JP2011512711A - 可変アップロード/ダウンロード・ビットレートを有し、特定用途のための動的なプロファイル切換えが行われるdsl方式 - Google Patents

可変アップロード/ダウンロード・ビットレートを有し、特定用途のための動的なプロファイル切換えが行われるdsl方式 Download PDF

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Abstract

本発明は、アップロード・チャンネルおよびダウンロード・チャンネルの割当て方式が固定されている、これまでに知られている配置方式とは対照的に、本発明に従った方法により好適にも複数の汎用型アップロード/ダウンロード周波数チャンネルUUDC(Universal Upload Download Channel)を、随意の選択によりいずれのトラフィック方向にも利用できるようになっている複数のDMT周波数バンドを備えたDSL方式に関する。その際に一方のトラフィック方向のためにチャンネルを選択して使用することは、好ましくはその時々に生じている伝送データ・トラフィックに応じて、例えばダウンロードおよびアップロード用、音声通信用、ビデオ会議用、IP−TV用等、特定の用途のために帯域幅を適合化することによって、処理実行中に動的に行われる。非常に有利な変形例(DRP−ADSL:ダイナミック・リバース・プロファイルADSL)は、公知であるHDPプロファイル(High Download Profile:高速ダウンロード、低速アップロード)を持つADSL標準規格をベースとしており、これにさらに各伝送チャンネルのトラフィック方向が入れ替えられる逆プロファイルHUP(High Upload Profile:高速アップロード、低速ダウンロード)を備え、両者間を簡単な命令シーケンスにより切り換えられるようにしている。本発明は、例えば音声、ビデオ通話、ピア・ツー・ピア方式によるコンピュータ間の結合のための対称なプロファイルにより、有意に補足される。

Description

本発明は、通信ネットワークまたはデータネットワークの内部のDSL接続方式、複数の通信ネットワークまたはデータネットワーク間のDSL接続方式、および/または通信ネットワークまたはデータネットワークに接続されるDSL接続方式の、特に加入者側のモデムと交換局の遠隔端末との間のアップロード・データ伝送速度およびダウンロード・データ伝送速度を適合化する方法であって、データ伝送が、複数の伝送チャンネルに分割されている、所定のトータル帯域幅を持つある一つの周波数帯域内で行われるようになっており、また、連続的または任意に配置される複数の伝送チャンネルから成る第1のグループがアップロード・データ伝送用として、同様に連続的または任意に配置される複数の伝送チャンネルから成る他のグループがダウンロード・データ伝送用として割り当てられており、さらに両方のグループの伝送チャンネルの合計数が、データ伝送のために使用に供されている伝送チャンネルの総数と等しくなっている、方法に関する。
今日のブロードバンド通信のために、規格化された様々なDSL(Digital Subscriber Line:デジタル加入者回線)方式が使用されるが、これらはみな、データ伝送速度に関してユーザの要求を満たそうと努力している。特に例えばADSL、ADSL2、ADSL2プラス、VDSL、またはVDSL2などの非対称型DSL(ADSL)は、既に広く普及しており、さらに普及拡大の一途を辿っているが、これらのADSL方式により実現されるダウンロード速度は、記載の順序で高くなる。ブロードバンド化の一層の進展を受け、ダウンロード・帯域幅は常に拡大の必要に迫られている。今日ではインターネット上の簡単なホームページにも、以前にも増して多くのマルチメディア・コンテンツが付随するようになっており、カラフルで、多数のグラフィックスが掲載された、音声や音楽、アニメーション付きなど、様々なホームページが制作されている。電子郵便(電子メール)には、膨大な画像、ビデオシーケンスおよびオーディオシーケンスが添付されることが多い。それ以外にも、インターネット・ラジオがあり、インターネット・テレビがある(IP−TV:インターネット・プロトコル・テレビ、ほかにもHDTV:高精細テレビ)。同様にデジタル・ビデオテーク(VoD:Video on Demand(ビデオ・オン・デマンド))も話題に上っている。インターネット、ラジオ、およびテレビを包括したブロードバンド・アプリケーションが、いわゆるトリプルプレイ(Triple Play)であり、既に16MbpsのVSDL2接続方式により、これを利用できるようになっている。
しかしほかにも、一段と高速の、アップロード・データレートとも呼ばれるアップリンク・データレートが、有意であったり、余儀なくされたりするアプリケーションや用途もある。その例として挙げられるのは、インターネットを介してアクセスできるホームエリア内またはオフィス内のサーバであり、オーディオおよびビデオシーケンスまたはファイルのインターネットへのアップロードであり、さらに、画像の送信、ビデオ電話、ビデオ会議、IP音声通信接続、ネット上の記憶媒体の利用(ネットワーク・ストレージ・アプリケーション)、膨大な電子郵便の送信、またはPC間通信(PTP:Peer-to-Peer(ピア・ツー・ピア))である。
ビジネス部門においても、例えばコンピュータ同士を結合するために、費用のかさむ対称型データ伝送方式(SDSL)に代わる、低コストのDSL接続方式の利用は興味深いかもしれない。なぜならこの場合は、顧客側でも、ネットワーク・オペレータ側でも、高価な特殊技術を回避できるかもしれないからである。
現在ドイツの市場で入手することができるDSL製品の場合は、これらにより使用に供されているのが、一定の値に固定されたダウンロード速度に加えて、同じく一定の値に固定された、利用されるDSL方式に固有のアップロード速度と決まっているために、アップロード・データ伝送速度およびダウンロード・データ伝送速度を用途に応じて個別に選択することは不可能となっている。例えばドイツ国内で個人ユーザに提供されている、「DSL1000」という名称で知られている、ダウンロード伝送速度が1024kbpsであるDSL方式では、使用に供されているアップロード伝送速度が128kbpsにしか過ぎない。「DSL2000」という名称で知られているDSL方式では、ダウンロード伝送速度が2048kbpsであるが、アップロード伝送速度は192kbpsだけである。商用目的外の個人的な利用のために提供されている、それよりも高価値の製品であっても、アップロード伝送速度はダウンロード伝送速度に対して10%未満とそのほんとの一部にしか過ぎない。
このため現在では高速アップロードを必要とする用途については、一段と高速であるダウンロード・チャンネル(DLC:Download Channel)を有しており、またその場合は必然的により高価値となるアップロード・チャンネル(ULC:Uplink Channel)を有している、さらに高価値で高価格のDSL接続方式に乗り換える可能性しか残されていない。しかしデータレートの増大は通例、伝送帯域内の減衰率の増大、ノイズの影響増加、およびそれに随伴して縮小される到達レンジを付随しており、このため技術面でのかなりのコストアップが要求される。これは、そのような接続方式の価格の上昇となって現れるが、これは特に、一段と高いダウンロード伝送データレートを有するより高価値の帯域幅が、多くの用途では本来は不要であることからも、不利である。
それ以外にも加入者が、一旦選択した、加入者側にも交換局側にも不可欠となるハードウェア(DSLモデム)の設置が求められるDSL接続方式に、この接続方式で使用に供される伝送速度に、固定されてしまう点が不利である。場合により他方の伝送速度を犠牲として、ダウンロード伝送速度またはアップロード伝送速度の増大をはかろうとしても、一方の接続方向の容量が利用されないケースでは、それも不可能となる。そのためには、インターネット・プロバイダ(ISP:Internet Service Provider)により設定されたサービスの変更とならび、通例はハードウェアの交換または適合化が必要となるが、なぜならばDSL方式は、高価値のものほど、低価値のDSL方式用として予定されたモデムによってはサポートされない、様々な付加機能も提供されるからである。
逆に法人顧客のためには、ダウンロード/アップロード・データ伝送速度が少なくとも理想的なケースにおいては等しくなる製品も、ドイツ市場で販売されている。これらの製品には、HDSL(High data rate DSL:高速データレートDSL)とも呼ばれるSDSL(Symmetric Single Pair DSL:対称型シングルペアDSL)や、SHDSL(Symmetric High Bit rate DSL:対称型高速ビットレートDSL)などの対称型DSL方式が使用されるが、これらは、加入者側にも交換局側にも多大な技術コストを要求するものであり、あまり普及を見ていない。従ってそのような方式はかなりのコストと抱き合わせとなっているほかにも、普及していないために、これが使用に供されているのは少数の加入者だけに限られている。この方式に属する製品の所要コストは、ドイツ市場においては、ダウンロード伝送速度が等しい同等の製品に対して約10倍となっており、このため個人ユーザにとっては高過ぎて払えないものとなっている。
以上のような背景から、本発明の課題は、既存の任意の非対称型DSL方式において、その帯域幅、符号化方式、および変調方式を維持したままで導入することができると同時に、このDSL方式に固有のアップロード・データ伝送速度に比べて大幅に増大されたアップロード・データ伝送速度が、比較的僅かなコストで使用に供されるようにする、DSL通信接続のための方法を提供することにある。
この課題は、本発明により請求項1の各特徴を具備した方法によって解決される。本発明の有利な構成例については、従属請求項に記載するほか、以下の説明においても、例を示して解説する。
通信ネットワークまたはデータネットワークの内部のDSL接続方式、複数の通信ネットワークまたはデータネットワーク間のDSL接続方式、および/または通信ネットワークまたはデータネットワークに接続されるDSL接続方式の、特に加入者側のモデムと交換局の遠隔端末との間のアップロード・データ伝送速度およびダウンロード・データ伝送速度を適合化する本発明に係る方法であって、伝送が、複数の伝送チャンネルに分割されている、所定のトータル帯域幅を持つある一つの周波数帯域内で行われるようになっており、また、第1グループの伝送チャンネルがアップロード・データ伝送用として、第2グループの伝送チャンネルがダウンロード・データ伝送用として割り当てられており、さらに両方のグループの伝送チャンネルの合計数が、データ伝送のために使用に供されている伝送チャンネルの総数と等しくなっている、方法において、両方のグループの伝送チャンネルの数が、トータル帯域幅を維持しながら、必要とされるアップロード・データ伝送速度および/またはダウンロード・データ伝送速度に従属して変更されると、非常に有利である。
すなわち、選択によりアップロードまたはダウンロードのために使用することができる汎用チャンネルが提案されるのであるが、そこではアップロード・チャンネル数の増加により、ダウンロード・チャンネル数がそれと同数分だけ減少されて、それぞれのデータ伝送速度に相応の影響がもたらされることになるが、使用に供されている伝送チャンネルの総数は、選択される方法により増大されることはない。
それにより、任意の既存DSL通信接続方式のトータル帯域幅を、特定の用途のために、選択によりダウンロード目的またはアップロード目的で使用することが可能となる。それによりDSL接続方式に、その種類を問わず、実質的な付加価値がもたらされることになり、また既存のDSL端末を使用することにより、個人ユーザにも、また法人ユーザにも、所望される高いアップロード・データ伝送速度の、安価な解決策が提供されることになる。他の長所として、高価な対称型DSL接続方式や固定型接続方式を、少なくとも部分的に本発明により代用することが可能となる。特に本発明に従った方法では、高価な対称型DSL方式を使用しなくとも、音声/ビデオ会議のために、高レートのアップロード・データレートおよび対称型データレートを、それぞれのDSL方式において基礎を成しているトータル帯域幅の拡大や、可用性に問題がある場合が多いより高価値で高価格な方式への鞍替えを不要として、実現することができる。
あるいはその代わりに、本発明に従った方法では、ダウンロード接続の伝送チャンネル数についても、目的に応じて、特に使用されるDSL規格のダウンロード・データ伝送速度では、実行中のタスクをこなすために必要なダウンロード・データ伝送速度には足りず、かつ使用に供されている通常のアップロード伝送速度が、ちょうどそのときには不要である場合には、アップロード伝送速度を犠牲として、これを増大できるようになっている。
従って、いずれか一方のトラフィック方向への伝送チャネル数を狙い通りに増やしてやる代わりに、いずれか一方の接続方向への実際のデータ伝送量が僅かである場合に未利用となっている伝送チャンネルが、他方のトラフィック方向に相応に割り当てられるようにすることもできる。
本発明に従った方法においては、データ伝送のために使用に供されている伝送チャンネルが、DSL方式の当初の規格とは異なり、常時単方向だけに使用されるのではなく、それどころかむしろ実際に必要な伝送量に応じて、ネットワークへの接続方向(アップロード)または加入者への接続方向(ダウンロード)のいずれかに使用されることによって、データ伝送のために使用に供されている全ての伝送チャンネルが、双方向で利用されるようになっている点で、非常に有利である。
本発明に従った方法では、好ましい変形実施例において、アップロード伝送速度の適合化を、両方のグループの伝送チャンネルの数を入れ替えることにより、行うことができるようにしている。例えばダウンロード用にn個、アップロード用にm個の伝送チャンネルが備えられており、またその際にはnがmを上回っているDSL伝送方式では、アップロード用に予定されている伝送チャンネルをダウンロードのために使用して、ダウンロード用に予定されている伝送チャンネルをアップロードのために使用することにより、より高いアップロード・データ伝送速度が達成されるようにするとよい。それにより、既存の伝送チャンネルの、反対方向への逆利用を可能としている。
あるいはその代わりに、アップロード伝送速度とダウンロード伝送速度とが等しい対称なデータ伝送速度を得るために、両方のグループに実質的に同数の伝送チャンネルを割り当てることにより適合化を行うこともできるが、これには特に、例えば使用に供されている伝送チャンネルが奇数であるために、一方のグループの伝送チャンネルが他方のグループよりも一つ多いケースも含まれると解釈される。あるいはその代わりに、それぞれ一方の伝送方向に使用される伝送チャンネルの数に、一つの伝送チャンネルの内部に減衰率の関数としてそれぞれ個別に存在しているデータレートを乗じた積により、いずれの伝送方向とも等しい総データレートが実現されるようにしている。これは特に音声および/または画像によるIP電話(ビデオ電話、ビデオ会議)など、伝送されなければならないデータの量が両接続方向とも等しくなる用途において有意である。
それぞれの伝送方向の、グループとしてまとめられる伝送チャンネルの数および配置方式を、それぞれ伝送プロファイルとして明確に定義できるようにすることが好ましいが、その場合は、アップロード・データ伝送速度およびダウンロード・データ伝送速度の適合化を、第1の伝送プロファイルから第2の伝送プロファイルへの切換えなどにより行われるようにするとよい。伝送プロファイルの一つは、例えばそのDSL接続方式に固有の、データ伝送のために使用に供されている伝送チャンネルの数の第1および第2のグループへの分割方式を定義したものであるとよい。これは、例えばそのDSL接続方式の初期設定であるとよい。この初期設定とは逆向きの伝送チャンネルの伝達方向が、もう一つの伝送プロファイルにより定義され、また他の伝送プロファイルにより、各伝送チャンネルの両方のグループへの対称な分割方式が定義されるようにするとよい。
複数の任意の適切な伝送プロファイルを定義して、これをモデムに保存できるようにすると好適であるが、その場合は切換えが、制御シーケンスを送信することにより行われるようにするとよい。またその際に適切な伝送プロファイルが、例えば予め定められた優先順位および/または方法規則に基づいて選択されるようにするとよい。
選択によるアップロード方向/ダウンロード方向へのチャンネル切換え、ないしはプロファイルの全面的な切換えは、処理実行中に動的に行われるようにするとよい。これには、現在の接続方向のために最適なデータ伝送速度が、常に加入者の使用に供されるという長所がある。
有利な実施例においては、適合化、特にプロファイルの切換えを、必要な場合には好適にも自動的に、加入者側ではモデムのオペレーティング・ソフトウェアまたはユーザのアプリケーション・ソフトウェアにより、またはネットワーク側ではネットワーク・オペレータにより、行うことができるようになっている。これには、DSL接続方式の伝送特性に、加入者が直接手を加える必要が皆無である以外にも、アップロード・データ伝送速度の増大をもたらす際の遅延時間が回避されるという長所がある。
それ以外にも本発明に従って、両トラフィック方向とも、データ伝送のリアルタイム挙動および/またはデータ・トラフィックの評価を実行して、この評価結果に従属して、アップロード・データ伝送速度の適合化、特にプロファイルの切換えが実施されるようにするとよい。その際には例えばアップロード接続方向のデータ・トラフィックをダウンロード接続方向のデータ・トラフィックと比較して、アップロード接続方向のデータ・トラフィックの方が格段と多い場合、またはアップロード接続方向のリアルタイム挙動が格段と劣っている場合は、第1グループの伝送路の数の相応の増大が実施されるようにするとよい。
またその際には、データ伝送のリアルタイム挙動および/またはデータ・トラフィックの評価が、常時または一時的に行われるようにするとよい。それによりアップロード・データ伝送速度の適合化、特にプロファイルの切換えを、遅滞なく行うとともに、アップロード方向の増大したデータが減少した後には、これを再び取り消すことが可能となる。その場合は、初期設定を再び選択できるようにすると好適である。
アップロード・データ伝送速度の、上述の接続状態の評価結果に従属した適合化、特にプロファイルの切換えの代わりに、またはこれと組み合わせて、アプリケーション・ソフトウェアの起動および/または終了時、アプリケーション・ソフトウェアおよび/またはドライバの使用開始および/または終了時にも、そのような適合化が行われるようにするとよい。例えばIP電話プログラム(アプリケーション)の起動、またはこのIP電話プログラムの枠内での、またはこのIP電話プログラムを利用した通話の実行(使用開始)により、対称な伝送プロファイルへの切換えがもたらされ、使用終了後またはアプリケーションの終了後には、元の伝送プロファイルへのスイッチバックが行われるようにするとよい。
それ以外にも、モデムの初期化フェーズの枠内で、両方の伝送方向の伝送チャンネルが測定され、伝送パラメータが少なくとも一つのモデムに保存されると有利である。それにより、使用に供されているチャンネルの伝送特性を突き止めて、特定の伝送方向への伝送特性がより優れている場合には、この伝送方向のために伝送チャンネルを新たな較正を不要として遅滞なく使用することが可能となる。伝送パラメータとして、チャンネル固有の減衰パラメータ、変調パラメータ、および/またはゲイン・パラメータを測定できるようにすると好適である。
以下では、従来技術を詳細に説明し、従来技術に対する本発明の相違点および長所を挙げながら、本発明を様々な実施例および添付の図面に基づき説明する。
DSLの基準構成図である。 ADSL−DNT伝送方式の概略図である。 伝送帯域幅を回線の長さ別に示すグラフである。 ITU−T、G.993.2に準拠した伝送バンド/周波数を示す図である。 ITU−Tに準拠したADSL2およびADSL2+を示す図である。 ADSLモデムをイーサーネット・ルータおよびWLAN(無線LAN)端末とともに示すブロック線図である。 拡張型ADSLトランスミッタの基準構成図である。 伝送チャンネルが本発明に従って拡張利用される、ITU−Tに準拠したADSL2およびADSL2+を示す図である。 対称なデータレートか高いADSL技術を示す図である。
各種通信システムや通信ネットワークにデータ回線により接続されたブロードバンドの加入者接続(ローカルループ)を構築するために、xDSL(Digital Subscriber Line:デジタル加入者回線)という用語で総称される様々な伝送方式が使用される。そこではアルファベットのxが、この接続方式を実現するための様々な技術バリエーションを表わすシノニムとして使用されている。これらの伝送方式はいずれも、顧客のところまで既存のケーブル・インフラストラクチャ、すなわちローカル・アクセスラインを使用可能である、ないしは使用可能でなければならない点で共通している。これには最終的に、もともとは約300Hzから3.4kHzまでの帯域幅を最大で8kmの到達レンジでアナログ伝送することを想定して諸元決定された、銅2芯線を持つ紙絶縁ケーブルまたはプラスチック絶縁ケーブルの使用が含意されることになる。この歴史的な電話回線インフラストラクチャは、POTS(Plain Old Telephony System:旧来型電話システム)と呼ばれる。この回線は、技術革新の流れに沿って、加入者装置のISDN(Integrated Services Digital Network:デジタルネットワーク総合サービス)端末用に既に利用されているが、そこでは交換局とローカルループ間の銅2芯線に複雑なエコー除去方法が導入されており、またローカル・アクセスラインには、交換局側に回線終端装置LT(Line Termination)が、加入者側にネットワーク終端装置NT(Network Termination)が装備されている。LTでは、4線式回線技術の2線式回線技術への結合が行われ、またNTではその逆が行われる。そこでは、二つの64kbpsデータ・チャンネルと、一つの16kbpsシグナリング・チャンネルを有する、いわゆるインターフェースSO(ドイツ工業規格DIN43864に規定されるデータロガーシステム用インターフェース)を、複数のISDN端末装置のバス接続のために利用できるようになっている。これらのDSL方式は、既存のPOTS電話端末およびISDN電話端末のほかにもさらに、インターネット・プロトコルを有する同期または非同期の双方向データ・チャンネルとしてレイアウトされたローカル・アクセスラインを利用する高速IPデータ・チャンネルにも配慮したものとなっている。図1にはその接続構成が略図で示されている。
特に新規通信事業者は、アナログ式またはデジタル式の音声通信チャンネル交換サービスのための電話交換局の設置の労を惜しみたがり、DSL接続方式のIPデータ・チャンネルを利用した音声通信サービス(VoIP:Voice over IP)の営業が、増大の一途を辿っている。これは、ISDNと比較して音声通話品質に劣るほかにも、3.1kHzの音声通信帯域幅と比較して伝送帯域幅の無駄遣いが甚だしく、データ伝送のために使用に供されるデータレートは低減されているが、インフラストラクチャは節減されることになる。最新の開発は、この問題にも配慮したものとなっており、CVoDSL(Channelized Voice over DSL:DSL回線を利用したチャネライズド音声通信方式)として知られる、ADSL2における音声通信チャンネルの挿入による物理的なレベルでの、または最優先のプロトコル要素によるIPレベルでの、技術的に複雑でコスト高な同期音声通信チャンネルの、DSL方式の枠内での標準化がもたらされる運びとなった。
基本的にDSL部門では、伝送方式が三週類、具体的には対称型DSL、非対称型DSL、および高速DSLに、区別されるようになっている。
HDSL(High data rate DSL:高速データレートDSL)とも呼ばれるSDSL(Symmetric Single Pair DSL:対称型シングルペアDSL)や、SHDSL(Symmetric High Bit rate DSL:対称型高速ビットレートDSL)などの対称型DSL方式では、切り離されているそれぞれの送信装置のために2本の2芯線が使用される。欧州で最も知られた方式は、2.048Mbpsインターフェース、2B1Qラインコード、およびアダプティブ・ライン・イコライザー、ならびに、各64kbitのトラフィック・チャンネルを計30チャンネル、同期化チャンネルを1チャンネル、および、Dチャンネル・プロトコル(ローカルループ・エリアもしくは加入者ラインエリアのプライマリ・マルチプレックス・ターミナル)用の、または銅ケーブル(CU)もしくは単一モード・ガラスファイバ(GF)用共通線信号方式CCITT#7(交換局エリアのシステム結合)用のバンド外信号チャンネルを1チャンネル有する、32チャンネル構造を有した、CEPT E1伝送方式(V2m,S2m)である。北米に存在するのは、それよりも性能が劣る、米国規格協会(ANSI:American National Standards Institute)の標準規格ANSI、T1.413、および国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)のITU−T、G.992.1に規定される、バンド内信号方式の各56kbpsの通信チャンネル(オンフック/オフフック)を計24チャンネル有するに過ぎない、1.44MbpsのANSI、T1方式である。その到達レンジは、0.5mmの銅芯線の場合で、約4.5kmである。SDSL(Symmetric Single Pair DSL:対称型シングルペアDSL)システムも提案されたが、広く普及を見るには至っていない。SDSLは、加入者側にも交換局側にも高い技術コストを要求する。このため、いわゆるトランク・ラインカード周辺機器の到達距離は約100mだけとなっており、NT/LT(ネットワーク終端装置/回線終端装置)における電気的な変換を必要としている。
非対称型DSL(ADSL)方式では、平均的なインターネット・ユーザが著しく非対称な通信を営んでおり、主としてネットサーフィンやダウンロードのためには、すなわちネットからパソコン(PC)にインターネットのページやデータをダウンロードするためには、高い帯域幅が必要であるが、ネットに向けては通例、例えばコマンドや電子郵便の形態で、ごく僅かなデータ量または短い命令自体だけしか送信しないという事情が利用される。従ってADSL方式は、受信データと送信データ間に大きな非対称性を有している。到達レンジは、それぞれの帯域幅に応じて決まる。使用されるのは、例えばADSL、ADSLライト、ADSL2、ADSL2+(ADSL2プラスとも呼ばれる)、またはADSL2++(ADSL4に相当)である。以下では、これらの方式について説明する。
高速DSL、いわゆるVDSL(Very High Bit rate DSL:超高速ビットレートDSL)では、達成可能な到達レンジが数百メートルに限定されるために、交換局VStと加入者との間には、増幅器やマルチプレクサなどの補助的なハードウェア装置が配置されなければならない。例えば交換局とローカルループ・エリア間を接続するために、ガラス光ファイバが使用されるが、これは、いわゆるDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer:DSLアクセス・マルチプレクサ)で終端接続して、加入者までの到達レンジが非常に短い(約150m)様々な星形の既存VDSL銅線接続に分割されるようになっている。このインフラストラクチャは、ガラスファイバのインフラストラクチャだけによって長距離の橋渡しを有意に行うことができるために、「Fiber to the Curb」(FTTC:ファイバ・トゥ・ザ・カーブ)とも呼ばれる。VDSL2では、このDSLAMが「VDSL Terminal Unit-Office」(VTU−O:VDSL用局内モデム)とも呼ばれる。そこでは場合加入者側に、すなわち顧客の手元に、VSDLモデムが置かれることになる。これは「Customer Premises Equipment」(CPE:顧客構内設備)または「VDSL Terminal Unit-Remote」(VTU−R:VDSL用リモート・モデム)とも呼ばれる。
しかし、一段と高いアップリンク・データレートが有意であるか、またはやむを得ずこれを必要とする用途やアプリケーションも存在する。これは例えばインターネットを介してアクセスすることができるホームエリアまたはオフィス内のサーバ(SOHO:Small Office Home Office(スモール・オフィス・ホーム・オフィス)であり、オーディオおよびビデオシーゲンスのアップロードや、画像の送信、ビデオ電話、ビデオ会議、IP音声通信接続、インターネット内の記憶媒体の利用、膨大な電子郵便の送信、PC間通信(PTP:Peer-to-Peer(ピア・ツー・ピア))などである。
これらの用途については、現時点では、一段と高速のダウンロード・チャンネル(DLC:download channel)とならび、より高価値のアップロード・チャンネル(ULC:uplink channel)を併せ持つ、より高価値で高価なDSL接続方式に乗り換えるという可能性しか残されていない。当然ながら価格が割高となる点は、特にダウンロード接続(DLC:downlink channel)がより高速に行われる、一段と高価値の帯域幅がそもそも不要である場合は、不利である。しかしデータレートの増大は、技術面でかなりのコストアップを要求するほか、通例は、伝送帯域内の減衰率の増大、ノイズの影響増加、およびそれに随伴して縮小される到達レンジを付随している。これは、そのような接続方式の価格の上昇となって現れることになる。
このため、高速ブロードバンド・アップロード(HS−ULC:high speed upload connection)用の経済的なDSL接続方式のための技術手法に対する要求が生じている。これは、本発明により提供されるようになっている。本発明は、既存のDSL方式に立脚し、これを有意に拡張するものである。帯域幅の増大に伴い、ローカル・アクセスラインのアナログ変調方式は複雑化の一途を辿っている。従ってISDNモードにおいて導入されている2B1Qラインコードおよび4B3Tラインコードは、伝送速度がそれよりも高いケースでは、もはや十分な周波数経済性を持ち合わせてはいない。最新のADSLシステムでは、主としてDMT(discrete multitone:離散マルチトーン)方式が使用されるが、そこでは全周波数帯域が複数の個々の伝送チャンネルに分割され、それぞれの伝送チャンネルは個別に符号化されて、それぞれが異なる伝送パラメータに左右されて、ケーブル接続方式の周波数固有の伝送特性に従って、伝送が行われるようになっている。これに対して以前の方式では、一方の向きへの全通信がまだ符号化されていた(CAP符号化方式)。
ADSL伝送方式は、使用される変調方式(deculation method)から、G.dmtとしても知られる標準規格ITU−T、G.992.1に規定され、ダウンロードで最大6.144Mbps、アップロードで最大0.640Mbpsのデータ・ストリームを提供する。歴史的なADSL伝送方式は、いわゆるCAP(Carrierless Amplitude/Phase Modulation:キャリアレス振幅位相変調)符号化方式である標準期間ANSI、T1.413−1998に準拠していたが、これは現在ではほんの僅かな意義しか持たなくなっている。CAP符号化方式のマルチチャンネル構造は、DMT方式のそれとは比較にならないものである。CAP符号化方式の伝送チャンネルは、音声通信バンド(0〜4kHz)、アップリンク・チャンネル(ULC)(25〜165kHz)、および200kHzから最大1.1MHzまでの可変ダウンロード・チャンネル(DLC)の、三つの周波数帯域に分割される。従ってCAP符号化方式は、それよりも大幅にフレキシブルなDMT方式のような伝送品質を持ち合わせてはいない。
全てのDMT方式(ADSL)に共通して、様々な回線パラメータのために、高周波数帯域を保証してやるのは不可能となっている。このためダウンロード伝送速度として、最大限可能な数値が付けられているが、いずれにせよこれは達成し得ないものとなっている。
DMTは、振幅変調と位相変調を組み合わせたものである。標準規格ITU−T、G.992.1では、供用周波数スペクトルが255の「ビン(Bin)」とも呼ばれるいわゆるサブチャンネルである、それぞれが4.3125kHzの帯域幅を持つ同一部分バンドに分割されるが、これらは、互いから独立して変調し符号化できるようになっており、さらにそれぞれの伝送レベルは異なっていてもかまわない。そこでは、それぞれの中心周波数が関係式N=n・4.3125kHzから計算される。最大で224のDLCと最大で31のULCが使用され、それにより合計で255の伝送チャネルが使用に供されることになる。0Hzに相当する「0」番ビンのサブチャンネルは、使用することができない。POTSを利用してアナログ電話チャンネルを同時に使用する場合は、このときには、電話通信が300Hzから3.4kHzまでの帯域幅で行われることになるのだが、そのために1番ビンが使用されるようになっており、さらに、それぞれのデータ・チャンネルまで一定の周波数間隔を維持することによって、25〜138kHzに当該する7番ビン〜31番ビンが初めてULC用に、138kHzから1104kHzに当該する32番ビン〜255番ビンがDLC用に使用されるようになっている。この大きな周波数間隔により、ジャミングのない音声伝送状態を確保すると同時に、16kHzの課金パルスの追加伝送を保証しているが、これについては、互換性の理由から、さらに検討を加える必要がある。
ドイツ国内では、ビン毎に1キャリアとして、1番キャリアから32番キャリアまでがISDNないしはPOTS(アナログ)用に確保されている。33番キャリアから64番キャリアはULC用に、65番キャリアから255番キャリアはDLC用に利用される。パイロット・トーン用として、一つのチャンネルが使用される。それ以外にもDSLモデムおよびDSLAMは、これらが互いに接続されているかどうかを判定できるようになっている。このため図2に示されるように、アップストリーム方向には32のチャンネルが、ダウンストリーム方向には190のチャンネルが使用に供されることになる。
チャンネル容量は、それぞれのチャンネル減衰率およびSN比に応じて、伝送チャンネル毎に0から15Bits/Hzの間で変化する。図2にはこの方式が示されているが、そこには、信号レベルがそれぞれで異なることが示唆されている。
それにより、理想的な回線においては、理論上次のデータ伝送速度がもたらされることになる:
標準規格ITU−T、G.992.1付録Bに規定される、クロック周期4MHz、各15Bitのチャンネル数が推定190である、ISDN回線を利用したADSL(ADSL-over-ISDN)を想定した場合、最大で11.4MbpsのDLCが可能であるかもしれない。しかし、誤り補正のためのリードソロモン符号化により、速度は理想的な条件下で最大8Mbpsに低下してしまう。アップストリーム方向では、実効値として約768kbpsがULCのための使用に供される。最終的な伝送速度は、回線の長さ、回線の性状、およびノイズの影響により著しく左右され、最大限可能なデータレートと等しくなるのは稀である。特に高周波数バンドについては、所望されるチャンネル伝送効率での動作が、多くの場合は不可能となっている。ネットワーク・オペレータ各社は、最大回線長さまたは回線品質を規定し、それに基づき、各社の顧客に対してどのくらいの伝送速度を提供できるのか、または提供したいのかを、それぞれ決定している。
キャリア間隔が4.3125kHzである場合は、いずれにせよ側波帯が重なり合うために、チャンネル・帯域幅は4.3125kHz未満となる。この場合は、使用されるCOFDM(Code Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式が持つ直交性により、干渉が回避されるようになっている。COFDMは、チャンネル固有のDMT方式を特徴付けるものである。
電話チャンネルおよびデータ・チャンネルは一般に、プレセレクタまたはスプリッタとも呼ばれる帯域フィルタにより分割されるようになっている。その際にはPOTSチャンネルが占有する低周波数の音声通信チャンネルの部分が、ローパスフィルタにより電話用として融通される一方で、高周波数の部分は、ハイパスフィルタによりDSLモデム用として融通されるようになっている、図1を参照。交換局(VstないしはDIVO)内でも同様に、スプリッタ装置によりアナログ電話周波数バンドがデジタルデータ周波数バンドから分割されるが、後者は、本発明の主意においては交換局側の遠隔端末となるマルチプレクサである、いわゆるDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer:DSLアクセス・マルチプレクサ)に送られる。データはそこから通常どおりにATM(Asynchrone Transfer Mode:非同期伝送モード、ATM DSLAMと呼ばれる)線路を通り、またはその代わりにギガビット・イーサーネット(IP DSLAM)を介して、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP:Internet Service Provider)に送られ、さらにそこからインターネットの中へと伝送される。あるいはその代わりに、SDH(Synchrone Digital Hierarchie:同期デジタル・ハイアラーキ)方式に基づく伝送も可能である。欧州では通例、アップストリームとダウンストリームとが、エコー除去方式を利用して互いから分割されるようになっている。
ローカル・アクセスラインには、様々な原因により、周波数帯域にノイズを来たすことがある、すなわち、例えば、同じ一つのアクセスラインの内部で使用される導体の直径差や、絶縁方式の違いにより、または、同じ一つのアクセスラインにおいて様々なケーブルが組み合わせて使用されることにより、およびそれに起因して生じる反射により、あるいは不利な接触により、または同じケーブル内の隣接する2芯線のクロストークにより、さらには漏電などにより引き起こされる、チャンネル特有の、周波数に依存した様々な種類の減衰を、仮に単一のケーブル内のそれぞれ個々の2芯線であっても、全ての個別アクセスラインに来たすことがある。特に同一ケーブル内でのISDN接続およびDSL接続、ならびに隣接する2芯線のDSL接続は相互に妨害し合うために、上述の伝送問題は、時間に関しても動的に発生するのが通例となっている。
このためデータ伝送を全周波数帯域で最適化するために、加入者側のADSLモデムならびにその交換局内の相方がペアになって、少なくとも新たなスイッチオンの都度、共通の接続方式に関する変調パラメータを算出し直すことによって、回線の特性を最適に利用できるようにしている。DMTデータは通常、ADSLモデム内で高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transformation)を利用した数学手法により計算される。その際には周波数スペクトル内のキャリア周波数が、それぞれ連続的に増大され、それぞれのキャリア周波数に関して、当該伝送データ、特にSN比(SNR:Signal to Noise Ratio)、ゲイン(Gain)、およびチャンネル当たりビット数が、個々の伝送チャンネルの全てについて算出されて、内部テーブルに保存されるようになっている。このテーブルは通例、モデムのスイッチを新たにオンにする都度、作成し直されることになる。トレーニング・フェーズとも呼ばれるこの初期化工程は、ADSLでは相応に約20秒の消費時間と結び付いている。
その際にどのチャンネルがDLCとして機能し、どのチャンネルがULCとして機能するかについては、標準化の枠内で伝送プロファイルからおのずと明らかにされるが、同じ一つのリンクの各モデムの初期チューニングは、この伝送プロファイルを利用して行われるようになっている。しかしながら、このチューニングの後に、一つのチャンネル内で伝送方向を、特に動作中に動的に変更することは不可能となっている。
そうすることによって、伝送線路の周波数に従属した減衰率を、例えばそれぞれに対して割り当てられたゲイン・パラメータにより、十二分に補償することができる、または極端な場合には幾つかの周波数帯域を使用対象から除外することができる。これは、例えば交換局からの距離が増大したとき、すなわち回線が長くなったときには、最高周波数が使用対象から除外される、という形で行われるようになっている。従ってこのADSL伝送方式は、全ての接続方式に関して個別に自動的に最適化される、アダプティブ伝送方式となっている。
ISDNおよびADSLについては、時分割式または周波数分割式のいずれかの多重伝送方式を適用することができる。ISDNデータ・ストリームは、時分割多重伝送の場合はADSLデータ・ストリームに挿入され、回線を通り伝送されて、ADSLモデムにより再びISDNデータとADSLデータとに分割されて、それぞれの端末装置の使用に供されるようになっている。この方式の長所は、スプリッタが廃止される点にある。この種の伝送方式では、アナログ電話信号の追加伝送も可能となる。しかしながら実地においては各装置のデカップリング性を向上するために、ハイパスフィルタもしくはローパスフィルタをそれぞれに備えることが推奨される。
ADSLは、主としてアナログ電話通信が営まれている北米地域で誕生したために、例えば20kHz以上のデータ周波数帯域は比較的低いと査定することができる。欧州、特にドイツ連邦共和国ではISDNが広く普及しており、それにより「電話通信」のためにそれよりも高い周波数スペクトルが使用されるようになっている。このため、ADSL、ISDNのいずれのバリエーションについても、上限値を定常に保ち、それにより到達レンジを定常に保つために、欧州電気通信標準化機構(ETSI:European Telecommunications Standards Institute)により、ADSL周波数帯域の下限値が、これまでの上限値は維持したままで、引き上げられたが、それにより、周波数分割多重化方式を採用したシステムでは、ダウンリンク・帯域幅が一段と狭められることになった。その対策として、エコー除去方式が導入されることになった。そこでは受信者側の小さな有効信号が、高い固有送信信号からフィルタリングにより除去されるようになっている。従ってアップリンクとダウンリンクが重なり合うことがあるほか、ダウンリンク・帯域幅も再び増大されるようになっている。
しかしながらこの複雑な方式のためには膨大なコストがかかる点が不利に作用する。電話通信の有無、ならびにPOTSチャンネルがあるのか、それともISDNチャンネルがあるのかなど、チュンネルの様々な利用方式については、標準化に際して、標準規格の当該付録で定められることになった。
ADSLは、ビット単位での伝送を指向したモデム伝送方式とは対照的に、パケット方式で動作する。これらのパケットには、ありとあらゆる種類のデータを含ませることができる。しかしながらこれは通常、ATMまたはイーサーネットなど、ネットワークの上位層のパケットである。ADSLを利用したデータ伝達のために使用されることになるプロトコルに関する一元的な解決策は、現在は皆無である。もっともATMは、それぞれの伝送線路で部分的に導入されるに至っている。ATMプロトコルは、OSI(Open Systems Interconnection:オープンシステム・インターコネクション)階層モデルに基づくと第2層(データリンク層)プロトコルである。物理層である第1層を利用して2点間の接続が構築されるが、それを利用して引き続きデータを交換することができる。
ADSL技術の好ましい端末装置は、PCおよび地上波デジタルテレビ放送用のセット・トップ・ボックス(Set Top Box)である。この理由から、ADSL技術にとり有力視されるインターフェースは、USB(Universal Serial Bus:ユニバーサル・シリアル・バス)、PCI(Peripheral Component Interconnect:ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト)、ATM、およびUTOPIA(Universal test and Operations Physical Interface for ATM:ATM用ユニバーサル・テスト&オペレーションズ・フィジカル・インターフェース)の各インターフェースである。
標準規格ITU−T、G.995.1には、既定のDSL規格が概括される。仕様G.992.1、G.992.2、G.991.1、G.991.2、G996.1、G994.1およびG997.1には、DSL方式における物理的伝送方法の仕様が規定される。ITU−T、G.994.1、G996.1およびG997.1には、これについての拡張情報が提供され、プロトコル同期化、インターフェース管理、およびテストに際してのハンドシェーク方法の仕様が規定される。
標準規格ITU−T、G.992.1には、ADSL方式の物理的インターフェースの仕様および当該伝達容量が規定される。顧客インターフェース、すなわちローカルループ側のDSLモデムは、ATU−R(ADSL Tranceiver Unit-Remote Terminal End:ADSLトランシーバユニット・リモート・ターミナル端)と呼ばれ、交換局側のインターフェースは、ATU−C(ADSL Tranceiver Uni-Central Office End:ADSLトランシーバユニット・セントラル・オフィス端)と呼ばれる、図1を参照。標準規格ITU−T、G.992.1には、最大6.144MbpsのDLC正味データレート、および、アナログ電話接続またはデータリンク(モデム動作、ファックス等)の同時動作時の最大640kbpsのULCが規定され、ISDNオプションについては、標準規格ITU−T、G.961により明らかにされている。実際に達成可能なデータレートは、実質的にSN比(SNR)により決まる。
ITU−T、G.992.1およびITU−T、G.994.1を組み合わせると、交換局と加入者の両者の伝送装置の相互通信を可能とする、Uインターフェース、すなわち、交換局と加入者装置間のローカル・アクセスラインの互換性およびハンドシェーク手順に関する説明が得られる。標準規格ITU−T、G.992.2には、いわゆるスプリッタ非内蔵ADSL方式(ADSLライト)の仕様が規定される。そこでは、スプリッタなしでの加入者側の動作にとり有利な結果となるように、帯域幅が放棄される。G.992.1、G.992.2のいずれの標準規格でも、付録Aで「POTS回線を利用したADSL(ADSL-over-POTS)」について、また付録Bで「ISDN回線を利用したADSL(ADSL-over-ISDN)」について論じている。後者については、標準規格ETSI、TS101388V1にも仕様が厳密に規定されるが、そこには欧州の試験基準も定められている。標準規格ITU−T、G.992.2は、最大1.536MbpsのULCおよび最大5120kbpsのDLCを支持したものとなっている。
標準規格ITU−T、G.991.2には、例えば784kbps、1,544kbps(T1)および2,048kbps(E1)等、一つまたは複数の2芯線での様々なSHDSL方式の明細が規定される。ナローバンド・チャンネルは全て、同じ権限を有している。主な適用シナリオは、電話通信チャンネルを有するベースターミナル・マルチプレクックス(プライマリ・マルチプレックス)方式である。
標準規格ITU−T、G.992.3には、ADSL2方式の仕様が規定される。技術刷新により、DLCは回線の品質次第で最大約12Mbpsまで、伝送品質の向上および伝送速度の増大が可能となっている。標準規格ITU−T、G992.4には、スプリッタ非内蔵ADSL2方式の仕様が規定される。標準規格ITU−T、G.992.5には、回線長が1.5km未満で最大周波数が2.2MHzまでで、DLCが最大20Mbpsと、ADSL帯域幅が拡大された、ADSL2プラスとも呼ばれるADSL2+の仕様が規定される。それ以外にも標準規格ITU−T、G.992.4では、複数の回線対の同時使用、いわゆるボンディングを許容しているが、それにより、単一の高速データリンク等、アプリケーション・レベルで登場する複数の回線対を相互にリンクすることで、最大40Mbpsの帯域幅を達成することができる。ADSL4とも呼ばれるADSL2++により、利用される周波数が最大3.75MHzに拡大されて、DLCで最大52Mbpsの伝送が可能となる。ここでは利用可能な回線長が、大半のケースで1000mを大幅に下回っており、多くは500m未満となっている。
ADSL2により、帯域幅の拡大とならび、ほかにもより効率的な変調、ノイズ・メカニズムの改善、および例えば初期化フェーズの短縮など、様々な長所がもたらされる。
ADSL2+には、「旧式」のADSL方式と比較して、より盛り沢山でロバストな伝送方式が備わっている。ADSLでは、例えば回線の一時的な障害により、同期化に損失を来たすようなことがあると、後から新たに時間をかけてこれに取り組む必要に駆られてしまう。ADSL2+では、障害が生じたキャリア周波数を動的にフェードアウトさせることができる。その際には、事と次第によっては帯域幅が減少することになるが、リンクは維持されたままとなる。ADSL2+は、その前駆バージョンに対して、一連の重要長所を有している。
例えば同期化損失のない節電機能が実装されているし、ほかにも接続の間の管理データの削減が可能であるが、その際には節減された帯域幅が、ペイロードの使用に供されるようになっている。DSLAMについても、またADSLモデムについても、障害が生じたチャンネルでの、またはある一つの周波数帯域内での1ビット変調と、回線のフィードバック制御によるクロストークの低減を、SN比に従属して行うことができる(Power Cutback:パワー・カットバック方式)。それ以外にも、誤りのあるデータをより良好に検出できるようにするために、補助的な冗長性がデータ・ストリームに追加されている。それにより、SN比に劣るチャンネルも利用できるようになる。
特に連続動作時(Always on)にモデムリンクに未利用のデータ通信チャンネルがある場合は、上述の電流が低減される仕組みは有利である。それにより各装置の消費電力が低減されると同時に、ケーブルの内部の様々な接続方式の相互影響も低減されることになる。
方式が異なる場合にも、変調方式およびチャンネル容量は、いずれもそのまま維持されるか、または下方との互換性が備えられるようになっている。DSL方式は、高速であるほど、供用帯域幅が広くなり、個々の伝送チャンネル数も増大されるが、仕様が旧型である遠隔端末との協働も可能である。新規の用途には通例、ADSL2+が適用される。VDSL2(Very High Bit rate DSL−2:超高速デジタル加入者回線2)は、技術的にまだ新しい方式であり、VDSL(標準規格ITU−T勧告G.993.1)に立脚している。ADSL2プラスおよびVDSL2については、以下で詳細に考察する。VDSLはいずれにせよ回路構成技術面でも機能面でも極端に複雑であるが、これはコスト状況にも反映されている。
VDSL2は、標準規格ITU−T勧告G.993.2に仕様が規定されるが、これに支持されるのは、最大30MHzの帯域幅、最大4096の伝送チャンネルで、双方向の正味データレートが合計200Mbpsである非対称型または対称型の通信である。G.993.2は、DMT変調方式を使用しているが、実質的に仕様G.993.1(VDSL)、G.992.3(ADSL2)、およびG.992.5(ADSL2プラス)、ならびにG.994.1(ハンドシェーク手順)に関係している。ITU−T勧告G.993.2には、ダウントストリーム動作およびアップストリーム動作用の16種類の伝送バンドが定義され、オペレータ、すなわちネットワーク・オペレータはこれらを選択により使用できるようになっており、そのために8種類のプロファイルが定義されている。これらのプロファイルは、特に低周波数側のPOTSチャンネルの使用方法に関して、異なるものとなっている。図4を参照。このため標準規格G.993.2は、付録Aで北米に関して、電話接続用のアナログ式ベースチャンネルに配慮したものとなっている。ISDNが導入され広く普及している欧州地域を対象とした仕様は付録Bに、日本向けの仕様は付録Cに規定される(TCM−ISDN DSL)。それ以外にも、オプションとして電話通信チャンネルなしで作動する用途がある。これについては、12MHzの限界に達しない周波数帯域に、電話通信用に確保された帯域幅と因果関係にある5つの異なるバンドが規定されている。どのPOTSチャンネルでも伝送が行われない場合は、DS1が4kHzから始まっている、図4を参照。ここでもアップロード/ダウロード・バンドの順序は規定され、周波数は、G.993.2によると目的地域別に付録A、BおよびCに記載されている。
12MHzを上回る周波数帯域については、ケーブル・パラメータに応じて、ネットワーク・オペレータにより選択により使用されており、現時点ではなおも最終的な仕様が規定されていない。
実地において達成可能なデータレートは、最大1000mの回線長で約25Mbpsであり、回線長が1500mであると約12.5Mbpsとなるが、これはほぼADSL2+のレベルにある。ドイツ連邦共和国内では回線長が最大で約8kmまでのローカル・アクセスラインが整備されているために、本方法が適しているのは、好ましくは冒頭で説明した、ローカルループ・エルア内でのガラスファイバDSLAMを使用したFTTC技術と組み合わされる場合であって、加入者を交換局に直接接続するためには適していない。図3には、伝送帯域幅と供用されているローカル・アクセスラインの全長との関係の具体例が示されているが、長さが増大するほど、信号伝送時に出現する減衰率が増大している。
当然ながらこれらの随伴現象は、可用性が場所により左右されること、およびそれに応じた様々な短所を示唆するものである。このためVDSLおよびVDSL2については、高価なガラスファイバまたはDSLAM設備の整備やその維持に経済的に資金を提供できるようにするために、既存の回線長が非常に短いところか、または狭い面積に十分な数の潜在的顧客が存在するところのいずれかにしか提供されないものと想定することができる。
ドイツ市場では、個人ユーザを対象として、ダウンロード・データレートが最大で1024kbpsの、DSL1000という名称で知られる製品が提供されている。しかしいずれにせよそのアップロード・データレートは、最大でも128kbpsにしか過ぎない。顧客は、最大で1024kbpsまでのアップロードを希望するのであれば、DSL16000という名称で知られる製品に乗り換えなければならないが、それに要する費用は約二倍となる。しかもそれが可能となるのは、顧客がガラスファイバDSLAM供用地域に居住している場合に限られるが、現在ではその確率はなおも低いと言える。乗り換えることができた場合、顧客が得るダウンロード容量は最大で16Mbpsとなるが、これは、おそらくはULCの増大だけを必要とする顧客にとっては、場合によっては不要なものである。もっとも1024kbpsを上回るアップロード・レートについては、DSL16000によっては提供されない。現在、それよりも伝送レートが高い製品で、個人ユーザを対象として販売されているものはない。
いずれにせよ顧客に対して保証されているのは、固定帯域幅ではなく、「帯域幅コリドー」だけである。端末所有者の住居内のVDSL2モデムが(屋外設置型)DSLAMと同期化する際に最大限達成可能な速度は、最終的には何よりも特に選択されている伝送サービス、銅接続回線の状態、および(屋外設置型)DSLAMまでの距離により決まる。それにより、たとえDSL16000方式を使用したとしても、最大限可能な16Mbpsを大幅に下回るデータ伝送速度しか実際の使用には供されないケースが多くある。
法人顧客部門では、ドイツ市場の顧客にとり、商業的な見通しはさらに不利なものとなる。法人顧客は、「ビジネス1000」という名称で知られる、ダウンロード・データレートが最大1024kbps、アップロード・データレートが最大128kbpsである製品を入手することができるが、それよりも高いアップロード・データレート、例えば1024kbpsが必要である場合は、提供されている製品が、この非対称型モデルに対して価格が五倍にもなる「対称形ビジネス1000」のみとなる。しかしいずれにせよ合計データ量は最大で20GByteまでである。このためユーザは、向きが逆であるとはいえ「ビジネス1000」と同じ帯域幅を必要とするために、大幅に高額な費用を負担することになる。
以上の数値から、少なくとも、個人顧客にとっても法人顧客にとっても、それぞれのローカルループ・エリア内でどのような製品が供用されているかが不明である場合は、アップロード速度の増大が、同等の容量のダウンロード・データレートを増大するときよりも格段と高額な費用と抱き合わせになっていることが明らかである。
ADSLモデムと、遠隔端末、すなわちDSLAMとの間の接続の構築は、ADSL2+では、例えば次に略述する手順に従って行われるようになっている:
両装置の同期化を、同期化チャンネルないしはパイロット・トーンを使用して行う。ADSL加入者モデムおよびDSLAMは、規格が異なる装置の様々なバリエーションが接続される可能性に留意する必要上、さしあたって同期化フェーズの間は、一つの伝送方式で互いに妥協することとし、その後で、電話通信チャンネルのない、供用されているキャリア周波数を検証する。これに続いて、それぞれのチャンネル毎に符号化可能なビット数を、回線接続方式の伝送特徴に従属してテストする。ADSL2+の場合は、処理実行中にこの試験を繰り返すことができるが、その際には、ADSLの場合はまだそうであるように、その都度リンクをシャットダウンするには及ばない。算出されたそれぞれのパラメータを、関与しているモデム間で交換し、後の動作に備えて保存する。
図5には、ADSL2およびADSL2+における様々な電話通信チャンネル用の供用帯域幅の利用状況が略図で示されているが、それぞれの規格についてはITU−T、G.992.3/5付録A、MおよびBを参考されたい。一番下の部分には、特に「ISDN回線を利用したADSL」について、供用されるデータ・チャンネルが表示されている。図5において、Tは電話チャンネルを、ULCはアップリンク・チャンネルを、DLCはダウンリンク・チャンネルを表わしている。
ADSL2では、図5に示されるように、電話通信データの伝送に利用される0Hzから1104kHzまでの周波数スペクトルが256の伝送チャンネルに分割されるが、そこでは最初の伝送チャンネルが0Hzに相当しており、これを電話通信データの伝送に利用することはできない。もっともこれらの伝送チャンネルの全てが、インターネットからのダウンロードまたはインターネットへのアップロードのためのデータ伝送のために、使用に供されている訳ではない。ISDN回線を利用したADSLの仕様が規定される標準規格G.992.3/5付録Bによると、アップロード用に予定されている周波数帯域は、例えば138kHzから初めて始まるようになっているが、これは33番目の伝送チャンネルに相当する。それよりも低い番号の伝送チャンネルは、そこでは電話通信ないしはISDN回線を経由したデータ伝送のために確保されている。このため図5に示されるように、33番目から64番目の伝送チャンネルが、アップロード・チャンネルULCとして利用され、65番目から255番目までのチャンネルが、ダウンロード・チャンネルDLCとして使用されることになる。従ってADSL2を利用したデータの伝送は、256の伝送チャンネルに分割された、トータル帯域幅が1104kHzである周波数帯域内で行われ、またその際には伝送チャンネルの第1グループ、すなわち33番目から64番目までのチャンネルがアップロード・データ伝送用に割り当てられ、伝送チャンネルの第2グループ、すなわち65番目から255番目までのチャンネルがダウンロード・データ伝送用に割り当てられている。そこでは第1グループが32の伝送チャンネルから、第2グループが190の伝送チャンネルから成るが、両方のグループの伝送チャンネルの合計である総数222の伝送チャンネルがデータ伝送のための使用に供されている。ADSL2+では、第2グループが、これにさらに256の伝送チャンネルを追加して拡張されるために、合計478の伝送チャンネルがデータ伝送のための使用に供されている。ADSL2+では、周波数スペクトルが2208kHzのトータル帯域幅を有しており、512の伝送チャンネルに分割されている。
図6には、イーサーネット・ルータおよびWLAN無線ステーションを有するADSLモデムの構成が略図で示されているが、これは、ATU−Rの設置方式については、従来技術と合致している。高性能プロセッサ(CPU)は、プログラム・ストレージ(PrS)、データ・ストレージ(DaS)、およびパラメータ・ストレージ(PaS)を自由に利用できるようになっている。そこではPaSが、装置回路、接続されたインターフェース、ならびにADSL接続方式のパラメータ化データおよびコンフィギュレーション・データを保存するために利用される。CPUは、割り込みコントローラ、タイマ、およびインターフェース回線(I/O:入出力インターフェース)、ならびにクロックパルス発生器(不図示)などの周辺モジュールへのアクセスを有している。ATM伝送が多用される場合は、ATM−SAR(Asynchroner Transfer Mode-Segmentation and Reassembly Controller:非同期伝送モードSAR(分割・再組立)コントローラ)が必要であり、これはネットワーク・オペレータのATMネットワークに対するATM遠隔端末を形成する。ATMでは固定式チャンネル構造を自由に利用できるために、最新のADSL方式では同時に複数のATMリンクで伝送が並行して行われるようになっている。ADSLトランスミッタ(送信機)および受信機は、本来のADSL接続をもたらすものであり、ATM−SARを補完する。通常のPC技術およびデータ技術との接続は、さらに別のインターフェースにより実現される。これについては特にイーサーネット・インターフェースを挙げることができるが、その場合はATMからイーサーネットへのプロトコルの変換は、プロセッサにより行われて、データがシステム・バスを通り流れるようにすることが好ましく、またその際にデータは、様々なプロトコルやフレーム構造を処理するために、DaSに一時記憶されるようになっている。今日の技術では、補助的なネットワーク・ハードウェアの追加を不要として、複数のPCを装置に接続できるようにするために、大半のケースで複数のイーサーネット・インターフェースと一つのルータが存在している。これは特にホームエリアにおいては有利であることが判明している。USBインターフェースは、PCを利用した装置のコンフィギュレーションのために、特にネットワーク内で利用されるプリンタや共通のバックアップ用ハードディスクドライブ(NAS:Network-Attached-Storage:ネットワーク・アタッチト・ストレージ)を直接接続するために、利用されることが多い。WLAN(無線LAN)は、好ましくはノートブック用および/または装置のワイヤレス接続用の無線インターフェースとして、機能性を補完するものである。
図7には、ATM/STM(Asynchronous Transfer Mode,Synchronous Transfer Mode:非同期伝送モード/同期伝送モード)伝送用の、標準規格ITU−TG.992.1に従った、ATU−C用のトランスミッタ基準モデル、図7Aを参照、ATU−R用のトランスミッタ基準モデル、図7Bを参照、ならびに、本発明に従って相応に補足/修正されたトランスミッタATU−C、図7Cを参照、およびATU−R、図7Dを参照、が略図で示されている。
対応する受信機は、送信機のそれぞれの技術構成に対して互換性を有するように構成されるとよい。本発明に従った方法を、まずADSL標準規格G992.1と組み合わせたケースについて説明する。それよりも高価値のADSL方式と組み合わせた場合の特殊性については、別途立ち入ることとする。
図7Aには、典型的なATU−Cトランミッタが示されている。ATM−SARのATM信号は、マルチプレックス・アッセンブリ(MSC:Multiplexer,Synchronizer,Controller(マルチプレクサ/シンクロナイザ/コントローラ))内でDSL伝送技術の当該フレーム構造に編成される。伝送帯域幅が広いほど、より多くのATMリンクを含ませることができる。CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)およびSC(Scrambling:スクランブリング)は、データ符号化およびチャンネル符号化、ならびに同期化構造を含むDSLフレーム構造を編成するために利用される。トーン・オーダリング(TO:Tone Ordering)では、送信側の伝送チャンネルの、すなわち個々のビットの割り振りが行われる。これは、G.992.1/3(ISDN回線を利用したADSL)では、当該周波数帯域内のADSL2−DLCチャンネル数z=1〜190となり、G.992.5ではADSL2プラス−DLCチャンネル数z=1〜446となる、図5を参照。
図7のアッセブリE/G(Constellation encode and gain scalling:コンステレーションエンコーダ・ゲインスケーリング)では、それぞれの伝送チャンネルに相応の個別伝送パラメータ、すなわち伝送されるビットおよびレベル値が割り当てられ、これが周波数帯域の逆離散フーリエ変換(IDFT)で時間域に変換されて、その倍数が連続時間信号として使用に供されるようになっている。DACP(デジタル/アナログ・コンバータ)は、パラレル信号を一つの連続時間シリーズ・データストリームに変換し、これを伝送のためにバッファして、デジタル信号をアナログ信号に変換し、これが最後の伝送装置、図6を参照、内で、ローカル・アクセスラインに入力されるようになっている。
図7Bには、ATU−Cトランスミッタが略図で示されている。ATMソース数は、ULCデータレートが低いことに応じて比較的僅かとなっているために、マルチプレックス装置は、よりシンプルな構造のものでもかまわない。TOでは、ULCz=1〜32だけが割り振られるが、これが、E/Gの、ATU−Rに対して相応に低減された32チャンネル用のパラメータ・セットに反映されている。逆フーリエ変換に必要な計算性能も僅かとなり、シフトレジスタは、例えば短めにレイアウトされたものであってもかまわない。
その手順は、例えば標準規格ITU−T、G.992.1の、ダウンロードについては第7.7章に、アップロードについては第8.7章に説明されている。そこでは初期化手続のトレーニング・フェーズの間に、それぞれのチャンネルの伝送パラメータが受信機において計算されて、送信機に伝送されるようになっている。
これらのパラメータは、両方のモデムの当該周波数に関連付けて、PaSのテーブル内に記憶されるようになっている。初期化手続については、例えばITU−T、G.992.1の第10章に、パラメータ交換に関する記載とあわせて説明されている。
ITU−T、G.992.3に準拠したADSL2プラスは、この方式ではより多くのチャンネルや、さらに別の技術的可能性が提供されるために、比較的複雑なものとなっている。これに対応したトランスミッタの、図7と比較した相違点は、各機能ブロックの概要図にあるのではなく、様々なブロックのコンフィギュレーションが可能な伝送パラメータの個数にある。すなわち、例えばここでは帯域幅を動的に適合可能であるために、ほかにもマルチプレックス装置MSCおよびパラレル/シリーズ・コンバータのコンフィギュレーションが可能となる。それ以外にも、いわゆるレイテンシ・パス(Latency path)機能のコンフィギュレーションが可能となるが、これは特にDSLフレーム構造の内部で、極めてタイムクリティカルな伝送を担当するものであって、図7の内部では、それほど重要ではない細部として、スクランブリング機能(SC)と一まとめにされている。
現行の技術では、ADSLモデムのほぼ全てのコンポーネント、図6を参照、が、単一の集積回路内に、または、あまり集積することができない複数の回路内に、複数の補助的なインターフェース機能と一緒に集積されている。その際には、上記で個々の機能ブロックとして説明した、可能な限り多くのADSL機能が、一つのプログラム制御式高速型シグナル・プロセッサの内部に統合されるようになっている。ソフトウェアを利用した解決策によって、メーカは、一方では可能な限り小数の、ロット数が高いコンポーネントに限定することで、開発プロセスを加速化することが可能となり、他方では、早い段階で、標準規格がまだ最終的には成立していない、製品が機能面ではまだ不完全な、いずれにせよテストが十分には行われておらず、なおも誤りがある時点に、市場に導入することが可能となる。ソフトウェアをダウンロードすることにより、それぞれのモジュールには、インターネットから更新ソフトウェアならびに拡張ソフトウェアが後からインストールされることになる。
この可能性は、本発明に従った方法にとっても同様に重要であり、それにより、本発明に従った追加ソフトウェアないしは更新ソフトウェアによる、既存のモデムのアップデートが可能となる。
ADSL2プラスの仕様明細であるITU−T、G.992.3は、第10章の動的挙動(Dynamic Behaviour)において、何よりも特にオンライン回線再構成(OLR:on-line-reconfiguration)を想定している。この動作方式により、動的な回線再構成、すなわち処理実行中の様々な伝送パラメータの適合化が可能となる。この方法の背景事情として、特に、多数の伝送チャンネルのための、すなわち帯域幅による、送信出力の増大とあわせ、デジタル・シグナル・プロセッサに必要とされる膨大な計算性能を理由とする、(特にDSLAM内で)必要となる高い電力損失、ならびに、同じケーブル内での様々な高周波伝送方式の相互影響を挙げられるが、これらの問題は、顧客の受容性が高くなるほど、すなわち同じケーブル内の伝送リンクの数が増えるほど、深刻化している。これについては、この方法によって、伝送しなければならない、または伝送すべきであるデータ量が少なく、それに伴い消費電流が少なくてノイズの影響が小さく、時間がかかる同期化のやり直しを不要として、必要時には起動できる場合には、処理実行中に所定のプロファイルの伝送容量を低減することが可能となる。当然ながらこの方法により、同じケーブル内で動的なノイズプロファイルの増大がもたらされることになるために、伝送特性の動的適合化は非常に重要である。
このOLR方式には特に、それぞれの増幅パラメータを用いて符号化されるビット数の、固有伝送周波数の動的回線特性に従属した設定を可能とする、ビット・スワッピング(BS:Bit Swapping)のほかにも、様々なアプリケーションのために必要とされる、例えば伝播時間に高度の要求が課せられる音声伝送のために必要とされる、特にデータ伝送時に様々な潜伏期を成立させるために、ADSL伝送方式のフレーム構造ないしはマルチプレックス特性を変更するように構成された、動的データレート再配分(DRR:Dynamic Rate Repartitioning)、ならびに、シームレス・データレート調整(SRA:Seamless Rate Adaptation)が含まれている。SRAは、伝送チャンネル数の低減によりデータレートを修正するように構成されている。これを実現するために、変調方式、チャンネル数、およびフレーム構造/マルチプレックス方式が変更されるようになっている。それに加えてさらに、もはや利用されないチャンネルの内部で、同期化信号が送信されるようになっているが、これは、ITU−T、G.992.1に従ったADSLでは不可能であった。そこではそれぞれのチャンネルが、必要時には同期化により、遅れて起動できるようになっている。
G.993.2に従ったVDSL2において、最大350mまでの距離にわたり高いデータレートを使用に供すことができるようにするために、VSDL2周波数スペクトルは12MHzから30MHzに拡大され、伝送出力は20dBmに増大され、さらにエコー消去技術が導入された。この場合は当然ながらノイズの影響が増大する。そこでは高性能チップ・セットが、DSLAM内で最大48フルレートVDSL2ポートの2チップ・バリエーションとして動作することができる。もっともいずれにせよこのパッケージ密度では、SRA、DRR等のフレキシブルなフレーミングとオンライン再構成が不可欠となる。この複雑度と、ノイズの影響の様々な可能性から、多くの用途において利用可能なデータレートは、ネットワーク・オペレータにより提供される理論上の上限値よりも大幅に低くなることを覚悟しなければならない。最新の研究は、顧客数の増加に伴い種類が増えている、同じケーブル内の様々なVDSL2伝送方式の相互干渉に向けられており、例えば様々な戦略を結合することによって、ケーブル内の相互干渉の低減を図っている。
ADSL2の場合は、相互に影響し合う複数の伝送線路が、それぞれ伝送速度を上げたり下げたりしながら自動的に調整されると、それぞれの帯域幅に相互干渉による振動挙動を生じることになるかもしれない。
特にDSLAM内の消費電力を低減するとともに、ノイズを回避するために、様々な戦略、特にSRAによるデータレートの適合化、ならびに斬新なスタンバイ・モードおよびスリープ・モードが知られている。ほかにも、同じケーブル内で隣接する異なるADSL接続方式間に相互干渉が生じると、帯域幅が低減される、アダプティブ・帯域幅を使用することも知られている。1.1MHz未満の低い周波数帯域を遮断する可能性も、これと同じ方向を目指したものである。この対策により特に、北米になおも数多く存在しているCAP標準規格の隣接する旧式ADSL接続方式に高いADSL2信号レベルが与える影響、およびその逆が回避されることになる。
ADSL2は、伝送用の様々な論理チャンネルまたは物理チャンネルにより、サービスの最適化を実現している。例えばオプションCVoDSL(Channelized Voice over DSL:DSL回線を利用したチャネライズド音声通信方式)により、音声通信用に利用される別個の伝送チャンネルが提供されている。その原因は、IPパケットの伝播時間の条件の違いにあるが、というのもIP方式は、基本的に音声伝送に関して、適性に劣っているからである。デジタル音声伝送では、ドロップアウトやエコーを回避するために、標本値の連続時間伝送が要求される。
伝送レベルの増大、低下する到達レンジ、ガラスファイバリンクによる銅線の不可欠な置換、増大した相互干渉の影響、スタンバイ/スリープ方式、ならびにOLR方式であるBS、DRRおよびSRA、周波数帯域の遮断、およびその他の対策は、伝送帯域幅および物理的限界に対する高度の要求により生じる、技術面でのコストアップを代表するものである。このため、要求されるアップロード・データレートの増大の解決策として、より高価値のADSL技術を選択しても、それが技術的にも経済的にも最良の解決策であるとは限られていないことになる。
供用されている様々なADSL伝送方式では、可用性に劣る高価なVDSL2方式を別として、アップロード・データレートの増大をもたらす可能性は皆無であることが明らかになった。少なからぬADSL技術で、複数の伝送プロファイルを選択により使用することはネットワーク・オペレータの裁量に任されていることからも、基本的には一つのモデムを様々な適用ケースで使用できるようになっている。しかしいずれにせよアップロード・データレートを増大する場合には、これまでに、供用されている技術のトータル帯域幅はそのままで、ULCだけを増大させるプロファイルが何一つとして標準化されていないという現状から、ユーザは、一段と高いアップロード・データレートを、これが、ローカルループ・エリアにおいてとにもかくにも技術的に供用されていたらの話であるが、同様に一段と高い、場合によっては使用されないこともあるダウンロード・データレートとあわせて、購入しなければならない点で、不利である。チャンネル数を動的に低減するSRAは知られてはいるが、これはいずれにせよ、伝送状態を様々な動的ノイズ基準に適合化させるために利用されるものである。これに対して、DLCのULCへの転用またはその逆が行われる、処理実行中の動的なプロファイルの切換えは、これまでに開示されていない。
本発明により、特にADSL、ADSL2、ADSL2プラス、およびVDSL等のADSL接続方式において、変調方式、ソース符号化、およびコード・リダクション等の、それぞれの技術伝送方式の変更が余儀なくされることなく、任意のDSL技術のそれぞれのトータル帯域幅の拡大を不要として、一段と増大されたアップロード・データレートがもたらされることになる。これは、いずれかのADSL標準規格の枠内で規定されている、例えば4kbpsまたは4.3125kbps等の複数の伝送チャンネルを、それぞれ個別に、または選択によりグループ毎に、またはその代わりにこの標準規格の枠内に時々規定されている周波数バンドないしはチャンネル・バンドに従って、選択によりダウンロード・チャンネル(DLC)またはアップロード・チャンネル(ULC)として使用できるようにし、それにより、通信し合う両方のモデムのコンフィギュレーションを適切に行うことによって、一段と高レートであるULCが、DLCの数を同時に低減しながら、使用に供されるようにすることにより、達成される。
その場合には、それぞれの方式間の選択による切換えが、処理実行中に動的に行われることが好ましい。そのためには、少なくともDSLモデムのトランスミッタおよび受信機、ならびにSARコントローラ、マルチプレクサ、および必要な場合は装置インターフェースおよびメディア・アクセス・コントローラを、それぞれ対応する帯域幅に応じて適宜修正することによって、それぞれの最大伝送帯域幅での処理を可能とするとともに、DLCトラフィックについても、またULCトラフィックについても、全ての伝送パラメータおよびモデム・コンフィギュレーション・パラメータが同時に記録されるように、当該するそれぞれのパラメータ・ストレージが一緒にレイアウトされるようにして、さらにその際には、相応のパラメータ・セットの選択が、モデム間で取り決められた動作方式により行われるようにするとよい。
図5、7および8には、様々な方法が示されている。図5に略図で示されている、それぞれの伝送チャンネルULCおよびDLCの割当て方式が固定されていたこれまでの方法と比較して、図8に示される本発明に従って修正された方法には、図に符号UUDC(Universal Upload/Download Channel:汎用型アップロード/ダウンロード・チャンネル)で示されている、選択により全てを、またはその代わりに一部を、またはほかにも個別に、一方または他方の方向に利用できるようになっている、両方のデータ方向に利用可能な汎用型チャンネルが備えられている。
DSLプロトコル・トラフィックでは、逆方向への肯定応答等も必要とされるために、特にそれぞれ一方の優先方向だけに全てのチャンネルを完全に利用することは、有益ではない。しかしながらチャンネル数は、オプションとして必要時には逆方向の帯域幅にとり有利となるように、可能な限り最小限まで減らされるようにするとよい。
この方法の非常に好ましい実施態様である、扱い易い変形例により、既存の伝送チャンネルの反対方向への逆利用が可能となる。例えば標準規格ITU−T、G.992,1、G.992.3に準拠した、ITU−T、G.992.5付録Bに規定された拡張帯域幅を併せ持つISDN回線を利用したADSL(図7B)では、ULC=32チャンネル(各138kbpsのチャンネルの数z=32)のアップリンク・データリンクとあわせ、図7Aに示される最大196+256(各1.9Mbpsのチャンネルの数z=446)を利用することができる一方で、図7Dでは、逆方向の利用で最大1.9MbpsのULCが、図7Cでは、138kbpsのDLCが可能となっている。
この方法は、非常に分かりやすく、様々なDSL方式で実行することができるが、以下の本文ではこれをDRP−ADSL(Dynamic Reverse Profile ADSL:ダイナミック・リバース・プロファイルADSL)と呼ぶ。
原則的にADSL2+に適用した場合は、任意の配分方式により全部で2.38Mbpsの合計伝送速度を実現可能であり、またその際にはほかにもオプションとして、例えばダウンロードに負荷がかかるトラフィック、アップロードに負荷がかかるトラフィック、ならびに例えばビデオまたは音声通信の用途における対称なトラフィックのために、様々な動的または静的プロファイルを実現することができる。
通信し合うそれぞれのモデム内に一つまたは複数の代替伝送プロファイルが保存されている場合は、方式間を切り換えるために、一つの制御シーケンスだけで足りるようになる。伝送プロファイルの選択および起動は、選択によりネットワーク・オペレータまたは顧客のいずれかの指令により行われるようにするとよいが、これについては、ネットワーク・オペレータにより、ハードウェア/ソフトウェアを実行する際の、使用されるプロファイルおよび/または切換えの可能性について、一定の制限が予め設けられるようにするとよい。加入者側では、選択により、手動によるプロファイルの切換え、すなわち利用者の指令による切換え、または自動的な切換え、すなわちモデムのオペレーティング・ソフトウェアによる、またはアプリケーション・ソフトウェアによる切換えの可能性が考えられるが、後者の場合は、例えば現在のオンライン動作挙動および動員されているサービス内容に応じて、両方の通信方向のリアルタイム挙動および/またはデータ・トラフィックの自動評価を実行して、所定の優先順位および/または方法規則に基づいて、予め定められた複数の伝送プロファイルの内の一つを自動的に選択するという方法によって、実行中のアプリケーションに応じて、すなわちダウンロードであるのか、アップロードであるのか、それとも音声通話中であるのか等に応じて、それぞれのケースに特有の方式で、自動的に切換えが決定されるようにするとよい。上述の手順は、常時、または一時的に、あるいは、ハードウェアのスイッチを入れる際、または新しいソフトウェアをインストールする際、または通信挙動を変更する際、例えば新しいプログラムやドラバーをインストールする際に一回だけ、実行されるようにするとよい。
本発明に従った方法により、既存のDSL方式のチャンネル数も、また符号化方式等も、変更されることはないために、技術コストは、既存のDSL方式と比肩し得る程度にとどまることになる。ハードウェア一式をまるごと実現する場合は、図7に示される、さらに追加される伝送の可能性を処理するために必要なコンポーネント一式を実現しなければならない。それに加えてさらに、今ではULCにおいてもDLCと同様に、たとえ選択されたときだけに使用されるに過ぎないとしても、最大帯域幅が留保されなければならないために、必要に応じてATM−SARが拡張されることになる。これとは逆に、高速デジタル・シグナル・プロセッサDSPを実装して構成されるとともに、プログラム制御装置を利用できるようにすることが好ましいDSLモデムについては、合計計算性能が、伝送方向ではなくトータル帯域幅に応じて決まることから、ハードウェア手段の追加を不要として、本発明に従った方法により拡張できるようになっている。これらのモデムには、相応に修正されたプロセス・コントローラが実装されるとよいが、その場合はいずれにせよ、コンフィギュレーション・ストレージおよびパラメータ・ストレージPaS用に、複数のストレージが追加されて使用に供されなければならない。装置によっては、安全のために工場出荷時点で既に余剰ストレージが備えられているものも多くあるが、ソケット式ストレージ・モジュールについては、現場で装置に後付けされるものもある。
さらにまた別の代替となる実現変形例では、拡張PaSが放棄されており、伝送方式の切換え後には、トレーニング・フェーズの初期化がその都度やり直されるようになっている。特にモデムに限られたパラメータ・ストレージPaSが実装されているADSL2プラスについては、そこでは特に多岐にわたるパラメータ・リストが必要とされ、回路が好適にもDSP技術によりプログラム制御装置を備えてレイアウトされており(商品引渡し前の標準規格は、なおも不完全である)、さらに初期化のやり直しを数秒以内に実行可能である(Fast Startup:高速起動)ことからも、この方法は興味深いかもしれない。それにより特に個人顧客は、本発明に従ったADSL伝送方式が、自らが所有するモデムにコスト面でニュートラルに導入されることになるために、得をすることになり、動的な切り換えの放棄をものともせずに済むかもしれない。
高くて対称なデータレートが常時必要とされるのであれば、ほかにもオプションとして、それぞれが一つのADSLモデムを有する少なくとも二つのADSL回線を並列に組み合わせて一つのマルチパス・ルータに接続して動作させるとよい、図9を参照、が、そこでは少なくとも一方のADSLリンクが、本発明に従ったDRP−ADSLモードで動作されるようになっている。この方法では、双方向で、DSL1000製品ではそれぞれ1.152Mbpsを、DSL2000ではそれぞれ2,240Mbpsを、DSL6000ではそれぞれ6,592Mpbsを、さらにDSL16000ではそれぞれ17,1024Mbpsを使用に供することができる。コスト比較においても、それによりかなりの節減がもたらされることになる。モデムが両方ともDRP−ADSLモードで動作される場合は、その代わりにそれぞれに最大で次のデータレートが成立する:2×ULC/DLC式DSL1000=2048kbps、2×ULC/DLC式DSL2000=4098kbps、2×ULC/DLC式DSL6000=12,032kbps、2×ULC/DLC式DSL16,000=32,000kbps。
従って本発明の主意においては、可変アップロード・ビットレート/ダウンロード・ビットレートを持つ、アプリケーションに固有の方式で動的なプロファイル切換えが行われるDSL方式、略してVUDB−DSLが提案されるのであるが、これは、例えばADSL、ADSL2、ADSL2プラス、VDSL等、将来または既存のDSL方式を、それぞれのトータル帯域幅、ならびに固有の変調方式および符号化方式をそのまま維持した上で、本発明に従った方法により修正することによって、ともすれば通常の標準規格に従ってアップロード・トラフィックULCまたはダウンロード・トラフィックDLC用として、予定されている/備えられるようになっている、複数の単方向の伝送チャンネルないしは周波数帯域を、今後は本発明に従って、その一部または好ましくは全てを、汎用型ULC/DLCデータ・チャンネル(UUDC:Universal Upload Download Channel)として、すなわち汎用型の周波数帯域として、選択により、個々の伝送チャンネルないしは伝送周波数、チャンネルグループないしは周波数グループ、または全チャンネル・バンドないしは全周波数バンドとして、好ましくは処理実行中のトラフィックにおいて、アップロード・トラフィックまたはダウンロード・トラフィックのために動的に切り換えることができるようにしたものである、図8を参照。そこではそれぞれのモデム内に、いずれの方向についても、それぞれの最大データ伝送速度に関して、機能面での前提条件が整備されていなければならないが、これは、選択により、ハードウェアにより実現されるか、またはその代わりに、高速デジタル・シグナル・プロセッサおよび相応のプログラム制御装置を利用して、あるいは選択により両者を組み合わせて、実現されるようにするとよい。
これらの拡張機能は特に、ATM/SDHインターフェース用の修正後のSARコントローラ内、図6を参照、ならびに特にトランスミッタ(送信機)およびレシーバ(受信機)の拡張モデム・コンポーネント内に備えられている。上述の修正は、トランスミッタ側では、少なくとも機能ユニットIDFTおよびOPSB(Output Parallel/Serial Converter&Buffer:出力パラレル/シリーズ・コンバータ&バッファ)、ならびにパラメータへのビットの割り当ておよびB&G(伝送パラメータ)、ならびに特に拡張ストレージの可能性に関するものであるが、このストレージの拡張の可能性については、チャンネルの利用方式の複雑化に対応して、今後は同様に多岐にわたることになる伝送パラメータおよびコンフィギュレーション・パラメータのために必要となるものであって、例えばいずれの方向とも全てのチャンネルを汎用型として利用できるようにした場合は、容量の倍増が想定されるとよい。
汎用型アップロード/ダウンロード・チャンネルとアプリケーション特有の動的プロファイル切換えシステムが備えられたDSL方式である場合は、ほかにもさらにオプションとして、選択によりDLCまたはULCとして使用される全てのチャンネルが、いずれの伝送方向についても、当該トレーニング・フェーズの間に測定されて、当該伝送パラメータ、特にチャンネル固有の減衰パラメータ、変調パラメータおよび増幅パラメータが、後の使用のためにPaSに保存されるように、通常の手順に対してモデムの初期化フェーズが最適に拡張されるようにするとよく、それにより、処理実行中の異なる伝送プロファイル間の遅延時間のない切換えが可能となる。
本発明に従ったDSL方式では、それぞれの伝送プロファイル間の切換えがネット側(ネットワーク・オペレータ)で、または選択により加入者側(顧客)で、いずれも手動により、または選択により自動的に行われるようにするとよいが、これについては、好ましい実施態様の一例においては、加入者側のプロファイル切換えが、例えばオペレーティング・ソフトウェアまたはアプリケーション・ソフトウェァにより自動的に開始されることが予定されている。その際にこのプロファイル切換えは、実行中の通信タスクに目を向けて行われることになる。両方のトラフィック方向のリアルタイム挙動および/またはデータ・トラフィックが自動的に評価され、それに応じて所定の優先順位および/または方法規則に基づき最適ULC/DLCチャンネル分割方式が自動的に選択されるようになっている。この手順は、常時または一時的に、あるいは、ハードウェアのスイッチをオンにする際、または新しいソフトウェアをインストールする際、または選択により加入者の通信挙動を動的に変更する際に、例えばほかにも新しいプログラムまたはドライバをインストールする場合に、あるいは、ダウンロード、アップロード、ないしは音声通話等の用途が生じた場合に、一回だけ起動される、または実行されるようにするとよい。
それ以外にも、チャンネルを分割する可能性が、確定済みの有意なプロファイルだけへの分割に限定されるようにして、その切換えが、関与しているモデム間の短い命令シーケンスにより行われるようにするとよい。その場合は技術的に簡単な方法として、アップロード周波数バンドとダウンロード周波数バンドとを、POTSチャンネルを維持したままで入れ替えてやるとよいが、これは、DRP−ADSL(Dynamic Reverse Profile ADSL:ダイナミック・リバース・プロファイルADSL)と呼べるものである。この方法では、通常のDLCに負荷のかかるADSL伝送プロファイル(HDP:High Download Profile(高速ダウンロード・プロファイル))、ならびに本発明に従った反対方向のULCに負荷のかかるプロファイル(HUP:High Upload Profile(高速アップロード・プロファイル))が使用されるが、両者間の切換えは、簡単な方法で動的に行うことができるようになっており、またオプションとして、例えば、音声通話やビデオ通話のためや、ピア・ツー・ピア方式でコンピュータを結合するため等に、対称型のプロファイル(SP:Symmetrical Profile)を備えて拡充することもできる。
それぞれのモデム内に予め備えられる、両方の伝送方向に関する全ての伝送パラメータおよびコンフィギュレーション・パラメータについては、例えばこれを放棄することによってコスト面や後付け性の面で長所がもたらされるのであれば、オプションとしてこれを放棄することもできるが、この場合は上述の手順に際して、プロファイルまたはチャンネルを切り換える都度、当該パラメータが、回線特性のテストを通じてそれぞれ算出し直されることになるか、またはその代わりに、加入者側および/またはネットワーク側の外部記憶装置からロードされることになる。
ここに提案される方法の場合は、オプションとして、ネットワーク・オペレータの伝送/交換ネットワークの任意の地点、複数のネットワーク・オペレータ間の任意の地点、ならびにインターネット・バックボーンの任意の地点に配置されるネットワーク・ノードおよび交換装置の内部に、帯域幅の動的な分割方式を両トラフィック方向とも最適に導入可能である点で非常に有利であり、それにより様々なトラフィック挙動に動的に応答することができる、すなわち、少なくとも一方のトラフィック方向のために、コストのかさむ過剰容量を予め手当てする必要なく、トラフィック量に対する伝送経路のアダプティブ・マッチングが可能となる。
それ以外にも本発明の特段の長所は、高レートのアップロード・トラフィックまたは高レートの対称なトラフィックを実現するために、少なくとも一つの負荷分割方式のマルチパス・ルータにDSLリンクが接続されている、複数の、しかし少なくとも二つのDSLモデムを使用することができる点にある、図9を参照、が、そこでは少なくとも一つのDSLリンクが、本発明に従ったVUDB−ADSL方式ないしはDRP−ADSL方式で動作されるようになっている。
要約すると、本発明は、特に別々に切り離されているDMT技術のアップロード・チャンネルおよびダウンロード・チャンネルないしは周波数バンドが使用に供されている様々なADSL接続方式において、随意選択によりいずれのトラフィック方向にも利用することができる汎用型のアップロード/ダウンロード・チャンネルUUDC(Universal Upload Download Channel)を企図したものである。チャンネルおよびトラフィック方向の選択と切換えは、処理実行中に動的に、実行中のアプリケーションおよびトラフィックの当該所要量に応じて、すなわち、インターネットからのダウンロードであるのか、メールのアップロードであるのか、音声通話であるのか、ビデオ会議であるのか、IP−TVであるのか等に応じて、好適にも自動的に行われるようになっている。非常に有利な変形例は、DRP−ADSL(Dynamic Reverse Profile ADSL:ダイナミック・リバース・プロファイルADSL)と呼べるものである。これは、伝送プロファイルHDP(High Download Profile:高速ダウンロード・プロファイル)、すなわち、ダウンロードが高速で、アップロードが低速で行われる通常のADSL方式に相当する伝送プロファイル、ならびに、反対方向の逆プロファイルであるHUP(High Upload Profile:高速アップロード・プロファイル)から成るが、伝送プロファイル間の切換えは、簡単な命令シーケンスを用いて行われるようにするとよい。例えば音声通話やビデオ通話のための、またはピア・ツー・ピア方式でコンピュータを結合するための対称なプロファイル(SP:Symmetric Profile)は、本発明を有意に補足するものである。
本発明に従った方法により、伝送リンクの利用状態を改善して、過剰容量を回避することができる。なぜなら、一方の方向へのトラフィック・ピークは、それぞれ他方の方向の未使用の伝送チャンネルを利用して、やり過ごされることになるからであって、未使用の伝送チャンネルは、これからは、この目的のために、その伝送方向に関して双方向で使用できるようになる。
MSC マルチプレクサ/シンクロナイザ/コントローラ
CRC 巡回冗長検査
SC スクランブリング/インターリービング
TO トーン・オーダリング
E/G エンコーダおよび増幅器
IDFT 逆離散フーリエ変換
OPSB 出力パラレル/シリーズ・コンバータおよびバッファ
DACP デジタル/アナログ・コンバータおよびアナログ処理装置
A、B、C、Zi ITU−T、G.992.1に規定された基準点
Bits チャンネル分割拡張方式
B&G 伝送パラメータ拡張方式
ATM 非同期伝送モード
SAR 分割・再組立コントローラ
MAC メディア・アクセス・コントローラ
PHY 物理的インターフェース
PrS プログラム・ストレージ
DaS データ・ストレージ
PaS パラメータ・ストレージ
USB ユニバーサル・シリアル・バス

Claims (16)

  1. 通信ネットワークまたはデータネットワークの内部のDSL接続方式、複数の通信ネットワークまたはデータネットワーク間のDSL接続方式、および通信ネットワークまたはデータネットワークに接続されるDSL接続方式のうちの少なくとも一つの、特に加入者側のモデムと交換局の遠隔端末との間のアップロード・データ伝送速度およびダウンロード・データ伝送速度を適合化する方法であって、データ伝送が、所定のトータル帯域幅を有し且つ複数の伝送チャンネルに分割される周波数帯域内で行われるようになっており、また、連続的若しくは任意に配置された複数の伝送チャンネルから成る第1のグループがアップロード・データ伝送用として、同様に連続的若しくは任意に配置された複数の伝送チャンネルから成る他のグループがダウンロード・データ伝送用として割り当てられており、両方のグループの伝送チャンネルの合計数が、データ伝送のために使用に供されている伝送チャンネルの総数と等しくなっている、方法において、
    前記両方のグループの伝送チャンネルの数を、前記トータル帯域幅を維持しながら、個別に必要とされるアップロード・データ伝送速度およびダウンロード・データ伝送速度の少なくとも一方に応じて変更することを特徴とする、方法。
  2. 複数の伝送チャンネルを前記第2グループから追加することにより、前記第1グループのアップロード・データ伝送速度を増大し、それと同時に、ダウンロード・チャンネルがその分減らされることにより、前記ダウンロード・データ伝送速度を低減することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記両方のグループの伝送チャンネルの数を入れ替えることにより、またはそれぞれの伝達方向を逆転することにより、前記適合化を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 対称なデータ伝送速度を得るために、前記両方のグループに同数の伝送チャンネルを割り当てることにより、前記適合化を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 対称なデータ伝送速度を得るために、前記両方のグループにそれぞれ必要とされる数の伝送チャンネルを割り当てることにより、前記適合化を行い、またその際にはそれぞれの伝送チャンネルの使用数を、個々の伝送チャンネルの個別伝送容量と関連付け、それぞれの伝送方向のトータル伝送容量を等しくすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 好ましいトラフィック・バリエーションの伝送チャンネルの数、配置方式、および利用方式について、少なくとも一つの伝送プロファイルにおいて定義すること、またその際には前記アップロード伝送速度およびダウンロード伝送速度の適合化を、第1の伝送プロファイルから他の伝送プロファイルに切り換えることにより行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 予め定義された複数の伝送プロファイルがモデム内に保存されており、前記切換えを、制御シーケンスを交換することにより行うことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 所定の優先順位と方法規則の少なくとも一方に基づいて、前記各伝送プロファイルの内の一つを選択することを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記アップロード・データ伝送速度の適合化を、処理実行中に動的に行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記アップロード・データ伝送速度の適合化を、加入者側で、モデムのオペレーティング・ソフトウェアまたはユーザのアプリケーション・ソフトウェアにより、特にユーザのコンピュータのオペレーティングシステム、アプリケーション・ソフトウェア、またはドライバによって、またはデータ端末装置側によって、自動的に行うこと、または、ネットワーク側でネットワーク・オペレータにより行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 両方のトラフィック方向でのデータ伝送のリアルタイム挙動とデータ・ロードの少なくとも一方の評価を実行して、この評価結果に応じて前記アップロード・データ伝送速度を適合化することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記データ伝送のリアルタイム挙動とデータ・ロードの少なくとも一方の評価を、常時または一時的に行うことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記アップロード・データ伝送速度の適合化を、アプリケーション・ソフトウェアの起動時、アプリケーション・ソフトウェアの終了時、前記アプリケーション・ソフトウェアの適用時およびドライバの適用時の少なくともいずれかに行うことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記モデムの初期化フェーズの内で、両方の伝送方向にて双方向に使用可能な伝送チャンネルをそれぞれ測定して、それに基づいて算出された伝送パラメータを少なくとも一つのモデムに保存することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 伝送パラメータとして、チャンネル固有の減衰パラメータ、変調パラメータ、および増幅パラメータの少なくとも一つを測定することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. トータル帯域幅が限定されている既存の物理的伝送媒体における既存の広帯域のボトルネック問題を、特にケーブル接続若しくは無線接続にて、等化できるように、または両方向での伝送リンクが、それぞれの方向の最大限可能なトラフィック量にしたがってレイアウトされるようになっている従来のやり方(これは特にデータリンクにおいて生じるが遺憾ながら一般に単方向でしか行われない)に比べて、インフラストラクチャでの節減効果を達成することができるように、両トラフィック方向でのトラフィックロードに応じた伝送チャンネルの帯域幅の自動適合化を、特に複数の通信ネットワークの内で、例えば複数のネットワーク・ノード間で用いることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
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