JP2004236094A - データ伝送システム及びデータ伝送制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチキャリアによりデータ伝送するデータ伝送システム及びデータ伝送制御方法に関し、高速且つ安定にデータ伝送を行わせる。
【解決手段】ユーザ側のモデム(ADSL−DSU)12と電話回線を介して多重化装置(DSLAM)10を接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送システム及びデータ伝送制御方法であって、多重化装置10は、ユーザ側のモデム12との間の電話回線を介して接続した回線制御部5と、この回線制御部5による回線状態を監視する監視部6と、条件格納部2に格納した実施条件と調整内容とを含む前提条件と前記監視部6による回線状態の情報とに従って、回線制御部5に対して接続条件を設定する設定部4とを含み、最適な接続条件を回線制御部5に設定してADSL回線の接続制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】ユーザ側のモデム(ADSL−DSU)12と電話回線を介して多重化装置(DSLAM)10を接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送システム及びデータ伝送制御方法であって、多重化装置10は、ユーザ側のモデム12との間の電話回線を介して接続した回線制御部5と、この回線制御部5による回線状態を監視する監視部6と、条件格納部2に格納した実施条件と調整内容とを含む前提条件と前記監視部6による回線状態の情報とに従って、回線制御部5に対して接続条件を設定する設定部4とを含み、最適な接続条件を回線制御部5に設定してADSL回線の接続制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチキャリアを用いて、高速且つ安定な通信を可能とする為に、回線状態を判定してデータ伝送を制御するデータ伝送システム及びデータ伝送制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設のメタリック線による電話回線を用いたデータ伝送に於いては、アナログ通信を行う場合、最大で55.6kbps、ISDN回線によるディジタル通信を行う場合、64kbps又は128kbps程度である。これに対して、インターネットの普及により大量のデータを高速で伝送する為に、4kHz以下の音声帯域より高い帯域を利用し、上り方向と下り方向とのデータ伝送帯域幅を異ならせたADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)方式が実用化されている。このADSL方式に於いては、音声通信とデータ通信とを共通の電話回線を用いて行うことができる。
【0003】
図16はデータ伝送システムの説明図であり、101はユーザ、102は電話局、103は保守局、104はインターネット、105は電話回線、111はパソコン(PC)、112は電話機、113はADSL−DSU(Asymmetric Digital Subscriber Line−Digital Subscriber Unit)(ADSLモデム)、114はスプリッタ、121は電話交換機、122はDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)(多重化装置)、123はルータ、131は監視システム部(OPS)を示す。
【0004】
電話機112からの音声信号は、スプリッタ114を介して電話回線105に音声帯域として伝送され、電話局102のDSLAM122により音声帯域が分離され、電話交換機121を介して通話相手(図示せず)に伝送される。又この通話相手からの音声信号は、電話交換機121からDSLAM122を介して電話回線105に音声帯域として伝送され、ユーザ101のスプリッタ114により音声帯域が分離されて電話機112に伝送される。
【0005】
又パソコン111からのデータは、ADSL−DSU113から音声帯域より高域側の周波数帯域のマルチキャリアにより変調されて、スプリッタ114を介して電話回線105に送出される。電話局102に於いては、DSLAM122により分離して、ルータ123を介してインターネット104に送出される。又インターネット104からのデータは、ルータ123とADSL−DSU113とを介して電話回線105に送出され、ユーザ101は、スプリッタ114により音声帯域より高域側のマルチキャリアを分離し、ADSL−DSU113により復調してパソコン111に伝送する。それにより、パソコン111によるデータ伝送を行うことができる。又保守局103の監視システム部131により、電話局102の各部の設定や監視が行われる。
【0006】
このADSL方式に於いて、DMT(Discrete Multi Tone)方式と、Lite方式とが知られており、DMT方式は、1104kHzの帯域を256個に分割したトーン(キャリア)を利用して、データを並列で伝送するもので、例えば、8Mbpsの通信速度を得ることができる。又Lite方式は、552kHzの帯域を128個に分割したトーン(キャリア)を利用し、例えば、1.5Mbpsの通信速度を得ることができる。
【0007】
しかし、アナログ回線としての電話回線105は、ディジタル回線(ISDN)と近接して敷設されている場合が多く、又国内に於けるISDN方式は、ピンポン伝送方式を適用しているから、アナログ回線に対してピンポン伝送方式によるディジタル信号の送受信タイミング毎のノイズが大きくなり、ADSL方式に於ける通信速度を低下させる要因となっている。そこで、ADSL方式に於けるAnnexCは、ISDN方式に於けるタイムスロット毎に伝送レートを調整する規約となっている。
【0008】
又ADSL方式に於いて、回線状態を測定し、ノイズレベルの低い区間ではデータを伝送し、ノイズレベルの高い区間では、データを伝送しないように制御し、データを伝送しない区間では消費電力をほぼ零として、効率を向上するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
又ADSL方式に於いて、ユーザ側と電話局側との間でトレーニングに基づいたデータ通信速度の設定を行う手段が知られている(例えば、特許文献2参照)。又ADSL方式に於いて、信号対雑音比(SNR)を算出することにより、通信速度を制御する手段が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−171307号公報
【特許文献2】
特開2002−125071号公報
【特許文献3】
特許第2891673号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ADSL方式によるデータ伝送システムに於いては、最初の接続時に、利用できる最大の通信速度が得られるように設定するものであるが、前述のISDN回線等からの影響を受けて、最初に設定した通信速度を維持できない場合がしばしば発生するものである。特に回線状態が大きく変化する場合には、一旦回線を切断して、再接続する手段が適用されている。しかし、再接続による通信速度は、前の通信速度を確保できない場合が殆どであり、従って、再接続によっても通信速度を前の状態に戻すことは困難である。その為に、再接続処理を頻繁に行うことが多くなり、安定なデータ伝送が困難となる問題がある。
【0012】
本発明は、回線状態を基に高速且つ安定なデータ伝送の継続を可能とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ伝送システムは、図1を参照して説明すると、ユーザ側のモデム(ADSL−DSU)12と電話回線を介して多重化装置(DSLAM)10を接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送システムに於いて、多重化装置10は、ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部5と、この回線制御部5による回線状態を監視する監視部6と、実施条件と調整内容とを含む前提条件と前記監視部6による回線状態の情報とに従って、回線制御部5に対して接続条件を設定する設定部4とを含む構成を有するものである。
【0014】
又多重化装置10は、ユーザ側のモデム12との間の電話回線を介して接続した回線制御部5と、この回線制御部5による回線状態を監視する監視部6と、この監視部6を介して回線状態のデータを格納するデータ蓄積部7と、実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納する条件格納部2と、回線制御部5に対して接続条件を設定する設定部4と、条件格納部2に格納された実施条件に、データ蓄積部7に格納されたデータが合致した時に、調整内容に従って設定部4に接続条件を設定する判定部3とを含む構成を有するものである。
【0015】
又多重化装置(DSLAM)と、監視システム部(OPS)とを備え、多重化装置は、ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部と、この回線制御部による回線状態を監視する監視部と、回線制御部に対して接続条件を設定する設定部とを有し、監視システム部は、多重化装置の監視部を介した回線状態のデータを格納するデータ蓄積部と、実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納する条件格納部と、この条件格納部に格納された実施条件に、データ蓄積部に格納されたデータが合致した時に、調整内容に従って多重化装置の設定部に接続条件を設定する判定部とを有するものである。
【0016】
又本発明のデータ伝送制御方法は、ユーザ側のモデム(ADSL−DSU)12と電話回線を介して多重化装置(DSLAM)10の回線制御部5とを接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送制御方法であって、回線制御部5により求めた通信速度を含む回線状態データをデータ蓄積部7に格納し、実施条件と調整内容とを含む前提条件を条件格納部2に格納し、データ蓄積部7に格納された回線状態データと実施条件とが合致した時の該実施条件に対する調整内容に従って回線制御部5を制御し、再接続制御又は通信速度の設定変更制御を行う過程を含むものである。
【0017】
又回線状態データとして、下り方向(多重化装置10からモデム12方向)の通信速度と時刻とを求めて、通信速度の最大値とその時刻とをデータ蓄積部7に格納し、条件格納部2に格納した前提条件の実施条件に従って、今回取得した下り方向の通信速度と過去の最大値とを比較し、今回の通信速度が過去の最大値を超えた時には今回の通信速度を最大値として更新し、今回の通信速度が過去の最大値を著しく下回った時には、前提条件の調整内容に従って、過去の最大値が得られた時刻になった時に、ユーザ側のモデム12との間の回線を一旦切断して再接続制御を行う過程を含むものである。
【0018】
又条件格納部2に格納した前提条件の実施条件を、それぞれ同一の所定期間についてLite方式/DMT方式,ファーストモード/インタリーブモード,FBMモード/DBMモードのそれぞれの接続条件を順次切替え、各接続条件による回線状態データとして、最大通信速度,最小通信速度,平均接続時間,平均接続速度,再接続回数を求めてデータ蓄積部7に格納し、条件格納部2に格納した前提条件の実施条件に従った最適接続条件を判定し、最適接続条件を設定部4から回線制御部5に設定する過程を含むことができる。
【0019】
又回線状態データとして、下り方向の通信速度と時刻とを取得し、回線状態データとしての最大通信速度,最小通信速度,平均接続時間,平均接続速度,再接続回数を求めてデータ蓄積部7に格納し、条件格納部2に格納した前提条件の実施条件に従って、最大速度と平均接続速度との差が所定の範囲内で且つ平均接続時間が短い時に、前提条件の調整内容に従って接続条件としてのターゲットSNRを増加させて回線制御部5に設定する過程を含むことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態の要部説明図であり、1は対OPS部、2は条件格納部、3は判定部、4は設定部、5は回線制御部、6は監視部、7はデータ蓄積部、10はDSLAM(多重化装置)、11は監視システム部(OPS)、12はADSL−DSU(ADSLモデム)を示し、例えば、DSLAM10は、図16に於けるDSLAM122に対応し、ADSL−DSU12は、ユーザのADSL−DSU113に対応し、監視システム部11は、保守局103の監視システム部131に対応する。
【0021】
又対OPS部1は、監視システム部11から、監視対象の終端装置(ADSL−DSU)番号を受信して監視部6に転送し、又判定部3に於いて使用する判定条件を受信して条件格納部2に転送して格納する機能を有する。又判定部3は、前回の処理から一定時間経過した時に処理を開始し、条件格納部2から判定条件を読出し、又データ蓄積部7からデータを取り出して、条件が合致したデータについては、データに条件を付与して設定部4に転送する機能を有する。
【0022】
又設定部4は、判定部3からのデータと条件とに従って設定値を決定し、決定した値を回線制御部5に転送する機能を有する。又回線制御部5は、最初の接続時に測定された伝送距離やノイズ等の回線状態により、最大の通信速度が得られるように条件を決定し、その通信速度を維持するように制御し、又回線状態を監視し、回線状態が変化して安定なデータ伝送が確保できなくなった場合、一旦回線を切断して、再度その時点に於ける最大の通信速度が得られるように条件を決定する機能を有する。又監視部6は、対OPS部1からのADSL−DSU番号と、回線制御部5からのADSL−DSU番号とが一致した場合、回線制御部5からのADSL−DSU番号と通信速度とのデータを、データ蓄積部7に転送して蓄積させる機能を有する。
【0023】
又回線制御部5による接続条件は、ADSL回線のDMT方式/Lite方式、ファーストモード/インタリーブモード、ターゲットSNR(Signal to Noise Ratio)、FBMモード(FEXT Bit Map)/DBMモード(Dual Bit Map)(FEXT;Far End Cross Talk;遠端漏話)等の要因により決定される。
【0024】
なお、ファーストモードは、双方向通信のように同時性を確保する為の方式であるが、エラー訂正能力が劣り、又インタリーブモードは、回線品質を向上する為の方式であるが、同時性の確保に劣るものである。又ターゲットSNRは、ノイズに対する耐性力を示し、値(dB)が大きい程、耐性力が高くなるが、通信速度は低下する傾向となる。又FBMモードは、ISDNとの干渉を避ける為に、近端漏話NEXT(Near End Cross Talk)が発生しているタイミングでは、データ伝送を行わない方式であり、データの送受信時間が少なくなる為に、通信速度は低下する。又DBMモードは、ISDNの近端漏話が発生しているタイミングでもデータ伝送を行う方式で、FBMモードに比較して通信速度を大きくすることができる。
【0025】
又データ蓄積部7に蓄積するデータは、ADSL−DSU番号、現在の通信速度、最大通信速度、最小通信速度、最大速度獲得時刻、最小速度獲得時刻、再接続回数、平均接続時間、平均接続速度等を含むものである。
【0026】
監視システム部11から保守者が監視対象のADSL−DSU番号と、回線制御の為の実施条件/調整内容とを対OPS部1に転送する。この対OPS部1は、ADSL−DSU番号を監視部6に転送し、実施条件/調整内容を条件格納部2に転送する。監視部6は、回線制御部5からの接続毎に転送されるデータ(ADSL−DSU番号と通信速度)と、対OPS部1から転送されたADSL−DSU番号と合致するデータのみを取り出してデータ蓄積部7に転送する。
【0027】
データ蓄積部7は、ADSL−DSU番号/現在の通信速度/最大通信速度/最小通信速度/最大速度獲得時刻/最小速度獲得時刻/再接続回数/平均接続時間/平均接続速度を算出して蓄積する。判定部3は、一定周期でデータ蓄積部7からデータを読出し、条件格納部2に格納した実施条件と合致するデータの有無を判定し、合致するデータがあった場合には、そのデータと条件格納部2から受信した調整内容とを設定部4に転送する。設定部4は、調整内容を回線制御部5に転送し、回線制御部5は、ADSL−DSU12とDSLAM10との間の回線を強制切断した後、設定内容に従って再接続する。
【0028】
ADSL−DSU12とDSLAM10との接続が行われた時の下り(DSLAM→ADSL−DSU)方向の速度と時刻とを記録し、その情報を基に最大速度と最小速度と平均接続時間と平均接続速度と再接続回数とを求める。そして、最大速度と平均接続速度とがほぼ等しいにも拘らず、平均接続時間が極端に短い場合は、速度低下要因がバースト的に発生している場合に相当する為、接続速度を意図的に低下させて、ノイズ耐性を強化する条件で再接続を行う。
【0029】
又ADSL−DSU12とDSLAM10との接続を複数の条件で行う。例えば、FBMモード/DBMモード、Lite方式/DMT方式等の接続条件パラメータと、それぞれの接続条件を切替える為の1日等の所定期間とを含む実施条件と、この実施条件に対応した調整内容とを、条件格納部2に格納する。判定部3は、条件格納部2に格納された実施条件に従って回線制御部5を制御し、それぞれの接続条件による回線状態データを監視部6からデータ蓄積部7に転送して格納し、このデータ蓄積部7に格納されたデータと実施条件とを比較して、合致する場合は、調整内容に従って、最適な接続条件を設定部4から回線制御部5に設定する。それにより、ADSL回線の初期開通時等に於いて、所定期間の試験通信に基づいて求めた回線状態データを基に、最適な接続条件でADSL回線の接続を行うことが可能となる。
【0030】
又過去の下り速度の最大値と、その時刻とを記録し、今回取得した下り速度が過去の最大値を越えた場合、最大値を更新する。又今回取得した下り速度が過去の最大値の1/Nを下回った時に、最大値で接続された時刻になった時に、強制的に再接続し、記録した過去の最大値をクリアする。このように再接続する時刻を最大の下り速度が得られた時刻とすることにより、ノイズや温度等の外部要因を類似した条件として、最大の下り速度が得られる可能性を高くすることができる。
【0031】
又DSLAM10の条件格納部2に実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納するものであり、その実施条件を、例えば、(a)最大通信速度と平均接続速度との差が10%以内、(b)平均接続時間が1時間以内を満たす時とし、調整内容を、ADSL回線制御の接続条件であるターゲットSNRを2(dB)増加させる内容とし、データ蓄積部7が保持するデータが、例えば、図2に示すように、ADSL−DSU番号1〜5について格納され、ターゲットSNRについては、初期条件で総て6(dB)とする。
【0032】
判定部3に於ける判定結果は、ADSL−DSU番号1のデータは、実施条件(a)に合致するが、実施条件(b)には合致しない。又ADSL−DSU番号2のデータは、実施条件(a),(b)の何れにも合致しない。又ADSL−DSU番号3のデータは、実施条件(b)に合致するが、実施条件(a)には合致しない。又ADSL−DSU番号5のデータは、実施条件(a)に合致するが、実施条件(b)には合致しない。
【0033】
又ADSL−DSU番号4のデータは実施条件(a),(b)に合致する。そこで、判定部3は、ADSL−DSU番号4のデータと、条件格納部2に格納した調整内容のデータとを設定部4に転送する。設定部4は、ターゲットSNRの現在設定値が6(dB)であり、調整内容は2(dB)の増加であるから、ADSL−DSU番号4の接続条件の中のターゲットSNRを8(dB)に更新する。それによって、ノイズに対する耐性力が向上して、回線切断に至る可能性が低下し、平均接続時間が増加することになる。
【0034】
又実施条件と調整内容とを含む前提条件を条件格納部2に格納するものであるが、その実施条件(a),(b),(c)として、次の接続条件により、それぞれ所定の期間(1日)接続して、求めたデータをデータ蓄積部7に蓄積する。実施条件(a)は、所定期間Lite方式で接続し、次に所定期間DMT方式で接続する。実施条件(b)は、所定期間ファーストモードで接続し、次に所定期間インタリーブモードで接続する。実施条件(c)は、所定期間FBM方式で接続し、次に所定期間DBM方式で接続する。
【0035】
又調整内容は、実施条件(a),(b),(c)によるそれぞれのデータを比較し、平均接続時間と平均接続速度とが共に大きい方の接続方式を採用する。又何れか一方のみ大きい場合は、平均接続時間が長い方の接続方式を採用する。そして、採用した接続条件を設定部4に転送する。
【0036】
例えば、図3,図4,図5に実施条件(a),(b),(c)に従った接続により求めたADSL−DSU番号1〜5の回線状態データの一例を示し、(A)はLite方式による接続時のデータ、(B)はDMT方式による接続時のデータ、(C)はファーストモードによる接続時のデータ、(D)はインタリーブモードによる接続時のデータ、(E)はDBMモードによる接続時のデータ、(F)はFBMモードによる接続時のデータを示す。
【0037】
判定部3は、条件格納部2に格納された例えば実施条件(a)を読出し、ADSL−DSU番号1〜5に対して、伝送方式をLite方式とする接続条件を回線制御部5に転送し、回線制御部5は、ADSL−DSU番号1〜5の伝送方式をLite方式とするように接続条件を変更し、回線制御部5は、接続後の所定期間(1日)に於けるADSL−DSU番号1〜5についての回線状態データをデータ蓄積部7に転送して蓄積する。それにより得られたデータが例えば図3の(A)に示すデータとなる。
【0038】
次に判定部3は、条件格納部2に格納された実施条件(a)に従って、Lite方式の次はDMT方式とする接続条件を回線制御部5に転送する。それにより、回線制御部5は、ADSL−DSU番号1〜5の伝送方式をDMT方式とするように接続条件を変更し、回線制御部5は、接続後の所定期間(1日)に於けるADSL−DSU番号1〜5についての回線状態データをデータ蓄積部7に転送して蓄積する。それにより得られたデータが例えば図3の(B)に示すデータとなる。
【0039】
同様にして、実施条件(b),(c)に従って回線制御部5を制御し、1日等の所定期間の接続によりデータを求め、例えば、図4の(C),(D)と、図5の(E),(F)に示すデータが得られる。
【0040】
判定部3は、調整内容に従った判定を行うもので、図3の(A),(B)に示すデータを比較した場合、ADSL−DSU番号1は、平均接続時間は1440分で同一であるが、平均接続速度は、Lite方式=1.5Mbps、DMT方式=8Mbpsであるから、DMT方式で接続する。又ADSL−DSU番号2は、平均接続速度がLite方式の方が大きいので、Lite方式で接続する。同様にして、ADSL−DSU番号3,4はLite方式、ADSL−DSU番号5はDMT方式でそれぞれ接続する。それぞれ判定した接続条件を設定部4に転送し、設定部4から回線制御部5を制御する。
【0041】
又図4の(C),(D)と、図5の(E),(F)に示すデータを比較して、ADSL−DSU番号1は、インタリーブモード且つDBMモード、ADSL−DSU番号2は、ファーストモード且つFBMモード、ADSL−DSU番号3は、ファーストモード且つDBMモード、ADSL−DSU番号4は、インタリーブモード且つDBMモード、ADSL−DSU番号5は、インタリーブモード且つFBMモードでそれぞれ接続する。前述のように、複数種類の接続条件について所定期間の試験接続により、安定且つ高速度の接続条件を求めてADSL回線の接続制御を行うことができる。
【0042】
又前提条件の実施条件として、現在の通信速度が最大通信速度の1/2以下、調整内容として、最大速度獲得時刻になった時点で強制切断して、再接続する。このような前提条件を条件設定部2に設定し、データ蓄積部7に、例えば、図6に示すADSL−DSU番号1〜5のデータが蓄積されている場合、ADSL−DSU番号2のデータが実施条件に合致するから、このADSL−DSU番号2のデータと調整内容とを設定部4に転送する。
【0043】
設定部4は、最大速度獲得時刻17:20になると、ADSL−DSU番号2に対して切断後、再接続する要求を回線制御部5に送出する。回線制御部5は、その要求に従ってADSL−DSU番号2について強制切断後、再接続する。従って、過去に最大速度が得られた時刻になった時に再接続することにより、過去の最大速度が得られた回線状態に戻る可能性が高いことにより、速度低下の状態を回復することができる。
【0044】
図7は本発明の実施の形態の処理説明図であり、図1に於けるADSL−DSU12とDSLAM10との間を接続し(リンクアップ)、回線制御部5に於いて現在の下り通信速度と時刻とを取得して監視部6に転送する(A1)。監視部6は、現在の下り通信速度と時刻とをデータ蓄積部7に転送して保存させる(A2)。そして、条件格納部2と判定部3とにより、現在の下り通信速度が過去の下り最大通信速度を超えたか否かを判定する(A3)。この場合、超えたか否かと、著しく下回ったか否かと、それ以外の場合とについて判定する(A5)。
【0045】
この判定(A5)に於いて、超えた場合、判定部3は、現在の下り通信速度と時刻とをデータ蓄積部7に転送して、過去の下り通信速度を今回の下り通信速度に書換える(A5)。又著しく下回る場合、例えば、最大通信速度の1/2以下となった場合、設定部4は、過去の下り最大通信速度となった時刻に、回線制御部5に対して再接続要求を送出する(A6)。回線制御部5は、ADSL−DSU間のリンクを強制的に切断し、再リンクアップ要求を送出する(A7)。そして、リンクアップにより、回線制御部5は、下り通信速度を調整して再接続を行う(A8)。即ち、過去の最大下り通信速度が得られた時刻に於いて再接続を行って、元の通信状態の回復を図ることができる。
【0046】
図8,図9は、所定期間の試験接続により求めたデータを基に接続制御する場合の処理説明図であり、条件格納部2に、所定期間を1日とし、接続条件と、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を求めて比較する為の重み付けする条件を予め格納し(B1)、判定部3は、条件格納部2から判定条件を読出し(B2)、接続条件を決定して設定部4に転送する(B3)。設定部4は、回線制御部5を介してDSLAMとADSL−DSUとの間の接続条件を変更する(B4)。
【0047】
回線制御部5は、DSLAMとADSL−DSUとの間の回線状態を監視し、安定した通信を確保できなくなった場合は、回線を一旦切断した後、その時点で最大通信速度が得られるように通信条件を変更し、変更後に得られた速度のデータを監視部6を介してデータ蓄積部7に転送して蓄積する(B5)。データ蓄積部7は、受信した情報を基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を求めて格納する(B6)。
【0048】
そして、実施後、所定期間の1日が経過したか否かを判定し(B7)、経過していない場合は、ステップ(B5)に移行し、経過した場合は、判定部3は、条件格納部2に格納された接続条件について実施したか否かを判定し(B8)、総て実施した場合は、データ蓄積部7からデータを取出して(B9)、ステップ(B2)に移行する。実施済みの場合、判定部3は、条件格納部2から重み付けする条件を取出し、データ蓄積部7から各日の“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を求め、この数値の最も高い日の接続条件を決定して、設定部4に転送する(B10)。設定部4は、回線制御部5に対して、DSLAMとADSL−DSUとの間の接続条件を変更し、再接続制御を行う(B11)。
【0049】
図10は、強制再接続する本発明の実施の形態の処理説明図であり、条件格納部2に、強制的に再接続する条件を予め格納し(C1)、判定部3は、条件格納部2に格納された条件を取出し(C2)、回線制御部5は、DSLAMとADSL−DSUとの間の回線状態を監視し、安定した通信が確保できなくなった場合に、一旦切断した後、その時点で最大の速度が得られるように接続条件を変更し、変更後に得られた速度のデータを監視部6を介してデータ蓄積部7に転送する(C3)。
【0050】
データ蓄積部7は、監視部6を介したデータを基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を算出して格納し(C4)、一定時間経過したか否かを判定する(C5)。即ち、判定部3は、予め定めた一定時間毎に判定する場合を示す。そして、一定時間経過していない場合は、ステップ(C2)に移行し、経過した場合、判定部3は、データ蓄積部7から“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を取出し、再接続する条件に合致する場合、その条件に従って再接続する(C6)。このような処理を繰り返して継続する。
【0051】
図11は本発明の他の実施の形態の要部説明図であり、DSLAM(多重化装置)20と、監視システム部(OPS)30と、複数のADSL−DSU(ADSLモデム)40とを示し、DSLAM20は、対OPS部21と、設定部22と、回線制御部23と、監視部24とを含み、又監視システム部30は、対DSLAM部31と、条件格納部32と、判定部33と、条件管理部34と、データ蓄積部35とを含む構成を有する。
【0052】
対OPS部21は、監視システム部30の対DSLAM部31との間でデータの送受信を行う機能を有し、設定部22は、対OPS部21を介して監視システム部30の判定部33からのデータに従って設定値を決定し、その設定値を回線制御部23に転送する機能を有する。又回線制御部23は、回線の接続時に測定された伝送距離やノイズ等の回線状態により、最大の通信速度が得られるように通信条件を決定して、その速度を維持するように制御し、回線状態が変化して安定な通信が確保できなくなった場合、一旦回線を切断して、その時点で最大の通信速度が得られるように通信条件を決定して再接続制御を行う機能と、設定部からの設定値に従って接続条件を変更し、又接続時に於ける通信速度とそのADSL−DSU番号とを監視部24に転送する機能とを有する。又接続条件としては、図1に示す実施の形態について説明した場合と同様とすることができる。
【0053】
又監視部24は、対OPS部21を介して受信した監視システム部30の条件管理部34からのデータ「ADSL−DSU番号」と、回線制御部23から受信したADSL−DSU番号とが一致した場合に、回線制御部23から受信したデータ(ADSL−DSU番号と通信速度)を、対OPS部21を介して監視システム部30のデータ蓄積部35に送出する機能を有する。
【0054】
又監視システム部30の対ADSL−DSU部31は、対OPS部21を介してDSLAM20との間のデータの送受信を行うもので、条件管理部32から監視部24へのデータの送信と、判定部33から設定部22へのデータの送信と、監視部22とデータ蓄積部35との間のデータの送受信とを行う機能を有する。又条件管理部34は、保守者との間のインタフェース部に相当し、監視対象とする終端装置(ADSL−DSU)番号や、判定部に於いて使用する判定条件等の各種のデータを管理する機能を有する。
【0055】
条件格納部32は、判定部33に於いて使用する条件を格納し、この条件は、条件管理部34からの要求により更新する機能を有する。又判定部33は、前回の処理から一定時間が経過した時に処理を開始し、条件格納部32から実施条件を読出し、データ蓄積部35からデータを読出し、そのデータを実施条件に従って判定し、実施条件に合致した場合は、そのデータに条件を付与して、DSLAM20の設定部22に送出する機能を有する。
【0056】
又データ蓄積部35は、内部にタイマを保持し、DSLAM20の監視部24から受信したADSL−DSU番号,通信速度を基に計算して蓄積する機能を有する。その蓄積データは、ADSL−DSU番号、現在の通信速度、最大通信速度、最小通信速度、最大速度獲得時刻、最小速度獲得時刻、再接続回数、平均接続時間、平均接続速度を含むものである。
【0057】
図12は本発明の他の実施の形態の処理説明図であり、図11に於けるADSL−DSU40と、DSLAM20と、OPS(監視システム部)30とについての処理を示すもので、回線制御部23に於いて現在の下り通信速度と時刻とを取得して監視部24に転送し(D1)、監視部24は、現在の下り通信速度と時刻とをOPS30のデータ蓄積部35に転送し、その通信速度と時刻とを保存する(D2)。
【0058】
OPS30は、条件格納部32と判定部33とにより、現在の下り通信速度が過去の下り最大通信速度を超えたか否かを判定し(D4)、条件格納部32と判定部33とにより現在の下り通信速度が過去の下り通信速度を超えたか否かを判定する(D5)。この場合、超えた場合と、著しく下回った場合とについて判定する(D6)場合を示すが、それ以外の場合は、処理を行わないようにすることができる。そして、現在の下り通信速度が過去の下り通信速度を超えた場合、判定部33は、現在の下り通信速度と時刻とをデータ蓄積部35に転送し、過去の下り通信速度と時刻とを書換える(D7)。又現在の下り通信速度が過去の下り通信速度を著しく下回った場合、設定部22で、過去の下り最大通信速度となった時刻になると、回線制御部23に対して再接続要求を送出する(D8)。
【0059】
回線制御部23は、再接続要求により、ADSL−DSU間のリンクを強制切断し、再リンクアップ要求をADSL−DSUに対して行う(D3)。ADSL−DSUからのリンクアップにより、OPS30は、下り通信速度を調整して再接続制御を行う(D9)。
【0060】
図13は、図11に示すADSL−DSU40と、DSLAM20と、OPS(監視システム部)30とについて、所定の試験期間に回線状態データを求めて接続制御する場合の処理説明図であり、OPS30の条件格納部34に、所定期間として1日を設定し、接続条件と、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を比較照合する為の重み付けする条件とを格納し(E1)、判定部33は、条件格納部32から判定条件を読出して(E2)、接続条件を決定し、その情報を対DSLAM部31から、DSLAM20の対OPS部21に送出する(E3)。
【0061】
DSLAM20の設定部22は、DSLAM20とADSL−DSU40との間の接続条件を変更し(E4)、回線制御部23は、DSLAM20とADSL−DSU40との間の回線状態を監視し、設定した通信が確保できなくなった場合に、回線を一旦切断し、その時点で最大通信速度が得られるように条件を変更し、変更後に得られた速度のデータをOPS30のデータ蓄積部35に転送する(E5)。
【0062】
データ蓄積部35は、DSLAM20から受信した情報を基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を算出して格納する(E7)。そして、所定期間の1日が経過したか否かを判定し、経過していない場合は、ステップ(E5)に移行し、経過した場合、判定部33は、条件格納部32に格納された接続条件を実施完了か否かを判定し(E9)、完了していない場合、判定部33は、データ蓄積部35からデータを読出してステップ(E2)に移行する。
【0063】
又完了した場合、判定部33は、条件格納部32から重み付けする条件を読出し、データ蓄積部35に蓄積された各日の“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を計算し、計算結果の値の最も高い日の接続条件を決定し、その情報を、DSLAM20の設定部22に転送する(E10)。そして、設定部22は、回線制御部23を制御して、DSLAM20とADSL−DSU40との間の接続条件を変更して接続制御を行う(E11)。
【0064】
図15は、強制的に再接続する場合の処理説明図であり、OPS30の条件格納部32に、強制的に再接続する条件を格納し(F1)、判定部33は、条件格納部32からの判定条件を取出す(F2)。DSLAM20の回線制御部23は、DSLAM20とADSL−DSU40との間の回線状態を監視し、安定した通信を確保できなくなった場合、回線を一旦切断し、その時点で最大の速度が得られるように通信条件を変更して再接続し、変更後に得られた速度のデータを監視部24を経由して、OPS40のデータ蓄積部35に転送する(F3)。
【0065】
データ蓄積部35は、受信した情報を基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を算出して格納する(F4)。そして、一定時間経過したか否かを判定し(F5)、経過していない場合は、ステップ(F3)に移行し、経過した場合、判定部33は、データ蓄積部35から、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を取出して、再接続する条件に合致する場合、再接続する条件を、設定部22を介して回線制御部23に転送し(F6)、回線制御部23は、再接続する条件に従って、DSLAM20とADSL−DSU40との間の回線接続制御を行う。
【0066】
又図11に示すように、DSLAM20と監視システム部(OPS)30との間を、対OPS部21と対DSLAM部31とを介して接続した構成を有する場合も、条件格納部32に格納した前提条件の実施条件と調整内容とに従って、例えば、図2〜図6に示すADSL−DSU番号1〜5に対する回線状態データが得られた場合、各図について説明した場合と同様に、実施条件に従った比較照合を行い、合致した場合に、調整内容に従ったADSL回線の接続制御を行うことができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、マルチキャリアを用いてデータ伝送するADSL等のシステムに於いて、回線状態が大きく変化する条件下であっても、その場合の回線状態データと、予め格納した実施条件と調整内容とに従って、最適接続条件となるように、回線接続制御を行うことができる。従って、高速且つ安定にデータ伝送を行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の要部説明図である。
【図2】データ蓄積部のデータの一例の説明図である。
【図3】取得データの説明図である。
【図4】取得データの説明図である。
【図5】取得データの説明図である。
【図6】データ蓄積部のデータの一例の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図10】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の要部説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図14】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図15】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図16】データ伝送システムの説明図である。
【符号の説明】
1 対OPS部
2 条件格納部
3 判定部
4 設定部
5 回線制御部
6 監視部
7 データ蓄積部
10 多重化装置(DSLAM)
11 監視システム部(OPS)
12 ADSLモデム(ADSL−DSU)
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチキャリアを用いて、高速且つ安定な通信を可能とする為に、回線状態を判定してデータ伝送を制御するデータ伝送システム及びデータ伝送制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設のメタリック線による電話回線を用いたデータ伝送に於いては、アナログ通信を行う場合、最大で55.6kbps、ISDN回線によるディジタル通信を行う場合、64kbps又は128kbps程度である。これに対して、インターネットの普及により大量のデータを高速で伝送する為に、4kHz以下の音声帯域より高い帯域を利用し、上り方向と下り方向とのデータ伝送帯域幅を異ならせたADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)方式が実用化されている。このADSL方式に於いては、音声通信とデータ通信とを共通の電話回線を用いて行うことができる。
【0003】
図16はデータ伝送システムの説明図であり、101はユーザ、102は電話局、103は保守局、104はインターネット、105は電話回線、111はパソコン(PC)、112は電話機、113はADSL−DSU(Asymmetric Digital Subscriber Line−Digital Subscriber Unit)(ADSLモデム)、114はスプリッタ、121は電話交換機、122はDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)(多重化装置)、123はルータ、131は監視システム部(OPS)を示す。
【0004】
電話機112からの音声信号は、スプリッタ114を介して電話回線105に音声帯域として伝送され、電話局102のDSLAM122により音声帯域が分離され、電話交換機121を介して通話相手(図示せず)に伝送される。又この通話相手からの音声信号は、電話交換機121からDSLAM122を介して電話回線105に音声帯域として伝送され、ユーザ101のスプリッタ114により音声帯域が分離されて電話機112に伝送される。
【0005】
又パソコン111からのデータは、ADSL−DSU113から音声帯域より高域側の周波数帯域のマルチキャリアにより変調されて、スプリッタ114を介して電話回線105に送出される。電話局102に於いては、DSLAM122により分離して、ルータ123を介してインターネット104に送出される。又インターネット104からのデータは、ルータ123とADSL−DSU113とを介して電話回線105に送出され、ユーザ101は、スプリッタ114により音声帯域より高域側のマルチキャリアを分離し、ADSL−DSU113により復調してパソコン111に伝送する。それにより、パソコン111によるデータ伝送を行うことができる。又保守局103の監視システム部131により、電話局102の各部の設定や監視が行われる。
【0006】
このADSL方式に於いて、DMT(Discrete Multi Tone)方式と、Lite方式とが知られており、DMT方式は、1104kHzの帯域を256個に分割したトーン(キャリア)を利用して、データを並列で伝送するもので、例えば、8Mbpsの通信速度を得ることができる。又Lite方式は、552kHzの帯域を128個に分割したトーン(キャリア)を利用し、例えば、1.5Mbpsの通信速度を得ることができる。
【0007】
しかし、アナログ回線としての電話回線105は、ディジタル回線(ISDN)と近接して敷設されている場合が多く、又国内に於けるISDN方式は、ピンポン伝送方式を適用しているから、アナログ回線に対してピンポン伝送方式によるディジタル信号の送受信タイミング毎のノイズが大きくなり、ADSL方式に於ける通信速度を低下させる要因となっている。そこで、ADSL方式に於けるAnnexCは、ISDN方式に於けるタイムスロット毎に伝送レートを調整する規約となっている。
【0008】
又ADSL方式に於いて、回線状態を測定し、ノイズレベルの低い区間ではデータを伝送し、ノイズレベルの高い区間では、データを伝送しないように制御し、データを伝送しない区間では消費電力をほぼ零として、効率を向上するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
又ADSL方式に於いて、ユーザ側と電話局側との間でトレーニングに基づいたデータ通信速度の設定を行う手段が知られている(例えば、特許文献2参照)。又ADSL方式に於いて、信号対雑音比(SNR)を算出することにより、通信速度を制御する手段が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−171307号公報
【特許文献2】
特開2002−125071号公報
【特許文献3】
特許第2891673号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ADSL方式によるデータ伝送システムに於いては、最初の接続時に、利用できる最大の通信速度が得られるように設定するものであるが、前述のISDN回線等からの影響を受けて、最初に設定した通信速度を維持できない場合がしばしば発生するものである。特に回線状態が大きく変化する場合には、一旦回線を切断して、再接続する手段が適用されている。しかし、再接続による通信速度は、前の通信速度を確保できない場合が殆どであり、従って、再接続によっても通信速度を前の状態に戻すことは困難である。その為に、再接続処理を頻繁に行うことが多くなり、安定なデータ伝送が困難となる問題がある。
【0012】
本発明は、回線状態を基に高速且つ安定なデータ伝送の継続を可能とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ伝送システムは、図1を参照して説明すると、ユーザ側のモデム(ADSL−DSU)12と電話回線を介して多重化装置(DSLAM)10を接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送システムに於いて、多重化装置10は、ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部5と、この回線制御部5による回線状態を監視する監視部6と、実施条件と調整内容とを含む前提条件と前記監視部6による回線状態の情報とに従って、回線制御部5に対して接続条件を設定する設定部4とを含む構成を有するものである。
【0014】
又多重化装置10は、ユーザ側のモデム12との間の電話回線を介して接続した回線制御部5と、この回線制御部5による回線状態を監視する監視部6と、この監視部6を介して回線状態のデータを格納するデータ蓄積部7と、実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納する条件格納部2と、回線制御部5に対して接続条件を設定する設定部4と、条件格納部2に格納された実施条件に、データ蓄積部7に格納されたデータが合致した時に、調整内容に従って設定部4に接続条件を設定する判定部3とを含む構成を有するものである。
【0015】
又多重化装置(DSLAM)と、監視システム部(OPS)とを備え、多重化装置は、ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部と、この回線制御部による回線状態を監視する監視部と、回線制御部に対して接続条件を設定する設定部とを有し、監視システム部は、多重化装置の監視部を介した回線状態のデータを格納するデータ蓄積部と、実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納する条件格納部と、この条件格納部に格納された実施条件に、データ蓄積部に格納されたデータが合致した時に、調整内容に従って多重化装置の設定部に接続条件を設定する判定部とを有するものである。
【0016】
又本発明のデータ伝送制御方法は、ユーザ側のモデム(ADSL−DSU)12と電話回線を介して多重化装置(DSLAM)10の回線制御部5とを接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送制御方法であって、回線制御部5により求めた通信速度を含む回線状態データをデータ蓄積部7に格納し、実施条件と調整内容とを含む前提条件を条件格納部2に格納し、データ蓄積部7に格納された回線状態データと実施条件とが合致した時の該実施条件に対する調整内容に従って回線制御部5を制御し、再接続制御又は通信速度の設定変更制御を行う過程を含むものである。
【0017】
又回線状態データとして、下り方向(多重化装置10からモデム12方向)の通信速度と時刻とを求めて、通信速度の最大値とその時刻とをデータ蓄積部7に格納し、条件格納部2に格納した前提条件の実施条件に従って、今回取得した下り方向の通信速度と過去の最大値とを比較し、今回の通信速度が過去の最大値を超えた時には今回の通信速度を最大値として更新し、今回の通信速度が過去の最大値を著しく下回った時には、前提条件の調整内容に従って、過去の最大値が得られた時刻になった時に、ユーザ側のモデム12との間の回線を一旦切断して再接続制御を行う過程を含むものである。
【0018】
又条件格納部2に格納した前提条件の実施条件を、それぞれ同一の所定期間についてLite方式/DMT方式,ファーストモード/インタリーブモード,FBMモード/DBMモードのそれぞれの接続条件を順次切替え、各接続条件による回線状態データとして、最大通信速度,最小通信速度,平均接続時間,平均接続速度,再接続回数を求めてデータ蓄積部7に格納し、条件格納部2に格納した前提条件の実施条件に従った最適接続条件を判定し、最適接続条件を設定部4から回線制御部5に設定する過程を含むことができる。
【0019】
又回線状態データとして、下り方向の通信速度と時刻とを取得し、回線状態データとしての最大通信速度,最小通信速度,平均接続時間,平均接続速度,再接続回数を求めてデータ蓄積部7に格納し、条件格納部2に格納した前提条件の実施条件に従って、最大速度と平均接続速度との差が所定の範囲内で且つ平均接続時間が短い時に、前提条件の調整内容に従って接続条件としてのターゲットSNRを増加させて回線制御部5に設定する過程を含むことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態の要部説明図であり、1は対OPS部、2は条件格納部、3は判定部、4は設定部、5は回線制御部、6は監視部、7はデータ蓄積部、10はDSLAM(多重化装置)、11は監視システム部(OPS)、12はADSL−DSU(ADSLモデム)を示し、例えば、DSLAM10は、図16に於けるDSLAM122に対応し、ADSL−DSU12は、ユーザのADSL−DSU113に対応し、監視システム部11は、保守局103の監視システム部131に対応する。
【0021】
又対OPS部1は、監視システム部11から、監視対象の終端装置(ADSL−DSU)番号を受信して監視部6に転送し、又判定部3に於いて使用する判定条件を受信して条件格納部2に転送して格納する機能を有する。又判定部3は、前回の処理から一定時間経過した時に処理を開始し、条件格納部2から判定条件を読出し、又データ蓄積部7からデータを取り出して、条件が合致したデータについては、データに条件を付与して設定部4に転送する機能を有する。
【0022】
又設定部4は、判定部3からのデータと条件とに従って設定値を決定し、決定した値を回線制御部5に転送する機能を有する。又回線制御部5は、最初の接続時に測定された伝送距離やノイズ等の回線状態により、最大の通信速度が得られるように条件を決定し、その通信速度を維持するように制御し、又回線状態を監視し、回線状態が変化して安定なデータ伝送が確保できなくなった場合、一旦回線を切断して、再度その時点に於ける最大の通信速度が得られるように条件を決定する機能を有する。又監視部6は、対OPS部1からのADSL−DSU番号と、回線制御部5からのADSL−DSU番号とが一致した場合、回線制御部5からのADSL−DSU番号と通信速度とのデータを、データ蓄積部7に転送して蓄積させる機能を有する。
【0023】
又回線制御部5による接続条件は、ADSL回線のDMT方式/Lite方式、ファーストモード/インタリーブモード、ターゲットSNR(Signal to Noise Ratio)、FBMモード(FEXT Bit Map)/DBMモード(Dual Bit Map)(FEXT;Far End Cross Talk;遠端漏話)等の要因により決定される。
【0024】
なお、ファーストモードは、双方向通信のように同時性を確保する為の方式であるが、エラー訂正能力が劣り、又インタリーブモードは、回線品質を向上する為の方式であるが、同時性の確保に劣るものである。又ターゲットSNRは、ノイズに対する耐性力を示し、値(dB)が大きい程、耐性力が高くなるが、通信速度は低下する傾向となる。又FBMモードは、ISDNとの干渉を避ける為に、近端漏話NEXT(Near End Cross Talk)が発生しているタイミングでは、データ伝送を行わない方式であり、データの送受信時間が少なくなる為に、通信速度は低下する。又DBMモードは、ISDNの近端漏話が発生しているタイミングでもデータ伝送を行う方式で、FBMモードに比較して通信速度を大きくすることができる。
【0025】
又データ蓄積部7に蓄積するデータは、ADSL−DSU番号、現在の通信速度、最大通信速度、最小通信速度、最大速度獲得時刻、最小速度獲得時刻、再接続回数、平均接続時間、平均接続速度等を含むものである。
【0026】
監視システム部11から保守者が監視対象のADSL−DSU番号と、回線制御の為の実施条件/調整内容とを対OPS部1に転送する。この対OPS部1は、ADSL−DSU番号を監視部6に転送し、実施条件/調整内容を条件格納部2に転送する。監視部6は、回線制御部5からの接続毎に転送されるデータ(ADSL−DSU番号と通信速度)と、対OPS部1から転送されたADSL−DSU番号と合致するデータのみを取り出してデータ蓄積部7に転送する。
【0027】
データ蓄積部7は、ADSL−DSU番号/現在の通信速度/最大通信速度/最小通信速度/最大速度獲得時刻/最小速度獲得時刻/再接続回数/平均接続時間/平均接続速度を算出して蓄積する。判定部3は、一定周期でデータ蓄積部7からデータを読出し、条件格納部2に格納した実施条件と合致するデータの有無を判定し、合致するデータがあった場合には、そのデータと条件格納部2から受信した調整内容とを設定部4に転送する。設定部4は、調整内容を回線制御部5に転送し、回線制御部5は、ADSL−DSU12とDSLAM10との間の回線を強制切断した後、設定内容に従って再接続する。
【0028】
ADSL−DSU12とDSLAM10との接続が行われた時の下り(DSLAM→ADSL−DSU)方向の速度と時刻とを記録し、その情報を基に最大速度と最小速度と平均接続時間と平均接続速度と再接続回数とを求める。そして、最大速度と平均接続速度とがほぼ等しいにも拘らず、平均接続時間が極端に短い場合は、速度低下要因がバースト的に発生している場合に相当する為、接続速度を意図的に低下させて、ノイズ耐性を強化する条件で再接続を行う。
【0029】
又ADSL−DSU12とDSLAM10との接続を複数の条件で行う。例えば、FBMモード/DBMモード、Lite方式/DMT方式等の接続条件パラメータと、それぞれの接続条件を切替える為の1日等の所定期間とを含む実施条件と、この実施条件に対応した調整内容とを、条件格納部2に格納する。判定部3は、条件格納部2に格納された実施条件に従って回線制御部5を制御し、それぞれの接続条件による回線状態データを監視部6からデータ蓄積部7に転送して格納し、このデータ蓄積部7に格納されたデータと実施条件とを比較して、合致する場合は、調整内容に従って、最適な接続条件を設定部4から回線制御部5に設定する。それにより、ADSL回線の初期開通時等に於いて、所定期間の試験通信に基づいて求めた回線状態データを基に、最適な接続条件でADSL回線の接続を行うことが可能となる。
【0030】
又過去の下り速度の最大値と、その時刻とを記録し、今回取得した下り速度が過去の最大値を越えた場合、最大値を更新する。又今回取得した下り速度が過去の最大値の1/Nを下回った時に、最大値で接続された時刻になった時に、強制的に再接続し、記録した過去の最大値をクリアする。このように再接続する時刻を最大の下り速度が得られた時刻とすることにより、ノイズや温度等の外部要因を類似した条件として、最大の下り速度が得られる可能性を高くすることができる。
【0031】
又DSLAM10の条件格納部2に実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納するものであり、その実施条件を、例えば、(a)最大通信速度と平均接続速度との差が10%以内、(b)平均接続時間が1時間以内を満たす時とし、調整内容を、ADSL回線制御の接続条件であるターゲットSNRを2(dB)増加させる内容とし、データ蓄積部7が保持するデータが、例えば、図2に示すように、ADSL−DSU番号1〜5について格納され、ターゲットSNRについては、初期条件で総て6(dB)とする。
【0032】
判定部3に於ける判定結果は、ADSL−DSU番号1のデータは、実施条件(a)に合致するが、実施条件(b)には合致しない。又ADSL−DSU番号2のデータは、実施条件(a),(b)の何れにも合致しない。又ADSL−DSU番号3のデータは、実施条件(b)に合致するが、実施条件(a)には合致しない。又ADSL−DSU番号5のデータは、実施条件(a)に合致するが、実施条件(b)には合致しない。
【0033】
又ADSL−DSU番号4のデータは実施条件(a),(b)に合致する。そこで、判定部3は、ADSL−DSU番号4のデータと、条件格納部2に格納した調整内容のデータとを設定部4に転送する。設定部4は、ターゲットSNRの現在設定値が6(dB)であり、調整内容は2(dB)の増加であるから、ADSL−DSU番号4の接続条件の中のターゲットSNRを8(dB)に更新する。それによって、ノイズに対する耐性力が向上して、回線切断に至る可能性が低下し、平均接続時間が増加することになる。
【0034】
又実施条件と調整内容とを含む前提条件を条件格納部2に格納するものであるが、その実施条件(a),(b),(c)として、次の接続条件により、それぞれ所定の期間(1日)接続して、求めたデータをデータ蓄積部7に蓄積する。実施条件(a)は、所定期間Lite方式で接続し、次に所定期間DMT方式で接続する。実施条件(b)は、所定期間ファーストモードで接続し、次に所定期間インタリーブモードで接続する。実施条件(c)は、所定期間FBM方式で接続し、次に所定期間DBM方式で接続する。
【0035】
又調整内容は、実施条件(a),(b),(c)によるそれぞれのデータを比較し、平均接続時間と平均接続速度とが共に大きい方の接続方式を採用する。又何れか一方のみ大きい場合は、平均接続時間が長い方の接続方式を採用する。そして、採用した接続条件を設定部4に転送する。
【0036】
例えば、図3,図4,図5に実施条件(a),(b),(c)に従った接続により求めたADSL−DSU番号1〜5の回線状態データの一例を示し、(A)はLite方式による接続時のデータ、(B)はDMT方式による接続時のデータ、(C)はファーストモードによる接続時のデータ、(D)はインタリーブモードによる接続時のデータ、(E)はDBMモードによる接続時のデータ、(F)はFBMモードによる接続時のデータを示す。
【0037】
判定部3は、条件格納部2に格納された例えば実施条件(a)を読出し、ADSL−DSU番号1〜5に対して、伝送方式をLite方式とする接続条件を回線制御部5に転送し、回線制御部5は、ADSL−DSU番号1〜5の伝送方式をLite方式とするように接続条件を変更し、回線制御部5は、接続後の所定期間(1日)に於けるADSL−DSU番号1〜5についての回線状態データをデータ蓄積部7に転送して蓄積する。それにより得られたデータが例えば図3の(A)に示すデータとなる。
【0038】
次に判定部3は、条件格納部2に格納された実施条件(a)に従って、Lite方式の次はDMT方式とする接続条件を回線制御部5に転送する。それにより、回線制御部5は、ADSL−DSU番号1〜5の伝送方式をDMT方式とするように接続条件を変更し、回線制御部5は、接続後の所定期間(1日)に於けるADSL−DSU番号1〜5についての回線状態データをデータ蓄積部7に転送して蓄積する。それにより得られたデータが例えば図3の(B)に示すデータとなる。
【0039】
同様にして、実施条件(b),(c)に従って回線制御部5を制御し、1日等の所定期間の接続によりデータを求め、例えば、図4の(C),(D)と、図5の(E),(F)に示すデータが得られる。
【0040】
判定部3は、調整内容に従った判定を行うもので、図3の(A),(B)に示すデータを比較した場合、ADSL−DSU番号1は、平均接続時間は1440分で同一であるが、平均接続速度は、Lite方式=1.5Mbps、DMT方式=8Mbpsであるから、DMT方式で接続する。又ADSL−DSU番号2は、平均接続速度がLite方式の方が大きいので、Lite方式で接続する。同様にして、ADSL−DSU番号3,4はLite方式、ADSL−DSU番号5はDMT方式でそれぞれ接続する。それぞれ判定した接続条件を設定部4に転送し、設定部4から回線制御部5を制御する。
【0041】
又図4の(C),(D)と、図5の(E),(F)に示すデータを比較して、ADSL−DSU番号1は、インタリーブモード且つDBMモード、ADSL−DSU番号2は、ファーストモード且つFBMモード、ADSL−DSU番号3は、ファーストモード且つDBMモード、ADSL−DSU番号4は、インタリーブモード且つDBMモード、ADSL−DSU番号5は、インタリーブモード且つFBMモードでそれぞれ接続する。前述のように、複数種類の接続条件について所定期間の試験接続により、安定且つ高速度の接続条件を求めてADSL回線の接続制御を行うことができる。
【0042】
又前提条件の実施条件として、現在の通信速度が最大通信速度の1/2以下、調整内容として、最大速度獲得時刻になった時点で強制切断して、再接続する。このような前提条件を条件設定部2に設定し、データ蓄積部7に、例えば、図6に示すADSL−DSU番号1〜5のデータが蓄積されている場合、ADSL−DSU番号2のデータが実施条件に合致するから、このADSL−DSU番号2のデータと調整内容とを設定部4に転送する。
【0043】
設定部4は、最大速度獲得時刻17:20になると、ADSL−DSU番号2に対して切断後、再接続する要求を回線制御部5に送出する。回線制御部5は、その要求に従ってADSL−DSU番号2について強制切断後、再接続する。従って、過去に最大速度が得られた時刻になった時に再接続することにより、過去の最大速度が得られた回線状態に戻る可能性が高いことにより、速度低下の状態を回復することができる。
【0044】
図7は本発明の実施の形態の処理説明図であり、図1に於けるADSL−DSU12とDSLAM10との間を接続し(リンクアップ)、回線制御部5に於いて現在の下り通信速度と時刻とを取得して監視部6に転送する(A1)。監視部6は、現在の下り通信速度と時刻とをデータ蓄積部7に転送して保存させる(A2)。そして、条件格納部2と判定部3とにより、現在の下り通信速度が過去の下り最大通信速度を超えたか否かを判定する(A3)。この場合、超えたか否かと、著しく下回ったか否かと、それ以外の場合とについて判定する(A5)。
【0045】
この判定(A5)に於いて、超えた場合、判定部3は、現在の下り通信速度と時刻とをデータ蓄積部7に転送して、過去の下り通信速度を今回の下り通信速度に書換える(A5)。又著しく下回る場合、例えば、最大通信速度の1/2以下となった場合、設定部4は、過去の下り最大通信速度となった時刻に、回線制御部5に対して再接続要求を送出する(A6)。回線制御部5は、ADSL−DSU間のリンクを強制的に切断し、再リンクアップ要求を送出する(A7)。そして、リンクアップにより、回線制御部5は、下り通信速度を調整して再接続を行う(A8)。即ち、過去の最大下り通信速度が得られた時刻に於いて再接続を行って、元の通信状態の回復を図ることができる。
【0046】
図8,図9は、所定期間の試験接続により求めたデータを基に接続制御する場合の処理説明図であり、条件格納部2に、所定期間を1日とし、接続条件と、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を求めて比較する為の重み付けする条件を予め格納し(B1)、判定部3は、条件格納部2から判定条件を読出し(B2)、接続条件を決定して設定部4に転送する(B3)。設定部4は、回線制御部5を介してDSLAMとADSL−DSUとの間の接続条件を変更する(B4)。
【0047】
回線制御部5は、DSLAMとADSL−DSUとの間の回線状態を監視し、安定した通信を確保できなくなった場合は、回線を一旦切断した後、その時点で最大通信速度が得られるように通信条件を変更し、変更後に得られた速度のデータを監視部6を介してデータ蓄積部7に転送して蓄積する(B5)。データ蓄積部7は、受信した情報を基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を求めて格納する(B6)。
【0048】
そして、実施後、所定期間の1日が経過したか否かを判定し(B7)、経過していない場合は、ステップ(B5)に移行し、経過した場合は、判定部3は、条件格納部2に格納された接続条件について実施したか否かを判定し(B8)、総て実施した場合は、データ蓄積部7からデータを取出して(B9)、ステップ(B2)に移行する。実施済みの場合、判定部3は、条件格納部2から重み付けする条件を取出し、データ蓄積部7から各日の“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を求め、この数値の最も高い日の接続条件を決定して、設定部4に転送する(B10)。設定部4は、回線制御部5に対して、DSLAMとADSL−DSUとの間の接続条件を変更し、再接続制御を行う(B11)。
【0049】
図10は、強制再接続する本発明の実施の形態の処理説明図であり、条件格納部2に、強制的に再接続する条件を予め格納し(C1)、判定部3は、条件格納部2に格納された条件を取出し(C2)、回線制御部5は、DSLAMとADSL−DSUとの間の回線状態を監視し、安定した通信が確保できなくなった場合に、一旦切断した後、その時点で最大の速度が得られるように接続条件を変更し、変更後に得られた速度のデータを監視部6を介してデータ蓄積部7に転送する(C3)。
【0050】
データ蓄積部7は、監視部6を介したデータを基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を算出して格納し(C4)、一定時間経過したか否かを判定する(C5)。即ち、判定部3は、予め定めた一定時間毎に判定する場合を示す。そして、一定時間経過していない場合は、ステップ(C2)に移行し、経過した場合、判定部3は、データ蓄積部7から“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を取出し、再接続する条件に合致する場合、その条件に従って再接続する(C6)。このような処理を繰り返して継続する。
【0051】
図11は本発明の他の実施の形態の要部説明図であり、DSLAM(多重化装置)20と、監視システム部(OPS)30と、複数のADSL−DSU(ADSLモデム)40とを示し、DSLAM20は、対OPS部21と、設定部22と、回線制御部23と、監視部24とを含み、又監視システム部30は、対DSLAM部31と、条件格納部32と、判定部33と、条件管理部34と、データ蓄積部35とを含む構成を有する。
【0052】
対OPS部21は、監視システム部30の対DSLAM部31との間でデータの送受信を行う機能を有し、設定部22は、対OPS部21を介して監視システム部30の判定部33からのデータに従って設定値を決定し、その設定値を回線制御部23に転送する機能を有する。又回線制御部23は、回線の接続時に測定された伝送距離やノイズ等の回線状態により、最大の通信速度が得られるように通信条件を決定して、その速度を維持するように制御し、回線状態が変化して安定な通信が確保できなくなった場合、一旦回線を切断して、その時点で最大の通信速度が得られるように通信条件を決定して再接続制御を行う機能と、設定部からの設定値に従って接続条件を変更し、又接続時に於ける通信速度とそのADSL−DSU番号とを監視部24に転送する機能とを有する。又接続条件としては、図1に示す実施の形態について説明した場合と同様とすることができる。
【0053】
又監視部24は、対OPS部21を介して受信した監視システム部30の条件管理部34からのデータ「ADSL−DSU番号」と、回線制御部23から受信したADSL−DSU番号とが一致した場合に、回線制御部23から受信したデータ(ADSL−DSU番号と通信速度)を、対OPS部21を介して監視システム部30のデータ蓄積部35に送出する機能を有する。
【0054】
又監視システム部30の対ADSL−DSU部31は、対OPS部21を介してDSLAM20との間のデータの送受信を行うもので、条件管理部32から監視部24へのデータの送信と、判定部33から設定部22へのデータの送信と、監視部22とデータ蓄積部35との間のデータの送受信とを行う機能を有する。又条件管理部34は、保守者との間のインタフェース部に相当し、監視対象とする終端装置(ADSL−DSU)番号や、判定部に於いて使用する判定条件等の各種のデータを管理する機能を有する。
【0055】
条件格納部32は、判定部33に於いて使用する条件を格納し、この条件は、条件管理部34からの要求により更新する機能を有する。又判定部33は、前回の処理から一定時間が経過した時に処理を開始し、条件格納部32から実施条件を読出し、データ蓄積部35からデータを読出し、そのデータを実施条件に従って判定し、実施条件に合致した場合は、そのデータに条件を付与して、DSLAM20の設定部22に送出する機能を有する。
【0056】
又データ蓄積部35は、内部にタイマを保持し、DSLAM20の監視部24から受信したADSL−DSU番号,通信速度を基に計算して蓄積する機能を有する。その蓄積データは、ADSL−DSU番号、現在の通信速度、最大通信速度、最小通信速度、最大速度獲得時刻、最小速度獲得時刻、再接続回数、平均接続時間、平均接続速度を含むものである。
【0057】
図12は本発明の他の実施の形態の処理説明図であり、図11に於けるADSL−DSU40と、DSLAM20と、OPS(監視システム部)30とについての処理を示すもので、回線制御部23に於いて現在の下り通信速度と時刻とを取得して監視部24に転送し(D1)、監視部24は、現在の下り通信速度と時刻とをOPS30のデータ蓄積部35に転送し、その通信速度と時刻とを保存する(D2)。
【0058】
OPS30は、条件格納部32と判定部33とにより、現在の下り通信速度が過去の下り最大通信速度を超えたか否かを判定し(D4)、条件格納部32と判定部33とにより現在の下り通信速度が過去の下り通信速度を超えたか否かを判定する(D5)。この場合、超えた場合と、著しく下回った場合とについて判定する(D6)場合を示すが、それ以外の場合は、処理を行わないようにすることができる。そして、現在の下り通信速度が過去の下り通信速度を超えた場合、判定部33は、現在の下り通信速度と時刻とをデータ蓄積部35に転送し、過去の下り通信速度と時刻とを書換える(D7)。又現在の下り通信速度が過去の下り通信速度を著しく下回った場合、設定部22で、過去の下り最大通信速度となった時刻になると、回線制御部23に対して再接続要求を送出する(D8)。
【0059】
回線制御部23は、再接続要求により、ADSL−DSU間のリンクを強制切断し、再リンクアップ要求をADSL−DSUに対して行う(D3)。ADSL−DSUからのリンクアップにより、OPS30は、下り通信速度を調整して再接続制御を行う(D9)。
【0060】
図13は、図11に示すADSL−DSU40と、DSLAM20と、OPS(監視システム部)30とについて、所定の試験期間に回線状態データを求めて接続制御する場合の処理説明図であり、OPS30の条件格納部34に、所定期間として1日を設定し、接続条件と、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”,“再接続回数”を比較照合する為の重み付けする条件とを格納し(E1)、判定部33は、条件格納部32から判定条件を読出して(E2)、接続条件を決定し、その情報を対DSLAM部31から、DSLAM20の対OPS部21に送出する(E3)。
【0061】
DSLAM20の設定部22は、DSLAM20とADSL−DSU40との間の接続条件を変更し(E4)、回線制御部23は、DSLAM20とADSL−DSU40との間の回線状態を監視し、設定した通信が確保できなくなった場合に、回線を一旦切断し、その時点で最大通信速度が得られるように条件を変更し、変更後に得られた速度のデータをOPS30のデータ蓄積部35に転送する(E5)。
【0062】
データ蓄積部35は、DSLAM20から受信した情報を基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を算出して格納する(E7)。そして、所定期間の1日が経過したか否かを判定し、経過していない場合は、ステップ(E5)に移行し、経過した場合、判定部33は、条件格納部32に格納された接続条件を実施完了か否かを判定し(E9)、完了していない場合、判定部33は、データ蓄積部35からデータを読出してステップ(E2)に移行する。
【0063】
又完了した場合、判定部33は、条件格納部32から重み付けする条件を読出し、データ蓄積部35に蓄積された各日の“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を計算し、計算結果の値の最も高い日の接続条件を決定し、その情報を、DSLAM20の設定部22に転送する(E10)。そして、設定部22は、回線制御部23を制御して、DSLAM20とADSL−DSU40との間の接続条件を変更して接続制御を行う(E11)。
【0064】
図15は、強制的に再接続する場合の処理説明図であり、OPS30の条件格納部32に、強制的に再接続する条件を格納し(F1)、判定部33は、条件格納部32からの判定条件を取出す(F2)。DSLAM20の回線制御部23は、DSLAM20とADSL−DSU40との間の回線状態を監視し、安定した通信を確保できなくなった場合、回線を一旦切断し、その時点で最大の速度が得られるように通信条件を変更して再接続し、変更後に得られた速度のデータを監視部24を経由して、OPS40のデータ蓄積部35に転送する(F3)。
【0065】
データ蓄積部35は、受信した情報を基に、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を算出して格納する(F4)。そして、一定時間経過したか否かを判定し(F5)、経過していない場合は、ステップ(F3)に移行し、経過した場合、判定部33は、データ蓄積部35から、“最大通信速度”,“最小通信速度”,“平均接続時間”,“平均接続速度”を取出して、再接続する条件に合致する場合、再接続する条件を、設定部22を介して回線制御部23に転送し(F6)、回線制御部23は、再接続する条件に従って、DSLAM20とADSL−DSU40との間の回線接続制御を行う。
【0066】
又図11に示すように、DSLAM20と監視システム部(OPS)30との間を、対OPS部21と対DSLAM部31とを介して接続した構成を有する場合も、条件格納部32に格納した前提条件の実施条件と調整内容とに従って、例えば、図2〜図6に示すADSL−DSU番号1〜5に対する回線状態データが得られた場合、各図について説明した場合と同様に、実施条件に従った比較照合を行い、合致した場合に、調整内容に従ったADSL回線の接続制御を行うことができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、マルチキャリアを用いてデータ伝送するADSL等のシステムに於いて、回線状態が大きく変化する条件下であっても、その場合の回線状態データと、予め格納した実施条件と調整内容とに従って、最適接続条件となるように、回線接続制御を行うことができる。従って、高速且つ安定にデータ伝送を行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の要部説明図である。
【図2】データ蓄積部のデータの一例の説明図である。
【図3】取得データの説明図である。
【図4】取得データの説明図である。
【図5】取得データの説明図である。
【図6】データ蓄積部のデータの一例の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図10】本発明の実施の形態の処理説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の要部説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図13】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図14】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図15】本発明の他の実施の形態の処理説明図である。
【図16】データ伝送システムの説明図である。
【符号の説明】
1 対OPS部
2 条件格納部
3 判定部
4 設定部
5 回線制御部
6 監視部
7 データ蓄積部
10 多重化装置(DSLAM)
11 監視システム部(OPS)
12 ADSLモデム(ADSL−DSU)
Claims (7)
- ユーザ側のモデムと電話回線を介して多重化装置を接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送システムに於いて、
前記多重化装置は、前記ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部と、該回線制御部による回線状態を監視する監視部と、実施条件と調整内容とを含む前提条件と前記監視部による前記回線状態の情報とに従って前記回線制御部に対して接続条件を設定する設定部とを含む構成を有する
ことを特徴とするデータ伝送システム。 - 前記多重化装置は、前記ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部と、該回線制御部による回線状態を監視する監視部と、該監視部を介して前記回線状態のデータを格納するデータ蓄積部と、実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納する条件格納部と、前記回線制御部に対して接続条件を設定する設定部と、前記条件格納部に格納された前記実施条件に前記データ蓄積部に格納されたデータが合致した時に前記調整内容に従って前記設定部に接続条件を設定する判定部とを含む構成を有することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送システム。
- 前記多重化装置と、監視システム部とを備え、前記多重化装置は、前記ユーザ側のモデムとの間の電話回線を介して接続した回線制御部と、該回線制御部による回線状態を監視する監視部と、前記回線制御部に対して接続条件を設定する設定部とを有し、前記監視システム部は、前記監視部を介した回線状態のデータを格納するデータ蓄積部と、実施条件と調整内容とを含む前提条件を格納する条件格納部と、該条件格納部に格納された実施条件に前記データ蓄積部に格納されたデータが合致した時に前記調整内容に従って前記多重化装置の設定部に接続条件を設定する判定部とを有することを特徴とする請求項1記載のデータ伝送システム。
- ユーザ側のモデムと電話回線を介して多重化装置の回線制御部とを接続し、複数キャリアによりデータを伝送するデータ伝送制御方法に於いて、
前記回線制御部により求めた通信速度を含む回線状態データをデータ蓄積部に格納し、実施条件と調整内容とを含む前提条件を条件格納部に格納し、前記データ蓄積部に格納された回線状態データと前記実施条件とが合致した時の該実施条件に対する調整内容に従って前記回線制御部を制御し、再接続制御又は通信速度の設定変更制御を行う過程を含む
ことを特徴とするデータ伝送制御方法。 - 前記回線状態データとして、下り方向の通信速度と時刻とを求めて、該通信速度の最大値とその時刻とを前記データ蓄積部に格納し、前記条件格納部に格納した前提条件の実施条件に従って、今回取得した前記下り方向の通信速度と過去の前記最大値とを比較し、今回の通信速度が過去の最大値を超えた時には今回の通信速度を最大値として更新し、今回の通信速度が過去の最大値を著しく下回った時には、前記前提条件の調整内容に従って、前記過去の最大値が得られた時刻になった時に、前記ユーザ側のモデムとの間の回線を一旦切断して再接続制御を行う過程を含むことを特徴とする前記請求項4記載のデータ伝送制御方法。
- 前記前提条件の実施条件を、それぞれ同一の所定期間についてLite方式/DMT方式,ファーストモード/インタリーブモード,FBMモード/DBMモードのそれぞれの接続条件を順次切替え、各接続条件による前記回線状態データとして、最大通信速度,最小通信速度,平均接続時間,平均接続速度,再接続回数を求めてデータ蓄積部に格納し、前記条件格納部に格納した前記前提条件の実施条件に従った最適接続条件を判定し、該最適接続条件を前記設定部から前記回線制御部に設定する過程を含むことを特徴とする前記請求項4記載のデータ伝送制御方法。
- 前記回線状態データとして、下り方向の通信速度と時刻とを取得し、回線状態データとしての最大通信速度,最小通信速度,平均接続時間,平均接続速度,再接続回数を求めてデータ蓄積部に格納し、前記条件格納部に格納した前記前提条件の実施条件に従って、最大速度と平均接続速度との差が所定の範囲内で且つ平均接続時間が短い時に、前記前提条件の調整内容に従って接続条件としてのターゲットSNRを増加させて前記回線制御部に設定する過程を含むことを特徴とする前記請求項4記載のデータ伝送制御方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071106 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080304 |