JP2004236263A - パケット通信品質測定方法および遅延算出装置 - Google Patents
パケット通信品質測定方法および遅延算出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】再送制御を含むパケット通信品質が得られるようにする。
【解決手段】遅延算出装置121で、パス入口とパス出口における通過時刻の差から当該測定対象パケットの遅延時間として算出し、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケット遅延分布を算出する。また遅延算出装置221で、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケット以外のパケットを試験パケットごとに分類しそのパケット数を重みとするとともに、その試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】遅延算出装置121で、パス入口とパス出口における通過時刻の差から当該測定対象パケットの遅延時間として算出し、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケット遅延分布を算出する。また遅延算出装置221で、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケット以外のパケットを試験パケットごとに分類しそのパケット数を重みとするとともに、その試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット通信品質測定方法および遅延算出装置に関し、特に上位レイヤによる再送制御が行われるパケットフローのパケット通信品質を測定するパケット通信品質測定方法および遅延算出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パケット通信網の通信品質として、例えば網の遅延分布、パケットの遅延分布や損失率などを測定するパケット通信品質測定方法があった。網の遅延分布測定方式としてはアクティブ測定方式が知られており、パケットの遅延分布測定方式としてはパッシブ測定方式や測度変換型測定方式が知られている。
アクティブ測定方式による網の遅延分布測定は、間欠的に試験パケットを送信するエージェントとその試験パケットを受信するエージェントとを網内に配備し、試験パケット自身の通信品質からエージェント間の網品質を推定する方式である(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
パッシブ測定方式によるパケットの遅延分布測定は、パケット通信網内の所望のノードまたはリンクを通過するパケットを監視し、その監視結果から各パケットの品質を算出する方式である(例えば、特許文献2など参照)。
また、測度変換型品質測定方式によるパケットの遅延分布測定は、アクティブ測定による試験パケット遅延測定結果に対し、その試験パケットの時間近傍のユーザパケット数で重み付けし、ユーザパケットの遅延分布を推定する方式である(例えば、非特許文献1など参照)。
【0004】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−176239号公報
【特許文献2】
特開2001−53792号公報
【非特許文献1】
石橋、金澤、会田、”アクティブ/パッシブ測定の連携による測度変換型品質測定技術の提案”、信学技報IN2001−72(2001−09)、電子情報通信学会
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
パケット通信網では、一般に、端末間でパケットをやり取りする際、そのパケットフローの開始から終了までデータ通信の信頼性を確保するため、未到達パケットに対するエラー検出とその回復すなわち再送とを行う再送制御(あるいはフロー制御)が行われる。例えば、TCPでは、受信側端末で送信側端末からのパケットを受信した際、その受信を確認通知により送信側端末へ通知する。これにより、送信側端末で当該パケットの送達完了を確認する。また、パケット送信から所定のタイムアウト時間内に確認通知がなかった場合、当該パケットは未送達となりエラーが発生したと判断し、当該パケットを再送するものとなっている。したがって、エラーが発生した場合、通信パス上を同一のパケットが複数回繰り返して転送されることになる。
【0007】
しかしながら、このような従来のパケット通信品質測定方法では、いずれの方法も、測定期間において試験対象フローでやり取りされたすべてのユーザパケットを品質測定の対象としている。このため、対象となるユーザパケットには再送制御により破棄されたパケットも含まれることになり、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質を得ることができないという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られるパケット通信品質測定方法および遅延算出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかるパケット通信品質測定方法は、パケット通信網を経由する測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローについて、そのパケットフローを構成する各測定対象パケットの遅延時間を算出し、所定期間内にやり取りした各測定対象パケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するパケット通信品質測定方法において、測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出するステップと、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを備えるものである。
【0009】
また、本発明にかかる他のパケット通信品質測定方法は、パケット通信網上の測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローとともに、測定対象パスの入口から出口まで試験パケットを送信し、パケットフローのうち試験パケットの所定の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットに基づき、試験パケットの遅延時間に対して重み付けを行うことにより、試験パケットで測度変換したパケットフローのパケット遅延分布を算出するパケット通信品質測定方法において、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットを対応する試験パケットごとに分類して計数し、そのパケット数を当該試験パケットの重みとするとともに、当該試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを備えるものである。
【0010】
この際、被再送パケットを判定するステップで、各測定対象パケットの通過時刻に基づく時系列順と、各測定対象パケットのパケットフロー内での順序位置とを比較し、その相違に基づき被再送パケットを判定するようにしてもよい。
【0011】
あるいは、各測定対象パケットは、パケットフロー内における順序位置を示す識別子を有し、被再送パケットを判定するステップとして、各測定対象パケットを当該通過時刻に基づき時系列順に並び替えるステップと、並び替え後の各測定対象パケットのうち、当該測定対象パケットの識別子に基づく順序位置が逆転している逆転箇所を検出するステップと、逆転箇所の直後に位置する測定対象パケットと同一の識別子を有する同一測定対象パケットを、逆転箇所以前の測定対象パケットから検索するステップと、並び替え後の各測定対象パケットのうち、検索された同一測定対象パケットから逆転箇所の直前までのパケットを被再送パケットとして判定するステップとを設けてもよい。
【0012】
また、本発明にかかる遅延算出装置は、パケット通信網を経由する測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローについて、そのパケットフローを構成する各測定対象パケットの遅延時間を算出し、所定期間内にやり取りした各測定対象パケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延算出装置において、測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出する遅延情報生成手段と、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する被再送パケット判定手段と、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延分布算出手段とを備えるものである。
【0013】
また、本発明にかかる遅延算出装置は、パケット通信網上の測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローとともに、測定対象パスの入口から出口まで試験パケットを送信し、パケットフローのうち試験パケットの所定の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットに基づき、試験パケットの遅延時間に対して重み付けを行うことにより、試験パケットで測度変換したパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延算出装置において、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する被再送パケット判定手段と、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットを対応する試験パケットごとに分類して計数し、そのパケット数を当該試験パケットの重みとするとともに、当該試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延分布算出手段とを備えるものである。
【0014】
この際、被再送パケット判定手段で、各測定対象パケットの通過時刻に基づく時系列順と、各測定対象パケットのパケットフロー内での順序位置とを比較し、その相違に基づき被再送パケットを判定するようにしてもよい。
【0015】
あるいは、各測定対象パケットとして、パケットフロー内における順序位置を示す識別子を有し、被再送パケット判定手段で、各測定対象パケットを当該通過時刻に基づき時系列順に並び替え、並び替え後の各測定対象パケットのうち、当該測定対象パケットの識別子に基づく順序位置が逆転している逆転箇所を検出し、逆転箇所の直後に位置する測定対象パケットと同一の識別子を有する同一測定対象パケットを、逆転箇所以前の測定対象パケットから検索し、並び替え後の各測定対象パケットのうち、検索された同一測定対象パケットから逆転箇所の直前までのパケットを被再送パケットとして判定するようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムについて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示す図である。
このパケット通信品質測定システムは、パッシブ品質測定方式に本発明を適用した例である。このシステムには、複数のパッシブ測定プローブ111、112と、遅延算出装置121とが設けられている。以下では、パケット通信網131を経由する測定対象パス132を介して端末101、102間で再送制御付きのデータ通信を行い、そのときの遅延分布をこのパケット通信品質測定システムを用いて求める場合を例として説明する。
【0017】
パッシブ測定プローブ111、112は、それぞれ端末101、102とパケット通信網131との間を結ぶリンクに接続されており、これらリンクすなわち観測点を通過するパケットすなわち測定対象パス132に入出するパケットを取得する。このパケットの取得は、例えばリンクに物理レイヤの分岐装置を接続し、全ての通過パケットをパッシブ測定プローブヘ引き込む方法などにより実現できる。
パッシブ測定プローブ111、112と遅延算出装置121の間は、それぞれ所定の通信網を介して接続されており、パケットフロー遅延の測定に必要な各種情報がやり取りされる。
【0018】
パッシブ測定プローブ111、112は、それぞれ端末101、102に接続された観測点を通過するパケットを取得し、そのパケットのうち測定対象フローを構成するパケットすなわち測定対象パケットに含まれるヘッダ情報および識別子とそのパケットの取得時刻すなわち通過時刻との対を、パケット観測情報141,142として遅延算出装置121に送信する機能を持つ。
識別子としては、測定対象パケットのヘッダ部などに新たに追加してもよいが、パケットフローの再送制御に用いられる、当該パケットフロー内での順序位置を示す順序情報を兼用することにより、新たな情報を追加することなく、再送された同一の測定対象パケットを遅延算出装置121識別できる。
【0019】
遅延算出装置121は、パッシブ測定プローブ111,112から得られたパケット観測情報141,142を参照して、各測定対象パケットの遅延時間を算出するとともに、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する。
そして、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0020】
図2は遅延算出装置121の構成を示すブロック図である。この遅延算出装置121は、全体として通信機能を有するコンピュータから構成されており、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、画面表示部12、操作入力部13、記憶部14、および制御部15が設けられている。
通信I/F部11は、パッシブ測定プローブ111,112とデータ通信を行う回路部である。画面表示部12は、得られた測定結果などの各種情報を画面表示するCRTやLCDなどの表示装置である。操作入力部13は、利用者の操作を入力するキーボードやマウスなどの操作入力装置である。記憶部14は、制御部15で用いる各種情報やプログラム14Bを記憶するハードディスクやメモリなどの記憶装置である。
【0021】
制御部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部14のプログラム14Bを実行することにより、上記ハードウェアと協働して各種機能手段を実現する機能部である。
制御部15には、各種機能手段として、遅延情報生成手段15A、被再送パケット判定手段15Bおよび遅延分布算出手段15Cが設けられている。
【0022】
遅延情報生成手段15Aは、パッシブ測定プローブ111から受信したパケット観測情報141に含まれるヘッダ情報と、パッシブ測定プローブ112から受信したパケット観測情報142に含まれるヘッダ情報とが一致するものを検索し、そのヘッダ情報と組になっているそれぞれの通過時刻の差から、そのヘッダ情報に対応する測定対象パケットがパケット通信網131で受けた遅延時間Dを求め、その遅延時間Dと、そのヘッダ情報と組になっている識別子とを対にして、パケット遅延情報14Aとして記憶部14に格納する。
なお、タイムスタンプとして、パッシブ測定プローブ111での通過時刻を用いてもよいし、パッシブ測定プローブ112での通過時刻を用いてもよい。
【0023】
被再送パケット判定手段15Bは、遅延情報生成手段15Aで得られたパケット遅延情報14Aを、例えばパッシブ測定プローブ111またはパッシブ測定プローブ112で得られた通過時刻をタイムスタンプとして時系列順に並び替え、当該パケットフロー内での順序位置を示す識別子の順序が逆転している箇所を探す。
そして、逆転している箇所を見つけると、その逆転箇所の直後に位置する識別子と同一の識別子をその逆転箇所から遡って検索し、検索した同一識別子から逆転箇所までの間に位置する被再送パケットと判断する。これは、パケット通信で用いられる再送制御は、正常に届かなかったパケットが発生した場合、そのパケット以降のパケットを順に再送する手順を取っていることから、同一識別子が見つかった場合には、その間に送信されたパケットはその後に再送されている被再送パケットと判断できる。
【0024】
被再送パケット判定手段15Bは、このようにして判定した被再送パケットの識別子と遅延時間をパケット遅延情報14Aから無効化ここでは消去し、その逆転箇所以降について被再送パケットの判定処理を繰り返し行う。
遅延分布算出手段15Cは、記憶部14のパケット遅延情報14Aを参照して、所定期間内にやり取りした各測定対象パケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0025】
なお、別の実装形態として、被再送パケット判定手段15Bでは、上記手順において、同一識別子が見つかった時点で、その同一識別子および遅延時間を逆転箇所直後の識別子および遅延時間で置換するとともに、逆転箇所直後の識別子および遅延時間を削除して、同一識別子が見つかった場所から時系列順に新たな逆転箇所の検索を繰り返すことにより、各被再送パケットを個々に判定し消去するようにしてもよい。
また、識別子を遡って検索する範囲は、限定してもよい。例えば、所定の個数まで遡ってもよいし、識別子とともにタイムスタンプを記憶しておき、所定時間まで遡ってもよい。
【0026】
次に、図1〜5を参照して、本実施の形態にかかるパケット品質測定測定システムの動作について説明する。
図3は本実施の形態にかかるパケット品質測定システムでの遅延分布算出処理を示すフローチャートである。図4は遅延算出装置121で得られるパケット遅延情報14Aの例である。図5はパケット通信品質測定時のパケットフローを示すシーケンス図である。
【0027】
ここでは、パケット通信網131がIP網からなり、フローがTCPのフローで、再送制御に用いられる識別子はTCPのシーケンスナンバであり、端末101からパケット通信網131の測定対象パス132を介して端末102へ送られるパケットフローに含まれるパケットのパケットフロー遅延分布を求める場合を例に説明する。
なお、パッシブ測定プローブ111、112は、時刻同期させてあるものとし、例えばGPSからの情報を用いて時刻同期させることができる。
【0028】
まず、パッシブ測定プローブ111、112は、所定期間にわたり、観測点を通過するパケットすべてを取得し、取得したパケットのうち、測定対象フローのパケットを選択する。ここで、測定対象フローは複数でもよい。複数の場合、これらをそれぞれ個別に処理してフローごと品質を求めてもよいし、まとめて処理して、複数フローまとめた品質を求めてもよい。
選択された測定対象パケットから、例えばIPヘッダ内のIDフィールドおよびオフセットフィールドからなるヘッダ情報と、例えばTCPヘッダ内のシーケンスナンバからなる識別子と、そのパケットの通過時刻の組を構成し、パケット観測情報141,142として遅延算出装置121に送信する。
【0029】
遅延算出装置121は、制御部15の遅延情報生成手段15Aにより、パッシブ測定プローブ111、112から受信したパケット観測情報141,142に含まれるヘッダ情報を用いて、同一測定対象パケットを識別し、パッシブ測定プローブ111と112で得られたそれらパケットの通過時刻をそれぞれ取得する。
そして、これら通過時刻の差から当該パケットの遅延時間Dを算出し、そのパケットの識別子と対にして、パケット遅延情報14Aとして記憶部14へ格納する(ステップ100)。これを、所定期間繰り返し、フローに含まれる測定対象パケットの遅延時間Dと識別子の対の時系列である図4のパケット遅延情報14Aを得たものとする。
【0030】
次に、遅延算出装置121は、制御部15の被再送パケット判定手段15Bにより、パケット遅延情報14Aを時系列順に並び替え(ステップ101)、識別子の順序逆転が生じる箇所Pを検索する(ステップ102)。
ここで、逆転箇所Pが見つかった場合は(ステップ102:YES)、その逆転箇所Pの直後の識別子Aと同一の識別子を、逆転箇所Pより前の識別子を遡って検索する(ステップ103)。
例えば図4では、4行目の識別子「#4000」と5行目の識別子「#2000」で順序逆転が生じており、その境目が逆転箇所Pであり、5行目の識別子「#2000」が識別子Aとなる。そして、識別子Aより上側の各識別子から、2行目の識別子「#2000」が識別子Aと同一の識別子Bとして検索される。
【0031】
そして、検索された同一識別子Bから逆転箇所Pまでのパケットを被再送パケットであると判定して無効化し(ステップ104)、逆転箇所P以降について次の逆転箇所の検索を開始し(ステップ105)、ステップ102へ戻る。これにより、図4では、2行目〜4行目の測定対象パケットが被再送パケットと判定されて無効化される。
このようにして、パケット遅延情報14Aの各測定対象パケットについて被再送パケットかどうか判定が行われ、ステップ102において、逆転箇所Pが見つからなかった場合は(ステップ102:NO)、遅延分布算出手段15Cにより、各測定対象パケットのうち、被再送パケットと判定されたパケット以外のパケットに基づき、パケットの遅延分布を算出し(ステップ106)、一連の遅延分布算出処理を終了する。
【0032】
図4の例では、各測定対象パケットのうち、被再送パケットと判定されたパケット以外のパケットは6個となり、それぞれの遅延時間Dとそのパケット数すなわち重みの割合を示す遅延分布として、P{遅延=50}=1/6、P{遅延=100}=2/6、P{遅延=150}=2/6、P{遅延=200}=1/6という結果が得られる。
なお、ステップ104での無効化については、被再送パケットと判定されたパケットの識別子および遅延時間をパケット遅延情報14Aから削除してもよく、パケット遅延情報14Aに無効化有無を示す情報を付加してもよい。
【0033】
また、別の実装形態として、ステップ104において、同一識別子Bおよびその遅延時間を識別子Aおよびその遅延時間と置換するとともに、元の識別子Aおよび遅延時間を削除し、ステップ105で置換した識別子A以降から逆転箇所の検索を開始するようにしてもよい。
この場合には、図4の2行目の識別子「#2000」が5行目の識別子「#2000」で置換されるとともに5行目が削除される。その後、3行目から検索が再開され、4行目の識別子「#4000」と新たな5行目の識別子「#3000」との間で逆転箇所Pを検出する。そして、新たな5行目を識別子Aとして3行目の識別子Bが検出され、3行目の識別子「#3000」が新たな5行目の識別子「#3000」で置換されるとともに新たな5行目が削除される。このようにして処理が繰り返され、結果として図4の2行目〜5行目が被再送パケットとして無効化ここでは削除される。
【0034】
このように、試験対象フローを構成する各測定対象パケットについて、測定対象パス132に対する入時刻と出時刻との差に基づき遅延時間を算出し、これら各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定し、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するようにしたので、被再送パケットすなわち再送制御により廃棄されたユーザパケットがパケット通信品質の測定対象から除外できる。
これにより、パッシブ品質測定方式において、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られる。
【0035】
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムについて説明する。図6は、本発明の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示す図である。
このパケット通信品質測定システムは、測度変換型品質測定方式に本発明を適用した例である。このシステムには、複数の品質測定装置241、242、パッシブ測定プローブ211、遅延算出装置221が設けられており、これら装置が互いに所定の通信網を介して接続されており、測定に必要な各種情報がやり取りされる。
【0036】
品質測定装置241、242は、当該品質測定装置と対になる他方の品質測定装置ヘ、パケット通信網231を経由して端末201,202間を結ぶ測定対象パス232を介して所定の試験パケットを送信する機能と、他方の品質測定装置から受信した試験パケットに関する受信状況を遅延算出装置221へ通知する機能とを有し、これらの機能を切り替えて品質測定を行う。
この場合、品質測定装置241、242が送信するパケットには、当該パケットが試験パケットであることを示し他の試験パケットと区別できる試験パケット識別子が付与されており、この試験パケット識別子により他のユーザパケットと区別して検出される。試験パケット識別子としては、パケットヘッダ内の空きフィールドに特定の値を書く方法、パケットペイロードの特定の位置に特定の値を書く方法、等が挙げられる。
【0037】
品質測定装置241、242、パッシブ測定プローブ211、遅延算出装置221は、この試験パケット識別子を識別できる。
品質測定装置241、242は、所定の間隔で試験パケットを対となる他方の品質測定装置へ測定対象パス232を介して送信する。その際、試験パケットには送信時刻を試験パケット識別子とともに記述しておく。また、試験パケットを受信すると、受信した試験パケットに記述された送信時刻と、自装置での受信時刻との差から、その試験パケットの遅延時間Dを算出し、試験パケット識別子と対にして遅延算出装置221へ試験パケット観測情報251,252として送信する。
【0038】
パッシブ測定プローブ211は、端末201とパケット通信網231とを接続するリンクすなわち観測点を通過するパケットすべてを取得し、取得したパケットのうち測定対象フローを構成するパケットであって所定の条件を満たすものを測定対象パケットとして抽出するとともに、試験パケットを抽出する。
そして、その測定対象パケットの識別子または試験パケット識別子を、そのパケットの取得時刻すなわち通過時刻Tと対にして、遅延算出装置221へパケット観測情報261として送信する。
【0039】
上記所定の条件としては、通過時刻Tが何れかの試験パケット通過時刻の時間近傍であること、としてもよい。この時間近傍の範囲は、試験パケット通過時刻の前後で時間幅が異なってもよく、これら時間幅が等しくてもよい。例えば、試験パケット取得前0秒から試験パケット取得後500ミリ秒までとしてもよい。また、識別子としては、測定対象パケットのヘッダ情報に新たに追加してもよいが、パケットフローの再送制御に用いられる、当該パケットフロー内での順序位置を示す順序情報を兼用することにより、新たな情報を追加することなく、再送された同一の測定対象パケットを遅延算出装置221で識別できる。
【0040】
遅延算出装置221は、品質測定装置241,242およびパッシブ測定プローブ211から受信した試験パケット観測情報251,252およびパケット観測情報261を参照して、各試験パケットの遅延時間を算出するとともに、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する。
そして、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0041】
図7は遅延算出装置221の構成を示すブロック図である。この遅延算出装置221は、全体として通信機能を有するコンピュータから構成されており、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)21、画面表示部22、操作入力部23、記憶部24、および制御部25が設けられている。
通信I/F部21は、品質測定装置241,242およびパッシブ測定プローブ211とデータ通信を行う回路部である。画面表示部22は、得られた測定結果などの各種情報を画面表示するCRTやLCDなどの表示装置である。操作入力部23は、利用者の操作を入力するキーボードやマウスなどの操作入力装置である。記憶部24は、制御部25で用いる各種情報やプログラム24Cを記憶するハードディスクやメモリなどの記憶装置である。
【0042】
制御部25は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部24のプログラム24Cを実行することにより、上記ハードウェアと協働して各種機能手段を実現する機能部である。
制御部25には、各種機能手段として、遅延情報生成手段25A、被再送パケット判定手段25B、重み算出手段25Cおよび遅延分布算出手段25Dが設けられている。
遅延情報生成手段25Aは、品質測定装置241,242からの試験パケット観測情報251,252で通知された各試験パケットの遅延時間Dを、その識別子とともにパケット遅延情報24Aへ格納する。また、パッシブ測定プローブ211からのパケット観測情報261で通知された各測定対象パケットの識別子をパケット遅延情報24Aへ追記する。
【0043】
被再送パケット判定手段25Bは、遅延情報生成手段25Aで生成されたパケット遅延情報24Aを通過時刻に基づき時系列順に並び替え、これら識別子を順序が逆転している箇所を探す。
そして、逆転している箇所を見つけると、その逆転箇所の直後に位置する識別子と同一の識別子をその逆転箇所から遡って検索し、検索した同一識別子から逆転箇所までの間に位置する被再送パケットと判定する。そして、このようにして判定した被再送パケットの識別子と遅延時間をパケット遅延情報24Aから消去し、その逆転箇所以降について被再送パケットの判定処理を繰り返し行う。
【0044】
重み算出手段25Cは、パケット遅延情報24Aを参照して、被再送パケット以外の各測定対象パケットをそれぞれ対応する試験パケットごとに分類し、その分類された測定対象パケットのパケット数を重みWとし、これをパケット重み情報24Bとして記憶部24へ格納する。また、各試験パケットごとに、当該試験パケットの遅延時間Dをパケット重み情報24Bへ追記する。
遅延分布算出手段25Dは、記憶部24のパケット重み情報24Bを参照して、各試験パケットごとの遅延時間Dと重みWとに基づき、その時間近傍の測定対象パケットにより重み付けされたパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0045】
次に、図6〜11を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの動作について説明する。
図8は遅延算出装置221で得られるパケット遅延情報24Aの例である。図9は遅延算出装置221で得られるパケット重み情報24Bの例である。図10はパケット通信品質測定時における再送制御を含むパケットフローを示すシーケンス図である。
ここでは、パケット通信網231がIP網からなり、フローの再送制御に用いられる識別子は1パケットにつき1ずつ増加する整数であり、端末201からパケット通信網231を介して端末202へ送られるパケットフローに含まれるパケットのパケットフロー遅延分布を求める場合を例に説明する。
【0046】
まず、所定の測定期間にわたり、品質測定装置241は品質測定装置242へ試験パケットを間欠的に送信する。その際、試験パケットには試験パケット識別子と送信時刻を記述する。
品質測定装置242は、試験パケットを受信すると、その試験パケットの受信時刻とその試験パケットに記述されている送信時刻との差から、その試験パケットの遅延時間Dを算出し、試験パケット観測情報252としてその試験パケット識別子とともに遅延算出装置221へ送信する。
【0047】
一方、パッシブ測定プローブ211は、上記測定期間にわたり、観測点を通過するパケットを取得し、取得した試験パケットおよび測定対象フローを構成する測定対象パケットのうち、試験パケット通過時刻の時間近傍、例えば試験パケットの通過時刻からその通過後50ミリ秒以内に取得したものを抽出し、そのパケットの識別子または試験パケット識別子と通過時刻を、パケット観測情報261として遅延算出装置221へ送信する。
【0048】
遅延算出装置221は、制御部25の遅延情報生成手段25Aにより、品質測定装置242からの試験パケット観測情報252と、パッシブ測定プローブ211からのパケット観測情報261とを基に、図8に示すパケット遅延情報24Aを作成する。
そして、被再送パケット判定手段25Bで、各測定対象パケットの観測点における通過時刻をタイムスタンプとして、このタイムスタンプに基づき時系列順に並び替えを行い、パケット遅延情報24Aに含まれる被再送パケットを判定する。なお、ここでの被再送パケットの判定方法は、前述した図3のステップ101〜105と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0049】
これにより、例えば図8では、タイムスタンプ「438」の識別子「#100」と、タイムスタンプ「493」の識別子「#90」との間にある逆転箇所Pが検索され、その直後に位置する識別子「#90」が識別子Aとして、逆転箇所Pから遡って同一の識別子が検索され、同一識別子Bとしてタイムスタンプ「361」の識別子「#90」が検索される。そして、これら同一識別子Bから逆転箇所Pまでのパケットが被再送パケットであると判定して無効化される。
【0050】
その後、遅延算出装置221は、制御部25の重み算出手段25Cにより、記憶部24のパケット遅延情報24Aから、図9に示す試験パケット重み情報24Bを作成する。
ここでは、被再送パケット以外の各測定対象パケットをそれぞれ対応する試験パケットごとに分類し、その分類された測定対象パケットのパケット数を重みWとし、これをパケット重み情報24Bとして記憶部24へ格納する。
【0051】
図9の例では、試験パケット「試1」の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットは101個(#1〜#100,#90)存在し、そのうち無効化された被再送パケットが11個(#90〜#100)あったことから、被再送パケット以外の測定対象パケットは90個となり、そのパケット数が当該試験パケットの重みWとなる。また、試験パケット「試2」に対応する測定対象パケットは110個(#91〜#200)存在し、無効化された被再送パケットがなかったので、被再送パケット以外の測定対象パケットは90個となり、そのパケット数が当該試験パケットの重みWとなる。
【0052】
そして、制御部25の遅延分布算出手段25Dで、パケット重み情報24Bの各試験パケットごとに、その遅延時間Dと重みWとから遅延分布Pを算出する。この場合、当該パケットフローの遅延分布Pとして、P{遅延=50}=110/200、P{遅延=100}=90/200が得られる。
【0053】
このように、測定対象パスを介して試験パケットを間欠的に送信し、その試験パケットの時間近傍にやり取りされた測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定し、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出するようにしたので、被再送パケットすなわち再送制御により廃棄されたユーザパケットがパケット通信品質の測定対象から除外できる。
これにより、測度変換型品質測定方式において、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出するステップと、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを設けるようにしたものである。
【0055】
また、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを設けるようにしたものである。
したがって、被再送パケットすなわち再送制御により廃棄されたユーザパケットがパケット通信品質の測定対象から除外でき、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の遅延算出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の遅延算出装置で行われるパケット通信品質算出処理を示すフローチャートである。
【図4】図1のパッシブ測定プローブで得られるパケット観測情報の例である。
【図5】図1のパケット通信品質測定例を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6の遅延算出装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図6の遅延算出装置で得られるパケット遅延情報例である。
【図9】図6の遅延算出装置で得られるパケット重み情報例である。
【図10】図6のパケット通信品質測定例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
101,102…端末、111,112…パッシブ測定プローブ、121…遅延算出装置、131…パケット通信網、132…測定対象パス、141,142…パケット観測情報、11…通信I/F部、12…画面表示部、13…操作入力部、14…記憶部、14A…パケット遅延情報、14B…プログラム、15…制御部、15A…遅延情報生成手段、15B…被再送パケット判定手段、15C…遅延分布算出手段、201,202…端末、211…パッシブ測定プローブ、221…遅延算出装置、231…パケット通信網、232…測定対象パス、241,242…品質測定装置、251,252…試験パケット観測情報、261…パケット観測情報、21…通信I/F部、22…画面表示部、23…操作入力部、24…記憶部、24A…パケット遅延情報、24B…パケット重み情報、24C…プログラム、25…制御部、25A…遅延情報生成手段、25B…被再送パケット判定手段、25C…重み算出手段、25D…遅延分布算出手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット通信品質測定方法および遅延算出装置に関し、特に上位レイヤによる再送制御が行われるパケットフローのパケット通信品質を測定するパケット通信品質測定方法および遅延算出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パケット通信網の通信品質として、例えば網の遅延分布、パケットの遅延分布や損失率などを測定するパケット通信品質測定方法があった。網の遅延分布測定方式としてはアクティブ測定方式が知られており、パケットの遅延分布測定方式としてはパッシブ測定方式や測度変換型測定方式が知られている。
アクティブ測定方式による網の遅延分布測定は、間欠的に試験パケットを送信するエージェントとその試験パケットを受信するエージェントとを網内に配備し、試験パケット自身の通信品質からエージェント間の網品質を推定する方式である(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
パッシブ測定方式によるパケットの遅延分布測定は、パケット通信網内の所望のノードまたはリンクを通過するパケットを監視し、その監視結果から各パケットの品質を算出する方式である(例えば、特許文献2など参照)。
また、測度変換型品質測定方式によるパケットの遅延分布測定は、アクティブ測定による試験パケット遅延測定結果に対し、その試験パケットの時間近傍のユーザパケット数で重み付けし、ユーザパケットの遅延分布を推定する方式である(例えば、非特許文献1など参照)。
【0004】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−176239号公報
【特許文献2】
特開2001−53792号公報
【非特許文献1】
石橋、金澤、会田、”アクティブ/パッシブ測定の連携による測度変換型品質測定技術の提案”、信学技報IN2001−72(2001−09)、電子情報通信学会
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
パケット通信網では、一般に、端末間でパケットをやり取りする際、そのパケットフローの開始から終了までデータ通信の信頼性を確保するため、未到達パケットに対するエラー検出とその回復すなわち再送とを行う再送制御(あるいはフロー制御)が行われる。例えば、TCPでは、受信側端末で送信側端末からのパケットを受信した際、その受信を確認通知により送信側端末へ通知する。これにより、送信側端末で当該パケットの送達完了を確認する。また、パケット送信から所定のタイムアウト時間内に確認通知がなかった場合、当該パケットは未送達となりエラーが発生したと判断し、当該パケットを再送するものとなっている。したがって、エラーが発生した場合、通信パス上を同一のパケットが複数回繰り返して転送されることになる。
【0007】
しかしながら、このような従来のパケット通信品質測定方法では、いずれの方法も、測定期間において試験対象フローでやり取りされたすべてのユーザパケットを品質測定の対象としている。このため、対象となるユーザパケットには再送制御により破棄されたパケットも含まれることになり、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質を得ることができないという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られるパケット通信品質測定方法および遅延算出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかるパケット通信品質測定方法は、パケット通信網を経由する測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローについて、そのパケットフローを構成する各測定対象パケットの遅延時間を算出し、所定期間内にやり取りした各測定対象パケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するパケット通信品質測定方法において、測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出するステップと、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを備えるものである。
【0009】
また、本発明にかかる他のパケット通信品質測定方法は、パケット通信網上の測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローとともに、測定対象パスの入口から出口まで試験パケットを送信し、パケットフローのうち試験パケットの所定の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットに基づき、試験パケットの遅延時間に対して重み付けを行うことにより、試験パケットで測度変換したパケットフローのパケット遅延分布を算出するパケット通信品質測定方法において、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットを対応する試験パケットごとに分類して計数し、そのパケット数を当該試験パケットの重みとするとともに、当該試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを備えるものである。
【0010】
この際、被再送パケットを判定するステップで、各測定対象パケットの通過時刻に基づく時系列順と、各測定対象パケットのパケットフロー内での順序位置とを比較し、その相違に基づき被再送パケットを判定するようにしてもよい。
【0011】
あるいは、各測定対象パケットは、パケットフロー内における順序位置を示す識別子を有し、被再送パケットを判定するステップとして、各測定対象パケットを当該通過時刻に基づき時系列順に並び替えるステップと、並び替え後の各測定対象パケットのうち、当該測定対象パケットの識別子に基づく順序位置が逆転している逆転箇所を検出するステップと、逆転箇所の直後に位置する測定対象パケットと同一の識別子を有する同一測定対象パケットを、逆転箇所以前の測定対象パケットから検索するステップと、並び替え後の各測定対象パケットのうち、検索された同一測定対象パケットから逆転箇所の直前までのパケットを被再送パケットとして判定するステップとを設けてもよい。
【0012】
また、本発明にかかる遅延算出装置は、パケット通信網を経由する測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローについて、そのパケットフローを構成する各測定対象パケットの遅延時間を算出し、所定期間内にやり取りした各測定対象パケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延算出装置において、測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出する遅延情報生成手段と、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する被再送パケット判定手段と、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延分布算出手段とを備えるものである。
【0013】
また、本発明にかかる遅延算出装置は、パケット通信網上の測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローとともに、測定対象パスの入口から出口まで試験パケットを送信し、パケットフローのうち試験パケットの所定の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットに基づき、試験パケットの遅延時間に対して重み付けを行うことにより、試験パケットで測度変換したパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延算出装置において、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する被再送パケット判定手段と、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットを対応する試験パケットごとに分類して計数し、そのパケット数を当該試験パケットの重みとするとともに、当該試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延分布算出手段とを備えるものである。
【0014】
この際、被再送パケット判定手段で、各測定対象パケットの通過時刻に基づく時系列順と、各測定対象パケットのパケットフロー内での順序位置とを比較し、その相違に基づき被再送パケットを判定するようにしてもよい。
【0015】
あるいは、各測定対象パケットとして、パケットフロー内における順序位置を示す識別子を有し、被再送パケット判定手段で、各測定対象パケットを当該通過時刻に基づき時系列順に並び替え、並び替え後の各測定対象パケットのうち、当該測定対象パケットの識別子に基づく順序位置が逆転している逆転箇所を検出し、逆転箇所の直後に位置する測定対象パケットと同一の識別子を有する同一測定対象パケットを、逆転箇所以前の測定対象パケットから検索し、並び替え後の各測定対象パケットのうち、検索された同一測定対象パケットから逆転箇所の直前までのパケットを被再送パケットとして判定するようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムについて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示す図である。
このパケット通信品質測定システムは、パッシブ品質測定方式に本発明を適用した例である。このシステムには、複数のパッシブ測定プローブ111、112と、遅延算出装置121とが設けられている。以下では、パケット通信網131を経由する測定対象パス132を介して端末101、102間で再送制御付きのデータ通信を行い、そのときの遅延分布をこのパケット通信品質測定システムを用いて求める場合を例として説明する。
【0017】
パッシブ測定プローブ111、112は、それぞれ端末101、102とパケット通信網131との間を結ぶリンクに接続されており、これらリンクすなわち観測点を通過するパケットすなわち測定対象パス132に入出するパケットを取得する。このパケットの取得は、例えばリンクに物理レイヤの分岐装置を接続し、全ての通過パケットをパッシブ測定プローブヘ引き込む方法などにより実現できる。
パッシブ測定プローブ111、112と遅延算出装置121の間は、それぞれ所定の通信網を介して接続されており、パケットフロー遅延の測定に必要な各種情報がやり取りされる。
【0018】
パッシブ測定プローブ111、112は、それぞれ端末101、102に接続された観測点を通過するパケットを取得し、そのパケットのうち測定対象フローを構成するパケットすなわち測定対象パケットに含まれるヘッダ情報および識別子とそのパケットの取得時刻すなわち通過時刻との対を、パケット観測情報141,142として遅延算出装置121に送信する機能を持つ。
識別子としては、測定対象パケットのヘッダ部などに新たに追加してもよいが、パケットフローの再送制御に用いられる、当該パケットフロー内での順序位置を示す順序情報を兼用することにより、新たな情報を追加することなく、再送された同一の測定対象パケットを遅延算出装置121識別できる。
【0019】
遅延算出装置121は、パッシブ測定プローブ111,112から得られたパケット観測情報141,142を参照して、各測定対象パケットの遅延時間を算出するとともに、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する。
そして、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0020】
図2は遅延算出装置121の構成を示すブロック図である。この遅延算出装置121は、全体として通信機能を有するコンピュータから構成されており、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、画面表示部12、操作入力部13、記憶部14、および制御部15が設けられている。
通信I/F部11は、パッシブ測定プローブ111,112とデータ通信を行う回路部である。画面表示部12は、得られた測定結果などの各種情報を画面表示するCRTやLCDなどの表示装置である。操作入力部13は、利用者の操作を入力するキーボードやマウスなどの操作入力装置である。記憶部14は、制御部15で用いる各種情報やプログラム14Bを記憶するハードディスクやメモリなどの記憶装置である。
【0021】
制御部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部14のプログラム14Bを実行することにより、上記ハードウェアと協働して各種機能手段を実現する機能部である。
制御部15には、各種機能手段として、遅延情報生成手段15A、被再送パケット判定手段15Bおよび遅延分布算出手段15Cが設けられている。
【0022】
遅延情報生成手段15Aは、パッシブ測定プローブ111から受信したパケット観測情報141に含まれるヘッダ情報と、パッシブ測定プローブ112から受信したパケット観測情報142に含まれるヘッダ情報とが一致するものを検索し、そのヘッダ情報と組になっているそれぞれの通過時刻の差から、そのヘッダ情報に対応する測定対象パケットがパケット通信網131で受けた遅延時間Dを求め、その遅延時間Dと、そのヘッダ情報と組になっている識別子とを対にして、パケット遅延情報14Aとして記憶部14に格納する。
なお、タイムスタンプとして、パッシブ測定プローブ111での通過時刻を用いてもよいし、パッシブ測定プローブ112での通過時刻を用いてもよい。
【0023】
被再送パケット判定手段15Bは、遅延情報生成手段15Aで得られたパケット遅延情報14Aを、例えばパッシブ測定プローブ111またはパッシブ測定プローブ112で得られた通過時刻をタイムスタンプとして時系列順に並び替え、当該パケットフロー内での順序位置を示す識別子の順序が逆転している箇所を探す。
そして、逆転している箇所を見つけると、その逆転箇所の直後に位置する識別子と同一の識別子をその逆転箇所から遡って検索し、検索した同一識別子から逆転箇所までの間に位置する被再送パケットと判断する。これは、パケット通信で用いられる再送制御は、正常に届かなかったパケットが発生した場合、そのパケット以降のパケットを順に再送する手順を取っていることから、同一識別子が見つかった場合には、その間に送信されたパケットはその後に再送されている被再送パケットと判断できる。
【0024】
被再送パケット判定手段15Bは、このようにして判定した被再送パケットの識別子と遅延時間をパケット遅延情報14Aから無効化ここでは消去し、その逆転箇所以降について被再送パケットの判定処理を繰り返し行う。
遅延分布算出手段15Cは、記憶部14のパケット遅延情報14Aを参照して、所定期間内にやり取りした各測定対象パケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0025】
なお、別の実装形態として、被再送パケット判定手段15Bでは、上記手順において、同一識別子が見つかった時点で、その同一識別子および遅延時間を逆転箇所直後の識別子および遅延時間で置換するとともに、逆転箇所直後の識別子および遅延時間を削除して、同一識別子が見つかった場所から時系列順に新たな逆転箇所の検索を繰り返すことにより、各被再送パケットを個々に判定し消去するようにしてもよい。
また、識別子を遡って検索する範囲は、限定してもよい。例えば、所定の個数まで遡ってもよいし、識別子とともにタイムスタンプを記憶しておき、所定時間まで遡ってもよい。
【0026】
次に、図1〜5を参照して、本実施の形態にかかるパケット品質測定測定システムの動作について説明する。
図3は本実施の形態にかかるパケット品質測定システムでの遅延分布算出処理を示すフローチャートである。図4は遅延算出装置121で得られるパケット遅延情報14Aの例である。図5はパケット通信品質測定時のパケットフローを示すシーケンス図である。
【0027】
ここでは、パケット通信網131がIP網からなり、フローがTCPのフローで、再送制御に用いられる識別子はTCPのシーケンスナンバであり、端末101からパケット通信網131の測定対象パス132を介して端末102へ送られるパケットフローに含まれるパケットのパケットフロー遅延分布を求める場合を例に説明する。
なお、パッシブ測定プローブ111、112は、時刻同期させてあるものとし、例えばGPSからの情報を用いて時刻同期させることができる。
【0028】
まず、パッシブ測定プローブ111、112は、所定期間にわたり、観測点を通過するパケットすべてを取得し、取得したパケットのうち、測定対象フローのパケットを選択する。ここで、測定対象フローは複数でもよい。複数の場合、これらをそれぞれ個別に処理してフローごと品質を求めてもよいし、まとめて処理して、複数フローまとめた品質を求めてもよい。
選択された測定対象パケットから、例えばIPヘッダ内のIDフィールドおよびオフセットフィールドからなるヘッダ情報と、例えばTCPヘッダ内のシーケンスナンバからなる識別子と、そのパケットの通過時刻の組を構成し、パケット観測情報141,142として遅延算出装置121に送信する。
【0029】
遅延算出装置121は、制御部15の遅延情報生成手段15Aにより、パッシブ測定プローブ111、112から受信したパケット観測情報141,142に含まれるヘッダ情報を用いて、同一測定対象パケットを識別し、パッシブ測定プローブ111と112で得られたそれらパケットの通過時刻をそれぞれ取得する。
そして、これら通過時刻の差から当該パケットの遅延時間Dを算出し、そのパケットの識別子と対にして、パケット遅延情報14Aとして記憶部14へ格納する(ステップ100)。これを、所定期間繰り返し、フローに含まれる測定対象パケットの遅延時間Dと識別子の対の時系列である図4のパケット遅延情報14Aを得たものとする。
【0030】
次に、遅延算出装置121は、制御部15の被再送パケット判定手段15Bにより、パケット遅延情報14Aを時系列順に並び替え(ステップ101)、識別子の順序逆転が生じる箇所Pを検索する(ステップ102)。
ここで、逆転箇所Pが見つかった場合は(ステップ102:YES)、その逆転箇所Pの直後の識別子Aと同一の識別子を、逆転箇所Pより前の識別子を遡って検索する(ステップ103)。
例えば図4では、4行目の識別子「#4000」と5行目の識別子「#2000」で順序逆転が生じており、その境目が逆転箇所Pであり、5行目の識別子「#2000」が識別子Aとなる。そして、識別子Aより上側の各識別子から、2行目の識別子「#2000」が識別子Aと同一の識別子Bとして検索される。
【0031】
そして、検索された同一識別子Bから逆転箇所Pまでのパケットを被再送パケットであると判定して無効化し(ステップ104)、逆転箇所P以降について次の逆転箇所の検索を開始し(ステップ105)、ステップ102へ戻る。これにより、図4では、2行目〜4行目の測定対象パケットが被再送パケットと判定されて無効化される。
このようにして、パケット遅延情報14Aの各測定対象パケットについて被再送パケットかどうか判定が行われ、ステップ102において、逆転箇所Pが見つからなかった場合は(ステップ102:NO)、遅延分布算出手段15Cにより、各測定対象パケットのうち、被再送パケットと判定されたパケット以外のパケットに基づき、パケットの遅延分布を算出し(ステップ106)、一連の遅延分布算出処理を終了する。
【0032】
図4の例では、各測定対象パケットのうち、被再送パケットと判定されたパケット以外のパケットは6個となり、それぞれの遅延時間Dとそのパケット数すなわち重みの割合を示す遅延分布として、P{遅延=50}=1/6、P{遅延=100}=2/6、P{遅延=150}=2/6、P{遅延=200}=1/6という結果が得られる。
なお、ステップ104での無効化については、被再送パケットと判定されたパケットの識別子および遅延時間をパケット遅延情報14Aから削除してもよく、パケット遅延情報14Aに無効化有無を示す情報を付加してもよい。
【0033】
また、別の実装形態として、ステップ104において、同一識別子Bおよびその遅延時間を識別子Aおよびその遅延時間と置換するとともに、元の識別子Aおよび遅延時間を削除し、ステップ105で置換した識別子A以降から逆転箇所の検索を開始するようにしてもよい。
この場合には、図4の2行目の識別子「#2000」が5行目の識別子「#2000」で置換されるとともに5行目が削除される。その後、3行目から検索が再開され、4行目の識別子「#4000」と新たな5行目の識別子「#3000」との間で逆転箇所Pを検出する。そして、新たな5行目を識別子Aとして3行目の識別子Bが検出され、3行目の識別子「#3000」が新たな5行目の識別子「#3000」で置換されるとともに新たな5行目が削除される。このようにして処理が繰り返され、結果として図4の2行目〜5行目が被再送パケットとして無効化ここでは削除される。
【0034】
このように、試験対象フローを構成する各測定対象パケットについて、測定対象パス132に対する入時刻と出時刻との差に基づき遅延時間を算出し、これら各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定し、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するようにしたので、被再送パケットすなわち再送制御により廃棄されたユーザパケットがパケット通信品質の測定対象から除外できる。
これにより、パッシブ品質測定方式において、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られる。
【0035】
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムについて説明する。図6は、本発明の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示す図である。
このパケット通信品質測定システムは、測度変換型品質測定方式に本発明を適用した例である。このシステムには、複数の品質測定装置241、242、パッシブ測定プローブ211、遅延算出装置221が設けられており、これら装置が互いに所定の通信網を介して接続されており、測定に必要な各種情報がやり取りされる。
【0036】
品質測定装置241、242は、当該品質測定装置と対になる他方の品質測定装置ヘ、パケット通信網231を経由して端末201,202間を結ぶ測定対象パス232を介して所定の試験パケットを送信する機能と、他方の品質測定装置から受信した試験パケットに関する受信状況を遅延算出装置221へ通知する機能とを有し、これらの機能を切り替えて品質測定を行う。
この場合、品質測定装置241、242が送信するパケットには、当該パケットが試験パケットであることを示し他の試験パケットと区別できる試験パケット識別子が付与されており、この試験パケット識別子により他のユーザパケットと区別して検出される。試験パケット識別子としては、パケットヘッダ内の空きフィールドに特定の値を書く方法、パケットペイロードの特定の位置に特定の値を書く方法、等が挙げられる。
【0037】
品質測定装置241、242、パッシブ測定プローブ211、遅延算出装置221は、この試験パケット識別子を識別できる。
品質測定装置241、242は、所定の間隔で試験パケットを対となる他方の品質測定装置へ測定対象パス232を介して送信する。その際、試験パケットには送信時刻を試験パケット識別子とともに記述しておく。また、試験パケットを受信すると、受信した試験パケットに記述された送信時刻と、自装置での受信時刻との差から、その試験パケットの遅延時間Dを算出し、試験パケット識別子と対にして遅延算出装置221へ試験パケット観測情報251,252として送信する。
【0038】
パッシブ測定プローブ211は、端末201とパケット通信網231とを接続するリンクすなわち観測点を通過するパケットすべてを取得し、取得したパケットのうち測定対象フローを構成するパケットであって所定の条件を満たすものを測定対象パケットとして抽出するとともに、試験パケットを抽出する。
そして、その測定対象パケットの識別子または試験パケット識別子を、そのパケットの取得時刻すなわち通過時刻Tと対にして、遅延算出装置221へパケット観測情報261として送信する。
【0039】
上記所定の条件としては、通過時刻Tが何れかの試験パケット通過時刻の時間近傍であること、としてもよい。この時間近傍の範囲は、試験パケット通過時刻の前後で時間幅が異なってもよく、これら時間幅が等しくてもよい。例えば、試験パケット取得前0秒から試験パケット取得後500ミリ秒までとしてもよい。また、識別子としては、測定対象パケットのヘッダ情報に新たに追加してもよいが、パケットフローの再送制御に用いられる、当該パケットフロー内での順序位置を示す順序情報を兼用することにより、新たな情報を追加することなく、再送された同一の測定対象パケットを遅延算出装置221で識別できる。
【0040】
遅延算出装置221は、品質測定装置241,242およびパッシブ測定プローブ211から受信した試験パケット観測情報251,252およびパケット観測情報261を参照して、各試験パケットの遅延時間を算出するとともに、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する。
そして、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0041】
図7は遅延算出装置221の構成を示すブロック図である。この遅延算出装置221は、全体として通信機能を有するコンピュータから構成されており、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)21、画面表示部22、操作入力部23、記憶部24、および制御部25が設けられている。
通信I/F部21は、品質測定装置241,242およびパッシブ測定プローブ211とデータ通信を行う回路部である。画面表示部22は、得られた測定結果などの各種情報を画面表示するCRTやLCDなどの表示装置である。操作入力部23は、利用者の操作を入力するキーボードやマウスなどの操作入力装置である。記憶部24は、制御部25で用いる各種情報やプログラム24Cを記憶するハードディスクやメモリなどの記憶装置である。
【0042】
制御部25は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部24のプログラム24Cを実行することにより、上記ハードウェアと協働して各種機能手段を実現する機能部である。
制御部25には、各種機能手段として、遅延情報生成手段25A、被再送パケット判定手段25B、重み算出手段25Cおよび遅延分布算出手段25Dが設けられている。
遅延情報生成手段25Aは、品質測定装置241,242からの試験パケット観測情報251,252で通知された各試験パケットの遅延時間Dを、その識別子とともにパケット遅延情報24Aへ格納する。また、パッシブ測定プローブ211からのパケット観測情報261で通知された各測定対象パケットの識別子をパケット遅延情報24Aへ追記する。
【0043】
被再送パケット判定手段25Bは、遅延情報生成手段25Aで生成されたパケット遅延情報24Aを通過時刻に基づき時系列順に並び替え、これら識別子を順序が逆転している箇所を探す。
そして、逆転している箇所を見つけると、その逆転箇所の直後に位置する識別子と同一の識別子をその逆転箇所から遡って検索し、検索した同一識別子から逆転箇所までの間に位置する被再送パケットと判定する。そして、このようにして判定した被再送パケットの識別子と遅延時間をパケット遅延情報24Aから消去し、その逆転箇所以降について被再送パケットの判定処理を繰り返し行う。
【0044】
重み算出手段25Cは、パケット遅延情報24Aを参照して、被再送パケット以外の各測定対象パケットをそれぞれ対応する試験パケットごとに分類し、その分類された測定対象パケットのパケット数を重みWとし、これをパケット重み情報24Bとして記憶部24へ格納する。また、各試験パケットごとに、当該試験パケットの遅延時間Dをパケット重み情報24Bへ追記する。
遅延分布算出手段25Dは、記憶部24のパケット重み情報24Bを参照して、各試験パケットごとの遅延時間Dと重みWとに基づき、その時間近傍の測定対象パケットにより重み付けされたパケットフローのパケット遅延分布を算出する。
【0045】
次に、図6〜11を参照して、本実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの動作について説明する。
図8は遅延算出装置221で得られるパケット遅延情報24Aの例である。図9は遅延算出装置221で得られるパケット重み情報24Bの例である。図10はパケット通信品質測定時における再送制御を含むパケットフローを示すシーケンス図である。
ここでは、パケット通信網231がIP網からなり、フローの再送制御に用いられる識別子は1パケットにつき1ずつ増加する整数であり、端末201からパケット通信網231を介して端末202へ送られるパケットフローに含まれるパケットのパケットフロー遅延分布を求める場合を例に説明する。
【0046】
まず、所定の測定期間にわたり、品質測定装置241は品質測定装置242へ試験パケットを間欠的に送信する。その際、試験パケットには試験パケット識別子と送信時刻を記述する。
品質測定装置242は、試験パケットを受信すると、その試験パケットの受信時刻とその試験パケットに記述されている送信時刻との差から、その試験パケットの遅延時間Dを算出し、試験パケット観測情報252としてその試験パケット識別子とともに遅延算出装置221へ送信する。
【0047】
一方、パッシブ測定プローブ211は、上記測定期間にわたり、観測点を通過するパケットを取得し、取得した試験パケットおよび測定対象フローを構成する測定対象パケットのうち、試験パケット通過時刻の時間近傍、例えば試験パケットの通過時刻からその通過後50ミリ秒以内に取得したものを抽出し、そのパケットの識別子または試験パケット識別子と通過時刻を、パケット観測情報261として遅延算出装置221へ送信する。
【0048】
遅延算出装置221は、制御部25の遅延情報生成手段25Aにより、品質測定装置242からの試験パケット観測情報252と、パッシブ測定プローブ211からのパケット観測情報261とを基に、図8に示すパケット遅延情報24Aを作成する。
そして、被再送パケット判定手段25Bで、各測定対象パケットの観測点における通過時刻をタイムスタンプとして、このタイムスタンプに基づき時系列順に並び替えを行い、パケット遅延情報24Aに含まれる被再送パケットを判定する。なお、ここでの被再送パケットの判定方法は、前述した図3のステップ101〜105と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0049】
これにより、例えば図8では、タイムスタンプ「438」の識別子「#100」と、タイムスタンプ「493」の識別子「#90」との間にある逆転箇所Pが検索され、その直後に位置する識別子「#90」が識別子Aとして、逆転箇所Pから遡って同一の識別子が検索され、同一識別子Bとしてタイムスタンプ「361」の識別子「#90」が検索される。そして、これら同一識別子Bから逆転箇所Pまでのパケットが被再送パケットであると判定して無効化される。
【0050】
その後、遅延算出装置221は、制御部25の重み算出手段25Cにより、記憶部24のパケット遅延情報24Aから、図9に示す試験パケット重み情報24Bを作成する。
ここでは、被再送パケット以外の各測定対象パケットをそれぞれ対応する試験パケットごとに分類し、その分類された測定対象パケットのパケット数を重みWとし、これをパケット重み情報24Bとして記憶部24へ格納する。
【0051】
図9の例では、試験パケット「試1」の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットは101個(#1〜#100,#90)存在し、そのうち無効化された被再送パケットが11個(#90〜#100)あったことから、被再送パケット以外の測定対象パケットは90個となり、そのパケット数が当該試験パケットの重みWとなる。また、試験パケット「試2」に対応する測定対象パケットは110個(#91〜#200)存在し、無効化された被再送パケットがなかったので、被再送パケット以外の測定対象パケットは90個となり、そのパケット数が当該試験パケットの重みWとなる。
【0052】
そして、制御部25の遅延分布算出手段25Dで、パケット重み情報24Bの各試験パケットごとに、その遅延時間Dと重みWとから遅延分布Pを算出する。この場合、当該パケットフローの遅延分布Pとして、P{遅延=50}=110/200、P{遅延=100}=90/200が得られる。
【0053】
このように、測定対象パスを介して試験パケットを間欠的に送信し、その試験パケットの時間近傍にやり取りされた測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定し、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出するようにしたので、被再送パケットすなわち再送制御により廃棄されたユーザパケットがパケット通信品質の測定対象から除外できる。
これにより、測度変換型品質測定方式において、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出するステップと、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づきパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを設けるようにしたものである。
【0055】
また、各測定対象パケットのうち再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、各測定対象パケットのうち被再送パケット以外のパケットをその遅延時間ごとに分類して計数し、そのパケット数を当該分類の重みとするとともに、各測定対象パケットに対応する試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いてパケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを設けるようにしたものである。
したがって、被再送パケットすなわち再送制御により廃棄されたユーザパケットがパケット通信品質の測定対象から除外でき、実際にユーザデータの転送に寄与したパケットを対象とした、再送制御を含むパケット通信品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の遅延算出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の遅延算出装置で行われるパケット通信品質算出処理を示すフローチャートである。
【図4】図1のパッシブ測定プローブで得られるパケット観測情報の例である。
【図5】図1のパケット通信品質測定例を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるパケット通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6の遅延算出装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図6の遅延算出装置で得られるパケット遅延情報例である。
【図9】図6の遅延算出装置で得られるパケット重み情報例である。
【図10】図6のパケット通信品質測定例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
101,102…端末、111,112…パッシブ測定プローブ、121…遅延算出装置、131…パケット通信網、132…測定対象パス、141,142…パケット観測情報、11…通信I/F部、12…画面表示部、13…操作入力部、14…記憶部、14A…パケット遅延情報、14B…プログラム、15…制御部、15A…遅延情報生成手段、15B…被再送パケット判定手段、15C…遅延分布算出手段、201,202…端末、211…パッシブ測定プローブ、221…遅延算出装置、231…パケット通信網、232…測定対象パス、241,242…品質測定装置、251,252…試験パケット観測情報、261…パケット観測情報、21…通信I/F部、22…画面表示部、23…操作入力部、24…記憶部、24A…パケット遅延情報、24B…パケット重み情報、24C…プログラム、25…制御部、25A…遅延情報生成手段、25B…被再送パケット判定手段、25C…重み算出手段、25D…遅延分布算出手段。
Claims (8)
- パケット通信網を経由する測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローについて、そのパケットフローを構成する各測定対象パケットの遅延時間を算出し、所定期間内にやり取りした前記各測定対象パケットの遅延時間に基づき前記パケットフローのパケット遅延分布を算出するパケット通信品質測定方法において、
前記測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、前記測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出するステップと、
前記各測定対象パケットのうち前記再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、
前記各測定対象パケットのうち前記被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づき前記パケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを備えることを特徴とするパケット通信品質測定方法。 - パケット通信網上の測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローとともに、前記測定対象パスの入口から出口まで試験パケットを送信し、前記パケットフローのうち前記試験パケットの所定の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットに基づき、前記試験パケットの遅延時間に対して重み付けを行うことにより、前記試験パケットで測度変換した前記パケットフローのパケット遅延分布を算出するパケット通信品質測定方法において、
前記各測定対象パケットのうち前記再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定するステップと、
前記各測定対象パケットのうち前記被再送パケット以外のパケットを対応する試験パケットごとに分類して計数し、そのパケット数を当該試験パケットの重みとするとともに、当該試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いて前記パケットフローのパケット遅延分布を算出するステップとを備えることを特徴とするパケット通信品質測定方法。 - 請求項1または2に記載のパケット通信品質測定方法において、
前記被再送パケットを判定するステップは、
前記各測定対象パケットの通過時刻に基づく時系列順と、前記各測定対象パケットの前記パケットフロー内での順序位置とを比較し、その相違に基づき前記被再送パケットを判定することを特徴とするパケット通信品質測定方法。 - 請求項1または2に記載のパケット通信品質測定方法において、
前記各測定対象パケットは、前記パケットフロー内における順序位置を示す識別子を有し、
前記被再送パケットを判定するステップは、
前記各測定対象パケットを当該通過時刻に基づき時系列順に並び替えるステップと、
並び替え後の各測定対象パケットのうち、当該測定対象パケットの前記識別子に基づく順序位置が逆転している逆転箇所を検出するステップと、
前記逆転箇所の直後に位置する測定対象パケットと同一の識別子を有する同一測定対象パケットを、前記逆転箇所以前の測定対象パケットから検索するステップと、
前記並び替え後の各測定対象パケットのうち、検索された前記同一測定対象パケットから前記逆転箇所の直前までのパケットを前記被再送パケットとして判定するステップとからなることを特徴とするパケット通信品質測定方法。 - パケット通信網を経由する測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローについて、そのパケットフローを構成する各測定対象パケットの遅延時間を算出し、所定期間内にやり取りした前記各測定対象パケットの遅延時間に基づき前記パケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延算出装置において、
前記測定対象パスの入口に設けた第1の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻と、前記測定対象パスの出口に設けた第2の観測点で測定した測定対象パケットの通過時刻との差に基づき、各測定対象パケットの遅延時間を算出する遅延情報生成手段と、
前記各測定対象パケットのうち前記再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する被再送パケット判定手段と、
前記各測定対象パケットのうち前記被再送パケット以外のパケットの遅延時間に基づき前記パケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延分布算出手段とを備えることを特徴とする遅延算出装置。 - パケット通信網上の測定対象パスを介して接続された端末間で再送制御を用いてやり取りするパケットのパケットフローとともに、前記測定対象パスの入口から出口まで試験パケットを送信し、前記パケットフローのうち前記試験パケットの所定の時間近傍にやり取りされた測定対象パケットに基づき、前記試験パケットの遅延時間に対して重み付けを行うことにより、前記試験パケットで測度変換した前記パケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延算出装置において、
前記各測定対象パケットのうち前記再送制御により当該測定対象パケット以降に同一パケットが再送された被再送パケットを判定する被再送パケット判定手段と、
前記各測定対象パケットのうち前記被再送パケット以外のパケットを対応する試験パケットごとに分類して計数し、そのパケット数を当該試験パケットの重みとするとともに、当該試験パケットの送信時刻と受信時刻との差から得られた当該試験パケットの遅延時間と当該重みとを用いて前記パケットフローのパケット遅延分布を算出する遅延分布算出手段とを備えることを特徴とする遅延算出装置。 - 請求項5または6に記載の遅延算出装置において、
前記被再送パケット判定手段は、
前記各測定対象パケットの通過時刻に基づく時系列順と、前記各測定対象パケットの前記パケットフロー内での順序位置とを比較し、その相違に基づき前記被再送パケットを判定することを特徴とする遅延算出装置。 - 請求項5または6に記載の遅延算出装置において、
前記各測定対象パケットは、前記パケットフロー内における順序位置を示す識別子を有し、
前記被再送パケット判定手段は、
前記各測定対象パケットを当該通過時刻に基づき時系列順に並び替え、
並び替え後の各測定対象パケットのうち、当該測定対象パケットの前記識別子に基づく順序位置が逆転している逆転箇所を検出し、
前記逆転箇所の直後に位置する測定対象パケットと同一の識別子を有する同一測定対象パケットを、前記逆転箇所以前の測定対象パケットから検索し、
前記並び替え後の各測定対象パケットのうち、検索された前記同一測定対象パケットから前記逆転箇所の直前までのパケットを前記被再送パケットとして判定することを特徴とする遅延算出装置。
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