JP2004236146A - 端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示部3または電飾部4の輝度を客観的に自動調整する。
【解決手段】端末装置1は、画像を表示可能な表示部3の輝度調整と、個々に点灯可能な複数の電飾部4の輝度調整とを、取外し可能なラインスキャナ2を用いて行う。表示部3の輝度調整制御時には、ラインスキャナ2によって1ライン分ずつ読取られた輝度の各色毎の輝度の平均値が求められ、該輝度の平均値と予め定める基準値との差分が予め定める許容範囲外である場合、差分が許容範囲内に入るように表示部3が制御される。電飾部4の輝度調整時には、ラインスキャナ2によって読取られた各電飾部4の輝度が相互に一致し、かつ該各電飾部4の輝度が予め定める許容範囲内に収まるように、電飾部4が制御される。これによって、端末装置1は表示部3および電飾部4の輝度調整を、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に行うことが可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】端末装置1は、画像を表示可能な表示部3の輝度調整と、個々に点灯可能な複数の電飾部4の輝度調整とを、取外し可能なラインスキャナ2を用いて行う。表示部3の輝度調整制御時には、ラインスキャナ2によって1ライン分ずつ読取られた輝度の各色毎の輝度の平均値が求められ、該輝度の平均値と予め定める基準値との差分が予め定める許容範囲外である場合、差分が許容範囲内に入るように表示部3が制御される。電飾部4の輝度調整時には、ラインスキャナ2によって読取られた各電飾部4の輝度が相互に一致し、かつ該各電飾部4の輝度が予め定める許容範囲内に収まるように、電飾部4が制御される。これによって、端末装置1は表示部3および電飾部4の輝度調整を、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に行うことが可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラインスキャナと表示画面を有する表示手段とを含む端末装置、およびラインスキャナと複数の電飾手段とを含む端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スキャナ付きファクシミリ装置等に代表される端末装置には、本体から取外し可能なラインスキャナの他に、液晶表示装置等に代表される表示部が取付けられている。また、前記端末装置の本体表面には、複数の棒状の電飾部がさらに備えられていることもある。
【0003】
表示部を備える端末装置において、表示部の表示画面の輝度等を正確に測定するためには、輝度を測定するための装置等の設備投資が伴う。このため、表示部を備える端末装置の一般的な生産工程、および製品のメンテナンス段階での輝度調整は、人手によって主観的に行われている。
【0004】
また、電飾部を備える端末装置において、各電飾部を構成する発光素子の特性上のばらつきを吸収することが困難であるため、2つ以上の電飾部を同時に点灯させる場合、全ての電飾部の輝度の際の発生を避けることは難しい。このため、電飾部を備える端末装置は、出荷前等に輝度調整が行われている。電飾部を備える端末装置の輝度調整もまた、人手によって主観的に行われている。
【0005】
表示部を備える端末装置の輝度調整に関する従来技術として、以下のような2種類の従来技術が挙げられる。
【0006】
第1の従来技術で開示される輝度調整技術では、液晶表示装置内の液晶パネルにおいて、赤緑青(RGB)各要素毎のガンマ補正データがメモリに記憶され、記憶されたガンマ補正データを用いて、入力映像信号に対しガンマ補正が適切に行われる。また第1の従来技術では、数個に分割された液晶パネルの表示画面を、たとえば4分割領域等の大まかな領域に分割し、分割された領域の各中心部である4個所毎の平均輝度の差異に対応して各領域のガンマ補正を行い、表示画面全体の輝度特性の均一を図っている。
【0007】
第2の従来技術で開示される輝度調整技術では、予め用意されている基準フィルム画像を装置に備えられるラインスキャナで読取って第1のデータとして記憶し、画像読取り装置の液晶パネル(LCD)の表示画面に表示出力する。さらに表示中の液晶パネルをラインスキャナで読取って第2のデータとして記憶する。第1のデータと第2のデータとが比較され、両データが等しくなるように、液晶パネルの各色毎の表示駆動回路の入カゲインを調整する。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−222264号公報
【特許文献2】
特開2000−324304号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、表示部を備える端末装置において、表示部ユニットが一旦製造された後、端末装置の構成要素の一部として組込まれた段階では、表示部の輝度調整は、オペレータ等の人手を用いて行われている。また電飾部を備える端末装置における電飾部の輝度調整も、人手を用いて行われている。このため、輝度調整がオペレータの視覚に依存するため、人の視覚の差異および調整環境の明るさの差異に起因する輝度に起因する調整ムラが生じる恐れがある。
【0010】
上述した第1の従来技術では、液晶パネルの赤緑青各要素毎のガンマ補正に関する技術、および表示画面全体の輝度特性の均一を図る技術について示している。しかしながら、端末装置の構成要素の一つとして組込まれた表示部の輝度自動調整、および製品修復過程での液晶表示部の輝度自動調整する手法については触れられておらず、人手に頼らない輝度調整の実現は、これら技術を用いるだけでは困難である。
【0011】
また第2の従来技術では、カラー表示部を設けて読取画像データを表示する際にラインスキャナおよび表示部照明を共用し、さらにはその機構的かつ光学的構成を用いて各色毎の表示駆動回路の入カゲインを調整する技術については言及されている。しかし、密着型のラインスキャナによる輝度データの収集等については全く示されていないため、人手に頼らない輝度調整の実現は、これら技術を用いるだけでは困難である。
【0012】
このように、表示部または電飾部を備える端末装置において、人手に頼ることなく客観的に輝度を自動調整して輝度調整ムラのない表示輝度を設定する技術は未解決であり、課題である。
【0013】
本発明の目的は、表示部または電飾部とラインスキャナとを備える端末装置において客観的な輝度の自動調整を行うことができる端末装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取外し可能なラインスキャナと、
表示画面に画像を表示可能な表示手段と、
表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値とそれぞれ比較すべき予め定める基準値からなる基準データテーブル、および、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分の予め定める許容範囲を記憶している記憶手段と、
装置全体の駆動制御および表示手段の輝度調整制御をそれぞれ行う制御手段であって、表示手段の調整に際し、
予め定める調整パターンを表示手段の表示画面に表示させ、
ラインスキャナの主走査方向が表示画面の水平軸に略平行になるようにラインスキャナを表示画面上に載せさせた状態で、ラインスキャナに表示画面の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力させ、
読取りデータの各色毎の輝度のデータの平均値を演算し、各色毎の輝度のデータの平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分を求め、
求められた差分が許容範囲外の値である場合、差分が正の値であれば、表示画面への画像の表示に際して表示画面の差分の最も大きい色の輝度を低下させるように表示手段を制御し、差分が負の値であれば、表示画面への画像の表示に際して、差分が許容範囲内に入るまで表示画面の差分の最も大きい色の輝度を増加させるように表示手段を制御することによって、差分を許容範囲内に収める制御手段とを含むことを特徴とする端末装置である。
【0015】
本発明に従えば、端末装置は、取外し可能なラインスキャナと、画像を表示可能な表示手段と、端末装置全体の駆動制御を行う制御手段とを含む。制御手段は、駆動制御の他に、ラインスキャナを用いた表示手段の輝度調整制御も行う。輝度調整制御時にラインスキャナによって1ライン分ずつ読取られた輝度の各色毎の輝度の平均値と予め定める基準値との差分が予め定める許容範囲外である場合、差分が許容範囲内に入るように表示手段が制御される。すなわち、差分の最も大きい色に注目して、差分がプラスであれば輝度を低下するように表示手段が制御され、逆に差分がマイナスであれば、輝度を上昇するように表示手段が制御される。この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置の最も使用される環境の明るさに応じて、表示画面の輝度が客観的に調整される。これによって、端末装置は、人手による視覚および調整環境の明るさの差異に起因する輝度の調整ムラを、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に解消することが可能になる。
【0016】
また本発明は、取外し可能なラインスキャナと、
2以上の色で個々に点灯可能な複数の電飾手段と、
電飾手段の輝度の予め定める許容範囲を記憶している記憶手段と、
装置全体の駆動制御および電飾手段の輝度調整制御をそれぞれ行う制御手段であって、電飾手段の調整に際し、
複数の電飾手段を同時に同色で発光させ、
複数の電飾手段に跨るようにラインスキャナを配置した状態で、ラインスキャナに電飾手段の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各電飾手段の輝度のデータを含む読取りデータを出力させ、
読取りデータの各電飾手段の輝度のデータに基づき、複数の該電飾手段の輝度が相互に等しく、かつ該各電飾手段の輝度が許容範囲内に収まるように、電飾手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする端末装置である。
【0017】
本発明に従えば、端末装置は、取外し可能なラインスキャナの他に、個々に点灯可能な複数の電飾手段を含む。制御手段は、端末装置全体の駆動制御のほかに、ラインスキャナを用いて電飾手段の輝度調整制御も行う。すなわち、輝度調整制御時にラインスキャナによって読取られた各電飾手段の輝度が相互に一致し、かつ該各電飾手段の輝度が予め定める許容範囲内に収まるように、制御部によって電飾手段が制御される。この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置が最も使用される環境の明るさにおいて、電飾手段本来の目的に合わせて、複数の電飾手段の輝度が客観的に同一に調整される。これによって、端末装置は、使用環境で適当に目立ちやすくかつ輝度の調整ムラのない品位のある発光表示を、簡便かつ確実な手法で客観的に自動調整することができる。
【0018】
また本発明の端末装置は、前記制御手段は、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部であってかつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように載せられているラインスキャナの走査開始のタイミング時刻を、前記表示手段に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻からフレーム周期の半分だけ遅れた時刻に同期させることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、端末装置において、表示手段の輝度調整時に、ラインスキャナが、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部に、かつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように、載せられる。これによって、ラインスキャナは、表示画面の赤青緑(赤緑青)各色の輝度を平均的に取得することができる。また表示手段の輝度調整時に、制御手段は、表示画面に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻に同期して、ラインスキャナの走査開始時刻を設定する。この結果、ラインスキャナの用紙送り方向である副走査方向の同期制御が、調整パターンの表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻の同期制御に切替えられた状態で、主走査を行うことが可能になる。これによって、ラインスキャナの走査タイミングがフレーム周期内の帰線期間等に出くわすことを避けることができる。すなわち、ラインスキャナの走査タイミングが表示画面の中央のラインが概ね表示駆動を受けたタイミングの直後に相当するので、ラインスキャナによって比較的安定した輝度を測定することができる。
【0020】
また本発明の端末装置は、前記制御手段は、前記ラインスキャナに表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取らせて、各ライン毎の読取りデータを出力させ、各色毎に全ラインの読取りデータの輝度のデータの平均値を演算することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、端末装置において、ラインスキャナが表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取り、制御手段が複数ライン分の輝度のデータの平均値を各色毎に演算して、演算結果に基づき輝度調整制御を自動で行う。これによって、表示画面に対するラインスキャナの位置の精度に関わらず、端末装置は正確な輝度調整を自動的に行うことができる。
【0022】
また本発明の端末装置は、前記制御手段が、表示手段の調整に際し、単一色で全体を塗潰したパターンを調整パターンとして表示画面に表示させ、かつ、パターンの色を予め定める周期毎に順次切換えさせることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、端末装置の制御手段は、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示画面全体に単一色を塗潰すように表示させ、かつ、表示する色を予め定める周期毎に順次切換えさせる。これによって、端末装置は、端末装置にとって単純な処理で調整パターンを表示させることができるため、処理を簡略化させることができる。
【0024】
また本発明の端末装置は、前記制御手段が、表示手段の調整に際し、1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンを調整パターンとして表示画面に表示させることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、端末装置の制御手段は、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、赤青緑に代表される1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンを表示させる。これによって、端末装置は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。
【0026】
また本発明の端末装置は、前記制御手段が、表示手段の調整に際し、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンを調整パターンとして表示画面に表示させることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、端末装置の制御手段は、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンを表示させる。これによって、端末装置は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。
【0028】
また本発明の端末装置は、前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを有線媒体を介して伝送するための有線伝送手段を含むことを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、端末装置は、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送を、有線媒体を介した有線伝送によって行う。これによって端末装置は、データ伝送のための従来のワイヤー直結用のインタフェイスをそのまま輝度調整に用いることができるため、装置構成の煩雑化を防止することができる。
【0030】
また本発明の端末装置は、前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを光通信を用いて伝送するための光伝送手段を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、端末装置は、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送を、赤外線通信(IrDA)に代表されるような光通信によってよって行う。これによって端末装置は、たとえば有線伝送用のケーブルが邪魔になるような環境下であっても容易に輝度調整用のデータを伝送することができるため、前記環境下でも輝度調整を行うことができる。
【0032】
また本発明の端末装置は、前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを記憶媒体を用いて伝送するための記憶媒体伝送手段を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明に従えば、端末装置は、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送を、カード状媒体等の記憶媒体を介在させて行う。これによって端末装置は、たとえばラインスキャナ側で記憶媒体に書込ませた読取りデータを本体側で読出させて制御手段に与えることによって輝度調整を行うことができるため、より簡潔に輝度調整を行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である端末装置1の構成を示すブロック図である。端末装置1は、ラインスキャナ2、表示部3、複数の電飾部4、記憶部5、および制御部6を少なくとも含む。表示部3および電飾部4は、少なくとも一方が含まれていれば良い。表示部3、電飾部4、記憶部5、制御部6は、本体に含まれる。ラインスキャナ2は、本体から取外し可能に構成される。
【0035】
ラインスキャナ2は、対象物表面を少なくとも1ライン分ずつ読取り、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力する。表示部3は表示画面を備え、制御部6の制御に応答して、表示画面に画像を表示可能に構成される。各電飾部4は、2以上の色で個々に点灯可能である。記憶部5は、制御部6で用いられる各種のデータを記憶している。記憶部5には、表示部3の基準データテーブル、表示部3の輝度差分の予め定める許容範囲、および電飾部4の輝度の予め定める許容範囲が、少なくとも記憶されている。表示部3の基準データテーブルは、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値とそれぞれ比較すべき予め定める基準値からなる。表示部3の輝度差分は、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分である。制御部6は、装置全体の駆動制御、表示部3の輝度調整制御、電飾部4の輝度調整制御をそれぞれ行う。
【0036】
制御部6は、表示部3の輝度調整に際し、まず、予め定める調整パターンを表示部3の表示画面に表示させる。次いで、ラインスキャナ2の主走査方向が表示画面の水平軸に略平行になるように、ラインスキャナ2を表示画面上に載せさせ、ラインスキャナ2に表示画面の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力させる。続いて、読取りデータの各色毎の輝度のデータの平均値を演算し、各色毎の輝度のデータの平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分を求める。求められた差分に基づいて、制御部6は、表示部3への画像の表示に際して、差分を許容範囲内に収めるように制御する。すなわち、求められた差分が許容範囲外の値である場合、差分が正の値であれば、表示画面の差分の最も大きい色の輝度を低下させるように表示部3を制御し、差分が負の値であれば、表示画面への画像の表示に際して、差分が許容範囲内に入るまで表示画面の差分の最も大きい色の輝度を増加させるように表示部3を制御する。
【0037】
この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置1の最も使用される環境の明るさに応じて、表示画面の輝度が客観的に調整される。これによって、端末装置1は、人手による視覚および調整環境の明るさの差異に起因する輝度の調整ムラを、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に解消することが可能になる。
【0038】
また制御部6は、電飾部4の輝度調整に際し、まず、複数の電飾部4を同時に同色で発光させる。次いで、複数の電飾部4に跨るようにラインスキャナ2を配置した状態で、ラインスキャナ2に電飾部4の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各電飾部4の輝度のデータを含む読取りデータを出力させる。制御部6は、電飾部4の発光表示に際して、読取りデータの各電飾部4の輝度のデータに基づき、複数の該電飾部4の輝度が相互に等しく、かつ該各電飾部4の輝度が許容範囲内に収まるように、電飾部4を制御する。この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置1が最も使用される環境の明るさにおいて、電飾部4本来の目的に合わせて、複数の電飾部4の輝度が客観的に同一に調整される。これによって、端末装置1は、使用環境で適当に目立ちやすくかつ輝度の調整ムラのない品位のある発光表示を、簡便かつ確実な手法で客観的に自動調整することができる。
【0039】
図1の端末装置1において、好ましくは、表示部3の輝度調整時に、ラインスキャナ2が、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部に、かつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように、載せられる。これによって、ラインスキャナ2は、表示画面の赤青緑(RGB)各色の輝度を平均的に取得することができる。また好ましくは、表示部3の輝度調整時に、制御部6は、表示画面に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻からフレーム周期の半分、すなわち1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻に同期して、ラインスキャナ2の走査開始時刻を設定する。この結果、ラインスキャナ2の用紙送り方向である副走査方向の同期制御が、調整パターンの表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻の同期制御に切替えられた状態で、主走査を行うことが可能になる。これによって、ラインスキャナ2の走査タイミングがフレーム周期内の帰線期間等に出くわすことを避けることができる。すなわち、ラインスキャナ2の走査タイミングが表示画面の中央のラインが概ね表示駆動を受けたタイミングの直後に相当するので、ラインスキャナ2によって比較的安定した輝度を測定することができる。
【0040】
輝度調整時には、たとえば、ラインスキャナ2は、機械操作等によって精密に表示画面上に案内するとは限らず、簡単な持具等を用いて案内されることもある。このため、表示画面に対するラインスキャナ2の位置の基準位置に対する上下方向への差異、およびラインスキャナ2の主走査方向と表示画面の水平軸との傾きに応じて、読取られる輝度が異なることが予想される。このため、好ましくは、端末装置1において、ラインスキャナ2が表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取り、制御部6が複数ライン分の輝度のデータの平均値を各色毎に演算して、演算結果に基づき輝度調整制御を自動で行う。これによって、表示画面に対するラインスキャナ2の位置の精度に関わらず、端末装置1は正確な輝度調整を自動的に行うことができる。
【0041】
表示部3の輝度調整時に用いるべき調整パターンは、好ましくは、以下の3種類のうちの少なくとも1種類であればよい。さらに好ましくは、端末装置1は、第1〜第3調整パターンを適宜選択可能に構成されている。これによって、端末装置1は、装置の用途および使用環境、さらには調整環境に合わせて、最適な調整パターンを選択することができるため、使い勝手が向上する。
【0042】
第1調整パターンは、表示画面全体が単一色によって塗潰されるパターンであり、かつ、表示する色が予め定める周期毎に順次切換えさせられる。これによって、端末装置1は、端末装置1にとって単純な処理で調整パターンを表示させることができるため、処理を簡略化させることができる。
【0043】
第2調整パターンは、赤青緑に代表される1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンである。これによって、端末装置1は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。また、このような調整パターンが用いられる場合、端末装置1は、人の視覚および機械のどちらであっても、複数の色の表示輝度を同時に比較することができる。これによって端末装置1は、端末装置1が最も使われやすい照明環境に置かれた状態で多くの人の視覚での最適輝度を採集して、調整対象の端末装置1の標準的な輝度データの平均値を求め、機種毎の調整時の基準値を決定する際に役立てることができる。
【0044】
第3調整パターンは、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンである。たとえば、表示部3が赤緑青の三原色の加法混色を用いるカラー表示を行う場合、第3調整パターンの灰色は、いわゆるカラー中間調、すなわち機種毎に設定されている3原色の基準値を加法混色して得られる灰色である。表示部3が白黒の2色を用いるモノクロ表示を行う場合、第3調整パターンの灰色は、、いわゆるモノクロ中間調、すなわち白色と黒色との中間である灰色である。灰色画面の色の変化は人の視覚では分別し難いが、本発明の端末装置1では、ラインスキャナ2での測定結果と比較するべき灰色の基準値を予め設けておくことによって、一種類のカラーまたはモノクロテストパターンで輝度調整を可能にしている。これによって、端末装置1は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。
【0045】
また端末装置1は、ラインスキャナ2と制御部6との間でデータを伝送するための伝送部として、好ましくは、有線伝送部7と光伝送部8と記憶媒体伝送部9のうちの少なくとも1つを有する。さらに好ましくは、端末装置1は、3種類の伝送部のうちの少なくとも2つを備える。これによって、端末装置1は、装置の用途および使用環境、さらには調整環境に合わせて、最適な伝送手法を選択することができるため、使い勝手が向上する。
【0046】
有線伝送部7は、ラインスキャナ2と制御部6との間のデータ伝送を、有線媒体を介した有線伝送によって行う。これによって端末装置1は、データ伝送のための従来のワイヤー直結用のインタフェイスをそのまま輝度調整に用いることができるため、装置構成の煩雑化を防止することができる。光伝送部8は、ラインスキャナ2と制御部6との間のデータ伝送を、赤外線通信(IrDA)に代表されるような光通信によってよって行う。これによって端末装置1は、たとえば有線伝送用のケーブルが邪魔になるような環境下であっても容易に輝度調整用のデータを伝送することができるため、前記環境下でも輝度調整を行うことができる。記憶媒体伝送部9は、ラインスキャナ2と制御手段との間のデータ伝送を、カード状媒体等の記憶媒体を介在させて行う。これによって端末装置1は、たとえばラインスキャナ2側で記憶媒体に書込ませた読取りデータを本体側で読出させて制御手段に与えることによって輝度調整を行うことができるため、より簡潔に輝度調整を行うことができる。
【0047】
図1の端末装置1の具体的な構成を以下に説明する。図1の端末装置1は、取外し可能なラインスキャナ2を含むファクシミリ装置で実現されている。端末装置1は、好ましくは、ラインスキャナ2、表示部3、複数の電飾部4、記憶部5、制御部6、有線伝送部7、光伝送部8、および記憶媒体伝送部9の他に、データバス11、タイマ12、パネルキーボード13、I/0コントローラ14、印刷装置15、網制御装置(Networkcontrolunit:NCU)16、モデム17、およびスピーカ18をさらに含む。表示部3は、カラー液晶表示部21、液晶コントローラ22、表示用メモリ23、バックライト24、およびバックライト供給電圧制御回路25を含む。カラー液晶表示部21は、液晶データ電極駆動回路26、液晶走査電極駆動回路27、およびカラー液晶ディスプレイパネル28を含む。電飾部4は右電飾部4Rと左電飾部4Lとが用意されており、左右電飾部4をそれぞれ制御するための電飾表示制御回路29を含む。記憶部5は、リードオンリメモリ(ReadOnlyMemory:ROM)31、ランダムアクセスメモリ(RandomAccessMemory:RAM)32、およびフラッシュメモリ33を含む。
【0048】
制御部6とデータバス11とは、端末全体の制御を行う。データバス11は、制御部6と他の構成部品とデータおよび命令の送受を受持つ。リードオンリメモリ31とランダムアクセスメモリ32とフラッシュメモリ33とは、データバス11につながる。リードオンリメモリ31には、調整モードプログラム、調整パターンテーブル、およびファクシミリ機能などのルーチン業務プログラムが格納されている。ランダムアクセスメモリ32には、少なくとも、スキャナで一旦読取られて本体に転送され記憶された複数ライン分のデータを記憶するラインメモリが含まれる。不揮発メモリであるフラッシュメモリ33には、表示部3および電飾部4の表示輝度調整に必要なデータが格納される。具体的には、フラッシュメモリ33には、バックライト24調整値、赤緑青の表示輝度基準値のテーブル、左右電飾部4調整値、および電飾部輝度基準値が含まれる。
【0049】
タイマ12は、遅延時間およびタイマ12時間の設定に係る。パネルキーボード13は、テンキー、ファンクションキー、カーソルキー、および決定キー等を含み、利用者によって操作される。液晶コントローラ22は、制御部6からの制御に応答して、カラー液晶表示部21を直接制御する。表示用メモリ23は、表示部3の表示画面に表示すべき画像のデータを記憶する。バックライト24は、カラー液晶ディスプレイパネル28を裏面から照明する、バックライト供給電圧制御回路25は、バックライト24への供給電圧を制御する。イルミネーション表示制御回路19は、制御部6からの制御に応答して、左右電飾部4を直接制御する。I/0コントローラ14は、バックライト供給電圧制御回路25およびイルミネーション表示制御回路とデータバス11との間に介在され、両者の間の信号およびデータの入出力を制御する。印刷装置15は、制御部6からの制御に応答して、画像を記録紙に印刷する。網制御装置16は、回線制御し回線と端末の状態を管理して、通信の開始および終了を制御し、公衆電話交換ネットワークに端末装置1を繋ぐ。モデム17は、変復調装置であって、網制御装置16からのデータを復調し、網制御装置16へのデータを変調する。スピーカ18は、エラー発生時のブザー発鳴、およびルーチンワークで各種音声出力に用いられる。
【0050】
図2は、図1の端末装置1に備えられるラインスキャナ2の構成を示すブロック図である。ラインスキャナ2は、本体部から取外し可能ないわゆるハンディスキャナを構成している。ラインスキャナ2は、たとえば、インタフェース部41、照明部42、密着型1次元イメージセンサ43、増幅器44、シェーディング補正回路45、A/D変換器46、ゴムローラ47、回転検出器48、副走査同期制御部49、スキャナ制御部50、1ライン多値化メモリ51、画像圧縮伸張部52、画像メモリ部53、および電源部54を含む。
【0051】
取外し可能なラインスキャナ2は、本体部との間で画像信号および制御信号のやり取りが可能なように、インタフェース部41を介して本体側のデータバス11に連結されている。ラインスキャナ2内部において、照明が読取るべき原稿面を照らしている。1ライン毎に、照らされた原稿面からの反射光が密着型1次元イメージセンサ43でアナログ電気信号である画像信号に変換されて、増幅器44およびシェーディング補正回路45を経てA/D変換器46に導かれる。A/D変換器46は、アナログ電気信号である画像信号をデジタルデータである画像データに変換して、1ライン多値化メモリ51に記憶させる。原稿面の読取りと平行して、ゴムローラ47は、原稿面とスキャナとの相対的なの走行状態を伝えるために、該走行状態に沿って回転している。回転検出器48は、ゴムローラ47の回転を検出して、エンコーダ出力として出力する。通常モードであれば、回転検出器48のエンコーダ出力が副走査同期制御部49に伝えられ、スキャナ制御部50からの制御信号に応答して、1ライン多値化メモリ51の内容がインタフェース部41を介して本体側に送出される。本体側では、必要に応じて、画像データに対する2値化処理が選択されて実行される。
【0052】
本体側で調整モードプログラムが実行開始される場合、すなわち調整モードであれば、データバス11を通して、本体部からスキャナ制御部50に対して、調整モードの開始信号が送られる。調整モード開始信号に応答して、スキャナ制御部50は、照明部42を消灯し、回転検出器48および副走査同期制御部49の出力を無効にする。したがって、調整モード開始後のスキャン主走査開始制御は、本体側からの制御信号によって行われる。すなわち、後述する表示画面フレーム開始時刻に関連する制御信号をスキャナ制御部50が受取ることによって、A/D変換器46が作動し、密着型1次元イメージセンサ43で読取られた1ライン分の画像データが1ライン多値化メモリ51に記憶される。さらに記憶された画像データは、本体側の制御信号を受けて、該制御信号によって決められたタイミングで、順次インタフェース部41を介して本体側のラインメモリに送込まれる。
【0053】
また1ライン多値化メモリ51には、画像圧縮伸張部52および画像メモリ部53がつながっており、1ライン分以上の画像データをラインスキャナ2内に一時的に圧縮記憶し、かつ圧縮された画像データを伸張して呼出すことができるように構成されている。さらに、本体側とラインスキャナ2とがワイヤレス接続可能になるように、ラインスキャナ2内の各構成部品に電力を供給するための電池を含む電源部54が、ラインスキャナ2内に内蔵される。
【0054】
図3は、表示部3の輝度調整時の第1調整パターンである3原色べた画像を示す模式図である。第1調整パターンは、図3(A)に示す赤色(R)のべた画像と、図3(B)に示す緑色(G)のべた画像と、図3(C)に示す青色(B)のべた画像とが、順次切換えられる。ラインスキャナ2は、図3(A)に示すように、各べた画像の水平方向の中央部に、表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。
【0055】
図4は、表示部3の輝度調整時の第2調整パターンである3原色帯状同時表示画像を示す模式図である。3原色帯状同時表示画像では、白色(W)と赤色(R)と緑色(G)と青色(B)と黒色(BL)との帯が、水平軸に略平行に並べられている。ラインスキャナ2は、3原色帯状同時表示画像の水平方向の中央部に、表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。特に図4の例では、表示画面の横幅が100mmであれば、横幅の5分の1である20mm毎に帯状パターンの色を変え、かつ、少なくとも両端を除く領域に赤緑青の3原色の帯が配置されている。
【0056】
図5は、表示部3の輝度調整時の第3調整パターンである灰色べた画像を示す模式図である。ラインスキャナ2は、灰色べた画像の水平方向の中央部に、表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。
【0057】
図6は、電飾部4部の輝度調整時の状態を示す模式図である。図1の端末装置1は、たとえば表示部3の表示画面の左右に棒状の電飾部4が配置されており、電飾部4の長手方向が表示画面の水平軸と略直交している。ラインスキャナ2は、左右の電飾部4に跨るように、たとえば表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。かつ、電飾部4の輝度調整時には、表示画面全体が黒色表示になっていることが好ましい。
【0058】
図7は、図1の端末装置1全体の動作を説明するためのフローチャートである。ステップS900である電源未投入の状態から、ステップS901で端末装置1の電源が投入された後、ステップS902で、電源投入と同時に予め定める特定キーの入力があったか否かが判断される。特定キーの同時入力があれば、ステップS909以後の調整モードに移行し、なければステップS903以後のノーマルモードに移行する。調整モードは、表示部3および電飾部4の輝度調整を行うためのモードである。ノーマルモードは、端末装置1本体の動作を行うためのモードである。
【0059】
まず、ノーマルモードでは、端末装置1の初期化(イニシャライズ)のためのプログラムが作動する。ステップS903において、フラッシュメモリ33内のバックライト24調整値Lsが、コマンドと共に、バックライト供給電圧制御回路25に送られる。バックライト24調整値Lsは、表示部3の輝度設定値を決めるための値であり、たとえば256階調で表現されている。
【0060】
入力されたバックライト24調整値Lsは、バックライト供給電圧制御回路25内のラッチ回路で保持される。さらにバックライト供給電圧制御回路25は、液晶バイアス用昇圧型スイッチングレギュレータを含み、たとえば、電子ボリュームの256階調で表現され、最低輝度に相当する18Vから最大輝度に相当する30Vまで、O.0469Vステップで液晶駆動用電源電圧VEEを変化させることができる。たとえば、ラッチ回路で保持された制御値の階調が「195」であれば、バックライト供給電圧制御回路25は、バックライト24への供給電圧を約27Vに設定して、バックライト24の輝度を保持することになる。
【0061】
次にステップS904において、イルミネーション輝度設定についてもフラッシュメモリ33内の左右イルミネーション調整値Is1,Is2が、フラッシュメモリ33からイルミネーション表示制御回路へ、コマンドと共に送られる。左右イルミネーション調整値Is1,Is2は、左右電飾部4の輝度設定値を決めるための値であり、たとえば64階調で表現されている。左右イルミネーション調整値Is1,Is2は、イルミネーション表示制御回路内の2つのラッチメモリ回路によってそれぞれ保持される。
【0062】
イルミネーション表示制御回路は、たとえば、可変抵抗器で実現される電子ボリュームを含み、入力制御によって、左右電飾部4内の発光ダイオードの輝度を制御する。電子ボリュームは発光ダイオードにコレクタ負荷としてシリーズ接続されており、トランジスタ・スイッチング回路を形成している。トランジスタ・スイッチング回路のべース端子に加えられる発光ダイオードON/OFF制御信号によって、トランジスタもON/OFFし、発光ダイオードが点灯/消灯する。
【0063】
イルミネーション表示制御回路の電子ボリュームの抵抗値は、たとえば、最高輝度に相当する0Ωから最低輝度に相当する1kΩまでの範囲で64階調に分割され、15,625Ω/ステップで変化する。発光ダイオード点灯時の明るさは、電子ボリュームの抵抗値に反比例する。したがって、左右の2つの発光ダイオードが同時に点灯する場合の輝度は、2つのラッチメモリ回路で保持された左右イルミネーション調整値Is1,Is2で決定される。
【0064】
続くステップS905において、端末装置1の輝度設定以外のその他の初期設定が行われる。次いで、ステップS906において、ノーマルモードで実行すべき端末装置1本来の処理が実行される。ステップS907において、ステップS906の処理が終了したか否かが判断され、未終了であれば、ステップS906に戻る。ステップS906の処理が終了した場合、ステップS908でか否かが判断され、端末装置1への電源がOFFにされ、ステップS901に戻る。
【0065】
前述のステップS902で調整モードへの移行が選択されると、ステップS909において、リードオンリメモリ31に格納された調整モードプログラムが起動する。ステップS910において、表示部3の表示画面に、調整項目が表示され、ステップS911において、オペレータはパネルボード上のカーソルキーおよび決定キーを操作して、調整項目を選択する。ステップS912において、選択された調整項目が表示部3の輝度調整か否かが判断される。表示部3の輝度調整が選択された場合、ステップS912からステップS913以後の表示部輝度調整モードに移行し、なければステップS917において、選択された調整項目が電飾部4の輝度調整か否かが判断される。電飾部4の輝度調整が選択された場合、ステップS917からステップS918以後の表示部輝度調整モードに移行し、なければステップS913からステップS922のその他の調整処理に移行する。
【0066】
表示部輝度調整モードでは、ステップS913において、リードオンリメモリ31に格納されている調整パターンテーブルから指定の調整パターンテーブルが読取られ、液晶コントローラ22を経由して、調整パターンテーブルに基づく画像データが、1画面分のバッファとして、表示用メモリ23に展開される。展開される画像データは、たとえば、液晶コントローラ22の制御に従い、カラー液晶表示部21のデータ電極駆動回路および走査電極駆動回路によって駆動されるカラー液晶ディスプレイパネル28の表示画面上に、たとえば1秒あたり60フレーム(60フレーム/sec)かつデューテイサイクル240分の1(1/240)で制御されて、画像として表示される。これによって、調整パターンが表示画面に表示される。以後の説明では、ステップS913において、第1調整パターンである3原色べた画像順次切替表示が選択され、かつ最初の赤色ベタ画像が表示される場合を例としている。
【0067】
表示部3の表示画面は、たとえば、水平方向に赤緑青の液晶素子が320画素分配列され、垂直方向に240画素分配列されている。1画素のドット大きさは、たとえば縦横0.315mm(O.315mm×O.315mm)であり、水平方向が赤緑青の各色に3等分され、画面全体に整列し手は位置されるので、水平方向には960個の素子が並ぶことになる。水平方向の960個の素子に一斉にデータが送られ、該データはフレーム周期16.7ミリ秒(16.7msec)毎に更新されている。
【0068】
ステップS913で表示画面上に表示部輝度調整用の調整パターンが表示されると、次のステップS914で、オペレータによって、表示画面の中央部に、かつ表示画面の水平軸と平行に、ラインスキャナ2が載せられる。ラインスキャナ2の設置後、オペレータがパネルキーボード13上の決定キーを押す。ステップS915でパネルキーボード13上の決定キーの押下が検出されると、ステップS916において、表示部3の輝度自動調整ルーチンが実行される。
【0069】
電飾部4の輝度調整モードでは、ステップS918において、まず調整パターンテーブルからイルミネーション点灯データが取得される。イルミネーション点灯データは、たとえば、電飾部4内の赤色発光ダイオードの点灯と緑色発光ダイオードの点灯との切替え周期を示すデータである。次いで、取得されたイルミネーション点灯データに基づいて、操作パネル上の左右電飾部4が同時に同色になるように点灯され、かつ、たとえば1秒等の所定周期毎に、交互に赤色点灯と緑色点灯とが繰返されるように制御される。
【0070】
次いで、ステップS919において、オペレータによって、左右電飾部4に交叉するように、ラインスキャナ2が載せられる。ラインスキャナ2の設置後、オペレータがパネルキーボード13上の決定キーを押す。ステップS920でパネルキーボード13上の決定キーの押下が検出されると、ステップS921において、電飾部4の輝度自動調整ルーチンが実行される。
【0071】
表示部3および電飾部4の輝度自動調整ルーチンの実行後、ステップS923において、全ての調整処理が終了したか否かが判断される。未終了の処理がある場合、ステップS923からステップS910に戻り、ステップS910〜ステップS923の処理が繰返される。全ての処理が終了した場合、ステップS924において、オペレータの操作に応答して端末装置1の電源がオフされ、ステップS925で図7の処理が終了する。
【0072】
図8は、図7のステップS913で実行される表示部3の輝度自動調整ルーチンを説明するためのフローチャートである。ステップS1200において輝度自動調整ルーチンが開始されると、ステップS1201において、ラインスキャナ2の照明が消灯させられ、回転検出器48および副走査同期制御部49もオフ状態にされる。ステップS1202において、第1〜第3カウンタN,K,Mがそれぞれ1に初期化される(N=1,K=1,M=1)。ステップS1203において、制御部6は、本体側の液晶コントローラ22が出力するタイミング信号の1つであるLCDフレーム開始パルスLPをデータバス11およびインタフェース部41を経由してスキャナ制御部50に取込ませ、表示画面のフレームサイクル時間の半分に相当する遅延時間Tsが経過した時点に同期してスキャンを開始させる。図7の例に従えば、遅延時間Tsは、60分の1秒の半分なので、8.4ミリ秒である(Ts=(1/60)/2=8.4msec)。
【0073】
ステップS1204において、画面水平方向の1ライン分のスキャニングが終わると同時に画像信号がA/D変換され、ステップS1205において、変換後の画像データが1ライン多値化メモリ51に一時記憶される。次いで、ステップS1206において、1ライン分の画像データがインタフェース部41とデータバス11とを介して本体側のランダムアクセスメモリ32に転送され、ステップS1207において、Kライン目のラインメモリL(K)に記憶される。続いて、ステップS1208において、第1カウンタKがインクレメントされ、ステップS1209において、第1カウンタKの値があらかじめ定めるM回以上であるか否かが判断される(K≧M?)。第1カウンタKの値がM回になるまで、ステップS1203〜ステップS1209の処理が繰返される。Mは回数であって、複数回を意味する。
【0074】
ここで、これまでの状況を図9の3原色べた表示画像の輝度検出データと調整説明図を用いて説明する。図9において、スキャナによる読取りを行いA/D変換されて1ライン多値化メモリ51に一時記憶され、本体ラインメモリに転送された1ライン分の画像データが多値化データとして展開された状態を図式的に表現したグラフである。横軸であるX軸方向において、図9の左端の座標X0はラインスキャナ2の左端に相当し、右端の座標X12はラインスキャナ2の右端に相当する。したがって、左側の座標X10から右側の座標X11までの範囲が、表示画面の幅に相当する。図7の例に従えば、表示画面の幅は100mmであるから、スキャナの走査密度が1mmあたり8本(8本/mm)であるとすると、800ドットのデータに相当する。左側の座標X10は表示画面の左端を示し、右側の座標X11は表示画面の右端である。図9において、縦軸であるY軸方向は、ラインスキャナ2の出カレベルを256階調で表しており、表示画面の輝度に相当する。
【0075】
ラインスキャナ2の出力レベルは、表示画面の輝度と比例関係にある。kライン目のラインメモリ値L(k)は、左側の座標X10から右側の座標X11までの範囲のラインスキャナ2の出力レベルの極大極小の平均値とする。図9は、赤色べた画像の読取り結果を示す例である。図9の例では、左側の座標X10から右側の座標X11までの範囲のラインスキャナ2の出力レベルの極大極小の平均を求めると、ラインメモリ値L(1)は128となる(L(1)=128)。図9において、k本目の赤色差分Δr(k)は、フラッシュメモリ33の赤色(R)の表示輝度基準値Lr0と読取られた画像データから算出されるk本目の赤色のラインメモリ値との差を示す。
【0076】
再び図8を参照する。第1カウンタの定数Mが3である場合(M=3)、ステップS1203〜ステップS1209の処理で、3回分のデータが取得される。ステップS1210において、M回分のデータのラインメモリ値L(1)〜L(M)の平均値L(A)が求められる。次いで、ステップS1211において、3原色べた表示画像の色が判定される。具体的には、第2カウンタの値が1(J=1)ならば赤色(R)であり、第2カウンタの値が2(J=2)ならば緑色(G)であり、第2カウンタの値が3(J=3)ならば青色(B)である。
【0077】
ステップS1211において、第2カウンタの値が1である場合、ステップS1212において、赤色のラインメモリ値の平均値Lr(1)にステップS1210で求められた平均値L(A)が代入されて、該平均値Lr(1)の値が決定される。次いで、ステップS1213で、表示画面に表示される調整パターンの色が赤色から緑色に切替えられ、ステップS1213で、第2カウンタJがインクリメントされて、ステップS1203に戻る。この結果、緑色のべた表示画像に対して、ステップS1203〜ステップS1211の処理が繰返される。
【0078】
ステップS1211において、第2カウンタの値が2である場合、ステップS1215において、緑色のラインメモリ値の平均値Lg(1)にステップS1210で求められた平均値L(A)が代入されて、該平均値Lg(1)の値が決定される。次いで、ステップS1216で、表示画面に表示される調整パターンの色が緑色から青色に切替えられ、ステップS1217で、第2カウンタJがインクリメントされて、ステップS1203に戻る。この結果、青色のべた表示画像に対して、ステップS1203〜ステップS1211の処理が繰返される。
【0079】
ステップS1211において、第2カウンタの値が3である場合、ステップS1218において、青色のラインメモリ値の平均値Lb(1)にステップS1210で求められた平均値L(A)が代入されて、該平均値Lb(1)の値が決定される。これによって、赤青緑のラインメモリ値の平均値Lr(1),Lg(1),Lb(1)が得られる。
【0080】
続いて、ステップS1219において、フラッシュメモリ33の赤緑青それぞれの表示輝度基準値Lr0,Lg0,Lb0と、各色の輝度実測値である赤青緑のラインメモリ値の平均値Lr(1),Lg(1),Lb(1)との差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)が求められる。ステップS1220において、各色の差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)の絶対値が相互に比較され、差分の絶対値が最も大きいものを選び、最大差分Δmaxとする。
【0081】
ステップS1221において、最大差分Δmaxが予め定める許容階調差Δpの範囲にあるか否かが判断される。すなわち、最大差分Δmaxの絶対値が許容階調差Δp以下であるか否かが判断される。許容階調差Δpは、たとえば階調差5である。最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内にあれば、表示部3の輝度調整は不要であるので現在のバックライト24調整電圧値VEEのままで良いと判断され、ステップS1222において、バックライト供給電圧制御回路25内のラッチ回路に現在ラッチされている値がフラッシュメモリ33のバックライト24調整値として更新される。更新後、ステップS1230で図8の処理は終了し、図7のステップS923に移行する。
【0082】
ステップS1221において、最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内に無い場合、ステップS1223において、最大差分Δmaxが正の値か負の値かが判断される。最大差分Δmaxが負の値である場合、ステップS1244において、最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内に収まるようにバックライト24電圧VEEを上昇させるために、最大差分Δmaxに比例したコマンドがバックライト供給電圧制御回路25に送られる。また最大差分Δmaxが0または正の値である場合、ステップS1245において、最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内に収まるようにバックライト24電圧VEEを下降させるために、最大差分Δmaxに比例したコマンドがバックライト供給電圧制御回路25に送られる。これらの結果、送られたコマンドに比例した制御値がバックライト供給電圧制御回路25内のラッチ回路にラッチされる。
【0083】
続いて、ステップS1226において、表示画面に表示される調整パターンの色が青から赤に切り換えられる。ステップS1227において、第3カウンタNがインクリメントされ、ステップS1228で第3カウンタNの値があらかじめ定める上限回数を越えたか否かが判断される。第3カウンタNは調整サイクルの回数を計数しており、上限回数はたとえば3回である。第3カウンタNの値が上限回数以下であれば、ステップS1203に戻る。この結果、ステップS1203〜ステップS1227の調整サイクルが繰返される。調整サイクルの繰返し回数は3回を限度としており、調整サイクルの繰返しが上限回数を越える場合は、ステップS1229において、調整エラー処理として、ブザーの鳴動等の報知処理が行われ、ステップS1230において図8の処理が終了する。
【0084】
図10は、図4の3原色帯状同時表示画像を読取って得られる画像データが多値化データとして展開された状態を図式的に表現したグラフである。図10のX軸およびY軸ならびに左右端の座標X0,X12の意味付けは、図9と等しい。左側から順に、第1座標X1から第2座標X2までの範囲が表示画面の白色部分の輝度に相当し、第2座標X2から第3座標X3までの範囲が表示画面の赤色部分の輝度Lr(1)に相当し、第3座標X3から第4座標X4までの範囲が表示画面の緑色部分の輝度Lg(1)に相当し、第4座標X4から第5座標X5までの範囲が表示画面の青色部分の輝度Lb(1)に相当し、第5座標X5から第6座標X6までの範囲が表示画面の黒色部分の輝度に相当する。このように、図4の3原色帯状同時表示画像が表示される場合、調整パターンを各色毎に切り換えることなく、少なくとも赤緑青の3色の輝度を1回の主走査によって取得することができる。
【0085】
図10で示す表示画面の各色部分の輝度Lr(1),Lg(1),Lb(1)と各色の表示輝度基準値Lr0,Lg0,Lb0との差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)が求められ、得られた輝度差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)の中から最大の輝度差分が選ばれる。図10の例では、緑の輝度差分Δg(1)が最も大きいので、矢印1402で示すように、緑色部分の実測の輝度Lg(1)が緑色の表示輝度基準値Lg0まで下がるように、バックライト供給電圧制御回路25の制御値がコマンドによって変更され、複数回の制御で輝度差分Δg(n)が許容範囲Δp以内に収まった時点の制御値がラッチされ、バックライト24調整値として記憶される。結果として、輝度調整によって、各色の輝度の実測値1404,1403,1405が各色の表示輝度基準値Lr0,Lg0,Lb0と一致するように制御される。
【0086】
また、図5の灰色べた画像が調整パターンとして用いられる場合、表示画面内の赤緑青の各素子の輝度がそれぞれ中間階調になっているので、ラインスキャナ2の出力は、各色素子の輝度がミックスされた輝度を示している。灰色の輝度基準制御値が表示輝度基準値に加えられていれば、制御部6が、灰色の輝度基準値とスキャナによって測定される実測の輝度とを比較して、両者の輝度差分が許容範囲内に入るようにバックライト24の輝度を制御することによって、人手によっては不可能な判別が客観的に実行可能である。たとえば、ガンマー補正のバラツキが全くないように調整された液晶表示ユニットを表示部3の構成要素として用いる端末装置1の輝度調整は、灰色べた画像を用いる手法でも有効である。
【0087】
図7のステップS921で実行される電飾部4の輝度自動調整ルーチンにおいて、ハンドスキャナの動作および取得されたデータ処理は、大筋において図8で説明された表示部3の輝度調整ルーチンに類似している。ゆえに、電飾部4の輝度自動調整ルーチンの詳しいフローは省略し、図11を用いて動作を説明する。図11は、赤色発光ダイオード点灯時に、左右電飾部4の輝度が1ラインスキャナ2で主走査されて多値化メモリに一時記憶され、インタフェース部41を経て本体側のラインメモリに記憶された1ライン分の画像データが多値化データとして展開された状況を示している。図11のX軸およびY軸ならびに左右端の座標X0,X12の意味付けは、図9と等しい。図11において、左側の2つの座標X1,X2間の範囲が左側電飾部4の輝度の実測値1501を示し、右側の2つの座標X3,X4間の範囲が右側電飾部4の輝度の実測値1502を示す。またイルミネーション輝度基準値Ir0を、Y軸上に示す。
【0088】
左側電飾部4の輝度の実測値1501と右側電飾部4の輝度の実測値1502とをイルミネーション輝度基準値Ir0と比較すると、左側電飾部4の輝度の実測値1501は輝度差分ΔIl(1)だけイルミネーション輝度基準値Ir0よりも輝度が高く、右側電飾部4の輝度の実測値1501は輝度差分ΔIr(1)だけイルミネーション輝度基準値Ir0よりも輝度が低い。ゆえに、左側電飾部4は実測値1501よりも輝度を下げるように制御され、右側電飾部4は実測値1502よりも輝度を上げるように制御される。具体的には、左側電飾部4に対しては、イルミネーション表示制御回路の左側電飾部4用の電子ボリュームの抵抗値を上げるようにコマンドがラッチ回路に送られ、実測値1501とイルミネーション輝度基準値Ir0とが一致するまで抵抗値が制御され、両者が一致した時点の制御値がラッチされ、ラッチされた制御値がフラッシュメモリ33の左側電飾部4の赤色の調整値として更新される。また右側電飾部4に対しては、左側電飾部4と同様に、イルミネーション表示制御回路の右側電飾部4用の電子ボリュームの抵抗値を下げることによって、実測値1502とイルミネーション輝度基準値Ir0とが一致するまで左側電飾部4の輝度が上昇するように制御され、両者が一致した時点の制御値がフラッシュメモリ33の右側電飾部4の赤色の調整値として更新される。さらに、電飾部4の赤色の輝度調整と同様の手順で電飾部4の緑色の輝度調整が行われる。これによって、フラッシュメモリ33には、左右電飾部4の赤色および緑色の調整値として、合計4個の調整値が更新記憶される。
【0089】
図12は、図3の3色の3原色べた画像を調整パターンとして用いる場合の表示部3の輝度調整を説明するためのタイムチャートである。図12(A)に示す調整モードスタートタイミング701に応答して、図12(B)に示す調整モード702に入る。調整モード開始後、図12(C)に示すように、表示部3の表示画面の状態は、赤色べた画像表示703と緑色べた画像表示704と赤色べた画像表示705とに、間隔を空けて順次切替わる。各色べた画像表示中に、ラインスキャナ2によって読取られた画面の画像データ、すなわち表示画面の輝度は、読取りのたびに、図12(D)で示すタイミングで本体部の記憶部5に転送され、図12(E)で示すタイミングで本体部の記憶部5に記憶される。輝度の取得転送および記憶は、各色べた画像表示中に複数回行われる。各色べた画像表示後、図12(F)に示す輝度の平均値の演算処理707,708,709が実行される。フレームサイクル毎に輝度を一回測定すれば、数回の測定を行っても100msec以内で1色の輝度の平均値は演算可能である。
【0090】
三色目の輝度の平均値の演算後、図12(G)に示すタイミング710で、3色の中で最も輝度差分の大きい色を選択し、再調整の要否判別が行なわれる。再調整が必要であれば、図12(H)に示すタイミング711で、輝度に着目し1回目の輝度補正が行なわれる。1または複数回の輝度補正が繰り返された後、図12(I)に示すタイミング712で表示部3の輝度調整が完了し、次いで図12(J)に示すタイミング713で、補正値が不揮発メモリに記憶され、図12(B)に示すタイミング714で表示部3の輝度調整モードが終了する。これによって、調整モード開始タイミング701から表示部3の輝度調整モード終了タイミング714までの時間が500m秒〜1秒程度ですむ。この結果端末装置1は、殆ど時間をかけることなく、かつ客観的に、表示部3の輝度調整を行うことができる。
【0091】
図13は、図4の3色帯状同時表示画像を調整パターンとして用いる場合の表示部3の輝度調整を説明するためのタイムチャートである。図13(A),図13(B)、図13(D)〜図13(J)の意味合いは、図12(A),図12(B)、図12(D)〜図12(J)と等しいので説明は省略する。また図13の例では、調整モード開始後、図13(C)に示すように、表示部3の表示画面の状態は、3色帯状同時表示画像803,804,805が、間隔を空けて繰返し表示されている。各3色帯状同時表示画像表示中に、表示画面の3色分の輝度は、読取りのたびに、図13(D)で示すタイミングで本体部の記憶部5に転送され、図13(E)で示すタイミングで本体部の記憶部5に記憶される。輝度の取得転送および記憶は、各3色帯状同時画像表示中に複数回行われる。3色帯状同時画像が1回表示されるたびに、表示後、図13(F)に示す各色の輝度の平均値の演算処理806,807,808が実行される。演算処理実行後、図13(G)に示すタイミング809で、3色の中で最も輝度差分の大きい色を選択し、再調整の要否判別が行なわれる。再調整が必要であれば、図13(H)に示すタイミング810で、輝度に着目し1回目の輝度補正が行なわれる。1または複数回の輝度補正が繰り返された後、図13(I)に示すタイミング811で表示部3の輝度調整が完了し、次いで図13(J)に示すタイミング812で、補正値が不揮発メモリに記憶され、図13(B)に示すタイミング813で表示部3の輝度調整モードが終了する。図13の手順は、図12の手順よりも表示画面のスキャン回数が少ない分、図13の手順の方が早い。また図13の手順は、多くの人の視覚に調整の平均制御値を求める場合に用いて、装置毎の基準制御値を決める際に役立つ。
【0092】
以上の説明では、カラー画面の調整手法について述べてきた。図1の端末装置1において表示画面がモノクロ表示である場合、白色と黒色と灰色との調整パターンを白黒の中間調を含めて生成したならば、輝度調整はカラー画面の調整手法に包含される手法で容易に実行可能である。
【0093】
図14および図15は、従来技術の表示部3および電飾部4の輝度調整手法の1例を説明するためのフローチャートである。人手を用いて輝度調整を行う従来技術は、たとえば、図7のフローチャートのうちのステップS913〜ステップS916を図14の処理に置換え、ステップS918〜ステップS921を図15の処理に置換えた処理である。
【0094】
図14において、ステップS1001で表示部3の表示画面に輝度の調整パターンが表示され、ステップS1002で表示部3のコントラストおよび輝度が最適になるように、オペレータが肉眼で表示部3を確認しつつ操作パネルのカーソルキーおよび決定キーを操作する。決定キー操作後、操作パネルへの操作によって選択された表示部3の輝度の制御値が、不揮発性メモリに記憶される。
【0095】
図15において、ステップS1101で操作パネル上の電飾部4が点灯され、ステップS1102で左右電飾部4の輝度が両者の差異の無い最適な輝度になるように、オペレータが肉眼で左右電飾部4を比較しつつ操作パネルのカーソルキーおよび決定キーを操作する。決定キー操作後、操作パネルへの操作によって選択された電飾部4の輝度の制御値が、不揮発性メモリに記憶される。
【0096】
このように、従来技術では、表示部3および電飾部4の輝度調整に人手による作業が入っている。人手による作業部分はいずれも数分係る作業であり、オペレータの差、オペレータの疲労、および照明環境の違いによって調整誤差が免れないことがわかる。従来技術に対して図1の端末装置1では、図7で説明したように、輝度調整中に人手を煩わす可能性があるのはラインスキャナ2を設置するような極めて容易な作業だけなので、人手が介在することに起因する調整誤差の発生が抑えられる。
【0097】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、端末装置は、画像を表示可能な表示手段の輝度調整を、取外し可能なラインスキャナを用いて行う。輝度調整制御時にラインスキャナによって1ライン分ずつ読取られた輝度の各色毎の輝度の平均値と予め定める基準値との差分が予め定める許容範囲外である場合、差分が許容範囲内に入るように表示手段が制御される。これによって、端末装置は、人手による視覚および調整環境の明るさの差異に起因する輝度の調整ムラを、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に解消することが可能になる。
【0098】
また以上のように本発明によれば、端末装置は、個々に点灯可能な複数の電蝕手段の輝度調整を、取外し可能なラインスキャナを用いて行う。すなわち、輝度調整制御時にラインスキャナによって読取られた各電飾手段の輝度が相互に一致し、かつ該各電飾手段の輝度が予め定める許容範囲内に収まるように、電飾手段が制御される。これによって、端末装置は、使用環境で適当に目立ちやすくかつ輝度の調整ムラのない品位のある発光表示を、簡便かつ確実な手法で客観的に自動調整することができる。
【0099】
さらにまた本発明によれば、端末装置において、表示手段の輝度調整時に、ラインスキャナが、表示画面の上下方向の中央部に、かつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように、載せられる。これによって、ラインスキャナは、表示画面の各色の輝度を平均的に取得することができる。また表示手段の輝度調整時に、表示画面に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻に同期して、ラインスキャナの走査開始時刻が設定される。これによって、ラインスキャナによって比較的安定した輝度を測定することができる。
【0100】
また本発明によれば、端末装置において、表示画面の輝度が1ライン分ずつ複数ライン分読取られ、複数ライン分の輝度のデータの各色毎の平均値に基づき輝度調整制御が行われる。これによって、表示画面に対するラインスキャナの位置の精度に関わらず、端末装置は正確な輝度調整を自動的に行うことができる。
【0101】
さらにまた本発明によれば、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示画面全体を単一色を塗潰した画像が用いられ、かつ、表示する色が予め定める周期毎に順次切換えられる。また本発明によれば、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、赤青緑に代表される1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンが用いられる。さらにまた本発明によれば、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンが用いられる。これらによって、端末装置は処理を簡略化することができる。
【0102】
また本発明によれば、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送が、有線媒体を介した有線伝送によって行われる。これによって端末装置は、装置構成の煩雑化を防止することができる。さらにまた本発明によれば、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送が、光通信によってよって行われる。これによって端末装置は、有線伝送用のケーブルが邪魔になるような環境下でも輝度調整を行うことができる。また本発明によれば、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送が、カード状媒体等の記憶媒体を介在させて行われる。これによって端末装置は、より簡潔に輝度調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である端末装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の端末装置1のラインスキャナ2の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の端末装置1で用いられる第1調整パターンとラインスキャナ2の配置状態とを示す図である。
【図4】図1の端末装置1で用いられる第2調整パターンを示す図である。
【図5】図1の端末装置1で用いられる第3調整パターンを示す図である。
【図6】図1の端末装置1の電飾部4の輝度調整時のラインスキャナ2の配置状態を示す図である。
【図7】図1の端末装置1全体の処理を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS916で実行される表示部3の輝度自動調整ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図3の第1調整パターンを用いる表示部輝度調整時の表示部3の輝度分布を模式的に示す図である。
【図10】図4の第2調整パターンを用いる表示部輝度調整時の表示部3の輝度分布を模式的に示す図である。
【図11】電飾部輝度調整時の電飾部4および表示部3の輝度分布を模式的に示す図である。
【図12】図3の調整パターンが用いられる場合における図1の端末装置1の輝度調整のタイムチャートである。
【図13】図4の調整パターンが用いられる場合における図1の端末装置1の輝度調整のタイムチャートである。
【図14】従来技術の端末装置1の表示部3の輝度調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】従来技術の端末装置の電飾部4の輝度調整処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 端末装置
2 ラインスキャナ
3 表示部
4 電飾部
4L 左電飾部
4R 右電飾部
5 記憶部
6 制御部
7 有線伝送部
8 光伝送部
9 記憶媒体伝送部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラインスキャナと表示画面を有する表示手段とを含む端末装置、およびラインスキャナと複数の電飾手段とを含む端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スキャナ付きファクシミリ装置等に代表される端末装置には、本体から取外し可能なラインスキャナの他に、液晶表示装置等に代表される表示部が取付けられている。また、前記端末装置の本体表面には、複数の棒状の電飾部がさらに備えられていることもある。
【0003】
表示部を備える端末装置において、表示部の表示画面の輝度等を正確に測定するためには、輝度を測定するための装置等の設備投資が伴う。このため、表示部を備える端末装置の一般的な生産工程、および製品のメンテナンス段階での輝度調整は、人手によって主観的に行われている。
【0004】
また、電飾部を備える端末装置において、各電飾部を構成する発光素子の特性上のばらつきを吸収することが困難であるため、2つ以上の電飾部を同時に点灯させる場合、全ての電飾部の輝度の際の発生を避けることは難しい。このため、電飾部を備える端末装置は、出荷前等に輝度調整が行われている。電飾部を備える端末装置の輝度調整もまた、人手によって主観的に行われている。
【0005】
表示部を備える端末装置の輝度調整に関する従来技術として、以下のような2種類の従来技術が挙げられる。
【0006】
第1の従来技術で開示される輝度調整技術では、液晶表示装置内の液晶パネルにおいて、赤緑青(RGB)各要素毎のガンマ補正データがメモリに記憶され、記憶されたガンマ補正データを用いて、入力映像信号に対しガンマ補正が適切に行われる。また第1の従来技術では、数個に分割された液晶パネルの表示画面を、たとえば4分割領域等の大まかな領域に分割し、分割された領域の各中心部である4個所毎の平均輝度の差異に対応して各領域のガンマ補正を行い、表示画面全体の輝度特性の均一を図っている。
【0007】
第2の従来技術で開示される輝度調整技術では、予め用意されている基準フィルム画像を装置に備えられるラインスキャナで読取って第1のデータとして記憶し、画像読取り装置の液晶パネル(LCD)の表示画面に表示出力する。さらに表示中の液晶パネルをラインスキャナで読取って第2のデータとして記憶する。第1のデータと第2のデータとが比較され、両データが等しくなるように、液晶パネルの各色毎の表示駆動回路の入カゲインを調整する。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−222264号公報
【特許文献2】
特開2000−324304号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、表示部を備える端末装置において、表示部ユニットが一旦製造された後、端末装置の構成要素の一部として組込まれた段階では、表示部の輝度調整は、オペレータ等の人手を用いて行われている。また電飾部を備える端末装置における電飾部の輝度調整も、人手を用いて行われている。このため、輝度調整がオペレータの視覚に依存するため、人の視覚の差異および調整環境の明るさの差異に起因する輝度に起因する調整ムラが生じる恐れがある。
【0010】
上述した第1の従来技術では、液晶パネルの赤緑青各要素毎のガンマ補正に関する技術、および表示画面全体の輝度特性の均一を図る技術について示している。しかしながら、端末装置の構成要素の一つとして組込まれた表示部の輝度自動調整、および製品修復過程での液晶表示部の輝度自動調整する手法については触れられておらず、人手に頼らない輝度調整の実現は、これら技術を用いるだけでは困難である。
【0011】
また第2の従来技術では、カラー表示部を設けて読取画像データを表示する際にラインスキャナおよび表示部照明を共用し、さらにはその機構的かつ光学的構成を用いて各色毎の表示駆動回路の入カゲインを調整する技術については言及されている。しかし、密着型のラインスキャナによる輝度データの収集等については全く示されていないため、人手に頼らない輝度調整の実現は、これら技術を用いるだけでは困難である。
【0012】
このように、表示部または電飾部を備える端末装置において、人手に頼ることなく客観的に輝度を自動調整して輝度調整ムラのない表示輝度を設定する技術は未解決であり、課題である。
【0013】
本発明の目的は、表示部または電飾部とラインスキャナとを備える端末装置において客観的な輝度の自動調整を行うことができる端末装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、取外し可能なラインスキャナと、
表示画面に画像を表示可能な表示手段と、
表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値とそれぞれ比較すべき予め定める基準値からなる基準データテーブル、および、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分の予め定める許容範囲を記憶している記憶手段と、
装置全体の駆動制御および表示手段の輝度調整制御をそれぞれ行う制御手段であって、表示手段の調整に際し、
予め定める調整パターンを表示手段の表示画面に表示させ、
ラインスキャナの主走査方向が表示画面の水平軸に略平行になるようにラインスキャナを表示画面上に載せさせた状態で、ラインスキャナに表示画面の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力させ、
読取りデータの各色毎の輝度のデータの平均値を演算し、各色毎の輝度のデータの平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分を求め、
求められた差分が許容範囲外の値である場合、差分が正の値であれば、表示画面への画像の表示に際して表示画面の差分の最も大きい色の輝度を低下させるように表示手段を制御し、差分が負の値であれば、表示画面への画像の表示に際して、差分が許容範囲内に入るまで表示画面の差分の最も大きい色の輝度を増加させるように表示手段を制御することによって、差分を許容範囲内に収める制御手段とを含むことを特徴とする端末装置である。
【0015】
本発明に従えば、端末装置は、取外し可能なラインスキャナと、画像を表示可能な表示手段と、端末装置全体の駆動制御を行う制御手段とを含む。制御手段は、駆動制御の他に、ラインスキャナを用いた表示手段の輝度調整制御も行う。輝度調整制御時にラインスキャナによって1ライン分ずつ読取られた輝度の各色毎の輝度の平均値と予め定める基準値との差分が予め定める許容範囲外である場合、差分が許容範囲内に入るように表示手段が制御される。すなわち、差分の最も大きい色に注目して、差分がプラスであれば輝度を低下するように表示手段が制御され、逆に差分がマイナスであれば、輝度を上昇するように表示手段が制御される。この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置の最も使用される環境の明るさに応じて、表示画面の輝度が客観的に調整される。これによって、端末装置は、人手による視覚および調整環境の明るさの差異に起因する輝度の調整ムラを、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に解消することが可能になる。
【0016】
また本発明は、取外し可能なラインスキャナと、
2以上の色で個々に点灯可能な複数の電飾手段と、
電飾手段の輝度の予め定める許容範囲を記憶している記憶手段と、
装置全体の駆動制御および電飾手段の輝度調整制御をそれぞれ行う制御手段であって、電飾手段の調整に際し、
複数の電飾手段を同時に同色で発光させ、
複数の電飾手段に跨るようにラインスキャナを配置した状態で、ラインスキャナに電飾手段の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各電飾手段の輝度のデータを含む読取りデータを出力させ、
読取りデータの各電飾手段の輝度のデータに基づき、複数の該電飾手段の輝度が相互に等しく、かつ該各電飾手段の輝度が許容範囲内に収まるように、電飾手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする端末装置である。
【0017】
本発明に従えば、端末装置は、取外し可能なラインスキャナの他に、個々に点灯可能な複数の電飾手段を含む。制御手段は、端末装置全体の駆動制御のほかに、ラインスキャナを用いて電飾手段の輝度調整制御も行う。すなわち、輝度調整制御時にラインスキャナによって読取られた各電飾手段の輝度が相互に一致し、かつ該各電飾手段の輝度が予め定める許容範囲内に収まるように、制御部によって電飾手段が制御される。この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置が最も使用される環境の明るさにおいて、電飾手段本来の目的に合わせて、複数の電飾手段の輝度が客観的に同一に調整される。これによって、端末装置は、使用環境で適当に目立ちやすくかつ輝度の調整ムラのない品位のある発光表示を、簡便かつ確実な手法で客観的に自動調整することができる。
【0018】
また本発明の端末装置は、前記制御手段は、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部であってかつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように載せられているラインスキャナの走査開始のタイミング時刻を、前記表示手段に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻からフレーム周期の半分だけ遅れた時刻に同期させることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、端末装置において、表示手段の輝度調整時に、ラインスキャナが、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部に、かつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように、載せられる。これによって、ラインスキャナは、表示画面の赤青緑(赤緑青)各色の輝度を平均的に取得することができる。また表示手段の輝度調整時に、制御手段は、表示画面に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻に同期して、ラインスキャナの走査開始時刻を設定する。この結果、ラインスキャナの用紙送り方向である副走査方向の同期制御が、調整パターンの表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻の同期制御に切替えられた状態で、主走査を行うことが可能になる。これによって、ラインスキャナの走査タイミングがフレーム周期内の帰線期間等に出くわすことを避けることができる。すなわち、ラインスキャナの走査タイミングが表示画面の中央のラインが概ね表示駆動を受けたタイミングの直後に相当するので、ラインスキャナによって比較的安定した輝度を測定することができる。
【0020】
また本発明の端末装置は、前記制御手段は、前記ラインスキャナに表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取らせて、各ライン毎の読取りデータを出力させ、各色毎に全ラインの読取りデータの輝度のデータの平均値を演算することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、端末装置において、ラインスキャナが表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取り、制御手段が複数ライン分の輝度のデータの平均値を各色毎に演算して、演算結果に基づき輝度調整制御を自動で行う。これによって、表示画面に対するラインスキャナの位置の精度に関わらず、端末装置は正確な輝度調整を自動的に行うことができる。
【0022】
また本発明の端末装置は、前記制御手段が、表示手段の調整に際し、単一色で全体を塗潰したパターンを調整パターンとして表示画面に表示させ、かつ、パターンの色を予め定める周期毎に順次切換えさせることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、端末装置の制御手段は、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示画面全体に単一色を塗潰すように表示させ、かつ、表示する色を予め定める周期毎に順次切換えさせる。これによって、端末装置は、端末装置にとって単純な処理で調整パターンを表示させることができるため、処理を簡略化させることができる。
【0024】
また本発明の端末装置は、前記制御手段が、表示手段の調整に際し、1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンを調整パターンとして表示画面に表示させることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、端末装置の制御手段は、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、赤青緑に代表される1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンを表示させる。これによって、端末装置は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。
【0026】
また本発明の端末装置は、前記制御手段が、表示手段の調整に際し、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンを調整パターンとして表示画面に表示させることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、端末装置の制御手段は、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンを表示させる。これによって、端末装置は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。
【0028】
また本発明の端末装置は、前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを有線媒体を介して伝送するための有線伝送手段を含むことを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、端末装置は、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送を、有線媒体を介した有線伝送によって行う。これによって端末装置は、データ伝送のための従来のワイヤー直結用のインタフェイスをそのまま輝度調整に用いることができるため、装置構成の煩雑化を防止することができる。
【0030】
また本発明の端末装置は、前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを光通信を用いて伝送するための光伝送手段を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、端末装置は、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送を、赤外線通信(IrDA)に代表されるような光通信によってよって行う。これによって端末装置は、たとえば有線伝送用のケーブルが邪魔になるような環境下であっても容易に輝度調整用のデータを伝送することができるため、前記環境下でも輝度調整を行うことができる。
【0032】
また本発明の端末装置は、前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを記憶媒体を用いて伝送するための記憶媒体伝送手段を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明に従えば、端末装置は、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送を、カード状媒体等の記憶媒体を介在させて行う。これによって端末装置は、たとえばラインスキャナ側で記憶媒体に書込ませた読取りデータを本体側で読出させて制御手段に与えることによって輝度調整を行うことができるため、より簡潔に輝度調整を行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である端末装置1の構成を示すブロック図である。端末装置1は、ラインスキャナ2、表示部3、複数の電飾部4、記憶部5、および制御部6を少なくとも含む。表示部3および電飾部4は、少なくとも一方が含まれていれば良い。表示部3、電飾部4、記憶部5、制御部6は、本体に含まれる。ラインスキャナ2は、本体から取外し可能に構成される。
【0035】
ラインスキャナ2は、対象物表面を少なくとも1ライン分ずつ読取り、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力する。表示部3は表示画面を備え、制御部6の制御に応答して、表示画面に画像を表示可能に構成される。各電飾部4は、2以上の色で個々に点灯可能である。記憶部5は、制御部6で用いられる各種のデータを記憶している。記憶部5には、表示部3の基準データテーブル、表示部3の輝度差分の予め定める許容範囲、および電飾部4の輝度の予め定める許容範囲が、少なくとも記憶されている。表示部3の基準データテーブルは、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値とそれぞれ比較すべき予め定める基準値からなる。表示部3の輝度差分は、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分である。制御部6は、装置全体の駆動制御、表示部3の輝度調整制御、電飾部4の輝度調整制御をそれぞれ行う。
【0036】
制御部6は、表示部3の輝度調整に際し、まず、予め定める調整パターンを表示部3の表示画面に表示させる。次いで、ラインスキャナ2の主走査方向が表示画面の水平軸に略平行になるように、ラインスキャナ2を表示画面上に載せさせ、ラインスキャナ2に表示画面の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力させる。続いて、読取りデータの各色毎の輝度のデータの平均値を演算し、各色毎の輝度のデータの平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分を求める。求められた差分に基づいて、制御部6は、表示部3への画像の表示に際して、差分を許容範囲内に収めるように制御する。すなわち、求められた差分が許容範囲外の値である場合、差分が正の値であれば、表示画面の差分の最も大きい色の輝度を低下させるように表示部3を制御し、差分が負の値であれば、表示画面への画像の表示に際して、差分が許容範囲内に入るまで表示画面の差分の最も大きい色の輝度を増加させるように表示部3を制御する。
【0037】
この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置1の最も使用される環境の明るさに応じて、表示画面の輝度が客観的に調整される。これによって、端末装置1は、人手による視覚および調整環境の明るさの差異に起因する輝度の調整ムラを、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に解消することが可能になる。
【0038】
また制御部6は、電飾部4の輝度調整に際し、まず、複数の電飾部4を同時に同色で発光させる。次いで、複数の電飾部4に跨るようにラインスキャナ2を配置した状態で、ラインスキャナ2に電飾部4の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各電飾部4の輝度のデータを含む読取りデータを出力させる。制御部6は、電飾部4の発光表示に際して、読取りデータの各電飾部4の輝度のデータに基づき、複数の該電飾部4の輝度が相互に等しく、かつ該各電飾部4の輝度が許容範囲内に収まるように、電飾部4を制御する。この結果、オペレータの視覚だけに依存することなく、端末装置1が最も使用される環境の明るさにおいて、電飾部4本来の目的に合わせて、複数の電飾部4の輝度が客観的に同一に調整される。これによって、端末装置1は、使用環境で適当に目立ちやすくかつ輝度の調整ムラのない品位のある発光表示を、簡便かつ確実な手法で客観的に自動調整することができる。
【0039】
図1の端末装置1において、好ましくは、表示部3の輝度調整時に、ラインスキャナ2が、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部に、かつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように、載せられる。これによって、ラインスキャナ2は、表示画面の赤青緑(RGB)各色の輝度を平均的に取得することができる。また好ましくは、表示部3の輝度調整時に、制御部6は、表示画面に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻からフレーム周期の半分、すなわち1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻に同期して、ラインスキャナ2の走査開始時刻を設定する。この結果、ラインスキャナ2の用紙送り方向である副走査方向の同期制御が、調整パターンの表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻の同期制御に切替えられた状態で、主走査を行うことが可能になる。これによって、ラインスキャナ2の走査タイミングがフレーム周期内の帰線期間等に出くわすことを避けることができる。すなわち、ラインスキャナ2の走査タイミングが表示画面の中央のラインが概ね表示駆動を受けたタイミングの直後に相当するので、ラインスキャナ2によって比較的安定した輝度を測定することができる。
【0040】
輝度調整時には、たとえば、ラインスキャナ2は、機械操作等によって精密に表示画面上に案内するとは限らず、簡単な持具等を用いて案内されることもある。このため、表示画面に対するラインスキャナ2の位置の基準位置に対する上下方向への差異、およびラインスキャナ2の主走査方向と表示画面の水平軸との傾きに応じて、読取られる輝度が異なることが予想される。このため、好ましくは、端末装置1において、ラインスキャナ2が表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取り、制御部6が複数ライン分の輝度のデータの平均値を各色毎に演算して、演算結果に基づき輝度調整制御を自動で行う。これによって、表示画面に対するラインスキャナ2の位置の精度に関わらず、端末装置1は正確な輝度調整を自動的に行うことができる。
【0041】
表示部3の輝度調整時に用いるべき調整パターンは、好ましくは、以下の3種類のうちの少なくとも1種類であればよい。さらに好ましくは、端末装置1は、第1〜第3調整パターンを適宜選択可能に構成されている。これによって、端末装置1は、装置の用途および使用環境、さらには調整環境に合わせて、最適な調整パターンを選択することができるため、使い勝手が向上する。
【0042】
第1調整パターンは、表示画面全体が単一色によって塗潰されるパターンであり、かつ、表示する色が予め定める周期毎に順次切換えさせられる。これによって、端末装置1は、端末装置1にとって単純な処理で調整パターンを表示させることができるため、処理を簡略化させることができる。
【0043】
第2調整パターンは、赤青緑に代表される1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンである。これによって、端末装置1は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。また、このような調整パターンが用いられる場合、端末装置1は、人の視覚および機械のどちらであっても、複数の色の表示輝度を同時に比較することができる。これによって端末装置1は、端末装置1が最も使われやすい照明環境に置かれた状態で多くの人の視覚での最適輝度を採集して、調整対象の端末装置1の標準的な輝度データの平均値を求め、機種毎の調整時の基準値を決定する際に役立てることができる。
【0044】
第3調整パターンは、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンである。たとえば、表示部3が赤緑青の三原色の加法混色を用いるカラー表示を行う場合、第3調整パターンの灰色は、いわゆるカラー中間調、すなわち機種毎に設定されている3原色の基準値を加法混色して得られる灰色である。表示部3が白黒の2色を用いるモノクロ表示を行う場合、第3調整パターンの灰色は、、いわゆるモノクロ中間調、すなわち白色と黒色との中間である灰色である。灰色画面の色の変化は人の視覚では分別し難いが、本発明の端末装置1では、ラインスキャナ2での測定結果と比較するべき灰色の基準値を予め設けておくことによって、一種類のカラーまたはモノクロテストパターンで輝度調整を可能にしている。これによって、端末装置1は、1種類の調整パターンを用いて2種類以上の色の輝度を調整することが可能になるため、処理を簡略化することができる。
【0045】
また端末装置1は、ラインスキャナ2と制御部6との間でデータを伝送するための伝送部として、好ましくは、有線伝送部7と光伝送部8と記憶媒体伝送部9のうちの少なくとも1つを有する。さらに好ましくは、端末装置1は、3種類の伝送部のうちの少なくとも2つを備える。これによって、端末装置1は、装置の用途および使用環境、さらには調整環境に合わせて、最適な伝送手法を選択することができるため、使い勝手が向上する。
【0046】
有線伝送部7は、ラインスキャナ2と制御部6との間のデータ伝送を、有線媒体を介した有線伝送によって行う。これによって端末装置1は、データ伝送のための従来のワイヤー直結用のインタフェイスをそのまま輝度調整に用いることができるため、装置構成の煩雑化を防止することができる。光伝送部8は、ラインスキャナ2と制御部6との間のデータ伝送を、赤外線通信(IrDA)に代表されるような光通信によってよって行う。これによって端末装置1は、たとえば有線伝送用のケーブルが邪魔になるような環境下であっても容易に輝度調整用のデータを伝送することができるため、前記環境下でも輝度調整を行うことができる。記憶媒体伝送部9は、ラインスキャナ2と制御手段との間のデータ伝送を、カード状媒体等の記憶媒体を介在させて行う。これによって端末装置1は、たとえばラインスキャナ2側で記憶媒体に書込ませた読取りデータを本体側で読出させて制御手段に与えることによって輝度調整を行うことができるため、より簡潔に輝度調整を行うことができる。
【0047】
図1の端末装置1の具体的な構成を以下に説明する。図1の端末装置1は、取外し可能なラインスキャナ2を含むファクシミリ装置で実現されている。端末装置1は、好ましくは、ラインスキャナ2、表示部3、複数の電飾部4、記憶部5、制御部6、有線伝送部7、光伝送部8、および記憶媒体伝送部9の他に、データバス11、タイマ12、パネルキーボード13、I/0コントローラ14、印刷装置15、網制御装置(Networkcontrolunit:NCU)16、モデム17、およびスピーカ18をさらに含む。表示部3は、カラー液晶表示部21、液晶コントローラ22、表示用メモリ23、バックライト24、およびバックライト供給電圧制御回路25を含む。カラー液晶表示部21は、液晶データ電極駆動回路26、液晶走査電極駆動回路27、およびカラー液晶ディスプレイパネル28を含む。電飾部4は右電飾部4Rと左電飾部4Lとが用意されており、左右電飾部4をそれぞれ制御するための電飾表示制御回路29を含む。記憶部5は、リードオンリメモリ(ReadOnlyMemory:ROM)31、ランダムアクセスメモリ(RandomAccessMemory:RAM)32、およびフラッシュメモリ33を含む。
【0048】
制御部6とデータバス11とは、端末全体の制御を行う。データバス11は、制御部6と他の構成部品とデータおよび命令の送受を受持つ。リードオンリメモリ31とランダムアクセスメモリ32とフラッシュメモリ33とは、データバス11につながる。リードオンリメモリ31には、調整モードプログラム、調整パターンテーブル、およびファクシミリ機能などのルーチン業務プログラムが格納されている。ランダムアクセスメモリ32には、少なくとも、スキャナで一旦読取られて本体に転送され記憶された複数ライン分のデータを記憶するラインメモリが含まれる。不揮発メモリであるフラッシュメモリ33には、表示部3および電飾部4の表示輝度調整に必要なデータが格納される。具体的には、フラッシュメモリ33には、バックライト24調整値、赤緑青の表示輝度基準値のテーブル、左右電飾部4調整値、および電飾部輝度基準値が含まれる。
【0049】
タイマ12は、遅延時間およびタイマ12時間の設定に係る。パネルキーボード13は、テンキー、ファンクションキー、カーソルキー、および決定キー等を含み、利用者によって操作される。液晶コントローラ22は、制御部6からの制御に応答して、カラー液晶表示部21を直接制御する。表示用メモリ23は、表示部3の表示画面に表示すべき画像のデータを記憶する。バックライト24は、カラー液晶ディスプレイパネル28を裏面から照明する、バックライト供給電圧制御回路25は、バックライト24への供給電圧を制御する。イルミネーション表示制御回路19は、制御部6からの制御に応答して、左右電飾部4を直接制御する。I/0コントローラ14は、バックライト供給電圧制御回路25およびイルミネーション表示制御回路とデータバス11との間に介在され、両者の間の信号およびデータの入出力を制御する。印刷装置15は、制御部6からの制御に応答して、画像を記録紙に印刷する。網制御装置16は、回線制御し回線と端末の状態を管理して、通信の開始および終了を制御し、公衆電話交換ネットワークに端末装置1を繋ぐ。モデム17は、変復調装置であって、網制御装置16からのデータを復調し、網制御装置16へのデータを変調する。スピーカ18は、エラー発生時のブザー発鳴、およびルーチンワークで各種音声出力に用いられる。
【0050】
図2は、図1の端末装置1に備えられるラインスキャナ2の構成を示すブロック図である。ラインスキャナ2は、本体部から取外し可能ないわゆるハンディスキャナを構成している。ラインスキャナ2は、たとえば、インタフェース部41、照明部42、密着型1次元イメージセンサ43、増幅器44、シェーディング補正回路45、A/D変換器46、ゴムローラ47、回転検出器48、副走査同期制御部49、スキャナ制御部50、1ライン多値化メモリ51、画像圧縮伸張部52、画像メモリ部53、および電源部54を含む。
【0051】
取外し可能なラインスキャナ2は、本体部との間で画像信号および制御信号のやり取りが可能なように、インタフェース部41を介して本体側のデータバス11に連結されている。ラインスキャナ2内部において、照明が読取るべき原稿面を照らしている。1ライン毎に、照らされた原稿面からの反射光が密着型1次元イメージセンサ43でアナログ電気信号である画像信号に変換されて、増幅器44およびシェーディング補正回路45を経てA/D変換器46に導かれる。A/D変換器46は、アナログ電気信号である画像信号をデジタルデータである画像データに変換して、1ライン多値化メモリ51に記憶させる。原稿面の読取りと平行して、ゴムローラ47は、原稿面とスキャナとの相対的なの走行状態を伝えるために、該走行状態に沿って回転している。回転検出器48は、ゴムローラ47の回転を検出して、エンコーダ出力として出力する。通常モードであれば、回転検出器48のエンコーダ出力が副走査同期制御部49に伝えられ、スキャナ制御部50からの制御信号に応答して、1ライン多値化メモリ51の内容がインタフェース部41を介して本体側に送出される。本体側では、必要に応じて、画像データに対する2値化処理が選択されて実行される。
【0052】
本体側で調整モードプログラムが実行開始される場合、すなわち調整モードであれば、データバス11を通して、本体部からスキャナ制御部50に対して、調整モードの開始信号が送られる。調整モード開始信号に応答して、スキャナ制御部50は、照明部42を消灯し、回転検出器48および副走査同期制御部49の出力を無効にする。したがって、調整モード開始後のスキャン主走査開始制御は、本体側からの制御信号によって行われる。すなわち、後述する表示画面フレーム開始時刻に関連する制御信号をスキャナ制御部50が受取ることによって、A/D変換器46が作動し、密着型1次元イメージセンサ43で読取られた1ライン分の画像データが1ライン多値化メモリ51に記憶される。さらに記憶された画像データは、本体側の制御信号を受けて、該制御信号によって決められたタイミングで、順次インタフェース部41を介して本体側のラインメモリに送込まれる。
【0053】
また1ライン多値化メモリ51には、画像圧縮伸張部52および画像メモリ部53がつながっており、1ライン分以上の画像データをラインスキャナ2内に一時的に圧縮記憶し、かつ圧縮された画像データを伸張して呼出すことができるように構成されている。さらに、本体側とラインスキャナ2とがワイヤレス接続可能になるように、ラインスキャナ2内の各構成部品に電力を供給するための電池を含む電源部54が、ラインスキャナ2内に内蔵される。
【0054】
図3は、表示部3の輝度調整時の第1調整パターンである3原色べた画像を示す模式図である。第1調整パターンは、図3(A)に示す赤色(R)のべた画像と、図3(B)に示す緑色(G)のべた画像と、図3(C)に示す青色(B)のべた画像とが、順次切換えられる。ラインスキャナ2は、図3(A)に示すように、各べた画像の水平方向の中央部に、表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。
【0055】
図4は、表示部3の輝度調整時の第2調整パターンである3原色帯状同時表示画像を示す模式図である。3原色帯状同時表示画像では、白色(W)と赤色(R)と緑色(G)と青色(B)と黒色(BL)との帯が、水平軸に略平行に並べられている。ラインスキャナ2は、3原色帯状同時表示画像の水平方向の中央部に、表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。特に図4の例では、表示画面の横幅が100mmであれば、横幅の5分の1である20mm毎に帯状パターンの色を変え、かつ、少なくとも両端を除く領域に赤緑青の3原色の帯が配置されている。
【0056】
図5は、表示部3の輝度調整時の第3調整パターンである灰色べた画像を示す模式図である。ラインスキャナ2は、灰色べた画像の水平方向の中央部に、表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。
【0057】
図6は、電飾部4部の輝度調整時の状態を示す模式図である。図1の端末装置1は、たとえば表示部3の表示画面の左右に棒状の電飾部4が配置されており、電飾部4の長手方向が表示画面の水平軸と略直交している。ラインスキャナ2は、左右の電飾部4に跨るように、たとえば表示画面の水平軸と略平行になるように配置される。かつ、電飾部4の輝度調整時には、表示画面全体が黒色表示になっていることが好ましい。
【0058】
図7は、図1の端末装置1全体の動作を説明するためのフローチャートである。ステップS900である電源未投入の状態から、ステップS901で端末装置1の電源が投入された後、ステップS902で、電源投入と同時に予め定める特定キーの入力があったか否かが判断される。特定キーの同時入力があれば、ステップS909以後の調整モードに移行し、なければステップS903以後のノーマルモードに移行する。調整モードは、表示部3および電飾部4の輝度調整を行うためのモードである。ノーマルモードは、端末装置1本体の動作を行うためのモードである。
【0059】
まず、ノーマルモードでは、端末装置1の初期化(イニシャライズ)のためのプログラムが作動する。ステップS903において、フラッシュメモリ33内のバックライト24調整値Lsが、コマンドと共に、バックライト供給電圧制御回路25に送られる。バックライト24調整値Lsは、表示部3の輝度設定値を決めるための値であり、たとえば256階調で表現されている。
【0060】
入力されたバックライト24調整値Lsは、バックライト供給電圧制御回路25内のラッチ回路で保持される。さらにバックライト供給電圧制御回路25は、液晶バイアス用昇圧型スイッチングレギュレータを含み、たとえば、電子ボリュームの256階調で表現され、最低輝度に相当する18Vから最大輝度に相当する30Vまで、O.0469Vステップで液晶駆動用電源電圧VEEを変化させることができる。たとえば、ラッチ回路で保持された制御値の階調が「195」であれば、バックライト供給電圧制御回路25は、バックライト24への供給電圧を約27Vに設定して、バックライト24の輝度を保持することになる。
【0061】
次にステップS904において、イルミネーション輝度設定についてもフラッシュメモリ33内の左右イルミネーション調整値Is1,Is2が、フラッシュメモリ33からイルミネーション表示制御回路へ、コマンドと共に送られる。左右イルミネーション調整値Is1,Is2は、左右電飾部4の輝度設定値を決めるための値であり、たとえば64階調で表現されている。左右イルミネーション調整値Is1,Is2は、イルミネーション表示制御回路内の2つのラッチメモリ回路によってそれぞれ保持される。
【0062】
イルミネーション表示制御回路は、たとえば、可変抵抗器で実現される電子ボリュームを含み、入力制御によって、左右電飾部4内の発光ダイオードの輝度を制御する。電子ボリュームは発光ダイオードにコレクタ負荷としてシリーズ接続されており、トランジスタ・スイッチング回路を形成している。トランジスタ・スイッチング回路のべース端子に加えられる発光ダイオードON/OFF制御信号によって、トランジスタもON/OFFし、発光ダイオードが点灯/消灯する。
【0063】
イルミネーション表示制御回路の電子ボリュームの抵抗値は、たとえば、最高輝度に相当する0Ωから最低輝度に相当する1kΩまでの範囲で64階調に分割され、15,625Ω/ステップで変化する。発光ダイオード点灯時の明るさは、電子ボリュームの抵抗値に反比例する。したがって、左右の2つの発光ダイオードが同時に点灯する場合の輝度は、2つのラッチメモリ回路で保持された左右イルミネーション調整値Is1,Is2で決定される。
【0064】
続くステップS905において、端末装置1の輝度設定以外のその他の初期設定が行われる。次いで、ステップS906において、ノーマルモードで実行すべき端末装置1本来の処理が実行される。ステップS907において、ステップS906の処理が終了したか否かが判断され、未終了であれば、ステップS906に戻る。ステップS906の処理が終了した場合、ステップS908でか否かが判断され、端末装置1への電源がOFFにされ、ステップS901に戻る。
【0065】
前述のステップS902で調整モードへの移行が選択されると、ステップS909において、リードオンリメモリ31に格納された調整モードプログラムが起動する。ステップS910において、表示部3の表示画面に、調整項目が表示され、ステップS911において、オペレータはパネルボード上のカーソルキーおよび決定キーを操作して、調整項目を選択する。ステップS912において、選択された調整項目が表示部3の輝度調整か否かが判断される。表示部3の輝度調整が選択された場合、ステップS912からステップS913以後の表示部輝度調整モードに移行し、なければステップS917において、選択された調整項目が電飾部4の輝度調整か否かが判断される。電飾部4の輝度調整が選択された場合、ステップS917からステップS918以後の表示部輝度調整モードに移行し、なければステップS913からステップS922のその他の調整処理に移行する。
【0066】
表示部輝度調整モードでは、ステップS913において、リードオンリメモリ31に格納されている調整パターンテーブルから指定の調整パターンテーブルが読取られ、液晶コントローラ22を経由して、調整パターンテーブルに基づく画像データが、1画面分のバッファとして、表示用メモリ23に展開される。展開される画像データは、たとえば、液晶コントローラ22の制御に従い、カラー液晶表示部21のデータ電極駆動回路および走査電極駆動回路によって駆動されるカラー液晶ディスプレイパネル28の表示画面上に、たとえば1秒あたり60フレーム(60フレーム/sec)かつデューテイサイクル240分の1(1/240)で制御されて、画像として表示される。これによって、調整パターンが表示画面に表示される。以後の説明では、ステップS913において、第1調整パターンである3原色べた画像順次切替表示が選択され、かつ最初の赤色ベタ画像が表示される場合を例としている。
【0067】
表示部3の表示画面は、たとえば、水平方向に赤緑青の液晶素子が320画素分配列され、垂直方向に240画素分配列されている。1画素のドット大きさは、たとえば縦横0.315mm(O.315mm×O.315mm)であり、水平方向が赤緑青の各色に3等分され、画面全体に整列し手は位置されるので、水平方向には960個の素子が並ぶことになる。水平方向の960個の素子に一斉にデータが送られ、該データはフレーム周期16.7ミリ秒(16.7msec)毎に更新されている。
【0068】
ステップS913で表示画面上に表示部輝度調整用の調整パターンが表示されると、次のステップS914で、オペレータによって、表示画面の中央部に、かつ表示画面の水平軸と平行に、ラインスキャナ2が載せられる。ラインスキャナ2の設置後、オペレータがパネルキーボード13上の決定キーを押す。ステップS915でパネルキーボード13上の決定キーの押下が検出されると、ステップS916において、表示部3の輝度自動調整ルーチンが実行される。
【0069】
電飾部4の輝度調整モードでは、ステップS918において、まず調整パターンテーブルからイルミネーション点灯データが取得される。イルミネーション点灯データは、たとえば、電飾部4内の赤色発光ダイオードの点灯と緑色発光ダイオードの点灯との切替え周期を示すデータである。次いで、取得されたイルミネーション点灯データに基づいて、操作パネル上の左右電飾部4が同時に同色になるように点灯され、かつ、たとえば1秒等の所定周期毎に、交互に赤色点灯と緑色点灯とが繰返されるように制御される。
【0070】
次いで、ステップS919において、オペレータによって、左右電飾部4に交叉するように、ラインスキャナ2が載せられる。ラインスキャナ2の設置後、オペレータがパネルキーボード13上の決定キーを押す。ステップS920でパネルキーボード13上の決定キーの押下が検出されると、ステップS921において、電飾部4の輝度自動調整ルーチンが実行される。
【0071】
表示部3および電飾部4の輝度自動調整ルーチンの実行後、ステップS923において、全ての調整処理が終了したか否かが判断される。未終了の処理がある場合、ステップS923からステップS910に戻り、ステップS910〜ステップS923の処理が繰返される。全ての処理が終了した場合、ステップS924において、オペレータの操作に応答して端末装置1の電源がオフされ、ステップS925で図7の処理が終了する。
【0072】
図8は、図7のステップS913で実行される表示部3の輝度自動調整ルーチンを説明するためのフローチャートである。ステップS1200において輝度自動調整ルーチンが開始されると、ステップS1201において、ラインスキャナ2の照明が消灯させられ、回転検出器48および副走査同期制御部49もオフ状態にされる。ステップS1202において、第1〜第3カウンタN,K,Mがそれぞれ1に初期化される(N=1,K=1,M=1)。ステップS1203において、制御部6は、本体側の液晶コントローラ22が出力するタイミング信号の1つであるLCDフレーム開始パルスLPをデータバス11およびインタフェース部41を経由してスキャナ制御部50に取込ませ、表示画面のフレームサイクル時間の半分に相当する遅延時間Tsが経過した時点に同期してスキャンを開始させる。図7の例に従えば、遅延時間Tsは、60分の1秒の半分なので、8.4ミリ秒である(Ts=(1/60)/2=8.4msec)。
【0073】
ステップS1204において、画面水平方向の1ライン分のスキャニングが終わると同時に画像信号がA/D変換され、ステップS1205において、変換後の画像データが1ライン多値化メモリ51に一時記憶される。次いで、ステップS1206において、1ライン分の画像データがインタフェース部41とデータバス11とを介して本体側のランダムアクセスメモリ32に転送され、ステップS1207において、Kライン目のラインメモリL(K)に記憶される。続いて、ステップS1208において、第1カウンタKがインクレメントされ、ステップS1209において、第1カウンタKの値があらかじめ定めるM回以上であるか否かが判断される(K≧M?)。第1カウンタKの値がM回になるまで、ステップS1203〜ステップS1209の処理が繰返される。Mは回数であって、複数回を意味する。
【0074】
ここで、これまでの状況を図9の3原色べた表示画像の輝度検出データと調整説明図を用いて説明する。図9において、スキャナによる読取りを行いA/D変換されて1ライン多値化メモリ51に一時記憶され、本体ラインメモリに転送された1ライン分の画像データが多値化データとして展開された状態を図式的に表現したグラフである。横軸であるX軸方向において、図9の左端の座標X0はラインスキャナ2の左端に相当し、右端の座標X12はラインスキャナ2の右端に相当する。したがって、左側の座標X10から右側の座標X11までの範囲が、表示画面の幅に相当する。図7の例に従えば、表示画面の幅は100mmであるから、スキャナの走査密度が1mmあたり8本(8本/mm)であるとすると、800ドットのデータに相当する。左側の座標X10は表示画面の左端を示し、右側の座標X11は表示画面の右端である。図9において、縦軸であるY軸方向は、ラインスキャナ2の出カレベルを256階調で表しており、表示画面の輝度に相当する。
【0075】
ラインスキャナ2の出力レベルは、表示画面の輝度と比例関係にある。kライン目のラインメモリ値L(k)は、左側の座標X10から右側の座標X11までの範囲のラインスキャナ2の出力レベルの極大極小の平均値とする。図9は、赤色べた画像の読取り結果を示す例である。図9の例では、左側の座標X10から右側の座標X11までの範囲のラインスキャナ2の出力レベルの極大極小の平均を求めると、ラインメモリ値L(1)は128となる(L(1)=128)。図9において、k本目の赤色差分Δr(k)は、フラッシュメモリ33の赤色(R)の表示輝度基準値Lr0と読取られた画像データから算出されるk本目の赤色のラインメモリ値との差を示す。
【0076】
再び図8を参照する。第1カウンタの定数Mが3である場合(M=3)、ステップS1203〜ステップS1209の処理で、3回分のデータが取得される。ステップS1210において、M回分のデータのラインメモリ値L(1)〜L(M)の平均値L(A)が求められる。次いで、ステップS1211において、3原色べた表示画像の色が判定される。具体的には、第2カウンタの値が1(J=1)ならば赤色(R)であり、第2カウンタの値が2(J=2)ならば緑色(G)であり、第2カウンタの値が3(J=3)ならば青色(B)である。
【0077】
ステップS1211において、第2カウンタの値が1である場合、ステップS1212において、赤色のラインメモリ値の平均値Lr(1)にステップS1210で求められた平均値L(A)が代入されて、該平均値Lr(1)の値が決定される。次いで、ステップS1213で、表示画面に表示される調整パターンの色が赤色から緑色に切替えられ、ステップS1213で、第2カウンタJがインクリメントされて、ステップS1203に戻る。この結果、緑色のべた表示画像に対して、ステップS1203〜ステップS1211の処理が繰返される。
【0078】
ステップS1211において、第2カウンタの値が2である場合、ステップS1215において、緑色のラインメモリ値の平均値Lg(1)にステップS1210で求められた平均値L(A)が代入されて、該平均値Lg(1)の値が決定される。次いで、ステップS1216で、表示画面に表示される調整パターンの色が緑色から青色に切替えられ、ステップS1217で、第2カウンタJがインクリメントされて、ステップS1203に戻る。この結果、青色のべた表示画像に対して、ステップS1203〜ステップS1211の処理が繰返される。
【0079】
ステップS1211において、第2カウンタの値が3である場合、ステップS1218において、青色のラインメモリ値の平均値Lb(1)にステップS1210で求められた平均値L(A)が代入されて、該平均値Lb(1)の値が決定される。これによって、赤青緑のラインメモリ値の平均値Lr(1),Lg(1),Lb(1)が得られる。
【0080】
続いて、ステップS1219において、フラッシュメモリ33の赤緑青それぞれの表示輝度基準値Lr0,Lg0,Lb0と、各色の輝度実測値である赤青緑のラインメモリ値の平均値Lr(1),Lg(1),Lb(1)との差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)が求められる。ステップS1220において、各色の差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)の絶対値が相互に比較され、差分の絶対値が最も大きいものを選び、最大差分Δmaxとする。
【0081】
ステップS1221において、最大差分Δmaxが予め定める許容階調差Δpの範囲にあるか否かが判断される。すなわち、最大差分Δmaxの絶対値が許容階調差Δp以下であるか否かが判断される。許容階調差Δpは、たとえば階調差5である。最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内にあれば、表示部3の輝度調整は不要であるので現在のバックライト24調整電圧値VEEのままで良いと判断され、ステップS1222において、バックライト供給電圧制御回路25内のラッチ回路に現在ラッチされている値がフラッシュメモリ33のバックライト24調整値として更新される。更新後、ステップS1230で図8の処理は終了し、図7のステップS923に移行する。
【0082】
ステップS1221において、最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内に無い場合、ステップS1223において、最大差分Δmaxが正の値か負の値かが判断される。最大差分Δmaxが負の値である場合、ステップS1244において、最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内に収まるようにバックライト24電圧VEEを上昇させるために、最大差分Δmaxに比例したコマンドがバックライト供給電圧制御回路25に送られる。また最大差分Δmaxが0または正の値である場合、ステップS1245において、最大差分Δmaxが許容階調差Δpの範囲内に収まるようにバックライト24電圧VEEを下降させるために、最大差分Δmaxに比例したコマンドがバックライト供給電圧制御回路25に送られる。これらの結果、送られたコマンドに比例した制御値がバックライト供給電圧制御回路25内のラッチ回路にラッチされる。
【0083】
続いて、ステップS1226において、表示画面に表示される調整パターンの色が青から赤に切り換えられる。ステップS1227において、第3カウンタNがインクリメントされ、ステップS1228で第3カウンタNの値があらかじめ定める上限回数を越えたか否かが判断される。第3カウンタNは調整サイクルの回数を計数しており、上限回数はたとえば3回である。第3カウンタNの値が上限回数以下であれば、ステップS1203に戻る。この結果、ステップS1203〜ステップS1227の調整サイクルが繰返される。調整サイクルの繰返し回数は3回を限度としており、調整サイクルの繰返しが上限回数を越える場合は、ステップS1229において、調整エラー処理として、ブザーの鳴動等の報知処理が行われ、ステップS1230において図8の処理が終了する。
【0084】
図10は、図4の3原色帯状同時表示画像を読取って得られる画像データが多値化データとして展開された状態を図式的に表現したグラフである。図10のX軸およびY軸ならびに左右端の座標X0,X12の意味付けは、図9と等しい。左側から順に、第1座標X1から第2座標X2までの範囲が表示画面の白色部分の輝度に相当し、第2座標X2から第3座標X3までの範囲が表示画面の赤色部分の輝度Lr(1)に相当し、第3座標X3から第4座標X4までの範囲が表示画面の緑色部分の輝度Lg(1)に相当し、第4座標X4から第5座標X5までの範囲が表示画面の青色部分の輝度Lb(1)に相当し、第5座標X5から第6座標X6までの範囲が表示画面の黒色部分の輝度に相当する。このように、図4の3原色帯状同時表示画像が表示される場合、調整パターンを各色毎に切り換えることなく、少なくとも赤緑青の3色の輝度を1回の主走査によって取得することができる。
【0085】
図10で示す表示画面の各色部分の輝度Lr(1),Lg(1),Lb(1)と各色の表示輝度基準値Lr0,Lg0,Lb0との差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)が求められ、得られた輝度差分Δr(1),Δg(1),Δb(1)の中から最大の輝度差分が選ばれる。図10の例では、緑の輝度差分Δg(1)が最も大きいので、矢印1402で示すように、緑色部分の実測の輝度Lg(1)が緑色の表示輝度基準値Lg0まで下がるように、バックライト供給電圧制御回路25の制御値がコマンドによって変更され、複数回の制御で輝度差分Δg(n)が許容範囲Δp以内に収まった時点の制御値がラッチされ、バックライト24調整値として記憶される。結果として、輝度調整によって、各色の輝度の実測値1404,1403,1405が各色の表示輝度基準値Lr0,Lg0,Lb0と一致するように制御される。
【0086】
また、図5の灰色べた画像が調整パターンとして用いられる場合、表示画面内の赤緑青の各素子の輝度がそれぞれ中間階調になっているので、ラインスキャナ2の出力は、各色素子の輝度がミックスされた輝度を示している。灰色の輝度基準制御値が表示輝度基準値に加えられていれば、制御部6が、灰色の輝度基準値とスキャナによって測定される実測の輝度とを比較して、両者の輝度差分が許容範囲内に入るようにバックライト24の輝度を制御することによって、人手によっては不可能な判別が客観的に実行可能である。たとえば、ガンマー補正のバラツキが全くないように調整された液晶表示ユニットを表示部3の構成要素として用いる端末装置1の輝度調整は、灰色べた画像を用いる手法でも有効である。
【0087】
図7のステップS921で実行される電飾部4の輝度自動調整ルーチンにおいて、ハンドスキャナの動作および取得されたデータ処理は、大筋において図8で説明された表示部3の輝度調整ルーチンに類似している。ゆえに、電飾部4の輝度自動調整ルーチンの詳しいフローは省略し、図11を用いて動作を説明する。図11は、赤色発光ダイオード点灯時に、左右電飾部4の輝度が1ラインスキャナ2で主走査されて多値化メモリに一時記憶され、インタフェース部41を経て本体側のラインメモリに記憶された1ライン分の画像データが多値化データとして展開された状況を示している。図11のX軸およびY軸ならびに左右端の座標X0,X12の意味付けは、図9と等しい。図11において、左側の2つの座標X1,X2間の範囲が左側電飾部4の輝度の実測値1501を示し、右側の2つの座標X3,X4間の範囲が右側電飾部4の輝度の実測値1502を示す。またイルミネーション輝度基準値Ir0を、Y軸上に示す。
【0088】
左側電飾部4の輝度の実測値1501と右側電飾部4の輝度の実測値1502とをイルミネーション輝度基準値Ir0と比較すると、左側電飾部4の輝度の実測値1501は輝度差分ΔIl(1)だけイルミネーション輝度基準値Ir0よりも輝度が高く、右側電飾部4の輝度の実測値1501は輝度差分ΔIr(1)だけイルミネーション輝度基準値Ir0よりも輝度が低い。ゆえに、左側電飾部4は実測値1501よりも輝度を下げるように制御され、右側電飾部4は実測値1502よりも輝度を上げるように制御される。具体的には、左側電飾部4に対しては、イルミネーション表示制御回路の左側電飾部4用の電子ボリュームの抵抗値を上げるようにコマンドがラッチ回路に送られ、実測値1501とイルミネーション輝度基準値Ir0とが一致するまで抵抗値が制御され、両者が一致した時点の制御値がラッチされ、ラッチされた制御値がフラッシュメモリ33の左側電飾部4の赤色の調整値として更新される。また右側電飾部4に対しては、左側電飾部4と同様に、イルミネーション表示制御回路の右側電飾部4用の電子ボリュームの抵抗値を下げることによって、実測値1502とイルミネーション輝度基準値Ir0とが一致するまで左側電飾部4の輝度が上昇するように制御され、両者が一致した時点の制御値がフラッシュメモリ33の右側電飾部4の赤色の調整値として更新される。さらに、電飾部4の赤色の輝度調整と同様の手順で電飾部4の緑色の輝度調整が行われる。これによって、フラッシュメモリ33には、左右電飾部4の赤色および緑色の調整値として、合計4個の調整値が更新記憶される。
【0089】
図12は、図3の3色の3原色べた画像を調整パターンとして用いる場合の表示部3の輝度調整を説明するためのタイムチャートである。図12(A)に示す調整モードスタートタイミング701に応答して、図12(B)に示す調整モード702に入る。調整モード開始後、図12(C)に示すように、表示部3の表示画面の状態は、赤色べた画像表示703と緑色べた画像表示704と赤色べた画像表示705とに、間隔を空けて順次切替わる。各色べた画像表示中に、ラインスキャナ2によって読取られた画面の画像データ、すなわち表示画面の輝度は、読取りのたびに、図12(D)で示すタイミングで本体部の記憶部5に転送され、図12(E)で示すタイミングで本体部の記憶部5に記憶される。輝度の取得転送および記憶は、各色べた画像表示中に複数回行われる。各色べた画像表示後、図12(F)に示す輝度の平均値の演算処理707,708,709が実行される。フレームサイクル毎に輝度を一回測定すれば、数回の測定を行っても100msec以内で1色の輝度の平均値は演算可能である。
【0090】
三色目の輝度の平均値の演算後、図12(G)に示すタイミング710で、3色の中で最も輝度差分の大きい色を選択し、再調整の要否判別が行なわれる。再調整が必要であれば、図12(H)に示すタイミング711で、輝度に着目し1回目の輝度補正が行なわれる。1または複数回の輝度補正が繰り返された後、図12(I)に示すタイミング712で表示部3の輝度調整が完了し、次いで図12(J)に示すタイミング713で、補正値が不揮発メモリに記憶され、図12(B)に示すタイミング714で表示部3の輝度調整モードが終了する。これによって、調整モード開始タイミング701から表示部3の輝度調整モード終了タイミング714までの時間が500m秒〜1秒程度ですむ。この結果端末装置1は、殆ど時間をかけることなく、かつ客観的に、表示部3の輝度調整を行うことができる。
【0091】
図13は、図4の3色帯状同時表示画像を調整パターンとして用いる場合の表示部3の輝度調整を説明するためのタイムチャートである。図13(A),図13(B)、図13(D)〜図13(J)の意味合いは、図12(A),図12(B)、図12(D)〜図12(J)と等しいので説明は省略する。また図13の例では、調整モード開始後、図13(C)に示すように、表示部3の表示画面の状態は、3色帯状同時表示画像803,804,805が、間隔を空けて繰返し表示されている。各3色帯状同時表示画像表示中に、表示画面の3色分の輝度は、読取りのたびに、図13(D)で示すタイミングで本体部の記憶部5に転送され、図13(E)で示すタイミングで本体部の記憶部5に記憶される。輝度の取得転送および記憶は、各3色帯状同時画像表示中に複数回行われる。3色帯状同時画像が1回表示されるたびに、表示後、図13(F)に示す各色の輝度の平均値の演算処理806,807,808が実行される。演算処理実行後、図13(G)に示すタイミング809で、3色の中で最も輝度差分の大きい色を選択し、再調整の要否判別が行なわれる。再調整が必要であれば、図13(H)に示すタイミング810で、輝度に着目し1回目の輝度補正が行なわれる。1または複数回の輝度補正が繰り返された後、図13(I)に示すタイミング811で表示部3の輝度調整が完了し、次いで図13(J)に示すタイミング812で、補正値が不揮発メモリに記憶され、図13(B)に示すタイミング813で表示部3の輝度調整モードが終了する。図13の手順は、図12の手順よりも表示画面のスキャン回数が少ない分、図13の手順の方が早い。また図13の手順は、多くの人の視覚に調整の平均制御値を求める場合に用いて、装置毎の基準制御値を決める際に役立つ。
【0092】
以上の説明では、カラー画面の調整手法について述べてきた。図1の端末装置1において表示画面がモノクロ表示である場合、白色と黒色と灰色との調整パターンを白黒の中間調を含めて生成したならば、輝度調整はカラー画面の調整手法に包含される手法で容易に実行可能である。
【0093】
図14および図15は、従来技術の表示部3および電飾部4の輝度調整手法の1例を説明するためのフローチャートである。人手を用いて輝度調整を行う従来技術は、たとえば、図7のフローチャートのうちのステップS913〜ステップS916を図14の処理に置換え、ステップS918〜ステップS921を図15の処理に置換えた処理である。
【0094】
図14において、ステップS1001で表示部3の表示画面に輝度の調整パターンが表示され、ステップS1002で表示部3のコントラストおよび輝度が最適になるように、オペレータが肉眼で表示部3を確認しつつ操作パネルのカーソルキーおよび決定キーを操作する。決定キー操作後、操作パネルへの操作によって選択された表示部3の輝度の制御値が、不揮発性メモリに記憶される。
【0095】
図15において、ステップS1101で操作パネル上の電飾部4が点灯され、ステップS1102で左右電飾部4の輝度が両者の差異の無い最適な輝度になるように、オペレータが肉眼で左右電飾部4を比較しつつ操作パネルのカーソルキーおよび決定キーを操作する。決定キー操作後、操作パネルへの操作によって選択された電飾部4の輝度の制御値が、不揮発性メモリに記憶される。
【0096】
このように、従来技術では、表示部3および電飾部4の輝度調整に人手による作業が入っている。人手による作業部分はいずれも数分係る作業であり、オペレータの差、オペレータの疲労、および照明環境の違いによって調整誤差が免れないことがわかる。従来技術に対して図1の端末装置1では、図7で説明したように、輝度調整中に人手を煩わす可能性があるのはラインスキャナ2を設置するような極めて容易な作業だけなので、人手が介在することに起因する調整誤差の発生が抑えられる。
【0097】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、端末装置は、画像を表示可能な表示手段の輝度調整を、取外し可能なラインスキャナを用いて行う。輝度調整制御時にラインスキャナによって1ライン分ずつ読取られた輝度の各色毎の輝度の平均値と予め定める基準値との差分が予め定める許容範囲外である場合、差分が許容範囲内に入るように表示手段が制御される。これによって、端末装置は、人手による視覚および調整環境の明るさの差異に起因する輝度の調整ムラを、簡便かつ確実な手法で客観的かつ自動的に解消することが可能になる。
【0098】
また以上のように本発明によれば、端末装置は、個々に点灯可能な複数の電蝕手段の輝度調整を、取外し可能なラインスキャナを用いて行う。すなわち、輝度調整制御時にラインスキャナによって読取られた各電飾手段の輝度が相互に一致し、かつ該各電飾手段の輝度が予め定める許容範囲内に収まるように、電飾手段が制御される。これによって、端末装置は、使用環境で適当に目立ちやすくかつ輝度の調整ムラのない品位のある発光表示を、簡便かつ確実な手法で客観的に自動調整することができる。
【0099】
さらにまた本発明によれば、端末装置において、表示手段の輝度調整時に、ラインスキャナが、表示画面の上下方向の中央部に、かつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように、載せられる。これによって、ラインスキャナは、表示画面の各色の輝度を平均的に取得することができる。また表示手段の輝度調整時に、表示画面に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻から1/2フレーム周期分だけ遅れた時刻に同期して、ラインスキャナの走査開始時刻が設定される。これによって、ラインスキャナによって比較的安定した輝度を測定することができる。
【0100】
また本発明によれば、端末装置において、表示画面の輝度が1ライン分ずつ複数ライン分読取られ、複数ライン分の輝度のデータの各色毎の平均値に基づき輝度調整制御が行われる。これによって、表示画面に対するラインスキャナの位置の精度に関わらず、端末装置は正確な輝度調整を自動的に行うことができる。
【0101】
さらにまた本発明によれば、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示画面全体を単一色を塗潰した画像が用いられ、かつ、表示する色が予め定める周期毎に順次切換えられる。また本発明によれば、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、赤青緑に代表される1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンが用いられる。さらにまた本発明によれば、表示手段の調整に際し、調整パターンとして、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンが用いられる。これらによって、端末装置は処理を簡略化することができる。
【0102】
また本発明によれば、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送が、有線媒体を介した有線伝送によって行われる。これによって端末装置は、装置構成の煩雑化を防止することができる。さらにまた本発明によれば、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送が、光通信によってよって行われる。これによって端末装置は、有線伝送用のケーブルが邪魔になるような環境下でも輝度調整を行うことができる。また本発明によれば、ラインスキャナと制御手段との間のデータ伝送が、カード状媒体等の記憶媒体を介在させて行われる。これによって端末装置は、より簡潔に輝度調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である端末装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の端末装置1のラインスキャナ2の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の端末装置1で用いられる第1調整パターンとラインスキャナ2の配置状態とを示す図である。
【図4】図1の端末装置1で用いられる第2調整パターンを示す図である。
【図5】図1の端末装置1で用いられる第3調整パターンを示す図である。
【図6】図1の端末装置1の電飾部4の輝度調整時のラインスキャナ2の配置状態を示す図である。
【図7】図1の端末装置1全体の処理を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS916で実行される表示部3の輝度自動調整ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図3の第1調整パターンを用いる表示部輝度調整時の表示部3の輝度分布を模式的に示す図である。
【図10】図4の第2調整パターンを用いる表示部輝度調整時の表示部3の輝度分布を模式的に示す図である。
【図11】電飾部輝度調整時の電飾部4および表示部3の輝度分布を模式的に示す図である。
【図12】図3の調整パターンが用いられる場合における図1の端末装置1の輝度調整のタイムチャートである。
【図13】図4の調整パターンが用いられる場合における図1の端末装置1の輝度調整のタイムチャートである。
【図14】従来技術の端末装置1の表示部3の輝度調整処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】従来技術の端末装置の電飾部4の輝度調整処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 端末装置
2 ラインスキャナ
3 表示部
4 電飾部
4L 左電飾部
4R 右電飾部
5 記憶部
6 制御部
7 有線伝送部
8 光伝送部
9 記憶媒体伝送部
Claims (10)
- 取外し可能なラインスキャナと、
表示画面に画像を表示可能な表示手段と、
表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値とそれぞれ比較すべき予め定める基準値からなる基準データテーブル、および、表示画面の1ライン分の各色毎の輝度の平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分の予め定める許容範囲を記憶している記憶手段と、
装置全体の駆動制御および表示手段の輝度調整制御をそれぞれ行う制御手段であって、表示手段の調整に際し、
予め定める調整パターンを表示手段の表示画面に表示させ、
ラインスキャナの主走査方向が表示画面の水平軸に略平行になるようにラインスキャナを表示画面上に載せさせた状態で、ラインスキャナに表示画面の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各色毎の輝度のデータを含む読取りデータを出力させ、
読取りデータの各色毎の輝度のデータの平均値を演算し、各色毎の輝度のデータの平均値と基準データテーブルの各色毎の輝度の基準値との差分を求め、
求められた差分が許容範囲外の値である場合、差分が正の値であれば、表示画面への画像の表示に際して表示画面の差分の最も大きい色の輝度を低下させるように表示手段を制御し、差分が負の値であれば、表示画面への画像の表示に際して、差分が許容範囲内に入るまで表示画面の差分の最も大きい色の輝度を増加させるように表示手段を制御することによって、差分を許容範囲内に収める制御手段とを含むことを特徴とする端末装置。 - 取外し可能なラインスキャナと、
2以上の色で個々に点灯可能な複数の電飾手段と、
電飾手段の輝度の予め定める許容範囲を記憶している記憶手段と、
装置全体の駆動制御および電飾手段の輝度調整制御をそれぞれ行う制御手段であって、電飾手段の調整に際し、
複数の電飾手段を同時に同色で発光させ、
複数の電飾手段に跨るようにラインスキャナを配置した状態で、ラインスキャナに電飾手段の輝度を1ライン分ずつ読取らせて、各電飾手段の輝度のデータを含む読取りデータを出力させ、
読取りデータの各電飾手段の輝度のデータに基づき、複数の該電飾手段の輝度が相互に等しく、かつ該各電飾手段の輝度が許容範囲内に収まるように、電飾手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする端末装置。 - 前記制御手段は、調整パターンが表示されている前記表示画面の上下方向の中央部であってかつ主走査方向が該表示画面の水平軸に該平行になるように載せられているラインスキャナの走査開始のタイミング時刻を、前記表示手段に調整パターンを表示するための表示制御信号の各フレーム開始時刻からフレーム周期の半分だけ遅れた時刻に同期させることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
- 前記制御手段は、前記ラインスキャナに表示画面の輝度を1ライン分ずつ複数ライン分読取らせて、各ライン毎の読取りデータを出力させ、各色毎に全ラインの読取りデータの輝度のデータの平均値を演算することを特徴とする請求項1または3記載の端末装置。
- 前記制御手段が、表示手段の調整に際し、単一色で全体を塗潰したパターンを調整パターンとして表示画面に表示させ、かつ、パターンの色を予め定める周期毎に順次切換えさせることを特徴とする請求項1、3、または4記載の端末装置。
- 前記制御手段が、表示手段の調整に際し、1以上の有彩色、黒色、および白色のうちの少なくとも2色の帯状のパターンを水平軸に対して垂直に並べるパターンを調整パターンとして表示画面に表示させることを特徴とする請求項1、3〜5のうちのいずれか1項記載の端末装置。
- 前記制御手段が、表示手段の調整に際し、表示の中間調である灰色で全体を塗潰したパターンを調整パターンとして表示画面に表示させることを特徴とする請求項1、3〜6のうちのいずれか1項記載の端末装置。
- 前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを有線媒体を介して伝送するための有線伝送手段を含むことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1項記載の端末装置。
- 前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを光通信を用いて伝送するための光伝送手段を含むことを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1項記載の端末装置。
- 前記ラインスキャナと前記制御手段との間でデータを記憶媒体を用いて伝送するための記憶媒体伝送手段を含むことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1項記載の端末装置。
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