A (ja) | 2002-12-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001180128A Expired - Fee Related JP3626428B2 (ja) | 2001-06-14 | 2001-06-14 | ワックスアイロン |
Country Status (1)
Country | Link |
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2001
- 2001-06-14 JP JP2001180128A patent/JP3626428B2/ja not_active Expired - Fee Related
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